JP5804815B2 - 炊飯器 - Google Patents
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Description
しかしながら、蒸気とおねばとが流れる距離を長くするためには、水平方向の経路を長くしたり障壁を高くしたりする必要がある。そうすると、蒸気口ユニットが大型化してしまうこととなる。特に、おいしいご飯を炊くために高火力での沸騰時間を長くした炊飯器においては、加熱手段への入力電力を大きくすると単位時間当たりのおねばと蒸気の発生量も増えるため、蒸気とおねばとが流れる距離をさらに長くする必要があり、蒸気口ユニットはさらに大型化してしまう。このように蒸気口ユニットが大型化すると、材料の使用量が増えて製造コストの増加につながり、また、使用者による取り扱い性も悪くなってしまう。また、炊飯器全体に対して蒸気口ユニットが占める体積の割合も大きくなり、設計的、デザイン的な制約も大きかった。
以下、本発明の炊飯器の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
図1は実施の形態に係る炊飯器の断面斜視図、図2は実施の形態に係る炊飯器の断面図、図3は実施の形態に係る炊飯器の上面図である。なお、以降の説明において、便宜上、図1、図2における紙面上方向を「上」、紙面下方向を「下」と称する場合がある。
図1〜図3において、炊飯器100は、上部に開口部を有する炊飯器本体1と、炊飯器本体1の上部開口部を開閉自在に覆う蓋体10とを備える。
蓋体10の上面には、炊飯中に発生した蒸気を炊飯器100の外部に放出するための蓋体排出口16が開口している。
図4は、実施の形態に係る炊飯器の蓋体と内蓋の斜視図であり、蓋体から内蓋を取り外した状態を示している。
図5は実施の形態に係る内蓋と蒸気分離ユニットの斜視図、図6は実施の形態に係る内蓋と蒸気分離ユニットの斜視図であり、容器蓋を開けた状態を示している。
蒸気分離ユニット30は、平面視ほぼ円形の内蓋20の中心Oから放射線方向Xにずらした位置に配置されている。本実施の形態では、内蓋20を蓋体10に取り付けたときに(図1、図2参照)、蒸気分離ユニット30とヒンジ部17との距離が短くなる方向に、蒸気分離ユニット30を配置している。さらに、容器蓋50をおねば受け容器40に軸支する回動軸80は、放射線方向X上であって、蒸気分離ユニット30において内蓋20の中心から遠い側に設けられている。内蓋20の中心Oから放射線X方向にずらした位置に蒸気分離ユニット30を配置することにより、内蓋20には蒸気分離ユニット30と対向する位置に広い面積を確保できるので、使用者は、内蓋20を着脱する際にはこの広い面積部分を把持することができ、取り扱い性がよい。さらに、回動軸80を上記のような配置としたことにより、内蓋20を把持する使用者の手とは反対側に容器蓋50が開く。このため、容器蓋50を開いた際に、内蓋20を把持している使用者の手に容器蓋50がぶつかることがなく、容器蓋50を開閉する際の取り扱い性がよい。
図7は実施の形態に係る蓋体、内蓋、及び蒸気分離ユニットの断面斜視図、図8は図7の要部拡大図である。図8では、混合気、蒸気、及びおねばの大まかな流れを矢印で示している。また、図9は実施の形態に係る蓋体、内蓋、及び蒸気分離ユニットの断面図、図10は図9の要部拡大図である。また、図11は、実施の形態に係る蒸気分離ユニットを説明する要部断面模式図である。なお、図11は、分離室72の軸方向に直交する面における断面を示している。
以下、図5〜図11を参照して、蒸気の分離機構について説明する。
分離機構70は、容器蓋50の下面に取り付けられ、内部にほぼ円筒状の流路を形成する周壁71を備える。図11に示すように、本実施の形態では、容器蓋本体51の天板52の内面の一部に、上方に向かって凹となる断面ほぼ円弧状の円弧面54(凹形状部)が形成されており、この円弧面54と周壁71の内壁とに囲まれた空間が、ほぼ円筒状となるよう構成されている。また、周壁71の軸方向両側の端部に位置する壁面を、それぞれ、上流壁71a、下流壁71bと称する場合がある。円弧面54、周壁71(上流壁71a、下流壁71bを含む)に囲まれたほぼ円筒状の部屋を、分離室72と称する。分離室72は、蒸気とおねばの混合気が流れる流路となる。なお、分離室72は、その内壁面に沿って蒸気とおねばの混合気が旋回しながら流れるよう構成すればよく、厳密に円筒状であることを要さない。
なお、本実施の形態では、後述するように混合気流入口73に混合気案内筒23が挿入される例を示しており、混合気流入口73の開口位置及び開口方向と、混合気案内筒23の接続位置及び接続方向とにより、ほぼ円筒状の分離室72の内壁の接線方向に混合気が流入するように両者を構成する。
この混合気流入口73は、周壁71の円筒軸方向の一端側(本実施の形態における上流壁71a側)に開口している。
次に、図7〜図10を参照して、内釜から混合気を排出する機構と、内釜内におねばを戻す機構について説明する。
内蓋20には、取付穴29が開口している。この取付穴29に対し、内蓋20の上面側からは、おねば受け容器40の底板42に設けられた開口部外周に起立する取付枠48が嵌合されている。また、この取付穴29に対し、内蓋20の下面側からは、内蓋20の一部を構成する凹状枠21が嵌合されている。内蓋20の取付穴29に対しておねば受け容器40の取付枠48を嵌合させた構造により、内蓋20とおねば受け容器40とが一体構成されている。なお、内蓋20とおねば受け容器40とを一体化するための構造はこれに限定されない。また、使用者がおねば受け容器40を内蓋20から着脱不能な構成としてもよいし、着脱可能な構成としてもよいが、炊飯中に内釜2内が高圧となった場合でも、内蓋20に対するおねば受け容器40の取り付け状態が保持されるよう構成する。
内蓋排出口22からは、上側に向かって混合気案内筒23が起立している。混合気案内筒23は、内蓋排出口22からの混合気を、分離機構70の分離室72内に導くための中空の円柱である。混合気案内筒23の上端部は、混合気流入口73から分離室72内へと挿入されている。混合気案内筒23を分離室72内へ挿入する長さは、混合気案内筒23の上端部から流出した混合気が、ほぼ円筒状の分離室72の内壁の接線方向(内壁を軸方向に直交する面で切断した場合の接線方向)に流入するようにして設定する。分離室72の内壁の接線方向に混合気を流入させることができる構成であれば、必ずしも混合気案内筒23を分離室72内に挿入する必要はなく、混合気流入口73の内周に接続される構成としてもよい。また、分離室72の内壁の接線方向に混合気を流入させることができる構成であれば、混合気流入口73の開口位置及び開口方向と、混合気案内筒23の接続位置及び接続方向を任意に採用することができる。
本実施の形態では、図6に示す容器蓋50を開けた状態では、混合気案内筒23の上端部はおねば受け容器40の容器本体41内に露出しているが、容器蓋50を閉めると、図7〜図10に示すように混合気案内筒23の上端部が分離室72内に挿入される。
開閉弁25は、内釜2内の内圧が低いときには下降して、おねば戻し口24を開口状態に保持する。また、炊飯中、すなわち内釜2の内圧が高いときにはこの内圧により開閉弁25が上昇し、おねば戻し口24を塞ぐ。なお、開閉弁25は、耐熱性を有し、経年変化しにくい例えばシリコンゴムの如き材料からなる。
図12は、実施の形態に係る内蓋を蓋体へ取り付ける動作を説明する図である。図12では、取り付け前の内蓋20及び蒸気分離ユニット30を実線で記し、取り付け後の内蓋20及び蒸気分離ユニット30を破線で示している。
図4、図12を参照して、内蓋20の蓋体10への取り付け動作の一例を説明する。
使用者は、蒸気分離ユニット収容部14に蒸気分離ユニット30が対面するようにして、内蓋20を把持する。ここで、図4、図12に示すように、開いた状態の蓋体10の上側(図4、図12の紙面上側)に、内蓋係合部15が設けられている。このため、図12に示すように、内蓋20の蒸気分離ユニット30側の端部を、内蓋取付凹部18のヒンジ部17側の端部に突き合わせ、この突き合わせた部位(以下、支点P)を支点として内蓋20を回転させるという取り付け動作が、使用者に対して促される。このような動作を使用者が行うと、内蓋20に設けられた係止爪27が、蓋体10に設けられた内蓋係合部15に係合され、内蓋取付凹部18に内蓋20が取り付けられる。このとき、蒸気分離ユニット30は、蒸気分離ユニット収容部14内に収容される。また、蒸気分離ユニット30の上面に設けられた排出口シール材60は、蓋体10の蓋体排出口16に内面側から密着し、蓋体排出口16の内面側におけるシール性が確保される。
また、内蓋20の係止爪27と対向する側の端部近傍に、排出口シール材60を配置したので、内蓋20を回転させながら内蓋20を取り付ける際の支点Pは、排出口シール材60の近傍に位置する。このように、回転させる際の支点Pと排出口シール材60との距離は相対的に近いため、排出口シール材60によるシール性が高い。すなわち、回転させる際の支点Pと排出口シール材60との距離が離れると、回転させる過程においてズレが生じやすく排出口シール材60と蓋体排出口16とのシール性が低下しうるが、本実施の形態のように構成することでシール性の低下を抑制できる。
次に、本実施の形態に係る炊飯器100により炊飯する場合の、蒸気分離ユニット30の作用について、図8と図11を参照して説明する。
使用者が、水と米を入れた内釜2を炊飯器本体1内に収容して蓋体10を閉じ、操作ボタン5を操作すると、加熱手段3の作用によって内釜2が加熱される。内釜2内の水が沸騰すると、おねばを含んだ蒸気(混合気)が発生する。このとき、内釜2の内圧が上昇しているため、おねば戻し口24に設けられた開閉弁25は、押し上げられておねば戻し口24を閉塞する。このため、おねばを含む蒸気は、内蓋排出口22と混合気案内筒23を通り、混合気流入口73に挿入された混合気案内筒23の端部から分離室72内へと導かれる。
Claims (9)
- 炊飯器本体と、
前記炊飯器本体内に着脱可能に収容される内釜と、
前記炊飯器本体の上部開口部を覆い、蒸気を外部に排出するための蓋体排出口を備えた蓋体と、
前記蓋体の下面に着脱可能に装着されて前記内釜の上部開口部を覆うとともに、前記内釜内の蒸気を排出するための内蓋排出口を備えた内蓋と、
前記内釜を加熱する加熱手段と、
前記内蓋排出口からの蒸気とおねばの混合気を前記蓋体排出口へと導く蒸気分離ユニットと、
前記蓋体に設けられ、上面から見て前記蒸気分離ユニットの外周側に配置された蓋加熱手段とを備え、
前記蒸気分離ユニットは、
前記内蓋の上面側に一体に設けられ、上面を開口したおねば受け容器と、
前記おねば受け容器の上面開口を開閉可能に覆う容器蓋と、
略円柱状の内部空間を有し、前記容器蓋が閉じられた状態において前記おねば受け容器と前記容器蓋との間に形成される空間内に配置されるように設けられた分離室とを備え、
前記分離室には、
前記分離室の筒軸方向の一端側に設けられ、前記内蓋排出口からの前記混合気を前記分離室の内部に流入させる混合気流入口と、
前記分離室の筒軸方向の他端側に設けられ、蒸気を前記分離室の内部から流出させる蒸気流出口と、
おねばを前記分離室の内部から流出させるおねば流出口とが開口しており、
前記混合気流入口から前記分離室の内壁面の接線方向に前記混合気を流入させ、前記分離室内に流入した混合気から、前記分離室の内部空間において遠心力によりおねばを分離させ、分離させたおねばを前記おねば流出口から流出させて前記おねば受け容器に導くとともに、蒸気を前記蒸気流出口から流出させ、
前記蓋体は、
蓋下面部材と、
前記蓋下面部材よりも上方に配置される蓋上面部材と、
前記蓋上面部材よりも上方に配置され、前記蓋体の外表面を構成する意匠天板とを有し、
前記蒸気分離ユニットの前記容器蓋の上方には、下から順に、前記蓋下面部材、前記蓋上面部材、及び意匠天板が配置されている
ことを特徴とする炊飯器。 - 前記容器蓋は、前記おねば受け容器に開閉可能に軸支されている
ことを特徴とする請求項1記載の炊飯器。 - 前記蓋体の下面に、前記蒸気分離ユニットの少なくとも一部を収容する凹状の蒸気分離ユニット収容部を備え、
前記内蓋が前記蓋体の下面に装着されると、前記蒸気分離ユニットが前記蒸気分離ユニット収容部に収容されるよう構成した
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の炊飯器。 - 前記蒸気分離ユニット収容部の内周の平面形状は、前記おねば受け容器に軸支された前記容器蓋が開放されている状態では前記蒸気分離ユニットが前記蒸気分離ユニット収容部に収容されない形状とした
ことを特徴とする請求項2に従属する請求項3記載の炊飯器。 - 前記おねば受け容器と前記容器蓋との間をシールする弾性シール材を備え、
前記蒸気分離ユニットが前記蒸気分離ユニット収容部に取り付けられた状態において、前記弾性シール材を適正なつぶし代だけ押しつぶすよう、前記蒸気分離ユニット収容部の壁面と前記蒸気分離ユニットとの位置関係が設定されている
ことを特徴とする請求項3または請求項3に従属する請求項4記載の炊飯器。 - 前記おねば受け容器は、平面視ほぼ円形の前記内蓋の中心から放射線方向にずらした位置に配置されており、
この放射線方向上であって、前記内蓋の中心から遠い側に、前記容器蓋を前記おねば受け容器に軸支する軸支部を設けた
ことを特徴とする請求項2または請求項2に従属する請求項3〜請求項5のいずれか一項に記載の炊飯器。 - 前記容器蓋には、前記分離室の前記蒸気流出口から出た蒸気を前記容器蓋の外部に導く容器蓋排出口が形成されており、
前記容器蓋排出口と前記蓋体排出口との間をシールする排出口シール材を備えた
ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の炊飯器。 - 前記排出口シール材は、
前記蓋体排出口から前記容器蓋排出口に向かって流路断面積が狭まるようすり鉢状に形成された流路を備えた
ことを特徴とする請求項7記載の炊飯器。 - 前記分離室は、
前記容器蓋の上壁内面を上方に向かって凹ませた凹形状部と、この凹形状部と合わせて略円柱状の内部空間を構成する周壁とで区画形成されている
ことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の炊飯器。
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