JP2006030803A - 光コネクタ組立工具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 光コネクタ2と、この光コネクタ2に突き合わせ接続したマスター光コネクタ4とをクリップ5で挟み込んだ構成のコネクタユニット6を支持する光コネクタ固定部7と、光コネクタ2に挿入してある光ファイバ3を挟み込んでいるファイバホルダ8を光コネクタ固定部7に固定された光コネクタ2の光ファイバ挿入穴に向けてスライド移動可能にガイドするファイバホルダ載せ台9とを有し、ファイバホルダ載せ台9に載せたファイバホルダ8を光コネクタ固定部7に固定したコネクタユニット6に向けてスライド移動させて固定手段で固定することで、マスター光コネクタ4に突き当てた光ファイバ3に突き当て力を付与した状態を維持できるようになっている。
【選択図】 図1
Description
フェルールの光ファイバ挿入穴に光ファイバを挿入するために用いられる光コネクタ組立工具としては、従来、フェルールを基台上に固定するフェルール固定部と、光ファイバを把持した光ファイバホルダと、フェルール固定部に向かって移動することで光ファイバホルダに把持された光ファイバの先端部を移動させるファイバ支持部と、フェルール固定部に向かって移動して該フェルール固定部に固定されたフェルールの先端面に当接することでフェルールの光ファイバ挿入穴内に位置する光ファイバの先端面を位置決めする位置決め部材(ヘッド)とを備えた光コネクタ組立工具が知られている(例えば、特許文献1参照)。位置決め部材としては、光ファイバの位置精度の確保に鑑みて、光ファイバ先端に組み立てられる光コネクタ(フェルール)と同様の構造を有するいわゆるマスターフェルールを用いて、フェルール固定部に取り付けたフェルールとの接合安定性を担保とすることが一般的である。
請求項1に係る発明は、光ファイバ先端に光コネクタを組み立てる作業に用いられる光コネクタ組立工具であって、前記光コネクタと、この光コネクタに突き合わせ接続したマスター光コネクタとをクリップで挟み込んで接続状態を維持した構成のコネクタユニットを支持する光コネクタ固定部、及び、前記光コネクタに挿入してある光ファイバを挟み込んでいるファイバホルダを前記光コネクタ固定部に固定された前記光コネクタに向けてスライド移動可能にガイドするファイバホルダ載せ台を有し、前記ファイバホルダ載せ台に載せたファイバホルダを光コネクタ固定部に固定した前記コネクタユニットに向けてスライド移動させて固定手段で固定することで、前記光コネクタの接合端面に開口する光ファイバ挿入穴に挿入されて前記マスター光コネクタに突き当てられた前記光ファイバに突き当て力を付与した状態を維持できるようになっていることを特徴とする光コネクタ組立工具である。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の光コネクタ組立工具であって、片手により把持することのできる把持部を有しており、該把持部の中央にファイバホルダ載せ台が配置されていて、前記ファイバホルダ載せ台の端部に光コネクタ固定部が配置されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1または2記載の光コネクタ組立工具であって、樹脂により一体成形されている一部品になっていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の光コネクタ組立工具であって、前記ファイバホルダ載せ台に載せられた前記ファイバホルダの落下を防止するファイバホルダ落下防止手段を有していることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の光コネクタ組立工具であって、前記ファイバホルダは、前記光ファイバをクランプ固定するために少なくとも2つ以上の蓋体が設けられていて、前記ファイバホルダをスライド移動させる際に、光コネクタ固定部側の蓋体である固定部側蓋体を開放し、前記光ファイバが前記マスター光コネクタに突き当てられた際に、最も前記光コネクタ固定部側の蓋体を開放したファイバホルダ上面において前記光ファイバに撓みを与えるようになっていることを特徴とする。この発明によれば、マスター光コネクタと突き当てられた光ファイバがファイバホルダ上面において撓むことにより、マスター光コネクタに対する光ファイバの突き当て力を得ることができる。なお、光ファイバに与える撓みは、光伝送特性に影響を与えない湾曲半径を確保できる範囲であることはいうまでも無い。
請求項6に係る発明は、請求項5記載の光コネクタ組立工具であって、前記ファイバホルダ載せ台には、スライド移動によって前記光ファイバが光ファイバ挿入穴に挿入される押し込み限界位置に位置する前記ファイバホルダが当接されることで、該ファイバホルダの前記光コネクタ固定部側への移動を規制するストッパと、前記ファイバホルダの複数の蓋体のうちの最も前記光コネクタ固定部側の蓋体である固定部側蓋体が閉じられた状態にあるときに、この固定部側蓋体が突き当てられることで、前記ファイバホルダを該ファイバホルダが前記ストッパに当接する押し込み限界位置よりも前記光コネクタ固定部への押し込み方向手前側にずれた蓋確認位置から前記押し込み限界位置へのスライド移動を規制する蓋確認ストッパとが設けられており、固定部側蓋体が開放されていると、この蓋体が前記蓋確認ストッパに当接することが回避されて前記蓋確認位置から前記押し込み限界位置へのファイバホルダのスライド移動が可能であることを特徴とする。この発明によれば、蓋確認ストッパを有していることにより、固定部側蓋体を開放していない状態において、ファイバホルダの押し込み限界位置へのスライド移動を規制するので、光ファイバに急な曲げが生じてしまい、光伝送特性に悪影響を与えてしまうといったことを防止できる。また、誤って作業してしまった場合であっても、蓋確認ストッパに当接することで固定部側蓋体を開放していないことが容易にわかるので、作業ミスによる光ファイバの折損や光伝送特性の不良を防止でき、作業効率を向上させることができる。
図1から図8はこの発明の一実施の形態を示す図であって、図1は光コネクタ組立工具にファイバホルダを取り付けた状態を示す斜視図、図2は光コネクタ組立工具を示す斜視図、図3は光コネクタ組立工具のコネクタ固定部を示す正面図、図4は蓋確認ストッパを説明するための平面図、図5はマスターフェルールを示す側面図、図6から図9は光コネクタの組み立て作業を示す図であって、図6はファイバホルダ8に固定した光ファイバ3を光コネクタに挿入する前の状態を示す側面図、図7はコネクタユニット及びファイバホルダをファイバホルダ載せ台に載せる前の状態を示す側面図、図8はコネクタユニット及びファイバホルダをファイバホルダ載せ台に載せた状態を示す側面図、図9はファイバホルダ載せ台に乗せたファイバホルダを光コネクタ固定部7に固定したコネクタユニット6の光コネクタ2に向けてスライド移動させ押し込み限界位置で固定した状態を示す側面図である。
マスターフェルール4の接合端面4aには1個または複数個の光ファイバ挿入穴41が配列状態(1列または複数列)に開口されている。また、光ファイバ挿入穴41を介した両側には、一対のガイドピン穴(図示略)が形成されており、このガイドピン穴にはガイドピン42が嵌合して固定されている。
光ファイバ挿入穴41のそれぞれには、光ファイバ43が挿通及び固定されている。この光ファイバ43の先端(端面43a付近)は、マスターフェルール4の接合端面4aから突出している。
光コネクタ2同士をクランプ固定して嵌合状態を維持するクリップ5(JIS C 5981に制定される光コネクタに適用されるクリップ)を使用すれば、フェルール2とマスターフェルール4とのクランプ固定は容易であり、これにより両者の突き合わせ状態を維持できる。また、フェルール2やマスターフェルール4に対してクリップ5を容易に離脱できる。
なお、マスターフェルールとしては、光ファイバ3の突き当てによる位置決め機能を果たすものであれば良く、接合端面4aから光ファイバ43先端を突出させたものに限定されず、光ファイバ先端が接合端面と面一になっているもの等、各種構成のものを採用できる。
ファイバホルダ8は、プレート状のベース81と、このベース81に枢着された開閉自在の2枚の蓋体12A,12Bとを有し、ベース81と蓋体12A,12Bとの間に光ファイバ3を挟み込んでクランプ固定した状態でファイバホルダ載せ台9に取り付けられる。
前記ストッパ10は、ファイバホルダ載せ台9の光コネクタ固定部7側の端部付近に立設された突起であり、ファイバホルダ載せ台9に載せてスライド移動させたファイバホルダ8が当接されることで、ファイバホルダ8の光コネクタ固定部7側への押し込みの押し込み限界位置A(図4に示す)を設定する機能を果たす。このストッパ10は、ファイバホルダ載せ台9上に立設された支柱部16と、この支柱部16からファイバホルダ載せ台9の光コネクタ固定部7側端部とは反対側の端部の方向に突出して形成されたファイバホルダ押え片17とから構成されており、ファイバホルダ8は、ファイバホルダ押え片17との干渉を回避しつつファイバホルダ載せ台9上に載せて(載せ位置C(図4に示す)に載せる)から、ファイバホルダ載せ台9上でのスライド移動によって光コネクタ固定部7側に押し込まれる。ファイバホルダ8は、ファイバホルダ載せ台9上の載せ位置C(図4に示す)に載せると、ファイバホルダ載せ台9の光コネクタ固定部7側端部とは反対側の端部に突設されているラッチ11上に設置され、次いで、載せ位置Cから光コネクタ固定部7側に押し込んで、ファイバホルダ押え片17とファイバホルダ載せ台9との間の隙間にファイバホルダ8(詳細にはベース81)を挿入することで、ラッチ11とストッパ10(詳細には支柱部16)との間に入り込み、ストッパ10とラッチ11とにより挟み込むようにして保持された状態でファイバホルダ載せ台6に固定される。また、ファイバホルダ8を載せ位置Cから光コネクタ固定部7側に押し込んで押し込み限界位置A(図4に示す。ファイバホルダ8のベース81が支柱部16に当接する位置)に到達させると、ファイバホルダ8にクランプしておいた光ファイバ3のファイバホルダ8から延出する部分に確保した延出長L0(図6参照)によって光ファイバ3にマスターフェルール4に対する押圧力が与えられ、しかも、ファイバホルダ8がストッパ10とラッチ11とにより保持されることで、光ファイバ3に与えられる押圧を維持できる。
なお、ストッパ10とラッチ11とによるファイバホルダ8の保持は、ラッチ11の弾性が保持力として機能することによってファイバホルダ8の安定保持を実現するものであるが、前記保持力は、例えば本光コネクタ組立工具1を使用する作業者が手指で、ストッパ10とラッチ11との間からファイバホルダ8を取り出せる程度の強さであり、ストッパ10とラッチ11との間に保持されたファイバホルダ8は手作業でファイバホルダ載せ台9から離脱させることができる。
より詳しく説明すると、まず、ファイバホルダ8の2枚の蓋体12A、12Bは、ベース81の上面81aに形成されている光ファイバ挿入溝82(図1等参照)に沿った方向にずれた位置に配置されており、ファイバホルダ8をファイバホルダ載せ台9に載せたときには、一方が他方に比べて光コネクタ固定部7側となる位置関係となる。ここでは、光コネクタ固定部7側に配置される蓋体を固定部側蓋体12Aとして説明する。各蓋体12A、12Bは、ベース81の側部に設けられた支軸83(図10参照)によって光ファイバ挿入溝82に沿った軸線を以てベース81に対して回転自在に枢着されており、図10に示すように、固定部側蓋体12Aが閉じられた状態にあるときには、固定部側蓋体12Aの先端部12C(固定部側蓋体12Aにおいて、先端部12Cは、該固定部側蓋体12Aの支軸83と枢着している枢着部84とは反対の側に位置する)が、ベース81の前記支軸83が設けられている側とは反対側の側部(側面85の側)から突出するため、この状態では、ファイバホルダ8を蓋確認位置Bから光コネクタ固定部7に向けて押し込もうとしても、固定部側蓋体12Aの先端部12Cが蓋確認ストッパ18に当接することで、押し込むことができない。これにより、ファイバホルダ8の押し込み限界位置Aまでのスライド移動を規制するので、光ファイバテープ心線3に急な曲げが生じてしまい、光伝送特性に悪影響を与えてしまうといったことを防止できる。また、誤って固定部側蓋体12Aを閉じたまま作業を行ってしまった場合であっても、蓋確認ストッパ18に当接することで固定部側蓋体12Aを開放していないことが容易にわかるので、作業ミスによる光ファイバテープ心線3の折損や光伝送特性の不良を防止でき、作業効率を向上させることができる。
一方、固定部側蓋体12Aが開放されていれば(図10仮想線で示す固定部側蓋体12Aの位置)、蓋確認ストッパ18と固定部側蓋体12A(詳細には先端部12C)との当接が回避され、蓋確認位置Bから押し込み限界位置Aへのファイバホルダ8のスライド移動が可能となる。
なお、図10中、符号86は蓋体12A、12Bに固定された押さえ板であり、蓋体12A、12Bをベース81に対して閉じた状態としたときに、光ファイバ挿入溝82内の光ファイバ3をベース81(詳細には光ファイバ挿入溝82の底面)に押さえ付けて固定するものである。
また、全体として湾曲を帯びた形状とされていることにより、この光コネクタ組立工具1を落下させてしまった場合あっても、従来のような角張った形状の光コネクタ組立工具に比べて欠損や割れが生じる可能性を防止することができる。なお本発明は、湾曲を帯びた形状のものに限定されるものではない。
図4に示すように、把持部19の光コネクタ固定部9と対向する側には、ストラップを取り付けるストラップ取り付け穴19aが形成されている。これにより、作業者が持ちやすくなったり、首から下げて持ち歩くことも可能となるので、携帯性を向上させることができる。なお、本発明の光コネクタ組立工具は、ストラップ取り付け穴19aを有している構成に限定されるものでない。
また、ブーツ(図示略)は、予め光ファイバ3に通しておき、フェルール2の後端側端面2bに形成された開口部(内部空間の開口部)に嵌め込んでおく。開口部に嵌め込んだブーツは、フェルール2に挿入した光ファイバ3の振動、振動による光ファイバ挿入穴2cからの光ファイバの抜け等を防止する機能を持たせることが可能である。
また、マスターフェルール4にガイドピンが嵌合して固定されていたが、光ファイバの先端に組み立てられるフェルールに嵌合して固定する構成であってもよい。このフェルールには、ガイドピンを固定するためのピンクランプを別途組みつけても良い。
Claims (6)
- 光ファイバ(3)先端に光コネクタ(2)を組み立てる作業に用いられる光コネクタ組立工具であって、
前記光コネクタと、この光コネクタに突き合わせ接続したマスター光コネクタ(4)とをクリップ(5)で挟み込んで接続状態を維持した構成のコネクタユニット(6)を支持する光コネクタ固定部(7)、及び
前記光コネクタに挿入してある光ファイバを挟み込んでいるファイバホルダ(8)を前記光コネクタ固定部に固定された前記光コネクタに向けてスライド移動可能にガイドするファイバホルダ載せ台(9)を有し、
前記ファイバホルダ載せ台に載せたファイバホルダを光コネクタ固定部に固定した前記コネクタユニットに向けてスライド移動させて固定手段で固定することで、前記光コネクタの接合端面(2a)に開口する光ファイバ挿入穴(2c)に挿入されて前記マスター光コネクタに突き当てられた前記光ファイバに突き当て力を付与した状態を維持できるようになっていることを特徴とする光コネクタ組立工具(1)。 - 片手により把持することのできる把持部(19)を有しており、
該把持部の中央にファイバホルダ載せ台が配置されていて、前記ファイバホルダ載せ台の端部に光コネクタ固定部が配置されていることを特徴とする請求項1記載の光コネクタ組立工具。 - 樹脂により一体成形されている一部品になっていることを特徴とする請求項1または2記載の光コネクタ組立工具。
- 前記ファイバホルダ載せ台に載せられた前記ファイバホルダの落下を防止するファイバホルダ落下防止手段を有していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光コネクタ組立工具。
- 前記ファイバホルダは、前記光ファイバをクランプ固定するために少なくとも2つ以上の蓋体(12A,12B)が設けられていて、前記ファイバホルダをスライド移動させる際に、光コネクタ固定部側の蓋体である固定部側蓋体(12A)を開放し、前記光ファイバが前記マスター光コネクタに突き当てられた際に、最も前記光コネクタ固定部側の蓋体を開放したファイバホルダ上面において前記光ファイバに撓みを与えるようになっていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光コネクタ組立工具。
- 前記ファイバホルダ載せ台には、
スライド移動によって前記光ファイバが光ファイバ挿入穴に挿入される押し込み限界位置(A)に位置する前記ファイバホルダが当接されることで、該ファイバホルダの前記光コネクタ固定部側への移動を規制するストッパ(10)と、
前記ファイバホルダの複数の蓋体のうちの最も前記光コネクタ固定部側の蓋体である固定部側蓋体が閉じられた状態にあるときに、この固定部側蓋体が突き当てられることで、前記ファイバホルダを該ファイバホルダが前記ストッパに当接する押し込み限界位置よりも前記光コネクタ固定部への押し込み方向手前側にずれた蓋確認位置(B)から前記押し込み限界位置へのスライド移動を規制する蓋確認ストッパ(18)とが設けられており、
固定部側蓋体が開放されていると、この蓋体が前記蓋確認ストッパに当接することが回避されて前記蓋確認位置から前記押し込み限界位置へのファイバホルダのスライド移動が可能であることを特徴とする請求項5記載の光コネクタ組立工具。
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