JP5798003B2 - タイヤ - Google Patents

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本発明は、トレッド表面の色が変化することによってタイヤの摩耗の進行状況を運転者などに認識させるタイヤに関する。
従来、自動車などに装着される空気入りタイヤ(以下、タイヤ)では、タイヤの摩耗の進行状況を容易に認識させるため、異なる色に着色された複数の層でトレッドゴムを形成したタイヤが知られている(例えば、特許文献1)。
このようなタイヤによれば、タイヤの摩耗が進行するに連れてトレッド表面の色が変化するため、当該自動車の運転者などは、タイヤの残溝を測定するデプスゲージなどを用いることなく、タイヤの摩耗の進行状況、つまり、溝の減り具合を認識できる。
特開平11−245620号公報(第1図)
しかしながら、上述した従来のタイヤには、次のような問題があった。すなわち、タイヤの摩耗の進行に連れてトレッド表面の色が変化しても、運転者などは、そのようなトレッド表面の色の変化を依然として見落としてしまう場合がある。
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、トレッド表面の色が変化することによってタイヤの摩耗の進行状況を示す場合において、より確実に当該状況を運転者などに認識させることができるタイヤの提供を目的とする。
本発明の特徴は、トレッド(トレッド20)の一部を構成し、前記トレッドの他の部分と異なる色を有するトレッドゴム(カラーゴム120)を備えたタイヤ(空気入りタイヤ10)であって、前記トレッドゴムは、タイヤ周方向(タイヤ周方向DC)において連続して設けられるとともに、前記トレッドの踏面よりもタイヤ径方向内側の所定領域に設けられ、前記トレッドゴムは、トレッド幅方向(トレッド幅方向DT)及びタイヤ径方向(タイヤ径方向DR)に沿った断面において、タイヤ径方向内側に行くに連れて、トレッド幅方向における幅が変化することを要旨とする。
本発明の特徴によれば、トレッド表面の色が変化することによってタイヤの摩耗の進行状況を示す場合において、より確実に当該状況を運転者などに認識させることができるタイヤを提供することができる。
本発明の実施形態に係る空気入りタイヤ10の概略構成図である。 本発明の実施形態に係る被覆ゴム110が摩耗し、カラーゴム120が露出した空気入りタイヤ10の状態を示す図である。 本発明の実施形態に係るカラーゴム120が摩耗し、中間ゴム130が露出した空気入りタイヤ10の状態を示す図である。
次に、本発明に係るタイヤ(空気入りタイヤ)の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
(1)タイヤの概略構成
図1(a)及び図1(b)は、本実施形態に係る空気入りタイヤ10の概略構成図である。また、図1(b)は、空気入りタイヤ10のトレッド幅方向における概略断面図である。なお、図1(a)及び図1(b)では、空気入りタイヤ10のトレッドパターンの一部のみが示されていることに留意されたい。また、空気入りタイヤ10には、空気に代えて窒素ガスなどの不活性ガスを充填してもよい。
図1(a)及び図1(b)に示すように、空気入りタイヤ10は、路面に接地するトレッド20を有する。また、トレッド20には、タイヤ周方向DCに延びる周方向溝30が形成される。
本実施形態では、周方向溝30内には、周方向溝30の溝底30aから突出した突出部100が設けられる。
突出部100の頂部は、タイヤ径方向DRにおいて、トレッド20の踏面と略同一の高さ位置に設けられる。
図1(b)に示すように、空気入りタイヤ10の突出部100は、被覆ゴム110、カラーゴム120及び中間ゴム130によって構成される。
被覆ゴム110は、カラーゴム120を被覆する。つまり、被覆ゴム110は、カラーゴム120の表面側に設けられる薄いゴム層である。被覆ゴム110は、トレッド20の他の部分と同一の色(黒色)を有する。
カラーゴム120(トレッドゴム)は、トレッド20の一部を構成し、トレッド20の他の部分と異なる色を有する。具体的には、カラーゴム120には、例えば、白色や赤色に着色されたカラーゴムが用いられる。また、トレッド20の他の部分は、一般的な空気入りタイヤと同様に黒色のゴムが用いられる。なお、カラーゴム120の色は、トレッド20の他の部分と異なる色、つまり、黒色以外であれば特に限定されないが、カラーゴム120の視認性を向上させる観点から、白、赤、黄及び緑などが好ましい。
カラーゴム120は、突出部100の一部として用いられる。図1(b)に示すように、カラーゴム120は、トレッド20の踏面よりもタイヤ径方向DR内側の所定領域に設けられ、タイヤ径方向DR内側に行くに連れて、トレッド幅方向DTにおける幅が変化する。
また、タイヤ径方向DR外側端の位置におけるカラーゴム120の形状は、トレッド平面視において、タイヤ周方向DCに沿って破線状の直線である。一方、タイヤ径方向DR内側端の位置におけるカラーゴム120の形状は、トレッド平面視において、タイヤ周方向DCに沿って実線状の直線である。
また、カラーゴム120のタイヤ径方向DR内側には、中間ゴム130が設けられる。具体的には、中間ゴム130は、カラーゴム120のタイヤ径方向DRにおける中間部に配置される。中間ゴム130は、トレッド20及びカラーゴム120と異なる色を有する。なお、被覆ゴム110及び中間ゴム130の厚さは、0.5mm〜2mm程度が好ましい。また、被覆ゴム110でカラーゴム120を覆うことによって、老化防止剤が移行してカラーゴム120が変色することを抑制できる。被覆ゴム110としては、酸素透過性の低いゴム、好ましくはブチルゴムを用いることができる。
(2)トレッドゴムの摩耗の進行によるトレッドゴム色の変化
次に、図2及び図3を参照して、上述したトレッドゴム(カラーゴム120)の摩耗の進行による突出部100のトレッドゴム色の変化について説明する。なお、図2(b)及び図3(b)では、新品時の空気入りタイヤ10の形状が2点鎖線で示されている。
図2(a)及び図2(b)は、被覆ゴム110が摩耗し、カラーゴム120が露出した状態を示す。図3(a)及び図3(b)は、さらに摩耗が進行した状態、具体的にはカラーゴム120が摩耗し、中間ゴム130が露出した状態を示す。
図2及び図3に示すように、被覆ゴム110が摩耗した時点では、カラーゴム120が露出するため、突出部100の頂部全体が所定の色(例えば、赤色)に着色された状態として、運転者などに視認される(図2参照)。また、突出部100の頂部は、タイヤ周方向DCに沿って破線状の直線であるため、タイヤ周方向DCに延びるドット状のカラーゴム120が運転者などに視認される。
また、さらに摩耗が進行すると、突出部100の頂部において中間ゴム130が露出する。中間ゴム130は、によって、トレッド20及びカラーゴム120と異なる色を有するため、突出部100の頂部全体が所定の色(例えば、黄色)に着色された状態として、運転者などに視認される(図3参照)。ここで、カラーゴム120の形状は、タイヤ周方向DCに沿って実線状の直線であるため、図2(a)及び(b)の状態と比較すると、連続した直線状のカラーゴム120が運転者などに視認される。
(3)作用・効果
空気入りタイヤ10によれば、カラーゴム120は、トレッド幅方向DT及びタイヤ径方向DRに沿った断面(図2(b)及び図3(b)参照)において、タイヤ径方向DR内側に行くに連れて、トレッド幅方向DTにおける幅が変化、具体的には、カラーゴム120のトレッド幅方向DTにおける幅が広くなるため、空気入りタイヤ10の摩耗の進行に伴って、カラーゴム120が露出するだけでなく、カラーゴム120の幅が変化する。
このため、トレッド20表面の色が変化することによって空気入りタイヤ10の摩耗の進行状況を示す場合において、より確実に当該状況を運転者などに認識させることができる。特に、摩耗の進行に伴ってカラーゴム120の形状が破線状から実線状に変化するため、色覚が正常でない運転者なども、摩耗の進行状況をより確実かつ容易に認識できる。
また、本実施形態ではカラーゴム120は、周方向溝30の溝底30aから突出した突出部100に用いられる。このため、カラーゴム120の損傷や汚れを抑制しつつ、摩耗の進行状況を運転者などに容易に認識させることができる。
本実施形態では、カラーゴム120は、溝底30aよりもタイヤ径方向DR外側に設けられる。このため、さらに摩耗が進行した場合には、カラーゴム120が消失することによって、空気入りタイヤ10が使用限界に近づいていることを運転者などに容易に認識させることができる。
本実施形態では、トレッドゴムのタイヤ径方向における中間部にトレッド20及びカラーゴム120と異なる色を有する中間ゴム130が配置されるため、中間ゴム130が露出することによって、空気入りタイヤ10の摩耗がさらに進行したことを転者などに容易に認識させることができる。
本実施形態では、カラーゴム120を被覆する被覆ゴム110が備えられるため、空気入りタイヤ10の新品時においては、通常の空気入りタイヤと何ら変わらない外見を提供でき、また、被覆ゴム110が摩耗することによってカラーゴム120が露出するため、摩耗の進行を細かく知らしめることができる。
(4)その他の実施形態
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
例えば、上述した実施形態では、被覆ゴム110や中間ゴム130が備えられていたが、被覆ゴム110や中間ゴム130は、必ずしも設けられていなくても構わない。また、カラーゴム120が備えられる位置は、必ずしも周方向溝30でなくてもよく、例えば、陸部ブロックの一部としてもよい。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められる。
10…空気入りタイヤ
20…トレッド
30…周方向溝
100…突出部
110…被覆ゴム
120…カラーゴム
130…中間ゴム

Claims (3)

  1. トレッドの一部を構成し、前記トレッドの他の部分と異なる色を有するトレッドゴムを備えたタイヤであって、
    前記トレッドゴムは、タイヤ周方向に延びる周方向溝の溝底から突出した突出部に設けられるとともに、タイヤ周方向に連続して設けられ、
    前記トレッドゴムは、トレッド幅方向及びタイヤ径方向に沿った断面において、タイヤ径方向内側に行くに連れて、トレッド幅方向における幅が変化し、
    タイヤ径方向外側端の位置における前記トレッドゴムの形状は、トレッド平面視において、タイヤ周方向に沿って破線状の直線であり、
    タイヤ径方向内側端の位置における前記トレッドゴムの形状は、トレッド平面視において、タイヤ周方向に沿って実線状の直線であり、
    前記突出部の頂部は、タイヤ径方向において、トレッド踏面と同一の高さ位置に設けられるタイヤ。
  2. 前記トレッドゴムを被覆する被覆ゴムをさらに備え、
    前記被覆ゴムは、前記トレッドの他の部分と同一の色を有する請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記トレッド及び前記トレッドゴムと異なる色を有する中間ゴムをさらに備え、
    前記中間ゴムは、前記トレッドゴムのタイヤ径方向における中間部に配置される請求項1又は2に記載のタイヤ。
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