JP5807883B1 - 吊足場 - Google Patents
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Description
吊足場としては、例えば下記の特許文献1に記載されたものがある。
そして、補修や点検の対象箇所が床盤下面のような低い箇所であれば、作業員はメインフレームの下横枠に架け渡した足場板に乗り、高欄の外側面のやや高い箇所であれば、中段部位に架け渡した足場板に乗って作業を行う。
また、PC鋼棒の端部は橋桁の側面から突出し腐食しないようにコンクリートに埋め込んである。しかし、長期間経過するとコンクリートが剥がれてPC鋼棒が露出し、錆が発生しやすい。このため、PC鋼棒の端部を覆うコンクリートに劣化が見られた場合は、補修する必要がある。
このためには、メインフレームの縦枠の長さ及び下横枠の長さと、下横枠に横架した足場板の幅を非常に大きくしなければならず、この結果、吊足場全体の寸法や重量が増大して、コストが高くつくばかりか、高欄で吊足場を支持できない恐れもある。
なお、以下の説明において、高架橋の幅方向中央側を内側、逆側を外側とし、高架橋の長手方向一側を右側、他側を左側とする。
左右の作業部横材間に架設され、高架橋の幅方向に並べた複数の足場板ユニットの上面に前記作業部の足場板が、各足場板ユニットの両側部に作業部横材へ係止されるフック部を設けることがある。
作業部は本体部の一部のみに設けてあるため、吊足場全体の寸法や重量が大幅に増大するのを抑制できる。
作業部を本体部に着脱可能に設けてあるので、搬送時には作業部と本体部を分離して全体の寸法を短くでき、作業部が不要の場合には、本体部のみを用いることも可能である。
図1〜図3は、高架橋1(図2)の高欄2に吊足場3(図1)を設置した状態を示す。
高欄2は高架橋1の床盤4の幅方向両側に立設されており、床盤4は橋桁5の両側に張り出している。橋桁5は高架橋1の長さ方向に沿って複数本配置され、平行な橋桁5どうしは張力が付与されたPC鋼棒6(図3)で連結されている。PC鋼棒6の端部は橋桁5の外側面に位置し、コンクリートで被覆されている。
吊足場3は、高欄2の上端から外側を通って吊り下げる本体部7と、本体部7の下端において、PC鋼棒6の端部が配置されている位置に張り出し、且つ、着脱可能に吊り下げた作業部8を備える。
本体部吊枠9AはPC鋼棒6が設置されていない部分に配置される。一方、本体部吊枠9Bは、PC鋼棒6の位置を挟んだ両側に配置され、これら2本の本体部吊枠9Bの間に作業部8が取り付けられる。
本体部吊枠9A、9Bは、本体部縦材12と、本体部縦材12にそれぞれ外端が固定されて張り出す上横材13、中横材14、下横材15とを備え、繋ぎ材16が本体部縦材12に交差して固定される。本体部吊枠9はアルミニウム合金等の軽くて錆びにくい金属を素材とし、繋ぎ材16は鋼製丸パイプである。
なお、本体部縦材12の長さ、即ち、本体部吊枠9A,9Bの高さは、高欄2の上端面から床盤4の下面までの寸法に応じて選択する。
天部水平材20は、約1300mmの長さを有し、その外端を本体部縦材12の上端面に溶接してある。また、天部水平材20の内端下面に前部縦材24の上端を溶接してあり、これにより、高欄2の上端部と係合する逆L字状の係合部25が形成される。
支持水平材21は、天部水平材20よりも短く、その外端面を本体部縦材12の内側面に溶接してある。支持水平材21の内端面には、先端が高欄2の外側面に当接される調整ねじ部材26aを突設してある。調整ねじ部材26aは正逆に回転することにより突出量を変えることができる。
中横材14の内端には、高欄2の外側面に当接される調整ねじ部材26bを突設してある。調整ねじ部材26bは正逆に回転することにより突出量を変えることができる。
また、中横材14の下面と本体部縦材12の内側面との間に方杖材27aを架設し、中横材14、本体部縦材12及び方杖材27aに亘って三角板28aを取り付けて補強してある。
そして、高架橋1の長さ方向に配置された複数の本体部吊枠9A,9Bの中横材14上に上部足場板10が架け渡される。
また、下横材15の下面中間部と本体部縦材12の下端との間に方杖材27bを架設し、下横材15と方杖材27bの間に三角板28bを取り付けて補強してある。
下横材15の内端には短い立上り部材34を溶接し、立上り部材34に支持縦材35を起倒可能に取り付けてある。支持縦材35の上端面には、正逆回転することにより突出量を調節できる調整ねじ部材26cが突設されている。調整ねじ部材26cの上端は床盤4の下面に当接される。
また、支持縦材35の外側面には、本体部縦材12と同様にして、繋ぎ材16を連結するためのクランプ19bを取り付けてある(図2)。
そして、高架橋1の長さ方向に配置した複数の本体部吊枠9A,9Bの下横材15上には、一対の本体部吊枠9Bの間を除いて(図3)、本体部足場板11を架け渡す。
本体部吊枠9Bには、作業部8を取り付ける際に邪魔になるため本体部内側縦材40を設けないが、本体部内側縦材40に代えてチェーンで上横材13、中横材14及び下横材15を連結しても良い。
また、2本の本体部吊枠9Bの互いに逆向きの側面には、凹溝31を挟んだ両側に、高欄2の外側面と平行に張り出す滑り止めフィン33をそれぞれ溶接してある。
図5、6に示すように、外側の凹溝31と内側の凹溝31の間(滑り止めフィン33の間)において、下横材15に三角板28bが取り付けられる。三角板28bの上端には、本体部足場板11の端部を受ける足場板支持フランジ59を張り出してある。足場板支持フランジ59の上面と下横材15の上面(嵩上げ材30の上面)とは面一になっている。 また、足場板支持フランジ59には多数の孔があいており、この孔に通した番線で本体部足場板11を縛り付けることができるようになっている。
作業部外側縦材41、作業部内側縦材42、補強桟48、底枠材51はアルミニウム合金等を素材とし、作業部繋ぎ材46、張出し手摺47、作業部横材43は鋼製丸パイプである。
なお、作業部外側縦材41及び作業部内側縦材42は、本体部吊枠9Bの下横材15から橋桁5の下方に達し、床盤4の下面から作業部外側縦材41及び作業部内側縦材42の下端までの距離が平均的な人の身長より大きくなる長さとする。
また、連結材50の上下寸法は、下横材15の凹溝31の深さと同じか、やや小さくする。
また、垂下部52の下端部にはネジ挿通孔53を穿設し、作業部外側縦材41及び作業部内側縦材42のネジ挿通孔53と対向する位置にネジ穴54を形成してある(図7)。
作業部8は、前記連結材50の部分で作業部外側縦材41及び作業部内側縦材42の上端部において、垂下部52及びネジ32によって下横材15の前記凹溝31に嵌め込まれて固定されるので、つまり、連結材50が凹溝31内に嵌合されると共に、垂下部52の外側及び内側に滑り止めフィン33が配置されるので、作業部8が横材本体29に沿って移動する(内外方向に移動する)規制がされる。
なお、連結材50の上下寸法は凹溝31の深さと同じか、やや小さいので、本体部足場板11を受ける足場板支持フランジ59より上方へ連結材50が突出することはない。
また、作業部外側縦材41及び作業部内側縦材42の下端において、クランプ19dを取り付けた側面と逆側の側面に、作業部横材43を連結するためのクランプ19eを取り付けてある(図3)。クランプ19c,19d,19eの取付構造は、クランプ19a,19bの取付構造と同様である。
フック部55は作業部足場板45よりも上方へ立ち上がるよう形成され、フック部55を作業部横材43へ係止して足場板ユニット44を一対の作業部横材43間に架設すると、作業部足場板45が作業部横材43の間に落としこまれる。従って、足場板ユニット44の上に作業部足場板45をずれないよう安定して載せることができる。
また、作業部横材43の内端部と高架橋1及び下横材15の内端は、それぞれチェーン56,57で連結してある(図2)。
まず複数の本体部吊枠9A,9Bを準備する。下横材15に設けた支持縦材35は倒しておく。
次に高欄2の本体部吊枠9A,9Bを配置する位置にそれぞれ目印をつける。
次いで、本体部吊枠9Aを1基ずつ、高欄2の内側から本体部縦材12を外側として持ち出し、図2に示すように上横材13の係合部25を高欄2の上端部に係合させる。本体部吊枠9Aは係合部25を中心として高欄2側に回動し、上横材13の調整ねじ部材26a及び中横材14の調整ねじ部材26bの先端が高欄2の外側面に当接する。
そして、図8に示すように、PC鋼棒6の端部が位置する箇所ではその両側に本体部吊枠9Bが配置されることになるが、まず、一方の本体部吊枠9Bが本体部吊枠9Aの場合と同様にして高欄2に固定される。
次に、この本体部吊枠9Bの隣に(PC鋼棒6の端部が配置されている位置に)、高欄2の上方からゴンドラ状に組み立てた作業部8を吊り降ろし、連結材50の端部が下横材15の凹溝31内に落としこまれる位置よりもやや上方で作業部8を保持する。この時、作業部8には、作業部横材43、足場板ユニット44、作業部繋ぎ材46、張出し手摺47を取り付けていない。
その後、図10に示すように、作業部8を降ろして、連結材50の両端部を凹溝31に嵌め込み、垂下部52のネジ挿通孔53を通してネジ32をネジ穴54にねじ込み、作業部8を左右の本体部吊枠9Bの下部に取り付ける。
次に、他側の本体部吊枠9Bに続く複数の本体部吊枠9Aを等間隔で高欄2に取り付ける。
ついで、支持縦材35を起こして固定し、その上端に設けた調整ねじ部材26cの先端を床盤4の下面に当接させる。
この時点で、本体部吊枠9A,9Bの下横材15上に全ての本体部足場板11を取り付けることが可能となる。
次いで、作業部外側縦材41の内側面に設けたクランプ19cに作業部繋ぎ材46を取り付けて、左右の作業部外側縦材41を作業部繋ぎ材46で連結する。
また、作業部外側縦材41及び作業部内側縦材42の下端に設けたクランプ19eに作業部横材43を取り付けて、作業部外側縦材41と作業部内側縦材42を連結すると共に、作業部横材43を橋桁5の下方へ張り出す。
さらに、作業部横材43の内端側と高架橋1及び下横材15の内端とをそれぞれチェーン56,57で連結する。また、作業部外側縦材41及び作業部内側縦材42に設けたクランプ19dに張出し手摺47を取り付けて、作業部外側縦材41と作業部内側縦材42を連結すると共に、張出し手摺47を橋桁5に向かって張り出す。
これにより、PC鋼棒6の端部に臨んで、橋桁5の外方から床盤4の下方に亘って作業部8が設置される。
さらに、上横材13と中横材14の間において、本体部縦材12に設けたクランプ19aに繋ぎ材16を取り付ける。
最後に、図示しないメッシュシートやブルーシートを吊足場3の底面や外面に貼り付けることによって、小物の落下を防止する。
吊足場3の解体は組み立て時と逆の手順で行なう。
本発明の吊足場3は、PC鋼棒の端部の補修だけでなく、高架橋1における床盤4の張り出し部分(オーバーハング部分)の奥に位置しているため、通常の吊足場では作業員が接近し難い部分の補修や点検に用いることができる。
また、全ての本体部吊枠9を作業部取付用のものと同じ構造にして、必要な位置に作業部8を取り付けることもできる。
本体部吊枠9A,9Bの高欄2に対する取付構造は上記実施例に限定されず、必要に応じて、本体部吊枠9A,9Bと高架橋1をチェーンで連結することも可能である。
前記実施例の作業部8は、作業部外側縦材41、作業部内側縦材42、連結材50、補強桟48、底枠材51などを、各部材の端部相互を溶接などにより一体に固定して予めゴンドラ状に構成した、いわば固定タイプであるが、短パイプをクランプで結合して組み立てる、いわば分解タイプの構造とすることもできる。
2 高欄
3 吊足場
4 床盤
5 橋桁
6 PC鋼棒
7 本体部
8 作業部
9 本体部吊枠
10 上部足場板
11 本体部足場板
12 本体部縦材
13 上横材
14 中横材
15 下横材
16 繋ぎ材
17 補強ブロック
19a,19b,19c,19d,19e クランプ
20 天部水平材
21 支持水平材
22 縦束
23 斜め材
24 前部縦材
25 係合部
26a,26b,26c 調整ねじ部材
27a,27b 方杖材
28a,28b 三角板
29 横材本体
30 嵩上げ材
31 凹溝
32 ネジ
33 滑り止めフィン
34 立上り部材
35 支持縦材
40 本体部内側縦材
41 作業部外側縦材
42 作業部内側縦材
43 作業部横材
44 足場板ユニット
45 作業部足場板
46 作業部繋ぎ材
47 張出し手摺
48 補強桟
50 連結材
51 底枠材
55 フック部
56,57 チェーン
59 足場板支持フランジ
Claims (3)
- 高架橋の高欄の上端から高欄の外側を通って吊り下げる本体部と、本体部の下端の一部に着脱可能に吊り下げた作業部とを備え、
前記本体部は、複数の本体部吊枠が高架橋の長さ方向に沿って平行に間隔をとって配置されると共に、本体部吊枠間が相互に繋ぎ材で結合された構造であり、
本体部吊枠は、本体部縦材と本体部縦材にそれぞれ外端が固定されて内側へ張り出す上横材、中横材、下横材とを備え、
前記作業部は、それぞれ左右一対の作業部内側縦材、作業部外側縦材及び作業部横材と、足場板とを有し、
前記左右の作業部内側縦材は上端部が連結部材で結合され、前記左右の作業部外側縦材は上端部が連結部材で結合され、これら作業部内側縦材と作業部外側縦材とを内外方向に間隔をとって配置すると共に、これらを前記作業部横材で連結し、前記左右の作業部横材間に前記足場板を架け渡してあり、
前記左右の作業部内側縦材及び作業部外側縦材の前記連結部材を、選択した2本の本体部吊枠の下横材に着脱可能に固定することにより、前記本体部に前記作業部を取り付け、前記作業部における作業部横材の内端が高架橋の床盤下方で橋桁近くまで延出されていることを特徴とした吊足場。 - 前記作業部の足場板の上方において、前記左右の作業部外側縦材を作業部繋ぎ材で結合すると共に、前記作業部外側縦材と作業部内側縦材に固定されて高架橋の床盤の下方に張出し手摺を設けてあることを特徴とした請求項1に記載の吊足場。
- 前記左右の作業部横材間に架設され、高架橋の幅方向に並べた複数の足場板ユニットの上面にそれぞれ前記作業部の足場板が取り付けられ、各足場板ユニットの両側部に前記作業部横材へ係止されるフック部を設けてあることを特徴とした請求項1又は2に記載の吊足場。
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CN113944104A (zh) * | 2021-10-26 | 2022-01-18 | 中交路桥建设有限公司 | 便于混凝土护栏水平钢筋定位和移动的吊架及施工方法 |
CN114775989A (zh) * | 2022-04-12 | 2022-07-22 | 浙江同济科技职业学院 | 一种用于建筑工程的吊篮施工方法 |
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