JP2009301780A - 固体高分子電解質 - Google Patents

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Abstract

【課題】イオン伝導性および耐酸化性に優れた固体高分子電解質を提供する。
【解決手段】式(I)及びその異性体と(III)で表される繰り返し単位から主としてなり、共重合モル比率(III)/{(I)+(I)の異性体}が5以下である、芳香族ポリイミド100質量部と、リン酸、ポリリン酸、硫酸、メタンスルホン酸等の酸0.1〜100質量部とからなる固体高分子電解質。
Figure 2009301780

Figure 2009301780

【選択図】なし

Description

本発明は、芳香族ポリイミドからなる固体高分子電解質、及び燃料電池用固体高分子電解質膜に関する。
固体高分子電解質は高分子鎖中に電解質基を有する固体高分子材料であり、特定のイオンと強固に結合して、陽イオン又は陰イオンを選択的に透過する性質を有していることから、粒子、繊維、あるいは膜状に成形し、電気透析、拡散透析、電池隔膜等、各種の用途に利用されている。
燃料電池はイオン伝導性の固体高分子電解質膜の両面に一対の電極を設け、水素ガスやメタノールなどを燃料として一方の電極(燃料極)へ供給し、酸素ガスあるいは空気を酸化剤として他方の電極(空気極)へ供給し、起電力を得るものである。また、水電解は、固体高分子電解質膜を用いて水を電気分解することにより水素と酸素を製造するものである。
ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成株式会社製)、フレミオン(登録商標、旭硝子株式会社製)の商品名で知られる高いイオン伝導性を有するパーフルオロスルホン酸膜に代表されるフッ素系電解質膜は化学的安定性に優れていることから燃料電池や水電解等の固体高分子電解質膜として、広く使用されている。
また、食塩電解は固体高分子電解質膜を用いて塩化ナトリウム水溶液を電気分解することにより、水酸化ナトリウム、塩素と水素を製造するものである。この場合、固体高分子電解質膜は塩素と高温、高濃度の水酸化ナトリウム水溶液にさらされるので、これらに対する耐性の乏しい炭化水素系電解質膜を使用することができない。そのため、食塩電解用の固体高分子電解質膜には、一般に、塩素及び高温、高濃度の水酸化ナトリウム水溶液に対して耐性があり、さらに、発生するイオンの逆拡散を防ぐために表面に部分的にカルボン酸基を導入したパーフルオロスルホン酸膜が用いられている。
ところで、パーフルオロスルホン酸膜に代表されるフッ素系電解質は、C−F結合を有しているために化学的安定性が非常に大きく、上述した燃料電池用、水電解用、あるいは食塩電解用の固体高分子電解質膜の他、ハロゲン化水素酸電解用の固体高分子電解質膜としても用いられ、さらにはイオン伝導性を利用して、湿度センサー、ガスセンサー、酸素濃縮器等にも広く応用されている。
しかしながら、フッ素系電解質は製造が困難で、非常に高価であるという欠点がある。そのため、フッ素系電解質膜は、宇宙用あるいは軍用の固体高分子型燃料電池等、限られた用途に用いられ、自動車用の低公害動力源としての固体高分子型燃料電池等、民生用への応用を困難なものとしていた。
そこで、安価な固体高分子電解質膜として、エンジニアリングプラスチックに代表される芳香族炭化水素系高分子をスルホン酸化した電解質膜が提案された。(例えば、特許文献1、2、3、4、5参照)。これらエンジニアリングプラスチックをスルホン酸化した芳香族炭化水素系電解質膜をナフィオンに代表されるフッ素系電解質膜と比較すると、製造が容易で低コストという利点がある。しかし、耐酸化性という面で非常に弱いという欠点も有している。
非特許文献1によると、例えばスルホン酸化ポリエーテルエーテルケトンやポリエーテルスルホンはスルホン酸に隣接したエーテル部位から劣化すると報告している。このことから、スルホン酸の近傍に電子供与性基が存在すると、そこから酸化劣化が開始すると考えられる。そこで耐酸化性の向上を目的として、主鎖が電子吸引性基と芳香族環のみからなるスルホン酸化ポリフェニレンスルホンが提案され(特許文献6)、スルホン基の隣接部位にスルホン酸を導入したスルホン酸化ポリスルホンが提案された(非特許文献2)。
だが、特許文献7によると、芳香族炭化水素系電解質膜の劣化は酸化劣化以外にも、芳香族環に直接結合しているイオン伝導性置換基であるスルホン酸基が、強酸、高温下において脱離してイオン伝導率が低下することも一因として考えられ、特許文献6や非特許文献2にあるようなスルホン酸化ポリフェニレンスルホンやスルホン酸化ポリスルホンではスルホン酸の脱離による劣化が避けられない。従って、イオン伝導性置換基がスルホン酸であることは望ましくなく、特許文献7ではスルホン酸の代わりにアルキルスルホン酸を用いることを提案している。こちらはスルホン酸の脱離によるイオン伝導率の低下の改善には有効だが、使用する芳香族高分子の主鎖に電子供与性基が含まれ、耐酸化性に劣っている。
一方、アゾール系ポリマーは耐熱性、耐薬品性に優れたポリマーとして燃料電池用固体電解質膜として期待される。
プロトン導電性を有するアゾール系ポリマーとして例えばスルホン化されたアゾール系ポリマーが報告されている(特許文献8)。しかしながら、上述のとおりポリマーを原料として芳香環上に導入されたスルホン酸基は酸または熱により脱スルホン酸反応が起こりやすく、燃料電池用電解質膜として使用するには耐久性が十分であるとは言えない。
また、特許文献9〜11にはリンを含有するポリベンゾイミダゾールの燃料電池用電解質膜の報告がある。
特開平6−93114号公報 特開平9−245818号公報 特開平11−116679号公報 特表平11−510198号公報 特表平11−515040号公報 特開2000−80166号公報 特開2002−110174号公報 特開2002−146018号公報 国際公開第2002/081547号パンフレット 国際公開第2002/088219号パンフレット 国際公開第2004/024796号パンフレット 高分子論文集 Vol.59、No.8、460〜473頁 Journal of Polymer Science:PartA:Polymer Chemistry,Vol.34、2421−2438(1996)
イオン伝導性および耐酸化性に優れた芳香族ポリイミドからなる固体高分子電解質を提供する。
本発明は特定の共重合体である芳香族ポリイミドより得られるイオン伝導性および耐酸化性に優れた固体高分子電解質である。
本発明により燃料電池、水電解、ハロゲン化水素酸電解、食塩電解、酸素濃縮器、湿度センサー、ガスセンサー等に用いられる電解質膜等に好適な耐酸化性等に優れた低コスト高耐久性固体高分子電解質を得ることができる。そして該固体高分子膜を用いた燃料電池用固体高分子電解質膜を得ることができる。
<芳香族ポリイミド組成物>
本発明の高分子電解質膜は、下記式(I)および(II)
Figure 2009301780
Figure 2009301780
および(III)
Figure 2009301780
で表される繰り返し単位から主としてなり、上記式(I)、(II)及び(III)の繰り返し単位の共重合モル比率(III)/{(I)+(II)}が
0<(III)/{(I)+(II)}≦5
である芳香族ポリイミド100質量部とリン酸、ポリリン酸、硫酸、メタンスルホン酸から選ばれる少なくとも1種の酸0.1〜100質量部からなる固体高分子電解質である。
なお、上記の共重合モル比率(III)/((I)+(II))は、0.1以上4以下だとより好ましく、1以上3以下であると更に好ましい。また、本発明の高分子電解質膜が前記式(I)、(II)および(III)で表される繰り返し単位から主としてなるとは、高分子電解質膜を構成するポリマーの繰り返し単位中、前記式(I)、(II)および(III)で表される繰り返し単位の合計が60mol%以上、より好ましくは75mol%以上、さらに好ましくは90mol%以上、特に好ましくは100mol%を占めることを意味する。
(前駆体の製造方法)
下記式(I)、(II)および(III)で表わされる繰り返し単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位からなる芳香族ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸(ポリアミック酸とも言う)は、下記式(A)
Figure 2009301780
で表されるピロメリット酸無水物と、下記式(B)または(C)
Figure 2009301780
Figure 2009301780
で表される芳香族ジアミンおよびその塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種、
及び下記式(D)
Figure 2009301780
で表される芳香族ジアミン、p−フェニレンジアミンあるいはこれらの塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩から得られる。
前記式(A)のピロメリット酸無水物の他に、得られるポリマーの性質を改良する目的で各種のテトラカルボン酸無水物を共重合することが出来る。そのような芳香族テトラカルボン酸無水物の具体例としては3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物などが挙げられる。
芳香族ジアミンとしては、得られるポリマーの性質を改良する目的で各種のジアミンを共重合することもできる。そのようなジアミンの具体例としてはp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、2,5−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、3,5−ジアミノピリジン、3,3’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等が挙げられる。
重合を行うのに用いる溶媒については、特に限定はされないが上記の如き原料モノマー(A)、(B)、(C)、(D)を溶解し、かつそれらと実質的に非反応性であり、好ましくは固有粘度が少なくとも1.0以上、より好ましくは1.2以上のポリマーを得ることが可能なものであれば如何なる溶媒も使用できる。例えば、N,N,N′,N′−テトラメチル尿素(TMU)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N,N−ジエチルアセトアミド(DEAC)、N,N−ジメチルプロピオンアミド(DMPR)、N,N−ジメチルブチルアミド(NMBA)、N,N−ジメチルイソブチルアミド(NMIB)、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、N−シクロヘキシル−2−ピロリジノン(NCP)、N−エチルピロリドン−2(NEP)、N−メチルカプロラクタム(NMC)、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、N−アセチルピロリジン(NARP)、N−アセチルピペリジン、N−メチルピペリドン−2(NMPD)、N,N′−ジメチルエチレン尿素、N,N′−ジメチルプロピレン尿素、N,N,N′,N′−テトラメチルマロンアミド、N−アセチルピロリドン等のアミド系溶媒、p−クロルフェノール、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,4−ジクロルフェノール等のフェノール系溶媒もしくはこれらの混合物をあげることができる。
これらの中でも好ましい溶媒はN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)である。
この場合、溶解性を挙げるために重合前、途中、あるいは終了時に公知の無機塩を適当量添加しても差し支えない。このような無機塩として例えば、塩化リチウム、塩化カルシウム等が挙げられる。
ポリマーの製造は、前記モノマー(A)、(B)、(C)、(D)を脱水した上記の溶媒中で通常のポリアミドの溶液重合法と同様に製造する。この際の反応温度は80℃以下、好ましくは60℃以下とする。また、この時の濃度はモノマー濃度として1〜20質量%程度が好ましい。
また、本発明の固体高分子電解質を構成するポリマーの製造においては、トリアルキルシリルクロライドをポリマー高重合度化の目的で使用することも可能である。
また、一般に用いられるピロメリット酸無水物とジアミンの反応においては脂肪族や芳香族のアミン、第4級アンモニウム塩を併用してもよい。
この発明における全芳香族ポリアミドを得るためには前記の有機溶媒中、前記式(B)および前記式(C)で表されるジアミンの使用量合計が(A)で表されるピロメリット酸無水物のモル数に対する比として好ましくは0.90〜1.10であり、より好ましくは0.95〜1.05で反応させ全芳香族ポリアミドとすることが好ましい。
この全芳香族ポリアミドにおいてポリマーの末端を封止することが好ましく利用できる。末端封止剤を用いて封止する場合、その末端封止剤としてはベンゾイルクロリド、無水フタル酸及びその置換体、ヘキサヒドロ無水フタル酸及びその置換体、無水コハク酸及びその置換体、アミン成分としてはアニリン及びその置換体が挙げられるがこれに限るものではない。
(成型方法について)
本発明で用いられる高分子電解質を燃料電池用として使用する際には、通常膜の状態で使用される。芳香族ポリイミド膜の製造方法に特に制限はないが、溶液状態より製膜する方法(溶液キャスト法)が好ましく利用できる。具体的に溶液キャスト法については、例えば先に述べた方法で得られたポリアミド酸のポリマー溶液をガラス板上に流延塗布し、溶媒を除去し乾燥、熱処理、分子環化反応によりイミド化を進行させ芳香族ポリイミド膜を得る。製膜に用いる溶媒は、高分子を溶解し、その後に除去し得るものであるならば特に制限はなくN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホンアミドなど非プロトン極性溶媒や、ポリリン酸、メタンスルホン酸、硫酸、トリフルオロ酢酸などの強酸を用いることができるがこれらに限定されるものではない。
これらの溶媒は、可能な範囲で複数を混合して使用してもよい。また、溶解性を向上させる手段として、臭化リチウム、塩化リチウム、塩化アルミニウムなどのルイス酸を有機溶媒に添加したものを溶媒としてもよい。溶液中のポリマー濃度は0.1〜30質量%の範囲であることが好ましい。低すぎると成形性が悪化し、高すぎると加工性が悪化する。
また上記記載のポリマーは溶媒中でリオトロピック液晶を形成する事がありこの液晶性を示すポリマードープを成型に使用することも好ましく利用できる。
芳香族ポリイミド膜の機械特性や配向特性を改善する意味で例えば特開2002−30519号公報に記載の方法でポリアミド酸を流延塗布後縮合剤により部分的にイソイミド化し自己支持性を持たせ、延伸配向させた後溶媒を除去し乾燥、熱処理、分子環化反応によりイミド化を進行させ芳香族ポリイミド膜を得ることも好ましく利用できる。
また、後酸化法に付いては、溶液キャスト法で製膜した芳香族ポリイミドを、酸化剤を溶かした溶液に含浸することで酸化する。ここで用いられる酸化剤には特に制限はなく、オキソン(登録商標、Du Pont社製)、過酢酸、過酸化水素、次亜塩素酸塩、硫酸、塩素、塩化チオニル、二酸化窒素、三酸化クロム、過マンガン酸アルカリ、硝酸、有機化酸化物などが使用される。
本発明の固体高分子電解質は、前記の芳香族ポリイミド100質量部と、リン酸、ポリリン酸、硫酸、およびメタンスルホン酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種の酸0.1〜100質量部とからなるものである。
上記の酸は成型体に導電性を向上する上で存在させるものであり、固体高分子電解質における上記の酸の含有量は、前記の芳香族ポリイミド100質量部に対して、好ましくは0.5〜50質量部、より好ましくは1.0〜30質量部、更に好ましくは3.0〜20質量部である。上記の酸の添加方法としては、ドープにあらかじめ加えておく、凝固時に添加、乾燥後添加いずれの方法も利用できる。
該高分子電解質膜の厚みは特に制限はないが10〜300μmが好ましい。特に30〜200μmが好ましい。実用に耐える膜の強度を得るには10μmより厚い方が好ましく、膜抵抗の低減つまり発電性能向上のためには200μmより薄い方が好ましい。溶液キャスト法の場合、膜厚は溶液濃度あるいは基板上への塗布厚により制御できる。溶融状態より製膜する場合、膜厚は溶融プレス法あるいは溶融押し出し法等で得た所定厚さのフィルムを所定の倍率に延伸することで膜厚を制御できる。
触媒電極層は、ポリマーを電解質膜作成に使用した溶媒に溶解させ、これを用いて触媒電極同士を接合することで作成する。
ここでの触媒電極は、触媒金属の微粒子を導電材に担持することで作成できる。触媒電極に使用される触媒金属としては、水素の酸化反応および酸素の還元反応を促進する金属であればいずれのものでもよく、例えば、白金、金、銀、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、タングステン、マンガン、バナジウム、あるいはそれらの合金が挙げられる。特に白金が多くの場合用いられる。触媒となる金属の粒径は、通常は10〜300オングストローム(1〜30ナノメートル)である。これらの触媒はカーボン等の担体に付着させた方が触媒の使用量が少なくコスト的に有利である。触媒の担持量は電極が成形された状態で0.01〜10mg/cmが好ましい。
導電材としては、電子伝導性物質であればいずれのものでも良く、例えば各種金属や炭素材料などが挙げられる。炭素材料としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、およびアセチレンブラック等のカーボンブラック、活性炭、黒鉛等が挙げられ、これらが単独あるいは混合して使用される。
これら導電材に触媒金属を担持させる方法としては、触媒金属を還元法により導電材(主に炭素材料の場合に使用)の表面に析出させる方法や、溶剤に触媒金属を懸濁させ、これを導電材表面に塗布する方法などがある。
膜/電極接合体は、スペーサー構造を挟んだスルホン酸もしくはスペーサー構造を挟んだスルホンアミド化スルホン酸を導入したPPSO系高分子を電解質膜作成に使用した溶媒に溶解させた溶液を触媒電極層に塗布し、電解質膜と接合させることで作成する。
燃料電池は、以上のように形成された膜/電極接合体の外側にセパレータと呼ばれる燃料流路もしくは酸化剤流路を形成する溝付きの集電体を配したものを単セルとし、この様な単セルを複数個、冷却板等を介して積層することにより構成される。燃料電池は高い温度で作動させる方が電極の触媒活性が上がり電極過電圧が減少するため望ましいが、電解質膜は水分がないと機能しないため、水分管理が可能な温度で作動させる必要がある。燃料電池の作動温度の好ましい範囲は室温〜100℃である。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらによっていささかも限定されるものではない。なお、以下の実施例における各測定値は次の方法により求めた値である。
[特有粘度]
NMPを用いてポリマー濃度0.5g/dlで30℃において測定した相対粘度(ηrel)を基に下記式により求めた値である。
ηinh[dl/g]=(lnηrel)/C
(ηrelは相対粘度、Cはポリマー濃度[g/dl]を表す)
[イオン伝導度測定]
本発明の電解質膜を、電気化学インピーダンス測定装置(ソーラトロン製、SI1287)を用いて周波数0.1Hz〜65kHzの領域で4端子インピーダンス測定をし、イオン伝導度を測定した。なお、上記測定で電解質膜は湿度90%RH雰囲気下、80℃にて保存された。
[耐酸化性試験]
本発明の電解質膜を、30%過酸化水素水20mlに硫酸鉄7水和物1.9mgを加えることからなる60℃に加熱したフェントン試薬(鉄40ppmを含む)に浸漬させ、電解質膜がフェントン試薬に溶解するに至る時間を求めた。
[リン原子の含有量の測定方法]
試料を還流冷却付き湿式分解容器に採り、濃硫酸を添加後加熱しながら、試料が飛散しないように徐々に硝酸を滴下して有機物を完全に分解した。放冷後、純水を加え白色透明ガラス容器に定容して、ICP発光分析法によりリン原子を定量した。
<参考例1>(ポリマーの重合)
窒素気流下、フラスコ内を250℃にて1時間乾燥させ、フラスコ内の温度を室温に戻した後、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)300質量部を加えた。5(6)−アミノ−2−(4−アミノフェニル)ベンズイミダゾール(cas.reg.no.7621−86−5)5.7599質量部、p−フェニレンジアミン6.4807質量部を加えた。この溶液を外部冷却により0℃に保ち、クロロトリメチルシラン9.301質量部を加え均一な溶液とした。1時間の攪拌後ピロメリット酸無水物18.674質量部添加し、0℃で5時間、室温で40時間反応せしめポリアミド酸のポリマードープを得た。得られたポリマーの特有粘度は2.1[dl/g]であった。
[実施例1](キャストフィルムの作成)
参考例1にて得られたポリマードープをドクターナイフによりガラス上に展開し、ピリジン:無水酢酸=1:1溶媒にて1時間浸漬し、自己支持性の膜を得た。得られた膜を室温にてMD方向TD方向共に1.5倍ずつ同時延伸を行い、80℃で5分、200℃10分、250℃10分、350℃10分、400℃10分で加熱処理を行い、全芳香族ポリイミド膜を得た。得られた膜を、リン酸を50質量%含むメタノール溶液に12時間浸漬し、リン原子の含有量は4.4質量%(リン酸換算で14質量%)の固体電解質膜を得た。該固体電解質膜を用いて行った試験および測定の結果を表1に示す。
Figure 2009301780

Claims (2)

  1. 下記式(I)および(II)
    Figure 2009301780
    Figure 2009301780
    および(III)
    Figure 2009301780
    で表される繰り返し単位から主としてなり、上記式(I)、(II)及び(III)の繰り返し単位の共重合モル比率(III)/{(I)+(II)}が
    0<(III)/{(I)+(II)}≦5
    である、繰り返し単位よりなる芳香族ポリイミド100質量部と、リン酸、ポリリン酸、硫酸、メタンスルホン酸から選ばれる少なくとも1種の酸0.1〜100質量部とからなる固体高分子電解質。
  2. 請求項1に記載の固体高分子電解質からなる燃料電池用固体高分子電解質膜。
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