JP5743842B2 - 光接続用ユニット - Google Patents
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Description
第1の発明は、メカニカルスプライスと、該メカニカルスプライスを長手方向中央部のスプライスホルダ部に保持し、長手方向両端部に、光ファイバケーブル端末に固定した引留用固定部材を保持するケーブル引留部を具備する細長形状のユニット本体とを有し、前記ユニット本体は、前記スプライスホルダ部と前記ケーブル引留部とを連結する連結ベース部上に、前記光ファイバケーブル端末から突出させた光ファイバの前記メカニカルスプライスへの挿入を案内する一対のファイバガイド壁を有し、該一対のファイバガイド壁にはその上端から窪む切欠部が形成され、前記メカニカルスプライスに挿入して互いに突き合わせた光ファイバに突き当て力を作用させることで、前記光ファイバの前記一対のファイバガイド壁間に確保されたファイバ案内溝に挿入された部分に、前記ファイバ案内溝の溝底から浮き上がる撓み部を形成可能であり、前記スプライスホルダ部は、前記メカニカルスプライスを収容する溝状の空間の延在方向両端に、前記メカニカルスプライスの長手方向の両端面を突き当てて位置決めするストッパ壁部を有し、前記ケーブル引留部は、前記引留用固定部材を収容する溝状の空間に収容された前記引留用固定部材の前端を当接させる固定部材ストッパ壁部を有し、前記一対のファイバガイド壁間に確保されたファイバ案内溝の延在方向一端が、前記スプライスホルダ部の前記ストッパ壁部に切欠状に形成された第1ファイバ挿通部に連通され、前記ファイバ案内溝の延在方向他端が前記ケーブル引留部の前記固定部材ストッパ壁部に切欠状に形成された第2ファイバ挿通部に連通され、前記ファイバガイド壁の前記切欠部が形成された部位は、前記連結ベース部からの突出寸法が最小の箇所から前記連結ベース部における前記スプライスホルダ部側の端部に行くにしたがって前記連結ベース部からの突出寸法が増大するテーパ状に形成される光接続用ユニットを提供する。
第2の発明は、前記引留用固定部材を載置する固定部材載置部を含み、前記ユニット本体の長手方向に往復移動可能な挿入補助部材が、前記ケーブル引留部に設けられ、前記挿入補助部材を前記固定部材ストッパ壁部から遠ざかる方向に移動させることにより、前記固定部材載置部が前記ケーブル引留部から引き出されて前記固定部材載置部に前記引留用固定部材を載置でき、前記引留用固定部材が前記固定部材載置部に載置された前記挿入補助部材を前記固定部材ストッパ壁部に近づく方向に移動させることにより、前記引留用固定部材を前記ケーブル引留部の前記溝状の空間に収容できる第1の発明の光接続用ユニットを提供する。
第3の発明は、前記切欠部は、前記ファイバガイド壁の前記連結ベース部からの突出寸法が最小の箇所まで手指を挿入できるような大きさ及び形状を有する第1または第2の発明の光接続用ユニットを提供する。
したがって、本発明によれば、メカニカルスプライスを用いて光ファイバを接続する作業において、光ファイバ同士の突き合わせ確認を容易に実現できる。
図1〜図3に示すように、ここで説明する光接続用ユニット10は、光ファイバケーブル同士の接続(光接続)に適用可能なものである。
光接続用ユニット10によって互いに接続する光ファイバケーブル1の一方に図中符号11、他方に図中符号12を付記する。
抗張力体3としては、例えばアラミド繊維等の抗張力繊維からなるものや、鋼線等を挙げることができる。
光ファイバ2は、裸光ファイバ2aの外周面(側面)を被覆2bで覆った構成の被覆付き光ファイバであり、例えば光ファイバ心線や光ファイバ素線等が挙げられる。裸光ファイバ2aは、例えば石英系光ファイバである。また、被覆2bは、例えば紫外線硬化性樹脂やポリアミド樹脂などを1層または複数層、ほぼ同心円状に被覆した樹脂被覆である。
光ファイバケーブル1としては、インドアケーブル、ドロップケーブル等が挙げられる。
なお、図中、符号11の光ファイバケーブルの光ファイバ2に符号11a、符号12の光ファイバケーブルの光ファイバ2に符号12aを付記する。
前記光接続用ユニット10は、細長形状のユニット本体20の長手方向中央部のスプライスホルダ部21に、半割りの素子31、32間に光ファイバを挟み込むメカニカルスプライス30(以下、単にスプライスとも言う)を保持した概略構成となっている。
なお、本明細書においては、光接続用ユニット10について、図1、図2の上側、図3紙面手前側を上、図1、図2の下側、図3紙面奥側を下、として説明する。
また、このユニット本体20は、長手方向中央部のスプライスホルダ部21と長手方向両端部のケーブル引留部22との間を連結する連結ベース部23c上に、ケーブル引留部22側からスプライス30の半割りの素子31、32間に挿入する光ファイバ2を案内するためのファイバガイド壁27及びファイバ案内溝27aが設けられた構成のファイバ案内台部23を有する。ファイバ案内台部23は、スプライスホルダ部21とユニット本体20長手方向両端部のケーブル引留部22との間にそれぞれ設けられている。
ファイバ案内台部23の具体的構成は後述する。
また、前記光接続用ユニット10は、前記スプライス30の半割りの素子31、32間に割り入れた介挿片41(介挿部材)が突設されているメカニカルスプライス用工具40(以下、単に、スプライス用工具とも言う)を具備する。半割りの素子31、32間に介挿片(介挿部材)を割り入れたスプライス30を、以下、介挿部材付きスプライス(介挿部材付きメカニカルスプライス)とも言う。図示例の介挿部材付きスプライス30Aは、スプライス30の半割りの素子31、32間に、スプライス用工具40の介挿片41を割り入れた構成のものである。
前記スプライス30の半割りの素子31、32間には、ユニット本体20長手方向両側から、前記ユニット本体20のケーブル引留部22に挿入した光ファイバケーブル11、12端末から突出する光ファイバ11a、12aを挿入できる。素子31、32間に両側から挿入した光ファイバ11a、12aは素子31、32間にて突き合わせ接続できる。
スプライス30は、光ファイバ11a、12a同士を突き合わせた後、素子31、32間から介挿片41を抜き去ることで、光ファイバ11a、12aをクランプばね33の弾性によって素子31、32間に把持固定する。その結果、スプライス30は、光ファイバ11a、12aの突き合わせ接続状態を保つ。
このスプライス30は、ベース部材31(ベース側素子)と蓋部材321、322、323(蓋側素子)とからなる半割り把持部材34を有する。ベース部材31と蓋部材321、322、323とは、クランプばね33の弾性によって互いに閉じ合わせ方向に弾性付勢されている。
一対の側板部33bの一方はベース部材31の蓋部材321、322、323に対向する対向面31aとは反対の背面に当接し、他方の側板部33bは蓋部材321、322、323のベース部材31に対向する対向面321a、322a、323aとは反対の背面に当接する。クランプばね33は、ベース部材30と蓋部材321、322、323とを、互いに対向する対向面31a、321a、322a、323aを閉じ合わせる方向に弾性付勢している。
ベース部材31の前記対向面31aの第1、第2サイド蓋321、323に対向する部分には、前記調心溝31bに比べて溝幅を大きくした被覆部挿入溝31c、31dが形成されている。被覆部挿入溝31c、31dは、ベース部材31長手方向において前記調心溝31bの延長上に延在形成されている。
被覆部挿入溝31c、31dと調心溝31bとの間には、被覆部挿入溝31c、31dから調心溝31b側に行くにしたがって溝幅が小さくなるテーパ状のテーパ溝31e、31fが形成されている。各被覆部挿入溝31c、31dは、前記テーパ溝31e、31fを介して調心溝31bと連通されている。
図示例のスプライス30において、被覆部挿入溝31c、31dは調心溝31bに比べて溝幅を大きくしたV溝である。但し、被覆部挿入溝31c、31dとしてはV溝に限定されず、例えば断面半円状の溝や、U溝等も採用可能である。
また、被覆部挿入溝31c、31dは、光ファイバ2の被覆部外径に鑑みて、光ファイバ2の被覆部の軸線に垂直の断面の一部のみを収納し、被覆部の被覆部挿入溝31c、31dに収納されない部分がベース部材31の対向面31aからサイド蓋321、323側に突出するように、その延在方向に垂直の断面の形状及び寸法が調整される。これにより、介挿部材付きスプライス30Aのスプライス30から介挿片41を抜き去ったときに、クランプばね33の弾性によって、サイド蓋321、323とベース部材31との間に光ファイバ11a、12aの被覆部をしっかりと把持固定できる。
また、調心溝31bは、光ファイバ2の裸光ファイバ2a外径に鑑みて、裸光ファイバ2aの軸線に垂直の断面の一部のみを収納し、裸光ファイバ2aの該調心溝31bに収納されない部分がベース部材31の対向面31aから中央蓋322側に突出するように、その延在方向に垂直の断面の形状及び寸法が調整される。これにより、介挿部材付きスプライス30Aのスプライス30から介挿片41を抜き去ったときに、クランプばね33の弾性によって、中央蓋322とベース部材31との間に裸光ファイバ2aをしっかりと把持固定できる。
被覆部挿入溝を、ベース部材31及び第1サイド蓋321の互いに対向する対向面の両方に形成する場合は、光ファイバ2の被覆部の被覆部挿入溝に収納されない部分が、ベース部材31と第1サイド蓋321との間に存在するように、各被覆部挿入溝の延在方向に垂直の断面の形状及び寸法を調整する。このことは、ベース部材31及び第2サイド蓋323の互いに対向する対向面の両方に被覆部挿入溝を形成する場合も同様である。
但し、光ファイバケーブル11、12としては、裸光ファイバ2aの径以外の構成が互いに異なるものも使用可能である。また、光ファイバ11a、12aの被覆部径は、互いに異なっていても良い。この場合は、スプライスの長手方向両側の被覆部挿入溝を光ファイバ11a、12aの被覆部径に対応させて、互いに異なる構成としても良い。
なお、図15、図16等において、第1クランプばね部331の一対の側板部に符号331b、第2クランプばね部332の一対の側板部に符号332b、第3クランプばね部333の一対の側板部に符号333bを付記する。
すなわち、このスプライス30は、第1クランプばね部331の内側に第1サイド蓋321とベース部材31とを保持した第1クランプ部と、第2クランプばね部332の内側に中央蓋322とベース部材31とを保持した第2クランプ部と、第3クランプばね部333の側に第2サイド蓋323とベース部材31とを保持した第3クランプ部とを有する。
3つのクランプ部は、それぞれ、個々のクランプ部に対応するクランプばね部の弾性によって、半割りの素子(ベース部材31(ベース側素子)と蓋部材(蓋側素子))の間に光ファイバを把持固定できる。
クランプばね33の両側の側板部33bは、半割り把持部材34を介して、その幅方向両側に配置されている。
このユニット本体20のスプライスホルダ部21は、ユニット本体20の長手方向中央部にユニット本体20長手方向に沿って延在する細長に形成されたホルダ底壁部21aと、該ホルダ底壁部21a上に立設した2つのホルダ側壁部241、242とを有する。2つのホルダ側壁部241、242は、前記ホルダ底壁部21aの幅方向両側に立設され、ユニット本体20長手方向に延在形成されている。
また、このスプライスホルダ部21は、そのホルダ底壁部21aの長手方向における両端上に立設したストッパ壁部251、252を有する。
また、スプライス30は、その長手方向の両端面をストッパ壁部251、252に突き当ててユニット本体20に対してその長手方向に位置決めされている。
前記ストッパ壁部251、252は、ユニット本体20長手方向に直交する向きで立設されている。そして、スプライスホルダ部21は、2つのホルダ側壁部241、242とストッパ壁部251、252とによって構成される平面視四角枠状のホルダ外周壁の内側に、スプライス30を位置決めして収納している。
スプライス30は、クランプばね33の背板部33aを第2ホルダ側壁部242に対面させ、クランプばね33の一対の側板部33bの片方をホルダ底壁部21aに当接させてスプライスホルダ部21内に収容されている。すなわち、スプライス30は、半割り把持部材34を介してクランプばね33の背板部33aとは反対の側(開放側)を第1ホルダ側壁部241に対面させてスプライスホルダ部21内に収容されている。
また、図19に示すように、前記窓孔21bは、スプライス30の第2クランプばね部332の一対の側板部332bのうち、スプライスホルダ部21の一対のホルダ側壁部241、242間の溝状のスプライス収容空間21cの溝底側に配置された側板部332bに対応する位置に形成されている。
スプライス30の第2クランプばね部332のスプライス収容空間21c溝底側の側板部332bを、以下、下部側板部ともいう。また、この下部側板部に、図中符号322sを付記する。
なお、図示例の光接続用ユニット10において、スプライス30の第2クランプばね部332の下部側板部332sは、ユニット本体20のスプライスホルダ部21の窓孔21bを介して、その全体が、ユニット本体20の下面20a側から目視可能である。
当接突起21dは、ホルダ側壁部241の内面側の、スプライス収容空間21cの延在方向(長手方向)に互いに離隔する2カ所に突設されている。なお、この当接突起21dは、ホルダ側壁部241において、介挿部材挿通孔24aを避けた位置に形成されている。
したがって、スプライスホルダ部21に収容されたスプライス30のクランプばね33のうち、第2クランプばね部332に位置する部分は、スプライスホルダ部21のホルダ側壁部242に接触しない。
図示例のスプライス用工具40はプラスチック製の一体成形品である。
但し、スプライス用工具としてはプラスチック製の一体成形品に限定されず、複数部材によって組み立てた構成のものであっても良い。
一対の弾性操作片44は、介挿片支持板部43の介挿片41が突設されている側の面(介挿片突設面43a)の長手方向に垂直の幅方向両側に設けられている。また、一対の弾性操作片44は、その延在方向(長手方向)両端が、介挿片支持板部43の長手方向両端と繋がっている。弾性操作片44は、その長手方向両端において前記介挿片支持板部43の長手方向両端に一体化して設けられている。弾性操作片44の長手方向両端部は、介挿片支持板部43の長手方向両端からその幅方向に張り出すように形成されている。弾性操作片44の延在方向両端部の間の部分は、介挿片支持板部43から若干の隙間を介して介挿片支持板部43の長手方向に沿って延在配置されている。
また、この抜き去り用操作部42は、その長手方向両端部に、ユニット本体20のスプライスホルダ部21とケーブル引留部22との間の連結ベース部23c(図1〜図3等参照)の上面23aに当接する上面当接突部42aと、前記連結ベース部23cの前記上面23aとは反対の下面23b(図6、図12参照)に当接する下面当接突部42bとを有する。
スプライス用工具40の抜き去り用操作部42は、ユニット本体20の長手方向におけるスプライスホルダ部21の両側の連結ベース部23cを、長手方向両端部の上面当接突部42aと下面当接突部42bとの間に挟み込むようにしてユニット本体20に組み付けることができる。
上面当接突部42a及び下面当接突部42bは、抜き去り用操作部42の介挿片突出側に突設されている。
一対の弾性操作片44の介挿片突出側が位置する仮想平面を、以下、仮想当接面42c(図11(a)、(b)、図12参照)とも言う。スプライス用工具40は、抜き去り用操作部42の一対の弾性操作片44及び介挿片支持板部43の前記仮想当接面42cに位置する部分を、スプライスホルダ部21のホルダ側壁部241に当接させてユニット本体20に設けられている。
図14に示すように、スプライス30の半割り把持部材34における、前記クランプばね33の背板部33aとは反対側(以下、開放側)に露出する側面には、前記介挿部材41を挿入するための介挿部材挿入穴35が開口されている。図15に示すように、この介挿部材挿入穴35は、ベース部材31及び3つの蓋部材321、322、323の対向面31a、321a、322a、323aの互いに対応する位置に形成された介挿部材挿入溝31g、321c、322c、323cによって、ベース部材31と蓋部材321、322、323との間に確保されている。
また、介挿部材挿入穴35としては、ベース部材31及び蓋部材321、322、323の片方のみに形成した介挿部材挿入溝によって確保した構成も採用可能である。
スプライス用工具40の4つの介挿片41の介挿片支持板部43における突設位置は、スプライス30の4箇所の介挿部材挿入穴35に対応している。また、ユニット本体20の第1ホルダ側壁部241の介挿部材挿通孔24aも、スプライス用工具40の4つの介挿片41、及びスプライス30の4箇所の介挿部材挿入穴35に対応して、ユニット本体20長手方向の4箇所に形成されている。
なお、スプライス用工具40の介挿片41は、その板厚が、操作部幅方向と一致する向きで、介挿片支持板部43に突設されている。
但し、介挿片41は、半割りの素子31、32間を、クランプばね33の弾性に抗して、光ファイバ2の挿入が可能な程度に押し開き、かつ素子31、32間から抜き去り可能なものであれば良く、板状のものに限定されない。介挿片としては、例えば柔軟なシート状のもの、ロッド状のもの等も採用可能である。
図8に示すように、スプライス用工具40の板状の介挿片41の先端介挿部41aは、その先端が先細りのテーパ状に形成されている。この介挿片41は、スプライス30の半割り把持部材34から抜き去った後に、その先端介挿部41aを、ベース部材31と押さえ蓋32との間に押し込んで割り込ませる(介挿部材付きスプライスを組み立てる)ことが可能である。
また、光ファイバ接続用ユニット10は、スプライス30から介挿部材を取り外した状態で現場に供給し、現場にて、スプライス30の素子31、32間に介挿部材を割り込ませて介挿部材付きスプライスを組み立てても良い。
そして、このケーブル引留部22は、引留部底壁部22aと2つの引留部側壁部22bとにより三方から囲まれる溝状の空間(以下、固定部材収容空間22hとも言う)に、光ファイバケーブル1端末に固定した引留用固定部材120を収容する。
前記弾性係止片22dは、ケーブル引留部22の2つの引留部側壁部22bにそれぞれ形成されている。
なお、前記スリット22jは、引留部側壁部22bの前端には達していない。
なお、ケーブル引留部22の後側からの挿入によってケーブル引留部22に収容した引留用固定部材120の前記スプライス40から離隔する方向の変位(スプライス40からの後退)を規制する引留手段としては、前記弾性係止片22dに限定されない。この引留手段としては、例えば、ケーブル引留部22に枢着した係合片などであっても良い。
図21は、引留用固定部材120の具体例を示す。
ここでは、引留用固定部材120として、光ファイバケーブル1端末をその両側から把持して光ファイバケーブル1端末に固定して取り付けられる外被把持部材を用いている。以下、引留用固定部材120が外被把持部材を指す場合、引留用固定部材120を外被把持部材とも言う。
この外被把持部材120は、光ファイバケーブル1を嵌め込むケーブル嵌合溝122が形成された断面コ字形の把持ベース121と、前記把持ベース121のケーブル嵌合溝122の溝幅方向両側の側壁部125の一方に枢着された押さえ蓋123とを有する。
引留用固定部材としては、外被把持部材に限定されず、例えば光ファイバケーブル1端末外周に接着剤による接着固定、熱溶着などによって固定する部材などであっても良い。
この挿入補助スライダ26は、前記スライダ本体26aの押圧力受け突起26bから後側に延出する部分である固定部材載置部26c上に固定部材付きケーブル端末1aを載置できる。
スライダ挿入孔28は、固定部材ストッパ壁部22cの固定部材収容空間22hに臨む後面に開口するスライダ入り口からユニット本体20長手方向に沿ってスプライスホルダ部21に向かって延在形成されている。また、スライダ挿入孔28のスライダ入り口は、ケーブル引留部22の固定部材ストッパ壁部22cにその上端から窪む切欠状に形成された第2ファイバ挿通部22gの下方に位置している。
但し、ユニット本体としては、ホルダ底壁部21a下面と、2つの引留部底壁部22aの下面と、2つの連結ベース部下面23bとが互いに面一に連続する下面20aを構成するに限定されない。ユニット本体としては、例えば、連結ベース部下面23bが引留部底壁部22a下面に比べて上側に位置する構成なども採用可能である。
第2ファイバ挿通部22gは、固定部材ストッパ壁部22cの上端から下方へ窪む切欠状になっている。この第2ファイバ挿通部22gの底部は、ファイバ案内溝27aの端部から固定部材ストッパ壁部22cの固定部材収容空間22hに臨む後面にわたって、前記後面側に行くにしたがって末広がりに拡張するテーパ状凹所22iとされている。
第2ファイバ挿通部22g、ファイバ案内溝27a、第1ファイバ挿通部25aは、ケーブル引留部22からスプライスホルダ部21に収容されているスプライス30の被覆部挿入溝への光ファイバ2の円滑な挿入を実現するファイバ誘導手段として機能する。
そして、固定部材付きケーブル端末1aを、挿入補助スライダ26の固定部材載置部26c上に載置状態のままケーブル引留部22前端の固定部材ストッパ壁部22cに向かって前進(固定部材ストッパ壁部22cからの距離を縮めるように移動)させる。
なお、挿入補助スライダ26に載せる固定部材付きケーブル端末1aの光ファイバケーブル端末には、予め光ファイバ2を突出状態に露出させておく。
固定部材付きケーブル端末1aは、挿入補助スライダ26の固定部材載置部26c上に載置したときに、光ファイバケーブル1端末から突出する光ファイバ2が、ファイバ案内溝27aの溝底部の延長上に配置される構成とする。これにより、固定部材付きケーブル端末1aの前進によって、光ファイバ2をファイバ案内溝27aに円滑に挿入できる。
光ファイバ2は、固定部材付きケーブル端末1aのケーブル引留部22に対する前進によって、ファイバ案内溝27aの溝底、第1ファイバ挿通部25aの底部を前進させる。
固定部材付きケーブル端末1aは、前進限界位置に達した挿入補助スライダ26を、引留用固定部材120と固定部材ストッパ壁部22cとの間に挟み込んだときの位置が、ケーブル引留部22に対する前進限界位置である。
また、互いに接続する光ファイバケーブル11、12の光ファイバ2の引留用固定部材120からの突出長は、光ファイバ2同士が、スプライス30の調心溝31b長手方向中央部で突き当たり、かつ、各光ファイバケーブル11、12の固定部材付きケーブル端末1aがケーブル引留部22に対する前進限界位置に達したときに、光ファイバ2に若干の撓み部(図18の撓み部5)が形成される長さとする。
例えば、図17に示すように、ベース部材31とサイド蓋(図示例では第2サイド蓋323)との間の介挿片41の介挿による開放量は、光ファイバ2が、被覆部挿入溝31dとサイド蓋323の対向面323aとの間の領域(ファイバ収納領域。図16の符号FS参照)から脱落せず、ファイバ収納領域内に挿通された状態を保てる範囲とする。ファイバ収納領域FS(図16参照)は、被覆部挿入溝と、該被覆部挿入溝が形成されている素子(図示例ではベース部材31)の対向面に垂直の方向における、前記被覆部挿入溝に対面する素子の前記被覆部挿入溝に対面する部分との間の領域である。
なお、図16においては、光ファイバ2の被覆部を挿入した被覆部挿入溝の溝底付近に確保されるクリアランス(図17参照)の図示を省略している。
裸光ファイバ収納領域FS2(図16参照)は、調心溝31bと、該調心溝31bが形成されている素子(図示例ではベース部材31)の対向面31aに垂直の方向における、中央蓋322の対向面322aの前記調心溝31bに対面する部分との間の領域である。
スプライス30の半割り把持部材34には、その長手方向両端面から先細りのテーパ状に窪むテーパ状凹所34aが開口している。図16に示すように、テーパ状凹所34aの奥端は前記ファイバ収納領域FSと連通している。
このため、ファイバ案内溝27aからスプライス30のファイバ収納領域FSへの光ファイバ2の挿入は円滑に行える。
図4、図5、図18に示すように、前記ファイバガイド壁27は、スプライスホルダ部21からケーブル引留部22側に行くにしたがって連結ベース部23cから上方への突出寸法が減少するテーパ状に形成された撓み支持壁部27cと、この撓み支持壁部27cのケーブル引留部22側の端部からケーブル引留部22まで連結ベース部23cから上方への突出寸法が一定でユニット本体20長手方向に延在する下部延在壁部27dとを有する。このファイバガイド壁27は、撓み支持壁部27c上端部からケーブル引留部22側が下方へ窪む切欠部27bとなっている。
光ファイバ2のファイバ案内溝27a内に位置する部分は、撓み部5の形成前は、ファイバ案内溝27aの溝底に配置されている。ファイバ案内溝27aの溝底に位置する光ファイバ2は、連結ベース部23cと一対のファイバガイド壁27とによって三方から囲まれているため、光ファイバ2に形成される撓み部5は、ファイバ案内溝27aの溝底から浮き上がる方向のみに形成される。
このため、下部延在壁部27d上方に浮き上がるように形成された光ファイバ2の撓み部5を、作業者が手指で下方へ押圧することは容易に行える。
ファイバ案内溝27a溝底から該ファイバ案内溝27a一対のファイバガイド壁27の下部延在壁部27d上方に浮き上がるように形成された光ファイバ2の撓み部5の頂部は、下部延在壁部27dの延在方向中央部の上方に位置する。このため、下部延在壁部27d上方に浮き上がるように形成された光ファイバ2の撓み部5の頂部を、作業者が手指で下方へ押圧することは容易に行える。
また、ファイバ案内台部23の一対のファイバガイド壁27は、スプライスホルダ部21のストッパ壁部からケーブル引留部22側に張り出す撓み支持壁部27cを有する構成に限定されない。一対のファイバガイド壁27は、ケーブル引留部22の固定部材ストッパ壁部22cからスプライスホルダ部21側に張り出す撓み支持壁部と、該撓み支持壁部からスプライスホルダ部21まで延在する下部延在壁部とを有する構成としても良い。
また、ファイバ案内台部23の一対のファイバガイド壁27は、スプライスホルダ部21のストッパ壁部からケーブル引留部22側に張り出す撓み支持壁部と、ケーブル引留部22の固定部材ストッパ壁部22cからスプライスホルダ部21側に張り出す撓み支持壁部との間に、下部延在壁部を有する構成も採用可能である。
これにより、光ファイバ11a、12a同士が突き合わせ接続状態のままスプライス30の素子31、32間に把持固定され、光ファイバケーブル11、12同士の接続が完了する。
前記スプライス用工具40は、一対の弾性操作片44を互いの離隔距離を縮める(介挿片支持板部43に接近させる)ように弾性変形させることで、各弾性操作片44に形成されている操作片側傾斜面46を、介挿片支持板部43の幅方向両側に形成されている支持板側傾斜面45に摺動させることができる。
なお、操作部幅方向は、図9、図10、図18における上下方向、図11(a)、(b)における左右方向を指す。
図11(a)、(b)に示すように、操作片側傾斜面46は、弾性操作片44の介挿片支持板部43に臨む側に、支持板側傾斜面45に対応する位置に形成されている。操作片側傾斜面46は、抜き去り用操作部42の介挿片突出側から裏面側に行くに従って、操作部幅方向において介挿片支持板部43から離隔する。操作片側傾斜面46は、介挿片支持板部43の介挿片突設面43a、抜き去り用操作部42の仮想当接面42cに対して傾斜して形成されている。
介挿片支持板部43の長手方向両端部の支持板側傾斜面45(図中符号46bを付記する。以下、支持板端部傾斜面とも言う)は、支持板部本体43dの幅方向両側に切り欠き状に形成された溝状凹所43cの溝底面を構成している。
一方、支持板中央傾斜面45aは、介挿片支持板部43長手方向においてスプライス30のベース部材31と中央蓋322との間に介挿される2つの介挿片41(図8〜図10中、符号412を付記する)の間に位置する部位の幅方向に形成されている。
弾性操作片44の長手方向中央部の操作片側傾斜面46(図中符号46aを付記する。以下、操作片中央傾斜面とも言う)は、操作部幅方向において支持板中央傾斜面45aに対面させて形成されている。また、操作片中央傾斜面46aは、弾性操作片44の長手方向中央部から介挿片支持板部43側に突出する突部44a(中央突部)に形成されている。
弾性操作片44の長手方向両端部の操作片側傾斜面46(図中符号46bを付記する。以下、操作片端部傾斜面とも言う)は、操作部幅方向において支持板端部傾斜面45bに対面させて形成されている。また、操作片端部傾斜面46bは、弾性操作片44の長手方向両端部から介挿片支持板部43側に突出する突部44bに形成されている。
また、図11(b)に示すように、操作片端部傾斜面46bの、抜き去り用操作部42の仮想当接面42cに対する傾斜角度θ46bは、支持板端部傾斜面45bの前記仮想当接面42cに対する傾斜角度θ45bに比べて若干小さい。
操作片中央傾斜面46aと支持板中央傾斜面45aとの間の操作部幅方向の最小離隔距離t1は、操作片端部傾斜面46bと支持板端部傾斜面45bとの間の操作部幅方向の最小離隔距離t2に比べて小さい。
スプライス30の素子間に介挿状態の介挿片41の素子間からの抜き去りは、一対の弾性操作片44の仮想当接面42cに位置する部分をスプライスホルダ部21のホルダ側壁部241に当接させた状態で、介挿片支持板部43の長手方向両端の間に位置する部分を一対の弾性操作片44に対して抜き去り用操作部42裏面側へ変位させて実現する。
また、スプライス用工具40は、スプライス30の素子間に割り入れた(介挿した)状態の介挿片41を素子間から抜き去るための抜き去り機構である抜き去り用操作部42が扁平な形状である。スプライス用工具40は、特許文献1記載の光ファイバ接続用工具に比べて、素子間に割り入れ状態の介挿片の素子間からの抜き去り方向におけるスプライス30からの突出寸法の縮小を容易に実現できる。このため、スプライス用工具、介挿部材付きメカニカルスプライスは、小型化が容易である。
スプライス用工具、介挿部材付きメカニカルスプライスの小型化は、狭隘な作業スペースにおけるスプライスを用いた光ファイバ2同士の接続作業に有利である。
光接続用ユニットとしては、上述の実施形態のように、介挿部材付きスプライスの介挿部材をスプライスホルダ部21のホルダ側壁部241の介挿部材挿通孔24aに通した構成に限定されない。光接続用ユニットとしては、スプライス30をそのクランプばね33の背板部33aをスプライスホルダ部21のホルダ底壁部21a上面に当接させ、半割り把持部材34の開放側張り出し部が上端となる向きで、溝状のスプライス収容空間21cの長手方向に沿ってスプライスホルダ部21に収容した構成も採用可能である。この場合、介挿部材付きスプライスとしては、先端介挿部をスプライス30の素子間に割り入れた介挿部材の前記先端介挿部から基端側の部分をスプライス30から上方に突出させた構成を採用できる。
介挿部材としては、例えば、先端介挿部から基端側に、作業者が手指で把持して、該介挿部材を、スプライスの素子に対してクランプばね33の背板部33aとは反対の抜き去り方向に引っ張り操作するためのハンドル部を有する構成のものも採用可能である。
Claims (3)
- メカニカルスプライスと、該メカニカルスプライスを長手方向中央部のスプライスホルダ部に保持し、長手方向両端部に、光ファイバケーブル端末に固定した引留用固定部材を保持するケーブル引留部を具備する細長形状のユニット本体とを有し、
前記ユニット本体は、前記スプライスホルダ部と前記ケーブル引留部とを連結する連結ベース部上に、前記光ファイバケーブル端末から突出させた光ファイバの前記メカニカルスプライスへの挿入を案内する一対のファイバガイド壁を有し、該一対のファイバガイド壁にはその上端から窪む切欠部が形成され、
前記メカニカルスプライスに挿入して互いに突き合わせた光ファイバに突き当て力を作用させることで、前記光ファイバの前記一対のファイバガイド壁間に確保されたファイバ案内溝に挿入された部分に、前記ファイバ案内溝の溝底から浮き上がる撓み部を形成可能であり、
前記スプライスホルダ部は、前記メカニカルスプライスを収容する溝状の空間の延在方向両端に、前記メカニカルスプライスの長手方向の両端面を突き当てて位置決めするストッパ壁部を有し、
前記ケーブル引留部は、前記引留用固定部材を収容する溝状の空間に収容された前記引留用固定部材の前端を当接させる固定部材ストッパ壁部を有し、
前記一対のファイバガイド壁間に確保されたファイバ案内溝の延在方向一端が、前記スプライスホルダ部の前記ストッパ壁部に切欠状に形成された第1ファイバ挿通部に連通され、前記ファイバ案内溝の延在方向他端が前記ケーブル引留部の前記固定部材ストッパ壁部に切欠状に形成された第2ファイバ挿通部に連通され、
前記ファイバガイド壁の前記切欠部が形成された部位は、前記連結ベース部からの突出寸法が最小の箇所から前記連結ベース部における前記スプライスホルダ部側の端部に行くにしたがって前記連結ベース部からの突出寸法が増大するテーパ状に形成される
光接続用ユニット。 - 前記引留用固定部材を載置する固定部材載置部を含み、前記ユニット本体の長手方向に往復移動可能な挿入補助部材が、前記ケーブル引留部に設けられ、
前記挿入補助部材を前記固定部材ストッパ壁部から遠ざかる方向に移動させることにより、前記固定部材載置部が前記ケーブル引留部から引き出されて前記固定部材載置部に前記引留用固定部材を載置でき、
前記引留用固定部材が前記固定部材載置部に載置された前記挿入補助部材を前記固定部材ストッパ壁部に近づく方向に移動させることにより、前記引留用固定部材を前記ケーブル引留部の前記溝状の空間に収容できる
請求項1に記載の光接続用ユニット。 - 前記スプライスホルダ部の底壁部に立設され前記ユニット本体の長手方向に延在形成されて前記底壁部とともに前記スプライスホルダ部の前記溝状の空間を囲む2つのホルダ側壁部のうち一方の厚みを貫通し、スプライス用工具の介挿片を挿入可能な、介挿部材挿入孔が形成されている
請求項1または2に記載の光接続用ユニット。
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