JP2007100174A - スチレン系樹脂成形体へのめっき用前処理方法 - Google Patents

スチレン系樹脂成形体へのめっき用前処理方法 Download PDF

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Kuniaki Otsuka
邦顕 大塚
Takeaki Maeda
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Abstract

【課題】ポリスチレン系樹脂又はポリスチレン系アロイ樹脂からなる樹脂成形体に対して高い密着力を有するめっき皮膜を形成することができ、しかもエッチング処理液として用いる過マンガン酸塩水溶液を長期間安定して連続使用することが可能な新規なめっき用前処理方法を提供する。
【解決手段】下記(1)〜(3)の工程を含む、ポリスチレン系樹脂又はポリスチレン系アロイ樹脂を樹脂成分とする樹脂成形体に対するめっき用前処理方法:(1)特定の有機化合物を含有する水分散液又は水溶液を、上記樹脂成形体に接触させる工程:(2)上記(1)工程で処理された樹脂成形体を、過マンガン酸塩を含有する水溶液に接触させる工程:(3)上記(2)工程で処理された樹脂成形体を、酸、過塩素酸塩及びペルオキソ酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一種の成分を含有する水溶液に接触させる工程。
【選択図】なし

Description

本発明は、スチレン系樹脂成形体へのめっき用前処理方法及びめっき方法に関する。
樹脂成形体に電気めっき皮膜を形成する方法としては、脱脂、エッチングを行った後、必要に応じて、中和及びプリディップを行い、次いで、錫化合物及びパラジウム化合物を含有するコロイド溶液を用いて無電解めっき用触媒を付与し、その後必要に応じて活性化処理(アクセレーター処理)を行った後、無電解めっき及び電気めっきを順次行う方法が一般的な方法である。
この場合、エッチング処理液としては、例えば、代表的なスチレン共重合体であるABS樹脂を被被処理物とする場合には、三酸化クロムと硫酸の混合液からなるクロム酸混液が広く用いられている。しかしながら、この処理液は、有毒な6価クロムを含むために作業環境に悪影響があり、しかも廃水を安全に処理するために、6価クロムを3価クロムイオンに還元した後、中和沈殿させる処理を行うことが必要であり、非常に煩雑な処理が要求される。また、高温で処理するためにクロム酸ミストの発生がある。このような理由からクロム酸―硫酸液に代わる化学エッチング液の開発が要望され種々検討されている。
近年、クロム酸―硫酸に代わるプラスチックエッチング剤として過マンガン酸塩溶液が提案されている。(下記特許文献1〜7参照)。この場合、過マンガン酸塩のみを含む水溶液やこれにアルカリを添加した過マンガン酸塩水溶液では、エッチング力が不足して十分な密着力を有するめっき皮膜を形成することができない。このため、過マンガン酸塩水溶液に、硫酸、硝酸などの酸類や、過硫酸塩、過塩素酸塩、次亜塩素酸塩などの強い酸化剤を多量に添加してエッチング能力を向上させることが試みられている。しかしながら、これらの成分を添加すると、過マンガン酸塩水溶液の安定性を阻害することになり、短期間でエッチング性能が低下して、長期間に亘って優れたエッチング性能を維持することができない。
昭52−124433号公報 昭54−117328号公報 昭56−3372号公報 昭56−3373号公報 平4−36470号公報 平5−339738号公報 特開2003−73885号公報
本発明は、上記した従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、過マンガン酸塩水溶液をエッチング処理液として用いる前処理方法であって、ポリスチレン系樹脂又はポリスチレン系アロイ樹脂からなる樹脂成形体に対して高い密着力を有するめっき皮膜を形成することができ、しかも過マンガン酸塩水溶液を長期間安定して連続使用することが可能な新規なめっき用前処理方法を提供することである。
本発明者は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、特定の有機化合物を含有する水分散液又は水溶液による膨潤処理を行った後、過マンガン酸塩水溶液によるエッチング処理と、無機酸又は特定の酸化剤を含有する水溶液によるエッチング処理からなる二段階のエッチング処理を行うことによって、優れた密着性を有するめっき皮膜を形成することができることを見出した。しかもこの方法では、過マンガン酸塩水溶液に酸や酸化剤などの添加剤を加えることなく使用できるので、過マンガン酸塩は、安定性を阻害されることなく、長期間安定して連続使用が可能であることを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記のスチレン系樹脂成形体へのめっき用前処理方法及びめっき方法を提供するものである。
1.下記(1)〜(3)の工程を含む、ポリスチレン系樹脂又はポリスチレン系アロイ樹脂を樹脂成分とする樹脂成形体に対するめっき用前処理方法:
(1)置換基として低級アルキル基を有することのある芳香族炭化水素、置換基として低級アルカノイル基を有することのあるジ低級アルキルケトン、高級アルコール、及びジ低級アルキルエーテルからなる群から選ばれた少なくとも一種の有機化合物を含有する水分散液又は水溶液を、上記樹脂成形体に接触させる工程:
(2)上記(1)工程で処理された樹脂成形体を、過マンガン酸塩を含有する水溶液に接触させる工程:
(3)上記(2)工程で処理された樹脂成形体を、酸、過塩素酸塩及びペルオキソ酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一種の成分を含有する水溶液に接触させる工程。
2.
上記(1)工程で用いる有機化合物が、ベンゼン、キシレン、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール及びジエチルエーテルからなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物であり、上記(3)工程で用いる水溶液が、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、過塩素酸、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸マグネシウム、過塩素酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ硝酸、ペルオキソリン酸カリウム、ペルオキソリン酸ナトリウム及びペルオキソリン酸アンモニウムからなる群から選ばれた少なくとも一種の成分を含有する水溶液である上記項1に記載のめっき用前処理方法。
3. 上記項1又は2の方法において、(3)工程において樹脂成形体を処理した後、更に、還元剤を含有する水溶液に該樹脂成形体を接触させる工程を含む、ポリスチレン系樹脂又はポリスチレン系アロイ樹脂を樹脂成分とする樹脂成形体に対するめっき用前処理方法
4. 上記項1〜3のいずれかの方法によって、ポリスチレン系樹脂又はポリスチレン系アロイ樹脂を樹脂成分とする樹脂成形体に対して前処理を行った後、無電解めっき用触媒を付与し、無電解めっき処理を行った後、必要に応じて電気めっきを行うことを特徴とする、樹脂成形体に対するめっき方法。
5. 上記項1〜3のいずれかの方法によって、ポリスチレン系樹脂又はポリスチレン系アロイ樹脂を樹脂成分とする樹脂成形体に対して前処理を行った後、導電性皮膜を形成し、次いで電気めっきを行うことを特徴とする、樹脂成形体に対するめっき方法。
以下、本発明の前処理方法について具体的に説明する。
被めっき物
本発明の前処理方法の処理対象物は、スチレン系樹脂又はスチレン系アロイ樹脂を樹脂成分とする樹脂成形体である。
スチレン系の樹脂としては、スチレン;α置換、核置換スチレン等のスチレン誘導体等のスチレン類を単量体成分とする単独重合体を挙げることができる。また、これら単量体を主成分として、これらと、アクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸等のビニル化合物;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン化合物等の他の単量体とから構成される共重合体もスチレン系樹脂として用いることができる。
スチレン系樹脂における単量体としてのスチレン類の割合は、10モル%程度以上とすることが好ましく、20モル%程度以上とすることがより好ましい。
スチレン系樹脂の具体例としては、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)樹脂、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体(AAS)樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)樹脂、スチレンーメタクリレート共重合体(MS)樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体(SBS)樹脂等を挙げることができる。
スチレン系アロイ樹脂は、上記した各種のスチレン系樹脂を、その他の各種樹脂とポリマーアロイ化したものである。例えば、従来から化学めっき用として広く知られているポリアセタール(POM)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、変形ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(PA)樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、液晶ポリマー(LCP)等を、スチレン系樹脂とポリマーアロイ化した樹脂を用いることができる。
該スチレン系アロイ樹脂中のスチレン系樹脂の割合は、90〜10重量%程度が好ましく、80〜30重量%程度がより好ましい。
前処理方法
(1)膨潤工程
本発明の前処理方法では、まず、第一工程として、置換基として低級アルキル基を有することのある芳香族炭化水素、置換基として低級アルカノイル基を有することのあるジ低級アルキルケトン、高級アルコール、及びジ低級アルキルエーテルからなる群から選ばれた少なくとも一種の有機化合物を含有する水分散液又は水溶液(以下、「膨潤液」ということがある)を被処理物であるポリスチレン系樹脂又はポリスチレン系アロイ樹脂を樹脂成分とする樹脂成形体に接触させる。
この工程により、被処理物である樹脂成形体の表面部分を適度に膨潤させることができる。その結果、引き続いて第二工程及び第三工程においてエッチング処理を行うことによって、樹脂成形体の表面が適度に粗化されるとともに、親水性も向上して、密着性、外観などが良好なめっき皮膜を形成することが可能となる。
膨潤液に配合する有機化合物の内で、置換基としてアルキル基を有することのある芳香族炭化水素としては、ベンゼン、キシレン、トルエン等の置換基として炭素数1〜5程度の低級アルキル基を1個又は2個有することのある芳香族炭化水素を用いることができる。ジ低級アルキルケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトンなどの炭素数1〜5程度の低級アルキル基を有するケトン化合物を用いることができ、置換基を有するジ低級アルキルケトンとしては、アセチルアセトン等の置換基として低級アルカノイル基を有するジ低級アルキルケトンを用いることができる。高級アルコールとしては、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノールなどの炭素数5〜10程度のアルコール化合物を用いることができる。ジ低級アルキルエーテルとしては、ジエチルエーテル等の炭素数1〜5程度の低級アルキル基を有するエーテル化合物を用いることができる。上記した有機化合物は、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
本発明の前処理方法で用いる膨潤液は、上記した有機化合物を含有する水分散液又は水溶液である。該膨潤液中の有機化合物の濃度は、0.1〜200 g/L程度とすることが好ましく、1〜100g/L程度とすることがより好ましい。有機化合物の濃度が低すぎると、樹脂成形体の表面粗化が十分起こらず、めっき皮膜に膨れが発生し易くなる。一方、有機化合物の濃度が高すぎる場合には、過剰なエッチングが生じ、良好なめっき外観が得られ難くなるので好ましくない。
該膨潤液には、更に必要に応じて、界面活性剤及び低級アルコールからなる群から選ばれた少なくとも一種の成分を配合することができる。
これらの成分は、いずれも上記有機化合物を水中に均一に分散させる働きと、被めっき物を均一に膨潤させる働きをするものである。よって、これらの成分を配合することによって、非水溶性の有機化合物であっても均一な分散液を形成することができ、また、後述するエッチング工程において均一なエッチング処理が可能となる。
界面活性剤としては、特に限定的ではなく、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤及び両性界面活性剤のいずれを用いても良い。
これらの内で、ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のエーテル型界面活性剤、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド硫酸塩等のエーテルエステル型界面活性剤、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等のエステル型界面活性剤、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等の含窒素型界面活性剤などを用いることができる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、下記に示すものを用いることができる。
*脂肪族アミン塩:
R−NHX(式中、Rは炭素数12〜18のアルキル基、Xは無機酸又は有機酸である。)
Figure 2007100174
(式中、R及びXは上記と同じである。)
Figure 2007100174
(式中、R及びXは上記と同じである。)
*脂肪族4級アンモニウム塩:
Figure 2007100174
(式中、Rは炭素数12〜18のアルキル基、Rは炭素数12〜18のアルキル基又はCH、XはCl又はBrである。)
*芳香族4級アンモニウム塩:
Figure 2007100174
(式中、Rは炭素数12〜18のアルキル基、XはCl又はBrである。)
*複素環4級アンモニウム塩:
Figure 2007100174
(式中、Rは炭素数12〜18のアルキル基、XはCl又はBrである。)
Figure 2007100174
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数12〜24のアルキル基、Rは炭素数1〜5のアルキル基、XはCl又はBrである。)
アニオン系界面活性剤としては、例えばラウリル酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、オレイン酸の炭素数12〜18のカルボン酸の塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、炭素数12〜18のN−アシルアミノ酸、N−アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、炭素数12〜18のアシル化ペプチド等のカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン重縮合物、スルホコハク酸塩、α―オレフィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩等のスルホン酸塩、硫酸化油、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩等の硫酸塩エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩、アルキルリン酸塩等のリン酸エステル塩を用いることができる。
両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型界面活性剤、アミノカルボン酸塩の他、イミダゾリウムベタイン、レチシン等を用いることができる。低級アルコール類としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、イソブタノール等の炭素数1〜4程度のアルコール類を用いることができる。
低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、イソブタノール等の炭素数1〜4程度のアルコール等を用いることができる。
上記した界面活性剤及び低級アルコールは、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。界面活性剤及び低級アルコールからなる群から選ばれた少なくとも一種の成分の添加量は、0.1〜20g/L程度とすることが好ましく、0.5〜10g/Lとすることがより好ましい。
該膨潤液のpHについては、特に限定的ではなく、pH1〜14程度の広い範囲とすることができる。
膨潤液による処理方法としては、処理対象物である樹脂成形体の被処理面を該膨潤液に接触させればよい。具体的な方法については、特に限定はなく、被処理物の表面を該膨潤液に十分接触させることができる方法であれば良い。例えば、該膨潤液を被処理物に噴霧する方法等も適用可能であるが、通常は、該膨潤液中に被処理物を浸漬する方法によれば、効率の良い処理が可能である。
処理条件については特に限定的ではないが、例えば、浸漬法によって処理を行う場合には、該膨潤液の液温を10〜45℃程度とすることが好ましく、15〜35℃程度とすることがより好ましい。膨潤液の温度が低すぎる場合には、樹脂成形体の表面を十分に膨潤させることができず、第二工程及び第三工程におけるエッチング効果が不足し、更に、表面を十分に親水化することができず、めっき皮膜に膨れが発生し易くなる。一方、膨潤液の温度が高すぎる場合には、膨潤液が揮発する場合があり、経済的、作業的に好ましくない。浸漬時間については、特に限定的ではないが、通常、0.5〜30分程度とすることが好ましく、2〜15分程度とすることがより好ましい。この程度の処理時間とすることによって、樹脂成形体の表面を適度に膨潤させることができ、外観、密着性などに優れためっき皮膜を形成することが可能となる。
尚、被処理物である樹脂成形体の表面の汚れがひどい場合には、膨潤工程に先立って、常法に従って脱脂処理を行えばよい。
(2)第一エッチング処理
上記した方法で膨潤処理を行った後、樹脂成形体を過マンガン酸塩を含有する水溶液に接触させることによって、第一段階のエッチング処理を行う。
過マンガン酸塩としては、水溶性の過マンガン酸塩であれば特に限定なく使用できる。その具体例としては、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム等を挙げることができる。過マンガン酸塩は一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
過マンガン酸塩の濃度は、5〜600g/L程度とすることが好ましく、10〜60g/L程度とすることがより好ましい。過マンガン酸塩の濃度が低すぎる場合には、エッチング効果が不足してめっき皮膜にスキップ、膨れ等が発生し易くなるので好ましくない。一方、過マンガン酸塩の濃度が高すぎる場合には、粘度が高くなり、くみ出し量などが増加するので、作業的、経済的に好ましくない。
過マンガン酸塩水溶液のpHは、4以上とすることが好ましく6〜14程度とすることがより好ましい。この様なpH範囲では、特に過マンガン酸塩水溶液の安定性が良好になる。
過マンガン酸塩水溶液による処理方法としては、処理対象物である樹脂成形体の被処理面を該水溶液に接触させればよい。具体的な方法については、特に限定はなく、被処理物の表面を該水溶液に十分接触させることができる方法であれば良い。例えば、過マンガン酸塩水溶液を被処理物に噴霧する方法等も適用可能であるが、通常は、過マンガン酸塩水溶液中に被処理物を浸漬する方法によれば、効率の良い処理が可能である。
処理条件については特に限定的ではないが、例えば、浸漬法によって処理を行う場合には、過マンガン酸塩水溶液の液温を30〜70℃程度とすることが好ましく、50〜67℃程度度とすることがより好ましい。液温が低すぎる場合には、樹脂の表面粗化が十分進行せず、めっき皮膜にスキップ、膨れ等が発生し易くなるので好ましくない。一方、過マンガン酸塩水溶液の温度が高すぎる場合には、被処理物である樹脂成形体の耐熱性の限度を超え、素材に悪影響を及ぼすことがあるので好ましくない。
浸漬時間についても特に限定はないが、通常、1〜60分程度とすることが好ましく、5〜30分程度とすることがより好ましい。
(3)第二エッチング処理
上記した方法で過マンガン酸塩水溶液によるエッチング処理を行った後、第二段階目のエッチング処理として、無機酸、過塩素酸類及びペルオキソ酸類からなる群から選ばれた少なくとも一種の成分を含有する水溶液を樹脂成形体に接触させる。この様な二段階のエッチング処理を行うことによって、樹脂成形体の表面が適度に粗化されると共に、親水性が向上し、密着性、外観等に優れためっき皮膜を形成することが可能となる。
第二段階目のエッチング処理では、処理液としては、無機酸、過塩素酸類及びペルオキソ酸類からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物を含有する水溶液を用いる。
これらの内で、無機酸としては、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸等を用いることができる。過塩素酸類としては、過塩素酸、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸マグネシウム、過塩素酸アンモニウム等を用いることができる。ペルオキソ酸類としては、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム等のペルオキソ二硫酸類;ペルオキソ硝酸;ペルオキソリン酸カリウム、ペルオキソリン酸ナトリウム、ペルオキソリン酸アンモニウム等のペルオキソリン酸類等を用いることができる。
このエッチング処理液では、無機酸、過塩素酸類及びペルオキソ酸類からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物の濃度は、20〜1600g/L程度とすることが好ましく、300〜1000g/L程度とすることがより好ましい。これらの成分の濃度が低すぎる場合には、樹脂成形体の表面粗化が十分に進行せず、表面の親水化の程度も不足して、形成されるめっき皮膜に膨れが発生し易くなるので好ましくない。一方、上記した成分の濃度が高すぎる場合には、くみ出し量が増加するので、経済的に好ましくない。
上記したエッチング処理液による処理方法としては、処理対象物である樹脂成形体の被処理面を該エッチング処理液に接触させればよい。具体的な方法については、特に限定はなく、被処理物の表面を該エッチイング処理液に十分接触させることができる方法であれば良い。例えば、該エッチング処理液を被処理物に噴霧する方法等も適用可能であるが、通常は、エッチング処理液中に被処理物を浸漬する方法によれば、効率の良い処理が可能である。
エッチング処理の処理条件については特に限定的ではないが、例えば、浸漬法によって処理を行う場合には、処理液の液温を25〜70℃程度とすることが好ましく、40〜65℃程度度とすることがより好ましい。液温が低すぎる場合には、樹脂の表面粗化や親水化が十分に進行せず、めっき皮膜に膨れ等が発生し易くなるので好ましくない。一方、液温が高すぎる場合には、被処理物である樹脂成形体の耐熱性の限度を超え、素材に悪影響を及ぼすことがあるので好ましくない。
浸漬時間についても特に限定はないが、通常、0.5〜30分程度とすることが好ましく、2〜15分程度とすることがより好ましい。この程度の処理時間とすることによって、樹脂成形体の表面が適度に粗化されて、密着性、外観などに優れためっき皮膜を形成することが可能となる。
(4)その他の処理
本発明では、更に、必要に応じて、膨潤処理、第一エッチング処理及び第二エッチング処理の三工程からなる前処理を行った後、樹脂成形体の表面に残存する過マンガン酸塩を除去するために、還元剤を含有する水溶液に該樹脂成形体を接触させてもよい。樹脂成形体の表面に過マンガン酸塩が残存すると、後述する触媒付与及び無電解めっき処理を行う場合に触媒性能に対して悪影響を及ぼすことがあるが、還元剤を含有する水溶液による処理を行うことによって、過マンガン酸塩による悪影響を低減することができる。
還元剤としては、水素化硼素リチウム、水素化硼素ナトリウム、水素化硼素カリウムなどの水素化硼素塩、ジメチルアミノボラン、トリメチルアミノボランのアミノボラン化合物とその誘導体、ホルムアルデヒド等のアルデヒド化合物とその誘導体、次亜リン酸ナトリウムなどの次亜リン酸塩、ヒドラジン、硫酸ヒドラジン等のヒドラジン化合物、ショ糖、ブドウ糖、グルコース、セルロース、マンニット、ソルビット等の糖類等が挙げられる。還元剤は一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
還元剤の濃度は、1〜200g/L程度とすることが好ましく、5〜100g/L程度とすることがより好ましい。還元剤の濃度が低すぎる場合には、Mn分の除去効果が不足し易く、一方、還元剤濃度が高すぎる場合には、くみ出し量が増加するので、経済的に好ましくない。
還元剤を含有する液のpHは、特に限定的ではなく、1〜14程度の広い範囲で用いることができる。
還元剤を含有する水溶液による処理方法としては、処理対象物である樹脂成形体の被処理面を処理液に接触させればよい。具体的な方法については、特に限定はなく、被処理物の表面を処理液に十分接触させることができる方法であれば良い。例えば、処理液を被処理物に噴霧する方法等も適用可能であるが、通常は、処理液中に被処理物を浸漬する方法によれば、効率の良い処理が可能である。
還元剤を含有する水溶液の温度は、10〜70℃程度とすることが好ましく、20〜50℃程度とすることがより好ましい。液温が低すぎる場合には、還元反応が不十分となり、Mn分の除去効果が不足することがある。一方、液温が高すぎる場合には、被処理物である樹脂成形体の耐熱性の限度を超え、素材に悪影響を及ぼすことがあるので好ましくない。
還元剤を含有する水溶液による処理時間は、1〜30分程度とすることが好ましく、3〜20分程度とすることがより好ましい。この程度の処理時間とすることによって、樹脂成形体の表面に残存する過マンガン酸塩を十分に除去することができる。
めっき方法
上記した方法で前処理を行った後、常法に従ってめっき皮膜を形成することによって、ポリスチレン系樹脂又はポリスチレン系アロイ樹脂を樹脂成分とする樹脂成形体に対して優れた密着性を有するめっき皮膜を形成することができる。
めっき方法としては、樹脂成形体上へのめっき方法として公知の方法を適用できる。例えば、無電解めっき用触媒を付与して無電解めっき処理を行い、次いで、必要に応じて電気めっきを行う方法、無電解メッキを行うことなく、樹脂成形体上に導電性皮膜を形成した後、電気めっきを行う、いわゆるダイレクトめっき法などを適用できる。以下、これらのめっき方法について具体的に説明する。
尚、本発明では、エッチング処理液を触媒付与水溶液中に持ち込むことを防ぐために、触媒付与前に、水洗、酸洗等を行うことができる。酸洗としては、例えば、塩酸を50〜150g/l程度含有する液温20〜30℃程度の処理液中に被処理物を1〜2分間程度浸漬すればよい。
(1)無電解めっき方法
無電解めっき用触媒の付与方法については、特に限定はなく、パラジウム、銀、ルテニウム等の無電解めっき用触媒を公知の方法に従って付与すればよい。パラジウム触媒の付与方法としては、例えば、いわゆる、センシタイジング−アクチべーティング法、キャタライジング法などと称される方法が代表的な方法である。
これらの方法の内で、センシタイジング−アクチべーティング法は、塩化第一錫と塩酸を含む水溶液で感受性化処理(センジタイジング)を行った後、塩化パラジウム等のパラジウム塩を含む水溶液を用いて活性化(アクチベーティング)する方法である。また、キャタライジング法は、塩化パラジウムと塩化第一錫を含む混合コロイド溶液によって被めっき物を触媒化処理(キャタライジング)した後、硫酸水溶液、塩酸水溶液等を用いて活性化する方法である。これらの方法の具体的な処理方法、処理条件等については、公知の方法に従えばよい。
無電解めっき液としては、公知の自己触媒型無電解めっき液をいずれも用いることができる。この様な無電解めっき液としては、無電解ニッケルめっき液、無電解銅めっき液、無電解コバルトめっき液、無電解ニッケル−コバルト合金めっき液、無電解金めっき液等を例示できる。
更に、無電解めっき液として、還元性を有する糖類を還元剤とする無電解銅めっき液を用いることもできる。この無電解銅めっき液によれば、樹脂成形体の表面に非常に薄い膜厚の導電性皮膜を密着性よく形成することができ、この上に電気めっき皮膜を形成することによって、密着性に優れた良好な外観の電気めっき皮膜を形成することができる。この様な還元性を有する糖類を還元剤とする無電解銅めっき液は、国際公開公報WO98/45505号に開示されているものであり、銅化合物、還元性を有する糖類、錯化剤及びアルカリ金属水酸化物を含有する水溶液からなるめっき液である。
無電解めっきの条件については、公知の方法と同様とすればよい。また、必要に応じて無電解めっき皮膜を二層以上形成してもよい。
上記した方法で無電解銅めっき皮膜を形成した後、必要に応じて、電気めっきを行えばよい。この場合、無電解めっきの後、必要に応じて、酸、アルカリ等の水溶液によって活性化処理を行い、その後、電気めっきを行えばよい。電気めっき液の種類については特に限定はなく、公知の電気めっき液から目的に応じて適宜選択すればよい。
(2)ダイレクトめっき法:
ダイレクトめっき法は、樹脂成形体上に導電性皮膜を形成した後、電気めっきを行う方法である。
導電性皮膜を形成する方法については特に限定はないが、例えば、国際公開公報WO98/33959に記載されている方法を適用できる。具体的には、被処理物である樹脂成形体をパラジウム化合物、第一錫化合物及び銅化合物を含有する酸性ヒドロゾル溶液に接触させた後、アルカリ水溶液に接触させる方法を適用できる。この方法によれば、被処理物の表面に均一なヒドロゾル膜が形成され、これをアルカリ水溶液で処理することによって、導電性を有する緻密なゲルとしてプラスチック表面に固着して、導電性膜が形成される。
このようにして形成された導電性膜上には、直接電気めっきを行うことができる。電気めっき液の種類については特に限定はなく、公知の電気めっき液から目的に応じて適宜選択すればよい。
本発明の前処理方法によれば、ポリスチレン系樹脂又はポリスチレン系アロイ樹脂を樹脂成分とする樹脂成形体に対して、外観、密着性などに優れためっき皮膜を形成することができる。
特に、本発明の前処理方法は、毒性の高いクロム酸―硫酸混液を用いることなく、良好なめっき皮膜を形成することが可能な方法であり、安全性の高い前処理方法である。更に、過マンガン酸塩水溶液中には、酸や酸化剤が添加されておらず、長期間安定に連続使用が可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例1〜6及び比較例1〜2
被処理物として、めっきグレード用ABS樹脂(UMG−ABS(株)、ダイヤペット3001M)を用い、アルカリ脱脂剤(奥野製薬工業(株)製、商標名:エースクリーンA−220 50g/L水溶液)中に40℃で3分浸漬して、脱脂処理を行った。
次いで、水洗した後、下記表1及び表2に記載した工程に従って無電解めっき用の前処理を行った。
その後、キャタリスト液(奥野製薬工業(株)製、キャタリストC 40mL/L、35%塩酸 150mL/L水溶液)中に30℃で3分間浸漬した後、アクセレーター液(98%硫酸100mL/L水溶液)中に40℃で3分浸漬して、無電解めっき用触媒を付与した後、無電解Niめっき液(奥野製薬工業(株)製、TMP化学Ni HR−T)を用いて40℃で6分無電解ニッケルめっき処理を行った。
その後、電気めっき法によって、銅(15μm)、ニッケル(10μm)及びクロム(0.2μm)の各めっき皮膜を順次形成した。
上記した方法で形成されためっき皮膜について、下記の方法でピール強度測定とヒートサイクル試験を行い、密着性と耐熱性を評価した。結果を下記表1及び表2に示す。
*ピール強度
めっき皮膜に10mm幅の切り目を入れ、引張り試験器((株)島津製作所製、オートグラフSD−100−C)を用いて、樹脂に対して垂直にめっき皮膜を引張り、ピール強度を測定した。
*ヒートサイクル試験
−30℃で1時間保持、室温で15分保持、70℃で1時間保持、室温で15分保持する行程を1サイクルとして、4サイクルのヒートサイクル試験を行った。めっき皮膜に膨れが発生しない場合を○、膨れが発生したものを×として評価する。
Figure 2007100174
Figure 2007100174
以上の結果から明らかなように、膨潤処理、第一エッチング及び第二エッチングからなる本発明の前処理方法を適用することによって、スチレン系樹脂成形体に対して良好な密着力を有するめっき皮膜を形成できることが判る。
実施例7〜8及び比較例3〜5
被処理物として、めっきグレード用ABS樹脂(UMG−ABS(株)、ダイヤペット3001M)を用い、アルカリ脱脂剤(奥野製薬工業(株)製、商標名:CRPクリーナー 50g/L水溶液)中に40℃で3分浸漬して、脱脂処理を行った。
次いで、水洗した後、下記表3に記載の処理工程に従って無電解めっき用の前処理を行った。尚、過マンガン酸カリウム水溶液については、表3に記載した日数室温で放置したものを用いた。
その後、キャタリスト液(奥野製薬工業(株)製、CRPキャタリストK 30mL/L、35%塩酸 250mL/L水溶液)中に30℃で6分間浸漬して無電解めっき用触媒を付与した後、無電解銅めっき液(奥野製薬工業(株)製、CRPセレクターAK:150ml/l CRPセレクターB 200ml/l)を用いて45℃で3分無電解銅めっき処理を行った。
その後、電気めっき法によって、銅(15μm)、ニッケル(10μm)及びクロム(0.2μm)の各めっき皮膜を順次形成した。
上記した方法で形成されためっき皮膜について、実施例1と同様の方法でピール強度の測定とヒートサイクル試験を行い、密着性と耐熱性を評価した。結果を下記表3に示す。
Figure 2007100174
以上の結果から明らかなように、膨潤処理、第一エッチング及び第二エッチングからなる本発明の前処理方法を適用する場合には、室温で20日間放置した過マンガン酸カリウム水溶液を用いた場合にも、スチレン系樹脂成形体に対して良好なエッチング性能を発揮でき、優れた密着力を有するめっき皮膜を形成できた。これに対して、酸を添加した過マンガン酸カリウム水溶液を用いた比較例3及び4では、過マンガン酸カリウム水溶液を1日放置するだけでエッチング性能が低下して、形成されるめっき皮膜は、密着力に劣るものとなった。
この結果から、本発明の前処理方法を採用する場合には、過マンガン酸塩水溶液は、長期間使用した場合にもエッチング性能の低下が少なく、連続使用が可能であることが判る。

Claims (5)

  1. 下記(1)〜(3)の工程を含む、ポリスチレン系樹脂又はポリスチレン系アロイ樹脂を樹脂成分とする樹脂成形体に対するめっき用前処理方法:
    (1)置換基として低級アルキル基を有することのある芳香族炭化水素、置換基として低級アルカノイル基を有することのあるジ低級アルキルケトン、高級アルコール、及びジ低級アルキルエーテルからなる群から選ばれた少なくとも一種の有機化合物を含有する水分散液又は水溶液を、上記樹脂成形体に接触させる工程:
    (2)上記(1)工程で処理された樹脂成形体を、過マンガン酸塩を含有する水溶液に接触させる工程:
    (3)上記(2)工程で処理された樹脂成形体を、酸、過塩素酸塩及びペルオキソ酸塩からなる群から選ばれた少なくとも一種の成分を含有する水溶液に接触させる工程。
  2. 上記(1)工程で用いる有機化合物が、ベンゼン、キシレン、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール及びジエチルエーテルからなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物であり、上記(3)工程で用いる水溶液が、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、過塩素酸、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸マグネシウム、過塩素酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ硝酸、ペルオキソリン酸カリウム、ペルオキソリン酸ナトリウム及びペルオキソリン酸アンモニウムからなる群から選ばれた少なくとも一種の成分を含有する水溶液である請求項1に記載のめっき用前処理方法。
  3. 請求項1又は2の方法において、(3)工程において樹脂成形体を処理した後、更に、還元剤を含有する水溶液に該樹脂成形体を接触させる工程を含む、ポリスチレン系樹脂又はポリスチレン系アロイ樹脂を樹脂成分とする樹脂成形体に対するめっき用前処理方法
  4. 請求項1〜3のいずれかの方法によって、ポリスチレン系樹脂又はポリスチレン系アロイ樹脂を樹脂成分とする樹脂成形体に対して前処理を行った後、無電解めっき用触媒を付与し、無電解めっき処理を行った後、必要に応じて電気めっきを行うことを特徴とする、樹脂成形体に対するめっき方法。
  5. 請求項1〜3のいずれかの方法によって、ポリスチレン系樹脂又はポリスチレン系アロイ樹脂を樹脂成分とする樹脂成形体に対して前処理を行った後、導電性皮膜を形成し、次いで電気めっきを行うことを特徴とする、樹脂成形体に対するめっき方法。
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