JP2004210561A - 光ファイバプリフォームの製造方法 - Google Patents

光ファイバプリフォームの製造方法 Download PDF

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Kazuyuki Soma
一之 相馬
Eiji Yanada
英二 梁田
Masashi Onishi
正志 大西
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Abstract

【課題】クラックの発生もなく高品質のガラス膜を形成し、信頼性の高い光ファイバプリフォームを形成する方法を提供する。
【解決手段】ガラス管100内に、原料ガスを供給してプラズマ領域を形成し、前記ガラス管を加熱しつつ前記プラズマ領域PRに対して相対的に往復運動させることにより、プラズマ誘起CVD法により、前記ガラス管内面にガラス膜を堆積する工程を含む光ファイバプリフォームの製造方法において、前記堆積する工程においては、少なくとも前記ガラス膜の表面温度を800℃から1400℃の範囲に維持するように前記ガラス管100を加熱することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバプリフォームの製造方法に係り、特に、プラズマCVD法を用いた光ファイバプリフォームの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光通信技術の進歩に伴い、光ファイバの利用が高まってきているが光ファイバの製造に関しては、通常はプリフォーム(光ファイバ母材)と呼ばれる成形体を高速で線引きすることによって所望の口径の光ファイバを得るという方法がとられる。
【0003】
従って、光ファイバの形状および品質は、プリフォームの形状および品質をそのまま引き継いでしまうため、プリフォームの形成に際しては、極めて高精度の形状および品質の制御が求められている。
【0004】
この光ファイバプリフォームの主な製造方法としては、VAD法(Vapor phase Axial Deposition:気相軸付法)、OVD法(Outer Vapor phase Deposition:外付け法)、MCVD法(Modified Chemical Vaporphase Deposition:内付法)、PCVD法(Plasma Chemical Vaporphase Deposition:プラズマ誘起CVD法)等がある。
【0005】
なかでもPCVD法は、ガラス管内に酸素、四塩化珪素、四塩化ゲルマニウムなどの原料ガスを投入してプラズマ状態とし、パイプ表面とのラジカル反応を誘起することでシリカ(酸化シリコン:SiO)からなるガラス膜を堆積する方法である。この方法では、ガラス微粒子はアモルファス状態で堆積するため、透明化されたガラス膜を直接形成することができ、他の方法で後工程として必須であった透明化熱処理工程が不要となる。そして、膜質の良好なガラス膜を形成することが可能であり、高品質の膜形成が可能である良好な方法である(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開昭59−130535号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この方法では、ガラス管をプラズマ領域にさらし、相対的に往復運動させながら堆積していくため、往復運動の折り返し点近傍でガラス管の温度が下がると、堆積されたガラス膜(堆積膜)の温度が下がり、堆積膜にクラックが発生したり、塩素(Cl)が混入してコラプス時に気泡が発生したりすることがある。一方、高温にした場合、パイプ内を真空にするため変形を生じてしまうことになり、ファイバ化したときに偏波分散(PMD)低下の原因となる。
【0008】
また屈折率調整のため、通常、ゲルマニウム(Ge)、フッ素(F)、リン(P)などの不純物を添加したガラス膜を形成することが多いが、温度により不純物の拡散係数が異なり、シリカの堆積領域と、不純物の堆積領域が異なるため、その結果、堆積されるガラス膜の組成にばらつきが生じることもある。
【0009】
また、ガラス膜を堆積する場合、温度が低下すると塩素(Cl)濃度があがり、冷却時に熱膨張率の変化により堆積膜にクラックが発生したり、気泡を生じたりすることがある。
【0010】
このように、PCVD法は極めて有効な方法ではありながら、光ファイバプリフォームの製造に際しては、堆積の基体となるガラス管の往復運動の折り返し点近傍で堆積されるガラス膜が不均一となり易いという問題があった。
【0011】
本発明は、前記実情に鑑みてなされたもので、クラックの発生を防止し高品質のガラス膜を形成し、信頼性の高い光ファイバプリフォームを形成する方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明では、ガラス管内に、原料ガスを供給してプラズマ領域を形成し、前記ガラス管を加熱しつつ前記ガラス管と前記プラズマ領域とを相対的に往復運動させることにより、プラズマ誘起CVD法により、前記ガラス管内面にガラス膜を堆積する工程を含む光ファイバプリフォームの製造方法において、前記堆積する工程においては、堆積される前記ガラス膜の長手方向全長を堆積工程中800℃から1400℃の範囲に維持するように前記ガラス管を加熱することを特徴とする。
【0013】
ところで、PCVD法では、ガラス管をプラズマ領域にさらし、相対的に往復運動させながらガラス膜を堆積していくため、往復運動の折り返し点近傍でガラス膜の温度が800℃以下に下がると、堆積されたガラス膜の温度が下がり、堆積膜にクラックが入ったり、気泡が生じたりすることがある。
一方、高温にした場合、1400℃以上となると、パイプ内を真空にするため変形を生じてしまうことになり、ファイバ化したときにPMD低下の原因となる。
しかしながら、上記構成によれば、ガラス膜の長手方向全長の温度を800℃から1400℃の範囲に維持するように、前記ガラス管を加熱しているため、折り返し端部近傍においてもプラズマ密度は均一でかつ高いものとなり、均一で膜質の良好なガラス膜の形成が可能となり、高品質の光ファイバプリフォームが形成される。
なおさらに望ましくは、900℃から1200℃に維持することにより、より高品質のガラス膜の形成が可能となる。温度が高くなるとGeが揮散するため、Geの堆積速度が下がり、好ましくない。
【0014】
特に、このプラズマ領域を形成する原料ガスが、所望の濃度の屈折率調整のための不純物、例えば塩素を含む場合、800℃以下となると塩素濃度が2000ppm以上となる可能性があり、冷却時に熱膨張率の変化により堆積膜にクラックが発生することがある。しかしながら、この方法は、ガラス膜全長の表面温度を800〜1400℃に維持するようにし、不純物濃度が均一でクラックの発生することのない光ファイバプリフォームを得るのに好適である。
【0015】
望ましくは、前記堆積する工程の終了後、前記ガラス膜が、堆積後、800℃以上で5分以上維持されるように加熱するアニール工程を含むようにすれば、クラック発生を防止し、より高品質のガラス膜を提供することが可能となる。
【0016】
また、このプラズマ領域は、加熱手段と一体的に移動するプラズマ生成手段を用いて形成され、前記堆積する工程においては、前記ガラス膜の堆積領域全体の表面温度を800℃から1400℃の範囲に維持するように前記ガラス管をプラズマ生成手段に対して相対的に往復運動させるようにしている。
【0017】
このように、加熱手段と一体的に移動するプラズマ生成手段を用いた場合、プラズマ生成手段により生成されるプラズマ領域近傍の温度プロファイルを一定に保持することができるため、往復運動のストロークおよび速度を調整することにより堆積領域となるプラズマ領域端部の温度を制御しやすく、この領域の温度を上記温度範囲に選択するようにすれば、確実に高品質のガラス膜を形成することが可能となる。
【0018】
また、前記プラズマ領域は、加熱手段と相対的に移動するプラズマ生成手段を用いて形成され、前記堆積する工程は、前記前記ガラス膜の長手方向全長の表面温度を800℃から1400℃の範囲に維持するように、前記ガラス管を相対的に往復運動する工程であることを特徴とする。
【0019】
また、堆積する工程において、前記プラズマ生成手段の上流側および下流側に伸長して配設された加熱炉を加熱手段として用いるようにすれば、端部の温度低下を防止することができ、堆積領域の温度低下を防止することが可能となる。
【0020】
なおこの加熱範囲は、往復運動の速度に応じて決定するのが望ましい。また原料ガスの流速をも考慮するとさらに効果的である。
【0021】
また、加熱領域の長さが堆積領域全長よりも短い加熱源を用いる場合は、堆積領域を、800℃から1400℃に保持しうるように、往復運動速度を早くすることで表面温度低下を抑制することが可能となる。
【0022】
また、本発明の光ファイバプリフォームの製造方法は以下のような製造装置を用いて実現される。
本発明の実施に用いられる光ファイバプリフォーム製造装置では、ガラス管内に、原料ガスを供給するガス供給手段と、前記原料ガスに、電界を印加して、プラズマ領域を生起するプラズマ生成手段と、前記ガラス管を前記プラズマ領域に対して相対的に往復運動させる搬送手段と、前記ガラス管を加熱する加熱手段とを具備し、プラズマ誘起CVD法により、前記ガラス管内にシリカを含むガラス膜を形成する光ファイバプリフォーム製造装置において、前記加熱手段は、前記往復運動の折り返し点よりも所定の長さだけ外方に端部が位置するように配設されていることを特徴とする。
【0023】
かかる構成によれば、炉内に堆積領域が完全に収まり堆積されたガラス膜の表面温度を800℃から1400℃(1200℃)に維持するように構成することができる。
【0024】
プラズマ領域に対し、ガラス管を軸方向に沿って相対的に往復運動するに際し、往復運動の距離(ストローク)を長くすると、炉外に出る部分が生じガラス管およびその表面に形成されたガラス膜の表面温度が800℃以下に低下する。そして再びトラバースしてきたときに温度が十分に高温とならないため、堆積膜中に高濃度の塩素が混入し、クラックの原因となる。しかしストローク端を加熱手段で覆うように形成すれば表面温度が800℃以下に低下するのを防ぐことができる。
さらに前記プラズマ領域に磁界を印加し、プラズマを封じこめ、プラズマ領域を形成する磁界供給手段を具備するようにすれば、磁界によるプラズマの封じ込めにより高密度プラズマを形成することができるため高品質のガラス膜を形成することができる。また、不純物を含むガラス膜を形成する場合、磁界によるプラズマの封じ込めによりシリカの堆積領域とGeなどの不純物の堆積領域が一致するようにし、均一で高品質のガラス膜を堆積することができる。
【0025】
プラズマは磁力線に巻きつきながら運動する性質をもつ。そして磁力線に巻きつきながら運動することにより、プラズマはよりイオン密度が高くなる領域を作りこれを保持する。ここではこれを“プラズマを封じ込める”と表現する。
【0026】
なおこの加熱手段としては、前記プラズマ生成手段の外側に配設された加熱炉を用いるようにすれば、マイクロ波や磁場を遮蔽することなく形成できる。
【0027】
また、この加熱手段を、前記プラズマ生成手段の内側に配設するようにすれば、より効率よく加熱することができる。反面プラズマ領域を遮蔽する場合があるため、マイクロ波透過性の構造で構成されたヒータを用いるかあるいは、熱媒体をプラズマ透過性の材料で構成した誘導加熱方式の加熱炉を用いるようにすればよい。
【0028】
また、加熱手段を、プラズマ生成手段の上流側および下流側に伸長して配設された加熱炉で構成するようにすれば、マイクロ波の遮蔽もなく、かつ温度低下を招きやすい端部が、プラズマ生成手段の上流側および下流側に隣接して設けられた加熱手段により確実に保温されるため、効率よく高品質の光ファイバプリフォームを形成することができる。
【0029】
なお、ガラス管を固定し、プラズマ生成手段を往復運動する装置構成の場合には、プラズマ生成手段と加熱手段とを一体的に構成し共動させることにより、プラズマ生成手段により生成されるプラズマ領域近傍の温度プロファイルを一定に保持することができる。
【0030】
また、堆積する工程は、前記プラズマ領域の温度をモニタし、このモニタ結果に応じて、プラズマ領域の温度が800℃から1400℃に維持されるように温度を調整するのが望ましい。これにより、高品質のガラス膜を形成することが可能となる。
【0031】
なお、プラズマ中のイオン密度は磁場が強いほど大きくなる。このためプラズマ密度の集約やプラズマ領域の限定に大きく寄与することになる。例えばミラー磁場やカスプ型磁場など種々の磁場を選択することにより、プラズマ領域の限定効果を得ることができる。また磁場を発生するための機構としては常磁性磁石や電磁石がある。さらに、イオン密度を上げる場合、ECR(電子サイクロトロン共鳴)法を用いるのがよい。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0033】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態の光ファイバプリフォーム製造装置は、ガラス管へのガラス膜の堆積を行うための装置であって、図1に示すように、ガラス管100に対して、図示しないガス供給手段を用いて1端側100Aから他端側100Bに向けて原料ガスGを所定の流速で流しながら、プラズマ生成手段を備えたプラズマ発生装置200を用いて、ガラス管内にプラズマ領域PRを生起させ、このプラズマ領域をガラス管100に対して往復運動することによりガラス管100の内壁にガラス膜300を堆積する。
【0034】
この装置では加熱手段はプラズマ発生装置とともにガラス管100の管軸に沿って往復運動するようになっており、ガラス膜の表面温度を900℃から1400℃の範囲に維持するように加熱が制御される。
【0035】
なお必要に応じて、このプラズマ発生装置で生起されたプラズマに磁場発生機構(図示せず)によって磁界をかけ、プラズマを封じ込めるようにしてもよい。
【0036】
このように温度を調整しつつ、プラズマ領域PRに対しガラス管を所定の速度で往復運動させることにより、このガラス管100の内壁にガラス薄膜300を積層していく。PR,PRは夫々の側での折り返し点を示す。
そしてこのようにして形成されたガラス薄膜を有するガラス管100内にコアロッドを挿通してコラプスを行い、光ファイバプリフォームが形成される。
【0037】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態の光ファイバプリフォーム製造装置は、図2に示すように、プラズマ発生装置200の外側に配設された加熱炉からなる加熱手段400を用いたことを特徴とするものである。
【0038】
この装置では、プラズマ発生装置200を加熱手段400の端部にまで動かせば、有効長を大きくとることができるが、このとき加熱炉内に堆積領域が完全に収まり表面温度を800℃から1200℃に保持できるようにする。
【0039】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態の光ファイバプリフォーム製造装置では、加熱手段400を、プラズマ発生装置200の内側に配設するようにした点で、第2の実施の形態と異なる。他は同様である。
この装置では、より効率よく加熱することができる。しかしその反面マイクロ波を遮蔽する場合がある。
【0040】
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態は、ガラス管表面の温度を温度センサ601、602でモニタし、モニタ結果に基づいてガラス膜の温度が所定値になるように、プラズマ発生装置200および加熱手段400を一括駆動するように駆動速度を調整するようにしたことを特徴とする。このとき駆動速度は、ガラス管表面の温度が900℃から1400℃の範囲にあるように調整される。(これによりガラス管表面に堆積されるガラス膜の温度もこの範囲に維持される。)
【0041】
この光ファイバプリフォーム製造装置は、図4に示すように、炉内に炉内温度を検出する温度センサ601S、602Sを配置し、そのセンサの出力に応じ、その結果を制御手段603で制御して、ガラス膜の温度が所定値になるようにプラズマ発生装置200および加熱手段400の駆動速度を調整するようにしたことを特徴とする。他部については前記第1の実施の形態の光ファイバプリフォーム製造装置と同様である。
【0042】
さらに、PCVD法を用いたガラス膜の形成に際しては、堆積中の基体(ガラス管)温度が低い場合、クラックが発生したり、コラプス中に気泡を発生することがあり、歩留まりを低下することがある。これは、堆積膜中の塩素濃度が2000ppm以上と高くても、800℃以上に保つことにより気泡やクラックを防止することができる。
【0043】
なお温度センサとしては、接触式でも良いが、非接触で温度計測を行うことのできる赤外線センサや熱電対などを用いるのが望ましい。また、高精度の温度制御を行う必要がある場合には、実際に測定できるガラス管表面の温度をガラス膜の熱容量等の物性値を用いて堆積膜表面の温度に換算して検知するように構成することが可能である。
【0044】
これら第1乃至第4の実施の形態に示した装置によれば、良好に保温を行うことができる。このようにして、形成されたガラス膜によれば、コラプス中に気泡を発生することも大きく減じることができる。
【0045】
ここでプラズマ生成手段としては、2.45GHzなどのマイクロ波を利用する場合と、13.56MHzなどのラジオ波を利用する場合があるがラジオ波はマイクロ波に比べて比較的プラズマを発生しやすいが効率は低い。一方で、ラジオ波は均質な膜を作る点では、劣るが、効率は高く低コストである。用途に応じて適宜選択可能である。さらにまたイオン濃度を上げたい場合にはECR(電子サイクロトロン共鳴)を用いるのが望ましい。
また加熱手段としては、抵抗炉、誘導炉などを用いるようにしてもよい。
【0046】
なお、さらに、磁場発生機構を用いて、磁界をかけプラズマの閉じ込めを行った場合、より効果的である。このような装置においては、磁場の中にプラズマをおいた場合、プラズマ中のイオンや電子は磁力線を中心に回転運動をする(サイクロトロン運動)。このとき電子と陽イオンの回転方向は逆である。そこで、プラズマ中のイオンや電子が磁力線を中心にドリフトを始めると、これらイオンや電子が回りの中性分子やイオンと衝突するため、さらにイオン化密度を増すことになる。これが、磁場がかかっている領域のイオンや電子の濃度が高い理由であり、一度磁力線にトラップされたイオンや電子は衝突などがないと抜けられないため、結果的にプラズマが閉じ込められるという現象がおこることになる。
【0047】
(実施例1)
以下本発明の実施例について説明する。
まず、図1に示すように、プラズマ発生装置200としては、2.45GHzのマイクロ波を発生させるマグネトロンとその導波路とを用い、磁場発生機構300として磁束密度可変の電磁石を用い、プラズマ発生装置の両側に設置した。
【0048】
まず、図1に示すように、外径15mm、内径13mmの純シリカパイプからなるガラス管100を出発パイプとして用いた。そしてこのガラス管100内に四塩化珪素36sccm、四塩化ゲルマニウム14sccm、酸素200sccm、アルゴン20sccmを投入し、内圧を1500Paに保持した。プラズマ発生装置に印加するマイクロ波は出力を800Wとした。又加熱手段400を1150℃に保持した。
【0049】
そしてこのプラズマ発生器200を加熱手段400とともに10mm/minで往復運動させ、1000層堆積させた。
このようにしてガラス膜の形成されたガラス管を冷却後、他の工程で形成したガラスロッド(図示せず)とコラプスした。
【0050】
このようにして形成された光ファイバプリフォームはコラプス中もコラプス後も、クラックの発生もなく、良好な光ファイバプリフォームを構成するものであった。
これをEPMA(電子プローブマイクロアナライザ)で分析した結果、塩素濃度が200ppm以下であった。
また、堆積終了後、プラズマ発生装置をOFFにし、この後加熱手段はON状態にし、800℃以上で5分以上維持されるように加熱した(アニール工程)。
【0051】
これにより、塩素濃度が20ppm以下となり、さらにクラック発生を防止し、高品質のガラス膜を提供することができた。
このように前記実施例1では、高歩留まりで信頼性の高いガラス膜を形成することが可能となり、高品質の光ファイバプリフォームを形成することができる。
【0052】
(比較例1)
これに対し、ガラス管の下流側でガラス管の内面温度が700℃程度となる領域に堆積プロファイルが重なるようにし、他は同様にしてガラス膜を堆積し、同様にコラプスを行なった。
その結果コラプス中にガラス膜にクラックが発生し、光ファイバプリフォーム全体にクラックが伝播した。
【0053】
クラックが入ったコラプス体を長手方向にEPMAで分析を行なったところ、塩素濃度が2000ppm以上であった。
【0054】
(実施例2)
以下本発明の実施例について説明する。
まず、図1に示すように、前記実施例1と同様のガラス管100を使用し、ガラス管100内に四塩化珪素92sccm、四塩化ゲルマニウム60sccm、酸素500sccm、アルゴン20sccmを投入し、内圧を1500Paに保持した。プラズマ発生装置に印加するマイクロ波は出力を1kwとした。又加熱手段400を1150℃に保持し、400回往復運動を行った。
【0055】
このようにして形成された光ファイバプリフォームはコラプス中もコラプス後も、クラックの発生もなく、良好な光ファイバプリフォームを構成するものであった。
これをEPMAで分析した結果、塩素濃度が200ppm以下であった。
【0056】
(比較例2)
これに対し、ガラス管の下流側でガラス管の内面温度が700℃程度となる領域に堆積プロファイルが重なるようにし、他は同様にしてガラス膜を堆積し、同様にコラプスを行なった。
その結果コラプス中にガラス膜にクラックが発生し、光ファイバプリフォーム全体にクラックが伝播した。
【0057】
クラックが入ったコラプス体を長手方向にEPMAで分析を行なったところ、塩素濃度が2000ppm以上であった。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ガラス膜の表面温度を800℃から1400℃の範囲に維持するように、前記ガラス管を加熱しているため、折り返し端部近傍においてもプラズマ密度は均一でかつ高くなり、クラックの発生も少なく、均一で膜質の良好なガラス膜の形成が可能となり、高品質の光ファイバプリフォームが形成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の光ファイバプリフォームの製造方法に用いられる装置を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態の光ファイバプリフォームの製造方法に用いられる装置を示す図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態の光ファイバプリフォームの製造方法に用いられる装置を示す図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態の光ファイバプリフォームの製造方法に用いられる装置を示す図である。
【図5】ガラス管内の温度と塩素濃度との関係を示す図である。
【符号の説明】
100 ガラス管(基体)
200 プラズマ発生装置
300 ガラス膜
400 加熱炉
PR プラズマ領域

Claims (4)

  1. ガラス管内に、原料ガスを供給してプラズマ領域を形成し、前記ガラス管を加熱しつつ前記ガラス管と前記プラズマ領域とを相対的に往復運動させることにより、プラズマ誘起CVD法により、前記ガラス管内面にガラス膜を堆積する工程を含む光ファイバプリフォームの製造方法において、
    前記堆積する工程においては、堆積される前記ガラス膜の長手方向全長を800℃から1400℃の範囲に維持するように前記ガラス管を加熱することを特徴とする光ファイバプリフォームの製造方法。
  2. 前記堆積する工程の終了後、前記ガラス膜を、堆積後、800℃以上で5分以上維持するように加熱するアニール工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバプリフォームの製造方法。
  3. 前記プラズマ領域は、加熱手段と一体的に移動するプラズマ生成手段を用いて形成され、
    前記堆積する工程においては、前記ガラス膜の堆積領域全体の表面温度を800℃から1400℃の範囲に維持するように前記ガラス管に対して相対的に往復運動させるようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバプリフォームの製造方法。
  4. 前記プラズマ領域は、加熱手段と相対的に移動するプラズマ生成手段を用いて形成され、
    前記堆積する工程は、前記前記ガラス膜の長手方向全長の表面温度を800℃から1400℃の範囲に維持するように、前記ガラス管を相対的に往復運動する工程であることを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバプリフォーム製造方法。
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