JP7398337B2 - 炊飯器 - Google Patents

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Description

本発明は、炊飯中の蒸気排出量を抑制する蒸気回収部を備えた、炊飯器に関する。
蒸気回収部を備えた従来の炊飯器として、例えば、特許文献1が知られている。この文献の要約書には、「蓋3の蒸気通路33の蒸気の流れ方向に第一捕捉室11、第二捕捉室12を設け、その第一捕捉室11を蓋リング6の下面と放熱板9との間に、また第二捕捉室12を蓋リング6上面と蒸気口部材13との間に設け、前記第一捕捉室11の蒸気入口穴18を前記放熱板9に、また第二捕捉室12の蒸気入口穴23をその底面22となる蓋リング6にそれぞれ設け、前記第一捕捉室11に前記第二捕捉室12の蒸気入口穴23に通じた連通部21を設け、前記第一捕捉室11と第二捕捉室12を平面視的にオーバラップさせた構成とした。」と記載されており、蓋上部材の上面に第二捕捉室を閉鎖する蒸気口部材が着脱自在に取付けられた炊飯器が開示されている。
特開2005-65823号公報
特許文献1の炊飯器は、炊飯中の蒸気を本体外部に排出もしくは回収するための部品が一つの部材で形成されている。よって、お手入れをする際に部品を分解する手間は軽減されている。しかし、蒸気が蓋内部に流入されてから炊飯器本体外に排出されるまでの経路が短く、蒸気が十分に冷却されないため、炊飯器本体外に排出される蒸気量を低減できていないため、炊飯器を設置する場所が制限されるという課題があった。
そこで、本発明は、お手入れがし易い簡易な構成を採用しつつも、炊飯器本体外に排出される蒸気量をより低減できる炊飯器を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の炊飯器は、本体と、該本体の上面開口に収納した内釜と、前記本体の上面開口を覆う外蓋と、前記内釜の上面開口を覆う内蓋と、前記内蓋の蒸気孔を抜けた蒸気が流入する蒸気通路と、前記蒸気通路を抜けた蒸気を回収する蒸気回収部と、を備えた炊飯器であって、前記蒸気回収部は、前記蒸気通路を抜けた蒸気が通過する外蓋排気部と、前記外蓋排気部に着脱可能な蒸気回収カバーと、を組み合わせたものであり、前記本体の前方から順に、前記外蓋排気部の下面に設けた第一リブ、前記蒸気回収カバーの上面に設けた第二リブ、前記蒸気回収カバーの上面に設けた排気口を配置することでラビリンス状の流路を確保しており、前記蒸気通路を抜けた蒸気は、前記第一リブに衝突するように誘導された後、前記ラビリンス状の流路内を進行中に冷却されて結露水となり、該結露水は前記蒸気通路を通って前記内蓋に戻される炊飯器とした。
本発明の炊飯器によれば、蒸気を本体外部に排出もしくは回収するための部品のお手入れ性を向上させつつ、本体外部への蒸気排出量をより低減することができる。
一実施例の炊飯器の縦断面図 図1の蒸気回収部の拡大図 蒸気回収部の下半を構成する外蓋排気部の外観斜視図 蒸気回収部の上半を構成する蒸気回収カバーの外観斜視図 図4の蒸気回収カバーの断面図 図4の蒸気回収カバーの下面図
本発明の炊飯器の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明は、本発明の具体例を示すものであり、本発明がこれらの説明に限定されるものではない。本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更や修正が可能であり、下記の実施形態の構成を適宜省略することも当初から予定している。なお、以下では、図1に示すように、炊飯器1に相対した使用者の視線を基準として、各図に示すように前後・上下・左右を定義する。
図1は、本発明の一実施例の炊飯器1を示す縦断面図である。ここに示すように、炊飯器1は、本体2と、内釜3と、外蓋4と、調圧機構5と、蒸気回収部6を備えている。
本体2は、上面が開口した内容器に、内釜3が着脱自在に収納される。また、本体2の下部には、内釜3を誘導加熱する加熱コイル2aが設けられている。
内釜3は、本体2に収納される有底円筒形状の容器であり、誘導加熱を実現できるように、例えば、鉄などの強磁性金属を含む磁性金属と非磁性金属の複合材で形成される。また、内釜3は、開口縁部の全周に鍔部3aを有している。
外蓋4の下面には、内釜3で発生した蒸気を逃がす蒸気孔4bを備えた内蓋4aが取り付けられている。外蓋4を閉じることで、本体2の内容器の上面開口が覆われ、また、外周にパッキンを備える内蓋4aによって内釜3の上面開口が塞がれる。
調圧機構5は、内蓋4aと外蓋4の間に配置した、内釜3の内圧を制御するための機構であり、調圧弁51と調圧弁制御部52を備えている。調圧弁51は、内蓋4aの蒸気孔4bに連通する開口51aと、開口51aを塞ぐ球体51bを備えており、内釜3の内圧が、例えば1.3気圧を超えると球体51bが持ち上がり、開口51aが開放されて蒸気が上方に逃げるため、内釜3の内圧を1.3気圧以下に維持することができる。また、調圧弁制御部52は、内釜3の内圧を高めたくない場合などは、予めソレノイドによって球体51bを動かしておき、調圧弁51の状態を開放状態に制御する。
蒸気回収部6は、調圧機構5を通過した蒸気を回収し、炊飯器1の外部に排出される蒸気を抑制するためのものであり、外蓋4の上面後部に形成された凹部4cの底面の開口4dの上下に跨るように配置されている。
図2は、調圧機構5を通過した蒸気の排出経路である蒸気通路4eと、蒸気回収部6の詳細構造を示す部分拡大図である。ここに示すように、内蓋4aの蒸気孔4bを抜けて内釜3から調圧機構5に向かった蒸気は、調圧弁51の開口51aを通過した後、蒸気回収部6に向かう蒸気通路4eに流れ込む。蒸気通路4eに流入した蒸気は、蒸気回収部6を構成する外蓋排気部61に形成された湾曲板状の第一リブ61bに衝突することで、点線で囲まれた第一空間Sに向かって誘導され、蒸気回収部6の内部に流入する。第一空間Sに流入した蒸気は、蒸気回収部6を構成する蒸気回収カバー62の上面にて反射され、蒸気回収カバー62内部に形成された湾曲板状の第二リブ62bと第一リブ61bの間を通過する形で、点線で囲まれた第二空間Sに誘導される。第二空間Sに誘導された蒸気は、第一リブ61bと第一円筒部61aに囲まれた傾斜部61cに衝突した後、第二空間Sを真上に進行する。
蒸気経路4eを通って蒸気回収部6に流入した蒸気のほとんどは、蒸気回収部6内を進行中に停滞、冷却されて結露水となるため、蒸気回収部6の上面に形成した排気口6aから排出される蒸気量を低減することができる。また、結露水の大半は、蒸気通路4eを通って内蓋4aに戻され、残りは傾斜部61cに溜まる。このような構成であるため、使用者はお手入れの際に外蓋4の凹部4cから蒸気回収カバー62を取り外すことで、傾斜部61cに溜まった結露水を取り除くことができる。
図3は、蒸気回収部6を構成する外蓋排気部61の斜視断面図である。なお、図3は、外蓋排気部61の左半分を示したものであり、右半分も略同等の構成を有している。ここに示すように、外蓋排気部61は、蒸気回収部6の下半に相当する第一円筒部61aを備えている。この第一円筒部61aの内側の前寄りには、下面から伸びた第一リブ61bが形成されている。上記したように、第一リブ61bは湾曲板状のリブであり、その両端は第一円筒部61aの内面と接触している。また、第一リブ61bの左右の下端には、厚さ方向に貫通する貫通穴61dを設けており、傾斜部61cに溜まった結露水を下方に逃がすことができる。なお、第一円筒部61aの上端にはパッキンが取り付けられており、上方から蒸気回収カバー62を嵌め込んだ際に、外蓋排気部61の第一円筒部61aの上端と、蒸気回収カバー62の第二円筒部62aの下端の気密を維持することができる。
図4は、蒸気回収部6の上半に相当する蒸気回収カバー62の外観斜視図である。ここに示すように、蒸気回収カバー62の上面には排気口6aが露出しており、下部には、第二円筒部62aが形成されている。図示するように、この排気口6aは、左右方向(幅方向)に延びる長孔形状であり、左右方向の中央かつ前後方向のやや後寄りに形成されている。
図5は、蒸気回収カバー62の断面図である。蒸気回収カバー62の上面形状は、前側が低く後側が高くなっている。これは、図1のように、炊飯器1の外蓋4の上面形状も、前方が低く後方が高くなっているため、デザイン面、機能性を考え、両者の傾斜を連続させたものである。また、第二円筒部62aの下端は、それ以外の部分に比べ外径が大きくなっている。これは、蒸気回収カバー62の第二円筒部62aを外蓋4の凹部4cに嵌め込む際に、外蓋排気部61の第一円筒部61aの上端パッキンと接触する箇所である。これにより、外蓋排気部61と蒸気回収カバー62の気密が高まり、蒸気回収カバー62が外蓋排気部61から抜けにくくなる。なお、排気口6aは、前側が開放された略L字の断面形状を有している。これは、外蓋4を開放した際に、蒸気回収部6内に溜まった結露水が、排気口6aから外部に流出するのを抑制するためである。
図6は、蒸気回収カバー62の下面図である。蒸気回収カバー62の第二リブ62bは、第二円筒部62aの内部空間を第一空間Sと第二空間Sを仕切るリブであるため、図示するように、第二リブ62bの左右端を円筒部52aの内面に接触させることで、空間の分離を実現している。また、第二リブ62bは、第二円筒部62aの中心よりも後側に配置されている。本実施例では、蒸気回収部6に流入した蒸気を停滞させ、十分に冷却するために、ラビリンス状の長い流路を確保する必要がある。このため、図2のように、前方から順に、外蓋排気部61の第一リブ61b、蒸気回収カバー62の第二リブ62b、排気口6aを配置し、第一空間Sに流入して天井で反射した蒸気が、第二空間Sで更に冷却された後、排気口6aから排気される、蒸気の逆流が発生しにくい流路を形成した。
以上で説明した本実施例の炊飯器によれば、第一リブを備えた外蓋排気部と、の第二リブと排気口を備えた蒸気回収カバーを組み合わせた簡易な構成により、お手入れがしやすく、かつ、蒸気の排出量を抑制できる、蒸気回収部を実現することができる。
なお、以上の実施例では、外蓋排気部の第一リブを一つ、蒸気回収カバーの第二リブを一つ設けた構成を例示したが、これらのリブを複数設け、各々を互い違いに配置することで、蒸気回収部の入口から出口までの流路を更に長くしても良い。この場合、排気口から排気される蒸気を更に抑制することができる。また、調圧機構を省略した炊飯器としても良い。
1 炊飯器
2 本体
2a 加熱コイル
3 内釜
3a 鍔部
4 外蓋
4a 内蓋
4b 蒸気孔
4c 凹部
4d 開口
4e 蒸気通路
5 調圧機構
51 調圧弁
51a 開口
51b 球体
52 調圧弁制御部
6 蒸気回収部
6a 排気口
61 外蓋排気部
61a 第一円筒部
61b 第一リブ
61c 傾斜部
61d 貫通穴
62 蒸気回収カバー
62a 第二円筒部
62b 第二リブ
第一空間
第二空間

Claims (4)

  1. 本体と、
    該本体の上面開口に収納した内釜と、
    前記本体の上面開口を覆う外蓋と、
    前記内釜の上面開口を覆う内蓋と、
    前記内蓋の蒸気孔を抜けた蒸気が流入する蒸気通路と、
    前記蒸気通路を抜けた蒸気を回収する蒸気回収部と、を備えた炊飯器であって、
    前記蒸気回収部は、前記蒸気通路を抜けた蒸気が通過する外蓋排気部と、前記外蓋排気部に着脱可能な蒸気回収カバーと、を組み合わせたものであり、
    前記本体の前方から順に、前記外蓋排気部の下面に設けた第一リブ、前記蒸気回収カバーの上面に設けた第二リブ、前記蒸気回収カバーの上面に設けた排気口を配置することでラビリンス状の流路を確保しており、
    前記蒸気通路を抜けた蒸気は、前記第一リブに衝突するように誘導された後、前記ラビリンス状の流路内を進行中に冷却されて結露水となり、該結露水は前記蒸気通路を通って前記内蓋に戻されることを特徴とする炊飯器。
  2. 請求項1に記載の炊飯器において、
    前記第二リブは、前記蒸気回収部の内部空間を、前方の第一空間と、後方の第二空間と、に仕切るものであり、
    前記第一空間の下部に前記第一リブが設けられており、前記第二空間の上部に前記排気口が設けられていることを特徴とする炊飯器。
  3. 請求項1または請求項2に記載の炊飯器において、
    前記第一リブは、前記外蓋排気部の円筒部の内面に左右端部が接触する板状であり、
    前記第二リブは、前記蒸気回収カバーの円筒部の内面に左右端部が接触する板状であることを特徴とする炊飯器。
  4. 請求項3に記載の炊飯器において、
    前記外蓋排気部の円筒部の底面には、前記本体の後方から前方に下がる斜面を備え、
    前記第一リブの左右端の下方には結露水を下方に逃がす貫通穴を設けたことを特徴とする炊飯器。
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