JP5781308B2 - 異種タンパク質を得る方法およびインスリン類似体 - Google Patents

異種タンパク質を得る方法およびインスリン類似体 Download PDF

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Description

本発明は、関連不純物を有していない、又は、グリコシル化不純物を実質的に極少量含む精製異種タンパク質生成物を産出する不純物の分離及び/又は精製方法に関する。特に、本発明は、ピキア・パストリス(Pichia pastoris、メタノール資化酵母)のような酵母に基づく系において発現後に特徴づけられるグラルギン不純物のようなインスリン類似体のグリコシル化された種類の識別に関する。また、本発明は、タンパク質インスリングラルギンをコード化する遺伝子をクローン化し、適切な酵母宿主に関連遺伝子を挿入し、組み換え型菌株を培養し、異種ポリペプチドの発現を促進し、発酵及び関連する酵素変換後の分泌と精製の方法に関する。
従来技術の説明
インスリン、インスリン類似体及び/又は派生物の組み換え型は様々な微生物発現系を生み出している。現在、大腸菌(E.coli)、サッカロマイセス・セレヴィシエ(S.cerevisiae)のような生命体は、組み換え型ヒトインスリン及びその派生物の商業生産に用いられている。低発現量、下流精製における困難性などのようなこれらの系のいくつかの不利点のため、メチロトローフ酵母であるピキア・パストリスの使用はタンパク質発現系として主流になっている。この発現系は、高い発現性、簡単な処理、低生産コスト、高濃度培養等のいくつかの利点をもたらす(米国特許第6800606号明細書)。
酵母発現系は、培養が容易で、速く、測量可能であるため一般的である。しかしながら、いくつかの酵母発現系は一貫性がない結果を生じさせ、時々高収率を実現するのが困難である。有望な一つの酵母発現系は、メチロトローフ性ピキア・パストリスである。他の真核性発現系と比較すると、動物細胞培養において生じるバクテリアやタンパク質のウイルス汚染問題に関連するエンドトキシン問題がないため、ピキア属は多くの利点を有する(Cino, Am Biotech Lab, May 1999)。スケールアップチャレンジは、pH制御や酸素制限、栄養物制限、温度変動及び他の安全問題を含んでいるが、ピキアの豊富な成長率は容易に大量生産を可能にする(Gottschalk, 2003, BioProcess Intl 1(4):54-61; Cino Am Biotech Lab, May 1999)。
様々な利点はピキア・パストリスのような酵母に基づく発現系の結果と考えられるが、この系の主要な不利点の一つは、精製が難しい最終生成物内に不純物として後に存在する、結果として生じるタンパク質の翻訳後修飾である。多くのタンパク質の翻訳後修飾が知られているが、最も一般的な翻訳後修飾の種類はグリコシル化である(Hart G.W, Glycosylation, Curr. Opin. Cell.Biol 1992; 4: 1017)。グリコシル化は、発現系に応じて、N結合型又はO結合型のいずれかを取ることができる(Gemmill TR et al., Overview of N- and O- linked oligosaccharide structures found in various yeast species, Biochemica et Biophysica Acta, 1999; 1426:227)。グリコシル化は、タンパク質構造の安定性、免疫原性、除去率、タンパク質分解からの保護に影響を及ぼし、タンパク質溶解性を改良する(Walsh G, Biopharmaceutical benchmarks 2006, Nature Biotechnology, 2006; 24:769)。
バイオテクノロジーの製造の改良における大幅な進歩にもかかわらず、すべてのタンパク質の地球的解決は存在しない。特定の治療用タンパク質の生産プロセスは、そのタンパク質又はタンパク質群に特有であるかもしれない問題の新しく革新的な解決を必要としている。同様に、成功した商用アプリケーションは、しばしばタンパク質又はタンパク質群の特定の性質と、医療品であるタンパク質又はタンパク質群の製造に用いられる生産プロセスの組合せに依存する。
本発明は、インスリン類似体、特に、識別のための電気スプレイやマトリックス支援レーザー脱離イオン化のような質量分析技術に伴う化学的手法を経たインスリングラルギンの様々なグリコフォームの識別に関する。本発明はこれとともに、最終生成物に存在する不純物の性質のよりよい理解の結果、最適化された下流精製方法を経た前述の不純物からの生成物の選択的精製を可能にするものとする。このようにして精製された最終生成物は、実質的に本発明で特徴づけられた不純物を有していないものとする。
米国特許第4444683号明細書及びその関連出願は、スペーサー基を介してインスリンと結合されたグルコース又はマンノースがジカルボン酸、酸無水物、フェニルアミン又はその組合せに由来するグリコシル化インスリンを権利請求している。
国際公開第90/10645号は、特に1以上の単糖類基又は3糖単位の1以上のオリゴ糖基を含むグリコシル化インスリンを権利請求している。A1、B1又はB29の位置で、インスリンは、モノグリコシル化又はトリグリコシル化される。
国際公開99/52934号は、Ca++を含む溶離液を用いてグリコシル化及び非グリコシル化タンパク質を含む溶液をクロマトグラフィーに適用し、非グリコシル化タンパク質を含み、実質的にグリコシル化タンパク質を含まない留分を得ることによって、グリコシル化タンパク質を非グリコシル化タンパク質から分離するプロセスを権利請求している。
グラルギンの糖型は、上述の先行文献には開示されていない。本発明は、酵母に基づく発現系を経て発酵した後の100%純粋なグラルギン生成物を得るために、特徴づけられたグリコシル化不純物量が削減されたインスリングラルギンのようなインスリン類似体の精製方法について論じる。
本発明の目的
本発明の主目的は、精製された、酵母発現系において組み換え発現した生物活性異種タンパク質を得る方法を開発することであり、精製タンパク質は、グリコシル化副産物を有していない、又は、実質的に極少量のグリコシル化副産物を含むことを特徴とする。
本発明の他の目的は、宿主細胞において組み換え発現した、精製された、生物活性異種タンパク質を得るプロセスを開発することである。
また、本発明の他の目的は、精製された、生物活性異種タンパク質を生成するプロセスを開発することである。
さらに、本発明の他の目的は、少なくとも96%の純度の精製された、生物活性異種タンパク質生成物を得ることである。
さらに、本発明の他の目的は、97−100%の範囲の純度の精製された、生物活性異種タンパク質生成物を得ることである。
さらに、本発明の他の目的は、少なくとも96%の純度の精製インスリングラルギンを得ることである。
さらに、本発明の他の目的は、1%以下のグリコシル化不純物を含む精製インスリングラルギンを得ることである。
さらに、本発明の他の目的は、グリコシル化不純物を有していない精製インスリングラルギンを得ることである。
さらに、本発明の他の目的は、グリコシル化不純物を有していない精製インスリングラルギンを得ることであり、タンパク質のグリコシル化型は、モノグリコシル化、トリグリコシル化、ポリグリコシル化でもよい。
従って、本発明は、酵母発現系において組み換え発現された、精製された生物活性異種タンパク質を得る方法に関し、前記精製タンパク質はグリコシル化副産物を有しないか又は実質的に極少量のグリコシル化副産物を含むことを特徴とする。宿主細胞において組み換え発現された精製された生物活性異種タンパク質を得る方法は、以下のステップを含む。a)タンパク質の発現に適した条件のもとで、式Iによって定義された異種タンパク質の前駆体をコード化するDNA配列を含むベクターによって変形された宿主細胞を培養する。b)回収されるタンパク質製剤を生産するため、宿主細胞から前記タンパク質を分離する工程を含む、発現したタンパク質の回収。c)ステップ(b)で回収されたタンパク質を結晶化のステップに適用する。d)トリプシン又はトリプシン様の酵素の存在下において、酵素的変換ステップを実行する。e)クロマトグラフィックマトリックスに前記タンパク質混合物を接触することによって、少なくとも1つの関連不純物を含む前記タンパク質を精製する。精製は、有機酸緩衝液を含む水相において、極性有機緩衝溶媒を適用して実行される。f)溶出タンパク質を沈殿させる。
請求項9の精製された生物活性異種タンパク質の生産プロセスは、以下を含む。a)前記タンパクを発現させる発現ベクターを含む酵母形質転換体菌株を含水発酵培地に接種する。b)前記タンパク質の発現に有効な条件下において、培地で転換された菌株を成長させる。精製された生物活性異種タンパク質は、少なくとも純度96%である。精製された生物課制異種タンパク質生成物は、97%−100%の範囲の純度である。精製インスリングラルギンは、少なくとも純度96%である。精製インスリングラルギンは、1%以下のグリコシル化不純物を含む。精製インスリングラルギンは、グリコシル化不純物を含まない。精製インスリングラルギンにおいて、タンパク質のグリコシル化形は、モノグリコシル化、トリグルコシル化、ポリグリコシル化であってもよい。
異なる濃度における、トリプシン処理インスリングラルギンの%収率と時間(hrs)の関係のグラフ 酵素処理前後の異なる時点における反応の分析クロマトグラム インスリングラルギンのHPLC分析結果 最終生成物と分離した不純物のリテンションタイムの比較 インスリングラルギン最終生成物のRP−HPLC分析結果 インスリングラルギン最終生成物のSEC−HPLC分析結果 グラルギン、モノグリコシル化インスリングラルギン(mGIG)及びトリグリコシル化(tGIG)の電気スプレイイオン化質量スペクトル モノグリコシル化インスリングラルギン(mGIG)のマトリックス支援レーザー脱離イオン化質量スペクトル トリグリコシル化グラルギン(tGIG)のマトリックス支援レーザー脱離イオン化質量スペクトル
本発明は、酵母発現系において組み換え発現した、精製された、生物活性異種タンパク質を得る方法に関し、精製タンパク質は、グリコシル化副産物を有していない、又は実質的に極少量のグリコシル化副産物を有していることを特徴とする。
本発明の他の実施の形態において、異種タンパク質の前駆体は式Iによって表わされる。
X−B−Y−A
ここで、
Xは、少なくとも1つのアミノ酸を含むリーダーペプチド配列である。
Bは、インスリン分子、その派生物又は類似体のB鎖のアミノ酸配列である。
Yは、少なくとも2つのアミノ酸を含むリンカーペプチドである。
Aは、インスリン分子、その派生物又は類似体のA鎖のアミノ酸配列であり、アミノ酸置換、欠損及び/又は付加によって、A、B鎖は変更できる。
さらに、本発明の他の実施の形態において、リンカーペプチドは、最初の2つのアミノ酸が"RR"を表わすという条件で、少なくとも2つのアミノ酸を含むどのような配列であってもよい。
さらに、本発明の他の実施の形態において、前記タンパク質はSEQ ID: 1又はSEQ ID: 2で定義される。
さらに、本発明の他の実施の形態において、酵母発現系の宿主細胞はピキア属種(Pichia sp)から選択される。
さらに、本発明の他の実施の形態において、酵母発現系の宿主細胞は、ピキア・パストリス、ピキア・メタノリカ(Pichia methanolica)、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schisaosaccharomyces pombe)、 ヤロビア・リピリティカ(Yarrovia lipilitica)、ハンセヌラポリモルファ(Hansenula polymorpha)、クルイベロミセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)を含むグループから選択される。
さらに、本発明の他の実施の形態において、タンパク質のグリコシル化形は、モノグリコシル化、トリグリコシル化又はポリグリコシル化であってもよい。
さらに、本発明の他の実施の形態は、前記精製タンパク質は1%未満のグリコシル化不純物を含む。
本発明はまた、宿主細胞において組み換え発現された、精製された、生物活性異種タンパク質を得るプロセスに関し、このプロセルは以下のステップを含む。
a)タンパク質の発現に適した条件のもとで、異種タンパク質をコード化する式Iによって定義されたDNA配列を含むベクターによって変形された宿主細胞を培養する。
b)回収されるタンパク質製剤を生産するため、宿主細胞から前記タンパク質を分離する工程を含む、発現したタンパク質の回収。
c)ステップ(b)で回収されたタンパク質を結晶化のステップに適用する。
d)トリプシン又はトリプシン様の酵素の存在下において、酵素的変換ステップを実行する。
e)クロマトグラフィックマトリックスとともに前記タンパク質混合物を含む少なくとも1つの関連不純物を含む前記タンパク質を精製する。精製は、有機酸緩衝液を含む水相において、極性有機緩衝溶媒を適用して実行される。
f)溶出タンパク質を沈殿させる。
さらに、本発明の他の実施の形態において、異種タンパク質の前駆体は式Iによって表わされる。
X−B−Y−A
ここで、
Xは、少なくとも1つのアミノ酸を含むリーダーペプチド配列である。
Bは、インスリン分子、その派生物又は類似体のB鎖のアミノ酸配列である。
Yは、少なくとも2つのアミノ酸を含むリンカーペプチドである。
Aは、インスリン分子、その派生物又は類似体のA鎖のアミノ酸配列であり、アミノ酸置換、欠損及び/又は付加によって、A鎖、B鎖は変更できる。
さらに、本発明の他の実施の形態において、リンカーペプチドは、最初の2つのアミノ酸が"RR"を表わすという条件で、少なくとも2つのアミノ酸を含むどのような配列であってもよい。
さらに、本発明の他の実施の形態において、SEQ ID: 1又はSEQ ID: 2で定義される遺伝子はシグナルペプチドを用いる機構でクローン化される。
さらに、本発明の他の実施の形態において、SEQ ID: 1又はSEQ ID: 2で定義される遺伝子はmat-α-シグナルペプチド(mat-α-signal peptide)を用いる機構でクローン化される。
さらに、本発明の他の実施の形態において、宿主細胞はピキア属種から選択される。
さらに、本発明の他の実施の形態において、宿主細胞は、ピキア・パストリス, ピキア・メタノリカ、サッカロマイセス・セレビシエ、シゾサッカロミセス・ポンベ、ヤロビア・リピリティカ、 ハンセヌラポリモルファ、 クルイベロミセス・ラクチスを含むグループから選択される。
さらに、本発明の他の実施の形態において、宿主細胞はピキア・パストリスである。
また、本発明の他の実施の形態において、宿主菌株はGS115である。
本発明は、また、精製された生物活性異種タンパク質の生産プロセスに関し、以下を含む。
a)前記タンパクを発現させる発現ベクターを含む形質転換体酵母菌株を含水発酵培地に接種する。
b)前記タンパク質の発現に有効な条件下において、発酵培地で転換された菌株を成育する。
本発明はまた、精製生物活性異種タンパク質の生産プロセスに関する。発現されたタンパク質は、イオン交換クロマトグラフィーを用いて発酵液体培地から採取される。
本発明の他の実施の形態は、前記プロセスは、塩化亜鉛及びフェノールを添加することにより、タンパク質を結晶化させるステップを含む。
本発明は、また、精製された生物活性異種タンパク質の生産プロセスに関する。前記プロセスは、水混和性有機溶媒においてトリプシンの存在下で作用する酵素的変換のステップを含む。
本発明の他の実施の形態において、水混和性有機溶媒は、DMSO、DMF、エタノール、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル又はこれらの混合物のグループから選択される。
本発明の他の実施の形態において、上記プロセスは、前記タンパク質混合物をクロマトグラフィー樹脂マトリックスに接触することにより、少なくとも1つの関連不純物を含むタンパク質混合物をRP−HPLC精製するステップを含む。精製は、有機酸緩衝液を含む水相において、極性有機緩衝溶媒を適用して行われる。
本発明の他の実施の形態において、極性緩衝溶媒は、アセトニトリルである。
本発明の他の実施の形態において、有機酸緩衝液は、クエン酸、酢酸、ホウ酸、ギ酸、塩酸、リン酸を含むグループから選択される。
本発明はまた、前記いずれかの請求項に従って得られる、少なくとも純度96%の精製された、生物活性異種タンパク質生成物に関する。
本発明はまた、97−100%の範囲の純度の精製された、生物活性異種タンパク質生成物、プロセスに関する。
さらに、本発明の他の実施の形態において、精製されたインスリングラルギンは、少なくとも96%の純度である。
さらに、本発明の他の実施の形態において、精製されたインスリングラルギンは、1%以下のグリコシル化不純物を含む。
さらに、本発明の他の実施の形態において、精製されたインスリングラルギンは、グリコシル化不純物を有しない。
さらに、本発明の他の実施の形態において、精製されたインスリングラルギンにおけるタンパク質のグリコシル化形は、モノグリコシル化、トリグリコシル化、ポリグリコシル化であってもよい。
ここで、以下の例とともに、本発明の原理を説明するのに役立つ発明の現在の好適な実施の形態を詳細に説明する。
以下の実施例は、発明の理解を助けるために示されるものであり、決してそのスコープを限定することを目的とするものでなく、限定するものと解釈されるべきではない。実施例は、ベクターの構築、そのようなベクターにポリペプチドをコード化する遺伝子の挿入又は結果として生じるプラスミドの宿主への導入において用いられている従来の方法の詳細な説明を含まない。実施例はまた、そのような宿主ベクター系によって生産されたポリペプチドを検査するのに用いられる従来の方法の詳細な説明を含まない。そのような方法は当業者によく知られており、例として含む多数の刊行物において説明されている。
発明の一態様において、宿主細胞において組み換え発現された、精製された生物活性異種タンパク質を得るプロセスは、以下のステップを含む。
a)タンパク質の発現に適した条件のもとで、異種タンパク質をコード化するSEQ ID 1又は2によって定義されたDNA配列を含むベクターによって変形された宿主細胞を培養する。
b)回収されるタンパク質製剤を生産するため、宿主細胞から前記タンパク質を分離する工程を含む、発現したタンパク質の回収。
c)ステップ(b)で回収されたタンパク質を結晶化のステップに適用する。
d)トリプシン又はトリプシン様の酵素の存在下において、酵素的変換ステップを実行する。
e)前記タンパク質混合物をクロマトグラフィーマトリックスと接触することによって、少なくとも1つの関連不純物を含む前記タンパク質を精製する。精製は、有機酸緩衝液を含む水相において、極性有機緩衝溶媒を適用して実行される。
f)溶出タンパク質を沈殿させる。
定義
「細胞」、「細胞培養」、「組み換え宿主細胞」又は「宿主細胞」は、文脈から明確であるように、しばしば互換性を持って使用される。これらの用語は、本発明の所望のタンパク質を発現する直接の対象細胞、及び、もちろんそれらの子孫も含んでいる。すべての産物がまさに親細胞と同じであるというわけではないということが、環境の変異又は違いによって理解される。しかしながら、そのような変化した産物は、その産物がもともと変形した細胞に与えられたものに関する特性を保持する限り、これらの用語に含まれる。
ここに使用されるように、「ベクター」という用語は、リンクされた他の核酸を輸送することができる核酸分子について言及する。「発現ベクター」という用語は、ベクターによって運ばれたそれぞれの組み換え遺伝子によってコード化された対象タンパク質を合成することができるプラスミド、コスミッド又はファージを含む。好適なベクターは、自己複製及びリンクされた核酸の発現ができる。本明細書において、プラスミドが最も一般的に使用されるベクターの形であるので、「プラスミド」及び「ベクター」は、互換性を持って使用される。さらに、本発明は、同等の機能を果たし、その後技術的に知られるようになる発現ベクターの他の形を含むことを意図している。
ここで、インスリングラルギンの活性を有しているとされるポリペプチドは、例えば、ヒトインスリン構造の2つの変化を有するアミノ酸配列を有していることが理解されているインスリングラルギンである。それは、ヒトインスリンのA鎖21位で、天然アスパラギンのアミノ酸グリシンへの置換、及び、組み換えDNA技術で生産されたヒトインスリンのB鎖NH端末側終端への2つのアルギニン分子の添加である。インスリングラルギンを含むいずれのインスリンの本来の機能も、グルコース代謝制御である。インスリンとその類似体は、特に骨格筋と脂肪中の周辺グルコース摂取の刺激及び肝臓のグルコース生産の抑制によって、血糖値を下げる。
異種タンパク質の前駆体は、式Iで表わされる。
X−B−Y−A
ここで、
Xは、少なくとも1つのアミノ酸を含むリーダーペプチド配列である。
Bは、インスリン分子、その派生物又は類似体のB鎖のアミノ酸配列である。
Yは、少なくとも2つのアミノ酸を含むリンカーペプチドである。
Aは、インスリン分子、その派生物又は類似体のA鎖のアミノ酸配列であり、アミノ酸置換、欠損及び/又は付加によって、A鎖、B鎖は変更できる。


ここで用いられる「Cペプチド」又は「リンカーペプチド」という用語は、天然ペプチド又は合成ペプチドを含むインスリンCペプチドのすべての形を含む。そのようなインスリンCペプチドは、ヒトペプチドであってもよく、他の動物種及び属、好ましくは哺乳類由来であってもよい。従って、インスリンCペプチド活性を保持する限り、天然インスリンの異形と変更は含まれる。それらの有益な活性が保持される間、タンパク質又はペプチドの配列を修正することが技術的に知られている。これは、技術的に標準であり、広く論文で述べられている。例えば、部位特異的突然変異誘発や核酸等の開裂やリンクなどの技術を用いることによって実現することができる。従って、機能的に等しい天然インスリンC−ペプチド配列の変異体又は派生物は、技術的によく知られている技術に従って容易に作成でき、機能的、例えば、生物的な天然インスリンC−ペプチドの活性を有するペプチド配列を含む。このようなすべてのインスリンC−ペプチドの類似体、変異体、派生物又は残留物は、特に、この発明のスコープに含まれ、「インスリンC−ぺプチド」という用語に包含される。
リンカー配列は、少なくとも2つのアミノ酸を有するどのような配列であってもよい。リンカー部は、長さは重要でなく、便宜上又は選択に従って選択されてもよいが、2から25、2から15、2から12、2から10のアミノ残基を有してもよい。リンカーペプチドは、最初の2つのアミノ酸が"RR"を表わすという条件で、少なくとも2つのアミノ酸を含むどのような配列でもよい。さらに、ある条件下において、タンパク質の生物活性の単なるサブセットの作動薬又は拮抗薬のいずれかである対象インスリングラルギンタンパク質の形式のホモログを供給することが有利であることが一般に理解される。このため、特有の生物学的効果は、制限された機能のホモログを用いた、少ない副作用の処理によって誘発されうる。
一実施の形態において、本発明の核酸は、ヒトインスリングラルギンの作動薬又は拮抗薬のいずれかであるポリペプチドをコード化する。それはSEQ ID No: 2によって表わされるアミノ酸配列からなる。好適な核酸は、インスリングラルギンタンパク質活性を有し、SEQ ID No: 2に示されるアミノ酸配列で、少なくとも90%のホモログであり、さらに好ましくは95%のホモログであり、最も好ましくは97%のホモログであるペプチドをコード化する。インスリングラルギンの作動薬又は拮抗薬形をコード化する、SEQ ID No: 2に示される配列と少なくとも98−99%の同族関係を有する核酸はまた、本発明のスコープに属する。好ましくは、核酸は、少なくとも、SEQ ID No. 1に示されるインスリングラルギンタンパク質をコード化するヌクレオチド配列の部分を含むcDNA分子である。
ここで議論する「操作可能な要素」は、少なくとも1つのプロモーター遺伝子、少なくとも1つのオペレーター、少なくとも1つのリーダー配列、少なくとも1つのシャイン・ダルガノ配列、少なくとも1つの終結コドン、及び、ベクターDNAの適切な転写及び続く翻訳に必要な又は好ましいその他のDNA配列を含む。特に、そのようなベクターは、少なくとも1つの選択可能なマーカー及び合成DNA配列の転写開始が可能な少なくとも1つのプロモーター配列とともに、宿主微生物によって認識される少なくとも1つの複製起点を含むことが予定されている。さらに、一態様において、ベクターは、レギュレーターとして機能できるあるDNA配列及び調節タンパクをコード化できる他のDNA配列を含むことが好ましい。一態様において、これらのレギュレーターは、ある環境条件においてDNA配列の発現を防止する役割を担い、また、他の環境条件下において、DNA配列によってコード化されるタンパク質の転写や続く発現を許容する役割を担う。
さらに、適切な分泌のリーダー配列がベクター又はDNA配列の5'端末のいずれかに存在することが好ましい。リーダー配列は、リーダー配列が任意の翻訳終結シグナルの介在なしで、所望のタンパク質阻害剤の発現を導くことができるヌクレオチド配列の初期の部分と直ちに隣接させることができる位置にある。リーダー配列の存在は、以下の理由の1以上の部分により望まれている。
1)リーダー配列の存在は、成熟組み換えタンパク質生成物に初期生成物の宿主処理を促進することができる。
2)リーダー配列の存在は、細胞質外にプロテアーゼ阻害剤を導くことによって、組み換えタンパク質生成物の精製を促進させることができる。
3)リーダー配列の存在は、細胞質外にタンパク質を導くことによって、その活性構造を折り畳むために、組み換えタンパク質生成物の能力に影響を及ぼすことができる。
「転写制御配列(transcriptional regulatory sequence)」は、それらが動作可能にリンクされるタンパク質コード配列の転写を誘導又は制御する開始シグナル、エンハンサー、プロモーターなどのDNA配列を示す本明細書を通して用いられる一般的な用語である。好適な実施の形態においては、組み換えインスリングラルギン遺伝子の転写は、発現が意図されている細胞型の組み換え遺伝子の発現を制御するプロモーター配列(又は、他の転写制御配列)の制御下にある。
「制御配列(control sequences)」は、特定の宿主生物の中で動作可能にリンクされたコード配列の発現に必要なDNA配列に関連する。原核生物に適した制御配列は、例えば、プロモーター、随意的にオペレーター配列、リボゾーム結合部位、場合によりまだあまり知られていない他の配列を含んでいる。真核性細胞は、プロモーター、ポリアデニル化信号、エンハンサーを利用することが知られている。
「形質転換」は、DNAが余分な染色体要素として又は染色体の統合によって複製可能であるように、DNAを生物に導入することを意味する。用いられる宿主細胞に応じて、転換はこのような細胞に適した標準的な技術を用いて行われる。哺乳類細胞宿主系転換の一般的な側面は、1983年8月16日に発行された米国特許4,399,216号において、Axelによって述べられている。酵母への転換は、典型的にVan Solingen, P., et al., J. Bact., 130: 946 (1977)及びHsiao, C. L., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. (USA) 76: 3829 (1979)の方法に従って行われる。
組み換え発現系は、原核生物及び真核生物の宿主から選択される。真核生物の宿主は、酵母細胞(例えば、サッカロマイセス・セレビシエ又はピキア・パストリス)、哺乳類細胞又は植物細胞を含む。細菌及び真核生物細胞は、例えば、米国菌培養収集所(the American Type Culture Collection)(ATCC; Rockville, Md.)のような当業者への商業的供給源を含む多くの異なる供給源から入手できる。細胞の商業的供給源は、組み換えタンパク質発現に用いられ、また、細胞の使用方法の説明を供給する。発現系の選択は、発現したポリペプチドに要求される特徴に依存する。
従って、本発明の対象は、菌株ピキア属を含むグループから、特に、ピキア・パストリス、ピキア・メタノリカ及びシゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)から選択される酵母から派生し、その発現に必要な要素の制御下に置かれたタンパク質フラグメントをコード化する所望のポリペプチドを発現させる細胞において機能する、発現系又はカセットである。
タンパク質又はポリペプチドを表わすのに用いられる「組み換え」という用語は、組み換えポリヌクレチオドの発現によって生成されるポリペプチドを意味する。細胞に関して用いられる「組み換え」という用語は、組み換えベクター又は他のトランスファーDNAの受容体として用いることができる又は用いられている細胞を意味し、トランスフェクトされた元の細胞の子孫を含む。偶然又は意図的な変異のため、単一の親細胞の子孫が完全に形態的に、ゲノムにおいて、原種を補間するDNA全体で一致しないかもしれないことが理解されるだろう。所望のペプチドをコード化するヌクレチオド配列の存在等のように、関連する特性によって特徴づけられる親と十分に類似した親細胞の子孫はまた、子孫であると考えられている。
発現させたい遺伝子(GOI:gene of interest)は、増加する転写発現が望まれている任意の核酸配列である。GOIは、機能的な核酸分子(例えば、アンチセンスRNA分子などのRNA)をコード化してもよく、より一般的には、増産が望まれているペプチド、ポリペプチド、タンパク質をコード化する。本発明のベクターは、「異種」タンパク質を発現するために用いられる。「異種」という用語は、ここでは異質な種に由来する核酸配列又はポリペプチド、又は同じ種からの場合、その原型から実質的に修飾されたことを意味する。さらに、通常細胞中で発現しない修飾された又は修飾されていない核酸配列又はポリペプチドは、異種と考えられる。本発明のベクターは、同じか又は異なる挿入部位に挿入された1以上のGOIである。各GOIは、GOIを発現させる規制核酸配列に動作可能にリンクされる。
ペプチドと1以上の混入物質を含む組成物からペプチドを「精製する」という用語は、ペプチド組成物から少なくとも1の混入物質の含有量を減らすことによって、組成物中のペプチドの純度を増加させる。特に詳しくは、本発明の精製プロセスは、酵母発現系において生物活性異種タンパク質の組み換え発現をもたらす。上記精製タンパク質は、グリコシル化された副産物を有しない又は実質的に極少量含むことを特徴としている。
グリコシル化形は別として、無極性不純物の存在は、MALDI(m/Z: 6089)によって確認された。この無極性不純物の存在は、グラルギンの処理中に発生する最終生成物において0−0.5%の間で変化する。グラルギン(m/Z: 6063)及び無極性不純物(m/Z: 6089)の間の質量の違いは、26ユニットである。分子量に基づく化学的同一性は、アミノ酸の1つにおける水損失の可能性とアセチル化の可能性を示している。
「クロマトグラフィー」という用語は、移動相の影響下において、又は、結合及び溶出プロセスにおいて、混合物の個々の溶質が固定媒質中を移動するレートの違いの結果、混合物中の着目溶質が混合物中の他の溶質から分離される過程を示す。
ここで用いられる「高速液体クロマトグラフィー」という用語は、クロマトグラフ法
を示し、カラム充填に用いられる粒子(固定相)は小さく(3〜50μmの間)、選択されたサイズからほとんど違いがなく一定である。このようなクロマトグラフィーは、典型的に相対的に高い(約500〜3500psi)入口圧力を採用する。
宿主生物が選択された後、ベクターは当業者に一般的に知られた方法を用いて宿主生物に転送される。このような方法の例は、特に参照することにより本明細書に組み込まれる、Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, N.Y., (1980)のR. W. Davis らによる「Advanced Bacterial Genetics」で見つけられる。一実施の形態において、転換は低い温度で発生することが好ましく、温度調整は、記載された操作可能な要素を使用して遺伝子発現を制御する手段として考えられる。
宿主微生物は、インスリングラルギン前駆体の発現に適切な条件下において培養される。これらの条件は通常宿主生物に特異的であり、このような生物の成長条件に関する既刊文献、例えば、Bergey's Manual of Determinative Bacteriology, 8th Ed., Williams & Wilkins Company, Baltimore, Md.を考慮すると、当業者によって容易に決定され、それは特に本願明細書に引用したものとする。
従って、制御配列に「動作可能にリンクされた」コード化配列は、コード化配列がこれらの配列の制御の下で発現することができ、リンクされたDNA配列は、分泌リーダ−の場合に連続しており、リーディング段階で連続している。
本発明の一態様によれば、式X−グラルギンB鎖[B1−B30]−Y−グラルギンA鎖[A1−A21]のインスリングラルギン前駆体である。Xは、リーダー配列であり、B鎖は、B1−B30のグラルギンンB鎖配列であり、Yは、B鎖とA鎖の間のリンカーペプチド配列であり、A鎖は、グラルギンのA鎖である。GIP−A前駆体は、大腸菌、当業者にその方法(Enzymology vol. 194に記載の方法)が知られているサッカロマイセスやクリベロミセス属(Kluvyeromyces)のような酵母、「Applied Molecular Genetics of Fungi, Peberdy, Caten, Ogden, and Bennett, eds. (Cambridge University Press, N.Y. 1991)」において述べられているように、当業者にその方法が知られているアスペルギルスやアカパンカビ、トリコデルマ属のような菌類を含まない宿主発現系での発現によって生産されうる。当業者によって通常用いられているこれらの多くはRockville, Md.の米国菌培養収集所から入手できる。好適には、宿主菌株は、サッカロマイセス・セレビシエ、シゾサッカロミセス・ポンベ、ヤロビア・リピリティカ、ハンセヌラポリモルファ、クルイベロミセス・ラクチス、ピキア・メタノリカ、ピキア・パストリスのような高水準の組み換えタンパク質を発現することができる酵母を含むグループから選択される。より好ましくは、宿主菌株はピキア・パストリスである。
特に、本発明は、発酵プロセス、回収プロセス、精製プロセスを含むインスリングラルギンタンパク質の生産プロセスを供給する。ここで供給されるプロセスは、発酵プロセスを含む。前記タンパク質は、当該タンパク質をコード化する少なくとも1つの配列を有するピキア・パストリスで生産され、ゲノムに統合される。発酵プロセスは、宿主細胞を所望の細胞密度にする種発酵、グリセロールバッチ発酵、メタノール誘導発酵、最終生産を含む生成発酵プロセスを含む。
グラルギン前駆体は、陽イオン交換クロマトグラフィーを用いて発酵培養液から得られる。ここに提供された回収工程は、グラルギン前駆体の取得と、細胞及び細胞残屑の除去を可能にする。ここに提供された回収プロセスは、95%の収率となる。一方、当業者は、所望のタンパク質生成物を得る他の方法、また、様々な他のクロマトグラフィ法、遠心分析、ろ過、示差的沈殿及び明らかにされていない他の方法を含むが、これに限定されない細胞や細胞残屑を除去する方法をテストし、評価することができる。
発酵培養液から得られたグラルギン前駆体は、さらに、色度除去、保存のための結晶化が行われる。結晶化状態における前駆体の沈殿は、3.0から8.0の間のpH、より好ましくは4.0から6.0の間、最も好ましくは4.0から5.0のpHの水性媒体中で、水性媒体におけるタンパク質濃度が、1から80g/Lの間、好ましくは2から50g/Lの間、最も好ましくは8から14g/Lの間で適切に実行される。結晶化プロセスは、2から30℃の間で行うことができる。前駆体結晶は、遠心分離、デカンテーション、ろ過によって、上澄みから分離することができる。
グラルギン前駆体GIP−Aの結晶化は、クロマトグラフィーからの生成物を溶出するために用いられる酢酸アンモニウム塩と同様に、発酵培養液から陽イオン交換溶出液へ運ばれる不純物を除去する。純粋な結晶前駆体はまた、これに続くステップのコストを削減するとともに、反応の効率を向上させる。結晶性形状は、凍結させ、−20℃で保存するとそれ以降数日間の間安定した状態で保存することができる。
グラルギンは、グラルギン前駆体の酵素的変換から得られる。その変換は、トリプシン又は植物、動物、微生物期限のトリプシン様の酵素の存在によって有効となる。その反応は、好適には、DMSO(dimethyl sulfoxide)、DMF(dimethyl formamide)、エタノール、アセトン、アセトニトリル、又は、エチルアセテート、特にDMF及びDMSOのような水混和性の有機溶媒の存在下において実行される。好適な有機溶媒の比は、反応混合物の0−65%、特に40−60%である。
グラルギンは、トリプシンで前駆体GIP−Aを処理することによって生産される。(もし存在すれば)リーダーは、トリプシンによって前駆体から分割される。トリプシン反応は、"RR"C−ペプチドのC−端末の開裂が最大となるような方法で制御される。しかし、この反応は、他のトリプシン開裂部位でトリプシンによる求められていない開裂を排除することができない。他のあり得そうなトリプシン配列部位は、"RR"とB−22(Arg)のC−端末との間に存在する。
有機溶媒の使用の原理は、初めの材料の溶解度、酵素の変性の傾向及びその加水分解活性によって決定されるべきである。熟練した職人によって評価されるように、有機溶媒の混合物は使用されうる。有機溶媒の添加は反応混合物の水性濃度を下げ、加水分解生成物の防止と溶解度積の著しい増加をもたらす。
前駆体の濃度は、通常約5−50g/Lである。この反応は、約5−12のpH、好ましくは約8−12のpHで行われる。反応温度は、約0−40℃、好ましくは約2−25℃である。必要なpHを維持するためにトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Trishydroxylmethylaminomethane(TRIS))又は他の緩衝液系は異なるイオン強度で使用することができる。反応時間は可変であり、他の反応条件に影響を及ぼす。生成物の純度がその生成物の加水分解のために減少し始めるまで、反応は続けられる。それは、通常約30分から24時間であり、ほとんどの場合約4−10時間である。
酵素濃度は、基質濃度及び酵素活性に依存して決定される。例えば、市場で利用可能なトリプシンは、好ましくは、反応混合物の約10−100mg/Lの濃度で使用される。
精製方法は、ほぼ98−99%純度、好ましくは100%純度の前記タンパク質を得るのに十分なクロマトグラフィー条件の下で、高分子樹脂基体を含む逆相クロマトグラフィーを用いた精製ステップにインスリングラルギン試料を適用することを含む。
従って、不純物に関連した不要な生成物が形成される。それは、純粋なグラルギンを生成するために、連続的な逆相クロマトグラフィーで精製される。最初の精製ステップの後に、(モノ又はトリ)グリコシル化された不純物が検出される可能性がある。従って、2回目のRP−HPLC精製ステップにおいて、グリコシル化された不純物の精製のための特別な配慮がなされる。発酵中に発生するグリコシル化された不純物は、完全に特徴づけられ、最大限に最終生成物から最終的に精製される。
重要な態様における本発明の特徴は、タンパク質を精製する方法である。この方法は、即席のタンパク質を逆相HPLCカラムに適用し、化合物が樹脂に密接に結びつくことができる条件の下で有機溶媒とともにペプチドを含む試料を溶出させ、水性緩衝液を用いて樹脂から有機溶媒を洗浄するステップを含む方法を特徴とする。本発明の効果的な実行は、効率的な精製のために、使用されるべきクロマトグラフィーのマトリックスの正しい組合せ、pH値、イオン強度の個性化を必要とする。
クロマトグラフ法のあらゆる属性は、所望のタンパク質生成物を得る際に重要な役割を担う。クロマトグラフカラムに用いられる適切なマトリックは、C8 Daisogelである。
本発明の一態様によれば、精製インスリングラルギン生成物の収率は、75%−80%である。本発明の他の態様によれば、精製インスリングラルギン生成物の収率は、80%−85%である。本発明のさらに他の態様によれば、精製インスリングラルギン生成物の収率は、85%−90%である。本発明のさらに他の態様によれば、精製インスリングラルギン生成物の収率は、90%−95%である。本発明のさらに他の態様によれば、精製インスリングラルギン生成物の収率は、95%−100%である。
本発明の一態様によれば、精製インスリングラルギン生成物は、グリコシル化された副産物を有しないか、実質的に極少量含む。本発明の一態様によれば、精製インスリングラルギン生成物の純度は少なくとも96%である。本発明の他の態様によれば、精製インスリングラルギン生成物の純度は少なくとも97%である。本発明のさらに他の態様によれば、精製インスリングラルギン生成物の純度は少なくとも98%である。本発明のさらに他の態様によれば、精製インスリングラルギン生成物の純度は少なくとも99%である。本発明のさらに他の態様によれば、精製インスリングラルギン生成物の収率は100%である。
本発明は、以下の実施例を用いてさらに詳しく説明される。しかしながら、本発明の範囲を制限するためにこれらの実施例を解釈するべきではない。
(実施例)
実施例1:
GIP−Aは、式X-[グラルギン−B鎖(B1-B30)]- Y- [グラルギン−A鎖(A1-A21)]のグラルギン前駆体で表わされる。Xはリーダーペプチド配列、B鎖はB1−B30のグラルギンB鎖配列、YはB鎖とA鎖との間のリンカーペプチド配列、A鎖はグラルギンのA鎖である。配列は、リーダー又は他のリーダーペプチドが欠けていてもよい。リンカーペプチドYは、例のRR、RRDADDRからのいずれでもよい。GIP−A前駆体は、大腸菌(Escherichia coli)、ピキア・パストリス、サッカロマイセス・セレビシエ、CHO細胞(CHO cells)などの適切な発現系によって生産されうる。
GIP−A前駆体は、Pichia発現ベクターpPIC9Kにおいて、Mat-alfaシグナルペプチドを用いる機構でクローン化される。ピキア・パストリス宿主菌株GS115は、グラルギン前駆体を発現するクローンを得るために、組み換えプラスミドで形質転換される。分泌された前駆体は、トリプシンで処理され、グラルギンと、他の生成物に関連する不純物を調製する。グラルギンは、逆相クロマトグラフィーを用いて精製される。
SEQ ID 1は、6045 Daの予測分子量、6.88の推定pI値を有するグラルギン前駆体の配列を表わす。配列は、159ヌクレチオド及び53アミノ酸を有する。
SEQ ID 2は、6428.4 daの予測分子量、7.78の推定pI値を有するピキア・パストリスでの発現の配列を表わす。配列は、171のヌクレチオド及び57のアミノ酸を有する。
グラルギン前駆体GIP−Aは、ピキア・パストリスによって培地に分泌される。培養液は、遠心分離され、細胞は上澄みから分離される。イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィーを含む前駆体GIP−Aを捕獲するための多数の選択肢が利用可能である。本発明では、陽イオン交換クロマトグラフィーとHICがGIP−Aを捕獲するのに用いられた。
実施例2:
インスリングラルギン前駆体遺伝子を運ぶ組換え型のベクターの構造:
GIP−A前駆体は、ピキア・パストリス発現ベクターpPIC9Kにおいて、mat α−シグナルペプチドを用いる機構でクローン化される。組み換えプラスミドは、ピキア・パストリス宿主菌株GS115を形質転換させるのに用いられ、分泌されたGIP−Aは、最終生成物を作る下流の精製プロセスで処理されるインスリングラルギン前駆体である。
インスリングラルギン前駆体遺伝子を運ぶ組み換えベクターを用いたピキア属宿主の変化:
組み換えプラスミドDNAを含むpPIC9K/IGP-Aクローンは、Bgl IIで消化され、ピキア・パストリスGS115(his4)宿主のエレクトロコンピテント細胞を形質転換させるのに用いられる。インビトロジェンマニュアルは形質転換法の詳細なプロトコルを提供する。
マルチコピー要素のための選別
約2000形質転換細胞は、適切な制御とともに、384ウェルミクロタイタープレート中のYPD培養液に植菌された。プレートは、30℃で24時間培養され、0.5mg/mLのGeniticin(G418)を含むYPD寒天プレートにスタンプされる。選別の第2ラウンドのため、49個のクローンが選択され、さらに1、2、3mg/mLのG418のプレートにスタンプされた。最後に、1−3mgl/mlのG418に耐性を示す7個のクローンが選択され発現研究に用いられた。
PCRによるゲノムにおける遺伝子統合の確認:
選択された組み換えPichiaクローンからのゲノムのDNAは、ゲノムにおけるGIP−Aの統合を確認するために、遺伝子特異的プライマを用いてPCRに適用された。
ピキア・パストリスでの小規模な発現の研究
ピキア・パストリスでの小規模な発現の研究は、インビトロジェンマニュアルにより与えられるプロトコルにより実行された。簡潔に、クローンは、30℃でBMGY中において、その後、24℃でBMMY中にメタノールを導入して成長された。メタノールの導入は、トータル3日実行された。
実施例3:
発酵方法:
組み換えインスリングラルギンの発酵プロセスは、実験室規模で最適化された。以下に示される例は、このプロセスの簡単な説明である。
種準備
種培地は、以下の要素を含む:酵母窒素塩基、硫酸アンモニウム、グリセロール、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム及びD−ビオチン。
冷凍室からの1つのバイアルは、種フラスコの植菌をするのに用いられる。バイアルは、植菌の前に無菌条件(sterile condition)の下、室温で解凍された。接種材料は、最小グリセロール(Minimal Glycerol)(MGY)培地に無菌で分配された。
プレシードフラスコの初期のOD600が0.1−0.2であるように、各フラスコに加えられるべき量は確認された。その後、フラスコは、20から24時間、シェーカー上で、30℃、230RPMのスピードで、培養された。
発酵槽バッチング条件
発酵プロセスは、2つの段階を有する。それは、成長段階(バイオマスを増加させる)と、これに続く誘導段階である。生成物は、メタノールが供給されたバッチ段階の間に形成され、分泌される。
発酵は、元の位置の無菌的な発酵槽の中で実行された。発酵培地は、オルトリン酸、硫酸カリウム、水酸化カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム及びグリセロールからなる。
これらの化学物質は、発酵槽中で上水に溶解され、121℃の設定点で所定期間殺菌された。培地殺菌と水酸化アンモニウムで5.0までpH調整した後に、微量塩の貯蔵液とビオチンはそれぞれ準備され、フィルタ殺菌され、無菌で発酵槽に加えられる。
生産/発酵手段は採用される。発酵槽は5%の種接種材料でシード振動フラスコから植菌された。以下のパラメータは、発酵の初期設定である:pH:5.0、温度:30℃、DO2:30%。
実施例4:
関連する変換と精製法:
ピキア・パストリスの発酵において生産されたインスリングラルギン前駆体は、以下の精製プロセスを含む精製ステップを受ける。
SPセファロース高速流マトリックス(GE Biosciences)が充填されたカラムは、50mM酢酸で平衡が保たれた。オルトリン酸を用いてpH3.8に調整された上澄みを含まない細胞は、イオン交換カラムで保持される。カラムでの充填は50g/Lよりも少ない。溶出は、酢酸アンモニウムを用いて実行される。このステップの回収は、50g/L未満の充填で95%である。
前駆体結晶化
陽イオン交換クロマトグラフィーステップで発酵培養液から得られたグラルギン前駆体は、色度除去及び保存の目的で結晶化される。前駆体濃度が結晶化の初めに約2から20g/L、好ましくは8から14g/Lで、結晶化が行われた。結晶化は、ZnCl2及びフェノールを加えることにより実行され、3.0から8.0、好ましくは、3.5から5.5の間のpHに調整された。フェノールは、CIEX溶出液堆積の0.1から0.5%加えることができる。4%のZnCl2は、CIEX溶出液堆積の3から15%加えることができる。pHは、いずれかのアルカリ、好ましくはNaOH又はTRISを用いることによって調整することができる。結晶化プロセスは2から30℃の間で実行することができ、懸濁液は、結晶が完全に形成されるように、しばらく保存される。前駆体結晶は、遠心分離又はデカンテーションで上澄みから分離することができる。
実施例4a:
463mlの溶出液(前駆体濃度13.8g/L)が選択され、適切な解凍の後に、2.315mlのフェノール(0.5%のEP volume)が加えられた。その後、57.875mlの4%ZnCl2溶液(12.5%のEP volume)が加えられた。この段階のpHは、4.08であり、これは420mlの2.5NのNaOHを加えることによって調整された。母液は、15分間ゆっくり撹拌される状態に保たれ、その後冷たい場所(2から8℃)に移動され、一晩放置された。そして、すべての混合物は、Beckman Coulter Avanti J-26 XP遠心分離機を用いて、20分間5000rpmで遠心分離された。上澄みの損失は、1.55%であった。
実施例4b:
500mlの溶出液(前駆体濃度2.9g/L)が選択され、適切な解凍の後に、0.625mlのフェノール(0.125%のEP volume)が加えられた。その後、15.625mlの4%ZnCl2溶液(3.125%のEP volume)が加えられた。この段階のpHは、4.08であり、これは315mlの2.5NのNaOHを加えることによって4.8まで調整された。母液は、15分間ゆっくり撹拌される状態に保たれ、その後冷たい場所(2から8℃)に移動され、5時間放置された。そして、上澄みが遠心分離により分離された。上澄みの損失は、4%であった。
収率により最適化された前駆体結晶化条件
SPセファロース溶出液は、20+5℃に冷却され、5ml(0.5%V/V)のフェノールがそれぞれの溶出液に加えられた。必要な量のフェノールが一定分量の溶出液に加えられ、最終的に、適切な際分解のためのメインタンクに加えられた。フェノールの添加後、適切な再分解のための次の試薬が添加される前に撹拌がしばらく続けられた。そして、結晶化を誘導するために、容量で12.5%の40g/Lの塩化亜鉛(4%w/v)が加えられた。そして、pHが、2.5NのNaOH(約85−90%SP-EP volume)を用いて4.8 + 0.1まで調整された。すべての混合物は、均一になるように30分間撹拌され、遠心分離の前に少なくとも8時間2−8℃に保持された。
上澄みの損失に基づいて、収率はこのステップで約90%であった。
実施例5:
トリプシン処理
グラルギンは、グラルギン前駆体から酵素的変換を経て調整される。変化は、トリプシン又は植物、動物又は微生物期限のトリプシン様の酵素の存在によって行われた。反応は、好ましくはDMSO、DMF、エタノール、アセトン、アセトニトリル、エチルアセテートなど、特にDMF、DMSOの水混和性有機溶剤の存在下において実行された。有機溶剤の好ましい比は、反応混合物の約0−65%であり、特に40−60%である。
有機溶剤の比は、最初の材料の溶解度、酵素の変性傾向及び加水分解活性によって決定された。有機溶剤の混合物はまた用いられうる。有機溶剤の添加は、反応混合物の水濃度を下げ、生成物の加水分解を妨げ、また、生成物の溶解性を著しく増加させる。
前駆体の濃度は、通常5−50g/Lであった。反応は、pHが約5−12、好ましくは約8−10で実行された。反応温度は、約0−40℃であり、好ましくは2−25℃である。トリスヒドロキシメチルアミノメタン(Trishydroxylmethylaminomethane(TRIS))又は他の緩衝液系は、所定のpHを維持するために異なるイオン強度で用いられた。反応時間は可変背あり、他の反応条件に影響を及ぼした。反応は、生成物の加水分解によって生成物の精製が減少し始めるまで続けられた。これは、通常約30分から24時間かかり、多くの場合約4時間から10時間かかる。
酵素濃度は、基質濃度及び酵素活性に依存して決定された。例えば、市場で入手可能な結晶性トリプシンは、10−100mg/Lの濃度で好ましく用いられる。
実施例5a:
1gのグラルギン前駆体は、1.5mlの1MのTRIS溶液に溶解された。1mlのそれぞれのこの溶液は、試料A、試料Bと表示された2つのチューブに入れられた。試料Aには、3mlの水及び166.6mgのTRISが加えられた。試料Bには、2mlのDMF、1mlの水及び166.6mgのTRISが加えられた。それぞれの試料は4つに分割され、pHを調整して異なる4つのpHになった。50μg/mlの濃度で牛トリプシンを加えて、すべての試料において反応が実行された。試験された条件は、以下に示される。
すべての条件は異なる比率で生成物に寄与する。条件A1、A2、A2及びA4が15%より少ない変換であったのに対して、試料B1は約40%の最も良い変換に寄与した。他の試料におけるグラルギンへの変換は、15%から40%の間であった。
実施例5b:
1.6gのグラルギン前駆体は、2mlの1MのTRIS溶液に溶解された。1mlのそれぞれのこの溶液は、試料A、試料B、試料Cと表示された3つのチューブに入れられた。試料Aには、1.8mlの水及び1.2mlのDMF及び161mgのTRISが加えられた。試料Bには、0.6mlの水、2.4mlのDMF及び161mgのTRISが加えられた。試料Cには、1mlの水、2.0mlのDMF及び161mgのTRISが加えられた。試料A、Bは4つに分割され、試料Cは2つに分割され、異なるpHに調整された。50μg/mlの濃度で牛トリプシンを加えて、すべての試料において反応が実行された。試験された条件は、以下に示される。
すべての条件は異なる比率で生成物に寄与する。他の条件が15%より少ない変換であったのに対して、試料C1及びC2が、約40%の最も良い変換に寄与した。
実施例5c:
1.5gのグラルギン前駆体は、2mlの1MのTRIS溶液に溶解された。0.75mlのそれぞれのこの溶液は、試料A、試料B、試料Cと表示された3つのチューブに入れられた。試料Aには、0.75mlの水及び1.5mlのエタノール及び106mgのTRISが加えられた。試料Bには、0.75mlの水、1.5mlのDMF及び106mgのTRISが加えられた。試料Cには、0.75mlの水、1.5mlのDMF及び106mgのTRISが加えられた。試料A、Bは2つに分割され、2つの異なるpHに調整された。試料Cは、pH9.0に調整された。50μg/mlの濃度で牛トリプシンを加えて、すべての試料において反応が実行された。試験された条件は、以下に示される。
すべての条件は異なる比率で生成物に寄与する。他の条件が15%より少ない変換であったのに対して、試料C1が約40%の最も良い変換に寄与し、続いてB1であった(〜30%)。
実施例5d:
1.5gのグラルギン前駆体は、2mlの1MのTRIS溶液に溶解された。0.75mlのこの溶液に、0.75mlの水、1.5mlのエタノール及び106mgのTRISが加えられた。そして、pHが9.0に調整された。その後、この溶液は試料A、試料Bの2つに分割された。試料Aには室温(20から25℃)で反応が実行され、一方、試料Bには2から8℃で反応が実行された。50μg/mlの濃度で牛トリプシンを加えることにより、反応が始まった。
いずれの試料も約40%の変換に寄与した。より低い温度での反応(試料B)が、より長く持続したが、わずかによい収率を示しただけだった。
実施例5e:
1gのグラルギン前駆体は、1mlの1MのTRIS溶液に溶解された。0.75mlのそれぞれのこの溶液は、試料A、試料Bと表示された2つのチューブに入れられた。試料Aには、0.75mlの水及び1.5mlのDMF及び130mgのTRISが加えられた。試料Bには、0.75mlの水、1.5mlのDMSO及び130mgのTRISが加えられた。試料A、Bは、pHが8.7に調整された後に2つに分割された。50μg/mlの濃度で牛トリプシンを加えて、4つのすべての試料において反応が実行された。試料A、Bからの一定分量での反応は2−8℃で行われた。試験された条件は、以下に示される。
すべての試料は、同様の変換(〜40%)に寄与した。室温での試料の反応は1時間以上であったのに対し、冷たい場所でのそれらは5−6時間以上であった。
実施例5f:
2gのグラルギン前駆体は、0.5gのTRIS、2mlの水、2mlのDMFを含む溶液に溶解された。この溶液から、それぞれ50%のDMF及び0.5MのTRISを含む、pH8.7である3.08mlの6つの試料が作られた。前駆体濃度はこれらの試料間で10g/Lから60g/Lまで変化している。前駆体のグラム当たり5mgのトリプシンを加えて、それぞれの試料で反応が始まった。すべての試料は、反応の間2−8℃であった。試験された条件は、以下に示される。
すべての試料は、変換を示したが、より低い濃度の試料は、反応時間がより速かった。条件Bは、最もよいと考えられる。最大収率は、それぞれの場合において約40−45%が得られた。この結果は、図1に示される。
収率及び純度により最適化されたプロセス条件
実施例5g:
湿式前駆体結晶は、−20℃の冷凍庫に保存され、溶解の前に取り出された。これらの結晶は、撹拌条件下で、TRIS溶液(前駆体結晶の50%w/wのTRIS及び前駆体結晶のkg当たり2Lの水)に加えることにより溶解された。例えば、500グラムのTRISを含む2LのTRIS溶液に1kgの前駆体結晶が加えられる。これに続いて、DMF(前駆体のkg当たり2L)が添加された。すべての混合物は完全に溶解し、この溶液は試験液として扱われた。結果として得られる試験液は、C18対称分析RP−HPLC法を用いて生成物の分析がなされた。
試験溶液の生成物によれば、組み換えインスリングラルギン前駆体濃度が反応混合物の10g/Lのような、トリプシン処理反応のための対照溶液を調製した。対照溶液を準備するために、水中のTRISの必要量が反応混合物中の最終TRIS濃度が500mMを維持するように加えられた。続いて、最終DMF濃度が50%となるよう、DMFが添加された。そして、この溶液の温度が6℃±2℃に調整され、軽度の撹拌条件で氷酢酸(全体積の約2%)を用いてpHが8.7に調整された。この溶液は、対照溶液として扱われた。
反応混合物は、非常にゆっくりとした推進スピードで6℃±2℃に維持された。混合が完了した後に、50mg/Lのトリプシンが反応の開始のために加えられた。混合によってトリプシンがよく溶解すると、酵素反応が始まった。
酵素反応は、非常にゆっくりとした推進スピードで6℃±2℃で実行された。反応の進捗は、毎時、C18対称分析RP−HPLC法を用いて組み換えインスリングラルギンのパーセンテージ、未反応の前駆体をチェックすることによりモニターされた。酵素反応は、典型的に10時間未満で完了した。未反応の前駆体が5%未満になったときに、氷酢酸を用いて反応混合物のpHを5.0に調整することにより、反応を停止させた。反応によって、組み換えインスリングラルギンの約40%の収率が予期され、得られる純度は、約35−50%であった。
異なる時点における反応の分析クロマトグラムは、図2、3に示されている。
実施例6:RPHPLC精製
実施例6a:
ピキア・パストリスの発酵によって生成されたインスリングラルギン前駆体は精製される。このプロセスに関与するステップは以下を含む。
SPセファロース高速流マトリックス(GE Biosciences)で充填されたカラムは、50mMの酢酸で平衡が保たれた。オルトリン酸を用いてpH3.8に調整された細胞フリーな上澄みは、陽イオン交換カラムで保持された。カラムでの充填は50g/Lよりも少なかった。溶出は、酢酸アンモニウムを用いて実行された。このステップの回収は、50g/Lの充填で95%であった。溶出液は結晶化された。結晶は、トリプシン処理に用いられた。
RP−HPLC樹脂(細孔径120ÅのC8 Daisogel、10μm粒子サイズ)により充填されたカラムは、250mMの酢酸(バッファA)において、10%のアセトニトリル(バッファB)で平衡状態が保たれた。水を用いて1:5に希釈されたトリプシン処理端の充填が行われた。バッファBの直線勾配は、10g/L未満の充填で、収率75%、純度94.5%で精製されたグラルギンを溶出するために用いられた。
RP−HPLC樹脂(細孔径120ÅのC8 Daisogel、10μm粒子サイズ)により充填されたカラムは、200mM、pH5.0の酢酸ナトリウム(バッファA)において、10%のアセトニトリル(バッファB)で平衡状態が保たれた。10%のアセトニトリルが含まれるように希釈された、前のステップからのRP溶出液の充填が行われた。バッファBの直線勾配は、収率80%、純度98.5%で精製されたグラルギン及び0.29%のグリコシル化された不純物を溶出するために用いられた。
RP−HPLC樹脂(細孔径120ÅのC8 Daisogel、10μm粒子サイズ)により充填されたカラムは、50mMの酢酸(バッファA)において、6%のエタノール(バッファB)で平衡状態が保たれた。水を用いて1:3に希釈された、前のステップからのRP溶出液の充填が行われた。バッファBの直線勾配は、35g/Lの充填で、収率85%、純度99.4%で精製されたグラルギンを溶出するために用いられた。
実施例6b:
RP−HPLC樹脂(細孔径120ÅのC8 Daisogel、10μm粒子サイズ)により充填されたカラムは、250mMの酢酸(バッファA)において、10%のアセトニトリル(バッファB)で平衡状態が保たれた。水を用いて1:5に希釈されたトリプシン処理端の充填が行われた。バッファBの直線勾配は、10g/L未満の充填で、収率75%、純度94.5%で精製されたグラルギンを溶出するために用いられた。
RP−HPLC樹脂(細孔径120ÅのC8 Daisogel、10μm粒子サイズ)により充填されたカラムは、200mM、pH5.0の酢酸ナトリウム(バッファA)において、10%のアセトニトリル(バッファB)で平衡状態が保たれた。10%のアセトニトリルが含まれるように希釈された、前のステップからのRP溶出液の充填が行われた。バッファBの直線勾配は、収率80%、純度98.5%で精製されたグラルギン及び0.29%のグリコシル化された不純物を溶出するために用いられた。
RP−HPLC樹脂(細孔径120ÅのC8 Daisogel、10μm粒子サイズ)により充填されたカラムは、10mMのクエン酸(バッファA)において、6%のエタノール(バッファB)で平衡状態が保たれた。水を用いて1:3に希釈された、前のステップからのRP溶出液の充填が行われた。バッファBの直線勾配は、35g/Lの充填で、収率79.2%、純度98.5%で精製されたグラルギンを溶出するために用いられた。
実施例6c:
RP−HPLC樹脂(細孔径120ÅのC8 Daisogel、10μm粒子サイズ)により充填されたカラムは、250mMの酢酸(バッファA)において、10%のアセトニトリル(バッファB)で平衡状態が保たれた。水を用いて1:5に希釈されたトリプシン処理端の充填が行われた。バッファBの直線勾配は、10g/L未満の充填で、収率75%、純度94.5%で精製されたグラルギンを溶出するために用いられた。
RP−HPLC樹脂(細孔径120ÅのC8 Daisogel、10μm粒子サイズ)により充填されたカラムは、pH8.5で100mMのTris+20mMのCaC1(バッファA)において、10%のアセトニトリル(バッファB)で平衡状態が保たれた。10%のアセトニトリルが含まれるように希釈された、前のステップからのRP溶出液の充填が行われた。バッファBの直線勾配は、収率71%、純度97.4%で精製されたグラルギン及び0.22%のグリコシル化された不純物を溶出するために用いられた。
RP−HPLC樹脂(細孔径120ÅのC8 Daisogel、10μm粒子サイズ)により充填されたカラムは、10mMのクエン酸(バッファA)において、6%のエタノール(バッファB)で平衡状態が保たれた。水を用いて1:3に希釈された、前のステップからのRP溶出液の充填が行われた。バッファBの直線勾配は、35g/Lの充填で、収率75.0%、純度98.0%で精製されたグラルギンを溶出するために用いられた。
実施例6d:
RP−HPLC樹脂(細孔径120ÅのC8 Daisogel、10μm粒子サイズ)により充填されたカラムは、250mMの酢酸(バッファA)において、10%のアセトニトリル(バッファB)で平衡状態が保たれた。水を用いて1:5に希釈されたトリプシン処理終了の充填が行われた。バッファBの直線勾配は、10g/L未満の充填で、収率75%、純度94.5%で精製されたグラルギンを溶出するために用いられた。
RP−HPLC樹脂(細孔径120ÅのC8 Daisogel、10μm粒子サイズ)により充填されたカラムは、100mM、pH5.0の酢酸アンモニウム(バッファA)において、10%のアセトニトリル(バッファB)で平衡状態が保たれた。10%のアセトニトリルが含まれるように希釈された、前のステップからのRP溶出液の充填が行われた。バッファBの直線勾配は、収率60.7%、純度98.0%で精製されたグラルギン及び0.91%のグリコシル化された不純物を溶出するために用いられた。
RP−HPLC樹脂(細孔径120ÅのC8 Daisogel、10μm粒子サイズ)により充填されたカラムは、10mMのクエン酸(バッファA)において、6%のエタノール(バッファB)で平衡状態が保たれた。水を用いて1:3に希釈された、前のステップからのRP溶出液の充填が行われた。バッファBの直線勾配は、35g/Lの充填で、収率75.0%、純度98.0%で精製されたグラルギンを溶出するために用いられた。
実施例6e:
RP−HPLC樹脂(細孔径120ÅのC8 Daisogel、10μm粒子サイズ)により充填されたカラムは、250mMの酢酸(バッファA)において、10%のアセトニトリル(バッファB)で平衡状態が保たれた。水を用いて1:5に希釈されたトリプシン処理終了の充填が行われた。バッファBの直線勾配は、10g/L未満の充填で、収率75%、純度94.5%で精製されたグラルギンを溶出するために用いられた。
RP−HPLC樹脂(細孔径120ÅのC8 Daisogel、10μm粒子サイズ)により充填されたカラムは、pH3.0、20mMの過塩素酸(バッファA)において、10%のアセトニトリル(バッファB)で平衡状態が保たれた。10%のアセトニトリルが含まれるように希釈された、前のステップからのRP溶出液の充填が行われた。バッファBの直線勾配は、収率37.4%、純度96.2%で精製されたグラルギン及び0.28%のグリコシル化された不純物を溶出するために用いられた。
RP−HPLC樹脂(細孔径120ÅのC8 Daisogel、10μm粒子サイズ)により充填されたカラムは、10mMのクエン酸(バッファA)において、6%のエタノール(バッファB)で平衡状態が保たれた。水を用いて1:3に希釈された、前のステップからのRP溶出液の充填が行われた。バッファBの直線勾配は、35g/Lの充填で、収率70.0%、純度97.0%で精製されたグラルギンを溶出するために用いられた。
実施例6f:
RP−HPLC樹脂(細孔径120ÅのC8 Daisogel、10μm粒子サイズ)により充填されたカラムは、250mMの酢酸(バッファA)において、10%のアセトニトリル(バッファB)で平衡状態が保たれた。水を用いて1:5に希釈されたトリプシン処理終了の充填が行われた。バッファBの直線勾配は、10g/L未満の充填で、収率75%、純度94.5%で精製されたグラルギンを溶出するために用いられた。
RP−HPLC樹脂(細孔径120ÅのC8 Daisogel、10μm粒子サイズ)により充填されたカラムは、pH8.5、100mMのホウ酸塩緩衝剤(バッファA)において、10%のアセトニトリル(バッファB)で平衡状態が保たれた。10%のアセトニトリルが含まれるように希釈された、前のステップからのRP溶出液の充填が行われた。バッファBの直線勾配は、収率79.4%、純度98.3%で精製されたグラルギン及び0.11%のグリコシル化された不純物を溶出するために用いられた。
RP−HPLC樹脂(細孔径120ÅのC8 Daisogel、10μm粒子サイズ)により充填されたカラムは、10mMのクエン酸(バッファA)において、6%のエタノール(バッファB)で平衡状態が保たれた。水を用いて1:3に希釈された、前のステップからのRP溶出液の充填が行われた。バッファBの直線勾配は、35g/Lの充填で、収率75.0%、純度98.8%で精製されたグラルギンを溶出するために用いられた。
実施例7:
最終沈殿:
異なる逆相クロマトグラフィーステップを経て精製されたグラルギンは、クエン酸緩衝液及びZnCl2溶液を加え、pHを調整することにより沈殿された(クエン酸緩衝液は、15.4g/Lのクエン酸(無水)、90g/Lのオルトリン酸塩2ナトリウム緩衝液(無水)を含み、pHは6.3±0.1に調整され、O−リン酸を有する)。沈殿は、pHが4.0から10.0の範囲、好ましくは、6.0から8.0で行われる。生成物濃度は、好ましくは、2から20g/Lである。沈殿後、たまった沈殿物を分散させずに、遠心分離又は上澄みを移すことにより、澄んだ上澄みから生成物が分離された。このようにして得られた沈殿は、冷水で洗浄され、存在する非結合イオンが除去された。
すべてのプロセスの収率は、85から90%であり、生成物純度は約99%であった。
実施例8:
最終懸濁剤は沈殿後に移され、懸濁液は無菌で凍結乾燥トレイに移される。その後、保存され、調合されうるインスリングラルギンの乾燥粉末を得るために、懸濁液は冷凍され凍結乾燥される。また、本組成物を調合するために、(例えば、米国特許第4,925,673号に報告されているプロテイノイド小球体のような)リポソーム封入又はプロテイノイド封入を使用することが可能である。
実施例9:
グリコシル化された不純物の分離と特性評価:
内部の医薬品有効成分からのグラルギンのグリコシル化形の分離:
実施例9a:
不純物のグリコシル化形の特性を示すために、mGIG(モノグリコシル化インスリングラルギン)及びtGIG(トリグリコシル化インスリングラルギン)を半予備的逆相クロマトグラフィーによって分離した。プロセス不純物の識別は、Prochrome C18(250×8.0mm)カラムを用いて、Agilent 1100クロマトグラフィーシステム(CA、USA)で行われた。移動相溶液は、含水0.1%TFA(A)及びアセトニトリル0.1%TFA(B)であった。グラルギンの不純物は、直線勾配プログラムを用いて溶出された。直線勾配プログラムは、1.5mL/minの一定流量で、0分25%B、0−10分27%B、10−15分29%B、15−21分30%B、21−27分33%B、27−35分25%Bであった。注入量は、20μlに保たれ、カラム温度は40℃に保たれた。溶離液は、214nmにモニターされた。グリコシル化不純物に対応するクロマトグラフィーピークは、Agilent 1100 series LCMSD SLイオントラップ質量分析計(Agilent Technologies, USA)によって、オンラインで分析された。質量分析計は、ESIモードで動作させた。噴霧ガスは、60psiに保たれ、乾燥ガスは12.0L/min、乾燥温度は、350度に保たれた。正イオン電気スプレイ質量スペクトルは、質量範囲600−2200m/zにおいてMSモードで記録された。
mGIG、tGIGに対応するピークは手動で集められた。mGIG(1%)、tGIG(0.3%)は、製剤において痕跡程度に観察されたので、本発明のグラルギン医薬品有効成分(API)は、不純物を精製するプロセスで100mg/mLの濃度で使用された。
最終精製生成物の特性評価
実施例9b:
最終生成物のRP−HPLC及びSEC−HPLCプロファイル
得られた最終タンパク質生成物のRP−HPLCプロファイル及びSEC−HPCLプロファイルは、図5、6に示される。
実施例9c:
グラルギン、モノグリコシル化インスリングラルギン(mGIG)、トリグリコシル化インスリングラルギン(tGIG)の電気スプレイイオン化質量スペクトルは、それぞれ図7、8、9に示されている。
グラルギンへの単糖ユニットの注入は、極性の増加、162単位の質量単位の増加によって、リテンションタイムを減少させる。同様に、3つの単糖の注入はさらに、極性及び486単位の質量を増加させる。糖型の分子量は、ESI−MSで多価ピークの分析によって得られた。
表6:電気スプレイ及びマトリックス支援レーザー脱離イオン化技術によって測定された分子量の比較
mGIG、tGIGで得られたMALDI質量スペクトルは、それぞれ分子量6225.6、6549.8を示した。mGIG、tGIGで得られた分子量データは、ESI−MAによって得られたデータと一致している。IG、mGIG、tGIG間での分子量の違いは、グリカンがグラルギンに共有結合していることを示す162質量単位の多重を示す。
図8は、モノグリコシル化インスリングラルギン(mGIG)のマトリックス支援レーザー脱離イオン化質量スペクトルである。
還元、アルキル化実験は、グリコシル化が起こった鎖を識別するために行われた。方法は、基準としてグラルギンを用いて標準化されている。1.1mgのグラルギンは、pH9.0に維持された、500μlの8MのグアニジンHCl、0.1MのTRIS、1mMのEDTA緩衝液に溶解されていた。これに、10μl、1Mのジチオスレイトール(DTT)が加えられた。内容物は混合され、37℃で2時間培養された。培養された試料は室温に戻され、10μlのヨードアセトアミドが加えられた。試料は、光から保護するためにアルミニウムホイルで覆われ、37℃で2時間培養され、LCMSにより分析された。同様に、mGIG、tGIGには、グリコシル化の識別のために還元、アルキル化された。
表7:グリコシル化が起こった鎖の識別のための還元及びグリコシル化グラルギンのアルキル化
実施例9d:
ペプチドマッピング:
グリコシル化が起こったアミノ酸位置を識別するために、グラルギンの糖型は酵素消化される。0.65mgの天然グラルギンは、200μl、1MのTRIS(pH=9.0)に溶解された。これに新たに準備した50μlの1mg/mLのV8プロテアーゼ(Glu−C)が加えられ、37℃で2時間培養された。IGのトリプシン消化物、mGIG、tGIGは、流量0.8mL/minで、C18 250×4.6mm、5μ、300°(水;対称性)で分離された。カラム温度は、40度に維持された。次の勾配が用いられた:0−60分5−80%B、60−65分80−5%B。溶媒A=0.1%含水TFA、溶媒B=アセトニトリルである。20μlの試料が注入され、溶出されたピークが220nmでモニターされた。試料は、GLU-Cのフラグメント分析のためのAgilent 1100 LCMSによって、オンラインで分析された。比較研究は、リテンションタイム及び分子量を調べるために、IG、mGIG、tGIGについてなされた。
表8:インタクト、残留物リテンションタイム、グリコシル化グラルギンの質量の比較
発明の要約:
本発明は、成熟インスリングラルギンの免疫学的及び生物的な活性を示すポリペプチドをコード化する組み換えタンパク質の生産及び精製方法を提供することを目的とする。前記精製タンパク質は、成熟インスリングラルギンと類似のすべての生理学的、免疫学的、生化学的な特徴を有していることが見出される。
本発明の他の好ましい態様は、最終生成物で得られるグラルギンのグリコシル化不純物の特性評価である。
本発明の最終的な最も重要な目的は、純粋な形でインスリングラルギンタンパク質を得ることである。従って、本発明は、簡単な大量生産、その後のインスリングラルギンの精製を可能にする。
さらに、本発明の目的は、純粋な形で、インスリングラルギンを調合する方法を改良することである。
本発明の第1の態様によれば、インスリングラルギンを精製する組み換え方法は、以下を含む。
(a)宿主微生物を、インスリングラルギン活性を有するタンパク質を生産する方向に向かわせることが可能なDNA配列の準備
(b)宿主微生物に移動し、内部で複製することが可能なベクターへ前記DNA配列をクローン化する。このようなベクターは、DNA配列の操作可能な要素を含む。
(c)DNA配列及び操作可能な要素を含むベクターを、インスリングラルギンタンパク質を発現可能な宿主微生物に移動させる。
(d)ベクターの増幅とタンパク質の発現に適切な条件下で微生物を培養する。
(e)タンパク質を収穫する。
本発明の第2の態様は、インスリングラルギン前駆体遺伝子を、適切な発現ベクターにおいて、シグナルペプチドを有する機構でクローン化し、関連する組み換え遺伝子を含むベクターを有する宿主細胞を形質転換し、複数の複製要素の選別をし、インスリングラルギン前駆体のゲノムへの見事な統合で組み換えクローンを選択するステップを含む、関連する遺伝子を運ぶ組み換えベクターを構成する方法に関わる。
本発明の第3の態様は、所望の注目タンパク質の発現量を検出するHPLC分析のためのインスリングラルギン前駆体の小規模発現に関連する。
本発明の第4の態様は、成長培地で組み換え細胞を成長させる発酵プロセスに関連する。微生物、又は、細胞培養物である細胞は、所望のタンパク質(即席の本発明の場合には、インスリングラルギンである)をコード化するDNAを含む発現ベクターで形質転換された。
本発明の第5の態様は、発酵後に生産されたインスリングラルギン生成物の結晶に関わる。
本発明の第6の態様は、トリプシン化プロセスに関連する。グラルギンは、酵素的変換を経て、グラルギン前駆体から準備されうる。変換は、トリプシン又はトリプシン様の植物、動物微生物期限の酵素の存在によって生じる。
本発明の重要な態様は、天然インスリングラルギンタンパク質と同様の生物活性を有する分離されたタンパク質の精製に有用なプロセス及び手段に関連する。プロセスは、このような活性を有していない不純物とみなされうる他の物質から活性ペプチド物質を分離するためのRP−HPLC又は他のクロマトグラフィー法を利用する。
本発明の最も好ましい態様は、識別のための電気スプレイやマトリックス支援レーザー脱離イオン化等の質量分析技術を用いた科学的方法を経てインスリン類似体、特にインスリングラルギンの様々な糖型の識別に関連する。これにより、本発明は、最終生成物に存在する不純物の特性をより理解することによって、最適化した下流精製法を経て、生成物を前記不純物から選択的に精製することを可能とする。
本発明の付加的な目的及び利点は、一部が以下に明細書において説明される。その一部は、明細書から明らかであり、発明の実行から理解されうる。その目的及び利点は、添付の請求項で特に指摘した手段及び組合せによって実現され、達成されうる。本発明は、精製された生物活性異種タンパク質に関する。ここに組み込まれ、本出願の一部をなす添付の図面は、明細書とともに本発明における様々な有益な特性を示しており、本発明の原理を説明する役割を果たす。

Claims (8)

  1. ピキア・パストリス発現系において、精製されており生物活性を有する組換えインスリングラルギンであって、少なくとも純度96%であり、かつ含有グリコシル化不純物が1%未満のインスリングラルギンを得る方法であって、
    a)式X−B−Y−Aによって定義される前記インスリングラルギンの前駆体をコードしているDNA配列を含むベクターによって形質転換されたピキア・パストリスを、前記インスリングラルギンの前駆体の発現に適している状態で培養し、
    ここで、
    前記Xは、少なくとも1つのアミノ酸で構成されるリーダーペプチド配列であり、
    前記Bは、前記インスリングラルギンのB鎖の1−30アミノ酸を有する、アミノ酸配列であり、
    前記Yは、最初の2つのアミノ酸が"RR"で表される2以上のアミノ酸で構成されたリンカーペプチドであり、
    前記Aは、前記インスリングラルギンのA鎖のアミノ酸配列であり、
    b)インスリングラルギンの前駆体を回収した調製物を得るために陽イオン交換クロマトグラフィーを用いて、前記ピキア・パストリスから前記インスリングラルギンの前駆体を分離して、前記発現されたインスリングラルギンの前駆体を回収し、
    c)インスリングラルギンの前駆体の結晶を得るために工程b)で回収した調製物を結晶化工程に供し、
    d)工程c)で得られた前記インスリングラルギンの前駆体の結晶を、トリプシン又はトリプシン様酵素の存在下で活性なインスリングラルギンに酵素変換し、
    e)グリコシル化された不純物を含む前記インスリングラルギンを精製することで精製されたインスリングラルギンを得るために、インスリングラルギンをRP-HPLCクロマトグラフィックマトリックスに接触させる上で以下を含む複数の精製工程を実行し、
    i.濃度250mMの酢酸の下で濃度10%のアセトニトリルで前記マトリックスを平衡化し;該アセトニトリルで前記インスリングラルギンを溶出する第一工程;
    ii.濃度20mMから200mMの水性緩衝液Aの下で濃度10%のアセトニトリルで前記マトリックスを再度平衡化し;該アセトニトリルで前記インスリングラルギンを再度溶出する第二工程;
    iii.濃度10mMから50mMの水性緩衝液Aの下で濃度6%のエタノールで前記マトリックスを再度平衡化し;該エタノールで前記インスリングラルギンを再度溶出する第三工程;
    f)クエン酸緩衝液及び塩化亜鉛を添加して工程e)で前記精製されたインスリングラルギンを沈殿させ、少なくとも純度96%であり、かつ含有グリコシル化不純物が1%未満の前記インスリングラルギンを得る、
    各工程を備える、インスリングラルギンを得る方法。
  2. 前記インスリングラルギンの前駆体は、SEQ ID: 1又はSEQ ID: 2.によって定義されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記ピキア・パストリスはGS115株であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記工程c)において、塩化亜鉛及びフェノールを添加することにより、前記インスリングラルギンの前駆体を結晶化させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 前記工程d)において、前記酵素変換は、水混和性有機溶媒においてトリプシンの存在下で行うことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 前記水混和性有機溶媒は、DMSO、DMF、エタノール、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル及びこれらの混合物のグループから選択されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 前記工程e)における前記水性緩衝液Aは、クエン酸、酢酸、ホウ酸、ギ酸、塩酸、酢酸ナトリウム、Tris−CaCl、酢酸アンモニウム、過塩素酸及びリン酸からなるグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 前記インスリングラルギンのグリコシル化不純物は、モノグリコシル化、トリグリコシル化又はポリグリコシル化のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
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