JP5787523B2 - 1,3−ジオキソラン−2−オンを製造する際の高沸点分離のための膜分離法 - Google Patents

1,3−ジオキソラン−2−オンを製造する際の高沸点分離のための膜分離法 Download PDF

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Description

本発明は、反応帯域からの搬出物をポリマー副生成物の分離のために半透過性膜により分離に掛けることにより、1,3−ジオキソラン−2−オンを連続的に製造する方法に関する。
1,3−ジオキソラン−2−オン、例えばエチレンカーボネートまたはプロピレンカーボネートを、相応するオキシラン(例えば、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシド)と二酸化炭素とを液相中で、液相中で均一に存在する触媒の存在下に反応させることによって製造することは、公知である。このような方法は、例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第19819586号明細書A1中に記載されている。この場合、反応搬出物の後処理、即ち生成物の単離および反応帯域中への返送のための触媒の分離は、公知方法、例えば蒸留、抽出またはストリッピングにより行なわれる。通常の手段は、低沸点物および生成物の蒸留による分離ならびに引続く反応への触媒含有塔底生成物の返送を含む。前期手段の欠点は、反応の高沸点副生成物、例えば使用されるオキシランから生じる環状ポリエーテルおよび直鎖状ポリエーテルが反応系中で一定水準に達することである。約20000ダルトンまでの分子量を有する前記の高沸点物は、触媒の返送流中で上昇する粘度を導く。従って、蒸留による後処理の場合には、高沸点物の含量が増加した蒸留塔底物は、該蒸留塔底物中に含有されている触媒と一緒に規則的な間隔で排出されなければならない。これは、装置の必要とされる停止状態ならびに高沸点物の除去の際に生じる触媒損失および生成物損失によって経済的な不利益をまねく。前記欠点を有しない、1,3−ジオキソラン−2−オンを連続的に製造するための方法が必要とされる。
連続的な合成法の際に均一な触媒を分離するために半透過性膜を使用することは、公知である。この種の方法は、例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第10328713号明細書A1およびドイツ連邦共和国特許出願公開第10328715号明細書A1中に記載されている。しかし、この方法は、化学的な別の問題の設定、即ち少なくとも2個の官能基を有する、2つの末端オレフィンの付加を基礎としている。1,3−ジオキソラン−2−オンの製造に対して反応搬出物を後処理する場合、高沸点物は、一般に反応溶剤としても使用される1,3−ジオキソラン−2−オンおよび触媒との混合物で生じる。1,3−ジオキソラン−2−オンの形成は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第10328713号明細書A1およびドイツ連邦共和国特許出願公開第10328715号明細書A1中に記載される化学とは異なり平衡反応であるので、この場合には、逆反応の際に形成されるオキシランによって(例えば、膜の表面上および/または細孔内でのオキシランと反応性官能基との反応によって)、または膜上および膜内でのオキシランの高分子量生成物の堆積によって開始される、膜の不可逆的な封鎖を考慮に入れることができる。更に、この場合には、膜の表面上および/または細孔内に堆積される重合体の鎖長延長がさらにオキシランの付加によって、膜の不可逆的な封鎖に関連して不利な役を演じることを予想することができた。
ところで、意外なことに、1,3−ジオキソラン−2−オンの製造に対する反応搬出物から高沸点(高分子量)副生成物を膜分離法によって分離することが可能であることが見い出される。この場合、膜表面上および/または膜細孔内での重合体の堆積または形成による膜の透過性の著しい減少を生じることなしに、膜分離による滞留液からの高沸点物の分離が可能であることは、殊に意外なことである。従って、本発明による方法は、好ましくは形成されるポリマー副生成物を連続的に分離するためにも適している。装置の規則的な停止状態ならびに不経済な触媒損失は、回避させることができる。
従って、本発明の対象は、一般式I
Figure 0005787523
[式中、
1は、水素または1〜40個の炭素原子を有する有機基を表わし、
2およびR3は、互いに独立に水素またはC1〜C4アルキルを表わし、この場合R2およびR3は、互いに結合して5員環または6員環に変わっていてもよい]で示される1,3−ジオキソラン−2−オンを連続的に製造する方法であって、
a)反応帯域中で一般式II
Figure 0005787523
[式中、R1、R2およびR3は、前記の意味を有する]で示されるオキシランを二酸化炭素と液相中で、液相中で均一に存在する触媒の存在下で反応させ、
b)前記反応帯域から反応のポリマー副生成物を含有する液状搬出物を取り出し、透過液および滞留液の取得下に半透過性膜により分離を含む後処理に掛け、この場合ポリマー副生成物の高分子量含分は、膜によって引き留められ、および
c)滞留液からポリマー副生成物の高分子量含分を含有する排出流を準備することにより、一般式Iの1,3−ジオキソラン−2−オンを連続的に製造する方法である。
化合物(I)の製造は、高沸点の副生成物の形成を導き、この場合には、本質的に反応に使用されるオキシラン(II)に由来するオリゴマーおよび重合体が問題である。この場合には、直鎖状化合物ならびに環状化合物が問題である。前記の副生成物は、本発明の範囲内で「高沸点の副生成物」の概念に包括される。
連続的な反応の実施を前提として、本発明による方法の開始時には、最初に、反応帯域からの搬出物中に含有されているポリマー副生成物の分子量が、使用される膜の分離限界が達成されるまで増加する。その後に、高分子量含分の排出を前提として本質的に定常状態が生じ、即ち反応帯域からの搬出物中のポリマー副生成物の濃度は、本質的にもはや上昇しない。この場合、ポリマー副生成物の「高分子量含分」は、本発明の範囲内で膜によって引き留められる含分である。ポリマー副生成物の「低分子量含分」は、膜を通して透過液中に侵入する能力を有する含分に相当する(即ち、使用される膜の分離限界は、本発明の範囲内で何がポリマー副生成物の低分子量含分であり、何がポリマー副生成物の高分子量含分であるのかを定めている)。触媒と一緒に反応中に返送される低分子量含分から、さらにオキシランの付加によって再び高分子量副生成物が形成される。
工程b)での半透過性膜による分離のために、一般に他の成分として反応帯域からの液状搬出物中に含有されている触媒の少なくとも一部分および一般式Iの1,3−ジオキソラン−2−オン(生成物)を含有する流れが使用される。この場合、触媒および生成物は、好ましくは少なくとも部分的に透過液中に通過させる。好ましいのは、付加的にd)透過液を少なくとも部分的に工程a)での反応帯域中および/または工程b)での後処理に返送する方法である。
工程a)でのオキシラン(II)と二酸化炭素との反応は、1つ以上の(例えば、2個、3個の、または3個を上廻る)反応器を有することができる反応帯域中で行なわれる。反応器は、同一かまたは異なる反応器であることができる。前記反応器は、例えばそれぞれ同一かまたは異なる混合特性を有することができ、および/または取付け物によって1つまたは複数に区分することができる。式Iの1,3−ジオキソラン−2−オンを製造するのに適した耐圧性反応器は、当業者に公知である。そのために、気−液反応のために一般的に普通の反応器、例えば管状反応器、管束反応器、ガス循環型反応器、気泡塔、ループ型装置、攪拌釜(これは、攪拌釜カスケードとして構成されていてよい)、エアリフト反応器等が含まれる。
第1の部分で逆混合下で少なくとも80%のオキシランの変換率になるまで反応が行なわれ、第2の部分で逆混合しない条件下で反応が行なわれる、二つの部分に分かれた反応器中での反応に適した方法は、ドイツ連邦共和国特許第19819586号明細書中に記載されており、その際、二酸化炭素は、全反応帯域中でオキシランに対して向流で導かれ、この場合これらの刊行物は、参考のために引用されるものである。
工程a)での反応の際の温度は、一般に約60〜160℃、特に70〜150℃、特に有利に90〜145℃である。1個を上廻る反応器中での反応の実施の場合には、全ての後接続される反応器中で先行する反応器とは別の温度に調節することができる。1つの特殊な実施態様において、それぞれ後接続される反応器は、先行する反応器よりも高い温度で運転される。更に、全ての反応器は、異なる温度で運転される、2個またはそれを上廻る反応帯域を有することができる。即ち、例えば第2の反応帯域中で第1の反応帯域とは異なる温度、特に第1の反応帯域よりも高い温度に調節されることができるか、或いは全ての後続の反応帯域中で先行する反応帯域よりも高い温度に調節されることができ、例えばできるだけ完全な変換が達成される。
工程a)での反応圧力は、一般に約2〜50バール、特に有利に5〜40バール、殊に10〜30バールである。望ましい場合には、複数の反応器を使用する差異に全ての後続の反応器中で先行する反応器とは別の(特に、先行する反応器よりも高い)圧力に調節されることができる。
使用物質の二酸化炭素およびオキシランは、反応帯域中で並流または向流で導かれうる。また、二酸化炭素およびオキシランを反応帯域の1つの部分に並流で導き、別の部分に向流で導くという実施態様が可能である。好ましくは、二酸化炭素およびオキシランは、向流で全ての反応帯域中に導かれる。
本発明によれば、液状搬出物は、反応帯域から取り出され、次の後処理に使用される。付加的に、反応器の塔頂部から、または多数の反応器からなる反応帯域の場合には反応器の1つの塔頂部からガス状搬出物は、取り出されうる。このガス状搬出物は、未反応の二酸化炭素、ならびに場合により他のガス状成分、例えばオキシラン(II)および/または不活性物質(希ガス、窒素)を含有する。ガス状搬出物は、望ましい場合には、部分的にかまたは完全に再び反応帯域に供給されることができる。望ましい場合には、ガス状搬出物は、部分的にかまたは完全に排出されることができ、反応帯域中で不活性のガス状成分が一定水準に達することは、回避される。
本発明による方法のための触媒として、刊行物、例えば米国特許第2773070号明細書、米国特許第2773881号明細書、Chem. Lett. (1979) 第1261頁、Chem. Lett. (1977) 第517頁、ドイツ連邦共和国特許出願公開第3529263号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公告第1169459号明細書、欧州特許出願公開第069494号明細書または欧州特許第543249号明細書の記載から、この種の反応のために公知の触媒を使用することができる。特に、触媒としてオニウム塩または金属塩、またはこれらの混合物が使用される。
オニウム塩として、原理的に前記タイプの全ての化合物が適しており、その中で特に一般式IIIa〜IIIc
Figure 0005787523
[式中、置換基Rは、それぞれ1〜20個の炭素原子を有する同一かまたは異なる炭化水素基を表わし、この場合基R中のC原子の総和は、24以下であり、X−は、アニオン当量、特にハロゲン化物、殊に臭化物または沃化物を表わす]で示されるアンモニウム塩、ホスホニウム塩およびスルホニウム塩が適している。
好ましいのは、式IIIaのアンモニウム塩、殊にテトラエチルアンモニウムブロミドである。それと共に、基Rの3個の基がC1〜C4アルキル基、例えばメチルまたはエチルを表わし、第4の基Rがベンジルまたは非分枝鎖状C6〜C18アルキルを表わすような化合物IIIaが好ましい。
更に、触媒として好ましいのは、トリフェニルホスフィンに由来し、第4の置換基がC1〜C6アルキルブロミドでの四級化によって分子中に導入されるホスホニウム塩IIIbである。
適したスルホニウム塩IIIcは、例えば簡単に製造可能なトリメチルスルホニウムヨージドである。一般にアンモニウム塩およびホスホニウム塩は、スルホニウム塩よりも好適である。
一般に、化合物IIIa〜IIIc中の炭化水素基Rは、分枝鎖状または特に非分枝鎖状のC1〜C20アルキル基、アリールアルキル基、例えばベンジル基、シクロヘキシル基および芳香族基、例えばフェニル基またはp−トリル基を表わすことができる。更に、アルキル基Rは、例えばピペリジン環の形成下に互いに結合されていてもよい。アニオンとしては、ハロゲン化物以外に例えば硫酸塩および硝酸塩がこれに該当する。
しばしば、実際に特にオニウムブロミドの場合には、塩IIIa〜IIIc自体から出発する必要はなく、前記塩の前駆生成物、塩基および四級化試薬を使用することで十分であり、これらの前駆生成物、塩基および四級化試薬の中から、有効な四級化生成物IIIa〜IIIcは、現場で形成される。
金属塩として、アルカリ金属、アルカリ土類金属および塩に金属の塩、殊に2価の遷移金属の塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、マンガン(II)塩、鉄(II)塩、ニッケル(II)塩、銅(II)塩、亜鉛塩、カドミウム塩または鉛(II)塩がこれに該当する。前記塩のためのアニオンとして、硫酸塩、硝酸塩、燐酸塩、炭酸塩、酢酸塩、蟻酸塩ならびになかんずくハロゲン化物、例えば塩化物、臭化物および沃化物が適している。特に良好な結果は、亜鉛塩、例えば硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、燐酸亜鉛、炭酸亜鉛、酢酸亜鉛、蟻酸亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛または沃化亜鉛を用いて達成される。勿論、この種の金属塩の混合物も使用されることができ、同じことは、上記のオニウム塩についても言えることである。オニウム塩と金属塩との混合物も可能であり、若干の場合には、意外な利点を示す。
触媒として使用されるオニウム塩および/または金属塩の量は、一般に重要ではない。好ましくは、使用されるオキシラン(II)に対して約0.01〜3質量%が使用される。
1つの好ましい実施態様において、触媒としてアルカリ金属臭化物、アルカリ金属沃化物、テトラアルキルアンモニウムブロミド、テトラアルキルアンモニウムヨージド、2価金属のハロゲン化物またはこれらの混合物が使用される。
特に好ましい実施態様において、触媒としてオニウム塩、一般式IIIa〜IIIcのアンモニウム塩、ホスホニウム塩および/またはスルホニウム塩、および亜鉛塩、殊に上記に明示したものからなる混合物が使用される。この場合、亜鉛塩の有効量は、使用されるオキシランの反応性、オニウム塩の活性および他の反応条件に応じてオニウム塩1モル当たり0.1〜1.0モル、特に0.3〜0.7モルである。
本発明による方法に適した不活性溶剤は、例えばジオキサン、トルエンまたはアセトンである。反応のために溶剤を使用する場合には、溶剤は、通常、使用されるオキシラン(II)に対して約10〜100質量%の量で使用される。方法生成物Iが反応条件下で液状である場合には、好ましくは、この方法生成物Iは、溶剤、有利に唯一の溶剤として使用される。このような場合には、触媒を方法生成物中に溶解し、この溶液を供給することは、有利であることが証明され、この場合には、実際に他の溶剤は、反応器中に供給されていない。この場合、方法生成物(I)I中での触媒の濃度は、通常、0.5〜20質量%、殊に1〜15質量%である。同じ時間単位で供給される反応体量(II)と触媒と共に供給される方法生成物(I)とのモル比は、一般に100:1〜1:1、殊に50:1〜2:1である。
本発明による方法の場合、反応体流は、オキシラン(II)および二酸化炭素に対して特に1:1〜1:1.05、殊に1:1〜1:1.02のモル比で使用される。二酸化炭素の可能な限り僅かな過剰量は、好ましいことであり、反応帯域からの搬出物の放圧の際に二酸化炭素の損失は、補償される。
通常、本発明による方法で実際に(II)の定量的な変換率、一般に少なくとも99%、殊に少なくとも99.5%、なかんずく少なくとも99.9%が達成される。
適した基R1は、次の通りである:
水素、
40個までのC原子、殊に18個までのC原子を有する飽和および不飽和の分枝鎖状および非分枝鎖状の脂肪族基、特に5〜7個の環員を有する同素環式またはヘテロ環式の脂環式基、
同素環式またはヘテロ環式の芳香族基および
前記種類の基との混合される基、例えば芳香脂肪族基、例えばベンジル基。
水素とは異なる基R1は、1個またはそれを上廻る置換基、例えばハロゲン、ニトロ基、遊離アミノ基または置換アミノ基、ヒドロキシル基、ホルミル基またはシアン基を有することができるか、またはエーテル基、ケトン基またはエステル基を含有することができる。好ましくは、R1は、水素を表わす。
基R2およびR3は、一般に水素またはメチル基ならびに相互に5員環または6員環に結合されている基であり、そのために化合物IIとしてのシクロヘキセンオキシドは、1つの例である。IIがそれぞれ(CH2−)基を有するオキシラン環を含有する場合には、相応するビス−ジオキソランI:2個のC原子で置換されるオキシラン環は、一般にC原子の1個だけで置換されているものよりも緩徐に攻撃される。好ましくは、オキシラン(II)としてエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド、特にエチレンオキシドが使用される。
1つの好ましい実施態様において、本発明による方法によりエチレンカーボネートまたはプロピレンカーボネートが製造される。
本発明によれば、反応帯域から液状の流れは、搬出物として取り出され、後処理に掛けられる(=本発明による方法の工程b))。
反応帯域から取り出される液状の搬出物は、一般に次の成分を含有する:
式Iの1,3−ジオキソラン−2−オン、
触媒、
ポリマー副生成物、
場合によっては反応に使用される溶剤、
場合によっては溶解される二酸化炭素、
場合によっては式IIの溶解されるオキシラン。
工程b)での後処理は、1つの本質的な工程として膜分離法を含む。この場合、好ましくは、触媒貧有または理想的には触媒不含の高沸点物排出が可能になる限り、反応に使用される触媒および反応の際に形成される高沸点物を分離することに成功する。
特に、透過液(多段膜分離の場合に、全ての段に対して)は、膜分離に使用される流れ中に含有されている触媒を少なくとも70質量%、特に有利に80質量%、殊に少なくとも90質量%含有する。
特に、反応帯域からの搬出物は、反応搬出物の全質量に対して最大6質量%、特に有利に最大5質量%、殊に最大4質量%のポリマー副生成物の割合を有する。
特に、工程b)での膜分離のために、反応帯域からの液状の搬出物がそのまま使用されるのではなく、この液状の搬出物は、最初に該搬出物中に含有されている成分の一部分の分離に掛けられる。好ましくは、工程b)で反応帯域からの搬出物から、本質的に化合物(I)、触媒およびポリマー副生成物からなる流れが分離される。次に、この流れは、少なくとも部分的に半透過性膜により分離に掛けられる。1つの特殊な実施態様において、この流れは、第1の部分流と第2の部分流とに分けられ、この場合第1の部分流は、反応帯域中に返送され、第2の部分流は、半透過性膜により分離に掛けられる。
好ましくは、反応帯域からの搬出物から、膜分離前に該搬出物中に溶解されている二酸化炭素および/または式IIのオキシランが少なくとも部分的に分離される。
更に、好ましくは、反応帯域からの搬出物から膜分離法前に、本質的に反応生成物、即ち化合物(I)からなる流れが分離される。
前記したように、二酸化炭素および/またはオキシランの分離は、反応帯域からの別々のガス状搬出物を介して行なうことができる。本発明による方法が純粋な液体搬出法として構成されている場合には、反応帯域からの搬出物は、該搬出物中に溶解されている二酸化炭素および/またはオキシラン(II)の分離のために最初に放圧工程に掛けられてよい。更に、この場合には、一般に、本質的に化合物(I)、ポリマー副生成物、均一に溶解された触媒および場合によっては微少量の溶解された二酸化炭素および/またはオキシラン(II)からなる液相と、本質的に二酸化炭素および/またはオキシラン(II)からなる気相とに分離される。放圧工程で生じる気相は、部分的または完全に反応帯域中に返送されることができる。この返送は、反応帯域中に供給されるガス流と一緒に行なってもよいし、別々に行なってもよい。放圧工程で得られた液相は、特に当業者に公知の常法により、さらに分離に掛けられる。好ましくは、液相は、本質的に化合物(I)からなる流れと本質的に化合物(I)、触媒およびポリマー副生成物からなる流れを維持しながら蒸留に掛けられる。更に、最後の流れは、膜分離のために使用されてよい。
特に、この流れは、本質的に化合物(I)、触媒およびポリマー副生成物からなる流れの全質量に対して最大30質量%、有利に最大25質量%、特に有利に最大20質量%の高沸点副生成物の割合を有する。
1つの特殊な実施態様において、最後の流れは、第1の部分流と第2の部分流とに分けられ、この場合第1の部分流は、反応帯域中に返送され、第2の部分流は、膜分離のために使用される。
他の選択可能な方法によれば、反応帯域からの搬出物は、
本質的に未反応の二酸化炭素および/またはオキシラン(II)からなる流れと、
本質的に化合物(I)からなる流れと、
本質的に化合物(I)、触媒およびポリマー副生成物からなる流れへの蒸留分離に直接掛けられる。
反応搬出物の蒸留分離は、当業者に公知の常法により行なうことができる。蒸留分離に適した装置は、蒸留塔、例えば泡鐘、棚板、棚段、充填体、取付け物、弁、側方流出管等を装備していてよい棚段塔を含む。特に、側方流出管、返送管等を装備していてよい分離壁塔が適している。蒸留のために、2個または2個を上廻る蒸留塔からなる組合せが使用されてよい。更に、蒸発器、例えば薄膜蒸発器、流下薄膜式蒸発器、サムベイ(Sambay)蒸発器等およびこれらの組合せが適している。
蒸留は、特に約30〜160℃、特に有利に50〜150℃、殊に70〜140℃の範囲内の塔底温度で行なわれる。
蒸留は、常圧下、高められた圧力下または減圧下で実施されてよい。特に、蒸留の際の圧力は、約0.0005バール〜1.5バール、特に有利に0.001バール〜1.2バール、殊に0.01バール〜1.1バールの範囲内にある。
ポリマー副生成物の分離のために、反応帯域の搬出物から得られた、付加的に化合物(I)および触媒を含有する流れは、圧力下で膜と接触され、ポリマー副生成物の低分子量含分および溶解された触媒を含有する透過液(濾液)は、膜の裏面上で供給側よりも低い圧力で取り出される。滞留液として、触媒含量が減少された、ポリマー副生成物(高沸点不純物)の高分子量含分の濃縮された溶液が得られる。
1つの好ましい実施態様において、膜による分離は、工程b)で2段または2段を上廻る段(例えば、3段、4段、5段または6段)で行なわれる。
1つの好ましい実施態様において、膜分離の際に分離される、透過液の量は、少なくとも部分的に液体の添加によって滞留液中に補充される。この補充は、連続的または非連続的に行なうことができる。引き留められた物質が濃縮されずに、分離された量の透過液が補充される膜分離(限外濾過)は、ダイアフィルトレーションとも呼称されている。工程b)で膜による分離が2段または2段を上廻る段で行なわれる場合には、1段、段の一部分または全ての段は、ダイアフィルトレーションとして構成されていてよい。反応のための溶剤として生成物(I)が使用される場合には、ダイアフィルトレーションの際の付加的に供給される液体として特に化合物(I)も使用される。
更に、好ましい実施態様において、工程b)での膜分離の際に透過液と分離された量の液体は、補充されない。分離された量の透過液が補充されない限外濾過は、本発明によれば、濃縮と呼称される。工程b)での膜による分離が2段または2段を上廻る段で行なわれる場合には、1段、段の一部分または全ての段は、濃縮として構成されていてよい。
1つの好ましい実施態様において、膜分離は、一列に接続されている複数の段を含む。この場合、供給原料流は、第1の膜分離(第1の段)に供給され、この場合生じる滞留液の流れは、後続の段に供給される。最終的に、最後の段から取り出される滞留液の流れは、ポリマー副生成物の高分子量含分を含有する排出流、および化合物(I)および/または溶剤の含量が増加した流れを取得するための後処理に掛けられる。
1つの特殊な実施態様において、工程b)での膜による分離は、最初に少なくとも1つの濃縮工程を含み、引続き少なくとも1つのダイアフィルトレーション工程を含む。
更に、工程b)での膜による分離は、連続的に行なうのが好ましい。
適した半透過性膜は、反応媒体中に均一に存在する触媒にとって十分な透過率を有する。その上、この半透過性膜は、反応媒体中に含有されている、ポリマー副生成物の高分子量含分にとって十分な保持能力を有し、即ちこの半透過性膜は、例えばオキシラン(II)のオリゴマー化またはポリマー化よって形成される高分子量化合物を引き留める能力を有している。
膜分離のために、500〜20000ダルトン、有利に750〜10000ダルトン、殊に1000〜5000ダルトンの範囲内の分離限界を有する少なくとも1つの膜が使用される。膜の中程度の平均細孔径は、一般に0.8〜20nm、特に0.9〜10nm、特に有利に1〜5nmである。
本発明により使用される半透過性膜は、少なくとも1つの分離層を有し、この分離層は、1つ以上の材料からなることができる。この材料は、特に有機ポリマー、セラミック材料、金属、炭素およびその組合せから選択される。適した材料は、濾過温度で供給原料媒体中で安定である。好ましいのは、少なくとも1つの無機材料からなる膜である。
適したセラミック材料は、例えばα−酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、二酸化チタン、炭化珪素または混合されたセラミック材料である。
適した有機ポリマーは、例えばポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンジフルオリド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアクリルニトリル、再生セルロース、シリコーンポリマーである。
特に有利には、本発明による方法において、複数の層から形成された無機膜が使用される。
分離層は、機械的理由から一般に、同一かまたは複数の異なる材料からなる、単層または多層の多孔質下部構造体上、例えば分離層上に施こされている。可能な材料の組合せの例は、次の表中に記載されている。
Figure 0005787523
特に好ましいのは、セラミックからなる分離層である。
膜は、原理的に平面状、管状、マルチチャンネルエレメント状、毛管状または湿布状の幾何学的形状で使用されてよく、滞留液と透過液との分離を可能にする、相応する圧力ケーシングに使用可能である。
滞留液と透過液との間の最適な膜内外圧力は、膜細孔の直径、被覆層の構成に影響を及ぼす流体力学的条件および濾過温度での膜の機械的安定性に依存する。この膜内外圧力は、一般に0.2〜30バールの範囲内、特に有利に0.5〜20バールの範囲内にある。よりいっそう高い膜内外圧力は、一般によりいっそう多量の透過液の流れを導く。この場合、複数のモジュールがシリーズで接続されている場合には、全てのモジュールのための膜内外圧力は、透過液の圧力を上昇させることによって減少させることができ、それによって適合させることができる。運転温度は、供給原料の膜安定性および温度安定性に依存する。工程b)での膜分離に適した温度範囲は、20〜90℃、有利に40〜80℃である。この場合、生成物の融点は、前記温度範囲を制限することができる。よりいっそう高い温度は、一般によりいっそう多量の透過液の流れを導く。達成可能な透過液の流れは、使用される膜の種類および膜の幾何学的形状、プロセス条件、供給原料の組成(本質的にポリマー濃度)に著しく依存する。前記流れは、典型的には0.5〜100kg/m2/h、有利に1〜50kg/m2/hの範囲内にある。
例えば、次の膜が使用可能である:
Figure 0005787523
工程b)での膜分離は、別の方法で連続的な反応の実施の際に、例えば膜モジュールへの数回の通過によって非連続的に行なうこともできる。特に、工程b)での膜分離は、連続的に、例えば順次に接続された1つ以上の膜分離段の1回の通過によって行なわれる。
透過液の流れの減少をまねきうる、膜表面上でのポリマー副生成物の引き留められた高分子量含分からなる被覆層の言うに値する構造を回避させるために、ポンプ循環、膜の機械的運動または膜間での攪拌装置の使用は、有用であることが証明された。この手段は、0.1〜10m/秒の範囲内の膜と分離すべき反応搬出物との間の相対速度を形成させるために使用される。
高沸点不純物は、滞留液から自体公知の方法によって分離されることができる。特に、滞留液は、高沸点化合物の含量が増加した排出流および化合物(I)の含量が増加した流れの取得下に蒸留に掛けられる。蒸留は、自体公知の装置を用いて、例えば少なくとも1つの短路蒸発器を使用することによって行なうことができる。
以下、本発明は、本発明による方法の好ましい実施態様を表わす図につき詳説されるが、しかし、本発明は、これに限定されるものではない。
本発明による方法の実施に適した装置を示す略図。 連続的に運転される2段の膜カスケードを示す略図。 実施例中で使用される装置を示す略図。
図1は、本発明による方法の実施に適した装置の系統図を表わし、この場合分かり易さの理由から、本発明の説明に適切でない詳細の記載は、省略した。この装置は、反応帯域(1)を含み、この反応帯域(1)は、少なくとも1つの反応器を含む。オキシラン(例えば、エチレンオキシド)は、管路(2)を介して反応帯域(1)中に導入され、CO2は、管路(3)を介して反応帯域(1)中に導入される。搬出物(4)は、反応帯域(1)から出発する管路を介して反応器(1)から取り出され、後処理工程(5)に供給される。1つの特殊な実施態様において、搬出物(4)は、最初に放圧容器(図示されていない)に供給され、この場合二酸化炭素含有気相と液相への相分離が行なわれ、引続き後処理工程(5)でのさらなる後処理に供給される。放圧の際に得られた気相は、付加的に未反応のオキシランの含分を含有していてよい。後処理工程(5)で、反応搬出物(即ち、本質的に二酸化炭素および/またはオキシランからなる)の低沸点成分からなる気相(6)と、本質的に1,3−ジオキソラン−2−オン(例えば、エチレンカーボネート)からなる流れ(7)と、本質的に1,3−ジオキソラン−2−オン、触媒および反応のポリマー副生成物からなる塔底生成物(8)との取得下に蒸留分離が行なわれる。触媒およびポリマー副生成物を含有する流れ(8)は、反応帯域(1)中に返送される第1の部分流(8a)と膜分離(9)に供給される第2の部分流(8b)とに分けられる。この場合、膜分離(9)は、一工程または多工程で実施されてよい。膜分離(9)において、滞留液の流れ(10)が得られ、この滞留液の流れ(10)は、半透過成膜によって引き留められた、反応搬出物の高沸点含分ならびにオキシランおよび場合によっては微少量の分離されていない触媒を含有する。この滞留液の流れ(10)は、後処理工程(11)に供給され、この後処理工程は、特殊な実施態様において短路蒸発器として実施されている。後処理工程(11)で得られた高沸点物の流れ(12)は、本方法から排出される。同様に得られた、1,3−ジオキソラン−2−オンの含量が増加した流れ(13)は、再び膜分離(9)に供給される。膜分離(9)の際に得られた、本質的に1,3−ジオキソラン−2−オン、触媒ならびに膜分離(9)で引き留められなかった高沸点物含分からなる透過液(14)は、第1の実施態様において後処理工程(5)に返送される。第2の(図示されていない)実施態様において、透過液の流れ(14)は、反応帯域(1)中に返送される。必要な場合には、供給流(15)により新しい触媒を反応帯域(1)中に供給することができる。
図2は、連続的に運転される2工程の膜カスケードにより、触媒含有の流れと高沸点物含有の流れとに分離する好ましい実施態様を略示的に示し、この場合2つの工程は、濃縮工程(溶剤の流れ=0)またはダイアフィルトレーション工程(溶剤の流れ=透過液の流れ)として構成されていてもよいし、濃縮工程とダイアフィルトレーション工程との混合形(0<溶剤の流れ<透過液の流れ)として構成されていてもよい。
1工程に対して連続的に運転される膜工程に関しては、次の通りである:
LM=溶剤、
Perm=透過液、
ダイアフィルトレーション:LM流=Perm流、
濃縮:LM流=0、
ダイアフィルトレーションと濃縮との混合形:0<LM流<Perm流。
この場合、濃縮およびダイアフィルトレーションのための定義は、形成された連続的運転形式および同様に適したバッチ運転形式とは区別される:
連続的運転形式:
ダイアフィルトレーション:LM流=Perm流、
混合形:0<LM流<Perm流、
濃縮:LM流=0、
バッチ運転形式:
ダイアフィルトレーション:LM流=Perm流、
濃縮:LM流=0。
図3は、実施例中で使用されかつバッチ運転形式で運転される装置を略示する。
B1=循環路容器、
B2=ダイアフィルトレーション媒体のための受器、
B3=透過液捕集容器(計量器上での透過液流の測定のため)、
P1=循環路ポンプ、
P2=計量供給ポンプ、
W1=熱交換器、
P=圧力測定、
T=温度測定、
F=流量測定。
次に、本発明を、限定するものでない実施例により詳細に説明する。
触媒のポリマー副生成物の高分子量含分ならびにポリマー副生成物の低分子量含分を分離するための試験は、Inopor GmbH社のセラミック多層膜を用いて行なわれ、このセラミック多層膜の二酸化ジルコニウム分離層は、3nmの平均孔径および2kDの分子分離限界を有する。50cmの長さおよび0.098m2の面積を有する19/3.5マルチチャンネルエレメント(1つのエレメント中には、3.5mmの内径を有する19個の穿孔が存在し、この穿孔の内面上には、膜が施こされている)が使用された。蒸留により低沸点物が取り除かれ、かつエチレンカーボネートが部分的に蒸留により分離された、エチレンカーボネート合成(触媒:ブロミド塩混合物)からの触媒含有反応器が使用された。
このエチレンカーボネート含有装入物、触媒含有装入物およびポリマー含有装入物は、全ての試験において回分的に後処理された。そのために、使用された材料は、循環路容器からポンプで15バールの圧力にもたらされ、70℃の温度および2m/秒の速度でメンブラン管に導通され、その後に再び常圧で放圧され、および循環路容器中に返送される。常圧で分離された透過液の場合、容器中での透過液流の測定のために計量器上で捕集され、連続的に同じ大量のダイアフィルトレーション媒体(全ての試験において、エチレンカーボネート)によって代替された。ダイアフィルトレーションは、一般に約3の溶剤交換係数MAで行なわれる。即ち、xkgの装入物の場合には、透過液3x kgが取り出され、エチレンカーボネート3x kgは、滞留液量が一定のままであるように滞留液に供給された。試験の終結時に、装入物(供給原料)および搬出物(滞留液)が分析された。触媒分析のために、触媒塩混合物(臭化物)の共通のアニオンが使用された。
Figure 0005787523
この試験は、触媒含有装入物およびポリマー含有装入物から触媒およびポリマー副生成物の低分子量含分の含量を増加させることができ、ポリマー副生成物の高分子量含分は、膜によって引き留められることを示す。それによって、触媒貧有のポリマー含有およびエチレンカーボネート含有の流れをポリマー副生成物の高分子量含分の排出のために準備することが可能になる。

Claims (21)

  1. 一般式I
    Figure 0005787523
    [式中、
    1は、水素または1〜40個の炭素原子を有する有機基を表わし、
    2およびR3は、互いに独立に水素またはC1〜C4アルキルを表わし、この場合R2およびR3は、互いに結合して5員環または6員環に変わっていてもよい]で示される1,3−ジオキソラン−2−オンを連続的に製造する方法であって、
    a)反応帯域中で一般式II
    Figure 0005787523
    [式中、R1、R2およびR3は、前記の意味を有する]で示されるオキシランを二酸化炭素と液相中で、液相中で均一に存在する触媒の存在下で反応させ、一般式Iで示される1,3−ジオキソラン−2−オンを生成させ、
    b)前記反応帯域から反応のポリマー副生成物を含有する液状搬出物を取り出し、半透過性膜による分離により、透過液および滞留液を得ることを含む後処理に掛け、この場合ポリマー副生成物の高分子量含分は、膜によって引き留められ、
    ここで、工程b)において、該反応帯域からの搬出物から、本質的に化合物(I)、触媒およびポリマー副生成物からなる流れを分離し、少なくとも部分的に半透過性膜による分離に掛け、この場合触媒は、少なくとも部分的に透過液中に移行し、ここで、透過液は、膜分離に使用される流れ中に含有されている触媒を少なくとも70質量%含有し、および
    c)滞留液からポリマー副生成物の高分子量含分を含有する排出流を分離することにより、一般式Iで示される1,3−ジオキソラン−2−オンを連続的に製造する方法。
  2. 式(I)および式(II)において、R1は、水素または18個までのC原子を有する飽和または不飽和の分枝鎖状または非分枝鎖状の脂肪族基を表わし、
    2およびR3は、互いに独立に水素またはC1〜C4アルキルを表わす、請求項1記載の方法。
  3. 工程b)で副生成物の低分子量含分を透過液中に移行させる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 付加的に、d)透過液を少なくとも部分的に工程a)での反応帯域中および/または工程b)での後処理に返送する、請求項1記載の方法。
  5. 反応帯域からの搬出物と分離された、本質的に化合物(I)、触媒およびポリマー副生成物からなる流れを部分的に反応帯域中に返送する、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 本質的に化合物(I)、触媒およびポリマー副生成物からなる流れを、反応帯域からの搬出物から、本質的に未反応の二酸化炭素および/または式(II)のオキシランからなるガス状の流れおよび本質的に化合物(I)からなる流れを分離することによって得る、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 反応帯域からの搬出物を最初に放圧工程に掛け、この場合本質的に化合物(I)、ポリマー副生成物、均一に溶解された触媒および場合によっては微少量の溶解された二酸化炭素および/またはオキシラン(II)からなる液相と、本質的に二酸化炭素および/またはオキシラン(II)からなる気相との分離を行ない、この液相を蒸留して、本質的に化合物(I)からなる流れおよび本質的に化合物(I)、触媒およびポリマー副生成物からなる流れを取得する、請求項6記載の方法。
  8. 反応帯域からの搬出物を、本質的に未反応の二酸化炭素および/またはオキシラン(II)からなる流れと本質的に化合物(I)からなる流れと本質的に化合物(I)、触媒およびポリマー副生成物からなる流れへの蒸留による分離に掛ける、請求項6記載の方法。
  9. 工程b)での膜による分離を2工程またはそれを上廻る工程で行なう、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
  10. 工程b)での分離は、少なくとも1つのダイアフィルトレーション工程を含み、この場合透過液で分離された量の液体は、滞留液側で少なくとも部分的に付加的に供給される液体によって補充される、請求項9記載の方法。
  11. 付加的に供給される液体として化合物(I)を使用する、請求項10記載の方法。
  12. 工程b)での分離は、少なくとも1つの濃縮工程を含み、この場合透過液で分離された量の液体は、付加的に供給される液体によって補充されない、請求項9記載の方法。
  13. 工程b)での分離は、ダイアフィルトレーション工程と濃縮工程からなる混合形を含み、この場合透過液で分離された量の液体は、部分的に、付加的に供給される液体によって補充される、請求項9記載の方法。
  14. 膜分離の段は、一列に接続されている、請求項9から13までのいずれか1項に記載の方法。
  15. 膜による分離は、最初に少なくとも1つの濃縮工程を含み、引続き少なくとも1つのダイアフィルトレーション工程を含む、請求項9から14までのいずれか1項に記載の方法。
  16. 膜による分離を工程b)で連続的に実施する、請求項1から15までのいずれか1項に記載の方法。
  17. 膜分離のために、500〜20000ダルトンの範囲内の分離限界を有する少なくとも1つの膜を使用する、請求項1から16までのいずれか1項に記載の方法。
  18. 膜分離のために、0.8〜20nmの範囲内の孔径を有する少なくとも1つの膜を使用する、請求項1から17までのいずれか1項に記載の方法。
  19. 膜分離のためにポリマー膜または無機膜を使用する、請求項1から18までのいずれか1項に記載の方法。
  20. 膜分離のために多数の層から構成された少なくとも1つの無機膜を使用する、請求項1から19までのいずれか1項に記載の方法。
  21. エチレンカーボネートまたはプロピレンカーボネートを製造するための請求項1から20までのいずれか1項に記載の方法。
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