JP5781833B2 - 薄膜形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、酸化シリコンや酸窒化シリコンなどのシリコンの化合物からなる薄膜を円形基板の上に形成する薄膜形成方法に関するものである。
今日の光通信ネットワークにおいて、導波路型光デバイスは重要な役割を担っている。ここで使われている光導波路のコアおよびクラッドは、石英系膜(シリコン酸化膜など)で形成されている。これらの膜は、熱CVD法の一種である火炎堆積法により形成(成膜)されている。この火炎堆積法は、1000℃以上の高温で成膜を行う必要があるが、コアおよびクラッドとする膜の屈折率を高い精度で制御でき、ウエハ(円形基板)面内の膜厚、屈折率の均一性が非常に高いという優れた成膜法である。火炎堆積法が開発されたことで、光通信ネットワークを支える高性能の光デバイスが提供されるようになった。
近年では、通信のさらなる大容量化、高速化に対応するため、石英系導波路光デバイスを、シリコン導波路光デバイスあるいはシリコン電気デバイスとともに、シリコンプラットフォーム上にモノリシック集積し、通信デバイスのさらなる高機能化、低消費電力化を目指す研究開発が盛んになってきている。シリコン光デバイス、シリコン電気デバイスに石英系導波路光回路をモノリシック集積するためには、シリコンデバイスに損傷を与えない低温で石英系膜を成膜することが必要である。このために、火炎堆積法に変わり、低温で成膜可能なプラズマCVD法による導波路膜の形成が検討されてきている(特許文献1参照)。
プラズマCVD法による導波路用の薄膜形成の一例として、電子サイクロトロン共鳴(ECR)によるプラズマを用いたCVD法がある。このECRプラズマCVD法では、例えば、図9に例示するECRプラズマCVD装置が用いられている。この装置を用いた成膜では、まず、成膜ガスとマイクロ波をプラズマ源901に導入してプラズマ910を生成する。次に、生成したプラズマ910を成膜室902に引き出し、成膜室902に配置したシリコンもしくは石英からなる円形の基板909に照射し、基板909の上に、数μmから十数μmの導波路膜を形成する。
特開平5−181031号公報
しかしながら、プラズマは、装置の形状やガスの流れなどの影響を受けて円形基板の全域で均一に生成することが難しいため、プラズマCVD法による成膜は、円形基板内で膜の厚みや屈折率に分布が発生しやすい。電子デバイスとは異なり、光デバイスでは、膜厚だけでなく膜の屈折率に少し違いがでただけでもデバイス特性に大きな影響が発生する。このため、プラズマCVD法により形成した導波路膜を用いた導波路デバイスでは、円形基板内で特性にばらつきが出てしまうという問題があった。
さらに、電子デバイスで使われている8インチ、12インチと径が大きい円形基板に対応するため、生成するプラズマの領域をより広くすると、均一性の問題がより顕著になり、光デバイスと電子デバイスをモノリシック融合する上での大きな妨げになっていた。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、より低温で実用レベルの膜厚と屈折率の均一な導波路膜を、径の大きい円形基板においても形成できるようにすることを目的とする。
本発明に係る薄膜形成方法は、第1方向の幅が成膜対象の円形基板の直径より長く、第1方向に直交する第2方向の長さが円形基板の直径より短いプラズマ照射領域で原料ガスのプラズマを照射している状態で、プラズマ照射領域に対して相対的に第2方向に円形基板を移動させる第1工程と、プラズマの照射により円形基板の上にシリコンの化合物からなる薄膜を形成する第2工程とを少なくとも備える。
上記薄膜形成方法において、プラズマ照射領域以外にまで円形基板を移動させる往復移動を第2方向に行うことで、円形基板にプラズマを照射し、円形基板の上に薄膜を形成し、往復移動の回数および移動速度により円形基板の成膜中の温度および薄膜の厚さをそれぞれ所望の値に制御する。
上記薄膜形成方法において、第1方向の幅が成膜対象の円形基板の直径より長く、第1方向に直交する第2方向の長さが円形基板の直径より短い領域でプラズマを生成することで、プラズマ照射領域におけるプラズマの照射を行えばよい。また、生成されたプラズマを、第1方向の幅が成膜対象の円形基板の直径より長く、第1方向に直交する第2方向の長さが円形基板の直径より短い領域の引き出し部から引き出すことで、プラズマ照射領域におけるプラズマの照射を行うようにしてもよい。
なお、薄膜形成装置は、第1方向の幅が成膜対象の円形基板の直径より長く、第1方向に直交する第2方向の長さが円形基板の直径より短いプラズマ照射領域で原料ガスのプラズマを照射するプラズマ照射手段と、プラズマ照射領域に対して相対的に第2方向に、プラズマ照射領域以外にまで円形基板を往復移動させる照射領域移動手段とを少なくとも備え、プラズマとしてECRプラズマを発生させるプラズマ生成室と、円形基板が設置され、照射領域移動手段を収容する反応室とをさらに備え、原料ガスが反応室の側よりプラズマ生成室に導かれ、プラズマ照射手段は、プラズマ生成室で発生したプラズマを照射する。
以上説明した本発明によれば、より低温で実用レベルの膜厚と屈折率の均一な導波路膜を、径の大きい円形基板においても形成できるようになるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態における薄膜形成方法を説明するためのフローチャートである。 図2は、本発明の実施の形態におけるプラズマ照射領域について説明するための斜視図である。 図3は、本発明の実施の形態における薄膜形成装置の構成例を示す構成図である。 図4は、円形基板がプラズマ照射領域を1回通過するように移動したときと2回通過するように移動(往復移動)したときでの、膜厚の分布を比較した結果を示す特性図である。 図5は、円形基板がプラズマ照射領域を1回通過するように移動したときと2回通過するように移動(往復移動)したときでの、屈折率の分布を比較した結果を示す特性図である。 図6は、シランガスの流量を固定し、酸素ガスの流量を変化させてシリコン酸化膜を形成したときの、形成されるシリコン酸化膜の屈折率変化を示す特性図である。 図7は、シランガスの流量を固定し、酸素ガスと窒素ガスとの流量比を変化させたときの、形成されるSiON膜の屈折率変化を示す特性図である。 図8は、アルゴンガスの添加流量に対する、膜厚および屈折率の面内分布の変化を示す特性図である。 図9は、ECRプラズマCVD装置の構成を簡単に示す構成図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態における薄膜形成方法を説明するためのフローチャートである。まず、ステップS101で、第1方向の幅が成膜対象の円形基板の直径より長く、第1方向に直交する第2方向の長さが円形基板の直径より短いプラズマ照射領域で原料ガスのプラズマを照射している状態で、プラズマ照射領域に対して相対的に第2方向に円形基板を移動させる。原料ガスは、例えば、シラン、酸素、窒素などである。
次に、ステップS102で、上述した状態のプラズマの照射により円形基板の上にシリコンの化合物からなる薄膜を形成する。原料ガスとして、シランを用いることで、シリコンの薄膜が形成できる。原料ガスとして、シランおよび酸素を用いることで、酸化シリコンの薄膜が形成できる。原料ガスとして、シランおよび窒素を用いることで、窒化シリコンの薄膜が形成できる。また、原料ガスとして、シラン、酸素、および窒素を用いることで、酸窒化シリコンの薄膜が形成できる。また、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコンの薄膜形成では、各原料の供給比などにより、形成される薄膜の屈折率が制御できる。
例えば、プラズマ照射領域以外にまで円形基板を移動させる往復移動を第2方向に行うことで、円形基板にプラズマを照射することで、円形基板の上に薄膜を形成すればよい。このような往復移動の回数、および往復移動における移動速度により、円形基板の上に形成する薄膜の厚さが制御できる。
ここで、プラズマ照射領域について説明すると、例えば、図2の斜視図に示すように、矩形形状のプラズマ源201に成膜ガスを供給して矩形状プラズマ202を生成すればよい。試料台(不図示)に固定された円形基板203に、矩形状プラズマ202を照射し、プラズマ誘起CVD(Plasma Enhanced CVD)法により、シリコン酸化膜(SiO2またはSiOx)、あるいはシリコン酸窒化膜(SiON)、あるいはシリコン窒化膜(SiN)を形成すればよい。
矩形状プラズマ202は、プラズマの照射面の形状が、例えば、移動方向(第2方向)に6cm、移動方向に直交する幅方向(第1方向)の長さ(幅)が、40〜60cm程度とすればよい。円形基板203の径が4〜12インチ程度であれば、幅が成膜対象の円形基板の直径より長く、移動方向の長さが円形基板の直径より短いプラズマ照射領域となる。プラズマ発生方式は、誘導結合、電子サイクロトロン共鳴、表面波など一般的なプラズマ生成法を用いればよい。
また、円形基板203を載置する試料台は、上面の法線方向が矩形状プラズマ202の照射法方向とされ、上述した移動方向に移動可能とする移動機構(照射領域移動手段)を備えている。この試料台を動作させ、矩形状プラズマ202の照射領域以外にまで円形基板203を移動させる往復移動を移動方向に行うことで、円形基板203に矩形状プラズマ202を照射し、円形基板203の上に薄膜を形成すればよい。
大きな径の大面積の円形基板の全域に対応させて、プラズマを均一に発生させるのは容易ではない。これに対し、上述したように、プラズマ照射領域を、一方の長さが6cm程度と短い矩形状とすることで、他方の長さが大きくても均一性のよいプラズマが比較的容易に生成できる。さらに、移動方向に直交する幅方向は、例えば、円形基板の径に対して1.5倍と円形基板より大きくすることで、プラズマの中心付近の均一性の良い領域を、円形基板に対して照射することが可能となる。
このように、照射領域内ではより均一な状態としたプラズマの照射を、円形基板に対して相対的に移動させて行うことで、膜厚および屈折率が均一な状態の膜を円形基板の全域に形成できる。
次に、ECRプラズマによる薄膜形成装置について、図3を用いて説明する。図3は、本発明の実施の形態における薄膜形成装置の構成例を示す構成図である。図3では、装置の断面を模式的に示している。
この装置は、プラズマ生成室301の周囲に磁気コイル302を配置し、プラズマ生成室301内の適当な領域でECR条件を満たす磁界(875ガウス)を発生させる。また、ガス導入管305によりアルゴンガスとともに酸素ガスや窒素ガスなどを導入し、ガス導入管308によりシランガスを導入し、図示しないマイクロ波発生源で生成した2.45GHzのマイクロ波を、導波管303およびマイクロ波導入口304を介して導入し、プラズマ生成室301でプラズマ310を発生させる。また、発生させたプラズマ310を、反応室306に引き出し、円形基板307に照射して成膜を行う。これらの構成は、よく知られているECRプラズマ装置と同様である。
この装置では、円形基板307は、試料トレイ309の上に固定され、試料トレイ309は、移動機構312により移動可能とされている。また、プラズマ310が引き出される引き出し方向を法線とする平面におけるプラズマ生成室301の断面形状が、試料トレイ309の移動方向(第2方向)の長さが円形基板307の直径より短く、移動方向に直交する方向(第1方向)の長さが円形基板307の直径より長い、長方形とされている。従って、円形基板307が固定される平面に対する上記プラズマ310の照射領域も、移動方向の長さが円形基板307の直径より短く、移動方向に直交する方向の長さが円形基板307の直径より長い、長方形となる。なお、移動方向は、図2の紙面左右方向であり、移動方向に直交する方向は、図2の紙面手前から奥の方向となる。
この装置において、移動機構312を動作させることで、試料トレイ309を移動方向に往復させれば、上述した長方形のプラズマ照射領域に対して相対的に、移動方向に円形基板307を移動させることができる。このように相対的に移動している状態で、反応室306に設けたガス導入管305を通して酸素ガス,窒素ガスおよびアルゴンガスをプラズマ生成室301に導入し、ガス導入管308によりシランガスを成膜室302の円形基板307の近傍に供給し、円形基板307の表面近傍で、シランガスを酸素プラズマ,窒素プラズマと反応させることで、円形基板307の表面に、SiO2,SiOx,SiONなど石英系の導波路膜を形成できる。
上述したような薄膜形成の手順としては、まず、ロードロック室322を介し、円形基板307が固定された試料トレイ309を、反応室306に搬入し、移動機構312の上にセットする。この後、反応室306内を密閉状態とし、排気ポンプ321を動作させてプラズマ生成室301および反応室306の中を、所定の圧力にまで排気する。次に、ガス導入管305およびガス導入管308により各ガスを導入する。次いで、前述したようにECR条件としてプラズマ310を生成させる。
上述したようにプラズマ310を生成させている状態で、移動機構312を動作させて試料トレイ309を移動方向に往復移動させれば、円形基板307が長方形のプラズマ照射領域を横切るように移動する。これにより、円形基板307の上に、薄膜が形成できる。
上述した装置によれば、移動方向の長さが短い矩形のプラズマ照射領域で原料ガスのプラズマ310を照射している状態で、プラズマ照射領域に対して相対的に移動方向に円形基板を移動させることができる。このように、照射領域内ではより均一な状態としたプラズマ310の照射を、円形基板に対して相対的に移動させて行えるので、本装置によれば、膜厚および屈折率が均一な状態の膜を円形基板の全域に形成できる。
なお、上述したように、プラズマ生成室301の断面形状を長方形にしている場合、一般的には、プラズマ生成室301内で均一なプラズマ310が生成しにくい。これに対し、この装置では、各ガスを反応室306の側よりプラズマ生成室301に導く構成としているので、プラズマ生成室301内のガスの分布をより均一にでき、この結果、均一な状態でプラズマ310が生成できる。
次に、上述した相対的な往復移動と、得られる薄膜における膜厚および屈折率の状態について説明する。図4は、円形基板がプラズマ照射領域を1回通過するように移動したとき(黒四角)、および2回通過するように移動(往復移動)したとき(黒丸)での、膜厚の分布を比較した結果を示す特性図である。また、図5は、円形基板がプラズマ照射領域を1回通過するように移動したとき(黒四角)、および2回通過するように移動(往復移動)したとき(黒丸)での、屈折率の分布を比較した結果を示す特性図である。
図4から明らかなように、膜厚分布は、1回の移動および往復移動のいずれも同様の結果であり、移動しながら成膜する効果により膜厚が均一に形成されていることがわかる。
一方、図5から明らかなように、屈折率は、1回の移動成膜では大きな偏りが見られ、円形基板の面内で屈折率の値を均一にするためには、2回以上(最低でも1回の往復)の移動が、必要になることを示している。膜の屈折率は、プラズマ照射だけでなく反応室のガス流れにも影響を受けるためと考えられ、屈折率を、上述した相対的な移動により平均化して分布を均一にするには、少なくとも1回の往復移動が必要であることがわかる。光導波路膜のように膜厚だけでなく、屈折率の均一性も要求される膜を成膜する場合には円形基板を1回以上往復移動させて成膜することが重要となる。
ところで、コアあるいはクラッドを形成する導波路膜形成には、導波路設計によって求められる厚さが異なるため、膜厚の制御が必要であるが、上述した薄膜形成方法では、形成する薄膜膜厚は、円形基板の移動速度と移動回数で制御できる。一般に、プラズマCVDで成膜される膜厚は、「膜厚=成膜速度×プラズマ照射時間」により計算される。円形基板を移動させながら成膜する本方法の場合には、プラズマ照射時間は「プラズマ照射時間=プラズマ照射領域の幅×移動回数÷移動速度」となる。従って、移動させながらプラズマ照射する薄膜形成による膜厚は、「膜厚=成膜速度×プラズマ照射領域の幅×移動回数÷移動速度」で求められる。ただし、屈折率を均一にするには前述したように往復移動が必要であるので移動回数は偶数回である必要がある。
プラズマ照射領域の幅は装置よって固定であり、また、成膜速度は同じ屈折率を安定して得るためには固定するのがのぞましい。このため、膜厚は、移動回数と移動速度によって制御すればよいことになる。以下の実施例では、膜厚1μmのSiO2膜を形成する場合、移動回数を4回(往復2回)、移動速度46.8mm/minとした。また、膜厚1.5μmのSiO2膜を形成する場合は、移動回数を4回(往復2回)、移動速度31.2mm/minの条件を用いた。
移動回数と移動速度で膜厚を制御する方法は、成膜中の基板温度の制御にも有効である。移動速度が遅い場合、プラズマ照射領域の通過に時間を要するため、プラズマからの熱が蓄積して基板温度が上昇しやすい。一方、同じ膜厚に形成する場合でも、移動速度を大きくして熱が蓄積する前にプラズマ領域を通過させれば、基板温度の上昇を抑えることができる。例えば、膜厚1μmのSiO2膜を形成する場合、移動回数4回、移動速度46.8mm/minとすると、基板温度は300℃程度に上昇する。これに対し、同じ膜厚とするために、移動回数40回、移動速度468mm/minとすると、基板温度を200℃以下に抑えられる。この方法によれば、移動速度と移動回数を変えて成膜できるので、熱に弱い有機膜上や電子デバイス上にも対応させることが可能となる。
ここで、前述したように、導波路膜の場合、屈折率の制御も重要である。本発明では屈折率を以下のように制御できる。例えば、ECRプラズマによるプラズマアシストを用いたCVD装置において、プラズマ生成室に酸素ガスを導入し、反応室(成膜室)にシランガスを導入して成膜すると、シリコン酸化膜(SiO2膜またはSiOx膜)が形成できる。また、酸素ガスに加えて窒素ガスもプラズマ生成室に導入すれば、円形基板上にシリコン酸窒化膜(SiON)が形成できる。また、プラズマ生成室に窒素ガスを導入、反応室にシランガスを導入すればシリコン窒化膜(Si34)が形成できる。
図6は、シランガスの流量を固定し、酸素ガスの流量を変化させてシリコン酸化膜を形成したときの、形成されるシリコン酸化膜の屈折率変化を示す特性図である。図6より明らかなように、酸素流量を調節することで、屈折率を1.46から1.85で変化させることができることがわかる。
また、図7は、シランガスの流量を固定し、酸素ガスと窒素ガスとの流量比を変化させたときの、形成されるSiON膜の屈折率変化を示す特性図である。図7より明らかなように、酸素ガスと窒素ガスの流量比を変化させることで、屈折率1.46から1.90までの間で、所望とする屈折率のSiON膜が形成できることがわかる。
なお、酸素ガスと窒素ガスの流量比を変化させると、生成されるプラズマの分布が変化し、膜厚と屈折率の円形基板内の面内分布が変化し、均一性が低下する場合がある。このような場合は、酸素、窒素、シランガスに加えてアルゴンガスをプラズマ生成室に導入することで、面内均一性の低下を低減できる。図8は、アルゴンガスの添加流量に対する、膜厚および屈折率の面内分布の変化を示す特性図である。用いた円形基板は、直径4インチである。図8から明らかなように、添加するアルゴンの流量によって面内分布を改善できることがわかる。
以上に説明したように、本発明によれば、低温で膜厚と屈折率の均一な導波路膜を、大きな直径の円形基板においても形成できるようになるというすぐれた効果が得られる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。例えば、上述した実施の形態では、プラズマ源の照射方向の断面形状を矩形状として矩形プラズマを生成することで、プラズマ照射領域を矩形としたが、これに限るものではない。例えば、生成されたプラズマを、第1方向の幅が成膜対象の円形基板の直径より長く、第1方向に直交する第2方向の長さが円形基板の直径より短い領域の引き出し部(取り出し部)から引き出す(取り出す)ことで、プラズマ照射領域におけるプラズマの照射を行うようにしてもよい。
また、上述では、円形基板の方を移動させるようにしたが、これに限るものではなく、円形基板は固定しておき、プラズマ照射領域を移動させるようにしてもよい。
201…プラズマ源、202…矩形状プラズマ、203…円形基板。

Claims (4)

  1. 第1方向の幅が成膜対象の円形基板の直径より長く、前記第1方向に直交する第2方向の長さが前記円形基板の直径より短いプラズマ照射領域で原料ガスのプラズマを照射している状態で、前記プラズマ照射領域に対して相対的に前記第2方向に前記円形基板を移動させる第1工程と、
    前記プラズマの照射により前記円形基板の上にシリコンの化合物からなる薄膜を形成する第2工程と
    を少なくとも備え、
    前記プラズマ照射領域以外にまで前記円形基板を移動させる往復移動を前記第2方向に行うことで、前記円形基板に前記プラズマを照射し、前記円形基板の上に前記薄膜を形成し、
    前記往復移動の回数および移動速度により前記円形基板の成膜中の温度および前記薄膜の厚さをそれぞれ所望の値に制御する
    ことを特徴とする薄膜形成方法。
  2. 請求項1に記載の薄膜形成方法において、
    前記プラズマとしてECRプラズマを発生させるプラズマ生成室と、
    前記円形基板が設置され、前記円形基板を移動させる照射領域移動手段を収容する反応室と
    を備える薄膜形成装置を用い、
    前記第1工程の前に、
    前記原料ガスとアルゴンガスを前記反応室の側より前記プラズマ生成室に導く工程をさらに備える
    ことを特徴とする薄膜形成方法。
  3. 請求項1または2記載の薄膜形成方法において、
    第1方向の幅が成膜対象の円形基板の直径より長く、前記第1方向に直交する第2方向の長さが前記円形基板の直径より短い領域で前記プラズマを生成することで、前記プラズマ照射領域における前記プラズマの照射を行うことを特徴とする薄膜形成方法。
  4. 請求項1または2記載の薄膜形成方法において、
    生成された前記プラズマを、第1方向の幅が成膜対象の円形基板の直径より長く、前記第1方向に直交する第2方向の長さが前記円形基板の直径より短い領域の引き出し部から引き出すことで、前記プラズマ照射領域における前記プラズマの照射を行うことを特徴とする薄膜形成方法。
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