JP5789799B2 - 多孔質体の製造方法、細胞又は組織供給用支持体の製造方法、及び組織供給体の製造方法 - Google Patents

多孔質体の製造方法、細胞又は組織供給用支持体の製造方法、及び組織供給体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、多孔質体の製造方法、細胞又は組織供給用支持体の製造方法、及び組織供給体の製造方法に関する。
近年の医療技術の著しい進歩により、形態や機能を失った組織、臓器、器官の治療のために、臓器移植等を含めた再生医療が次世代治療として重要であることが認識されている。例えば、機能不全に陥った心臓に対し、ドナー不足という問題がある心臓移植に代わる治療法として、様々な幹細胞を利用した細胞移植が試みられている。
近年、体外で心筋組織を3次元的に構築した上で移植を行う組織移植の手法が試みられている。例えば、各種の細胞シートや3次元構造体を製造することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
再生医療の要となるのは、細胞、細胞足場材料、成長因子等の液性因子の3本柱であるとされている。足場材料としては、コラーゲンやポリ乳酸を主体とした3次元多孔質体(スポンジ)が利用されている(例えば、特許文献2参照)。これらの材料により、軟骨等の再生に成功した報告がされているが、適応できるのは小さな領域の損傷に限られるという欠点がある。これは、再生の初期に多量の細胞が必要であるが、多量の細胞を供給できないこと、この材料の縫合が出来ず、欠損部への十分な固定ができないこと、また、強度や弾性率という力学物性の適合性が十分でないことに起因する。
一方で、新たな足場材料としてシルクタンパク質を主体とする多孔質体が報告されている。しかし、従来のシルクタンパク質多孔質体では、公知の凍結乾燥を主とした製造プロセスで製造されるので、十分な力学強度や弾性を得ることが出来ず、やはりその適応は限られる。これに対し、十分な力学的強度を有するハイドロゲルの作製方法が知られており(例えば、特許文献3参照)、この方法で作製されたハイドロゲルの中では、細胞が分化状態を保ちながら増殖することが見出され、極めて少ない初期播種細胞数においても良好な再生組織が形成されることが確認されている(例えば、非特許文献1参照)。従って、特許文献3に開示されたハイドロゲルは、従来にない優れた組織再生の足場材料となり得る。しかし、これは、生体分解性ではあるが、コラーゲン等のように生体吸収性ではないため、現時点においては再生医療等への応用範囲も限られていた。
また、臨床でのより実際的な使用を考えた場合、損傷組織の修復再生期間の創傷面の保護効果、創傷部への確実な縫合固定、創傷面への力学的負荷の低減、さらに重篤な損傷部位で広範囲にわたり正常細胞や組織が欠如した場合にも、組織再生を可能とすることが望まれる。また、損傷組織の修復再生期間の間の創傷面の対面側の組織の保護も望まれる。しかるに、このような機能を有する細胞又は組織支持体は、開発されていないのが現状である。
特開2003−38170号公報 国際公開第2003/011343号パンフレット 特許第3412014号公報
T.Aoki, et al., Biomed Mater Eng, 13, 309(2003)
本発明の課題は、上述の従来技術の問題点を解決することにあり、多量の細胞を提供でき、創傷部への確実な縫合固定ができ、創傷面への力学的負荷低減が可能であり、損傷組織の修復再生期間の間、創傷面及びその対面側の面の保護効果があり、さらに重篤な損傷部位で広範囲にわたり正常細胞や組織が欠如した場合にも、組織再生を可能とすることができる、再生医療に利用可能な細胞又は組織供給用支持体、組織供給体を製造する際に用いる多孔質体の製造方法、並びに製造された多孔質体を用いて細胞又は組織供給用支持体及び組織供給体を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意努力した結果、特許文献3記載のハイドロゲルの製造方法を改良し、薄膜面と多孔質面とをもつ多孔質体を製造し、この多孔質体を利用することで、組織損傷部位への確実な縫合固定、損傷面への力学的負荷の低減、創傷面及びその対面側の面の保護効果、広範囲の組織再生が実現すること、さらにこの多孔質体の多孔質面上に予め細胞の播種をし、培養して組織形成をすることで、組織損傷部位での極めて良好な組織再生が実現することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の多孔質体の製造方法は、シルクタンパク質水溶液に対して0.05〜10容量%の水溶性有機溶媒を添加したものを、粗面化した底面又は上面を有するモールド内に入れ、これを一定時間凍結させ、次いで融解してシルクタンパク質からなる薄膜面と多孔質面とを有する多孔質体を製造することを特徴とする。水溶性有機溶剤の量が0.05容量%未満では、多孔質体を形成しない場合もあり、10容量%を超えると、シルクタンパク質の沈殿の危険性があり、また、十分な機械的強度を持った多孔質体を製造できないという傾向がある。
上記したような薄膜面と多孔質面との両者を有する多孔質体が提供されたことにより、この多孔質体からなる細胞又は組織供給体を用いれば、創傷面への細胞又は組織の固定性が向上し、創傷面(組織欠損部)への力学的負荷が低減して創傷面が保護され、細胞の増殖後に目的とする組織方向にのみ移動でき(欠損面に細胞が移動でき)、良好な組織再生が多孔質体の近傍で生じ、さらに重篤な損傷部位で広範囲にわたり正常細胞や組織が欠如した場合にも、組織再生を可能とすることができる。
前記粗面化した面は、濾紙、不織布、又は粗面フィルムを貼り付けることにより形成された面か、又は機械的処理や化学的処理により形成された面であることを特徴とする。
本発明の細胞又は組織供給用支持体の製造方法は、シルクタンパク質水溶液に対して0.05〜10容量%の水溶性有機溶媒を添加したものを、粗面化した底面又は上面を有するモールド内に入れ、これを一定時間凍結させ、次いで融解して、粗面化されていない面の側で得られた薄膜面と粗面化された面の側で得られた多孔質面とを有する多孔質体からなる細胞又は組織供給用支持体を製造することを特徴とする。この粗面化した面は、濾紙、不織布、又は粗面フィルムを貼り付けることにより形成された面か、又は機械的処理や化学的処理により形成された面であることを特徴とする。
本発明の組織供給体の製造方法は、シルクタンパク質水溶液に対して0.05〜10容量%の水溶性有機溶媒を添加したものを、粗面化した底面又は上面を有するモールド内に入れ、これを一定時間凍結させ、次いで融解して、粗面化されていない面の側で得られた薄膜面と粗面化された面の側で得られた多孔質面とを有するシルクタンパク質である多孔質体の多孔質面に細胞を播種し、培養して組織を形成させることを特徴とする。この粗面化した面も、前記したように、濾紙、不織布、又は粗面フィルムを貼り付けることにより形成された面か、又は機械的処理や化学的処理により形成された面であることを特徴とする。
本発明によれば、薄膜面と多孔質面との両者を有する多孔質体を用いるため、以下のような効果を奏することができる。
(1)薄膜面により細胞又は組織の固定性が向上する。
(2)薄膜面により細胞の増殖後に、目的とする組織方向にのみ移動できる。
(3)薄膜面により組織欠損面を覆うため、欠損面及びその対面側の面に負荷される力学的荷重から保護され、運動に伴う潤滑性の確保が可能となる。
(4)本発明で製造された組織供給体の使用により、材料から欠損面に細胞が移動し、あるいは、本組織供給体から放出される成長因子等の液性因子により、良好な組織再生が多孔質体の近傍で生じるために、後日、必要に応じて本組織供給体を取り出すことも可能である。
本発明の細胞又は組織供給用支持体を製造するためのモールドの一例を模式的に示す構成図であり、(a)は上面図、(b)はその断面図。 実施例1で得られた多孔質体であるシルクフィブロイン支持体の断面のSEM写真。 実施例2で得られたシルクフィブロイン支持体の多孔質面に形成された軟骨組織(Safran−O染色)のSEM写真。 実施例3において、シルクフィブロイン支持体(シルクスポンジ)に形成された軟骨組織面を、膝蓋骨関節面全面を覆うように薄膜面を欠損面に対向させて縫着し、固定する状態を示す写真。 実施例3で得られた膝蓋骨関節面の組織の組織像写真であり、(a−1)は、軟骨組織を形成したシルクフィブロイン支持体を使用し、膝蓋骨関節面をH.E.染色(ヘマトキシリン・エオジン染色)した場合の組織像、(a−2)は、軟骨組織を形成したシルクフィブロイン支持体を使用し、軟骨組織をCollagen II免疫染色した場合の組織像、(b−1)は、軟骨組織を形成していないシルクフィブロイン支持体のみを使用し、膝蓋骨関節面をH.E.染色した場合の組織像、そして(b−2)は、軟骨組織を形成していないシルクフィブロイン支持体のみを使用し、軟骨組織をCollagen II免疫染色した場合の組織像。 実施例3においてシルクフィブロイン支持体を使用した関節軟骨再生の状態を示す組織像写真であり、(a)は、シルクフィブロイン支持体を移植前に関節全面の軟骨組織を除去した膝蓋骨の組織像、(b)は、移植後6週間たった後の膝蓋骨の組織像。 実施例4で得られた膝蓋骨関節面及びその対面側の面の組織の組織像写真であり、(a−1)及び(a−2)は、軟骨組織を形成したシルクフィブロイン支持体を使用した場合の組織像、(b−1)及び(b−2)は、シルクフィブロイン支持体を使用せず、軟骨欠損形成状態のままの場合の組織像。
本発明の細胞又は組織供給用支持体(以下、細胞・組織供給用支持体とも称す)の製造方法の実施の形態によれば、製造された支持体は、シルクタンパク質からなる薄膜面と多孔質面とを有する多孔質体からなっている。
本発明の細胞又は組織供給体(以下、細胞・組織供給体とも称す)の製造方法の実施の形態によれば、製造された供給体は、シルクタンパク質からなる薄膜面と多孔質面とを有する多孔質体の多孔質面に培養された細胞又は組織を有しており、この細胞は軟骨細胞であり、また、組織は軟骨組織であることが好ましい。
本発明を利用する再生医療用の細胞・組織供給体の製造方法の実施の形態によれば、シルクタンパク質からなる薄膜面及び多孔質面を有する多孔質体の多孔質面側に細胞を播種し、公知の培養条件下で培養して組織を形成させることにより細胞・組織供給体を製造することができ、この細胞は軟骨細胞であり、また、組織は軟骨組織であることが好ましい。
本発明を利用する再生医療用の組織再生方法の実施の形態によれば、シルクタンパク質からなる薄膜面と多孔質面とを有する多孔質体の多孔質面側に、軟骨細胞又は細胞が複数個集団化した細胞塊を播種し、公知の培養条件下で培養して再生組織を形成させることができる。この場合、細胞又は組織の播種及び培養を生体外で行うことができる。また、得られた組織を組織欠損部へ適合することができる。
前記細胞には、軟骨細胞の他に、骨髄細胞、末梢単核細胞、骨髄単核細胞、体性幹細胞、及び多能性細胞からなる群から選ばれた細胞が含まれ、前記組織には、軟骨組織の他に、皮膚組織(例えば、表皮組織、真皮組織)、骨組織、筋肉組織、筋膜組織、骨膜組織、脂肪組織、粘膜組織、漿膜組織、腱組織、腱鞘組織、角膜組織、鼓膜組織、血管外膜組織、神経組織、歯根膜組織、心筋組織、及び肝組織等が含まれる。
本発明に係る多孔質体の製造方法の実施の形態によれば、家蚕又は野蚕由来のシルクフィブロインやシルクセリシン等のシルクタンパク質の水溶液に対して0.05〜10容量%の水溶性有機溶媒を添加したものを、例えば、濾紙、不織布、又は粗面フィルムを貼り付けることにより粗面化した底面若しくは上面、又は機械的処理や化学的処理により粗面化した底面若しくは上面を有する箱形等の形状のモールド内に入れ、これを一定時間凍結させ、次いで融解してシルクタンパク質からなる薄膜面と多孔質面とを有する多孔質体を製造できる。
以下、上記した実施の形態について、詳細に説明する。
本発明において薄膜面と多孔質面とを有する多孔質体を構成する材料は、コラーゲン等の生体高分子やポリ乳酸やポリエステル等の合成高分子を用いることができるが、再生組織形成性や力学的強度や弾性の面からはシルクフィブロインやシルクセリシンからなるシルクタンパク質が好ましい。より好ましくは、シルクフィブロインである。以下、シルクフィブロインを主体に説明するが、シルクセリシンの場合も同様である。
本発明で用いるシルクフィブロインとしては、家蚕、及び天蚕を含む野蚕の蚕から生産されるものであればいずれでもよく、その製造方法としては、繭からの抽出、絹糸腺からの抽出等のような既知の如何なる方法を用いても良い。特に、製造工程の簡便性から家蚕の繭からの抽出が好ましい。本発明では、シルクフィブロインを水溶液として用いるが、その調製方法としては、公知の如何なる方法を用いてもよく、例えば臭化リチウム水溶液に溶解した絹フィブロインを水に対して透析する方法が挙げられる。
このシルクフィブロイン水溶液を多孔質体製造のための原料として用いるわけであるが、組織工学・再生医工学用素材や細胞培養支持体として用いる場合は、この段階で通常のオートクレーブ滅菌処理をしてもよい。用いるシルクフィブロイン水溶液の濃度は、使用目的に合わせて自由に選択できるが、好ましくは0.1重量%〜10重量%、より好ましくは0.5重量%〜5重量%である。0.1重量%未満では、十分な強度を持った多孔質体を製造できない場合があり、また10重量%を超えると、原料水溶液の調製が困難であったり、製造した多孔質体が細胞や組織の増殖や維持に対して不利になったりする場合がある。
本発明によれば、このシルクフィブロイン水溶液に水溶性有機溶媒を添加して、所定時間凍結処理し、次いで融解処理することにより、多孔質体を製造する。
添加する水溶性有機溶媒は、水に対して部分的にでも混和できればよい。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、イソアミルアルコール、グリセロール、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ピリジン、酢酸、酪酸、乳酸等が挙げられる。細胞保存用溶媒として広く使用されているグリセロールやジメチルスルホキシドを用いると、生体組織や細胞に対する危険性が少なく好ましい。添加する量は、シルクフィブロイン水溶液にこれらの有機溶媒を添加したときにシルクフィブロインが沈殿しない範囲ならば特に制限はないが、好ましくは0.05容量%〜10容量%、より好ましくは0.1容量%〜5容量%である。0.05容量%未満では、多孔質体を形成しない場合もあり、10容量%を超えると、シルクフィブロインの沈殿の危険性があり、また、十分な機械的強度を持った多孔質体を製造できない。
凍結温度は特に制限されないが、設備の簡便性から考えて、通常のフリーザー等が利用できる温度を用いればよい。凍結は、例えば、冷却したエタノール中に浸漬して行っても良い。凍結時間は、十分に凍結することのできる時間であればよく、製造する多孔質体の大きさにも依るが、好ましくは4時間以上、特に好ましくは6時間以上である。4時間未満であると、フリーザーの種類にもよるが、多孔質体を製造できなかったり、製造した多孔質体の機械的強度が十分でなかったりする場合がある。
凍結したシルクフィブロイン水溶液を、そのまま融解することで多孔質体を製造できる。融解は加温して行ってもよいが、通常、室温下で放置すれば、より簡便に多孔質体を製造できる。
得られた多孔質体を組織工学・再生医工学用素材や細胞培養支持体として用いる場合は、水や燐酸緩衝生理食塩水(PBS)のような生理的緩衝溶液等中で添加した水溶性有機溶媒を置換したのち、通常のオートクレーブ滅菌処理を行う。
本発明においては、公知の化学修飾手法により、シルクフィブロインにコラーゲン、細胞因子、細胞接着因子等の生理活性分子を固定化した修飾シルクフィブロインを利用することもできる。また、公知の遺伝子組換えカイコ技術やタンパク質工学手法により改質したシルクフィブロインを使用することもできる。
本発明においてはまた、シルクフィブロイン水溶液又は予めオートクレーブ滅菌処理したシルクフィブロイン水溶液に、コラーゲン、細胞成長因子、細胞接着因子等の生理活性物質を混合し、上記と同様の製造工程を経ることで、これらの分子を含んだ多孔質体を製造することもできる。また、シルクフィブロイン分子にタンパク質工学的手法により各種の生理活性分子や機能性分子を融合したキメラフィブロイン分子等も同様に混合して、上記と同様の処理を行うことにより、これらの分子を含んだ多孔質体を製造することもできる。組織工学や再生医工学用素材や細胞培養支持体として用いる場合は、予めオートクレーブ滅菌したシルクフィブロイン水溶液を用いる方が安全性等の面から好ましい。また、薄膜面と多孔質面を持つ多孔質体にコラーゲンや細胞接着因子、細胞成長因子等の生理活性分子を含浸せしめて使用することも出来る。
上記した材料を用いて本発明の多孔質体を製造するためのモールドの一構成例を模式的に図1(a)及び(b)に示す。図1(a)はモールドの上面図であり、図1(b)はモールドの断面図である。多孔質体は、いかなる公知の技術を用いても作製することができ、例えば特許文献3に開示された方法を改良した方法に準じて製造することが好ましい。
本発明で用いることができる図1に示すモールドは、上部のアクリル板1aと、下部のアクリル板1bと、スペーサー2とで構成され、内部に空間3が形成された箱形形状をしている。すなわち、スペーサー2は、アクリル板1a及び1bの4辺の縁部に設けられている。アクリル板は、ナイロン、塩化ビニール樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の有機材料、あるいはアルミ、真鍮、銅、ステンレス等の金属材料等から構成された板であってもよい。また、スペーサーは、例えばシリコーンゴム、ポリウレタン、フッ素ゴム、天然ゴム等のエラストマー、あるいはアルミ等の金属等からなる材料で構成されたものでよく、その厚さは、得られる多孔質体が有効に機能するのに十分な厚さであればよい。上記アクリル板1a及び1bの一方の表面に濾紙、不織布、又は粗面フィルム等を貼り付けて粗面化し、又は機械的処理(例えば、研磨処理)や化学的処理(例えば、酸処理、溶剤処理、若しくはガスエッチング処理、又はプラズマスプレイ処理による金属や無機物のコーティング処理等)により一方の面を粗面化すればよい。
上記のように構成された箱形形状のモールドを用いることにより、薄膜と多孔質面とを有する本発明の多孔質体を製造することができる。すなわち、このモールド内に原材料を入れ、このモールドを一定時間凍結させ、次いで融解してシルクタンパク質からなる薄膜面と多孔質面とを有する多孔質体を製造できる。この場合、薄膜面は粗面化されていない面に形成され、粗面化された面には薄膜は形成されない。なお、このモールドの形状は、所望の多孔質体を製造できるものであれば特に制限されるわけではなく、図1に示す直方体の箱形以外に例えば円形の箱形であってもよい。
以下の実施例では、アクリル板と3mm厚のシリコーンゴムからなるスペーサーを用いて構成された図1に示すような箱形モールドを用い、その内部の空間内に所定の材料を入れ、このモールドを冷却して、所定の時間凍結処理を行い、凍結した試料を室温にて融解し、モールドから取り出すことにより、目的とする多孔質体を製造する。
製造した多孔質体を細胞培養支持体(細胞供給用支持体)として用いる場合は、例えば、シルクフィブロイン水溶液と細胞浮遊液とを混合し、細胞に対して傷害を与えないような水溶性溶媒、例えばグリセロールやジメチルスルホキシド(DMSO)を添加して、上記の多孔質体製造工程により製造することで、3次元的な培養が可能な細胞供給体が得られる。また、もっと簡便には、予め製造した多孔質体上へ細胞浮遊液を添加することで、徐々に細胞が多孔質体内部へ進入して3次元的な培養が可能な細胞供給体が得られる。3次元細胞培養支持体として広く利用されているコラーゲンに比較して、本発明で用いる多孔質体は、その空隙率や孔径を制御しやすく、また経時的な体積の縮小もなく、より効率的に細胞を培養できる特色がある。
上記多孔質体の表面の薄膜は、損傷部等の保護効果と縫合の際の十分な引裂強度を有すれば、いかなる形状や力学物性のものでも使用できるが、保護効果のためには多孔質体と同程度の柔軟性を有することが好ましい。厚みは、特に上記の条件を満たせば特に規定しないが、好ましくは1〜2000μm、より好ましくは10〜100μmである。引裂強度は、薄膜を有する多孔質体として患部への逢着に耐えうる強度を持てば十分であるが、トラウザー引裂法(JIS K7128)の場合、0.05N以上が好ましく、特に0.1N以上が好ましい。
多孔質体の孔径は、組織の再生が良好に進む大きさであれば良く、おおよそ50〜500μm、好ましくは、80〜300μmである。50μm未満であると、多孔質体表面から内部への組織形成に不利となり、500μmを超えると、多孔質体の機械的強度が不足すると共に、多孔質体表面近傍での組織再生が不利となる。多孔質体の厚みは、適応する組織の大きさに適合し、かつクッション性を有すれば特に規定しないが、1mm〜100mm、好ましくは1mm〜20mmである。1mm未満であると、クッション性が満足できず、また、100mmを超えると、組織欠損部への固定が困難となる。また、多孔質体の力学物性は、取り扱い性や損傷組織の力学的負荷からの保護を考慮すると、引っ張り強度が0.01MPa以上であることが好ましい。
シルクフィブロインからなる薄膜面と多孔質面とを持つ多孔質体の製造は、上記以外にも、薄膜と多孔質体とを別個に作製した後に接着する方法、両面に薄膜を持つ多孔質体を作製した後に片面を切除する方法、多孔質体を作製した後にその表面に薄膜を作製する方法が考えられるが、プロセスが複雑になり、工業的に不利である。好ましくは、本発明のように、図1に例示する箱型モールドの底面に濾紙や不織布等を貼り付けるか、底面を機械的処理や化学的処理により粗面化したものにシルクフィブロイン−有機溶媒混合水溶液を添加し、凍結・融解処理を行うことや、あるいは、片面を同様に粗面化処理したモールド中にシルクフィブロイン−有機溶媒混合溶液を注入して、冷却エタノール等の冷媒中に浸漬して、凍結・融解処理を行うことにより、薄膜面と多孔質面とを持つ多孔質体を容易に作製できる。この場合、濾紙や不織布等を貼り付けていない面や粗面化していない面の側では、多孔質体表面に薄膜が形成され、濾紙等を貼り付けた面や粗面化した面の側では、薄膜は形成されず、多孔質体表面となる。
上記したような薄膜面と多孔質面とを有する多孔質体に対象となる損傷組織を再生する細胞を播種し、あるいはその細胞を公知の条件下(例えば、通常の細胞培養培地や成長因子あるいは分化誘導因子を含む培地内で、37℃、5%炭酸ガスの環境下、あるいは、遠心力や水圧等で荷重を負荷した状態、多孔質体を回転することによりずり応力を負荷した状態)で培養することで再生組織を形成した後、多孔質面を損傷組織面に接触させ、薄膜面で縫合して固定することで、損傷部位の組織再生が促される。使用する細胞や組織は、損傷や欠損組織を再生できるものであれば特に限定されないが、それぞれの組織由来の細胞に加え、骨髄細胞、末梢単核細胞、骨髄単核細胞、骨髄幹細胞等の体性幹細胞、ES細胞、iPS等の多能幹細胞を利用することが出来る。薄膜面による強固な縫合固定と損傷部等の保護、多孔質面に形成された組織からの細胞や組織の移動、多孔質体のクッション性による損傷部位での力学的負荷の保護が、有効に働くことにより、良好な組織再生が生じる。また、多孔質材料内に存在する細胞や組織が産生する組織再生を促進・調整するサイトカイン等の液性分子の組織損傷面や欠損面への移動による効果も期待できる。例えば、軟骨細胞を用いて、多孔質面で軟骨組織を形成させた後、この軟骨組織面を関節軟骨欠損面に接触させ、薄膜面で縫合することで、多孔質材料が関節面に十分に安定に固定化されることから、欠損面は力学的負荷から保護され、その間に形成された軟骨組織面から欠損面に軟骨細胞が移動し、良好な軟骨組織再生が生じる。
欠損・損傷組織面に縫着した本発明で製造された組織供給体は、特に不都合がなければ、患部にそのまま留置することも可能であり、また、十分な組織再生を確認した後、患部から取り出しても良い。
本発明によれば、上記したように、シルクタンパク質からなる薄膜面と多孔質面との両者を有する多孔質体を容易に作製できる。この薄膜面は、組織再生に障害になることはなく、創傷面への良好な逢着のための強度を与えると共に、創傷面の保護にも有効である。また、多孔質面は、良好な組織再生の場となると共に、創傷面の力学的負荷を軽減するクッション材ともなる。本発明で製造された組織供給体は、in vitroにおいて細胞の分化と増殖とを両立させ、少ない初期細胞により良好な組織再生を促し、また、細胞・組織の移植体として、in vivoにおいて優れた組織再生を促す。さらに、この組織供給体は、細胞や組織が全て欠損している大きな創傷面にも適応できる。
本発明で製造されたシルクタンパク質からなる薄膜面と多孔質面とを持つ多孔質体による組織再生治療は、軟骨再生(変形関節症、慢性リュウマチ、外傷性軟骨欠損等の疾病)、皮膚の再生(熱傷等)、皮下組織再生(外傷、手術等による広範な軟部組織欠損、壊死、治癒困難な創等)、癒着防止(腹部、手指腱等)、角膜再生、鼓膜再生、動脈瘤補強、神経再生、歯根膜再生、ヘルニアパッチ、褥瘡治療、膀胱パッチ、心筋損傷部パッチ、腹腔内臓器損傷治療(消化管潰瘍、消化管穿孔、肝破裂、手術による消化管吻合部や臓器切除部の補強等)、気胸治療、人工肛門補強等の分野で、広く応用することが可能である。また、これらの組織再生は、ヒトへの治療に限らず、犬や猫等のペット動物の創傷や疾病の治療や、牛、馬等の家畜動物の創傷や疾病の治療にも用いることが可能である。
本実施例は、シルクフィブロインからなる薄膜面と多孔質面とを有する多孔質体であるシルクフィブロイン支持体を製造する一例を示す。
精練した家蚕シルク繊維を9M LiBr水溶液に溶解し、蒸留水に対して十分に透析することにより8wt%シルクフィブロイン水溶液を調製した。8wt%シルクフィブロイン水溶液に最終濃度で1vol%になるように濃度を調整したDMSO水溶液をシルクフィブロイン水溶液と等量徐々に滴下し、部分的にフィブロインの凝集が生じないようにして、十分に混合した。得られたシルクフィブロイン−DMSO混合水溶液を、上下のアクリル板と、その間に設けたスペーサーとしての3mm厚のシリコーンゴムとを用いて構成された箱形モールド(図1参照)の内部の空間内へ入れ、このモールドを冷却した(−20℃)エタノール中に浸漬して、6時間以上の凍結処理を行った。凍結した試料を室温にて融解し、モールドから取り出して、目的とする多孔質体を作製した。
その際に、モールドの片面のアクリル板の表面に濾紙を貼り付けることにより粗面化処理しておくことで、モールド内の濾紙を貼り付けてない面に接する多孔質体の表面にはその界面で薄膜が形成され、濾紙を貼り付けた面に接する多孔質体の表面には薄膜が形成されず、シルクフィブロインからなる薄膜面と多孔質面とを持つ多孔質体を作製できた。得られた多孔質体を水中に十分な時間浸漬することによりDMSOを除いた。得られた多孔質体であるシルクフィブロイン支持体の断面のSEM写真を図2に示す。図2において、21は薄膜面であり、22は多孔質面である。
本実施例では、実施例1で得られた多孔質体であるシルクフィブロイン支持体へ軟骨組織を形成する一例を示す。
実施例1で作製したシルクフィブロイン支持体を径8mmのディスク状にカットし(厚さ3mm)、日本白色家兎膝関節軟骨から調製した軟骨細胞を、その多孔質面へ1.5×10個/ディスク(径8mm、厚さ3mm)の濃度で播種し、細胞培養培地(DMEM、10%FBS)の中で、37℃、5%炭酸ガスの環境下、インキュベーター内、静置の条件下で2週間培養して、軟骨組織を形成せしめた。播種された軟骨細胞は、殆どが多孔質面の表層にあり、軟骨組織は、その細胞から多孔質面の表面上に形成された。かくして得られたシルクフィブロイン支持体の多孔質面上に形成された軟骨組織(Safran−O染色)のSEM写真を図3に示す。図3において、31は多孔質面であり、32は多孔質面上に形成された軟骨組織であり、Safran−O染色されたものである。
上記したように実施例1で作製したシルクフィブロイン支持体に軟骨細胞を播種して軟骨組織が得られたことから、軟骨細胞以外に、骨髄細胞、末梢単核細胞、骨髄単核細胞、体性幹細胞、及び多能性細胞から選ばれた細胞の所定量をシルクフィブロイン支持体の多孔質面へ播種すれば、同様にそれぞれの組織が形成され得る。
本実施例では、実施例2で形成された軟骨組織を用いて日本白色家兎への埋植実験を行った。
日本白色家兎を全身麻酔後、内側傍膝蓋アプローチにて膝関節を展開し、膝蓋骨関節面を露出後、両膝蓋骨関節面の軟骨組織を全て削り取った。片膝に対して、実施例2で得られたシルクフィブロイン支持体に形成された軟骨組織面を膝蓋骨関節面に向け関節面全面を覆うように薄膜面で縫着し、別の片膝に対しては、コントロールとして軟骨組織を形成していないシルクフィブロイン支持体を同様に縫着した。このようにして関節面に逢着固定する状態を図4に示す。次いで、膝蓋骨を整復し、皮膚を縫合し、飼育した。6週後に安楽死させ、組織を取り出し、その組織像を観察した。
術後翌日には、跳躍が可能となっていた。組織所見では、軟骨組織を形成したシルクフィブロイン支持体使用群では膝蓋骨関節面上に良好な硝子軟骨組織の形成が観察された。一方、コントロールとしたシルクフィブロイン支持体のみの使用群では、軟骨組織は観察されなかった。
上記のような治療を施した日本白色家兎について、膝蓋骨関節面の組織の組織像写真を図5(a−1)及び(a−2)並びに(b−1)及び(b−2)に示す。図5(a−1)及び(a−2)は、軟骨組織を形成したシルクフィブロイン支持体を使用した場合の組織像であり、また図5(b−1)及び(b−2)は、軟骨組織を形成していないシルクフィブロイン支持体を使用した場合の組織像であり、図5(a−1)及び(b−1)は、膝蓋骨関節面をH.E.染色した場合の組織像であり、また、図5(a−2)及び(b−2)は、軟骨組織をCollagen II免疫染色した場合の組織像を示す。図5において、51は、膝蓋骨関節面をH.E.染色した場合、52及び53は、軟骨組織をCollagen II染色した場合を示す。図5(a−2)と図5(b−2)とを比べれば明らかなように、軟骨組織を形成したシルクフィブロイン支持体を使用した場合、極めて良好な軟骨組織が再生していることが分かる。
また、上記検体の関節面全体の観察においても、軟骨組織を形成したシルクフィブロイン支持体使用群では、関節面全体にわたって良好な軟骨組織形成が観察された(図6)。
図6は、上記シルクフィブロイン支持体を使用した関節軟骨組織再生の状態を示す組織像写真である。図6(a)は、シルクフィブロイン支持体の移植前に関節全面の軟骨組織を除去した膝蓋骨の組織像を示し、図6(b)は、移植後6週間たった後の膝蓋骨の組織像を示すものであり、関節全面にわたって軟骨組織が再生していることが分かる。図6(a)及び(b)において、61及び62は、それぞれ、移植手術前後の軟骨部分について、H.E.染色した場合及びトルイジンブルー(Truidine blue)染色した場合を示し、63及び64は、それぞれ、移植手術前後の軟骨面(軟骨組織)についてCollagen II染色した場合を示す。図6(a)の63に示すように、完全に軟骨組織が取り除かれていることがわかり、また、図6(b)の64に示すように、関節全面に軟骨組織が再生していることが分かる。
従って、軟骨組織を有する本発明で製造された組織供給体を用いれば、軟骨組織全面にわたった広い創傷部がある場合にも対応できる。このような治療は、従来の手法では治癒困難な症例であったが、本発明によれば、極めて顕著な治癒効果を達成できることを示している。
なお、軟骨組織が形成された後、必要に応じて、シルクフィブロイン支持体を取り除くことができる。
日本白色家兎を用いて、以下の点を除いて実施例3記載の方法を繰り返し、家兎から取り出した組織について評価した。すなわち、実施例3の場合と同様に、実施例2で得られた軟骨組織が形成されたシルクフィブロイン支持体を用いて、膝蓋骨関節面における軟骨組織の再生(修復)状態を観察することに加えて、軟骨組織再生中の、創傷面の対面側の面(大腿骨側関節面)の関節軟骨の状態についても観察した。なお、コントロールとして、実施例3とは異なり、シルクフィブロイン支持体を使用せず、膝蓋骨関節面を削ったままの状態(軟骨欠損(severe OA)形成状態)の場合についても同様に観察した。
組織所見では、軟骨組織を形成したシルクフィブロイン支持体使用群では膝蓋骨関節面上に良好な硝子軟骨組織の形成が観察された。一方、コントロールとしたシルクフィブロイン支持体を用いない使用群では、軟骨組織は観察されなかった。
上記した膝蓋骨関節面及びその対面側の面の組織の組織像写真を図7(a−1)、(a−2)、(b−1)及び(b−2)に示す。図7(a−1)及び(a−2)は、軟骨組織を形成したシルクフィブロイン支持体を使用した場合の組織像であり、また図7(b−1)及び(b−2)は、シルクフィブロイン支持体を使用しなかった(コントロール)場合の組織像であり、図7(a−1)及び(b−1)は、膝蓋骨関節面及びその対面側の面をH.E.染色した場合の組織像であり、また、図7(a−2)及び(b−2)は、軟骨組織をCollagen II免疫染色した場合の組織像を示す。
図7(a−1)及び(a−2)から明らかなように、軟骨組織を形成したシルクフィブロイン支持体を使用した場合、膝蓋骨関節面における軟骨再生過程で極めて良好な軟骨組織が再生されており、膝蓋骨関節面における保護効果があることのみならず、その対面側の面(大腿骨側関節面)の関節軟骨も保護され、平滑に保たれていることが分かる。一方、図7(b−1)及び(b−2)から明らかなように、シルクフィブロイン支持体を使用せずに、軟骨欠損形成したままの場合、軟骨再生が得られないばかりか、欠損面で対面側の面が傷つけられて、大腿骨関節面が変形性関節症を示した。図7(a−1)、(a−2)、(b−1)及び(b−2)において、"Repaired cartilage (patella)"は、「再生軟骨(膝蓋骨面)」を意味し、"Caritlage of femur side was also smooth"は、「大腿骨面の軟骨は平滑であった」を意味し、"No repaired cartilage (patella)"は、「未再生軟骨面(膝蓋骨関節面)」を意味し、そして"Articular surface of femur showed OA change"は、「大腿骨関節面が変形性関節症を示した」ことを意味する。
従って、軟骨組織を有する本発明で製造された組織供給体を用いれば、膝蓋骨関節面における軟骨再生過程での軟骨の保護効果のみならず、この軟骨の対面側の軟骨も保護され、平滑に保たれることが分かる。このように、対面側の軟骨も保護されることから、本発明によれば、極めて顕著な治癒効果を達成できることを示している。
上記したように、実施例3及び4では、実施例2で形成された軟骨組織を用いて行った実験で関節全面に軟骨組織が再生していたことから、軟骨組織以外に、皮膚組織、骨組織、筋肉組織、筋膜組織、骨膜組織、脂肪組織、粘膜組織、漿膜組織、腱組織、腱鞘組織、角膜組織、鼓膜組織、血管外膜組織、神経組織、歯根膜組織、心筋組織、及び肝組織からなる群から選ばれた組織の再生にも同様に活用できる。
上記した本発明で製造された細胞・組織供給用支持体を用いて、人・動物等を治療する方法としての再生医療方法には、例えば軟骨細胞・組織を使用する場合、以下の過程が含まれる。
(1)細胞・組織供給用支持体への細胞の播種。
(2)関節形成術(骨の形成等による、力学的な関節環境の整備等)。
(3)軟骨再生促進手術(軟骨下骨の形成等)。
(4)細胞・組織供給体の患部への固定。
(5)手術後の関節運動指導。
患部近傍の骨髄中に十分な数の細胞が存在する場合には、上記の(1)は省略可能であり、上記(4)は細胞・組織供給用支持体の患部への固定とすればよい。また、(2)の関節形成術は、高位脛骨骨切り術等の関節周囲の形成術であり、(3)の軟骨再生促進手術は、アブレージョン手術等の軟骨下骨の形成であり、疾患部位の状態等により適宜選択される。さらに、(5)の手術後の関節運動指導方法には様々な方法が考えられる。よって、(4)細胞・組織供給用支持体の患部への固定までが上記で提案する主なる治療方法となる。ここで、アブレージョン手術とは、軟骨組織をある程度削る(切削)手術をいう。
骨は柔軟でありながら10MPa以上の高い応力を支えながら摺動を可能とさせる高い力学的な機能を有している。軟骨組織がこの力学的な機能を獲得するまでの間に、いかに荷重を支え関節運動を可能とさせるかが軟骨再生治療の要点となる。上記によって提案する治療方法では、多孔質体の薄膜面が軟骨組織となる細胞を患部から散逸させず、また、関節腔内に存在する他の細胞と患部とを隔離し、さらに、患部と関節相手面との接触や摺動による破壊を防ぐ役割を有している。よって、細胞・組織供給用支持体(細胞・組織供給体)は患部に密着して、強固に固定されなければならない。本発明で製造された細胞・組織供給支持体(組織供給体)を用いればそれが可能となる。
手術方法は、皮膚等を切開して患部近傍を開創し目視下に固定を行う公知の開創手術法と、内視鏡下に固定を行う公知の内視鏡下手術法とに分けることができる。開創手術法による固定では、縫合糸を用いて周囲軟部組織に縫着する固定と固定用デバイスを用いる固定が可能であるが、内視鏡下手術法による固定には、専用の固定用デバイスが必要となる。固定デバイスとしては、例えば、特開2006−230874の図2A〜Dに示す「組織欠損補綴材料固定用治具」を用いることにより、患部周辺を大きく開創することなく固定操作を行うことができる。この図2Aにおいて、参照番号2のアンカー部を骨内に挿入することによって、参照番号6の組織補綴材料である細胞・組織供給体は参照番号7の軟骨欠損部(患部)に強固に固定される。
細胞・組織供給体の固定部位は、例えば、膝関節、内果部、外果部、大腿膝蓋関節部、股関節部、その他すべての関節部位、また、組織の欠損した組織表面等である。
上記治療方法としては、例えば、本発明の薄膜面と多孔質面とを有する多孔質体からなる細胞・組織供給用支持体へ上記した本発明で適用可能な各種細胞を播種し、培養して対応する組織を形成させた細胞・組織供給体を製造し、この細胞・組織供給体を患者の形態や機能を失った組織、臓器、又は器官等の患部、例えば、膝関節、内果部、外果部、大腿膝蓋関節部、股関節部、その他すべての関節部位、また、組織の欠損した組織表面等の患部に薄膜面を利用して逢着・固定し、患部を治療することからなる。
上記治療方法において、患部近傍の骨髄中に十分な数の細胞が存在している場合には、本発明の薄膜面と多孔質面とを有する多孔質体からなる細胞・組織供給用支持体を患者の形態や機能を失った組織、臓器、器官の患部に薄膜面を利用して逢着・固定し、患部を治療してもよい。
上記治療方法において、細胞・組織供給用支持体又は細胞・組織供給体を患部へ固定する前に、例えば軟骨細胞・組織を使用する場合には、骨の形成等による、力学的な関節環境の整備等の関節形成術(例えば、高位脛骨骨切り術等の関節周囲の形成術)を、疾患部位の状態等により適宜選択して行い、次いで軟骨下骨の形成等の軟骨再生促進手術(例えば、アブレージョン手術等の軟骨下骨の形成手術)を、疾患部位の状態等により適宜選択して行い、その後に、細胞・組織供給用支持体又は細胞・組織供給体を患部へ逢着・固定する。そして、必要に応じて、手術後の所定の関節運動指導を行う。
以下、本発明に関連する事項を記載する。
本発明に関連する細胞又は組織供給用支持体は、粗面化した底面又は上面を有するモールド内で得られたシルクタンパク質からなる多孔質体であって、粗面化されていない面の側で得られた薄膜面と粗面化された面で得られた多孔質面とを有する多孔質体からなる。
本発明に関連する細胞又は組織供給体は、粗面化した底面又は上面を有するモールド内で得られたシルクタンパク質からなる多孔質体であって、粗面化されていない面の側で得られた薄膜面と粗面化された面の側で得られた多孔質面とを有する多孔質体の多孔質面に培養された細胞・組織を有することからなる。
上記粗面化した面が、濾紙、不織布、又は粗面フィルムを貼り付けることにより形成された面か、又は機械的処理や化学的処理により形成された面である。
前記細胞は、軟骨細胞、骨髄細胞、末梢単核細胞、骨髄単核細胞、体性幹細胞、及び多能性細胞からなる群から選ばれた細胞であり、前記組織は、軟骨組織、皮膚組織、骨組織、筋肉組織、筋膜組織、骨膜組織、脂肪組織、粘膜組織、漿膜組織、腱組織、腱鞘組織、角膜組織、鼓膜組織、血管外膜組織、神経組織、歯根膜組織、心筋組織、及び肝組織からなる群から選ばれた組織である。前記細胞が軟骨細胞であり、前記組織が軟骨組織であることが好ましい。
上記細胞又は組織供給体の製造方法は、上記した多孔質体の多孔質面に細胞を播種し、培養して組織を形成させることからなり、前記細胞が、軟骨細胞、骨髄細胞、末梢単核細胞、骨髄単核細胞、体性幹細胞、及び多能性細胞からなる群から選ばれた細胞であり、前記組織が、軟骨組織、皮膚組織、骨組織、筋肉組織、筋膜組織、骨膜組織、脂肪組織、粘膜組織、漿膜組織、腱組織、腱鞘組織、角膜組織、鼓膜組織、血管外膜組織、神経組織、歯根膜組織、心筋組織、及び肝組織からなる群から選ばれた組織であることからなる。前記細胞が軟骨細胞であり、かつ前記組織が軟骨組織であることが好ましい。
また、組織再生方法は、上記多孔質体の多孔質面に上記細胞を播種し、培養して上記組織を形成させることからなる。このようにして組織を形成させた後、得られた組織を組織欠損部へ適合することができる。
本発明によれば、薄膜面と多孔質面とを有する多孔質体からなる細胞・組織供給用支持体を用いて、各種細胞・組織の供給体を製造することができる。この細胞・組織供給体を用いれば、組織損傷部位への確実な縫合固定、損傷面への力学的負荷の低減、さらにこの多孔質体に予め細胞を播種し、組織形成をすることで、組織損傷部位での極めて良好な組織再生が行われ得る。従って、本発明は、細胞・組織の移植用供給体として、in vitroでの組織形成用の細胞足場材料として、また、細胞培養用担体等として、細胞操作の技術分野で有効に利用可能であると共に、再生された組織を用いて、最終的には再生医療の技術分野で有効に利用可能である。
1a 上部のアクリル板 1b 下部のアクリル板
2 スペーサー 3 空間
21 薄膜面 22 多孔質面
31 多孔質面 32 軟骨組織
51 H.E.染色された膝蓋骨関節面
52、53 Collagen II染色された軟骨組織
61 H.E.染色された移植手術前後の軟骨部分
62 トルイジンブルー染色された移植手術前後の軟骨部分
63 移植手術前の軟骨組織 64 移植手術後の軟骨組織

Claims (6)

  1. シルクタンパク質水溶液に対して0.05〜10容量%の水溶性有機溶媒を添加したものを、粗面化した底面又は上面を有するモールド内に入れ、これを一定時間凍結させ、次いで融解して、粗面化されていない面の側で得られた薄膜面と粗面化された面の側で得られた多孔質面とを有するシルクタンパク質からなる多孔質体を製造することを特徴とする多孔質体の製造方法。
  2. 前記粗面化した面が、濾紙、不織布、又は粗面フィルムを貼り付けることにより形成された面か、又は機械的処理や化学的処理により形成された面であることを特徴とする請求項記載の多孔質体の製造方法。
  3. シルクタンパク質水溶液に対して0.05〜10容量%の水溶性有機溶媒を添加したものを、粗面化した底面又は上面を有するモールド内に入れ、これを一定時間凍結させ、次いで融解して、粗面化されていない面の側で得られた薄膜面と粗面化された面の側で得られた多孔質面とを有する多孔質体からなる細胞又は組織供給用支持体を製造することを特徴とする細胞又は組織供給用支持体の製造方法
  4. 前記粗面化した面が、濾紙、不織布、又は粗面フィルムを貼り付けることにより形成された面か、又は機械的処理や化学的処理により形成された面であることを特徴とする請求項3記載の細胞又は組織供給用支持体の製造方法
  5. シルクタンパク質水溶液に対して0.05〜10容量%の水溶性有機溶媒を添加したものを、粗面化した底面又は上面を有するモールド内に入れ、これを一定時間凍結させ、次いで融解して、粗面化されていない面の側で得られた薄膜面と粗面化された面の側で得られた多孔質面とを有するシルクタンパク質である多孔質体の多孔質面に細胞を播種し、培養して組織を形成させることを特徴とする組織供給体の製造方法
  6. 前記粗面化した面が、濾紙、不織布、又は粗面フィルムを貼り付けることにより形成された面か、又は機械的処理や化学的処理により形成された面であることを特徴とする請求項記載の組織供給体の製造方法
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