JP5827020B2 - 高耐圧半導体装置 - Google Patents
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1.実施形態1に係る高耐圧半導体装置100の構成
図1は、実施形態1に係る高耐圧半導体装置100を説明するために示す図である。図1(a)は高耐圧半導体装置100の平面図であり、図1(b)は図1(a)におけるA−A断面図である。なお、図1(a)においては、絶縁層124は図示を省略している。また、第1電極層128は半透明に表している。
図2〜図4は、実施形態1に係る高耐圧半導体装置100を製造する方法を説明するために示す図である。図2(a)〜図2(c)、図3(a)〜図3(c)及び図4(a)〜図4(c)は各工程図である。
n+型炭化珪素単結晶基板112(厚さ:350μm、不純物濃度:1×1019cm−3)の上面にn−型炭化珪素エピタキシャル層114(厚さ:13.5μm、不純物濃度:5×1015cm−3)が形成された半導体層110を準備する(図2(a)参照。)。
まず、半導体層110の表面を清浄化した後、半導体層110の表面に、リサーフ層116及び第2ガードリング層118に対応する部分に開口を有するマスクM1を形成する。このとき、高耐圧半導体装置100が完成したときに第2ガードリング層118が絶縁層124の外周近傍まで形成されるようにマスクM1を形成する。その後、当該マスクM1を介して、n−型炭化珪素エピタキシャル層114の所定部位にp型不純物イオン(例えば、アルミニウムイオン。)を、多段階に分けて、比較的高エネルギー量でかつ比較的少量打ち込んで、p型不純物イオン打ち込み領域115,117を形成する(図2(b)参照。)。その後、マスクM1を除去する。なお、第1のp型不純物イオン打ち込み工程においては、マスクM1の開口に薄いシリコン酸化膜などが存在する条件下で不純物イオンの打ち込みを行ってもよい。
次に、半導体層110の表面に、エッジターミネーション層120及び第1ガードリング層122に対応する部分に開口を有するマスクM2を形成する。その後、当該マスクM2を介してn−型炭化珪素エピタキシャル層114の所定部位にp型不純物イオン(例えば、アルミニウムイオン。)を、多段階に分けて、第1のp型不純物イオン打ち込み工程におけるよりも低エネルギー量でかつ多量打ち込んで、p型不純物イオン打ち込み領域119,121を形成する(図2(c)参照。)。その後、マスクM2を除去する。なお、第2の不純物イオン打ち込み工程においては、マスクM2の開口に薄いシリコン酸化膜などが存在する条件下で不純物イオンの打ち込みを行ってもよい。
次に、半導体層110の表面に保護レジスト層(図示せず。)を形成した後、当該保護レジスト層を炭化してグラファイトマスクM3を形成する(図3(a)参照。)。その後、半導体層110を1600℃以上の温度に加熱することによりp型不純物の活性化を行って、リサーフ層116及び第2ガードリング層118並びにエッジターミネーション層120及び第1ガードリング層122を形成する(図3(b)参照。)。その後、グラファイトマスクM3を除去する。
次に、半導体層110の表面全面に、絶縁膜124を形成する(図3(c)参照。)。
次に、半導体層110の裏面に、金属層(例えば、ニッケル層)を形成した後、半導体層110を1000℃以上の温度に加熱することにより裏面オーミック層130aを形成する(図4(a)参照。)。
次に、図示しないマスクM4を用いて、第1電極層128に対応する部分の絶縁膜124を除去した後、マスクM4を除去する。
その後、図示しないマスクM5を用いて、半導体層110の表面の一部及び絶縁層124の表面に、チタン層を形成した後、半導体層110を500℃の温度に加熱することに第1電極層128を形成する。このとき、第1電極層128におけるフィールドプレート領域128aがエッジターミネーション層120の外側まで延在するように、第1電極層128を形成する。その後、マスクM5を除去する(図4(b)参照。)。
次に、裏面オーミック層130aの表面に、チタン、ニッケル及び銀が積層された積層膜130bを形成することにより第2電極層130を形成する(図4(c)参照。)。
実施形態1に係る高耐圧半導体装置100によれば、第2ガードリング層118が絶縁層124の外周近傍まで形成されているため、また、リサーフ層116の外周側端部と絶縁層124の外周側端部との間隔d1に対する第2ガードリング層118が形成されている幅d2の割合が例えば80%以上あるため、気中における電界を十分に緩和させることが可能となり(後述する図8参照。)、終端領域の幅を十分長く取らなかった場合であっても、気中放電が起こり難くなり、所望の逆耐圧を得ることができる(後述する図6及び図7(a)参照。)。従って、実施形態1に係る高耐圧半導体装置100は、高耐圧半導体装置の大型化を招くことなく、従来の高耐圧半導体装置900の場合よりも「気中放電による逆耐圧の低下」を抑制することが可能な高耐圧半導体装置となる。
試験例は、実施形態1に係る高耐圧半導体装置100(第2ガードリング層118が絶縁層124の外周近傍まで形成されている高耐圧半導体装置)においては、高耐圧半導体装置の大型化を招くことなく、従来の高耐圧半導体装置900の場合よりも「気中放電による逆耐圧の低下」を抑制することが可能となることを示すための試験例である。
図9は、実施形態2に係る高耐圧半導体装置102を説明するために示す図である。
実施形態2に係る高耐圧半導体装置102は、基本的には実施形態1に係る高耐圧半導体装置100と同様の構成を有するが、図9に示すように、エッジターミネーション層120と第1電極層128との間に形成され、エッジターミネーション層120との間でオーミック接合を形成するオーミック層126をさらに備える点で実施形態1に係る高耐圧半導体装置100の場合とは異なる。
Claims (8)
- 炭化珪素からなる第1導電型の半導体層と、
前記半導体層の表面上の一部に形成された第1電極層と、
前記半導体層の裏面に形成された第2電極層と、
前記半導体層の表面における、前記第1電極層の端部と重なる位置に形成された第2導電型リサーフ層と、
前記リサーフ層の内部における、前記第1電極層のうち前記半導体層の表面と接する部分の端部と重なる位置に形成された第2導電型のエッジターミネーション層と、
前記リサーフ層の内部における、前記エッジターミネーション層の周囲を離間して囲む位置に形成され、前記エッジターミネーション層と同程度の不純物濃度を有する第2導電型の第1ガードリング層と、
前記半導体層の表面における、前記リサーフ層の周囲を離間して囲む位置に形成され、前記リサーフ層と同程度の不純物濃度を有する複数の第2導電型の第2ガードリング層と、
前記半導体層の表面上において前記第1電極層を取り囲む領域に形成された絶縁層とを備え、
前記第2ガードリング層は、20本以上形成されており、
前記複数の第2ガードリング層のうち隣接する2つの第2ガードリング層の間隙が5μm以下であり、
前記リサーフ層の外周側端部と前記絶縁層の外周側端部との間隔d1が200μm〜800μmの範囲内にあり、かつ、前記第2ガードリング層が形成されている幅d2が160μm〜640μmの範囲内にあり、
前記間隔d1に対する前記複数の第2ガードリング層のうち最外周の第2ガードリング層と前記絶縁層の外周側端部との間隔d3の割合が10%以下であるとともに、前記間隔d1に対する前記幅d2の割合が80%以上であることを特徴とする高耐圧半導体装置。 - 請求項1に記載の高耐圧半導体装置において、
前記高耐圧半導体装置は、ショットキーバリアダイオードであり、
前記第1電極層は、前記半導体層との間でショットキー接合を形成するバリアメタルからなることを特徴とする高耐圧半導体装置。 - 請求項2に記載の高耐圧半導体装置において、
前記エッジターミネーション層と前記第1電極層との間に形成され、前記エッジターミネーション層との間でオーミック接合を形成するオーミック層をさらに備えることを特徴とする高耐圧半導体装置。 - 請求項1に記載の高耐圧半導体装置において、
前記高耐圧半導体装置は、pnダイオードであり、
前記リサーフ層に囲まれた領域においては、前記半導体層と前記第1電極との間に第2導電型の第2半導体層が配置されてなることを特徴とする高耐圧半導体装置。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の高耐圧半導体装置において、
前記半導体層の表面に形成され、前記第2ガードリング層の周囲を離間して囲むように配置された第1導電型のチャネルストッパ層と、
前記チャネルストッパ層上に形成され、前記第2電極と電気的に接続された第3電極とをさらに備えることを特徴とする高耐圧半導体装置。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の高耐圧半導体装置において、
前記第1電極層は、前記半導体層との間に絶縁層を介して設けられたフィールドプレート領域を有することを特徴とする高耐圧半導体装置。 - 請求項6に記載の高耐圧半導体装置において、
前記フィールドプレート領域は、前記エッジターミネーション層の外側まで延在していることを特徴とする高耐圧半導体装置。 - 請求項7に記載の高耐圧半導体装置において、
前記フィールドプレート領域は、前記リサーフ層の外側まで延在していることを特徴とする高耐圧半導体装置。
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