JP5820482B2 - 光ファイバ接続用ユニット、光ファイバ接続方法、及び光ファイバ接続ユニット用保持部材 - Google Patents

光ファイバ接続用ユニット、光ファイバ接続方法、及び光ファイバ接続ユニット用保持部材 Download PDF

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Description

本発明は、光ファイバ同士の接続に用いることができる光ファイバ接続用ユニット、それを用いた光ファイバ接続方法、及び光ファイバ接続ユニット用保持部材に関する。
本願は、2011年9月8日に、日本に出願された特願2011−196353号、2011年10月14日に、日本に出願された特願2011−227447号、2011年10月14日に、日本に出願された特願2011−227448号、及び2011年11月17日に、日本に出願された特願2011−251566号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
特許文献1には、光ファイバケーブル(光ケーブル)端末に露出させた光ファイバ同士を接続するメカニカルスプライス(光ファイバ接続器)と、このメカニカルスプライスを用いて接続されたそれぞれの光ファイバケーブルをメカニカルスプライスの両端に組み付ける光ファイバ接続用治具とで構成される光ファイバ接続ユニットが開示されている。
また、光ファイバケーブル端末に露出させた光ファイバ同士をメカニカルスプライスを用いて突き合わせ接続する作業にあっては、光ファイバ同士の突き当て時に、光ファイバケーブル端末とメカニカルスプライスとの間にて光ファイバに撓みが形成されるように、互いに突き合わせる各光ファイバの光ファイバケーブル端末からの突出長及びメカニカルスプライスに対する挿入長を調整する技術が知られている。この技術は、光ファイバケーブル端末とメカニカルスプライスとの間での光ファイバの撓み形成によって、光ファイバ同士の突き当てを確認するものである。
また、メカニカルスプライス(光ファイバ接続器)を用いて光ファイバケーブル(光ケーブル)端末に露出させた光ファイバ同士を接続する方法が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような光ファイバの接続方法の一つとして、光ファイバの突き合わせをより確実に行うために、メカニカルスプライスの両側で発生した撓みをそれぞれ指で押して、均等な撓みの大きさとなることを確認する接続方法がある。
さらに、従来、光ファイバケーブル(光ケーブル)端末に露出させた光ファイバ同士を接続するメカニカルスプライス(光ファイバ接続器)と、前記メカニカルスプライスで接続された光ファイバケーブルをメカニカルスプライスの両端にて把持する把持部とを備えた光ファイバ接続ユニットが用いられている(例えば、特許文献2、3を参照)。
光ファイバケーブルに対する大きな把持力が必要となる場合には、光ファイバ接続ユニットをクロージャやキャビネット等のケース体に収容し、その内部に設けられた固定治具で光ファイバケーブルを前記ケース体に固定する構造を採用できる。
特許文献4には、クランプ部(メカニカルスプライス)の素子間に割り入れて、素子間を光ファイバの挿脱を楽に行える程度に開放する板状の介挿部材を有する工具(光ファイバ接続用工具)が開示されている。この光ファイバ接続用工具は、素子間に割り入れた状態の介挿部材を素子間から抜き去る方向に移動するリング状の介挿部材駆動部を有する。
介挿部材は、介挿部材駆動部に形成された介挿部材用窓に通され、介挿部材駆動部における介挿部材用窓に対向する部分(可動端部)に取り付けられている。介挿部材用窓に通された介挿部材の先端部は、介挿部材駆動部の外側に突出し、クランプ部の素子間に割り入れられる。そして、この光ファイバ接続用工具では、介挿部材駆動部の両側から作用させた側圧によって介挿部材駆動部を変形させ、介挿部材用窓と可動端部との間の離隔距離を増大させて、クランプ部の素子間に割り入れた状態の介挿部材の先端部を前記素子間から抜き去ることができる。
特開2010−26166号公報 特開2010−145951号公報 特開2011−2646号公報 特開2005−99706号公報
本発明は、メカニカルスプライスを用いた光ファイバ同士の接続作業において、光ファイバ同士の突き当てをより確実に行うことができるようにするものである。
また、メカニカルスプライスの両側で発生した撓みをそれぞれ指で押して、均等な撓みの大きさとなることを確認する従来の光ファイバの接続方法では、均等な撓みの大きさを得るために、指で撓みを押して調整するというやや煩雑な作業が必要であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、メカニカルスプライスを用いて光ファイバを接続するにあたり、より簡単な作業により均等な撓みの大きさを得ることができる光ファイバの接続方法および光ファイバ接続用ユニットを提供することを課題とする。
さらに、光ファイバ接続ユニットをクロージャやキャビネット等のケース体に収容し、その内部に設けられた固定治具で光ファイバケーブルを前記ケース体に固定する構造では、前記光ファイバ接続ユニットを収容するためのクロージャ等には大きな設置スペースが必要となるという問題があった。また、前記クロージャ等は構造が複雑であるためコスト高騰を招くという問題もあった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、光ファイバケーブルの把持力を高め、かつ省スペース化および低コスト化が可能となる光ファイバ接続ユニット用保持部材を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、小型化が容易であり、特に、介挿片の抜き去り方向における工具の突出寸法をより一層縮小できるメカニカルスプライス用工具、工具付きメカニカルスプライスを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明では以下の構成を提供する。
本発明の第1態様である光ファイバ接続用ユニットは、光ファイバ同士を調心して半割りの素子の間に挟み込んで接続するメカニカルスプライスと、前記メカニカルスプライスを保持するスプライスホルダ部と、保持された前記メカニカルスプライスの両側のそれぞれで前記光ファイバに固定した引留用固定部材をそれぞれ案内する固定部材案内部と、前記固定部材案内部にそれぞれ案内されて前進した前記引留用固定部材をそれぞれ引留める引留部と、一方の前記固定部材案内部に案内されて前進する第1引留用固定部材に当接してその前進を規制し、かつ、前記第1引留用固定部材に当接可能な位置から退避可能に配置される第1のスペーサとを備え、前記第1引留用固定部材には、第1光ファイバを固定しており、前記第1引留用固定部材をその前進を規制する第1のスペーサに当接した状態で、前記メカニカルスプライスに前記第1光ファイバの先端を把持固定させた場合、前記第1のスペーサを退避させることによって前記第1引留用固定部材が前記メカニカルスプライスに向かって前進可能となり、前進した結果、前記第1光ファイバに、前記メカニカルスプライスと前記第1引留用固定部材との間で撓みが形成可能である
本発明の第1態様である光ファイバ接続用ユニットにおいては、前記光ファイバの一方光ファイバを挟み込む側で前記半割りの素子の間に介挿される介挿片を有する第1のスプライス用工具と、前記光ファイバの他方光ファイバを挟み込む側で前記半割りの素子の間に介挿される介挿片を有する第2のスプライス用工具とをさらに備え、前記第1のスプライス工具は、それに突設された突起として前記第1のスペーサをさらに備えることが好ましい。
本発明の第1態様である光ファイバ接続用ユニットにおいては、前記第1のスペーサが、一方の前記固定部材案内部を構成し前記引留用固定部材を収容して案内する壁部に開口された窓孔に挿入可能であり、前記窓孔から挿入され前記壁部内側に突出した前記第1のスペーサが、前記引留用固定部材に当接してその前進を規制することが好ましい。
本発明の第1態様である光ファイバ接続用ユニットにおいては、一方の前記固定部材案内部は、前記窓孔に挿入された前記スペーサを前記窓孔の前記メカニカルスプライス側の内壁に向かって押圧する押圧部を有することが好ましい。
本発明の第1態様である光ファイバ接続用ユニットにおいては、他方の前記固定部材案内部に案内されて前進する他方の前記引留用固定部材に当接してその前進を規制する退避可能に配置される第2のスペーサをさらに備えることが好ましい。
本発明の第1態様である光ファイバ接続用ユニットにおいては、前記引留部が、前記ユニットベースの幅方向に沿った軸線を以て回動可能に設けられ、回動によって、前記固定部材案内部に設けられた前記引留用固定部材にその後側から係合して前記引留用固定部材の後退を規制する後退規制位置と、前記引留用固定部材との接触を回避する待機位置とを切り換え可能なレバー部材であり、該レバー部材は、前記待機位置から回動して前記後退規制位置とする際に前記引留用固定部材後端に当接して回動に伴い前記引留用固定部材を前記メカニカルスプライスへ向かって前進させる固定部材押圧前進部を有することが好ましい。
本発明の第1態様である光ファイバ接続用ユニットにおいては、前記引留部が、前記ユニットベースの幅方向に沿った軸線を以て回動可能に設けられ、回動によって、前記固定部材案内部に設けられた前記引留用固定部材にその後側から係合して前記引留用固定部材の後退を規制する後退規制位置と、前記引留用固定部材との接触を回避する待機位置とを切り換え可能なレバー部材であり、前記ユニットベース長手方向一端部の前記レバー部材に、前記第1のスプライス用工具に当接して該レバー部材を前記待機位置に保つ回動規制用当接部が設けられていることが好ましい。
本発明の第2態様である光ファイバ接続方法は、光ファイバ同士を調心して半割りの素子の間に挟み込んで接続するメカニカルスプライス開放しておき、前記メカニカルスプライスの一端側から前記素子間に第1光ファイバを挿入し、該第1光ファイバに固定しておいた第1引留用固定部材をその前進を規制する第1のスペーサに当接した状態で、前記メカニカルスプライスの素子間に前記第1光ファイバを把持固定し、前記第1光ファイバの把持固定と同時あるいはそれ以後に、前記第1のスペーサを前記第1引留用固定部材に当接可能な位置から退避させ、その後、前記第1引留用固定部材を前記メカニカルスプライスに向かって前進させて、前記メカニカルスプライスと前記第1引留用固定部材との間にて前記第1光ファイバに撓みを形成した状態で、引留部を用いて前記第1引留用固定部材の前記メカニカルスプライスに対する後退を規制し、次いで、前記メカニカルスプライスの他端側から前記素子間に第2光ファイバを挿入してその先端を前記第1光ファイバ先端に突き合わせ、この突き合わせ状態を維持したまま、前記メカニカルスプライスの素子間に前記第2光ファイバを把持固定する。
本発明の第2態様である光ファイバ接続方法においては、前記第2光ファイバを前記メカニカルスプライスの素子間に挿入して前記第1光ファイバ先端に突き合わせる工程において、前記第2光ファイバに固定しておいた第2引留用固定部材をその前進を規制する第2のスペーサに当接して、前記第2引留用固定部材の前記メカニカルスプライスに対する前進を、前記第2光ファイバの前記第1光ファイバ先端に対する突き合わせが実現される位置で停止させ、次いで、第1、第2光ファイバの突き合わせ状態を維持したまま、前記メカニカルスプライスの他端部の素子間から介挿片を抜き去り、素子間に前記第2光ファイバを把持固定し、前記第2光ファイバの把持固定と同時あるいはそれ以後に、前記第2のスペーサを前記第2引留用固定部材に当接可能な位置から退避させ、その後、前記第2引留用固定部材を前記メカニカルスプライスに向かって前進させて、前記メカニカルスプライスと前記第2引留用固定部材との間にて前記第2光ファイバに撓みを形成した状態で、引留部を用いて前記第2引留用固定部材の前記メカニカルスプライスに対する後退を規制することが好ましい。
本発明の第3態様である光ファイバ接続用ユニットおよび光ファイバ接続ユニット用保持部材は、一対の光ファイバケーブルの端末から引き出された光ファイバ同士を突き合わせ接続する、本発明の第1態様の光ファイバ接続ユニットと、前記光ファイバ接続用ユニットを保持するユニット保持部と、前記ユニット保持部の長手方向両端側に、それぞれ前記ユニット保持部と一体に形成された保持部材側ケーブル固定部と、を備え、前記光ファイバ接続ユニットが、前記光ファイバ同士を突き合わせ接続した状態で挟み込むメカニカルスプライスを保持するスプライスホルダ部と、前記一対の光ファイバケーブルの端末にそれぞれに固定したユニット側ケーブル固定部と、を有し、前記保持部材側ケーブル固定部は、前記光ファイバ接続ユニットから延出した前記光ファイバケーブルを嵌め込むケーブル嵌合溝を有し、前記光ファイバケーブルを前記ケーブル嵌合溝内で把持して固定する。
本発明の第3態様である光ファイバ接続用ユニットおよび光ファイバ接続ユニット用保持部材においては、前記保持部材側ケーブル固定部は、前記ケーブル嵌合溝の互いに対向する内側面に、前記光ファイバケーブルを押さえつけて前記光ファイバケーブルを把持固定する1または複数の把持用突起がそれぞれ形成されていることが好ましい。
本発明の第3態様である光ファイバ接続用ユニットおよび光ファイバ接続ユニット用保持部材においては、前記複数の把持用突起は、前記光ファイバケーブル挿通方向に間隔をおいて形成されていることが好ましい。
本発明の第3態様である光ファイバ接続用ユニットおよび光ファイバ接続ユニット用保持部材においては、前記ユニット保持部は、細長板状の底板部と、前記底板部の両側縁部にそれぞれ立設された側板部とを備え、前記側板部間に前記光ファイバ接続ユニットを収容するユニット収容空間が形成され、前記側板部の少なくとも一方には、前記光ファイバ接続ユニットの幅方向移動を規制する規制凸部が形成されていることが好ましい。
本発明の第3態様である光ファイバ接続用ユニットおよび光ファイバ接続ユニット用保持部材においては、前記保持部材側ケーブル固定部は、前記ユニット保持部に保持された前記光ファイバ接続ユニットの長手方向移動を規制するストッパ壁部を有することが好ましい。
本発明によれば、接続対象の2本の光ファイバの一方(第1光ファイバ)をメカニカルスプライスの素子間に挿入して素子間に把持固定した後に、他方の光ファイバ(第2光ファイバ)をメカニカルスプライスの素子間に挿入して突き合わせ接続する接続方法において、最初に挿入する第1光ファイバに固定しておいた引留用固定部材を第1のスペーサに当接させることで、後に挿入する第2光ファイバと突き合わせる位置に第1光ファイバの先端を予め配置できる。このため、第2光ファイバについては、単にメカニカルスプライスの素子間に挿入することで、素子間の所望位置にて第1光ファイバ先端に突き合わせることができるので、突き合わせ接続作業を単純化することができる。従って、暗所や狭隘な作業スペースでの作業であっても光ファイバ同士の突き合わせ接続作業を容易かつ確実に行える。
また、本発明によれば、第1光ファイバをメカニカルスプライスの素子間に把持固定した後に、第1のスペーサを移動して引留用固定部材に当接する位置から退避させ、前記引留用固定部材をメカニカルスプライスに向かって前進させて、引留用固定部材とメカニカルスプライスとの間に光ファイバの撓みを形成することが可能である。本発明は、この撓み形成により、メカニカルスプライスに把持固定済みの光ファイバ(素子間に把持固定された部分)に、無理な引っ張り力が作用することを防ぐことができ、光ファイバ同士の突き合わせ接続状態を安定に保つことができる。
また、本発明によれば、第1のスペーサを引留用固定部材に当接する位置から退避させ、前記引留用固定部材をメカニカルスプライスに向かって前進させて第1光ファイバに撓みを形成しても、第1光ファイバにメカニカルスプライスに対する挿入長が高精度に保たれるため、光ファイバ同士をメカニカルスプライスの素子間の所望位置で突き合わせ接続できる。
本発明の1実施形態の光ファイバ接続用ユニットの全体正面図である。 図1の光ファイバ接続用ユニットの両側のケーブル引留部の片方に光ファイバケーブルを引き留める作業を完了した状態を示す斜視図である。 図2の光ファイバ接続用ユニットをその下面側から見た状態を示す斜視図である。 図1の光ファイバ接続用ユニットのユニットベースを示す斜視図である。 図1の光ファイバ接続用ユニットのユニットベースの構造、及びそのスプライスホルダ部におけるメカニカルスプライスの収容状態を説明する正面図である。 図1の光ファイバ接続用ユニットのユニットベースを示す背面図である。 図1の光ファイバ接続用ユニットのユニットベースを示す平面図である。 図1の光ファイバ接続用ユニットのユニットベースを示す正面図である。 図1の光ファイバ接続用ユニットのユニットベースを示す下面図である。 図1の光ファイバ接続用ユニットのスプライス用工具を示す図であって、扁平構造の抜き去り用操作・駆動部の介挿片突出側から見た構造を示す斜視図である。 図1の光ファイバ接続用ユニットのスプライス用工具を示す図であって、扁平構造の抜き去り用操作・駆動部の裏面側から見た構造を示す斜視図である。 図1の光ファイバ接続用ユニットのスプライス用工具の構造を説明する断面図である。 図1の光ファイバ接続用ユニットのレバー部材を示す斜視図である。 図1の光ファイバ接続用ユニットのレバー部材の、図11とは別の方向から見た構造を示す斜視図である。 図1の光ファイバ接続用ユニットのレバー部材の固定部材押圧前進部(固定部材当接面)と光ファイバケーブル端末に固定した引留用固定部材との関係を示すモデル図である。 図1の光ファイバ接続用ユニットに使用されるメカニカルスプライスの一例を示す斜視図である。 図14のメカニカルスプライスの構造を説明する分解斜視図である。 図14のメカニカルスプライスの構造を説明する断面図である。 図14のメカニカルスプライスの半割りの素子と介挿片(図示例ではスプライス用工具の介挿片)との関係を説明する断面図である。 光ファイバケーブル端末に固定する引留用固定部材の一例を示す斜視図である。 図18の引留用固定部材の、図18とは別の方向から見た構造を示す斜視図である。 本発明にかかる光ファイバ接続方法に用いる光ファイバケーブルの一例を示す斜視図である。 レバー部材の別態様を説明するモデル図である。 本発明の一実施形態の光ファイバの接続方法を適用可能な光ファイバ接続用ユニットを示す斜視図である。 図22の光ファイバ接続用ユニットのユニット本体の構造を示す斜視図である。 図22の光ファイバ接続用ユニットを示す斜視図である。 図22の光ファイバ接続用ユニットの第1および第2スプライス用工具を示す斜視図である。 図25の第1スプライス用工具を示す斜視図である。 図26の第2スプライス用工具を示す斜視図である。 スプライス用工具の介挿部材(介挿片)とメカニカルスプライスの関係を説明する図である。 本発明の一実施形態の光ファイバの接続方法を説明する工程図であり、図22の光ファイバ接続用ユニットを示す斜視図である。 図29に示す工程に続く工程を説明する図であり、図1の光ファイバ接続用ユニットを示す斜視図である。 図29に示す工程における光ファイバ接続用ユニットを示す正面図である。 図29に示す工程に続く工程を説明する図であり、図1の光ファイバ接続用ユニットを示す斜視図である。 図32に示す工程における光ファイバ接続用ユニットを示す正面図である。 図32に示す工程におけるスプライス用工具の介挿部材(介挿片)とメカニカルスプライスの関係を説明する図である。 図32に示す工程に続く工程を説明する図であり、図1の光ファイバ接続用ユニットを示す斜視図である。 図35に示す工程における光ファイバ接続用ユニットを示す正面図である。 引留カバーを閉じた状態の光ファイバ接続用ユニットを示す斜視図である。 光ファイバケーブル端末に固定した状態で、図22の光ファイバ接続用ユニットのケーブル引留部に挿入する引留用固定部材の一例を説明する斜視図である。 本発明の光ファイバの接続方法の概要を説明する図である。 本発明の光ファイバの接続方法の概要を説明する図である。 本発明の光ファイバの接続方法の概要を説明する図である。 本発明の光ファイバの接続方法の概要を説明する図である。 本発明の光ファイバの接続方法の概要を説明する図である。 本発明の光ファイバの接続方法の概要を説明する図である。 本発明の一実施形態である光ファイバ接続ユニット用保持部材およびこれに収容された光ファイバ接続ユニットの斜視図である。 図40の光ファイバ接続ユニット用保持部材の斜視図である。 図40の光ファイバ接続ユニット用保持部材を拡大した斜視図である。 図40の光ファイバ接続ユニット用保持部材の平面図である。 図40の光ファイバ接続ユニット用保持部材を拡大した平面図である。 図40の光ファイバ接続ユニット用保持部材を背面側から見た斜視図である。 図40の光ファイバ接続ユニット用保持部材の側面図である。 図40の光ファイバ接続ユニット用保持部材の前面図である。 本発明の光ファイバ接続ユニット用保持部材の使用例の斜視図である。 本発明に係る実施形態のメカニカルスプライス用工具を用いて組み立てた光接続用ユニットの構造を示す全体斜視図である。 図49の光接続用ユニットを図1とは異なる方向から見た構造を示す斜視図である。 図49の光接続用ユニットの構造を示す平面図である。 図49の光接続用ユニットのユニット本体の構造を示す斜視図である。 図52のユニット本体を図4とは別の方向から見た構造を示す斜視図である。 図52のユニット本体を下面側から見た構造を示す斜視図である。 図49の光接続用ユニットのケーブル引留部の構造を説明する斜視図である。 図49の光接続用ユニットのメカニカルスプライス用工具を示す斜視図である。 図56のメカニカルスプライス用工具の、介挿部材が突出している介挿片突出側から見た構造を示す図である。 図56のメカニカルスプライス用工具の、介挿部材が突設されている介挿片突出側とは反対の裏面側から見た構造を示す図である。 図56のメカニカルスプライス用工具の支持板中央傾斜面と操作片中央傾斜面との関係を示す断面図である。 支持板端部傾斜面と操作片端部傾斜面との関係を示す断面図である。 図56のメカニカルスプライス用工具とユニット本体のファイバ案内台部との関係を説明する拡大図である。 図56のメカニカルスプライス用工具の介挿部材(介挿片)とメカニカルスプライスの3つの蓋部材との関係を説明する図である。 図49の光接続用ユニットのファイバガイド壁から上方に光ファイバの撓み部が突出した状態を説明する図である。 図49の光接続用ユニットのスプライスホルダ部のホルダ底壁部の窓孔とメカニカルスプライスの第2クランプ部との関係を示す下面図である。 図49の光接続用ユニットのケーブル引留部の構造を説明する断面図(モデル図)である。 光ファイバケーブル端末に固定した状態で、図49の光接続用ユニットのケーブル引留部に挿入する引留用固定部材の一例を説明する斜視図である。 光ファイバケーブル端末に固定した状態で、図49の光接続用ユニットのケーブル引留部に挿入する引留用固定部材の一例を説明する斜視図である。 光ファイバケーブル端末に固定した状態で、図49の光接続用ユニットのケーブル引留部に挿入する引留用固定部材の一例を説明する斜視図である。
[第1実施形態]
<光ファイバ接続用ユニット>
以下、本発明の第1実施形態を図面を参照して説明する。
なお、光ファイバ接続用ユニット10について、図1、図2、図4、図5において上側を上、下側を下として説明する。
図1〜図3に示すように、ここで説明する光ファイバ接続用ユニット10は、メカニカルスプライス30(以下、単にスプライスとも言う)と、該スプライス30を保持したスプライスホルダ部21を有する細長形状のユニットベース20と、このユニットベース20の長手方向両端に取り付けられたレバー部材25と、前記スプライス30に組み付けたスプライス用工具40とを具備する概略構成となっている。
図1〜図3に示すように、図示例の光ファイバ接続用ユニット10は、光ファイバケーブル同士の接続(光接続)に適用可能なものである。
光ファイバ接続用ユニット10によって互いに接続する光ファイバケーブル1の一方(第1光ファイバケーブル)に図中符号11、他方(第2光ファイバケーブル)に図中符号12を付記する。
図20に示すように、光ファイバケーブル1(光ファイバケーブル11、12)は、光ファイバ2と、可撓性を有する線状の抗張力体3とを互いに並行になるように合成樹脂製の外被4によって一括被覆した構成のものである。
抗張力体3としては、例えばアラミド繊維等の抗張力繊維からなるものや、鋼線等を挙げることができる。
光ファイバ2は、裸光ファイバ2aの外周面(側面)を被覆2bで覆った構成の被覆付き光ファイバであり、例えば光ファイバ心線や光ファイバ素線等が挙げられる。裸光ファイバ2aは、例えば石英系光ファイバである。また、被覆2bは、例えば紫外線硬化性樹脂やポリアミド樹脂などを1層または複数層、ほぼ同心円状に被覆した樹脂被覆である。
光ファイバケーブル1としては、インドアケーブル、ドロップケーブル等が挙げられる。
なお、図中、第1光ファイバケーブル11の光ファイバ2に符号11a、第2光ファイバケーブル12の光ファイバ2に符号12aを付記する。
前記光ファイバ接続用ユニット10は、光ファイバケーブル11、12端末に露出(突出)させた光ファイバ11a、12a同士を突き合わせ接続して、光ファイバケーブル11、12同士を互いに接続することに用いられる。
この光ファイバ接続用ユニット10は、その長手方向(ユニットベース20長手方向に一致)両端部に、光ファイバケーブル1端末に固定した引留用固定部材120を収容して引き留めるケーブル引留部23を有している。
また、図4、図5に示すように、この光ファイバ接続用ユニット10は、前記ユニットベース20の長手方向中央部に設けられたスプライスホルダ部21内にスプライス30を収容している。光ファイバケーブル11、12の光ファイバ11a、12a同士を突き合わせ接続は前記スプライスホルダ部21内のスプライス30にて実現される。
光ファイバケーブル1の引留用固定部材120が固定された端末を、以下、固定部材付きケーブル端末1aとも言う。
前記ユニットベース20は、その長手方向両端部に、固定部材付きケーブル端末1aが挿入される固定部材案内部24を有している。前記ケーブル引留部23は、前記固定部材案内部24と、ユニットベース20にその幅方向の軸線を以て回動可能に取り付けられたレバー部25とで構成されている。
図4に示すように、図示例のユニットベース20の固定部材案内部24は、その内側に固定部材付きケーブル端末1aを収容可能な断面コ字形の壁部である。この固定部材案内部24には、ユニットベース20の長手方向中央部のスプライスホルダ部21とは反対の側から固定部材付きケーブル端末1aが挿入される。また、この固定部材案内部24は、その内側に挿入された固定部材付きケーブル端末1aの前記スプライス30に対する進退動、すなわち引留用固定部材120のユニットベース20に対する長手方向への移動を案内する機能を有する。
レバー部25は、固定部材案内部24に挿入された固定部材付きケーブル端末1aに係合させることで、スプライスホルダ部21内に収容されたスプライス30に対する固定部材付きケーブル端末1aの後退(スプライス30から離隔する方向への移動)を規制する。このレバー部25は、固定部材付きケーブル端末1aの後退を規制することで、光ファイバケーブル1をユニットベース20に対して引き留める引留手段として機能する。
前記スプライス30は、半割りの素子(後述のベース部材31及び押さえ蓋32)を断面コ字形あるいはC形(図示例では断面コ字形)で延在する細長形状のクランプばね33の内側に一括保持した構造である。このスプライス30は、全体として、細長形状(外観細長棒状)に形成されている。このスプライス30は、前記クランプばね33の弾性によって半割りの素子31、32間に光ファイバを挟み込むことができる。
また、前記光ファイバ接続用ユニット10は、前記スプライス30の半割りの素子31、32間に割り入れた介挿片41が突設されているスプライス用工具40を具備する。半割りの素子31、32間に介挿片を割り入れたスプライス30を、以下、介挿片付きスプライス(介挿片付きメカニカルスプライス)とも言う。図示例の介挿片付きスプライス30Aは、スプライス30の半割りの素子31、32間に、スプライス用工具40の介挿片41を割り入れた構成であるので、以下、工具付きスプライス(工具付きメカニカルスプライス)と言う場合がある。
図17に示すように、介挿片付きスプライス30Aは、半割りの素子31、32間が、介挿片41によって、クランプばね33の弾性に抗して、光ファイバ11a、12aの挿入が可能な程度に押し開かれている(図16参照)。
前記スプライス30の半割りの素子31、32間には、ユニットベース20長手方向両側から、前記ユニットベース20の固定部材案内部24に挿入した光ファイバケーブル11、12端末から突出する光ファイバ11a、12aを挿入できる。素子31、32間に両側から挿入した光ファイバ11a、12aは素子31、32間にて突き合わせ接続できる。
スプライス30は、光ファイバ11a、12a同士を突き合わせた後、素子31、32間から介挿片41を抜き去ることで、光ファイバ11a、12aをクランプばね33の弾性によって素子31、32間に把持固定する。その結果、スプライス30は、光ファイバ11a、12aの突き合わせ接続状態を保つ。
図14〜図16に示すように、前記スプライス30は、細長板状のベース部材31と、該ベース部材31の長手方向に沿って配列設置した3つの蓋部材321、322、323によって構成される押さえ蓋32とを、断面コ字形あるいはC形(図示例では断面コ字形)で延在する細長形状のクランプばね33の内側に一括保持した構成になっている。このスプライス30は、全体として、ベース部材31の長手方向に沿う方向を長手方向とする細長形状に形成されている。
このスプライス30は、ベース部材31(ベース側素子)と蓋部材321、322、323(蓋側素子)とからなる半割り把持部材34を有する。ベース部材31と蓋部材321、322、323とは、クランプばね33の弾性によって互いに閉じ合わせ方向に弾性付勢されている。
ベース部材31の長手方向に沿って配列設置した3つの蓋部材321、322、323のうち、中央に位置する符号322の蓋部材を、以下、中央蓋、該中央蓋322の両側の蓋部材321、323をサイド蓋とも言う。また、サイド蓋のうち、符号321の蓋部材を、以下、第1サイド蓋、符号323の蓋部材を、以下、第2サイド蓋とも言う。
図14〜図16に例示した断面コ字状のクランプばね33は、1枚の金属板を成形したものである。このクランプばね33は、細長板状の背板部33aの両側から、該背板部33aの長手方向全長にわたって、背板部33aに垂直に側板部33bが張り出された構成になっている。
一対の側板部33bの一方はベース部材31の蓋部材321、322、323に対向する対向面31aとは反対の背面に当接し、他方の側板部33bは蓋部材321、322、323のベース部材31に対向する対向面321a、322a、323aとは反対の背面に当接する。クランプばね33は、ベース部材30と蓋部材321、322、323とを、互いに対向する対向面31a、321a、322a、323aを閉じ合わせる方向に弾性付勢している。
図15、図16に示すように、スプライス30のベース部材31の対向面31aは、ベース部材31の長手方向全長にわたって延在形成されている。このベース部材31の前記対向面31aの長手方向(延在方向)中央部には、光ファイバケーブル11、12の光ファイバ11a、12a先端に口出しされた裸光ファイバ2a同士を突き合わせ接続(光接続)可能に互いに高精度に位置決め、調心するための調心溝31bが形成されている。この調心溝31bは、ベース部材31の長手方向に沿って延在形成されたV溝である。但し、調心溝31bとしてはV溝に限定されず、例えば断面半円状の溝や、U溝等も採用可能である。
前記調心溝31bは、ベース部材31の前記対向面31aの中央蓋323に対向する部分に形成されている。
ベース部材31の前記対向面31aの第1、第2サイド蓋321、323に対向する部分には、前記調心溝31bに比べて溝幅を大きくした被覆部挿入溝31c、31dが形成されている。被覆部挿入溝31c、31dは、ベース部材31長手方向において前記調心溝31bの延長上に延在形成されている。
被覆部挿入溝31c、31dと調心溝31bとの間には、被覆部挿入溝31c、31dから調心溝31b側に行くにしたがって溝幅が小さくなるテーパ状のテーパ溝31e、31fが形成されている。各被覆部挿入溝31c、31dは、前記テーパ溝31e、31fを介して調心溝31bと連通されている。
前記被覆部挿入溝31c、31dは、光ファイバケーブル11、12の光ファイバ11a、12aの被覆2bが除去されていない被覆付き部分(被覆部)を、前記調心溝31bによって位置決めしたときの裸光ファイバ2aと同軸上に位置決めする。
図示例のスプライス30において、被覆部挿入溝31c、31dは調心溝31bに比べて溝幅を大きくしたV溝である。但し、被覆部挿入溝31c、31dとしてはV溝に限定されず、例えば断面半円状の溝や、U溝等も採用可能である。
第1、第2サイド蓋321、323の対向面321a、323aの、ベース部材31の被覆部挿入溝31c、31dに対向する部位は、光ファイバ11a、12aの被覆部を被覆部挿入溝31c、31dに押さえ込む平坦なファイバ押さえ面とされている。
また、被覆部挿入溝31c、31dは、光ファイバ2の被覆部外径に鑑みて、光ファイバ2の被覆部の軸線に垂直の断面の一部のみを収納し、被覆部の被覆部挿入溝31c、31dに収納されない部分がベース部材31の対向面31aからサイド蓋321、323側に突出するように、その延在方向に垂直の断面の形状及び寸法が調整される。これにより、介挿片付きスプライス30Aのスプライス30から介挿片41を抜き去ったときに、クランプばね33の弾性によって、サイド蓋321、323とベース部材31との間に光ファイバ11a、12aの被覆部をしっかりと把持固定できる。
中央蓋322の対向面322aの、ベース部材31の調心溝31bに対向する部位は、光ファイバ11a、12aの裸光ファイバ2aを調心溝31bに押さえ込む平坦なファイバ押さえ面とされている。
また、調心溝31bは、光ファイバ2の裸光ファイバ2a外径に鑑みて、裸光ファイバ2aの軸線に垂直の断面の一部のみを収納し、裸光ファイバ2aの該調心溝31bに収納されない部分がベース部材31の対向面31aから中央蓋322側に突出するように、その延在方向に垂直の断面の形状及び寸法が調整される。これにより、介挿片付きスプライス30Aのスプライス30から介挿片41を抜き去ったときに、クランプばね33の弾性によって、中央蓋322とベース部材31との間に裸光ファイバ2aをしっかりと把持固定できる。
なお、スプライスは、被覆部挿入溝を、ベース部材31及び第1サイド蓋321の互いに対向する対向面の一方又は両方、ベース部材31及び第2サイド蓋323の互いに対向する対向面の一方又は両方に形成した構成を採用できる。
被覆部挿入溝を、ベース部材31及び第1サイド蓋321の互いに対向する対向面の両方に形成する場合は、光ファイバ2の被覆部の被覆部挿入溝に収納されない部分が、ベース部材31と第1サイド蓋321との間に存在するように、各被覆部挿入溝の延在方向に垂直の断面の形状及び寸法を調整する。このことは、ベース部材31及び第2サイド蓋323の互いに対向する対向面の両方に被覆部挿入溝を形成する場合も同様である。
光ファイバ接続用ユニット10を用いて互いに接続する光ファイバ11a、12aは、裸光ファイバ2aの径(外径)が互いに同じものである。また、ここでは、光ファイバケーブル11、12として、互いに同様の構成のものを用いているものとして説明する。
但し、光ファイバケーブル11、12としては、裸光ファイバ2aの径以外の構成が互いに異なるものも使用可能である。また、光ファイバ11a、12aの被覆部径は、互いに異なっていても良い。この場合は、スプライスの長手方向両側の被覆部挿入溝を光ファイバ11a、12aの被覆部径に対応させて、互いに異なる構成としても良い。
図15、図16に示すように、クランプばね33の一対の側板部33bは、それぞれ、スプライス30の押さえ蓋32の3つの蓋部材321、322、323に対応する3つの部分に分かれている。押さえ蓋32に当接する側板部33b(図15、図16において上側の側板部33b)は、第1サイド蓋321と中央蓋322との境界、及び中央蓋322と第2サイド蓋323との境界に対応する位置にそれぞれ形成されたスリット状の切り込み部33dによって、3つの蓋部材321、322、323に対応する3つの部分に分断されている。ベース部材31に当接する側板部33bは、蓋部材321、322、323に当接する側板部33bの切り込み部33dに対応する位置に形成された切り込み部33dによって、3つの蓋部材321、322、323に対応する3つの部分に分断されている。
クランプばね33は、第1サイド蓋321とベース部材31とを保持する第1クランプばね部331と、中央蓋322とベース部材31とを保持する第2クランプばね部332と、第2サイド蓋323とベース部材31とを保持する第3クランプばね部333とを有する。第1〜3クランプばね部331〜333は、互いに独立したクランプばねとして機能する。
なお、図15、図16等において、第1クランプばね部331の一対の側板部に符号331b、第2クランプばね部332の一対の側板部に符号332b、第3クランプばね部333の一対の側板部に符号333bを付記する。
スプライス30は、3つのクランプばね部に対応する3つのクランプ部を有する。
すなわち、このスプライス30は、第1クランプばね部331の内側に第1サイド蓋321とベース部材31とを保持した第1クランプ部と、第2クランプばね部332の内側に中央蓋322とベース部材31とを保持した第2クランプ部と、第3クランプばね部333の側に第2サイド蓋323とベース部材31とを保持した第3クランプ部とを有する。
3つのクランプ部は、それぞれ、個々のクランプ部に対応するクランプばね部の弾性によって、半割りの素子(ベース部材31(ベース側素子)と蓋部材(蓋側素子))の間に光ファイバを把持固定できる。
スプライス30について、クランプばね33の両側の側板部33bの間隔方向、すなわち図4、図15、図16における上下方向を、以下、幅方向とも言う。
クランプばね33の両側の側板部33bは、半割り把持部材34を介して、その幅方向両側に配置されている。
図1〜図6Cに示すように、図示例の光ファイバ接続用ユニット10のユニットベース20は、プラスチック製の一体成形品である。
図示例のユニットベース20は、細長板状のベース板部22を有する。図4,図5に示すように、前記スプライスホルダ部21は、前記ベース板部22の長手方向中央部である細長板状のホルダ下板部21aと、該ホルダ下板部21aの長手方向両端から立設された一対のホルダ端板部21bと、前記ホルダ下板部21a上に該ホルダ下板部21aに平行に延在形成されたホルダ上板部21cとで構成された枠状部を有する。前記枠状部はユニットベース20長手方向に沿う細長形状に形成されている。前記ホルダ上板部21cは、一対のホルダ端板部21bの上端間を橋絡している。
光ファイバ接続用ユニット10について、ユニットベース20のベース板部22の上面22aにおけるその長手方向に直交する方向を幅方向として説明する。
図6A〜Cに示すように、図示例のユニットベース20の前記スプライスホルダ部21は、その幅方向片側に側板部21d(以下、ホルダ側板部)を有する。このホルダ側板部21dは、スプライスホルダ部21の枠状部の幅方向片端の内側に設けられている。このホルダ側板部21dの中央部には窓孔21eが形成されている。前記ホルダ側板部21dは、スプライスホルダ部21の幅方向一方の側のみに設けられ、スプライスホルダ部21の幅方向の他方の側はホルダ側板部21dが存在せず、枠状部内周に合致する大きさの開口部となっている。スプライス30は、スプライスホルダ部21の幅方向の他方の側から、スプライスホルダ部21に対して挿脱できる。
図5、図6Cに示すように、スプライスホルダ部21内側に挿入されたスプライス30は、ホルダ下板部21a及びホルダ上板部21cの枠状部内側の内面の複数箇所に突設された突部21fに当接されることで、スプライスホルダ部21内側にて位置決めされて、がたつくことなく安定に収容される。
前記スプライス30は、その長手方向をベース板部22の長手方向(ユニットベース20長手方向に一致)に揃えて、枠状部内側に収容されている。また、スプライス30は、その幅方向をユニットベース20の幅方向と一致させ、半割り把持部材34を介してクランプばね33の背板部33aとは反対の側(開放側)が下側、すなわちホルダ下板部21aに対面する向きでスプライスホルダ部21内に収容されている。
図7に示すように、ユニットベース20のスプライスホルダ部21のホルダ下板部21aには、スプライス用工具40を介挿片41を通すための介挿片挿通孔21gが形成されている。スプライス用工具40の前記介挿片41は前記ホルダ下板部21aの介挿片挿通孔21gに通されている。
図8、図9に示すように、この実施形態の光ファイバ接続用ユニット10のスプライス用工具40は、細長板状の介挿片支持板部43を有し、前記介挿片41は該介挿片支持板部43の片面側に突設されている。また、このスプライス用工具40は、前記介挿片支持板部43の長手方向片端に一体化されている工具基部47から延出する一対の弾性操作片44を有する。一対の弾性操作片44は、工具基部47から介挿片支持板部43の幅方向両側にその長手方向に沿って延在している。このスプライス用工具40は、前記工具基部47から、介挿片支持板部43と一対の弾性操作片44とが延出した構成になっている。
図示例のスプライス用工具40はプラスチック製の一体成形品である。
但し、スプライス用工具としてはプラスチック製の一体成形品に限定されず、複数部材によって組み立てた構成のものであっても良い。
前記スプライス用工具40は、前記介挿片支持板部43とその幅方向両側の弾性操作片44とからなる扁平構造の抜き去り操作・駆動部42を、ユニットベース20のスプライスホルダ部21のホルダ下板部21aの外面側(スプライス30とは反対の側)に重ね合わせるように配置している。そして、このスプライス用工具40は、ホルダ下板部21aの介挿片挿通孔21gに通した前記介挿片41の先端が、スプライス30のクランプばね33の弾性によって素子31、32間に挟み込まれて、スプライス30に取り付けられている。
抜き去り操作・駆動部42について、介挿片41が突出している側を、以下、介挿片突出側、該介挿片突出側とは反対の側を裏面側とも言う。
図8、図10に示すように、一対の弾性操作片44及び工具基部47の介挿片突出側(但し、後述のスペーサ用突起48を含まない)は、介挿片支持板部43の介挿片突出側の面である介挿片突設面43aの仮想延長上に位置する平坦面を形成している。介挿片支持板部43の介挿片突設面43aは、介挿片41及び後述の位置ずれ防止突起42aを避けた部分の面を指す。
スプライス用工具40は、介挿片支持板部43の介挿片突設面43aを、ユニットベース20のスプライスホルダ部21のホルダ下板部21aに当接させて設けられている。
なお、光ファイバ接続用ユニット10は、スプライス用工具40の介挿片支持板部43の介挿片突設面43aと、スプライスホルダ部21のホルダ下板部21aとの間に僅かな隙間が確保された構成であっても良い。但し、この場合の前記隙間は、後述のように、スプライス用工具40を、スプライス30とユニットベース20とレバー部材25とが構成するユニット本体10Aから取り外す作業において、一対の弾性操作片44を互いに接近させる操作によって前記ホルダ下板部21aに対する介挿片支持板部43の当接を実現でき、かつスプライス30からの介挿片41の抜き去りを可能とする大きさとする。
図8、図9に示すように、弾性操作片44の前記工具基部47に繋がっている基端部以外の部分は、介挿片支持板部43から若干の隙間を介して介挿片支持板部43の長手方向に沿って延在配置されている。
スプライス用工具40は、片手の手指で握ることなどによって、一対の弾性操作片44を該弾性操作片44の弾性変形により介挿片支持板部43に接近させることができる。そして、このスプライス用工具40は、一対の弾性操作片44にその間隔方向である工具幅方向(以下、単に幅方向とも言う)両側から、一対の弾性操作片44を互いに接近させる押圧力P(図10参照)を作用させることで、スプライス30の素子31、32間に介挿されている介挿片41のスプライス30からの抜き去りを簡単に行える。
各弾性操作片44の介挿片支持板部43側には、弾性操作片44を介挿片支持板部43に接近させることで、介挿片支持板部43の幅方向の端部に形成されている傾斜面45に当接する突部44a、44bが突設されている。
前記傾斜面45(支持板側傾斜面)は、介挿片支持板部43の幅方向両側に形成されている。
なお、図示例のスプライス用工具40の介挿片支持板部43の前記傾斜面45は、介挿片支持板部43の幅方向両側に突設された張り出し部43b(突部)に形成されている。
但し、スプライス用工具40としては、張り出し部43bを有する介挿片支持板部43を採用した構成に限定されず、張り出し部43bを有していない細長板状の介挿片支持板部の幅方向両側に支持板側傾斜面45を形成した構成も採用可能である。
図8〜図10に示すように、介挿片支持板部43の前記傾斜面45は、介挿片支持板部43の介挿片突設面43aから該介挿片突設面43aとは反対の裏面側に行くにしたがって、介挿片支持板部43の幅方向中央からの離隔距離が増大するように形成されている。
一方、弾性操作片44の突部44a、44bには、介挿片突出側から裏面側へ行くにしたがって弾性操作片44からの距離が縮小する傾斜面46(操作片側傾斜面)が形成されている。各突部44a、44bの操作片側傾斜面46は、それぞれ、隙間を介して、介挿片支持板部43側の傾斜面45に対面している。
このスプライス用工具40は、工具幅方向両側からの押圧力によって一対の弾性操作片44を互いに接近するように弾性変形させることで、操作片側傾斜面46を支持板側傾斜面45に対して摺動させることができる。その結果、スプライス用工具40は、介挿片支持板部43を弾性操作片44に対して抜き去り操作・駆動部42裏面側へ向かって変位させることができ、これにより、スプライス30の素子31、32間から介挿片41を抜き去ることができる。
介挿片支持板部43の抜き去り操作・駆動部42裏面側への変位は、具体的には、介挿片支持板部43の工具基部47側の端部を中心とする回動(弾性操作片44に対する傾動)である。
このスプライス用工具40は、スプライス30の素子31、32間から介挿片41を抜き去ることで、ユニット本体10Aから取り外すことができる。
スプライス用工具40において、介挿片41は、介挿片支持板部43の長手方向の2箇所に突設されている。
図14に示すように、スプライス30の半割り把持部材34は、前記クランプばね33の背板部33aとは反対側(開放側)に露出する側面(開放側側面)を有する。該開放側側面には、前記介挿片41を挿入するための介挿片挿入穴35が開口されている。図15に示すように、この介挿片挿入穴35は、ベース部材31及び3つの蓋部材321、322、323の対向面31a、321a、322a、323aの互いに対応する位置に形成された介挿片挿入溝31g、321c、322c、323cによって、ベース部材31と蓋部材321、322、323との間に確保されている。
なお、介挿片挿入穴35は、半割り把持部材34の開放側側面から、調心溝31b、被覆部挿入溝31c、31d、321b、323bに達しない深さで形成される。
また、介挿片挿入穴35としては、ベース部材31及び蓋部材321、322、323の片方のみに形成した介挿片挿入溝によって確保した構成も採用可能である。
図14に示すように、図示例のスプライス30において、前記介挿片挿入穴35は、中央蓋322におけるベース部材31長手方向に沿う方向の中央部を介して両側に対応する2カ所、第1サイド蓋321及び第2サイド蓋323のベース部材31長手方向に沿う方向の中央部に対応する位置の、計4箇所に形成されている。
図示例の光ファイバ接続用ユニット10は、スプライス30に対してスプライス用工具40を2つ取り付けた構成の介挿片付きスプライス30Aを採用している。2つのスプライス用工具40の一方は、スプライス30の第1サイド蓋321に対応する1カ所、及び中央蓋322における第1サイド蓋321側の1カ所の計2カ所の介挿片挿入穴35に介挿片41を挿入して設けられている。このスプライス用工具40を、以下、第1スプライス用工具40Aとも言う。2つのスプライス用工具40の他方は、スプライス30の中央蓋322における第2サイド蓋323側の1カ所、及び第2サイド蓋323に対応する1カ所の計2カ所の介挿片挿入穴35に介挿片41を挿入して設けられている。このスプライス用工具40を、以下、第2スプライス用工具40Bとも言う。
スプライス用工具40の介挿片41は、その板厚が、工具幅方向と一致する向きで、介挿片支持板部43に突設されている。
図13に示すように、この光ファイバ接続用ユニット10のスプライス用工具40の介挿片41は、スプライス30のベース部材31と押さえ蓋32との間に、板状に形成された先端部41a(以下、先端介挿部とも言う)を割り込ませている。
また、スプライスとしては、半割り把持部材34に介挿片挿入穴35が形成されていない構成も採用可能である。
図8に示すように、スプライス用工具40の板状の介挿片41の先端介挿部41aは、その先端が先細りのテーパ状に形成されている。この介挿片41は、スプライス30の半割り把持部材34から抜き去った後に、その先端介挿部41aを、ベース部材31と押さえ蓋32との間に押し込んで割り込ませる(介挿片付きスプライスを組み立てる)ことが可能である。
また、光ファイバ接続用ユニット10は、スプライス30から介挿片を取り外した状態で現場に供給し、現場にて、スプライス30の素子31、32間に介挿片を割り込ませて介挿片付きスプライスを組み立てても良い。
図9等に示すように、図示例のスプライス用工具40は、介挿片支持板部43の裏面側に突出する押圧用突起43dを有している。押圧用突起43dは、介挿片41の突設位置に対応させて、介挿片支持板部43を介して介挿片41とは反対の側に形成されている。
このスプライス用工具40は、抜き去り操作・駆動部42から押圧用突起43dを押圧することで、スプライス30の素子31、32間に介挿片41を押し込んで割り込ませる作業を楽に行える。
図8、図9に示すように、スプライス用工具40の介挿片支持板部43の先端側(工具基部47側である基端側とは反対の側)には、ユニットベース20に対する位置ずれ防止突起42aが突設されている。位置ずれ防止突起42aは、介挿片支持板部43の先端部から幅方向に張り出された先端側張り出し部43eの介挿片突出側にそれぞれ突設され、工具幅方向に互いに離隔する2カ所に設けられている。
図1〜図3に示すように、スプライス用工具40は、一対の位置ずれ防止突起42aを、ユニットベース20の幅方向両側の側面に当接させてユニットベース20に取り付けられている。一対の位置ずれ防止突起42aは、ユニットベース20に対するその幅方向へのスプライス用工具40の位置ずれ防止に有効に寄与する。
また、スプライス用工具40は、工具基部47の介挿片突出側に突設されたスペーサ用突起48を、ユニットベース20のベース板部22のスプライスホルダ部21両側に延出する部分に形成、開口された窓孔22b(以下、スペーサ用窓孔)に挿入して、ユニットベース20に取り付けられている。
ベース板部22のスプライスホルダ部21両側に延出する部分は、ユニットベース20の断面コ字形の固定部材案内部24の底板部24aを構成する。固定部材案内部24は、前記底板部24aの幅方向両側に案内側板部24bを立設した構成になっている。底板部24a及び案内側板部24bは、固定部材案内部24を構成する壁部の一部として機能する。底板部24aの幅方向両側の案内側板部24bは、細長板状の底板部24aの長手方向に沿って互いに平行に延在している。前記スペーサ用窓孔22bは、固定部材案内部24の底板部24aのスプライスホルダ部21側の端部に形成されている。
ユニットベース20に取り付けたスプライス用工具40のスペーサ用突起48は、前記スペーサ用窓孔22bを介してベース板部22上面上、すなわち固定部材案内部24内側に突出されている。また、スペーサ用突起48は、スペーサ用窓孔22bに挿脱可能に挿入されている。スペーサ用突起48は、スペーサ用窓孔22bにその軸線方向に移動可能に挿入された可動片となっている。スプライス用工具40は、ユニット本体10Aから取り外すときに、スペーサ用突起48をユニットベース20のスペーサ用窓孔22bから抜き去る。これにより、スペーサ用突起48は、使用時位置から引留用固定部材120との当接を回避し得る位置(引留用固定部材120に当接しない位置)へ移動(退避)されることとなる。
ユニットベース20は、固定部材案内部24内側にスペーサ用突起48が突出していない状態にあっては、固定部材案内部24に挿入した固定部材付きケーブル端末1aを、その引留用固定部材120前端がスプライスホルダ部21のホルダ端板部21b(具体的にはホルダ端板部21bの固定部材案内部24側の面21j(以下、固定部材当接面とも言う))に当接する位置まで、スプライスホルダ部21内のスプライス30に対して前進(接近)させることができる。ユニット本体10Aは、引留用固定部材120前端がスプライスホルダ部21のホルダ端板部21bに当接する位置が、該ユニット本体10Aのスプライス30に対する固定部材付きケーブル端末1aの前進限界位置となっている。
スペーサ用突起48の固定部材案内部24内側に突出させた部分は、スプライスホルダ部21のホルダ端板部21bから、スプライス30とは反対の側へ若干離隔した位置に配置される。このときのスペーサ用突起48の位置を、以下、使用時位置とも言う。固定部材案内部24内側に突出させたスペーサ用突起48(使用時位置にあるスペーサ用突起)には、固定部材案内部24に挿入した固定部材付きケーブル端末1aの引留用固定部材120前端を当接させることができる。固定部材案内部24内側に突出させたスペーサ用突起48は、固定部材案内部24に挿入した固定部材付きケーブル端末1aの前進を、前進限界位置よりもスプライス30から離隔した位置に停止させる。
引留用固定部材120は、光ファイバケーブル1端末の外周を取り囲むようにして設けられ、該端末に固定、一体化される。
図18、図19は、引留用固定部材120の具体例を示す。
ここでは、引留用固定部材120として、光ファイバケーブル1端末をその両側から把持して光ファイバケーブル1端末に固定して取り付けられる外被把持部材を用いている。
以下、引留用固定部材120が外被把持部材を指す場合、引留用固定部材120を外被把持部材とも言う。この外被把持部材は、光ファイバケーブル端末の外被を把持して光ファイバケーブル端末に固定することで、光ファイバケーブルの光ファイバに、光ファイバケーブルの外被を介して固定される。
図18、図19に示すように、この外被把持部材120は、細長板状の前板部128の後側に、光ファイバケーブル1を把持固定するケーブル固定部129を有している。
ケーブル固定部129は、光ファイバケーブル1を嵌め込むケーブル嵌合溝122が形成された断面コ字形の把持ベース121と、前記把持ベース121のケーブル嵌合溝122の溝幅方向両側の側壁部125の一方に枢着された押さえ蓋123とを有する。
この外被把持部材120は、把持ベース121の一対の側壁部125の互いに対向する面に複数突設した把持用突起125cを、ケーブル嵌合溝122に嵌め込まれた光ファイバケーブル1の外被3に食い込ませて、一対の側壁部125の間に光ファイバケーブル1を把持固定できる。把持ベース121は、底壁部124の片面側に突設された一対の側壁部125の間に前記ケーブル嵌合溝122が確保された断面コ字形の部材である。ケーブル嵌合溝122の溝幅方向は、該ケーブル嵌合溝122を介して両側の側壁部125の間隔方向を指す。なお、図示例の外被把持部材120の把持用突起125cは、ケーブル嵌合溝122の深さ方向に延在する断面三角形状の突条に形成されている。
そして、この外被把持部材120は、前記押さえ蓋123が他方の側壁部125から離隔する開放状態にて把持ベース121を光ファイバケーブル1端末に外嵌めして固定した後、押さえ蓋123を把持ベース121の一対の側壁部125の底壁部124とは反対側の端部間におけるケーブル嵌合溝122の開口部を閉じる閉位置に回動し、該押さえ蓋123を他方の側壁部125に係止して、光ファイバケーブル1端末に取り付けられる。
図示例の外被把持部材120はプラスチック製の一体成形品である。前記押さえ蓋123は、一対の側壁部125の一方(以下、第1側壁部とも言う。図中符号125aを付記する)の突端に、ヒンジ部として機能する薄肉部126を介して繋がっている。この押さえ蓋123は、前記薄肉部126によって、前記ケーブル嵌合溝122の延在方向に沿う軸線を以て、把持ベース121の第1側壁部125aに対して回転可能に枢着されている。なお、把持ベース121の一対の側壁部125の他方について、以下、第2側壁部125bとも言う。
図示例の外被把持部材120の押さえ蓋123はL字板状に形成されている。この押さえ蓋123は、前記薄肉部126を介して把持ベース121の第1側壁部125aに枢着されている天板部123aと、この天板部123aの前記薄肉部126とは反対側の端部から該天板部123aに垂直に形成された係止板部123bとを有する。この押さえ蓋123は、前記天板部123aを把持ベース121の一対の側壁部125の突端に当接してケーブル嵌合溝122の開口部を閉じる閉じ位置に配置したときに、前記係止板部123bを把持ベース121の第2側壁部125bのケーブル嵌合溝122とは反対側の外面に重ね合わせることができる。そして、押さえ蓋123は、前記係止板部123bに形成されている係止用窓孔123cに、把持ベース121の第2側壁部125b外面に突設されている係止用爪125dを入り込ませることで把持ベース121に係止され、把持ベース121に対する閉じ状態を安定維持できる。
この外被把持部材120(引留用固定部材)の前板部128の下面は、ケーブル固定部129の把持ベース部121の底壁部124の下面(ケーブル嵌合溝122とは反対側の面)と面一になっている。
ケーブル固定部129の一対の側壁部125は、前板部128の上面128aよりも上方に突出している。前板部128の上面128aには、ケーブル嵌合溝122に嵌め込んでケーブル固定部129に固定した光ファイバケーブル1の端末から突出する光ファイバ2を、光ファイバケーブル1端末から真っ直ぐに延在するように支持するためのファイバ溝128bが前後方向に延在形成されている。
なお、外被把持部材としては、図示例の構成に限定されない。外被把持部材としては、例えば、押さえ蓋を、前記係止板部123bを省略し、前記天板部123aに、把持ベース121の第2側壁部125bの突端に係合する係合部を設けた構造の押さえ蓋に変更した構成等も採用可能である。また、外被把持部材としては、把持ベースのみからなる構成も採用可能である。また、外被把持部材としては、プラスチック製の一体成形品に限定されず、複数部材によって組み立てた構成のものも採用可能である。
引留用固定部材としては、外被把持部材に限定されず、例えば光ファイバケーブル1端末外周に接着剤による接着固定、熱溶着などによって固定する部材などであっても良い。
<光ファイバ接続方法>
次に、本発明の第1実施形態の光ファイバ接続用ユニット10を用いて光ファイバケーブル11、12同士を接続する作業(光ファイバ接続方法)の一例を説明する。
ここで説明する光ファイバ接続方法は、まず、互いに接続する光ファイバケーブル11、12の一方の光ファイバ2をスプライス30に挿入し、該光ファイバケーブル端末に組み立てた固定部材付きケーブル端末1aをユニット本体10Aに固定する第1ファイバ挿入・引留工程を行った後、他方の光ファイバケーブルの光ファイバをスプライスに挿入し、該光ファイバケーブル端末に組み立てた固定部材付きケーブル端末1aをユニット本体10Aに固定する第2ファイバ挿入・引留工程を行うものである。
この光ファイバ接続方法では、第1ファイバ挿入・引留工程にて光ファイバケーブル11(以下、第1光ファイバケーブル11とも言う)の光ファイバ11aの先端部をスプライス30に挿入、固定する。図2、図3は、第1ファイバ挿入・引留工程が完了した状態を示す。第2ファイバ挿入・引留工程では、別の光ファイバケーブル12(以下、第2光ファイバケーブルとも言う)の光ファイバ12aの先端部をスプライス30に挿入して、第1光ファイバケーブル11の光ファイバ11a(以下、第1光ファイバとも言う)に突き当て状態としてスプライス30に固定する。
光ファイバケーブル11、12の固定部材付きケーブル端末1aは、光ファイバケーブル11、12端末に引留用固定部材120を固定して組み立てる。固定部材付きケーブル端末1aを組み立てた光ファイバケーブル11、12は、その端末に露出させた光ファイバ2を引留用固定部材120前端から突出させる。つまり、光ファイバ2の光ファイバケーブル11、12端末からの露出長は、光ファイバ2を引留用固定部材120前端から突出させることができる長さで確保する。
ここで、光ファイバ2の引留用固定部材120前端からの突出長は、光ファイバ接続用ユニット10のユニットベース20の固定部材案内部24に挿入した固定部材付きケーブル端末1aの引留用固定部材120前端が使用時位置のスペーサ用突起48に当接したときに、光ファイバ2先端がスプライス30の長手方向中央部に配置される長さとする。固定部材付きケーブル端末1aの引留用固定部材120前端が使用時位置のスペーサ用突起48に当接したときには、前記引留用固定部材120から突出する前記光ファイバ2が前記スプライス30に所定長さだけ挿入され、光ファイバ2先端がスプライス30の長手方向中央部に配置される。
引留用固定部材120前端が使用時位置のスペーサ用突起48に当接したときの固定部材付きケーブル端末1aの位置を、以下、ファイバ挿入完了位置とも言う。
また、固定部材付きケーブル端末1aは、光ファイバ2の前記突出長部分の先端部の被覆を除去して、裸光ファイバ2aを口出しした状態で、固定部材案内部24に挿入する。
工具付きスプライス30Aにおけるベース部材31と各蓋部材321、322、323との間の開放量は、スプライス用工具40の介挿片41の板状の先端介挿部41aの厚み寸法によって設定できる。
例えば、図17に示すように、ベース部材31とサイド蓋(図示例では第2サイド蓋323)との間の介挿片41の介挿による開放量は、光ファイバ2が、被覆部挿入溝31dとサイド蓋323の対向面323aとの間の領域(ファイバ収納領域。図16の符号FS参照)から脱落せず、ファイバ収納領域内に挿通された状態を保てる範囲とする。
ファイバ収納領域FS(図16参照)は、被覆部挿入溝と、該被覆部挿入溝が形成されている素子(図示例ではベース部材31)の対向面に垂直の方向における、前記被覆部挿入溝に対面する素子の前記被覆部挿入溝に対面する部分との間の領域である。
なお、図16においては、光ファイバ2の被覆部を挿入した被覆部挿入溝の溝底付近に確保されるクリアランス(図17参照)の図示を省略している。
中央蓋322とベース部材31との間の介挿片41の介挿による開放量は、光ファイバ2先端に口出しされた裸光ファイバ2aが、調心溝31bと中央蓋322の対向面322aとの間の領域(裸光ファイバ収納領域FS2)から脱落しない範囲とする。
裸光ファイバ収納領域FS2(図16参照)は、調心溝31bと、該調心溝31bが形成されている素子(図示例ではベース部材31)の対向面31aに垂直の方向における、中央蓋322の対向面322aの前記調心溝31bに対面する部分との間の領域である。
光ファイバ2は、固定部材付きケーブル端末1aを固定部材案内部24に挿入していくことで、ユニットベース20のスプライスホルダ部21の端板部21bに形成されたファイバ導入孔21hを介して、スプライス30のファイバ収納領域FSに挿入できる。
光ファイバ2先端に口出しした裸光ファイバ2aは、固定部材付きケーブル端末1aのスプライス30に対する前進によって、ファイバ導入孔21hから、スプライス30のファイバ収納領域FS(図16参照)を介して裸光ファイバ収納領域へ挿入できる。
スプライス30の半割り把持部材34には、ファイバ収納領域FSへの光ファイバ2の挿入を円滑にするために、その長手方向両端面から先細りのテーパ状に窪むテーパ状凹所34aが開口されている。図16に示すように、テーパ状凹所34aの奥端は前記ファイバ収納領域FSと連通している。
光ファイバケーブル11、12の光ファイバ2の前記突出長は、その合計が、各光ファイバケーブル11、12の固定部材付きケーブル端末1aがファイバ挿入完了位置にあるときの引留用固定部材120間の離隔距離と同等、あるいは前記離隔距離に比べてごく僅か(例えば、0.01〜0.1mm)だけ長くなるように確保する。この光ファイバ接続方法では、光ファイバ2同士の突き当て時に、光ファイバ2の撓み形成の確認を行わない。このため、この光ファイバ接続方法では、光ファイバ2の前記突出長に、突き当て確認用の目視可能な大きさの撓み形成を考慮した長さを確保する必要が無い。
(第1ファイバ挿入・引留工程)
第1ファイバ挿入・引留工程では、まず、第1光ファイバケーブル11の固定部材付きケーブル端末1aを、光ファイバ接続用ユニット10の両側のケーブル引留部23の一方(以下、第1ケーブル引留部23Aとも言う)の固定部材案内部24に挿入し、第1スプライス用工具40Aのスペーサ用突起48(第1のスペーサ。図7中符号48aを付記する)に当接させる。このとき、スペーサ用突起48aは、スプライスホルダ部21のホルダ端板部21bと引留用固定部材120(第1引留用固定部材)との間に挟み込まれる。
ここで、図1に示すように、第1ケーブル引留部23Aは、光ファイバ接続用ユニット10の2つのスプライス用工具40A、40Bのうち、第1スプライス用工具40Aに近い側のケーブル引留部23を指す。
なお、第2スプライス用工具40Bに近い側のケーブル引留部23を、以下、第2ケーブル引留部23Bとも言う。この第2ケーブル引留部23Bの構成は、第1ケーブル引留部23Aと同様である。
次いで、第1スプライス用工具40の一対の弾性操作片44に互いに接近させる押圧力P(図10参照)を作用させて、第1スプライス用工具40の介挿片41をスプライス30から抜き去り、スプライス用工具40をユニット本体10Aから取り外す。次いで、レバー部材25を引留用固定部材120に係合させて、固定部材付きケーブル端末1aのスプライス30に対する後退を規制する(引き留める)。
既述のように、第1スプライス用工具40Aの介挿片41は、スプライス30の第1サイド蓋321に対応する1カ所、及び中央蓋322における第1サイド蓋321側の1カ所の計2カ所の介挿片挿入穴35に挿入されている。つまり、第1スプライス用工具40Aの介挿片41は、スプライス30の第1サイド蓋321とベース部材31との間、及びベース部材31に沿う細長板状の中央蓋322の長手方向中央部から第1サイド蓋321側の部分とベース部材31との間に介挿されている。
第1スプライス用工具40の介挿片41をスプライス30から抜き去ると、第1光ファイバ11aが、スプライス30のクランプばね33の弾性によって、スプライス30の第1サイド蓋321とベース部材31との間、及び中央蓋322とベース部材31との間に把持固定される。
図8、図9に示すように、スプライス用工具40の介挿片支持板部43は、工具基部47に片持ちに支持されている。このため、スプライス用工具40は、一対の弾性操作片44を互いに接近させる操作によって介挿片41をスプライス30から抜き去るとき、介挿片支持板部43が工具基部47側の基端部の弾性変形によって該基端部を中心に工具基部47に対して回動する。スプライス用工具40は、一対の弾性操作片44を互いに接近させる操作によって、介挿片支持板部43の長手方向複数箇所に突設されている介挿片41のうち、工具基部47からの離隔距離が大きいものから順に、スプライス30の半割り把持部材34からの抜き去りが実現されるようになっている。
図8、図9に示すように、スプライス用工具40の介挿片支持板部43は、工具基部47に一体化されている基端部が該介挿片支持板部43の他の部分に比べて肉薄の薄肉部43cとなっている。このため、スプライス用工具40は、一対の弾性操作片44を互いに接近させる操作によって、介挿片支持板部43が、その基端部をヒンジ部として、工具基部47に対して回動する。
図示例のスプライス用工具40の介挿片支持板部43には、その長手方向に互いに離隔した2箇所に介挿片41が突設されている。このスプライス用工具40は、一対の弾性操作片44を互いに接近させる操作によって、介挿片支持板部43先端側の第1介挿片411のスプライス30からの抜き去りが完了した後に、該第1介挿片411よりも工具基部47側に位置する第2介挿片412のスプライス30からの抜き去りが完了する。
図8に示すように、図示例のスプライス用工具40の介挿片支持板部43の支持板側傾斜面45は、介挿片支持板部43において第1介挿片411を介して工具幅方向両側の端部、及び第2介挿片412を介して工具幅方向両側の端部、の計4カ所に形成されている。第1介挿片411を介して工具幅方向両側の支持板側傾斜面45を、以下、支持板側第1傾斜面45a、第2介挿片412を介して工具幅方向両側の支持板側傾斜面45を、以下、支持板側第2傾斜面45b、とも言う。
弾性操作片44の突部44a、44bは、介挿片支持板部43の長手方向の2カ所の支持板側傾斜面45に対応させて、弾性操作片44の長手方向の互いに離隔する2カ所に突設されている。弾性操作片44を介挿片支持板部43に向かって移動したときに、支持板側第1傾斜面45aに当接する突部44aを、以下、第1突部、支持板側第2傾斜面45bに当接する突部44bを、以下、第2突部、とも言う。また、図9、図10に示すように、第1突部44aに形成されている操作片側傾斜面46を、以下、操作片側第1傾斜面46a、第2突部44bに形成されている操作片側傾斜面46を、以下、操作片側第2傾斜面46b、とも言う。
図10に示すように、図示例のスプライス用工具40は、支持板側第1傾斜面45aの介挿片突出面43aに対する傾斜角度θ45aを、支持板側第2傾斜面45bの介挿片突出面43aに対する傾斜角度θ45bに比べて小さくしてある。一方、操作片側第1傾斜面46aの介挿片突出面43a(及びその仮想延長)に対する傾斜角度θ46aは、操作片側第2傾斜面46bの介挿片突出面43a(及びその仮想延長)に対する傾斜角度θ46bに比べて大きくしてある。また、図示例のスプライス用工具40は、支持板側第1傾斜面45aの傾斜角度θ45aと支持板側第2傾斜面45bの傾斜角度θ45bとの差を、操作片側第1傾斜面46aの介挿片突出面43aの傾斜角度θ46aと操作片側第2傾斜面46bの傾斜角度θ46bとの差に比べて大きくしてある。
図示例のスプライス用工具40は、支持板側第1傾斜面45aの抜き去り用操作・駆動部42裏面側の縁部から操作片側第1傾斜面46aまでの工具幅方向の離隔距離を、支持板側第2傾斜面45bの介挿片突出側の縁部から操作片側第2傾斜面46bまでの工具幅方向の離隔距離よりも小さくしてある。このため、図示例のスプライス用工具40は、一対の弾性操作片44を互いに接近させる操作によって介挿片41をスプライス30から抜き去るとき、第1介挿片411のスプライス30からの抜き去りが、第2介挿片412のスプライス30からの抜き去りよりも先行して実現される。
第1介挿片411のスプライス30からの抜き去りが、第2介挿片412のスプライス30からの抜き去りよりも先行して実現される構成は、第1、第2スプライス用工具40A、40Bに共通する。
また、スプライス用工具40のスペーサ用突起48のスペーサ用窓孔22bからの抜き去り(使用時位置からの退避)は、スプライス用工具40をユニット本体10Aから取り外すことにより実現される。スペーサ用突起48のスペーサ用窓孔22bからの抜き去りは、スプライス用工具40の全ての介挿片41のスプライス30からの抜き去り完了後に実現される。
図3、図7に示すように、前記固定部材案内部24の底板部24aには、前記スペーサ用窓孔22b内に突出して、前記スペーサ用窓孔22b内の前記スペーサ用突起48を、スプライス30側に弾性付勢する弾性押圧片22d(押圧部)が形成されている。前記弾性押圧片22dは、底板部24aにおいて、スペーサ用窓孔22bを介して幅方向両側に位置する部分から、それぞれスペーサ用窓孔22b内に張り出すように突出された舌片状の突片である。底板部24aのスペーサ用窓孔22bを介して幅方向両側に位置する部分から、それぞれ突出する前記弾性押圧片22dの突端間にはクリアランスが確保されている。
スペーサ用突起48は、前記スペーサ用窓孔22bのうち、前記弾性押圧片22dからスプライスホルダ部21側の領域(以下、スペーサ挿入領域22c)に挿入(圧入)される。そして、このスペーサ用突起48は、前記弾性押圧片22dによって、ユニットベース20のベース板部22において前記スペーサ用窓孔22bのスプライスホルダ21側に位置する部分(内壁。以下、突起受け部22eとも言う)に弾性付勢されて、前記突起受け部22eに押し付けられる。これにより、スペーサ用突起48は、スペーサ用窓孔22b内にてがたつくことなく、高精度に位置決めされる。
弾性押圧片22dによってスペーサ用突起48を弾性付勢してユニットベース20のベース板部22の突起受け部22eに押し付け、スペーサ用突起48を高精度に位置決めする構成は、固定部材案内部24に挿入してスペーサ用突起48に当接させた引留用固定部材120の位置決め精度の安定確保に有効に寄与する。このことは、スプライス30の素子31、32間(具体的には裸光ファイバ収容領域FS2)に挿入した第1光ファイバ11a先端の、スプライス30長手方向における位置決めを高精度かつ安定に行うことに有利である。
図2、図3、図11、図12に示すように、レバー部材25は、平板状の天板部25aと、この天板部25aの両側に垂直に立設されて互いに平行に設けられた一対のレバー側板部25bと、係合片部25cとを有している。
一対のレバー側板部25bは細長板状であり、長手方向一端側が天板部25aから延出された延出部を有している。レバー部材25は、一対のレバー側板部25bの前記延出部をユニットベース20の幅方向両側に突設されている回転軸26によって、ユニットベース20の幅方向の軸線を以て回転自在に支持されている。このレバー部材25は、ユニットベース20に対して前記回転軸26を中心に回動可能に取り付けられている。
このレバー部材25は、固定部材案内部24に引留用固定部材120を挿入する際には、前記引留用固定部材120との接触を回避する待機位置に配置される。
このレバー部材25は、ユニットベース20に対する回動によって前記待機位置から、一対のレバー側板部25bの長手方向他端側に設けられている係合片部25cを、前記固定部材案内部24に収容された引留用固定部材120の後側に配置して引留用固定部材120に係合させ、前記引留用固定部材120の後退を規制できる。このときのレバー部材25の位置を後退規制位置とも言う。レバー部材25は、後退規制位置にあるとき、引留用固定部材120を、スプライスホルダ部21の端板部21bとの間に挟み込んでユニットベース20に固定する。
図示例のレバー部材25は、後退規制位置にあるとき、天板部25aと一対のレバー側板部25bと係合片部25cとによって囲まれる内側に、引留用固定部材120とともに固定部材案内部24の一対の案内側板部24bを収容する。また、レバー部材25は、一対のレバー側板部25bの間隔方向であるレバー幅方向両側に互いに離隔して設けられた係合片部25cを、引留用固定部材120から後側に延出する光ファイバケーブル1の両側に配置する。レバー部材25は、レバー幅方向をユニットベース20の幅方向に揃えてユニットベース20に設けられている。
レバー部材25の待機位置は、レバー部材25の回転軸26を中心とする回動範囲において、後退規制位置から離隔し、かつ固定部材案内部24への固定部材付きケーブル端末1aの挿入の障害にならない(固定部材付きケーブル端末1aの引留用固定部材120に接触しない)位置を指す。
第1ファイバ挿入・引留工程では、第1スプライス用工具40Aをユニットベース20から取り外し、第1スプライス用工具40Aのスペーサ用突起48aをスペーサ用窓孔22bから抜き去った後、第1光ファイバケーブル11の固定部材付きケーブル端末1aをファイバ挿入完了位置から前進限界位置へ移動するとともに、引留部(引留手段。ここではレバー部材25)を用いて固定部材付きケーブル端末1aの前進限界位置から後退を規制する。
レバー部材25を用いて固定部材付きケーブル端末1aの前進限界位置から後退を規制することは、レバー部材25を待機位置から後退規制位置へ移動することで実現できる。
なお、図示例のスプライス用工具40のスペーサ用突起48の引留用固定部材120とホルダ端板部21bとの間からの退避は、スプライス用工具40の全ての介挿片41のスプライス30からの抜き去り完了後に完了する。但し、スプライス用工具40としては、引留用固定部材120とホルダ端板部21bとの間からのスペーサ用突起48の退避が、スプライス用工具40の全ての介挿片41のスプライス30からの抜き去り完了と同時に完了する構成であっても良い。
固定部材付きケーブル端末1aのファイバ挿入完了位置から前進限界位置への移動(前進)は、引留用固定部材120とホルダ端板部21bとの間からのスペーサ用突起48の退避完了後であり、スプライス用工具40の全ての介挿片41のスプライス30からの抜き去りが完了した後である。
図12、図13に示すように、一対のレバー側板部25bの長手方向他端部は天板部25aに一体化されている。レバー部材25の係合片部25cは、一対のレバー側板部25bの長手方向他端部の互いに対面する内面側に突設され、天板部25aに対して垂直方向に延在する突壁状に形成されている。この係合片部25cの天板部25aとは反対側の端部には、天板部25aから離隔するにしたがってレバー側板部25bの長手方向一端部からの距離が増大するように、前記天板部25aに対して傾斜する傾斜面25dが形成されている。
前記傾斜面25dは、レバー部材25を前記待機位置から回動して前記後退規制位置とする際に、ファイバ挿入完了位置にある引留用固定部材120の後端面上端(図13において引留用固定部材120左側の後端面の上端)に当接する。引留用固定部材12は、ファイバ挿入完了位置にあるとき、その後端部が、固定部材案内部24の両側の案内側板部24bからスプライス30とは反対の側に突出している。
前記傾斜面25dは、前記待機位置から前記後退規制位置へのレバー部材25の回動に伴い、前記引留用固定部材120を前記スプライス30へ向かって押圧して前進させる固定部材押圧前進部として機能する。これにより、引留用固定部材120をホルダ端板部21bに当接させて前進限界位置に固定できるとともに、引留用固定部材120のケーブル固定部129に固定されている光ファイバケーブル11端末とスプライス30との間にて光ファイバ2に撓み2cを形成、確保できる。
撓み2cの形成は、第1スプライス用工具40Aの取り外しによってスプライス30に固定された第1光ファイバ11aに、例えば第1光ファイバケーブル11の取り回しや温度サイクルの影響等によって、無理な引っ張り力が作用することを防ぐことができる。このため、撓み2cの形成は、無理な引っ張り力の作用による第1光ファイバ11aの断線、スプライス30に対する固定位置のずれ等の回避に有利である。
図6B、図13に示すように、スペーサ用窓孔22bのスペーサ挿入領域22cは、その一部(図示例ではスペーサ挿入領域22cの大部分)が、ホルダ端板部21bにその固定部材案内部24側の面21j(固定部材当接面21j)から窪んで形成された凹部21iの延長上に形成されている。ホルダ端板部21bの前記凹部21iは、ホルダ端板部21bの固定部材案内部24側に上下方向に延在する溝状に形成されている。また、図示例の凹部21iは、ホルダ端板部21bの固定部材案内部24側を上下方向に貫通し、かつベース板部24も貫通して形成されている。スペーサ用窓孔22bのスペーサ挿入領域22cの前記凹部21iの延長上に位置する部分は、前記凹部21iがベース板部22を貫通した部分によって形成されている。スペーサ用窓孔22bのスペーサ挿入領域22cは、スプライスホルダ部21のホルダ下板部21aに固定部材案内部24から切り込むように形成されている。
スペーサ挿入領域22cに挿入されたスペーサ用突起48(スペーサ)は、弾性押圧片22dとは反対の側がホルダ端板部21bの凹部21iに挿入され、弾性押圧片22dの弾性付勢力によってホルダ端板部21b、及び突起受け部22eに当接される。
図示例の凹部21iは、具体的には、ホルダ端板部21bの固定部材案内部24側にベース板部22に垂直の上下方向に延在形成され、ベース板部22にも貫設された角溝である。前記突起受け部22eは、前記凹部21iのベース板部22を貫通する部分の溝底面を形成する。図示例のスペーサ用突起48は、具体的には、図7に示すように、角溝である凹部21iの溝底面21k及びその両側の内側面とに沿って配置される3面と、ホルダ端板部21bの固定部材案内部24側の面21jから若干離隔して設けられた弾性押圧片22dに当接される1面とを4側面とする断面矩形の挿入片である。
スペーサ挿入領域22cに挿入されて弾性押圧片22dの弾性付勢力によってスプライス30側に弾性付勢されたスペーサ用突起48は、凹部21iの溝底面22kに押し付けられて高精度に位置決めされる。
前記弾性押圧片22dは、ホルダ端板部21bから、スプライス30とは反対の側へクリアランスを介して離隔して設けられている。スペーサ挿入領域22cに挿入されたスペーサ用突起48(スペーサ)は、ユニットベース20長手方向においてホルダ端板部21bから固定部材案内部24側へ突出する寸法を有する。このスペーサ用突起48に当接した引留用固定部材120の位置(ファイバ挿入完了位置)は、スペーサ用突起48のホルダ端板部21bから固定部材案内部24側への突出寸法に相当する距離だけ、スプライス30からの離隔距離が前進限界位置よりも大きい位置である。
図1に示すように、第1、第2ケーブル引留部23A、23Bのレバー部材25は、前記スプライス用工具に当接して該レバー部材を前記待機位置に保つ回動規制用当接部25e(回動規制用当接突部)を有している。
図1、図2に示すように、レバー部材25の回動規制用当接部25eは、レバー側板部25bの回転軸26に取り付けられている長手方向一端部から、長手方向他端部とは反対の方向に突出された突片である。また、この回動規制用当接部25eは、レバー側板部25bにおいて天板部25aに一体化されている側とは反対側の端部(以下、突端部)から突出している。
ユニット本体10Aに取り付けられているスプライス用工具40の抜き去り用操作・駆動部42はスプライスホルダ部21下面側に配置される。レバー部材25は、ユニット本体10A長手方向の2カ所に設けられるスプライス用工具40のうち、該レバー部材25が設けられているケーブル引留部23のスペーサ用窓孔22bにスペーサ用突起48を挿入しているスプライス用工具40の抜き去り用操作・駆動部42(具体的には工具基部47)に、固定部材案内部24側から前記回動規制用当接部25eを当接させることができる。レバー部材25は、スプライス用工具40の抜き去り用操作・駆動部42(具体的には工具基部47)に前記回動規制用当接部25eを当接させることで待機位置に支持され、該待機位置から後退規制位置への回動、倒れ込みが規制される。
図1に例示した光ファイバ接続用ユニット10は、第1、第2ケーブル引留部23A、23Bのレバー部材25が、それぞれ、スプライス用工具40の抜き去り用操作・駆動部42(具体的には工具基部47)に回動規制用当接部25eを当接させて待機位置に支持された構成になっている。
スプライス用工具40の抜き去り用操作・駆動部42(具体的には工具基部47)に回動規制用当接部25eを当接させて待機位置に支持されたレバー部材25は、スプライス用工具40の抜き去り用操作・駆動部42に対する回動規制用当接部25eを当接が解除されない限り、待機位置に支持された状態が安定に保たれる。
レバー部材25は、回動規制用当接部25eを当接させたスプライス用工具40をユニット本体10Aから取り外すことで、回動規制用当接部25eのスプライス用工具40に対する当接を解除できる。これにより、レバー部材25は、待機位置から後退規制位置へ回動させることが可能となる。レバー部材25は、該レバー部材25の回動規制用当接部25eを当接させたスプライス用工具40をユニット本体10Aから取り外さない限り、待機位置に支持された状態が解除されず、後退規制位置側へ配置することができない。
図2等に示すように、待機位置から後退規制位置へ回動させたレバー部材25は、両側のレバー側板部25bの中央部にそれぞれ形成された係止用窓孔25fに、固定部材案内部24の両側の案内側板部24bに突設されている係止爪24dを入り込ませて係合させることができる。これにより、レバー部材25は、後退規制位置に配置された状態を安定に保つことができる。
なお、固定部材案内部24の係止爪24dは、一対の案内側板部24bの互いに対面する内面側とは反対の外面側に突設されている。
(第2ファイバ挿入・引留工程)
第2ファイバ挿入・引留工程では、まず、第2光ファイバケーブル12に組み立てた固定部材付きケーブル端末1aを、第2ケーブル引留部23Bの固定部材案内部24に挿入し、光ファイバケーブル12端末から突出させた第2光ファイバ12aを、スプライスホルダ部21のホルダ端板部21bのファイバ導入孔21hを介してスプライス30のファイバ収容領域FSに挿入していく。また、これにより、第2光ファイバ12aに予め口出ししておいた裸光ファイバ2aを、スプライス30のファイバ収容領域FSを介して裸光ファイバ収容領域FS2に挿入していく。
上述の実施形態では、前進規制用ストッパ突部(具体的にはホルダ端板部21b)が、引留用固定部材120との間に第1のスペーサを挟み込むスペーサ受け部を兼ねる構成を例示したが、本発明に係る実施形態の光ファイバ接続用ユニットとしてはこれに限定されず、前進規制用ストッパ突部とスペーサ受け部とが別々に設けられている構成も採用可能である。
第2ケーブル引留部23Bの固定部材案内部24に挿入した固定部材付きケーブル端末1aは、スプライス30からの距離を短縮するように前進させることで、引留用固定部材120(第2引留用固定部材)前端を第2スプライス用工具40Bのスペーサ用突起48(第2のスペーサ。図7中、符号48bを付記する)に当接させる。引留用固定部材120前端がスペーサ用突起48bに当接すると、裸光ファイバ収容領域FS2内にて、引留用固定部材120前端から前側へ延出する第2光ファイバ12a先端が、スプライス30に固定済みの第1光ファイバ11a先端に突き当て(突き合わせ)られる。第1、第2光ファイバ11a、12aの先端同士の突き当ては、具体的には第2光ファイバ12a先端部に口出しされた裸光ファイバ2a先端と、第1光ファイバ11a先端部に口出しされた裸光ファイバ2a先端との突き合わせである。このとき、第1光ファイバ11はスプライス30に固定済みであるので、第2光ファイバ12を第1光ファイバ11に突き当て(突き合わせ)たときに、第1光ファイバ11にスプライス30に対するその長手方向への位置ずれは生じない。
ここで、光ファイバケーブル11、12の光ファイバ2の前記突出長の合計を、各光ファイバケーブル11、12の固定部材付きケーブル端末1aがファイバ挿入完了位置にあるときの引留用固定部材120間の離隔距離(以下、挿入完了時固定部材間距離とも言う)に比べて0.05mm以上長くした場合について説明する。この場合は、第2ファイバ挿入・引留工程にて、第2光ファイバケーブル12に固定されている引留用固定部材120(第2引留用固定部材)がファイバ挿入完了位置に到達したときに、この第2引留用固定部材120とスプライス30の半割り把持部材34との間にて、第2光ファイバ12aに目視可能な大きさの撓みを形成できる。この場合は、第2光ファイバ12aに撓みが形成されたことを目視確認することで、突き当て確認を行うことができる。
但し、この光ファイバ接続方法では、光ファイバケーブル11、12の光ファイバ2の前記突出長の合計と挿入完了時固定部材間距離との差が0.05mm未満であっても、第2光ファイバ12aに撓みを確実に形成できる。
この光ファイバ接続方法では、第2光ファイバ12aに撓みを形成することで、その弾性力(第2光ファイバ12aが直線状に戻ろうとする復元力)により第2光ファイバ12aを第1光ファイバ11aに確実に突き当てることができる。この点、この光ファイバ接続方法では、光ファイバ2同士の突き当て時に、光ファイバ2の撓み形成の確認を省略することも可能である。
第2ファイバ挿入・引留工程は、第2光ファイバ12aの突出長を、第2引留用固定部材がファイバ挿入完了位置に到達したときに、第2光ファイバ12aに突き当て確認用の目視可能な大きさの撓み形成を実現するに満たない(目視確認が難しい微小サイズの撓みを形成する)長さとした構成も採用可能である。
次いで、第2スプライス用工具40Bを、その一対の弾性操作片44に互いに接近させる押圧力P(図10参照)を作用させてスプライス30から介挿片41を抜き去り、ユニット本体10Aから取り外す。次いで、レバー部材25を待機位置から後退規制位置へ回動し、引留用固定部材120にレバー部材25を係合させて、固定部材付きケーブル端末1aのスプライス30に対する後退を規制する(引き留める)。
この際、レバー部材25に押圧されて引留用固定部材120が前進することによって、光ファイバケーブル12端末とスプライス30との間の第2光ファイバ12aに形成された撓みは大きくなる。形成された撓みの大きさは、光ファイバケーブル11の第1光ファイバ11aに形成された撓みと同等であることが望ましい。この撓みは、第2光ファイバ12aの光特性に影響を与えない程度の大きさとすることが望ましい。
これにより、第2光ファイバケーブル12の固定部材付きケーブル端末1aがユニット本体10Aに引き留められて第2ファイバ挿入・引留工程が完了する。
第2ファイバ挿入・引留工程が完了すると、ユニット本体10Aに光ファイバケーブル11、12が引き留められ、これら光ファイバケーブル11、12の端末に口出しされた光ファイバ同士がユニット本体10Aのスプライス30にて突き合わせ接続された構成のファイバ接続部が組み立てられる。
この光ファイバ接続方法は、ファイバ接続部を組み立てるファイバ接続部組立方法と言うことができる。
スプライス30からの第2スプライス用工具40Bの介挿片41の抜き去りは、第2光ファイバ12aの第1光ファイバ11aに対する突き当て状態を保ったまま行う。これにより、スプライス30からの第2スプライス用工具40Bの介挿片41の抜き去りが完了すると、第2光ファイバ12aが、第1光ファイバ11aに対する突き当て状態を保ったまま、スプライス30のクランプばね33の弾性によって、スプライス30の中蓋部材322とベース部材31との間、及び第2サイド蓋323とベース部材31との間に把持固定される。その結果、第1光ファイバ11aと第2光ファイバ12aとの突き合わせ接続状態が安定に保たれる。
本発明にかかる実施形態の光ファイバ接続方法は、光ファイバケーブル11、12の光ファイバ2の前記突出長の合計を挿入完了時固定部材間距離に比べて長くし、第2ファイバ挿入・引留工程にて第2引留用固定部材前端を第2スプライス用工具40Bのスペーサ用突起48(48b)に当接させることで、第2光ファイバ12aに撓みを確実に形成できる。この光ファイバ接続方法によれば、光ファイバケーブル11、12の光ファイバ2の前記突出長の合計と挿入完了時固定部材間距離との差が小さくても、第2ファイバ挿入・引留工程にて第2引留用固定部材前端を第2スプライス用工具40Bのスペーサ用突起48(48b)に当接させることで、第2光ファイバ12aに撓みを確実に形成できる。このため、この光ファイバ接続方法は、目視による突き当て確認を省略することも可能である。その結果、この光ファイバ接続方法は、暗所や狭隘なスペースでの作業であっても、光ファイバ同士の突き合わせ接続作業を確実に進めることができる。
この光ファイバ接続方法は、光ファイバ同士の突き当て確認のための光ファイバの撓み形成を行うことなく光ファイバ同士を突き合わせ接続することも可能である。
以上、本発明を最良の形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の最良の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
上述の実施形態にて説明した光ファイバ接続用ユニット10のスプライスホルダ部21のホルダ端板部21bは、引留用固定部材120前端を当接させることで、引留用固定部材120のそれ以上の前進(スプライスからの離隔距離の短縮)を規制するために、ユニットベース20のベース板部22上に突設された前進規制用ストッパ突部として機能する。但し、前進規制用ストッパ突部としては、引留用固定部材120前端を当接させることで、引留用固定部材120の前進をスプライスから離隔した位置(前進限界位置)に停止させるために、ユニットベース20に突設した突部であれば良く、ホルダ端板部21bに限定されない。前進規制用ストッパ突部としては、例えば、固定部材案内部24の内面に突設された突部等であっても良い。
上述の実施形態では、前進規制用ストッパ突部(具体的にはホルダ端板部21b)が、引留用固定部材120との間に第1のスペーサを挟み込むスペーサ受け部を兼ねる構成を例示したが、本発明に係る実施形態の光ファイバ接続用ユニットとしてはこれに限定されず、前進規制用ストッパ突部とスペーサ受け部とが別々に設けられている構成も採用可能である。
光ファイバ接続用ユニットのスプライスホルダ部としては、スプライスを細長形状のユニットベースの長手方向中央部に保持できるものであれば良く、その具体的構成には特には限定は無い。スプライスホルダ部としては、ホルダ端板部を有していない構成も採用可能である。スプライスホルダ部としては、例えば、ユニットベースのベース板部の長手方向中央部と、その幅方向両側に立設された側壁部とによって、スプライスを3方から取り囲んで保持する構成のもの等も採用可能である。
上述の実施形態にて説明した光ファイバ接続用ユニット10のスプライス用工具40のスペーサ用突起48は、光ファイバケーブル端末に固定した引留用固定部材を当接させて、該引留用固定部材を、ユニットベース20に設けられた前進規制用ストッパ突部に当接する前進限界位置よりもスプライスからの離隔距離が大きい位置(ファイバ挿入完了位置)に位置決めするスペーサとして機能する。
但し、本発明にかかる実施形態の光ファイバ接続用ユニットのスペーサとしては、スプライス用工具40のスペーサ用突起48に限定されず、スプライス用工具40とは別体の部材を採用することも可能である。この場合、スプライス用工具としては、スペーサ用突起48を有していないものを採用できる。
スペーサは、引留用固定部材を当接させる所定の使用時位置にスプライスに接近する方向の移動を規制して配置でき、かつ使用時位置から引留用固定部材と当接しない位置へ移動可能としてユニットベースに設けることができるものであれば良く、その具体的形状、ユニットベースに対する取付構造等には特には限定は無い。
上述の実施形態の光ファイバ接続方法(ファイバ接続部組立方法)において、第2ファイバ挿入・引留工程は、第2光ファイバケーブル12端末に固定した引留用固定部材120をスペーサ(スペーサ用突起48)に当接する位置までスプライス30に向かって前進させて、スプライス30に第2光ファイバ12aを挿入する工程(ファイバ挿入工程)を有する。但し、本発明にかかる光ファイバ接続方法は、第2ファイバ挿入・引留工程のファイバス挿入工程にてスペーサを用いず、第2光ファイバケーブル12端末に口出しした光ファイバ12a(第2光ファイバ)を、スプライス30に把持固定済みの第1光ファイバ11a先端に突き当てることを以て、第1光ファイバ11aに対する第2光ファイバ12aの位置決めを実現する構成も採用可能である。
上述の実施形態では、光ファイバケーブル端末に引留用固定部材として外被把持部材を取り付け、光ファイバ接続用ユニットを用いて光ファイバケーブルの光ファイバ同士を接続する構成を例示したが、本発明は光ファイバケーブルの光ファイバ同士の接続に限定されない。本発明は、光ファイバ心線、光ファイバ素線といった被覆付き光ファイバに直接引留用固定部材(例えば、いわゆるファイバホルダ等)を固定して、被覆付き光ファイバ同士を接続することにも適用できる。
上述の実施形態にて説明した光ファイバ接続用ユニット10はスプライス用工具を含むものであるが、本発明にかかる実施形態の光ファイバ接続用ユニットとしてはスプライス用工具を具備していない構成であっても良い。例えば既述の実施形態の光ファイバ接続用ユニットは、ユニット部10A自体も本発明にかかる光ファイバ接続用ユニットとして機能し得るものであり、該ユニット本体自体を光ファイバ接続用ユニットとして用いることも可能である。ユニット本体自体を光ファイバ接続用ユニットとして用いる場合、既述の実施形態の光ファイバ接続用ユニットは、光ファイバ接続用ユニットとして機能するユニット本体にスプライス用工具を取り付けたもの(工具付きファイバ接続用ユニット)として把握できる。
スプライス用工具としては、抜き去り用操作・駆動部を具備するものに限定されない。
スプライス用工具としては、例えば、スプライスの素子間に割り入れる介挿片の先端部(先端介挿部)から基端側に、作業者が手指で把持してスプライスの素子に対してクランプばね33の背板部33aとは反対の抜き去り方向に引っ張り操作するためのハンドル部を有する構成も採用可能である。また、この構成のスプライス用工具としては、ハンドル部に介挿片が複数突設された構成の他、ハンドル部に介挿片が1つのみ突設された構成も採用可能である。
また、介挿片は、半割りの素子31、32間を、クランプばね33の弾性に抗して、光ファイバ2の挿入が可能な程度に押し開き、かつ素子31、32間から抜き去り可能なものであれば良く、板状のものに限定されない。介挿片としては、例えば柔軟なシート状のもの、ロッド状のもの等も採用可能である。
光ファイバ接続ユニットの引留部(引留手段)は、ユニットベースの長手方向両側の固定部材案内部に設けられた引留用固定部材のスプライスからの後退を規制し、ユニットベースに引き留めるものであれば良く、レバー部材に限定されず、各種構成のものを採用可能である。
また、引留部としては、ユニットベースに取り付けられている構成のものに限定されず、ユニットベースに後付けで取り付けられるユニットベースとは別体の部材であっても良い。
引留部としては、固定部材押圧前進部(既述の実施形態のレバー部材25にあっては図13の固定部材前進用傾斜面25d)を有していない構成のものも採用可能である。固定部材押圧前進部を有していない引留部としては、例えば、固定部材案内部に突設され、引留用固定部材に係合することで該引留用固定部材を前進規制用ストッパ突部に当接する前進限界位置に固定し、スプライスに対する後退を規制する弾性係合爪なども採用可能である。
引留部として、固定部材押圧前進部を有していないものを採用した場合は、光ファイバ接続方法(ファイバ接続部組立方法)において、例えばスペーサに当接して挿入設定位置に配置した引留用固定部材を、スペーサを引留用固定部材に当接しない位置へ移動した後に、作業者が手指で押圧することなどによって前進させて前進規制用ストッパ突部に当接する前進限界位置に配置し、引留部によって前進限界位置に引き留める。
光ファイバ接続ユニットとしては、スペーサの使用時位置からの退避後に前進させた引留用固定部材の前進を規制する前進規制部を、ユニットベースの前進規制用ストッパ突部とは別に具備する構成も採用可能である。
図21は、レバー部材25の天板部25aに、スペーサの使用時位置からの退避後に前進させた引留用固定部材を当接させることでその前進を規制する突起25g(前進規制用突部)を前進規制部として突設した構成を例示する。この図21の構成では、スペーサの使用時位置からの退避後に、待機位置から後退規制位置に回動させたレバー部材25の係合片部25cと前記突起25gとの間に引留用固定部材120を挟み込むようにして保持、固定する。レバー部材25が待機位置にあるとき、スペーサが固定部材案内部に案内されながら移動する引留用固定部材120に当接しない位置にあれば、引留用固定部材120は前進規制用ストッパ突部に当接可能であり、該前進規制用ストッパ突部に当接する位置が前進限界位置である。
なお、図21では、スプライスホルダ部21のホルダ端板部21bを前進規制用ストッパ突部として用いる構成を例示しているが、この図示例のホルダ端板部21bの引留用固定部材120前端が当接される固定部材当接面21jは、レバー部材25の係合片部25cと前記突起25gとの間に保持、固定された引留用固定部材120の前端よりも、スプライス30側にずれた位置にある。レバー部材25の係合片部25cと前記突起25gとの間に保持、固定された引留用固定部材120は、ホルダ端板部21bに当接しない。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について、図面を参照して説明する。
まず、図39A〜図39Fを参照して本発明に係る第2実施形態の概要を説明し、その後、図20及び図22〜図38を参照してより詳細な実施形態を説明する。なお、本実施形態において、第1実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付して説明する。
<光ファイバ接続方法>
本実施形態の光ファイバの接続方法は、第1光ファイバケーブル11端末から引き出して露出(突出)させた光ファイバ11aと、第2光ファイバケーブル12端末から引き出して露出(突出)させた光ファイバ12aとを、メカニカルスプライス30を用いて突き合わせ接続して、光ファイバケーブル11、12同士を互いに接続する方法である。
光ファイバ11a、12aは、裸光ファイバ2aの外周面(側面)を被覆2bで覆った構成の被覆付き光ファイバであり、例えば光ファイバ心線や光ファイバ素線等である。120は光ファイバケーブル11、12の端末に固定した引留用固定部材である。
メカニカルスプライス30(以下、単にスプライスとも言う)は、半割りの素子31、32間に光ファイバを挟み込むことができる。スプライス30は、素子(ベース部材31及び押さえ蓋32)をクランプばね33の内側に一括保持した構造であり、クランプばね33の弾性によって素子31、32間に光ファイバを挟み込むことができる。
スプライス30の長手方向の一端側(図39A〜Fの右端側)は、素子31、32間が、第3スプライス用工具1041の介挿部材(図示略)によって、クランプばね33の弾性に抗して、光ファイバ11a、12aの挿入が可能な程度に押し開かれている。
スプライス30の長手方向の他端側(図39A〜Fの左端側)は、素子31、32間が、第4スプライス用工具1042の介挿部材(図示略)によって、光ファイバ11a、12aの挿入が可能な程度に押し開かれている。
図39Aに示すように、第1光ファイバ11aを、スプライス30の一端側(図39A〜Fの右端側)から素子31、32間に挿入する。第1光ファイバ11aは、先端部がスプライス30の長手方向中央位置よりやや他端側(図39A〜Fの左端側)に達するまで前進させることが好ましい。
図39Bに示すように、第2光ファイバ12aを、スプライス30の他端側(図39A〜Fの左端側)から素子31、32間に挿入して第1光ファイバ11aに突き合わせ、突き当てにより第2光ファイバ12aにたわみ部5Lを形成する。
このときの第2光ファイバ12aの移動量は、第2光ファイバ12aに形成されるたわみ部5Lが、想定している適正なたわみ部5S2(図39F等)より大きくなるように設定される。
符号Pは光ファイバ11a、12aの接続点である。図示例の接続点Pはスプライス30の中央よりやや左寄りの位置にある。
図39Cに示すように、第1光ファイバ11aを後退させることにより、第2光ファイバ12aをたわみ部5Lの弾性により前進させる。第2光ファイバ12aの前進が不十分である場合は、作業者がたわみ部5Lを手指で押して第2光ファイバ12aの前進を促すこともできる。
第2光ファイバ12aが前進することによって、たわみ部5Lは、より小さいたわみ部5S2となる。これに伴い、光ファイバ11a、12aの接続点Pも一端側(図39A〜Fの右端側)に移動する。図示例では接続点Pはスプライス30の中央に移動する。
図39Dに示すように、第4スプライス用工具1042の介挿部材を素子31、32から引き抜くことによって、第2光ファイバ12aをクランプばね33の弾性によって素子31、32間に挟み込んでスプライス30の他端側(図39A〜Fの左端側)で把持固定する。
これによって、第2光ファイバ12aは、適正なたわみ部5S2を有した状態でスプライス30に把持固定される。
図39Eに示すように、第1光ファイバ11aを前進させ、第2光ファイバ12aに対する突き当てにより第1光ファイバ11aにたわみ部5S1を形成する。
図39Fに示すように、第2スプライス用工具1041の介挿部材を素子31、32から引き抜くことによって、第1光ファイバ11aをクランプばね33の弾性により素子31、32間に挟み込んでスプライス30の一端側(図39A〜Fの右端側)で把持固定する。
これによって、第1光ファイバ11aは、適正なたわみ部5S1を有した状態でスプライス30に把持固定される。たわみ部5S1の大きさは、第2光ファイバ12aのたわみ部5S2の大きさにほぼ等しくするのが好ましい。
以上の工程によって、第1光ファイバ11aと第2光ファイバ12aとがそれぞれ適正なたわみ部5S1、5S2を有する状態で接続される。
次に、図20及び図22〜図38を参照しつつ、本発明をより詳細に説明する。
図22〜図24に示す光ファイバ接続用ユニット1010(以下、光接続用ユニット1010という)は、本発明の光ファイバの接続方法の光ファイバケーブル同士の接続(光接続)に適用可能である。
なお、第1実施形態の光ファイバ接続用ユニットと同様に、光ファイバケーブル1(光ファイバケーブル11、12)は、光ファイバ2と、可撓性を有する線状の抗張力体3とを互いに並行になるように合成樹脂製の外被4によって一括被覆した構成のものである。
抗張力体3としては、例えばアラミド繊維等の抗張力繊維からなるものや、鋼線等を挙げることができる。
光ファイバ2は、裸光ファイバ2aの外周面(側面)を被覆2bで覆った構成の被覆付き光ファイバであり、例えば光ファイバ心線や光ファイバ素線等が挙げられる。裸光ファイバ2aは、例えば石英系光ファイバである。また、被覆2bは、例えば紫外線硬化性樹脂やポリアミド樹脂などを1層または複数層、ほぼ同心円状に被覆した樹脂被覆である。
光ファイバケーブル1としては、インドアケーブル、ドロップケーブル等が挙げられる。
図22〜図24に示すように、本発明の第2実施形態の光接続用ユニット1010は、光ファイバケーブル11、12端末に露出(突出)させた光ファイバ11a、12a同士を突き合わせ接続して、光ファイバケーブル11、12同士を互いに接続するものである。
光接続用ユニット1010は、半割りの素子31、32間に光ファイバを挟み込むメカニカルスプライス30(以下、単にスプライスとも言う)と、該スプライス30を保持するスプライスホルダ部1021を長手方向中央部に有する細長形状のユニット本体10Bとを有する。
ユニット本体10Bは、スプライス30を収容するスプライスホルダ部1021と、ユニット本体10Bの長手方向両端部に設けられて、光ファイバケーブル11、12の端末に固定した引留用固定部材120を収容して引き留めるケーブル引留部1022を有している。
前記スプライス30は、半割りの素子(後述のベース部材31及び押さえ蓋32)を断面コ字形あるいはC形(図示例では断面コ字形)で延在する細長形状のクランプばね33の内側に一括保持した構造である。このスプライス30は、前記クランプばね33の弾性によって半割りの素子31、32間に光ファイバを挟み込むことができる。
前記光接続用ユニット1010は、前記スプライス30の半割りの素子31、32間に割り入れることができる介挿片1045、1048(介挿部材)(後述。図25〜図27参照)を有する第3および第4のスプライス用工具1041、1042を具備する。
半割りの素子31、32間に介挿片1045、1048を割り入れたスプライス30を、以下、介挿部材付きスプライスとも言う。図示例の介挿部材付きスプライス30Aは、スプライス30の半割りの素子31、32間に、スプライス用工具1041、1042の介挿片1045、1048を割り入れた構成のものである。
なお、本発明の第2実施形態の光ファイバ同士の接続原理については、第1実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
本実施形態の光接続用ユニットは、図22〜図24に示すように、図示例の光接続用ユニット1010のユニット本体10Bを、プラスチック製の一体成形品とすることができる。
このユニット本体10Bは細長板状の底壁部23を有する。
このユニット本体10Bのスプライスホルダ部1021は、前記底壁部23の長手方向中央部に立設したホルダ側壁部24を有する。このホルダ側壁部24は、前記底壁部23からその上面23aにおける長手方向に垂直の方向である幅方向の一方の側縁に立設され、底壁部23長手方向に延在形成されている。
底壁部23の上面23aには、底壁部23の短手方向に嵌合溝部23bが形成されている。
このスプライスホルダ部1021は、その前記底壁部23長手方向における両端位置にて前記底壁部23上に立設したストッパ壁部251、252を有する。ストッパ壁部251、252は、スプライス30の長手方向の両端面が当接可能であり、ユニット本体10Bに対してスプライス30を長手方向に位置決めできる。
スプライスホルダ部1021は、底壁部1023とホルダ側壁部1024とストッパ壁部251、252とによって構成される空間に、スプライス30を位置決めして収納している。
スプライス30は、クランプばね33の背板部33aをホルダ側壁部1024に対面させ、クランプばね33の一対の側板部33bの片方をホルダ底壁部1021aに当接させてスプライスホルダ部1021内に収容されている。すなわち、スプライス30は、半割り把持部材34を介してクランプばね33の背板部33aとは反対の側(開放側)をホルダ側壁部1024が形成されていない側方に向けてスプライスホルダ部1021内に収容されている。
図25および図26に示すように、第1スプライス用工具1041は、概略長方形状の基板部1043と、基板部1043の一方の面1043aに突出形成された板状の突出板部1044と、突出板部1044の先端からさらに突出して形成された介挿片1045、1045とを備えている。図示例の第1スプライス用工具1041はプラスチック製の一体成形品である。
突出板部1044は、基板部1043の長手方向に沿って、基板部1043に対し垂直に形成されている。
介挿片1045、1045は、スプライス30の半割りの素子31、32間に割り入れ可能に形成されたものであって、突出板部1044に沿って延在する板状とされている。図示例では2つの介挿片1045、1045が突出板部1044の長手方向に間隔をおいて形成されている。
図25および図27に示すように、第4スプライス用工具1042は、概略長方形状の基板部1046と、基板部1046の一方の面1046dに突出形成された板状の突出板部1047と、突出板部1047の先端からさらに突出して形成された介挿片1048、1048と、基板部1046の一方の面1046dに突出形成された位置決め用突出片1049とを備えている。図示例の第4スプライス用工具1042はプラスチック製の一体成形品である。
基板部1046は、板状のベース部1046aと、ベース部1046aの長手方向の一端部を含む部分に厚肉化されて形成された台部1046bとを備えている。
台部1046bは、ベース部1046aの一方の面1046e(基板部1046の一方の面1046d)側に、ベース部1046aから突出して形成され、その突出高さ(ベース部1046aからの厚さ方向の突出寸法)は、第1スプライス用工具1041の基板部1043とほぼ等しいことが望ましい。
突出板部1047は、台部1046bに、基板部1046の長手方向に沿って、基板部1046に対し垂直に形成されている。
介挿片1048、1048は、スプライス30の半割りの素子31、32間に割り入れ可能に形成されたものであって、突出板部1047に沿って延在する板状とされている。図示例では2つの介挿片1048、1048が突出板部1047の長手方向に間隔をおいて形成されている。
位置決め用突出片1049は、台部1046bに、基板部1046の長手方向に沿って、基板部1046に対し垂直に形成されている。位置決め用突出片1049の幅寸法(基板部1046の長手方向の寸法)は、スプライスホルダ部1021の底壁部1023の嵌合溝部23bの幅寸法(底壁部1023の長手方向の寸法)にほぼ等しいか、またはこれよりやや小さくされる。このため、位置決め用突出片1049が嵌合溝部1023bに挿入された状態では、第4スプライス用工具1042は、スプライスホルダ部1021に対し、スプライスホルダ部1021の長手方向の移動が規制される。
図25に示すように、第3スプライス用工具1041は、第4スプライス用工具1042のベース部1046aの一方の面1046e(台部1046bがない部分)に配置される。この状態では、2つの介挿片1045と2つの介挿片1048は第3スプライス用工具1042の基板部1046の長手方向に直線的に並ぶ。
図14に示すように、スプライス30の半割り把持部材34における、前記クランプばね33の背板部33aとは反対側(以下、開放側)に露出する側面には、前記介挿部材81を挿入するための介挿部材挿入穴35が開口されている。図15に示すように、この介挿部材挿入穴35は、ベース部材31及び3つの蓋部材321、322、323の対向面31a、321a、322a、323aの互いに対応する位置に形成された介挿部材挿入溝31g、321c、322c、323cによって、ベース部材31と蓋部材321、322、323との間に確保されている。
なお、介挿部材挿入穴35は、半割り把持部材34の開放側の側面から、調心溝31b、被覆部挿入溝31c、31d、321b、323bに達しない深さで形成される。
また、介挿部材挿入穴35としては、ベース部材31及び蓋部材321、322、323の片方のみに形成した介挿部材挿入溝によって確保した構成も採用可能である。
図14に示すように、図示例のスプライス30において、前記介挿部材挿入穴35は、中央蓋322におけるベース部材31長手方向両端部に対応する2箇所と、第1サイド蓋321及び第2サイド蓋323のベース部材31長手方向に沿う方向の中央部に対応する位置の、計4箇所に形成されている。
スプライス用工具1041、1042の4つの介挿片1045、1048の位置は、スプライス30の4箇所の介挿部材挿入穴35に対応している。
図28に示すように、スプライス用工具1041、1042の介挿片1045、1048は、スプライス30のベース部材31と押さえ蓋32との間に、板状に形成された先端部1045a、1048aを割り込まれた状態となっている。
これによって、スプライス30の長手方向の一端側(図28の右端側)においては、蓋部材322の一端側(右端側)および蓋部材323と、ベース部材31との間が、第1スプライス用工具1041の介挿片1045、1048によって、クランプばね33の弾性に抗して、光ファイバ11a、12aの挿入が可能な程度に押し開かれている。
また、スプライス30の長手方向の他端側(図28の左端側)においては、蓋部材322の他端側(左端側)および蓋部材321と、ベース部材31との間が、第4スプライス用工具1042の介挿片1048、1048によって、クランプばね33の弾性に抗して、光ファイバ11a、12aの挿入が可能な程度に押し開かれている。
図22に示すように、介挿片1045、1048を素子31、32間に割り入れることによってスプライス用工具1041、1042をスプライス30に組み付けると、第1スプライス用工具1041は第4スプライス用工具1042の基板部1046のベース部1046aに覆われた状態となる。
この状態では第1スプライス用工具1041を引き抜きすることはできないため、第3スプライス用工具1041が第4スプライス用工具1042に先立って引き抜きされるという誤操作を防止できる。
介挿片1045、1048は、半割りの素子31、32間を、クランプばね33の弾性に抗して、光ファイバ2の挿入が可能な程度に押し開き、かつ素子31、32間から抜き去り可能なものであれば良く、板状のものに限定されない。介挿片としては、例えば柔軟なシート状のもの、ロッド状のもの等も採用可能である。
また、介挿片(介挿部材)は、スプライス30の半割りの素子31、32間に介挿した状態から、素子31、32間から抜き去れば良いので、半割り把持部材34に介挿部材挿入穴35が形成されていないスプライスにも適用可能である。
図25に示すように、スプライス用工具1041、1042の板状の介挿片1045、1048は、その先端が先細りのテーパ状に形成されている。この介挿片1045、1048は、スプライス30の半割り把持部材34から抜き去った後に、その先端部1045a、1048aを、ベース部材31と押さえ蓋32との間に押し込んで割り込ませる(介挿部材付きスプライスを組み立てる)ことが可能である。
また、光接続用ユニット10は、スプライス30から介挿部材を取り外した状態で現場に供給し、現場にて、スプライス30の素子31、32間に介挿部材を割り込ませて介挿部材付きスプライスを組み立てても良い。
図22〜図24に示すように、光接続用ユニット10のユニット本体10Bのケーブル引留部1022は、引留用固定部材120を収容する本体部1027と、引留用固定部材120がスプライス30から離隔する方向の変位を規制する引留カバー1028とを備えている。
引留カバー1028は、天板1028aと、天板1028aの両側部に設けられた側板1028bと、天板1028a一端部に設けられた端板1028cとを有する。引留カバー1028は、両側板1028bの他端部の軸部1028dにおいて本体部1027に回動自在に取り付けられている。
引留カバー1028は、軸部1028dを支点として閉位置(図37参照)まで回動させ本体部1027に被せることによって、端板1028cにより引留用固定部材120のスプライス30から離隔する方向の変位を規制できる。端板1028cには、光ファイバケーブル1を挿通させる切欠状のケーブル挿通部1028fが形成されている。
引留カバー1028は、閉位置において、側板1028bの係止口部1028eが、本体部1027の係止突起1022cに係止することで閉状態が維持される。
本体部27は、引留部底壁部1022aと、該引留部底壁部1022aの幅方向両側に立設された2つの引留部側壁部1022bとを有する。
本体部27は、引留部底壁部1022aと2つの引留部側壁部1022bとにより三方から囲まれる溝状の空間に、光ファイバケーブル1端末に固定した引留用固定部材120を収容する。
引留用固定部材120は、光ファイバケーブル1端末の外周を取り囲むようにして設けられ、該端末に固定、一体化される。
図38は、引留用固定部材120の具体例を示す斜視図である。
ここでは、引留用固定部材120として、光ファイバケーブル1端末をその両側から把持して光ファイバケーブル1端末に固定して取り付けられる外被把持部材を用いている。
以下、引留用固定部材120が外被把持部材を指す場合、引留用固定部材120を外被把持部材とも言う。
この外被把持部材120は、光ファイバケーブル1を嵌め込むケーブル嵌合溝122が形成された断面コ字形の把持ベース121と、前記把持ベース121のケーブル嵌合溝122の溝幅方向両側の側壁部125の一方に枢着された押さえ蓋123とを有する。
この外被把持部材120は、把持ベース121の一対の側壁部125の互いに対向する面に複数突設した把持用突起125cを、ケーブル嵌合溝122に嵌め込まれた光ファイバケーブル1の外被3に食い込ませて、一対の側壁部125の間に光ファイバケーブル1を把持固定できる。把持ベース121は、底壁部124の片面側に突設された一対の側壁部125の間に前記ケーブル嵌合溝122が確保された断面コ字形の部材である。ケーブル嵌合溝122の溝幅方向は、該ケーブル嵌合溝122を介して両側の側壁部125の間隔方向を指す。なお、図示例の外被把持部材120の把持用突起125cは、ケーブル嵌合溝122の深さ方向に延在する断面三角形状の突条に形成されている。
この外被把持部材120は、前記押さえ蓋123が他方の側壁部125から離隔する開放状態にて把持ベース121を光ファイバケーブル1端末に外嵌めして固定した後、押さえ蓋123を把持ベース121の一対の側壁部125の底壁部124とは反対側の端部間におけるケーブル嵌合溝122の開口部を閉じる閉位置に回動し、該押さえ蓋123を他方の側壁部125に係止して、光ファイバケーブル1端末に取り付けられる。
図示例の外被把持部材120はプラスチック製の一体成形品である。前記押さえ蓋123は、一対の側壁部125の一方(以下、第1側壁部とも言う。図中符号125aを付記する)の突端に、ヒンジ部として機能する薄肉部126を介して繋がっている。この押さえ蓋123は、前記薄肉部126によって、前記ケーブル嵌合溝122の延在方向に沿う軸線を以て、把持ベース121の第1側壁部125aに対して回転可能に枢着されている。なお、把持ベース121の一対の側壁部125の他方について、以下、第2側壁部125bとも言う。
図示例の外被把持部材120の押さえ蓋123はL字板状に形成されている。この押さえ蓋123は、前記薄肉部126を介して把持ベース121の第1側壁部125aに枢着されている天板部123aと、この天板部123aの前記薄肉部126とは反対側の端部から該天板部123aに垂直に形成された係止板部123bとを有する。この押さえ蓋123は、前記天板部123aを把持ベース121の一対の側壁部125の突端に当接してケーブル嵌合溝122の開口部を閉じる閉じ位置に配置したときに、前記係止板部123bを把持ベース121の第2側壁部125bのケーブル嵌合溝122とは反対側の外面に重ね合わせることができる。そして、押さえ蓋123は、前記係止板部123bに形成されている係止用窓孔123cに、把持ベース121の第2側壁部125b外面に突設されている係止用爪125dを入り込ませることで把持ベース121に係止され、把持ベース121に対する閉じ状態を安定維持できる。
図示例の外被把持部材120(引留用固定部材)は、前記把持ベース121のケーブル嵌合溝122の延在方向に沿う前後方向の片端から突出する一対の前側突壁部127を有している。一対の前側突壁部127は、把持ベース121の両側の側壁部125a、125bから、該側壁部125a、125bを把持ベース121前後方向に沿って延長するように突出する板片状に形成されている。
以下、第1光ファイバケーブル11の端末に固定される引留用固定部材120を第1引留用固定部材120aといい、第2光ファイバケーブル11の端末に固定される引留用固定部材120を第2引留用固定部材120bということがある。
なお、外被把持部材は、図示例の構成に限定されない。外被把持部材としては、例えば、押さえ蓋を、前記係止板部123bを省略し、前記天板部123aに、把持ベース121の第2側壁部125bの突端に係合する係合部を設けた構造の押さえ蓋に変更した構成等も採用可能である。また、外被把持部材としては、把持ベースのみからなる構成も採用可能である。また、外被把持部材としては、プラスチック製の一体成形品に限定されず、複数部材によって組み立てた構成のものも採用可能である。
引留用固定部材としては、外被把持部材に限定されず、例えば光ファイバケーブル1端末外周に接着剤による接着固定、熱溶着などによって固定する部材などであっても良い。
図23に示すように、図示例のケーブル引留部1022には、引留用固定部材120を固定した光ファイバケーブル1端末(以下、固定部材付きケーブル端末1a)の、ケーブル引留部1022へのその後方からの挿入を円滑にする挿入補助スライダ26が設けられている。この挿入補助スライダ1026は、引留部底壁部1022a上をケーブル引留部1022の前後方向にスライド移動可能に設けられた細長板状のスライダ本体1026a上に押圧力受け突起1026bを突設した構造になっている。
この挿入補助スライダ1026は、前記スライダ本体1026aの押圧力受け突起1026bから後側に延出する部分である固定部材載置部1026c上に固定部材付きケーブル端末1aを載置できる。
挿入補助スライダ1026は、固定部材付きケーブル端末1aを前後に移動させることができる。
スプライスホルダ部1021のストッパ壁部251、252には、光ファイバケーブル端末に露出させた光ファイバ2を挿通させる切欠状の第1ファイバ挿通部1025aが形成されている。ストッパ壁部251、252は、固定部材付きケーブル端末1aの前進を規制するように形成することができる。固定部材付きケーブル端末1aの前進が規制される位置を前進限界位置という。
次に、光接続用ユニット10を用いて光ファイバ11a、12a同士を、メカニカルスプライス30を用いて突き合わせ接続する方法について説明する。
まず、光ファイバケーブル11、12端末に引留用固定部材120を固定して固定部材付きケーブル端末1aを組み立て、ケーブル引留部1022に対して前進限界位置から後側にずれた位置に移動しておいた挿入補助スライダ1026の固定部材載置部1026c上に固定部材付きケーブル端末1aを載置する。
スプライス30の素子31、32間に挿入する光ファイバケーブルの光ファイバ2の先端には、予め、裸光ファイバ2aを口出ししておく。
光ファイバケーブル11、12の光ファイバ11a、12aの引留用固定部材120からの突出長は、光ファイバ11a、12a同士が、スプライス30の調心溝31b長手方向中央部で突き当たったときに、それぞれ適当なたわみ部(図39A〜Fに示すたわみ部5S1、5S2)が形成される長さとする。
介挿部材付きスプライス30Aにおけるベース部材31と各蓋部材321、322、323との間の開放量は、スプライス用工具1041、1042の介挿片1045、1048の板状の先端部41aの厚み寸法によって設定できる。
例えば、図17に示すように、ベース部材31とサイド蓋(図示例では第2サイド蓋323)との間の介挿片1045、1048の介挿による開放量は、光ファイバ2が、被覆部挿入溝31dとサイド蓋323の対向面323aとの間の領域(ファイバ収納領域。図16の符号FS参照)から脱落せず、ファイバ収納領域内に挿通された状態を保てる範囲とする。
中央蓋322とベース部材31との間の介挿片1045、1048の介挿による開放量は、光ファイバ2先端に口出しされた裸光ファイバ2aが、調心溝31bと中央蓋322の対向面322aとの間の領域(裸光ファイバ収納領域)から脱落しない範囲とする。
なお、裸光ファイバ収納領域は、図16等における図示を省略する。
図29および図39Aに示すように、第1光ファイバケーブル11の固定部材付きケーブル端末1aを、挿入補助スライダ1026に載せた状態のままスプライスホルダ部1021に向かって前進させ、ケーブル引留部1022の本体部1027に挿入する。固定部材付きケーブル端末1aは、挿入補助スライダ1026の押圧力受け突起1026bを押圧しながら前進する。
このため、固定部材付きケーブル端末1aの前進に伴い挿入補助スライダ1026も一体的に前進する。
固定部材付きケーブル端末1aは前進限界位置(例えばストッパ壁部251、252によって前進が規制される位置)まで前進させることができる。前進限界位置は、当接突起1026dの前端が当接凹部1027aの前縁に係止する位置であってもよい。
第1光ファイバ11aの先端に口出しした裸光ファイバ2aは、スプライス30の一端側(図39A〜Fの右端側)から素子31、32間に挿入され、スプライス30のファイバ収納領域FS(図16参照)を介して裸光ファイバ収納領域へ挿入される。
図16に示すように、光ファイバ11a(または光ファイバ12a)は、半割り把持部材34の両端に形成されたテーパ状凹所34aからファイバ収納領域FS、裸光ファイバ収納領域に向け挿入することができる。
第1光ファイバ11aは、先端部がスプライス30の長手方向中央位置よりやや他端側(図39A〜Fの左端側)に達するまで前進させることが好ましい。
図30、図31および図2339Bに示すように、第2光ファイバケーブル12の固定部材付きケーブル端末1aを、挿入補助スライダ1026に載せた状態のままスプライスホルダ部1021に向かって前進させ、ケーブル引留部1022の本体部1027に挿入する。
第2光ファイバ122の先端に口出しした裸光ファイバ2aは、スプライス30の他端側(図39A〜Fの左端側)から素子31、32間に挿入され、スプライス30のファイバ収納領域FS(図16参照)を介して裸光ファイバ収納領域へ挿入される。
一般に、一方の光ファイバ(第1光ファイバ11a)を静止させた状態で他方の光ファイバ(第2光ファイバ12a)を突き合わせ、この光ファイバをさらに突き当て方向に移動させると、主として、移動する側の光ファイバ(第2光ファイバ12a)にたわみ部が形成される。
このため、図39Bに示すように、第2光ファイバ12aを第1光ファイバ11aに突き合わせ、さらに突き当て方向に移動させると、主に第2光ファイバ12aにたわみ部5Lが形成される。
このときの固定部材付きケーブル端末1aの移動量は、第2光ファイバ122に形成されるたわみ部5Lが、想定している適正なたわみ部5S2(図23F等)より大きくなるように設定される。
図39Bの符号Pは光ファイバ11a、12aの接続点である。図示例の接続点Pはスプライス30の中央よりやや左寄りの位置にある。
図30および図39Cに示すように、ケーブル引留部1022の本体部1027内で、第1光ファイバケーブル11の固定部材付きケーブル端末1aを挿入補助スライダ1026とともに所定距離(例えば0.3mm程度)後退させる。
光接続用ユニット10には、ユニット本体10Bに対する固定部材付きケーブル端末1aの後退位置を確認するための位置確認機構1029を設けることができる。
例えば、図23に示す挿入補助スライダ1026の側面の当接突起1026dと、本体部1027の当接凹部1027aとからなる位置確認機構1029を採用することができる。
位置確認機構1029は、固定部材付きケーブル端末1aが前進限界位置にあるときには、図23に示す挿入補助スライダ1026の側面の当接突起1026dの後端1026eが、本体部1027の当接凹部1027aの後縁1027bに係止せず、前記後退位置では当接突起1026dの後端1026eが当接凹部1027aの後縁1027bに係止する構成とすることができる。
位置確認機構1029の係止凹凸構造はこれに限らず、本体部1027に当接突起を形成し、挿入補助スライダ1026に、本体部1027の当接突起が係止する当接凹部を形成してもよい。
また、引留用固定部材120と本体部1027の一方または両方に、視認可能な後退位置用のマーク(表示)を形成し、前記マークの位置(例えば引留用固定部材120と本体部1027のマークの前後方向位置の一致)により前記後退位置を確認可能とする構成も可能である。前記マークは、凹凸や着色により形成できる。
このような構成によって、固定部材付きケーブル端末1aの後退位置を容易に確認できる。
第1光ファイバ11aが後退するのに伴って、第2光ファイバ12aはたわみ部5Lの弾性により前進する。第2光ファイバ12aの前進が不十分である場合は、作業者がたわみ部5Lを手指で押して第2光ファイバ12aの前進を促すこともできる。
第2光ファイバ12aが前進することによって、たわみ部5Lは、より小さいたわみ部5S2となる。これに伴い、光ファイバ11a、12aの接続点Pも一端側(図39A〜Fの右端側)に移動する。図示例では接続点Pはスプライス30の中央に移動する。
図32〜図34および図39Dに示すように、第4スプライス用工具42の介挿片45、45を素子31、32から引き抜く。これによって、スプライス30の長手方向の他端側(図39A〜Fの左端側)において、クランプばね33の弾性によって、押さえ蓋32とベース部材31との間に第2光ファイバ122が挟み込まれて把持固定される。具体的には、蓋部材322の他端側(左端側)および蓋部材321と、ベース部材31とが第2光ファイバ122を挟み込む。
これによって、第2光ファイバ122は、たわみ部5S2を有した状態でスプライス30に把持固定される。
図32および図39Eに示すように、後退させていた第1光ファイバケーブル11の固定部材付きケーブル端末1aをケーブル引留部1022の本体部1027内で挿入補助スライダ1026とともに所定距離(例えば0.3mm程度)だけ前進させる。
固定部材付きケーブル端末1aの前進位置は、上述の位置確認機構1029によって確認できる。
例えば、図23に示す挿入補助スライダ1026の当接突起1026dの後端1026eが当接凹部1027aの後縁1027bに係止する位置にある固定部材付きケーブル端末1aを、前進限界位置にまで前進させることによって前記所定距離の前進がなされるように、当接突起1026dと当接凹部1027aを構成することができる。
また、当接突起1026dの後端1026eが当接凹部1027aの後縁1027bに係止する位置にある固定部材付きケーブル端末1aを、当接突起1026dの前端が当接凹部1027aの前縁に係止する位置にまで前進させることによって前記所定距離の前進がなされる構成も可能である。
また、引留用固定部材120と本体部1027の一方または両方に、視認可能な前進位置用のマークを形成し、前記マークの位置(例えば引留用固定部材120と本体部1027のマークの前後方向位置の一致)により前記前進位置を確認可能とする構成も可能である。前記マークは、凹凸や着色により形成できる。
このような構成によって、固定部材付きケーブル端末1aの前進位置を容易に確認できる。
第1光ファイバ11aが前進するのに伴って、第2光ファイバ12aに対する突き当てにより第1光ファイバ11aにはたわみ部5S1が形成される。たわみ部5S1の大きさは、第2光ファイバ122のたわみ部5S2の大きさにほぼ等しくするのが好ましい。
図35、図36および図39Fに示すように、第1スプライス用工具1041の介挿片1045、1045を素子31、32から引き抜く。これによって、スプライス30の長手方向の一端側(図39A〜Fの右端側)において、クランプばね33の弾性によって、押さえ蓋32とベース部材31との間に第1光ファイバ11aが挟み込まれて把持固定される。具体的には、蓋部材322の一端側(右端側)および蓋部材323と、ベース部材31とが第1光ファイバ11aを挟み込む。
これによって、第1光ファイバ11aは、たわみ部5S1を有した状態でスプライス30に把持固定される。
以上の工程によって、第1光ファイバ11aと第2光ファイバ12aとがそれぞれたわみ部5S1、5S2を有する状態で接続される。
図37に示すように、軸部1028dを支点として引留カバー1028を回動させ、本体部1027に被せると、端板1028cによって、引留用固定部材120がスプライス30から離隔する方向の変位するのを規制できる。
図22〜図36には図示していないが、スプライスホルダ部1021には、スプライス30を覆う保護カバー1050を装着することもできる。保護カバー1050は、天板1051と、その両側縁から垂下する側板1052とを有し、側板1052には、スプライス用工具1041、1042の突出板部1044、1047を挿入可能な挿入口部1053を有するため、スプライスホルダ部1021に装着した状態のままで、上述の光ファイバ接続操作を行うこともできる。
上記光ファイバの接続方法によれば、第3および第4スプライス用工具の順次引き抜きにより、第2光ファイバ122にたわみ部を形成した後、いったん第1光ファイバ11aを後退させて第2光ファイバ12aのたわみ部を適正な大きさとして(たわみ部5S2)第2光ファイバ12aのみを把持固定し、次いで第1光ファイバ11aにも適正な大きさのたわみ部5S1を形成して第1光ファイバ11aを把持固定する。
このため、たわみ部が第1光ファイバ11aおよび第2光ファイバ12aのいずれかに偏った状態で接続されるのを防ぎ、第1光ファイバ11aおよび第2光ファイバ12aの双方に適正な大きさのたわみ部を形成することができる。
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態を、図面を参照して説明する。なお、本実施形態において、第1実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付して説明する。
図40に示すように、光ファイバ接続ユニット用保持部材50は、一対の光ファイバケーブル1同士の接続(光接続)に適用可能な光ファイバ接続ユニット2010を保持するものである。
光ファイバ接続ユニット2010によって互いに接続する光ファイバケーブル1の一方に図中符号11、他方に図中符号12を付記する。
図20に示すように、光ファイバケーブル1(光ファイバケーブル11、12)は、光ファイバ2と、可撓性を有する線状の抗張力体3とを互いに並行になるように合成樹脂製の外被4によって一括被覆した構成のものである。
抗張力体3としては、例えばアラミド繊維等の抗張力繊維からなるものや、鋼線等を挙げることができる。
光ファイバ2は、裸光ファイバ2aの外周面(側面)を被覆2bで覆った構成の被覆付き光ファイバであり、例えば光ファイバ心線や光ファイバ素線等が挙げられる。裸光ファイバ2aは、例えば石英系光ファイバである。また、被覆2bは、例えば紫外線硬化性樹脂やポリアミド樹脂などを1層または複数層、ほぼ同心円状に被覆した樹脂被覆である。
光ファイバケーブル1としては、インドアケーブル、ドロップケーブル等が挙げられる。
なお、図中、符号11の光ファイバケーブルの光ファイバ2に符号11a、符号12の光ファイバケーブルの光ファイバ2に符号12aを付記する。
図40〜図47に示すように、光ファイバ接続ユニット用保持部材50は、光ファイバ接続ユニット10を保持するユニット保持部51と、ユニット保持部51の長手方向両端側にそれぞれ形成された保持部材側ケーブル固定部52と、を備えている。
ユニット保持部51は、細長板状の底板部53と、底板部53の両側縁部53a、53aにそれぞれ立設された側板部54とを備えている。以下の説明において、幅方向とは底板部53の短手方向である。また、側板部54の立設方向(底板部53に垂直な方向)を高さ方向ということがある。
図41、図43および図45に示すように、底板部53の両側縁部53a、53aの長手方向中央部には、凹状部53b、53bが形成され、凹状部53b、53bによって、底板部53の長手方向中央部は、他の部分より幅が狭い幅狭部55となっている。幅狭部55以外の部分を幅広部56という。
底板部53の幅広部56内面には、底板部53の幅方向に沿う突条である当接凸部53dが形成されている。当接凸部53dには光ファイバ接続ユニット10が当接して位置決めされる。
側板部54、54間の空間は、光ファイバ接続ユニット10を収容するユニット収容空間59となっている。側板部54は、光ファイバ接続ユニット10の全体を収容できるように、その高さ寸法は、光ファイバ接続ユニット10の高さ寸法より大きいことが望ましい。
側板部54は、底板部53の側縁部53aに沿って形成されているため、側板部54の内面には、凹状部53bに応じて内方(すなわち他の側板部54に近づく方向)に膨出して形成された内方膨出部57が形成されている。図示例では、内方膨出部57は、両側板部54、54にそれぞれ形成されている。なお、内方膨出部57は、側板部54、54の一方にのみ形成されていてもよい。
図示例の内方膨出部57は、側板部54の長手方向に沿って延在する膨出本部57aと、膨出本部57aの両端からそれぞれ側板部54の端部に向けて徐々に膨出高さを減じる膨出傾斜部57bとを有する断面略台形とされている。
内方膨出部57は、側板部54の長手方向の中間位置に形成されている。図示例の内方膨出部57は、ユニット保持部51に保持された光ファイバ接続ユニット10のスプライスホルダ部21に相当する位置に形成されている。内方膨出部57は、側板部54の全高さ範囲に形成することができる。
内方膨出部57の膨出本部57aには、内方(他の側板部54に近づく方向)に突出する規制凸部58が形成されている。
図示例の規制凸部58は、側板部54の長手方向に沿って延在する凸部本部58aと、凸部本部58aの両端からそれぞれ側板部54の端部に向けて徐々に膨出高さを減じる凸部傾斜部58bとを有する断面略台形とされている。
規制凸部58は、膨出本部57aの長手方向の中間位置に形成されている。図示例の規制凸部58は、光ファイバ接続ユニット10のスプライスホルダ部21に相当する位置、詳しくはスプライスホルダ部21の長手方向中央部に相当する位置に形成されている。規制凸部58は、側板部54の全高さ範囲に形成することができる。
図示例では、規制凸部58は、両側板部54にそれぞれ形成されている。なお、規制凸部58は、側板部54、54の一方にのみ形成されていてもよい。
図40に示すように、両側板部54、54の規制凸部58、58の間隔は、光ファイバ接続ユニット2010の幅(具体的にはユニットベース20のスプライスホルダ部21の幅)とほぼ同じ、またはこれより若干大きくされている。
このため、規制凸部57は、ユニット保持部51内に収容された光ファイバ接続ユニット2010の幅方向移動を規制でき、光ファイバ接続ユニット2010を、ユニット保持部51内に安定に保持できる。
なお、側板部54、54の一方にのみ規制凸部58が形成されている場合には、規制凸部58と、他方の側板部54の内面との間隔が光ファイバ接続ユニット10の幅とほぼ同じ、またはこれより若干大きくされることが好ましい。
図40〜図44に示すように、保持部材側ケーブル固定部52は、ユニット保持部51の長手方向両端側に、ユニット保持部51と一体に設けられている。
保持部材側ケーブル固定部52は、底板部62と、底板部62の両側縁部62a、62aにそれぞれ立設された側板部63、63と、側板部63の内面側に形成された内板部64、64と、内板部64のユニット保持部51側の縁部64aから側方に向けて形成された側端板部65(ストッパ壁部)とを有する。
底板部62は、ユニット保持部51の端部方向に向かって徐々に幅が狭くなるように形成されている。
底板部62は、ユニット保持部51の底板部53の端部53cに立設された底端板部66(ストッパ壁部)の上縁部から端部方向に向かって、底板部53と平行に延出して形成されている。
底板部62の側縁部62aは、ユニット保持部51の長手方向に対して傾斜して形成されている。図示例において両側縁部62a、62aの傾斜角度(ユニット保持部51の長手方向に対する傾斜角度)は互いに等しい。
側板部63は、側縁部62aに沿って形成されているため、側板部63、63はユニット保持部51の端部に向かって徐々に接近して形成されている。
内板部64、64は、幅方向に間隔をおいて、ユニット保持部51の長手方向(底板部53の長手方向)に沿って、互いに平行に形成されている。
内板部64、64の互いに対向する内側面64b、64b間は、光ファイバ接続ユニット10から延出した光ファイバケーブル1(光ファイバケーブル11、12)を嵌め込むケーブル嵌合溝71となっている。
ケーブル嵌合溝71は、光ファイバケーブル1(11、12)を把持して固定するためのもので、内側面64b、64bには、光ファイバケーブル1を押さえつけて光ファイバケーブル1を把持固定する1または複数の把持用突起72がそれぞれ形成されている。
図42および図44に示すように、把持用突起72は、突出方向に向けて徐々に幅が狭くなる断面形状を有することが好ましい。
把持用突起72は、ケーブル嵌合溝71に嵌め込まれる光ファイバケーブル1(11、12)の挿通方向(底板部53の長手方向)に対し交差する方向に延在して形成することができる。
把持用突起72は、前記挿通方向に対して垂直に形成してもよいし、前記挿通方向に対して0°以上、90°未満の角度で傾斜する方向に形成してもよい。図示例の把持用突起72は、光ファイバケーブル1(11、12)の挿通方向(底板部53の長手方向)に対して垂直に形成されている。
内側面64bの把持用突起72の形成数は特に限定されない。図示例の把持用突起72は、内側面64b、64bにそれぞれ2つ形成されている。共通の内側面64bに形成された2つの把持用突起72、72は、光ファイバケーブル1(11、12)の挿通方向に間隔をおいて形成されている。把持用突起72は、内側面64b、64bにそれぞれ1つずつ形成してもよいし、それぞれ3以上形成してもよい。
把持用突起72を2つ以上形成する場合には、把持用突起72は、前記挿通方向に間隔をおいて形成されていることが望ましい。これによって、より強固な固定が可能となる。
側端板部65は、内板部64の縁部64aから側方に延出し、側板部54の端部54aに達して形成されている。側端板部65は、底板部53の長手方向に対し垂直に形成されている。
側端板部65は、ユニット保持部51内の光ファイバ接続ユニット10の長手方向移動を規制するストッパ壁部として機能する。
底端板部66は、底板部53の長手方向の位置を側端板部65の長手方向位置と一致させて形成することが望ましい。底端板部66も光ファイバ接続ユニット10の長手方向移動を規制するストッパ壁部として機能する。
光ファイバ接続ユニット用保持部材50は、例えばポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂材料で構成することができる。
図48は、光ファイバ接続ユニット用保持部材50の使用例を示す斜視図である。
この図に示すように、光ファイバ接続ユニット用保持部材50は、壁面等に設置された光ファイバ接続ユニット2010を覆って設置することができる。
次に、光ファイバ接続ユニット2010について本発明の第1実施形態の光ファイバ接続ユニット10を用いて説明する。なお、光ファイバ接続ユニットは、光ファイバ接続用ユニットともいう。また、本実施形態で用いる光ファイバ接続ユニットは、第1実施形態の光ファイバ接続ユニット10に限定されない。
図1は、光ファイバ接続ユニット10の全体正面図である。
光ファイバ接続ユニット10は、メカニカルスプライス30(以下、単にスプライスとも言う)と、該スプライス30を保持したスプライスホルダ部21を有する細長形状のユニットベース20と、このユニットベース20の長手方向両端に取り付けられたレバー部材25と、スプライス30に組み付けたスプライス用工具40とを備えている。
光ファイバ接続ユニット10は、光ファイバケーブル11、12端末から引き出して露出(突出)させた光ファイバ11a、12a同士を突き合わせ接続して、光ファイバケーブル11、12同士を互いに接続することに用いられる。
光ファイバ接続ユニット10は、その長手方向(ユニットベース20長手方向に一致)両端部に、光ファイバケーブル1端末に固定した引留用固定部材120(ユニット側ケーブル固定部)を収容して引き留めるケーブル引留部23を有している。
光ファイバ接続ユニット10は、ユニットベース20の長手方向中央部に設けられたスプライスホルダ部21内にスプライス30を収容している。光ファイバケーブル11、12の光ファイバ11a、12a同士を突き合わせ接続はスプライスホルダ部21内のスプライス30にて実現される(図16等を参照)。
光ファイバケーブル1の引留用固定部材120が固定された端末を、以下、固定部材付きケーブル端末1aとも言う。
ユニットベース20は、その長手方向両端部に、固定部材付きケーブル端末1aが挿入される固定部材案内部24を有している。ケーブル引留部23は、固定部材案内部24と、ユニットベース20にその幅方向の軸線を以て回動可能に取り付けられたレバー部25とで構成されている。
図示例のユニットベース20の固定部材案内部24は、その内側に固定部材付きケーブル端末1aを収容可能な断面コ字形の壁部である。この固定部材案内部24には、ユニットベース20の長手方向中央部のスプライスホルダ部21とは反対の側から固定部材付きケーブル端末1aが挿入される。また、この固定部材案内部24は、その内側に挿入された固定部材付きケーブル端末1aのスプライス30に対する進退動、すなわち引留用固定部材120のユニットベース20に対する長手方向への移動を案内する機能を有する。
レバー部25は、固定部材案内部24に挿入された固定部材付きケーブル端末1aに係合させることで、スプライスホルダ部21内に収容されたスプライス30に対する固定部材付きケーブル端末1aの後退(スプライス30から離隔する方向への移動)を規制する。このレバー部25は、固定部材付きケーブル端末1aの後退を規制することで、光ファイバケーブル1をユニットベース20に対して引き留める引留手段として機能する。
図14に示すように、スプライス30は、半割りの素子(後述のベース部材31及び押さえ蓋32)を断面コ字形あるいはC形(図示例では断面コ字形)で延在する細長形状のクランプばね33の内側に一括保持した構造である。このスプライス30は、全体として、細長形状(外観細長棒状)に形成されている。このスプライス30は、クランプばね33の弾性によって半割りの素子31、32間に光ファイバを挟み込むことができる。
図1および図17に示すように、光ファイバ接続ユニット10は、スプライス30の半割りの素子31、32間に割り入れた介挿片41が突設されているスプライス用工具40を具備する。半割りの素子31、32間に介挿片を割り入れたスプライス30を、以下、介挿片付きスプライス(介挿片付きメカニカルスプライス)とも言う。図示例の介挿片付きスプライス30Aは、スプライス30の半割りの素子31、32間に、スプライス用工具40の介挿片41を割り入れた構成であるので、以下、工具付きスプライス(工具付きメカニカルスプライス)と言う場合がある。
なお、本発明の第3実施形態の光ファイバ同士の接続原理については、第1実施形態及び第2実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
図1〜図3、及び図13に示すように、本実施形態において、光ファイバ接続ユニット10のユニットベース20は、プラスチック製の一体成形品である。
ユニットベース20は、細長板状のベース板部22を有する。
スプライスホルダ部21は、ベース板部22の長手方向中央部である細長板状のホルダ下板部21aと、ホルダ下板部21aの長手方向両端から立設された一対のホルダ端板部21bと、ホルダ下板部21a上に該ホルダ下板部21aに平行に延在形成されたホルダ上板部21cとで構成された枠状部を有する。枠状部はユニットベース20長手方向に沿う細長形状に形成されている。ホルダ上板部21cは、一対のホルダ端板部21bの上端間を橋絡している。
光ファイバ接続ユニット10について、ユニットベース20のベース板部22の上面22aにおけるその長手方向に直交する方向を幅方向として説明する。
ユニットベース20のスプライスホルダ部21は、その幅方向片側に側板部21d(以下、ホルダ側板部)を有する。このホルダ側板部21dは、スプライスホルダ部21の枠状部の幅方向片端の内側に設けられている。ホルダ側板部21dは、スプライスホルダ部21の幅方向一方の側のみに設けられ、スプライスホルダ部21の幅方向の他方の側はホルダ側板部21dが存在せず、枠状部内周に合致する大きさの開口部となっている。スプライス30は、スプライスホルダ部21の幅方向の他方の側から、スプライスホルダ部21に対して挿脱できる。
ユニット本体10Aは、スプライス30とユニットベース20とレバー部材25とにより構成される。
スプライス30は、その長手方向をベース板部22の長手方向(ユニットベース20長手方向に一致)に揃えて、枠状部内側に収容されている。また、スプライス30は、その幅方向をユニットベース20の幅方向と一致させ、半割り把持部材34を介してクランプばね33の背板部33aとは反対の側(開放側)が下側、すなわちホルダ下板部21aに対面する向きでスプライスホルダ部21内に収容されている。
図18に示すように、 引留用固定部材120は、光ファイバケーブル1端末の外周を取り囲むようにして設けられ、該端末に固定、一体化される。
この外被把持部材120は、細長板状の前板部128の後側に、光ファイバケーブル1を把持固定するケーブル固定部129を有している。
ケーブル固定部129は、光ファイバケーブル1を嵌め込むケーブル嵌合溝122が形成された断面コ字形の把持ベース121と、前記把持ベース121のケーブル嵌合溝122の溝幅方向両側の側壁部125の一方に枢着された押さえ蓋123とを有する。
この外被把持部材120は、把持ベース121の一対の側壁部125の互いに対向する面に複数突設した把持用突起125cを、ケーブル嵌合溝122に嵌め込まれた光ファイバケーブル1の外被3に食い込ませて、一対の側壁部125の間に光ファイバケーブル1を把持固定できる。把持ベース121は、底壁部124の片面側に突設された一対の側壁部125の間に前記ケーブル嵌合溝122が確保された断面コ字形の部材である。ケーブル嵌合溝122の溝幅方向は、該ケーブル嵌合溝122を介して両側の側壁部125の間隔方向を指す。なお、図示例の外被把持部材120の把持用突起125cは、ケーブル嵌合溝122の深さ方向に延在する断面三角形状の突条に形成されている。
そして、この外被把持部材120は、前記押さえ蓋123が他方の側壁部125から離隔する開放状態にて把持ベース121を光ファイバケーブル1端末に外嵌めして固定した後、押さえ蓋123を把持ベース121の一対の側壁部125の底壁部124とは反対側の端部間におけるケーブル嵌合溝122の開口部を閉じる閉位置に回動し、該押さえ蓋123を他方の側壁部125に係止して、光ファイバケーブル1端末に取り付けられる。
押さえ蓋123は、一対の側壁部125の一方(符号125aを付記する)の突端に、ヒンジ部として機能する薄肉部126を介して回転可能に繋がっている。なお、把持ベース121の一対の側壁部125の他方について、以下、第2側壁部125bとも言う。
押さえ蓋123はL字板状に形成されている。この押さえ蓋123は、前記薄肉部126を介して把持ベース121の第1側壁部125aに枢着されている天板部123aと、この天板部123aの前記薄肉部126とは反対側の端部から該天板部123aに垂直に形成された係止板部123bとを有する。
押さえ蓋123は、前記係止板部123bに形成されている係止用窓孔123cに、把持ベース121の第2側壁部125b外面に突設されている係止用爪125dを入り込ませることで把持ベース121に係止され、把持ベース121に対する閉じ状態を安定維持できる。
前板部128の上面128aには、光ファイバケーブル1の端末から突出する光ファイバ2を支持するファイバ溝128bが前後方向に延在形成されている。
光ファイバ接続ユニット10を用いて光ファイバケーブル11、12同士を接続するには、互いに接続する光ファイバケーブル11、12の一方の光ファイバ2をスプライス30に挿入し、該光ファイバケーブル端末に組み立てた固定部材付きケーブル端末1aをユニット本体10Aに固定する第1ファイバ挿入・引留工程を行った後、他方の光ファイバケーブルの光ファイバをスプライスに挿入し、該光ファイバケーブル端末に組み立てた固定部材付きケーブル端末1aをユニット本体10Aに固定する第2ファイバ挿入・引留工程を行う。
第1ファイバ挿入・引留工程では、光ファイバケーブル11(以下、第1光ファイバケーブル11とも言う)の光ファイバ11aの先端部をスプライス30に挿入、固定する。
図2、図3は、第1ファイバ挿入・引留工程が完了した状態を示す。第2ファイバ挿入・引留工程では、別の光ファイバケーブル12(以下、第2光ファイバケーブルとも言う)の光ファイバ12aの先端部をスプライス30に挿入して、第1光ファイバケーブル11の光ファイバ11a(以下、第1光ファイバとも言う)に突き当て状態としてスプライス30に固定する。
第1ファイバ挿入・引留工程では、まず、第1光ファイバケーブル11の固定部材付きケーブル端末1aを、光ファイバ接続ユニット10の両側のケーブル引留部23の一方(以下、第1ケーブル引留部23Aとも言う)の固定部材案内部24に挿入し、第1スプライス用工具40Aのスペーサ用突起48に当接させる。
なお、第2スプライス用工具40Bに近い側のケーブル引留部23を、以下、第2ケーブル引留部23Bとも言う。
第1スプライス用工具40の介挿片41をスプライス30から抜き去り、スプライス用工具40をユニット本体10Aから取り外す。次いで、レバー部材25を引留用固定部材120に係合させて、固定部材付きケーブル端末1aのスプライス30に対する後退を規制する(引き留める)。
図2、図3に示すように、レバー部材25は、平板状の天板部25aと、この天板部25aの両側に垂直に立設されて互いに平行に設けられた一対のレバー側板部25bと、係合片部25cとを有している。
レバー部材25は、ユニットベース20に対して前記回転軸26を中心に回動可能に取り付けられている。
このレバー部材25は、固定部材案内部24に引留用固定部材120を挿入する際には、前記引留用固定部材120との接触を回避する待機位置に配置される。
このレバー部材25は、ユニットベース20に対する回動によって前記待機位置から、一対のレバー側板部25bの長手方向他端側に設けられている係合片部25cを、前記固定部材案内部24に収容された引留用固定部材120の後側に配置して引留用固定部材120に係合させ、前記引留用固定部材120の後退を規制できる。
図13に示すように、一対のレバー側板部25bの長手方向他端部は天板部25aに一体化されている。レバー部材25の係合片部25cは、一対のレバー側板部25bの長手方向他端部の互いに対面する内面側に突設され、天板部25aに対して垂直方向に延在する突壁状に形成されている。この係合片部25cの天板部25aとは反対側の端部には、天板部25aから離隔するにしたがってレバー側板部25bの長手方向一端部からの距離が増大するように、前記天板部25aに対して傾斜する傾斜面25dが形成されている。
傾斜面25dは、レバー部材25を前記待機位置から回動して前記後退規制位置とする際に、ファイバ挿入完了位置にある引留用固定部材120の後端面上端(図13において引留用固定部材120左側の後端面の上端)に当接する。引留用固定部材12は、ファイバ挿入完了位置にあるとき、その後端部が、固定部材案内部24の両側の案内側板部24bからスプライス30とは反対の側に突出している。
前記傾斜面25dは、前記待機位置から前記後退規制位置へのレバー部材25の回動に伴い、前記引留用固定部材120を前記スプライス30へ向かって押圧して前進させる固定部材押圧前進部として機能する。これにより、引留用固定部材120をホルダ端板部21bに当接させて前進限界位置に固定できるとともに、引留用固定部材120のケーブル固定部129に固定されている光ファイバケーブル11端末とスプライス30との間にて光ファイバ2に撓み2cを形成、確保できる。
撓み2cの形成は、第1スプライス用工具40Aの取り外しによってスプライス30に固定された第1光ファイバ11aに、例えば第1光ファイバケーブル11の取り回しや温度サイクルの影響等によって、無理な引っ張り力が作用することを防ぐことができる。このため、撓み2cの形成は、無理な引っ張り力の作用による第1光ファイバ11aの断線、スプライス30に対する固定位置のずれ等の回避に有利である。
待機位置から後退規制位置へ回動させたレバー部材25は、両側のレバー側板部25bの中央部にそれぞれ形成された係止用窓孔25fに、固定部材案内部24の両側の案内側板部24bに突設されている係止爪24dを入り込ませて係合させることができる。
第2ファイバ挿入・引留工程では、まず、第2光ファイバケーブル12に組み立てた固定部材付きケーブル端末1aを、第2ケーブル引留部23Bの固定部材案内部24に挿入し、光ファイバケーブル12端末から突出させた第2光ファイバ12aを、スプライスホルダ部21のホルダ端板部21bのファイバ導入孔21hを介してスプライス30のファイバ収容領域FSに挿入していく。また、これにより、第2光ファイバ12aに予め口出ししておいた裸光ファイバ2aを、スプライス30のファイバ収容領域FSを介して裸光ファイバ収容領域FS2に挿入していく。
第2ケーブル引留部23Bの固定部材案内部24に挿入した固定部材付きケーブル端末1aは、スプライス30からの距離を短縮するように前進させることで、引留用固定部材120(第2引留用固定部材)前端を第2スプライス用工具40Bのスペーサ用突起48(第2のスペーサ)に当接させる。引留用固定部材120前端がスペーサ用突起48に当接すると、裸光ファイバ収容領域FS2内にて、引留用固定部材120前端から前側へ延出する第2光ファイバ12a先端が、スプライス30に固定済みの第1光ファイバ11a先端に突き当て(突き合わせ)られる。第1、第2光ファイバ11a、12aの先端同士の突き当ては、具体的には第2光ファイバ12a先端部に口出しされた裸光ファイバ2a先端と、第1光ファイバ11a先端部に口出しされた裸光ファイバ2a先端との突き合わせである。
次いで、第2スプライス用工具40Bを、その一対の弾性操作片44に互いに接近させる押圧力を作用させてスプライス30から介挿片41を抜き去り、ユニット本体10Aから取り外す。次いで、レバー部材25を待機位置から後退規制位置へ回動し、引留用固定部材120にレバー部材25を係合させて、固定部材付きケーブル端末1aのスプライス30に対する後退を規制する(引き留める)。
これにより、第2光ファイバケーブル12の固定部材付きケーブル端末1aがユニット本体10Aに引き留められて第2ファイバ挿入・引留工程が完了する。
スプライス30からの第2スプライス用工具40Bの介挿片41の抜き去りは、第2光ファイバ12aの第1光ファイバ11aに対する突き当て状態を保ったまま行う。
光ファイバ接続ユニット用保持部材50は、光ファイバ接続ユニット10を保持するユニット保持部51と、光ファイバケーブル1を把持して固定する保持部材側ケーブル固定部52とを備えているので、光ファイバ接続ユニット10(引留用固定部材120(ユニット側ケーブル固定部))と保持部材側ケーブル固定部52の2カ所で光ファイバケーブル1を把持して固定できる。従って、光ファイバケーブル1の把持力を高めることができる。
また、光ファイバ接続ユニット用保持部材50は、ユニット保持部51と保持部材側ケーブル固定部52とが一体に形成され、かつ保持部材側ケーブル固定部52が、ケーブル嵌合溝71に光ファイバケーブル1を嵌め込んで把持固定する簡単な構造であるため、光ファイバ接続ユニット用保持部材50の設置スペースを小さくするとともに、製造コスト低減を図ることができる。
また、光ファイバ接続ユニット用保持部材50は、光ファイバ2(特に撓み2c)を覆うことができるため、利用者が光ファイバ2に誤って触れて活線状態の光ファイバ2の通信に影響が及ぶのを防止できる。
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態であるメカニカルスプライス用工具について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態において、第1実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付して説明する。
図49〜図51は、本発明に係る実施形態のメカニカルスプライス用工具3040(以下、単にスプライス用工具とも言う)を用いて組み立てた光接続用ユニット3010を示す。
ここで説明する光接続用ユニット3010は、光ファイバケーブル同士の接続(光接続)に適用可能なものである。
光接続用ユニット3010によって互いに接続する光ファイバケーブル1の一方に図中符号11、他方に図中符号12を付記する。
図20に示すように、光ファイバケーブル1(光ファイバケーブル11、12)は、光ファイバ2と、可撓性を有する線状の抗張力体3とを互いに並行になるように合成樹脂製の外被4によって一括被覆した構成のものである。
抗張力体3としては、例えばアラミド繊維等の抗張力繊維からなるものや、鋼線等を挙げることができる。
光ファイバ2は、裸光ファイバ2aの外周面(側面)を被覆2bで覆った構成の被覆付き光ファイバであり、例えば光ファイバ心線や光ファイバ素線等が挙げられる。裸光ファイバ2aは、例えば石英系光ファイバである。また、被覆2bは、例えば紫外線硬化性樹脂やポリアミド樹脂などを1層または複数層、ほぼ同心円状に被覆した樹脂被覆である。
光ファイバケーブル1としては、インドアケーブル、ドロップケーブル等が挙げられる。
なお、図中、符号11の光ファイバケーブルの光ファイバ2に符号11a、符号12の光ファイバケーブルの光ファイバ2に符号12aを付記する。
光接続用ユニット10は、光ファイバケーブル11、12端末に露出(突出)させた光ファイバ11a、12a同士を突き合わせ接続して、光ファイバケーブル11、12同士を互いに接続するものである。
前記光接続用ユニット10は、細長形状のユニット本体10Cの長手方向中央部のスプライスホルダ部21に、半割りの素子31、32間に光ファイバを挟み込むメカニカルスプライス30(以下、単にスプライスとも言う)を保持した概略構成となっている。
なお、本明細書においては、光接続用ユニット10について、図49、図50の上側、図51紙面手前側を上、図49、図50の下側、図51紙面奥側を下、として説明する。
この光接続用ユニット3010のユニット本体10Cは、その長手方向両端部に、光ファイバケーブル11、12の端末に固定した引留用固定部材120を収容して引き留めるケーブル引留部3022を有している。
また、このユニット本体10Cは、長手方向中央部のスプライスホルダ部3021と長手方向両端部のケーブル引留部3022との間を連結する連結ベース部3023c上に、ケーブル引留部3022側からスプライス30の半割りの素子31、32間に挿入する光ファイバ2を案内するためのファイバガイド壁3027及びファイバ案内溝3027aが設けられた構成のファイバ案内台部3023を有する。ファイバ案内台部3023は、スプライスホルダ部3021とユニット本体3020長手方向両端部のケーブル引留部3022との間にそれぞれ設けられている。
ファイバ案内台部3023の具体的構成は後述する。
前記スプライス30は、半割りの素子(後述のベース部材31及び押さえ蓋32)を断面コ字形あるいはC形(図示例では断面コ字形)で延在する細長形状のクランプばね33の内側に一括保持した構造である。このスプライス30は、前記クランプばね33の弾性によって半割りの素子31、32間に光ファイバを挟み込むことができる。
また、前記光接続用ユニット3010は、前記スプライス30の半割りの素子31、32間に割り入れた介挿片3041(介挿部材)が突設されているスプライス用工具3040を具備する。半割りの素子31、32間に介挿片を割り入れたスプライス30を、以下、工具付きスプライス(工具付きメカニカルスプライス)とも言う。図示例の工具付きスプライス30Aは、スプライス30の半割りの素子31、32間に、スプライス用工具40の介挿片41を割り入れた構成のものである。
なお、本発明の第4実施形態の光ファイバ同士の接続原理については、第1実施形態〜第3実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
図49〜図53に示すように、本実施形態において、図示例の光接続用ユニット3010のユニット本体10Cは、プラスチック製の一体成形品である。
このユニット本体10Cのスプライスホルダ部3021は、ユニット本体10Cの長手方向中央部にユニット本体10C長手方向に沿って延在する細長に形成されたホルダ底壁部3021aと、該ホルダ底壁部3021a上に立設した2つのホルダ側壁部241、242とを有する。2つのホルダ側壁部241、242は、前記ホルダ底壁部3021aの幅方向両側に立設され、ユニット本体10C長手方向に延在形成されている。
また、このスプライスホルダ部3021は、そのホルダ底壁部3021aの長手方向における両端上に立設したストッパ壁部251、252を有する。
スプライスホルダ部3021において、スプライス30は、ホルダ底壁部3021aと2つのホルダ側壁部241、242とにより三方から囲まれる溝状の空間(スプライス収容空間3021c)に収容されている。
また、スプライス30は、その長手方向の両端面をストッパ壁部251、252に突き当ててユニット本体10Cに対してその長手方向に位置決めされている。
2つのホルダ側壁部241、242は、ユニット本体10C長手方向に垂直の方向である幅方向両側に立設されている。
前記ストッパ壁部251、252は、ユニット本体10C長手方向に直交する向きで立設されている。そして、スプライスホルダ部3021は、2つのホルダ側壁部241、242とストッパ壁部251、252とによって構成される平面視四角枠状のホルダ外周壁の内側に、スプライス30を位置決めして収納している。
前記スプライス30の素子31、32間に割り入れたスプライス用工具3040の介挿片3041は、2つのホルダ側壁部241、242の片方(符号241のホルダ側壁部)に形成された介挿片挿通孔3024a(図4〜図6C参照)に通されている。以下、2つのホルダ側壁部241、242のうち、介挿片挿通孔3024aが形成されているホルダ側壁部241を第1ホルダ側壁部、他方のホルダ側壁部242を第2ホルダ側壁部とも言う。
前記介挿片挿通孔3024aは、第1ホルダ側壁部241の厚みを貫通して、該第1ホルダ側壁部241の第2ホルダ側壁部242に対面する内面と、該内面とは反対の外面とに開口している。
スプライス30は、クランプばね33の背板部33aを第2ホルダ側壁部242に対面させ、クランプばね33の一対の側板部33bの片方をホルダ底壁部3021aに当接させてスプライスホルダ部3021内に収容されている。すなわち、スプライス30は、半割り把持部材34を介してクランプばね33の背板部33aとは反対の側(開放側)を第1ホルダ側壁部241に対面させてスプライスホルダ部3021内に収容されている。
また、図52〜図54に示すように、図示例のユニット本体10Cのスプライスホルダ部3021のホルダ底壁部3021aは、その中央部に窓孔3021bが形成された四角枠状に形成されている。図示例の窓孔3021bは角孔状に形成されている。
また、図63に示すように、前記窓孔3021bは、スプライス30の第2クランプばね部332の一対の側板部332bのうち、スプライスホルダ部3021の一対のホルダ側壁部241、242間の溝状のスプライス収容空間3021cの溝底側に配置された側板部332bに対応する位置に形成されている。
スプライス30の第2クランプばね部332のスプライス収容空間3021c溝底側の側板部332bを、以下、下部側板部ともいう。また、この下部側板部に、図中符号322sを付記する。
図示例の光接続用ユニット3010は、その平面視(あるいは図19に示す下面視)において、スプライス30の第2クランプばね部332の下部側板部332sの全体が前記窓孔3021bの内側に位置する。スプライス30の第2クランプばね部332の下部側板部332sは、スプライスホルダ部3021のホルダ底壁部21aに接触していない。
なお、図示例の光接続用ユニット3010において、スプライス30の第2クランプばね部332の下部側板部332sは、ユニット本体10Cのスプライスホルダ部3021の窓孔3021bを介して、その全体が、ユニット本体10Cの下面3020a側から目視可能である。
また、図49、図61等に示すように、図示例のユニット本体10Cのスプライスホルダ部3021のホルダ側壁部242のスプライス収容空間3021cに臨む内面側には、スプライス30のクランプばね33の背板部33aのうち第1、第3クランプばね部331、333に位置する部分を当接させる当接突起3021e(図52等参照。第2当接突起)が突設されている。当接突起3021eは、ホルダ側壁部242の内面側の、ユニット本体10C長手方向に沿って延在するスプライス収容空間3021cの延在方向(長手方向)に互いに離隔する2カ所に突設されている。
前記スプライス30の半割り把持部材34は、クランプばね33の一対の側板部33bの開放側端部からクランプばね33の背板部33aとは反対の側に張り出した部分(開放側張り出し部)を有する。スプライスホルダ部3021のホルダ側壁部241のスプライス収容空間3021cに臨む内面側には、スプライス30の第1、第3クランプ部331、333における半割り把持部材34の開放側張り出し部を当接させる当接突起3021d(図53等参照。第1当接突起)が突設されている。
当接突起3021dは、ホルダ側壁部241の内面側の、スプライス収容空間3021cの延在方向(長手方向)に互いに離隔する2カ所に突設されている。なお、この当接突起3021dは、ホルダ側壁部241において、介挿片挿通孔3024aを避けた位置に形成されている。
前記スプライスホルダ部3021において、スプライス30は、そのクランプばね33の背板部33aのうち第1、第3クランプばね部331、333に位置する部分をホルダ側壁部242内面側の当接突起3021eに当接させ、第1、第3クランプ部331、333における半割り把持部材34の開放側張り出し部をホルダ側壁部241内面側の当接突起3021dに当接させて収容されている。
したがって、スプライスホルダ部3021に収容されたスプライス30のクランプばね33のうち、第2クランプばね部332に位置する部分は、スプライスホルダ部3021のホルダ側壁部242に接触しない。
すなわち、図示例の光接続用ユニット10において、スプライス30の第2クランプばね部332を含む第2クランプ部は、スプライスホルダ部3021のホルダ側壁部241、242及びホルダ底壁部3021aに接触していない。図示例の光接続用ユニット3010において、スプライス30の第2クランプ部は、介挿片3041の抜き去り時に、光ファイバケーブル1の光ファイバ2の裸光ファイバ2aの把持固定を、スプライスホルダ部3021のホルダ側壁部241、242及びホルダ底壁部3021aとの接触の影響を受けることなく実現する。
このため、光接続用ユニット10は、スプライス30の第2クランプ部における裸光ファイバ2aの調心精度の確保に有利である。このことは、裸光ファイバ2a同士の低損失での突き合わせ接続に有効に寄与する。
図8、図9に示すように、この実施形態の光接続用ユニット3010のスプライス用工具3040は、スプライス30の半割りの素子31、32間に割り入れた介挿片3041が、該介挿片3041のスプライス30からの抜き去り操作を行う抜き去り用操作部42から突出された構成になっている。
図示例のスプライス用工具3040はプラスチック製の一体成形品である。
但し、スプライス用工具としてはプラスチック製の一体成形品に限定されず、複数部材によって組み立てた構成のものであっても良い。
前記スプライス用工具3040の前記抜き去り用操作部3042は、前記介挿片3041が片面側に突設された細長板状の介挿片支持板部3043と、該介挿片支持板部3043の両側にその長手方向に沿って延在形成された一対の弾性操作片3044とを有する。
一対の弾性操作片3044は、介挿片支持板部3043の介挿片3041が突設されている側の面(介挿片突設面3043a)の長手方向に垂直の幅方向両側に設けられている。また、一対の弾性操作片3044は、その延在方向(長手方向)両端が、介挿片支持板部3043の長手方向両端と繋がっている。弾性操作片3044は、その長手方向両端において前記介挿片支持板部3043の長手方向両端に一体化して設けられている。弾性操作片3044の長手方向両端部は、介挿片支持板部3043の長手方向両端からその幅方向に張り出すように形成されている。弾性操作片3044の延在方向両端部の間の部分は、介挿片支持板部3043から若干の隙間を介して介挿片支持板部3043の長手方向に沿って延在配置されている。
この抜き去り用操作部3042は、介挿片支持板部3043長手方向に沿う方向の寸法が、一対の弾性操作片3044の間隔方向の寸法に比べて大きい細長形状に形成されている。
また、この抜き去り用操作部3042は、その長手方向両端部に、ユニット本体10Cのスプライスホルダ部3021とケーブル引留部3022との間の連結ベース部3023c(図49〜図51等参照)の上面3023aに当接する上面当接突部3042aと、前記連結ベース部3023cの前記上面3023aとは反対の下面3023b(図54、図60参照)に当接する下面当接突部3042bとを有する。
上面当接突部3042a及び下面当接突部3042bは、抜き去り用操作部3042の一対の弾性操作片3044の間隔方向である幅方向(操作部幅方向)に互いに離隔させて設けられている。
スプライス用工具3040の抜き去り用操作部3042は、ユニット本体10Cの長手方向におけるスプライスホルダ部3021の両側の連結ベース部3023cを、その長手方向両端部の上面当接突部3042aと下面当接突部3042bとの間に挟み込むようにしてユニット本体10Cに組み付けることができる。
なお、上面当接突部3042aは、ファイバ案内台部3023の連結ベース部3023cの上面3023aの幅方向片側の端部に当接する。このため、上面当接突部3042aは、連結ベース部3023cの上面3023a中央部にユニット本体10C長手方向に沿って延在する一対のファイバガイド壁3027に接触しない。
抜き去り用操作部3042は、全体として、介挿片支持板部3043の介挿片突設面3043aに垂直の方向を厚み方向とする扁平形状に形成されている。介挿片3041は、抜き去り用操作部3042から、その厚み方向の片面側に突出している。以下、抜き去り用操作部3042の厚み方向における両側のうち、介挿片3041が突出している側を介挿片突出側、該介挿片突出側とは反対の側を裏面側とも言う。
上面当接突部3042a及び下面当接突部3042bは、抜き去り用操作部3042の介挿片突出側に突設されている。
図示例のスプライス用工具3040の抜き去り用操作部3042の一対の弾性操作片3044は、その介挿片突出側のほぼ全体(下面当接突部3042bを除く)が、介挿片支持板部3043の介挿片突設面3043aと重なる同一仮想平面上に位置する。スプライス用工具3040は、抜き去り用操作部3042の一対の弾性操作片3044及び介挿片支持板部3043の介挿片突出側を、スプライスホルダ部3021のホルダ側壁部241に当接させてユニット本体10Cに設けられている。
一対の弾性操作片3044の介挿片突出側が位置する仮想平面を、以下、仮想当接面3042c(図59A、B、図60参照)とも言う。スプライス用工具3040は、抜き去り用操作部3042の一対の弾性操作片3044及び介挿片支持板部3043の前記仮想当接面3042cに位置する部分を、スプライスホルダ部3021のホルダ側壁部241に当接させてユニット本体10Cに設けられている。
なお、スプライス用工具としては、介挿片支持板部3043の介挿片突設面3043aが、一対の弾性操作片3044の介挿片突出側が位置する仮想平面に重なる位置にある構成に限定されない。スプライス用工具としては、介挿片支持板部3043が、一対の弾性操作片3044の介挿片突出側が位置する仮想平面から抜き去り用操作部3042裏面側に、若干、ずれた位置に設けられている構成も採用可能である。
介挿片3041は、介挿片支持板部3043の長手方向の4箇所に突設されている。
図14に示すように、スプライス30の半割り把持部材34における、前記クランプばね33の背板部33aとは反対側(以下、開放側)に露出する側面には、前記介挿片3041を挿入するための介挿片挿入穴35が開口されている。図15に示すように、この介挿片挿入穴35は、ベース部材31及び3つの蓋部材321、322、323の対向面31a、321a、322a、323aの互いに対応する位置に形成された介挿片挿入溝31g、321c、322c、323cによって、ベース部材31と蓋部材321、322、323との間に確保されている。
なお、介挿片挿入穴35は、半割り把持部材34の開放側の側面から、調心溝31b、被覆部挿入溝31c、31d、321b、323bに達しない深さで形成される。
また、介挿片挿入穴35としては、ベース部材31及び蓋部材321、322、323の片方のみに形成した介挿片挿入溝によって確保した構成も採用可能である。
図14に示すように、図示例のスプライス30において、前記介挿片挿入穴35は、中央蓋322におけるベース部材31長手方向両端部に対応する2箇所と、第1サイド蓋321及び第2サイド蓋323のベース部材31長手方向に沿う方向の中央部に対応する位置の、計4箇所に形成されている。
スプライス用工具3040の4つの介挿片3041の介挿片支持板部3043における突設位置は、スプライス30の4箇所の介挿片挿入穴35に対応している。また、ユニット本体10Cの第1ホルダ側壁部241の介挿片挿通孔3024aも、スプライス用工具3040の4つの介挿片3041、及びスプライス30の4箇所の介挿片挿入穴35に対応して、ユニット本体10C長手方向の4箇所に形成されている。
なお、スプライス用工具3040の介挿片3041は、その板厚が、操作部幅方向と一致する向きで、介挿片支持板部3043に突設されている。
図61に示すように、この光接続用ユニット3010のスプライス用工具3040の介挿片3041は、スプライス30のベース部材31と押さえ蓋32との間に、板状に形成された先端部3041a(以下、先端介挿部とも言う)を割り込ませている。
但し、介挿片3041は、半割りの素子31、32間を、クランプばね33の弾性に抗して、光ファイバ2の挿入が可能な程度に押し開き、かつ素子31、32間から抜き去り可能なものであれば良く、板状のものに限定されない。介挿片としては、例えば柔軟なシート状のもの、ロッド状のもの等も採用可能である。
また、スプライス30としては、半割り把持部材34に介挿片挿入穴35が形成されていない構成も採用可能である。
図56に示すように、スプライス用工具3040の板状の介挿片3041の先端介挿部3041aは、その先端が先細りのテーパ状に形成されている。この介挿片3041は、スプライス30の半割り把持部材34から抜き去った後に、その先端介挿部3041aを、ベース部材31と押さえ蓋32との間に押し込んで割り込ませる(工具付きスプライスを組み立てる)ことが可能である。
また、光ファイバ接続用ユニット3010は、スプライス30からスプライス用工具3040を取り外した状態で現場に供給し、現場にて、スプライス30の素子31、32間にスプライス用工具3040の介挿片3041を割り込ませて工具付きスプライスを組み立てても良い。
図49〜図51に示すように、光接続用ユニット3010のユニット本体10Cのケーブル引留部3022は、引留部底壁部3022aと、該引留部底壁部3022aの幅方向両側に立設された2つの引留部側壁部3022bとを有する。
そして、このケーブル引留部3022は、引留部底壁部3022aと2つの引留部側壁部3022bとにより三方から囲まれる溝状の空間(以下、固定部材収容空間3022hとも言う)に、光ファイバケーブル1端末に固定した引留用固定部材120を収容する。
また、ケーブル引留部3022は、前記空間に収容した引留用固定部材120のスプライスホルダ部3021からの距離を縮める前進を規制する固定部材ストッパ壁部3022cと、引留用固定部材120の後端部にその後側から係合する弾性係止片3022dとを有する。
前記弾性係止片3022dは、ケーブル引留部3022の2つの引留部側壁部3022bにそれぞれ形成されている。
図55に示すように、図示例の光接続用ユニット3010のユニット本体10Cの前記弾性係止片3022dは、ケーブル引留部3022の引留部側壁部3022bにおいて、その後端(スプライスホルダ部3021とは反対の側)から前側(スプライスホルダ部3021側)に向かって延在する上下一対のスリット3022jの間に位置する部分である弾性片3022eの後端に、引留用固定部材120に係合させる係合爪3022fを突設したものである。前記係合爪3022fは、ケーブル引留部3022の2つの引留部側壁部3022bの互いに対向する相手側の引留部側壁部3022bに向かって弾性片3022e後端から突出している。
なお、前記スリット3022jは、引留部側壁部3022bの前端には達していない。
前記弾性係止片3022dは、光ファイバケーブル1端末とともにケーブル引留部3022にその後側から挿入した引留用固定部材120の後端部に、その後側から前記係合爪3022fを係合させることで、引留用固定部材120の前記スプライス3040から離隔する方向の変位を規制する引留手段として機能する。
なお、ケーブル引留部3022の後側からの挿入によってケーブル引留部3022に収容した引留用固定部材120の前記スプライス3040から離隔する方向の変位(スプライス3040からの後退)を規制する引留手段としては、前記弾性係止片3022dに限定されない。この引留手段としては、例えば、ケーブル引留部3022に枢着した係合片などであっても良い。
引留用固定部材120は、光ファイバケーブル1端末の外周を取り囲むようにして設けられ、該端末に固定、一体化される。
図65A〜Cは、引留用固定部材120の具体例を示す。
ここでは、引留用固定部材120として、光ファイバケーブル1端末をその両側から把持して光ファイバケーブル1端末に固定して取り付けられる外被把持部材を用いている。
以下、引留用固定部材120が外被把持部材を指す場合、引留用固定部材120を外被把持部材とも言う。
この外被把持部材120は、光ファイバケーブル1を嵌め込むケーブル嵌合溝12aが形成された断面コ字形の把持ベース121と、前記把持ベース121のケーブル嵌合溝12aの溝幅方向両側の側壁部125の一方に枢着された押さえ蓋123とを有する。
この外被把持部材120は、把持ベース121の一対の側壁部125の互いに対向する面に複数突設した把持用突起125cを、ケーブル嵌合溝12aに嵌め込まれた光ファイバケーブル1の外被3に食い込ませて、一対の側壁部125の間に光ファイバケーブル1を把持固定できる。把持ベース121は、底壁部124の片面側に突設された一対の側壁部125の間に前記ケーブル嵌合溝12aが確保された断面コ字形の部材である。ケーブル嵌合溝12aの溝幅方向は、該ケーブル嵌合溝12aを介して両側の側壁部125の間隔方向を指す。なお、図示例の外被把持部材120の把持用突起125cは、ケーブル嵌合溝12aの深さ方向に延在する断面三角形状の突条に形成されている。
そして、この外被把持部材120は、前記押さえ蓋123が他方の側壁部125から離隔する開放状態にて把持ベース121を光ファイバケーブル1端末に外嵌めして固定した後、押さえ蓋123を把持ベース121の一対の側壁部125の底壁部124とは反対側の端部間におけるケーブル嵌合溝12aの開口部を閉じる閉位置に回動し、該押さえ蓋123を他方の側壁部125に係止して、光ファイバケーブル1端末に取り付けられる。
図示例の外被把持部材120はプラスチック製の一体成形品である。前記押さえ蓋123は、一対の側壁部125の一方(以下、第1側壁部とも言う。図中符号125aを付記する)の突端に、ヒンジ部として機能する薄肉部126を介して繋がっている。この押さえ蓋123は、前記薄肉部126によって、前記ケーブル嵌合溝12aの延在方向に沿う軸線を以て、把持ベース121の第1側壁部125aに対して回転可能に枢着されている。なお、把持ベース121の一対の側壁部125の他方について、以下、第2側壁部125bとも言う。
図示例の外被把持部材120の押さえ蓋123はL字板状に形成されている。この押さえ蓋123は、前記薄肉部126を介して把持ベース121の第1側壁部125aに枢着されている天板部123aと、この天板部123aの前記薄肉部126とは反対側の端部から該天板部123aに垂直に形成された係止板部123bとを有する。この押さえ蓋123は、前記天板部123aを把持ベース121の一対の側壁部125の突端に当接してケーブル嵌合溝12aの開口部を閉じる閉じ位置に配置したときに、前記係止板部123bを把持ベース121の第2側壁部125bのケーブル嵌合溝12aとは反対側の外面に重ね合わせることができる。そして、押さえ蓋123は、前記係止板部123bに形成されている係止用窓孔123cに、把持ベース121の第2側壁部125b外面に突設されている係止用爪125dを入り込ませることで把持ベース121に係止され、把持ベース121に対する閉じ状態を安定維持できる。
図示例の外被把持部材120(引留用固定部材)は、前記把持ベース121のケーブル嵌合溝12aの延在方向に沿う前後方向の片端から突出する一対の前側突壁部127を有している。一対の前側突壁部127は、把持ベース121の両側の側壁部125a、125bから、該側壁部125a、125bを把持ベース121前後方向に沿って延長するように突出する板片状に形成されている。
なお、外被把持部材としては、図示例の構成に限定されない。外被把持部材としては、例えば、押さえ蓋を、前記係止板部123bを省略し、前記天板部123aに、把持ベース121の第2側壁部125bの突端に係合する係合部を設けた構造の押さえ蓋に変更した構成等も採用可能である。また、外被把持部材としては、把持ベースのみからなる構成も採用可能である。また、外被把持部材としては、プラスチック製の一体成形品に限定されず、複数部材によって組み立てた構成のものも採用可能である。
引留用固定部材としては、外被把持部材に限定されず、例えば光ファイバケーブル1端末外周に接着剤による接着固定、熱溶着などによって固定する部材などであっても良い。
図52に示すように、図示例のケーブル引留部3022には、引留用固定部材120を固定した光ファイバケーブル1端末(以下、固定部材付きケーブル端末1a)の、ケーブル引留部3022へのその後方からの挿入を円滑にする挿入補助スライダ3026が設けられている。この挿入補助スライダ3026は、引留部底壁部3022a上をケーブル引留部3022の前後方向にスライド移動可能に設けられた細長板状のスライダ本体3026a上に押圧力受け突起3026bを突設した構造になっている。
この挿入補助スライダ3026は、前記スライダ本体3026aの押圧力受け突起3026bから後側に延出する部分である固定部材載置部3026c上に固定部材付きケーブル端末1aを載置できる。
図64に示すように、前記挿入補助スライダ3026は、ケーブル引留部3022の引留部底壁部3022a上でのスライド移動によって、スライダ本体3026aの押圧力受け突起3026bから前側の部分を、固定部材ストッパ壁部3022c下部及び該固定部材ストッパ壁部3022cに一体化している連結ベース部3023cの下部に形成されているスライダ挿入孔3028に挿入できる。
スライダ挿入孔3028は、固定部材ストッパ壁部3022cの固定部材収容空間3022hに臨む後面に開口するスライダ入り口からユニット本体10C長手方向に沿ってスプライスホルダ部3021に向かって延在形成されている。また、スライダ挿入孔3028のスライダ入り口は、ケーブル引留部3022の固定部材ストッパ壁部3022cにその上端から窪む切欠状に形成された第2ファイバ挿通部3022gの下方に位置している。
なお、図54に示すように、図示例のユニット本体10Cは、スプライスホルダ部3021のホルダ底壁部3021aの下面と、各ケーブル引留部3022の引留部底壁部3022aの下面と、各ファイバ案内台部3023の連結ベース部3023cの下面3023bとが互いに面一に連続してなる下面3020aとが互いに面一に連続してなる下面3020aを有する。
但し、ユニット本体としては、ホルダ底壁部3021a下面と、2つの引留部底壁部3022aの下面と、2つの連結ベース部下面3023bとが互いに面一に連続する下面3020aを構成するに限定されない。ユニット本体としては、例えば、連結ベース部下面3023bが引留部底壁部3022a下面に比べて上側に位置する構成なども採用可能である。
前記挿入補助スライダ3026は、ケーブル引留部3022の引留部底壁部3022a上でのスライド移動によって、スライダ本体3026aの押圧力受け突起3026bから前側の部分を前記スライダ挿入孔3028に挿入して、前記押圧力受け突起3026をケーブル引留部3022の固定部材ストッパ壁部3022cに当接できる。前記押圧力受け突起3026は、固定部材ストッパ壁部3022cにおけるスライダ挿入孔3028のスライダ入り口と第2ファイバ挿通部3022gとの間に位置する部分である受け突起当接部3022kに当接できる。前記挿入補助スライダ3026は、前記押圧力受け突起3026bが、ケーブル引留部3022前端の固定部材ストッパ壁部3022c(より具体的には受け突起当接部3022k)に当接する位置が、ケーブル引留部3022に対する前進限界位置となっている。
スプライスホルダ部3021のストッパ壁部251、252には、光ファイバケーブル端末に露出させた光ファイバ2を挿通させる切欠状の第1ファイバ挿通部3025aが形成されている。また、ケーブル引留部3022前端の固定部材ストッパ壁部3022cには、光ファイバケーブル端末に露出させた光ファイバ2を挿通させる切欠状の前記第2ファイバ挿通部3022gが形成されている。
ユニット本体10Cの連結ベース部3023c上には、光ファイバケーブル1の光ファイバ2の前記ケーブル引留部3022からスプライス30の素子31、32間への挿入を案内する一対のファイバガイド壁3027が突設されている。一対のファイバガイド壁3027は、ユニット本体10Cの幅方向に間隔を開けて連結ベース部3023c上に突設され、ユニット本体10C長手方向に延在形成されている。ユニット本体10Cは、一対のファイバガイド壁3027の間に確保された隙間を、光ファイバ2を案内するファイバ案内溝3027aとして用いることができる。
一対のファイバガイド壁3027の間のファイバ案内溝3027aはユニット本体10C長手方向に延在している。このファイバ案内溝3027aの延在方向一端は、スプライスホルダ部3021のストッパ壁部251、252に切欠状に形成された第1ファイバ挿通部3025aに連通されている。前記ファイバ案内溝3027aの延在方向他端は、ケーブル引留部3022の前記固定部材ストッパ壁部3022cに切欠状に形成された第2ファイバ挿通部3022gに連通されている。
図52、図53に示すように、第1ファイバ挿通部3025aは、ストッパ壁部251、252の上端から下方へ窪み、その底部がファイバ案内溝3027aの溝底と連続する溝状に形成されている。
第2ファイバ挿通部3022gは、固定部材ストッパ壁部3022cの上端から下方へ窪む切欠状になっている。この第2ファイバ挿通部3022gの底部は、ファイバ案内溝3027aの端部から固定部材ストッパ壁部3022cの固定部材収容空間3022hに臨む後面にわたって、前記後面側に行くにしたがって末広がりに拡張するテーパ状凹所3022iとされている。
第2ファイバ挿通部3022g、ファイバ案内溝3027a、第1ファイバ挿通部3025aは、ケーブル引留部3022からスプライスホルダ部3021に収容されているスプライス30の被覆部挿入溝への光ファイバ2の円滑な挿入を実現するファイバ誘導手段として機能する。
この光接続用ユニット3010を用いて光ファイバケーブル11、12同士を接続する作業は、まず、光ファイバケーブル11、12端末に引留用固定部材120を固定して固定部材付きケーブル端末1aを組み立て、ケーブル引留部3022に対して前進限界位置から後側にずれた位置に移動しておいた挿入補助スライダ3026の固定部材載置部3026c上に固定部材付きケーブル端末1aを載置する。外被把持部材120は、前側突壁部127が突出している前側を固定部材ストッパ壁部3022cに向けた姿勢で固定部材載置部3026c上に載置する。
そして、固定部材付きケーブル端末1aを、挿入補助スライダ3026の固定部材載置部3026c上に載置状態のままケーブル引留部3022前端の固定部材ストッパ壁部3022cに向かって前進(固定部材ストッパ壁部3022cからの距離を縮めるように移動)させる。
なお、挿入補助スライダ3026に載せる固定部材付きケーブル端末1aの光ファイバケーブル端末には、予め光ファイバ2を突出状態に露出させておく。
ケーブル引留部3022の引留部底壁部3022aの上面(挿入補助スライダ3026がスライド移動する面)は、連結ベース部3023cの上面3023aに比べて下方に位置する。
固定部材付きケーブル端末1aは、挿入補助スライダ3026の固定部材載置部3026c上に載置したときに、光ファイバケーブル1端末から突出する光ファイバ2が、ファイバ案内溝3027aの溝底部の延長上に配置される構成とする。これにより、固定部材付きケーブル端末1aの前進によって、光ファイバ2をファイバ案内溝3027aに円滑に挿入できる。
光ファイバ2は、固定部材付きケーブル端末1aのケーブル引留部3022に対する前進によって、ファイバ案内溝3027aの溝底、第1ファイバ挿通部3025aの底部を前進させる。
固定部材付きケーブル端末1aは、挿入補助スライダ3026の押圧力受け突起3026bを押圧しながら前進する。このため、固定部材付きケーブル端末1aの前進に伴い挿入補助スライダ3026も一体的に前進する。既述の外被把持部材120を用いて組み立てた固定部材付きケーブル端末1aは、外被把持部材120の前側突壁部127前端によって固定部材ストッパ壁部3022cを押圧しながら前進する。
固定部材付きケーブル端末1aは、前進限界位置に達した挿入補助スライダ3026を、引留用固定部材120と固定部材ストッパ壁部3022cとの間に挟み込んだときの位置が、ケーブル引留部3022に対する前進限界位置である。
固定部材付きケーブル端末1aは、ケーブル引留部3022に対する前進限界位置まで前進させる。固定部材付きケーブル端末1aは、前記前進限界位置に前進させることで、ケーブル引留部3022の弾性係止片3022dが係合して前進限界位置に保持される。
スプライス30の素子31、32間に挿入する光ファイバケーブルの光ファイバ2の先端には、予め、裸光ファイバ2aを口出ししておく。
また、互いに接続する光ファイバケーブル11、12の光ファイバ2の引留用固定部材120からの突出長は、光ファイバ2同士が、スプライス30の調心溝31b長手方向中央部で突き当たり、かつ、各光ファイバケーブル11、12の固定部材付きケーブル端末1aがケーブル引留部3022に対する前進限界位置に達したときに、光ファイバ2に若干の撓み部(図62の撓み部5)が形成される長さとする。
工具付きスプライス30Aにおけるベース部材31と各蓋部材321、322、323との間の開放量は、スプライス用工具3040の介挿片3041の板状の先端介挿部3041aの厚み寸法によって設定できる。
例えば、図17に示すように、ベース部材31とサイド蓋(図示例では第2サイド蓋323)との間の介挿片3041(41)の介挿による開放量は、光ファイバ2が、被覆部挿入溝31dとサイド蓋323の対向面323aとの間の領域(ファイバ収納領域。図16の符号FS参照)から脱落せず、ファイバ収納領域内に挿通された状態を保てる範囲とする。
ファイバ収納領域FS(図16参照)は、被覆部挿入溝と、該被覆部挿入溝が形成されている素子(図示例ではベース部材31)の対向面に垂直の方向における、前記被覆部挿入溝に対面する素子の前記被覆部挿入溝に対面する部分との間の領域である。
なお、図16においては、光ファイバ2の被覆部を挿入した被覆部挿入溝の溝底付近に確保されるクリアランス(図17参照)の図示を省略している。
中央蓋322とベース部材31との間の介挿片3041の介挿による開放量は、光ファイバ2先端に口出しされた裸光ファイバ2aが、調心溝31bと中央蓋322の対向面322aとの間の領域(裸光ファイバ収納領域FS2)から脱落しない範囲とする。
裸光ファイバ収納領域FS2(図16参照)は、調心溝31bと、該調心溝31bが形成されている素子(図示例ではベース部材31)の対向面31aに垂直の方向における、中央蓋322の対向面322aの前記調心溝31bに対面する部分との間の領域である。
光ファイバ2先端に口出しした裸光ファイバ2aは、固定部材付きケーブル端末1aのケーブル引留部3022に対する前進によって、ファイバ案内溝3027aから、スプライス30のファイバ収納領域FS(図16参照)を介して裸光ファイバ収納領域へ挿入できる。
スプライス30の半割り把持部材34には、その長手方向両端面から先細りのテーパ状に窪むテーパ状凹所34aが開口している。図16に示すように、テーパ状凹所34aの奥端は前記ファイバ収納領域FSと連通している。
また、図49〜図51に示すように、既述のように、スプライスホルダ部3021に位置決めして収容されたスプライス30は、半割り把持部材34の長手方向両端面がスプライスホルダ部3021のストッパ壁部251、252に突き当てられている。また、前記スプライス30は、半割り把持部材34の端面における前記テーパ状凹所34aの開口部の中央部が、ファイバ案内溝3027aの底部及び第1ファイバ挿通部3025aの底部に位置合わせされている。このため、ファイバ案内溝3027aからスプライス30のファイバ収納領域FSへの光ファイバ2の挿入は円滑に行える。
また、図62に示すように、前記光接続用ユニット3010のファイバガイド壁3027には切欠部3027bが形成されている。
図52、図53、図62に示すように、前記ファイバガイド壁3027は、スプライスホルダ部3021からケーブル引留部3022側に行くにしたがって連結ベース部3023cから上方への突出寸法が減少するテーパ状に形成された撓み支持壁部3027cと、この撓み支持壁部3027cのケーブル引留部3022側の端部からケーブル引留部3022まで連結ベース部3023cから上方への突出寸法が一定でユニット本体10C長手方向に延在する下部延在壁部3027dとを有する。このファイバガイド壁3027は、撓み支持壁部3027c上端部からケーブル引留部3022側が下方へ窪む切欠部3027bとなっている。
前記光接続用ユニット10を用いて光ファイバケーブル11、12同士を接続する作業においては、光ファイバケーブル11、12端末から突出状態に露出させた光ファイバ2を、それぞれ、ユニット本体10Cの長手方向両側のケーブル引留部3022からファイバ案内溝3027aを介してスプライス30のファイバ収納領域FS(図16)に挿入し、光ファイバ2先端の裸光ファイバ2a同士を、調心溝31bに沿う裸光ファイバ収納領域FS2の延在方向(長手方向)中央部にて突き合わせる。
前記光接続用ユニット3010は、互いに接続する光ファイバケーブル11、12の固定部材付きケーブル端末1aをケーブル引留部3022に対する前進限界位置に到達させたときには、スプライス30の素子間にて光ファイバ2同士が突き合わせ接続状態となり、かつ、図62に示すように、光ファイバ2の撓み部5が、連結ベース部3023cから上方へ浮き上がるように形成される。光接続用ユニット3010は、ファイバガイド壁3027に切欠部3027が形成されているため、光ファイバ2の撓み部5を目視等によって容易に確認できる。
光ファイバ2のファイバ案内溝3027a内に位置する部分は、撓み部5の形成前は、ファイバ案内溝3027aの溝底に配置されている。ファイバ案内溝3027aの溝底に位置する光ファイバ2は、連結ベース部3023cと一対のファイバガイド壁3027とによって三方から囲まれているため、光ファイバ2に形成される撓み部5は、ファイバ案内溝3027aの溝底から浮き上がる方向のみに形成される。
互いに接続する光ファイバケーブル11、12の端末から突出させた光ファイバ11a、12aの光ファイバケーブル端末からの突出長(あるいは引留用固定部材120からの突出長)は、例えば、スプライス30の裸光ファイバ収納領域FS2にて光ファイバ2の先端同士(具体的には裸光ファイバ2aの先端同士)を突き合わせたときに、光ファイバ11a、12aの一方又は両方に、下部延在壁部3027dから上方(切欠部27b)に突出する撓み部5を形成できる長さとする。この場合、光ファイバ2に形成された撓み部5が下部延在壁部3027dから上方(切欠部27b)に突出したことを目視等によって簡単に確認できる。このため、スプライス30内での光ファイバ2同士(具体的には裸光ファイバ同士)の突き合わせが達成されたことの確認を簡単に行える。
また、光接続用ユニット3010は、スプライスホルダ部3021の両側のファイバ案内台部3023の一方の下部延在壁部3027dから上方に位置するように形成された撓み部5を、例えば作業者が手指などでファイバ案内溝3027a溝底に向かって押圧することで、光ファイバ2同士の突き合わせ確認をより確実に行える。すなわち、スプライスホルダ部3021の両側のファイバ案内台部3023の一方の下部延在壁部3027dから上方に位置するように形成された撓み部5を、例えば作業者が手指などでファイバ案内溝3027a溝底に向かって押圧したとき、他方のファイバ案内台部3023の連結ベース部3023c上の光ファイバ2の撓み部5のサイズが大きくなる、あるいは他方のファイバ案内台部3023の連結ベース部3023c上の撓み部5が形成されていない光ファイバ2に撓み部5が形成されることで、光ファイバ2同士の突き合わせ確認をより確実に行える。
なお、図62に示すように、ファイバガイド壁3027の撓み支持壁部3027cと、該撓み支持壁部3027cに切欠部3027bを介して対面するケーブル引留部3022の固定部材ストッパ壁部3022cとの間には、作業者が手指を挿入できる離隔距離が確保されている。
このため、下部延在壁部3027d上方に浮き上がるように形成された光ファイバ2の撓み部5を、作業者が手指で下方へ押圧することは容易に行える。
また、ファイバ案内台部3023の連結ベース部3023c上の一対のファイバガイド壁3027は、下部延在壁部3027dの延在方向中央部が、ケーブル引留部3022に挿入固定した固定部材付きケーブル端末1aの光ファイバケーブル端末とスプライスホルダ部3021内のスプライス30の長手方向の端部との間の離隔方向中央部に位置するように形成されている。光ファイバ2の撓み部5は、ケーブル引留部3022に挿入固定した固定部材付きケーブル端末1aの光ファイバケーブル端末とスプライスホルダ部3021内のスプライス30の長手方向の端部との間に上に凸のアーチ状をなすように湾曲して形成される。
ファイバ案内溝3027a溝底から該ファイバ案内溝3027a一対のファイバガイド壁3027の下部延在壁部3027d上方に浮き上がるように形成された光ファイバ2の撓み部5の頂部は、下部延在壁部3027dの延在方向中央部の上方に位置する。このため、下部延在壁部3027d上方に浮き上がるように形成された光ファイバ2の撓み部5の頂部を、作業者が手指で下方へ押圧することは容易に行える。
一対のファイバガイド壁3027の撓み支持壁部3027cは、撓み部5のスプライス30側の端部を支持して、撓み部5に、連結ベース部3023cから上方へ浮き上がった形状を確保することに有効に寄与する。前記一対のファイバガイド壁3027は、光ファイバ2の撓み部5のサイズが比較的サイズが大きい場合でも、前記撓み支持壁部3027cによって撓み部5を連結ベース部3023cから上方へ浮き上がった状態に支持でき、撓み部5の倒れを防ぐことができる。
なお、撓み支持壁部3027cは、スプライスホルダ部3021からケーブル引留部3022側に行くにしたがって連結ベース部3023cから上方への突出寸法が減少するテーパ状に限定されず、例えば、ユニット本体10C長手方向における延在方向全体にわたって連結ベース部3023cから上方への突出寸法が同じになっている形状としても良い。
また、ファイバ案内台部3023の一対のファイバガイド壁3027は、スプライスホルダ部3021のストッパ壁部からケーブル引留部3022側に張り出す撓み支持壁部3027cを有する構成に限定されない。一対のファイバガイド壁3027は、ケーブル引留部3022の固定部材ストッパ壁部3022cからスプライスホルダ部3021側に張り出す撓み支持壁部と、該撓み支持壁部からスプライスホルダ部3021まで延在する下部延在壁部とを有する構成としても良い。
また、ファイバ案内台部3023の一対のファイバガイド壁3027は、スプライスホルダ部3021のストッパ壁部からケーブル引留部3022側に張り出す撓み支持壁部と、ケーブル引留部3022の固定部材ストッパ壁部3022cからスプライスホルダ部3021側に張り出す撓み支持壁部との間に、下部延在壁部を有する構成も採用可能である。
光ファイバ2同士の突き当てを確認できたなら、次いで、スプライス30の素子31、32間からスプライス用工具3040の介挿片3041を抜き去る。
これにより、光ファイバ11a、12a同士が突き合わせ接続状態のままスプライス30の素子31、32間に把持固定され、光ファイバケーブル11、12同士の接続が完了する。
スプライス用工具3040は、片手の手指で握ることなどによって、抜き去り用操作部3042の一対の弾性操作片3044を介挿片支持板部3043に接近させるだけで、スプライス30の素子31、32間に介挿されている介挿片41のスプライス30からの抜き去りを簡単に行える。
前記スプライス用工具3040は、一対の弾性操作片3044を互いの離隔距離を縮める(介挿片支持板部3043に接近させる)ように弾性変形させることで、各弾性操作片3044に形成されている操作片側傾斜面3046を、介挿片支持板部3043の幅方向両側に形成されている支持板側傾斜面3045に摺動させることができる。
スプライス用工具3040の一対の弾性操作片3044を互いの離隔距離を縮めるように弾性変形させる操作は、例えば図62に示すように、抜き去り用操作部3042の一対の弾性操作片3044に操作部幅方向両側から互いの離隔距離を縮める方向の押圧力Pを作用させることで実現できる。
なお、操作部幅方向は、図57、図58、図62における上下方向、図59A、Bにおける左右方向を指す。
前記支持板側傾斜面3045は、介挿片支持板部3043の弾性操作片3044に臨む幅方向の端部に、その介挿片突出側から該介挿片突出側とは反対の裏面側に行くに従って、操作部幅方向において、介挿片支持板部3043から離隔する前記弾性操作片3044に接近する。この支持板側傾斜面3045は、介挿片支持板部3043の介挿片突設面3043a、抜き去り用操作部3042の仮想当接面3042cに対して傾斜して形成されている。
図59A、Bに示すように、操作片側傾斜面3046は、弾性操作片3044の介挿片支持板部3043に臨む側に、支持板側傾斜面3045に対応する位置に形成されている。操作片側傾斜面3046は、抜き去り用操作部3042の介挿片突出側から裏面側に行くに従って、操作部幅方向において介挿片支持板部3043から離隔する。操作片側傾斜面3046は、介挿片支持板部3043の介挿片突設面3043a、抜き去り用操作部3042の仮想当接面3042cに対して傾斜して形成されている。
図56〜図58に示すように、図示例のスプライス用工具3040において、支持板側傾斜面3045は、介挿片支持板部3043の幅方向両側に、介挿片支持板部3043の長手方向に概ね均等の3カ所ずつ、計6カ所に形成されている。前記支持板側傾斜面3045は、より具体的には、介挿片支持板部3043の長手方向中央部及び長手方向両端部において、それぞれ介挿片支持板部3043の幅方向両側に形成されている。
介挿片支持板部3043の長手方向中央部の支持板側傾斜面3045(図中符号3045aを付記する。以下、支持板中央傾斜面とも言う)は、介挿片支持板部3043の幅方向両側に突設された突部3043bに形成されている。介挿片支持板部3043は、細長板状の支持板部本体3043dを有する。前記突部3043bは、支持板部本体3043dの長手方向中央部の幅方向両側に突設されている。
介挿片支持板部3043の長手方向両端部の支持板側傾斜面3045(図中符号3046bを付記する。以下、支持板端部傾斜面とも言う)は、支持板部本体3043dの幅方向両側に切り欠き状に形成された溝状凹所3043cの溝底面を構成している。
介挿片支持板部3043の長手方向両端部の支持板端部傾斜面3045bは、介挿片支持板部3043の長手方向における形成位置を、スプライス30のベース部材31と第1サイド蓋321との間に介挿される介挿片3041(図56〜図58中、符号411を付記する)、ベース部材31と第3サイド蓋323との間に介挿される介挿片30(図56〜図58中、符号413を付記する)に対応させてある。支持板端部傾斜面3045bは、介挿片支持板部3043の長手方向における介挿片411、413が突設されている部位の幅方向両側に形成されている。
一方、支持板中央傾斜面3045aは、介挿片支持板部3043長手方向においてスプライス30のベース部材31と中央蓋322との間に介挿される2つの介挿片3041(図56〜図58中、符号412を付記する)の間に位置する部位の幅方向に形成されている。
操作片側傾斜面3046は、介挿片支持板部3043の支持板中央傾斜面3045a、及び介挿片支持板部3043の長手方向両端部の支持板端部傾斜面3045b、3045bに対応して、弾性操作片3044の長手方向中央部と両端部とにそれぞれ形成されている。
弾性操作片3044の長手方向中央部の操作片側傾斜面3046(図中符号3046aを付記する。
以下、操作片中央傾斜面とも言う)は、操作部幅方向において支持板中央傾斜面3045aに対面させて形成されている。また、操作片中央傾斜面3046aは、弾性操作片3044の長手方向中央部から介挿片支持板部3043側に突出する突部3044a(中央突部)に形成されている。
弾性操作片3044の長手方向両端部の操作片側傾斜面3046(図中符号3046bを付記する。
以下、操作片端部傾斜面とも言う)は、操作部幅方向において支持板端部傾斜面3045bに対面させて形成されている。また、操作片端部傾斜面3046bは、弾性操作片3044の長手方向両端部から介挿片支持板部3043側に突出する突部3044bに形成されている。
図59Aに示すように、操作片中央傾斜面3046aの、抜き去り用操作部3042の仮想当接面3042cに対する傾斜角度θ3046aは、支持板中央傾斜面3045aの前記仮想当接面3042cに対する傾斜角度θ3045aに比べて若干小さい。
また、図59Bに示すように、操作片端部傾斜面3046bの、抜き去り用操作部3042の仮想当接面3042cに対する傾斜角度θ3046bは、支持板端部傾斜面3045bの前記仮想当接面3042cに対する傾斜角度θ3045bに比べて若干小さい。また、支持板中央傾斜面3045aの前記傾斜角度θ3045aは、支持板端部傾斜面3045bの前記傾斜角度θ3045bに比べて大きく、操作片中央傾斜面3046aの前記傾斜角度θ3046aは、操作片端部傾斜面3046bの前記傾斜角度θ3046bに比べて小さい。
操作片中央傾斜面3046aと支持板中央傾斜面3045aとの間の操作部幅方向の最小離隔距離t1は、操作片端部傾斜面3046bと支持板端部傾斜面3045bとの間の操作部幅方向の最小離隔距離t2に比べて小さい。
前記スプライス用工具3040は、一対の弾性操作片3044を互いの離隔距離を縮める(介挿片支持板部3043に接近させる)ように弾性変形させたときに、操作片側傾斜面3046の支持板側傾斜面3045に対する摺動によって、介挿片支持板部3043をその長手方向両端の間に位置する部分が一対の弾性操作片3044に対して抜き去り用操作部3042裏面側へ相対的に変位するように弾性変形させることができる。そして、スプライス用工具3040は、介挿片支持板部3043の長手方向両端の間に位置する部分が一対の弾性操作片3044に対して抜き去り用操作部3042裏面側へ相対的に変位する結果、スプライス30の素子間に介挿されている介挿片3041のスプライス30からの抜き去りを実現できる。
スプライス30の素子間に介挿状態の介挿片3041の素子間からの抜き去りは、一対の弾性操作片3044の仮想当接面3042cに位置する部分をスプライスホルダ部3021のホルダ側壁部241に当接させた状態で、介挿片支持板部3043の長手方向両端の間に位置する部分を一対の弾性操作片3044に対して抜き去り用操作部3042裏面側へ変位させて実現する。
また、前記スプライス用工具3040は、一対の弾性操作片3044を互いの離隔距離を縮める(介挿片支持板部3043に接近させる)ように弾性変形させたときに、操作片中央傾斜面3046aの支持板中央傾斜面3045aに対する摺動が開始した後に、操作片端部傾斜面3046bの支持板端部傾斜面3045bに対する当接、摺動が開始される。
その結果、スプライス用工具3040は、スプライス30の第2クランプ部からの介挿片412が抜き去りが完了した後に、第1、第3クランプ部からの介挿片411、413の抜き去りが完了する、時差抜き去りを実現できる。
スプライス30は、素子間に割り入れた介挿片411、412、413の時差抜き去りにより、まず、第2クランプ部の半割りの素子(ベース部材31と中央蓋322)間に、光ファイバ11a、12aの互いに突き合わせた裸光ファイバ2a、2aを把持固定する。そして、スプライス30は、第2クランプ部での互いに突き合わせた状態の裸光ファイバ2a、2aの把持固定の完了後に、第1、第3クランプ部の半割りの素子間での光ファイバ11a、12aの被覆部の把持固定を完了する。なお、第1クランプ部の半割りの素子はベース部材31及び第1サイド蓋311であり、第3クランプ部の半割りの素子はベース部材31及び第2サイド蓋313である。
なお、スプライス30の素子31、32間からの介挿片3041の抜き去りを完了したスプライス用工具3040は、ユニット本体10Cから簡単に離脱させることができる。
前記スプライス用工具3040は、一対の弾性操作片3044を互いの離隔距離を縮めるように弾性変形させるだけで、スプライス30の半割りの素子間に割り入れた状態の介挿片3041のスプライス30からの抜き去りを簡単に行える。
また、スプライス用工具3040は、スプライス30の素子間に割り入れた(介挿した)状態の介挿片3041を素子間から抜き去るための抜き去り機構である抜き去り用操作部3042が扁平な形状である。スプライス用工具3040は、特許文献1記載の光ファイバ接続用工具に比べて、素子間に割り入れ状態の介挿片の素子間からの抜き去り方向におけるスプライス30からの突出寸法の縮小を容易に実現できる。このため、スプライス用工具、工具付きメカニカルスプライスは、小型化が容易である。
スプライス用工具、工具付きメカニカルスプライスの小型化は、狭隘な作業スペースにおけるスプライスを用いた光ファイバ2同士の接続作業に有利である。
以上、本発明を最良の形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の最良の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば、光接続用ユニット10において、スプライス用工具3040は、その抜き去り用操作部3042が、ユニット本体10Cのスプライスホルダ部21のホルダ側壁部241との間に僅かなクリアランスを介してホルダ側壁部241に沿う状態で、ユニット本体10Cに設けても良い。但し、抜き去り用操作部3042とスプライスホルダ部3021のホルダ側壁部241との間のクリアランスは、スプライスホルダ部3021のホルダ側壁部241に当接した一対の弾性操作片3044に対して、介挿片支持板部3043が抜き去り用操作部3042裏面側へ相対的に変位することを実現できる大きさとする。
スプライス用工具の適用対象は、光接続用ユニット10のスプライスホルダ部内のスプライスに限定されない。
本発明にかかる実施形態のスプライス用工具は、その介挿片を素子間に割り入れ可能な構成のスプライスに幅広く適用できる。この点、スプライス用工具をその介挿片をスプライスの素子間に割り入れてスプライスに設けた工具付きスプライスとしては、例えば、互いの離隔距離を縮めるように弾性変形させた一対の弾性操作片3044がスプライスに直接当接する構成も採用可能である。
1、11、12…光ファイバケーブル、2、11a、12a…光ファイバ(被覆付き光ファイバ)、10、1010、2010、3010…光ファイバ接続用ユニット、10A、10B、10C…光ファイバ接続用ユニット(ユニット本体)、20…ユニットベース、21、1021…スプライスホルダ部、22d…押圧部(弾性押圧片)、23、1022…ケーブル引留部、24…固定部材案内部、25…引留部(レバー部材)、251、252…ストッパ壁部、1029・・・位置確認機構、30…メカニカルスプライス、40…スプライス用工具、40A…第1スプライス用工具、40B…第2スプライス用工具、48…スペーサ(スペーサ用突起)、48a…第1のスペーサ(スペーサ用突起)、48b…第2のスペーサ(スペーサ用突起)、1041…第3スプライス用工具(第1介挿工具)、1042・・・第4スプライス用工具(第2介挿工具)、1045・・・第3スプライス用工具の介挿片(第1介挿部材)、1046・・・第4スプライス用工具の基板部、1048・・・第4スプライス用工具の介挿片(第2介挿部材)、52・・・保持部材側ケーブル固定部、53・・・底板部、54・・・側板部、58・・・規制凸部、59・・・ユニット収容空間、64b・・・内側面、65・・・側端板部、66・・・底端板部、71・・・ケーブル嵌合溝、72・・・把持用突起、120・・・外被把持部材(ユニット側ケーブル固定部)、3021…スプライスホルダ部、3021a…ホルダ底壁部、3022…ケーブル引留部、3022a…引留部底壁部、3022b…引留部側壁部、3022c…固定部材ストッパ壁部、3022d…引留手段(弾性係止片)、3022g…第2光ファイバ挿通部、3022h…2つの引留部側壁部と引留部底壁部とにより三方から囲まれる溝状の空間(固定部材収容空間)、3023…ファイバ案内台部、3023c…連結ベース部、241、242…ホルダ側壁部、3025a…第1ファイバ挿通部、3027…ファイバガイド壁、3027a…ファイバ案内溝、30…スプライス、3040…スプライス用工具、3041…介挿片、3042…抜き去り用操作部、3043…介挿片支持板部、3044…弾性操作片。

Claims (14)

  1. 光ファイバ同士を調心して半割りの素子の間に挟み込んで接続するメカニカルスプライスと、
    前記メカニカルスプライスを保持するスプライスホルダ部と、
    保持された前記メカニカルスプライスの両側のそれぞれで前記光ファイバに固定した引留用固定部材をそれぞれ案内する固定部材案内部と、
    前記固定部材案内部にそれぞれ案内されて前進した前記引留用固定部材をそれぞれ引留める引留部と、
    一方の前記固定部材案内部に案内されて前進する第1引留用固定部材に当接してその前進を規制し、かつ、前記第1引留用固定部材に当接可能な位置から退避可能に配置される第1のスペーサと
    を備え
    前記第1引留用固定部材には、第1光ファイバを固定しており、
    前記第1引留用固定部材をその前進を規制する第1のスペーサに当接した状態で、前記メカニカルスプライスに前記第1光ファイバの先端を把持固定させた場合、前記第1のスペーサを退避させることによって前記第1引留用固定部材が前記メカニカルスプライスに向かって前進可能となり、前進した結果、前記第1光ファイバに、前記メカニカルスプライスと前記第1引留用固定部材との間で撓みが形成可能である光ファイバ接続用ユニット。
  2. 前記光ファイバの一方を挟み込む側で前記半割りの素子の間に介挿される介挿片を有する第1のスプライス用工具と、
    前記光ファイバの他方を挟み込む側で前記半割りの素子の間に介挿される介挿片を有する第2のスプライス用工具とをさらに備え、
    前記第1のスプライス工具は、それに突設された突起として前記第1のスペーサをさらに備える請求項1に記載の光ファイバ接続用ユニット。
  3. 前記第1のスペーサが、一方の前記固定部材案内部を構成し前記引留用固定部材を収容して案内する壁部に開口された窓孔に挿入可能であり、前記窓孔から挿入され前記壁部内側に突出した前記第1のスペーサが、前記引留用固定部材に当接してその前進を規制する請求項2に記載の光ファイバ接続用ユニット。
  4. 一方の前記固定部材案内部は、前記窓孔に挿入された前記スペーサを前記窓孔の前記メカニカルスプライス側の内壁に向かって押圧する押圧部を有する請求項3に記載の光ファイバ接続用ユニット。
  5. 他方の前記固定部材案内部に案内されて前進する他方の前記引留用固定部材に当接してその前進を規制する退避可能に配置される第2のスペーサをさらに備える請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光ファイバ接続用ユニット。
  6. 前記引留部が、前記ユニットベースの幅方向に沿った軸線を以て回動可能に設けられ、回動によって、前記固定部材案内部に設けられた前記引留用固定部材にその後側から係合して前記引留用固定部材の後退を規制する後退規制位置と、前記引留用固定部材との接触を回避する待機位置とを切り換え可能なレバー部材であり、該レバー部材は、前記待機位置から回動して前記後退規制位置とする際に前記引留用固定部材後端に当接して回動に伴い前記引留用固定部材を前記メカニカルスプライスへ向かって前進させる固定部材押圧前進部を有する請求項1又は2に記載の光ファイバ接続用ユニット。
  7. 前記引留部が、前記ユニットベースの幅方向に沿った軸線を以て回動可能に設けられ、回動によって、前記固定部材案内部に設けられた前記引留用固定部材にその後側から係合して前記引留用固定部材の後退を規制する後退規制位置と、前記引留用固定部材との接触を回避する待機位置とを切り換え可能なレバー部材であり、前記ユニットベース長手方向一端部の前記レバー部材に、前記第1のスプライス用工具に当接して該レバー部材を前記待機位置に保つ回動規制用当接部が設けられている請求項2乃至4のいずれか一項に記載の光ファイバ接続用ユニット。
  8. 光ファイバ同士を調心して半割りの素子の間に挟み込んで接続するメカニカルスプライス開放しておき、前記メカニカルスプライスの一端側から前記素子間に第1光ファイバを挿入し、該第1光ファイバに固定しておいた第1引留用固定部材をその前進を規制する第1のスペーサに当接した状態で、前記メカニカルスプライスの素子間に前記第1光ファイバを把持固定し、
    前記第1光ファイバの把持固定と同時あるいはそれ以後に、前記第1のスペーサを前記第1引留用固定部材に当接可能な位置から退避させ、その後、前記第1引留用固定部材を前記メカニカルスプライスに向かって前進させて、前記メカニカルスプライスと前記第1引留用固定部材との間にて前記第1光ファイバに撓みを形成した状態で、引留部を用いて前記第1引留用固定部材の前記メカニカルスプライスに対する後退を規制し、
    次いで、前記メカニカルスプライスの他端側から前記素子間に第2光ファイバを挿入してその先端を前記第1光ファイバ先端に突き合わせ、この突き合わせ状態を維持したまま、前記メカニカルスプライスの素子間に前記第2光ファイバを把持固定する光ファイバ接続方法。
  9. 前記第2光ファイバを前記メカニカルスプライスの素子間に挿入して前記第1光ファイバ先端に突き合わせる工程において、前記第2光ファイバに固定しておいた第2引留用固定部材をその前進を規制する第2のスペーサに当接して、前記第2引留用固定部材の前記メカニカルスプライスに対する前進を、前記第2光ファイバの前記第1光ファイバ先端に対する突き合わせが実現される位置で停止させ、次いで、第1、第2光ファイバの突き合わせ状態を維持したまま、前記メカニカルスプライスの他端部の素子間から介挿片を抜き去り、素子間に前記第2光ファイバを把持固定し、前記第2光ファイバの把持固定と同時あるいはそれ以後に、前記第2のスペーサを前記第2引留用固定部材に当接可能な位置から退避させ、その後、前記第2引留用固定部材を前記メカニカルスプライスに向かって前進させて、前記メカニカルスプライスと前記第2引留用固定部材との間にて前記第2光ファイバに撓みを形成した状態で、引留部を用いて前記第2引留用固定部材の前記メカニカルスプライスに対する後退を規制する請求項8記載の光ファイバ接続方法。
  10. 一対の光ファイバケーブルの端末から引き出された光ファイバ同士を突き合わせ接続する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光ファイバ接続ユニットと、
    前記光ファイバ接続用ユニットを保持するユニット保持部と、
    前記ユニット保持部の長手方向両端側に、それぞれ前記ユニット保持部と一体に形成された保持部材側ケーブル固定部と、を備え、
    前記光ファイバ接続ユニットが、前記光ファイバ同士を突き合わせ接続した状態で挟み込むメカニカルスプライスを保持するスプライスホルダ部と、前記一対の光ファイバケーブルの端末にそれぞれに固定したユニット側ケーブル固定部と、を有し、
    前記保持部材側ケーブル固定部は、前記光ファイバ接続ユニットから延出した前記光ファイバケーブルを嵌め込むケーブル嵌合溝を有し、前記光ファイバケーブルを前記ケーブル嵌合溝内で把持して固定する
    光ファイバ接続用ユニットおよび光ファイバ接続ユニット用保持部材。
  11. 前記保持部材側ケーブル固定部は、前記ケーブル嵌合溝の互いに対向する内側面に、前記光ファイバケーブルを押さえつけて前記光ファイバケーブルを把持固定する1または複数の把持用突起がそれぞれ形成されている請求項10記載の光ファイバ接続用ユニットおよび光ファイバ接続ユニット用保持部材。
  12. 前記複数の把持用突起は、前記光ファイバケーブル挿通方向に間隔をおいて形成されている請求項11記載の光ファイバ接続用ユニットおよび光ファイバ接続ユニット用保持部材。
  13. 前記ユニット保持部は、細長板状の底板部と、前記底板部の両側縁部にそれぞれ立設された側板部とを備え、前記側板部間に前記光ファイバ接続ユニットを収容するユニット収容空間が形成され、
    前記側板部の少なくとも一方には、前記光ファイバ接続ユニットの幅方向移動を規制する規制凸部が形成されている請求項10〜12のうちいずれか1項記載の光ファイバ接続用ユニットおよび光ファイバ接続ユニット用保持部材。
  14. 前記保持部材側ケーブル固定部は、前記ユニット保持部に保持された前記光ファイバ接続ユニットの長手方向移動を規制するストッパ壁部を有する請求項10〜13のうちいずれか1項記載の光ファイバ接続用ユニットおよび光ファイバ接続ユニット用保持部材。
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