JP2004203682A - 光ファイバプリフォームの製造方法および製造装置 - Google Patents
光ファイバプリフォームの製造方法および製造装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】高品質のガラス膜を形成し、信頼性の高い光ファイバプリフォームを形成する方法および装置を提供する。添加物密度の均一な光ファイバプリフォームを提供する方法および装置を提供する。
【解決手段】ガラス管100内に、プラズマ領域PRを形成し、前記ガラス管を前記プラズマ領域に対して相対的に往復運動させることにより、プラズマ誘起CVD法により、前記ガラス管内面にガラス膜を成膜する工程を含む光ファイバプリフォームの製造方法において、前記プラズマ領域に磁界を印加し、プラズマを封じこめつつ、成膜する。
【選択図】図1
【解決手段】ガラス管100内に、プラズマ領域PRを形成し、前記ガラス管を前記プラズマ領域に対して相対的に往復運動させることにより、プラズマ誘起CVD法により、前記ガラス管内面にガラス膜を成膜する工程を含む光ファイバプリフォームの製造方法において、前記プラズマ領域に磁界を印加し、プラズマを封じこめつつ、成膜する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバプリフォームの製造方法および製造装置に係り、特に、プラズマCVD法を用いた光ファイバプリフォームの製造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光通信技術の進歩に伴い、光ファイバの利用が高まってきている。光ファイバの製造に関しては、通常はプリフォーム(光ファイバ母材)と呼ばれる成形体を高速で線引きすることによって所望の口径の光ファイバを得るという方法がとられる。
【0003】
従って、光ファイバの形状および品質は、プリフォームの形状および品質をそのまま引き継いでしまうため、プリフォームの形成に際しては、極めて高精度の形状および品質の制御が求められている。
【0004】
この光ファイバプリフォームの主な製造方法としては、VAD法(Vapor phase Axial Deposition:気相軸付法)、OVD法(Outer Vapor phase Deposition:外付け法)、MCVD法(Modified Chemical Vapor phase Deposition:内付法)、PCVD法(Plasma Chemical Vapor phase Deposition:プラズマ誘起CVD法)等がある。
【0005】
なかでもPCVD法は、ガラス管内に酸素、四塩化珪素、四塩化ゲルマニウムなどの原料ガスを投入してプラズマ状態とし、パイプ表面とのラジカル反応を誘起することで酸化シリコン(SiO2)からなるガラス膜を堆積する方法である。この方法では、ガラス微粒子はアモルファス状態で堆積するため、透明化されたガラス膜を直接形成することができ、他の方法で後工程として必須であった透明化熱処理工程が不要となる。そして、膜質の良好なガラス膜を形成することが可能であり、高品質の膜形成が可能である良好な方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この方法では、ガラス管をプラズマ領域にさらし、相対的に往復運動させながら成膜していくため、ガス流と、プラズマ領域との関係により、プラズマ状態が不均一となることがある。ここでプラズマ状態とは、プラズマ領域におけるイオン密度や温度など、プラズマ領域を構成するプラズマおよびその環境の状態を含むものとする。その結果、成膜されるガラス膜の組成が不均一となり、膜質の低下を招くことがあった。また屈折率調整のため、通常、ゲルマニウムGeなどの添加物を添加したガラス膜を形成することが多いが、添加物の拡散により、酸化シリコンの堆積領域と、添加物の堆積領域が異なるため、添加物濃度にばらつきが生じ易いという問題がある。
【0007】
例えば非平衡プラズマを用いたCVDでは、Geの存在領域は酸化シリコンの存在領域よりも原料ガス流の下流側にまで伸びているため、下流側にGeの高濃度領域ができる(P.Geittner,J.Electrochem.Soc. Proc.X,CVD-Conf.(1983)Vol.84-6,p479)。このような不均一領域の存在は膜質の不均一領域を形成することになり、プロセス中にクラックが生じる原因となり易い。
【0008】
このように、PCVD法は極めて有効な方法ではありながら、光ファイバプリフォームの製造に際しては、原料ガスのガス流と、成膜の基体となるガラス管の往復運動に起因してプラズマ状態が不均一となり易いという問題があった。
【0009】
本発明は、前記実情に鑑みてなされたもので、高品質のガラス膜を形成し、信頼性の高い光ファイバプリフォームを形成する方法および装置を提供することを目的とする。
また本発明は、添加物密度の均一な光ファイバプリフォームを提供する方法および装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明では、ガラス管内に、プラズマ領域を形成し、前記ガラス管と前記プラズマ領域とを相対的に往復運動させることにより、プラズマ誘起CVD法により、前記ガラス管内面にガラス膜を成膜する工程を含む光ファイバプリフォームの製造方法において、前記成膜する工程は、前記プラズマ領域に磁界を印加し、プラズマを封じこめつつ、成膜する工程であることを特徴とする。
【0011】
プラズマ中のイオンは磁力線に巻きつきながら運動する性質をもつ。そして磁力線に巻きつきながら運動することにより、プラズマはよりイオン密度が高くなる領域を作りこれを保持する。ここではこれを“プラズマを封じ込める”と表現する。
本発明はこの点に着目してなされたものである。
【0012】
かかる構成によれば、磁界を印加することにより、プラズマを封じ込めるようにしているため、プラズマ密度が均一でかつ高くなり、均一で膜質の良好なガラス膜の形成が可能となり、高品質の光ファイバプリフォームが形成される。
【0013】
特に、このプラズマ領域を形成する原料ガスが、所望の濃度の屈折率調整のための添加物を含む場合、添加物濃度が不均一となり、クラックが生じ易いという問題があったが、この方法では、磁界によりプラズマ密度を高め、酸化シリコンの堆積領域と、Geなどの添加物の堆積領域とが実質的に等しくなるようにし、添加物濃度の均一な光ファイバプリフォームを得ることが可能となる。
【0014】
非平衡プラズマを用いた従来のCVDでは、Geなどの添加物の添加領域は酸化シリコンの堆積領域よりも(原料ガス流の)下流にまで伸びているため、下流側にGeの高濃度添加領域ができる。このため、添加物濃度の高い領域が局所的に層状をなして形成されることになる。
【0015】
これに対し、本発明の方法では、磁界によるプラズマの封じ込めにより酸化シリコンの堆積領域とGeなどの添加物の堆積領域が一致するようにし、均一で高品質のガラス膜を堆積するようにしている。
【0016】
また、成膜する工程は、前記プラズマ領域が所望の位置となるように前記磁界を調整しつつ成膜する工程を含むようにしている。これにより、ガラス膜の堆積領域となるプラズマ領域の位置を調整するようにしているため、高品質のガラス膜を形成することが可能となる。
【0017】
なお、プラズマ中のイオン密度は磁場が強いほど大きくなる。このため、磁界の印加はプラズマ密度の集約やプラズマ領域の限定に大きく寄与することになる。例えばミラー磁場やカスプ型磁場など種々の磁場を選択することにより、プラズマ領域の限定効果を得ることができる。また磁場を発生するための機構としては常磁性磁石や電磁石がある。
【0018】
また磁界の調節は、磁界強度の調整により行うことにより、プラズマ領域中のイオン密度を調整することができる。
【0019】
また、磁界の調節を、プラズマ領域にあるガラス管長手方向位置を考慮して行うようにすることにより、より高品質のガラス膜を形成することができる。
【0020】
また、成膜する工程は、プラズマ領域をモニタし、モニタ結果に応じて磁界を調整しながら成膜するようにすれば、より高品質のガラス膜を形成することが可能となる。
【0021】
さらにまた、磁界の調節では、モニタ結果が所望の値となるようにフィードバックを実行するようにすれば、より効率よくガラス膜の品質向上をはかることが可能となる。
【0022】
さらに、成膜する工程は、成膜されたガラス膜の屈折率を測定し、測定結果に応じて磁界を調節しつつ成膜する工程を含むようにすれば、より添加物濃度の均一なガラス膜を形成することが可能となる。ここで磁界の調節を連続的に行うようにすれば、より高精度の制御が可能となる。また磁界の調節を断続的に行うようにしてもよく、これにより制御に要する演算量を低減することができる。
【0023】
また、磁界は、プラズマ領域と一致するように形成すれば、GeO2とSiO2とが長手方向に均一に混じって、堆積領域の有効長を大きくとることができる。
【0024】
これは、以下の理由によるものと考えられる。磁場が発生している領域外にプラズマを発生させると、特に原料ガス流の下流側では磁場に閉じ込めの効果を得ることができない。これは酸化シリコンと添加される添加物の堆積領域差を生むことになり、Geの場合はクラックなどの発生原因となり得る。また添加物を添加しないガラス膜の形成に際しても、高品質の成膜を行うことのできる堆積領域を得ることができる。
【0025】
また、プラズマ領域が、電場のみによるプラズマ発生領域の両端よりも外側まで前記磁界によって、拡張されるようにすれば、閉じ込めの効果を十分に得ることができ、高品質の成膜を行うことが可能となり、堆積領域の拡張を望むことができる。
【0026】
さらにまた、この磁界を、ガラス管の往復運動に連動し、ガラス管に対して下流側に位置するように移動するようにすれば、ガラス管の存在領域は高品質の膜を成膜できる領域とすることができることになり、堆積領域を長くしてトラバース距離に対して有効長を長くすることができる。
【0027】
また、この磁界の調節は、前記往復運動の運動速度、原料ガスの流速に応じて、上流側では下流側よりもプラズマ領域が狭くなるように磁界強度を調整するのが望ましい。このようにすれば、下流側ではガスの拡散が生じやすいため、プラズマ領域を狭くし、高密度にしておくことにより、ターン時に生じる高濃度添加部をなくすことができるため、拡散が生じても均一な膜を形成することが可能となる。
【0028】
本発明の光ファイバプリフォーム製造装置では、ガラス管内に、原料ガスを供給するガス供給手段と、前記原料ガスに、電界を印加して、プラズマを生成するプラズマ生成手段と、前記プラズマ領域に磁界を印加し、プラズマを封じこめ、プラズマ領域を形成する磁界供給手段と、前記ガラス管を前記プラズマ領域に対して相対的に往復運動させる搬送手段とを具備し、プラズマ誘起CVD法により、前記ガラス管内にガラス膜を形成するようにしたことを特徴とする。
【0029】
かかる構成によれば、磁場供給手段により、プラズマ領域に磁界を印加することにより、プラズマを封じ込めるようにしているため、プラズマ密度を均一かつ高くすることができ、均一で膜質の良好なガラス膜を形成することが可能となる。
【0030】
また、望ましくは、プラズマ領域が所望の位置となるように前記磁界を調整する磁界調整手段とを具備するようにすれば、効率よくプラズマの封じ込めを行うことができ、高品質の成膜の実現が可能となる。
【0031】
また、長手方向の屈折率分布を測定しその傾向を把握しておき、次のワークから均一となるように磁界を調整することにより高品質の成膜を行うようにすることができる。すなわち屈折率の高いところでは閉じ込めを弱く、屈折率の低いところでは閉じ込めを強くする。
【0032】
さらに、プラズマ領域をモニタし、磁界調整手段にモニタ結果を与えるモニタ手段を具備するようにすれば、このモニタ手段の出力に応じて、磁界を調整することができ、制御性よく調整することが可能となる。
【0033】
望ましくはプラズマ領域をモニタし、その場で自動調整するようにすればより高精度の屈折率調整が可能となる。
【0034】
また、この調整手段は、前記往復運動の運動速度、原料ガスの流速に応じて、上流側では下流側よりもプラズマ領域が狭くなるように磁界強度を調整する。このようにすれば、下流側ではガスの拡散が生じやすいため、プラズマ領域を狭くし、高密度にしておくことにより、ターン時に生じる高濃度添加部をなくすことができるため、拡散が生じても均一な膜を形成することが可能となる。
【0035】
望ましくは、さらに成膜されたガラス膜の屈折率を測定する屈折率測定手段と、この屈折率測定手段の出力に応じて磁界調整手段にフィードバックするフィードバック手段とを具備するようにすれば、所望の屈折率のガラス膜を効率よく成膜することができる。
【0036】
また、この磁界供給手段は、プラズマ生成手段の内側に配設されるようにすれば、磁界の遮蔽がなくなるため、より高密度のプラズマを形成することができる。
これにより、プラズマのテーパ長を短くすることができるため有効長の長いガラス膜の形成が可能となる。
また、前記磁界供給手段は、プラズマ生成手段の径方向の外側に配設されるようにすれば、設計上自由に、プラズマの閉じ込めを良好に行うことができる。しかしプラズマ生成手段の筐体の遮蔽を受ける。
【0037】
また、磁界供給手段は、プラズマ生成手段から下流側に磁界を供給するように配設されるようにすれば、ガス流によるイオンの流れを防止し、プラズマを封じ込めることができるため、添加物イオンの濃度の低下を防止し、高品質で均一なガラス膜を形成することができる。
【0038】
また、磁界供給手段は、プラズマ生成手段の両端よりも外方に配置すれば、プラズマ生成手段の筐体による磁場遮蔽もなく、効率よくプラズマ閉じ込めを行うことができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施形態の光ファイバプリフォーム製造装置は、ガラス管へのガラス膜の成膜を行うための装置であって、図1に示すように、ガラス管100に対して、図示しないガス供給手段を用いて1端側100Aから他端側100Bに向けて原料ガスGを所定の流速で流しながら、プラズマ生成手段を備えたプラズマ発生装置200を用いて電場を印加し、ガラス管内にプラズマを生起させるとともに、このプラズマ発生装置で生起されたプラズマに磁場発生機構300によって磁界をかけ、プラズマを封じ込めるようにしたことを特徴とする。
【0040】
このように構成することにより、プラズマは磁力線に巻きつきながら運動し、イオン密度が高いプラズマ領域PRを作りこれを保持し、このプラズマ領域PRに対しガラス管を所定の速度で往復運動させることにより、このガラス管100の内壁にガラス薄膜を積層していく。
このようにして形成されたガラス薄膜を有するガラス管100内に、コアロッドを挿通してコラプスを行うか、コアロッドなしでコラプスし、光ファイバプリフォームが形成される。
【0041】
このような装置において磁場の中にプラズマをおいた場合、図7(a)乃至(c)に示すようにプラズマ中のイオンや電子は磁力線を中心に回転運動をする(サイクロトロン運動)。このとき電子eと陽イオンpの回転方向は逆である。プラズマ中のイオンや電子が磁力線を中心にドリフトを始めると回りの中性分子やイオンと衝突するため、さらにイオン化密度を増すことになる。これが、磁場がかかっている領域のイオンや電子の濃度が高い理由であり、一度磁力線にトラップされたイオンや電子は衝突などがないと抜けられないため、結果的にプラズマが閉じ込められるという現象がおこることになる。
【0042】
ここでプラズマ生成手段としては、2.45GHzのマイクロ波を利用する場合と、13.56MHzのラジオ波を利用する場合があるがラジオ波はマイクロ波に比べて比較的プラズマを発生しやすい。さらにまたイオン濃度を上げたい場合にはECR(電子サイクロトロン共鳴)を用いるのが望ましい。
【0043】
なお磁場発生機構としては、直流磁石、交流磁石ソレノイドコイルなどの電磁石や常時性磁石を用いることができる。また図9(a)乃至(d)に示すように半円型磁場発生機構、リング型磁場発生機構、マルチボール型磁場発生機構、平板型磁場発生機構なども適用可能である。いずれも加熱炉400内に第1極300aと第2極300bが配置されており、ガラス管100内にプラズマ磁界が形成されるようになっている。300Rはリング型の磁場発生手段である。ここでマルチポール型磁場発生機構としては8極型に限定されることなく、平板型、あるいはアーチ型でもよい。
【0044】
また、プラズマ発生装置と磁場発生機構との配置については、図2(a)乃至図2(h)に示すように、変形可能である。
まず、図2(a)および(b)では、プラズマ発生装置200と磁場発生機構300の幅をそれぞれLP,LMとしたとき、これらが同じである場合を示す。ここでは図2(a)は、磁場発生機構300をプラズマ発生装置200の導波管200D内に設置した場合である。ここで磁界をM、プラズマ強度が所定の値以上となった高濃度のプラズマ領域をPRとする。
【0045】
そして、図2(b)は、磁場発生機構300をプラズマ発生装置200の導波管200Dの外側に設置した場合である。
【0046】
また、図2(c)および(d)では、プラズマ発生装置200よりも磁場発生機構300の幅を大きくした場合を示す。このようにLP<LMとすることにより、プラズマの閉じ込めを効率的に行うことができる。また、LP>LMとすることにより、堆積領域を拡張することができる。しかしながら、プラズマの閉じ込めを行うことのできる領域外にもプラズマが発生するため、あまり効率的な閉じ込めを行うことができないこともある。これはシリカにGeなどの添加物を加えた際、シリカと添加物との堆積領域の差による過剰添加を引き起こし、クラックなどの原因となる可能性がある。
【0047】
ここでは図2(c)は、磁場発生機構300をプラズマ発生装置200の導波管200D内に設置した場合、図2(d)は、磁場発生機構300をプラズマ発生装置200の導波管200Dの外側に設置した場合である。
【0048】
このように図2(a)乃至(d)の構造をとることにより堆積領域が狭いため上流および下流のガラス管端部の堆積膜厚のテーパが短くなり有効長を長くすることができる。
【0049】
また、以下に図2(e)乃至(h)で示すように、磁場発生機構300をプラズマ発生装置200と長手方向にずらした場合にも、効率的なプラズマ封じ込めを行うことができる。
【0050】
ここで、図2(e)および(f)では、プラズマ発生装置200に対し磁場発生機構300が下流側に出ている場合を示す。ここでは図2(e)は、磁場発生機構300をプラズマ発生装置200の導波管200Dの内側に設置した場合、図2(f)は、磁場発生機構300をプラズマ発生装置200の導波管200Dの外側に設置した場合である。
【0051】
前述したように、これら図2(a)乃至(d)の例ではいずれも磁場発生機構はプラズマ発生装置の導波管内または径方向で導波管よりも外側にあるため、プラズマ発生装置の導波管(筐体)が磁場を遮蔽し、磁場が弱くなることがある。
【0052】
この問題を解消し、磁場の効果を十分に得るために図2(g)および(h)に示すように、プラズマ発生装置の外に磁場発生機構300を出すこともできる。図2(g)ではプラズマ発生装置の両側に磁場発生機構300を設けており、また図2(h)では、プラズマ発生装置の下流側に磁場発生機構300を設けている。
【0053】
ここで、図2(g)では、プラズマ発生装置200に対し両側に磁場発生機構300がある。これにより、より強いプラズマの閉じ込めが可能となり、堆積領域も図2(c)および(d)の場合のように広くすることができる。
また、磁場発生機構300は電磁石で構成することができ、電磁石に流す電流の向きにより、図8(a)乃至(d)の構成をとることができる。図8(a)、(b)は電磁石を用いた磁場発生機構300Eによりミラー磁場を利用した例、図8(c)、(d)はカプス磁場を利用した例である。これにより、プラズマ領域の形状を調整することができ、より強いプラズマの閉じ込めが可能となる。
【0054】
またこの図2(g)では、両方の磁場発生機構の位置をガラス管の軸方向に移動することで容易に堆積領域を制御することができる。
【0055】
さらに、この図2(g)の磁場発生機構は一方の側のみに設置しても良く、それにより堆積領域の調整を同様に制御することが可能となる。ただし、上流に設置した場合は下流側に発生したプラズマをトラップできないため、さらにもう一組のコイルを下流に設置するのが望ましい。
【0056】
また前述したように、図2(a)乃至(d)の構造をとることにより堆積領域が狭いため上流および下流のガラス管端部の堆積膜厚のテーパが短くなり有効長を長くすることができる。
【0057】
これに対し図2(g)では、堆積領域が長いためテーパもより長くなる傾向があり、同じ往復運動の距離をとっても、有効長を十分にとることができない。
【0058】
しかし堆積領域が長いため、1回当りのトラバース距離が短く、同じ堆積速度、トラバース速度では同じ有効長をとる場合、図2(a)乃至(d)に示した例よりも1層あたりの厚さを薄くすることができるため、膜厚の調整もより容易となる。
【0059】
さらに図2(g)乃至図2(h)の場合は堆積領域を非常に容易に可変にすることができる上、磁場を効率的に印加することができるという利点がある。
【0060】
なお、テーパ長や往復運動のストロークを自由に制御することによりプラズマ領域を可変にしてもよい。
プラズマ発生装置に出力(プラズマ電力)や磁場発生機構の磁場強度を調整することで閉じ込めの長さは可変にすることができる。
【0061】
例えば磁場強度を強くすることによってプラズマの閉じ込めを強くすることができ、堆積領域も短くなる。この点に着目し、プラズマ発生領域をモニタし、その長さが一定となるように、磁場発生機構の磁場強度、磁場発生機構の長さ、プラズマ生成手段の出力のうち一つ以上にフィードバックすることにより均質な膜を形成することができる。
【0062】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施形態は、成膜されたガラス膜をモニタし、モニタ結果に基づいて、プラズマ領域を調整するようにしたことを特徴とする。この光ファイバプリフォーム製造装置は、図3に示すように、ガスGの下流側であってガラス管100のストローク端に近接して、成膜状況を検出する発光部601と受光部602とからなるセンサを配置し、そのセンサの出力に応じて成膜状況を検査し、その結果を制御手段603で制御して磁場発生機構300への電力供給を調整するようにしたことを特徴とする。他部については前記第1の実施の形態の光ファイバプリフォーム製造装置と同様である。
【0063】
さらに、PCVD法を用いたガラス膜の形成に際しては、堆積中の基体(ガラス管)温度が低い場合、コラプス中に気泡を発生することがあり、歩留まりを低くすることがある。これは、堆積膜中の塩素濃度が2000ppm以上と高いため、気泡を防止するには800℃以上に保つ必要があるが、このためガラス管を保温する機構を備えておくのが望ましい。この保温機構の一例を図4乃至図6に示す。
【0064】
例えば、図4に示すように、磁場発生機構300およびプラズマ発生手段200の内側に加熱炉400を形成したもの、図5に示すように磁場発生機構300およびプラズマ発生手段200の外側に加熱炉400を形成したもの、図6に示すようにプラズマ発生手段200の両側に磁場発生機構300を設け磁場発生機構の外側に加熱炉400を形成したものである。
【0065】
これらの構成により、良好に保温を行うことができる。このようにして、形成されたガラス膜によれば、コラプス中に気泡を発生する可能性が低減される。
【0066】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施形態は、プラズマ状態を測定しこの測定結果に応じて磁場発生機構を制御するものである。
この光ファイバプリフォーム製造装置は、図1に示した第1の実施の形態の光ファイバプリフォーム製造装置の加熱炉400の一部にフォトダイオードアレイ500を設置し、図10に示すように、プラズマ領域の大きさおよび広がりなどのプラズマ状態はフォトダイオードアレイ500でその発光状態から測定し、この測定結果に応じて、磁場発生機構300を調整するようにしたことを特徴とする。
ここではフォトダイオードアレイ500は加熱炉400の外側に設けられ、プラズマ発生装置200、磁場発生機構300、加熱炉400に設けられたガラス管100に平行なスリットを通して、プラズマPRの状態(プラズマ領域の大きさとプラズマのテーパ長)とをモニタするように構成されている。
ここで、プラズマ領域の大きさ及び拡がり(テーパ)は発光強度によって判断する。ある強度以上の領域を大きさ、それ以下の領域を拡がりとして判断する。
モニタ結果は制御装置603に送られ、制御装置は磁場発生機構300の磁石の間隔と、磁場発生機構300に供給する電力とをフィードバック制御する。
すなわちプラズマ領域が所望の値よりも大きければ磁石の間隔を狭め、小さければ広げる。またプラズマ領域のテーパ長が所望の値よりも大きければ供給電力を大きくし、小さければ供給電力を小さくする。他部については前記第1の実施の形態の光ファイバプリフォーム製造装置と同様である。
【0067】
(実施例1)
以下本発明の実施例について説明する。この例では第1の実施の形態で説明した光ファイバプリフォーム製造装置を用いた。
まず、図1に示すように、プラズマ発生装置200としては、2.45GHzのマイクロ波を発生させるマグネトロンとその導波路とを用い、磁場発生機構300として磁束密度可変の電磁石を用い、プラズマ発生装置の両脇に設置した。
【0068】
まず、図1に示すように、外径30mm、内径21mmの純シリカパイプからなるガラス管100を用いた。そしてこのガラス管100内に四塩化珪素80sccm、四塩化ゲルマニウム20sccm、酸素400sccm、アルゴン100sccmを投入し、内圧を800Paに保持した。プラズマ発生装置に印加するマイクロ波は出力を800Wとした。磁場発生機構の磁場は0.5Tとした。又加熱手段400を1100℃に保持した。
【0069】
そしてこのプラズマ発生器200を磁場発生機構300とともに10mm/minで往復運動させ、1000層堆積させた。
このようにしてガラス膜の形成されたガラス管を冷却後、他の工程で形成したガラスロッド(図示せず)とコラプスした。
【0070】
このようにして形成された光ファイバプリフォームはコラプス中もコラプス後も、クラックの発生もなく、良好な光ファイバプリフォームを構成するものであった。
これをEPMA(電子プローブマイクロアナライザ)で分析した結果、Ge濃度も均一であった。
【0071】
しかしながら長手方向の比屈折率差は最大約50%程度変動していた。
【0072】
(比較例1)
これに対し、磁石をOFFにし、他は同様にしてガラス膜を成膜し、同様にコラプスを行なった。
その結果コラプス中にガラス膜にクラックが発生し、光ファイバプリフォーム全体にクラックが伝播した。
【0073】
クラックが入ったコラプス体を長手方向にEPMAで分析を行なったところ、Geが過剰添加されていた。磁場発生機構300よりも下流側でのみ過剰添加が見られた。
【0074】
(実施例2)
以下本発明の実施例について説明する。
この例では図3に示す装置を用い、プラズマ往復時のプラズマ堆積領域長を発光素子と受光素子602とからなる膜厚検出センサによって常時モニタし、プラズマ堆積領域長変動が常に同一長となるように制御装置603によって電源301から磁場発生機構300に供給する磁場強度にフィードバックをかけ、プラズマ電力を調節した。
【0075】
プラズマ堆積領域長が長くなった場合はプラズマ電力を強くし、プラズマ堆積長が短くなった場合はプラズマ電力を弱くするように制御している。
【0076】
このときの、磁場の磁束強度は0.5Tとした。これにより、Geの過剰添加領域だけでなく、長手方向の比屈折率差の変動も約10%に抑えることができた。
また、Geなどの添加物を含まないガラス膜を形成する場合にも高品質で信頼性の高いガラス膜を形成することが可能となり、高品質の光ファイバプリフォームを形成することができる。
【0077】
(実施例3)
以下本発明の実施例について説明する。
この例では図10(a)および(b)に示した第3の実施の形態の光ファイバプリフォーム製造装置を用い、プラズマ状態を測定するためのフォトダイオードアレイ500と、このフォトダイオードアレイ500の出力に従って磁場発生機構300を制御する制御装置603とを付加したもので、他部については第2の実施の形態に示した図3の光ファイバプリフォーム製造装置を用い、プラズマ往復時のプラズマ領域の大きさおよび広がりを、その発光状態からフォトダイオードアレイ500で測定し、この測定結果に応じて、プラズマ堆積領域長が常に同一長となるように制御装置603によって電源301から磁場発生機構300に供給する電流にフィードバックをかけ、磁場強度を調節する。
【0078】
この装置を用いて、PCVD法でガラス管100の内側にガラス膜を堆積し、このガラス管100から光ファイバプリフォームを製造した。基板パイプは、内径30φの合成石英管を使用し、SiCl4を300sccm、GeCl4を100sccm、O2を2000sccm、Arを500sccm投入し、2.45GHzのマイクロ波を1.2kW入射し、600層堆積した。印加する磁場は約0.5T中心とし、±0.1Tで磁場強度を調節できるようにした。発光素子601と受光素子602とを設け、屈折率を測定するとともに、フォトダイオードアレイ500によってプラズマ状態(プラズマの発光強度)を測定し、堆積中の膜の屈折率差とプラズマ領域の大きさとテーパ長を常時モニタした。プラズマ領域の大きさとテーパは常に設定値となるように制御した。
【0079】
また、常時モニタしている屈折率が所望の値となるように、プロセス中に上記設定値となるようにして磁場発生機構300への印加電流を調整してプラズマ状態の微調整を行った。つまり、屈折率が下がるような傾向となった場合、磁場強度を上げてプラズマ領域の大きさが小さくなるように設定値の微調整を行い、プラズマ領域中のGeラジカル種の濃度を上げるようにした。堆積後、パイプをコラプスしてプリフォームを作製した。
【0080】
このようにして作製したプリフォームをプリフォームアナライザによって径方向の屈折率分布を測定した結果、屈折率の変動を3%以内に収めることができた。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、磁界を印加することにより、プラズマを封じ込めるようにしているため、プラズマ密度が均一でかつ高くなり、均一で膜質の良好なガラス膜の形成が可能となり、高品質の光ファイバプリフォームが形成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の光ファイバプリフォームの製造装置を示す図である。
【図2】本発明の実施形態の光ファイバプリフォームの製造装置を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施形態の光ファイバプリフォームの製造装置を示す図である。
【図4】本発明の実施形態の光ファイバプリフォームの製造装置を示す図である。
【図5】本発明の実施形態の光ファイバプリフォームの製造装置を示す図である。
【図6】本発明の実施形態の光ファイバプリフォームの製造装置を示す図である。
【図7】本発明の実施形態の光ファイバプリフォームの製造装置の原理説明図である。
【図8】本発明の実施形態の光ファイバプリフォームの製造装置を示す図である。
【図9】本発明で用いられる磁場発生機構を示す断面図である。
【図10】本発明の第3の実施形態の光ファイバプリフォームの製造装置を示す図である。
【符号の説明】
100 ガラス管(基体)
200 プラズマ発生手段
300 磁場発生機構
400 加熱炉
500 フォトダイオードアレイ
601 発光素子
602 受光素子
603 制御装置
PR プラズマ領域
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバプリフォームの製造方法および製造装置に係り、特に、プラズマCVD法を用いた光ファイバプリフォームの製造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光通信技術の進歩に伴い、光ファイバの利用が高まってきている。光ファイバの製造に関しては、通常はプリフォーム(光ファイバ母材)と呼ばれる成形体を高速で線引きすることによって所望の口径の光ファイバを得るという方法がとられる。
【0003】
従って、光ファイバの形状および品質は、プリフォームの形状および品質をそのまま引き継いでしまうため、プリフォームの形成に際しては、極めて高精度の形状および品質の制御が求められている。
【0004】
この光ファイバプリフォームの主な製造方法としては、VAD法(Vapor phase Axial Deposition:気相軸付法)、OVD法(Outer Vapor phase Deposition:外付け法)、MCVD法(Modified Chemical Vapor phase Deposition:内付法)、PCVD法(Plasma Chemical Vapor phase Deposition:プラズマ誘起CVD法)等がある。
【0005】
なかでもPCVD法は、ガラス管内に酸素、四塩化珪素、四塩化ゲルマニウムなどの原料ガスを投入してプラズマ状態とし、パイプ表面とのラジカル反応を誘起することで酸化シリコン(SiO2)からなるガラス膜を堆積する方法である。この方法では、ガラス微粒子はアモルファス状態で堆積するため、透明化されたガラス膜を直接形成することができ、他の方法で後工程として必須であった透明化熱処理工程が不要となる。そして、膜質の良好なガラス膜を形成することが可能であり、高品質の膜形成が可能である良好な方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この方法では、ガラス管をプラズマ領域にさらし、相対的に往復運動させながら成膜していくため、ガス流と、プラズマ領域との関係により、プラズマ状態が不均一となることがある。ここでプラズマ状態とは、プラズマ領域におけるイオン密度や温度など、プラズマ領域を構成するプラズマおよびその環境の状態を含むものとする。その結果、成膜されるガラス膜の組成が不均一となり、膜質の低下を招くことがあった。また屈折率調整のため、通常、ゲルマニウムGeなどの添加物を添加したガラス膜を形成することが多いが、添加物の拡散により、酸化シリコンの堆積領域と、添加物の堆積領域が異なるため、添加物濃度にばらつきが生じ易いという問題がある。
【0007】
例えば非平衡プラズマを用いたCVDでは、Geの存在領域は酸化シリコンの存在領域よりも原料ガス流の下流側にまで伸びているため、下流側にGeの高濃度領域ができる(P.Geittner,J.Electrochem.Soc. Proc.X,CVD-Conf.(1983)Vol.84-6,p479)。このような不均一領域の存在は膜質の不均一領域を形成することになり、プロセス中にクラックが生じる原因となり易い。
【0008】
このように、PCVD法は極めて有効な方法ではありながら、光ファイバプリフォームの製造に際しては、原料ガスのガス流と、成膜の基体となるガラス管の往復運動に起因してプラズマ状態が不均一となり易いという問題があった。
【0009】
本発明は、前記実情に鑑みてなされたもので、高品質のガラス膜を形成し、信頼性の高い光ファイバプリフォームを形成する方法および装置を提供することを目的とする。
また本発明は、添加物密度の均一な光ファイバプリフォームを提供する方法および装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明では、ガラス管内に、プラズマ領域を形成し、前記ガラス管と前記プラズマ領域とを相対的に往復運動させることにより、プラズマ誘起CVD法により、前記ガラス管内面にガラス膜を成膜する工程を含む光ファイバプリフォームの製造方法において、前記成膜する工程は、前記プラズマ領域に磁界を印加し、プラズマを封じこめつつ、成膜する工程であることを特徴とする。
【0011】
プラズマ中のイオンは磁力線に巻きつきながら運動する性質をもつ。そして磁力線に巻きつきながら運動することにより、プラズマはよりイオン密度が高くなる領域を作りこれを保持する。ここではこれを“プラズマを封じ込める”と表現する。
本発明はこの点に着目してなされたものである。
【0012】
かかる構成によれば、磁界を印加することにより、プラズマを封じ込めるようにしているため、プラズマ密度が均一でかつ高くなり、均一で膜質の良好なガラス膜の形成が可能となり、高品質の光ファイバプリフォームが形成される。
【0013】
特に、このプラズマ領域を形成する原料ガスが、所望の濃度の屈折率調整のための添加物を含む場合、添加物濃度が不均一となり、クラックが生じ易いという問題があったが、この方法では、磁界によりプラズマ密度を高め、酸化シリコンの堆積領域と、Geなどの添加物の堆積領域とが実質的に等しくなるようにし、添加物濃度の均一な光ファイバプリフォームを得ることが可能となる。
【0014】
非平衡プラズマを用いた従来のCVDでは、Geなどの添加物の添加領域は酸化シリコンの堆積領域よりも(原料ガス流の)下流にまで伸びているため、下流側にGeの高濃度添加領域ができる。このため、添加物濃度の高い領域が局所的に層状をなして形成されることになる。
【0015】
これに対し、本発明の方法では、磁界によるプラズマの封じ込めにより酸化シリコンの堆積領域とGeなどの添加物の堆積領域が一致するようにし、均一で高品質のガラス膜を堆積するようにしている。
【0016】
また、成膜する工程は、前記プラズマ領域が所望の位置となるように前記磁界を調整しつつ成膜する工程を含むようにしている。これにより、ガラス膜の堆積領域となるプラズマ領域の位置を調整するようにしているため、高品質のガラス膜を形成することが可能となる。
【0017】
なお、プラズマ中のイオン密度は磁場が強いほど大きくなる。このため、磁界の印加はプラズマ密度の集約やプラズマ領域の限定に大きく寄与することになる。例えばミラー磁場やカスプ型磁場など種々の磁場を選択することにより、プラズマ領域の限定効果を得ることができる。また磁場を発生するための機構としては常磁性磁石や電磁石がある。
【0018】
また磁界の調節は、磁界強度の調整により行うことにより、プラズマ領域中のイオン密度を調整することができる。
【0019】
また、磁界の調節を、プラズマ領域にあるガラス管長手方向位置を考慮して行うようにすることにより、より高品質のガラス膜を形成することができる。
【0020】
また、成膜する工程は、プラズマ領域をモニタし、モニタ結果に応じて磁界を調整しながら成膜するようにすれば、より高品質のガラス膜を形成することが可能となる。
【0021】
さらにまた、磁界の調節では、モニタ結果が所望の値となるようにフィードバックを実行するようにすれば、より効率よくガラス膜の品質向上をはかることが可能となる。
【0022】
さらに、成膜する工程は、成膜されたガラス膜の屈折率を測定し、測定結果に応じて磁界を調節しつつ成膜する工程を含むようにすれば、より添加物濃度の均一なガラス膜を形成することが可能となる。ここで磁界の調節を連続的に行うようにすれば、より高精度の制御が可能となる。また磁界の調節を断続的に行うようにしてもよく、これにより制御に要する演算量を低減することができる。
【0023】
また、磁界は、プラズマ領域と一致するように形成すれば、GeO2とSiO2とが長手方向に均一に混じって、堆積領域の有効長を大きくとることができる。
【0024】
これは、以下の理由によるものと考えられる。磁場が発生している領域外にプラズマを発生させると、特に原料ガス流の下流側では磁場に閉じ込めの効果を得ることができない。これは酸化シリコンと添加される添加物の堆積領域差を生むことになり、Geの場合はクラックなどの発生原因となり得る。また添加物を添加しないガラス膜の形成に際しても、高品質の成膜を行うことのできる堆積領域を得ることができる。
【0025】
また、プラズマ領域が、電場のみによるプラズマ発生領域の両端よりも外側まで前記磁界によって、拡張されるようにすれば、閉じ込めの効果を十分に得ることができ、高品質の成膜を行うことが可能となり、堆積領域の拡張を望むことができる。
【0026】
さらにまた、この磁界を、ガラス管の往復運動に連動し、ガラス管に対して下流側に位置するように移動するようにすれば、ガラス管の存在領域は高品質の膜を成膜できる領域とすることができることになり、堆積領域を長くしてトラバース距離に対して有効長を長くすることができる。
【0027】
また、この磁界の調節は、前記往復運動の運動速度、原料ガスの流速に応じて、上流側では下流側よりもプラズマ領域が狭くなるように磁界強度を調整するのが望ましい。このようにすれば、下流側ではガスの拡散が生じやすいため、プラズマ領域を狭くし、高密度にしておくことにより、ターン時に生じる高濃度添加部をなくすことができるため、拡散が生じても均一な膜を形成することが可能となる。
【0028】
本発明の光ファイバプリフォーム製造装置では、ガラス管内に、原料ガスを供給するガス供給手段と、前記原料ガスに、電界を印加して、プラズマを生成するプラズマ生成手段と、前記プラズマ領域に磁界を印加し、プラズマを封じこめ、プラズマ領域を形成する磁界供給手段と、前記ガラス管を前記プラズマ領域に対して相対的に往復運動させる搬送手段とを具備し、プラズマ誘起CVD法により、前記ガラス管内にガラス膜を形成するようにしたことを特徴とする。
【0029】
かかる構成によれば、磁場供給手段により、プラズマ領域に磁界を印加することにより、プラズマを封じ込めるようにしているため、プラズマ密度を均一かつ高くすることができ、均一で膜質の良好なガラス膜を形成することが可能となる。
【0030】
また、望ましくは、プラズマ領域が所望の位置となるように前記磁界を調整する磁界調整手段とを具備するようにすれば、効率よくプラズマの封じ込めを行うことができ、高品質の成膜の実現が可能となる。
【0031】
また、長手方向の屈折率分布を測定しその傾向を把握しておき、次のワークから均一となるように磁界を調整することにより高品質の成膜を行うようにすることができる。すなわち屈折率の高いところでは閉じ込めを弱く、屈折率の低いところでは閉じ込めを強くする。
【0032】
さらに、プラズマ領域をモニタし、磁界調整手段にモニタ結果を与えるモニタ手段を具備するようにすれば、このモニタ手段の出力に応じて、磁界を調整することができ、制御性よく調整することが可能となる。
【0033】
望ましくはプラズマ領域をモニタし、その場で自動調整するようにすればより高精度の屈折率調整が可能となる。
【0034】
また、この調整手段は、前記往復運動の運動速度、原料ガスの流速に応じて、上流側では下流側よりもプラズマ領域が狭くなるように磁界強度を調整する。このようにすれば、下流側ではガスの拡散が生じやすいため、プラズマ領域を狭くし、高密度にしておくことにより、ターン時に生じる高濃度添加部をなくすことができるため、拡散が生じても均一な膜を形成することが可能となる。
【0035】
望ましくは、さらに成膜されたガラス膜の屈折率を測定する屈折率測定手段と、この屈折率測定手段の出力に応じて磁界調整手段にフィードバックするフィードバック手段とを具備するようにすれば、所望の屈折率のガラス膜を効率よく成膜することができる。
【0036】
また、この磁界供給手段は、プラズマ生成手段の内側に配設されるようにすれば、磁界の遮蔽がなくなるため、より高密度のプラズマを形成することができる。
これにより、プラズマのテーパ長を短くすることができるため有効長の長いガラス膜の形成が可能となる。
また、前記磁界供給手段は、プラズマ生成手段の径方向の外側に配設されるようにすれば、設計上自由に、プラズマの閉じ込めを良好に行うことができる。しかしプラズマ生成手段の筐体の遮蔽を受ける。
【0037】
また、磁界供給手段は、プラズマ生成手段から下流側に磁界を供給するように配設されるようにすれば、ガス流によるイオンの流れを防止し、プラズマを封じ込めることができるため、添加物イオンの濃度の低下を防止し、高品質で均一なガラス膜を形成することができる。
【0038】
また、磁界供給手段は、プラズマ生成手段の両端よりも外方に配置すれば、プラズマ生成手段の筐体による磁場遮蔽もなく、効率よくプラズマ閉じ込めを行うことができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施形態の光ファイバプリフォーム製造装置は、ガラス管へのガラス膜の成膜を行うための装置であって、図1に示すように、ガラス管100に対して、図示しないガス供給手段を用いて1端側100Aから他端側100Bに向けて原料ガスGを所定の流速で流しながら、プラズマ生成手段を備えたプラズマ発生装置200を用いて電場を印加し、ガラス管内にプラズマを生起させるとともに、このプラズマ発生装置で生起されたプラズマに磁場発生機構300によって磁界をかけ、プラズマを封じ込めるようにしたことを特徴とする。
【0040】
このように構成することにより、プラズマは磁力線に巻きつきながら運動し、イオン密度が高いプラズマ領域PRを作りこれを保持し、このプラズマ領域PRに対しガラス管を所定の速度で往復運動させることにより、このガラス管100の内壁にガラス薄膜を積層していく。
このようにして形成されたガラス薄膜を有するガラス管100内に、コアロッドを挿通してコラプスを行うか、コアロッドなしでコラプスし、光ファイバプリフォームが形成される。
【0041】
このような装置において磁場の中にプラズマをおいた場合、図7(a)乃至(c)に示すようにプラズマ中のイオンや電子は磁力線を中心に回転運動をする(サイクロトロン運動)。このとき電子eと陽イオンpの回転方向は逆である。プラズマ中のイオンや電子が磁力線を中心にドリフトを始めると回りの中性分子やイオンと衝突するため、さらにイオン化密度を増すことになる。これが、磁場がかかっている領域のイオンや電子の濃度が高い理由であり、一度磁力線にトラップされたイオンや電子は衝突などがないと抜けられないため、結果的にプラズマが閉じ込められるという現象がおこることになる。
【0042】
ここでプラズマ生成手段としては、2.45GHzのマイクロ波を利用する場合と、13.56MHzのラジオ波を利用する場合があるがラジオ波はマイクロ波に比べて比較的プラズマを発生しやすい。さらにまたイオン濃度を上げたい場合にはECR(電子サイクロトロン共鳴)を用いるのが望ましい。
【0043】
なお磁場発生機構としては、直流磁石、交流磁石ソレノイドコイルなどの電磁石や常時性磁石を用いることができる。また図9(a)乃至(d)に示すように半円型磁場発生機構、リング型磁場発生機構、マルチボール型磁場発生機構、平板型磁場発生機構なども適用可能である。いずれも加熱炉400内に第1極300aと第2極300bが配置されており、ガラス管100内にプラズマ磁界が形成されるようになっている。300Rはリング型の磁場発生手段である。ここでマルチポール型磁場発生機構としては8極型に限定されることなく、平板型、あるいはアーチ型でもよい。
【0044】
また、プラズマ発生装置と磁場発生機構との配置については、図2(a)乃至図2(h)に示すように、変形可能である。
まず、図2(a)および(b)では、プラズマ発生装置200と磁場発生機構300の幅をそれぞれLP,LMとしたとき、これらが同じである場合を示す。ここでは図2(a)は、磁場発生機構300をプラズマ発生装置200の導波管200D内に設置した場合である。ここで磁界をM、プラズマ強度が所定の値以上となった高濃度のプラズマ領域をPRとする。
【0045】
そして、図2(b)は、磁場発生機構300をプラズマ発生装置200の導波管200Dの外側に設置した場合である。
【0046】
また、図2(c)および(d)では、プラズマ発生装置200よりも磁場発生機構300の幅を大きくした場合を示す。このようにLP<LMとすることにより、プラズマの閉じ込めを効率的に行うことができる。また、LP>LMとすることにより、堆積領域を拡張することができる。しかしながら、プラズマの閉じ込めを行うことのできる領域外にもプラズマが発生するため、あまり効率的な閉じ込めを行うことができないこともある。これはシリカにGeなどの添加物を加えた際、シリカと添加物との堆積領域の差による過剰添加を引き起こし、クラックなどの原因となる可能性がある。
【0047】
ここでは図2(c)は、磁場発生機構300をプラズマ発生装置200の導波管200D内に設置した場合、図2(d)は、磁場発生機構300をプラズマ発生装置200の導波管200Dの外側に設置した場合である。
【0048】
このように図2(a)乃至(d)の構造をとることにより堆積領域が狭いため上流および下流のガラス管端部の堆積膜厚のテーパが短くなり有効長を長くすることができる。
【0049】
また、以下に図2(e)乃至(h)で示すように、磁場発生機構300をプラズマ発生装置200と長手方向にずらした場合にも、効率的なプラズマ封じ込めを行うことができる。
【0050】
ここで、図2(e)および(f)では、プラズマ発生装置200に対し磁場発生機構300が下流側に出ている場合を示す。ここでは図2(e)は、磁場発生機構300をプラズマ発生装置200の導波管200Dの内側に設置した場合、図2(f)は、磁場発生機構300をプラズマ発生装置200の導波管200Dの外側に設置した場合である。
【0051】
前述したように、これら図2(a)乃至(d)の例ではいずれも磁場発生機構はプラズマ発生装置の導波管内または径方向で導波管よりも外側にあるため、プラズマ発生装置の導波管(筐体)が磁場を遮蔽し、磁場が弱くなることがある。
【0052】
この問題を解消し、磁場の効果を十分に得るために図2(g)および(h)に示すように、プラズマ発生装置の外に磁場発生機構300を出すこともできる。図2(g)ではプラズマ発生装置の両側に磁場発生機構300を設けており、また図2(h)では、プラズマ発生装置の下流側に磁場発生機構300を設けている。
【0053】
ここで、図2(g)では、プラズマ発生装置200に対し両側に磁場発生機構300がある。これにより、より強いプラズマの閉じ込めが可能となり、堆積領域も図2(c)および(d)の場合のように広くすることができる。
また、磁場発生機構300は電磁石で構成することができ、電磁石に流す電流の向きにより、図8(a)乃至(d)の構成をとることができる。図8(a)、(b)は電磁石を用いた磁場発生機構300Eによりミラー磁場を利用した例、図8(c)、(d)はカプス磁場を利用した例である。これにより、プラズマ領域の形状を調整することができ、より強いプラズマの閉じ込めが可能となる。
【0054】
またこの図2(g)では、両方の磁場発生機構の位置をガラス管の軸方向に移動することで容易に堆積領域を制御することができる。
【0055】
さらに、この図2(g)の磁場発生機構は一方の側のみに設置しても良く、それにより堆積領域の調整を同様に制御することが可能となる。ただし、上流に設置した場合は下流側に発生したプラズマをトラップできないため、さらにもう一組のコイルを下流に設置するのが望ましい。
【0056】
また前述したように、図2(a)乃至(d)の構造をとることにより堆積領域が狭いため上流および下流のガラス管端部の堆積膜厚のテーパが短くなり有効長を長くすることができる。
【0057】
これに対し図2(g)では、堆積領域が長いためテーパもより長くなる傾向があり、同じ往復運動の距離をとっても、有効長を十分にとることができない。
【0058】
しかし堆積領域が長いため、1回当りのトラバース距離が短く、同じ堆積速度、トラバース速度では同じ有効長をとる場合、図2(a)乃至(d)に示した例よりも1層あたりの厚さを薄くすることができるため、膜厚の調整もより容易となる。
【0059】
さらに図2(g)乃至図2(h)の場合は堆積領域を非常に容易に可変にすることができる上、磁場を効率的に印加することができるという利点がある。
【0060】
なお、テーパ長や往復運動のストロークを自由に制御することによりプラズマ領域を可変にしてもよい。
プラズマ発生装置に出力(プラズマ電力)や磁場発生機構の磁場強度を調整することで閉じ込めの長さは可変にすることができる。
【0061】
例えば磁場強度を強くすることによってプラズマの閉じ込めを強くすることができ、堆積領域も短くなる。この点に着目し、プラズマ発生領域をモニタし、その長さが一定となるように、磁場発生機構の磁場強度、磁場発生機構の長さ、プラズマ生成手段の出力のうち一つ以上にフィードバックすることにより均質な膜を形成することができる。
【0062】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施形態は、成膜されたガラス膜をモニタし、モニタ結果に基づいて、プラズマ領域を調整するようにしたことを特徴とする。この光ファイバプリフォーム製造装置は、図3に示すように、ガスGの下流側であってガラス管100のストローク端に近接して、成膜状況を検出する発光部601と受光部602とからなるセンサを配置し、そのセンサの出力に応じて成膜状況を検査し、その結果を制御手段603で制御して磁場発生機構300への電力供給を調整するようにしたことを特徴とする。他部については前記第1の実施の形態の光ファイバプリフォーム製造装置と同様である。
【0063】
さらに、PCVD法を用いたガラス膜の形成に際しては、堆積中の基体(ガラス管)温度が低い場合、コラプス中に気泡を発生することがあり、歩留まりを低くすることがある。これは、堆積膜中の塩素濃度が2000ppm以上と高いため、気泡を防止するには800℃以上に保つ必要があるが、このためガラス管を保温する機構を備えておくのが望ましい。この保温機構の一例を図4乃至図6に示す。
【0064】
例えば、図4に示すように、磁場発生機構300およびプラズマ発生手段200の内側に加熱炉400を形成したもの、図5に示すように磁場発生機構300およびプラズマ発生手段200の外側に加熱炉400を形成したもの、図6に示すようにプラズマ発生手段200の両側に磁場発生機構300を設け磁場発生機構の外側に加熱炉400を形成したものである。
【0065】
これらの構成により、良好に保温を行うことができる。このようにして、形成されたガラス膜によれば、コラプス中に気泡を発生する可能性が低減される。
【0066】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施形態は、プラズマ状態を測定しこの測定結果に応じて磁場発生機構を制御するものである。
この光ファイバプリフォーム製造装置は、図1に示した第1の実施の形態の光ファイバプリフォーム製造装置の加熱炉400の一部にフォトダイオードアレイ500を設置し、図10に示すように、プラズマ領域の大きさおよび広がりなどのプラズマ状態はフォトダイオードアレイ500でその発光状態から測定し、この測定結果に応じて、磁場発生機構300を調整するようにしたことを特徴とする。
ここではフォトダイオードアレイ500は加熱炉400の外側に設けられ、プラズマ発生装置200、磁場発生機構300、加熱炉400に設けられたガラス管100に平行なスリットを通して、プラズマPRの状態(プラズマ領域の大きさとプラズマのテーパ長)とをモニタするように構成されている。
ここで、プラズマ領域の大きさ及び拡がり(テーパ)は発光強度によって判断する。ある強度以上の領域を大きさ、それ以下の領域を拡がりとして判断する。
モニタ結果は制御装置603に送られ、制御装置は磁場発生機構300の磁石の間隔と、磁場発生機構300に供給する電力とをフィードバック制御する。
すなわちプラズマ領域が所望の値よりも大きければ磁石の間隔を狭め、小さければ広げる。またプラズマ領域のテーパ長が所望の値よりも大きければ供給電力を大きくし、小さければ供給電力を小さくする。他部については前記第1の実施の形態の光ファイバプリフォーム製造装置と同様である。
【0067】
(実施例1)
以下本発明の実施例について説明する。この例では第1の実施の形態で説明した光ファイバプリフォーム製造装置を用いた。
まず、図1に示すように、プラズマ発生装置200としては、2.45GHzのマイクロ波を発生させるマグネトロンとその導波路とを用い、磁場発生機構300として磁束密度可変の電磁石を用い、プラズマ発生装置の両脇に設置した。
【0068】
まず、図1に示すように、外径30mm、内径21mmの純シリカパイプからなるガラス管100を用いた。そしてこのガラス管100内に四塩化珪素80sccm、四塩化ゲルマニウム20sccm、酸素400sccm、アルゴン100sccmを投入し、内圧を800Paに保持した。プラズマ発生装置に印加するマイクロ波は出力を800Wとした。磁場発生機構の磁場は0.5Tとした。又加熱手段400を1100℃に保持した。
【0069】
そしてこのプラズマ発生器200を磁場発生機構300とともに10mm/minで往復運動させ、1000層堆積させた。
このようにしてガラス膜の形成されたガラス管を冷却後、他の工程で形成したガラスロッド(図示せず)とコラプスした。
【0070】
このようにして形成された光ファイバプリフォームはコラプス中もコラプス後も、クラックの発生もなく、良好な光ファイバプリフォームを構成するものであった。
これをEPMA(電子プローブマイクロアナライザ)で分析した結果、Ge濃度も均一であった。
【0071】
しかしながら長手方向の比屈折率差は最大約50%程度変動していた。
【0072】
(比較例1)
これに対し、磁石をOFFにし、他は同様にしてガラス膜を成膜し、同様にコラプスを行なった。
その結果コラプス中にガラス膜にクラックが発生し、光ファイバプリフォーム全体にクラックが伝播した。
【0073】
クラックが入ったコラプス体を長手方向にEPMAで分析を行なったところ、Geが過剰添加されていた。磁場発生機構300よりも下流側でのみ過剰添加が見られた。
【0074】
(実施例2)
以下本発明の実施例について説明する。
この例では図3に示す装置を用い、プラズマ往復時のプラズマ堆積領域長を発光素子と受光素子602とからなる膜厚検出センサによって常時モニタし、プラズマ堆積領域長変動が常に同一長となるように制御装置603によって電源301から磁場発生機構300に供給する磁場強度にフィードバックをかけ、プラズマ電力を調節した。
【0075】
プラズマ堆積領域長が長くなった場合はプラズマ電力を強くし、プラズマ堆積長が短くなった場合はプラズマ電力を弱くするように制御している。
【0076】
このときの、磁場の磁束強度は0.5Tとした。これにより、Geの過剰添加領域だけでなく、長手方向の比屈折率差の変動も約10%に抑えることができた。
また、Geなどの添加物を含まないガラス膜を形成する場合にも高品質で信頼性の高いガラス膜を形成することが可能となり、高品質の光ファイバプリフォームを形成することができる。
【0077】
(実施例3)
以下本発明の実施例について説明する。
この例では図10(a)および(b)に示した第3の実施の形態の光ファイバプリフォーム製造装置を用い、プラズマ状態を測定するためのフォトダイオードアレイ500と、このフォトダイオードアレイ500の出力に従って磁場発生機構300を制御する制御装置603とを付加したもので、他部については第2の実施の形態に示した図3の光ファイバプリフォーム製造装置を用い、プラズマ往復時のプラズマ領域の大きさおよび広がりを、その発光状態からフォトダイオードアレイ500で測定し、この測定結果に応じて、プラズマ堆積領域長が常に同一長となるように制御装置603によって電源301から磁場発生機構300に供給する電流にフィードバックをかけ、磁場強度を調節する。
【0078】
この装置を用いて、PCVD法でガラス管100の内側にガラス膜を堆積し、このガラス管100から光ファイバプリフォームを製造した。基板パイプは、内径30φの合成石英管を使用し、SiCl4を300sccm、GeCl4を100sccm、O2を2000sccm、Arを500sccm投入し、2.45GHzのマイクロ波を1.2kW入射し、600層堆積した。印加する磁場は約0.5T中心とし、±0.1Tで磁場強度を調節できるようにした。発光素子601と受光素子602とを設け、屈折率を測定するとともに、フォトダイオードアレイ500によってプラズマ状態(プラズマの発光強度)を測定し、堆積中の膜の屈折率差とプラズマ領域の大きさとテーパ長を常時モニタした。プラズマ領域の大きさとテーパは常に設定値となるように制御した。
【0079】
また、常時モニタしている屈折率が所望の値となるように、プロセス中に上記設定値となるようにして磁場発生機構300への印加電流を調整してプラズマ状態の微調整を行った。つまり、屈折率が下がるような傾向となった場合、磁場強度を上げてプラズマ領域の大きさが小さくなるように設定値の微調整を行い、プラズマ領域中のGeラジカル種の濃度を上げるようにした。堆積後、パイプをコラプスしてプリフォームを作製した。
【0080】
このようにして作製したプリフォームをプリフォームアナライザによって径方向の屈折率分布を測定した結果、屈折率の変動を3%以内に収めることができた。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、磁界を印加することにより、プラズマを封じ込めるようにしているため、プラズマ密度が均一でかつ高くなり、均一で膜質の良好なガラス膜の形成が可能となり、高品質の光ファイバプリフォームが形成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の光ファイバプリフォームの製造装置を示す図である。
【図2】本発明の実施形態の光ファイバプリフォームの製造装置を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施形態の光ファイバプリフォームの製造装置を示す図である。
【図4】本発明の実施形態の光ファイバプリフォームの製造装置を示す図である。
【図5】本発明の実施形態の光ファイバプリフォームの製造装置を示す図である。
【図6】本発明の実施形態の光ファイバプリフォームの製造装置を示す図である。
【図7】本発明の実施形態の光ファイバプリフォームの製造装置の原理説明図である。
【図8】本発明の実施形態の光ファイバプリフォームの製造装置を示す図である。
【図9】本発明で用いられる磁場発生機構を示す断面図である。
【図10】本発明の第3の実施形態の光ファイバプリフォームの製造装置を示す図である。
【符号の説明】
100 ガラス管(基体)
200 プラズマ発生手段
300 磁場発生機構
400 加熱炉
500 フォトダイオードアレイ
601 発光素子
602 受光素子
603 制御装置
PR プラズマ領域
Claims (20)
- ガラス管内に、プラズマ領域を形成し、前記ガラス管と前記プラズマ領域とを相対的に往復運動させることにより、プラズマ誘起CVD法により、前記ガラス管内面にガラス膜を成膜する工程を含む光ファイバプリフォームの製造方法において、
前記成膜する工程は、前記プラズマ領域に磁界を印加し、プラズマを封じこめつつ、成膜する工程であることを特徴とする光ファイバプリフォームの製造方法。 - 前記プラズマ領域は、所望の濃度の屈折率調整のための添加物を含むことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバプリフォームの製造方法。
- 前記成膜する工程は、前記プラズマ領域が所望の位置となるように前記磁界を調節しつつ成膜することを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバプリフォームの製造方法。
- 前記磁界の調節は、磁界強度の調整により行うことを特徴とする請求項3に記載の光ファイバプリフォームの製造方法。
- 前記磁界の調節は、前記プラズマ領域のガラス管長手方向位置を考慮して行うことを特徴とする請求項3に記載の光ファイバプリフォームの製造方法。
- 前記成膜する工程は、前記プラズマ領域をモニタし、モニタ結果に応じて前記磁界の調節を実行しながら成膜することを特徴とする請求項3に記載の光ファイバプリフォームの製造方法。
- 前記磁界の調節は、前記モニタ結果が所望の値となるようなフィードバック制御の実行を含むことを特徴とする請求項6に記載の光ファイバプリフォームの製造方法。
- 前記成膜する工程は、成膜されたガラス膜の屈折率を測定し、
前記測定結果に応じて前記磁界を調節しつつ成膜する工程であることを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の光ファイバプリフォームの製造方法。 - 前記磁界は、前記プラズマ領域と一致するように形成されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の光ファイバプリフォームの製造方法。
- 前記プラズマ領域が、電場によるプラズマ発生領域の両端よりも外側まで前記磁界によって、拡張されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の光ファイバプリフォームの製造方法。
- 前記磁界は、前記往復運動に連動してガラス管に対して下流側に位置するように移動せしめられることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の光ファイバプリフォームの製造方法。
- 前記磁界強度の調整は、
前記往復運動の運動速度、原料ガスの流速に応じて、上流側では下流側よりもプラズマ領域が狭くなるように磁界強度を調整するものであることを特徴とする請求項4に記載の光ファイバプリフォームの製造方法。 - ガラス管内に、原料ガスを供給するガス供給手段と、
前記原料ガスに、電界を印加して、プラズマを生成するプラズマ生成手段と、
前記プラズマ領域に磁界を印加し、プラズマを封じこめ、プラズマ領域を形成する磁界供給手段と、
前記ガラス管を前記プラズマ領域に対して相対的に往復運動させる搬送手段とを具備し、
プラズマ誘起CVD法により、前記ガラス管内にガラス膜を形成するようにしたことを特徴とする光ファイバプリフォーム製造装置。 - さらに、前記プラズマ領域が所望の位置となるように前記磁界を調整する磁界調整手段とを具備したことを特徴とする請求項13記載の光ファイバプリフォームの製造装置。
- さらに、前記プラズマ領域をモニタし、磁界調整手段にモニタ結果を与えるモニタ手段を具備したことを特徴とする請求項14記載の光ファイバプリフォームの製造装置。
- さらに成膜されたガラス膜の屈折率を測定する屈折率測定手段と、
前記屈折率測定手段の出力に応じて前記磁界調整手段にフィードバックするフィードバック手段とを具備したことを特徴とする請求項13に記載の光ファイバプリフォームの製造装置。 - 前記磁界供給手段は、プラズマ生成手段内に配設されていることを特徴とする請求項13乃至16のいずれかに記載の光ファイバプリフォームの製造装置。
- 前記磁界供給手段は、プラズマ生成手段の外側に配設されていることを特徴とする請求項13乃至16のいずれかに記載の光ファイバプリフォームの製造装置。
- 前記磁界供給手段は、プラズマ生成手段から下流側に磁界を供給するように配設されていることを特徴とする請求項13乃至18のいずれかに記載の光ファイバプリフォームの製造装置。
- 前記磁界供給手段は、プラズマ生成手段の両端よりも外方まで磁界を供給するように配設されていることを特徴とする請求項13乃至18のいずれかに記載の光ファイバプリフォームの製造装置。
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