JP5808042B2 - パラジウムアンミン錯塩水溶液からなるパラジウム触媒付与液およびそれを用いた銅配線基板の無電解ニッケルめっき方法 - Google Patents

パラジウムアンミン錯塩水溶液からなるパラジウム触媒付与液およびそれを用いた銅配線基板の無電解ニッケルめっき方法 Download PDF

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Description

本発明は電子部品の製造法に関するものであり、配線幅(L)および配線間隔(S)がそれぞれ15μm以下の超微細基板に好適な超微細銅配線基板の製造法に関するものである。
携帯電話や各種デジタルテレビなどの多機能型電子機器や医療用電子機器の製造において、実装工程で圧接されるバンプをもつ配線基板や人体内で使用される医療用電子機器の配線基板においては、柔軟で圧接性に優れ、高い耐久性があり、人体への影響の少ない金めっき表面を有するバンプや配線回路などで形成された基板が使われることが多い。
銅バンプや銅配線の表面をニッケルや金で被覆する方法としては、電解めっきや無電解めっきなどのめっき工程が使われており、回路の形状やバンプの表面形状によって使い分けられているが、独立した回路やバンプを有する基板では独立した金属配線にもめっきが可能で比較的均一な厚みで平滑なめっき面が得られる無電解めっきが好ましいといわれている。
金属によっては、自己触媒的に無電解めっきが進行するものもあるが、電子回路などに使われる大抵の金属はめっき反応を促進するために、金属表面にパラジウム(Pd)触媒を付与してから無電解めっきを行うのが一般的である。
たとえば、銅表面にニッケルなどの銅よりも電気的に卑である金属をめっきする場合には、銅表面をパラジウムで置換し、パラジウムを触媒として無電解めっきを行うことが必要となる。
また、溶接バンプなどの作製においては、加熱時に銅への金のマイグレーションを防止するため、銅表面に無電解ニッケルめっきを行った後で、金めっき薄膜を形成することがしばしば行われるが、金で表面が被覆された銅配線やバンプを無電解めっきで作製するためには、銅配線の表面にあらかじめ無電解めっき触媒であるパラジウムを付与してからニッケルめっきを行い、その後で無電解金めっきを行うことが一般的である。
最近の電子機器部品業界においては、電子部品の配線の更なる高精細化が進行し、配線幅と配線間隔が15μm以下で配線ピッチが30μm以下への要求が高まっており、銅配線などを金めっきで被覆する工程の一つである無電解ニッケルめっき工程において、従来のパラジウム付与方法で無電解めっきを行った場合には、配線上の無電解めっきのむら(図1)や配線間の微小スペースに微細なめっき金属の点状析出、配線間へのはみ出し(図2)や配線短絡(図3)が起こることが知られている。
その原因としては、従来の塩化パラジウム水溶液を使用する強酸性の触媒付与液においては、導体へのパラジウム触媒金属核の析出が不十分で無電解めっきにむら(スキップ現象)が生じたり、触媒付与液中のパラジウムイオンがコロイド状の金属粒子となり、その触媒金属の上に無電解めっき金属が析出してめっきの拡がりが起こりやすいことが考えられている。
また、銅表面を強酸性触媒液のパラジウムイオンで置換する反応においては、電解銅めっきのアノードで起こる銅微粒子スライムの析出と同じように、パラジウムイオンによって銅が酸化されて生成する一価の銅イオンが次式に示すように不均化反応によって、二価の銅イオンと金属銅微粒子を生成して、配線スペース部に析出・付着し、その銅微粒子にめっきが進行して点状金属の析出や配線間の短絡を起こさせるのではないかとも考えられる。発明者らが行なった絶縁層スペース部に析出した点状金属のEPMA(Electron Probe Micro Analyzer)分析において、微量の銅が検出されたことからその可能性が高いと推察される。
Pd2+ + 2Cu = Pd + 2Cu
2Cu → Cu2+ + Cu
これまで絶縁基材上に形成された銅配線などの表面に無電解ニッケルめっきを均一に、かつ絶縁層へのはみ出しがないように析出させる方法として、特開2003−082468には、比較的ピッチが大きい50μmの導体部分と絶縁体部分からなる被めっき物について、無電解めっきをするための触媒付与液として、パラジウム化合物と6価のイオウを含む水溶性窒素化合物からなる無電解めっき用触媒液を用いることにより、導体部分のめっきの不均一な析出、絶縁体へのめっきの拡がり、さらに反応槽の壁面への触媒金属の吸着を抑制できることが示されている。
また、特開平5−156457にはパラジウム化合物とアンモニア化合物と塩酸およびクエン酸塩で構成されるpH3.0〜4.5の緩衝液を使う無電解ニッケルめっき用触媒付与液が提案されている。この方法は配線間隔50μmの微細配線基板で金属配線から絶縁層への金属めっきのはみ出し析出を1μm以下に抑えることを目的としている。
また、特開平6−145994には、水溶性パラジウム塩と無機酸と塩化アンモニウムとグリシン、さらにはヒドロキシカルボン酸を添加した触媒付与液が、特開2006−316350には、パラジウム塩溶液に硫黄含有複素環化合物と有機溶剤を添加した触媒付与液を用いる方法が提案されている。
また、特開平9−241853には、銅表面へのパラジウム置換を促進するために次亜リン酸塩、ヒドラジンなどの還元性薬剤を添加する方法において、アンモニウム塩などを添加することが好ましいことが示されている。
これらの方法は、いずれもパラジウム金属イオンをオキシカルボン酸やアミノカルボン酸などのキレート剤や6価の硫黄を含む水溶性有機窒素化合物をキレート剤に使ってパラジウムを錯体化してコロイド化を防止し、絶縁層でのパラジウムの析出や吸着を抑制する方法である。
その他の対策としては、配線スペース部に析出した触媒微粒子を物理的に水流で洗い流す方法、シアン化合物を使って溶解除去する方法やあらかじめ配線スペース部をめっきに不活性な皮膜で被覆してからめっきを行うことによって異常なめっきの析出や拡大を抑制する方法、特開2008−101257には、パラジウム触媒付与後にpH3以下の条件で硫酸水素塩や金属塩化物で処理してから無電解めっきする方法が提案されている。
特開2003−082468号公報 特開平5−156457号公報 特開平6−145994号公報 特開2006−316350号公報 特開平9−241853号公報 特開2008−101257号公報
しかしながら、これまで提案されている配線周辺の絶縁層へのめっきの析出やはみ出しを抑制する方法では、次に述べるような問題があり、実用的、経済的な面からみて必ずしも十分な性能や効果が得られていない。
たとえば、特開2003−082468の方法では、その明細書にあるようにめっきの均一性や配線からのめっきの拡がりを2μm程度に抑えられるので、配線幅や間隔が50μm〜80μmと比較的絶縁層が広い配線基板の導体への均一な無電解めっきに適用することは可能であるが、最近の配線幅と配線間隔が15μm以下で配線ピッチが30μm以下の超微細配線基板の場合は、配線間のスペースが狭いため配線間の短絡を防止することが難しい。
特開平5−156457の方法では、配線幅や間隔が50μm程度の配線基板で配線からの絶縁層へのはみ出しを1μm以下に抑えることを目標としているが、さらに微細な配線基板に適用できるかどうかは明らかではない。
特開平5−156457および特開平6−145994に記載のパラジウム触媒付与液では、有効なpH範囲が、前者ではpH3.0〜4.5、後者では1.0〜2.7と規定されている。明細書によれば、前者ではpHが3.0未満、後者ではpHが1.0未満ではいずれの場合でも、絶縁物上にもめっきが進行し、また前者ではpHが4.5以上、また後者ではpHが2.7を超えると活性が低下してめっき反応が起こらなくなり十分な性能が得られないことが明示されており、いずれの方法においても、安定しためっきを行なうためには、pH範囲を厳密に管理するために、pH緩衝作用のあるクエン酸やリンゴ酸などのヒドロキシカルボン酸あるいはグリシンなどのアミノ酸などの高価な有機系化合物をパラジウムイオン濃度に対して約1000倍とかなりの高濃度で添加する必要があり、コストが高くなるという問題があった。
一方、配線スペース部に付着した微細金属粒子を強力なスプレー洗浄などを使って物理的に洗い流す方法は、配線ピッチが30μm以下の微細配線基板のように、配線が微細になるほど配線と基材の接合面積が減少して密着強度が小さくなり、配線の剥離が起こりやすいため微細配線には採用することができない。
さらに、スペース部のめっきを抑制するために不活性物質でスペース部を被覆する方法では、被覆剤をスペース部だけに不活性物質を選択的に付与することが難しく、めっきのばらつきの原因になるなど、配線幅や配線間隔が15μ以下の超微細配線での配線間の短絡防止に対しては効果が期待できない。
このように従来の無電解めっき触媒付与液とそれを用いた無電解めっき方法、すなわち、強酸性の塩化パラジウムをベースとした触媒付与液や水溶性パラジウム塩に様々な無機塩や特殊の有機キレート剤あるいはpH緩衝剤を添加して安定化する方法では、パラジウムを錯体化してコロイド化を防止し、絶縁層でのパラジウムの析出や吸着を抑制することによって、均一な金属皮膜を形成できることや、配線間隔50μ程度の配線基板において、絶縁層へのめっきのはみ出しによる配線短絡を抑えることは可能であるが、本発明が対象とするようなさらに配線幅や配線間隔(絶縁層)の幅が15μm以下である超微細配線やアスペクト比の大きいバンプ構造を有する配線基板において、配線間の絶縁層上でのめっき析出や短絡を起こすことなく、安定して所望の金属めっき皮膜を形成することは極めて困難であり、性能の安定性だけでなく、高価な有機系キレート剤やpH緩衝剤などを添加する必要があるためにコスト的にも問題があり、あまり実用化されていないのが実情である。
上記のような状況に鑑み、本発明者らは、触媒付与工程から無電解ニッケルめっき工程において絶縁層に析出しためっき金属の科学分析結果の基づき、銅とパラジウムの置換反応において、均一な触媒付与を可能にすると同時に置換反応中の銅イオンの不均化反応によって生成すると考えられる銅微粒子に着目し、絶縁層でのパラジウム吸着とCu微粒子の吸着を抑制して、ポリイミド基材で配線間隔が15μm以下の銅配線基板の配線間でのめっき析出や配線短絡の生じないような低コストで経済的な工業的に利用価値が高い触媒付与液とその触媒付与液を用いた無電解めっき法を見出すべく鋭意検討した結果、パラジウムアンミン錯イオンに対して過剰のアンモニアを含むpH4.6〜6.0の弱酸性のパラジウムアンミン錯塩水溶液を触媒付与液として用いる無電解めっき方法を見出した。

本発明方法では、実施例の写真に示すように、配線幅(L)や配線間隔(S)がそれぞれ15μm以下の超微細な銅配線回路を有するポリイミドフィルム基板においても、配線間の短絡や配線スペース部にめっき金属の析出を起こすことなく、無電解ニッケルめっきなどによって銅配線をめっき金属で被覆することが可能である。
すなわち、本発明方法では、微細な銅配線回路を有するポリイミドフィルム基板を脱脂・酸洗浄した後、パラジウムイオン(2価)に対してアンモニウムイオンを過剰に含むパラジウムアンミン錯塩水溶液に一定時間浸漬して銅配線表面をパラジウムで置換した後、基板を酸洗浄と純水シャワー洗浄で洗って余分に付着した錯塩水溶液を除去し、市販の無電解ニッケルめっき液でめっきを行うことにより、金属配線間の短絡や配線スペース部にニッケルの析出がなく、銅配線表面が均一にニッケルで被覆された超微細金属配線フィルム基板を得ることができる。
さらに、このニッケルで表面が被覆された銅配線基板に置換金めっきなどを行うことによって、配線間の短絡や配線スペース部に金属の析出のない金表面を有する微細な配線フィルム基板を得ることができる。この方法では、銅とパラジウムイオン(2価)の置換反応で生成する銅イオンが、薬液中にある過剰のアンモニア分子とテトラアンミン銅錯塩を形成して安定化するため、絶縁層上での銅微粒子の析出・付着が抑制されるものと考えられる。
本発明は、パラジウムイオンに対してアンモニア(アンモニウムイオン)を過剰に含むパラジウムアンミン錯塩水溶液を使う触媒付与液および無電解ニッケルめっき方法を提供するものであり、その特徴は、明細書や実施例で説明するように、従来の触媒付与液による無電解めっきとは異なり、精密電子機器に要求される配線幅(L)や配線間隔(S)が15μm以下の超高精細配線やアスペクト比の大きい配線基板においても、配線間の短絡や配線スペース部の異常めっき析出などを起こすことなく無電解めっきで均一な金属皮膜を形成ができること、本触媒付与液の成分がパラジウム化合物以外は非常に安価で汎用の工業薬品であるアンモニアと塩酸などの無機化合物で構成されており、高価な有機添加剤などが含まれていないことから、経済的であり、更に、従来のパラジウム触媒置換方法に比べると触媒置換工程だけでなく配線基板の前処理工程も非常に簡単となる。
配線パターンのめっきムラの顕微鏡写真 めっきはみ出しの電子顕微鏡写真 配線短絡の電子顕微鏡写真(金めっき後) 実施例1の無電解ニッケルめっき前の配線パターンの電子顕微鏡写真 Aサンプル(実施例−1)の電子顕微鏡写真 Bサンプル(比較例−1)の電子顕微鏡写真 バンプ形成部(実施例−3)の電子顕微鏡写真 Aサンプル(実施例−3)の電子顕微鏡写真 Bサンプル(比較例−3)の電子顕微鏡写真(金めっき後) Aサンプル(実施例−4)の電子顕微鏡写真 Bサンプル(比較例―4)の電子顕微鏡写真(金めっき後) Aサンプル(実施例−5)の電子顕微鏡写真 Bサンプル(比較例−5)の電子顕微鏡写真
以下にその実施態様について詳しく説明する。
本発明で使用されるパラジウムアンミン錯塩水溶液は、溶液中に0.5×10−3〜50×10−3モル(mol)/Lのテトラアンミンパラジウム錯塩([Pd(NH]CL )を主成分として含み、テトラアンミンパラジウム錯イオンを形成するのに必要なアンモニア(配位子)の当量濃度に比べて少なくとも100倍、好ましくは100倍〜250倍の過剰のアンモニアがアンモニウムイオンとして含まれており、pHが4.0〜6.0に調整された水溶液である。
本発明でパラジウムアンミン錯塩を作製するためには、パラジウム化合物とアンモニアと塩酸のような無機酸が必要であるが、パラジウム化合物は、水溶性の二価のパラジウム化合物であれば無機塩、有機塩いずれでもよく、特に限定されない。通常は塩化パラジウムや硝酸パラジウムなどの比較的入手が容易な無機パラジウム塩が好んで用いられる。
パラジウムアンミン錯塩水溶液の作製・調整方法としては、以下に記すように市販のパラジウム塩、アンモニア水、塩酸などの薬剤を所望する組成にあわせて混合し溶解する方法が一般的であるが、これに限定されるものではない。
以下に、市販の塩化パラジウムの例について説明する。
塩化パラジウムの一定量、例えば177mg(1×10−3モル)を1N塩酸100mに溶解し、pH0.3の塩酸水溶液とした後、28%アンモニア水溶液をpHが約9.5程度になるまで添加する。途中、pH8.4付近でピンク色の塩化パラジウムとテトラアンミンパラジウム錯塩から成る複塩が沈殿またはにごりとして生じるが、さらにアンモニア水溶液を添加し、pH10.5程度になると無色透明な液となる。
つぎに、この溶液に塩酸を添加し、pHを約5に調整した後、全量が1000ml(1L)になるように純水で調整する。得られたパラジウムアンミン錯塩水溶液は、淡い黄色透明液で、このパラジウムアンミン錯塩溶液には、1×10−3モル(mol/L)の[Pd(NH]CLを主成分とするパラジウムアンミン錯塩と過剰の塩化アンモニウムが含まれている。
絶縁層への不要な触媒付与を抑制するために、パラジウムイオンと金属Cuの置換反応で発生するCuイオンを瞬時に銅アンミン錯イオン([Cu(NH++に変えて安定化させるためには、テトラアンミンパラジウム錯イオン[Pd(NH++の形成に使われるアンモニア(配位子)当量(4×10−3モル(mol))に対しては100倍〜250倍の過剰のアンモニウムイオンが必要である。
本発明では、パラジウムイオンとアンモニアの比率は、塩化パラジウムを溶解するために使う塩酸の濃度および使用量とその塩化パラジウム塩酸溶液からテトラアンミンパラジウム錯塩を生成させるために添加するアンモニア水の濃度と添加量によって多少の差はあるが、代表的なパラジウムアンミン錯塩水溶液中では、パラジウムイオン濃度1×10−3モル(mol)/Lに対して、400×10−3〜1000×10−3モル(mol)/L程度のアンモニウムイオンが含まれている。
本発明で銅表面へのパラジウム触媒付与液として使われるパラジウムアンミン錯塩水溶液のパラジウムイオン濃度は0.5×10−3〜50×10−3モル(mol)/L程度、好ましくは1×10−3〜10×10−3モル(mol)/L程度である。
パラジウム濃度が比較的低濃度の10−3モル(mol)/L程度に設定されているのは、高価なパラジウムの余分な消費を抑制するとともに、高濃度での急速な反応によるパラジウムイオンのコロイド化を避けるとともに、銅とパラジウムの置換反応を緩やかに円滑に行わせるためである。ただし、あまり低濃度では置換反応に長い時間がかかる点から好ましくない。
また、この錯塩水溶液をpH4.0〜6.0に調整する目的は、pHが4未満になると、[Pd(NH]CL錯塩が水に難溶性のジクロルジアミノパラジウム錯塩([Pd(NH ]CL)に変わることにより、溶液中に析出してワークに付着して異常めっきの原因となったり、溶液中の有効パラジウムイオン濃度が低下するのを避けるためである。 また、pHが6以上、とくにアルカリ性になると、触媒付与反応が起こらなくなることやさらにアンモニアガスによる銅配線などの腐食が起こることを避けるためである。
このパラジウムアンミン錯塩水溶液を用いる触媒付与液は、第一の特徴として、銅のパラジウム置換(触媒付与)が穏やかに進行し、均一なパラジウムの析出が銅の表面だけに限定されるため、無電解めっき工程での金属配線間の短絡や配線スペース部での金属の点状析出が全く発生しないことである。
その理由としては、水溶液中に過剰に存在する塩化アンモニウム(アンモニア)が、pH4.0〜6.0においては、パラジウムアンミン錯塩溶液を安定化させるだけでなく、パラジウムイオンと金属銅の置換反応で生成する銅イオンをアンモニウム錯イオンとして安定化させて、金属銅微粒子の析出を抑制しているためと考えられる。
また、第2の特徴としては、本触媒付与液はパラジウム塩以外の使用薬品が塩酸とアンモニア水だけであり、しかもこれらの薬品は非常に安価な汎用薬品であるため、入手も容易であり非常に経済的であることが挙げられる。
このパラジウムアンミン錯塩水溶液を用いる触媒付与液は、銅配線などにパラジウム触媒を付与できるだけでなく、ニッケルやコバルトなどの水溶性アンモニア錯塩を形成することができる金属配線などにパラジウム触媒を付与する場合にも同じような適用が期待される。
また、このパラジウムアンミン錯塩水溶液には、必要に応じて銅イオンと安定な水溶性錯塩を形成するエチレンジアミン、ビピリジル、EDTAやクエン酸などのキレート形成能のある水溶性有機化合物を添加してもよい。
また、パラジウム触媒付与操作の間に薬液中に酸素〔空気〕を吹き込み、置換反応で生成する一価の銅イオンの酸化を促進することも可能である。
本発明のパラジウムアンミン錯塩水溶液を使うパラジウム触媒置換付与方法は、汎用の絶縁材料上に形成された多くの銅配線基板に適用できる。その代表的なものとしては、両面銅張り樹脂基材または片面銅張り樹脂基材を使って作製された超微細銅配線基板が挙げられる。
これらの銅張り樹脂基板の代表的な樹脂材料としては、カプトン(登録商標)やユーピレックス(登録商標)などのポリイミド樹脂や液晶ポリエステル、エポキシ樹脂などの樹脂基材が挙げられる。最近の軽薄短小で多機能型電子機器においては、特にフィルム状樹脂基材が好んで使われている。
また、本発明の触媒置換付与方法は、樹脂系絶縁材料の配線基板だけでなくセラミックなどの無機系絶縁材料に形成された配線基板にも適用できる。
本発明の目的を達成する加工工程において、パラジウムアンミン錯塩水溶液を使うパラジウム触媒置換付与法をポリイミド基材ベースの銅配線基板に適用する場合には、触媒付与後に酸洗浄をすることが望ましい。
ポリイミド基材に配線を形成する工程では、ポリイミド基材表面をアルカリ性薬液で処理することがしばしば行なわれるが、アルカリ薬液処理の際に表層のイミド結合が開環してカルボン酸基が生成されることがある。
パラジウムアンミン錯塩水溶液でパラジウム触媒置換付与した後、酸処理をせずにそのままで無電解めっきを行うと、ポリイミド銅配線基板の前処理条件によっては、ポリイミド表面のカルボン酸にパラジウムイオンが反応しパラジウム塩を生成し、ポリイミド部分にも余分なめっきが進行したり、さらには無電解めっき中にカルボン酸パラジウム塩から脱落し、めっき液の分解を起こす原因となる恐れがある。
このカルボン酸パラジウム塩はpH3以下で酸洗浄を行なうことによりパラジウムを除去することができるので、安定しためっきを行なうためには、触媒付与処理をした基板を無電解めっき前に酸洗浄を行うことが望ましい。
本発明のパラジウムアンミン錯塩水溶液を使うパラジウム触媒置換付与方法は、パラジウム触媒で反応が進行する無電解めっき液であれば、市販されているほとんどの無電解めっき液を使うことができる。
バンプや配線などの表面を金めっきで被覆する用途では、一般に下地金属として無電解ニッケルめっきで作製したニッケル薄膜が使われることが多いので、この方法の無電解ニッケルめっきに対するメリットは非常に大きいものと思われる。
本発明方法では、配線基板などの配線などに触媒を付与する方法として、10℃〜40℃の触媒付与液に基板を一定時間浸漬し、金属配線などと触媒付与液を接触させるだけで十分ある。 触媒付与液への浸漬時間はパラジウムイオン濃度に応じて、適宜選択すればよい。
触媒付与を短時間で安定して行うためには、触媒付与液の温度は10〜40℃が好ましい。浸漬時の液温度が低すぎると、触媒付与に長い時間が必要となり、また液温度があまり高くなると、急激に置換反応が促進されてコロイド状のパラジウムの析出が懸念されることや操作中に水蒸気の逸散や塩化水素ガスを発生させることになるので好ましくない。
本発明において、配線間の短絡や配線スペース部の異常めっき析出などを起こすことなく無電解めっきで均一な金属皮膜を形成するためには、パラジウムアンミン錯塩水溶液の触媒付与を行なった後で、無電解ニッケルめっき工程に移る前に、配線基板を酸洗浄と純水洗浄することによって微細配線のスペース部分に付着した触媒付与液を十分に除去することが肝要であり、とくに純水洗浄においては、シャワー水洗によって配線スペース部に触媒付与液が残らないように洗い流すことが必要である。
本発明のパラジウムアンミン錯塩水溶液の触媒付与においても、金属表面に均一な触媒付与を行うためには、通常のめっき操作で行なわれるように、被めっき金属表面を清浄にしておくことが大切である。銅表面への油脂などの付着や銅表面が酸化していると、銅とパラジウムイオンとの置換反応が均一に進行しない場合があるので、触媒付与やその後の無電解めっきで均一な皮膜を形成するためには、触媒付与液に浸漬する前に、被めっき基板などの脱脂や酸洗浄などを行って金属表面を清浄にすることが必要である。
比較的長く保管された銅配線基板においては、しばしば銅配線やバンプ部の表面が酸化されている場合がある。その場合は、市販の銅ソフトエッチング液で銅表面をソフトエッチングして活性化するよい。
以下に実施例および比較例で具体的に説明する。
Ni/Cr+銅スパッター下地金属をつけたフィルム厚み25μmのポリイミドフィルム基材(登録商標 カプトンEN)のスパッター面に市販のドライフィルムをラミネートし、図4のような配線パターンが形成可能なガラスマスクを通して、露光・現像を行い、めっきレジストを形成した後、電解銅めっきを行い、配線ピッチ25μm(L/S=10/15)で高さ6〜7μmの銅配線パターンを形成した。なお、ドライフィルムのラミネート、露光、現像条件はメーカー条件を参考にして行った。
次に、銅配線パターン基材の配線スペース部のNi/Cr+銅スパッター層を市販のエッチング液で処理し、スパッター層を除去し、さらに80℃のアルカリ性過マンガン酸塩溶液でデスミア処理を行った。こうして得られた銅配線パターン(図4)のEPMA分析では配線スペース部にはスパッター金属の存在は認められず、完全に独立した銅配線を有する基板である。
次いで、この配線基板を2分割し、半分のAサンプルは本発明のパラジウム触媒付与液{パラジウムアンミン錯塩濃度2×10−3モル(mol)/L、アンモニウムイオン濃度0.84モル(mol)/L、)、HCL濃度 1.32モル(mol/L)、pH4.6}で液温26℃で浸漬処理(実施例−1)、もう半分のBサンプルは市販されている塩化パラジウム系触媒付与液で浸漬処理した。(比較例−1)
AサンプルとBサンプルの触媒付与前の処理および無電解ニッケルめっき処理条件は、次のとおりである。なお、めっき工程以外は室温処理である。
(実施例−1)
Aサンプル;1N塩酸30秒浸漬/純水洗浄/パラジウムアンミン錯塩水溶液浸漬1分/塩酸浸漬5秒/純水シャワー洗浄/無電解ニッケルめっき〔80℃×3分〕/水洗/乾燥
(比較例−1)
Bサンプル;酸性脱脂〔30秒〕/ショート防止剤(3分)/水洗/エッチング(15秒)/硫酸活性(1分)/プリデップ10秒・キャタリスト20秒・ポストデップ1分/水洗/無電解ニッケルめっき80℃×3分/水洗/乾燥
A、B両サンプルに使用した無電解ニッケルめっき液は、奥野製薬製ICPニコロンGM−SDで、めっき温度は80℃である。
無電解ニッケルめっき処理したAサンプル(実施例−1)およびBサンプル(比較例−1)の写真をそれぞれ図5、図6に示す。Aサンプル(実施例−1)では配線間の短絡や配線スペース部の異常めっきは観測されなかったが、Bサンプル(比較例−1)では配線間に短絡が観測された。
Ni/Cr+銅スパッター下地金属をつけたフィルム厚み25μmのポリイミドフィルム基材(登録商標 カプトンEN)のスパッター面に市販のドライフィルムをラミネートし、図4のような配線パターンが形成可能なガラスマスクを通して、露光・現像を行い、めっきレジストを形成した後、電解銅めっきを行い、配線ピッチ25μm(L/S=10/15)で高さ6〜7μmの銅配線パターンを形成した。なお、ドライフィルムのラミネート、露光、現像条件はメーカー条件を参考にして行った。
次に、銅配線パターン基材の配線スペース部のNi/Cr+銅スパッター層を市販のエッチング液で処理し、スパッター層を除去し、さらに80℃のアルカリ性過マンガン酸塩溶液でデスミア処理を行った。こうして得られた銅配線パターン(図4)のEPMA分析では配線スペース部にはスパッター金属の存在は認められず、完全に独立した銅配線を有する基板である。
次に、この基板を用いて、表―1に挙げたような触媒付与条件でめっき評価実験を行なった。表−1は、この独立した銅配線パターンを有する配線基板について、触媒付与液のパラジウムイオン濃度などの組成やpHおよび付与時間などを変えてめっき評価を行なった結果である。触媒付与液の温度は室温と同じ28℃である。
表−1より、触媒付与液のpHが4.0〜6.0の範囲では、良好な結果が得られ、pHが4.0〜6.0の範囲を外れた場合にはめっき反応が十分に進まなかったり、配線間への異常析出やショートの発生がみられた。また、触媒付与に必要な時間はパラジウム濃度によって少し変わるが、通常使われる60秒〜120秒程度の触媒付与時間であれば、配線間にショートのない良好なめっきができることが分る。
Ni/Cr+銅スパッター下地金属をつけたフィルム厚み25μmのポリイミドフィルム基材(登録商標 カプトンEN)のスパッター面に市販のドライフィルムをラミネートし、図7のような配線パターンのガラス膜を通して、露光・現像を行い、めっきレジストを形成した後、電解銅めっきを行い、配線ピッチ25μm(L/S=10/15)で高さ6〜7μmの銅配線パターンを形成した。なお、ドライフィルムのラミネート、露光、現像条件はメーカー条件を参考にして行った。
次に、銅配線のある面に厚膜のドライフィルムをラミネートし、ガラスマスクと通して、露光・現像を行い、配線端部にバンプ形成用の開口を持つめっきレジストパターンを形成し、電気銅めっきにより高さ約20μmの銅バンプを形成した。
次に、銅配線のある面に厚膜のドライフィルムをラミネートし、ガラスマスクと通して、露光・現像を行い、配線端部にバンプ形成用の開口を持つめっきレジストパターンを形成し、電気銅めっきにより高さ約20μmの銅バンプを形成した。
次に、バンプのある銅配線パターン基材の配線スペース部のNi/Cr+銅スパッター層を市販のエッチング液で処理し、スパッター層を除去し、さらに80℃のアルカリ性過マンガン酸塩溶液でデスミア処理を行った。
こうして得られた銅配線パターン(図7)のEPMA分析では配線スペース部にはスパッター層の存在は認められなかった。
次に、この独立した銅配線パターンを有する配線基板を2分割し、半分のAサンプルは本発明のパラジウム触媒付与液{パラジウムアンミン錯塩濃度2×10−3モル(mol)/L、アンモニウムイオン濃度1000×10−3モル(mol)/L、HCL濃度 1.5モル/L、pH5.3}で処理(実施例−3)、もう半分のBサンプルは市販されている塩化パラジウム系触媒付与液で処理した(比較例−3)。AサンプルとBサンプルの触媒付与前の処理および無電解ニッケルめっき処理条件は、次のとおりである。
(実施例−3)
Aサンプル;1N塩酸30秒浸漬/純水洗浄/パラジウムアンミン錯塩溶液浸漬1分/塩酸浸漬5秒/純水シャワー洗浄/無電解ニッケルめっき〔80℃×3分〕/水洗/乾燥
(比較例−3)
Bサンプル;酸性脱脂〔3分〕/ショート防止剤(5分)/水洗/エッチング(20秒)/硫酸活性(5分)/プリデップ10秒・キャタリスト20秒・ポストデップ2分/水洗/無電解ニッケルめっき80℃×3分/水洗/乾燥
A、B両サンプルに使用した無電解ニッケルめっき液は、奥野製薬製ICPニコロンGM−SDで、めっき温度は80℃である。
無電解ニッケルめっき処理したAサンプル(実施例−3)およびBサンプル(比較例−3)の写真をそれぞれ図8、図9に示す。Aサンプル(実施例−3)では配線間の短絡や配線スペース部の異常めっきは観測されなかったが、Bサンプル(比較例−3)では配線間に短絡が観測された。
Ni/Cr+銅スパッター下地金属をつけたフィルム厚み25μmのポリイミドフィルム基材(登録商標 カプトンEN)のスパッター面に市販のドライフィルムをラミネートし、図−7のような配線パターンのガラス膜を通して、露光・現像を行い、めっきレジストを形成した後、電解銅めっきを行い、配線ピッチ25μm(L/S=10/15)で高さ10μmの銅配線パターンを形成した。 なお、ドライフィルムのラミネート、露光、現像条件はメーカー条件を参考にして行った。
次に、銅配線のある面に厚膜のドライフィルムをラミネートし、ガラスマスクと通して、露光・現像を行い、配線端部にバンプ形成用の開口を持つめっきレジストパターンを形成し、電気銅めっきにより高さ約20μmの銅バンプを形成した。
次に、バンプのある銅配線パターン基材の配線スペース部のNi/Cr+銅スパッター層を市販のエッチング液で処理し、スパッター層を除去し、さらに80℃のアルカリ性過マンガン酸塩溶液でデスミア処理を行った。こうして得られた銅配線パターンのEPMA分析では配線スペース部にはスパッター層の存在は認められなかった。
次に、この独立した銅配線およびバンプを有す配線基板を2分割し、半分のAサンプルは本発明のパラジウム触媒付与液{(パラジウムアンミン錯塩濃度1×10−3モル(mol)/L、アンモニウムイオン濃度500×10−3モル(mol)/L、HCL濃度0.8モル/L、pH 4.3}で処理(実施例−4)、もう半分のBサンプルは塩化パラジウム(1×10−3mol/L)とスルファミン酸(1×10−2mol/L)からなる、めっき金属のはみ出し拡がりが少ないといわれている触媒付与液(pH7)で処理した(比較例−4)。
AサンプルとBサンプルの触媒付与は室温で行った。その他の処理条件および無電解ニッケルめっき処理条件は、次のとおりである。
(実施例−4)
Aサンプル;1N塩酸30秒浸漬/純水洗浄/パラジウムアンミン錯塩溶液浸漬1.5分/塩酸浸漬5秒/純水シャワー洗浄/無電解ニッケルめっき〔80℃×3分〕/水洗/乾燥
(比較例−4)
Bサンプル;酸性脱脂〔30秒〕/ショート防止剤(3分)/水洗/エッチング(15秒)/硫酸活性(1分)/触媒付与液1分/ポストデップ1分/水洗/無電解ニッケルめっき80℃×3分/水洗/乾燥
A、B両サンプルに使用した無電解ニッケルめっき液は、奥野製薬製ICPニコロンGM−SDで、めっき温度は80℃である。また、Bサンプルに使用した薬液には、市販品(奥野製薬製)を使用した。
無電解ニッケルめっき処理したサンプルA(実施例−4)およびB(比較例−4)の写真をそれぞれ図10、図11に示す。サンプルA(実施例−4)では配線間の短絡や配線スペース部の異常めっきは観測されなかったが、サンプルB(比較例−4)では配線の一部短絡や底部にめっき金属の点状はみ出し拡がりが観測された。
実施例1で使用した配線ピッチ25μm(L/S=10/15)で高さ6〜7μm のポリイミドフィルムの銅配線パターンを2分割し、実施例4と同じ触媒付与液(X)と公知文献に記載の塩化ラジウム、塩化アンモニウム、塩酸およびクエン酸塩からなる触媒付与液を(Y)用いて、次のとおり銅配線への触媒付与を行い、さらに無電解ニッケルめっきを行なった。
Aサンプルは実施例1と同じとし、Bサンプルは触媒付与液とその浸漬時間を変えたほかはすべて実施例5同じにした。
(実施例−5)
Aサンプル;1N塩酸30秒浸漬/純水洗浄/パラジウムアンミン錯塩溶液(X)浸漬1.5分/塩酸浸漬5秒/純水シャワー洗浄/無電解ニッケルめっき〔80℃×3分〕/水洗/乾燥
(比較例−5)
Bサンプル;1N塩酸30秒浸漬/純水洗浄/触媒付与液(Y)3分浸漬/塩酸浸漬5秒/純水シャワー洗浄/無電解ニッケルめっき〔80℃×3分〕/水洗/乾燥
なお、触媒付与液(Y)の液組成は、PdCL200mg/L、PdCL:NHCL=1:400、0.1mol HCL 450ml/L、0.1molクエン酸Na 550ml/L、pH=3.5である。
めっき後のAサンプル(実施例−5)、Bサンプル(比較例−5)の電子顕微鏡写真は、それぞれ図12、図13に示すとおりである。Aサンプル(図12)では配線間にはみ出しも短絡もなかったが、Bサンプル(図13)では配線間にはみ出しや短絡がみられた。
本発明は、精密電子機器に要求される配線幅(L)や配線間隔(S)が15μm以下の超高精細配線やアスペクト比の大きい配線基板においても、配線間の短絡や配線スペース部の異常めっき析出などを起こすことなく無電解めっきで均一な金属皮膜を形成ができること、更に本触媒付与液の成分がパラジウム化合物以外は非常に安価で汎用の工業薬品であるアンモニアと塩酸などの無機化合物で構成されており、高価な有機添加剤などが含まれていないことから、経済的であり、さらに従来のパラジウム触媒置換方法に比べると触媒置換工程だけでなく、配線基板の前処理工程も非常に簡単であるなど、技術的にも経済的にも優れた方法である。

Claims (6)

  1. ポリイミド基材で配線間隔が15μm以下の銅配線基板に用いる無電解ニッケルめっき用触媒付与液であって、
    パラジウムアンミン錯塩、並びに前記パラジウムアンミン錯塩に配位したアンモニアに対して過剰のアンモニウムイオンを含み、その水溶液のpHが4.6〜6.0に調整された無電解ニッケルめっき用触媒付与液。
  2. 前記パラジウムアンミン錯塩の主成分がテトラアンミンパラジウム錯塩である、請求項1に記載の銅配線基板の無電解ニッケルめっき用触媒付与液。
  3. 前記水溶液のパラジウムアンミン錯イオン濃度が0.5×10−3〜50×10−3モル(mol)/Lであり、前記テトラアンミンパラジウム錯イオンを形成するのに必要なアンモニア(配位子)の当量濃度に比べて100倍〜250倍の過剰なアンモニウムイオンを含む、請求項1または請求項2に記載の銅配線基板の無電解ニッケルめっき用触媒付与液。
  4. ポリイミド基材で配線間隔が15μm以下の銅配線基板を脱脂、酸洗浄した後、請求項1〜3のいずれかに記載された無電解ニッケルめっき用触媒付与液で銅配線表面をパラジウムで置換し、次いで、前記銅配線基板を酸洗浄と純水洗浄した後に無電解ニッケルめっきを行う銅配線基板の無電解ニッケルめっき方法。
  5. 前記銅配線表面をパラジウムで置換する前記無電解ニッケルめっき用触媒付与液の液温が10℃〜40℃であることを特徴とする請求項4に記載の銅配線基板の無電解ニッケルめっき方法。
  6. 前記純水洗浄では、前記銅配線基板を純水でシャワー洗浄することを特徴とする請求項4に記載の銅配線基板の無電解ニッケルめっき方法。
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