JP5780706B2 - 美白化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、酒粕の発酵物を有効成分として含む化粧料に関し、特に、酒粕乳酸菌発酵物又はその酵素分解物を含む、優れた美白効果を持つ化粧料に関する。
酒粕は、酒醸造における副産物であり、従来、食品素材として利用されていたが、近年、酒粕の水抽出物又はアルコール抽出物や、酒粕の酵素分解物や発酵物を配合した化粧料が提案されている。例えば、酒粕の水抽出物やアルコール抽出物が、チロシナーゼ活性を抑制すること、又は、保湿作用及び保水作用を有することが見出され、その作用を利用した化粧料が提案されている(特許文献1〜3)。また、酒粕の抽出物又は酵素処理物が、加工性・成分溶出性改善作用、美肌作用(特許文献4)、保湿作用(特許文献3,5)、及び、エストロゲン様作用、及び表皮角化細胞増殖作用(特許文献6)などを有することが見出され、それらの作用を利用した化粧料や入浴剤が提案されている。また、酒粕の酵母による発酵物が、保湿作用(特許文献7〜9)、荒れ肌改善作用及びくすみ改善作用(特許文献10)、抗酸化作用(特許文献11)などを有することが見出され、それらの作用を利用した化粧料が提案されている。
特開平05−310590号 特開平08−168378号 特開平03−232811号 特開平04−334315号 特開平05−255064号 特開2007−099718号 特開平04−308516号 特開平10−130121号 特開2000−128769号 特開2004−137235号 特開2006−193496号 特開2007−099731号
しかし、酒粕の抽出物、酵素処理物、又は酵母発酵物の有する上記の皮膚生理活性及びそれに基づく肌改善効果は、化粧料配合原料として見た場合に、十分満足し得るものとは言い難い点があった。
また、酒粕の乳酸菌による発酵物を配合した化粧料も提案されているが、その効果は、脱毛抑制効果に限定されており、酒粕の乳酸菌発酵物の美白効果については何ら報告されていない。
さらに、酒粕抽出物のチロシナーゼ活性抑制作用を開示した上記特許文献1には酒粕抽出物に必要に応じて酵素処理や、乳酸菌発酵等の有機酸発酵を施しても良い旨の開示があるが、特許文献1に云うチロシナーゼ活性抑制作用は、細胞を用いないin vitroの試験において認められるものに過ぎず、後述の試験例1に示す通り、細胞を用いたin vitro試験では酒粕抽出物にはチロシナーゼ活性抑制作用は実質的には認められず、しかもこのことは当該抽出物にさらに酵素分解処理や乳酸発酵を施しても何ら改善されることがなく、ここに得られる酵素分解物や乳酸菌発酵物は、細胞を用いたin vitro試験において実質的に有効性を示さない。従って、特許文献1に記載の酒粕抽出物の乳酸菌発酵物では、実際にこれを皮膚に適用したときに、実質的な美白効果が得られるとは言い難い。
そこで、本発明者らは、かかる従来技術の問題点に鑑み、酒粕を素材としてより有効性、有用性が高い美白剤を調製すべく鋭意研究を重ねた結果、酒粕それ自体を乳酸菌発酵して得られる発酵物又はその酵素分解物が、酒粕の抽出物や酵素分解物、さらには酒粕抽出物の乳酸菌発酵物と比較して、はるかに強い細胞内チロシナーゼ活性抑制作用を有し、かかる作用に基づく、優れた美白効果を有することを明らかにし、本発明を完成するに至った。
本発明は、酒粕を、少なくとも1種の乳酸菌によって発酵した発酵物を有効成分とし、当該酒粕が、その発酵前又は発酵と同時に、蛋白分解酵素の1種以上の酵素、及び澱粉分解酵素から選ばれる1種以上の酵素で加水分解処理されたものであることを特徴とする美白用皮膚化粧料である。
ここで、化粧料なる文言は、所謂化粧料のほかに医薬部外品をも含む広義で用いる。
本発明の化粧料において活性成分として用いる酒粕の乳酸菌発酵物、又は当該発酵前もしくは発酵時に、酵素による加水分解処理した酵素分解物は、酒粕抽出物もしくは酒粕酵素分解物、さらに酒粕抽出物の乳酸菌発酵物と比較して、はるかに強い細胞内チロシナーゼ活性抑制作用に基づく美白効果を持つ。従って、かかる酒粕発酵物又はその酵素分解物を配合してなる本発明の化粧料は、酒粕を利用した従来の化粧料と比べて、シミ、ソバカス、及びくすみなどの改善や予防に優れた効果を発揮する。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の原料として用いる酒粕としては、特定の酒粕に限られるものでないが、米を原料とする清酒の酒粕が好ましい。その他にも、例えば、焼酎粕、味醂粕、又はビール粕でも良い。酒粕は生のままでも、また、保存性の点で凍結乾燥して水分除去したものや、その粉砕物をも利用可能である。
酒粕の発酵に用いる微生物として乳酸菌が挙げられ、乳酸菌に属する各種の微生物から選択された少なくとも1種を用いるが、いずれを用いた場合であっても、優れた細胞内チロシナーゼ活性抑制作用に基づく美白効果を有する発酵物が得られる。また、相互の発酵の妨げにならない限り、複数の乳酸菌を組み合わせても良い。
酒粕の発酵に用いる乳酸菌として、
(1)ラクトバシルス・プランタラム(Lactobacillus
plantarum)、ラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)等のラクトバシルス(Lactobacillus)属の乳酸菌、
(2)カルノバクテリウム・ディバージェンス(Carnobacterium
divergens)、カルノバクテリウム・ピシコーラ(Carnobacterium piscicola)等のカルノバクテリウム(Carnobacterium)属の乳酸菌、
(3)ロイコノストック・メセンテロイズ(Leuconostoc
mesenteroides)、ロイコノストック・シトレウム(Leuconostoc citreum)等のロイコノストック(Leuconostoc)属の乳酸菌、
(4)ストレプトコッカス・フェーカリス(Streptococcus
faecalis)、ストレプトコッカス・ピオジェネス(Streptococcus pyogenes)等のストレプトコッカス(Streptococcus)属の乳酸菌、
(5)エンテロコッカス・カゼリフラバス(Enterococcus
caseliflavus)、エンテロコッカス・サルフレウス(Enterococcus sulfreus)等のエンテロコッカス(Enterococcus)属の乳酸菌、
(6)ラクトコッカス・プランタラム(Lactococcus plantarum)、ラクトコッカス・ラフィノラクティス(Lactococcus rafinolactis)等のラクトコッカス(Lactococcus)属の乳酸菌、
(7)ヴェイセラ・コンフューザ(Weissella confusa)、ヴェイセラ・カンドゥレリ(Weissella kandleri)等のヴェイセラ(Weissella)属の乳酸菌、
(8)アトポビウム・ミニュタム(Atopobium minutum)、アトポビウム・パービュラス(Atopobium parvulus)等のアトポビウム(Atopobium)属の乳酸菌、
(9)バゴコッカス・フルビアリス(Vagococcus fluvialis)、バゴコッカス・サーモニナラム(Vagococcus salmoninarum)等のバゴコッカス(Vagococcus)属の乳酸菌。
(10)ペディオコッカス・ダムノサス(Pediococcus damnosus)、ペディオコッカス・ペントサセウス(Pediococcus pentosaceus)等のペディオコッカス(Pediococcus)属の乳酸菌など、
いずれの乳酸菌でも使用可能であるが、中でも極度の嫌気性でなく取り扱いやすい点と有効性の点で、ラクトバシルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)が最も好ましい。
以下に、上記の乳酸菌を用いて、酒粕を発酵させる方法の好ましい具体例を挙げる。
まず、酒粕を溶媒と混合して懸濁液を調製する。ここで溶媒としては、水とエタノール、プロパノールなどの低級アルコール類との混合液、水とエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールなどのグリコール類との混合液などを用いることができるが、上記乳酸菌が最も活動しやすい点と、酒粕以外に乳酸菌の栄養源となる成分を含まない点で、水単独が最も好ましい。
酒粕と上記の溶媒との混合比は、水の単独使用又は混合液の使用のいずれの場合も、製造作業性と発酵液の収率、得られる発酵液の固形分濃度の観点から、重量比で、1:1〜1:1000、好ましくは、1:5〜1:100、さらに好ましくは、1:10〜1:50である。酒粕の量比が大き過ぎると液が粘性を持つため、ろ過操作などが困難となって収量が低下する傾向にあり好ましくない。一方、酒粕の量が少な過ぎると、発酵液の固形分濃度、ひいては単位容積当たりの生理活性が低くなり、濃縮工程を余儀なく必要とする場合もあり、使い勝手の悪いものとなり好ましくない。
上記酒粕懸濁液は、上記乳酸菌を植菌する前に、一般に殺菌を行って、発酵の障害となる雑菌を除去する。殺菌処理としては、酒粕懸濁液を調製した後に、加熱殺菌する方法が最も簡易かつ殺菌効果が高い。加熱殺菌処理としては、例えば、80℃で1時間加熱することを1日1回、2〜3日間繰り返す間断殺菌法といった方法が一般に用いられる。
次に、加熱殺菌した酒粕懸濁液を発酵タンクに入れ、これに乳酸菌を植菌して、その懸濁液を発酵させる。乳酸菌の接種量は10〜10個/mLが適量である。接種量が上記の範囲より多くなっても発酵の進行時間は殆ど変わらない。一方、上記の範囲より少なくなると発酵完了迄に時間を要することとなって好ましくない。
発酵温度は、5〜50℃、より好ましくは、各乳酸菌の生育至適温度である30〜40℃が好ましい。発酵日数は、上記の至適温度で発酵を行う場合で、1日〜10日、より好ましくは、2〜5日である。発酵日数が1日より短いと発酵が十分に行われず、目的とする高い皮膚生理活性を有する発酵物を得ることが困難となる。一方、発酵日数が10日を越えて長くなり過ぎても、それ以上発酵の状態は変化せず(例えば、pHの変化はない)、発酵物の有効性に向上が認められないだけでなく、かえって着色や発酵臭が強まるなどの不都合が生じ好ましくない。
以上の発酵処理を行うに当たって、上記の酒粕懸濁液への乳酸菌の植菌前又は植菌と同時に酵素を添加して、酒粕に酵素による加水分解処理を施すことが好ましい。
酵素としては、蛋白分解酵素、及び澱粉分解酵素から選ばれた少なくとも1種の酵素を使用するが、それぞれの酵素を単独で使用するより、蛋白分解酵素及び澱粉分解酵素からそれぞれ選ばれた少なくとも1種の酵素を組み合わせて用いることが好ましく、かかる酵素分解処理の併用によって、細胞内チロシナーゼ活性作用のより強められた発酵物を得ることができる。
ここで、蛋白分解酵素としては、例えばアクチナーゼなどのアクチナーゼ類、ペプシンなどのペプシン類、トリプシン、キモトリプシンなどのトリプシン類、パパイン、キモパパインなどのパパイン類、グリシルグリシンペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼ、アミノペプチダーゼなどのペプチダーゼ類、ブロメラインなどを用いることができる。それら酵素のうちでも、アクチナーゼなどのアクチナーゼ類、パパイン、キモパパインなどのパパイン類が特に好ましい。
また、澱粉分解酵素としては、例えば、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、β−ガラクトシダーゼなどを用いることができる。それらの酵素のうちでも、グルコアミラーゼが特に好ましい。
各酵素の添加量は、懸濁液中の酒粕成分の固形分に対して0.01〜10重量%が好ましく、さらには、0.1〜2.0重量%がより好ましい。酵素処理におけるpH、温度、時間などの処理条件としては、発酵前に行うのであれば、使用する酵素の至適pH及び至適温度付近で1〜24時間の処理を行うのが良い。一方、発酵と同時に行うのであれば、当該発酵と同条件であっても良い。
以上の発酵処理が終了したならば、乳酸菌の殺菌のため、また、酵素分解処理を発酵と同時に行った場合であれば当該酵素の失活を兼ねて、発酵液を80〜90℃で1時間加熱する方法などを用いて、発酵を停止させる。発酵終了後、ろ過又は遠心分離などの固液分離手段によって、発酵液を分取する。
ここで得られる発酵液を、一般にはpHを3〜7に調整した上、これをそのまま化粧料に配合するか、又は、必要ならば減圧濃縮などにより所定の濃度に調整した上で、化粧料に配合する。また、場合によっては、スプレードライ法、凍結乾燥法などの常法に従って粉末化してもよい。
以上のようにして得られる本発明の酒粕乳酸菌発酵物を配合してなる化粧料としては、例えば乳液、クリーム、ローション、エッセンス、パック、洗顔料などの基礎化粧料、口紅、ファンデーション、リキッドファンデーション、メイクアッププレスパウダーなどのメイクアップ化粧料、ヘアーシャンプー、ヘアーリンス、ヘアートリートメント、コンディショナー、染毛料、整髪料などの頭髪化粧料、洗顔料、ボディシャンプー、石けんなどの清浄用化粧料、さらには浴剤などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の化粧料中における酒粕発酵物の配合量は、固形分として、基礎化粧料の場合は、一般に0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜1重量%の範囲、メイクアップ化粧料の場合は、一般に0.001〜5重量%、好ましくは0.001〜5重量%の範囲、清浄用化粧料の場合は、一般に0.01〜0.5重量%、また、浴剤の場合は、一般に0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜1重量%の範囲である。
本発明の化粧料には、上記の必須成分の他に、通常化粧料に用いられる配合成分、例えば油性成分、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、色素、香料、抗酸化剤、生理活性成分などを必要に応じて適宜配合することができる。
ここで、油性成分としては、例えばオリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、植物由来スクワランなどの植物由来の油脂類;ミンク油、タートル油などの動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリンなどのロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワランなどの炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、cis−11−エイコセン酸などの脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2−エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシルなど)などの合成エステル類及び合成トリグリセライド類などが挙げられる。
界面活性剤としては,例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α−スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩などのアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級〜第三級脂肪アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩などのカチオン界面活性剤;N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニオベタイン、N,N,N−トリアルキル−N−アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N−アシルアミドプロピル−N′,N′−ジメチル−N′−β−ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタインなどの両性界面活性剤などを使用することができる。
また、乳化剤乃至乳化助剤として、酵素処理ステビアなどのステビア誘導体、レシチン及びその誘導体、乳酸菌発酵米、乳酸菌発酵発芽米、乳酸菌発酵穀類(麦類、豆類、雑穀など)、ジュアゼイロ(Rhamnaceae zizyphus joazeiro)抽出物などを配合することもできる。
保湿剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウムなどがあり、さらにトレハロースなどの糖類、乳酸菌発酵米、ムコ多糖類(例えば、ヒアルロン酸及びその誘導体、コンドロイチン及びその誘導体、ヘパリン及びその誘導体など)、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、加水分解シルク蛋白質、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、フィトステロール、大豆リン脂質、イソステアリン酸コレステリル、海藻抽出物、魚介類由来コラーゲン及びその誘導体、各種アミノ酸及びそれらの誘導体(例えばトリメチルグリシンなど)、ビャッキュウ抽出物、豆乳発酵液、納豆エキス、米由来抽出物及びその発酵物などが挙げられる。
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダンなどの褐藻、緑藻或いは紅藻由来成分、ビャッキュウ抽出物、ペクチン、ローカストビーンガム、アロエ多糖体などの多糖類、キサンタンガム、トラガントガム、グアーガムなどのガム類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体などの合成高分子類、ヒアルロン酸及びその誘導体、ポリグルタミン酸及びその誘導体、グルコシルトレハロースと加水分解水添澱粉を主体とする糖化合物などが挙げられる。
防腐・殺菌剤としては、例えば尿素;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなどのパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、ジャマール(イミダゾデイニールウレア)、1,2−ペンタンジオール、各種精油類、樹皮乾留物、プロポリスエキス、メチルイソチアゾリノンなどがある。
粉体成分としては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、6−又は12−ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー、穀類(米、麦、トウモロコシ、キビなど)のパウダー、豆類(大豆、小豆など)のパウダーなどがある。
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−ターシャリーブチル−4−メトキシベンゾイルメタン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物などがある。
抗酸化剤としては、例えばブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ビタミンE及びその誘導体、ユビデカキノン(ユビキノン)、ルチン、ルチングルコシド、白芥子抽出物、イネ抽出物、ムラサキシキブ抽出物、シラカバ抽出物、ハマメリス抽出物、ウーロン茶抽出物、黒豆加水分解抽出液、ハゴロモグサ抽出液などがある。
さらに必要ならば、本発明で用いる発酵物の作用効果及び特長を損なわない範囲で、他の生理活性成分(美白剤、皮膚老化防止・肌荒れ改善剤など)を配合してもよく、かかるものとしては、例えば美白剤であれば、t−シクロアミノ酸誘導体、コウジ酸及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノン誘導体、エラグ酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、胎盤抽出物、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、米糠抽出物、米糠抽出物加水分解物、乳酸菌発酵米、乳酸菌発酵発芽米、乳酸菌発酵穀類(麦類、豆類、雑穀類)、白芥子抽出物、白芥子加水分解抽出物、ムラサキシキブ抽出物、ハスの種子発酵物、党参抽出物、パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius Roxb.)抽出物、アルカンジェリシア・フラバ(Arcangelicia flava Merrilli)抽出物、ヒカゲノツルニンジン(Codonopsis
pilosula)抽出物、カミツレ抽出物(商品名:カモミラET)、ジンコウ抽出物、ハマメリス抽出物、イタドリ抽出物、サワヒヨドリ抽出物、甘草抽出物、フキタンポポ抽出物、アルテア抽出物、ゲンノショウコ抽出物、ユキノシタ抽出物、ナツメ抽出物、シャクヤク抽出物、トウキ抽出物、モモ抽出物、コンブなどの海藻の抽出物、アマモなどの海草の抽出物、リノール酸及びその誘導体もしくは加工物(例えばリポソーム化リノール酸など)、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体などが、又皮膚老化防止・肌荒れ改善成分であれば、動物又は魚由来のコラーゲン及びその誘導体、エラスチン及びその誘導体、セラミドなどの細胞間脂質、ニコチン酸及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体(ジカリウム塩など)、t−シクロアミノ酸誘導体、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体(d,l−α−トコフェリルリン酸ナトリウムなど)、アラントイン、α−ヒドロキシ酸類、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、コエンザイムQ−10、α−リポ酸、エルゴチオネイン、ゲンチアナエキス、甘草エキス、ハトムギエキス、カミツレエキス、ニンジンエキス、アロエエキスなどの生薬抽出エキス、米糠抽出物加水分解物、米抽出物加水分解物、低アレルゲン米抽出物加水分解物、米発酵エキス、ミツイシコンブ抽出物、アナアオサ抽出物、アマモなどの海草の抽出物、ソウハクヒエキス、ジュアゼイロ(Rhamnaceae zizyphus joazeiro)抽出物、ブナ抽出物、キダチアロエ抽出物、マンネンロウ抽出物、イチョウ抽出物、スギナ抽出物、ベニバナ抽出物、オタネニンジン抽出物、セイヨウニワトコ抽出物、ハゴロモグサ抽出物、レンゲ抽出物、マンゴー抽出物、チェリモヤ抽出物、マンゴスチン抽出物、タベブイア・インペティギノーサ抽出物、酵母抽出物、卵殻膜抽出蛋白質、デオキシリボ核酸カリウム塩、ハス発酵液、水ナス抽出物、紫蘭根抽出物、ムラサキシキブ抽出物、イネ抽出物、サンゴ草抽出物、花粉荷エキスなどが挙げられる。
上記のコウジ酸誘導体としては、例えばコウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレートなどのコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシドなどのコウジ酸糖誘導体などが、アスコルビン酸誘導体としては、例えばL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルマグネシウムなどのアスコルビン酸エステル塩類、3−O−エチルアスコルビン酸などのO−アルキルアスコルビン酸類、L−アスコルビン酸−2−グルコシド(2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)、L−アスコルビン酸−5−グルコシド(5−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)などのアスコルビン酸糖誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基など)、L−アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸テトララウリン酸エステルなどのL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−O−パルミテートナトリウムなどが、ハイドロキノン誘導体としては、アルブチン(ハイドロキノン−β−D−グルコピラノシド)、α−アルブチン(ハイドロキノン−α−D−グルコピラノシド)などが、レゾルシノール誘導体としては、例えば4−n−ブチルレゾルシノール、4−イソアミルレゾルシノールなどが、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2,5−ジアセトキシ安息香酸、2−アセトキシ−5−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−5−プロピオニルオキシ安息香酸などが、ニコチン酸誘導体としては、例えばニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジルなどが、ビタミンE誘導体としては、例えばビタミンEニコチネート、ビタミンEリノレートなどが、α−ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α−ヒドロキシオクタン酸などがある。
次に、製造例、実施例(化粧料の処方例)、及び試験例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、以下において、部はすべて重量部を、また%はすべて重量%を意味する。
製造例1.
酒粕100gを水900gに加えて懸濁液を調製し、加熱殺菌した。この液にグルコアミラーゼ1.0g、パパイン1.0gを加えた後、乳酸菌(ラクトバシルス・プランタラム)を10個/mL接種し、37℃で3日間培養した。培養終了後、培養液を加熱殺菌して、ろ過し、酒粕酵素分解乳酸菌発酵物溶液を得た(液量:720g、固形分2.5%)。
製造例2.
酒粕100gを水に900gを加えて懸濁液を調製し、加熱殺菌した。この液に乳酸菌(ラクトバシルス・プランタラム)を10個/mL接種し、37℃で3日間静置培養した。培養終了後、培養液を加熱殺菌して、ろ過し、酒粕乳酸菌発酵物溶液を得た(液量:660g、固形分2.0%)。
製造例3.
製造例1の乳酸菌(ラクトバシルス・プランタラム)に代えてストレプトコッカス・フェーカリスを用いる他は、製造例1と同様にして酒粕酵素分解乳酸菌発酵物溶液を得た(液量:760g、固形分1.8%)。
製造例4.
製造例1で得た酒粕発酵液500gを凍結乾燥し、これを粉砕して酒粕酵素分解乳酸菌発酵物粉末12.0gを得た。
比較製造例1.
酒粕100gに水900gを加えて懸濁液を調製し、加熱殺菌した。この液にグルコアミラーゼ1.0g、パパイン1.0gを加えたのち、37℃で3日間酵素加水分解を行った。加水分解終了後、酵素を加熱失活させ、ろ過して酒粕酵素分解物溶液を得た(液量:740g、固形分2.1%)。
比較製造例2.
酒粕100gに水900gを加えて懸濁液を調製し、80℃で2時間加熱殺菌処理を行い、冷却後この液をろ過して酒粕抽出物溶液を得た(液量:660g、固形分1.0%)。
比較製造例3.
比較製造例1で得られた酒粕酵素分解物溶液を殺菌し、その液500gに乳酸菌(ラクトバシルス・プランタラム)を10〜10個/mL接種し、
37℃で3日間培養した。培養終了後加熱殺菌し、培養液をろ過して酒粕酵素分解乳酸菌溶液の発酵物を得た(液量:480g、固形分1.5%)
比較製造例4.
従来の酒粕抽出物溶液とのチロシナーゼ活性抑制効果の比較のために、上記背景技術で述べた特許文献1(特開平5-310590)の実施例1の製造法に準じて1/50スケールで酒粕抽出物溶液を調製した。すなわち、玄米清酒粕300gを60℃の温水600mLに加え、よく撹拌して45℃に調整し、その温度を保ちながら、10時間放置した。その後、抽出をよくするため90℃にまで煮沸し、それを30℃に冷却した後、搾り機で搾り、酒粕抽出物溶液を得た(液量:520g、固形分1.5%)。
比較製造例5.
比較製造例4で得られた酒粕抽出物溶液を殺菌し、その液300gに乳酸菌(ラクトバシルス・プランタラム)を10個/mL接種し、37℃で3日間培養した。培養終了後加熱殺菌し、培養液をろ過して酒粕抽出物溶液の乳酸菌発酵物溶液を得た(液量:280g、固形分1.2%)。
実施例1.クリーム
[A成分]部
流動パラフィン 5.0
ヘキサラン(注1) 4.0
(注1)株式会社テクノーブル製 トリオクタン酸グリセリル

パラフィン 5.0
グリセリルモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 6.0
ブチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例1の酒粕酵素分解乳酸菌発酵物溶液 10.0
グリセリン 5.0
カルボキシメチルモノステアレート 0.1
モイストン・C(注2) 1.0
(注2)株式会社テクノーブル製 NMF成分
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合してクリームを得た。
実施例2.クリーム
実施例1のB成分中の製造例1の酒粕酵素分解乳酸菌発酵物溶液に代えて製造例2の酒粕の乳酸菌発酵物溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
実施例3.クリーム
実施例1のB成分中の製造例1の酒粕酵素分解乳酸菌発酵物溶液に代えて製造例3の酒粕酵素分解乳酸菌発酵物溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
実施例4.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
メチルパラベン 0.15
エチルパラベン 0.03
[B成分]
製造例1の酒粕酵素分解乳酸菌発酵物溶液 10.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
実施例5.乳液
実施例4のB成分中の製造例1の酒粕酵素分解乳酸菌発酵物溶液に代えて製造例2の酒粕乳酸菌発酵物溶液を用いるほかは実施例4と同様にして乳液を得た。
実施例6.乳液
実施例4のB成分中の製造例1の酒粕酵素分解乳酸菌発酵物溶液に代えて製造例3の酒粕乳酸菌発酵物溶液を用いるほかは実施例4と同様にして乳液を得た。
実施例7.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
メチルパラベン 0.15
エチルパラベン 0.03
[B成分]
製造例1の酒粕酵素分解乳酸菌発酵物溶液 10.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
水酸化カリウム 0.5
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
実施例8.乳液
実施例7のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム2.0部を用いるほかは実施例7と同様にして乳液を得た。
実施例9.乳液
実施例7のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム2.0部を用いるほかは実施例7と同様にして乳液を得た。
実施例10.乳液
実施例7のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてアルブチン2.0部を用いるほかは実施例7と同様にして乳液を得た。
実施例11.乳液
実施例7のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えて米糠抽出物加水分解物(株式会社テクノーブル製、商品名「グレイスノウ*雪*HP」、固形分濃度3.5%)5.0部を用いるほかは実施例7と同様にして乳液を得た。
実施例12.乳液
実施例7のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えて白芥子抽出物(株式会社テクノーブル製、商品名「シナブランカ−WH」、固形分濃度1.0%)5.0部を用いるほかは実施例11と同様にして乳液を得た。
実施例13.乳液
実施例7のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてγ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸1.0部を用いるほかは実施例7と同様にして乳液を得た。
実施例14.ローション
[成分] 部
製造例1の酒粕酵素分解乳酸菌発酵物溶液 10.0
エタノール 10.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
メチルパラベン 0.2
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
カルボキシビニルポリマー 0.1
香料 適量
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を混合してローションを得た。
実施例15.化粧水
[A成分] 部
オリーブ油 1.0
ポリオキシエチレン(5.5)セチルアルコール 5.0
ブチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例1の酒粕酵素分解乳酸菌発酵物溶液 10.0
エタノール 5.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。
これを50℃まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して化粧水を得た。
実施例16.プレストパウダー
[A成分] 部
ベンガラ 0.5
黄酸化鉄 1.5
黒酸化鉄 0.1
酸化チタン 10.0
ナイロンパウダー 4.0
セリサイト 全量が100部となる量
マイカ 23.0
タルク 25.0
製造例1の酒粕酵素分解乳酸菌発酵物 2.0
[B成分]
スクワラン 1.0
メチルポリシロキサン 4.0
プロピルパラベン 0.1
デヒドロ酢酸 0.1
流動パラフィン 2.0
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ混合攪拌し混合した後、200メッシュのタイラーメッシュの篩にかけ、得られた混合粉末を金型に打型してプレストパウダーを得た。
実施例17.リクイドファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 2.4
モノステアリン酸プロピレングリコール 2.0
セトステアリルアルコール 0.2
液状ラノリン 2.0
流動パラフィン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.5
プロピルパラベン 0.05
[B成分]
製造例1の酒粕酵素分解乳酸菌発酵物溶液 5.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2
ベントナイト 0.5
プロピレングリコール 4.0
トリエタノールアミン 1.1
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 4.0
着色顔料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ加温した後混合攪拌した。これを再加温し、上記のC成分を添加して型に流し込み、室温になるまで攪拌してリキッドファンデーションを得た。
実施例18.クリームファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 5.0
セタノール 2.0
モノステアリン酸グリセリル 3.0
流動パラフィン 5.0
スクワラン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.0
ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸グリセリル 2.0
プロピルパラベン 0.1
[B成分]
製造例1の酒粕酵素分解乳酸菌発酵物溶液 5.0
ソルビトール 3.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
トリエタノールアミン 1.5
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 2.0
カオリン 5.0
ベントナイト 1.0
着色顔料 適 量
[D成分]
香料 0.3
C成分を混合し、粉砕機で粉砕した。B成分を混合し、これに粉砕したC成分を加え、コロイドミルで均一分散させた。A成分及び均一分散させたB、C成分をそれぞれ80℃に加温後、B、C成分にA成分を攪拌しながら加え、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを50℃まで冷却した後、D成分を加えて攪拌混合し、さらに攪拌しながら30℃以下まで冷却してクリームファンデーションを得た。
実施例19.ボディシャンプー
[A成分] 部
N−ラウロイルメチルアラニンナトリウム 25.0
ヤシ油脂肪酸カリウム液(40%) 26.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例1の酒粕酵素分解乳酸菌発酵物溶液 10.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してボディシャンプーを得た。
実施例20.石けん
[A成分] 部
硬化ヒマシ油 26.0
ヤシ油 10.0
オリーブ油 4.0
[B成分]
水酸化ナトリウム 6.0
砂糖 10.0
グリセリン 5.0
製造例1の酒粕酵素分解乳酸菌発酵物溶液 5.0
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
エタノール 20.0
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加えてケン化した。これを攪拌しながら50℃まで冷却し、C成分を加えた。これを型に流し込み冷却した後、室温下で数日間乾燥させ、充分に乾燥したものを型から取りだして石けんを得た。
比較例1.クリーム
実施例1のB成分中、製造例1の酒粕酵素分解乳酸菌発酵物溶液に代えて比較製造例1の酒粕酵素分解物溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
比較例2.クリーム
実施例1のB成分中、製造例1の酒粕酵素分解乳酸菌発酵物溶液に代えて比較製造例2の酒粕抽出物溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
比較例3.クリーム
実施例1のB成分中、製造例1の酒粕酵素分解乳酸菌発酵物溶液に代えて比較製造例5の酒粕抽出物溶液の乳酸菌発酵物溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
試験例1.細胞内チロシナーゼ活性抑制作用
製造例1,3の酒粕酵素分解乳酸菌発酵物溶液、製造例2の酒粕乳酸菌発酵物溶液、比較製造例1の酒粕酵素分解物溶液、比較製造例2、4の酒粕抽出物溶液、比較製造例3の酒粕酵素分解物溶液の乳酸菌発酵物溶液、及び比較製造例5の酒粕抽出物溶液の乳酸菌発酵物溶液を試料として用い、チロシナーゼ活性抑制効果を調べた。
[試験方法]
培養B16マウスメラノーマ細胞を、96穴マイクロプレートに8×10個/穴播種し、10%仔牛血清(FBS)含有イーグル最少必須培地(MEM)中、37℃、5%COの条件下に1日間プレ培養した後、10%FBS含有イーグルMEMで試料溶液を2.5又は5.0%の濃度(溶液として)となるように希釈した液に置換し、同条件で2日間培養した。次に、培養液を除去し、界面活性剤(Triton X-100)と5mML−ドーパ溶液を添加して37℃で反応を行った後、マイクロプレートリーダー(Model 450、バイオラッド社製)を用い、波長490nmでドーパ値を測定した。
試料無添加の場合(対照)についても上記と同様の操作を行い、ここに得られたドーパ値に対する各試料添加時のドーパ値の相対値を求め、チロシナーゼ活性率(%)とした。
なお、比較のため、試料溶液の代わりに、2mMのアルブチンを添加した場合(陽性対照)についても同様の試験を行った。
[結果]
上記の試験で得られた結果を表1に示した。
Figure 0005780706
表1に示す通り、酒粕乳酸菌発酵物溶液又はその酵素分解物溶液は、それらの濃度に依存して、発酵処理を行っていない酒粕酵素分解物溶液(比較製造例1)及び酒粕抽出物溶液(比較製造例2,4)に比べて、はるかに強い細胞内チロシナーゼ活性抑制作用を有することが示された。また、細胞内チロシナーゼ活性抑制作用を有しない酒粕抽出物溶液(比較製造例2,4)を乳酸菌で発酵させても、それにより得られる発酵物溶液(比較製造例3,5)は、細胞内チロシナーゼ活性抑制作用を有さないこと、すなわち、酒粕の抽出物(ろ液又は搾り液)を発酵させてもチロシナーゼ活性抑制効果が亢進されないこと、さらに当該活性を発揮する成分が生じないことも明らかになった。以上の結果により、酒粕の固形物も含む懸濁液を乳酸菌により発酵処理することにより細胞内チロシナーゼ活性抑制作用が増強又は発揮されることが判る。なお、陽性対照として使用した2mMのコウジ酸においても強いチロシナーゼ活性抑制作用が示されたことから、本試験系が適正であることは明らかである。
また、表1の通り、酒粕を乳酸菌で発酵物させることで、酵素により加水分解しなくても、チロシナーゼ活性抑制効果が亢進されることが明らかになったが、酒粕に対して発酵処理と酵素加水分解処理を併用することで、チロシナーゼ活性抑制効果がより強くなることが示された。
試験例2.モニターテスト
製造例1で製造した酒粕酵素分解乳酸菌発酵物溶液、製造例2で製造した酒粕乳酸菌発酵物溶液、比較製造例1で製造した酒粕酵素分解物溶液、比較製造例2で製造した酒粕抽出物溶液、及び比較製造例5で製造した酒粕抽出物溶液の乳酸菌発酵物溶液を各々含有するクリームを製造し、モニターテストによる美白効果試験を実施した。
[試料]
本発明試料1:実施例1のクリーム
本発明試料2:実施例2のクリーム
比較試料1:比較例1のクリーム
比較試料2:比較例2のクリーム
比較試料3:比較例3のクリーム
[試験方法]
無作為に抽出した年齢20〜55歳の女性100名を被験者として20名ずつを5つのグループ(A〜E)に分け、Aグループの被験者には本発明試料1を、Bグループの被験者には本発明試料2を、Cグループの被験者には比較試料1を、Dグループの被験者には比較試料2を、Eグループの被験者には比較試料3を、各被験者の顔面に、1日2回(朝、晩)、1ヵ月間塗布してもらった後、肌の改善効果を、以下の評価基準に基づいて評価した。
[評価法]
左右顔面の肌の「シミ、ソバカス」及び「くすみ」を自己判断により、以下の5段階の評価のうちの該当する数値を選択してもらい、評価点とした。
5:非常に良い(著しく改善された)
4:良い(かなり改善された)
3:やや良い(僅かに改善された)
2:良くも悪くもない(変化なし)
1:悪い(状態が悪くなった)
[結果]
上記の試験で得られた結果を表2に示した。
Figure 0005780706
試験の結果、酒粕乳酸菌発酵物溶液、及び酒粕の発酵時に酵素加水分解処理した発酵液を含むクリーム(本発明試料1,2)は、優れた美白効果を有することが認められた。一方、酒粕抽出物溶液を含むクリーム(比較試料1)、酒粕酵素分解物溶液を含むクリーム(比較試料2)、及び酒粕抽出物溶液の乳酸菌発酵物溶液を含むクリーム(比較試料3)では、ほとんど、美白効果は見られず、明らかに有効性に違いがある結果となった。

Claims (1)

  1. 酒粕を、少なくとも1種の乳酸菌によって発酵した発酵物を有効成分とし、当該酒粕が、その発酵前又は発酵と同時に、蛋白分解酵素の1種以上と、澱粉分解酵素の1種以上とを組み合わせて用いて加水分解処理されたものであることを特徴とする美白用皮膚化粧料。
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