JP2002276525A - 水力機械および上カバーレベル調整方法 - Google Patents

水力機械および上カバーレベル調整方法

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JP2002276525A
JP2002276525A JP2001077380A JP2001077380A JP2002276525A JP 2002276525 A JP2002276525 A JP 2002276525A JP 2001077380 A JP2001077380 A JP 2001077380A JP 2001077380 A JP2001077380 A JP 2001077380A JP 2002276525 A JP2002276525 A JP 2002276525A
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upper cover
cover
hydraulic machine
staying
runner
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JP2001077380A
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English (en)
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Seiji Honda
誠司 本田
Yoshiaki Mino
由明 美濃
Hiroto Nakagawa
博人 中川
Masamitsu Ogata
正光 尾形
Taizo Inagaki
泰造 稲垣
Masayoshi Tsuji
正義 辻
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Toshiba Corp
Kansai Electric Power Co Inc
Original Assignee
Toshiba Corp
Kansai Electric Power Co Inc
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/20Hydro energy

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  • Hydraulic Turbines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】水力機械の上カバーおよびステイリングの厳密
な寸法管理を不要とし、しかも、分解することなく上カ
バーレベル調整できるようにする。 【解決手段】ランナ7と、ランナ7の上部を覆う上カバ
ー4と、ランナ7の下部を覆う下カバー5と、上カバー
4および下カバー5の半径方向外側に隣接する環状のス
テイリング2と、を有する水力機械において、上カバー
4とステイリング2はそれぞれに水平な取付けフランジ
部8、9を有し、取付けフランジ部8、9はそれらの間
隙に厚さ調整可能な調整用シム14、14aを挟んで締
結され、上カバー4の外周面とこれに対向するステイリ
ング2の内周面との間隙に水力機械内の圧力水をシール
するシール機構13、13a、13bを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水力発電所等にお
ける立て軸の水車あるいはポンプ水車等の水力機械と、
水力機械の上カバーのレベル調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水車あるいはポンプ水車の上カバーは、
一般にステイリングの取付けフランジ部にボルト締結さ
れ、断面が円形の丸ゴムパッキンを介入して流水をシー
ルする構造となっている。また、上カバーと下カバーと
の間にはガイドベーンが挿入され、上カバーとガイドベ
ーンとの間、および、ガイドベーンと下カバーとの間に
は、サイドギャップなる隙間を設けガイドベーンの開閉
動作時に上カバーあるいは下カバーとの噛りが生じない
ようにしている。
【0003】このため、上カバーをステイリングに取り
付けた際に、上述の丸ゴムパッキンの許容つぶし代以内
になること、また、ガイドベーンとのサイドギャップが
許容値以内になることが必要であり、上カバーおよびス
テイリングとも、取付けフランジ面から流水面までを機
械加工によって精度良く寸法管理されている(特開平4
-203275号公報参照)。
【0004】図7は従来の水車あるいはポンプ水車の断
面構造図である。ランナ7は図7の左方にある(図示せ
ず)鉛直軸の周りに回転できるようになっている。ラン
ナ7の上方には上カバー4があり、ランナ7の下方には
下カバー5がある。ランナ7の外周にはガイドベーン6
が設けられ、ガイドベーン6の外側には環状のステイリ
ング2が配置され、さらにその外側にはケーシング1が
配置されている。
【0005】ポンプ水車における発電時には、ケーシン
グ1から流入した水はステイリング2のステイベーン3
を通過し、上カバー4および下カバー5で形成された流
路内にあるガイドベーン6によって流量を調整され、ラ
ンナ7を回転させる。ランナ7は発電機(図示せず)と
直結しており、この発電機の回転によって発電する構造
となっている。
【0006】ポンプ水車におけるポンプ運転時は上記と
は逆の水の流れとなり、発電電動機からの軸入力によっ
てランナ7がポンプ方向に回転し、これによってケーシ
ング1から上流方向に水を押し上げることになる。
【0007】ステイリング2には取付けフランジ8が設
けてあり、上カバー4の取付けフランジ9を合せた後に
締結ボルト10、ナット11によって固定される。ま
た、ステイリング2と上カバー4との間には断面が円形
の丸ゴムパッキン12を介入し、封水を行っている。
【0008】図8に示すように、上カバー4と下カバー
5とで形成される流路部に挟まれたガイドベーン6との
間にはそれぞれサイドギャップδ1とδ2が形成され、
ガイドベーン6の開閉動作時に上カバーシートライナ4
aあるいは下カバーシートライナ5aと噛りが生じない
ようになっている。通常、上カバーシートライナ4aお
よび下カバーシートライナ5aはステンレス鋼等の不銹
性材料にて製作されている。
【0009】図9に示すように、丸ゴムパッキン12の
つぶし代はパッキン径の30%程度が一般的である。し
たがって、ステイリング2のパッキン取付け部と上カバ
ー4のパッキン対向部との隙間δ3は0からパッキンを
30%つぶした残りの高さまでとなるように取付け寸法
が管理される。また、サイドギャップδ1、δ2の値に
対しては+50%〜―25%の寸法公差が許容値として
設定されている。
【0010】このため、図7において、上カバー4に対
しては寸法A、B、ステイリング2に対しては寸法C
が、ステイリング2に上カバー4を取り付けた際の組合
わせ寸法として上記δ1〜δ3を全て許容値以内に収ま
るように、精度良く機械加工しなければならない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】小型の水力機械におい
ては、使用する丸ゴムパッキンの寸法が小さいためつぶ
し代も少なく、ガイドベーンとのサイドギャップも小さ
いため管理すべき寸法の許容範囲も少なくなることから
機械加工公差が非常に厳しいものとなっている。
【0012】一方、大容量ポンプ水車等の大型の水力機
械においては、丸ゴムパッキンおよびガイドベーンとの
サイドギャップがともに大きくなり、寸法許容値も余裕
があるが、現地搬入時に輸送制限上で分割構造となる場
合が多く、上カバーはボルト締結による分割構造、ステ
イリングは現地据付時に溶接等で一体化することとな
る。その際、溶接による変形を生じるため、変形部をグ
ラインダーによって修正したり据えぐり機械を現地に搬
入してフランジ面を修正加工したりする。したがって、
これら修正加工により寸法許容値を外れてしまう可能性
がある。
【0013】さらに、高落差にて使用される場合には、
上カバーが水圧によって変位を生じるため、この変位が
大きいと丸ゴムパッキンのつぶし代が減少し高圧水に対
抗できず漏水を生じる危険性がある。
【0014】また、据付時には適正な寸法許容値であっ
たものが発電所のコンクリート構造物等における経年的
な変位や流水に含有される土砂等による流水面の摩耗等
によって許容値を外れることになる。その場合、上カバ
ーと下カバーとの間の寸法が広がる、すなわち、ガイド
ベーンとのサイドギャップが広がることになり、そのま
ま放置すれば水力機械の性能低下やガイドベーン全閉時
の漏水過大による停止不能あるいは振動増加等の問題が
発生することとなる。
【0015】このため、従来は定期的に水力機械の運転
を停止し流路内の抜水点検によりガイドベーンのサイド
ギャップ等の状態を確認し、問題のある場合には水力機
械を分解して修理している。その際、水力機械を分解す
るためには発電機あるいは発電電動機も分解する必要が
あり、長期間の運転停止やパッキン、座金等の多くの交
換部品を必要としている。
【0016】通常、ガイドベーンとのサイドギャップの
広がりに対しては、測定されたサイドギャップの値を基
に正規の寸法となるように上カバーおよび下カバーの流
水面に設けられたシートライナの高さを変更することに
よって修正される。
【0017】本発明の目的は、上述した従来技術の課題
を解決し、上カバーおよびステイリングの精度の良い寸
法管理を不要とし、しかも、経年的変形においても水力
機械を分解することなくレベルを修正できる水力機械の
上カバーレベル調整できるようにすることにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、鉛直軸の周りに回転するランナ
と、このランナの上部を覆うように配置され、環状の外
周面を有する上カバーと、前記ランナの下部を覆うよう
に配置された下カバーと、前記上カバーおよび下カバー
の半径方向外側に隣接して配置され、前記上カバーの前
記外周面に対向する内周面を有する環状のステイリング
と、を有する水力機械において、前記上カバーと前記ス
テイリングはそれぞれに略水平な取付けフランジ部を有
し、これらの取付けフランジ部はそれらの間隙に厚さ調
整可能な調整用シムを挟んで締結され、前記上カバーの
外周面とこれに対向する前記ステイリングの内周面との
間隙に前記水力機械内の圧力水をシールするシール機構
を設けること、を特徴とする水力機械である。
【0019】この請求項1の発明によれば、水力機械が
運転中に上カバーが水圧力によって回転軸方向および径
方向に変位を生じた場合、鉛直方向(回転軸方向)の変
位に対してはパッキンのシール面上で滑るのみで封水特
性上は何ら変化することはない。
【0020】さらに、発電所のコンクリート構造物等が
経年的に変化した場合や流水に含有される土砂等による
流水面の摩耗等によって許容値を外れた場合には、上カ
バーをジャッキアップするなどして調整用シムの厚みを
調整することにより、正規のレベルに修正することが可
能である。
【0021】したがって、上カバーおよびステイリング
の精度の良い寸法管理が不要となり、しかも、経年的変
形においても水力機械を分解することなく上カバーレベ
ルを修正できる。
【0022】また、請求項2の発明は、請求項1に記載
の水力機械において、前記調整用シムは、板厚の異なる
複数枚の板であって、しかも前記取付けフランジ部の周
方向に沿って複数に分割されていること、を特徴とする
水力機械である。
【0023】この請求項2の発明によれば、調整用シム
を周方向に板厚の異なる複数枚の調整用シムとすること
で、取付けフランジ面の周方向のゆがみがあっても、こ
れを機械加工等で修正しなくともそのまま組み立てるこ
とができる。
【0024】さらに、請求項3および請求項4の発明に
よれば、請求項1もしくは請求項2の作用効果に加え
て、シール機構は水力機械内の圧力水によってシールを
行うものであるため、上カバーが径方向に変位してシー
ル部の隙間が広がった場合でも、シール部に作用する水
圧力によって自動的にパッキンが広げられ対向面に密着
するなどしてシール力を増すため良好な封水性能を発揮
することが可能である。
【0025】そして、請求項5の発明は、鉛直軸の周り
に回転するランナと、このランナの上部を覆うように配
置され、環状の外周面を有する上カバーと、前記ランナ
の下部を覆うように配置された下カバーと、前記上カバ
ーおよび下カバーの半径方向外側に隣接して配置され、
前記上カバーおよび下カバーの前記外周面それぞれに対
向する内周面を有する環状のステイリングと、を有し、
前記上カバーと前記ステイリングはそれぞれに設けられ
た略水平な取付けフランジ部の間隙に厚さ調整可能な調
整用シムを挟んで締結され、前記上カバーの外周面とこ
れに対向する前記ステイリングの内周面との間隙に前記
水力機械内の圧力水をシールするシール機構を設けた水
力機械の、上カバーレベル調整方法において、前記水力
機械の運転停止時に、前記上カバーを前記ステイリング
から離して所定高さにジャッキアップするジャッキアッ
プ工程と、前記ジャッキアップ工程の後に、前記上カバ
ーと前記ステイリングのそれぞれに設けられた略水平な
取付けフランジ部の間の周方向の適当な部分に、前記鉛
直軸の外側方向から適当な厚さの調整用シムを挿入また
は取り外すことによって、前記上カバーと前記ステイリ
ングに設けられた前記取付けフランジ部の間の距離を調
整する調整工程と、前記調整工程の後に、前記上カバー
を下降させて、前記上カバーと前記ステイリングとを前
記調整用シムを挟んで互いに締め付ける工程と、を有す
ること、を特徴とする水力機械の上カバーレベル調整方
法である。
【0026】この請求項5の発明によれば、例えば発電
所のコンクリート構造物等が経年的に変化した場合や流
水に含有される土砂等による流水面の摩耗等によって許
容値を外れた場合に、水力機械を分解することなく上カ
バーレベルを修正し、ガイドベーンサイドギャップを適
正な値に修正できる。また、取付けフランジ面にゆがみ
があっても、これを機械加工等で修正しなくともそのま
ま組み立てることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態に関
し、図面を参照して説明する。ただし、従来の技術と共
通する部分については共通の符号を付して、説明を適宜
省略する。図1は、本発明の一実施形態を示す。図1に
おいて、ステイリング2の取付けフランジ8と上カバー
4の取付けフランジ9は環状かつ略水平に対向してお
り、これらの取付けフランジ8と9との間には調整用シ
ム14が挿入され、締結ボルト10およびナット11に
よって固定されている。なお、取付けフランジ8および
9のフランジ面は素材のままであり、機械加工はされて
いない。ステイリング2の上カバー側主板2aには、例
えばU字形パッキン等のように水圧力によってパッキン
が対向面に押し付けられて自己シール機能を有するパッ
キン13が装着されている。
【0028】図2はパッキン13付近の詳細を示す。上
カバー4のパッキン13に対向する内周側対向面16
は、鉛直の凸型円筒面をなしている。パッキン13はゴ
ムあるいは皮等の材料で一体リング状になっており、上
下に取り付けられたパッキンアダプター13a、13b
によって固定されている。パッキンアダプター13a、
13bは周方向に分割されているものとするが、分解に
支障がなければ一体構造としても良い。パッキンアダプ
ター13aはフランジ13dを有し、固定ボルト15に
てステイリング2の上カバー側主板2aに取り付られて
いる。また、パッキンアダプター13bの外径および内
径の寸法は、装着されるステイリング2の上カバー側主
板4aの内径寸法φDに対して精度良く加工されてお
り、複数個の貫通穴13cが設けられパッキンアダプタ
ー13bの内外の圧力がバランスするようになってい
る。
【0029】したがって、パッキン13は装着された際
に、このパッキンアダプター13bによって径方向に位
置決めされ、さらにパッキンアダプター13aによって
上下方向が位置決めされることになる。
【0030】パッキン13の内外周のシール部対向面1
6、17は防錆処理が実施されている。それは、ステン
レス鋼等の不銹性金属材料を溶接肉盛りするか、リング
状の板材をシール溶接する。あるいはセラミックス材料
を溶射等の方法で表面処理をするといった方法で達成で
きる。
【0031】上カバー4の流水面となる上カバーシート
ライナ4aの下面は、上カバーシートライナ4aの外周
端部においてステイリング2の上カバー側主板2aの下
面より凹みδhを有している。また、上カバーシートラ
イナ4aの外周部には削ぎ18を設けてある。
【0032】なお、上カバー4が分割構造となっている
場合には、図3に示すように、上カバー4の割目フラン
ジ19の合せ目パッキン20を上記パッキン13の内周
面と接続するようになっている。
【0033】図4は取付けフランジ9および調整用シム
14の構造を示した図である。上カバー取付けフランジ
9には、周方向に複数の締結ボルト10が取り付けられ
ている。また、これらの締結ボルト10のピッチ間に
は、複数個のジャッキボルト取付け穴10aが設けてあ
る。
【0034】調整用シム14、14aは、例えば2〜3
本の締結ボルト10に対して1枚ずつとなるように周方
向に分割されている。また、上カバー4の取付けフラン
ジ9の外周から挿入できるように締結ボルト10に対し
て切欠き10cが設けられている。さらに調整用シム1
4aにはジャッキボルト10aの部分に対する切欠き1
0dも設けられている。
【0035】調整用シム14、14aは、図4(b)に
示すように板厚の異なる複数枚の板の積層構造となって
おり、これらの板を適宜組み合わせることによって全体
の厚さを微調整できるようになっている。しかも調整用
シム14、14aは周方向に分割されているため、その
厚さを周方向で適宜変えることができ、取付けフランジ
8、9の不均一な変形に対しても対処できる。
【0036】図5は、図1で示した締結ナット11を外
した後にジャッキボルト10aにて上カバー4を上方に
移動した状態を示したものであり、取付けフランジ8、
9の間に隙間を作り調整用シム14を取付けフランジ8
外周部から着脱できるようになっている。
【0037】次に、上述した実施の形態の作用について
説明する。ステイリング2の上カバー側主板2aに取り
付られたパッキン13はパッキンアダプター13a、1
3bによってそれぞれ上下方向、径方向に固定されるた
め、上カバー4をステイリング2に組み立てる際にパッ
キン13が移動して損傷することがない。また、上カバ
ー4には削ぎ18が設けてあるため、この削ぎ18がガ
イドとなりパッキン13を損傷することなくステイリン
グ2に組み立てられる。パッキン13は上下方向には摺
動しても支障がないため上カバー4の組立て上の問題は
発生しない。
【0038】上カバー4のレベル調整をする際には、ジ
ャッキボルト10aにて上カバー4を吊り上げた状態で
ステイリング2および上カバー4の取付けフランジ8、
9の各フランジ面の周方向のうねり状態に応じて調整用
シム14の枚数を調整し、全体のレベルを一定にするこ
とが可能であるため、取付けフランジ8、9のフランジ
面には機械加工をする必要はない。
【0039】図6は水力機械が運転中でのパッキン14
廻りの状態を示したものであるが、上カバー4は2点鎖
線で示される組立て状態から運転状態になると水圧力に
よって図の実線のように内径方向および上方に変位を生
じる。その際、上カバー側主板2aと内周側対向面16
との隙間が開くことになるが、パッキン13は図の実線
に示されるように水圧力の作用で自動的に広がった隙間
を塞ぐべく押し広がるため、上カバー4の変位に対して
も良好な封水特性を有している。なお、上カバー4の上
方への変位に対しては、上述のように、パッキン13に
支障を生ずることはない。
【0040】通常、上カバー4の水圧力による変位は
0.1〜0.4mm程度であるため、水力機械の運転、
停止による上カバー4の変位が繰り返し発生したとして
もパッキン13の追従範囲内であり、経年的な繰返し曲
げ疲労は考慮する必要がない。
【0041】また、発電所のコンクリート構造物等にお
ける経年的な変位や流水に含有される土砂等による流水
面の摩耗等によって図8に示したガイドベーン6のサイ
ドギャップδ1、δ2が許容値を外れることが考えられ
る。この場合には、図5に示したように、ジャッキボル
ト10aによって上カバー4を上方に上げた状態で調整
用シム14の高さを調整し、また、上カバー4に取り付
けられているガイドベーン6の取付け位置を調整するこ
とで、図8に示したサイドギャップδ1、δ2を容易に
修正することが可能である。
【0042】その際、ガイドベーン6の開閉操作部品は
操作ロッド(図示せず)を分離するのみで上カバー4と
一体で吊り上げることが可能である。また、軸受廻りや
主軸封水装置廻りの部品(図示せず)も上方に移動した
際に干渉しなければ上カバー4と一体で吊り上げること
も可能である。したがって、上カバー4内の接続配管等
の必要最低限の分解で上カバー4のレベル修正が達成で
きる。
【0043】通常、発電所の構造物等における変位や摩
耗などによって図8に示したサイドギャップδ1、δ2
は経年的に広がる方向にある。このため、サイドギャッ
プδ1、δ2が許容値を外れ、上カバー4のレベル調整
をする場合には、図1で示した調整用シム14もしくは
14aを取り外して上カバー4の位置を下げることが多
い。その際、図2に示したように上カバーシートライナ
4aの外周端部はステイリング2の上カバー側主板2a
の下面に対して凹みδhを有しているため、上カバー4
を下げるレベル調整を行った場合でも上カバーシートラ
イナ4aの外周端部がステイリング2の上カバー側主板
2aよりも流水面側にはみ出すことがなく、この部位に
おいて流れの乱れを生じさせることもない。したがっ
て、上カバーレベル調整を行ったとしても水力機械の水
力性能に対して影響を与えずに済むという利点を有す
る。ここで、凹みδhの大きさは適宜決定することがで
きるが、図8に示したサイドギャップδ1、δ2の許容
値に基づいて決定するとよい。
【0044】さらに、パッキン13の内外周のシール対
向面は不銹性材料にて構成されているため、錆の発生に
よってパッキン13への損傷を発生させることがなく、
特に、上カバー4のレベル修正時における上カバー4の
上方移動においてパッキン13の損傷を生じない点で有
効である。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の水力機械の上カバーレベル調整装置によれば、従来構
造で問題となっていたステイリングと上カバーとの組立
て上の厳密な寸法管理を必要とせず、取付けフランジの
フランジ面には機械加工をしなくとも上カバーのレベル
調整が可能となる。また、水圧によって自己シール機能
を有するパッキンを用いることにより、上カバーの水圧
による径方向および上方向の変位にも十分追従可能とな
り信頼性の高い封水特性が得られる。
【0046】さらに、発電所のコンクリート構造物等に
おける経年的な変位や流水に含有される土砂等による流
水面の摩耗等によってガイドベーンのサイドギャップδ
1、δ2が許容値を越えた場合でも調整用シムによって
上カバーのレベルを容易に修正することが可能となるた
め、発電機あるいは発電電動機を分解することなく長期
間に亘って信頼性の高い、安定した封水特性を有する運
転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水力機械の一実施の形態の組立て時の
要部縦断面図。
【図2】図1のパッキン付近の拡大縦断面図。
【図3】図2の変形例を示す拡大縦断面図。
【図4】(a)は、図1の実施の形態における上カバー
取付け用フランジと調整用シムの一部を示す展開平面
図。
【図5】図1の実施の形態の、上カバーレベル調整時の
ようすを示す要部縦断面図。
【図6】図1の実施の形態の、水力機械の運転時のよう
すを示す要部縦断面図。
【図7】従来の水力機械の組立て時の要部縦断面図。
【図8】図7の要部拡大縦断面図。
【図9】図8のIX部拡大断面図。
【符号の説明】
1…ケーシング、2…ステイリング、2a…上カバー側
主板、3…ステイベーン、4…上カバー、4a…上カバ
ーシートライナ、5…下カバー、5a…下カバーシート
ライナ、6…ガイドベーン、7…ランナ、8…取付けフ
ランジ、9…取付けフランジ、10…締結ボルト、10
a…ジャッキボルト、10c…締結ボルト用切欠き、1
0d…ジャッキボルト用切欠き、11…ナット、12…
丸ゴムパッキン、13…パッキン、13a…パッキンア
ダプター、13b…パッキンアダプター、13c…貫通
穴、13d…フランジ、14…調整用シム、14a…調
整用シム、15…固定ボルト、16…内周側対向面、1
7…外周側対向面、18…削ぎ、19…割目フランジ、
20…合せ目パッキン、δ1、δ2…サイドギャップ、
δh…凹み。
フロントページの続き (72)発明者 美濃 由明 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内 (72)発明者 中川 博人 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内 (72)発明者 尾形 正光 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 稲垣 泰造 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 辻 正義 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 Fターム(参考) 3H072 AA02 BB01 BB27 BB32 CC01 CC17 CC23 CC42 CC70

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉛直軸の周りに回転するランナと、この
    ランナの上部を覆うように配置され、環状の外周面を有
    する上カバーと、前記ランナの下部を覆うように配置さ
    れた下カバーと、前記上カバーおよび下カバーの半径方
    向外側に隣接して配置され、前記上カバーの前記外周面
    に対向する内周面を有する環状のステイリングと、を有
    する水力機械において、 前記上カバーと前記ステイリングはそれぞれに略水平な
    取付けフランジ部を有し、これらの取付けフランジ部は
    それらの間隙に厚さ調整可能な調整用シムを挟んで締結
    され、 前記上カバーの外周面とこれに対向する前記ステイリン
    グの内周面との間隙に前記水力機械内の圧力水をシール
    するシール機構を設けること、 を特徴とする水力機械。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の水力機械において、前
    記調整用シムは、板厚の異なる複数枚の板であって、し
    かも前記取付けフランジ部の周方向に沿って複数に分割
    されていること、を特徴とする水力機械。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の水力機
    械において、シール機構は前記水力機械内の圧力水の圧
    力によりシールを行うものであることを特徴とする水力
    機械。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の水力機械において、シ
    ール機構は圧力水側が凹形状のシール材を備えることを
    特徴とする水力機械。
  5. 【請求項5】 鉛直軸の周りに回転するランナと、この
    ランナの上部を覆うように配置され、環状の外周面を有
    する上カバーと、前記ランナの下部を覆うように配置さ
    れた下カバーと、前記上カバーおよび下カバーの半径方
    向外側に隣接して配置され、前記上カバーおよび下カバ
    ーの前記外周面それぞれに対向する内周面を有する環状
    のステイリングと、を有し、前記上カバーと前記ステイ
    リングはそれぞれに設けられた略水平な取付けフランジ
    部の間隙に厚さ調整可能な調整用シムを挟んで締結さ
    れ、前記上カバーの外周面とこれに対向する前記ステイ
    リングの内周面との間隙に前記水力機械内の圧力水をシ
    ールするシール機構を設けた水力機械の、上カバーレベ
    ル調整方法において、 前記水力機械の運転停止時に、前記上カバーを前記ステ
    イリングから離して所定高さにジャッキアップするジャ
    ッキアップ工程と、 前記ジャッキアップ工程の後に、前記上カバーと前記ス
    テイリングのそれぞれに設けられた略水平な取付けフラ
    ンジ部の間の周方向の適当な部分に、前記鉛直軸の外側
    方向から適当な厚さの調整用シムを挿入または取り外す
    ことによって、前記上カバーと前記ステイリングに設け
    られた前記取付けフランジ部の間の距離を調整する調整
    工程と、 前記調整工程の後に、前記上カバーを下降させて、前記
    上カバーと前記ステイリングとを前記調整用シムを挟ん
    で互いに締め付ける工程と、 を有すること、を特徴とする水力機械の上カバーレベル
    調整方法。
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