ある種の実施形態において、PI3Kが介在する状態または障害は、関節リウマチ、強直性脊椎炎、骨関節炎、乾癬性関節炎、乾癬、炎症性疾患、および自己免疫疾患から選択される。他の実施形態において、PI3Kが介在する状態または障害は、心血管疾患、アテローム性動脈硬化、高血圧、深部静脈血栓症、卒中、心筋梗塞、不安定狭心症、血栓塞栓症、肺塞栓症、血栓症(thrombolytic diseases)、急性動脈虚血、末梢血栓性閉塞および冠動脈疾患から選択される。さらに別の実施形態において、PI3Kが介在する状態または障害は、癌、大腸癌、グリア芽細胞腫、子宮内膜癌、肝細胞癌、肺癌、メラノーマ、腎細胞癌、甲状腺癌、細胞リンパ腫、リンパ増殖症候群、小細胞肺癌、扁平細胞肺癌、神経膠腫、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、子宮頸癌および白血病から選択される。さらに別の実施形態において、PI3Kが介在する状態または障害はII型糖尿病から選択される。さらに別の実施形態において、PI3Kが介在する状態または障害は、呼吸器疾患、気管支炎、喘息および慢性閉塞性肺疾患から選択される。ある種の実施形態において、対象者はヒトである。
本発明の別の態様は、上記の実施形態のいずれかによる化合物を投与する段階を有する、関節リウマチ、強直性脊椎炎、骨関節炎、乾癬性関節炎、乾癬、炎症性疾患または自己免疫疾患の治療に関するものである。
本発明の別の態様は、上記もしくは下記の実施形態のいずれかによる化合物を投与する段階を有する、関節リウマチ、強直性脊椎炎、骨関節炎、乾癬性関節炎、乾癬、炎症性疾患および自己免疫疾患、炎症性腸障害、炎症性眼球障害、炎症性もしくは不安定膀胱障害、炎症成分による皮膚疾患、慢性炎症状態、自己免疫疾患、全身性エリテマトーデス(SLE)、重症筋無力症、関節リウマチ、急性散在性脳脊髄炎、特発性血小板減少性紫斑病、多発性硬化症、シェーグレン症候群および自己免疫性溶血性貧血、アレルギー状態および過敏症の治療に関するものである。
本発明の別の態様は、上記もしくは下記の実施形態のいずれかによる化合物を投与する段階を有する、p110δ活性が介在するか、それに依存しているか、それと関連がある癌の治療に関するものである。
本発明の別の態様は、記もしくは下記の実施形態のいずれかによる化合物を投与する段階を有する、急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性疾患、慢性骨髄性白血病、T細胞急性リンパ性白血病、B細胞急性リンパ性白血病、非ホジキンリンパ腫、B細胞性リンパ腫、固形腫瘍および乳癌から選択される癌の治療に関するものである。
本発明の別の態様は、関節リウマチ、強直性脊椎炎、骨関節炎、乾癬性関節炎、乾癬、炎症性疾患および自己免疫疾患の治療のための医薬製造における上記実施形態のいずれかによる化合物の使用に関するものである。
本発明の化合物は、いくつかの不斉中心を有する場合があり、代表的にはラセミ混合物の形で描かれる。本発明は、ラセミ混合物、部分ラセミ混合物および別個のエナンチオマーおよびジアステレオマーを包含するものである。
「複素環」は、少なくとも1個の炭素原子および少なくとも1個のN、OおよびSから選択される他の原子を含む環を意味する。特許請求の範囲に含まれ得る複素環の例には下記のものなどがあるが、これらに限定されるものではない。
「製薬上許容される塩」とは、従来の手段によって製造される塩を意味し、当業者には公知である。「薬理的に許容される塩」には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、リンゴ酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、フマル酸、コハク酸、マレイン酸、サリチル酸、安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸など(これらに限定されるものではない)の無機および有機酸の塩基塩などがある。本発明の化合物がカルボキシ基などの酸性官能基を含む場合、カルボキシ基に好適な製薬上許容されるカチオン対は当業者には公知であり、アルカリ、アルカリ土類、アンモニウム、4級アンモニウムカチオンなどがある。「薬理的に許容される塩」の別の例については、下記およびバージらの報告(Berge et al., J. Pharm. Sci. 66:1 (1977))を参照する。
「脱離基」とは、アミン、チオールまたはアルコール求核剤などの求核剤によって容易に置き換え可能な基を指す。そのような脱離基は当業界で公知である。そのような脱離基の例には、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール、ハライド類、トリフレート類、トシレート類などがあるがこれらに限定されるものではない。好ましい脱離基については、適宜に本明細書に示してある。「保護基」とは、カルボキシ、アミノ、ヒドロキシ、メルカプトなどの選択された反応性基が求核反応、求電子反応、酸化、還元などの望ましくない反応を受けるのを防ぐために使用される当業界で公知の基を指す。好ましい保護基は、適宜に本明細書に示してある。アミノ保護基の例には、アラルキル、置換されたアラルキル、シクロアルケニルアルキルおよび置換されたシクロアルケニルアルキル、アリル、置換されたアリル、アシル、アルコキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、シリルなどがあるがこれらに限定されるものではない。アラルキルの例には、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、アシルアミノ、アシルなどで置換されていても良いベンジル、オルト−メチルベンジル、トリチルおよびベンゾヒドリルならびにホスホニウム塩およびアンモニウム塩などの塩類などがあるがこれらに限定されるものではない。アリール基の例には、フェニル、ナフチル、インダニル、アントラセニル、9−(9−フェニルフルオレニル)、フェナントレニル、ジュレニルなどがある。シクロアルケニルアルキルまたは置換されたシクロアルキレニルアルキル基の例は、好ましくは6から10個の炭素原子を有し、シクロヘキセニルメチルなどがあるがこれらに限定されるものではない。好適なアシル、アルコキシカルボニルおよびアラルコキシカルボニル基には、ベンジルオキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、イソ−ブトキシカルボニル、ベンゾイル、置換されたベンゾイル、ブチリル、アセチル、トリフルオロアセチル、トリクロロアセチル、フタロイルなどがある。保護基の混合物を用いて、同一のアミノ基を保護することができ、例えば1級アミノ基をアラルキル基とアラルコキシカルボニル基の両方によって保護することができる。アミノ保護基は、それらが結合している窒素とともに複素環を形成していることもでき、それには例えば1,2−ビス(メチレン)ベンゼン、フタリミジル、スクシニミジル、マレイミジルなどがあり、これらの複素環基は隣接するアリール環およびシクロアルキル環をさらに含むことができる。さらに、その複素環基は、ニトロフタルイミジルのようにモノ置換、ジ置換またはトリ置換されていることができる。アミノ基は、塩酸塩、トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸などの付加塩を形成することで、酸化などの望ましくない反応に対して保護することもできる。アミノ保護基の多くが、カルボキシ、ヒドロキシおよびメルカプト基を保護する上でも好適である。例えば、アラルキル基がある。アルキル基も、tert−ブチルのように、ヒドロキシ基およびメルカプト基を保護する上で好適な基である。
シリル保護基は、1個もしくは2個のアルキル、アリールおよびアラルキル基によって置換されていても良いケイ素原子である。好適なシリル保護基トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、ジメチルフェニルシリル、1,2−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン、1,2−ビス(ジメチルシリル)エタンおよびジフェニルメチルシリルには、などがあるがこれらに限定されるものではない。アミノ基のシリル化によって、モノシリルまたはジシリルアミノ基が得られる。アミノアルコール化合物のシリル化によって、N,N,O−トリシリル誘導体とすることができる。シリルエーテル官能基からのシリル官能基の除去は、別個の反応段階としてまたはアルコール基との反応時にイン・サイツで、例えば金属水酸化物またはフッ化アンモニウム試薬で処理することで容易に行われる。好適なシリル化剤は、例えばトリメチルシリルクロライド、tert−ブチル−ジメチルシリルクロライド、フェニルジメチルシリルクロライド、ジフェニルメチルシリルクロライドまたはイミダゾールもしくはDMFとのそれらの組み合わせ生成物である。アミンのシリル化およびシリル保護基の脱離の方法は、当業者には公知である。相当するアミノ酸、アミノ酸アミドまたはアミノ酸エステルからのこれらのアミン誘導体の製造方法についても、アミノ酸/アミノ酸エステルまたはアミノアルコール化学を含む有機化学の当業者には公知である。
保護基は、分子の残りの部分に影響を与えない条件下で脱離させる。これらの方法は当業界で公知であり、酸加水分解、水素化分解などがある。好ましい方法では、アルコール、酢酸などまたはそれらの混合物のような好適な溶媒系中、パラジウム/炭素を用いる水素化分解によるベンジルオキシカルボニル基の脱離などの保護基脱離を行う。t−ブトキシカルボニル保護基は、ジオキサンまたはメチレンクロライドなどの好適な溶媒系中にてHClまたはトリフルオロ酢酸などの無機酸または有機酸を用いて脱離させることができる。得られたアミノ塩は容易に中和して、遊離のアミンを発生させることができる。メチル、エチル、ベンジル、tert−ブチル、4−メトキシフェニルメチルなどのカルボキシ保護基を、当業者には公知の加水分解および水素化分解条件下で脱離させることができる。
留意すべき点として、本発明の化合物は、下記の例で示した環状および非環状アミジン基およびグアニジン基、ヘテロ原子置換されたヘテロアリール基(Y′=O、S、NR)などの互変異体の形で存在しても良い基:
本発明の化合物のプロドラッグも、本発明によって想到されるものである。プロドラッグは、そのプロドラッグを患者に投与した後に、加水分解、代謝などのイン・ビボ生理作用によって化学的に修飾されて本発明の化合物となる活性もしくは不活性な化合物である。プロドラッグの製造および使用に関与する好適性および技術は、当業者には公知である。エステルが関与するプロドラッグについての概論が、文献にある(Svensson and Tunek Drug Metabolism Reviews 165 (1988)およびBundgaard Design of Prodrugs, Elsevier (1985))。マスクされたカルボキシレートアニオンの例には、アルキル(例えば、メチル、エチル)、シクロアルキル(例えば、シクロヘキシル)、アラルキル(例えば、ベンジル、p−メトキシベンジル)およびアルキルカルボニルオキシアルキル(例えば、ピバロイルオキシメチル)などの多様なエステルなどがある。アミン類は、イン・ビボでエステラーゼによって開裂された遊離薬剤およびホルムアルデヒドを放出するアリールカルボニルオキシメチル置換された誘導体としてマスクされている(Bungaard J. Med. Chem. 2503 (1989))。さらに、イミダゾール、イミド、インドールなどの酸性NH基を含む薬剤はN−アシルオキシメチル基でマスクされている(Bundgaard Design of Prodrugs, Elsevier (1985))。ヒドロキシ基は、エステルおよびエーテルとしてマスクされている。EP039051(Sloan and Little、4/11/81)には、マンニッヒ塩基ヒドロキサム酸プロドラッグ、それの製造および使用が開示されている。
本明細書および特許請求の範囲には、「...および...から選択される」および「...または...である」という表現(場合により、マーカッシュ群と称される)を用いる種の列記が含まれる。この表現を本願で用いる場合、別段の断りがない限り、それは全体としての群、またはその中のいずれか単一の構成員、またはその中のいずれかの下位群を含むものである。この表現の使用は、単に簡便性を目的としたものであり、いかなる形でも必要とされる個々の要素や下位群の除去を制限するものではない。
2−クロロ−キノリン−3−カルボアルデヒド(1当量)、アリールボロン酸(1.1当量)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(5mol%)および炭酸ナトリウム(2M水溶液、5.0当量)のCH3CN−水(3:1、0.1M)中混合物を、N2下に100℃で数時間加熱した。混合物をEtOAcとH2Oとの間で分配し、有機層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮し、0%から25%勾配のEtOAc/ヘキサンを用いるシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、2−アリールキノリン−3−カルボアルデヒド類を得た。
固体水素化ホウ素ナトリウム(1.5当量)を2−アリールキノリン−3−カルボアルデヒド(1当量)のTHF(0.5M)中溶液に0℃で加え、混合物を0℃で2時間撹拌した。水を加えることで反応を停止した。水層をEtOAcで抽出した(3回)。合わせた有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、50%のEtOAc/ヘキサンを用いるシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、(2−アリールキノリン−3−イル)メタノール類を得た。
2−フェニルキノリン−3−カルボアルデヒド(1.0当量)のTHF中混合物に(0.28M)0℃で、グリニャル試薬溶液(3M、2当量)を滴下し、反応液を終夜撹拌してから、NH4Cl飽和溶液で反応停止した。混合物をEtOAcで抽出し(10mLで2回)、合わせた有機層を脱水し(Na2SO4)、減圧下に濃縮した。残留物を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc/ヘキサン、1/1)によって精製して、1−(2−フェニルキノリン−3−イル)アルコール類を得た。
4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(2.0当量)および1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(4.0当量)の脱水DMSO(0.69M)中混合物を室温で5時間撹拌し、添加に先だって室温で30分間および50℃で30分間撹拌しておいた1−(2−フェニルキノリン−3−イル)アルコール(1当量)および水素化ナトリウムの鉱油中60%分散品(3当量)のDMSO中混合物(0.5M)にカニューレを介して加えた。混合物を室温で6時間撹拌してから水を加え、混合物をEtOAcで抽出した(4回)。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、脱水し(MgSO4)、減圧下に濃縮した。残留物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶離液:CH2Cl2/MeOH、50/1)によって精製して、所望の生成物を得た。
(実施例1)
N−((8−メチル−2−o−トリルキノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンの製造
8−メチル−2−o−トリルキノリン−3−カルボアルデヒド
MeCN(75mL)および水(25mL)中の2−クロロ−8−メチルキノリン−3−カルボアルデヒド(2.1g、10mmol)、o−トリルボロン酸(1.5g、1.1当量)、テトラキス(トリフェニル−ホスフィン)パラジウム(575mg、0.05当量)および炭酸ナトリウム(5.5g、5当量)を用いて手順Aに従って製造した。精製後、8−メチル−2−o−トリルキノリン−3−カルボアルデヒドを白色固体として得た。1H−NMR(CDCl3)9.96(s、1H)、8.83(s、1H)、7.88(d、J=7.8Hz、1H)、7.74(d、J=6.3Hz、1H)、7.55(t、J=7.8Hz、1H)、7.36−7.46(m、4H)、2.84(s、3H)、δ2.30(s、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=262(M+1)。
(8−メチル−2−o−トリルキノリン−3−イル)メタノール
THF(10mL)中の8−メチル−2−o−トリルキノリン−3−カルボアルデヒド(1.28g、4.9mmol)および固体NaBH4(278mg、1.5当量)を用いて手順Bに従って製造した。精製後、(8−メチル−2−o−トリルキノリン−3−イル)メタノールを白色固体として得た。
3−(クロロメチル)−8−メチル−2−o−トリルキノリン
CHCl3(10mL)中の(8−メチル−2−o−トリルキノリン−3−イル)−メタノール(670mg、2.5mmol)およびSOCl2(0.91mL、5当量)を用いて手順Cに従って製造した。単離後、得られた油状物を、精製せずに次の段階にそのまま用いた。
(8−メチル−2−o−トリルキノリン−3−イル)メタンアミン
DMSO(10mL)を加えNaN3(500mg、3当量)中の3−(クロロメチル)−8−メチル−2−o−トリル−キノリン(667mg、2.4mmol)を用いて手順Dに従って製造した。精製後、(8−メチル−2−o−トリルキノリン−3−イル)メタンアミンを淡黄色油状物として得た。
手順Hに従って製造した.(8−メチル−2−o−トリルキノリン−3−イル)メタンアミン(80mg、0.31mmol)のEtOH(2mL)中混合物を、iPr2NEt(65μL、1.2当量)で処理し、次に80℃で8時間にわたり6−クロロプリン(46.4mg、0.3mmol)で処理した。反応混合物を濃縮し、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶離液:DCM/MeOH、25/1)によって精製して、白色固体を得た[PI3Kδ IC50=84nM]。1H−NMR(DMSO−d6)δ8.24(s、1H)、8.19(s、br、1H)、8.15(s、1H)、7.81(d、J=8.0Hz、1H)、7.63(d、J=7.1Hz、1H)、7.50(t、J=7.4Hz、1H)、7.39−7.42(m、4H)、4.62(s、br、2H)、2.66(s、3H)、2.16(s、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=381(M+1)。
(実施例2)
N−((8−クロロ−2−(2−クロロフェニル)キノリン−3−イル)−メチル)−9H−プリン−6−アミンの製造
2,8−ジクロロキノリン−3−カルボアルデヒド
LDA(14.8mL1.5Mシクロヘキセン溶液、22.2mmol、1.1当量)のTHF(30mL)中溶液を−78℃で撹拌しながら、2,8−ジクロロキノリン(4.0g、20.2mmol)のTHF(15mL)中溶液を滴下した。混合物2時間撹拌し、その時点でギ酸エチル(6.5mL、80.8mmol、4当量)のTHF(10mL)中溶液をゆっくり加え、混合物の撹拌を−78℃で4時間続けた。含水THF(THF 5mL中にH2O 1mL)を加えて反応停止し、それを昇温させて室温とした。Et2Oと水との間で分配した後、水層をさらにで抽出しEt2Oおよび合わせた有機層をで脱水しMgSO4、濾過しおよび減圧下に濃縮し.残留物を、0%から50%勾配のEtOAc/ヘキサンを用いるシリカカラムでクロマトグラフィー精製した。2,3−ジクロロキノリン−3−カルボアルデヒドを黄色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm10.25(1H、s)、8.93(1H、s)、8.14(1H、d、J=8.6Hz)、8.03(1H、d、J=9.0Hz)、7.55−7.64(1H、t、J=8.0Hz)。質量スペクトラム(ESI)m/e=226.0および227.9(M+1)。
8−クロロ−2−(2−クロロフェニル)キノリン−3−カルボアルデヒド
アセトニトリル(57mL)および水(19mL)中の2,8−ジクロロキノリン3−カルボアルデヒド(1.70g、7.5mmol)、2−クロロフェニルボロン酸(1.29g、8.25mmol、1.1当量)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.430g、0.375mmol、0.05当量)および炭酸ナトリウム(3.97g、37.5mmol、5当量)を用いて手順Aに従って製造した。精製後、8−クロロ−2−(2−クロロフェニル)キノリン−3−カルボアルデヒドを黄色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm10.25(1H、s)、8.93(1H、s)、8.14(1H、d、J=8.6Hz)、8.03(1H、d、J=9.0Hz)、7.55−7.64(1H、t、J=8.0Hz)。質量スペクトラム(ESI)m/e=302.0および304.0(M+1)。
(8−クロロ−2−(2−クロロフェニル)キノリン−3−イル)メタノール
THF(20mL)中の2−(2−クロロフェニル)−8−クロロキノリン−3−カルボアルデヒド(1.18g、3.9mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(0.222g、5.86mmol、1.5当量)を用いて手順Bに従って製造した。(2−(2−クロロフェニル)−8−クロロキノリン−3−イル)メタノールを黄色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.56(1H、s)、8.10(1H、dd、J=8.2、1.2Hz)、7.94(1H、dd、J=7.6、1.4Hz)、7.63(2H、t、J=7.8Hz)、7.44−7.59(3H、m)、5.54(1H、t、J=5.3Hz)。質量スペクトラム(ESI)m/e=304.0および306.1(M+1)。
8−クロロ−3−(クロロメチル)−2−(2−クロロフェニル)キノリン
(2−(2−クロロフェニル)−8−クロロキノリン−3−イル)メタノール(0.675g、2.22mmol)およびSOCl2(0.81mL)を用いて手順Cに従って製造した。8−クロロ−3−(クロロ−メチル)−2−(2−クロロフェニル)キノリンを黄色泡状物として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.53(1H、s)、7.88(1H、dd、J=8.2、1.2Hz)、7.81(1H、dd、J=7.4、1.2Hz)、7.48(1H、d、J=7.4Hz)、7.42−7.46(1H、m)、7.27−7.41(3H、m)、4.63(1H、d、J=9.8Hz)、4.33−4.45(1H、m)。質量スペクトラム(ESI)m/e=322.0および324.0(M+1)。
(8−クロロ−2−(2−クロロフェニル)キノリン−3−イル)メタンアミン
DMF(10mL)中の8−クロロ−3−(クロロメチル)−2−(2−クロロ−フェニル)キノリン(0.685g、2.12mmol)およびアジ化ナトリウム(1.10g、17mmol、8当量)を用いて手順Eに従って製造した。得られた中間体を、THF(8mL)および水(2mL)中のトリメチルホスフィン(1.0M)のTHF中溶液(2.5mL、2.5mmol、1.2当量)に加えた。(8−クロロ−2−(2−クロロフェニル)キノリン−3−イル)メタンアミンを明黄色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.62(1H、s)、8.05(1H、dd、J=8.6、1.2Hz)、8.00(1H、dd、J=7.4、1.2Hz)、7.63−7.73(2H、m)、7.47−7.62(3H、m)、3.90(1H、s)、3.75(1H、s)。質量スペクトラム(ESI)m/e=303.1および305.0(M+1)。
N−((8−クロロ−2−(2−クロロフェニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン
エタノール(3mL)中の(8−クロロ−2−(2−クロロフェニル)キノリン−3−イル)メタンアミン(0.100g、0.33mmol)、6−クロロプリン(0.051g、0.33mmol、1当量)およびDIEA(0.07mL、0.4mmol、1.2当量)を用いて手順Hに従って製造した。精製後に、N−((8−クロロ−2−(2−クロロフェニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン[PI3Kδ IC50=68nM]を白色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.37(1H、s)、8.11(1H、s)、8.08(1H、s)、8.00(1H、dd、J=8.2、1.2Hz)、7.93(1H、dd、J=7.4、1.2Hz)、7.42−7.67(5H、m)。質量スペクトラム(ESI)m/e=421.0および423.1(M+1)。
(実施例3)
2−クロロ−N−((8−クロロ−2−(2−クロロフェニル)−キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンの製造
エタノール(5mL)中の(8−クロロ−2−(2−クロロフェニル)キノリン−3−イル)メタンアミン(0.100g、0.33mmol)、2,6−ジクロロプリン(0.062g、0.33mmol、1当量)およびDIEA(0.07mL、0.4mmol、1.2当量)を用いて手順Hに従って製造した。精製後に、2−クロロ−N−((8−クロロ−2−(2−クロロフェニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン[PI3Kδ IC50=615nM]を白色固体として得た。1H NMR(500MHz、DMSO−d6)δppm8.44(1H、s)、8.15(1H、s)、8.04(1H、dd、J=8.5、1.2Hz)、7.96(1H、d、J=6.7Hz)、7.60(1H、d、J=7.3Hz)、7.61(1H、t、J=7.9Hz)、7.54(1H、d、J=6.7Hz)、7.50(1H、t、J=6.7Hz)、7.44(1H、t、J=7.3Hz)、4.62(2H、d、J=26.9Hz)。質量スペクトラム(ESI)m/e=455.0および457.0(M+1)。
(実施例4)
N−((8−クロロ−2−(2−クロロフェニル)キノリン−3−イル)−メチル)−2−メトキシ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンの製造
エタノール(3mL)中の(8−クロロ−2−(2−クロロフェニル)キノリン−3−イル)メタンアミン(0.100g、0.33mmol)、4−クロロ−2−メトキシ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(0.061g、0.33mmol、1当量)およびDIEA(0.07mL、0.4mmol、1.2当量)を用いて手順Hに従って製造した。精製後に、N−((8−クロロ−2−(2−クロロフェニル)キノリン−3−イル)メチル)−2−メトキシ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン[PI3Kδ IC50=5420nM]を黄褐色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm11.28(1H、s)、8.37(1H、s)、8.03(1H、dd、J=8.4、1.0Hz)、7.94−7.99(1H、m)、7.94(1H、dd、J=7.6、1.4Hz)、7.40−7.65(5H、m)、6.88(1H、dd、J=3.3、2.2Hz)、6.47(1H、s)、4.59(2H、s)、3.67(3H、s)。質量スペクトラム(ESI)m/e=450.1および452.0(M+1)。
(実施例5)
3−(1−(9H−プリン−6−イルオキシ)エチル)−8−メチル−2−o−トリルキノリンの製造
1−(8−メチル−2−o−トリルキノリン−3−イル)エタノール
手順Kに従って製造した。8−メチル−2−o−トリルキノリン−3−カルボアルデヒド(434mg、1.7mmol)のTHF(6mL)中混合物に0℃で、MeMgClの溶液(3M、2当量、1.1mL)を滴下し、反応液を終夜撹拌してから、NH4Cl飽和溶液で反応停止した。混合物をEtOAcで抽出し(10mLで2回)、合わせた有機層を脱水し(Na2SO4)、減圧下に濃縮した。残留物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc/ヘキサン、1/1)によって精製して、1−(8−メチル−2−o−トリルキノリン−3−イル)エタノールを白色固体として得た。1H−NMR(CDCl3)δ8.34(s、1H)、7.66(d、J=8.2Hz、1H)、7.48(d、J=6.7Hz、1H)、7.39(t、J=7.8Hz、1H)、7.19−7.27(m、4H)、2.69(s、3H)、2.08(s、3H)、1.30(m、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=278(M+1)。
3−(1−(9H−プリン−6−イルオキシ)エチル)−8−メチル−2−o−トリルキノリン
1−(8−メチル−2−o−トリルキノリン−3−イル)−エタノールを用い、手順Kに従って製造し、3−(1−(9H−プリン−6−イルオキシ)エチル)−8−メチル−2−o−トリルキノリン[PI3Kδ IC50=12nM]を製造した。1H−NMR(DMSO−d6)δ13.3(s、1H)、8.60(s、br、1H)、8.36(s、br、1H)、7.88(d、J=7.9Hz、1H)、7.62(d、J=6.6Hz、1H)、7.50(t、J−7.2Hz、1H)、7.02−7.21(m、4H)、6.28−6.41(m、1H)、2.65(s、3H)、2.10(s、3H)、1.74(s、br、3H、主要成分)、1.62(s、br、3H、少量成分)。質量スペクトラム(ESI)m/e=396(M+1)。
(実施例6)
N−(1−(2−(2−クロロフェニル)−8−メチルキノリン−3−イル)−エチル)−9H−プリン−6−アミンの製造
手順K、CおよびE:1−(2−(2−クロロフェニル)−8−メチルキノリン−3−イル)エタンアミンによって製造した。1H−NMR(CDCl3)δ8.47(s、主要成分、1H)、8.38(s、少量成分、1H)、7.40−7.74(m、7H)、4.19−4.21(m、1H)、2.78(s、3H)、1.49(d、J=6.3Hz、少量成分、3H)、1.22(d、J=6.7Hz、主要成分、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=297(M+1)。
N−(1−(2−(2−クロロフェニル)−8−メチルキノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン
手順Hに従って製造した[PDKδ IC50=31nM]。1H−NMR(DMSO−d6)δ10.21−10.32(m、1H)、8.40−8.78(m、2H)、7.88(d、J=7.4Hz、1H)、7.65(d、J=6.6Hz、1H)、7.19−7.56(m、6H)、5.46−5.58(m、1H)、2.63(s、3H)、1.66(d、J=6.6Hz,
3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=415(M+1)。
(実施例7)
3−((9H−プリン−6−イルオキシ)メチル)−2−(2−メトキシ−フェニル)−8−メチルキノリンの製造
2−(2−メトキシフェニル)−8−メチルキノリン−3−カルボアルデヒド
アセトニトリル(7.5mL)および水(2.5mL)中の2−クロロ−8−メチルキノリン3−カルボアルデヒド(0.206g、1mmol)、2−メトキシフェニルボロン酸(0.167g、1.1mmol、1.1当量)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.058g、0.05mmol、0.05当量)および炭酸ナトリウム(0.530g、5mmol、5当量)を用いて手順Aに従って製造した。精製後、2−(2−メトキシフェニル)−8−メチルキノリン−3−カルボアルデヒド(0.250g、90%)を白色固体として得た。1H NMR(500MHz、DMSO−d6)δppm9.86(1H、s)、8.88(1H、s)、8.13(1H、d、J=8.1Hz)、7.85(1H、d、3=7.1Hz)、7.56−7.74(3H、m)、7.22−7.30(2H、m)、3.78(3H、s)、2.80(3H、s)。質量スペクトラム(ESI)m/e=278.0(M+1)。
(2−(2−メトキシフェニル)−8−メチルキノリン−3−イル)メタノール
THF(5mL)中の2−(2−メトキシフェニル)−8−メチルキノリン−3−カルボアルデヒド(0.250g、0.9mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(0.0378g、1.35mmol、1.5当量)を用いて手順Bに従って製造した。(2−(2−メトキシフェニル)−8−メチルキノリン−3−イル)−メタノールを白色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.41(1H、s)、7.92(1H、d、J=7.8Hz)、7.64(1H、d、J=7.0Hz)、7.50−7.59(2H、m)、7.33(1H、dd、J=7.4、1.6Hz)、7.22(1H、d、J=7.8Hz)、7.16(1H、t、J=7.2Hz)、5.37(1H、t、J=5.5Hz)、3.79(3H、s)、2.72(3H、s)。質量スペクトラム(ESI)m/e=280.1(M+1)。
3−((9H−プリン−6−イルオキシ)メチル)−2−(2−メトキシフェニル)−8−メチルキノリン
手順Lの変法に従って製造した。6−クロロプリン(.077g、0.5mmol、2当量)およびDABCO(0.112g、1mmol、4当量)をDMSO(0.7mL)中にて室温で5時間撹拌した。別のフラスコ中、(2−(2−メトキシフェニル)−8−メチル−キノリン−3−イル)メタノール(0.070g、0.25mmol)のDMSO(0.5mL)中溶液を撹拌しながら、それに水素化ナトリウム(0.040g、1mmol、4当量)を少量ずつ加え、30分後に、この混合物にプリン−DABCO塩を加えた。反応液を室温で18時間撹拌した。シリカカラムでの精製後に、3−((9H−プリン−6−イルオキシ)メチル)−2−(2−メトキシフェニル)−8−メチルキノリン[PI3Kδ IC50=38nM]を白色固体として単離した。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm13.41(1H、s)、8.51(1H、s)、8.39(1H、s)、7.87(1H、d、J=7.8Hz)、7.65(1H、d、J=7.0Hz)、7.49−7.56(1H、m)、7.34−7.46(2H、m)、7.12(1H、d、J=8.2Hz)、7.03(1H、t、J=7.2Hz)、5.58(2H、s)、3.72(3H、s)、2.69(3H、s)。質量スペクトラム(ESI)m/e=398.2(M+1)。
(実施例8)
3−((9H−プリン−6−イルオキシ)メチル)−2−(ビフェニル)−8−メチルキノリンの製造
2−(ビフェニル)−8−メチルキノリン−3−カルボアルデヒド
アセトニトリル(7.5mL)および水(2.5mL)中の2−クロロ−8−メチルキノリン3−カルボアルデヒド(0.206g、1mmol)、2−フェニルベンゼンボロン酸(0.218g、1.1mmol、1.1当量)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.058g、0.05mmol、0.05当量)および炭酸ナトリウム(0.530g、5mmol、5当量)を用いて手順Aに従って製造した。精製後、2−(2−ビフェニル)−8−メチルキノリン−3−カルボアルデヒド(0.312g、97%)を白色固体として得た。1H NMR(500MHz、DMSOd6)δppm9.71(1H、s)、8.66(1H、s)、8.01(1H、d、J=8.1Hz)、7.79(1H、d、J=6.8Hz)、7.65−7.72(2H、m)、7.53−7.65(3H、m)、7.11−7.19(3H、m)、7.00−7.09(2H、m)、2.66(3H、s)。質量スペクトラム(ESI)m/e=324.1(M+1)。
(2−(ビフェニル)−8−メチルキノリン−3−イル)メタノール
THF(5mL)中の2−(ビフェニル)−8−メチルキノリン−3−カルボアルデヒド(0.312g、0.96mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(0.055g、1.44mmol、1.5当量)を用いて手順Bに従って製造した。(2−(ビフェニル)−8−メチルキノリン−3−イル)メタノールを白色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.19(1H、s)、7.77(1H、d、J=7.8Hz)、7.55−7.62(1H、m)、7.48−7.55(3H、m)、7.44(2H、d、J=8.2Hz)、7.11(5H、s)、5.24(1H、t、J=5.3Hz)、2.57(3H、s)。質量スペクトラム(ESI)m/e=326.2(M+1)。
3−((9H−プリン−6−イルオキシ)メチル)−2−(ビフェニル)−8−メチルキノリン
手順Lの変法に従って製造した。6−クロロプリン(.077g、0.5mmol、2当量)およびDABCO(0.112g、1mmol、4当量)をDMSO(0.7mL)中にて室温で5時間撹拌した。別のフラスコ中、2−(ビフェニル)−8−メチルキノリン−3−イル)メタノール(0.081g、0.25mmol)のDMSO(0.5mL)中溶液を撹拌しながら、それに水素化ナトリウム(0.040g、1mmol、4当量)を少量ずつ加え、30分後に、この混合物にプリン−DABCO塩を加えた。反応液を室温で18時間撹拌した。シリカカラムでの精製後に、3−((9H−プリン−6−イルオキシ)メチル)−2−(ビフェニル)−8−メチルキノリン[PI3Kδ IC50=22nM]を白色固体として単離した。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm13.39(1H、s)、8.37(2H、d、J=9.8Hz)、7.77(1H、d、J=7.8Hz)、7.54−7.63(2H、m)、7.37−7.54(4H、m)、7.14−7.21(2H、m)、7.07−7.14(3H、m)、5.51(1H、d、J=12.5Hz)、5.29(1H、d、J=9.4Hz)、2.54(3H、s)。質量スペクトラム(ESI)m/e=444.2(M+1)。
(実施例9)
3−(1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)ブト−3−エンイル)−2−(2−クロロフェニル)−8−メチルキノリンの製造
1−(2−(2−クロロフェニル)−8−メチルキノリン−3−イル)ブト−3−エン−1−オール
手順Kに従って製造した。2−(2−クロロフェニル)−8−メチルキノリン−3−カルボアルデヒド(1.4g、5mmol)のTHF(20mL)中溶液に0℃でN2下にて、アリルマグネシウムブロミド(1M、1.1当量、5.5mL)のTHF中溶液を滴下し、混合物を0℃で2時間撹拌した。混合物をEtOAc(50mL)とH2O(30mL)との間で分配し、層を分離し、水層をEtOAcで抽出した(30mLで2回)。合わせた有機層を脱水し(Na2SO4)、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(0%から25%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、1−(2−(2−クロロフェニル)−8−メチル−キノリン−3−イル)ブト−3−エン−1−オールを無色油状物として得た。1H−NMR(CDCl3)δ8.45(s、主要成分、1H)、8.40(s、少量成分、1H)、7.77(d、J=7.9Hz、1H)、7.43−7.60(m、6H)、5.56−5.73(m、1H)、4.96−5.17(m、2H)、4.80−4.84(m、1H)、2.80(s、3H)、2.34−2.59(m、2H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=324(M+1)。
3−(1−(7H−ピロロ[2^−d]ピリミジン−4−イルオキシ)ブト−3−エンイル)−2−(2−クロロフェニル)−8−メチルキノリン
手順Lに従って製造した.4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(474mg、3.1mmol)および1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(694mg、6.2mmol)の脱水DMSO(4.5mL)中混合物を室温で5時間撹拌し、カニューレを介して、添加前に室温で30分、50℃で30分撹拌しておいた1−(2−(2−クロロフェニル)−8−メチルキノリン−3−イル)ブト−3−エン−1−オール(500mg、1.5mmol)および水素化ナトリウム、鉱油中60%分散品(180mg、4.5mmol)のDMSO(3mL)中混合物に加えた。混合物を室温で6時間撹拌してから、水(10mL)を加え、混合物をEtOAcで抽出した(20mLで4回)。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、脱水し(MgSO4)、減圧下に濃縮した。残留物を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶離液:DCM:MeOH、50/1)によって精製して、3−(1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)ブト−3−エンイル)−2−(2−クロロフェニル)−8−メチル−キノリン[PI3Kδ IC50=28nM]を白色固体として得た。1H−NMR(CDCl3)δ10.20(s、br、1H)、8.22(d、J=7.5Hz、1H)、7.15−7.64(m、8H)、6.59−6.62(m、1H)、6.34−6.37(m、1H)、5.64−5.79(m、1H)、4.93−5.01(m、2H)、2.74(t、J=8.7Hz、2H)、2.70(s、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=441(M+1)。
(実施例10)
3−((9H−プリン−6−イルオキシ)メチル)−2−(2−クロロフェニル)−8−メチルキノリン
手順Lに従って製造した。6−クロロプリン(75mg、0.49mmol)および1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(109mg、0.97mmol)のDMSO(0.5mL)中混合物を室温で5時間撹拌し、カニューレを介して、添加前に室温で15分間撹拌しておいた中混合物(2−(2−クロロフェニル)−8−メチルキノリン−3−イル)メタノール(69mg、0.24mmol)および水素化ナトリウム、鉱油中60%分散品(39mg、0.97mmol)のDMSO(0.5mL)に加えた。混合物を室温で3.5時間撹拌し、冷却して0℃とし、H2O(5mL)を注意深く加えた。混合物をEtOAcで抽出し(10mLで3回)、合わせた有機層を脱水し(MgSO4)、減圧下に濃縮した。得られた黄色油状物をCH2Cl2に溶かし、シリカゲル(2M NH3/MeOHで失活させたもの)上で溶媒留去し、2M NH3/[MeOH/CH2Cl2(5%)]で溶離を行うフラッシュクロマトグラフィー(バイオテージ(Biotage)Si25+M)によって精製して、白色固体[PI3Kδ IC50=25nM]を得た。MS(ESI+)m/z=402.0(M+1)。
(実施例11)
3−((9H−プリン−6−イルオキシ)メチル)−8−メチル−2−o−トリルキノリン
手順Lに従って製造した。6−クロロプリン(110mg、0.71mmol)および1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(160mg、1.43mmol)のDMSO(0.7mL)中混合物を室温で4時間撹拌し、カニューレを介して、添加前に室温で15分間撹拌しておいた(8−メチル−2−o−トリルキノリン−3−イル)メタノール(94mg、0.36mmol)および水素化ナトリウム、鉱油中60%分散品(57mg、1.43mmol)のDMSO(1mL)中混合物に加えた。混合物を室温で3.5時間撹拌し、氷酢酸を加えることで中和し、ブライン(15mL)で希釈し、EtOAcで抽出した(15mLで3回)。合わせた有機層を脱水し(MgSO4)、減圧下に濃縮した。得られた黄色油状物をCH2Cl2に溶かし、シリカゲル(2M NH3/MeOHで失活させたもの)上で溶媒留去し、2M NH3/[MeOH/CH2Cl2(5%)]で溶離を行うフラッシュクロマトグラフィー(バイオテージSi25+M)によって精製して、白色固体[PI3Kδ IC50=27nM]を得た。MS(APCI+)m/z=282.3(M+1)。
(実施例12)
3−((9H−プリン−6−イルチオ)メチル)−8−メチル−2−o−トリルキノリン
(8−メチル−2−o−トリルキノリン−3−イル)メタノール(227mg、0.86mmol)およびトリフェニル−ホスフィン(339mg、1.29mmol)のCH2Cl2(5mL)中混合物に0℃で固体の四臭化炭素(429mg、1.29mmol)を加え、混合物を0℃で0.5時間撹拌した。粗混合物を減圧下に濃縮し、シリカゲル上で溶媒留去し、EtOAc/ヘキサン(0%から10%)で溶離を行うフラッシュクロマトグラフィー(バイオテージSi25+M)によって精製して、オフホワイト固体を得た。それ以上精製せずに用いた。MS(ESI+)m/z=326.0(M)。水酸化ナトリウム(0.86mL、1.72mmol)の2.0M水溶液を3−(ブロモメチル)−8−メチル−2−o−トリルキノリン(140mg、0.43mmol)および6−メルカプトプリン1水和物(146mg、0.86mmol)のTHF(1.6mL)中混合物に加え、2相混合物を還流下に5時間加熱した。反応混合物を冷却して0℃とし、1N HCl水溶液を加えることで中和し、ブライン(10mL)で希釈し、THFで抽出した(15mLで3回)。合わせた有機層を脱水し(MgSO4)、減圧下に濃縮した。得られた黄色固体をTHF/DMSOに溶かし、シリカゲル上で溶媒留去し、アセトン/ヘキサン(20%から50%)で溶離を行うフラッシュクロマトグラフィー(バイオテージSi25+M)によって精製した。得られたオフホワイト固体をTHF/MeOHから再結晶して、白色固体[PBKδ IC50=889nM]を得た。MS(ESI+)m/z=398.1(M+1)。
(実施例13)
N6−((8−メチル−2−o−トリルキノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−2,6−ジアミン
(8−メチル−2−o−トリルキノリン−3−イル)メタンアミン(40mg、0.15mmol)、2−アミノ−6−クロロプリン(52mg、0.30mmol)およびトリエチルアミン(42μL、0.30mmol)のi−PrOH(0.8mL)中混合物をマイクロ波リアクター中にて150℃で20分間4回加熱した。混合物を飽和NaHCO3水溶液(15mL)とEtOAc(15mL)との間で分配し、層を分離し、水層をEtOAcで抽出した(15mLで2回)。合わせた有機層を脱水し(MgSO4)、減圧下に濃縮した。得られた黄色油状物をCH2Cl2に溶かし、シリカゲル上で溶媒留去し、MeOH/CH2Cl2(5%から10%)で溶離を行うフラッシュクロマトグラフィー(バイオテージSi25+M)によって精製して、白色固体を得た。化合物を、H2O/MeCN/TFAで溶離を行う逆相HPLC(ギルソン(Gilson))によってさらに精製して、白色固体[PBKδ IC50=82nM]を得た。MS(ESI+)m/z=396.2(M+1)。
(実施例14)
3−(1−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)ブト−3−エンイル)−2−(2−クロロフェニル)−8−メチルキノリンの製造
手順Lに従って製造した[PI3Kδ IC50=56nM]。1H−NMR(DMSO−d6)δ12.0(s、1H)、8.60(s、1H)、8.26(s、1H)、7.90(d、J=7.9Hz、1H)、7.66(d、J=7.0Hz、1H)、7.54(t、J=7.4Hz、1H)、7.22−7.37(m、5H)、6.50(d、J=2.1Hz、1H)、5.45(s、2H)、2.68(s、3H)、2.11(s、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=381(M+1)。
(実施例15)
3−((7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)メチル)−8−メチル−2−フェニルキノリンの製造
(8−メチル−2−フェニルキノリン−3−イル)メタノール
手順AおよびBに従って製造した。1H−NMR(DMSO−d6)δ8.45(s、1H)、7.86−7.88(d、1H)、7.71−7.72(m、2H)、7.61−7.62(d、1H)、7.49−7.53(m、4H)、5.47−5.48(t、1H)、4.64−4.65(d、J=5Hz、2H)、2.72(s、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=250(M+1)。
3−((7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)メチル)−8−メチル−2−フェニルキノリン
手順Lに従って製造した[PI3Kδ IC50=68nM]。1H−NMR(DMSO−d6)−δ8.65(s、1H)、8.32(s、1H)、7.89−7.01(d、1H)、7.74−7.75(m、2H)、7.67−7.68(d、1H)、7.47−7.55(m、5H)、7.37−7.38(d、J=5Hz、1H)、6.53−6.54(d、J=5Hz、1H)、5.70(s、2H)、2.74(s、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=367(M+1)。
(実施例16)
N−((8−メチル−2−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)−キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンの製造
8−メチル−2−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)キノリン−3−カルボアルデヒド
MeCN(75mL)および水(25mL)中の2−クロロ−8−メチルキノリン−3−カルボアルデヒド(2.0g、9.73mmol)、2−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(2.032g、10.7mmol、1.1当量)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(562mg、5%mmol)および炭酸ナトリウム(5.15g、48.6mol、5当量)を用いて手順Aに従って製造した。精製後、8−メチル−2−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)キノリン−3−カルボアルデヒドを白色固体として得た。1H NMR(DMSO−d6)δppm9.93(1H、s)、9.04(1H、s)、8.13(1H、d、J=8.1Hz)、7.93(1H、d、J=7.3Hz)、7.85(1H、d、J=7.1Hz)、7.72−7.82(2H、m)、7.64−7.71(1H、m)、7.59(1H、d、J=7.3Hz)、2.67(3H、s)。質量スペクトラム(ESI)m/e=316.1(M+1)。
N−(4−メトキシベンジル)(8−メチル−2−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)キノリン−3−イル)−メタンアミン
8−メチル−2−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)−キノリン−3−カルボアルデヒド(1g、3.17mmol)、DCE(16mL)、PMBNH2(0.62mL、4.75mmol、1.5当量)およびNaBH(OAc)3(2.0166g、9.52mmol、3当量)を用いて手順Fに従って製造した。精製後、N−(4−メトキシベンジル)(8−メチル−2−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)−キノリン−3−イル)メタンアミンを明黄色シロップとして得た。1H NMR(DMSO−d6)δppm8.48(1H、s)、7.87(2H、t、J=7.2Hz)、7.64−7.77(2H、m)、7.48−7.62(3H、m)、7.14(2H、d、J=8.6Hz)、6.81(2H、d、J=8.6Hz)、3.71(3H、s)、3.44−3.62(4H、m)、2.61(3H、s)、2.54(1H、s)。質量スペクトラム(ESI)m/e=437.2(M+1)。
(8−メチル−2−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)キノリン−3−イル)メタンアミン
CH3CN−H2O(2:1、12mL)中のN−(4−メトキシベンジル)(8−メチル−2−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)キノリン−3−イル)メタンアミン(1.1427g、2.62mmol、1当量)および硝酸アンモニウムセリウム(IV)(3.59g、6.55mmol、2.5当量)を用いて手順Gに従って製造した。精製後、(8−メチル−2−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)キノリン−3−イル)メタンアミンを褐色シロップとして得た。1H NMR(DMSO−d6)δppm8.47(1H、s)、7.91(1H、d、J=7.4Hz)、7.84(1H、d、J=7.4Hz)、7.67−7.81(2H、m)、7.47−7.62(3H、m)、3.46−3.70(2H、m)、2.61(3H、s)、1.86(2H、brs)。質量スペクトラム(ESI)m/e=317.0(M+1)。
N−((8−メチル−2−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン
次のものを用いて手順Hに従って製造した。EtOH(2mL)中の(8−メチル−2−(2−(トリフルオロメチル)−フェニル)キノリン−3−イル)メタンアミン(0.1g、0.316mmol、1当量)をiPr2NEt(0.07mL、0.4mmol、1.2当量)で処理し、次に6−クロロプリン(0.049g、0.317mmol、1当量)で処理した。精製後、N−((8−メチル−2−(2−(トリフルオロ−メチル)フェニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンを黄色シロップとして得た。その黄色シロップをCH2Cl2で磨砕し、濾過して、N−((8−メチル−2−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン[PDKδ IC50=91nM]を黄色シロップとして得た。1H NMR(DMSO−d6)δppm12.93(1H、s)、7.98−8.31(4H、m)、7.90(1H、d、J=7.8Hz)、7.74−7.82(2H、m)、7.69(2H、t、J=6.5Hz)、7.59(1H、d、J=7.0Hz)、7.42−7.52(1H、m)、4.42−4.77(2H、m)、2.62(3H、s)。質量スペクトラム(ESI)m/e=435.1(M+1)。
(実施例17)
N−((2−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−8−メチルキノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンの製造
2−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−8−メチルキノリン−3−カルボアルデヒド
MeCN(37.5mL)および水(12.5mL)中の2−クロロ−8−メチルキノリン−3−カルボアルデヒド(1.07g、5.21mmol)、2−フルオロ−6−メトキシフェニルボロン酸(0.9738g、5.73mmol、1.1当量)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.3011g、5%mmol)および炭酸ナトリウム(2.76g、26.1mol、5当量)を用いて手順Aに従って製造した。精製後、2−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−8−メチルキノリン−3−カルボアルデヒドを白色固体として得た。1H NMR(DMSO−d6)δppm9.88(1H、s)、8.95(1H、s)、8.10(1H、d、J=8.1Hz)、7.82(1H、d、J=7.1Hz)、7.62−7.69(1H、m)、7.49−7.59(1H、m)、6.96−7.10(2H、m)、3.71(3H、s)、2.70(3H、s)。質量スペクトラム(ESI)m/e=296.0(M+1)。
N−(4−メトキシベンジル)(2−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−8−メチルキノリン−3−イル)−メタンアミン
2−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−8−メチルキノリン−3−カルボアルデヒド(1.086g、3.68mmol)、DCE(18mL)、PMBNH2(0.95mL、7.36mmol、2.0当量)およびNaBH(OAc)3(2.3387g、11.03mmol、3当量)を用いて手順Fに従って製造した。精製後、N−(4−メトキシベンジル)(2−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−8−メチルキノリン−3−イル)メタンアミンを黄色シロップとして得た。1H NMR(DMSO−d6)δppm8.42(1H、s)、7.84(1H、d、J=7.4Hz)、7.55−7.62(1H、m)、7.43−7.54(2H、m)、7.13(2H、d、J=8.6Hz)、6.90−7.01(2H、m)、6.77−6.85(2H、m)、3.71(3H、s)、3.65(3H、s)、3.47−3.62(4H、m)、2.64(3H、s)、2.43(1H、s)。質量スペクトラム(ESI)m/e=417.3(M+1)。
(2−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−8−メチルキノリン−3−イル)メタンアミン
CH3CN−H2O(2:1、13mL)中のN−(4−メトキシベンジル)(2−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−8−メチルキノリン−3−イル)メタンアミン(1.1795g、2.8320mmol、1当量)および硝酸アンモニウムセリウム(IV)(5.434g、9.912mmol、3.5当量)を用いて手順Gに従って製造した。精製後、(2−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−8−メチルキノリン−3−イル)メタンアミンを黄色粘稠固体として得た。1H NMR(DMSO−d6)δppm8.41(1H、s)、7.82(1H、d、J=7.4Hz)、7.55−7.60(1H、m)、7.45−7.54(2H、m)、7.03(1H、d、J=8.2Hz)、6.92−7.00(1H、m)、3.71(3H、s)、3.59(2H、q、J=16.6Hz)、2.64(3H、s)、1.88(2H、brs)。質量スペクトラム(ESI)m/e=297.1(M+1)。
N−((2−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−8−メチルキノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン
下記のものを用いて手順Hに従って製造した。EtOH(2mL)中の(2−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−8−メチルキノリン−3−イル)メタンアミン(0.1000g、0.337mmol、1当量)をiPr2NEt(0.0764mL、0.439mmol、1.3当量)で処理し、次に6−クロロ−プリン(0.0522g、0.337mmol、1当量)で処理した。精製後、N−((8−メチル−2−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンを黄色シロップとして得た。その黄色シロップをCH2Cl2で磨砕し、濾過して、N−((2−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−8−メチルキノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンを黄色シロップとして得た。その黄色シロップをCH2Cl2で磨砕し、得られた固体を濾過して、N−((2−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−8−メチルキノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン[PDKδ IC50=651nM]を白色固体として得た。1H NMR(DMSO−d6)δppm12.87(1H、s)、8.19(1H、s)、8.11(1H、s)、8.07(1H、s)、8.00(1H、s)、7.77(1H、d、J=7.8Hz)、7.58(1H、d、J=7.0Hz)、7.40−7.51(2H、m)、6.87−7.02(2H、m)、4.64(2H、brs)、3.74(3H、s)、2.64(3H、s)。質量スペクトラム(ESI)m/e=415.1(M+1)。
(実施例18および19)
N−((3−(2−クロロフェニル)−8−メチルキノキザリン−2−イル)−メチル)−9H−プリン−6−アミンおよびN−((3−(2−クロロフェニル)−5−メチルキノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン
1−(2−クロロフェニル)プロパン−1,2−ジオン
2−クロロフェニルアセトン(7.14g、42mmol)のCH2Cl2(184mL)中溶液に、還流させて高撹拌下に、PCC(27g、127mmol、3当量)およびピリジン(10mL、127mmol、3当量)を3回に分けて5時間かけて加えた。添加完了後、混合物を高撹拌下にさらに21.5時間還流した。混合物をシリカゲルの層で濾過し、その層をCH2Cl2で洗浄し、減圧下に濃縮して、暗赤色シロップを得た。残留物を、溶離液として40分間かけての0%から15%勾配のEtOAc/ヘキサンを用いるRedi−Sep(商標名)カラム120gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、1−(2−クロロフェニル)プロパン−1,2−ジオンを黄色液体として得た。1H NMR(クロロホルム−d)δppm7.66(1H、dd、J=7.6、1.8Hz)、7.48−7.54(1H、m)、7.37−7.46(2H、m)、2.58(3H、s)。質量スペクトラム(ESI)m/e=182.9(M+1)。
3−ブロモ−1−(2−クロロフェニル)プロパン−1,2−ジオン
1−(2−クロロフェニル)プロパン−1,2−ジオン(1.2592g、6.9mmol)、氷酢酸(0.20mL、3.4mmol、0.5当量)および臭素(0.35mL、6.8mmol、1当量)のCHCl3(17mL)中混合物を、60℃で12時間加熱した。混合物を減圧下に濃縮して、3−ブロモ−1−(2−クロロフェニル)プロパン−1,2−ジオンを黄色液体として得た。その黄色液体を、精製せずに次の段階にそのまま用いた。1H NMR(CDCl3)δppm7.71(1H、dd、J=7.8、1.6Hz)、7.53−7.59(1H、m)、7.40−7.49(2H、m)、4.52(2H、s)。質量スペクトラム(ESI)m/e=261.0[M+1(79Br)]および262.9[M+1(81Br)]。
3−(ブロモメチル)−2−(2−クロロフェニル)−5−メチルキノキザリンおよび2−(ブロモメチル)−3−(2−クロロフェニル)−5−メチルキノキザリン
3−ブロモ−1−(2−クロロフェニル)プロパン−1,2−ジオン(1.8030g、6.895mmol)のEtOAc(46mL)中溶液に、2,3−ジアミノトルエン(0.8423g、6.895mmol、1.0当量)を固体として加え、混合物を室温で62時間おいた。混合物を減圧下に濃縮して、3−(ブロモメチル)−2−(2−クロロ−フェニル)−5−メチルキノキザリンおよび2−(ブロモメチル)−3−(2−クロロフェニル)−5−メチル−キノキザリンの混合物を赤色シロップとして得た(2.3845g、99.48%)。その赤色シロップを、精製せずに次の段階にそのまま用いた。質量スペクトラム(ESI)m/e=347.0[M+1(79Br)]および349.0[M+1(81Br)]。
(3−(2−クロロフェニル)−8−メチルキノキザリン−2−イル)メタンアミンおよび(3−(2−クロロフェニル)−5−メチルキノキザリン−2−イル)メタンアミン
3−(ブロモメチル)−2−(2−クロロフェニル)−5−メチル−キノキザリンおよび2−(ブロモメチル)−3−(2−クロロフェニル)−5−メチルキノキザリン(1.1204g、3.223mmol)のDMF(16mL)中溶液を撹拌しながら、それにアジ化ナトリウム(0.4190g、6.446mmol、2当量)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物をEtOAc(100mL)とH2O(100mL)との間で分配した。有機層をMgSO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、3−(アジドメチル)−2−(2−クロロフェニル)−5−メチルキノキザリンおよび2−(アジドメチル)−3−(2−クロロフェニル)−5−メチルキノキザリンの混合物を得た。その粗混合物を、精製せずに次の段階にそのまま用いた。質量スペクトラム(ESI)m/e=310.0(M+1)。
3−(アジドメチル)−2−(2−クロロフェニル)−5−メチルキノキザリンおよび2−(アジドメチル)−3−(2−クロロフェニル)−5−メチルキノキザリン(0.9983g、3.22mmol)のTHF−H2O(4:1、15mL)中溶液を撹拌しながら、それにトリメチルホスフィン、1.0M THF溶液(3.8700mL、3.87mmol、1.2当量)を滴下し、混合物を室温で1時間撹拌した。その混合物に、EtOAc(100mL)を加え、混合物を1N HClで抽出した(50mLで2回)。合わせた抽出液を固体重炭酸ナトリウムで中和し、EtOAcで抽出した(50mLで2回)。合わせた有機抽出液をMgSO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、暗色シロップを得た。その粗生成物を、溶離液として14分間かけた0%から100%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるRedi−Sepカラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、(3−(2−クロロフェニル)−8−メチルキノキザリン−2−イル)メタンアミンおよび(3−(2−クロロフェニル)−5−メチルキノキザリン−2−イル)メタンアミンの混合物を得た。質量スペクトラム(ESI)m/e=284.0(M+1)。
N−((3−(2−クロロフェニル)−8−メチルキノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンおよびN−((3−(2−クロロフェニル)−5−メチルキノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン
6−クロロプリン(0.126g、0.813mmol、1当量)、(3−(2−クロロフェニル)−5−メチルキノキザリン−2−イル)メタンアミン(0.2308g、0.813mmol、1当量)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.184mL、1.06mmol、1.3当量)のEtOH(5mL)中混合物を75℃で15時間撹拌した。混合物を減圧下に濃縮して、緑色シロップを得た。その緑色シロップを、溶離液として14分間かけた0%から100%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるRedi−Sepカラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、N−((3−(2−クロロフェニル)−8−メチルキノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンおよびN−((3−(2−クロロフェニル)−5−メチルキノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンの混合物を橙赤色固体として得た。その橙赤色固体をCH2Cl2に懸濁させ、濾過して、N−((3−(2−クロロフェニル)−8−メチルキノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンおよびN−((3−(2−クロロフェニル)−5−メチルキノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンの混合物をオフホワイト固体として得た。その白色固体をDMSO(3mL)に溶かし、溶離液として40分間かけての20%から70%勾配のCH3CN(0.1%TFA含有)/水(0.1%TFA含有)を用いるC18カラムでの半分取HPLCによって精製して、TFA塩としてのN−((3−(2−クロロフェニル)−8−メチルキノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン[PI3Kδ IC50=325nM]をオフホワイト固体として、そしてTFA塩としてのN−((3−(2−クロロフェニル)−5−メチルキノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン[PI3Kδ IC50=66nM]をオフホワイト固体として得た。実施例18:1H NMR(DMSO−d6)δppm8.50(1H、s)、8.27(2H、s)、7.95(1H、d、J=7.9Hz)、7.75−7.80(1H、m)、7.72−7.75(1H、m)、7.61−7.66(2H、m)、7.53−7.58(1H、m)、7.47−7.53(1H、m)、4.89(2H、s)、3.17(1H、s)、2.61(3H、s);質量スペクトラム(ESI)m/e=402.1(M+1);HPLC:6.439分にピーク。実施例19:1H NMR(DMSO−d6)δppm8.42(1H、brs)、8.18−8.31(2H、m)、7.94(1H、d、J=7.9Hz)、7.76−7.82(1H、m)、7.71−7.75(1H、m)、7.67(1H、dd、J=7.3、1.8Hz)、7.63(1H、d、J=7.9Hz)、7.52−7.57(1H、m)、7.48−7.52(1H、m)、4.87(2H、brs)、2.70(3H、s);質量スペクトラム(ESI)m/e=402.1(M+1);HPLC:6.758分にピーク。
(実施例20)
4−((8−メチル−2−o−トリルキノリン−3−イル)メトキシ)−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン
3−((7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ)メチル)−8−メチル−2−o−トリルキノリン(120mg、0.316mmol)のAcOH(4mL)およびt−BuOH(2.43mL)中溶液にN2下にて、ピリジニウムブロミド・ペルブロミド(303mg、0.947mmol)を1回で加えた。室温で5時間撹拌後、溶媒を除去し、残った固体をH2Oに懸濁させ、酢酸エチルで抽出し、ブラインおよびMgSO4での脱水後、粗乾燥固体をTHF(8mL)と次に飽和NH4Cl溶液5mLに溶かし、次にこれにZn粉末(528mg、26mmol)を加え、室温で24時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで抽出し、クロマトグラフィー精製した{勾配溶離DCM/89:9:1(DCM/MeOH/NH4OH)}。固体をDCMから再結晶して、純粋な生成物[PI3Kδ IC50=349nM]を得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm11.29(1H、s)、8.52(1H、s)、8.30(1H、s)、7.89(1H、d、J=7.8Hz)、7.65(1H、d、J=7.0Hz)、7.51−7.57(1H、m)、7.30−7.35(3H、m)、7.22−7.29(1H、m)、3.47(2H、s)、2.67(3H、s)、2.09(3H、s)。質量スペクトラム(ESI)m/e=397.1[M+1]。
(実施例21)
2,5−ジクロロキノリン−3−カルボアルデヒド(1)
ジイソプロピルアミン(6.6mL、1.1当量)のTHF(100mL)中溶液を冷却して、それにBunLi(1.1当量、2.5M、18.7mL)のヘキサン中溶液を−20℃で滴下した。得られたLDA溶液を30分間0℃に維持し、冷却して−78℃としてから、1(8.4g、42.4mmol)のTHF(44mL)中溶液を滴下した。添加速度を調節することで(15分間)、温度を−72℃以下に制御した。反応液は最初は透明溶液であったが、25分後には懸濁液となった。さらに5分後、DMF(5.0mL)を滴下した。30分後、NH4Clで反応停止し、EtOAc(150mL)と水(100mL)との間で分配した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水した。溶媒の除去により白色固体を得て、それをヘキサンで洗浄した(50mLで3回)。白色固体を得た(7.47g)。合わせたヘキサン洗浄液を濃縮し、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(DCM/ヘキサン、3/2)によって精製して、追加の500mgを得た。合計で7.97g、83%であった。1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm10.60(1H、s)、9.17(1H、s)、8.02(1H、d、J=8.0Hz)、7.82(1H、t、J=8.0Hz)、7.73(1H、d、J=8.0Hz)。質量スペクトラム(ESI)m/e=226.0および228(M+1)。
N−((5−クロロ−2−(2−クロロフェニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン(2)
手順A、B、C、D、EおよびHに従って、化合物2を1から製造した。1H−NMR(400Hz、DMSO−d6)δ9.68(s、br、1H)、8.74(s、1H)、8.53(s、br、1H)、8.42(s、1H)、8.05(d、J=8.0Hz、1H)、7.87(d、J=8.0Hz、1H)、7.81(t、J=8.0Hz、1H)、7.51−7.28(m、5H)、4.91(s、2H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=422(M+1)。
3−(アジドメチル)−8−クロロ−2−(ピペリジン−1−イル)キノリン
(2,8−ジクロロキノリン−3−イル)メタノール(228mg、1mmol)のCHCl3(4mL)中溶液に、SOCl2(0.36mL、5当量)を滴下し、反応液を室温で2時間撹拌してから、溶媒を除去し、残留物をEtOAcとNaHCO3との間で分配した。有機層を分離し、Na2SO4で脱水した。溶媒を減圧下に除去し、残留物を真空乾燥した。残留物をDMSO(2mL)に溶かし、室温でNaN3(72mg、1.1当量)で処理した。LCMSは、4時間後に反応完結を示した。反応混合物をEtOAc(2mL)と水(1mL)との間で分配し、水層をEtOAc(5mL)で1回抽出し、合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濃縮して、淡黄色固体を3−(アジドメチル)−2,8−ジクロロキノリンとして得た(215mg、85%、2段階)。この固体(50mg、0.2mmol)のDCM(2mL)中溶液を、還流させながら終夜にわたりピペリジン(143μL、7.3当量)のEtOH(2ML)中溶液で処理した。反応液を後処理し、残留物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc/ヘキサン、1/5)によって精製して、黄色固体を得た(30mg、50%)。1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.01(1H、s)、7.62(1H、t、J−8.0Hz)、7.53(1H、d、J=8.0Hz)、7.49(1H、d、J=8.0Hz)、4.02(2H、s)、3.26−3.23(m、4H)、1.74−1.58(m、6H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=302(M+1)。
N−((8−クロロ−2−(ピペリジン−1−イル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン
3−(アジドメチル)−8−クロロ−2−(ピペリジン−1−イル)キノリン(30mg、0.1mmol)をMeOH(1mL)に溶かし、10%Pd−C(5重量%)で処理し、混合物をH2風船下に終夜撹拌した。混合物をセライト(商標名)層で濾過し、次に溶媒の除去を行って、(8−クロロ−2−(ピペリジン−1−イル)−キノリン−3−イル)メタンアミンを無色油状物として得た。N−((8−クロロ−2−(ピペリジン−1−イル)−キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンを手順Hに従って製造した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.29(s、1H)、7.79(m、3H)、7.45(m、2H)、5.43(2H、s)、3.90(m、4H)、2.23(m、4H)、1.84(m、2H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=394(M+1)。
N−((8−ブロモ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン
8−ブロモ−2−クロロキノリン−3−カルボアルデヒドを、1と同様にして8−ブロモ−2−クロロキノリンから製造した。N−((8−ブロモ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンを、手順A、B、C、D、EおよびHに従って製造した。1H−NMR(400Hz、DMSO−d6)δ8.43(s、1H)、8.27(s、br、2H)、8.13(d、J=8.0Hz、1H)、8.02(d、J=8.0Hz、1H)、7.59−7.56(m、3H)、7.51(t、J=8.0Hz、1H)、7.37−7.32(m、1H)、4.95(s、2H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=449、451(M+1)。
(実施例22)
2−((8−ブロモ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオン
8−ブロモ−3−(クロロメチル)−2−(3−フルオロフェニル)キノリンを、手順A、BおよびCに従って製造した。8−ブロモ−3−(クロロメチル)−2−(3−フルオロ−フェニル)−キノリン(1.15g、3.3mmol)のDMF(10mL)中溶液を、室温でフタルイミドカリウム塩(1.52g、2.5当量)で処理した。終夜経過させた後、反応液を水で希釈した。濾過によって固体を得て、それを水および熱MeOHで洗浄し、乾燥させて、白色固体を得た。1H−NMR(400Hz、DMSO−d6)δ8.43(s、1H)、8.15−7.84(m、7H)、7.62−7.49(m、3H)、7.39−7.35(m、1H)、4.98(s、2H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=461、463(M+1)。
N−((2−(3−フルオロフェニル)−8−モルホリノキノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン
2−((8−ブロモ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオン(100mg、0.22mmol)、ラセミ体BINAP(16.2mg、0.12当量)、Pd2(dba)3(10mg、0.05当量)、NaOBut(29.2mg、1.4当量)およびモルホリン(38mg、2当量)のジオキサン(2mL)中混合物をN2下に加熱して120℃として、8時間経過させた。LCMSでは、原料と生成物の混合物が示された。その反応液に、反応物を再度加えた。反応液をさらに2時間加熱してから、水とEtOAcとの間で分配した。水層をEtOAcで1回抽出し、3N HClによってpH2の酸性とし、DCMで抽出した(5mLで3回)。溶媒除去によって泡状物を得て、それを還流下にEtOH(2mL)中にてNH2NH2(0.5mL)で処理した。溶媒を除去し、残留物を後処理し、コンビフラッシュ(combiflash)(DCM/MeOH/Et3N、20/1/0.1)によって精製した。白色固体を(2−(3−フルオロフェニル)−8−モルホリノキノリン−3−イル)メタンアミンとして得た。N−((2−(3−フルオロフェニル)−8−モルホリノキノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンを、手順Hに従って製造した。1H−NMR(400Hz、CD3OD)δ8.77(s、1H)、8.54(s、1H)、8.50(s、1H)、8.25(d、J=8.0Hz、2H)、7.85(t、J=8.0Hz、1H)、7.61−7.54(m、3H)、7.24(t、J=8.0Hz、1H)、5.24(s、2H)、4.20(s、4H)、4.02(s、4H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=456(M+1)。
(実施例23)
tert−ブチル(2−(3−フルオロフェニル)−8−(メチルスルホニル)キノリン−3−イル)メチル−カーバメート
2−((8−ブロモ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオン(1.1g、2.4mmol)のEtOH(10mL)中溶液を、還流下に30分間にわたりNH2NH2(0.75mL、10当量)で処理した。冷却して室温とした後、副生成物を濾過し、MeOHで洗浄した。濾液を濃縮し、コンビフラッシュ(DCM/MeOH、20/1)によって精製して、オフホワイト固体をアミンとして得た(720mg、91%)。アミン(500mg、1.5mmol)、Boc2O(362mg、1.1当量)およびEt3N(0.25mL、1.2当量)のTHF(10mL)中混合物を加熱して80℃として2時間経過させてから、冷却して室温とし、コンビフラッシュ(EtOAc/ヘキサン、1/4)によって分離した。白色固体をtert−ブチル(8−ブロモ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)メチルカーバメート(640mg、98%)として得た。tert−ブチル(8−ブロモ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)メチルカーバメート(184mg、0.43mmol)、MeSNa(29mg、1当量)およびPd(PPh3)4(25mg、5%mmol)のBuOH(3mL)中混合物をN2で5分間パージしてから、加熱して110℃とした。終夜経過させた後、反応混合物をコンビフラッシュによって精製して純度の低いスルフィド(65mg)を得て、それをTHF(1mL)および水(1mL)中にてオキソン(oxone)(200mg、2当量)で処理し室温にて8時間処理した。後処理を行い、残留物をカラム(EtOAc/ヘキサン、1/9から9/1)によって精製して、tert−ブチル(2−(3−フルオロフェニル)−8−(メチルスルホニル)キノリン−3−イル)−メチルカーバメートを白色固体として得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.54(d、J=4.0Hz、1H)、8.26(d、J=4.0Hz、1H)、8.05(d、J=8.0Hz、1H)、7.62(t、J=8.0Hz、1H)、7.43−7.36(m、2H)、7.30(d、J=8.0Hz、1H)、7.13(t、J=8.0Hz、1H)、4.53−4.47(m、2H)、4.01(t、J=8.0Hz、1H)、3.49(s、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=431(M+1)。
N−((2−(3−フルオロフェニル)−8−(メチルスルホニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン
tert−ブチル(2−(3−フルオロフェニル)−8−(メチルスルホニル)キノリン−3−イル)メチルカーバメート(18mg、0.042mmol)を、室温で30分間にわたり50%TFA/DCM(1mL)で処理し、反応混合物を濃縮して乾固させた。得られた固体を、90℃にてBunOH(1mL)中で6−クロロプリン(7.1mg、1.1当量)およびヒューニッヒ塩基(0.04mL、4当量)で処理した。逆相でのHPLCにより白色固体を得た。1H−NMR(400Hz、CD3OD)δ8.47(s、1H)、8.38(dd、J=8.0、4.0Hz、1H)、8.24(s、1H)、8.18(dd、J=8.0、4.0Hz、1H)、7.68(t、J=8.0Hz、1H)、7.50−7.39(m、3H)、7.11(t、J=8.0Hz、1H)、5.24(s、2H)、3.45(s、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=449(M+1)。
(実施例24)
(8−クロロ−2−(ピリジン−2−イル)キノリン−3−イル)メタンアミン
2,8−ジクロロキノリン−3−カルボアルデヒドから、2−((8−ブロモ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)メチル)−イソインドリン−1,3−ジオンと同様にして、2−((2,8−ジクロロキノリン−3−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオンを製造した。2−((2,8−ジクロロキノリン−3−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオン(71mg、0.2mmol)、2−ピリジル亜鉛ブロミド(0.5M、0.8mL、2.0当量)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(11mg、5%)のジオキサン(3mL)中混合物をN2でパージし、加熱して65℃とした。12時間後、反応液を冷却して室温とし、NH4Cl溶液反応停止した。後処理後、2−((8−クロロ−2−(ピリジン−2−イル)−キノリン−3−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオンおよび2−(((8−クロロ−2−(ピリジン−2−イル)−キノリン−3−イル)メチル)カルバモイル)安息香酸の混合物を含む残留物を、還流下にEtOH(1mL)中にてNH2NH2(31μL)で処理した。通常の後処理後、残留物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH/Et3N、20/1/0.1)で精製して、淡黄色固体を(8−クロロ−2−(ピリジン−2−イル)キノリン−3−イル)メタンアミンとして得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.60(d、J=8.0Hz、1H)、8.31(d、J=8.0Hz、1H)、8.17(s、1H)、7.84(t、J=8.0Hz、1H)、7.74(d、J=8.0Hz、1H)、7.66(d、J=8.0Hz、1H)、7.38(t、J=8.0Hz、1H)、7.30(t、J=8.0Hz、1H)、4.13(s、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=270(M+1)。
2−((8−クロロ−2−(ピリジン−2−イル)キノリン−3−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオン
(8−クロロ−2−(ピリジン−2−イル)キノリン−3−イル)メタンアミン(20mg、0.074mmol)を、120℃でBunOH(1mL)中にて6−クロロプリン(13mg、1.1当量)およびヒューニッヒ塩基(0.053mL、4当量)で処理した(手順Hの変法)。逆相でのHPLCによって、白色固体を得た。1H−NMR(400Hz、CD3OD)δ8.72(d、J=8.0Hz、1H)、8.54−8.28(m、4H)、8.04(t、J=8.0Hz、1H)、7.82(t、J=8.0Hz、1H)、7.53−7.44(m、2H)、5.27(s、br、2H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=388(M+1)。
(実施例25)
1−(2,8−ジクロロキノリン−3−イル)エタノール
ジイソプロピルアミン(6.6mL、1.1当量)のTHF(100mL)中溶液を冷却し、それにBunLi(1.1当量、2.5M、18.7mL)のヘキサン中溶液を−20℃で滴下した。得られたLDA溶液を0℃で30分間維持し、冷却して−78℃としてから、2,8−ジクロロキノリン(8.4g、42.4mmol)のTHF(44mL)中溶液を滴下した。温度を添加速度を調節することで(15分間)温度を−72℃以下に制御した。45分後、MeCHO(3.6mL、1.5当量)を滴下した。30分後、NH4Clで反応停止し、EtOAc(150mL)と水(100mL)との間で分配した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水した。溶媒を除去することで無色油状物を得て、それをシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(DCM/ヘキサン、3/2)によって精製して油状物を得た。ヘキサン(80mL)を加え、混合物を終夜放置した。濾過により、白色固体を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.43(s、1H)、7.84(d、J=8.0Hz、1H)、7.79(d、J=8.0Hz、1H)、7.50(t、J=8.0Hz、1H)、5.40(q、J=8.0Hz、1H)、1.63(d、J=8.0Hz、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=242(M+1)。
(R)−1−(2,8−ジクロロキノリン−3−イル)エタノール
1−(2,8−ジクロロキノリン−3−イル)エタノール(5.0g、21mmol)およびMnO2(18g、10当量)のトルエン(200mL)中混合物を2時間加熱還流した。濾過とそれに続く溶媒除去によって、白色固体を1−(2,8−ジクロロキノリン−3−イル)−エタノンとして得た(4.5g、91%)。この固体(5.0g、21mmol)のTHF(50mL)中溶液を、(+)−DIP−Cl(14.7g、2.2当量)のTHF(150mL)中溶液に−78℃で滴下した。反応液を終夜にてゆっくり昇温させて室温とした。アセトン(23mL)で反応停止し、0℃で1時間撹拌してからEtOAcを加えた。反応液を昇温させて室温とし、10%Na2CO3および水で洗浄した。LAカラムでのキラルHPLC(イソプロパノール/ヘキサン、10%)では、二つのエナンチオマーの比率が19:1であることが示された。合わせた粗生成物を高真空下で濃縮し、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1/3)によって精製して白色固体を得て、それをEtOAc(30mL)およびヘキサン(210mL)の混合物から再結晶する。白色針状物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.43(s、1H)、7.84(d、J=8.0Hz、1H)、7.79(d、J=8.0Hz、1H)、7.50(t、J=8.0Hz、1H)、5.40(q、J=8.0Hz、1H)、1.63(d、J=8.0Hz、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=242(M+1)。
(S)−2−(1−(2,8−ジクロロキノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオン
(R)−1−(2,8−ジクロロキノリン−3−イル)エタノール(22.00g、91mmol)のTHF(500mL)中溶液に、PPh3(28.60g、1.2当量)、フタルイミド(16.04g、1.2当量)およびDIAD(21.47mL、1.2当量)を滴下した。反応混合物を室温で6時間撹拌し、TLC(EtOAc/ヘキサン、1/4)で少量の1が示された。その反応混合物に、PPh3(2.86g、0.12当量)、フタルイミド(1.60g、0.12当量)およびDIAD(2.15mL、0.12当量)を加え、混合物を終夜撹拌した。反応混合物を濃縮し、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1/4)によって精製して、半固体約50gを得た。その半固体に、ヘキサンおよびEtOAc(10/1、200mL)を加え、得られた固体をヘキサンで洗浄した。濾液を濃縮し、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(DCM/ヘキサン、2/1)によって精製して、白色泡状物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.49(s、1H)、7.77−7.73(m、4H)、7.66−7.63(m、2H)、7.43(t、J=8.0Hz、1H)、5.89(q、J=8.0Hz、1H)、1.91(d、J=8.0Hz、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=372(M+1)。
2−((S)−1−(8−クロロ−2−(ピリジン−2−イル)キノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオン
(S)−2−(1−(2,8−ジクロロキノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオン(22.7g、61mmol)、Pd(PPh3)4(3.53g、0.05当量)および2−(トリブチルスタンニル)ピリジン(33.8g、80%、1.2当量)のジオキサン(840mL)中混合物を、N2下に加熱して100℃とした。終夜経過させた後、LCSMは約50%原料が残っていることを示した。反応混合物を110℃でさらに2日間加熱した。LCMSでは、10%未満の原料が残っていることが明らかになった。反応液を120℃で5時間加熱してから、冷却して室温とした。溶媒除去とそれに続くシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、0/1から1/3)によって、オフホワイト泡状物14.2gを得て、純度の低い部分を合わせ、同様の方法で精製して白色泡状物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.69(s、1H)、8.66(d、J=4.0Hz、1H)、7.94(d、J=4.0Hz、1H)、7.85(t、J=8.0Hz、1H)、7.75(t、J=8.0Hz、1H)、7.70−7.65(m、4H)、7.50(t、J=8.0Hz、1H)、7.33−7.29(m、1H)、6.58(q、J=8.0Hz、1H)、2.02(d、J=8.0Hz、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=414(M+1)。
N−((S)−1−(8−クロロ−2−(ピリジン−2−イル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン
2−((S)−1−(8−クロロ−2−(ピリジン−2−イル)キノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオン(16.8g、41mmol)のEtOH(350mL)中溶液に、NH2NH2(29mL)を室温で滴下し(添加すると白色固体が生成)、次に90℃で30分間加熱し(反応液は5分間均一となり、新たな白色固体が生成した)、冷却して室温とした。反応混合物を濾過した。フィルターケーキをEtOAcで洗浄した。合わせた有機層を濃縮し、EtOAc(200mL)と水(100mL)との間で分配した。水層をEtOAcで抽出した(100mLで2回)。有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濃縮して、黄色油状物を得た(16g)。粗取得物を90℃/2mmHgで加熱して無色液体の副生成物を除去して、濃い黄褐色油状物を得た。この油状物(11g、38.8mmol)、6−クロロ−9H−プリン(6.6g、1.1当量)およびヒューニッヒ塩基(8.2mL、1.2当量)のn−BuOH(200mL)中混合物を加熱して130℃とした。終夜経過後、濃縮した反応混合物をEtOAc(500mL)と水(300mL)との間で分配した。水層をEtOAcで抽出した(200mLで2回)。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、脱水し、濃縮し、カラム(DCM/MeOH、15/1)によって精製して、純度96%で黄色泡状物を得た(15.7g、96%)。その泡状物を、注意深いシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH、1/0から20/1)によってさらに精製し、先に溶出した分画を逆HPLC(15分、MeCN/水)によって調べた。後の分画を合わせ、濃縮して白色泡状物を得て、それを熱ヘキサンで処理して微粉末を得た。1H−NMR(400Hz、DMSO−d6)δ12.66(s、br、1H)、8.54(s、1H)、8.50(s、1H)、8.12(s、1H)、7.92−7.84(m、2H)、7.77−7.74(m、3H)、7.39(t、J=8.0Hz、1H)、7.34(t、J=8.0Hz、1H)、5.91(s、1H)、1.48(d、J=4.0Hz、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=402(M+1)。
(実施例26)
3−((S)−1−(9H−プリン−6−イルアミノ)エチル)−2−(ピリジン−2−イル)キノリン−8−カルボニトリル
N−((S)−1−(8−クロロ−2−(ピリジン−2−イル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン(80mg、0.2mmol)、Pd(PPh3)4(23mg、0.1当量)およびZn(CN)2(117mg、5.0当量)のDMF(5mL)中混合物をN25分間でパージしてから、加熱して130℃とした。3時間後、LCMSで少量の2の形成が示された。次に、反応液を終夜にて165℃で加熱した。冷却して室温とした後、反応液をセライト(商標名)で濾過し、逆相HPLC(MeCN/H2O、0.1%TFA)によって精製して白色固体を得た。1H−NMR(400Hz、DMSO−d6)δ8.83(s、1H)、8.72(s、1H)、8.52(s、1H)、8.42−8.37(m、3H)、8.14(d、J=8.0Hz、1H)、8.08(t、J=8.0Hz、1H)、7.79(t、J=8.0Hz、1H)、7.55(t、J=8.0Hz、1H)、6.24(s、1H)、1.72(d、J=8.0Hz、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=393(M+1)。
(実施例27)
N−((S)−1−(2−(ピリジン−2−イル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン
1(53mg、0.13mmol)のEtOH(1mL)中混合物を、還流下にPdVC(10%、10mg)およびNH2NH2(21μL、5.0当量)で2時間処理した。冷却して室温とした後、反応混合物を水とEtOAcとの間で分配した。有機層を分離し、水、ブラインで洗浄し、脱水し、濃縮して白色固体を得た。1H−NMR(400Hz、CD3OD)δ9.25(s、1H)、9.06(d、J=4.0Hz、1H)、8.55−8.47(m、4H)、8.27(d、J=8.0Hz、2H)、8.07−8.02(m、2H)、7.88(t、J=8.0Hz、1)、5.56−5.55(m、1H)、1.93(d、J=8.0Hz、3H)。MS(ESI)m/e=368(M+1)。
(実施例28)
1−(2−クロロ−7−フルオロキノリン−3−イル)エタノール
2−クロロ−7−フルオロキノリン−3−カルボアルデヒド(44.7g、213mmol)のTHF(600mL)中懸濁液に、MeMgBr(78mL、1.1当量)を−20℃で滴下した。終夜経過後、NH4Cl溶液で反応停止し、エーテルで抽出した(300mLおよび100mL)。有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濃縮し、EtOAc(100mL)およびヘキサン(1リットル)から再結晶した。淡黄色固体を得た(41g、85%)。1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.41(s、1H)、7.87(dd、J=8.0、4.0Hz、1H)、7.67(dd、J=8.0、2.0Hz、1H)、7.38(td、J=8.0、2.0Hz、1H)、5.38(q、J=4.0Hz、1H)、1.63(d、J=4.0Hz、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=226(M+1)。
(S)−2−(1−(2−クロロ−7−フルオロキノリンO−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオン
相当する8−Cl類縁体に従って、(S)−2−(1−(2−クロロ−7−フルオロキノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオンを製造した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.48(s、1H)、7.85(dd、J=8.0、4.0Hz、1H)、7.75−7.73(m、2H)、7.65−7.63(m、2H)、7.55(dd、J=8.0Hz、1H)、7.30(td、J=8.0、4.0Hz、1H)、5.88(q、J=8.0Hz、1H)、1.90(d、J=8.0Hz、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=355(M+1)。
N−((S)−1−(7−フルオロ−2−(2−(メチルスルホニル)フェニル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン
(R)−N−((S)−1−(2−クロロ−7−フルオロキノリン−3−イル)エチル)−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド(164mg、0.4mmol)、2−(メチルチオ)フェニルボロン酸(92mg、1.1当量)、Na2CO3(214mg、5.0当量)、Pd(PPh3)4(31mg、5%)、MeCN(3mL)および水(1mL)の混合物を終夜にわたりN2下に85℃で加熱した。冷却して室温とした後、反応液をEtOAc(10mL)と水(5mL)との間で分配した。有機層を分離し、洗浄し、脱水し、濃縮した。残留物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、白色固体を得た。この固体(140mg、0.34mmol)のMeOH(2mL)中溶液を室温で2時間にわたり4N HCl/ジオキサン(1mL)で処理してから、溶媒の除去を行った。残留物をTHF(3mL)に溶かし、70℃でEt3N(2当量、93μL)と次にBoc2O(1.1当量、81mg)で処理した。終夜経過後、反応混合物を後処理し、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1/9)で精製して、白色泡状物(100mg、72%)をtert−ブチル(S)−1−(7−フルオロ−2−(2−(メチルスルホニル)−フェニル)−キノリン−3−イル)エチルカーバメートとして得た。この取得物(100mg、0.24mmol)のCHCl3(3mL)中溶液を、室温で2時間にわたり、mCPBA(174mg、72%、3.0当量)で処理した。LCMSでは、所望のMW+16が示された。後処理を行った。残留物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1/1)によって精製して二つの分画を得て、第1の分画(50mg)および第2の分画(20mg)であり、LCMSで同じM+1=461であった。それらの化合物をMeOH(2mL)および水(1mL)に溶かし、室温で2時間にわたりTiCl3の水溶液(30%、10滴)で処理した。反応混合物をEtOAcと水との間で分配した。有機層を分離し、水、ブラインで洗浄し、脱水し、濃縮して白色固体(83mg)を得て、それを室温で2時間にわたりTFA(1mL)/DCM(1mL)で処理した。溶媒の除去後、残留物をBuOH(2mL)中にて130℃で終夜にわたり6−クロロ−9H−プリン(32mg、1.1当量)およびヒューニッヒ塩基(104μL、1.2当量)で処理した。冷却して室温とした後、反応混合物を逆相HPLC(MeCN/水/0.1TFA、10%から60%)によって精製して、白色固体を得た。1H−NMR(400Hz、CD3OD)δ9.35(s、1H)、8.53−8.47(m、2H)、8.25(s、1H)、7.98−7.76(m、6H)、5.85(s、br、0.4H)、5.58−5.56(m、0.6H)、3.19(s、3H)、1.88−1.81(m、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=463(M+1)。
(実施例29)
(S)−N−(1−(7−フルオロ−1−[0]−2−フェニルキノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン
(S)−2−(1−(7−フルオロ−2−フェニルキノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオン(33mg、83μmol)およびmCPBA(19mg、1.3当量)のCHCl3(1mL)中混合物を室温で2時間撹拌した。反応液をCHCl3とNaHCO3との間で分配した。有機層を単離し、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、3/1)によって精製して白色固体を得て、それをヒドラジン(0.1mL)のEtOH(1mL)中溶液で35℃にて2時間処理した。通常の後処理により、無色油状物を得た(25mg)。この油状物をBuOH(1mL)中の6−クロロ−9H−プリン(15mg、1.1当量)およびヒューニッヒ塩基(49μL、1.2当量)で130℃にて終夜処理した。冷却して室温とした後、反応混合物を逆相HPLC(MeCN/水/0.1TFA、10%から60%)によって精製して、白色固体を得た。1H−NMR(400Hz、CD3OD)δ8.67(s、1H)、8.48(s、2H)、8.30−8.28(m、2H)、7.75−7.41(m、7H)、5.42(q、J=4.0Hz、1H)、1.71(d、J=4.0Hz、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=401(M+1)。
(実施例30)
N−((8−クロロ−2−フェノキシキノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンの製造
8−クロロ−2−フェノキシキノリン−3−カルボアルデヒド
2,8−ジクロロキノリン−3−カルボアルデヒド(1当量)のDMF(0.25M)中溶液に室温でフェノール(1.5当量)およびK2CO3(2.0当量)を加え、混合物を室温で3時間撹拌した。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出し(2回)、合わせた有機層を水で洗浄し(2回)、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。粗生成物を、0%から40%勾配のEtOAc/ヘキサンを用いるRedi−Sep(商標名)カラムでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、8−クロロ−2−フェノキシキノリン−3−カルボアルデヒドを得た。
(8−クロロ−2−フェノキシキノリン−3−イル)メタノール
0℃で8−クロロ−2−フェノキシキノリン−3−カルボアルデヒド(1.0当量)および固体水素化ホウ素ナトリウム(1.5当量)のTHF中溶液(0.5M)を用いて手順Bに従って製造した。精製後、(8−クロロ−2−フェノキシキノリン−3−イル)メタノールを黄色固体として得た。
8−クロロ−3−(クロロメチル)−2−フェノキシキノリン
室温で(8−クロロ−2−フェノキシキノリン−3−イル)−メタノール(1.0当量)およびSOCl2(5当量)のCHCl3中溶液(0.25M)を用いて手順Cに従って製造した。精製後、8−クロロ−3−(クロロメチル)−2−フェノキシキノリンを黄色油状物として得た。
(8−クロロ−2−フェノキシキノリン−3−イル)メタンアミン
8−クロロ−3−(クロロメチル)−2−フェノキシキノリン(1当量)のDMSO(0.25M)中溶液に、室温でNaN3(3当量)を加え、混合物を室温で4時間撹拌した。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出し(2回)、合わせた有機層を水で洗浄し(2回)、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物をMeOHに溶かし、10%Pd−C(5重量%)で処理し、混合物をH2風船下に終夜撹拌した。混合物をセライト(商標名)層で濾過し、次に溶媒の除去を行って、(8−クロロ−2−フェノキシキノリン−3−イル)メタンアミンを得た。
N−((8−クロロ−2−フェノキシキノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン
n−ブタノール(3mL)中の(8−クロロ−2−フェノキシキノリン−3−イル)−メタンアミン(0.110g、0.360mmol)、6−クロロプリン(0.072g、0.46mmol、1.2当量)およびDIEA(0.72mmol、2.0当量)を用いて手順Hに従って製造した。精製後に、N−((8−クロロ−2−フェノキシキノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン[PI3Kδ IC50=125nM]を白色固体として得た。1H−NMR(MeOD)δppm8.18−8.24(s、1H)、8.14−8.20(s、1H)、7.85−7.91(d、J=7.58、1H)、7.72−7.79(d、J=7.34、1H)、7.47−7.55(m、3H)、7.42−7.47(m、3H)、7.35−7.42(m、1H)、4.01−4.14(m、2H)、質量スペクトラム(ESI)m/e=403(M+1)
(実施例31)
N−((8−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン
n−ブタノール(3mL)中の(8−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)メタンアミン(0.030g、0.11mmol)、6−クロロプリン(0.019g、0.13mmol、1.2当量)およびDIEAを用いて手順Hに従って製造した。精製後、N−((8−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン[PI3Kδ IC50=74nM]を白色固体として得た。1H−NMR(MeOD)δppm8.41(s、1H)、8.13(s、1H)、7.88−8.02(m、4H)、7.59(dd、J=4.40、2.20Hz、4H)、4.80−4.98(m、2H)、質量スペクトラム(ESI)m/e=405(M+1)。
(実施例32)
N−((8−クロロ−2−フェニルキノリン−3−イル)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン
n−ブタノール(3mL)中の(8−クロロ−2−フェニルキノリン−3−イル)メタンアミン(0.050g、0.186mmol)、4−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(0.034g、0.22mmol、1.2当量)およびDIEA(0.38mmol、2.0当量)を用いて手順Hに従って製造した。精製後、N−((8−クロロ−2−フェニルキノリン−3−イル)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン[PBKδ IC50=270nM]を白色固体として得た。1H−NMR(MeOD)δppm8.65−8.76(m、1H)、8.53(s、1H)、8.11−8.20(m、4H)、8.07(d、J=1.96Hz、1H)、7.91−8.00(m、2H)、7.86(s、1H)、7.51−7.58(m、2H)、4.73−4.85(m、2H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=386(M+1)。
(実施例33)
N−((8−クロロ−2−(3,5−ジフルオロフェニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン
n−ブタノール(3mL)中の(8−クロロ−2−(3,5−ジフルオロフェニル)−キノリン−3−イル)メタンアミン(0.105g、0.345mmol)、6−クロロプリン(0.064g、0.41mmol、1.2当量)およびDIEA(0.70mmol、2.0当量)を用いて手順Hに従って製造した。精製後、N−((8−クロロ−2−(3,5−ジフルオロフェニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン[PI3Kδ IC50=76nM]を白色固体として得た。1H−NMR(MeOD)δppm8.48(s、1H)、8.35(s、1H)、8.24(s、1H)、7.86−7.94(m、2H)、7.52−7.61(m、1H)、7.27−7.35(m、2H)、6.96−7.06(m、1H)、4.73(d、J=5.71、2H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=423(M+1)。
(実施例34)
N−((8−クロロ−2−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン
n−ブタノール(3mL)中の(8−クロロ−2−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−キノリン−3−イル)メタンアミン(0.050g、0.156mmol)、6−クロロプリン(0.027g、0.17mmol、1.2当量)およびDIEA(0.70mmol、2.0当量)を用いて手順Hに従って製造した。精製後、N−((8−クロロ−2−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン[PI3Kδ IC50=71nM]を白色固体として得た。1H−NMR(MeOD)δppm8.30(s、1H)、8.20(s、1H)、7.80(dd、J=7.58、0.49Hz、2H)、7.69−7.75(m、1H)、7.42−7.47(m、1H)、7.31−7.37(m、1H)、7.11−7.16(m、1H)、6.99−7.06(m、1H)、4.90−497(m、2H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=440(M+1)。
(実施例35)
N−((8−クロロ−2−(2−(メチルスルホニル)フェニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン
n−ブタノール(3mL)中の(8−クロロ−2−(2−(メチルスルホニル)フェニル)キノリン−3−イル)メタンアミン(0.060g、0.173mmol)、6−クロロプリン(0.032g、0.21mmol、1.2当量)およびDIEA(0.34mmol、2.0当量)を用いて手順Hに従って製造した。精製後、N−((8−クロロ−2−(2−(メチルスルホニル)フェニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン[PBKδ IC50=222nM]を白色固体として得た。1H−NMR(MeOD)δppm8.29(s、1H)、8.13(s、1H)、8.01−8.09(m、2H)、7.78−7.81(m、1H)、7.66−7.76(m、1H)、7.57−7.65(m、1H)、7.46(d、J=7.83Hz、2H)、4.87−4.98(m、2H)、3.28(s、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=465(M+1)。
(実施例36)
N−((2−(2−クロロフェニル)−7−フルオロキノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン
n−ブタノール(3mL)中の(2−(2−クロロフェニル)−7−フルオロキノリン−3−イル)メタンアミン(0.080g、0.279mmol)、6−クロロプリン(0.065g、0.42mmol、1.5当量)およびDIEA(0.56mmol、2.0当量)を用いて手順Hに従って製造した。精製後、N−((2−(2−クロロフェニル)−7−フルオロキノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン[PI3Kδ IC50=225nM]を白色固体として得た。1H−NMR(MeOD)δppm8.49(s、1H)、8.14(s、1H)、8.03−8.10(m、2H)、7.66−7.73(m、2H)、7.47−7.56(m、2H)、7.43.7.44(m、1H)、7.33−7.40(m、1H)、4.10−4.18(m、2H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=405(M+1)。
(実施例37)
N−((2−(2−クロロフェニル)−6−フルオロキノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン
n−ブタノール(3mL)中の(2−(2−クロロフェニル)−6−フルオロキノリン−3−イル)メタンアミン(0.080g、0.279mmol)、6−クロロプリン(0.065g、0.42mmol、1.5当量)およびDIEA(0.56mmol、2.0当量)を用いて手順Hに従って製造した。精製後、N−((2−(2−クロロフェニル)−6−フルオロキノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン[PI3Kδ IC50=1683nM]を白色固体として得た。1H−NMR(MeOD)δppm8.44(s、1H)、8.14(s、1H)、8.07−8.11(m、2H)、7.66−7.71(m、1H)、7.59−7.66(m、1H)、7.49−7.55(m、2H)、7.40−7.46(m、1H)、7.34−7.40(m、1H)、4.05−4.17(m、2H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=405(M+1)。
(実施例38)
N−((2−(2−クロロフェニル)−6,7−ジフルオロキノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン
n−ブタノール(3mL)中の(2−(2−クロロフェニル)−6,7−ジフルオロ−キノリン−3−イル)メタンアミン(0.080g、0.279mmol)、6−クロロプリン(0.065g、0.42mmol、1.5当量)およびDIEA(0.56mmol、2.0当量)を用いて手順Hに従って製造した。精製後、N−((2−(2−クロロフェニル)−6,7−ジフルオロキノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン[PBKδ IC50=551nM]を白色固体として得た。1H−NMR(MeOD)δppm8.46(s、1H)、8.13(s、1H)、8.09(s、1H)、7.83−7.94(m、3H)、7.49−7.55(m、2H)、7.41−7.48(m、1H)、7.35−7.41(m、1H)、4.89−4.85(m、2H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=423(M+1)。
(実施例39)
N−((2−(2−(ベンジルオキシ)−5−フルオロフェニル)−8−クロロキノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン
n−ブタノール(3mL)中の(2−(2−(ベンジルオキシ)−5−フルオロフェニル)−8−クロロキノリン−3−イル)メタンアミン(0.021g、0.053mmol)、6−クロロプリン(0.012g、0.06mmol、1.5当量)およびDIEA(0.1mmol、2.0当量)を用いて手順Hに従って製造した。精製後、N−((2−(2−(ベンジルオキシ)−5−フルオロフェニル)−8−クロロキノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン[PBKδ IC50=31nM]を白色固体として得た。1H−NMR(MeOD)δppm8.38(s、1H),8.12(s、1H)、8.07(s、1H)、7.90(s、1H)、7.88(s、1H)、7.52−7.59(t、1H)、7.21−7.25(m、2H)、7.19(m、4H)、7.06−7.12(m、2H)、5.05−5.10(m、2H)、4.90−4.96(s、2H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=511(M+1)。
(実施例40)
N−((S)−1−(8−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンおよびN−((R)−1−(8−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン
(2−(2−(ベンジルオキシ)−5−フルオロフェニル)−8−クロロキノリン−3−イル)−メタンアミン(0.120g、0.40mmol)のn−ブタノール(5mL)中混合物を、100℃で8時間にわたりDIEA(0.80mmol、2.0当量)と次に6−クロロプリン(0.075g、0.48mmol、1.2当量)で処理した。反応混合物を濃縮し、溶離液として0%から100%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるRedi−Sep(商標名)カラムでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、N−((S)−1−(8−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンおよびN−((R)−1−(8−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンの混合物を得た。IPA/ヘキサン(10%)でIAカラムを用いるキラルHPLCによってさらに分離することで、N−((S)−1−(8−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン[PBKδ IC50=6nM]が白色固体として得られる。1H−NMR(MeOD)δppm8.43(s、1H)、8.05(s、1H)、7.98(s、1H)、7.73−7.80(m、2H)、7.48−7.53(m、1H)、7.44−7.49(m、1H)、7.35−7.44(m、2H)、7.04−7.11(m、1H)、1.44−1.47(d、3H)、質量スペクトラム(ESI)m/e=419(M+1)。そしてN−((R)−1−(8−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)−キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン[PI3Kδ IC50=424nM]が白色固体として得られる。1H−NMR(MeOD)δppm、8.56(s、1H)、8.17(s、1H)、8.10(s、1H)、7.84−7.93(m、2H)、7.45−7.66(m、4H)、7.14−7.23(m、1H)、3.89−3.98(m、1H)、1.57−1.60(d、3H)、質量スペクトラム(ESI)m/e=419(M+1)。
(実施例41)
N−((S)−1−(8−クロロ−2−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン
n−ブタノール(3mL)中の(1S)−1−(8−クロロ−2−(2−クロロ−5−フルオロ−フェニル)キノリン−3−イル)エタンアミン(0.072g、0.215mmol)、6−クロロプリン(0.040g、0.26mmol、1.2当量)およびDIEA(0.42mmol、2.0当量)を用いて手順Hに従って製造した。精製後、N−((S)−1−(8−クロロ−2−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン[PI3Kδ IC50=8nM]を白色固体として得た。1H−NMR(MeOD)δppm8.68(s、1H)、8.60(s、1H)、8.02−8.10(m、2H)、7.92−7.99(m、1H)、7.85−7.93(m、1H)、7.54−7.63(m、1H)、7.50(dd、J=8.80、4.89Hz、1H)、7.07(td、J=8.61、3.13Hz、1H)、5.48−5.65(m、1H)、1.71(d、J=7.04Hz、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=454(M+1)。
(実施例42)
N−((S)−1−(8−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)プロピル)−9H−プリン−6−アミン
1−(8−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)プロパン−1−アミン(0.060g、0.19mmol)のn−ブタノール(5mL)中混合物を、100℃で8時間にわたりDIEA(0.38mmol、2.0当量)と次に6−クロロプリン(0.029g、0.19mmol、1.0当量)で処理した。反応混合物を濃縮し、溶離液として0%から100%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるRedi−Sep(商標名)カラムでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、N−((S)−1−(8−クロロ−2−(3−フルオロ−フェニル)キノリン−3−イル)プロピル)−9H−プリン−6−アミンおよびN−((R)−1−(8−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)プロピル)−9H−プリン−6−アミンの混合物を得た。IPA/ヘキサン(10%)でのIAカラムを用いるキラルHPLCによるさらなる精製によって、N−((S)−1−(8−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)プロピル)−9H−プリン−6−アミン[PI3Kδ IC50=13nM]が白色固体として得られる。1H−NMR(MeOD)δppm8.39(s、1H)、8.08(s、1H)、8.01(s、1H)、7.72−7.78(m、2H)、7.51−7.60(m、2H)、7.38−7.47(m、2H)、7.10−7.16(m、1H)、3.82(m、1H)、1.74−1.84(m、2H)、1.03−1.11(t、3H)、質量スペクトラム(ESI)m/e=433(M+1)。
(実施例43)
N−((S)−1−(5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノリン−2−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン
n−ブタノール(3mL)中の(1S)−1−(5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)−キノリン−2−イル)エタンアミン(0.050g、0.166mmol)、6−クロロプリン(0.031g、0.20mmol、1.2当量)およびDIEA(0.33mmol、2.0当量)を用いて手順Hに従って製造した。精製後、N−((S)−1−(5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノリン−2−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン[PI3Kδ IC50=5nM]を白色固体として得た。1H−NMR(MeOD)δppm9.22(s、1H)、8.63(s、1H)、8.44−8.47(m、3H)、8.42(s、1H)、8.34(s、1H)、7.87−7.94(m、2H)、7.56(t、1H)、1.79(d、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=419(M+1)。
(実施例44)
N−((S)−1−(8−クロロ−2−(チアゾール−4−イル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン
n−ブタノール(3mL)中の(1S)−1−(8−クロロ−2−(チアゾール−4−イル)−キノリン−3−イル)エタンアミン(0.045g、0.155mmol)、6−クロロプリン(0.029g、0.19mmol;1.2当量)およびDIEA(0.33mmol、2.0当量)を用いて手順Hに従って製造した。精製後、N−((S)−1−(8−クロロ−2−(チアゾール−4−イル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン[PI3Kδ IC50=16nM]を白色固体として得た。1H−NMR(MeOD)δppm9.22(s、1H)、8.63(s、1H)、8.44−8.46(m、1H)、8.42(s、1H)、8.34(s、1H)、7.88−7.93(m、2H)、7.56(t、1H)、1.77(d、3H)、質量スペクトラム(ESI)m/e=408(M+1)。
(実施例45)
N−((S)−1−(7−フルオロ−2−(ピリジン−3−イル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン
n−ブタノール(3mL)中の(1S)−1−(7−フルオロ−2−(ピリジン−3−イル)−キノリン−3−イル)エタンアミン(0.067g、0.236mmol)、6−クロロプリン(0.044g、0.283mmol、1.2当量)およびDIEA(0.48mmol、2.0当量)を用いて手順Hに従って製造した。精製後、N−((S)−1−(7−フルオロ−2−(ピリジン−3−イル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン[PI3Kδ IC50=23nM]を白色固体として得た。1H−NMR(MeOD)δppm8.99(s、1H)、8.57−8.65(m、2H)、8.33(d、J=7.83Hz、1H)、8.16(s、1H)、8.08(s、1H)、7.85−7.96(m、2H)、1.62(d、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=402(M+1)。
(実施例46)
N−((S)−1−(7−フルオロ−2−(チオフェン−2−イル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン
n−ブタノール(3mL)中の(1S)−1−(7−フルオロ−2−(チオフェン−2−イル)−キノリン−3−イル)エタンアミン(0.078g、0.286mmol)、6−クロロプリン(0.053g、0.344mmol、1.2当量)およびDIEA(0.58mmol、2.0当量)を用いて手順Hに従って製造した。精製後、N−((S)−1−(7−フルオロ−2−(チオフェン−2−イル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン[PI3Kδ IC50=8nM]を白色固体として得た。1H−NMR(MeOD)δppm8.62(s、1H)、8.43(s、1H)、8.37(s、1H)、8.00−8.07(m、1H)、7.62−7.73(m、3H)、7.43−7.51(m、1H)、7.18(m、1H)、1.78(d、J=7.04Hz、3H)、1H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=391(M+1)。
(実施例47)
1−(2,5−ジクロロキノリン−3−イル)エタノール
2,5−ジクロロキノリン−3−カルボアルデヒド(2.46g、11mmol)をTHF(70mL)に溶かし、氷浴に浸した。メチルマグネシウムブロマイド(5.4mL、16mmol)を加え、氷浴を外した。10分後、反応混合物を1.0N HClに投入し、EtOAcで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、濃縮した。残留物を、0%から40%EtOAc:ヘキサンを用いる80gシリカゲルカラムでクロマトグラフィー精製した。所望の分画を合わせ、濃縮して、オフホワイト結晶固体を得た。1H NMR(400MHz、DCM−d2)δppm1.60(d、J=6.26Hz、3H)2.35(brs、1H)5.36(q、J=6.39Hz、1H)7.61−7.67(m、2H)7.87−7.94(m、1H)8.75(s、1H)。LC−MS(+esi、M+H+=242.1)。
2−(1−(2,5−ジクロロキノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオン.
DCM(2mL)を1−(2,5−ジクロロキノリン−3−イル)エタノール(200mg、826μmol)に加えた。塩化チオニル(301μL、4131μmol)を加えた。数分以内で透明無色溶液が得られた。ロータリーエバポレータで反応混合物を濃縮乾固させて油状物を得て、それをそれ以上精製せずに用いた。LC−MS(+esi、M+H+=260.0)。2,5−ジクロロ−3−(1−クロロエチル)キノリン(215mg、825μmol)をDMF(2mL)に溶かし、フタルイミド(127mg、866μmol)およびK2CO3(228mg、1650μmol)を加えた。油浴に浸し、加熱を開始して55℃とした。10分後、油浴の温度を上昇させて80℃とした。さらに30分後、反応混合物をEtOAc:H2Oの間で分配した。有機層を水で洗浄し(3回)、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、濃縮した。粗取得物は固体であり、それを0%から20%EtOAc:ヘキサンを用いる12gシリカゲルカラムでクロマトグラフィー精製した。所望の分画を合わせ、濃縮して、白色結晶固体を得た。1H NMR(400MHz、ジクロロメタン−d2)δppm1.99(d、J=7.04Hz、3H)5.93(q、J=7.17Hz、1H)7.64−7.70(m、2H)7.71−7.76(m、2H)7.77−7.83(m、2H)7.88−7.93(m、1H)8.95(s、1H)。LC−MS(+esi、M+H+=371.0)。
2−(1−(5−クロロ−1−ピリジン−2−イル)キノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオン
トルエン中に溶解/スラリー化し、濃縮することで、2−(1−(2,5−ジクロロキノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオン(197mg、531μmol)を100mLフラスコから10mLフラスコに移した。Pd(Ph3P)4(61mg、53μmol)および2−トリ−n−ブチルスタンニルピリジン(955μL、2653μmol)を加えた。混合物にアルゴンを30秒間吹き込んだ。冷却管および窒素導入管を取り付けた。110℃で約16時間加熱した。反応混合物を濃縮し、0%から60%EtOAcを用いる12gシリカゲルカラムでクロマトグラフィー精製した。所望の分画を合わせ、濃縮して油状物を得た。NMRは、残留EtOAcを示している。LC。1H NMR(400MHz、ジクロロメタン−d2)δppm1.98(d、J=7.04Hz、3H)6.38(q、J=7.04Hz、1H)7.24−7.37(m、1H)7.62−7.76(m、8H)8.01(dd、J=8.61、1.96Hz、1H)8.56−8.66(m、1H)9.02(s、1H)。−MS(+esi、M+H+=414.1)。
1−(5−クロロ−2−(ピリジン−2−イル)キノリン−3−イル)エタンアミン
2−(1−(5−クロロ−2−(ピリジン−2−イル)キノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオン(220mg、532μmol)をEtOHに加えた。得られたスラリーに、ヒドラジン水和物(133μL、2658μmol)を加え、混合物を油浴にて80℃で3時間加熱した。反応混合物を冷却して室温とし、濾過し、EtOH(約10mL)で洗った。濾液を1.0N HCl(約5mL)で酸性とし、ロータリーエバポレータで濃縮してエタノールを除去した。少量のが沈殿し、それを濾過によって除去した。濾液を固体炭酸ナトリウムで中和し、DCM:IPA(4:1)で抽出した(2回)。有機抽出液を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し、濃縮して、固体/フィルム状物103mg(68%)を得た。LC−MS(+esi、M+H+=284.0)。1H NMR(400MHz、ジクロロメタン−d2)δppm1.42(d、J=6.65Hz、3H)4.71(q、J=6.65Hz、1H)7.38−7.42(m、1H)7.60−7.68(m、2H)7.88−7.97(m、2H)8.02(dq、J=7.78、0.80Hz、1H)8.68−8.71(m、1H)8.82(t、J=0.78Hz、1H)。LC−MS(+esi、M+H+=284.0)。
N−(1−(5−クロロ−2−(ピリジン−2−イル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン
10mLフラスコに1−(5−クロロ−2−(ピリジン−2−イル)キノリン−3−イル)エタンアミン(103mg、363μmol)、6−ブロモプリン(72mg、363μmol)、n−ブタノール(2mL)およびDIPEA(190μL、1089μmol)を加えた。油浴に浸し、110℃で40時間加熱した。反応混合物をロータリーエバポレータで濃縮して溶媒約0.5mLとし、DCMで希釈し、12gシリカゲルカラムで0%から15%MeOH:DCMを用いてクロマトグラフィー精製した。所望の分画を合わせ、濃縮して油状物を得て、それをACN:H2Oに溶かし、凍結乾燥して、明黄褐色固体100mg(69%)を得た。LC−MS(+esi、M+H+=402.1)。
N−(1−(8−クロロ−2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン
2−(1−(2,8−ジクロロキノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオン(1.02g、2.74mmol)のエタノール(30mL)中スラリーに70℃でヒドラジン水和物(1.37g、27.4mmol、10当量)を加えて、透明溶液を形成した。短時間の間に、沈殿の生成が開始する。追加のエタノール(20mL)を加えて撹拌を行いやすくした。昇温させて還流させ、それを終夜続けた。固体を濾過によって除去した。濾液を濃縮してエタノールを最小量とし、再度DCMに溶かした。有機層を水で洗浄し、MgSO4で脱水し、濃縮して、アリールヒドラジンを黄色固体として得た。融点:133℃。1H NMR(500MHz、DMSO−d6)δppm9.2(1H、brs)、7.854(1H、s)、7.635(1H、dd、J=8、1.5Hz)、7.620(1H、dd、J=8、1.5Hz)、7.139(1H、t、J=8Hz)、4.635(2H、brs)、4.164(1H、q、J=6.5Hz)、2.167(2H、brs)、1.359(3H、d、J=6.5Hz)。LCMS−ESI(POS)、M/Z、M+1:実測値237.1。
中間体アリールヒドラジン(0.067g、0.66mmol)を、浴温75℃で終夜にわたり、2,4−ペンタンジオン(0.046mL、2当量)のエタノール中溶液で処理した。残留溶媒を減圧下に除去して橙赤色油状物を得た(約0.1g)。6−ブロモプリン(66mg、1.5当量)を、エタノール(3mL)およびトリエチルアミン(3当量)とともに加えた。懸濁液を80℃で終夜加熱した。反応は完結していなかったことから、溶媒をn−ペンタノールおよびトリエチルアミン(3当量)と置き換え、130℃で4時間加熱した。減圧下に溶媒を除去し、残留物を、DCMおよび5%まで徐々に増量するメタノールを用いるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。所望の生成物を含む分画を合わせて、N−(1−(8−クロロ−2−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンを得た。125℃での1H NMR(500MHz、DMSO−d6)、δppm12.5(1H、brs)、8.721(1H、s)、8.046(1H、s)、7.975(1H、brs)、7.935(1H、d、J=7.5Hz)、7.892(1H、d、J=7.5Hz)、7.62(1H、brs)、7.561(1H、t、J=7.5Hz)、6.124(1H、s)、5.860(1H、brm)、2.453(3H、s)、2.264(3H、s)、1.619(3H、d、J=7Hz)。LCMS−ESI(POS)、M/Z、M+1:実測値419.1。
(実施例48)
N−(2−フルオロフェニル)シンナミド
2−フルオロアニリン(25.0g、225mmol)および炭酸カリウム(47g、337mmol)の水(112mL)およびアセトン(45mL)中溶液に0℃で、シンナモイルクロライド(37g、225mmol、1当量)のアセトン(45mL)中溶液を2時間かけて加えた。反応液を0℃で1時間撹拌し、氷水200mLに投入して反応停止した。白色結晶固体を濾過し、水で洗浄した。固体を2時間風乾し、ヘキサン400mLで洗浄した。固体を終夜真空乾燥して生成物を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.49(brt、J=7.8Hz、1H)、7.80(d、J=15.3Hz、1H)、7.57(m、3H)、7.41(m、3H)、7.17(m、3H)、6.61(d、J=15.6Hz、1H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=242.1(M+1)。
2−クロロ−8−フルオロキノリン
N−(2−フルオロフェニル)シンナミド(10.5g、44mmol)をクロロベンゼン(60mL)に溶かし、三塩化アルミニウム(29g、218mmol、5当量)を加えた。反応液を125℃で3時間加熱し、それを45分間かけて冷却して室温とした。反応液を撹拌しながら氷300gに投入したところ、黄褐色固体が生じた。固体を濾過し、水100mLおよびヘキサン100mLで3回で洗浄し、高真空下に乾燥させた。固体をDCM 1リットルで抽出し、濾過して不溶の副生成物を除去した。溶媒を減圧下に除去して、8−フルオロキノリン−2(1H)−オンを得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm10.95(brs、1H)、7.77(dd、J=9.8、1.6Hz)、7.35(d、J=7.8Hz、1H)、7.27(ddd、J=10.2、7.8、1.2Hz、1H)、7.14(td、J=8.0、5.1Hz、1H)、6.76(d、J=9.4Hz、1H)。
8−フルオロキノリン−2(1H)−オン(26g、159mmol)を三塩化リン(163mL、1753mmol、11当量)でスラリーとし、加熱して125℃として2時間経過させた。反応液を冷却して室温とし、高撹拌しながら氷水1.2リットルに投入した。混合物を冷却して室温としたら、橙赤色固体を濾過し、水で洗浄し、終夜真空乾燥して粗取得物27gを得た。還流下にヘキサン約700mLに溶かし、残ったタール分から傾斜法で分離することで、粗取得物をヘキサンから再結晶した。得られたヘキサン溶液を冷却して0℃とし、沈殿した2−クロロ−8−フルオロキノリンを濾過した。母液を減圧下に濃縮し、ヘキサンから再結晶して、第2の量の1−クロロ−8−フルオロキノリンを得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.14(dd、J=8.6、1.2Hz、1H)、7.62(brd、1H)、7.52(td、J=7.8、4.7Hz、1H)、7.45(m、2H)。
1−(2−クロロ−8−フルオロキノリン−3−イル)エタノール
2−クロロ−8−フルオロキノリン(182mg、1.0mmol)をTHF(2mL)に溶かし、冷却して−78℃とした。この溶液に、リチウムジイソプロピルアミド(1M THF溶液、1.1mL、1.1mmol、1.1当量)を加えた。反応液を−78℃で20分間撹拌し、その後アセトアルデヒド(113μL、2.0mmol、2当量)を注射器によって加えた。30分後、水で反応停止し、酢酸エチルで希釈した。層を分離し、ブラインで洗浄した。粗反応混合物をカラムクロマトグラフィー(8:2ヘキサン:酢酸エチル)によって精製して、1−(2−クロロ−8−フルオロキノリン−3−イル)エタノールを得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.43(brs、1H)、7.64(td、J=7.8、5.1Hz、1H)、7.41(ddd、J=10.2、7.4、1.2Hz、1H)、5.39(qdd、J=6.3、3.9、0.8Hz、1H)、2.22(d、J=3.9Hz、1H)、1.62(d、J=6.3Hz、3H)。
1−(2−クロロ−8−フルオロキノリン−3−イル)エタノン
トルエン(183mL)の入った丸底フラスコに、1−(2−クロロ−8−フルオロキノリン−3−イル)エタノール(6.2g、27.5mmol)および二酸化マンガン(19.1g、219.8mmol、8当量)を加えた。反応液を2時間加熱還流し、冷却して室温とし、濾過し、濃縮した。生成物をヘキサンで希釈し、濾過して、白色固体として1−(2−クロロ−8−フルオロキノリン−3−イル)エタノンを得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.40(d、J=1.6Hz、1H)、7.71(brd、J=8.2Hz、1H)、7.56(td、J=7.8、5.1Hz、1H)、7.54(ddd、J=9.8、7.8、1.6Hz、1H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=223.9(M+1)。
(R)−1−(2−クロロ−8−フルオロキノリン−3−イル)エタノール
丸底フラスコ中、脱水THF(50mL)中に(+)−dip−クロライド(tm)(4418mg、13773μmol)を溶かし、その溶液を冷却して−55℃とした(ドライアイス/MeCN浴を使用)。この溶液に、THF(10mL)中溶液として1−(2−クロロ−8−フルオロキノリン−3−イル)エタノン(1.4g、6.3mmol)を加えた。反応を5時間かけて昇温させて+10℃とした。アセトン10mLおよび10%Na2CO3 20mLで反応停止し、室温で1時間撹拌した。酢酸エチル(200mL)を加え、層を分離した。有機相を50%飽和重炭酸ナトリウム溶液で3回、ブラインで1回洗浄した。有機層をMgSO4で脱水し、濾過し、濃縮して、粗取得物5gを得た。粗取得物を、120gシリカゲルカラムで7:3ヘキサン:酢酸エチルを用いて精製して、(R)−1−(1−クロロ−8−フルオロキノリン−3−イル)エタノールを得た。キラルHPLC(10%IPA/ヘキサン、キラルセルAD)では、生成物が96.0%eeであることが示されている。1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.43(brs)、7.64(brd、J=8.2Hz、1H)、7.50(td、J=7.8、4.7Hz、1H)、7.41(ddd、J=10.2、7.8、1.2Hz、1H)、5.40(qd、J=5.9、0.8Hz、1H)、2.22(brs、1H)、1.62(d、J=6.3Hz、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=226.0(M+1)。
(S)−3−(1−アジドエチル)−2−クロロ−8−フルオロキノリン
トリフェニルホスフィン(1.81g、6.9mmol、1.2当量)を脱水THF(30mL)に溶かし、冷却して0℃とした。この溶液に、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(1.36mL、6.9mmol、1.2当量)を加えた。反応液を0℃で30分間撹拌し、(R)−1−(2−クロロ−8−フルオロキノリン−3−イル)エタノール(1.3g、5.7mmol)のTHF(30mL)中溶液を加え、次にジフェニルホスホリルアジド(1.37mL、6.3mmol、1.1当量)を加えた。反応液を昇温させて室温とし、室温で終夜撹拌した。反応液をシリカゲルに乗せ、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(3%EtOAc/ヘキサン)による精製によって、(S)−3−(1−アジドエチル)−2−クロロ−8−フルオロ−キノリンを得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.30(d、J=1.2Hz、1H)、7.67(brd、J=8.22Hz、1H)、7.54(td、J=7.8、4.7Hz、1H)、7.45(ddd、J=10.2、7.8、1.2Hz)、5.22(q、J=6.7Hz、1H)、1.68(d、J=6.7Hz、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=250.9(M+1)。
8−フルオロキノリン類縁体についての一般的手順
手順BSL−1
丸底フラスコに、(S)−3−(1−アジドエチル)−2−クロロ−8−フルオロ−キノリン(1当量)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(0.04当量)、炭酸ナトリウム(5当量)およびアリールボロン酸(1.5当量)を加えた。フラスコを窒素でパージし、MeCN:H2Oの3:1混合物を加えて、原料アジドに関して0.1Mの濃度を得た。反応完結と判断されるまで、反応液を80℃で加熱した。溶媒を除去し、残留物を再度酢酸エチルおよび水に溶かした。層を分離し、有機層をブラインで洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮した。粗反応液をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン、勾配)で精製して、(S)−3−(1−アジドエチル)−8−フルオロ−2−アリールキノリンを得た。
手順BSL−2
(S)−3−(1−アジドエチル)−8−フルオロ−2−アリールキノリンをTHFに溶かし(0.1M溶液を得た)、トリフェニルホスフィン(1.1当量)および水(20当量)を加えた。反応液を終夜にわたり60℃で加熱した。冷却して室温とした後、溶媒を減圧下に除去し、残留物をエチルエーテルに再度溶かした。エーテル層を1N HClで3回抽出した。水層を、15%NaOHを加えることでpH10から12とし、塩基性水層をエチルエーテルで2回抽出した。エーテル層をブラインで洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮して、(S)−1−(8−フルオロ−2−アリールキノリン−3−イル)−エタンアミンを得た。
手順BSL−3
丸底フラスコに、(S)−1−(8−フルオロ−2−アリールキノリン−3−イル)−エタンアミン(1当量)、6−ブロモプリン(1.2当量)およびジイソプロピルエチルアミン(3当量)を加えた。十分なn−ブタノールを加えて、(S)−1−(8−フルオロ−2−アリールキノリン−3−イル)エタンアミンに関して0.1M溶液を得た。混合物を100から115℃で24時間加熱し、冷却して室温とし、溶媒を減圧下に除去した。逆相HPLCによる精製によって、(S)−N−(1−(8−フルオロ−2−アリールキノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンを得た。生成物をDCM/NaHCO3に溶かし、有機層を分離し、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮して、(S)−N−(1−(8−フルオロ−2−フェニルキノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンを遊離塩基として得た。
(実施例49)
3−((S)−1−アジドエチル)−8−フルオロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン
(S)−3−(1−アジドエチル)−2−クロロ−8−フルオロキノリン(50mg、.199mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(9mg、0.008μmol、0.04当量)、炭酸ナトリウム(106mg、0.997mmol、5当量)および3−フルオロ−フェニルボロン酸(42mg、.299mmol、1.5当量)を用い、3−((S)−1−アジドエチル)−8−フルオロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリンを手順BSL−1に従って製造した。精製後、3−((S)−1−アジドエチル)−8−フルオロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリンを得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.39(d、J=1.6Hz、1H)、7.71(brd、J=8.2Hz、1H)、7.54(td、J=7.8、4.7Hz、1H)、7.52−7.42(一連のm、2H)、7.35(dt、J=7.8、1.2Hz)、7.31(ddd、J=9.0、2.4、1.6Hz、1H)、7.20(tdd、J=8.6、2.7、1.2Hz、1H)、4.94(q、J=6.7Hz、1H)、1.56(d、J=6.7Hz、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=310.9(M+1)。
(1S)−1−(8−フルオロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エタンアミン
3−((S)−1−アジドエチル)−8−フルオロ−2−(3−フルオロ−フェニル)キノリン(54mg、0.174mmol、トリフェニルホスフィン(50mg、0.191mmol)および水(63μL、3.480mmol)を用い、(1S)−1−(8−フルオロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エタンアミンを手順BSL−2に従って製造した。。(1S)−1−(8−フルオロ−2−(3−フルオロフェニル)−キノリン−3−イル)エタンアミンを得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.51(d、J=1.6Hz、1H)、7.65(brd、J=8.21Hz、1H)、7.52−7.42(一連のm、2H)、7.39(ddd、J=10.5、7.4、1.2Hz、1H)、7.34(dt、J=7.5、1.2Hz、1H)、7.30(ddd、J=9.4、2.7、1.6Hz、1H)、7.16(tdd、J=8.6、2.4、0.8Hz、1H)、4.48(q、J=6.2Hz、1H)、1.37(d、J=6.7Hz、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=285.0(M+1)。
N−((S)−1−(8−フルオロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン
N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(27μL、155μmol)、6−ブロモ−7H−プリン(18mg、93μmol)および(1S)−1−(8−フルオロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エタンアミン(22mg、77μmol)を用い、N−((S)−1−(8−フルオロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンを手順BSL−3に従って製造した。N−((S)−1−(8−フルオロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エチル)−7H−プリン−6−アミンを単離した。1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.33(s、2H)、7.97(s、1H)、7.65−7.61(m、2H)、7.52(d、J=8.2Hz、1H)、7.47−7.39(一連のm、2H)、7.35(ddd、J=10.6、7.8、1.6Hz、1H)、6.76(brs、1H)、5.80(brs、1H)、1.51(d、J=7.0Hz、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=403.0(M+1)。
上記で記載の一連の手順に従って(BSL−1→BSL−2→BSL−3)、下記の化合物を製造した。これら化合物についてのデータは下記に挙げてある。
(実施例50)
(S)−N−(1−(8−フルオロ−2−フェニルキノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン
(S)−N−(1−(8−フルオロ−2−フェニルキノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンのデータ:1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.32(s、2H)、7.95(s、1H)、7.84(d、J=7.0Hz、2H)、7.51(d、J=6.6Hz、1H)、6.41(brs、1H)、5.83(brs、1H)、1.50(d、J=6.7Hz、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=385.0(M+1)。
(実施例51)
N−((S)−1−(2−(2−クロロフェニル)−8−フルオロキノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン
N−((S)−1−(2−(2−クロロフェニル)−8−フルオロキノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンのデータ:1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm(室温で回転異性体が存在)8.42−8.35(s、1H)、8.23(s、1H)、7.92(s、1H)、7.71−7.23(一連のm、5H)、6.27(brs、1H)、5.60(brm、1H)、1.66(m、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=418.9(M+1)。
(実施例52)
(S)−N−(1−(2−(3,5−ジフルオロフェニル)−8−フルオロキノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン
(S)−N−(1−(2−(3,5−ジフルオロフェニル)−8−フルオロキノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンのデータ:1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.35(s、2H)、8.00(s、1H)、7.56(d、J=8.6Hz、1H)、7.46(m、3H)、7.38(ddd、J=10.6、7.8、1.6Hz、1H)、6.90(tt、J=9.0、2.4Hz、1H)、6.50(brs、1H)、5.80(brs、1H)、1.53(d、J=6.4Hz、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=420.9(M+1)。
(実施例53)
N−((S)−1−(8−フルオロ−2−(ピリジン−3−イル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン
N−((S)−1−(8−フルオロ−2−(ピリジン−3−イル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンのデータ:1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm9.15(s、1H)、8.71(dd、J=4.7、1.6Hz、1H)、8.36(s、1H)、8.28(s、1H)、8.22(d、J=7.8Hz、1H)、7.97(s、1H)、7.54(d、J=7.4Hz、1H)、7.46−7.41(m、2H)、7.36(ddd、J=10.2、7.4、1.2Hz、1H)、6.67(brs、1H)、5.74(brs、1H)、1.53(d、J=6.7Hz、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=385.9(M+1)。
(実施例54)
N−((S)−1−(2−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−8−フルオロキノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン
N−((S)−1−(2−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−8−フルオロキノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンのデータ:1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm(回転異性体が存在室温で)8.43−8.37(s、1H)、8.25(s、1H)、7.95(s、1H)、7.69−7.39(m、3H)、7.16−7.01(m、2H)、6.39(brs、1H)、5.60(brm、1H)、1.68(d、J=5.9Hz、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=436.9(M+1)。
(実施例55)
N−((S)−1−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)−8−フルオロキノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン
N−((S)−1−(2−(2,5−ジフルオロフェニル)−8−フルオロキノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンのデータ:1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.37(s、1H)、8.24(s、1H)、7.94(s、1H)、7.60(d、J=8.2Hz、1H)、7.49(td、J=7.8、4.7Hz、1H)、7.40(ddd、J=10.6、7.8、1.6Hz、1H)、7.08(m、2H)、6.40(brs、1H)、5.55(brs、1H)、1.67(d、J=7.0Hz、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=420.9(M+1)。
(実施例56)
N−((S)−1−(2−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−8−フルオロキノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン
N−((S)−1−(2−(3−クロロ−5−フルオロフェニル)−8−フルオロキノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンのデータ:1H NMR(400MHz、CD3OD)δppm8.60(s、1H)、8.15(s、1H)、8.08(s、1H)、7.78(d、J=8.2Hz、1H)、7.59(m、2H)、7.21(dt、J=8.6、2.0Hz、1H)、5.70(brs、1H)、1.62(d、J=3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=436.9(M+1)。
(実施例57)
N−((S)−1−(2−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)−8−フルオロキノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン
N−((S)−1−(2−(5−クロロ−2−フルオロフェニル)−8−フルオロキノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンのデータ:1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.36(s、1H)、8.24(s、1H)、7.97(s、1H)、7.73(brs、1H)、7.60(d、J=7.8Hz、1H)、7.48(td、J=7.8、4.7Hz、1H)、7.38(ddd、J=10.6、7.8、1.2Hz、1H)、7.31(m、1H)、7.08(brs、1H)、6.61(brs、1H)、5.55(brs、1H)1.69(d、J=7.0Hz、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=436.9(M+1)。
(実施例58)
(S)−N−(1−(8−フルオロ−2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン
(S)−N−(1−(8−フルオロ−2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンのデータ:1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.37(s、1H)、8.30(s、1H)、7.97(m、3H)、7.73(d、J=7.8Hz、2H)、7.60(d、J=7.8Hz、1H)、7.48(td、J=7.8、5.1Hz、1H)、7.39(ddd、J=10.6、7.8、1.6Hz、1H)、6.49(brs、1H)、5.77(brs、1H)、1.56(d、J=7.0Hz、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=453.0(M+1)。
(実施例59)
(E)−N−ベンジリデン−2−フルオロベンゼンアミン
2−フルオロアニリン(2.0mL、20.8mmol、1.05当量)を脱水エーテル40mLに溶かした。硫酸マグネシウム(7146mg、59.3mmol、4当量)、粉末モレキュラーシーブス7gおよびベンズアルデヒド(2.0mLμL、19.8mmol)を加えた。この混合物に、pTsOH(18.8mg、98.9μmol、0.005当量)を加え、終夜加熱還流した。反応液を冷却し、濾過し、濃縮して、(E)−N−ベンジリデン−2−フルオロベンゼンアミンを得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.55(s、1H)、7.95(m、2H)、7.52(m、5H)、7.18(m、4H)。
N−((8−フルオロ−2−フェニルキノリン−3−イル)メチル)アセトアミド
1−(アゼト−1(2H)−イル)エタノン(22mg、227μmol、1当量)、(E)−N−ベンジリデン−2−フルオロベンゼンアミン(45mg、227μmol、1当量)、2−フルオロベンゼンアミン(22μL、227μmol、1当量)およびトリフルオロメタンスルホン酸イットリウム(6mg、11μmol、0.05当量)をアセトニトリル9mLに溶かした。反応液を室温で終夜撹拌した。反応液を90℃で5時間加熱した。反応液を冷却して室温とし、溶媒を減圧下に除去した。残留物をDCM 20mLに溶かし、NaHCO3 5mLで1回洗浄した。有機層をMgSO4で脱水し、濾過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(7:3ヘキサン:酢酸エチル)による精製によって、N−((8−フルオロ−2−フェニルキノリン−3−イル)メチル)アセトアミドを得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.20(s、1H)、7.60(d、J=7.83、1H)、7.50(m、2H)、7.45(m、4H)、7.37(ddd、J=10.6、7.8、1.6Hz、1H)、5.92(brt、J=5.9Hz、1H)、4.55(d、J=6.3Hz、2H)、1.96(s、3H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=295.0(M+1)。
(8−フルオロ−2−フェニルキノリン−3−イル)メタンアミン
N−((8−フルオロ−2−フェニルキノリン−3−イル)メチル)アセトアミド(28mg、95μmol)に、塩酸(2M水溶液、2mL、4000μmol)を加えた。反応液を80℃で24時間加熱した。反応液を冷却して室温とし、15%NaOHで反応停止した。生成物をエーテルで抽出し(10mLで2回)、合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮して、(8−フルオロ−2−フェニルキノリン−3−イル)メタンアミンを得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.34(s、1H)、7.65(d、J=8.2Hz、1H)、7.61(m、2H)、7.48(m、4H)、7.39(ddd、J=10.6、7.8、1.6Hz、1H)、4.05(s、2H)、2.03(brs、2H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=253.0(M+1)。
N−((8−フルオロ−2−フェニルキノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン
反応フラスコに、6−ブロモプリン(19mg、95μmol、1.2当量)、ジイソプロピルエチルアミン(42μL、238μmol、3当量)、(8−フルオロ−2−フェニルキノリン−3−イル)−メタンアミン(20mg、79μmol、1当量)およびn−ブタノール(0.75mL)を加えた。反応液を110℃で8時間加熱した。反応液を冷却して室温とし、溶媒を減圧下に除去した。化合物を逆相HPLCによって精製した。分画を濃縮し、飽和NaHCO3で遊離塩基とした。有機層をDCMで抽出し、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮して、白色固体を得た。
N−((8−フルオロ−2−フェニルキノリン−3−イル)メチル)−7H−プリン−6−アミン
1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.35(s、1H)、8.31(s、1H)、7.90(s、1H)、7.68(m、2H)、7.45(m、6H)、6.78(brs、1H)、5.07(brs、2H)。質量スペクトラム(ESI)m/e=370.9(M+1)。
(実施例60)
(S)−2−(1−(8−クロロ−2−ビニルキノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオン
(S)−2−(1−(2,8−ジクロロキノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオン(1g、2.7mmol)のジオキサン(25mL)中溶液を窒素雰囲気下に撹拌しながら、それにビニルトリブチルスズ(1.28mL、4.04mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(156mg、0.13mmol)を加えた。反応液を100℃で3時間加熱し、減圧下に溶媒留去した。得られた黒色残留物を、カラムクロマトグラフィー(40gSiO2、ヘキサン:酢酸エチル、1:0から3:1)によって精製して、(S)−2−(1−(8−クロロ−2−ビニルキノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオンを白色固体として得た。1H−NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.53(1H、s)、7.76−7.81(4H、m)、7.68−7.72(2H、m)、7.41(1H、dd、J=7.8、7.8Hz)、7.26−7.33(1H、m)、6.71(1H、dd、J=16.4、2.3Hz)、6.00(1H、q、J=7.3Hz)、5.64(1H、dd、J=10.6、2.3Hz)、2.00(3H、d、J=7.0Hz)。質量スペクトラム(ESI)m/e=362.8(M+1)。
2−((S)−1−(8−クロロ−2−(1,2−ジヒドロキシエチル)キノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオン
(S)−2−(1−(8−クロロ−2−ビニルキノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオン(200mg、0.55mmol)のTHF(5mL)および水(1.0mL)中溶液を撹拌しながら、それにオスミウム酸(VI)カリウム・2水和物(10.2mg、27.6μmol)を加えた。反応液を5分間撹拌し、NMO(64.6mg、0.55mmol)を加えた。反応液を3時間撹拌し、それを酢酸エチル(80mL)および1.0M水溶液クエン酸(40mL)で希釈した。分離した水層を酢酸エチル(140mL)で抽出し、合わせた有機層をブライン(40mL)で洗浄し、脱水し(MgSO4)、濾過し、減圧下に溶媒留去して、2−((S)−1−(8−クロロ−2−(1,2−ジヒドロキシエチル)キノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオンを得た。その生成物を、それ以上精製せずに次の段階で用いた。1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.77(1H、d、J=11.7Hz)、7.61−7.88(6H、m)、7.49(1H、q、J=8.1Hz)、5.95−6.17(1H、m)、5.22−5.32(1H、m)、4.02−4.26(2H、m)、1.94−1.97(3H、m)。質量スペクトラム(ESI)m/e=396.9(M+1)。
(S)−8−クロロ−3−(1−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)エチル)キノリン−2−カルボアルデヒド
2−((S)−1−(8−クロロ−2−(1,2−ジヒドロキシエチル)キノリン−3−イル)−エチル)イソインドリン−1,3−ジオン(170mg、0.43mmol)のTHF(4.0mL)および水(1.0mL)中溶液を撹拌しながら、それに過ヨウ素酸ナトリウム(91.6mg、0.43mmol)を加えた。反応液を室温で3時間撹拌し、それを水(50mL)で希釈した。分離した水層をDCMで抽出し(50mLで2回)、合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、脱水し(MgSO4)、濾過し、減圧下に溶媒留去して、(S)−8−クロロ−3−(1−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)エチル)−キノリン−2−カルボアルデヒドを得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm10.36(1H、s)、8.59(1H、s)、7.89−7.91(1H、m)、7.82−7.86(3H、m)、7.71−7.73(2H、m)、7.57−7.61(1H、m)、6.67(1H、q、J=7.0Hz)、2.00(3H、d、J=7.0Hz)。
(S)−8−クロロ−3−(1−(13−ジオキソイソインドリン−2−イル)エチル)キノリン−2−カルボン酸
(S)−8−クロロ−3−(1−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)エチル)−キノリン−2−カルボアルデヒド(110mg、0.30mmol)およびリン酸二水素カリウム(41.0mg、0.30mmol)の2−メチル−2−ブテン(2mL)、tBuOH(2mL)、DCM(1.0mL)および水(2.0mL)中溶液を撹拌しながら、それに亜塩素酸ナトリウム(27.3mg、0.30mmol)の水(2.0mL)溶液を加えた。反応液を室温で2時間撹拌し、それを追加のリン酸二水素カリウム(41.0mg、0.30mmol)および亜塩素酸ナトリウム(27.3mg、0.30mmol)の水(2.0mL)溶液で処理した。反応液を2時間撹拌し、それを1.0Mクエン酸(40mL)および酢酸エチル(60mL)で希釈した。分離した水層を酢酸エチルで抽出し(60mLで2回)、合わせた有機層をブライン(40mL)で洗浄し、脱水し(MgSO4)、濾過し、減圧下に溶媒留去して、(S)−8−クロロ−3−(1−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)エチル)キノリン−2−カルボン酸を得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.62(1H、s)、7.72−7.84(6H、m)、7.65(1H、dd、J=5.3、2.9Hz)、6.80(1H、q、J=7.0Hz)、1.96(3H、d、J=7.0Hz)。質量スペクトラム(ESI)m/e=381.0(M+1)。
(S)−N′−アセチル−8−クロロ−3−(1−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)エチル)キノリン−2−カルボヒドラジド
(S)−8−クロロ−3−(1−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)エチル)−キノリン−2−カルボン酸(100mg、0.26mmol)のDMF(3.0mL)中溶液を撹拌しながら、それに重炭酸ナトリウム(66mg、0.79mmol)、hoat(54mg、0/39mmol)、アセチックヒドラジド(23mg、0.31mmol)およびedc(76mg、0.39mmol)を加えた。反応液を室温で2時間撹拌し、それを酢酸エチル(60mL)および水(20mL)で希釈した。分離した水層を酢酸エチル(30mL)で抽出し、合わせた有機層をLiCl(1.0M水溶液、30mL)、ブライン(30mL)で洗浄し、脱水し(MgSO4)、濾過し、減圧下に溶媒留去して、(S)−N′−アセチル−8−クロロ−3−(1−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)エチル)−キノリン−2−カルボヒドラジドを得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm10.45(1H、s)、8.88(1H、s)、8.64(1H、s)、7.70−7.84(4H、m)、7.64−7.66(2H、m)、7.52(1H、dd、J=5.3、2.9Hz)、6.87(1H、q、J=7.0Hz)、2.13(3H、s)、1.98(3H、d、J=7.0Hz)。質量スペクトラム(ESI)m/e=437.0(M+1)。
2−((S)−1−(8−クロロ−2−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)キノリン−3−イル)エチル)−イソインドリン−1,3−ジオン
(S)−N′−アセチル−8−クロロ−3−(1−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)−エチル)キノリン−2−カルボヒドラジド(85mg、0.19mmol)のTHF(1.5mL)およびトルエン(3.0mL)中溶液を撹拌しながら、それにローソン試薬(118mg、0.29mmol)を加えた。反応液をマイクロ波装置中にて120℃で20分間加熱し、冷却して室温とし、カラムクロマトグラフィー(SiO2、12g、ヘキサン:酢酸エチル、1:0から1:1)によって精製して、2−((S)−1−(8−クロロ−2−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)キノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオンを得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δppm8.63(1H、s)、7.77−7.84(4H、m)、7.70(2H、dd、J=5.3、2.9Hz)、7.46−7.51(1H、m)、7.06(1H、q、J=7.0Hz)、2.85(3H、s)、2.11(3H、d、J=7.0Hz)。
(1S)−1−(8−クロロ−2−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)キノリン−3−イル)エタンアミン
2−((S)−1−(8−クロロ−2−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−キノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオン(30mg、69μmol)のTHF(1.0mL)およびエタノール(3.0mL)中溶液を撹拌しながら、それにヒドラジン1水和物(69μL、1380μmol)を加えた。反応液を90℃で40分間加熱し、冷却して室温とし、減圧下に溶媒留去した。得られた残留物を酢酸エチル(60mL)および水(40mL)で希釈し、水層を酢酸エチル(30mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、脱水し(MgSO4)、濾過し、減圧下に溶媒留去して、(1S)−1−(8−クロロ−2−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)キノリン−3−イル)エタンアミンを得た。1H NMR(500MHz、クロロホルム−d)δppm8.62(1H、s)、7.79−7.84(2H、m)、7.49−7.52(1H、m)、5.61(1H、d、J=6.4Hz)、2.86(3H、s)、1.57(3H、d、J=6.6Hz)。質量スペクトラム(ESI)m/e=305.0(M+1)。
N−((S)−1−(8−クロロ−2−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン
(1S)−1−(8−クロロ−2−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−キノリン−3−イル)エタンアミン(9mg、30μmol)の1−ブタノール(1.5mL)中溶液を撹拌しながら、それにヒューニッヒ塩基(6μL、35μmol)および6−クロロプリン(5mg、30μmol)を加えた。反応液を130℃で16時間加熱し、冷却して室温とした。粗反応混合物を逆相HPLC(勾配:20%水/アセトニトリルから85%水/アセトニトリル)によって精製して、N−((S)−1−(8−クロロ−2−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンを得た。1H NMR(400MHz、MeOH−d4)δppm8.62(1H、s)、8.05(1H、s)、7.83−7.89(2H、m)、7.53−7.57(1H、m)、2.89(3H、s)、1.83(3H、d、J=6.6Hz)。質量スペクトラム(ESI)m/e=423.1(M+1)。
(実施例61)
8−クロロ−2−(5−フルオロ−2メトキシフェニルキノリン−3−カルボアルデヒド
2,8−ジクロロキノリン−3−カルボアルデヒド(305.8mg、1.353mmol)の3:1MeCN/H2O(12mL)中溶液を脱気したものに、5−フルオロ−2−メトキシフェニルボロン酸(252.9mg、1.488mmol)および炭酸ナトリウム(716.8mg)、そして次にPdテトラキス(78.16mg)を加えた。混合物を100℃で4時間加熱し、水に投入し、EtOAcで抽出した。クロマトグラフィー:勾配ヘキサン/EtOAc、1H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm9.90(1H、s)、8.78(1H、s)、7.91−8.00(2H、m)、7.52−7.61(2H、m)、7.22(1H、td、J=8.4、3.1Hz)、6.96(1H、dd、J=9.0、4.3Hz)、3.74(3H、s)。質量スペクトラム(ESI)m/e=343.1(M+1)。
3−(アジドメチル)−8−クロロ−2−(5−フルオロ−2−メトキシフェニル)キノリン
8−クロロ−2−(5−フルオロ−2−メトキシフェニル)キノリン−3−カルボアルデヒド(385.4mg、1.221mmol)のTHF(6.0mL)中溶液を撹拌しながら、それに室温で水素化ホウ素ナトリウム(1.831mmol)を加えた。溶液を1時間撹拌し、次に水で希釈し、EtOAcで抽出して、溶媒除去後に粗固体を得て、それをそれ以上精製せずに用いた。その粗アルコールのCHCl3(6mL)中溶液に、室温で塩化チオニル(0.445mL、6.103mmol)を加え、終夜撹拌した。14時間後、溶媒を除去した(TLCは反応完了を示している)。固体をDMF(6mL)に溶かし、アジ化ナトリウム(2.441mmol)を1回で加え、1時間撹拌し、水に投入し、EtOAcで抽出して、粗取得物を得た。373.3mgクロマトグラフィー、勾配89/9/1。
1H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm8.28(1H、s)、7.86(1H、dd、J=7.4、1.4Hz)、7.83(1H、dd、J=8.2、1.4Hz)、7.51(1H、dd、J=8.1、7.5Hz)、7.22(1H、dd、J=8.2、3.1Hz)、7.13−7.19(1H、m)、6.95(1H、dd、J=9.0、4.3Hz)、4.48(2H、s)、3.76(3H、s)。質量スペクトラム(ESI)m/e=343.1(M+1)。
(8−クロロ−2−(5−フルオロ−2−メトキシフェニル)キノリン−3−イル)メタンアミン
3−(アジドメチル)−8−クロロ−2−(5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−キノリン(210.7mg、615μmol)のTHF(5mL)およびMeOH(12mL)中溶液を撹拌しながら、それにパラジウム、10重量%/活性炭(0.329mmol)を加え、H2の入った中程度の風船下に置いた。反応は2時間後に完結し、それを濾過し(セライト(商標名))、溶媒を除去した。
クロマトグラフィー:勾配89:9:1。1H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm8.30(1H、s)、7.80(2H、ddd、J=7.9、6.5、1.3Hz)、7.49−7.50(1H、m)、7.47(1H、dd)、7.09−7.18(2H、m)、6.93(1H、dd、J=8.9、4.2Hz)、3.89(2H、brs)、3.74(3H、s)。質量スペクトラム(ESI)m/e=317.0(M+1)。
N−((8−クロロ−2−(5−フルオロ−2−メトキシフェニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン
(8−クロロ−2−(5−フルオロ−2−メトキシフェニル)キノリン−3−イル)−メタンアミン(190.4mg、0.601mmol)および6−ブロモプリン(126mg、0.631mmol)の1−ブタノール(3.300mL、36.1mmol)中混合物を撹拌しながら、それにN,N−エチルジイソプロピルアミン(0.209mL、1.20mmol)を加えた。混合物を100℃で終夜加熱した。溶媒を除去し、残留物についてクロマトグラフィー:勾配/定組成を行った。1H NMR(500MHz、DMSO−d6)δppm12.93(1H、brs)、8.28(1H、brs)、8.09(2H、s)、7.96(1H、d、J=8.1Hz)、7.91(1H、d、J=7.3Hz)、7.55(1H、t、J=7.8Hz)、7.26−7.33(1H、m)、7.21(1H、dd、J=8.6、3.2Hz)、7.15(1H、brs)、3.77(3H、s)、3.32(2H、s)。質量スペクトラム(ESI)m/e=335.1(M+1)。
(実施例62)
N 6 −((8−クロロ−2−(2−クロロフェニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−2,6−ジアミン
(8−クロロ−2−(2−クロロフェニル)キノリン−3−イル)メタンアミン(144.8mg、0.478mmol)、2−アミノ−6−クロロプリン(89.1mg、0.525mmol)およびN,N−ジイソ−プロピルエチルアミン、再蒸留品、99.5%(0.166mL、0.955mmol)の1−ブタノール、脱水、99.8%(5.24mL)中混合物を加熱還流し、終夜撹拌した。反応液を冷却し、溶媒を除去し、クロマトグラフィー、89:9:1(DCM/MeOH,NH4OH)勾配を行った。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm12.08(1H、brs)、8.36(1H、s)、8.01(1H、d、J=8.2Hz)、7.92(1H、d、J=6.3Hz)、7.47−7.71(8H、m)、5.56(2H、brs)、4.59(2H、brs)。質量スペクトラム(ESI)m/e=436.1(M+1)。
(実施例63)
N−((8−クロロ−2−(3−イソプロピルフェニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−ジアミン
(8−クロロ−2−(3−イソプロピルフェニル)キノリン−3−イル)−メタンアミン(181.7mg、585μmol)の1−ブタノール(3210μL、35075μmol)中溶液を撹拌しながら、それにN,N−ジイソプロピルエチルアミン(204μL、1169μmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(204μL、1169μmol)を加え、ゆっくり加熱して100℃とし、24時間加熱し、加熱から外し、溶媒を除去した。勾配89:9:1(DCM/MeOH,NH4OH):0%から20%勾配(15分)定組成20%、(10分)20から50勾配、(10分)、そして定組成50% 10分でのクロマトグラフィー精製を行って、純粋な所望の生成物を得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm12.97(1H、brs)、8.34(1H、s)、8.12(2H、s)、7.94(1H、dd、J=8.3、1.1Hz)、7.91(1H、dd、J=7.5、1.3Hz)、7.62(1H、s)、7.46−7.55(3H、m)、7.39(1H、d、J=7.2Hz)、4.84(1H、brs)、2.95−3.03(1H、m)、1.25(6H、d、J=7.0Hz)。質量スペクトラム(ESI)m/e=429.2(M+1)。
(実施例64)
2−((S)−1−(8−クロロ−2−(6−メチルピリジン−2−イル)キノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオン
(S)−2−(1−(2,8−ジクロロキノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオン(254.3mg、0.685mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(79.16mg、68.50μmol)、2−メチル−6−(トリブチルスタンニル)ピリジン(523.6mg、1.37mmol)のジオキサン(脱気)中混合物を撹拌しながら、それを100℃で28時間加熱し、LC−MSによって反応は完結しており、溶媒を除去し、89:9:1(DCM:MeOH:NH4OH)勾配でクロマトグラフィー精製した。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.78(1H、s)、8.15(1H、dd、J=8.3、1.3Hz)、7.98(1H、dd、J=7.5、1.3Hz)、7.73−7.78(2H、m)、7.58−7.69(4H、m)、7.36(1H、d、J=7.6Hz)、7.16(1H、d、J=7.6Hz)、6.11−6.19(1H、m)、2.33(3H、s)、1.82(3H、d、J=7.0Hz)。
質量スペクトラム(ESI)m/e=427.9(M+1)。
(1S)−1−(8−クロロ−2−(6−メチルピリジン−2−イル)キノリン−3−イル)エチル)エタンアミン
フラスコに、エタノール95%(12.2mL)中に2−((S)−1−(8−クロロ−2−(6−メチルピリジン−2−イル)キノリン−3−イル)−エチル)イソインドリン−1,3−ジオン(260.0mg、0.608mmol)を入れ、ヒドラジン水和物(0.189mL、6.076mmol)を加え、次に還流を行った。2時間後、追加の10当量のヒドラジンを加え、還流を3時間続けた。全ての溶媒を除去し、残留物を89:9:1(DCM:MeOH:NH4OH)でクロマトグラフィー精製した。1H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm8.37(1H、s)、7.90(1H、d、J=7.4Hz)、7.68−7.75(3H、m)、7.38(1H、dd、J=8.2、7.4Hz)、7.17(1H、d、J=7.4Hz)、4.69(1H、q、J=6.7Hz)、2.58(3H、s)、1.43(3H、d、J=6.8Hz)。質量スペクトラム(ESI)m/e=298.0(M+1)。
N−((S)−1−(8−クロロ−2−(6−メチルピリジン−2−イル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン
(1S)−1−(8−クロロ−2−(6−メチルピリジン−2−イル)キノリン−3−イル)−エタンアミン(146mg、0.49mmol)の1−ブタノール(5.4mL、59mmol)中溶液を撹拌しながら、それに6−ブロモプリン(0.107g、0.54mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.17mL、0.98mmol)を加え、終夜にて加熱した(110℃)。溶媒を除去し、残留物について勾配89:9:1(DCM:MeOH:NH4OH)でのクロマトグラフィーを行った。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm12.84(1H、brs)、8.67(1H、s)、8.38(1H、brs)、8.03−8.10(1H、m)、7.84−7.98(5H、m)、7.56(1H、t、J=7.8Hz)、7.36(1H、d、J=5.5Hz)、6.03(1H、brs)、2.58(3H、brs)、1.66(3H、d、J=6.3Hz)。質量スペクトラム(ESI)m/e=415.9(M+1)。
(実施例65)
Mcpba(8.7g、50mmol)を室温で、3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(5.0g、42mmol)の酢酸(84mL、1469mmol)中溶液に加えた。混合物を3時間撹拌した。得られた沈殿を濾過し、Et2Oで洗ったところ、4−アザベンズイミダゾール−N−オキサイドが得られた。4−アザベンズイミダゾール−N−オキサイド(2.00g、14.8mmol)に、オキシ塩化リン(25.00mL、266mmol)を室温で加えた。溶液を加熱して90℃として18時間経過させた。溶液を冷却し、残りのPOCl3を減圧下に留去した。残留物をCH3CNに溶かし、氷水をゆっくり加えることで反応停止した。混合物を50%NaOH溶液でpH9の塩基性とした。室温で、得られた沈殿を濾過した。回収した固体をMeOHに溶かし、不溶残留物を濾過によって除去した。濾液を濃縮し、残留物を3:7EtOAc−ヘキサンを用いるシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、7−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(1.20g、52.8%)を得た。ジ−tert−ブチルピロカーボネート(1193mg、5465μmol)、7−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(0.763g、4968μmol)のアセトニトリル(15mL)中混合物に、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(61mg、497μmol)を加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。溶媒留去、0%から25%EtOAc/ヘキサンを用いるシリカゲルでの残留物のフラッシュクロマトグラフィーによって、7−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−カルボン酸tert−ブチルを得た。質量スペクトラム(ESI)m/e=253.0(M+1)。
密閉したフラスコに、A−1216USPSPでの手順Eで製造された(8−クロロ−2−(2−クロロフェニル)キノリン−3−イル)−メタンアミン、7−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−カルボン酸tert−ブチル(109mg、429μmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.075mL、429μmol)および1−ブタノール(2.0mL、21856μmol)を入れた。混合物を180℃で120分間にわたってマイクロ波処理した。冷却して室温とした後、混合物を濃縮し、残留物をMeOHで希釈した。溶液をHPLC、35分での25%から45%のBによって精製した。回収した分画をCH2Cl2に溶かし、NaHCO3水溶液で洗浄することで中和し、CH2Cl2層を脱水し、濃縮して、N−((8−クロロ−2−(2−クロロフェニル)−キノリン−3−イル)メチル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−7−アミンを得た(20.2mg、15%)。1H NMR(DMSO−d6)δppm12.72(1H、s)、8.43(1H、s)、8.15(1H、s)、8.09(1H、d、J=8.0Hz)、8.05(1H、d、J=8.0Hz)、7.73−7.80(2H、m)、7.63−7.70(4H、m)、7.45(1H、s)、6.13(1H、d、J=8.0Hz)、4.60(2H、br)。質量スペクトラム(ESI)m/e=420.0(M+1)。
(実施例66)
上記または他の類似の合成技術を用い、適切な試薬に置き換えて、下記の化合物を製造した。
N−((8−クロロ−3−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)キノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン。1H NMR(MeOD)δppm8.11(1H、s)、8.08(1H、br)、8.03(1H、d、J=8.5Hz)、7.97(1H、d、J=8.5Hz)、7.89(1H、d、J=8.5Hz)、7.80(1H、t、J=8.5Hz)、7.68−7.75(4H、m)。質量スペクトラム(ESI)、m/e=456.1(M+1)。
手順Hの場合と同一または類似の合成技術を用い、適切な試薬に置き換えて、下記の化合物を製造した。
(実施例67)
2−(3−((9H−プリン−6−イルアミノ)メチル)−8−クロロキノリン−2−イル)−N,N−ジメチルベンズアミド。1H NMR(DMSO−d6)δppm8.39(1H、s)、8.23(1H、s)、8.19(1H、s)、8.01(1H、d、J=8.0Hz)、7.96(1H、d、J=8.0Hz)、7.82(1H、br)、7.52−7.64(4H、m)。質量スペクトラム(ESI)m/e=458.2(M+1)。
(実施例68)
N−((8−クロロ−2−(2−イソプロピルフェニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン。1H NMR(DMSO−d6)δppm8.30(1H、s)、8.14(1H、br)、8.09(1H、s)、7.97(1H、d、J=8.0Hz)、7.90(1H、d、J=8.0Hz)、7.45−7.57(3H、m)、7.31−7.36(2H、m)、2.62−2.69(1H、m)、1.15−1.22(6H、m)。質量スペクトラム(ESI)m/e=429.2(M+1)。
(実施例69)
N−((8−クロロ−2−(2−フェニルフェニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン。1H NMR(DMSO−d6)δppm8.13(1H、s)、8.09(1H、br)、8.03(1H、s)、7.86(2H、t、J=8.0Hz)、7.45−7.57(4H、m)、7.20−7.25(2H、m)、7.13−7.18(2H、m)。質量スペクトラム(ESI)m/e=463.1(M+1)。
(実施例70)
N−((2−(2−(2H−テトラゾール−5−イル)フェニル)−8−クロロキノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン。1H NMR(DMSO−d6)δppm8.24(1H、s)、8.11(2H、br)、7.07(2H、t、J=8.0Hz)、7.95(1H51、J=8.0Hz)、7.86(1H、t、J=8.0Hz)、7.50−7.63(4H、m)。質量スペクトラム(ESI)m/e=455.2(M+1)。
(実施例71)
N−((6,7−ジクロロ−2−(2−クロロフェニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン。1H NMR(DMSO−d6)δppm8.29(1H、s)、8.14(1H、s)、8.01(2H、br)、7.97(1H、s)、7.55(1H、t、J=8.0Hz)、7.41−7.50(4H、m)、質量スペクトラム(ESI)m/e=457.0(M+1)。
(実施例72)
N−((7−クロロ−2−(2−クロロフェニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン。1H NMR(DMSO−d6)δppm8.35(1H、s)、8.13(1H、br)、8.09(3H、br)、8.07(1H、s)、7.59−7.66(2H、m)、7.43−7.55(3H、m)。質量スペクトラム(ESI)m/e=421.1(M+1)。
(実施例73)
N−((8−クロロ−2−(1H−ピラゾール−4−イル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン。1H NMR(DMSO−d6)δppm13.30(0.5H、s)、13.02(0.5H、s)、8.47(0.5H、s)、8.10−8.28(3.5H、m)、7.82−7.92(2H、m)、7.44(1H、t、J=8.0Hz)、5.07(1H、s)。質量スペクトラム(ESI)m/e=377.0(M+1)。
(実施例74)
N−((8−クロロ−2−(イソチアゾール−5−イル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン。1H NMR(DMSO−d6)δppm8.72(1H、s)、8.45(1H、br)、8.17(2H、br)、8.08(1H、s)、7.96−8.02(2H、m)、7.58(1H、t、J=8.0Hz)。質量スペクトラム(ESI)m/e=394.1(M+1)。
(実施例75)
N−((8−クロロ−2−(2−クロロピリジン−3−イル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン。1H NMR(DMSO−d6)δppm8.49(1H、s)、8.37(1H、d、J=8.0Hz)、8.09(1H、s)、8.08(1H、br)、7.90−7.98(3H、m)、7.59(1H、t、J=8.0Hz)、7.36(1H、dd、J=8.0、8.0Hz)。質量スペクトラム(ESI)m/e=422.0(M+1)。
(実施例76)
N−((8−クロロ−2−(4−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン。1H NMR(MeOD)δppm8.75(1H、s)、8.69(1H、d、J=8.0Hz)、8.41(1H、s)、7.98(1H、s)、7.95(1H、br)、7.84(1H、d、J=8.0Hz)、7.81(1H、d、J=8.0Hz)、7.67(1H、d、J=8.0Hz)、7.50(1H、t、J=8.0Hz)。質量スペクトラム(ESI)m/e=456.1(M+1)。
(実施例77)
N−((8−クロロ−2−(ピラジン−2−イル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン。1H NMR(DMSO−d6)δppm9.43(1H、s)、8.80−8.85(2H、m)、8.49(1H、s)、8.08(2H、br)、8.01(1H、d、J=8.0Hz)、7.98(1H、d、J=8.0Hz)、7.61(1H、t、J=8.0Hz)。質量スペクトラム(ESI)m/e=389.0(M+1)。
実施例109の場合と同じまたは類似の合成技術を用い、適切な試薬に置き換え、下記に示したさらに二つの異なる段階を行って、下記の化合物を製造した。
(実施例78)
N−((S)−1−(8−クロロ−2−(2−エチル−5−フルオロピリジン−3−イル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン。1H NMR(MeOD)δppm8.71(1H、s)、8.28−8.57(3H、m)、7.85−8.07(3H、m)、7.64(1H、t、J=8.0Hz)、1.84(1.5H、br)、1.69(1.5H、br)、1.28(1.5H、br)、1.16(1.5H、br)。質量スペクトラム(ESI)m/e=448.1(M+1)。
(実施例79)
N−((S)−1−(8−クロロ−2−(5−フルオロピリジン−3−イル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン。1H NMR(MeOD)δppm8.80(1H、s)、8.67(1H、s)、8.58(1H、br)、8.48(1H、br)、8.43(1H、br)、8.11(1H、br)、7.97(1H、d、J=8.0Hz)、7.94(1H、d、J=8.0Hz)、7.61(1H、t、J=8.0Hz)、1.76(3H、d、J=8.0Hz)。質量スペクトラム(ESI)m/e=420.1(M+1)。
(実施例80)
(S)−2−(1−(2,8−ジクロロキノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオン(120.0mg、323μmol)、2−クロロ−5−フルオロピリジン−3−イルボロン酸(57mg、323μmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(37mg、32μmol)、フッ化セシウム(147mg、970μmol)およびヨウ化銅(I)(12mg、65μmol)の1,2−エタンジオール、ジメチルエーテル(3.0mL、323μmol)中混合物を、100℃で1時間にわたりマイクロ波で処理し、冷却して室温とした。得られた混合物を濾過し、EtOAcで洗い、濾液を回収し、濃縮した。シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー、勾配溶離、0%から100%EtOAc/ヘキサンによって残留物を精製して、2−((S)−1−(8−クロロ−2−(2−クロロ−5−フルオロピリジン−3−イル)キノリン−3−イル)−エチル)イソインドリン−1,3−ジオンを得た。質量スペクトラム(ESI)m/e=466.0(M+1)。
2−((S)−1−(8−クロロ−2−(2−クロロ−5−フルオロピリジン−3−イル)キノリン−3−イル)−エチル)イソインドリン−1,3−ジオン(192.7mg、413μmol)、ジオキサン(15mL、175989μmol)、トリエチルアルミニウム(236mg、2066μmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(96mg、83μmol)の混合物をN2下に4時間還流し、冷却して室温とした。反応混合物をHCl(2N)で酸性とし、溶媒留去した。残留物を水で希釈し、NaOH(20%)で塩基性とし、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出液を水、ブラインで洗浄し、脱水し、濃縮した。残留物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー、勾配溶離、0%から100%EtOAc/ヘキサンによって精製して、2−((S)−1−(8−クロロ−2−(2−エチル−5−フルオロピリジン−3−イル)キノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオン、質量スペクトラム(ESI)m/e=460.1(M+1)および2−((S)−1−(8−クロロ−2−(5−フルオロピリジン−3−イル)キノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオン、質量スペクトラム(ESI)m/e=432.1(M+1)を得た。
(実施例81)
N−((5−クロロ−3−(2−クロロフェニル)キノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンの製造
3−クロロベンゼン−1,2−ジアミン
3−クロロ−2−ニトロアニリン(10.00g、57.95mmol)、3N水溶液HCl(96.58mL、289.7mmol)およびエチルアルコール(148.6mL、57.95mmol)の溶液に塩化スズ(II)・2水和物(65.96g、289.7mmol)を加え、混合物を撹拌しながら還流下に加熱した。3時間後、混合物を冷却して室温とし、減圧下に濃縮して褐色シロップを得た。混合物を注意深く過剰の10M KOH(115.9mL、1159mmol、20当量)で処理した。混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、セライト(商標名)層で濾過し、その層をEtOAcで十分に洗浄した(100mLで2回)。濾液をEtOAcで抽出した(100mLで2回)。合わせた有機層を水で洗浄し(100mLで1回)、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、3−クロロベンゼン−1,2−ジアミンを赤色油状物として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm6.43−6.53(2H、m)、6.38(1H、t、J=7.8Hz)、4.80(2H、s)、4.60(2H、s);LC−MS(ESI)m/z142.9[M+H]+。粗生成物を、精製せずに次の段階にそのまま用いた。
1−(2−クロロフェニル)プロパン−1,2−ジオン
2−クロロフェニルアセトン(10.800g、64.049mmol)のCH2Cl2(279mL)中溶液に、クロロクロム酸ピリジニウム(41.418g、192.15mmol)およびピリジン(16mL)を2.5時間かけて3回にわけて加え、混合物を高撹拌下に還流した。22時間後、混合物を加熱から外した。混合物を減圧下に濃縮して暗赤色シロップを得た。粗混合物を、28分間かけての0%から10%勾配のEtOAc/ヘキサンを用いるRedi−Sep(商標名)カラム120gでのカラムクロマトグラフィーによって精製し溶離液として、1−(2−クロロフェニル)プロパン−1,2−ジオンを黄色液体として得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm7.66(1H、dd、J=7.6、1.8Hz)、7.49−7.54(1H、m)、7.38−7.45(2H、m)、2.58(3H、s);LC−MS:m/z182.9[M+H]+。
3−ブロモ−1−(2−クロロフェニル)プロパン−1,2−ジオン
1−(2−クロロフェニル)プロパン−1,2−ジオン(4.2379g、23.208mmol)、臭素(1.1891mL、23.208mmol)および氷酢酸(0.67005mL、11.604mmol)のクロロホルム(58.020mL、23.208mmol)中混合物を60℃で加熱した。60℃で17時間撹拌した後、混合物を加熱から外し、減圧下に濃縮して、3−ブロモ−1−(2−クロロフェニル)プロパン−1,2−ジオンを橙赤色液体として得た。LC−MS:m/zのピーク261.0[M+H(79Br)]+および262.9[M+H(81Br)−]+。得られた橙赤色液体を、精製せずに次の段階にそのまま用いた。
3−(ブロモメチル)−5−クロロ−2−(2−クロロフェニル)キノキザリンおよび2−(ブロモメチル)−5−クロロ−3−(2−クロロフェニル)キノキザリン
3−ブロモ−1−(2−クロロフェニル)プロパン−1,2−ジオン(6.0689g、23.208mmol)のEtOAc(100mL)中溶液に3−クロロベンゼン−1,2−ジアミン(3.3091g、23.208mmol)のEtOAc(54.7mL)中溶液を室温で加え、得られた赤色混合物を室温で撹拌した。室温で6時間撹拌した後、混合物を減圧下に濃縮して、3−(ブロモメチル)−5−クロロ−2−(2−クロロフェニル)キノキザリンおよび2−(ブロモメチル)−5−クロロ−3−(2−クロロフェニル)キノキザリンの混合物を赤色シロップとして得た。LC−MS(ESI)m/z369.0[M+H]+。粗生成物を、精製せずに次の段階にそのまま用いた。
(8−クロロ−3−(2−クロロフェニル)キノキザリン−2−イル)メタンアミンおよび(5−クロロ−3−(2−クロロフェニル)キノキザリン−2−イル)メタンアミン
3−(ブロモメチル)−5−クロロ−2−(2−クロロフェニル)キノキザリンおよび2−(ブロモメチル)−5−クロロ−3−(2−クロロフェニル)−キノキザリン(8.5418g、23.21mmol)の混合物のDMF(100.0mL、23.21mmol)中溶液を撹拌しながら、それに室温でアジ化ナトリウム(3.017g、46.42mmol)を加え、混合物を室温で撹拌した。40分後、混合物をEtOAc(200mL)とH2O(100mL)との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し(100mLで1回)、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、2−(アジドメチル)−5−クロロ−3−(2−クロロフェニル)キノキザリンを褐色液体として得た。LC−MS(ESI)m/zの主要ピーク330.1[M+H]+。粗生成物を、精製せずに次の段階にそのまま用いた。
2−(アジドメチル)−5−クロロ−3−(2−クロロフェニル)キノキザリン(7.6630g、23.21mmol)のTHF−H2O(4:1)(100mL)中溶液を撹拌しながら、それに室温でトリメチルホスフィン、1.0M THF溶液(27.85mL、27.85mmol)を滴下し、混合物を室温で撹拌した。1時間後、混合物を氷冷1N NaOH(100mL)で希釈し、EtOAcで抽出した(100mLで3回)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(100mLで3回)、Na2SO4で脱水し、減圧下に濃縮して、緑色シロップを得た。その緑色シロップを溶離液として42分間にわたる3%の定組成CH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に27分間かけた3%から100%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に5分間にわたる100%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるRedi−Sep(商標名)カラム120gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、暗褐色シロップとしての(8−クロロ−3−(2−クロロフェニル)キノキザリン−2−イル)メタンアミン:1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.07−8.15(2H、m)、7.81−7.90(1H、m)、7.65−7.71(1H、m)、7.52−7.66(3H、m)、3.85(2H、s)、2.23(2H、brs);LC−MS(ESI)m/z304.0および306.0[M+H]+および赤褐色シロップ状固体としての(5−クロロ−3−(2−クロロフェニル)−キノキザリン−2−イル)メタンアミン:1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.15(1H、dd、J=8.2、1.2Hz)、8.05(1H、dd、J=7.8、1.2Hz)、7.85−7.93(1H、m)、7.67−7.72(1H、m)、7.53−7.66(3H、m)、3.83(2H、s)、2.07(2H、brs);LC−MS(ESI)m/z304.0および306.0[M+H]+という2種類の位置異性体を得た。二つの位置異性体の構造は、NOESY実験によって確認した。
N−((5−クロロ−3−(2−クロロフェニル)キノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン
6−ブロモプリン(0.4553g、2.288mmol)、(5−クロロ−3−(2−クロロフェニル)キノキザリン−2−イル)メタンアミン(0.6959g、2.288mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.7970mL、4.576mmol)の1−ブタノール(13.46mL、2.288mmol)中混合物を100℃で撹拌した。3.5時間後、混合物を加熱から外し、減圧下に濃縮した。残留物を溶離液として50%のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、明黄色固体を得た。その明黄色固体をCH2Cl2−ヘキサン(1:1)に懸濁させ、濾過して、明黄色固体としてN−((5−クロロ−3−(2−クロロフェニル)キノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンを得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm12.93(1H、s)、8.02−8.16(4H、m)、7.95(1H、brs)、7.83−7.90(1H、m)、7.61−7.72(2H、m)、7.53−7.59(1H、m)、7.47−7.53(1H、m)、4.72−4.98(2H、m)、89676−20−1−1H−NMR;LC−MS(ESI)m/z422.0および424.0[M+H]+。
(実施例82)
N−((8−クロロ−2−(2−クロロフェニル)キノリン−3−イル)−メチル)モルホリン−4−アミンの製造
8−クロロ−3−(クロロメチル)−2−(2−クロロフェニル)キノリン(実施例2で製造)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.584mL、3.35mmol)およびヨウ化リチウム(0.00566mL、0.148mmol)のDMF(7mL)中混合物に、4−アミノモルホリン(0.0647mL、0.670mmol)を加え、混合物を50℃で撹拌した。19時間後、混合物を減圧下に濃縮して黄色油状物を得た。粗混合物を、溶離液として14分かけての0%から100%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に10分間にわたる100%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、N−((8−クロロ−2−(2−クロロフェニル)−キノリン−3−イル)メチル)モルホリン−4−アミンを明黄色泡状物(シロップ)として得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm8.39(1H、s)、7.73−7.88(2H、m)、7.37−7.53(5H、m)、3.78−4.07(2H、m)、3.64(4H、t、J=4.7Hz)、2.53(4H、s);LC−MS(ESI)m/z388.0および390.1[M+H]+。
(実施例83)
TFA塩としてのN−((3−(2−クロロフェニル)−8−メチルキノキザリン−2−イル)メチル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−4−アミンおよびTFA塩としてのN−((3−(2−クロロフェニル)−5−メチルキノキザリン−2−イル)メチル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−4−アミンの製造
4−クロロチエノ[3,2−d]ピリミジン(0.1200g、0.7033mmol)、(3−(2−クロロフェニル)−8−メチルキノキザリン−2−イル)メタンアミンおよび(3−(2−クロロ−フェニル)−5−メチルキノキザリン−2−イル)メタンアミン(実施例18および19で製造、0.2276g、0.8018mmol)の混合物およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.2450mL、1.407mmol)のEtOH(4mL)中混合物を75℃で撹拌した。20.5時間後、混合物を加熱から外し、減圧下に濃縮して褐色シロップを得た。その褐色シロップを、溶離液として14分間かけての0%から100%勾配のEtOAc/ヘキサンと次に5分間にわたる100%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、二つの位置異性体の混合物を褐色泡状物型シロップとして得た。その褐色泡状物型シロップ(0.1333g)を、溶離液として40分間かけての20%から50%勾配のCH3CN(0.1%TFA含有)/水(0.1%TFA含有)を用いるジェミニ(Gemini;商標名)10μC18カラム(250×21.2mm、10μm)での半分取HPLCによって精製して、白色固体としてのTFA塩としてのN−((3−(2−クロロフェニル)−8−メチル−キノキザリン−2−イル)メチル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン:1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm9.58(1H、s)、8.56(1H、s)、8.37(1H、d、J=5.5Hz)、7.93−7.98(1H、m)、7.76−7.80(1H、m)、7.72−7.76(1H、m)、7.54−7.62(2H、m)、7.44−7.50(2H、m)、7.37−7.43(1H、m)、5.00(2H5brs)、2.59(3H、s);LC−MS(ESI)m/z418.0[M+H]+およびオフホワイト固体としてのTFA塩としてのN−((3−(2−クロロフェニル)−5−メチルキノキザリン−2−イル)メチル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン:1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm9.77(1H、brs)、8.55(1H、s)、8.37(1H、d、J=5.5Hz)、7.89−7.95(1H、m)、7.77−7.82(1H、m)、7.73−7.76(1H、m)、7.63(1H、dd、J=7.4、1.6Hz)、7.54−7.58(1H、m)、7.43−7.49(2H、m)、7.37−7.42(1H、m)、4.99(2H、brs)、2.69(3H、s);LC−MS(ESI)m/z 1.498分で418.0[M+H]+、(中性型の精密質量417.081)という二つの分離された位置異性体を得た。
(実施例84)
TFA塩としてのN−((3−(2−クロロフェニル)−8−フルオロキノキザリン−2−イル)−メチル)−9H−プリン−6−アミンおよびTFA塩としてのN−((3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロキノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンの製造
3−(ブロモメチル)−2−(2−クロロフェニル)−5−フルオロキノキザリンおよび2−(ブロモメチル)−3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロキノキザリン
3−ブロモ−1−(2−クロロフェニル)プロパン−1,2−ジオン(実施例81で製造、2.3832g、9.114mmol)のEtOAc(61mL)中溶液に、3−フルオロベンゼン−1,2−ジアミンの溶液(1.150g、9.114mmol)を室温で加え、得られた赤色混合物を室温で撹拌した。3時間後、混合物を減圧下に濃縮して、二つの位置異性体の混合物を黒色シロップとして得た。その黒色シロップを、溶離液として25分間かけての0%から50%勾配のEtOAc/ヘキサンおよび次に4分間にわたる100%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sep(商標名)カラム80gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、赤色シロップとしての3−(ブロモメチル)−2−(2−クロロフェニル)−5−フルオロキノキザリンおよび2−(ブロモメチル)−3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロキノキザリンの混合物を得た。LC−MS(ESI)m/z351.0[M+H(79Br)]+および352.9[M+H(81Br)]+の二つのピーク。その粗生成物を、それ以上精製せずに次の段階で用いた。
(3−(2−クロロフェニル)−8−フルオロキノキザリン−2−イル)メタンアミンおよび(3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロキノキザリン−2−イル)メタンアミン)
3−(ブロモメチル)−2−(2−クロロフェニル)−5−フルオロキノキザリンおよび2−(ブロモメチル)−3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロキノキザリン(0.7617g、2.166mmol)の混合物のDMF(11mL)中溶液を撹拌しながら、それにアジ化ナトリウム(0.2113g、3.250mmol)を室温で加え、混合物を室温で撹拌した。50分後、混合物をEtOAc(100mL)とH2O(100mL)との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し(50mLで1回)、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、3−(アジドメチル)−2−(2−クロロフェニル)−5−フルオロキノキザリンおよび2−(アジドメチル)−3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロキノキザリンの混合物を暗赤色シロップとして得た。LC−MS(ESI)m/z314.0[M+H]+。粗生成物を、精製せずに次の段階にそのまま用いた。
3−(アジドメチル)−2−(2−クロロフェニル)−5−フルオロキノキザリンおよび2−(アジドメチル)−3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロキノキザリン(0.6796g、2.166mmol)の混合物のTHF−H2O(4:1)(10mL)中溶液を撹拌しながら、それにトリメチルホスフィン、1.0M THF溶液(2.600mL、2.600mmol)を室温で滴下し、混合物を室温で撹拌した。1時間後、その混合物に、EtOAc(100mL)を加え、混合物を1N HClで抽出した(60mLで3回)。合わせた抽出液を固体重炭酸ナトリウムで中和し、EtOAcで抽出した(50mLで2回)。合わせた有機抽出液をブラインで洗浄し(50mLで2回)、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、粗生成物をバイオレット色シロップとして得た(0.3319g)。そのバイオレット色シロップを、溶離液として2分間かけての0%から15%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、5分間にわたる15%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に3分間かけての15%から100%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、5分間にわたる30%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、そして9分間かけての30%から100%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に3分間にわたる100%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)を用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、3−(2−クロロフェニル)−8−フルオロキノキザリン−2−イル)メタンアミンおよび(3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロキノキザリン−2−イル)メタンアミンの混合物を暗緑色シロップとして得た。LC−MS(ES)m/z288.1[M+H]+。その二つの位置異性体の混合物を、それ以上精製せずに次の段階で用いた。
TFA塩としてのN−((3−(2−クロロフェニル)−8−フルオロキノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンおよびTFA塩としてのN−((3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロキノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン
6−クロロプリン(0.171g、1.11mmol)、((3−(2−クロロフェニル)−8−フルオロキノキザリン−2−イル)メタンアミンと(3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロキノキザリン−2−イル)メタンアミン)(0.3186g、1.11mmol)の混合物およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.386mL、2.21mmol)のEtOH(6.5mL)中混合物を75℃で撹拌した。19時間後、混合物を加熱から外し、減圧下に濃縮して橙赤色シロップを得た。その橙赤色シロップを、溶離液として14分間かけての0%から100%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2および5分間にわたる100%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)を用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでクロマトグラフィー精製して、二つの位置異性体の混合物を褐色固体として得た。その褐色固体(0.0635g)を、溶離液として40分間かけての20%から50%勾配のCH3CN(0.1%TFA含有)/水(0.1%TFA含有)を用いるジェミニ(商標名)10μC18カラム(250×21.2mm、10μm)での半分取HPLCによって精製して(1.0mL(約20mg)を3回注入)、二つの位置異性体:白色固体としてのTFA塩としてのN−((3−(2−クロロフェニル)−8−フルオロキノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン:1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.55(1H、brs)、8.25(2H、d、J=20.7Hz)、7.99(1H、d、J=8.2Hz)、7.84−7.92(1H、m)、7.72−7.80(1H、m)、7.67(1H、dd、J=7.2、1.8Hz)、7.63(1H、dd、J=8.0、1.0Hz)、7.51−7.57(1H、m)、7.46−7.51(1H、m)、4.90(2H、s);LC−MS(ESI)m/z406.0[M+H]+(中性型の精密質量:405.09)およびオフホワイト固体としてのTFA塩としてのN−((3−(2−クロロフェニル)−5−フルオロキノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン:1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.44(1H、brs)、8.17−8.30(2H、m)、7.93−7.99(1H、m)、7.85−7.93(1H、m)、7.71−7.78(1H、m)、7.68(1H、dd、J=7.2、1.8Hz)、7.62−7.66(1H、m)、7.53−7.59(1H、m)、7.48−7.53(1H、m)、4.88(2H、brs);LC−MS(ESI)m/z406.0[M+H]+(中性型の精密質量:405.09)を得た。
(実施例85)
N−((5−クロロ−3−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)−キノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンの製造
8−クロロ−3−メチルキノキザリン−2(1H)−オンおよび5−クロロ−3−メチルキノキザリン−2(1H)−オン
ピルビン酸エチル(11.523mL、103.70mmol)および3−クロロベンゼン−1,2−ジアミン(実施例81で製造、14.7866g、103.70mmol)のポリリン酸(100.00g)中混合物を、115℃で撹拌・加熱した。6時間後、混合物を冷却して室温とし、水(500mL)と十分に混和し、10N NaOH(180mL)で中和した。得られた沈殿を濾過によって回収し、固体を水(1000mL)で洗浄し、乾燥させて、クロロ−3−メチルキノキザリン−2(1H)−オンおよび5−クロロ−3−メチルキノキザリン−2(1H)−オンの混合物を暗褐色固体として得た。暗褐色固体を、溶離液として5分間にわたる100%ヘキサン、次に9.5分間かけての0%から18%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に23.2分間にわたる18%定組成のEtOAc/ヘキサン、次に48分間かけての18%から100%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に10分間にわたる100%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sep(商標名)カラム330gでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、二つの分離された位置異性体:橙赤色固体としての8−クロロ−3−メチルキノキザリン−2(1H)−オン:1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm11.88(1H、s)、7.68(1H、dd、J=7.8、1.2Hz)、7.58−7.63(1H、m)、7.28(1H、t、J=8.0Hz)、2.43(3H、s);LC−MS(ESI)m/z195.1[M+H]+および橙赤色固体としての5−クロロ−3−メチル−キノキザリン−2(1H)−オン:1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm12.48(1H、s)、7.37−7.47(2H、m)、7.23(1H、dd、J=7.8、1.6Hz)、2.44(3H、s);LC−MS(ESI)m/z195.1[M+H]+を得た。
3,5−ジクロロ−2−メチルキノキザリン
8−クロロ−3−メチルキノキザリン−2−オール(1.0765g、5.5314mmol)およびオキシ塩化リン(10.127mL、110.63mmol)の混合物を100℃で撹拌した。3時間後、混合物を冷却して室温とした。混合物を撹拌しながら氷(約100mL)に投入し、撹拌しながらNH4OH(30mL)および氷で中和した。得られた沈殿を濾過によって回収し、水(200mL)で洗い、乾燥して、3,5−ジクロロ−2−メチルキノキザリンをピンク固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSOd6)δppm7.98−8.07(2H、m)、7.84(1H、dd、J=8.3、7.7Hz)、2.79(3H、s);LC−MS(ESI)m/z213.0[M+H]+。そのピンク固体を、精製せずに次の段階にそのまま用いた。
5−クロロ−2−メチル−3−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)キノキザリン
3,5−ジクロロ−2−メチルキノキザリン(1.1209g、5.261mmol),2−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(1.099g、5.787mmol)、テトラキス(トリフェニル−ホスフィン)パラジウム(0.3040g、0.2630mmol)および無水炭酸ナトリウム(2.788g、26.30mmol)のCH3CN−H2O(3:1)(53mL)中混合物を、100℃で撹拌した。13.5時間後、混合物を冷却して室温とし、EtOAc(100mL)と水(100mL)との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し(50mLで3回)、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、赤色シロップを得た。その赤色シロップを、溶離液として25分間かけての0%から50%勾配のEtOAc/ヘキサンおよび次に20分間にわたる50%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sep(商標名)カラム80gでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、5−クロロ−2−メチル−3−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)キノキザリンを赤色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.09(1H、dd、J=8.4、1.4Hz)、8.02(1H、dd、J=7.6、1.2Hz)、7.98(1H、d、J=7.8Hz)、7.73−7.92(4H、m)、2.47(3H、s);LC−MS(ESI)m/z323.0[M+H]+。
2−(ブロモメチル)−5−クロロ−3−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)キノキザリン
5−クロロ−2−メチル−3−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)キノキザリン(1.4455g、4.479mmol)および1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(0.6404g、2.240mmol)を、四塩化炭素(44.79mL、4.479mmol)に懸濁させた。その混合物に、過酸化ベンゾイル(0.1447g、0.4479mmol)を加え、混合物を加熱還流させた。21.5時間後、混合物を冷却して室温とし、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として2分間かけての0%から9%勾配のEtOAc/ヘキサン、13分間にわたる9%定組成のEtOAc、次に23分間かけての9%から100%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に4分間にわたる100%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sep(商標名)カラム80gでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、2−(ブロモメチル)−5−クロロ−3−(2−(トリフルオロメチル)−フェニル)キノキザリンを黄色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.18(1H、dd、J=8.4、1.4Hz)、8.13(1H、dd、J=7.8、1.2Hz)、7.81−8.03(5H、m)、4.69(2H、dd、J=88.4、10.2Hz);LC−MS(ESI)m/z400.9および403.0[M+H]+。
(5−クロロ−3−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)キノキザリン−2−イル)メタンアミン
2−(ブロモメチル)−5−クロロ−3−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)−キノキザリン(0.7173g、1.786mmol)のDMF(8.930mL、1.786mmol)中溶液を撹拌しながら、それに室温でアジ化ナトリウム(0.2322g、3.572mmol)を加え、混合物を室温で撹拌した。30分後、混合物をEtOAc(100mL)とH2O(100mL)との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し(50mLで1回)、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、青みかかった褐色シロップを得た。青みかかった褐色シロップを、溶離液として14分間かけての0%から50%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に5分間にわたる50%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、2−(アジドメチル)−5−クロロ−3−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)キノキザリンを得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.20(1H、dd、J=8.6、1.2Hz)、8.10−8.14(1H、m)、7.99(1H、d、J=7.8Hz)、7.95(1H、dd、J=8.4、7.6Hz)、7.79−7.91(3H、m)、4.41−4.67(2H、m);LC−MS(ESI)m/zの主要ピーク364.0[M+H]+。その粗生成物を、精製せずにそのまま次の段階で用いた。2−(アジドメチル)−5−クロロ−3−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)−キノキザリン(0.5736g、1.58mmol)のメタノール(17.500mL、1.58mmol)中溶液に、パラジウム、10重量%/活性炭(0.0839g、0.0789mmol)を加えた。屋内真空によるフラスコ中空気の排気とH2によるフラスコの充填を3回繰り返すことで、混合物をH2下に撹拌した。45分後、混合物をセライト(商標名)層で濾過し、その層をMeOHで洗った。濾液を減圧下に濃縮して青色シロップを得た。その青色シロップを、溶離液として3分間かけての0%から12%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、4分間にわたる12%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、22分間かけての12%から100%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるRedi−Sep(商標名)カラム80gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、(5−クロロ−3−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)キノキザリン−2−イル)メタンアミンを青色シロップ状固体として得た。1H NMR(500MHz、DMSO−d6)δppm8.15(1H、dd、J=8.6、1.2Hz)、8.04(1H、dd、J=7.6、1.2Hz)、7.97(1H、d、J=7.6Hz)、7.74−7.92(4H、m)、3.62−3.91(2H、m)、1.98(2H、brs);LC−MS(ESI)m/z338.0[M+H]+。
N−((5−クロロ−3−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)キノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン
6−クロロプリン(0.147g、0.954mmol)、(5−クロロ−3−(2−(トリフルオロ−メチル)フェニル)キノキザリン−2−イル)メタンアミン(0.3223g、0.954mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.332mL、1.91mmol)のエタノール(5.61mL、0.954mmol)中混合物を、75℃で撹拌した。19時間後、混合物を加熱から外し、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として14分間かけての0%から100%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に10分間にわたる100%定組成のEtOAc、次に10分間かけての0%から65%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に10分間にわたる65%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に4分間かけての65%から100%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に4分間にわたる100%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)を用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物を褐色固体として得た。その褐色固体を、CH2Cl2に懸濁させ、濾過して、N−((5−クロロ−3−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)キノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンをオフホワイト固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm12.94(1H、s)、7.57−8.34(10H、m)、4.76(2H、d、J=55.9Hz);LC−MS(ESI)m/z456.1[M+H]+。
(実施例86)
N−((8−クロロ−2−(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンの製造
8−クロロ−2−(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン−3−カルボアルデヒド
2,8−ジクロロキノリン−3−カルボアルデヒド(実施例2で製造、0.5000g、2.212mmol)、2−(トリフルオロメトキシフェニル)ボロン酸(0.5010g、2.433mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.1278g、0.1106mmol)および無水炭酸ナトリウム(1.172g、11.06mmol)のCH3CN−H2O(3:1)(90mL)中混合物を、100℃で撹拌した。15時間後、混合物を冷却して室温とし、EtOAc(100mL)と水(100mL)との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し(50mLで2回)、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮し、溶離液として14分間かけての0%から50%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に5分間にわたる50%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、8−クロロ−2−(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン−3−カルボアルデヒドを得た。1H NMR(500MHz、DMSO−d6)δppm9.98(1H、s)、9.14(1H、s)、8.31(1H、dd、J=8.1、1.0Hz)、8.18(1H、dd、J=7.5、1.3Hz)、7.70−7.82(3H、m)、7.62−7.67(1H、m)、7.57(1H、d、J=8.3Hz);LC−MS(ESI)m/z352.0[M+H]+。
(8−クロロ−2−(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン−3−イル)メタノール
8−クロロ−2−(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン−3−カルボアルデヒド(0.5427g、1.543mmol)のテトラヒドロフラン(7.715mL、1.543mmol)中溶液に0℃で、水素化ホウ素ナトリウム(0.08757g、2.315mmol)を加え、混合物を0℃で撹拌し、1時間かけて昇温させて室温とした。0℃で1時間撹拌後、混合物をEtOAc(100mL)とH2O(100mL)との間で分配し、有機層をブラインで洗浄し(50mLで2回)、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、(8−クロロ−2−(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン−3−イル)メタノールを明黄色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.58(1H、s)、8.10(1H、dd、J=8.3、1.3Hz)、7.95(1H、dd、J=7.5、1.3Hz)、7.51−7.72(5H、m)、5.54(1H、s)、4.44(2H、s);LC−MS(ESI)m/z354.0[M+H]+。その生成物を、精製せずに次の段階にそのまま用いた。
8−クロロ−3−(クロロメチル)−2−(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン塩酸塩
(8−クロロ−2−(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン−3−イル)メタノール(0.5470g、1.546mmol)のクロロホルム(5.155mL、1.546mmol)中溶液に、塩化チオニル(0.5626mL、7.732mmol)を滴下し、反応混合物を室温で撹拌した。2.5時間後、混合物を減圧下に濃縮し、CH2Cl2で3回共留去して、8−クロロ−3−(クロロメチル)−2−(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン塩酸塩を黄色シロップとして得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.75(1H、s)、8.10(1H、dd、J=8.2、1.2Hz)、8.03(1H、dd、J=7.5、1.3Hz)、7.64−7.74(3H、m)、7.53−7.63(2H、m)、4.75(2H、brs)、89676−3−1−1H−NMR;LC−MS(ESI)m/z372.0[M+H]+(中性型の精密質量:371.009)。その黄色シロップを、精製せずに次の段階にそのまま用いた。
(8−クロロ−2−(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン−3−イル)メタンアミン
8−クロロ−3−(クロロメチル)−2−(2−(トリフルオロメトキシ)−フェニル)キノリン塩酸塩(0.6319g、1.546mmol)のDMF(7.732mL、1.546mmol)中溶液を撹拌しながら、それに室温でアジ化ナトリウム(0.2011g、3.093mmol)を加え、混合物を室温で撹拌した。1時間後、混合物をEtOAc(100mL)とH2O(100mL)との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し(50mLで1回)、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として14分間かけての0%から50%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に5分間にわたる50%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、3−(アジドメチル)−8−クロロ−2−(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリンを無色シロップとして得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.66(1H、s)、8.11(1H、dd、J=8.2、1.2Hz)、8.02(1H、dd、J=7.6、1.4Hz)、7.54−7.74(5H、m)、4.52(2H、brs);LC−MS(ESI)m/z379.0[M+H]+。
3−(アジドメチル)−8−クロロ−2−(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−キノリン(0.5374g、1.42mmol)のメタノール(14.2mL、1.42mmol)中溶液に、パラジウム、10重量%/活性炭(0.0755g、0.0709mmol)を加えた。屋内真空によるフラスコ中の空気の排気およびH2によるフラスコ充填を3回繰り返した後、混合物をH2下に撹拌した。30分後、混合物をセライト(商標名)層で濾過し、層をMeOHで洗った。濾液を減圧下に濃縮して、暗緑色シロップを得た。その暗緑色シロップを、溶離液として14分間かけての0%から20%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に15分間にわたる20%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)を用いるRedi−Sepカラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、(8−クロロ−2−(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン−3−イル)−メタンアミンを得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.62(1H、s)、8.03(1H、dd、J=8.2、1.2Hz)、7.93(1H、dd、J=7.4、1.2Hz)、7.50−7.70(5H、m)、3.66(2H、s)、1.97(2H、brs);LC−MS(ESI)m/z353.0[M+H]+。
N−((8−クロロ−2−(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン
6−クロロプリン(0.1109g、0.7175mmol)、(8−クロロ−2−(2−(トリフルオロ−メトキシ)フェニル)キノリン−3−イル)メタンアミン(0.2531g、0.7175mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.2500mL、1.435mmol)のエタノール(4.221mL、0.7175mmol)中混合物を、75℃で撹拌した。36時間後、混合物を加熱から外し、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として50%のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、N−((8−クロロ−2−(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンを白色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm12.94(1H、s)、8.38(1H、s)、8.03−8.32(3H、m)、7.96−8.02(1H、m)、7.93(1H、dd、J=7.5、0.9Hz)、7.51−7.75(5H、m)、4.69(2H、brs);LC−MS(ESI)m/z471.1[M+H]+。
(実施例87)
N−((8−クロロ−2−(5−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)−フェニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンの製造
8−クロロ−2−(5−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)キノリン−3−カルボアルデヒド
2,8−ジクロロキノリン−3−カルボアルデヒド(実施例2で製造、1.0000g、4.424mmol)、5−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(1.012g、4.866mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.2556g、0.2212mmol)および無水炭酸ナトリウム(2.344g、22.12mmol)のCH3CN−H2O(3:1)(40mL)中混合物を、100℃で撹拌した。14時間後、混合物を冷却して室温とし、EtOAc(100mL)と水(100mL)との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し(50mLで2回)、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、褐色固体を得た。その褐色固体を、溶離液として25分間かけての0%から50%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に10分間にわたる50%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sep(商標名)カラム80gでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、8−クロロ−2−(5−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)−フェニル)キノリン−3−カルボアルデヒドを黄色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm10.00(1H、s)、9.21(1H、s)、8.32(1H、dd、J=8.3、1.1Hz)、8.20(1H、dd、J=7.6、1.4Hz)、8.01(1H、dd、J=8.7、5.4Hz)、7.76−7.84(1H、m)、7.55−7.66(2H、m);LC−MS(ESI)m/z354.0[M+H]+。
(8−クロロ−2−(5−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)キノリン−3−イル)メタノール
8−クロロ−2−(5−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)キノリン−3−カルボアルデヒド(0.3036g、0.8584mmol)のテトラヒドロフラン(4.292mL、0.8584mmol)中溶液に0℃で、水素化ホウ素ナトリウム(0.04871g、1.288mmol)を加え、混合物を0℃で撹拌した。0℃で1時間撹拌した後、混合物をEtOAc(100mL)とH2O(100mL)との間で分配し、有機層をブラインで洗浄し(50mLで2回)、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、(8−クロロ−2−(5−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−キノリン−3−イル)メタノールを明黄色シロップ状固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.57(1H、s)、8.10(1H、dd、J=8.2、1.2Hz)、8.01(1H、dd、J=8.8、5.3Hz)、7.95(1H、dd、J=7.6、1.4Hz)、7.53−7.69(3H、m)、5.55(1H、brs)、4.25−4.56(2H、m);LC−MS(ESI)m/z356.0[M+H]+。その明黄色シロップ状固体を、精製せずに次の段階にそのまま用いた。
8−クロロ−3−(クロロメチル)−2−(5−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)キノリン塩酸塩
(8−クロロ−2−(5−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)キノリン−3−イル)−メタノール(0.3016g、0.8479mmol)のクロロホルム(2.826mL、0.8479mmol)中溶液に、塩化チオニル(0.3085mL、4.239mmol)を滴下し、反応混合物を室温で撹拌した。3時間後、混合物を減圧下に濃縮し、CH2Cl2で3回共留去して、8−クロロ−3−(クロロメチル)−2−(5−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)キノリン塩酸塩を黄色シロップとして得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.76(1H、s)、8.11(1H、dd、J=8.2、1.2Hz)、7.99−8.07(2H、m)、7.60−7.75(3H、m)、4.63−4.90(2H、m);LC−MS(ESI)m/z[M+H]+(中性型の精密質量:373.005)。黄色シロップを、精製せずに次の段階にそのまま用いた。
(8−クロロ−2−(5−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)キノリン−3−イル)メタンアミン
8−クロロ−3−(クロロメチル)−2−(5−フルオロ−2−(トリフルオロ−メチル)フェニル)キノリン塩酸塩(0.3482g、0.8480mmol)のDMF(4.240mL、0.8480mmol)中溶液を撹拌しながら、それにアジ化ナトリウム(0.1103g、1.696mmol)を室温で加え、混合物を室温で撹拌した。1.5時間後、混合物をEtOAc(100mL)とH2O(100mL)との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し(50mLで1回)、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、14分間かけての0%から50%勾配のEtOA溶離液としてc/ヘキサン、次に5分間にわたる50%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、3−(アジドメチル)−8−クロロ−2−(5−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)キノリンを無色シロップとして得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.65(1H、s)、8.12(1H、dd、J=8.3、1.3Hz)、7.99−8.06(2H、m)、7.69(1H、dd、J=8.1、7.5Hz)、7.58−7.66(2H、m)、4.44−4.59(2H、m);LC−MS(ESI)m/z381.1[M+H]+。3−(アジドメチル)−8−クロロ−2−(5−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)−キノリン(0.2573g、0.676mmol)のメタノール(6.76mL、0.676mmol)中溶液にパラジウム、10重量%/活性炭(0.0360g、0.0338mmol)を加えた。屋内真空によるフラスコ中の空気の排気およびH2によるフラスコ充填を3回繰り返した後、混合物をH2下に撹拌した。30分後、混合物をセライト(商標名)層で濾過し、層をMeOHで洗った。濾液を減圧下に濃縮して緑色シロップを得た。その緑色シロップを、溶離液として14分間かけての0%から20%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に20分間にわたる20%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)を用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、(8−クロロ−2−(5−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)キノリン−3−イル)メタンアミンを黄色シロップとして得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.62(1H、s)、8.04(1H、dd、J=8.4、1.2Hz)、8.01(1H、dd、J=8.5、5.4Hz)、7.93(1H、dd、J=7.4、1.4Hz)、7.54−7.67(3H、m)、3.48−3.74(2H、m)、1.96(2H、brs);LC−MS(ESI)m/z355.1[M+H]+。
N−((8−クロロ−2−(5−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン
6−ブロモプリン(0.09706g、0.4877mmol)、(8−クロロ−2−(5−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)キノリン−3−イル)メタンアミン(0.1730g、0.4877mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.1699mL、0.9754mmol)の1−ブタノール(2.8mL)中混合物を100℃で撹拌した。22時間後、混合物を加熱から外し、減圧下に濃縮して、黄色シロップ状固体を得た。黄色シロップ状固体を、溶離液として14分間かけての0%から20%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に10分間にわたる20%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に10分間かけての20%から50%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に10分間にわたる50%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、N−((8−クロロ−2−(5−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)−フェニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンオフホワイトを固体として得た。YS−89676−13−1。そのオフホワイト固体をCH2Cl2に懸濁させ、濾過して、N−((8−クロロ−2−(5−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンを得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm12.93(1H、s)、8.46(1H、s)、8.05−8.24(3H、m)、8.02(1H、d、J=8.0Hz)、7.90−7.98(2H、m)、7.56−7.64(2H、m)、7.52(1H、t、J=8.7Hz)、4.64(2H、s);LC−MS(ESI)m/z473.2[M+H]+。
(実施例88)
N−((2−(3−フルオロフェニル)−8−メトキシキノリン−3−イル)−メチル)−9H−プリン−6−アミンの製造
2−クロロ−8−メトキシキノリン−3−カルボアルデヒド
リチウムジイソプロピルアミド・モノ(テトラヒドロフラン)、1.5Mシクロヘキサン溶液(25.82mL、38.73mmol)のTHF(72mL)中溶液を冷却しながら、それに−75℃で、撹拌下および−65℃以下の温度に維持しながら2−クロロ−8−メトキシキノリン(5.0000g、25.82mmol)のTHF(26mL)中溶液を35分かけて(10:00amから10:35am)滴下した。40分後、冷却した混合物に、DMF(2.999mL、38.73mmol)を滴下し、混合物を−72℃で30分間撹拌した。30分後、NH4Cl(20mL)で反応停止し、EtOAc(150mL)と水(100mL)との間で分配した。合わせた有機層を水(100mLで1回)、ブライン(100mLで2回)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して黄色固体を得た。その黄色固体を、溶離液として20%のEtOAc/ヘキサンを用いるシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、2−クロロ−8−メトキシキノリン−3−カルボアルデヒドを黄色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm10.38(1H、s)、8.92(1H、s)、7.79(1H、dd、J=8.4、1.0Hz)、7.67(1H、t、J=8.0Hz)、7.44(1H、dd、J=7.8、1.2Hz)、4.00(3H、s);LC−MS(ESI)m/z222.1[M+H]+。
2−(3−フルオロフェニル)−8−メトキシキノリン−3−カルボアルデヒド
2−クロロ−8−メトキシキノリン−3−カルボアルデヒド(1.8583g、8.384mmol)、3−フルオロベンゼンボロン酸(1.290g、9.223mmol)、テトラキス(トリ−フェニルホスフィン)パラジウム(0.4844g、0.4192mmol)および無水炭酸ナトリウム(4.443g、41.92mmol)のCH3CN−H2O(3:1)(76mL)中混合物を、100℃で撹拌した。3時間後、混合物を冷却して室温とし、EtOAc(200mL)と水(100mL)との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し(100mLで2回)、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、橙赤色固体を得た。その橙赤色固体を、溶離液として25分間かけての0%から50%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に25分間にわたる50%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sep(商標名)カラム80gでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、2−(3−フルオロフェニル)−8−メトキシキノリン−3−カルボアルデヒドを明黄色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm10.09(1H、s)、8.94(1H、s)、7.80(1H、dd、J=8.2、1.2Hz)、7.66(1H、t、J=8.0Hz)、7.53−7.64(2H、m)、7.47−7.53(1H、m)、7.36−7.44(2H、m)、4.00(3H、s);LC−MS(ESI)m/z282.1[M+H]+。
3−(クロロメチル)−2−(3−フルオロフェニル)−8−メトキシキノリン塩酸塩
2−(3−フルオロフェニル)−8−メトキシキノリン−3−カルボアルデヒド(2.2967g、8.165mmol)のテトラヒドロフラン(40.83mL、8.165mmol)中溶液に0℃で、水素化ホウ素ナトリウム(0.4634g、12.25mmol)を加え、混合物を0℃で撹拌した。0℃で1時間撹拌後、混合物をEtOAc(100mL)とH2O(100mL)との間で分配し、有機層をブラインで洗浄し(100mLで2回)、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、(2−(3−フルオロフェニル)−8−メトキシキノリン−3−イル)メタノールを褐色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.43(1H、s)、7.46−7.60(5H、m)、7.29−7.36(1H、m)、7.19(1H、dd、J=7.4、1.6Hz)、5.50(1H、t、J=5.3Hz)、4.61(2H、dd、J=5.5、0.8Hz)、3.96(3H、s);LC−MS(ESI)m/z284.0[M+H]+。その褐色固体を、精製せずに次の段階にそのまま用いた。
(2−(3−フルオロフェニル)−8−メトキシキノリン−3−イル)メタノール(2.2330g、7.882mmol)のクロロホルム(26.27mL、7.882mmol)中溶液に、塩化チオニル(2.868mL、39.41mmol)を滴下し、反応混合物を室温で撹拌した。3時間後、混合物を減圧下に濃縮し、CH2Cl2で3回共留去して、3−(クロロメチル)−2−(3−フルオロフェニル)−8−メトキシキノリン塩酸塩を黄色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.59(1H、s)、7.55−7.65(3H、m)、7.44−7.52(2H、m)、7.33−7.41(1H、m)、7.23−7.30(1H、m)、4.91(2H、s);LC−MS(ESI)m/z302.0[M+H]+(中性型の精密質量:301.067)。その黄色固体を、精製せずに次の段階にそのまま用いた。
(2−(3−フルオロフェニル)−8−メトキシキノリン−3−イル)メタンアミン
3−(クロロメチル)−2−(3−フルオロフェニル)−8−メトキシキノリン塩酸塩(0.9601g、2.839mmol)のDMF(14.19mL、2.839mmol)中溶液を撹拌しながら、それに室温でアジ化ナトリウム(0.3691g、5.678mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した後、混合物をEtOAc(100mL)とH2O(100mL)との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し(100mLで1回)、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、3−(アジドメチル)−2−(3−フルオロフェニル)−8−メトキシキノリンを黄色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.48(1H、s)、7.54−7.62(3H、m)、7.43−7.49(2H、m)、7.32−7.39(1H、m)、7.21−7.28(1H、m)、4.68(2H、s)、3.97(3H、s);LC−MS(ESI)m/z309.1[M+H]+。その黄色固体を、精製せずに次の段階にそのまま用いた。
3−(アジドメチル)−2−(3−フルオロフェニル)−8−メトキシキノリン(0.8163g、2.65mmol)のTHF−H2O(4:1)(12mL)中溶液を撹拌しながら、それにトリメチル−ホスフィン、1.0M THF溶液(3.18mL、3.18mmol)を室温で滴下し、混合物を室温で撹拌した。1.5時間後、混合物を氷冷1N NaOH(100mL)で希釈し、EtOAcで抽出した(100mLで2回)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(100mLで3回)、Na2SO4で脱水し、減圧下に濃縮して黄色固体(0.8054g)を得た。その黄色固体(0.8054g)を、溶離液として25分間かけての0%から100%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に10分間にわたる100%定組成のEtOAc、次に25分間かけての0%から50%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に10分間にわたる50%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)を用いるRedi−Sep(商標名)カラム80gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、(2−(3−フルオロフェニル)−8−メトキシキノリン−3−イル)メタンアミンを黄色シロップ状固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.45(1H、s)、7.44−7.59(5H、m)、7.28−7.36(1H、m)、7.13−7.19(1H、m)、3.95(3H、s)、3.83(2H、d、J=0.8Hz)、1.98(2H、brs);LC−MS(ESI)m/z283.1[M+H]+。
N−((2−(3−フルオロフェニル)−8−メトキシキノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン
6−ブロモプリン(0.1418g、0.7125mmol)、(2−(3−フルオロフェニル)−8−メトキシキノリン−3−イル)メタンアミン(0.2213g、0.7838mmol)およびN,N−ジイソ−プロピルエチルアミン(0.2482mL、1.425mmol)の1−ブタノール(7.125mL、0.7125mmol)中混合物を100℃で撹拌した。24時間後、混合物を加熱から外し、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として50%のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、オフホワイト固体を得た。そのオフホワイト固体をEtOAcに懸濁させ、濾過して、N−((2−(3−フルオロ−フェニル)−8−メトキシキノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンを白色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm12.95(1H、s)、8.18−8.30(2H、m)、8.11(2H、s)、7.42−7.61(5H、m)、7.28−7.36(1H、m)、7.16(1H、dd、J=7.1、1.7Hz)、4.71−4.95(2H、m)、3.95(3H、s);LC−MS(ESI)m/z401.2[M+H]+。
(実施例89)
N−((S)−1−(8−クロロ−2−(2−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンの製造
2−(((S)−1−(8−クロロ−2−(2−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エチル)カルバモイル)安息香酸
(S)−2−(1−(2,8−ジクロロキノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオン(0.5000g、1.347mmol)、2−フルオロベンゼンボロン酸(0.2073g、1.482mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.07782g、0.06735mmol)および無水炭酸ナトリウム(0.7138g、6.735mmol)のアセトニトリル−水(3:1)(12.00mL、1.346mmol)中混合物を85℃で撹拌した。28時間後、混合物を冷却して室温とした。混合物を減圧下に濃縮して、アセトニトリルを除去した。その混合物をCH2Cl2(50mL)と水(50mL)との間で分配した。水層(pH10から11)をCH2Cl2で洗浄して(50mLで2回)、副生成物を除去した。水層を2N HCl(50mL)で処理し、CH2Cl2で抽出した(50mLで2回)。合わせた有機層を水(50mLで1回)、ブライン(50mLで1回)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、2−(((S)−1−(8−クロロ−2−(2−フルオロ−フェニル)キノリン−3−イル)エチル)カルバモイル)安息香酸を固体として得た。LC−MS(ESI)m/z448.9[M+H]+。粗生成物を、精製せずに次の段階にそのまま用いた。
(1S)−1−(8−クロロ−2−(2−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エタンアミン
2−(((S)−1−(8−クロロ−2−(2−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エチル)−カルバモイル)安息香酸(0.6046g、1.347mmol)のエタノール(5.000mL、1.347mmol)中懸濁液に、12N HCl(1.123mL、13.47mmol)を加え、混合物を還流下に撹拌した。22時間後、混合物を氷水(100mL)に投入した。混合物を10N NaOH(0.4mL)でpH約10の塩基性とし、CH2Cl2で抽出した(50mLで2回)。合わせた有機層を水(50mLで2回)およびブライン(50mLで3回)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、2−((S)−1−(8−クロロ−2−(2−フルオロ−フェニル)キノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオンおよび(1S)−1−(8−クロロ−2−(2−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エタンアミンの混合物を黄色シロップとして得た。2−((S)−1−(8−クロロ−2−(2−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオンおよび(1S)−1−(8−クロロ−2−(2−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エタンアミンのエタノール(12.50mL、1.347mmol)中混合物にヒドラジン1水和物(0.4183mL、13.47mmol)を加え、混合物を還流下に撹拌した。1時間後、混合物を冷却して室温とし、減圧下に濃縮して緑色固体を得た。緑色固体を、溶離液として25分間かけての0%から50%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に25分間にわたる50%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるRedi−Sepカラム80gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、(1S)−1−(8−クロロ−2−(2−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)−エタンアミンを明黄色シロップとして得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.74(1H、s)、8.03(1H、dd、J=8.3、1.3Hz)、7.93(1H、dd、J=7.5、1.3Hz)、7.50−7.65(3H、m)、7.33−7.43(2H、m)、4.03(1H、q、J=6.3Hz)、1.98(2H、s)、1.16(3H、d、J=5.5Hz);LC−MS(ESI)m/z301.0[M+H]+。
N−((S)−1−(8−クロロ−2−(2−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン
6−クロロプリン(0.1680g、1.087mmol)、(1S)−1−(8−クロロ−2−(2−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エタンアミン(0.2972g、0.9882mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.5164mL、2.965mmol)の1−ブタノール(9.882mL、0.9882mmol)中混合物を110℃で撹拌した。26時間後、混合物を冷却して室温とし、減圧下に濃縮して黄色シロップを得た。その黄色シロップをCH2Cl2(50mL)に溶かし、水で洗浄した(30mLで1回)。有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として14分間かけての0%から35%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に25分間にわたる35%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、黄褐色固体を得た。その黄褐色固体をCH2Cl2に懸濁させ、濾過して、N−((S)−1−(8−クロロ−2−(2−フルオロフェニル)−キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンを固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm12.86(1H、s)、8.67(1H、s)、8.20(1H、s)、8.09(1H、s)、7.95−8.03(2H、m)、7.93(1H、dd、J=7.6、1.0Hz)、7.69(1H、s)、7.58(1H、t、J=7.8Hz)、7.46−7.55(1H、m)、7.25−7.39(2H、m)、5.38(1H、s)、1.55(3H、d、J=7.0Hz);LC−MS(ESI)m/z418.9[M+H]+。
(実施例90)
N−((6−クロロ−2−(2−クロロフェニル)キノリン−3−イル)−メチル)−9H−プリン−6−アミンの製造
6−ブロモプリン(0.1000g、0.5025mmol)、TFA塩としての(6−クロロ−2−(2−クロロフェニル)キノリン−3−イル)メタンアミン(0.2138g、0.5125mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.3501mL、2.010mmol)の1−ブタノール(1.005mL、0.5025mmol)中混合物を100℃で撹拌した。15.5時間後、混合物を冷却して室温とし、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として14分間かけての0%から50%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に10分間にわたる50%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、黄褐色固体を得た(0.0939g)。その黄褐色固体をEtOAcに懸濁させ、濾過して、N−((6−クロロ−2−(2−クロロフェニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンを黄褐色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm12.94(1H、s)、8.28(1H、s)、8.06−8.24(4H、m)、8.03(1H、d、J=9.0Hz)、7.75(1H、dd、J=9.0、2.3Hz)、7.61(1H、d、J=7.4Hz)、7.42−7.57(3H、m)、4.49−4.77(2H、m);LC−MS(ESI)m/z421.0[M+H]+。
(実施例91)
N−((8−クロロ−2−(2−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)−メチル)−9H−プリン−6−アミン:8−クロロ−2−(2−フルオロフェニル)キノリン−3−カルボアルデヒドの製造
2,8−ジクロロキノリン−3−カルボアルデヒド(実施例2で製造、1.000g、4.42mmol)、2−フルオロフェニルボロン酸(0.681g、4.87mmol)、テトラキス(トリフェニル−ホスフィン)パラジウム(0.256g、0.221mmol)および炭酸ナトリウム(2.34g、22.1mmol)を3:1アセトニトリル−水(48mL)中にて100℃で撹拌した。1時間後、混合物をEtOAcと水との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。粗生成物を、溶離液として0%から100%勾配のEtOAc/ヘキサンを用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、8−クロロ−2−(2−フルオロフェニル)キノリン−3−カルボアルデヒドを得た。LC−MS(ESI)m/z286.0[M+H]+。
(8−クロロ−2−(2−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)メタノール
8−クロロ−2−(2−フルオロフェニル)キノリン−3−カルボアルデヒド(0.800g、2.80mmol)のTHF(15mL)中溶液を撹拌しながら、それに水素化ホウ素ナトリウム(0.159g、4.20mmol)を少量ずつ加えた。反応液を室温で撹拌した。1.5時間後、混合物を水とEtOAcとの間で分配した。有機層をMgSO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。LC−MS(ESI)m/z288.1[M+H]+。粗生成物を、精製せずに次の段階にそのまま用いた。
8−クロロ−3−(クロロメチル)−2−(2−フルオロフェニル)キノリン
(8−クロロ−2−(2−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)メタノール(0.670g、2.33mmol)のCH2Cl2中溶液を撹拌しながら、それに塩化チオニル(0.850mL、11.6mmol)を加えた。反応混合物を室温で撹拌した。2.5時間後、粗生成物を、0%から100%勾配のCH2Cl2−MeOH−NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、8−クロロ−3−(クロロメチル)−2−(2−フルオロフェニル)キノリンを得た。LC−MS(ESI)m/z306.0[M+H]+。
3−(アジドメチル)−8−クロロ−2−(2−フルオロフェニル)キノリン
8−クロロ−3−(クロロメチル)−2−(2−フルオロフェニル)キノリン(0.330g、1.08mmol)のDMF中溶液を撹拌しながら、それにアジ化ナトリウム(0.561g、8.62mmol)を加え、混合物を室温で撹拌した。3時間後、混合物をCH2Cl2とH2Oとの間で分配した。有機層をMgSO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。LC−MS(ESI)m/z313.0[M+H]+。粗生成物を、精製せずに次の段階にそのまま用いた。
(8−クロロ−2−(2−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)メタンアミン
3−(アジドメチル)−8−クロロ−2−(2−フルオロフェニル)キノリン(0.3083g、0.9858mmol)のTHF−H2O(4:1)(12.000mL)中溶液を撹拌しながら、それにトリメチルホスフィン、1.0M THF溶液(1.183mL、1.183mmol)を室温で滴下し、混合物を室温で撹拌した。1時間後、混合物を氷冷1N NaOH(60mL)で希釈し、EtOAcで抽出した(50mLで2回)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(50mLで2回)、Na2SO4で脱水し、減圧下に濃縮して、黄色シロップを得た。黄色シロップを、溶離液として14分間かけての0%から100%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に10分間にわたる100%定組成のEtOAc、次に14分間かけての0%から50%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に10分間にわたる50%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)を用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、(8−クロロ−2−(2−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)メタンアミンを得た。1H NMR(500MHz、DMSO−d6)δppm8.62(1H、s)、8.03(1H、dd、J=8.2、1.1Hz)、7.93(1H、dd、J=13、1.2Hz)、7.55−7.66(2H、m)、7.49−7.55(1H、m)、7.34−7.43(2H、m)、3.72(2H、s)、1.94(2H、brs);LC−MS(ESI)m/z287.2[M+H]+。
N−((8−クロロ−2−(2−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン
6−ブロモプリン(0.1456g、0.7317mmol)、(8−クロロ−2−(2−フルオロ−フェニル)キノリン−3−イル)メタンアミン(0.2203g、0.7683mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.3824mL、2.195mmol)の1−ブタノール(2.000mL、0.7317mmol)中混合物を、100℃で撹拌した。15時間後、混合物を加熱から外し、冷却して室温とした。得られた沈殿を濾過によって回収し、MeOHで洗浄して、黄色固体を得た。黄色固体を、溶離液として14分間かけての0%から50%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に10分間にわたる50%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、オフホワイト固体を得た。そのオフホワイト固体をEtOAc−ヘキサン(1:1)に懸濁させ、濾過して、N−((8−クロロ−2−(2−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンをオフホワイト固体として得た。1H NMR(500MHz、DMSO−d6)δppm12.95(1H、s)、8.35(1H、s)、8.03−8.29(3H、m)、7.99(1H、dd、J=8.2、1.1Hz)、7.93(1H、dd、J=7.5、1.1Hz)、7.53−7.65(3H、m)、7.36−7.44(2H、m)、4.63−4.82(2H、m);LC−MS(ESI)m/z405.1[M+H]+。
(実施例92)
N−((3−(2−クロロフェニル)−5,6−ジフルオロキノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンの製造
3−(ブロモメチル)−2−(2−クロロフェニル)−5,6−ジフルオロキノキザリンおよび2−(ブロモメチル)−3−(2−クロロフェニル)−5,6−ジフルオロキノキザリン
3−ブロモ−1−(2−クロロフェニル)プロパン−1,2−ジオン(実施例81で製造、1.4324g、5.4775mmol)の酢酸エチル(36.517mL、5.4775mmol)中溶液に、1,2−ジアミノ−3,4−ジフルオロベンゼン(0.78943g、5.4775mmol)を室温で加え、得られた赤色混合物を室温で撹拌した。室温で26時間撹拌後、混合物を減圧下に濃縮して、3−(ブロモメチル)−2−(2−クロロフェニル)−5,6−ジフルオロ−キノキザリンおよび2−(ブロモメチル)−3−(2−クロロフェニル)−5,6−ジフルオロキノキザリンの混合物を褐色シロップとして得た。LC−MS(ESI)m/z369.0および370.9[M+H]+。褐色シロップとしての粗生成物を、精製せずに次の段階にそのまま用いた。
(3−(2−クロロフェニル)−7,8−ジフルオロキノキザリン−2−イル)メタンアミンおよび(3−(2−クロロフェニル)−5,6−ジフルオロキノキザリン−2−イル)メタンアミン
3−(ブロモメチル)−2−(2−クロロフェニル)−5,6−ジフルオロキノキザリンおよび2−(ブロモメチル)−3−(2−クロロフェニル)−5,6−ジフルオロ−キノキザリン(2.0244g、5.477mmol)の混合物のDMF(20.00mL、5.477mmol)中溶液を撹拌しながら、それにアジ化ナトリウム(0.7122g、10.95mmol)を室温で加え、混合物を室温で撹拌した。1.5時間後、混合物をEtOAc(100mL)とH2O(100mL)との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し(100mLで1回)、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、3−(アジドメチル)−2−(2−クロロフェニル)−5,6−ジフルオロ−キノキザリンおよび2−(アジドメチル)−3−(2−クロロフェニル)−5,6−ジフルオロキノキザリンの混合物を暗赤色シロップとして得た。LC−MS(ESI)m/z332.0[M+H]+。粗生成物を、精製せずに次の段階にそのまま用いた。
3−(アジドメチル)−2−(2−クロロフェニル)−5,6−ジフルオロ−キノキザリンおよび2−(アジドメチル)−3−(2−クロロフェニル)−5,6−ジフルオロキノキザリン(1.8170g、5.478mmol)のTHF−H2O(4:1)(25mL)中溶液を撹拌しながら、それにトリメチルホスフィン、1.0M THF溶液(6.573mL、6.573mmol)を室温で滴下し、混合物を室温で撹拌した。1時間後、混合物を氷冷1N NaOH(25mL)で希釈し、EtOAcで抽出した(50mLで3回)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(50mLで3回)、Na2SO4で脱水し、減圧下に濃縮して緑色シロップを得た。その緑色シロップを、溶離液として15分間かけての0%から20%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に15分間にわたる20%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に5分間かけての20%から50%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に15分間にわたる50%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるRedi−Sep(商標名)カラム120gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、二つの分離された位置異性体:褐色−緑色シロップ状固体としての(3−(2−クロロフェニル)−7,8−ジフルオロキノキザリン−2−イル)メタンアミン:1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm7.94−8.10(2H、m)、7.50−7.73(4H、m)、3.84(2H、brs)、2.03(2H、brs);LC−MS(ESI)m/z306.1[M+H]+および青色シロップ状固体としての(3−(2−クロロフェニル)−5,6−ジフルオロキノキザリン−2−イル)メタンアミン:1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm7.97−8.13(2H、m)、7.45.7.74(4H、m)、3.82(2H、s)、2.10(2H、brs);LC−MS(ESI)m/z306.1[M+H]+を得た。二つの分離された異性体の構造は、1H−15NHMBC実験によって確認した。
N−((3−(2−クロロフェニル)−5,6−ジフルオロキノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン
6−ブロモプリン(0.1978g、0.9938mmol)、(3−(2−クロロフェニル)−5,6−ジフルオロキノキザリン−2−イル)メタンアミン(0.3342g、1.093mmol)およびN,N−ジイソ−プロピルエチルアミン(0.5193mL、2.981mmol)の1−ブタノール(3.000mL、0.9938mmol)中混合物を100℃で撹拌した。3時間後、混合物を加熱から外し、減圧下に濃縮した。残留物をMeOHに懸濁させ、得られた沈殿を濾過によって回収し、MeOHで洗浄して、黄色固体を得た。その黄色固体(0.1232g)を、溶離液として14分間かけての0%から50%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に14分間にわたる50%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、オフホワイト固体を得た(0.1014g)。そのオフホワイト固体をCH2Cl2に懸濁させ、濾過して、N−((3−(2−クロロフェニル)−5,6−ジフルオロキノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンをオフホワイト固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm12.93(1H、s)、7.81−8.16(5H、m)、7.61−7.72(2H、m)、7.53−7.58(1H、m)、7.46−7.52(1H、m)、4.71−4.97(2H、m);LC−MS(ESI)m/z424.0[M+H]+。
(実施例93)
N−((3−(2−クロロフェニル)−7,8−ジフルオロキノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンの製造
6−ブロモプリン(0.1359g、0.6828mmol)、(3−(2−クロロフェニル)−7,8−ジフルオロキノキザリン−2−イル)メタンアミン(実施例92で製造、0.2296g、0.7510mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.3568mL、2.048mmol)の1−ブタノール(3.000mL、0.6828mmol)中混合物を100℃で撹拌した。3時間後、混合物を加熱から外し、減圧下に濃縮した。残留物をMeOHに懸濁させ、不溶固体を濾過によって除去した。濾液を減圧下に濃縮し、溶離液として14分間かけての0%から50%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に14分間にわたる50%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、黄色固体を得た。その黄色固体をCH2Cl2に懸濁させ、濾過して、N−((3−(2−クロロフェニル)−7,8−ジフルオロキノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンを黄色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm12.92(1H、brs)、7.93−8.15(4H、m)、7.60−7.69(2H、m)、7.51−7.57(1H、m)、7.45−7.50(1H、m)、4.83(2H、brs);LC−MS(ESI)m/z424.1[M+H]+。
(実施例94)
3−((9H−プリン−6−イルアミノ)メチル)−2−(3−フルオロ−フェニル)キノリン−8−オールの製造
N−((2−(3−フルオロフェニル)−8−メトキシキノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン(0.1500g、0.3746mmol)のDCM(3.746mL、0.3746mmol)中溶液に0℃で、三臭化ホウ素、1.0M DCM中溶液(1.498mL、1.498mmol)を滴下し、混合物の冷却浴を外し、室温で撹拌した。29時間後、混合物を冷却して0℃とし、その冷却した混合物に、撹拌しながら氷水(50mL)を加えた。混合物を10N NaOH(約5mL)で中和してpH8とし、得られた沈殿を濾過によって回収して黄色固体を得て、その黄色固体(YS−90942−4−1)を溶離液として14分間かけての0%から100%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に10分間にわたる100%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製してオフホワイト固体を得た。そのオフホワイト固体をCH2Cl2に懸濁させ、濾過して、3−((9H−プリン−6−イルアミノ)メチル)−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−8−オールをオフホワイト固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm12.95(1H、s)、9.58(1H、s)、8.18(4H、d、J=50.5Hz)、7.26−7.71(6H、m)、7.06(1H、d、J=6.7Hz)、4.88(2H、brs);LC−MS(ESI)m/z387.1[M+H]+。
(実施例95)
N−((5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)−メチル)−9H−プリン−6−アミン:5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)−2−メチルキノキザリンの製造
3,5−ジクロロ−2−メチルキノキザリン(実施例85で製造、0.3361g、1.577mmol)、3−フルオロベンゼンボロン酸(0.2428g、1.735mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.09114g、0.07887mmol)および無水炭酸ナトリウム(0.8360g、7.887mmol)のCH3CN−H2O(3:1)(16.00mL)中混合物を、100℃で撹拌した。3.5時間後、混合物を冷却して室温とし、EtOAc(100mL)と水(100mL)との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し(50mLで2回)、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、赤色シロップを得た。その赤色シロップを、溶離液として14分間かけての0%から50%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に10分間にわたる50%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sepカラム40gでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)−2−メチルキノキザリンを固体として得た。1H NMR(400MHz、DMF)δppm8.05(1H、dd、J=8.4、1.4Hz)、8.00(1H、dd、J=7.6、1.4Hz)、7.83(1H、dd、J=8.4、7.6Hz)、7.60−7.67(3H、m)、7.38−7.46(1H、m)、2.74(3H、s);LC−MS(ESI)m/z273.1[M+H]+。
2−(ブロモメチル)−5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリン
5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)−2−メチルキノキザリン(0.3907g、1.433mmol)および1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(0.2458g、0.8596mmol)を四塩化炭素(14.33mL、1.433mmol)に懸濁させた。その混合物に、過酸化ベンゾイル(0.04627g、0.1433mmol)を加え、混合物を加熱還流させた。24時間後、混合物を冷却して室温とし、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として1.3分間かけての0%から9%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に7.6分間にわたる9%定組成のEtOAc、次に12.7分間かけての9%から100%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に10分間にわたる100%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、2−(ブロモメチル)−5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリンをオフホワイト固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.14(1H、dd、J=8.4、1.2Hz)、8.12(1H、dd、J=7.6、1.4Hz)、7.92(1H、dd、J=8.4、7.8Hz)、7.64−7.70(3H、m)、7.43−7.50(1H、m)、4.91(2H、s);LC−MS(ESI)m/z351.0および352.9[M+H]+。
2−((5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオン
2−(ブロモメチル)−5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)−キノキザリン(0.2401g、0.6829mmol)のDMF(5.003mL、0.6829mmol)中不均一混合物に、カリウムフタルイミド(0.3162g、1.707mmol)を加え、その不均一混合物を100℃で撹拌した。100℃で1時間撹拌後、混合物を減圧下に濃縮し、水(30mL)で磨砕した。沈殿を濾過によって回収した。固体を水(50mL)、次にMeOH(100mL)で洗浄し、乾燥させて、2−((5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)−キノキザリン−2−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオンをオフホワイト固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.04(1H、dd、J=7.6、1.4Hz)、7.84−7.92(5H、m)、7.60−7.81(4H、m)、7.38−7.46(1H、m)、5.22(2H、s);LC−MS(ESI)m/z418.1[M+H]+。その粗生成物を、精製せずに次の段階にそのまま用いた。
(5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)メタンアミン
2−((5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)メチル)−イソインドリン−1,3−ジオン(0.2061g、0.493mmol)のエタノール(5.00mL、0.493mmol)中懸濁液に脱水ヒドラジン(0.155mL、4.93mmol)を加え、混合物を還流下に撹拌した。1時間後、混合物を冷却して室温とした。副生成物を濾去し、MeOHで洗浄した。濾液を減圧下に濃縮して、黄色固体を得た(0.2012g)。その黄色固体(0.2012g)を、溶離液として14分間かけての0%から100%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に3分間にわたる100%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、(5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)−メタンアミンを緑色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.12(1H、dd、J=8.4、1.4Hz)、8.03(1H、dd、J=7.6、1.4Hz)、7.86(1H、dd、J=8.4、7.6Hz)、7.59−7.71(3H、m)、7.39−7.47(1H、m)、4.06(2H、s);LC−MS(ESI)m/z288.1[M+H]+。
N−((5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン
6−ブロモプリン(0.05568g、0.2798mmol)、(5−クロロ−3−(3−フルオロ−フェニル)キノキザリン−2−イル)メタンアミン(0.09660g、0.3357mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.1462mL、0.8394mmol)の1−ブタノール(3.000mL、0.2798mmol)中混合物を100℃で撹拌した。5時間後、混合物を加熱から外し、減圧下に濃縮した。残留物をMeOHに懸濁させ、得られた沈殿を濾過によって回収し、MeOHで洗浄して緑色固体を得た。その緑色固体(0.0542g)を、溶離液として14分間かけての0%から100%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に14分間にわたる100%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、N−((5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンを緑色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm12.94(1H、s)、7.93−8.20(5H、m)、7.83(1H、t、J=8.0Hz)、7.57−7.73(3H、m)、7.34−7.45(1H、m)、5.04(2H、brs);LC−MS(ESI)m/z406.1[M+H]+。
(実施例96)
N−((S)−1−(8−クロロ−2−(2−メチルピリジン−3−イル)−キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンおよびN−((R)−1−(8−クロロ−2−(2−メチルピリジン−3−イル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンの製造
8−クロロ−2−(2−メチルピリジン−3−イル)キノリン−3−カルボアルデヒド
2,8−ジクロロキノリン−3−カルボアルデヒド(実施例2で製造、1.0000g、4.424mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.2556g、0.2212mmol)および無水炭酸ナトリウム(2.344g、22.12mmol)のCH3CN−H2O(3:1)(90mL)中混合物を100℃で撹拌した。3時間後、混合物を冷却して室温とし、EtOAc(150mL)と水(150mL)との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し(100mLで2回)、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して黄色固体を得た。その黄色固体を、溶離液として25分間かけての0%から100%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に10分間にわたる100%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sep(商標名)カラム80gでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、8−クロロ−2−(2−メチルピリジン−3−イル)キノリン−3−カルボアルデヒドをオフホワイト固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm9.96(1H、s)、9.16(1H、s)、8.62(1H、dd、J=4.9、1.8Hz)、8.31(1H、dd、J=8.2、1.2Hz)、8.18(1H、dd、J=7.4、1.2Hz)、7.80(1H、dd、J=7.6、1.8Hz)、7.76(1H、dd、J=8.2、7.4Hz)、7.40(1H、dd、J=7.4、4.7Hz)、2.35(3H、s);LC−MS(ESI)m/z283.0[M+H]+。
1−(8−クロロ−2−(2−メチルピリジン−3−イル)キノリン−3−イル)エタノール
8−クロロ−2−(2−メチルピリジン−3−イル)−キノリン−3−カルボアルデヒド(1.0741g、3.799mmol)のTHF(14.61mL、3.799mmol)中不均一混合物を撹拌しながら、それにメチルマグネシウムブロマイド−3Mジエチルエーテル溶液(1.900mL、5.699mmol)を0℃で滴下し、混合物を2時間かけて昇温させて室温とした。NH4Cl(50mL)で反応停止し、EtOAcで抽出した(50mLで2回)。合わせた有機層を水(50mLで1回)、ブライン(50mLで1回)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、橙赤色シロップを得た(1.4409g)。その橙赤色シロップ(1.4409g)を、溶離液として25分間かけての0%から100%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に30分間にわたる100%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sep(商標名)カラム80gでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、1−(8−クロロ−2−(2−メチルピリジン−3−イル)キノリン−3−イル)エタノールを固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.68(1H、s)、8.59(1H、dd、J=4.9、1.8Hz)、8.10(1H、dd、J=8.2、1.2Hz)、7.94(1H、dd、J=7.6、1.4Hz)、7.74(1H、dd、J=7.8、1.6Hz)、7.58−7.65(1H、m)、7.39(1H、dd、J=7.6、4.9Hz)、5.47(1H、d、J=4.3Hz)、4.64(1H、brs)、2.25(3H、s)、1.20(3H、d、J=7.4Hz);LC−MS(ESI)m/z299.0[M+H]+。
8−クロロ−3−(1−クロロエチル)−2−(2−メチルピリジン−3−イル)キノリン塩酸塩
1−(8−クロロ−2−(2−メチルピリジン−3−イル)キノリン−3−イル)エタノール(1.1090g、3.712mmol)のクロロホルム(12.37mL、3.712mmol)中溶液に、塩化チオニル(1.350mL、18.56mmol)を滴下し、反応混合物を室温で撹拌した。3時間後、混合物を減圧下に濃縮し、CH2Cl2で3回共留去して、8−クロロ−3−(1−クロロエチル)−2−(2−メチルピリジン−3−イル)キノリン塩酸塩をオフホワイトシロップ状固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm9.04(1H、s)、8.94(1H、dd、J=5.7、1.4Hz)、8.56(1H、d、J=7.4Hz)、8.19(1H、dd、J=8.2、1.2Hz)、8.07(1H、dd、J=7.4、1.2Hz)、8.02(1H、dd、J=7.6、5.7Hz)、7.71−7.77(1H、m)、5.25(1H、d、J=6.3Hz)、2.52(3H、s)、1.92(3H、d、J=6.7Hz);LC−MS(ESI)m/z317.0[M+H]+(中性型の精密質量:316.053)。粗生成物を、精製せずに次の段階にそのまま用いた。
2−(1−(8−クロロ−2−(2−メチルピリジン−3−イル)キノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオン
8−クロロ−3−(1−クロロエチル)−2−(2−メチルピリジン−3−イル)−キノリン塩酸塩(1.3130g、3.712mmol)のDMF(18.56mL、3.712mmol)中溶液を撹拌しながら、それに100℃でカリウムフタルイミド(1.719g、9.281mmol)を加え、混合物を100℃で撹拌した。1.5時間後、混合物を減圧下に濃縮し、水(50mL)で磨砕した。得られた固体を濾過し、2N NaOH(50mL)と次に水(500mL)で洗浄し、風乾して、2−(1−(8−クロロ−2−(2−メチルピリジン−3−イル)キノリン−3−イル)エチル)−イソインドリン−1,3−ジオンを黄褐色固体として得た。LC−MS(ESI)m/z428.0[M+H]+。得られた純度の低い生成物を、精製せずに次の段階にそのまま用いた。
1−(8−クロロ−2−(2−メチルピリジン−3−イル)キノリン−3−イル)エタンアミン
2−(1−(8−クロロ−2−(2−メチルピリジン−3−イル)キノリン−3−イル)エチル)−イソインドリン−1,3−ジオン(1.5831g、3.700mmol)のエタノール(37.00mL、3.700mmol)中懸濁液に脱水ヒドラジン(1.161mL、37.00mmol)を加え、混合物を還流下に撹拌した。1.5時間後、混合物を冷却して室温とした。副生成物を濾去し、MeOH(約100mL)で洗浄した。濾液を減圧下に濃縮して黄色固体を得た。その黄色固体を、溶離液として25分間かけての0%から100%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に10分間にわたる100%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるRedi−Sep(商標名)カラム80gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、1−(8−クロロ−2−(2−メチルピリジン−3−イル)キノリン−3−イル)エタンアミンを黄色シロップとして得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.75(1H、s)、8.58(1H、dd、J=4.9、1.8Hz)、8.04(1H、dd、J=8.2、1.2Hz)、7.92(1H、dd、J=7.4、1.2Hz)、7.77(1H、s)、7.60(1H、dd、J=8.2、7.4Hz)、7.34−7.44(1H、m)、4.09(1H、d、J=4.7Hz)、2.25(3H、s)、2.05(2H、brs)、1.13(3H、d、J=6.7Hz):LC−MS(ESI)m/z298.1[M+H]+。
N−((S)−1−(8−クロロ−2−(2−メチルピリジン−3−イル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンおよびN−((R)−1−(8−クロロ−2−(2−メチルピリジン−3−イル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン
6−ブロモプリン(0.4148g、2.084mmol)、1−(8−クロロ−2−(2−メチルピリジン−3−イル)キノリン−3−イル)エタンアミン(0.6827g、2.293mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.089mL、6.253mmol)の1−ブタノール(5.698mL、2.084mmol)中混合物を撹拌しながら加熱還流した。18時間後、混合物を加熱から外し、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として20分間かけての0%から50%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に20分間にわたる50%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に20分間かけての50%から100%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に10分間にわたる100%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるRedi−Sep(商標名)カラム80gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、黄色固体を得た。黄色固体をMeOHに懸濁させ、濾過して、N−(1−(8−クロロ−2−(2−メチルピリジン−3−イル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンをオフホワイト固体として得た。ラセミ体混合物0.1505gをMeOH−CH2Cl2(1:4、5mL)に溶かし、濾過し、溶離液として40分間にわたる20%定組成のイソプロパノール/ヘキサンを用いるキラルパック(商標名)IAカラム(30×250mm、5μm)で分離を行って、二つの分離された異性体:白色固体としてのN−((S)−1−(8−クロロ−2−(2−メチルピリジン−3−イル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン:1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm12.90(1H、s)、8.59(2H、d、J=61.6Hz)、7.70−8.37(6H、m)、7.58(1H、t、J=7.8Hz)、7.32(1H、s)、5.34(1H、brs)、2.32(3H、s)、1.53(3H、brs);LC−MS(ESI)m/z416.2[M+H]+および白色固体としてのN−((R)−1−(8−クロロ−2−(2−メチルピリジン−3−イル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン:1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm12.90(1H、s)、8.59(2H、d、J=56.5Hz)、7.69−8.34(6H、m)、7.58(1H、t、J=7.7Hz)、7.32(1H、s)、5.32(1H、s)、2.32(3H、d、J=1.8Hz)、1.54(3H、brs);LC−MS(ESI)m/z416.2[M+H]+を得た。
(実施例97)
N−((3−(2−クロロフェニル)−8−ヨードキノキザリン−2−イル)−メチル)−9H−プリン−6−アミンの製造
2−(ブロモメチル)−3−(2−クロロフェニル)−5−ニトロキノキザリンおよび3−(ブロモメチル)−2−(2−クロロフェニル)−5−ニトロキノキザリン
3−ブロモ−1−(2−クロロフェニル)プロパン−1,2−ジオン(実施例81で製造、4.2971g、16.4325mmol)の酢酸エチル(109.55mL、16.433mmol)中溶液に、3−ニトロ−1,2−フェニレンジアミン(2.5165g、16.433mmol)を室温で加え、得られた赤色混合物を室温で撹拌した。室温で26時間撹拌後、混合物を減圧下に濃縮して、位置異性体を含む2−(ブロモメチル)−3−(2−クロロフェニル)−5−ニトロキノキザリンを赤色シロップとして得た。LC−MS(ESI)m/z378.0および379.9[M+H]+。赤色シロップとしての粗生成物を、精製せずに次の段階にそのまま用いた。
2−((3−(2−クロロフェニル)−5−ニトロキノキザリン−2−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオンおよび2−((3−(2−クロロフェニル)−8−ニトロキノキザリン−2−イル)メチル)イソインドリン−13−ジオン
2−(ブロモメチル)−3−(2−クロロフェニル)−5−ニトロキノキザリンおよび3−(ブロモメチル)−2−(2−クロロフェニル)−5−ニトロキノキザリン(6.2215g、16.43mmol)の混合物のDMF(82.16mL、16.43mmol)中溶液を撹拌しながら、それにカリウムフタルイミド(7.609g、41.08mmol)を加え、混合物を100℃で撹拌した。2時間後、混合物を減圧下に濃縮し、水(150mL)で磨砕した。得られた固体を濾過し、2N NaOH(150mL)と次に水(500mL)で洗浄し、乾燥させて、2−((3−(2−クロロフェニル)−5−ニトロキノキザリン−2−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオンおよび2−((3−(2−クロロフェニル)−8−ニトロキノキザリン−2−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオンの混合物を暗褐色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6);LC−MS(ESI)m/z445.1[M+H]+。粗生成物を、精製せずに次の段階にそのまま用いた。
2−((5−アミノ−3−(2−クロロフェニル)キノキザリン−2−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオンおよび2−((8−アミノ−3−(2−クロロフェニル)キノキザリン−2−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオン
2−((3−(2−クロロフェニル)−5−ニトロキノキザリン−2−イル)メチル)−イソインドリン−1,3−ジオンおよび2−((3−(2−クロロフェニル)−8−ニトロキノキザリン−2−イル)メチル)−イソインドリン−1,3−ジオン(5.9271g、13.32mmol)のEtOAc(78.38mL、13.32mmol)中溶液に、塩化スズ(II)・2水和物(15.17g、66.62mmol)を加え、混合物を還流下に加熱した。5時間後、混合物を減圧下に濃縮してEtOAcを除去した。残留物に、飽和NaHCO3水溶液(300mL)を加えた。得られた沈殿を濾過によって回収し、水(300mL)で洗浄して褐色固体を得た。褐色固体をCH2Cl2(200mL)に懸濁させ、セライト(商標名)層で濾過し、固体をCH2Cl2(100mL)で十分に洗浄した。濾液を減圧下に濃縮して、暗褐色シロップを得た(0.7g)。その暗褐色シロップ(0.7g)を、溶離液として7分間かけての0%から26%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に10分間にわたる26%定組成のEtOAc/ヘキサン、次に20分間かけての26%から100%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に15分間にわたる100%定組成のEtOAc/ヘキサンを用いるRedi−Sep(商標名)カラム120gでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、二つの分離された位置異性体:固体としての2−((5−アミノ−3−(2−クロロフェニル)キノキザリン−2−イル)メチル)−イソインドリン−1,3−ジオン:1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm7.83−7.91(4H、m)、7.62−7.68(2H、m)、7.45−7.59(3H、m)、6.97(1H、dd、J=8.4、1.0Hz)、6.91(1H、dd、J=7.6、1.0Hz)、6.11(2H、s)、4.87(2H、brs)、90942−16−2−1H−NMR;LC−MS(ESI)m/z415.1[M+H]+および固体としての2−((8−アミノ−3−(2−クロロフェニル)−キノキザリン−2−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオン:1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm7.83−7.91(4H、m)、7.59−7.66(2H、m)、7.46−7.58(3H、m)、7.21(1H、dd、J=8.2、1.2Hz)、6.92(1H、dd、J=7.8、1.2Hz)、5.74(2H、s)、4.90(2H、d、J=31.7Hz);LC−MS(ESI)m/z415.1[M+H]+を得た。二つの位置異性体の構造は、1H−15N HMBCおよび1D NOE実験によって確認した。
2−((3−(2−クロロフェニル)−8−ヨードキノキザリン−2−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオン
2−((8−アミノ−3−(2−クロロフェニル)キノキザリン−2−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオン(1.1337g、2.733mmol)をアセトン(39.04mL、2.733mmol)に溶かし、冷却して0℃とした。撹拌しながら、溶液を最初に2M塩酸(7.652mL、15.30mmol)で処理し、次に混合物温度を0℃に維持しながら、1M亜硝酸ナトリウム水溶液(5.466mL、5.466mmol)を滴下した。添加完了後、混合物を15分間撹拌し、温度を5℃以下に維持しながら5Mヨウ化カリウム水溶液(5.411mL、27.06mmol)で処理した。混合物を3.5時間かけて昇温させて15℃とした。アセトンを減圧下に除去し、残留物を水(100mL)と酢酸エチル(100mL)との間で分配した。有機溶液を10%水溶液重亜硫酸ナトリウム(100mLで1回)および飽和重炭酸ナトリウム水溶液(100mLで1回)、ブライン(100mLで1回)で洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、暗バイオレット色シロップ状固体を得た。その暗バイオレット色シロップ状固体を、溶離液として15分間かけての0%から50%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に25分間にわたる50%定組成のEtOAc/ヘキサンを用いるRedi−Sep(商標名)カラム80gでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、2−((3−(2−クロロフェニル)−8−ヨードキノキザリン−2−イル)メチル)−イソインドリン−1,3−ジオンを固体として得た。LC−MS(ESI)m/z526.0[M+H]+。
(3−(2−クロロフェニル)−8−ヨードキノキザリン−2−イル)メタンアミン
2−((3−(2−クロロフェニル)−8−ヨードキノキザリン−2−イル)メチル)−イソインドリン−1,3−ジオン(0.5530g、1.052mmol)のエタノール(10.00mL、1.052mmol)中懸濁液に脱水ヒドラジン(0.3301mL、10.52mmol)を加え、混合物を還流下に撹拌した。20分後、混合物を冷却して室温とした。混合物を減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として25分間かけての0%から50%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に5分間にわたる50%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるRedi−Sep(商標名)カラム80gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、(3−(2−クロロフェニル)−8−ヨードキノキザリン−2−イル)メタンアミンを得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.50(1H、dd、J=IA、1.2Hz)、8.14(1H、dd、J=8.4、1.4Hz)、7.52−7.71(5H、m)、3.84(2H、s)、2.15(2H、s);LC−MS(ESI)m/z396.0[M+H]+。
N−((3−(2−クロロフェニル)−8−ヨードキノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン
6−ブロモプリン(0.1119g、0.5622mmol)、(3−(2−クロロフェニル)−8−ヨードキノキザリン−2−イル)メタンアミン(0.2669g、0.6746mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.2938mL、1.687mmol)の1−ブタノール(2.000mL、0.5622mmol)中混合物を100℃で撹拌した。3時間後、混合物を加熱から外し、緑色沈殿を濾過によって回収し、固体をMeOHで洗浄して緑色固体を得た。その緑色固体を、溶離液として14分間かけての0%から100%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に5分間にわたる100%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)を用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して黄色固体を得た。その黄色固体をCH2Cl2に懸濁させ、濾過して、N−((3−(2−クロロ−フェニル)−8−ヨードキノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンを黄色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm12.93(1H、s)、8.48(1H、d、J=7.4Hz)、8.03−8.20(3H、m)、7.43−7.88(6H、m)、4.84(2H、s);LC−MS(ESI)m/z514.0[M+H]+。
(実施例98)
TFA塩としてのN−((3−(2−クロロフェニル)−8−(メチルスルホニル)−キノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンの製造
撹拌バーを入れたシュレンク管に、アルゴン雰囲気下にN−((3−(2−クロロフェニル)−8−ヨードキノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン(実施例97で製造、0.1000g、0.19mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸銅(I)・トルエン錯体(2:1)(0.0050g、0.0097mmol)およびメタンスルフィン酸ナトリウム(0.047g、0.39mmol)を加えた。管の出口をラバーセプタムで覆い、アルゴン雰囲気を確保した。N,N′−ジメチルエチレンジアミン(0.0021mL、0.019mmol)およびDMSO(1.0mL、0.19mmol)を注射器によって加えた。セプタムを、テフロン(登録商標)コートしたネジキャップに取り替え、反応容器を110℃に入れた。20時間撹拌後、反応混合物を冷却して室温とし、CH2Cl2(50mL)で希釈し、シリカゲルの層で濾過し、その層をCH2Cl2(100mL)で洗浄した。濾液を水(50mLで2回)およびブライン(50mLで1回)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、緑色シロップを得た。その緑色シロップを、溶離液として14分間かけての0%から100%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に3分間にわたる100%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)を用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、赤色シロップ状固体を得た(0.0172g)。その暗赤色シロップ(0.0172g)を、溶離液として40分間かけての20%から70%勾配のCH3CN(0.1%TFA含有)/水(0.1%TFA含有)を用いるC18カラムでの半分取HPLCによって精製して、TFA塩としてのN−((3−(2−クロロフェニル)−8−(メチルスルホニル)キノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンを明黄色固体として得た。LC−MS(ESI)m/z466.1[M+H]+(中性型の精密質量:465.077)。
(実施例99)
N−((3−(2−クロロフェニル)−5−ヨードキノキザリン−2−イル)−メチル)−9H−プリン−6−アミンの製造
2−((3−(2−クロロフェニル)−5−ヨードキノキザリン−2−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオン
2−((5−アミノ−3−(2−クロロフェニル)キノキザリン−2−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオン(実施例97で製造、0.8364g、2.016mmol)をアセトン(28.80mL、2.016mmol)に溶かし、冷却して0℃とした。撹拌しながら、溶液を最初に2M塩酸(5.645mL、11.29mmol)で処理し、次に混合物の温度を0℃に維持しながら1M亜硝酸ナトリウム水溶液(6.049mL、6.049mmol)を滴下した。添加完了後、混合物を15分間撹拌し、温度を5℃以下に維持しながら5Mヨウ化カリウム水溶液(4.839mL、24.19mmol)で処理した。混合物を3時間かけて昇温させて15℃とした。アセトンを減圧下に除去し、残留物を水(100mL)と酢酸エチル(100mL)との間で分配した。有機溶液を10%重亜硫酸ナトリウム水溶液(100mLで3回)および飽和重炭酸ナトリウム水溶液(100mLで1回)、ブライン(100mLで1回)で洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して赤色固体を得た。その赤色固体を、溶離液として25分間かけての0%から50%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に25分間にわたる50%定組成のEtOAc/ヘキサンを用いるRedi−Sep(商標名)カラム80gでのシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、2−((3−(2−クロロフェニル)−5−ヨードキノキザリン−2−イル)メチル)−イソインドリン−1,3−ジオンを固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.48(1H、dd、J=7.4、1.2Hz)、7.97(1H、dd、J=8.2、1.2Hz)、7.83−7.91(4H、m)、7.51−7.75(5H、m)、4.96(2H、d、J=21.9Hz);LC−MS(ESI)m/z526.0[M+H]+。
(3−(2−クロロフェニル)−5−ヨードキノキザリン−2−イル)メタンアミン
2−((3−(2−クロロフェニル)−5−ヨードキノキザリン−2−イル)メチル)−イソインドリン−1,3−ジオン(0.7028g、1.337mmol)のエタノール(12.00mL、1.337mmol)中懸濁液に、脱水ヒドラジン(0.4196mL、13.37mmol)を加え、混合物を還流下に撹拌した。30分後、混合物を冷却して室温とした。混合物を減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として25分間かけての0%から50%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に5分間にわたる50%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるRedi−Sep(商標名)カラム80gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、(3−(2−クロロフェニル)−5−ヨードキノキザリン−2−イル)メタンアミンを緑色シロップ状固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.45(1H、dd、J=7.4、1.0Hz)、8.17(1H、dd、J=8.4、1.2Hz)、7.52−7.74(5H、m)、3.83(2H、brs)、1.97(2H、brs);LC−MS(ESI)m/z396.0[M+H]+。
N−((3−(2−クロロフェニル)−5−ヨードキノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン
6−ブロモプリン(0.1859g、0.9340mmol)、(3−(2−クロロフェニル)−5−ヨードキノキザリン−2−イル)メタンアミン(0.4434g、1.121mmol)およびN,N−ジイソプロピル−エチルアミン(0.4880mL、2.802mmol)の1−ブタノール(5.000mL、0.9340mmol)中混合物を100℃で撹拌した。2時間後、混合物を冷却して室温とし、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として50%のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるシリカゲルカラムでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、黄色固体を得た(0.2120g)。その黄色固体をCH2Cl2に懸濁させ、濾過して、N−((3−(2−クロロフェニル)−5−ヨードキノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンを明黄色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm12.88(1H、brs)、8.46(1H、dd、J=7.4、1.2Hz)、8.12(2H、d、J=7.2Hz)、8.06(1H、s)、7.93(1H、s)、7.69(1H、dd、J=7.4、1.8Hz)、7.64(2H、t、J=8.0Hz)、7.53−7.59(1H、m)、7.48−7.53(1H、m)、4.83(2H、brs);LC−MS(ESI)m/z514.0[M+H]+。
(実施例100)
N−((5−クロロ−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−キノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンの製造
5−クロロ−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−2−メチルキノキザリン
3,5−ジクロロ−2−メチルキノキザリン(実施例85で製造、1.0000g、4.693mmol)、2−クロロ−5−フルオロフェニルボロン酸(0.9002g、5.163mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.2712g、0.2347mmol)および無水炭酸ナトリウム(2.487g、23.47mmol)のアセトニトリル−水(3:1)(47.00mL)中混合物を100℃で撹拌した。3時間後、混合物を冷却して室温とし、EtOAc(100mL)と水(100mL)との間で分配した。有機層をブライン(50mLで2回)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として25分間かけての0%から50%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に10分間にわたる50%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sep(商標名)カラム80gでのシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、5−クロロ−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−2−メチルキノキザリンを赤色シロップ状固体を得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.09(1H、dd、J=8.4、1.4Hz)、8.03(1H、dd、J=7.6、1.4Hz)、7.88(1H、dd、J=8.4、7.6Hz)、7.75(1H、dd、J=9.0、5.1Hz)、7.61(1H、dd、J=8.6、3.1Hz)、7.46−7.53(1H、m)、2.54(3H、s);LC−MS(ESI)m/z307.0[M+H]+。
2−(ブロモメチル)−5−クロロ−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)キノキザリン
5−クロロ−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−2−メチルキノキザリン(0.3013g、0.981mmol)および1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(0.280g、0.981mmol)を四塩化炭素(9.81mL、0.981mmol)に懸濁させた。その混合物に、過酸化ベンゾイル(0.0317g、0.0981mmol)を加え、混合物を加熱還流させた。22時間後、混合物を冷却して室温とし、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として10分間かけての0%から5%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に25分間にわたる5%定組成のEtOAc、次に20分間かけての5%から20%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に4分間にわたる20%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sep(商標名)カラム80gでのシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、2−(ブロモメチル)−5−クロロ−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−キノキザリンを明黄色シロップ状固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.12−8.21(2H、m)、7.92−8.00(1H、m)、7.76(1H、dd、J=9.0、5.1Hz)、7.71(1H、dd、J=8.6、3.1Hz)、7.49−7.58(1H、m)、4.74(2H、brs);LC−MS(ESI)m/z387.0[M+H]+。
2−((5−クロロ−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオン
2−(ブロモメチル)−5−クロロ−3−(2−クロロ−5−フルオロ−フェニル)キノキザリン(0.1815g、0.4702mmol)のDMF(3.444mL、0.4702mmol)中不均一混合物に、カリウムフタルイミド(0.2177g、1.175mmol)を加え、その不均一混合物を100℃で撹拌した。100℃で30分間撹拌後、混合物を減圧下に濃縮し、水(30mL)で磨砕した。沈殿を濾過によって回収した。得られた固体を濾過し、2N NaOH(30mL)、次に水(100mL)で洗浄し、風乾して、2−((5−クロロ−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオンをオフホワイト固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.09(1H、dd、J=7.6、1.4Hz)、7.95−8.01(1H、m)、7.82−7.91(5H、m)、7.65−7.75(2H、m)、7.43−7.52(1H、m)、4.99(2H、brs);LC−MS(ESI)m/z452.0[M+H]+。粗生成物を、精製せずに次の段階にそのまま用いた。
(5−クロロ−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)メタンアミン
2−((5−クロロ−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)−メチル)イソインドリン−1,3−ジオン(0.1607g、0.355mmol)のエタノール(3.60mL、0.355mmol)中懸濁液に脱水ヒドラジン(0.112mL、3.55mmol)を加え、混合物を還流下に撹拌した。30分後、混合物を冷却して室温とした。副生成物を濾過し、MeOHで洗浄した。濾液を減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として14分間かけての0%から100%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に10分間にわたる100%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)を用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、(5−クロロ−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)メタンアミンを緑色シロップ状固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.16(1H、dd、J=8.4、1.4Hz)、8.06(1H、dd、J=7.8、1.2Hz)、7.87−7.95(1H、m)、7.74(1H、dd、J=9.0、5.1Hz)、7.61(1H、dd、J=8.6、3.1Hz)、7.46−7.54(1H、m)、3.85(2H、s)、2.11(2H、brs);LC−MS(ESI)m/z322.0[M+H]+。
N−((5−クロロ−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン
6−ブロモプリン(0.07531g、0.3784mmol)、(5−クロロ−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)メタンアミン(0.1016g、0.3154mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.1648mL、0.9461mmol)の1−ブタノール(3.000mL、0.3154mmol)中混合物を100℃で撹拌した。2時間後、混合物を加熱から外し、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として14分間かけての0%から20%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に14分間にわたる20%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に10分間かけての20%から50%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に10分間にわたる50%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、明黄色固体を得た(0.0622g)。その黄色固体(0.0622g)をMeOHに懸濁させ、濾過して、N−((5−クロロ−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンを明黄色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm12.92(1H、s)、8.03−8.19(4H、m)、7.82−8.01(2H、m)、7.63(1H、dd、J=9.0、5.1Hz)、7.55(1H、dd、J=8.6、3.1Hz)、7.29−7.44(1H、m)、4.89(2H、s);LC−MS(ESI)m/z440.0[M+H]+。
(実施例101)
N−((S)−1−(5−クロロ−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−キノキザリン−2−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンおよびN−((R)−1−(5−クロロ−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンの製造
5−クロロ−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)キノキザリン−2−カルボアルデヒド
2−(ブロモメチル)−5−クロロ−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)キノキザリン(実施例100で製造、0.5625g、1.457mmol)およびメタ過ヨウ素酸ナトリウム(0.1613mL、2.914mmol)のDMF(9.714mL、1.457mmol)中混合物を、撹拌しながら150℃で加熱した。3時間後、混合物を冷却して室温とし、EtOAc(100mL)で希釈し、ブラインで洗浄し(50mLで2回)、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として10分間かけての0%から10%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に20分間にわたる10%定組成のEtOAc、次に20分間かけての10%から20%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に3分間にわたる20%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sep(商標名)カラム80gでのシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、5−クロロ−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)キノキザリン−2−カルボアルデヒドをオフホワイト固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm10.16(1H、s)、8.35−8.41(1H、m)、8.29−8.34(1H、m)、8.07(1H、dd、J=8.4、7.6Hz)、7.68(1H、dd、J=8.8、4.9Hz)、7.44−7.58(2H、m);LC−MS(ESI)m/z321.0[M+H]+。
1−(5−クロロ−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)エタノール
5−クロロ−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−キノキザリン−2−カルボアルデヒド(0.1650g、0.514mmol)のTHF(5.00mL、0.514mmol)中撹拌不均一混合物を撹拌しながら、それにメチルマグネシウムブロマイド3Mのジエチルエーテル中溶液(0.257mL、0.771mmol)を0℃で滴下し、混合物を昇温させて室温とし、室温で撹拌した。5.5時間後、NH4Cl(50mL)で反応停止し、EtOAcで抽出した(50mLで2回)。合わせた有機層を水(50mLで1回)、ブライン(50mLで1回)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として14分間かけての0%から50%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に10分間にわたる50%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sepカラム40gでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、1−(5−クロロ−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)エタノールを固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.17(1H、dd、J=8.4、1.4Hz)、8.09(1H、dd、J=7.8、1.2Hz)、7.88−7.96(1H、m)、7.72(1H、dd、J=9.0、5.1Hz)、7.61(1H、brs)、7.44−7.53(1H、m)、5.36(1H、d、J=6.3Hz)、4.83(1H、brs)、1.49(3H、brs);LC−MS(ESI)m/z337.0[M+H]+。
2−(1−(5−クロロ−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオン
1−(5−クロロ−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)エタノール(0.08320g、0.2468mmol)のテトラヒドロフラン(2.468mL、0.2468mmol)中溶液に、トリフェニルホスフィン(0.07766g、0.2961mmol)、フタルイミド(0.04357g、0.2961mmol)およびジイソプロピルアゾジカルボキシレート(0.05735mL、0.2961mmol)を加えた。反応混合物を室温で撹拌した。6時間後、混合物を減圧下に濃縮し、EtOAc(100mL)とブライン(100mL)との間で分配した。合わせた有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として10分間かけての0%から10%勾配のEtOAc/ヘキサン、20分間にわたる10%定組成のEtOAc、次に20分間かけての10%から50%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に3分間にわたる50%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、2−(1−(5−クロロ−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオンを黄褐色固体として得た。LC−MS(ESI)m/z466.0[M+H]+。
1−(5−クロロ−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)エタンアミン
2−(1−(5−クロロ−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)−エチル)イソインドリン−1,3−ジオン(0.0802g、0.172mmol)のエタノール(3.44mL、0.172mmol)中懸濁液に脱水ヒドラジン(0.0540mL、1.72mmol)を加え、混合物を還流下に撹拌した。30分後、混合物を冷却して室温とした。混合物を減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として14分間かけての0%から100%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に5分間にわたる100%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)を用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、1−(5−クロロ−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)エタンアミンを明黄色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.11−8.17(1H、m)、8.06(1H、dd、J=7.6、1.4Hz)、7.87−7.94(1H、m)、7.74(1H、dd、J=9.0、5.1Hz)、7.67(1H、dd、J=8.8、2.9Hz)、7.46−7.55(1H、m)、3.99(1H、q、J=6.7Hz)、2.24(2H、brs)、1.12−1.43(3H、m);LC−MS(ESI)m/z336.1[M+H]+。
N−((S)−1−(5−クロロ−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンおよびN−((R)−1−(5−クロロ−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−キノキザリン−2−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン
6−ブロモプリン(0.0309g、0.155mmol)、1−(5−クロロ−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)エタンアミン(0.0522g、0.155mmol)およびN,N−ジイソ−プロピルエチルアミン(0.0811mL、0.466mmol)の1−ブタノール(2.00mL、0.155mmol)中混合物を撹100℃で拌した。50時間後、混合物を加熱から外し、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として14分間かけての0%から100%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に20分間にわたる100%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)を用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、ラセミ体混合物を黄色固体として得た(0.0601g、85.2%)。そのラセミ体混合物(0.0601g)をMeOH−CH2Cl2(1:3、4mL)に溶かし、濾過し、溶離液として40分間にわたる10%定組成のイソプロパノール/ヘキサンを用いるキラルパック(商標名)IAカラム(30×250mm、5μm)で分離して、二つの分離された異性体:オフホワイト固体としてのN−((S)−1−(5−クロロ−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン:1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm12.87(1H、s)、7.12−8.29(9H、m)、5.59(1H、brs)、1.63(3H、d、J=5.9Hz);LC−MS(ESI)m/z454.1[M+H]+およびオフホワイト固体としてのN−((R)−1−(5−クロロ−3−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン:1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm12.89(1H、s)、7.04−8.40(9H、m)、5.56(1H、brs)、1.63(3H、d、J=6.8Hz);LC−MS(ESI)m/z454.1[M+H]+を得た。
(実施例102)
N−((8−クロロ−2−(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)−キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンジヒドロクロライドの製造
2−((8−クロロ−2−(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)キノリン−3−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオン
2−((2,8−ジクロロキノリン−3−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオン(0.5000g、1.400mmol)、1−メチル−5−(トリブチルスタンニル)−1H−イミダゾール(粗取得物)(1.039g、2.800mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.1618g、0.1400mmol)の1,4−ジオキサン(11.67mL、1.400mmol)中溶液を100℃で撹拌した。22時間後、混合物を冷却して室温とし、減圧下に濃縮した。残留物をEt2O(20mL)と混合し、超音波処理し、濾過した。固体をEt2O(20mL)および次にヘキサン(40mL)で洗浄して、オフホワイト固体を得た。そのオフホワイト固体を、溶離液として14分間かけての0%から100%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に5分間にわたる100%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)を用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、2−((8−クロロ−2−(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)キノリン−3−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオンをオフホワイト固体としてて得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.36(1H、s)、7.86−7.97(7H、m)、7.62(1H、d、J=1.2Hz)、7.53(1H、t、J=8.0Hz)、5.13(2H、s)、4.00(3H、s);LC−MS(ESI)m/z403.1[M+H]+。
(8−クロロ−2−(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)キノリン−3−イル)メタンアミン
2−((8−クロロ−2−(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)キノリン−3−イル)−メチル)イソインドリン−1,3−ジオン(0.1841g、0.457mmol)のエタノール(10.0mL、0.457mmol)中懸濁液に脱水ヒドラジン(0.143mL、4.57mmol)を加え、混合物を還流下に30分間撹拌した。30分後、混合物を冷却して室温とした。混合物を減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として14分間かけての0%から100%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に20分間にわたり100%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)を用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、(8−クロロ−2−(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)キノリン−3−イル)−メタンアミンを白色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.60(1H、s)、7.96(1H、dd、J=8.2、1.2Hz)、7.91(1H、dd、J=7.4、1.2Hz)、7.87(1H、s)、7.52−7.61(2H、m)、4.05(2H、d、J=0.8Hz)、3.97(3H、s)、2.06(2H、brs);LC−MS(ESI)m/z273.1[M+H]+。
N−((8−クロロ−2−(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンジヒドロクロライド
6−ブロモプリン(0.07844g、0.3942mmol)、(8−クロロ−2−(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)キノリン−3−イル)メタンアミン(0.1075g、0.3942mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.2060mL、1.182mmol)の1−ブタノール(3.942mL、0.3942mmol)中混合物を100℃で撹拌した。16時間後、混合物を加熱から外した。沈殿を濾過し、固体をMeOHで洗浄して、オフホワイト固体および濾液を得た。オフホワイト固体を、溶離液として14分間かけての0%から100%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に20分間にわたる100%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)を用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、オフホワイト固体を得た。そのオフホワイト固体をMeOHに懸濁させ、濾過して、N−((8−クロロ−2−(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミンを白色固体として得た。N−((8−クロロ−2−(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)キノリン−3−イル)メチル)−9H−プリン−6−アミン(0.10596g)の純粋エタノール(7mL)中懸濁液を塩酸容積測定標準、0.5004N水溶液(1.084mL、0.54322mmol、2当量)で処理した。混合物を95℃油浴で5分間撹拌した。5分後、混合物は透明溶液となり、冷却して室温とした。冷却した混合物を減圧下に濃縮して明黄色固体を得た。その明黄色固体を水3mLに溶かし、冷凍し、凍結乾燥機で乾燥させて、N−((8−クロロ−2−(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)キノリン−3−イル)−メチル)−9H−プリン−6−アミンジヒドロクロライドをオフホワイト固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm9.99(1H、brs)、9.34(1H、s)、8.66(1H、s)、8.42−8.62(2H、m)、8.37(1H、s)、7.99−8.07(2H、m)、7.67(1H、t、J=8.0Hz)、5.19(2H、brs)、4.08(3H、s);LC−MS(ESI)m/z391.1[M+H]+(中性型の精密質量:390.111)。
(実施例103)
N−(2−(5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)プロパン−2−イル)−9H−プリン−6−アミンの製造
5−クロロ−3−イソプロピルキノキザリン−2(1H)−オンおよび8−クロロ−3−イソプロピル−キノキザリン−2(1H)−オン
3−クロロベンゼン−1,2−ジアミン(実施例81で製造、10.000g、70.13mmol)および3−メチル−2−オキソ酪酸エチル(10.22mL、70.13mmol)のポリリン酸(100.00g)中混合物を撹拌し、115℃で加熱した。5時間後、混合物を冷却して室温とし、水(300mL)と十分に混和し、10N NaOH(100mL)で中和した。得られた沈殿を濾過によって回収し、水(1リットル)で洗浄し、乾燥させて、二つの位置異性体の混合物を褐色固体として得た。その褐色固体をMeOH(100mL)に懸濁させ、濾過し、MeOH(150mL)で洗浄して、5−クロロ−3−イソプロピルキノキザリン−2(1H)−オンおよび8−クロロ−3−イソプロピルキノキザリン−2(1H)−オンの混合物を黄褐色固体として得た。LC−MS(ESI)m/z223.1[M+H]+。その粗生成物を、精製せずに次の段階にそのまま用いた。
2,5−ジクロロ−3−イソプロピルキノキザリンおよび3,5−ジクロロ−2−イソプロピルキノキザリン
5−クロロ−3−イソプロピルキノキザリン−2(1H)−オンおよび8−クロロ−3−イソプロピルキノキザリン−2(1H)−オン(3.3933g、15.239mmol)およびホスホリルトリクロライド(27.900mL、304.78mmol)中混合物を100℃で撹拌した。1時間後、混合物を冷却して室温とした。混合物を撹拌しながら氷(約200mL)に投入し、撹拌しながらNH4OH(100mL)および氷(約400mL)で中和した。得られた沈殿を濾過によって回収し、水(200mL)で洗い、乾燥させて、2,5−ジクロロ−3−イソプロピルキノキザリンおよび3,5−ジクロロ−2−イソプロピルキノキザリンの混合物を赤色固体として得た。LC−MS(ESI)m/z241.0[M+H]+。その粗生成物を、精製せずに次の段階にそのまま用いた。
5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)−2−イソプロピルキノキザリンおよび5−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)−3−イソプロピルキノキザリン
2,5−ジクロロ−3−イソプロピルキノキザリンおよび3,5−ジクロロ−2−イソプロピル−キノキザリン(2.7397g、11.36mmol)、3−フルオロフェニルボロン酸(1.749g、12.50mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.6565g、0.5681mmol)および無水炭酸ナトリウム(6.021g、56.81mmol)のアセトニトリル−水(3:1)(120.00mL)中混合物を100℃で撹拌した。2.5時間後、混合物を冷却して室温とし、EtOAc(100mL)と水(100mL)との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し(50mLで2回)、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として25分間かけての0%から20%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に10分間にわたる20%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sep(商標名)カラム80gでのシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)−2−イソプロピルキノキザリンおよび5−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)−3−イソプロピルキノキザリンの混合物を明黄色シロップ状固体として得た。LC−MS(ESI)m/z301.1[M+H]+。その二つの位置異性体の混合物を、それ以上精製せずに混合物として次の段階に用いた。
3−(2−ブロモプロパン−2−イル)−5−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)キノキザリンおよび2−(2−ブロモプロパン−2−イル)−5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリン
5−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)−3−イソプロピルキノキザリンおよび5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)−2−イソプロピルキノキザリン(3.3042g、10.99mmol)および1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(4.712g、16.48mmol)の混合物を四塩化炭素(109.9mL、10.99mmol)に懸濁させた。その混合物に、過酸化ベンゾイル(0.3548g、1.099mmol)を加え、混合物を加熱還流させた。20時間後、混合物を冷却して室温とし、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として15分間かけての0%から10%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に30分間にわたる10%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sep(商標名)カラム120gでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、3−(2−ブロモプロパン−2−イル)−5−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)キノキザリンおよび2−(2−ブロモプロパン−2−イル)−5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリンを黄色固体として得た。LC−MS(ESI)m/z379.0および381.0[M+H]+。その二つの位置異性体の混合物を、それ以上精製せずに混合物として次の段階で用いた。
2−(2−アジドプロパン−2−イル)−5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリンおよび3−(2−アジドプロパン−2−イル)−5−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)キノキザリン
3−(2−ブロモプロパン−2−イル)−5−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)キノキザリンおよび2−(2−ブロモプロパン−2−イル)−5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリン(1.0000g、2.634mmol)のメチルスルホキシド(17.56mL、2.634mmol)中溶液に、アジ化ナトリウム(0.3425g、5.268mmol)を加え、混合物を室温で撹拌した。40分後、混合物をEtOAc(100mL)とH2O(100mL)との間で分配した。有機層をブライン(100mLで1回)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、2−(2−アジドプロパン−2−イル)−5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリンおよび3−(2−アジドプロパン−2−イル)−5−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)キノキザリンの混合物を黄色固体として得た。LC−MS(ESI)m/z342.1[M+H]+。粗生成物を、精製せずに次の段階にそのまま用いた。
2−(8−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)プロパン−2−アミンおよび2−(5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)プロパン−2−アミン
2−(2−アジドプロパン−2−イル)−5−クロロ−3−(3−フルオロ−フェニル)キノキザリンおよび3−(2−アジドプロパン−2−イル)−5−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)−キノキザリン(0.9002g、2.634mmol)の混合物のTHF−H2O(4:1)(15.00mL、2.634mmol)中溶液を撹拌しながら、それにトリメチルホスフィン、1.0M THF溶液(5.268mL、5.268mmol)を室温で滴下し、混合物を室温で撹拌した。40分後、混合物を氷冷2N NaOH(25mL)で希釈し、EtOAcで抽出した(50mLで3回)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(50mLで3回)、MgSO4で脱水し、減圧下に濃縮して、緑色シロップを得た。その緑色シロップを、溶離液として15分間かけての0%から20%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に15分間にわたる20%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に15分間かけての20%から50%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に20分間にわたる50%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるRedi−Sep(商標名)カラム120gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、二つの分離された位置異性体:2−(8−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)プロパン−2−アミン:1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.01−8.08(2H、m)、7.79−7.85(1H、m)、7.47−7.58(2H、m)、7.31−7.46(2H、m)、1.99(2H、brs)、1.41(6H、s);LC−MS(ESI)m/z316.1[M+H]+および2−(5−クロロ−3−(3−フルオロ−フェニル)キノキザリン−2−イル)プロパン−2−アミン:1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.08(1H、dd、J=8.4、1.4Hz)、8.02(1H、dd、J=7.6、1.4Hz)、7.85(1H、dd、J=8.4、7.6Hz)、7.48−7.59(2H、m)、7.40−7.44(1H、m)、7.33−7.39(1H、m)、1.93(2H、s)、1.39(6H、s);LC−MS(ESI)m/z1.100分で316.1[M+H]+を得た。
N−(2−(5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)プロパン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン
6−ブロモプリン(0.2423g、1.218mmol)、2−(5−クロロ−3−(3−フルオロ−フェニル)キノキザリン−2−イル)プロパン−2−アミン(0.3845g、1.218mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.6363mL、3.653mmol)の1−ブタノール(7.000mL、1.218mmol)中混合物を100℃で撹拌した。62時間後、混合物を加熱から外し、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として30%のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるシリカゲルカラムでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、N−(2−(5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)プロパン−2−イル)−9H−プリン−6−アミンを白色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm12.84(1H、s)、8.12(1H、dd、J=8.4、1.0Hz)、8.00(2H、dd、J=7.5、1.1Hz)、7.80−7.91(1H、m)、7.78(1H、s)、6.88−7.19(3H、m)、6.75(1H、s)、6.41(1H、s)、1.94(6H、s);LC−MS(ESI)m/z434.2[M+H]+。
(実施例104)
TFA塩としてのN−(2−(8−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)プロパン−2−イル)−9H−プリン−6−アミンの製造
6−ブロモプリン(0.0195g、0.0982mmol)、2−(8−クロロ−3−(3−フルオロ−フェニル)キノキザリン−2−イル)プロパン−2−アミン(実施例103で製造、0.0310g、0.0982mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.0513mL、0.295mmol)の1−ブタノール(1.00mL、0.0982mmol)中混合物を100℃で62時間撹拌し、混合物を300Wにて140℃でマイクロ波リアクター中で照射した。混合物を加熱から外し、減圧下に濃縮した。混合物を、DMSO(1.5mL)に溶かし、溶離液として40分間かけての20%から70%勾配のCH3CN(0.1%TFA含有)/水(0.1%TFA含有)を用いるジェミニ(商標名)10μC18カラム(250×21.2mm、10μm)での半分取HPLCによって精製して、TFA塩としてのN−5(2−(8−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)プロパン−2−イル)−9H−プリン−6−アミンを黄色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.26(1H、s)、7.99−8.12(3H、m)、7.76−7.96(2H、m)、6.94−7.08(2H、m)、6.76(1H、d、J=7.0Hz)、6.64(1H、d、J=9.0Hz)、2.01(6H、s);LC−MS(ESI)m/z434.2[M+H]+(中性型の精密質量:433.122)。
(実施例105)
TFA塩としてのN−((S)−1−(8−クロロ−2−(3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンの製造
2−((S)−1−(8−クロロ−2−(3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−3−イル)−エチル)イソインドリン−1,3−ジオン
(S)−2−(1−(2,8−ジクロロキノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオン(0.2000g、0.539mmol)、3−(トリフルオロメチル)ピラゾール(0.0733g、0.539mmol)、炭酸セシウム(0.351g、1.08mmol)のDMF(1.80mL、0.539mmol)中混合物を100℃で撹拌した。2時間後、混合物を冷却して室温とした。冷却した混合物に、水(30mL)を加えた。その混合物をEtOAcで抽出した(50mLで2回)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(50mLで1回)、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として10分間かけての0%から10%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に10分間にわたる10%定組成のEtOAc、次に20分間かけての10%から50%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に10分間にわたる50%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sepカラム40gでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、2−((S)−1−(8−クロロ−2−(3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオンを黄色シロップとして得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm9.05(1H、s)、8.51(1H、d、J=2.2Hz)、8.25(1H、dd、J=8.4、1.0Hz)、8.08(1H、dd、J=7.7、0.9Hz)、7.63−7.85(5H、m)、6.92(1H、d、J=2.7Hz)、5.94−6.05(1H、m)、1.83(3H、d、J=7.0Hz);LC−MS(ESI)m/z471.1[M+H]+。
(1S)−1−(8−クロロ−2−(3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−3−イル)−エタンアミン
2−((S)−1−(8−クロロ−2−(3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)−キノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオン(0.0435g、0.0924mmol)のエタノール(1.85mL、0.0924mmol)中懸濁液に脱水ヒドラジン(0.0290mL、0.924mmol)を加え、混合物を還流下に撹拌した。30分後、混合物を冷却して室温とした。混合物を減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として14分間かけての0%から100%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に5分間にわたる100%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)を用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、(1S)−1−(8−クロロ−2−(3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−3−イル)エタンアミンを黄色シロップとして得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.98(1H、s)、8.65−8.70(1H、m)、8.11(1H、dd、J=8.2、1.2Hz)、8.02(1H、dd、J=7.4、1.2Hz)、7.65−7.72(1H、m)、7.12(1H、d、J=2.7Hz)、4.53(1H、q、J=6.8Hz)、2.26(2H、brs)、1.24(3H、d、J=6.7Hz);LC−MS(ESI)m/z341.0[M+H]+。
TFA塩としてのN−((S)−1−(8−クロロ−2−(3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−3−イル)−エチル)−9H−プリン−6−アミン
6−ブロモプリン(0.0107g、0.0540mmol)、(1S)−1−(8−クロロ−2−(3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−3−イル)エタンアミン(0.0184g、0.0540mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.0282mL、0.162mmol)の1−ブタノール(1.00mL、0.0540mmol)中混合物を100℃で撹拌した。マイクロ波リアクター中にて100℃で13時間、次に140℃で6時間後に、混合物を加熱から外し、減圧下に濃縮した。粗混合物をDMSO(1.5mL)に溶かし、溶離液として40分間にわたる20%から70%勾配のCH3CN(0.1%TFA含有)/水(0.1%TFA含有)を用いるジェミニ(商標名)10μC18カラム(250×21.2mm、10μm)での半分取HPLCによって精製し(1.5mL(30.9mg)を1回注入)、凍結乾燥機で乾燥させて、TFA塩としてのN−((S)−1−(8−クロロ−2−(3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンを白色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.73−8.93(3H、m)、8.15−8.41(2H、m)、7.98−8.09(2H、m)、7.60−7.71(1H、m)、7.11(1H、d、J=2.3Hz)、5.85(1H、brs)、1.71(3H、brs);LC−MS(ESI)m/z459.1[M+H]+(中性型の精密質量:458.098)。
(実施例106)
N−((S)−1−(5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)−キノキザリン−2−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンおよびN−((R)−1−(5−クロロ−3−(3−フルオロ−フェニル)キノキザリン−2−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンの製造
5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリン−2−カルボアルデヒド
2−(ブロモメチル)−5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリン(実施例95で製造、0.8089g、2.301mmol)およびメタ過ヨウ素酸ナトリウム(0.9842g、4.601mmol)のDMF(15.34mL、2.301mmol)中混合物を、撹拌しながら150℃で加熱した。5時間後、混合物を冷却して室温とし、EtOAc(100mL)で希釈し、飽和Na2S2O3(50mLで1回)およびブライン(50mLで2回)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として10分間かけての0%から10%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に20分間にわたる10%定組成のEtOAc、次に20分間かけての10%から20%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に20分間にわたる20%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sep(商標名)カラム80gでのシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリン−2−カルボアルデヒドを固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm10.18(1H、s)、8.31(1H、dd、J=8.2、1.2Hz)、8.25(1H、dd、J=7.4、1.2Hz)、7.99(1H、dd、J=8.4、7.6Hz)、7.56−7.70(3H、m)、7.38−7.46(1H、m);LC−MS(ESI)m/z287.0[M+H]+。
1−(5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)エタノール
5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリン−2−カルボアルデヒド(0.4405g、1.537mmol)のTHF(14.95mL、1.537mmol)中不均一混合物を撹拌しながら、それにメチルマグネシウムブロマイド3Mのジエチルエーテル中溶液(1.024mL、3.073mmol)を0℃で滴下し、混合物を昇温させて室温とした。3時間後、飽和NH4Cl水溶液(50mL)で反応停止し、EtOAcで抽出した(50mLで2回)。合わせた有機層を水(50mLで1回)、ブライン(50mLで1回)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として14分間かけての0%から50%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に10分間にわたる50%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、1−(5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)エタノールを固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.14(1H、dd、J=8.4、1.2Hz)、8.06(1H、dd、J=I.6、1.4Hz)、7.87(1H、dd、J=8.4、7.6Hz)、7.56−7.71(3H、m)、7.37−7.46(1H、m)、5.50(1H、d、J=6.1Hz)、5.04−5.13(1H、m)、1.48(3H、d、J=6.3Hz);LC−MS(ESI)m/z303.1[M+H]+。
2−(1−(5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオン
1−(5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)エタノール(0.2875g、0.9497mmol)のテトラヒドロフラン(9.497mL、0.9497mmol)中溶液に、トリフェニル−ホスフィン(0.7473g、2.849mmol)、フタルイミド(0.4192g、2.849mmol)およびジイソプロピルアゾジカルボキシレート(0.5518mL、2.849mmol)を加えた。反応混合物を室温で撹拌した。1時間後、混合物を減圧下に濃縮し、EtOAc(100mL)とブライン(100mL)との間で分配した。有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として20分間かけての0%から50%勾配のEtOAc/ヘキサン、5分間にわたる50%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、2−(1−(5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオンを黄色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.19(1H、dd、J=8.4、1.4Hz)、8.09(1H、dd、J=7.6、1.4Hz)、7.91(1H、dd、J=8.4、7.6Hz)、7.73−7.80(2H、m)、7.60−7.68(2H、m)、7.31−7.38(1H、m)、7.14−7.24(2H、m)、7.00−7.09(1H、m)、6.04−6.13(1H、m)、1.77(3H、d、J=6.7Hz);LC−MS(ESI)m/z432.1[M+H]+。
1−(5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)エタンアミン
2−(1−(5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)エチル)−イソインドリン−1,3−ジオン(0.2272g、0.526mmol)のエタノール(10.5mL、0.526mmol)中懸濁液に、脱水ヒドラジン(0.165mL、5.26mmol)を加え、混合物を還流下に撹拌した。30分後、混合物を冷却して室温とした。混合物を減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として14分間かけての0%から100%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に3分間にわたる100%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)を用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、1−(5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)エタンアミンを黄色シロップとして得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.11(1H、dd、J=8.4、1.4Hz)、8.00−8.05(1H、m)、7.86(1H、dd、J=SA、7.6Hz)、7.57−7.69(3H、m)、7.38−7.47(1H、m)、4.32(1H、q、J=6.7Hz)、2.12(2H、brs)、1.31(3H、d、J=6.7Hz);LC−MS(ESI)m/z302.0[M+H]+。
N−((S)−1−(5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンおよびN−((R)−1−(5−クロロ−3−(3−フルオロフェニル)キノキザリン−2−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン
6−ブロモプリン(0.09794g、0.4921mmol)、1−(5−クロロ−3−(3−フルオロ−フェニル)キノキザリン−2−イル)エタンアミン(0.1485g、0.4921mmol)およびN,N−ジイソ−プロピルエチルアミン(0.2572mL、1.476mmol)の1−ブタノール(6.340mL、0.4921mmol)中混合物を100℃で撹拌した。22時間後、混合物を加熱から外し、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として14分間かけての0%から100%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に10分間にわたる100%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)を用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、ラセミ体混合物としての所望の生成物を黄色固体として得た(0.2806g)。その黄色固体をCH2Cl2−MeOH(2:1)に懸濁させ、濾過して、N−(1−(5−クロロ−3−(3−フルオロ−フェニル)キノキザリン−2−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンを白色固体として得た。そのラセミ体混合物を、溶離液として40分間にわたる10%定組成のイソプロパノール/ヘキサンを用いるキラルパックIAカラム(30×250mm、5μm)で分離して(約40mg/1mLを5回注入)、二つの分離された異性体:黄色固体としてのN−((S)−1−(5−クロロ−3−(3−フルオロ−フェニル)キノキザリン−2−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン:1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm12.90(1H、s)、7.92−8.28(5H、m)、7.78−7.88(1H、m)、7.61−7.75(2H、m)、7.55(1H、s)、7.32(1H、s)、5.72(1H、s)、1.55(3H、d、J=6.3Hz);LC−MS(ESI)m/z420.1[M+H]+および黄色固体としてのN−((R)−1−(5−クロロ−3−(3−フルオロ−フェニル)キノキザリン−2−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン:1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm12.91(1H、s)、7.96−8.30(5H、m)、7.82(1H、t、J=8.0Hz)、7.62−7.75(2H、m)、7.54(1H、s)、7.32(1H、s)、5.72(1H、s)、1.55(3H、d、J=5.1Hz);LC−MS(ESI)m/z420.1[M+H]+を得た。
(実施例107)
TFA塩としてのN−((S)−1−(8−クロロ−2−(チアゾール−5−イル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンの製造
2−((S)−1−(8−クロロ−2−(チアゾール−5−イル)キノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオン
(S)−2−(1−(2,8−ジクロロキノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオン(0.2000g、0.5388mmol)、5−(トリブチルスタンニル)チアゾール(0.4032g、1.078mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.06226g、0.05388mmol)の1,4−ジオキサン(4.490mL、0.5388mmol)中溶液を100℃で撹拌した。94時間後、混合物を冷却して室温とし、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として14分間かけての0%から100%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に7分間にわたる100%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sepカラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、2−((S)−1−(8−クロロ−2−(チアゾール−5−イル)−キノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオンを明黄色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm9.10(1H、s)、8.83(1H、s)、8.30(1H、d、J=0.8Hz)、8.13(1H、dd、J=8.2、1.2Hz)、7.99(1H、dd、J=7.6、1.4Hz)、7.71−7.82(4H、m)、7.60−7.69(1H、m)、6.03(1H、q、J=7.2Hz)、1.88(3H、d、J=7.0Hz);LC−MS(ESI)m/z420.1[M+H]+。
(1S)−1−(8−クロロ−2−(チアゾール−5−イル)キノリン−3−イル)エタンアミン
2−((S)−1−(8−クロロ−2−(チアゾール−5−イル)キノリン−3−イル)エチル)−イソインドリン−1,3−ジオン(0.1280g、0.3048mmol)のエタノール(6.097mL、0.3048mmol)中懸濁液に、脱水ヒドラジン(0.09568mL、3.048mmol)を加え、混合物を還流下に撹拌した。30分後、混合物を冷却して室温とした。混合物を減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として14分間かけての0%から100%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に5分間にわたる100%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、(1S)−1−(8−クロロ−2−(チアゾール−5−イル)キノリン−3−イル)エタンアミンを固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm9.26(1H、s)、8.77(1H、s)、8.49(1H、s)、8.00(1H、dd、J=8.2、1.2Hz)、7.93(1H、dd、J=7.4、1.2Hz)、7.58(1H、dd、J=8.2、7.4Hz)、4.63(1H、q、J=6.4Hz)、1.42(3H、d、J=6.7Hz);LC−MS(ESI)m/z290.0[M+H]+。
TFA塩としてのN−((S)−1−(8−クロロ−2−(チアゾール−5−イル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン
6−ブロモプリン(0.01634g、0.08213mmol)、(1S)−1−(8−クロロ−2−(チアゾール−5−イル)キノリン−3−イル)エタンアミン(0.02380g、0.08213mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.04292mL、0.2464mmol)の1−ブタノール(1.521mL、0.08213mmol)中混合物を100℃で撹拌した。68時間後、混合物を加熱から外し、減圧下に濃縮した。粗混合物を、溶離液として40分間かけての20%から70%勾配のCH3CN(0.1%TFA含有)/水(0.1%TFA含有)を用いるジェミニ(商標名)10μC18カラム(250×21.2mm、10μm)での半分取HPLCによって精製し(1.5mL(42.86mg)を1回注入)、凍結乾燥機によって乾燥して、TFA塩としてのN−((S)−1−(8−クロロ−2−(チアゾール−5−イル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンを明黄色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm9.27(1H、s)、8.92(1H、s)、8.67(LH、s)、8.54(1H、s)、8.25−8.40(2H、m)、7.95(2H、d、J=7.8Hz)、7.53−7.62(1H、m)、5.97(1H、s)、1.70(3H、d、J=5.5Hz);LC−MS(ESI)m/z408.1[M+H]+(中性型の精密質量:407.072)。
(実施例108)
N−((S)−1−(5−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンおよびN−((R)−1−(5−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)−キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンの製造
5−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−カルボアルデヒド
2,5−ジクロロキノリン−3−カルボアルデヒド(1.0000g、4.424mmol)、3−フルオロフェニルボロン酸(0.6808g、4.866mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(0.2556g、0.2212mmol)および無水炭酸ナトリウム(2.344g、22.12mmol)のアセトニトリル−水(3:1)(0.04000mL)中混合物を100℃で撹拌した。3時間後、混合物を冷却して室温とし、EtOAc(100mL)と水(100mL)との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し(50mLで2回)、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として25分間かけての0%から50%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に10分間にわたる50%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sep(商標名)カラム80gでのシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、5−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)−キノリン−3−カルボアルデヒドを黄色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm10.14(1H、s)、9.06(1H、d、J=0.8Hz)、8.13−8.18(1H、m)、7.92−8.00(2H、m)、7.59−7.67(2H、m)、7.53−7.58(1H、m)、7.39−7.47(1H、m);LC−MS(ESI)m/z286.0[M+H]+。
1−(5−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エタノール
5−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−カルボアルデヒド(1.0120g、3.542mmol)のテトラヒドロフラン(35.42mL、3.542mmol)中不均一混合物を撹拌しながら、それにメチルマグネシウムブロマイド3Mのジエチルエーテル中溶液(3.542mL、10.63mmol)を0℃で滴下し(午前11:10に開始)、混合物を室温で撹拌した。3時間後、飽和NH4Cl水溶液(50mL)で反応停止し、EtOAcで抽出した(50mLで2回)。合わせた有機層を水(50mLで1回)、ブライン(50mLで1回)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として25分間かけての0%から50%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に10分間にわたる50%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sep(商標名)カラム80gでのシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、1−(5−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エタノールを黄色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.79(1H、s)、8.00−8.05(1H、m)、7.73−7.85(2H、m)、7.54−7.63(1H、m)、7.41−7.47(2H、m)、7.33−7.40(1H、m)、5.56(1H、d、J=4.3Hz)、4.98−5.06(1H、m)、1.27(3H、d、J=6.7Hz);LC−MS(ESI)m/z302.0[M+H]+。
2−(1−(5−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオン
1−(5−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エタノール(0.9927g、3.290mmol)のテトラヒドロフラン(32.90mL、3.290mmol)中溶液に、トリフェニルホスフィン(2.589g、9.870mmol)、フタルイミド(1.452g、9.870mmol)およびジイソプロピルアゾジカルボキシレート(1.943mL、9.870mmol)を加えた。反応混合物を室温で撹拌した。1.5時間後、混合物を減圧下に濃縮し、EtOAc(100mL)とブライン(100mL)との間で分配した。有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として25分間かけての0%から50%勾配のEtOAc/ヘキサンおよび10分間にわたる50%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sep(商標名)カラム80gでのシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、2−(1−(5−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオンを明黄色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.84(1H、s)、7.98−8.04(1H、m)、7.85−7.90(1H、m)、7.82(1H、s)、7.74−7.81(2H、m)、7.65−7.71(2H、m)、7.21−7.33(2H、m)、7.12−7.19(2H、m)、5.76−5.82(1H、m)、1.83(3H、d、J=6.7Hz);LC−MS(ESI)m/z431.0[M+H]+。
1−(5−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エタンアミン
2−(1−(5−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エチル)−イソインドリン−1,3−ジオン(1.1115g、2.580mmol)のエタノール(51.59mL、2.580mmol)中懸濁液に、脱水ヒドラジン(0.8097mL、25.80mmol)を加え、混合物を還流下に撹拌した。1時間後、混合物を冷却して室温とした。混合物をCH2Cl2(50mL)で希釈し、濾過して沈殿副生成物を除去し、濾過した固体をCH2Cl2(50mL)で洗浄した。所望の生成物を含む濾液を減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として25分間かけての0%から100%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に4分間にわたる100%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)を用いるRedi−Sep(商標名)カラム80gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、1−(5−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エタンアミンを黄色シロップとして得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.87(1H、s)、7.97−8.02(1H、m)、7.78−7.82(1H、m)、7.73(1H、dd、J=8.4、7.6Hz)、7.52−7.61(1H、m)、7.41−7.50(2H、m)、7.31−7.39(1H、m)、4.29(1H、q、J=6.7Hz)、2.10(2H、brs)、1.19(3H、d、J=6.7Hz);LC−MS(ESI)m/z301.1[M+H]+。
N−((S)−1−(5−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンおよびN−((R)−1−(5−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン
6−ブロモプリン(0.4753g、2.388mmol)、1−(5−クロロ−2−(3−フルオロ−フェニル)キノリン−3−イル)エタンアミン(0.7183g、2.388mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.248mL、7.165mmol)の1−ブタノール(20.00mL、2.388mmol)中混合物を110℃で撹拌した。59時間後、混合物を加熱から外し、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として20分間かけての0%から50%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に20分間にわたる50%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるRedi−Sep(商標名)カラム80gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、ラセミ体混合物としての所望の生成物を黄褐色固体として得た(0.7361g)。黄褐色固体をMeOHに懸濁させ、超音波処理し、濾過して、ラセミ体混合物としてのN−(1−(5−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンを白色固体として得た。溶離液として40分間かけての10%定組成のイソプロパノール/ヘキサンを用いるキラルパック(商標名)IAカラム(30×250mm、5μm)でラセミ体混合物(0.1486g)を分離して(約50mg/1.5mLで3回注入)、二つの分離された異性体:明黄色固体としてのN−((S)−1−(5−クロロ−2−(3−フルオロフェニル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン:1H NMR(400MHz、DMF)δppm12.92(1H、brs)、8.83(1H、brs)、8.63(1H、brs)、8.11(2H、d、J=I8.4Hz)、8.00(1H、d、J=8.2Hz)、7.53−7.81(5H、m)、7.29−7.39(1H、m)、5.61(1H、brs)、1.47(3H、brs);LC−MS(ESI)m/z419.2[M+H]+および明黄色固体としてのN−((R)−1−(5−クロロ−2−(3−フルオロ−フェニル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン:1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm12.93(1H、s)、8.84(1H、s)、8.63(1H、s)、8.10(2H、d、J=I8.0Hz)、8.00(1H、d、J=8.2Hz)、7.52−7.81(5H、m)、7.28−7.39(1H、m)、5.62(1H、brs)、1.47(3H、brs);LC−MS(ESI)m/z419.2[M+H]+を得た。
(実施例109)
N−((S)−1−(8−クロロ−2−(2,3−ジフルオロフェニル)−キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンの製造
2−(((S)−1−(8−クロロ−2−(2,3−ジフルオロフェニル)キノリン−3−イル)エチル)カルバモイル)−安息香酸
(S)−2−(1−(2,8−ジクロロキノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオン(0.2000g、0.5388mmol)、2,3−ジフルオロベンゼンボロン酸(0.09358g、0.5926mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.03113g、0.02694mmol)および無水炭酸ナトリウム(0.2855g、2.694mmol)のアセトニトリル−水(3:1)(5.200mL、0.5387mmol)中混合物を85℃で撹拌した。19時間後、混合物を冷却して室温とし、CH2Cl2(30mL)と2N HCl(30mL)との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し(50mLで2回)、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、2−(((S)−1−(8−クロロ−2−(2,3−ジフルオロフェニル)キノリン−3−イル)エチル)カルバモイル)安息香酸を黄色泡状物型固体として得た。LC−MS(ESI)m/z467.0[M+H]+。
(1S)−1−(8−クロロ−2−(2,3−ジフルオロフェニル)キノリン−3−イル)エタンアミン
2−(((S)−I−(8−クロロ−2−(2,3−ジフルオロフェニル)キノリン−3−イル)エチル)−カルバモイル)安息香酸(0.2515g、0.5387mmol)のエタノール(3.000mL、0.5387mmol)中懸濁液に、12N HCl(1.500mL、18.00mmol)を加え、混合物を還流下に撹拌した。12時間後、混合物を氷水(50mL)に投入した。混合物をNaHCO3で中和し、CH2Cl2で抽出した(50mLで3回)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(50mLで3回)、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として14分間かけての0%から50%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に5分間にわたる50%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、(1S)−1−(8−クロロ−2−(2,3−ジフルオロフェニル)キノリン−3−イル)エタンアミンを明緑色シロップとして得た。LC−MS(ESI)m/z319.1[M+H]+。
N−((S)−1−(8−クロロ−2−(2,3−ジフルオロフェニル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン
6−ブロモプリン(0.07479g、0.3758mmol)、(1S)−1−(8−クロロ−2−(2,3−ジフルオロフェニル)キノリン−3−イル)エタンアミン(0.1089g、0.3416mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.1785mL、1.025mmol)の1−ブタノール(3.416mL、0.3416mmol)中混合物を110℃で撹拌した。14.5時間後、混合物を加熱から外し、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として14分間かけての0%から50%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に20分間にわたる50%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、N−((S)−1−(8−クロロ−2−(2,3−ジフルオロフェニル)キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンを明黄色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm12.86(1H、s)、8.71(1H、s)、7.91−8.28(5H、m)、7.61(1H、t、J=7.8Hz)、7.47(2H、brs)、7.29(1H、brs)、5.42(1H、brs)、1.58(3H、d、J=7.0Hz);LC−MS(ESI)m/z437.2[M+H]+。
(実施例110)
N−((S)−1−(3−(2−クロロフェニル)−5−(トリフルオロ−メチル)キノキザリン−2−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンおよびN−((R)−1−(3−(2−クロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)キノキザリン−2−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンの製造
3−メチル−8−(トリフルオロメチル)キノキザリン−2−オールおよび3−メチル−5−(トリフルオロ−メチル)キノキザリン−2−オール
ピルビン酸エチル(1.262mL、11.35mmol)および3−(トリフルオロメチル)−ベンゼン−1,2−ジアミン(2.0000g、11.35mmol)のポリリン酸(16.000g)中混合物を、115℃で撹拌・加熱した。5時間後、混合物を冷却して室温とし、水(100mL)と十分に混和し、2N NaOH(160mL)で中和した。得られた沈殿を濾過によって回収し、固体を水(250mL)で洗浄し、乾燥させて、暗褐色固体を二つの位置異性体の混合物として得た。その暗褐色固体を、30%のEtOAc/ヘキサン、次に50%のEtOAc/ヘキサンを用いるシリカゲルカラム(体積約400mLのSiO2)でのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、二つの分離された位置異性体:橙赤色固体としての3−メチル−8−(トリフルオロメチル)キノキザリン−2−オール:1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm11.73(1H、s)、8.00(1H、s)、7.86(1H、s)、7.45(1H、s)、2.45(3H、s);LC−MS(ESI)m/z229.0[M+H]+および橙赤色固体としての3−メチル−5−(トリフルオロメチル)キノキザリン−2−オール:1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm12.58(1H、s)、7.58−7.64(2H、m)、7.51−7.57(1H、m)、2.44(3H、s);LC−MS(ESI)m/z229.0[M+H]+を得た。
3−クロロ−2−メチル−5−(トリフルオロメチル)キノキザリン
3−メチル−8−(トリフルオロメチル)キノキザリン−2−オール(0.8292g、3.634mmol)およびオキシ塩化リン(6.653mL、72.68mmol)の混合物を100℃で撹拌した。1.5時間後、混合物を冷却して室温とした。混合物を撹拌しながら氷(約50mL)に投入し、撹拌しながらNH4OH(30mL)および氷で中和した。得られた沈殿を濾過によって回収し、水(100mL)で洗い、乾燥して、3−クロロ−2−メチル−5−(トリフルオロメチル)−キノキザリンをピンク固体として得た。1H NMR(400MHz、DMF)δppm8.35(1H、d、J=8.4Hz)、8.25(1H、d、J=7.4Hz)、7.94−8.02(1H、m)、2.80(3H、s);LC−MS(ESI)m/z247.0[M+H]+。そのピンク固体を、精製せずに次の段階にそのまま用いた。
3−(2−クロロフェニル)−2−メチル−5−(トリフルオロメチル)キノキザリン
3−クロロ−2−メチル−5−(トリフルオロメチル)キノキザリン(0.7939g、3.219mmol)、[反応物]、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.1860g、0.1610mmol)および無水炭酸ナトリウム(1.706g、16.10mmol)のCH3CN−H2O(3:1)(32.00mL)中混合物を100℃で撹拌した。4時間後、混合物を冷却して室温とし、EtOAc(100mL)と水(100mL)との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し(50mLで2回)、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として15分間かけての0%から50%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に4分間にわたる50%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sep(商標名)カラム80gでのシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、3−(2−クロロフェニル)−2−メチル−5−(トリフルオロメチル)キノキザリンを橙赤色シロップとして得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.36−8.41(1H、m)、8.25(1H、d、J=7.4Hz)、8.01(1H、t、J=7.8Hz)、7.66−7.71(1H、m)、7.54−7.65(3H、m)、2.54(3H、s);LC−MS(ESI)m/z323.0[M+H]+。
2−(ブロモメチル)−3−(2−クロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)キノキザリン
3−(2−クロロフェニル)−2−メチル−5−(トリフルオロメチル)キノキザリン(0.9969g、3.089mmol)および1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(0.5299g、1.853mmol)を四塩化炭素(30.89mL、3.089mmol)に懸濁させた。その混合物に、過酸化ベンゾイル(0.09977g、0.3089mmol)を加え、混合物を加熱還流した。20時間後、混合物を冷却して室温とし、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として10分間かけての0%から5%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に30分間にわたる5%定組成のEtOAc、次に20分間かけての5%から20%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に4分間にわたる20%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sep(商標名)カラム80gでのシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、2−(ブロモメチル)−3−(2−クロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−キノキザリンをオフホワイトシロップ状固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.48(1H、dd、J=8.6、0.8Hz)、8.37(1H、d、J=6.7Hz)、8.09(1H、t、J=7.8Hz)、7.55−7.77(4H、m)、4.73(2H、d、J=61.8Hz);LC−MS(ESI)m/z403.0[M+H]+。
3−(2−クロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)キノキザリン−2−カルボアルデヒド
2−(ブロモメチル)−3−(2−クロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)キノキザリン(0.5137g、1.279mmol)およびメタ過ヨウ素酸ナトリウム(0.1416mL、2.558mmol)のDMF(8.527mL、1.279mmol)中混合物を撹拌しながら150℃で加熱した。3時間後、混合物を冷却して室温とし、EtOAc(100mL)で希釈し、ブラインで洗浄し(50mLで2回)、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として10分間かけての0%から10%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に20分間にわたる10%定組成のEtOAc、次に20分間かけての10%から40%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に5分間にわたる40%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sep(商標名)カラム80gでのシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、3−(2−クロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)キノキザリン−2−カルボアルデヒドを黄色シロップとして得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm10.15(1H、s)、8.66(1H、dd、J=8.6、1.2Hz)、8.52(1H、d、J=7.0Hz)、8.18(1H、t、J=8.0Hz)、7.53−7.67(4H、m);LC−MS(ESI)m/z337.0[M+H]+。
1−(3−(2−クロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)キノキザリン−2−イル)エタノール
3−(2−クロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−キノキザリン−2−カルボアルデヒド(0.2129g、0.632mmol)のテトラヒドロフラン(6.32mL、0.632mmol)中不均一混合物を撹拌しながら、それにメチルマグネシウムブロマイド3Mのジエチルエーテル中溶液(0.632mL、1.90mmol)を0℃で滴下し(午前11:20に開始)、混合物を室温で撹拌した。3時間後、飽和NH4Cl水溶液(50mL)で反応停止し、EtOAcで抽出した(50mLで2回)。合わせた有機層を水(50mLで1回)、ブライン(50mLで1回)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、褐色シロップを得た。その褐色シロップを、溶離液として25分間かけての0%から50%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に10分間にわたる50%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sep(商標名)カラム80gでのシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、1−(3−(2−クロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)キノキザリン−2−イル)エタノールを固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.47(1H、d、J=8.6Hz)、8.31(1H、d、J=7.0Hz)、8.05(1H、t、J=8.0Hz)、7.48−7.71(4H、m)、5.33(1H、brs)、4.84(1H、brs)、1.28−1.55(3H、m);LC−MS(ESI)m/z353.0[M+H]+。
2−(1−(3−(2−クロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)キノキザリン−2−イル)エチル)−イソインドリン−1,3−ジオン
1−(3−(2−クロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)キノキザリン−2−イル)エタノール(0.08980g、0.2546mmol)のテトラヒドロフラン(2.546mL、0.2546mmol)中溶液に、トリフェニルホスフィン(0.2003g、0.7637mmol)、フタルイミド(0.1124g、0.7637mmol)およびジイソプロピルアゾジカルボキシレート(0.1504mL、0.7637mmol)を加えた。反応混合物を室温で撹拌した。1時間後、混合物を減圧下に濃縮し、EtOAc(100mL)とブライン(100mL)との間で分配した。有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として20分間かけての0%から50%勾配のEtOAc/ヘキサン、10分間にわたる50%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、2−(1−(3−(2−クロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)キノキザリン−2−イル)エチル)−イソインドリン−1,3−ジオンを黄色固体として得た。LC−MS(ESI)m/z482.0[M+H]+。
1−(3−(2−クロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)キノキザリン−2−イル)エタンアミン
2−(1−(3−(2−クロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)キノキザリン−2−イル)−エチル)イソインドリン−1,3−ジオン(0.07720g、0.160mmol)のエタノール(3.20mL、0.160mmol)中懸濁液にヒドラジン水和物(0.0499mL、1.60mmol)を加え、混合物を還流下に撹拌した。30分後、混合物を冷却して室温とした。混合物を減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として14分間かけての0%から100%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に3分間にわたる100%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)を用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、1−(3−(2−クロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)キノキザリン−2−イル)エタンアミンを黄色シロップとして得た。LC−MS(ESI)m/z352.1[M+H]+。
N−((S)−1−(3−(2−クロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)キノキザリン−2−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンおよびN−((R)−1−(3−(2−クロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−キノキザリン−2−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン
6−ブロモプリン(0.0383g、0.192mmol)、1−(3−(2−クロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)キノキザリン−2−イル)エタンアミン(0.0564g、0.160mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.0838mL、0.481mmol)の1−ブタノール(1.60mL、0.160mmol)中混合物を110℃で撹拌した。19時間後、混合物を加熱から外し、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として14分間かけての0%から50%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に20分間にわたる50%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるRedi−Sep(商標名)カラム40gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、N−(1−(3−(2−クロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)キノキザリン−2−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンを明黄色固体として得た。そのラセミ体混合物(0.0372g)を、溶離液として40分間にわたる15%定組成のイソプロパノール/ヘキサンを用いるキラルパックIAカラム(30×250mm、5μm)で分離して、二つの分離された異性体:オフホワイト固体としてのN−((S)−1−(3−(2−クロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)キノキザリン−2−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン:1H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm8.23−8.51(2H、m)、8.06−8.19(1H、m)、7.78−8.04(2H、m)、7.32−7.67(4H、m)、5.87(1H、brs)、1.57(3H、dd、J=67.4、6.4Hz);LC−MS(ESI)m/z470.2[M+H]+およびオフホワイト固体としてのN−((R)−1−(3−(2−クロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)キノキザリン−2−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン:1H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δppm8.23−8.49(2H、m)、8.13(1H、t、J=8.6Hz)、7.78−8.04(2H、m)、7.35−7.69(4H、m)、5.86(1H、brs)、1.44−1.70(3H、m);LC−MS(ESI)m/z470.2[M+H]+を得た。
(実施例111)
N−((S)−1−(2−(2−クロロフェニル)−7−フルオロキノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンおよびN−((R)−1−(2−(2−クロロフェニル)−7−フルオロ−キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンの製造
2−(2−クロロフェニル)−7−フルオロキノリン−3−カルボアルデヒド
2−(2−クロロフェニル)−7−フルオロキノリン−3−カルボニトリル(1.000g、3.537mmol)のトルエン(3.537mL、3.537mmol)中溶液に−78℃で、撹拌しながら、DIBAL−H、1Mのトルエン中溶液(3.891mL、3.891mmol)を加え、混合物を撹拌しながら13時間かけて昇温させて−15℃とした。混合物を氷水浴で冷却し、1N HCl水溶液(14.15mL、14.15mmol)を加えることで反応停止し、2時間撹拌した。その混合物に、酢酸カリウム(3g、30.56mmol、8.6当量)を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した(50mLで2回)。合わせた有機層を飽和NaHCO3(50mLで1回)、ブライン(50mL×)で洗浄し、濾過し、減圧下に濃縮して黄色固体を得た。その黄色固体を、溶離液として25分間かけての0%から50%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に10分間にわたる50%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sep(商標名)カラム80gでのシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、2−(2−クロロフェニル)−7−フルオロ−キノリン−3−カルボアルデヒドを明黄色固体として得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm9.88(1H、s)、9.11(1H、s)、8.44(1H、dd、J=9.1、6.4Hz)、7.92(1H、dd、J=10.3、2.6Hz)、7.72−7.78(1H、m)、7.50−7.66(4H、m);LC−MS(ESI)m/z286.1[M+H]+。
1−(2−(2−クロロフェニル)−7−フルオロキノリン−3−イル)エタノール
2−(2−クロロフェニル)−7−フルオロキノリン−3−カルボアルデヒド(0.7588g、2.656mmol)のテトラヒドロフラン(26.56mL、2.656mmol)中混合物を撹拌しながら、それにメチルマグネシウムブロマイド3Mのジエチルエーテル中溶液(1.328mL、3.984mmol)を0℃で滴下し(午後4:00に開始)、混合物を撹拌しながら19時間かけて昇温させて室温とした。飽和NH4Cl水溶液(50mL)で反応停止し、EtOAcで抽出した(50mLで1回)。合わせた有機層を水(50mLで1回)、ブライン(50mLで1回)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として25分間かけての0%から50%勾配のEtOAc/ヘキサン、次に10分間にわたる50%定組成のEtOAcを用いるRedi−Sep(商標名)カラム80gでのシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、1−(2−(2−クロロフェニル)−7−フルオロキノリン−3−イル)エタノールを黄色シロップとして得た。1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm8.63(1H、d、J=11.0Hz)、8.20(1H、dd、J=8.6、6.7Hz)、7.75(1H、dd、J=10.6、2.7Hz)、7.42−7.66(5H、m)、5.39(1H、dd、J=57.5、3.9Hz)、4.59−4.69(1H、m)、1.20(3H、dd、J=58.756.3Hz);LC−MS(ESI)m/z302.0[M+H]+。
2−(1−(2−(2−クロロフェニル)−7−フルオロキノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオン
1−(2−(2−クロロフェニル)−7−フルオロキノリン−3−イル)エタノール(0.7018g、2.326mmol)のテトラヒドロフラン(23.26mL、2.326mmol)中溶液に、トリフェニルホスフィン(1.220g、4.652mmol)、フタルイミド(0.6844g、4.652mmol)およびジイソプロピルアゾジカルボキシレート(0.9159mL、4.652mmol)を加えた。反応混合物を室温で撹拌した。2時間後、混合物を減圧下に濃縮し、EtOAc(100mL)とブライン(100mL)との間で分配した。有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として25分間かけての0%から50%勾配のEtOAc/ヘキサンおよび10分間にわたる50%定組成のEtOAc/ヘキサンを用いるRedi−Sep(商標名)カラム80gでのシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、2−(1−(2−(2−クロロフェニル)−7−フルオロキノリン−3−イル)エチル)イソインドリン−1,3−ジオンをオフホワイト固体として得た。LC−MS(ESI)m/z431.0[M+H]+。
1−(2−(2−クロロフェニル)−7−フルオロキノリン−3−イル)エタンアミン
2−(1−(2−(2−クロロフェニル)−7−フルオロキノリン−3−イル)エチル)−イソインドリン−1,3−ジオン(純度低い)(0.9331g、2.166mmol)のエタノール(43.31mL、2.166mmol)中懸濁液に、ヒドラジン水和物(1.349mL、43.31mmol)を加え、混合物を還流下に撹拌した。2.5時間後、混合物を冷却して室温とした。混合物をCH2Cl2(50mL)で希釈し、沈殿した副生成物を濾過し、濾過した固体をCH2Cl2(50mL)で洗浄した。所望の生成物を含む濾液を減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として25分間かけての0%から50%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に5分間にわたる50%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるRedi−Sepカラム80gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、1−(2−(2−クロロフェニル)−7−フルオロキノリン−3−イル)−エタンアミンを黄色シロップとして得た。LC−MS(ESI)m/z301.1[M+H]+。
N−((S)−1−(2−(2−クロロフェニル)−7−フルオロキノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンおよびN−((R)−1−(2−(2−クロロフェニル)−7−フルオロキノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン
6−ブロモプリン(0.3221g、1.618mmol)、1−(2−(2−クロロフェニル)−7−フルオロキノリン−3−イル)エタンアミン(0.4056g、1.349mmol)およびN,N−ジイソプロピル−エチルアミン(0.7047mL、4.046mmol)の1−ブタノール(4.495mL、1.349mmol)中混合物を110℃で撹拌した。37時間後、混合物を加熱から外し、減圧下に濃縮した。残留物を、溶離液として20分間かけての0%から50%勾配のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2、次に20分間にわたる50%定組成のCH2Cl2:MeOH:NH4OH(89:9:1)/CH2Cl2を用いるRedi−Sep(商標名)カラム80gでのカラムクロマトグラフィーによって精製して、ラセミ体混合物としての所望の生成物を固体として得た。その固体をMeOHに懸濁させ、超音波処理し、濾過して、N−(1−(2−(2−クロロフェニル)−7−フルオロキノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンを黄色シロップ状固体として得た。そのラセミ体混合物をCH2Cl2(7.5mL)に溶かし、濾過し、溶離液として40分間にわたる30%定組成のイソプロパノール/ヘキサンを用いるキラルパック(商標名)IAカラム(30×250mm、5μm)で分離して、二つの分離された異性体:固体としてのN−((S)−1−(2−(2−クロロフェニル)−7−フルオロ−キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミンオフホワイト:1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm12.86(1H、s)、8.52−8.80(1H、m)、7.91−8.26(4H、m)、7.26−7.82(6H、m)、5.28(1H、d、J=47.7Hz)、1.52(3H、d、J=6.7Hz)LC−MS(ESI)m/z419.2[M+H]+およびオフホワイト固体としてのN−((R)−1−(2−(2−クロロフェニル)−7−フルオロ−キノリン−3−イル)エチル)−9H−プリン−6−アミン:1H NMR(400MHz、DMSO−d6)δppm12.86(1H、s)、8.56−8.81(1H、m)、7.91−8.28(4H、m)、7.25−7.82(6H、m)、5.15−5.44(1H、m)、1.52(3H、d、J=6.8Hz);LC−MS(ESI)m/z419.2[M+H]+を得た。
生物学的アッセイ
PI3K類の組換え体発現
polyHisタグでN末端標識したPI3kα、βおよびδの全長p110サブユニットを、sf9昆虫細胞にバキュロウィルス発現ベクターを有するp85と共発現させた。p110/p85ヘテロ二量体を、順次Ni−NTA、Q−HP、Superdex−100クロマトグラフィーによって精製した。精製したα、βおよびδアイソザイムを、20mM Tris、pH8、0.2M NaCl、50%グリセリン、5mM DTT、2mMコール酸Na中にて−20℃で保存した。polyHisタグでN末端標識した切断PDKγ、残基114から1102を、Hi5昆虫細胞においてバキュロウィルスとともに発現した。そのγアイソザイムを順次のNi−NTA、Superdex−200、Q−HPクロマトグラフィーによって精製した。そのγアイソザイムを、NaH2PO4、pH8、0.2M NaCl、1%エチレングリコール、2mMβ−メルカプトエタノール中にて−80℃で冷凍保存した。
イン・ビトロ酵素アッセイ
白色のポリプロピレンプレート(Costar3355)で、上記最終濃度の成分を含む25μLでアッセイを行った。ホスファチジルイノシトールホスホアクセプター(phosphoacceptor)、PtdIns(4,5)P2P4508は、エシュロン・バイオサイエンシーズ(Echelon Biosciences)からのものであった。αおよびγアイソザイムのATPase活性は、この条件下ではPtdIns(4,5)P2によってあまり刺激されないことから、これらアイソザイムのアッセイから除外した。被験化合物をジメチルスルホキシドに溶かし、3倍連続希釈で希釈した。試験ウェル当たりに化合物のDMSO中溶液(1μL)を加え、酵素を含む場合と含まない場合の化合物を含まない反応液と比較した阻害を求めた。室温でのアッセイインキュベーション後、反応を停止し、製造者の説明書に従って等容量の市販のATP生物発光キット(Perkin Elmer EasyLite)を加えることで残留ATPを測定し、AnalystGT照度計を用いて検出した。
抗IgMによるヒトB細胞増殖刺激
ヒトB細胞の単離
Leukopacまたはヒトの新鮮な血液からPBMCを単離する。ミルテニー(Miltenyi)プロトコールおよびB細胞単離キットIIを用いることで、ヒトB細胞を単離する。ヒトB細胞を、AutoMacsカラムを用いることで精製した。
ヒトB細胞の活性化
96ウェルの平底プレートを用い、B細胞増殖培地(DMEM+5%FCS、10mM Hepes、50μM2−メルカプトエタノール)中50000/ウェルの精製B細胞を平板培養する。培地150μLは250ng/mLのCD40L−LZ組換えタンパク質(アムジェン)および2μg/mLの抗ヒトIgM抗体(Jackson ImmunoReseach Lab.#109−006−129)を含む。それをPBK阻害薬を含むB細胞培地50μLと混合し、37℃でのインキュベータで72時間インキュベートする。72時間後、終夜から18時間にわたり、B細胞を0.5から1μCi/ウェルの3Hチミジンでパルス標識し、TOMハーベスタを用いて細胞を回収する。
IL−4によるヒトB細胞増殖刺激
ヒトB細胞の単離
Leukopacまたはヒトの新鮮な血液からヒトPBMCを単離する。ミルテニープロトコール−B細胞単離キットIIを用いて、ヒトB細胞を単離する。ヒトB細胞を、AutoMacsカラムを用いることで精製した。
ヒトB細胞の活性化
96ウェルの平底プレートを用い、B細胞増殖培地(DMEM+5%FCS、50μM2−メルカプトエタノール、10mM Hepes)中50000/ウェルの精製B細胞を平板培養する。培地(150μL)は250ng/mLのCD40L−LZ組換えタンパク質(アムジェン)および10ng/mLのIL−4(R&D system #204−IL−025)を含み、それを化合物を含むB細胞培地50 150μLと混合し、37℃でのインキュベータで72時間インキュベートする。72時間後、終夜から18時間にわたり、B細胞を0.5から1μCi/ウェルの3Hチミジンでパルス標識し、TOMハーベスタを用いて細胞を回収する。
特異T抗原(破傷風トキソイド)誘発ヒトPBMC増殖アッセイ
冷凍貯蔵品からヒトPBMCを得るか、フィコール勾配を用いて新鮮なヒト血からそれを精製する。96ウェルの丸底プレートを用い、培地(RPMI1640+10%FCS、50μM 2−メルカプトエタノール、10mM Hepes)とともに2×105PBMC/ウェルで平板培養する。IC50を測定するため、半対数増加と3連で、PI3K阻害薬を、10μMから0.001μMで調べた。破傷風トキソイド、T細胞特異抗原(University of Massachusetts Lab)を1μg/mLで加え、37℃のインキュベータで6日間インキュべートした。IL2 ELISAアッセイのため、6日後に上清を回収し、細胞を3H−チミジンで約18時間パルス処理して増殖を測定する。
クラスIaおよびクラスIII PI3Kの阻害を検出するためのGFPアッセイ
分裂促進因子(IGF−1、PDGF、インシュリン、トロンビン、NGFなど)によって活性化したクラスIa PI3KによってAKT1(PKBa)を制御する。分裂刺激に応じて、AKT1が細胞質ゾルから原形質膜に転座する。
フォークヘッド(FKHRL1)は、AKT1の基質である。それは、AKTによるリン酸化(生存/増殖)の際には細胞質性である。AKTの阻害(静止/アポトーシス)−核へのフォークヘッド転座。
FYVEドメインは、PI(3)Pに結合する。大半は、PI3KクラスIIIの構成的作用によって形成される。
AKT膜ラフリングアッセイ(CHO−1R−AKT1−EGFP細胞/GE Healthcare)
細胞をアッセイ緩衝液で洗浄する。アッセイ緩衝液中の化合物で1時間処理する。10ng/mLのインシュリンを加える。10分後に室温で固定し、撮像を行う。
フォークヘッド転座アッセイ(MDA MB468フォークヘッド−DiversaGFP細胞)
増殖培地中の化合物で細胞を1時間処理する。固定および撮像を行う。
クラスIII PI(3)Pアッセイ(U2OS EGFP−2XFYVE細胞/GE Healthcare)
細胞をアッセイ緩衝液で洗う。アッセイ緩衝液中の化合物で1時間処理する。固定および撮像を行う。
3種類全てのアッセイ用の対照は10μMボルトマニンである。
AKTは細胞質性である。
フォークヘッドは核性である。
PI(3)Pはエンドソームから枯渇している。
生物マーカーアッセイ:CD69またはB7.2(CD86)発現のB細胞受容体刺激
ヘパリン処理したヒト全血を、10μg/mLの抗IgD(Southern Biotech、#9030−01)で刺激した。刺激した血液90μLを、96ウェルプレートの各ウェルに小分けし、IMDM+10%FBS(Gibco)で希釈した各種濃度のブロック化合物(10から0.0003μM)10μLで処理した。サンプルを一緒に、37℃で4時間 (CD69発現の場合)から6時間(B7.2発現の場合)インキュベートした。処理した血液(50μL)を、96ウェルの深ウェルプレート(Nunc)に移して、CD45−PerCP(BD Biosciences、#347464)、CD19−FITC(BD Biosciences、#340719)およびCD69−PE(BD Biosciences、#341652)各10μLの抗体染色を行った。第2の処理血50μLを、第2の96ウェルの深ウェルプレートに移して、CD19−FITC(BD Biosciences、#340719)およびCD86−PeCy5(BD Biosciences、#555666)各10μLの抗体染色を行った。染色はいずれも、暗所にて室温で15から30分間行った。次に、室温で15分間にわたりFACS溶解溶液(BD Biosciences、#349202)450μLを用いて、血液を溶解および固定した。次に、サンプルをPBS+2%FBSで2回洗浄してから、FACS分析を行った、CD69染色のためのCD45/CD19二重陽性細胞またはCD86染色のためのCD19陽性細胞のいずれかで、サンプルのゲーティングを行った。
γ−カウンタースクリーニング:ホスホ−AKT発現のためのヒト単球の刺激
ヒト単球細胞系、THP−1をRPMI+10%FBS(Gibco)中で維持した。刺激の1日前に、血球計数器でトリパンブルー排除を用いて細胞のカウントを行い、培地1mL当たり細胞1×106個の濃度で懸濁させた。細胞+培地100μL(細胞1×105個)を、4個の96ウェル深ウェル皿(Nunc)の各ウェルに小分けし、8種類の異なる化合物を調べた。細胞を終夜静置してから、各種濃度の(10から0.0003μm)ブロック化合物で処理した。培地で希釈した化合物(12μL)を細胞に加えて37℃で10分間経過させた。ヒトMCP−1(12μL、R&D Diagnostics、#279−MC)を培地で希釈し、最終濃度50ng/mLで各ウェルに加えた。刺激を室温で2分間続けた。予め加温したFACS Phosflow溶解/固定緩衝液(37℃の液1mL)(BD Biosciences、#558049)を各ウェルに加えた。プレートを37℃でさらに10から15分間インキュベートした。プレートを1500rpmで10分間遠心し、上清を吸引によって除去し、氷冷90%MEOH 1mLを激しく振盪しながら各ウェルに加えた。次に、プレートを−70℃で終夜または氷上で30分間インキュベートしてから、抗体染色を行った。プレートを遠心し、PBS+2%FBS(Gibco)で2回洗浄した。洗浄液を吸引し、細胞を残った緩衝液に懸濁させた。ウサギpAKT(50μL、Cell Signaling、#4058L)を1:100で、各サンプルに加えて、振盪下に室温で1時間経過させた。細胞を洗浄し、1500rpmで10分間遠心した。上清を吸引し、細胞を残った緩衝液に懸濁させた。二次抗体であるヤギ抗ウサギAlexa647(50μL、Invitrogen、#A21245)を1:500で加え、室温で振盪下に30分間経過させた。次に、細胞を緩衝液で1回洗浄し、FACS分析用に緩衝液150μLに懸濁させた。細胞は、流動細胞計測装置で流す前にピペット操作によってかなり良く分散させる必要がある。細胞をLSR II(Becton Dickinson)で流し、前方および側方散乱でゲーティングを行って、単球群でのpAKTの発現レベルを測定した。
γ−カウンタースクリーニング:マウス骨髄におけるホスホ−AKT発現のためのヒト単球の刺激
ヒト単球細胞系、THP−1をRPMI+10%FBS(Gibco)中で維持した。刺激の1日前に、血球計数器でトリパンブルー排除を用いて細胞のカウントを行い、培地1mL当たり細胞1×106個の濃度で懸濁させた。雌BALB/cマウス(Charles River Labs.)からマウス大腿骨を切除し、RPMI+10%FBS培地(Gibco)に回収した。大腿骨の末端を切断し、25ゲージ針を用いて培地1mLで流すことで、マウス骨髄を取り出した。次に、骨髄を21ゲージ針を用いて培地に分散させた。培地容量を増加させて20mLとし、血球計数器でのトリパンブルー排除を用いて細胞をカウントした。次に、細胞懸濁液を増量して、培地1mL当たり細胞7.5×106個とし、100μL(細胞7.5×105個)を、4個の96ウェルの深ウェル皿(Nunc)のウェル当たりに小分けして、8種類の異なる化合物を調べた。細胞を37℃で2時間静置してから、各種濃度の(10から0.0003μM)ブロック化合物で処理した。培地(12μL)で希釈した化合物を骨髄細胞に加え、37℃で10分間経過させた。マウスMCP−1(12μL、R&D Diagnostics、#479−JE)を培地で希釈し、各ウェルに最終濃度50ng/mLで加えた。刺激を室温で2分間続けた。予め37℃に加温したFACS Phosflow溶解/固定緩衝液(BD Biosciences、#558049)を各ウェルに加えた。プレートを37℃でさらに10から15分間インキュベートした。プレートを1500rpmで10分間遠心した。上清を吸引によって除去し、氷冷90%MEOH 1mLを激しく振盪しながら各ウェルに加えた。次に、プレートを−70℃で終夜または氷上で30分間インキュベートしてから、抗体染色を行った。プレートを遠心し、PBS+2%FBS(Gibco)で2回洗浄した。洗浄液を吸引し、細胞を残った緩衝液に懸濁させた。Fcブロック(2μL、BD Pharmingen、#553140)を各ウェルに加えて、室温で10分間経過させた。ブロック後、緩衝液で希釈した一次抗体50μL;1:50でのCD11b−Alexa488(BD Biosciences、#557672)、1:50でのCD64−PE(BD Biosciences、#558455)および1:100でのウサギpAKT(Cell Signaling、#4058L)を各サンプルに加えて、振盪しながら室温で1時間経過させた。洗浄緩衝液を細胞に加え、1500rpmで10分間遠心した。上清を吸引し、細胞を残った緩衝液に懸濁させた。二次抗体であるヤギ抗ウサギAlexa647(50μL、Invitrogen、#A21245)を1:500で加え、室温で振盪下に30分間経過させた。次に、細胞を緩衝液で1回洗浄し、FACS分析用に緩衝液100μLに懸濁させた。細胞は、流動細胞計測装置で流す前にピペット操作によってかなり良く分散させる必要がある。細胞をLSR II(Becton Dickinson)で流し、CD11b/CD64二重陽性細胞でゲーティングを行って、単球群でのpAKTの発現レベルを測定した。
pAKTイン・ビボアッセイ
媒体および化合物を、強制投与により(経口強制投与針、Popper & Sons, New Hyde Park, NY)、マウス(トランスジェニック系3751、雌、10から12週齢、Amgen Inc., Thousand Oaks, CA)に経口投与(0.2mL)してから、15分後に抗IgM FITC(50μg/マウス)(Jackson Immuno Research, West Grove, PA)を静脈注射(0.2 mL)する。45分後、マウスをCO2チャンバ内で屠殺する。心穿刺(0.3 mL) (1cc、25g注射器、Sherwood, St. Louis, MO)によって採血を行い、15mLの円錐形バイアルに移し入れる(Nalge/Nunc International, Denmark)。BD Phosflow溶解/固定緩衝液(BD Bioscience, San Jose, CA)6mLで血液を直ちに固定し、3回反転させ、37℃水浴に入れる。脾臓の半分を切除し、PBS(Invitrogen Corp, Grand Island, NY)0.5mLの入ったエッペンドルフ管に移す。脾臓を組織粉砕器(ペレット乳棒、Kimble/Kontes, Vineland, NJ)を用いて粉砕し、BD Phosflow溶解/固定緩衝液6.0mLで直ちに固定し、3回反転させ、37℃水浴に入れる。組織を回収したら、マウスを頸椎脱臼によって屠殺し、死体は廃棄する。15分後、15mL円錐形バイアルを37℃水浴から外し、組織をさらに処理するまで氷上に乗せておく。粉砕した脾臓を70μm細胞ストレーナー(BD Bioscience, Bedford, MA)から別の15mL円錐形バイアルに濾過して入れ、PBS 9mLで洗浄しする。脾細胞および血液を2000rpmで10分間(低温)遠心し、緩衝液を吸引する。細胞を冷(−20℃)90%メチルアルコール(Mallinckrodt Chemicals, Phillipsburg, NJ)2.0mLに再懸濁させる。円錐バイアルを急速に渦撹拌しながら、メタノールをゆっくり加える。次に、細胞をFACS分析用に染色できるまで、組織を−20℃で保存する。
多用量TNP免疫化
免疫感作の第0日に、7から8週齢BALB/c雌マウス(Charles River Labs.)からの後眼窩眼球放血によって採血を行った。血液を30分間凝固させ、血清マイクロティナ管(Becton Dickinson)中にて10分間にわたり10000rpmで遠心した。血清を回収し、マトリクス(Matrix)管(Matrix Tech. Corp.)に小分けし、ELISAを実施するまで−70℃で保存した。マウスに、免疫感作前および分子の寿命に基づいたその後の各時点で、化合物を経口投与した。次に、PBS中にてTNP−LPS(Biosearch Tech.、#T−5065)50μg、TNP−Ficoll(Biosearch Tech.、#F−1300)50μgまたはTNP−KLH(Biosearch Tech.、#T−5060)100μg+1%ミョウバン(Brenntag、#3501)のいずれかでマウスを免疫感作した。免疫感作前の1時間にわたり、混合物を10分ごとに3から5回ゆっくり反転させることで、TNP−KLH+ミョウバン溶液を調製した。第5日に、最終処置後、マウスをCO2で屠殺し、心穿刺を行った。血液を30分間凝固させ、血清マイクロティナ管中にて10000rpmで10分間遠心させた。血清を回収し、マトリクス管に小分けし、さらなる分析を行うまで−70℃で保存した。血清中のTNP特異的IgG1、IgG2a、IgG3およびIgMレベルをELISAによって測定した。TNP−BSA(Biosearch Tech.、#T−5050)を用いてTNP特異抗体を捕捉した。TNP−BSA(10μg/mL)を用いて、終夜にて384ウェルELISAプレート(Corning Costar)をコーティングした。次に、プレートを洗浄し、10%BSA ELISAブロック溶液(KPL)を用いて1時間にわたってブロッキングを行った。ブロッキング後、ELISAプレートを洗浄し、血清サンプル/標準を連続希釈し、プレートを1時間結合させた。プレートを洗浄し、Ig−HRP結合二次抗体(ヤギ抗マウスIgG1、Southern Biotech #1070−05、ヤギ抗マウスIgG2a、Southern Biotech #1080−05、ヤギ抗マウスIgM、Southern Biotech #1020−05、ヤギ抗マウスIgG3、Southern Biotech #1100−05)を1:5000で希釈し、プレート上で1時間インキュベートした。TMBペルオキシダーゼ溶液(KPLからのSureBlue Reserve TMB)を用いて、抗体を肉眼観察できるようにした。プレートを洗浄し、分析対象のIgに応じて約5から20分間にわたり、サンプルをTMB溶液中で現像した。2M硫酸で反応を停止し、プレートを450nmのODで読み取った。
関節リウマチ、強直性脊椎炎、骨関節炎、乾癬性関節炎、乾癬、炎症性疾患および自己免疫疾患などのPI3Kδ介在疾患の治療のため、本発明の化合物を従来の製薬上許容される担体、補助剤および媒体を含む単位製剤で経口投与、非経口投与、吸入スプレー投与、直腸投与または局所投与することができる。本明細書で使用される非経口という用語は、皮下、静脈、筋肉、胸骨内、注入技術または腹腔内を含むものである。
本明細書における疾患および障害の治療は、例えば関節リウマチ、強直性脊椎炎、骨関節炎、乾癬性関節炎、乾癬、炎症性疾患および自己免疫疾患などの予防的処置を必要とすると考えられる対象者(すなわち、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒト)に対する本発明の化合物、それの医薬用の塩またはいずれかの医薬組成物の予防的投与をも含むものである。
本発明の化合物および/または本発明の組成物によるPI3Kδ介在疾患、癌および/または高血糖の治療のための投与法は、疾患の種類、患者の年齢、体重、性別、医学的状態、状態の重度、投与経路および使用される特定の化合物などの各種要素に基づいたものである。従って、投与法は非常に多様となり得るものであるが、標準的な方法を用いて常法で決定することができる。約0.01mgから30mg/kg/日、好ましくは約0.1mgから10mg/kg、より好ましくは約0.25mgから1mg/kgの水準の用量レベルが、本明細書に開示の全ての使用方法に有用である。
本発明の医薬活性化合物は、従来の製薬法に従って処理して、ヒトおよび他の哺乳動物などの患者への投与向けの医薬を製造することができる。
経口投与の場合、医薬組成物は例えば、カプセル、錠剤、懸濁液または液剤の形態であることができる。その医薬組成物は好ましくは、所定量の有効成分を含む単位製剤の形態で製造する。そのような単位製剤の実施例は錠剤またはカプセルである。例えばそれは、約1から2000mg、好ましくは約1から500mg、より好ましくは約5から150mgの量の有効成分を含むことができる。ヒトその他の哺乳動物における好適な1日用量は、患者の状態および他の要素などに応じて広く変動し得るものであるが、やはり通常の方法を用いて決定することができる。
有効成分は、生理食塩水、ブドウ糖または水などの好適な担体を含む組成物として注射によって投与することもできる。非経口での1日投与量は、約0.1から約30mg/総体重kg、好ましくは約0.1から約10mg/kg、より好ましくは約0.25mgから1mg/kgである。
無菌注射用の水溶液もしくは油系懸濁液などの注射製剤は、好適な分散剤または湿展剤および懸濁剤を用い、公知の技術に従って製剤することができる。無菌注射製剤は、無毒性で非経口的に許容される希釈剤もしくは溶媒中の無菌注射溶液または懸濁液であることもでき、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液とする。使用可能な許容される媒体および溶媒には、水、リンゲル液および等張性塩化ナトリウム溶液などがある。さらに、無菌の固定油を溶媒もしくは懸濁媒体として従来のように用いる。それに関しては、いずれの銘柄の固定油も使用可能であり、それには合成モノもしくはジグリセリドなどがある。さらに、オレイン酸などの脂肪酸を注射製剤で用いることができる。
薬剤の直腸投与用の坐剤は、常温では固体であるが直腸温度では液体であることから、直腸で融解して薬剤を放出するカカオバターおよびポリエチレングリコール類などの好適な非刺激性賦形剤と薬剤とを混合することで調製することができる。
本発明の化合物の有効成分の好適な局所用量は、1日1から4回投与で、好ましくは1日1回もしくは2回投与で0.1mgから150mgである。局所投与の場合、有効成分は製剤の0.001重量%から10重量%、例えば1重量%から2重量%含有されていることができる。ただしそれは10重量%という大きい量で含有されていても良いが、好ましくは製剤の5重量%以下であり、より好ましくは0.1%から1%である。
局所投与に好適な製剤には、皮膚浸透に好適な液体もしくは半液体製剤(例:擦剤、ローション、軟膏、クリームまたは泥膏)ならびに眼球、耳または鼻への投与に好適な滴剤などがある。
投与を行うには、本発明の化合物は通常、指定の投与経路に適した1以上の補助剤と組み合わせる。その化合物は乳糖、ショ糖、デンプン粉末、アルカン酸のセルロースエステル類、ステアリン酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸および硫酸のナトリウム塩およびカルシウム塩、アカシア、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドンおよび/またはポリビニルアルコールと混合し、簡便に投与できるように打錠またはカプセル封入することができる。あるいは本発明の化合物は、生理食塩水、水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール、トウモロコシ油、落花生油、綿実油、ゴマ油、トラガカントガムおよび/または各種緩衝液に溶かすことができる。他の補助剤および投与携帯は製薬業界では公知である。担体または希釈剤は、モノステアリン酸グリセリルもしくはジステアリン酸グリセリル単独またはロウその他の当業界で公知の材料との組み合わせなどの時間遅延材料を含むことができる。医薬組成物は、固体(粒剤、粉剤または坐剤など)または液体(例えば、液剤、懸濁液または乳濁液)で製造することができる。
医薬組成物については、滅菌などの従来の製薬操作を行うことができ、ないしは保存剤、安定剤、湿展剤、乳化剤、緩衝剤などの従来の補助剤を含有させることができる。
経口投与用の固体製剤には、カプセル、錠剤、丸薬、粉剤および粒剤などがあり得る。そのような固体製剤では、活性化合物は、ショ糖、乳糖またはデンプンなどの少なくとも1種類の不活性希釈剤と混合することができる。そのような製剤は、通常の実務のように、例えばステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤のような不活性希釈剤以外の別の物質を含むこともできる。カプセル、錠剤および丸薬の場合、製剤は緩衝剤を含むこともできる。錠剤および丸薬はさらに、腸溶コーティングを用いて製造することができる。
経口投与用の液体製剤には、水などの当業界で通常使用される不活性希釈剤を含む製薬上許容される乳濁液、液剤、懸濁液、シロップおよびエリキシル剤などがあり得る。そのような組成物は、湿展剤、甘味剤、香味剤および芳香剤などの補助剤を含むこともできる。
本発明の化合物は、1以上の不斉炭素原子を有する場合があることから、光学異性体の形ならびにそれらのラセミ混合物もしくは非ラセミ混合物の形で存在し得る。光学異性体は、例えばジアステレオマー塩の形成、光学活性な酸もしくは塩基による処理などの従来の方法に従ったラセミ混合物の分割によって得ることができる。適切な酸の例には、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸およびカンファースルホン酸があり、次にジアステレオマーの混合物を結晶化によって分離し、次にその塩から光学活性塩基を遊離させる。光学異性体の異なる分離方法では、エナンチオマーの分離を最大とするよう至適に選択されるキラルクロマトグラフィーカラムを使用する。さらに別の利用可能な方法では、活性化型の光学的に純粋な酸または光学的に純粋なイソシアネートと本発明の化合物の反応による共役ジアステレオマー異性体分子の合成を行う。合成されたジアステレオマーを、クロマトグラフィー、蒸留、結晶化または昇華などの従来の手段によって分離し、加水分解してエナンチオマー的に純粋な化合物を得ることができる。光学活性な本発明の化合物も同様に、活性な原料を用いて得ることができる。その異性体は、遊離酸、遊離塩基、エステルまたは塩の形であることができる。
同様に本発明の化合物は、同一の分子式の化合物であるが、原子が互いに異なって配置されている異性体として存在する場合がある。特に、本発明の化合物のアルキレン置換基は、通常そして好ましくは、これらの各基についての定義に示された分子に左から右に読んで配置および挿入される。しかしながら、場合によっては、これらの置換基をその分子中の他の原子と比較して逆の配向とする本発明の化合物が製造される可能性があることは、当業者には明らかであろう。すなわち、挿入される置換基が、それが逆の配向で分子に挿入される点以外は、上記と同じであることができる。本発明の化合物のこれらの異性体型が本発明の範囲に包含されると解釈すべきであることは、当業者には明らかであろう。
本発明の化合物は、無機酸または有機酸から誘導される塩の形態で用いることができる。その塩には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、ジグルコン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(palmoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、2−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、メシル酸塩およびウンデカン酸塩などがあるがこれらに限定されるものではない。さらに、塩基性窒素含有基は、塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチル、プロピルおよびブチルなどの低級アルキルハライド;硫酸ジメチル、ジエチル、ジブチルおよびジアミルなどの硫酸ジアルキル;塩化、臭化およびヨウ化デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルなどの長鎖ハライド;臭化ベンジルおよびフェネチルなどのアラルキルハライド等の薬剤で4級化することができる。それにより、水もしくは油に溶解性もしくは分散性の生成物が得られる。
製薬上許容される酸付加塩の形成に用いることができる酸の例には、塩酸、硫酸およびリン酸などの無機酸ならびにシュウ酸、マレイン酸、コハク酸およびクエン酸などの有機酸などがある。他の例には、ナトリウム、カリウム、カルシウムもしくはマグネシウムなどのアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属との塩または有機塩基との塩などがある。
本発明の範囲には、代謝的に不安定なエステルを含むカルボン酸の製薬上許容されるエステルまたはヒドロキシル含有基または 本発明の化合物のプロドラッグ 型も含まれる。代謝的に不安定なエステルは、例えば血中レベル上昇を生じ、相当する非エステル化型の化合物の効力を長くすることができるものである。プロドラッグ型は、投与される分子の活性型ではなく、例えば酵素的もしくは加水分解的開裂のような代謝などの何らかのイン・ビボ活性または生体変換後に治療活性となるものである。エステルが関与するプロドラッグについての一般的議論に関しては、文献を参照する(Svensson and Tunek Drug Metabolism Reviews 165 (1988)およびBundgaard Design of Prodrugs, Elsevier (1985))。マスクされたカルボン酸アニオンの例には、アルキル(例えば、メチル、エチル)、シクロアルキル(例えば、シクロヘキシル)、アラルキル(例えば、ベンジル、p−メトキシベンジル)およびアルキルカルボニルオキシアルキル(例えば、ピバロイルオキシメチル)などの各種エステルなどがある。アミン類は、イン・ビボでエステラーゼによって開裂されて遊離薬剤およびホルムアルデヒドを放出するアリールカルボニルオキシメチル置換された誘導体としてマスクされている(Bungaard J. Med. Chem. 2503 (1989))。さらに、イミダゾール、イミド、インドールなどの酸性NH基を含む薬剤は、N−アシルオキシメチル基でマスクされている(Bundgaard Design of Prodrugs, Elsevier (1985))。ヒドロキシ基は、エステルおよびエーテルとしてマスクされている。EP039051(Sloan and Little, 4/11/81)には、マンニッヒ塩基ヒドロキサム酸プロドラッグ、それの製造および使用が開示されている。本発明の化合物のエステルには、例えばメチル、エチル、プロピルおよびブチルエステル、ならびに酸性部分とヒドロキシル含有部分との間で形成される他の好適なエステルなどがあり得る。代謝的に不安定なエステルには、例えば、メトキシメチル、エトキシメチル、イソ−プロポキシメチル、例えばメトキシエチル、エトキシエチル、プロポキシエチル、イソプロポキシエチルなどのα−((C1−C4)−アルキルオキシ)エチルなどのα−メトキシエチル基;5−メチル−2−オキソ−1,3,ジオキソレン−4−イルメチルなどの2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イルメチル基;例えばメチルチオメチル、エチルチオメチル、イソプロピルチオメチルなどのC1−C3アルキルチオメチル基;例えばピバロイルオキシメチル、α−アセトキシメチルなどのアシルオキシメチル基;エトキシカルボニル−1−メチル;または例えばα−アセトキシエチルなどのα−アシルオキシ−α−置換されたメチル基などがあり得る。
さらに、本発明の化合物は、エタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、水などの一般的な溶媒から結晶化することができる結晶固体として存在することができる。従って、本発明の化合物の結晶型は、親化合物の多形体、溶媒和物および/または水和物またはそれらの製薬上許容される塩として存在することができる。そのような形態は全て同様に、本発明の範囲に包含されるものと解釈すべきである。
本発明の化合物は単独の活性医薬として投与することができるが、それは1以上の本発明の化合物または他の薬剤と組み合わせて使用することもできる。併用で投与する場合、その治療剤は、同時または異なる時点で投与される別個の組成物として製剤することができるか、それらの治療剤を単独の組成物として投与することができる。
以上の内容は本発明を単に説明するためのものであって、本発明を開示の化合物に限定するものではない。当業者にとって明白である改変および変更は、添付の特許請求の範囲で定義される発明の範囲および性質に包含されるものである。
以上の説明から、当業者は、本発明の本質的性質を容易に確認することができ、本発明の精神および範囲から逸脱しない限りにおいて、本発明の各種の変更および改変を行って、本発明を各種の用途および状態に適応させることができる。