JP5088774B2 - 自動二輪車用空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、不整地等を走行する自動二輪車に使用される自動二輪車用空気入りタイヤに関し、特に、タイヤのサイド部の耐クラック性を向上させた自動二輪車用空気入りタイヤに関する。
自動二輪車用空気入りタイヤ(以下、空気入りタイヤという)、例えばモトクロスやエンデューロ競技用タイヤに代表される不整地走行用ラジアル又はバイアスタイヤ等の不整地用空気入りタイヤは、泥濘地を含む不整地での使用を主目的とし、そのような状態の路面を主として走行する自動二輪車に装着されて使用される。
ところで、不整地の路面状態は、整地された舗装路等に比べてスムーズではなく、その路面上に岩や轍、或いはギャップや起伏等が散在する。そのため、不整地で使用される空気入りタイヤは、走行に伴い比較的大きな力が作用して、タイヤ側面のサイド部(サイドウォール部)を中心に大きな変形を受けるとともに、その変形量も舗装路用空気入りタイヤ等に比べて大きくなる。また、このような空気入りタイヤは、より高いトラクション性能やグリップ力を得るために内圧を低くして使用されることが多く、この場合には、サイド部もより変形し易い状態となり、変形量も一層大きくなる。加えて、市販の空気入りタイヤは、長期にわたって使用される傾向があり、サイド部は、この長い使用期間を通して大きな変形に伴う入力を受け続けることになる。
このように、不整地用の空気入りタイヤは、過酷な条件で使用されてサイド部に大きな変形が繰り返し作用する結果、タイヤ外側面を中心にクラック等が生じ易く、亀裂が進展する等してサイド部に故障が発生する恐れがある。従って、この空気入りタイヤには、過酷な使用状況に耐え得る高い耐久性が求められており、特に耐久上極めて厳しい部分であるサイド部に高い耐クラック性が要求される。
一方、不整地用の空気入りタイヤは、使用状況に加えて、その製造方法に起因して、サイド部の耐クラック性が低下することがある。即ち、このような空気入りタイヤは、タイヤ外面の各部を成型する複数に分割された金型(モールド)からなる加硫金型(外型)内に収納されて、その中で所定温度及び圧力で加熱型付けされ、加硫成型されて所定形状及び性能に製造される(特許文献1参照)。
この加硫金型は、通常、タイヤのトレッド部を主に成型するトレッド金型や、タイヤ側面部を主に成型するサイド金型等からなり、それらを組み合わせた内部空間にグリーンタイヤ(生タイヤ)を収納して加硫成型を行う。ところが、このような加硫金型では、従来、金型内面におけるトレッド金型とサイド金型の間の分割位置(金型内面の不連続部)が、タイヤ外側面のサイド部付近に配置されるのが一般的である。そのため、このような従来の加硫金型で成型される空気入りタイヤでは、タイヤ外側面の加硫金型内で前記分割位置に対向する部分に、分割位置の金型間のずれや段差等により微小な段差や凹凸等が形成され、その付近の外表面が平滑な面として接続されずに不連続になることがある。これに伴い、この空気入りタイヤでは、サイド部外面の前記分割位置に対応する位置に剛性段差が生じ、その付近に上記した走行時の繰り返し変形による応力が集中してクラック発生の起点になる等、サイド部にクラックが発生し易くなり、その耐クラック性が低下する恐れがある。
なお、このような問題に対処する方法としては、トレッド金型とサイド金型間の分割位置を、タイヤのサイド部内の比較的変形が小さい部分に移動させ、これにより、前記分割位置に対応する剛性段差部とサイド部の大変形部とが重ならないようにして、クラックの発生を抑制することも考えられる。しかしながら、このサイド部には、タイヤサイズやメーカー名等の文字や記号、又は図形や模様等の情報や装飾の表示部が、表面から隆起等して形成されることがあり、それらを成型する金型の配置位置やサイド部のデザインの観点から、金型間の分割位置を自由に変更するのは難しい。また、この分割位置の配置位置によっては、加硫金型内からの円滑な空気入りタイヤの取り出しが妨げられる等、タイヤ製造上の観点からも、この分割位置を大きく移動させるのは困難であり、このような方法により効果的な対策を施すのは難しい。
以上のように、不整地等で使用される空気入りタイヤは、使用状況と製造方法の両面から、サイド部にクラックが発生し易い状況にあり、これらに対処してサイド部の耐クラック性の更なる向上を図る必要がある。
特開平7−164449号公報
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、サイド部に情報や装飾の表示部が形成された自動二輪車用空気入りタイヤのタイヤ外側面にクラックが発生するのを抑制し、サイド部の耐クラック性を向上させることである。
請求項1の発明は、一対のビード部と、該ビード部のタイヤ半径方向外側に位置するサイド部と、該サイド部のタイヤ半径方向外側を連結するトレッド部とからなり、少なくともタイヤ踏面を成型する第1の金型と、該第1の金型に隣接してタイヤ外側面を成型する第2の金型とを含む加硫金型内で加硫成型され、前記サイド部の外面に情報及び/又は装飾の表示部が形成された自動二輪車用空気入りタイヤであって、前記加硫金型内面における前記第1と第2の金型間の分割位置が、タイヤ幅方向断面で見て、前記トレッド部のタイヤ幅方向外側面を構成する曲線と前記サイド部の外面を構成する曲線の交点と、前記表示部のタイヤ半径方向外側端との間の領域に位置する場合に、前記分割位置に対応する位置を含むタイヤ外側面に、前記分割位置に沿って連続して延び前記分割位置に対応する位置に頂部を有し、前記頂部に形成される剛性段差部の変形を抑制する突条を有することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載された自動二輪車用空気入りタイヤにおいて、前記突条の壁面形状が、前記タイヤ外側面と滑らかに連続する曲面状に形成されていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載された自動二輪車用空気入りタイヤにおいて、前記突条の頂部の幅が、1〜3mmの範囲にあることを特徴とする
請求項の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載された自動二輪車用空気入りタイヤにおいて、前記突条の突出高さが、0.5〜1.0mmの範囲にあることを特徴とする。
本発明によれば、サイド部に情報や装飾の表示部が形成された自動二輪車用空気入りタイヤのタイヤ外側面にクラックが発生するのを抑制でき、サイド部の耐クラック性を向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態の空気入りタイヤは、例えば、泥濘地を含む不整地での走行に主に使用される不整地用ラジアル又はバイアスタイヤ等の不整地用タイヤや、不整地での走行を兼用した不整地兼用タイヤ、又は舗装路での走行に主に使用される路上タイヤ等の自動二輪車用空気入りタイヤであり、以下では、不整地用バイアスタイヤを例に採り説明する。
図1は、本実施形態の空気入りタイヤの概略構造を模式的に示すタイヤ幅方向の半断面図であり、図では、この空気入りタイヤを加硫成型するための加硫金型の要部も断面図(図の破線)で示している。
この空気入りタイヤ1は、図示のように、タイヤ半径方向内側(図では下側)に位置する一対のビード部2と、各ビード部2のタイヤ半径方向外側(図では上側)に位置する略タイヤ半径方向外側に向かって湾曲して延びるサイド部(サイドウォール部)3と、両サイド部3のタイヤ半径方向外側に位置し、両サイド部3のタイヤ半径方向外側の端部間を連結する略円弧状のトレッド部4と、からなる。
また、この空気入りタイヤ1は、各ビード部2のタイヤ半径方向内側端部付近に埋設された断面略矩形状で環状の一対のビードコア10と、一対のビードコア10間に渡って延びるカーカス11と、トレッド部4の外周面等を構成するトレッドゴム20と、トレッド部4からサイド部3まで、カーカス11の外面側に隣接して重ね合わせて配置されたブレーカ12と、を備えている。
カーカス11は、少なくとも2層(ここでは2層)のバイアス構造のカーカスプライ(図示せず)からなり、ビード部2に配置されたビードコア10からサイド部3とトレッド部4を通ってトロイダル状に延びるように配置されている。また、カーカス11のタイヤ半径方向内側の両端部は、ビードコア10の周りをタイヤ内側から外側(図では右側から左側)に折り返してビードコア10等を包み込み、タイヤ半径方向外側に向かって巻き上げられている。このカーカス11を構成するカーカスプライには、それぞれタイヤ周方向に対して逆方向に傾斜して延びる例えば有機繊維やスチール等の複数のコードが並設されており、カーカス11は、これらカーカスプライを重ね合わせてバイアス積層して形成されている。
トレッドゴム20は、タイヤ転動時等に路面と接するゴム層であり、ブレーカ12のタイヤ半径方向外側に沿って設けられた内側ゴム層20Aと、この内側ゴム層20Aを覆うタイヤ外面側に設けられた外側ゴム層20Bとの、2層構造に形成されている。また、トレッド部4のタイヤ踏面4Aであるトレッドゴム20の外周面には、タイヤ周方向に延びる主溝や、タイヤ幅方向に傾斜や湾曲等して延びるラグ溝等の複数の溝21が配置され、それらにより区画されて形成された複数のブロック22等からなる所定のトレッドパターンが形成されている。更に、このトレッドゴム20のタイヤ幅方向最外側(図では左側)に配置されたブロック22Aの外壁面、即ち、トレッド部4の接地端STからサイド部3まで続くタイヤ幅方向外側面4B(図では左側面)は、タイヤ幅方向断面で見て、タイヤ外側に曲率中心が位置する滑らかに湾曲する曲線状に形成されている。
以上に加えて、この空気入りタイヤ1では、サイド部3の外面(外側面)3Aの所定位置に、情報及び/又は装飾の表示部3Bが所定範囲に渡って形成(図では形成範囲のみ示す)されている。この表示部3Bは、例えばタイヤサイズや規格、製品名やメーカー名、トレードマーク、ロゴ等の文字や数字、記号、又は図形や模様等、各種の情報や装飾を表示するものであり、サイド部3の表面を隆起させる等して形成される。本実施形態では、この表示部3Bを、サイド部3のタイヤ半径方向内側(ビード部2側)に配置するとともに、サイド部3の外面3Aを含むタイヤ外側面5(空気入りタイヤ1のタイヤ幅方向外側の側面)の所定位置に、表面からタイヤ外側に向かって突出する突条30を、所定の断面形状で略タイヤ周方向に連続して形成している。
ここで、本実施形態の空気入りタイヤ1は、例えばタイヤ赤道面CL付近でタイヤ幅方向に分割された上型及び下型からなる、いわゆるフルモールド型の金型や、いわゆる割りモールド型の金型等、タイヤ外面の各部を成型する複数に分割された金型からなる加硫金型60(外型)(ここではフルモールド型の金型)を使用して製造される。即ち、この空気入りタイヤ1は、少なくともタイヤ踏面4Aを成型するタイヤ周方向や幅方向等に複数に分割された第1の金型であるトレッド金型61(トレッドリング)と、トレッド金型61に隣接して配置され、それに続く部分のタイヤ外側面5の一部又は全部を成型する第2の金型であるサイド金型62(サイドリング)と、サイド金型62の半径方向内側に隣接して配置された、ビード部2の側端部から内周面(ビードベース面2A)までを成型するベースリング63と、を含む加硫金型60内に収納され、加硫成型されて製造される。
また、この加硫金型60では、加硫成型時の金型内面(空気入りタイヤ1に接する成型面)における前記第1と第2の金型間の分割位置64、即ち、加硫成型時のトレッド金型61とサイド金型62の接点位置が、サイド部3のタイヤ半径方向の略中央領域付近に対向して位置するように、各金型61、62を形成している。具体的には、ここでは、分割位置64を、タイヤ幅方向断面で見て、上記したトレッド部4のタイヤ幅方向外側面4Bを構成する曲線とサイド部3の外面3Aを構成する曲線の交点と、サイド部3の外面3Aにおける表示部3Bのタイヤ半径方向外側端との間の領域に位置させている。
なお、この空気入りタイヤ1では、トレッド部4のタイヤ幅方向外側面4Bは、前記最外側のブロック22Aがある部分の断面においては、タイヤ外側に曲率中心が位置する一方、サイド部3の外面3Aは、逆側のタイヤ内側に曲率中心が位置しており、それらは互いに逆側に湾曲した曲線(曲面)になっている。そのため、同部分の断面で見ると、これら2つの曲線の交点は、各面4B、3Aに対応する曲線の接点、及びタイヤ外側面5の変曲点でもあり、各金型61、62の分割位置64は、加硫成型時に、この変曲点よりもタイヤ半径方向内側の主にサイド部3の外面3Aに対向して配置され、そのタイヤ外側に向かって膨出するように湾曲する部分(表示部3Bのタイヤ半径方向外側部分)に位置する。
従って、トレッド金型61は、その構成要素(部品)である複数のセグメント(図示せず)が、加硫成型時にトレッド部4等の全体を外側から包み込むように配置され、その内面で、溝21やブロック22等を含むタイヤ踏面4Aを成型する。また、トレッド金型61は、トレッド部4の接地端STを越えて、タイヤ幅方向外側面4Bからサイド部3のタイヤ半径方向外側端部付近まで、空気入りタイヤ1のトレッド部4からタイヤ外側面5の一部に亘る外面形状を成型する。
一方、サイド金型62は、その空気入りタイヤ1側の面が、加硫成型時に、タイヤ外側面5の分割位置64を挟んだタイヤ半径方向内側部分に接し、少なくともトレッド金型61が接する部分に続くタイヤ外側面5の外面形状を成型する。ここでは、サイド金型62は、加硫成型時に、空気入りタイヤ1の表示部3Bを含むサイド部3を中心に、タイヤ外側面5の分割位置64を挟んだタイヤ半径方向内側のベースリング63と接する位置までを成型する。
本実施形態の空気入りタイヤ1は、このタイヤ外側面5の分割位置64に対応する位置に、上記した突条30を、分割位置64に沿って連続して延びるように形成し、タイヤ外側面5(サイド部3の外面3A)の表示部3Bよりもタイヤ半径方向外側位置に配置している。即ち、この加硫金型60では、各金型61、62の一方又は両方(ここで両方)の分割位置64に、互いに対向する段部や面取り部、又は切欠き部等が分割位置64に沿って、かつ、それらが加硫成型時に組み合わされたときに、形成すべき突条30の形状及び寸法等に対応した凹溝になるように形成されており、加硫成型時に、この加硫金型60内面の凹溝をタイヤ外側面5に転写する。これにより、突条30を、タイヤ外側面5の加硫成型時に分割位置64に対向する位置に形成するとともに、分割位置64に対向する部分をその表面の一部に含むように、両金型61、62間に形成される隙間や段差等よりも幅広に形成する。このようにして、分割位置64に対応する位置(部分)を含むタイヤ外側面5に、タイヤ周方向の全体に亘って略環状に延びる突条30を配置する。
図2は、この突条30(図1のX領域)付近を拡大して模式的に示す断面図である。
突条30は、図示のように、タイヤ幅方向断面で見て、配置位置のタイヤ外側面5に対して、その略法線方向(図では左方向)にタイヤ外側に向かって突出し、タイヤ外側面5から突出端までの突出高さH(突出方向の高さ)が所定高さ(ここでは、0.5〜1.0mmの範囲内の高さ)に形成されている。
また、突条30は、断面略台形状をなし、タイヤ外側面5につながる両側の壁面31A、31Bと、突出端側の頂部32(突出端面)との3つの面から構成され、頂部32が略平面状に、かつタイヤ幅方向断面での縁部間の幅Wが所定幅(ここでは1〜3mmの範囲内の幅)に形成されている。一方、両壁面31A、31Bの形状は、その一部が湾曲する等してタイヤ外側面5と滑らかに連続する曲面状に形成されており、ここでは、タイヤ外側面5に対する角度が、頂部32側からタイヤ外側面5側に向かって次第に小さくなり、タイヤ外側面5に滑らかに接続する、タイヤ外側に曲率中心が位置する円弧状等の凹曲面状に形成されている。
加えて、この空気入りタイヤ1では、上記したタイヤ外側面5の分割位置64に対応する位置を、突条30の頂部32(両縁部間の領域)(図では略中央部)に位置させており、加硫成型時の分割位置64が頂部32に対向するように、両金型61、62の分割位置64に沿う形状(加硫金型60内面の凹溝)を形成している。従って、突条30は、加硫成型時に、分割位置64に対向する部分を挟んで、タイヤ半径方向外側の一方の壁面31Aと、それに続く頂部32の一部がトレッド金型61により成型され、タイヤ半径方向内側の他方の壁面31Bと、それに続く頂部32の一部がサイド金型62により成型される。また、突条30の頂部32上には、分割位置64の金型61、62間のずれや段差、又は隙間等により、微小な段差や凹凸等の剛性段差部が形成される。
このように、本実施形態の空気入りタイヤ1では、分割位置64に対応して形成される剛性段差部を、変形に対する剛性が高い突条30上(ここでは頂部32)に形成して変形し難くし、この剛性段差部付近の変形を抑制して小さくする。また、突条30と周囲のタイヤ外側面5との間に、分割位置64に対応する剛性段差部よりも大きな剛性の段差を、この剛性段差部に比較的近い位置(壁面31A、31Bとタイヤ外側面5の境界付近)に生じさせ、その付近を変形させることで、タイヤ外側面5(サイド部3)に生じる変形を分散させる。これにより、分割位置64に対応する剛性段差部での変形を更に小さくし、この剛性段差部に、上記した走行に伴い繰り返し作用する大きな変形及び応力が集中するのを緩和して、その付近がクラック発生の起点になるのを防止する。
その結果、この空気入りタイヤ1では、タイヤ外側面5にクラックが発生するのを抑制でき、高い耐久性が要求されるサイド部3を中心とした耐クラック性を大幅に向上させることができる。これに伴い、サイド部3等に故障が発生するのを抑制できるため、サイド部3及びタイヤの耐久性を向上させることができ、特に、過酷な条件で使用される不整地用タイヤの耐クラック性及び耐久性を効果的に高めることができる。
また、この空気入りタイヤ1では、分割位置64の加硫金型60内面における位置を変更することなく、耐クラック性を向上できるため、例えば従来から使用している加硫金型60の一部を修正するだけで発明を実施できる等、既存の設備を有効に活用することができる。更に、上記した分割位置64の変更に伴い、加硫金型60内から空気入りタイヤ1が取り出し難くなるのを防止できる等、円滑なタイヤ製造作業を確保することもできる。同時に、分割位置64を、サイド部3に設けられる表示部3B(図1参照)よりもタイヤ半径方向外側に位置させるため、突条30が表示部3B内に形成されず、表示部3Bの視認性やデザイン等に影響が生じるのを防止できるとともに、デザインの自由度を確保することもできる。
従って、本実施形態によれば、サイド部3に表示部3Bが形成された空気入りタイヤ1に対して、デザインへの影響を生じさせることなく、サイド部3の耐クラック性を向上させることができ、有効なサイドクラック対策とタイヤのサイドデザインとを両立させることができる。
ここで、分割位置64は、上記したようにトレッド部4のタイヤ幅方向外側面4Bとサイド部3の外面3Aの交点(交線)のタイヤ半径方向内側に位置させたが、この交点よりもタイヤ半径方向外側の領域は、トレッド部4に形成される溝21(ラグ溝)の開口部やブロック22A等が混在しており、分割位置64を配置するのは製造上の観点から困難となっている。そのため、この空気入りタイヤ1では、分割位置64を、前記交点のタイヤ半径方向内側に、かつ表示部3Bとの間の領域に位置させている。
また、突条30は、その頂部32の幅W(図2参照)が3mmよりも広くなると、頂部32が変形し易くなる恐れがある。一方、頂部32の幅Wが1mmよりも狭くなると、分割位置64の段差等に対する突条30の大きさ(面積や体積等)が小さくなり、分割位置64の段差等が突条30を越えてタイヤ外表面5側まで形成される恐れがある。同時に、突条30の剛性が低くなり、上記した分割位置64に対応する剛性段差部の変形を抑制する効果等が低下するため、その付近に集中する傾向がある変形及び応力を充分に緩和できない恐れがある。従って、突条30の頂部32の幅Wは、1〜3mmの範囲に形成するのが望ましく、この範囲内にすることで、タイヤのサイドデザインに影響を与えない範囲で充分なクラック対策を施すことができる。
更に、突条30は、その突出高さHが1.0mmよりも高くなると、その視認性が高くなり過ぎてタイヤのサイドデザインに影響が生じる恐れがあるとともに、突条30とその周囲との剛性段差が必要以上に大きくなり過ぎ、その付近に変形及び応力が集中してクラック発生の起点になる恐れがある。一方、突出高さHが0.5mmよりも低くなると、頂部32の幅Wを狭くした場合と同様に、分割位置64に対応する剛性段差部の変形を抑制する効果が低下する等して、その付近に集中する傾向がある変形及び応力を充分に緩和できない恐れがある。従って、突条30の突出高さHは、0.5〜1.0mmの範囲に形成するのが望ましく、この範囲内にすることで、上記と同様に、タイヤのサイドデザインとクラック対策を効果的に両立させることができる。
加えて、本実施形態のように、分割位置64に対応する位置は、突条30の頂部32上に位置させるのが望ましく、このようにしたものでは、他の部分に位置させたものに比べて、走行に伴う変形及び応力集中を緩和する効果が高くなり、クラックの発生を一層抑制することができる。
なお、本発明は、過酷な使用状況に耐え得る高い耐久性が要求される不整地用の空気入りタイヤ1に適用するのが好適であるが、当然ながら、他の種類の自動二輪車用タイヤに適用してもよく、この場合でも、サイド部3の耐クラック性を向上できる等、上記と同様の各効果を得ることができる。
(タイヤ試験)
本発明の効果を確認するため、以上説明した突条30(図1、2参照)を備えた実施例の空気入りタイヤ1(以下、実施品A1〜A9、B1〜B9という)と、突条30を備えていない従来例(比較例)の空気入りタイヤ(以下、従来品A、Bという)を試作し、以下の条件でサイド部3の耐クラック性を試験して評価した。
実施品A1〜A9及び従来品Aはタイヤサイズ80/100−21(フロント)の、実施品B1〜B9及び従来品Bはタイヤサイズ90/100−21(フロント)の、それぞれ自動二輪車用空気入りタイヤである。また、実施品は、突条30を、頂部32の幅Wが3つ(1mm、2mm、3mm)及び、それら各々に対して突出高さHが3つ(0.2mm、0.5mm、1.0mm)になるように変化させて、計9種類ずつ形成した。これら各タイヤはいずれも、ナイロンコードを有する2層のバイアス構造のカーカスプライを備えた不整地用バイアスタイヤであり、それぞれ1.6×21のリムに装着した。
耐クラック性試験では、表面が平滑なドラムを備えたドラム試験機を使用し、各タイヤをドラム上で所定距離走行(回転)させる、いわゆるドラム耐久試験により評価した。ドラム耐久試験の条件は、80/100−21と90/100−21の各タイヤ共に、荷重100kg、内圧80kPa、速度80km/h、CA(キャンバー角)0°であり、各タイヤをドラム上でクラックが発生するまで走行させて、その距離をそれぞれ測定した。
まず、表1に、タイヤサイズ80/100−21の従来品A、及び実施品A1〜A9のそれぞれに、80kPaの内圧を充填して試験した結果と、実施品A1〜A9に形成した突条30の各寸法W、Hと、を示す。
なお、上記したクラックが発生するまでの走行距離は、従来品Aの測定距離を100とした指数(表中の走行距離指数)で表し、その値が大きいほど走行距離が長いことを示している。
Figure 0005088774
試験の結果、表1に示すように、走行距離指数は、従来品Aの100に対し、実施品A1〜A9では117〜138であった。これより、各実施品では、いずれもクラックが発生するまでの走行距離が長くなり、耐クラック性が高くなることが分かった。また、走行距離指数は、突条30の突出高さHが、上記した望ましい範囲(0.5〜1.0mm)外である実施品A1、A4、A7(0.2mm)では、それぞれ117、122、121であったのに対し、突条30の突出高さHが望ましい範囲内である他の実施品(0.5mm、1.0mm)では133〜138と大きくなっており、より耐クラック性が高くなることが分かった。
次に、表2に、タイヤサイズ90/100−21の従来品B、及び実施品B1〜B9のそれぞれに、80kPaの内圧を充填して試験した結果と、実施品B1〜B9に形成した突条30の各寸法W、Hと、を示す。なお、上記と同様に、試験結果は、従来品Bを100とした指数(走行距離指数)で表す。
Figure 0005088774
試験の結果、表2に示すように、走行距離指数は、従来品Bの100に対し、実施品B1〜B9では115〜136であった。これより、各実施品では、いずれもクラックが発生するまでの走行距離が長くなり、耐クラック性が高くなることが分かった。また、走行距離指数は、突条30の突出高さHが、上記した望ましい範囲(0.5〜1.0mm)外である実施品B1、B4、B7(0.2mm)では、それぞれ115、120、119であったのに対し、突条30の突出高さHが望ましい範囲内である他の実施品(0.5mm、1.0mm)では125〜136と大きくなっており、より耐クラック性が高くなることが分かった。
以上の結果から、本発明により、空気入りタイヤ1のタイヤ外側面5にクラックが発生するのを抑制でき、サイド部3の耐クラック性を向上できることが証明された。
本実施形態の空気入りタイヤの概略構造及び加硫金型の要部を模式的に示すタイヤ幅方向の半断面図である。 図1のX領域付近を拡大して模式的に示す断面図である。
符号の説明
1・・・空気入りタイヤ、2・・・ビード部、2A・・・ビードベース面、3・・・サイド部、3A・・・外面、3B・・・表示部、4・・・トレッド部、4A・・・タイヤ踏面、4B・・・タイヤ幅方向外側面、5・・・タイヤ外側面、10・・・ビードコア、11・・・カーカス、12・・・ブレーカ、20・・・トレッドゴム、20A・・・内側ゴム層、20B・・・外側ゴム層、21・・・溝、22・・・ブロック、30・・・突条、31A・・・壁面、31B・・・壁面、32・・・頂部、60・・・加硫金型、61・・・トレッド金型、62・・・サイド金型、63・・・ベースリング、64・・・分割位置、CL・・・赤道面、ST・・・接地端。

Claims (4)

  1. 一対のビード部と、該ビード部のタイヤ半径方向外側に位置するサイド部と、該サイド部のタイヤ半径方向外側を連結するトレッド部とからなり、少なくともタイヤ踏面を成型する第1の金型と、該第1の金型に隣接してタイヤ外側面を成型する第2の金型とを含む加硫金型内で加硫成型され、前記サイド部の外面に情報及び/又は装飾の表示部が形成された自動二輪車用空気入りタイヤであって、
    前記加硫金型内面における前記第1と第2の金型間の分割位置が、タイヤ幅方向断面で見て、前記トレッド部のタイヤ幅方向外側面を構成する曲線と前記サイド部の外面を構成する曲線の交点と、前記表示部のタイヤ半径方向外側端との間の領域に位置する場合に、前記分割位置に対応する位置を含むタイヤ外側面に、前記分割位置に沿って連続して延び前記分割位置に対応する位置に頂部を有し、前記頂部に形成される剛性段差部の変形を抑制する突条を有することを特徴とする自動二輪車用空気入りタイヤ。
  2. 請求項1に記載された自動二輪車用空気入りタイヤにおいて、
    前記突条の壁面形状が、前記タイヤ外側面と滑らかに連続する曲面状に形成されていることを特徴とする自動二輪車用空気入りタイヤ。
  3. 請求項1又は2に記載された自動二輪車用空気入りタイヤにおいて、
    前記突条の頂部の幅が、1〜3mmの範囲にあることを特徴とする自動二輪車用空気入りタイヤ。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載された自動二輪車用空気入りタイヤにおいて、
    前記突条の突出高さが、0.5〜1.0mmの範囲にあることを特徴とする自動二輪車用空気入りタイヤ。
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