JP5793118B2 - ポリアミド酸組成物およびポリイミド - Google Patents

ポリアミド酸組成物およびポリイミド Download PDF

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本発明はポリアミド酸組成物およびポリイミド組成物に関する。より詳細には本発明は、窒素含有芳香族ジアミン化合物を特定の量比で含む芳香族ジアミン化合物および、芳香族テトラカルボン酸化合物から成るポリアミド酸組成物、およびそれを硬化させて得られるポリイミド組成物に関する。
芳香族テトラカルボン酸化合物および芳香族ジアミン化合物を縮重合し、硬化して得られる芳香族ポリイミドは、機械強度、耐熱性、電気絶縁性、耐薬品性などに優れているため、電子機器用材料、航空宇宙機器用材料などの用途で多く利用されている。さらに最近では、機器の高性能化、高寿命化の要求に伴い、より高い機械強度を有するポリイミド材料が求められている。
従来から多く使用されているポリイミド材料としては、例えば、特許文献1に示されるようなp−フェニレンジアミン(PDA)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)系ポリイミドや、特許文献2に示されるような4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)−ピロメリット酸二無水物(PMDA)系ポリイミドなどの二成分系ポリイミドが挙げられる。しかし、PDA−BPDA系ポリイミドは、高い弾性率を有するものの、柔軟性にやや欠けるため、割れなどの破壊を生じやすい。一方、ODA−PMDAは、柔軟性は高いものの、弾性率が低いため、破断強度などの機械強度はあまり高くないという問題点がある。
また、特許文献3を例として上記モノマーを任意の比率で共重合した三成分系や四成分系ポリイミドも多く提案されているが、弾性率が向上する場合は柔軟性が低下する、柔軟性が向上する場合は弾性率が低下するなどの結果、いずれの場合も機械強度は低下する傾向にある。
さらに、例えば特許文献4では、上記以外のモノマーを共重合で導入することで機械強度の向上が図られているが、主鎖骨格に官能基が導入されているため、ポリイミド本来の高い耐薬品性や耐熱性などの特性が損なわれると考えられる。
また、特許文献5では窒素含有芳香族ジアミン化合物であるジアミノフェニルベンゾイミダゾール類を共重合で導入したポリイミドが提案されている。
特公昭60−42817号公報 特公昭36−10999号公報 特許第3677044号公報 特開平6−172529号公報 国際公開第2004/018545号
しかしながら、特許文献5のように窒素含有芳香族ジアミンを共重合で導入したポリイミドは、線膨張係数や加熱収縮率を低下させることが目的であり、機械強度の向上を目的としているものではない。
上記課題を解決する手段として、本発明では窒素含有芳香族ジアミン化合物を共重合で導入することにより、ポリイミドの機械強度の向上を検討した。
ここで本願発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、ポリイミドの芳香族ジアミン成分において窒素含有芳香族ジアミン化合物を特定の量比で導入することによって、高い機械強度をもつポリイミドを実現できることを見出した。
すなわち、本発明は、下記1〜を提供する。
1.p−フェニレンジアミン:51モル%以上、99モル%以下、および2,5−ジアミノピリジン:1モル%以上、49モル%以下を含むジアミン成分と、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を重合させることによって得られるポリアミド酸を含有するポリアミド酸組成物。
2.p−フェニレンジアミン:51モル%以上、99モル%以下、および2,5−ジアミノピリジン:1モル%以上、49モル%以下を含むジアミン成分と、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を重合させることによって得られるポリイミドを含有するポリイミド組成物。
3.p−フェニレンジアミン:51モル%以上、99モル%以下、および2,5−ジアミノピリジン:1モル%以上、49モル%以下を含むジアミン成分と、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を重合させることによって得られるポリアミド酸。
4.p−フェニレンジアミン:51モル%以上、99モル%以下、および2,5−ジアミノピリジン:1モル%以上、49モル%以下を含むジアミン成分と、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を重合させることによって得られるポリイミド。
本発明のポリアミド酸組成物および本発明のポリイミド組成物は、ポリイミドの芳香族ジアミン成分において窒素含有芳香族ジアミン化合物を特定の量比で導入することで、高い機械強度を実現したものであり、従来技術の問題点を改善できるものである。
本発明のポリアミド酸および本発明のポリイミドは、高弾性と柔軟性を両立することで、機械強度に優れる。
本発明について以下詳細に説明する。
まず、本発明のポリアミド酸組成物は、
窒素非含有芳香族ジアミン化合物:51モル%以上、99モル%以下、
および窒素含有芳香族ジアミン化合物:1モル%以上、49モル%以下を含むジアミン成分と、
芳香族テトラカルボン酸化合物を重合させることによって得られるポリアミド酸を含有するポリアミド酸組成物である。
本発明において、ジアミン成分として窒素非含有芳香族ジアミン化合物と窒素含有芳香族ジアミン化合物とを併用し、窒素含有芳香族ジアミン化合物の量が1モル%以上49モル%以下であることによって、得られるポリイミドにおいて高弾性と柔軟性を両立させ高い機械強度を実現することができる。
本願発明者はポリイミドに窒素含有芳香族ジアミン化合物を特定の量で導入することによって、機械強度(特に引張強度)を優れたものとすることができることを見出した。
なお本発明のポリアミド酸組成物に含有されるポリアミド酸は本発明のポリアミド酸に相当する。
本発明のポリアミド酸組成物に含有されるポリアミド酸は、窒素非含有芳香族ジアミン化合物:51モル%以上、99モル%以下、および窒素含有芳香族ジアミン化合物:1モル%以上、49モル%以下を含むジアミン成分と、酸成分としての芳香族テトラカルボン酸化合物を重合させることによって得られる。
本発明において、ポリアミド酸を重合する際に使用されるジアミン成分は高弾性と柔軟性とを両立させ機械強度に優れ、重合時において溶解性の低い窒素含有芳香族ジアミン化合物の溶け残りを抑制するという観点から、窒素非含有芳香族ジアミン化合物:51モル%以上、99モル%以下、および窒素含有芳香族ジアミン化合物:1モル%以上、49モル%以下を含む。ジアミン成分において、窒素含有芳香族ジアミン化合物の割合が上記より小さく、窒素非含有芳香族ジアミン化合物の割合が高くなると、機械強度が低下するため好ましくない。また、窒素含有芳香族ジアミン化合物の割合が上記より高く、窒素非含有芳香族ジアミン化合物の割合が小さくなると、ポリアミド酸の重合度が低下するなどの結果、機械強度が低下するため好ましくない。
ジアミン成分中における窒素含有芳香族ジアミン化合物の量は、高弾性と柔軟性とを両立させ機械強度により優れ、重合時において溶解性の低い窒素含有芳香族ジアミン化合物の溶け残りを抑制するという観点から、1モル%以上、49モル%以下であるのが好ましく、さらには1モル%以上、30モル%以下であることが好ましく、さらには1モル%以上、20モル%以下、さらには1モル%以上、20モル%未満であることが好ましい。
ジアミン成分は、窒素含有芳香族ジアミン化合物として、5,4’−ジアミノ−2−フェニルベンゾイミダゾール(DAPBI)を例とするジアミノフェニルベンゾイミダゾール類や、2,5−ジアミノピリジン(DAPY)を例とするジアミノピリジン類などが挙げられるが、それらに限定されるものではなく、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
この窒素含有芳香族ジアミン化合物の導入によって、その剛直な分子構造がポリイミドの高強度化に寄与するとともに、ポリアミド酸のイミド化時に窒素含有芳香環が触媒として作用することでポリイミドのイミド化率を向上させる結果、ポリイミドの機械強度が向上すると考えられる。
ジアミン成分中における窒素非含有芳香族ジアミン化合物の量は、上記と同様の理由から、51モル%以上、99モル%未満であるのが好ましく、さらには70モル%以上、99モル%以下であることが好ましく、さらには、80モル%以上、99モル%以下であることが好ましく、さらには、80モル%超、99モル%以下であることが好ましい。
窒素非含有芳香族ジアミン化合物としては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)、p−フェニレンジアミン(PDA)、脂肪族ジアミン、脂環式ジアミンなどが例として挙げられるが、それらに限定されるものではなく、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明において、ポリアミド酸を重合する際に使用される酸成分としては、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、オキシジフタル酸二無水物(ODPA)、脂環式テトラカルボン酸二無水物などが例として挙げられるが、それらに限定されるものではなく、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のポリアミド酸組成物はさらに溶媒を含有するのが好ましい態様の1つとして挙げられる。本発明のポリアミド酸組成物が含有することができる溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドおよびジメチルスルホンなどが挙げられ、これらを単独あるいは混合して使用するのが好ましい。
なお、窒素含有芳香族ジアミン化合物が上記溶媒への溶解性が低い場合は、溶解性を高めるために反応液を50℃以下に加熱しても良い。
本発明のポリアミド酸組成物および溶媒を含むワニスは、ポリアミド酸組成物を適切に溶解し、溶媒を揮発または除去して硬化し、フイルムやチューブなどの成形体を形成できる。また、スクリーン印刷用ポリイミド前駆体組成物として利用できる。さらに、本発明のポリアミド酸組成物および溶媒を含むワニスは、金属箔上に塗布し乾燥して金属積層体を形成でき、金属積層体はICデバイス等に広く利用できる。
前記窒素含有芳香族ジアミン化合物が、イミダゾール環またはピリジン環を有する芳香族ジアミン化合物で、5,4’−ジアミノ−2−フェニルベンゾイミダゾール(DAPBI)および2,5−ジアミノピリジン(DAPY)からなる群から選択される少なくとも一つ、前記窒素非含有芳香族ジアミン化合物がp−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよび3,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる群から選択される少なくとも一つであるポリアミド酸またはポリアミド酸組成物が好ましい。
さらに、前記芳香族テトラカルボン酸化合物が、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)および3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)からなる群から選択される少なくとも一つであるポリアミド酸、またはポリアミド酸組成物が好ましい。
本発明のポリアミド酸組成物(本発明のポリアミド酸)はその製造について、窒素非含有芳香族ジアミン化合物:51モル%以上、99モル%以下、および窒素含有芳香族ジアミン化合物:1モル%以上、49モル%以下を含むジアミン成分と、酸成分としての芳香族テトラカルボン酸化合物を重合させること以外は特に制限されない。
本発明のポリアミド酸組成物(本発明のポリアミド酸)を製造する際さらに溶媒を用いるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。例えば、溶媒中で酸成分(芳香族テトラカルボン酸類成分)とジアミン成分(芳香族ジアミン成分)とを添加し(酸成分とジアミン成分とはほぼ等モルとなる量で使用することができる。)、これらを混合して混合物とし、混合物を重合することで得られる。混合物は必要に応じて後述する添加剤をさらに含有することができる。
混合物を重合させる条件は特に制限されない。例えば、上記に示した溶媒に、窒素非含有芳香族ジアミン化合物および窒素含有芳香族ジアミン化合物を含むジアミン成分と芳香族テトラカルボン酸化合物を添加して得られた混合物を、常温〜50℃の条件下において、大気圧中で撹拌し反応させて、ポリアミド酸の溶液(ポリアミド酸組成物)を製造する方法が挙げられる。
上記製造方法で得られるポリアミド酸(共重合ポリアミド酸)は溶媒中に10〜30重量%の割合(濃度)で調製するのが好ましい。
本発明のポリアミド酸組成物はワニスとして使用することができる。
本発明のポリアミド酸組成物に含有されるポリアミド酸(本発明のポリアミド酸)は、その分子構造について特に制限されない。例えば、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体が挙げられる。
また、本発明のポリアミド酸組成物に含有されるポリアミド酸はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のポリアミド酸組成物(本発明のポリアミド酸)はさらに添加剤を含有することができる。添加剤としては、ポリアミド酸を環化させてポリイミドにするために使用される、脱水剤、触媒が挙げられる。
脱水剤としては、例えば、無水酢酸等の脂肪族酸無水物、フタル酸無水物等の芳香族酸無水物等が挙げられ、これらを単独あるいは混合して使用するのが好ましい。
また触媒としては、ピリジン、ピコリン、キノリン、イミダゾール等の複素環式第3級アミン類、トリエチルアミン等の脂肪族第3級アミン類、N,N−ジメチルアニリンなどの芳香族第3級アミン類等が挙げられ、これらを単独あるいは混合して使用するのが好ましい。
本発明のポリアミド酸組成物はその使用方法について特に制限されない。例えば、本発明のポリアミド酸組成物から溶媒を除去およびイミド化してフィルムを形成することができる。フィルムを形成する方法は特に制限されない。例えば従来公知のものが挙げられる。
本発明のポリアミド酸組成物(本発明のポリアミド酸)を硬化させてポリイミド組成物(ポリイミド)を製造することができる。
本発明のポリイミド組成物について以下に説明する。
本発明のポリイミド組成物は、
窒素非含有芳香族ジアミン化合物:51モル%以上、99モル%以下、および窒素含有芳香族ジアミン化合物:1モル%以上、49モル%以下を含むジアミン成分と、酸成分としての芳香族テトラカルボン酸化合物を重合させることによって得られるポリイミドを含有するポリイミド組成物である。
本発明のポリイミド組成物を製造する際に使用される、ジアミン成分、酸成分は本発明のポリアミド酸組成物と同様である。
本発明のポリイミド組成物に含有されるポリイミドは本発明のポリイミドに相当する。
本発明のポリイミド組成物(本発明のポリイミド)は、その製造について、窒素非含有芳香族ジアミン化合物:51モル%以上、99モル%以下、および窒素含有芳香族ジアミン化合物:1モル%以上、49モル%以下を含むジアミン成分と、酸成分としての芳香族テトラカルボン酸化合物を含む酸成分とを重合させること以外は特に制限されない。
例えば、溶媒に酸成分(芳香族テトラカルボン酸類成分)とジアミン成分(芳香族ジアミン成分)とを添加して、これらを混合して混合物とし、混合物を重合することによって得ることができる。
本発明のポリイミド組成物(本発明のポリイミド)は、混合物を用いて直接重合させて製造することもできるし、本発明のポリアミド酸組成物または本発明のポリアミド酸を用いて製造することもできる。
ポリアミド酸をイミド化させてポリイミドにする方法としては、例えば、脱水剤と触媒を用いて脱水する化学閉環法、熱的に脱水する熱閉環法があり、いずれで行っても良い。化学閉環法で使用する脱水剤、触媒は上記と同様である。
ポリアミド酸組成物(ポリアミド酸)のフィルムを高温で加熱してポリイミド組成物(ポリイミド)のフィルムを製造することができる。
ポリアミド酸組成物からのフィルムの形成における溶媒の除去、イミド化のための加熱は連続して行ってもよい。溶媒除去とイミド化が同時に行われてもよい。
本発明のポリイミド組成物に含有されるポリイミド(本発明のポリイミド)は、その分子構造について特に制限されない。例えば、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体が挙げられる。
また、本発明のポリイミド組成物に含有されるポリイミドはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
以下実施例により本発明を具体的に説明する。ただし本発明はこれらに限定されない。
なお、下記に示されている略称の詳細は以下のとおりである。
DAPBI:5,4’−ジアミノ−2−フェニルベンゾイミダゾール
DAPY:2,5−ジアミノピリジン
PDA:p−フェニレンジアミン
BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
ODA:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
PMDA:ピロメリット酸二無水物
<評価>
各機械特性(引張弾性率、伸び率、引張強度)は次の方法で評価した。結果を各表に示す。
[特性評価試験]
・引張強度試験の条件は以下である。
試験方法:JIS K7127
引張速度:102mm/min
チャック間距離:30mm
試験機:島津製作所製AGS−J
1)
NMP400gに、DAPBIを5.42g(0.024モル)、PDA23.51g(0.22モル)、BPDAを70.5g(0.24モル)を添加し、常温、大気圧中で3時間撹拌、反応させ、ポリアミド酸溶液(ポリアミド酸組成物)を得た。
得られたポリアミド酸溶液15gを、バーコーターを用いてガラス板に塗布し、100℃で20分間、200℃で20分間、300℃で20分間、400℃で20分間加熱硬化し、約60μm厚のポリイミドフィルムを得た。
得られたフィルムの特性評価試験を行い、表1にその結果を示した。なお、各成分モル比は、全芳香族ジアミン成分中および全芳香族テトラカルボン酸成分中のモル比とする。
ここで、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、5,4’−ジアミノ−2−フェニルベンゾイミダゾール(DAPBI)、p−フェニレンジアミン(PDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)である。
(実施例6、例2〜5、7および8)
1と同様の手順で、芳香族ジアミン成分および芳香族テトラカルボン酸成分を表1に示すモル比でポリアミド酸およびポリイミドフィルムを作製、特性評価試験を行った。表1にその結果を示す。
(比較例1〜5)
1と同様の手順で、芳香族ジアミン成分および芳香族テトラカルボン酸成分を表2に示すモル比でポリアミド酸およびポリイミドフィルムを作製、特性評価試験を行った。表2にその結果を示す。

上記の表に示す結果から明らかなように、窒素含有芳香族ジアミン化合物を50%未満含むPDA−BPDA系ポリイミド(1〜3、実施例6)は、窒素含有芳香族ジアミン化合物を含まないODA−BPDA系ポリイミド(比較例3)、およびODA−PMDA系ポリイミド(比較例4)よりも引張強度が高かった。
また、PDA50モル%およびDAPBI50モル%を含むPDA−BPDA系ポリイミド(比較例1)およびDAPBI100モル%を含むDAPBI−BPDA系ポリイミド(比較例2)は、引張弾性率、伸び率がいずれも低く機械強度に劣った。また、DAPYを100モル%含むDAPY−BPDA系ポリイミド(比較例5)は重合度不足のためフィルムが得られなかった。
これらの結果から、アミン成分として窒素含有芳香族ジアミン化合物を49モル%以下含むポリイミドは、機械強度に優れることが分かる。
4、5,7,8の組成物は窒素含有芳香族ジアミン化合物を含むことによって他の特性値の値を大きく下げることなく伸び率に優れる特性を有する。
本発明のポリアミド酸組成物は、ジアミン成分として特定量の窒素含有芳香族ジアミン化合物と窒素非含有芳香族ジアミン化合物、芳香族テトラカルボン酸化合物から成る共重合体(本発明のポリアミド酸)を含有する。また本発明のポリアミド酸組成物を硬化させて得られるポリイミド組成物は、高い機械強度を有する。本発明を用いて得られるポリイミド材料を機械的負荷が生じる部位に用いた機器(例えば、電子機器、航空宇宙機器)では、その性能や寿命を向上することが期待できる。

Claims (4)

  1. p−フェニレンジアミン:51モル%以上、99モル%以下、
    および2,5−ジアミノピリジン:1モル%以上、49モル%以下を含むジアミン成分と、
    3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を重合させることによって得られるポリアミド酸を含有するポリアミド酸組成物。
  2. p−フェニレンジアミン:51モル%以上、99モル%以下、
    および2,5−ジアミノピリジン:1モル%以上、49モル%以下を含むジアミン成分と、
    3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を重合させることによって得られるポリイミドを含有するポリイミド組成物。
  3. p−フェニレンジアミン:51モル%以上、99モル%以下、
    および2,5−ジアミノピリジン:1モル%以上、49モル%以下を含むジアミン成分と、
    3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を重合させることによって得られるポリアミド酸。
  4. p−フェニレンジアミン:51モル%以上、99モル%以下、
    および2,5−ジアミノピリジン:1モル%以上、49モル%以下を含むジアミン成分と、
    3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を重合させることによって得られるポリイミド。
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