JP5483928B2 - 化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、植物の発酵物を有効成分として含む化粧料に関し、詳しくは、皮膚の老化や肌荒れ、さらには色素沈着に対して顕著な予防、改善効果を示すと共に、皮膚刺激等がなく生体安全性にもすぐれた新規な植物発酵物を有効成分としてなり、皮膚を健全、健常で若々しい状態に保持し或いは改善するために用いて有用な化粧料に関する。
皮膚が紫外線や空気中の窒素酸化物、硫黄酸化物などの汚染物質に曝されると、皮脂が過酸化され、ラジカルによる連鎖反応により皮膚の内部にまで酸化ダメージが及んでしまう。この現象は、ラジカル連鎖反応によって生ずる過酸化水素が皮膚内部に蓄積することが原因となっていると推測される。過酸化水素はそれ自身が寿命の長い活性酸素種の一つであるだけでなく、活性酸素種の中でも最も反応性が高く有害であるとされているヒドロキシラジカルの前駆体でもある。これらの活性酸素が皮膚組織内に過剰に存在すると、細胞外マトリックス成分のコラーゲンやエラスチン或いはヒアルロン酸などが断片化を起こし、皮膚が本来有する弾力性などが損なわれ、肌荒れやツヤの低下、さらには小皺の発生など皮膚の老化や不健全化に関わる種々の症状が現れることとなる。また、活性酸素が引き起こす炎症やそれに起因するメラニン色素の生成は、皮膚にシミなどの好ましからざる色素沈着をもたらす。
この紫外線や大気汚染物質による皮膚の酸化ダメージに起因する皮膚の老化や色素沈着を防ぐため、従来から化粧料や皮膚外用剤中にブチルヒドロキシトルエンやビタミンEなどの抗酸化剤やメラニン色素の生成を抑制するための美白剤を配合することが行われている。
しかしながら、それら従来の抗酸化剤や美白剤を用いる方法の場合にあっては、製剤としての安定性や生体に対する安全性の観点から、化粧料中への配合量がしばしば制限されるため、必ずしも十分満足し得る効果は得られないという問題点がある。
また、活性酸素を消去することを目的として、カタラーゼやスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)などの活性酸素消去能を有する酵素を化粧料に添加することも行われているが、これら酵素は安定性が非常に悪く、化粧料に配合しても経時的に活性が低下して、実使用時においては抗酸化能を十分に発揮されない問題がある。さらにSODについては、感作性が有るなど安全性の点でも問題を抱えている。
本発明者等は、上述の如き紫外線や大気中の汚染物質に起因する皮膚の酸化ダメージや炎症、さらにはこれによって引き起こされる皮膚の老化・肌荒れや色素沈着を防ぐ方法に係わる従来技術の問題点に鑑み、かかる皮膚の老化や不健全化の予防、改善により高い有効性を示す成分の探索を続ける中で、皮膚の酸化ダメージを防ぐためには、活性酸素種、特に過酸化水素が皮膚組織に蓄積することを防ぐと共に、それと併せ過酸化水素から生ずるヒドロキシラジカルを効果的に除去することが重要であることに着目し、過酸化水素の消去に与る細胞内酵素のカタラーゼの活性を亢進する作用とさらにはヒドロキシラジカル消去作用とを併せ持つ成分を見出すべく鋭意研究を行った結果、ウコギ科トチバニンジン属植物を乳酸菌、麹菌などの菌で発酵させて得られる発酵物がかかる要求を満足し、また天然物由来のものであることから生体安全性にもすぐれ、化粧料配合原料として用いて極めて有用であることを知得するに至った。 加えて、上記の発酵物は、発酵前のウコギ科トチバニンジン属植物、例えばオタネニンジンが示すよりも遙かに強い線維芽細胞賦活作用とさらにはコラーゲン合成促進作用とを具えており、このため該発酵物は、前記した紫外線や大気汚染物質などの外的要因に基づく皮膚の老化や肌荒れ、色素沈着などの不健全化症状に対してだけでなく、加齢に伴う真皮線維芽細胞の活性低下や該細胞の産生するコラーゲンなどのマトリックス成分の減少等の内的要因による皮膚の老化に対しても有効性を示し、その結果本発明のウコギ科トチバニンジン属植物の発酵物を有効成分として含む化粧料によれば、該有効成分が有する複合的、多面的な皮膚老化防止作用並びに美肌、美白作用により、皮膚を真に健全で若々しい状態に保持し或いは改善し得ることが明らかとなった。
ウコギ科トチバニンジン属植物、例えばオタネニンジン(Panax Ginsenng)を化粧料配合原料として利用することについては、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特開平10-17459号公報及び特開平10-25236号公報には、肌の不均一性(くすみ)改善作用の増強作用が、特開平11-263718号公報にはヒト皮膚由来インテグリン発現促進作用が、特開平9-241127号公報には脂質分解作用(痩身作用)が、特開平4-5237号公報にはスーパーオキシド消去作用が、特開2000-169359号公報にセラミド産生促進効果が、特開平08-20522号公報には角化酵素活性促進作用が、特開平10-36279号公報には線維芽細胞増殖作用が有ることがそれぞれ開示されている。
特開平10-17459号公報 特開平10-25236号公報 特開平11-263718号公報 特開平9-241127号公報 特開平4-5237号公報 特開2000-169359号公報 特開平08-20522号公報 特開平10-36279号公報
しかしながら、それら従来の技術の場合は、オタネニンジンに含まれる成分をそのままか、もしくはこれを単に加水分解して化粧料配合原料として利用するというに過ぎず、トチバニンジン属の植物及び/又はそのエキスを乳酸菌などの菌による発酵の資化源として用い、ここに得られる発酵産生物を化粧料配合原料として利用する本発明とは明らかに技術思想を異にしている。従って当然ながら、それら従来技術中には、本発明の発酵物が、外的及び内的要因に基づく皮膚の老化や不健全化を予防或いは改善して、皮膚の弾力を保ち、肌荒れやツヤの低下あるいは小皺の発生を防ぎ、さらには色素沈着を抑えて色白の肌をつくるなど、皮膚を健全かつ健常な状態に保持し改善する効果を奏することについては、その事実の開示はもとよりこれを示唆するものすら見当たらない。
なお、特開平4-5237号公報に於いて、ニンジンなどの生薬のエキスが、スーパーオキサイドアニオンを消去する作用(SOD様作用)を奏することがin vitroで解明され、かかる目的でニンジンエキスを利用することが提案されているが、スーパーオキサイドアニオンはSODによって過酸化水素を生成するため、SOD様作用のみでは充分な抗酸化効果を得ることは困難である。さらに特開平10-36279号公報には、オタネニンジンの根の抽出物が線維芽細胞増殖作用を有することが開示されているが、後に試験例3に示すとおり、本発明者らがオタネニンジンの根の抽出物とその発酵物について、それらの線維芽細胞賦活作用を比較した結果では、発酵物の方が遙かに強い作用を有することが明らかとなっており、従って抽出物と発酵物とでは、線維芽細胞に対する作用成分がそもそも異なるか、もしくは作用機序に於いて明らかな相違があるものと考えられる。
即ち、本発明は以下の(a)(b)によって特徴付けられる発酵物からなる抗酸化剤を含む皮膚化粧料用抗酸化剤(但し、白髪抑止用組成物を除く)である。
(a)ウコギ科トチバニンジン属の植物であるオタネニンジン(Panax ginseng
C.A.Meyer)及び/又はトチバニンジン(Panax japonica C.A.Meyer)、及び/又はそのエキスを乳酸菌、麹菌、酵母、納豆菌及びテンペ菌から選ばれた微生物により発酵させて得られるものである
(b)カタラーゼ活性亢進作用とヒドロキシラジカル消去作用を併せ持つものである。
ここでエキスとは、トチバニンジン属植物の全体もしくは特定の部位の乾燥粉砕物、抽出物、搾汁液、或いは抽出物や搾汁液の乾燥粉砕物などを言い、該植物の構成成分を含有するものであれば、その調製法等には特に制限はない。
又、本発明に於いて、化粧料なる文言は、所謂化粧料のほかに医薬部外品をも含む広義で用いる。
本発明の化粧料に於いて活性成分として用いるトチバニンジン属の植物及び/又はそのエキスの発酵物は、真皮線維芽細胞内のカタラーゼ活性亢進作用とヒドロキシラジカルを消去する作用とを併せ持ち、かかる相乗的な抗酸化作用によって、紫外線暴露等によってもたらされる皮膚の酸化的ダメージ、例えばヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチンなどの細胞外マトリックス成分の断片化を抑制して皮膚の弾力性やハリ、つやを保ち、皮膚の老化や肌荒れを予防或いは改善すると共に、活性酸素による炎症やそれに起因するシミ、ソバカスなどの色素沈着をも予防、抑止する効果を奏する。加えて、本発明で用いる発酵物は、その強い線維芽細胞賦活作用とコラーゲン生成促進作用とに基づき、加齢などの内的要因に起因する皮膚の老化に対してもすぐれた予防、改善効果を示す。
従って、かかる植物発酵物を有効成分として含む本発明の化粧料は、該有効成分が有する複合的、多面的な皮膚生理活性に基づき、シワやタルミ或いはシミ、ソバカスなどの皮膚の老化や不健全化症状の予防或いは改善にすぐれた効果を発揮し、皮膚を真に健全で若々しい状態に維持、改善する。
さらに本発明化粧料の活性成分は、天然物由来のものであるが故に皮膚刺激性等がなく、このため本発明の化粧料は生体安全性にも大変すぐれている。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いるウコギ科トチバニンジン属の植物としては、例えばオタネニンジン(Panax Ginseng C.A. Meyer)或いはトチバニンジン(Panax japonica C.A.Meyer)などが挙げられるが、それらのうちでも、発酵物の奏する総合的な美白、美肌化効果の観点からオタネニンンジン(Panax Ginseng C.A. Meyer)の使用が最も好ましい。
それらウコギ科トチバニンジン属植物及び/又はそのエキスを発酵する場合、該植物の発酵部位或いはエキスの採取部位には特に限定はなく、全草、葉、花、雄しべ、雌しべ、茎、根、種子(子実)など適宜の部位を用いることができるが、得られる発酵物の有効性の点から、根の使用が好ましく、なかでもオタネニンジン(Panax Ginseng C.A. Meyer)の根の使用が最も好ましい。
トチバニンジン属植物の発酵は、植物体それ自体を発酵媒体中に懸濁させたものに乳酸菌や麹菌などの菌を作用させることにより行ってもよく、又該植物体から一旦エキスを調製した上これに菌を作用させるようにしてもよいが、一般にはエキスを発酵の資化源として用いるのがよく、又エキスのうちでも特に化粧料に配合する際の安定性や匂いの点から、抽出物を用いることが最も好ましい。
以下、本発明に於けるトチバニンジン属植物の発酵の好ましい具体例を、植物体の懸濁液を資化源として用いる場合、及びエキスのうちでも抽出物を資化源として用いる場合について述べる。
まず懸濁液を調製する場合、トチバニンジン属植物は生のまま用いても、又予め乾燥もしくは半乾燥した上用いてもよい。また形状としては、採取したものをそのまま用いることもできるが、細断或いは粉砕して微細化すれば抽出及び発酵効率を上げることが可能であってより好ましい。
植物体を懸濁させるための溶媒としては、水或いは水と低級アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノールなど)もしくはグリコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,2-ペンタンジオール、グリセリンなど)との混液等が用いられ、又それら溶媒中にはグルコース、フルクトース、シュークロースなどの糖類を添加してもよいが、菌が最もその作用を発揮しやすい点とトチバニンジン属植物の成分以外の資化成分の存在に基づく発酵副産物の生成を避けるという点から、水を単独で用いるのが最も好ましい。
植物体と溶媒との混合比は、植物体の乾燥重量換算で一般に1:1〜1:100、好ましくは1:10〜1:50の範囲である。
一方、ウコギ科トチバニンンジン属植物の抽出物を発酵資化源として用いる場合、抽出物の調製は、抽出対象部位例えば根を、必要に応じて予め水洗、乾燥し、好ましくはさらに細切或いは粉砕した上、浸漬法、向流抽出法など適宜の手段により抽出溶媒と接触せしめることによって行うことができる。
抽出溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール類、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノールなどの高級アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、トリオクタン酸グリセリルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;エチルエーテル、イソプロピルエーテルなどのエーテル類;n−ヘキサン、トルエン、クロロホルムなどの炭化水素系溶媒などが挙げられ、それらは単独でもしくは二種以上混合して用いられる。
それら抽出溶媒のうちでも、発酵工程への移行が簡便である点から、水、低級アルコール類及び多価アルコール類から選ばれた一種の単独溶媒又は二種以上の混合溶媒の使用が好ましく、なかでも水の単独使用が最も好ましい。
混合溶媒を用いる場合の混合比は、例えば水とエチルアルコールとの混合溶媒であれば、容量比(以下同じ)で1:1〜25:1、水とグリセリンとの混合溶媒であれば1:1〜15:1、又水と1,3−ブチレングリコールとの混合溶媒であれば、1:1〜15:1の範囲とすることが好ましい。
水以外の溶媒を含む混合溶媒を用いた場合は、発酵させるために一度溶媒を濃縮などの操作で留去した後、固形分として0.01〜10%となるように水に溶解して発酵の資化源とする。
これら植物体の懸濁液或いは抽出物溶液は、これを発酵処理に付する前に、殺菌を行って発酵の障害となる雑菌を除去するようにする。
この雑菌の殺菌除去方法としては、植物体を予め殺菌用エタノール等で洗浄した後無菌水等の無菌溶媒に懸濁する方法を用いてもよく、又植物体を溶媒に懸濁し或いは溶媒で抽出した後、懸濁液或いは抽出物溶液を加熱殺菌等により殺菌するようにしてもよい。
加熱殺菌処理としては、懸濁液或いは抽出物溶液を120〜130℃で10〜20分間加熱するオートクレーブ殺菌法や、80〜90℃に60〜120分間保持することを1日1回2〜3日間繰り返す間断殺菌法といった加熱殺菌法が一般に用いられる。
次に、この懸濁液又は抽出物溶液を発酵タンクに入れ、これに乳酸菌などの菌を10〜10個/mL植菌して発酵を行わせしめる。
本発明に於いて、トチバニンジン属植物或いはそのエキスの発酵に用いる菌としては、例えば乳酸菌、麹菌、酵母、納豆菌、テンペ菌などを挙げることができる。
ここで、乳酸菌としては、例えばラクトバシルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバシルス ブレビス(L. brevis)、ラクトバシルス カゼイ(L. casei)等のラクトバシルス(Lactobacillus)属の乳酸菌;カルノバクテリウム ディバージェンス(Carnobacterium divergens)、カルノバクテリウム ピシコーラ(C. piscicola)等のカルノバクテリウム(Carnobacterium)属の乳酸菌;ロイコノストック メセンテロイズ(Leuconostoc mesenteroides)、ロイコノストック シトレウム(L. citreum)等のロイコノストック(Leuconostoc)属の乳酸菌;ストレブトコッカス フェーカリス(Streptococcus faecalis)、ストレブトコッカス ピオジェネス(S. pyogenes)等のストレブトコッカス(Streptococcus)属の乳酸菌;エンテロコッカス・カゼリフラバス(Enterococcus caseliflavus)、エンテロコッカス サルフレウス(E. sulfreus)等のエンテロコッカス(Enterococcus)属の乳酸菌;ラクトコッカス・プランタラム(Lactococcus plantarum)、ラクトコッカス ラフィノラクティス(L. rafinolactis)等のラクトコッカス(Lactococcus)属の乳酸菌;ヴェイセラ コンフューザ(Weissella confusa)、ヴェイセラ カンドゥレリ(W. kandleri)等のヴェイセラ(Weissella)属の乳酸菌;アトポビウム ミニュタム(Atopobium minutum)、アトポビウム パービュラス(A. parvulus)等のアトポビウム(Atopobium)属の乳酸菌;バゴコッカス フルビアリス(Vagococcus fluvialis)、バゴコッカス サーモニナラム(V. salmoninarum)等のバゴコッカス(Vagococcus)属の乳酸菌;ペディオコッカス ダムノサス(Pediococcus damnosus)、ペディオコッカス ペントサセウス(P. pentosaceus)等のペディオコッカス(Pediococcus)属の乳酸菌等が挙げられるが、それら乳酸菌のうちでも、得られる発酵物の作用効果の観点と取り扱いのし易さの点から、ラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)の使用が最も好ましい。
麹菌としては、例えばアスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)アスペルギルス・ポリオキソジェネス(Aspergillus polyoxogenes)、アスペルギルス・ソーヤ(Aspergillus sojae)等の黄麹菌;アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・カワウチ(Aspergillus kawauchii)、アスペルギルス・ウサミ(Aspergillus usami)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)等の黒麹菌;モナスカス・アンカ(Monascus anka)、モナスカス・ビロサス(monascus pilosus)等の紅麹菌など、いずれの麹菌でも使用可能であるが、中でも発酵液の色が薄いことや発酵臭が比較的少ないといった点で、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)が最も好ましい。
酵母としては、例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロミセス・アワモリ(Saccharomyces awamori)、サッカロミセス・チェバリエリ(Saccharomyces chevalieri)、サッカロミセス・カールスバージェンシス(Saccharomyces carlsbergensis)、サッカロミセス・バヨナス(Saccharomyces bayonus)等のサッカロミセス属の酵母;トルラスポラ・デルブルエキ(Torulaspora delbruekii)、トルラスポラ・ファーメンタチ(Torulaspora fermentati)、トルラスポラ・ロゼィ(Torulaspora rosei)等のトルラスポラ属の酵母;ジゴサッカロミセス・ローキシ(Zygosaccharomyces rouxii)、ジゴサッカロミセス・ソーヤ(Zygosaccharomyces soya)ジゴサッカロミセス・サケ(Zygosaccharomyces sake)、ジゴサッカロミセス・ミソ(Zygosaccharomyces miso)、ジゴサッカロミセス・ラクティス(Zygosaccharomyces lactis)等のジゴサッカロミセス属の酵母;カンディダ・ベルサチリス(Candida versatilis)、カンディダ・エチェリシィ(Candida etchellsii)、カンディダ・ケフィール(Candida kefyr)、カンディダ・サケ(Candida sake)、カンディダ・スコッティ(Candida scottii)等のカンディダ属の酵母など、いずれの酵母でも使用可能であるが、中でも食品に最も広く利用され、発酵力が強いといった点で、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)が最も好ましい。
納豆菌としては、例えばバシルス・ナットー(Bacillus natto)、バシルス・サブチルス(Bacillus subtilis)、バシルス・サーキュランス(Bacillus circulans)等のバシルス属の細菌が使用可能であるが、中でも食品に広く使用されており、安全性が高い点で、バシルス・ナットー(Bacillus natto)が最も好ましい。
テンペ菌としては、例えばリゾプス・アジゴスポラス(Rhizopus azygosporus)、リゾプス・ミクロスボラス チネンシス(Rhizopus microsporus chinensis)、リゾプス・ミクロスポラス オリゴスポラス(Rhizopus microsporus oligosporus)、リゾプス・ニベウス(Rhizopus niveus)、リゾプス・オリゼー(Rhizopus oryzae)等のリゾプス属の真菌(カビ)が使用可能であるが、中でもインドネシアをはじめ東南アジア地域で発酵食品に広く使用されており安全性が高い点で、リゾプス・ミクロスポラス オリゴスポラス(Rhizopus microsporus oligosporus)やリゾプス・オリゼー(Rhizopus oryzae)が最も好ましい。
発酵温度は一般には5〜50℃の範囲であるが、菌として乳酸菌、麹菌、納豆菌及びテンペ菌を用いる場合は、それらの生育至適温度である35〜40℃の範囲が好ましく、また酵母を用いる場合は、同じくその生育至適温度である25〜35℃の範囲とすることが好ましい。発酵期間は、いずれの菌も、至適温度に於いて一般に3時間〜10日、好ましくは10時間〜3日の範囲である。発酵期間が上記の一般的範囲より短くなると発酵が不十分で発酵物の有効性が低下する傾向にあり、一方10日を超えて長くしても有効性のそれ以上の上昇は認められないだけでなく、着色や発酵臭の増加が生ずることとなっていずれも好ましくない。
以上の発酵処理を行うに当たって、トチバニンジン属植物の成分が各菌の資化源としてより有効に利用されるようにするため、各菌の植菌前もしくは植菌と同時に前記の懸濁液或いは抽出物(エキス)に酵素を作用させて、トチバニンジン属植物或いはその抽出物(エキス)に酵素による加水分解処理を施すことが好ましく、特にオタネニンジン属植物の根或いは根の抽出物を被発酵物とする場合には、そのままでは発酵の資化源になり得る成分が少ないため、かかる酵素加水分解が特に有効である。
この場合、酵素としては、アクチナーゼ、パパインなどの蛋白分解酵素、グルコアミラーゼ、α-アミラーゼなどの澱粉分解酵素及びセルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼなどの繊維素分解酵素から選ばれた1種又は2種以上が用いられ、特にそれら3種の酵素群からそれぞれ選ばれた1種又は2種以上の酵素を組み合わせ用いることによって好結果を得ることができる。
酵素の添加量は、懸濁液中のトチバニンジン属植物の固形分に対して、合計で0.01〜10重量%が好ましく、0.1〜5.0重量%がより好ましい。また、トチバニンジン属植物のエキスの固形分に対しては、合計で0.01〜10.0重量%が好ましく、0.1 〜5.0 重量%がより好ましい。
温度、時間の処理条件としては、酵素処理を発酵前に行うのであれば、各酵素の至適温度付近で1〜24時間の処理を行うのがよく、一方発酵と同時に行うのであれば、前記の発酵と同条件が適用される。
以上の発酵処理が終わったならば、発酵に用いた菌の殺菌のため、また酵素処理を併用した場合であれば殺菌と酵素の失活を兼ねて、発酵液に70〜100℃で10〜120分程度の加熱殺菌処理を施した後、これをそのまま、或いは一般且つ好適にはろ過或いは遠心分離などの固液分離手段によって液相を分取し、必要ならばpHを通常の化粧料のpH領域であるpH6〜8に調整し、さらに必要ならば希釈もしくは濃縮によって適宜の濃度とした上、化粧料の配合原料として供する。又、場合によっては、固液分離後の液相をスプレードライ法、凍結乾燥法など常法に従って粉末化した上化粧料に配合してもよい。
本発明のトチバニンジン属植物及び/又はそのエキスの発酵物を配合してなる化粧料としては、例えば乳液、クリーム、ローション、エッセンス、パック、洗顔料などの基礎化粧料、口紅、ファンデーション、リキッドファンデーション、メイクアッププレスパウダーなどのメイクアップ化粧料、ヘアーシャンプー、ヘアーリンス、ヘアートリートメント、コンディショナー、染毛料、整髪料などの頭髪化粧料、洗顔料、ボディーシャンプー、石けんなどの清浄用化粧料、さらには浴剤等が挙げられるが、勿論これらに限定されるものではない。
本発明の化粧料中のトチバニンジン属植物及び/又はそのエキスの発酵物の配合量は、発酵物の固形分として、例えば基礎化粧料については、一般に0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜3重量%の範囲、メイクアップ化粧料ついては、一般に0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜2重量%の範囲、頭髪化粧料については、一般に0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%の範囲、又清浄用化粧料については、一般に0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%の範囲とするのがよい。
本発明の化粧料には、必須成分の上記トチバニンジン属植物及び/又はそのエキスの発酵物のほかに、通常化粧料に用いられる成分、例えば油性成分、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、色素、香料、生理活性成分等を必要に応じて適宜配合することができる。
又、本発明の発酵物の有効性や特長を損なわない限り、通常用いられる抗酸化剤を併せ配合することもできる。
ここで、油性成分としては、例えばオリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、植物由来スクワランなどの植物由来の油脂類;ミンク油、タートル油などの動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリンなどのロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワランなどの炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、cis−11−エイコセン酸などの脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2−エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)などの合成エステル類及び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
界面活性剤としては,例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪酸アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α−スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩などのアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級〜第三級脂肪酸アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩などのカチオン界面活性剤;N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニオベタイン、N,N,N−トリアルキル−N−アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N−アシルアミドプロピル−N′,N′−ジメチル−N′−β−ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタインなどの両性界面活性剤等を使用することができる。
又、乳化剤乃至乳化助剤として、酵素処理ステビアなどのステビア誘導体、レシチン及びその誘導体、乳酸菌発酵米、乳酸菌発酵発芽米、乳酸菌発酵穀類(麦類、豆類、雑穀など)、ジュアゼイロ(Zizyphus juazeiro:Rhamnaceae)抽出物等を配合することもできる。
保湿剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、N−(3,4,5,6−テトラヒドロキシ−2−オキソヘキシル)ピログルタミン酸等があり、さらにトレハロース等の糖類、乳酸菌発酵米、ムコポリサッカライど(例えば、ヒアルロン酸及びその誘導体、コンドロイチン及びその誘導体、ヘパリン及びその誘導体など)、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、加水分解シルク蛋白質、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、フィトステロール、大豆リン脂質、イソステアリン酸コレステリル、海藻抽出物、魚介類由来コラーゲン及びその誘導体、各種アミノ酸及びそれらの誘導体(例えばトリメチルグリシンなど)、ビャッキュウ抽出物、豆乳発酵液、納豆エキス、米由来抽出物及びその発酵物等が挙げられる。
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン等の褐藻、緑藻或いは紅藻由来成分、ビャッキュウ抽出物、ペクチン、ローカストビーンガム、アロエ多糖体等の多糖類、キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム等のガム類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体、ポリグルタミン酸及びその誘導体、グルコシルトレハロースと加水分解水添デンプンを主体とする糖化合物等が挙げられる。
防腐・殺菌剤としては、例えば尿素;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなどのパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、ジャーマル(イミダゾデイニールウレア)、1,2−ペンタンジオール、各種精油類、樹皮乾留物、プロポリスエキス、メチルイソチアゾリノン等がある。
粉体成分としては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、6−又は12−ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー、穀類(米、麦、トウモロコシ、キビなど)のパウダー、豆類(大豆、小豆など)のパウダー等がある。
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−ターシャリーブチル−4−メトキシベンゾイルメタン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物等がある。
生理活性成分としては、例えば美白成分として、t−シクロアミノ酸誘導体、コウジ酸及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノン誘導体、エラグ酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、米糠抽出物、米糠抽出物加水分解物、乳酸菌発酵米、乳酸菌発酵発芽米、乳酸菌発酵穀類(麦類、豆類、雑穀類)、白芥子加水分解抽出物、ムラサキシキブ抽出物、ハスの実発酵物、党参抽出物、パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius Roxb.)抽出物、アルカンジェリシア・フラバ(Arcangelicia flava Merrilli)抽出物、カミツレ抽出物(商品名:カモミラET)、ジンコウ抽出物、ハマメリス抽出物、イタドリ抽出物、サワヒヨドリ抽出物、甘草抽出物、フキタンポポ抽出物、アルテア抽出物、ゲンノショウコ抽出物、ユキノシタ抽出物、ナツメ抽出物、シャクヤク抽出物、トウキ抽出物、モモ抽出物、柑橘類(例えばミカン、ユズ、ダイダイ、ザボンなど)の抽出物、その単離物質及びその誘導体(例えば、ルチン、ナリルチン、ヘスペリジン及びその誘導体など)、緑藻類、紅藻類又は褐藻類の海藻の抽出物、アマモ等の海草の抽出物、リノール酸及びその誘導体もしくは加工物(例えばリポソーム化リノール酸など)、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体等が、又皮膚老化防止・美肌化成分として、動物又は魚由来のコラーゲン及びその誘導体、エラスチン及びその誘導体、ニコチン酸及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体(ジカリウム塩等)、t−シクロアミノ酸誘導体、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、アラントイン、α−ヒドロキシ酸類、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、コエンザイムQ−10、α−リポ酸、ゲンチアナエキス、甘草エキス、ハトムギエキス、カミツレエキス、ニンジンエキス、アロエエキスなどの生薬抽出エキス、米抽出物加水分解物、低アレルゲン米抽出物加水分解物、米糠抽出物加水分解物、米発酵エキス、緑藻類、紅藻類又は褐藻類の海藻の抽出物、アマモ等の海草の抽出物、ソウハクヒエキス、ジュアゼイロ(Zizyphus juazeiro)抽出物、ブナ抽出物、キダチアロエ抽出物、マンネンロウ抽出物、イチョウ抽出物、スギナ抽出物、ベニバナ抽出物、オタネニンジン抽出物、セイヨウニワトコ抽出物、ハゴロモグサ抽出物、レンゲ抽出物、マンゴー抽出物、チェリモヤ抽出物、マンゴスチン抽出物、タベブイア・インペチギノサ抽出物、柑橘類(例えばミカン、ユズ、ダイダイ、ザボンなど)の抽出物、その単離物質及びその誘導体(例えば、ルチン、ナリルチン、ヘスペリジン及びその誘導体など)、酵母抽出物、卵殻膜抽出タンパク質、デオキシリボ核酸カリウム塩、ハス発酵液、紫蘭根抽出物、ムラサキシキブ抽出物、イネ抽出物、サンゴ草抽出物、花粉荷エキス、ユリ全草抽出物等がある。
上記のコウジ酸誘導体としては、例えばコウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレートなどのコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシドなどのコウジ酸糖誘導体等が、アスコルビン酸誘導体としては、例えばL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルマグネシウムなどのアスコルビン酸エステル塩類、L−アスコルビン酸−2−グルコシド(2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)、L−アスコルビン酸−5−グルコシド(5−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸)などのアスコルビン酸糖誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基など)、L−アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸テトララウリン酸エステルなどのL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類、3−O−エチルアスコルビン酸、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−O−パルミテートナトリウム等が、ハイドロキノン誘導体としては、アルブチン(ハイドロキノン−β−D−グルコピラノシド)、α−アルブチン(ハイドロキノン−α−D−グルコピラノシド)等が、レゾルシノール誘導体としては、例えば4−n−ブチルレゾルシノール、4−イソアミルレゾルシノール等が、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2,5−ジアセトキシ安息香酸、2−アセトキシ−5−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−5−プロピオニルオキシ安息香酸等が、ニコチン酸誘導体としては、例えばニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等が、ビタミンE誘導体としては、例えばビタミンEニコチネート、ビタミンEリノレート、ビタミンEリン酸エステルナトリウム塩等が、α−ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α−ヒドロキシオクタン酸等がある。
さらに、抗酸化剤としては、例えばブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ビタミンE及びその誘導体、ユビデカキノン(ユビキノン)、ルチン及びその誘導体(例えば、ルチングルコシドなど)、白芥子抽出物、イネ抽出物、ムラサキシキブ抽出物、シラカバ抽出物、ハマメリス抽出物、ウーロン茶抽出物、黒豆加水分解抽出液、ハゴロモグサ抽出液等がある。
次に、製造例、試験例及び実施例(化粧料の処方例)を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、以下に於いて、部はすべて重量部を、又%はすべて重量%を意味する。
製造例1.トチバニンジン属植物抽出物の乳酸菌発酵物溶液の調製
オタネニンジンの根の細切物100gに精製水900gを混合し、80℃で2時間抽出を行った後ろ過し、約500gの淡黄色透明の抽出物溶液を得た(固形分濃度3.87%)。ここに得られた抽出物溶液を加熱殺菌した。この抽出物溶液にパパイン0.2g、グルコアミラーゼ0.2g及びペクチナーゼ0.2gを加えた後、乳酸菌(ラクトバシルス ブランタラム)を10個/mL接種し、窒素気流下に37℃で18時間静置培養した。培養終了後加熱殺菌し、培養液をろ過して、脱臭、脱色処理を行い、オタネニンジン根抽出物の発酵物溶液300g(固形分濃度3.89%)を得た。
製造例2.トチバニンジン属植物抽出物の麹菌発酵物溶液の調製
発酵に用いる菌として乳酸菌に代えて麹菌(アスペルギルス オリゼー)を用いる他は製造例1と同様(但し、培養中の窒素通気なし)にして、オタネニンジン根抽出物の発酵物溶液350g(固形分濃度3.49%)を得た。
製造例3.トチバニンジン属植物抽出物の酵母発酵物溶液の調製
発酵に用いる菌として麹菌に代えて酵母(サッカロミセス セレビシエ)を用いる他は製造例2と同様(但し、培養温度は30℃)にして、オタネニンジン根抽出物の発酵物溶液380g(固形分濃度3.51%)を得た。
製造例4.トチバニンジン属植物抽出物の納豆菌発酵物溶液の調製
発酵に用いる菌として麹菌に代えて納豆菌(バシルス ナットー)を用いる他は製造例2と同様にして、オタネニンジン根抽出物の発酵物溶液390g(固形分濃度3.72%)を得た。
製造例5.トチバニンジン属植物抽出物のテンペ菌発酵物溶液の調製
発酵に用いる菌として麹菌に代えてテンペ菌(リゾプス ミクロスポラス オリゴスポラス)を用いる他は製造例2と同様にして、オタネニンジン根抽出物の発酵物溶液370g(固形分濃度3.68%)を得た。
製造例6.トチバニンジン属植物抽出物の乳酸菌発酵物溶液の調製
乳酸菌としてラクトバシルス プランタラムに代えてラクトコッカス プランタラムを用いる他は製造例1と同様にして、オタネニンジン根抽出物の発酵物溶液320g(固形分濃度3.65%)を得た。
製造例7.トチバニンジン属植物抽出物の乳酸菌発酵物溶液の調製
乳酸菌としてラクトバシルス プランタラムに代えてストレプトコッカス フェーカリスを用いる他は製造例1と同様にして、オタネニンジン根抽出物の発酵物溶液320g(固形分濃度3.59%)を得た。
製造例8.トチバニンジン属植物抽出物の乳酸菌発酵物溶液の調製
乳酸菌としてラクトバシルス プランタラムに代えてカルノバクテリウム ディバージェンスを用いる他は製造例1と同様にして、オタネニンジン根抽出物の発酵物溶液290g(固形分濃度3.91%)を得た。
製造例9.トチバニンジン属植物抽出物の乳酸菌発酵物溶液の調製
乳酸菌としてラクトバシルス プランタラムに代えてロイコノストック メセンテロイズを用いる他は製造例1と同様にして、オタネニンジン根抽出物の発酵物溶液310g(固形分濃度3.61%)を得た。
製造例10.トチバニンジン属植物抽出物の麹菌発酵物溶液の調製
麹菌としてアスペルギルス オリゼーに代えてアスペルギルス アワモリを用いる他は製造例2と同様にして、オタネニンジン根抽出物の発酵物溶液370g(固形分濃度3.45%)を得た。
製造例11.トチバニンジン属植物抽出物の酵母発酵物溶液の調製
酵母としてサッカロミセス セレビシエに代えてカンディダ ベルサチリスを用いる他は製造例3と同様にして、オタネニンジン根抽出物の発酵物溶液360g(固形分濃度3.36%)を得た。
製造例12.トチバニンジン属植物抽出物の納豆菌発酵物溶液の調製
納豆菌としてバシルス ナットーに代えてバシルス サブチルスを用いる他は製造例4と同様にして、オタネニンジン根抽出物の発酵物溶液380g(固形分濃度3.55%)を得た。
製造例13.トチバニンジン属植物抽出物のテンペ菌発酵物溶液の調製
テンペ菌としてリゾプス・ミクロスポラス オリゴスポラスに代えてリゾプス オリゼーを用いる他は製造例5と同様にして、オタネニンジン根抽出物の発酵物溶液330g(固形分濃度3.64%)を得た。
製造例14.トチバニンジン属植物抽出物の乳酸菌発酵物溶液の調製
培養期間を3日間とする他は製造例1と同様にしてオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液310g(固形分濃度3.95%)を得た。
製造例15.トチバニンジン属植物抽出物の麹菌発酵物溶液の調製
培養期間を3日間とする他は製造例2と同様にしてオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液370g(固形分濃度3.84%)を得た。
製造例16.トチバニンジン属植物抽出物の酵母発酵物溶液の調製
培養期間を3日間とする他は製造例3と同様にしてオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液360g(固形分濃度3.77%)を得た。
製造例17.トチバニンジン属植物抽出物の納豆菌発酵物溶液の調製
培養期間を3日間とする他は製造例4と同様にしてオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液370g(固形分濃度3.84%)を得た。
製造例18.トチバニンジン属植物抽出物のテンペ菌発酵物溶液の調製
培養期間を3日間とする他は製造例5と同様にしてオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液355g(固形分濃度3.63%)を得た。
製造例19.トチバニンジン属植物抽出物の乳酸菌発酵物溶液の調製
オタネニンジンの根に代えて葉の細切物を用いて抽出物溶液を調製する他は製造例1と同様にしてオタネニンジン葉抽出物の乳酸菌発酵物溶液480g(固形分濃度1.45%)を得た。
製造例20.トチバニンジン属植物抽出物の酵母発酵物溶液の調製
オタネニンジンの根に代えて葉の細切物を用いて抽出物溶液を調製する他は製造例3と同様にしてオタネニンジン葉抽出物の酵母発酵物溶液430g(固形分濃度1.38%)を得た。
製造例21.トチバニンジン属植物抽出物の乳酸菌発酵物溶液の調製
オタネニンジンの根に代えて全草の細切物を用いて抽出物溶液を調製する他は製造例1と同様にしてオタネニンジン全草抽出物の乳酸菌発酵物溶液410g(固形分濃度2.21%)を得た。
製造例22.トチバニンジン属植物抽出物の酵母発酵物溶液の調製
オタネニンジンの根に代えて全草の細切物を用いて抽出物溶液を調製する他は製造例3と同様にしてオタネニンジン全草抽出物の酵母発酵物溶液425g(固形分濃度2.28%)を得た。
製造例23.トチバニンジン属植物抽出物の乳酸菌発酵物溶液の調製
オタネニンジンの根の細切物100gに精製水1900gを混合し、80℃で4時間抽出を行った後ろ過し、約1600gの淡黄色透明の抽出物溶液を得た(固形分濃度1.82%)。ここに得られた抽出物溶液を加熱殺菌した。この抽出物溶液に乳酸菌(ラクトバシルス プランタラム)を10個/mL接種し、窒素気流下に30℃で18時間静置培養した。培養終了後加熱殺菌し、培養液をろ過して、脱臭、脱色処理を行い、オタネニンジン根抽出物の乳酸菌発酵液1300g(固形分濃度1.89%)を得た。
製造例24.トチバニンジン属植物抽出物の麹菌発酵物溶液の調製
オタネニンジンの根の細切物100gに精製水900gを混合し、80℃で4時間抽出を行った後ろ過し、約500gの淡黄色透明の抽出物溶液を得た。ここに得られた抽出物溶液を加熱殺菌した。この抽出物溶液に麹菌(アスペルギルス オリゼー)を10個/mL接種し、30℃で18時間静置培養した。培養終了後加熱殺菌し、培養液をろ過して、脱臭、脱色処理を行い、オタネニンジン根抽出物の麹菌発酵液345g(固形分濃度3.45%)を得た。
製造例25.トチバニンジン属植物抽出物の酵母発酵物溶液の調製
発酵に用いる菌として麹菌に代えて酵母(サッカロミセス セレビゼー)を用いる他は製造例24と同様(但し、培養温度は30℃)にして、オタネニンジン根抽出物の酵母発酵液370g(固形分濃度3.41%)を得た。
製造例26.トチバニンジン属植物抽出物の納豆菌発酵物溶液の調製
発酵に用いる菌として麹菌に代えて納豆菌(バシルス ナットー)を用いる他は製造例24と同様にしてオタネニンジン根抽出物の納豆菌発酵液370g(固形分濃度3.50%)を得た。
製造例27.トチバニンジン属植物抽出物のテンペ菌発酵物溶液の調製
発酵に用いる菌として麹菌に代えてテンペ菌(リゾプス ミクロスポラス オリゴスポラス)を用いる他は製造例24と同様にしてオタネニンジン根抽出物のテンペ菌発酵液345g(固形分濃度3.37%)を得た。
製造例28.トチバニンジン属植物抽出物の乳酸菌発酵物溶液の調製
オタネニンジンの根に代えてトチバニンジンの根の細切物を用いて抽出物溶液を調製する他は製造例1と同様にしてトチバニンジン根抽出物の乳酸菌発酵物溶液380g(固形分濃度3.42%)を得た。
製造例29.トチバニンジン属植物抽出物の麹菌発酵物溶液の調製
オタネニンジンの根に代えてトチバニンジンの根の細切物を用いて抽出物溶液を調製する他は製造例2と同様にしてトチバニンジン根抽出物の麹菌発酵物溶液380g(固形分濃度3.34%)を得た。
製造例30.トチバニンジン属植物抽出物の酵母発酵物溶液の調製
オタネニンジンの根に代えてトチバニンジンの根の細切物を用いて抽出物溶液を調製する他は製造例3と同様にしてトチバニンジン根抽出物の酵母発酵物溶液380g(固形分濃度3.42%)を得た。
製造例31.トチバニンジン属植物抽出物の納豆菌発酵物溶液の調製
オタネニンジンの根に代えてトチバニンジンの根の細切物を用いて抽出物溶液を調製する他は製造例4と同様にしてトチバニンジン根抽出物の納豆菌発酵物溶液380g(固形分濃度3.55%)を得た。
製造例32.トチバニンジン属植物抽出物の酵母発酵物溶液の調製
オタネニンジンの根に代えてトチバニンジン全草の細切物を用いて抽出物溶液を調製する他は製造例3と同様にしてトチバニンジン全草抽出物の酵母発酵物溶液385g(固形分濃度3.28%)を得た。
製造例33.トチバニンジン属植物抽出物の納豆菌発酵物溶液の調製
オタネニンジンの根に代えてトチバニンジン全草の細切物を用いて抽出物溶液を調製する他は製造例4と同様にしてトチバニンジン全草抽出物の納豆菌発酵物溶液370g(固形分濃度3.18%)を得た。
製造例34.トチバニンジン属植物抽出物のテンペ菌発酵物溶液の調製
オタネニンジンの根に代えてトチバニンジンの葉の細切物を用いて抽出物溶液を調製する他は製造例5と同様にしてトチバニンジン葉抽出物のテンペ菌発酵物溶液375g(固形分濃度3.22%)を得た。
製造例35.トチバニンジン属植物の乳酸菌発酵物溶液の調製
オタネニンジンの根の細切物100gに精製水900gを混合し、懸濁液を調製し、加熱殺菌した。この懸濁液にパパイン1.0g、グルコアミラーゼ1.0g及びペクチナーゼ1.0gを加えた後、乳酸菌(ラクトバシルス プランタラム)を10個/mL接種し、窒素気流下に30℃で3日間静置培養した。培養終了後加熱殺菌し、培養液をろ過して、脱臭、脱色処理を行い、オタネニンジンの根の乳酸菌発酵物溶液610g(固形分濃度4.42%)を得た。
製造例36.トチバニンジン属植物の乳酸菌発酵物溶液の調製
乳酸菌としてラクトバシルス プランタラムに代えてストレプトコッカス フェーカリスを用いる他は製造例35と同様にして、オタネニンジンの根の乳酸菌発酵物溶液530g(固形分濃度3.92%)を得た。
製造例37.トチバニンジン属植物の乳酸菌発酵物溶液の調製
乳酸菌としてラクトバシルス プランタラムに代えてカルノバクテリウム ディバージェンスを用いる他は製造例35と同様にして、オタネニンジンの根の乳酸菌発酵物溶液570g(固形分濃度3.81%)を得た。
製造例38.トチバニンジン属植物の乳酸菌発酵物溶液の調製
乳酸菌としてラクトバシルス プランタラムに代えてロイコノストック メセンテロイズを用いる他は製造例35と同様にして、オタネニンジンの根の乳酸菌発酵物溶液560g(固形分濃度3.78%)を得た。
製造例39.トチバニンジン属植物の乳酸菌発酵物溶液の調製
乳酸菌としてラクトバシルス プランタラムに代えてラクトコッカス プランタラムを用いる他は製造例35と同様にして、オタネニンジンの根の乳酸菌発酵物溶液610g(固形分濃度2.97%)を得た。
製造例40.トチバニンジン属植物の麹菌発酵物溶液の調製
発酵に用いる菌として乳酸菌に代えて麹菌(アスペルギルス オリゼー)を用いる他は製造例35と同様(但し、培養中の窒素通気なし)にして、オタネニンジンの根の麹菌発酵物溶液360g(固形分濃度3.87%)を得た。
製造例41.トチバニンジン属植物の酵母発酵物溶液の調製
麹菌に代えて酵母(サッカロミセス セレビシエ)を用いる他は製造例40と同様(但し、培養温度30℃)にして、オタネニンジンの根の酵母発酵物溶液380g(固形分濃度4.05%)を得た。
製造例42.トチバニンジン属植物抽出物の乳酸菌発酵物粉末の調製
製造例1と同様にして得たオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液300gを凍結乾燥し、これを粉砕しオタネニンジン根抽出物の乳酸菌発酵物粉末11gを得た。
製造例43.トチバニンジン属植物抽出物の麹菌発酵物粉末の調製
製造例2と同様にして得たオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液300gを凍結乾燥し、これを粉砕しオタネニンジン根抽出物の麹菌発酵物粉末10gを得た。
製造例44.トチバニンジン属植物抽出物の酵母発酵物粉末の調製
製造例3と同様にして得たオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液300gを凍結乾燥し、これを粉砕しオタネニンジン根抽出物の酵母発酵物粉末10gを得た。
製造例45.トチバニンジン属植物抽出物の納豆菌発酵物粉末の調製
製造例4と同様にして得たオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液300gを凍結乾燥し、これを粉砕しオタネニンジン根抽出物の納豆菌発酵物粉末11gを得た。
製造例46.トチバニンジン属植物抽出物のテンペ菌発酵物粉末の調製
製造例5と同様にして得たオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液300gを凍結乾燥し、これを粉砕しオタネニンジン根抽出物のテンペ菌発酵物粉末11gを得た。
比較製造例1.トチバニンジン属植物の抽出物溶液の調製。
製造例1において、酵素および乳酸菌を添加する前の段階で一部を採取し、脱臭、脱色処理を行い、オタネニンジン根抽出物溶液を得た(固形分3.87%)。
比較製造例2.トチバニンジン属植物抽出物の酵素加水分解物溶液の調製。
製造例1において、乳酸菌を植菌しない他は製造例1と同様にして、オタネニンジン根抽出物の酵素加水分解物溶液を得た(固形分3.96%)。
実施例1.クリーム
[A成分] 部
流動パラフィン 5.0
ヘキサラン (注1) 4.0
パラフィン 5.0
グリセリルモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 6.0
ブチルパラベン 0.1
(注1)株式会社テクノーブル製 トリオクタン酸グリセリル
[B成分]
製造例1のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液 10.0
グリセリン 5.0
メチルパラベン 0.1
モイストン・C (注2) 1.0
精製水 全量が100部となる量
(注2)株式会社テクノーブル製 NMF成分
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合してクリームを得た。
実施例2.クリーム
実施例1のB成分中製造例1のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液に代えて製造例2のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
実施例3.クリーム
実施例1のB成分中製造例1のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液に代えて製造例3のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
実施例4.クリーム
実施例1のB成分中製造例1のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液に代えて製造例4のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
実施例5.クリーム
実施例1のB成分中製造例1のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液に代えて製造例5のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
実施例6.クリーム
実施例1のB成分中製造例1のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液に代えて製造例6のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
実施例7.クリーム
実施例1のB成分中製造例1のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液に代えて製造例10のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
実施例8.クリーム
実施例1のB成分中製造例1のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液に代えて製造例11のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
実施例9.クリーム
実施例1のB成分中製造例1のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液に代えて製造例12のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
実施例10.クリーム
実施例1のB成分中製造例1のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液に代えて製造例13のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
実施例11.クリーム
実施例1のB成分中製造例1のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液に代えて製造例14のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
実施例12.クリーム
実施例1のB成分中製造例1のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液に代えて製造例36のオタネニンジンの根の発酵物溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
実施例13.クリーム
実施例1のB成分中製造例1のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液に代えて製造例37のオタネニンジンの根の発酵物溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
実施例14.クリーム
実施例1のB成分中製造例1のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液に代えて製造例38のオタネニンジンの根の発酵物溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
実施例15.クリーム
実施例1のB成分中製造例1のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液に代えて製造例41のオタネニンジンの根の発酵物溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
実施例16.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
メチルパラベン 0.15
エチルパラベン 0.03
[B成分]
製造例1のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液 10.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
実施例17.ローション
[成分] 部
製造例24のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液 10.0
エタノール 10.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
メチルパラベン 0.2
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
カルボキシビニルポリマー 0.1
香料 適量
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を混合してローションを得た。
実施例18.化粧水
[A成分] 部
オリーブ油 1.0
ポリオキシエチレン(5.5)セチルエーテル 0.5
ブチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例15のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液 10.0
エタノール 5.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。
これを50℃まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して化粧水を得た。
実施例19.乳液
実施例16のB成分中、製造例1のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液に代えて製造例19のオタネニンジン葉抽出物の発酵物溶液を用いるほかは実施例16と同様にして乳液を得た。
実施例20.乳液
実施例16のB成分中、製造例1のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液に代えて製造例21のオタネニンジン全草抽出物の発酵物溶液を用いるほかは実施例16と同様にして乳液を得た。
実施例21.乳液
実施例16のB成分中、製造例1のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液に代えて製造例23のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液を用いるほかは実施例16と同様にして乳液を得た。
実施例22.乳液
実施例16のB成分中、製造例1のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液に代えて製造例28のトチバニンジン根抽出物の発酵物溶液を用いるほかは実施例16と同様にして乳液を得た。
実施例23.乳液
実施例16のB成分中、製造例1のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液に代えて製造例29のトチバニンジン根抽出物の発酵物溶液を用いるほかは実施例16と同様にして乳液を得た。
実施例24.乳液
実施例16のB成分中、製造例1のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液に代えて製造例32のトチバニンジン全草抽出物の発酵物溶液を用いるほかは実施例16と同様にして乳液を得た。
実施例25.乳液
実施例16のB成分中、製造例1のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液に代えて製造例33のトチバニンジン全草抽出物の発酵物溶液を用いるほかは実施例16と同様にして乳液を得た。
実施例26.乳液
実施例16のB成分中、製造例1のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液に代えて製造例34のトチバニンジン葉抽出物の発酵物溶液を用いるほかは実施例16と同様にして乳液を得た。
実施例27.乳液
実施例16のB成分中、製造例1のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液に代えて製造例35のオタネニンジンの根の発酵物溶液を用いるほかは実施例16と同様にして乳液を得た。
実施例28.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
メチルパラベン 0.15
エチルパラベン 0.03
[B成分]
製造例1のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液 10.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
実施例29.乳液
実施例28のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム2.0部を用いるほかは実施例28と同様にして乳液を得た。
実施例30.乳液
実施例28のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム2.0部を用いるほかは実施例28と同様にして乳液を得た。
実施例31.乳液
実施例28のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてアルブチン2.0部を用いるほかは実施例28と同様にして乳液を得た。
実施例32.乳液
実施例28のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えて米糠抽出物加水分解物(株式会社テクノーブル製、商品名「グレイスノウ*雪*HP」、固形分濃度3.5%)5.0部を用いるほかは実施例28と同様にして乳液を得た。
実施例33.乳液
実施例28のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えて白芥子(Brassica Alba)種子抽出物(株式会社テクノーブル製、商品名「シナブランカ−WH」、固形分濃度1.0%)5.0部を用いるほかは実施例24と同様にして乳液を得た。
実施例34.乳液
実施例28のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてγ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸1.0部を用いるほかは実施例28と同様にして乳液を得た。
実施例35.乳液
実施例28のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えて米抽出物加水分解物(株式会社テクノーブル製、商品名「オリゼノーブル」、固形分濃度1.5%)5.0部を用いるほかは実施例28と同様にして乳液を得た。
実施例36.ローション
[成分] 部
製造例1のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液 10.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
エタノール 10.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
メチルパラベン 0.2
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
アルギン酸ナトリウム 0.1
水酸化カリウム 適量
香料 適量
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を混合してローションを得た。
実施例37.プレストパウダー
[A成分] 部
ベンガラ 0.5
黄酸化鉄 1.5
黒酸化鉄 0.1
酸化チタン 10.0
6−ナイロンパウダー 4.0
セリサイト 全量が100部となる量
マイカ 23.0
タルク 25.0
製造例42のオタネニンジン根抽出物の発酵物粉末 0.1
[B成分]
スクワラン 1.0
メチルポリシロキサン 4.0
プロピルパラベン 0.1
デヒドロ酢酸 0.1
流動パラフィン 2.0
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ混合攪拌し混合した後、200メッシュのタイラーメッシュの篩にかけ、得られた混合粉末を金型に打型してプレストパウダーを得た。
実施例38.リキッドファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 2.4
モノステアリン酸プロピレングリコール 2.0
セトステアリルアルコール 0.2
液状ラノリン 2.0
流動パラフィン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.5
プロピルパラベン 0.05
[B成分]
製造例22のオタネニンジン全草抽出物の発酵物溶液 5.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2
ベントナイト 0.5
プロピレングリコール 4.0
トリエタノールアミン 1.1
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 4.0
着色顔料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ加温した後混合攪拌した。これを再加温し、上記のC成分を添加して型に流し込み、室温になるまで攪拌してリキッドファンデーションを得た。
実施例39.クリームファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 5.0
セタノール 2.0
モノステアリン酸グリセリル 3.0
流動パラフィン 5.0
スクワラン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.0
ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸グリセリル 2.0
プロピルパラベン 0.1
[B成分]
製造例1のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液 5.0
ソルビトール 3.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
トリエタノールアミン 1.5
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 2.0
カオリン 5.0
ベントナイト 1.0
着色顔料 適 量
[D成分]
香料 0.3
C成分を混合し、粉砕機で粉砕した。B成分を混合し、これに粉砕したC成分を加え、コロイドミルで均一分散させた。A成分及び均一分散させたB、C成分をそれぞれ80℃に加温後、B、C成分にA成分を攪拌しながら加え、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを50℃まで冷却した後、D成分を加えて攪拌混合し、さらに攪拌しながら30℃以下まで冷却してクリームファンデーションを得た。
実施例40.ヘアートニック
[A成分] 部
エタノール 60.0
O−メチルセファランチン 0.002
l−メントール 0.5
香料 0.1
メチルパラベン 0.1
[B成分]
グリセリン 2.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
製造例26のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液 10.0
精製水 全量が100部となる量
上記のA成分とB成分をそれぞれ常温で溶解した後、A成分にB成分を攪拌しながら加え溶解させてヘアートニックを得た。
実施例41.ヘアートリートメント
[成分] 部
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 6.0
ポリビニルピロリドン 4.0
グリセリン 1.0
エチルパラベン 0.1
製造例2のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液 5.0
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を80℃に加温した後混合攪拌してヘアートリートメントを得た。
本品はヘアーパックとしても好適なものであった。
実施例42.ヘアーシャンプー
[A成分] 部
N−ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 10.0
ポリオキシエチレン(3)アルキルエーテル硫酸ナトリウム 20.0
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 10.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
クエン酸 0.1
製造例40のオタネニンジンの根の発酵物溶液 5.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してヘアーシャンプーを得た。
実施例43.ヘアーリンス
[A成分] 部
ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油 1.0
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 1.5
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2.0
2−エチルヘキサン酸グリセリル 1.0
セタノール 3.2
ステアリルアルコール 1.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例18のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してヘアーリンスを得た。
実施例44.ボディシャンプー
[A成分] 部
N−ラウロイルメチルアラニンナトリウム 25.0
ヤシ油脂肪酸カリウム液(40%) 26.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例24のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液 10.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してボディシャンプーを得た。
実施例45.石けん
[A成分] 部
硬化ヒマシ油 26.0
ヤシ油 10.0
オリーブ油 4.0
[B成分]
水酸化ナトリウム 6.0
砂糖 10.0
グリセリン 5.0
製造例25のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液 0.5
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
エタノール 20.0
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加えてケン化した。これを攪拌しながら50℃まで冷却し、C成分を加えた。これを型に流し込み冷却した後、室温下で数日間乾燥させ、充分に乾燥したものを型から取りだして石けんを得た。
比較実施例1.クリーム
実施例1のB成分中製造例1のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液に代えて精製水を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
比較実施例2.クリーム
実施例1のB成分中製造例1のオタネニンジン根抽出物の発酵物溶液に代えて比較製造例2のオタネニンジン根抽出物の酵素加水分解物溶液を用いるほかは実施例1と同様にしてクリームを得た。
試験例1.細胞内カタラーゼ活性亢進試験
製造例1、7、23、28及び35の5種の本発明発酵物溶液(グループA)、製造例2〜5、10〜13、15〜18、20、22、24、25、30、31及び41の19種の本発明発酵物溶液(グループB)並びに製造例6、14、19、21、26、27、29、32〜34及び40の11種の本発明発酵物溶液(グループC)を試料として用い、各グループ毎に試料の細胞内カタラーゼ活性亢進作用を調べた。なお、グループCの試験に当たっては、比較のため、比較製造例1の抽出物溶液及び比較製造例2の抽出物酵素加水分解物溶液についても同様の試験を行った。
[試験方法]
(イ)培養細胞からのカタラーゼ活性測定用試験液(粗酵素液)の調製
正常ヒト由来線維芽細胞NB1RGB(lot:050217(5))を3×105個/穴の濃度で6穴マイクロプレートに播種した。培地は10%の新生仔牛血清を含むイーグル最少必須培地を用いた。1日培養後に各試料を含む培地に交換した。さらに1日培養後、トリプシン処理によって細胞を回収し、0.1%トリトン(Triton)X-100を含むトリス-塩酸緩衝液(pH7.8)を用いて細胞を破砕した。それぞれの細胞破砕液の蛋白質量を測定し、すべての細胞破砕液の蛋白質含量が一定になるように希釈調整したものを試料の粗酵素液とした。コントロールとして試料を含まない培地に交換した区を設け、同様の操作を行った。
(ロ)カタラーゼ活性の測定
カタラーゼ活性の測定は次のようにして行った。
基質として10mM 過酸化水素を含むトリス-塩酸緩衝液(pH7.8)3mLに対し、各粗酵素液100μLを添加し、ただちに240nmにおける吸光度を測定した。30℃で30分保温後、同様に240nmにおける吸光度を測定し、30分間の240nmにおける吸光度の変化量を測定し、30分後の過酸化水素残存量から、コントロールを100とした時のカタラーゼ活性率を算出した。
[結果]
A、B及びCの各グループの結果を、それぞれ表1、表2及び表3に示す。
表1〜3に示すように、本発明の発酵物溶液には、正常ヒト由来線維芽細胞に対して蛋白質当たりのカタラーゼ活性を亢進するという効果が確認された。又、表3の結果から明らかなように、比較製造例1の抽出物溶液及び比較製造例2の抽出物酵素加水分解物溶液には、カタラーゼ活性の亢進作用は実質的に認められなかった。
試験例2.ヒドロキシラジカルによるヒアルロン酸断片化の抑制試験
試験例1と同様のグループA、B及びCの試料について、ヒアルロン酸断片化に対する抑制作用(ヒドロキシラジカル消去作用)を調べた。
[試験方法]
0.04%のヒアルロン酸/燐酸緩衝液(pH 5.3)0.45μLと各試料0.05μLを混合し、5mM過酸化水素水溶液0.15μL及び0.375mM塩化第一鉄水溶液0.10μLを混合して37℃で24時間恒温静置し、フェントン反応によってヒドロキシラジカルを発生させた。その後、反応液を20μL分取し、そこに0.1%アルブミン/酢酸緩衝液(pH 3.75)を200μL加え、その液の濁度を630nmの吸光度で測定した。この場合、ヒアルロン酸が断片化していなければアルブミンと複合体を生成し濁度が高く、ヒアルロン酸がヒドロキシラジカルによって断片化していれば複合体は形成しないため濁度は低い。
対照として、過酸化水素水溶液と塩化第一鉄を加えない区を設け、断片化処理無し区とし、この断片化処理無し区のヒアルロン酸残存率を100%としたときの各々の断片化処理を施した区のヒアルロン酸残存率を算出した。
なお比較のため、試料の代わりに精製水を添加した区を設けヒアルロン酸を断片化させた。
[結果]
A、B及びCの各グループの結果を、それぞれ表4、表5及び表6に示す。
表4〜6の結果から、本発明の発酵物溶液にはヒドロキシラジカルによるヒアルロン酸の断片化を抑制する効果があることが確認された。なお、比較製造例1及び2の結果から明らかなように、オタネニンジンの抽出物溶液及び抽出物酵素加水分解物溶液の示すヒアルロン酸断片化抑制作用(ヒドロキシラジカル消去作用)は、本発明の発酵物溶液のそれに遠く及ばないものであった。
試験例3.線維芽細胞賦活試験
製造例1〜7、10〜35、40及び41の本発明の発酵物溶液と、比較として比較製造例1の抽出物溶液及び比較製造例2の抽出物酵素加水分解物溶液について、ヒト真皮由来線維芽細胞の活性に対する亢進作用を調べた。
[試験方法]
ヒト皮膚真皮由来線維芽細胞NB1RGBを、0.5%NCS含有最小必須培地を入れた96穴マイクロプレートに1×10個/穴播種し、37℃で1日間プレ培養した後、培地に試料溶液を5.0%の濃度(溶液濃度として)になるように添加して、37℃でさらに3日間培養した。次に培地を除去し界面活性剤(TRITON X−100)を添加した細胞処理液に、0.2%のMTTを添加して37℃に保持した後、波長370〜630nmでMTTが還元されて生成するホルマザンを測定した。また、試験系が正常に機能しているかを確認するために、試験試料の代わりにグルコースを100mM添加した場合及び試料無添加の場合(コントロール)についても同様の試験を行った。
[結果]
結果を表7に示す。
表7に示すように、本発明の発酵液には、正常ヒト由来線維芽細胞に対してMTT活性(細胞活性)を亢進するという効果が確認された。さらに比較例として実施した抽出物溶液及び抽出物酵素加水分解物溶液よりも顕著な亢進効果が認められた。
試験例4.コラーゲン産生促進試験
試験例3と同様の試料について、コラーゲン産生促進作用を調べた。
[試験方法]
ヒト皮膚真皮由来線維芽細胞NB1RGBを、0.5%NCS含有最小必須培地を入れた96穴マイクロプレートに1×10個/穴播種し、37℃で1日間プレ培養した後、培地に試料溶液を5.0%の濃度(溶液濃度として)になるように添加して、37℃でさらに5日間培養した。
次に培養液を除去し、0.04%ファストグリーン、0,05%シリウスレッド溶液を添加し、細胞内のコラーゲン及び非コラーゲンを染色した後、充分に洗浄した。次に0.1%NaOH含有メタノールで抽出し、コラーゲン量は波長540nm、非コラーゲ量は630nmで測定した。また、試験系が正常に機能しているかを確認するために、試験試料の代わりにL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム(APM)を2mM添加した場合及び試料無添加の場合(コントロール)について同様の試験を行った。
[結果]
結果を表8に示す。
表8に示すように、本発明の発酵液には、正常ヒト由来線維芽細胞におけるコラーゲン産生に対し亢進する効果が確認された。さらに線維芽細胞の活性の試験と同様に比較例として実施した抽出物溶液及び抽出物酵素加水分解物溶液よりも顕著な亢進効果が認められた。
試験例5.モニターテスト
実施例1及び2のクリームと比較実施例1及び2のクリームについて、モニターテストにより皮膚に対する効果を調べた。
[試験方法]
無作為に抽出した年齢18〜50歳の女性40名を被験者として20名ずつ2つのグループ(A、B)に分け、各グループに、実施例1と比較実施例1又は実施例2と比較実施例2のクリームの2種の組み合わせのいずれかを割り振り、それぞれ左右の頬部に、実施例又は比較実施例のクリームを1日2回(朝、晩)、1ヵ月間塗布してもらった後、シミ、くすみに対する改善効果、小ジワに対する改善効果及び肌のはり、艶に対する改善効果を、以下の評価基準に基づいて評価した。
[評価基準]
(肌のシミ、くすみに対する改善効果)
A:非常に改善された
B:かなり改善された
C:僅かに改善された
D:変わらない
E:かえって目立つようになった
(小ジワに対する改善効果)
A:殆ど目立たなくなった
B:かなり目立たなくなった
C:わずかに目立たなくなった
D:変わらない
E:かえって増えた
(肌のはり、艶に対する改善効果)
A:明らかに改善された
B:かなり改善された
C:僅かに改善された
D:変わらない
E:かえって悪くなった
[結果]
結果を表9に示す。なお、表中のA〜Eの各評価欄の数字は、被験者20名中当該評価を行った被験者の数を示す。
表9に示す通り、ウコギ科トチバニンジン属植物の発酵物を活性成分として配合してなる本発明のクリームは、皮膚の老化或いは不健全化の典型的な症状であるシミ、くすみやシワ、たるみ等のいずれに対してもすぐれた改善作用を示す。
これに対して、ウコギ科トチバニンジン属植物の発酵物に代えて、トチバニンジン属植物の抽出物酵素加水分解物を配合したクリームや精製水を配合したクリームでは、ほとんど改善効果が見られず、明らかに有効性に違いがある結果となった。
試験例6.皮膚刺激性
[試料]
《本発明試料》
〈グループA〉
(1)製造例1の発酵物溶液を日局親水ワセリンに5%の濃度となるように練合したもの(本発明試料1)
(2)製造例23の発酵物溶液を日局親水ワセリンに5%の濃度となるように練合したもの(本発明試料2)
〈グループB〉
(3)製造例2の発酵物溶液を日局親水ワセリンに5%の濃度となるように練合したもの(本発明試料3)
(4)製造例3の発酵物溶液を日局親水ワセリンに5%の濃度となるように練合したもの(本発明試料4)
(5)製造例4の発酵物溶液を日局親水ワセリンに5%の濃度となるように練合したもの(本発明試料5)
(6)製造例5の発酵物溶液を日局親水ワセリンに5%の濃度となるように練合したもの(本発明試料6)
(7)製造例41の発酵物溶液を日局親水ワセリンに5%の濃度となるように練合したもの(本発明試料7)
〈グループC〉
(8)製造例14の発酵物溶液を日局親水ワセリンに5%の濃度となるように練合したもの(本発明試料8)
(9)製造例19の発酵物溶液を日局親水ワセリンに5%の濃度となるように練合したもの(本発明試料9)
(10)製造例28の発酵物溶液を日局親水ワセリンに5%の濃度となるように練合したもの(本発明試料10)
《比較試料》
(12)比較製造例1の抽出物溶液を日局親水ワセリンに5%の濃度となるように練合したもの(比較試料1)
(13)比較製造例2の抽出物酵素加水分解物溶液を日局親水ワセリンに5%の濃度となるように練合したもの(比較試料2)
《対照》
(14)日局親水ワセリン(対照)
上記のグループA、B及びCの本発明試料について、各グループ毎にそれぞれ比較試料及び対照と対比して、下記の試験方法により皮膚に対する刺激性を調べた。
[試験方法]
年齢20〜50歳の成人男子5名を被験者とし、各々の上腕部内側をエタノールで拭って皮脂を除去し、該部位に、フィンチャンバーのアルミ板に本発明試料、比較試料及び対照の日局親水ワセリンをそれぞれ0.2g宛塗布したものを貼付した。24時間後にフィンチャンバーを除去し、皮膚刺激の程度をつぎに述べる方法並びに基準により判定した。
[判定]
パッチ除去後1時間後、24時間後及び48時間後に、貼付部位の紅斑及び浮腫の状況を、以下の「ドレイズ法による皮膚刺激性判定基準」に基づき目視判定し、被験者5名の平均値を求めた。
(紅斑)
スコア 皮膚の状態
0 : 紅斑なし
1 : 極軽度の紅斑
2 : 明らかな紅斑
3 : 中程度から強い紅斑
4 : 深紅色の強い紅斑に軽い痂皮形成
(浮腫)
スコア 皮膚の状態
0 : 浮腫なし
1 : 極軽度の浮腫
2 : 明らかな浮腫(周囲と明らかに区別可能)
3 : 中程度の浮腫(1mm以上の盛り上がり)
4 : 強い浮腫(さらに周囲にも広がり)
結果を表10〜12に示す。
















表10〜12の結果から明らかな通り、本発明の発酵物溶液は、比較試料の抽出物溶液及び抽出物酵素加水分解物溶液と比較して、皮膚刺激が殆どなく、安全性に極めてすぐれている。

Claims (4)

  1. 以下の(a)(b)によって特徴付けられる発酵物からなる皮膚化粧料用抗酸化剤(但し、白髪抑止用組成物を除く)。
    (a)ウコギ科トチバニンジン属の植物であるオタネニンジン(Panax ginseng C.A.Meyer)及び/又はトチバニンジン(Panax
    japonica C.A.Meyer)、及び/又はそのエキスを乳酸菌、麹菌、酵母、納豆菌及びテンペ菌から選ばれた微生物により発酵させて得られるものである
    (b)カタラーゼ活性亢進作用とヒドロキシラジカル消去作用を併せ持つものである。
  2. オタネニンジン及び/又はトチバニンジンの根を用いる請求項1に記載の皮膚化粧料用抗酸化剤。
  3. オタネニンジン及び/又はトチバニンジン、及び/又はそのエキスを、その発酵前及び/又は発酵時に、蛋白分解酵素、澱粉分解酵素及び繊維素分解酵素から選ばれる少なくとも1種の酵素で加水分解処理する請求項1に記載の皮膚化粧料用抗酸化剤。
  4. 蛋白分解酵素、澱粉分解酵素及び繊維素分解酵素の3種の酵素を組み合わせ用いる請求項3に記載の皮膚化粧料用抗酸化剤。
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