JP7489688B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents

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Description

本発明は、天然物に由来し、すぐれた生理活性及び生体安全性を有する新規有効成分及びこれを配合してなる皮膚(頭皮も含む)外用剤及び美容又は健康増進用の飲食品である。
近年、細胞の老化現象や外的因子(例えば、紫外線、大気汚染物質や環境ホルモン等の化学物質、花粉等のアレルギー物質、環境ストレス等)による細胞へのダメージに関する研究が行われ、様々な細胞の老化現象や、細胞の損傷及びその予防、回復に関するメカニズムが解明されている。
例えば、皮膚細胞に関しては、加齢に伴う細胞増殖・分化の不活化、ホルモン分泌の低下、皮膚を構成する細胞外マトリックス成分(コラーゲン、ラミニン等)の量的低下等の内的要因と、太陽光(紫外線)に誘発される活性酸素、大気汚染物質や環境ホルモン等の化学物質、花粉等のアレルギー物質、環境ストレス等の外的要因とが複雑に絡み合って、老化現象(シワ、タルミ等)や肌荒れ、色調の変化が生じる。
さらに、外的要因である紫外線、化学物質、アレルギー物質は、生体内の細胞や組織にダメージを与えて生体成分(タンパク質等)を変質させたり、又は活性酸素を発生させたりする。これにより、生体において炎症の原因となる抗原やサイトカインが生じたり、また、皮膚においてニキビやサンバーンの要因となる過酸化脂質が生じたりする。さらには、上記外的要因が細胞内のメラニン色素の異常沈着を誘発して皮膚にシミ、ソバカス、肝斑等を生じさせる。
また、上述のように、上記内的要因と外的要因により、表皮のターンオーバーが不規則になり、バリア機能の低下やキメの乱れも生じる。
以上のような細胞の不健全化や老化を予防及び改善する目的で、従来、種々の活性成分が提案され、それら活性成分を配合した化粧品、飲食品及び医薬品が上市されている。例えば、ビタミンC、ビタミンE、カタラーゼ等の抗酸化剤;グリチルリチン酸又はその塩、アラントイン、トラネキサム酸等の抗炎症剤;各種紫外線吸収剤;α-ヒドロキシカルボン酸、胎盤抽出液、γ-アミノ-β-ヒドロキシ酪酸等の細胞賦活成分;コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸又はその塩等の細胞外マトリックス成分;尿素等の保湿剤;アミノグアニジン等のタンパク質糖化抑制剤が挙げられる。また、皮膚のシミ、ソバカス、肝斑等の色素沈着の発生を抑制する物質としては、コウジ酸やリノール酸等が知られており、美白剤の有効成分として広く使用されている。
以上のように、従来、細胞の老化現象や不健全化のメカニズムに基づいて、細胞賦活剤、抗老化剤及び美白剤が提案されているが、生体に対する安全性、また、実際に生体への塗布又は服用に際しての有効性の観点で問題が存在する。従って、それら従来の問題点が改善された有効成分が求められている。
上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、本発明者らは、ユリ科ワスレグサ属(Hemerocallis)に属する植物若しくは抽出物、又はそれらの発酵物が、格段にすぐれた皮膚のターンオーバーの正常化効果及び育毛効果を有することを新たに見出した。さらに、それら抽出物又は発酵物が、細胞内へのビタミンCの取り込みに関与するビタミンCトランスポーター(SVCT1)の合成促進効果を有することも見出した。
従来、ユリ科ワスレグサ属(Hemerocallis)に属する植物の抽出物又は発酵物を化粧料に使用する発明は、例えば、特許文献1~3により知られていた。しかし、ユリ科ワスレグサ属に属する植物又はその抽出物、当該抽出物の加水分解物、又は当該植物の発酵物が皮膚のターンオーバーの正常化効果、SVCT1の合成促進効果及び育毛効果を有することは知られていなかった。
特開2006-052165号 特開2006-143670号 特開2008-050326号
本発明は、ユリ科ワスレグサ属(Hemerocallis)に属する植物又はその抽出物を乳酸菌、麹菌又は納豆菌で発酵させて得られる発酵物を有効成分とする皮膚外用組成物である。
また、本発明は、ユリ科ワスレグサ属(Hemerocallis)に属する植物又はその抽出物を酵母で発酵させて得られる発酵物を有効成分とする美白用組成物である。
また、本発明は、ユリ科ワスレグサ属(Hemerocallis)に属する植物又はその抽出物を酵母で発酵させて得られる発酵物を有効成分とする保湿用組成物である。
本発明は、ユリ科ワスレグサ属(Hemerocallis)に属する植物又はその抽出物を乳酸菌、酵母、麹菌又は納豆菌で発酵させて得られる発酵物を有効成分とする毛髪化粧料用組成物である。
本発明は、ユリ科ワスレグサ属(Hemerocallis)に属する植物の水溶性溶媒抽出物を有効成分とする皮膚外用組成物である。
本発明に係る抽出物又は発酵物は、皮膚表皮細胞が合成する基底膜タンパク質であるXVII型コラーゲンの合成を促進する効果を有することから、それらのいずれかを配合した組成物は、表皮細胞と基底膜の接着を強固にし、ひいては表皮のターンオーバーの正常化に寄与する。また、本効果は表皮の状態を健全に保つとともに、色素細胞で合成されたメラニン色素の速やかな排出を促し、美白効果の速やかな発現にも寄与する。また、頭皮のXVII型コラーゲンの発現を誘導することで、脱毛、白髪予防効果を奏することも示唆される。
さらに、本発明に係る発酵物は、色素細胞のビタミンCの取り込み口であるSVCT-1の発現を亢進することができることから、美白有効成分としてのビタミンCと併用することによって、その色素細胞への取り込みを増大させ、より効果的な美白効果を得ることが可能となる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いるユリ科ワスレグサ属の植物としては、例えば、ホンカンゾウ(Hemerocallis fulva var. fulva)、ヤブカンゾウ(Hemerocallis fulva var. kwanso)、ハマカンゾウ(Hemerocallis fulva var. littorea)、ノカンゾウ(Hemerocallis fulva var. longituba)、アキノワスレグサ(Hemerocallis fulva var. sempervirens)等のワスレグサ(Hemerocallis fulva)、ウコンカンゾウ(Hemerocallis citrina Baroni)、ヒメカンゾウ(Hemerocallis dumortieri var. dumortieri)、マンシュウキスゲ (Hemerocallis lilioasphodelus L.)、小黄花菜(Hemerocallis mirror)、エゾキスゲ(Hemerocallis lilioasphodelus var. yezoensis)、ニッコウキスゲ(Hemerocallis dumortieri var. esculenta)、ユウスゲ(Hemerocallis citrina var. vespertina)、又は叶萱草(Hemerocallis plicata)等が挙げられる。
ユリ科ワスレグサ属の植物を用いて、抽出物又は微生物(酵母、乳酸菌、麹菌又は納豆菌)による発酵物を得る場合、該植物の発酵部位には特に限定はなく、全草、葉、花、雄しべ、雌しべ、茎、根茎、種子(子実)等適宜の部位を用いることができるが、花弁、蕾を含む花部又は花部を含む全草の使用が好ましい。
ワスレグサ属の植物の発酵する場合は、例えば、以下のようにして行うことができる。まず、発酵の資化源としてはワスレグサ属の植物それ自体(以下、植物体ということがある)を用いてもよく、或いは植物体を適宜の媒体で抽出して得られる抽出物を用いてもよい。また、抽出物を用いる場合には、被抽出物の植物体を固液分離によって除去することなく、植物体を含んだままで発酵を行うことも可能である。ここで、ワスレグサ属の植物は、生のままであっても、又予め乾燥若しくは半乾燥したものであってもよい。また、形状としては採取したものをそのまま用いることも可能である。
植物体を資化源として発酵を行う場合は、まず植物体を溶媒に懸濁させる。植物体を懸濁させるための溶媒としては、水或いは水と低級アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)若しくはグリコール類(エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブチレングリコール、1,2-ペンタンジオール、グリセリン等)との混液等が用いることができる。また、それら溶媒中にはグルコース、フルクトース、シュークロース等の糖類を添加してもよい。ここで、植物体と溶媒との混合比は、植物体の乾燥重量換算で一般に1:1~1:100、好ましくは1:10~1:50の範囲である。
植物体の抽出物を発酵資化源として用いる場合、抽出物の調製方法としては、抽出対象部位、例えば花部(花弁、蕾等)を、必要に応じて予め水洗、乾燥し、好ましくはさらに細切或いは粉砕した上、浸漬法、向流抽出法等適宜の手段により抽出溶媒と接触せしめる方法等が採用できる。又、超臨界抽出法を用いてもよい。
抽出溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコール類、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、トリオクタン酸グリセリル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;エチルエーテル、イソプロピル、エーテル等のエーテル類;n-ヘキサン、トルエン、クロロホルム等の炭化水素系溶媒等が挙げられ、それらは単独で若しくは二種以上混合して用いることができる。
混合溶媒を用いる場合の混合比は、例えば水とエチルアルコールとの混合溶媒であれば、容量比(以下同じ)で1:1~25:1、水とグリセリンとの混合溶媒であれば1:1~15:1、又水と1,3-プロパンジオール若しくは1,3-ブチレングリコールとの混合溶媒であれば、1:1~15:1の範囲とすることが好ましい。抽出溶媒として水以外の溶媒或いは水と水以外の溶媒との混合溶媒を用いた場合は、発酵工程に移行するに先立って、一旦水以外の溶媒を濃縮等の操作で留去した後、固形分として0.01~10%程度となるように水に再溶解するか或いは水で希釈して発酵の資化源としてもよい。
上述のように調整した懸濁液又は抽出物溶液の発酵処理に使用する微生物としては以下のものが挙げられる。
発酵に用いる乳酸菌としては、例えばラクトバシルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバシルス ブレビス(L. brevis)、ラクトバシルス カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・デルブルッキー(Lactobacillus delbrueckii)等のラクトバシルス(Lactobacillus)属の乳酸菌;カルノバクテリウム ディバージェンス(Carnobacterium divergens)、カルノバクテリウム ピシコーラ(Carnobacterium piscicola)等のカルノバクテリウム(Carnobacterium)属の乳酸菌;ロイコノストック メセンテロイズ(Leuconostoc mesenteroides)、ロイコノストック ラクティス(Leuconostoc lactis)、ロイコノストック シトレウム(Leuconostoc citreum)等のロイコノストック(Leuconostoc)属の乳酸菌; ストレプトコッカス フェーカリス(Streptococcus faecalis)、ストレプトコッカス ピオジェネス(Streptococcus pyogenes)等のストレプトコッカス属の乳酸菌;エンテロコッカス カゼリフラバス(Enterococcus caseliflavus)、エンテロコッカス サルフレウス(Enterococcus sulfreus)等のエンテロコッカス(Enterococcus)属の乳酸菌;ラクトコッカス プランタラム(Lactococcus plantarum) ラクトコッカス ラフィノラクティス(Lactococcus rafinolactis)等のラクトコッカス属の乳酸菌;ヴェイセラ コンフューザ(Weissella confusa)、ヴェイセラ カンドウレリ(Weissella kandleri)等のヴェイセラ属の乳酸菌;アトポビウム ミニュタム(Atopobium minutum)、アトポビウム パービュラス(Atopobiumparvulus)等のアトポビウム(Atopobium)属の乳酸菌;バゴコッカス フルビアリス(Vagococcus fluvialis)、バゴコッカス サーモニナラム(Vagococcus salmoninarum)等のバゴコッカス(Vagococcus)属の乳酸菌;ペディオコッカス ダムノサス(Pediococcus damnosus)、ペディオコッカス ペントサセウス(Pediococcus pentosaceus)等のペディオコッカス(Pediococcus)属の乳酸菌等が挙げられる。
本発明において、酵母とは、例えば、サッカロミセス セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロミセス アワモリ(Saccharomyces awamori)、サッカロミセス チェバリエリ(Saccharomyces chevalieri)、サッカロミセス カールスバージェンシス(Saccharomyces carlsbergensis)、サッカロミセス バヨナス(Saccharomyces bayonus)等のサッカロミセス属の酵母、ガラクトミセス(Galactomyces)属の酵母、トルラスポラ デルブルエキ(Torulaspora delbruekii)、トルラスポラ ファーメンタチ(Torulaspora fermentati)、トルラスポラ ロゼイ(Torulaspora rosei)等のトルラスポラ属の酵母、ジゴサッカロミセス ローキシ(Zygosaccharomyces rouxii)、ジゴサッカロミセス ソーヤ(Zygosacchar omyces soya)、ジゴサッカロミセス サケ(Zygosaccharomyces sake)、ジゴサッカロミセス ミソ(Zygosaccharomyces miso)、ジゴサッカロミセス ラクティス(Zygosaccharomyces lactis)等のジゴサッカロミセス属の酵母、カンディダ ベルサチリス(Candida versatilis)、カンディダ エチェリシイ(Candida etchellsii)、カンディダ ケフィール(Candida kefyr)、カンディダ サケ(Candida sake)、カンディダ スコッティ(Candida scottii)等のカンディダ属の酵母、オーレオバシディウムプルランス(Aureobasidium Pullulans)、オーレオバシディウム マンソニー(Aureobasidium mansonii)、オーレオバシディウム マイクロスティクタム(Aureobasideium microstictum)等のオーレオバシディウム属の酵母等が挙げられる。また、本発明に係る酵母としては、清酒酵母、ワイン酵母、ビール酵母、植物の花(バラ、ユリ、サクラ等)由来の酵母、海由来の酵母の何れであっても良い。
発酵に用いる麹菌としては、例えばアスペルギルス オリゼー(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス フラバス(Aspergillus flavus)、アスペルギルス ポリオキソジェネス(Aspergillus polyoxogenes)、アスペルギルス ソーヤ(Aspergillus sojae)等の黄麹菌、アスペルギルス アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス カワウチ(Aspergillus kawauchii)、アスペルギルス ウサミ(Aspergillus usami)、アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)等の黒麹菌、モナスカス アンカ(Monascus anka)、モナスカス ピロサス(Monascus pilosus)等の紅麹菌等が挙げられる。
発酵に用いる枯草菌(Bacillus subtilis)としては、例えば、バシルス ナットー(Bacillus natto)、バシルス サブチルス(Bacillus subtilis)、バシルス サーキュランス(Bacillus circulans)等が挙げられる。
上述の懸濁液又は抽出物を微生物により発酵させるときには、発酵工程前に、殺菌を行って発酵の障害となる雑菌を除去することが必要である。この雑菌の殺菌除去方法としては、発酵素材を予め殺菌用エタノール等で洗浄した後無菌水等の無菌溶媒に懸濁する方法を用いてもよく、又発酵素材を溶媒に懸濁した後、懸濁液を加熱殺菌等により殺菌するようにしてもよい。加熱殺菌処理としては、懸濁液を120~130℃で10~20分間加熱するオートクレーブ殺菌法や、80~90℃に60~120分間保持することを1日1回2~3日間繰り返す間断殺菌法といった加熱殺菌法が一般に用いられる。
無菌化した懸濁液を発酵タンクに入れ、これに微生物を植菌して発酵させる。微生物の接種量は10~10個/mLが適量である。接種量が上記の範囲より多くなっても発酵の進行時間は殆ど変わらず、一方上記の範囲より少なくなると発酵完了までに長時間を要することとなって好ましくない。
発酵温度は一般に5~50℃の範囲、好ましくは各微生物の生育至適温度である20℃~40℃(例えば、乳酸菌であれば30℃~40℃、酵母であれば25℃~30℃)の範囲である。発酵日数は、至適温度に於いて一般に1~10日、好ましくは2~5日の範囲である。発酵日数が上記の一般的範囲より短くなると発酵が十分に行われず発酵物の有効性が低下する傾向にあり、一方10日を越えて長くしても有効性のそれ以上の上昇は認められないだけでなく、着色や発酵臭の増加が生ずることとなっていずれも好ましくない。
ワスレグサ属の植物から抽出物を調製する場合、その安定性、有効性等を向上させるために加水分解処理を行ってもよい。また、発酵物を調製する際にも、対象使用部位の成分が微生物の資化源としてより有効に利用されるようにするため、微生物の植菌前又は同時に前記の懸濁液又は抽出物溶液に対して加水分解処理を行ってもよい。加水分解の処理方法としては、酸、アルカリ又は酵素による処理が挙げられる。
酵素を用いて加水分解処理を行う場合、酵素としては、蛋白分解酵素、澱粉分解酵素、ペクチン質分解酵素、繊維素分解酵素、脂質分解酵素から選ばれた少なくとも1種の酵素が用いることができる。
蛋白分解酵素としては、例えば、アクチナーゼ等のアクチナーゼ類、ペプシン等のペプシン類、トリプシン、キモトリプシン等のトリプシン類、パパイン、キモパパイン等のパパイン類、グリシルグリシンペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼ、アミノペプチダーゼ等のペプチダーゼ類、ブロメライン等を用いることができる。
澱粉分解酵素としては、例えば、α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、β-ガラクトシダーゼ等を用いることができる。
ペクチン質分解酵素としては、例えば、ペクチンデポリメラーゼ、ペクチンデメトキシラーゼ、ペクチンリアーゼ、ペクチンエステラーゼ、ポリガラクチュロナーゼ等を用いることができる。
繊維素分解酵素としては、例えば、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、アガラーゼ、マンナーゼ、キチナーゼ、キトサナーゼ、カラゲナーゼ、アルギナーゼ、フコイダナーゼ、イヌラーゼ、キシラナーゼ、リグニナーゼ等を用いることができる。
脂質分解酵素としては、例えば、リパーゼ、ホスホリパーゼ等を用いることができる。
酵素の使用量は、懸濁液中のワスレグサ属植物の固形分に対して、合計で0.01~10重量%が好ましく、0.1~1.0重量%がより好ましい。或いはワスレグサ属植物の抽出物の固形分に対して、合計で0.001~5重量%が好ましく、0.01~0.5重量%がより好ましい。温度、時間等の処理条件としては、酵素処理を発酵前に行うのであれば、各酵素の至適温度付近で1~24時間の処理を行うのがよく、一方、発酵と同時に行うのであれば、前記の発酵と同条件が適用される。
以上の発酵終了後、微生物殺菌のため、又酵素処理を併用した場合であれば微生物の殺菌と酵素の失活を兼ねて、発酵液に70~100℃で10~120分程度の加熱殺菌処理を施した後、これをそのまま、或いは一般且つ好適にはろ過或いは遠心分離等の固液分離手段によって液相を分取し、必要ならばpHを通常の化粧料のpH領域であるpH6~8に調整し、さらに必要ならば希釈若しくは濃縮によって適宜の濃度とした上、化粧料の配合原料として供する。又、場合によっては、固液分離後の液相をスプレードライ法、凍結乾燥法等常法に従って粉末化した上化粧料に配合してもよい。
本発明に係る抽出物又は発酵物は、外用組成物(化粧料、医薬部外品、外用医薬品)、美容用又は健康増進用の飲食品に配合することができる。皮膚外用剤としては、例えば、乳液、クリーム、ローション、エッセンス、パック、口紅、ファンデーション、リクイドファンデーション、メイクアッププレスパウダー、ほほ紅、白粉、洗顔料、ボディシャンプー、頭皮,頭髪用シャンプー、頭髪用コンディショナー、育毛,養毛用のシャンプー又はトニック、石けん等の清浄用化粧料、さらには浴剤等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、美容用又は健康増進用の飲食品としては、美容飲料、栄養ドリンク、スポーツドリンク、ニアウォーター、ビタミン飲料、ミネラル飲料、アルコール飲料等の飲料;各種スープ類(粉末スープも含む)、乳製品、ゼリー、キャンディ、錠菓、ガム等の食品;錠剤、液状、顆粒状又はゼリー状の健康食品・飲料等に配合することができるが、本発明はこれらに限るものではなく、経口摂取できる飲食品等に配合することができる
本発明に係る抽出物又は発酵物の配合量は、組成物の固形分として、例えば、基礎化粧料の場合は、0.002~1.0重量%(固形分重量%、以下同じ)の範囲、メイクアップ化粧料の場合は、0.002~1.0重量%の範囲、又清浄用化粧料の場合は、0.002~10.0重量%の範囲である。また、毛髪用化粧料の場合は、組成物の固形分として、0.0001~5.0重量%の範囲である。また、飲食品おける本発明に係る発酵物の配合量は、組成物の固形分として、0.1~15重量%の範囲が好ましい。
本発明に係る抽出物又は発酵物を配合した組成物には、必須成分の発酵物のほかに、通常。皮膚外用剤や飲食品に用いられる成分、例えば、油性成分、界面活性剤(合成系、天然物系)、保湿剤、増粘剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、抗酸化剤、キレート剤、pH調整剤、色素、香料等を必要に応じて適宜配合することができる。また、有効性、特長を損なわない限り、他の生理活性成分と組み合わせで使用することも何ら差し支えない。
ここで、油性成分としては、例えば、ハス油、オリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米糠油、米胚芽油、ヤシ油、カミツレ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、ローズヒップ油、ランベンダー油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、植物由来スクワラン等の植物由来の油脂類;ミンク油、タートル油等の動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリン等のロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワラン等の炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、エイコセン酸等の脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール等の高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2-エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)等の合成エステル類及び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α-スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩等のアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級~第三級脂肪アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2-アルキル-1-アルキル-1-ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N-ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩等のカチオン界面活性剤;N,N-ジメチル-N-アルキル-N-カルボキシメチルアンモニオベタイン、N,N,N-トリアルキル-N-アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N-アシルアミドプロピル-N′,N′-ジメチル-N′-β-ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタイン等の両性界面活性剤等を使用することができる。
乳化剤又は乳化助剤としては、酵素処理ステビア等のステビア誘導体、サポニン又はその誘導体、カゼイン又はその塩(ナトリウム等)、糖と蛋白質の複合体、ショ糖又はそのエステル、ラクトース、大豆由来の水溶性多糖、大豆由来蛋白質と多糖の複合体、ラノリン又はその誘導体、コレステロール、ステビア誘導体(ステビア酵素処理物等)、ケイ酸塩(アルミニウム、マグネシウム等)、炭酸塩(カルシウム、ナトリウム等)、サポニン及びその誘導体、レシチン及びその誘導体(水素添加レシチン等)、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀等)等を配合することもできる。
保湿剤としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等があり、さらにトレハロース等の糖類、ムコ多糖類(例えば、ヒアルロン酸及びその誘導体、コンドロイチン及びその誘導体、ヘパリン及びその誘導体等)、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、海藻抽出物、シラン根(白及)抽出物、各種アミノ酸及びそれらの誘導体が挙げられる。
増粘剤としては、例えば、アルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン等の褐藻、緑藻又は紅藻由来成分;シラン根(白及)抽出物;ペクチン、ローカストビーンガム、アロエ多糖体、アルカリゲネス産生多糖体等の多糖類;キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム等のガム類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体;ポリグルタミン酸及びその誘導体等が挙げられる。
防腐・殺菌剤としては、例えば、尿素;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル等のパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、ジャマール(イミダゾデイニールウレア)、ポリリン酸、プロパンジオール、1,2-ペンタンジオール、各種精油類、樹皮乾留物、大根発酵液、サトウキビ等の植物由来のエタノール又は1,3-ブチレングリコール等がある。
粉体成分としては、例えば、セリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー、穀類(米、麦、トウモロコシ、キビ等)のパウダー、豆類(大豆、小豆等)のパウダー等がある。
紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2-エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸塩、4-ターシャリーブチル-4-メトキシベンゾイルメタン、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物等がある。
抗酸化剤としては、例えば、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ムラサキシキブの抽出物、シラン根の抽出物、シャクヤク抽出物、ビタミンE及びその誘導体(例えば、ビタミンEニコチネート、ビタミンEリノレート等)等がある。
キレート剤としては、例えば、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸三ナトリウム、エデト酸又はその塩類、グルコン酸、フィチン酸、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ヒドロキシエタンジホスホン酸四ナトリウム等がある。
pH調整剤としては、例えば、クエン酸又はその塩類、乳酸又はその塩類、グリコール酸、コハク酸、塩酸、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等がある。
美白剤としては、例えば、t-シクロアミノ酸誘導体、コウジ酸及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノン又はその誘導体、エラグ酸及びその誘導体、ニコチン酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、トラネキサム酸及びその誘導体、4-メトキシサリチル酸カリウム塩、マグノリグナン(5,5'-ジプロピル-ビフェニル-2,2’-ジオール)、ヒドロキシ安息香酸及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、α-ヒドロキシ酸、AMP(アデノシンモノホスフェイト、アデノシン1リン酸)が挙げられ、これらを単独で配合しても、複数を組み合わせて配合しても良い。
上記のコウジ酸誘導体としては、例えば、コウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレート等のコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシド等のコウジ酸糖誘導体等が、アスコルビン酸誘導体としては、例えばL-アスコルビン酸-2-リン酸エステルナトリウム、L-アスコルビン酸-2-リン酸エステルマグネシウム、L-アスコルビン酸-2-硫酸エステルナトリウム、L-アスコルビン酸-2-硫酸エステルマグネシウム等のアスコルビン酸エステル塩類、L-アスコルビン酸-2-グルコシド、L-アスコルビン酸-5-グルコシド、アスコルビルトコフェリルマレイン酸、アスコルビルトコフェリルリン酸K、ミリスチル3-グリセリルアスコルビン酸、カプリリル2-グリセリルアスコルビン酸等のアスコルビン酸糖誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基等)、L-アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L-アスコルビン酸テトララウリン酸エステル等のL-アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類、3-O-エチルアスコルビン酸、L-アスコルビン酸-2-リン酸-6-O-パルミテートナトリウム、グリセリルアスコルビン酸又はそのアシル化誘導体、ビスグリセリルアスコルビン酸等のアスコルビン酸グルセリン誘導体、L-アスコルビン酸リン酸アミノプロピル、L-アスコルビン酸のヒアルロン酸誘導体、3-O-Dラクトース-L-アスコルビン酸、イソステアリルアスコルビルリン酸塩等が、ハイドロキノン誘導体としては、アルブチン(ハイドロキノン-β-D-グルコピラノシド)、α-アルブチン(ハイドロキノン-α-D-グルコピラノシド)等が、トラネキサム酸誘導体としては、トラネキサム酸エステル(例えば、トラネキサム酸ラウリルエステル、トラネキサム酸ヘキサデシルエステル、トラネキサム酸セチルエステル又はその塩)、トラネキサム酸のアミド体(例えば、トラネキサム酸メチルアミド)等が挙げられ、レゾルシノール誘導体としては、例えば、4-n-ブチルレゾルシノール、4-イソアミルレゾルシノール等が、2,5-ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2,5-ジアセトキシ安息香酸、2-アセトキシ-5-ヒドロキシ安息香酸、2-ヒドロキシ-5-プロピオニルオキシ安息香酸等が、ニコチン酸誘導体としては、例えばニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等が、α-ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α-ヒドロキシオクタン酸等がある。
生理活性成分としては、例えば、胎盤抽出液、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、シソ抽出物、米糠抽出物又はその加水分解物、白芥子抽出物又はその加水分解物、白芥子の発酵物、シャクヤク抽出物又はその加水分解物、乳酸菌醗酵米、ムラサキシキブ抽出物、ハスの花の抽出物、ハス種子抽出物又はその加水分解物、ハス種子発酵物、ハトムギ加水分解物、ハトムギ種子発酵物、ローヤルゼリー発酵物、酒粕抽出物又はそれに含まれるセラミド、酒粕発酵物、パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius Roxb.)抽出物、アルカンジェリシア・フラバ(Arcangelicia flava Merrilli)抽出物、カミツレ抽出物等が挙げられる。また、サンゴ草抽出物、イネの葉の抽出物又はその加水分解物、ナス(ハス、長ナス、賀茂ナス、米ナス等)抽出物又はその加水分解物、アンズ果実の抽出物、カタメンキリンサイ等の海藻の抽出物、アマモ等の海産顕花植物の抽出物、豆乳発酵物、クラゲ水、米抽出物又はその加水分解物、米醗酵エキス、発芽米抽出物又はその加水分解物、発芽米発酵物、黒豆抽出物又はその加水分解物、ダマスクバラの花の抽出物、タケノコの皮の抽出物、リノール酸及びその誘導体若しくは加工物(例えばリポソーム化リノール酸等)、動物又は魚由来のコラーゲン及びその誘導体、エラスチン及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体(ジカリウム塩等)、t-シクロアミノ酸誘導体、ビタミンA及びその誘導体、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ-アミノ-β-ヒドロキシ酪酸、ゲンチアナ抽出物、甘草抽出物、ニンジン抽出物、オタネニンジン抽出物又はその発酵物、紅参抽出物、ミツイシコンブ抽出物、ヘチマ抽出物、アナアオサ抽出物、モモ抽出物、桃仁抽出物、キウイ抽出物、ヒマワリ抽出物、ジュアゼイロ(Zizyphus joazeiro)抽出物、パウダルコ樹皮抽出物、ハイビスカスの花抽出物または発酵物、ハゴロモグサ抽出物、チェリモヤ抽出物、マンゴー抽出物、マンゴスチン抽出物、フノリ抽出物、烏龍茶抽出物、紅富貴抽出物、シラン抽出物、山椒果皮又は種皮の抽出物または加水分解物、ベニバナ花抽出物、カサブランカ抽出物、甘藷抽出物又はその発酵物、グアバ葉抽出物、ドクダミ抽出物、晩白柚抽出物、アロエ抽出物、イチジク花抽出物、リンゴ抽出物、ホワイトアスパラガス抽出物等がある。
次に、製造例、試験例及び実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお以下に於いて、部はすべて重量部を、又%はすべて重量%を意味する。
製造例1.発酵物の調製(1)
ホンカンゾウの花部の細切物150gに精製水1500g、セルラーゼ1.5g及びペクチナーゼ1.5gを混合し、40℃で3時間抽出および酵素分解処理を行った後、80℃で1時間加熱し、酵素を失活させた。さらに、ここに得られた抽出懸濁液を加熱殺菌した。この抽出懸濁液に乳酸菌(ラクトバシルス プランタラム)を10個/mL接種し、窒素気流下に37℃で3日間静置培養した。培養終了後加熱殺菌し、培養液をろ過して、脱臭、脱色処理を行い、褐色透明の溶液1123g(固形分濃度4.22%)を得た。これを精製水で3倍希釈し、乳酸菌発酵物溶液とした。
製造例2.発酵物の調製(2)
製造例1のホンカンゾウに代えて、ヤブカンゾウを用いる他は製造例1と同様にして、乳酸菌発酵物溶液1163g(固形分濃度4.01%)を得た。
製造例3.発酵物の調製(3)
製造例1のホンカンゾウに代えて、ニッコウキスゲを用いる他は製造例1と同様にして、乳酸菌発酵物溶液1208g(固形分濃度4.13%)を得た。
製造例4.発酵物の調製(4)
製造例1のラクトバシルス プランタラムに代えて乳酸菌(ロイコノストック ラクティス)を用いる他は製造例1と同様にして、乳酸菌発酵物溶液1133g(固形分濃度4.31%)を得た。
製造例5.発酵物の調製(5)
ホンカンゾウの花部の細切物150gに精製水1500g、セルラーゼ1.5g及びペクチナーゼ1.5gを混合し、40℃で3時間抽出および酵素分解処理を行った後、80℃で1時間加熱し、酵素を失活させた。さらに、ここに得られた抽出懸濁液を加熱殺菌した。この抽出懸濁液に酵母(サッカロミセス セレビシエ)を10個/mL接種し、窒素気流下に30℃で3日間静置培養した。培養終了後加熱殺菌し、培養液をろ過して、脱臭、脱色処理を行い、褐色透明の酵母発酵物溶液1108g(固形分濃度3.91%)を得た。これを精製水で3倍に希釈し、酵母発酵物溶液とした。
製造例6.発酵物の調製(6)
製造例5のサッカロミセス セレビシエに代えて酵母(カンディダ ベルサチリス)を用いる他は製造例5と同様にして、酵母発酵物溶液1203g(固形分濃度3.76%)を得た。
製造例7.発酵物の調製(7)
製造例5のホンカンゾウに代えてヤブカンゾウを用いる他は製造例5と同様にして、酵母発酵物溶液1158g(固形分濃度3.69%)を得た。
製造例8.発酵物の調製(8)
製造例5のホンカンゾウに代えてニッコウキスゲを用いる他は製造例5と同様にして、酵母発酵物溶液1120g(固形分濃度3.74%)を得た。
製造例9.発酵物の調製(9)
ホンカンゾウの花部の細切物150gに精製水1500g、セルラーゼ1.5g及びペクチナーゼ1.5gを混合し、40℃で3時間抽出および酵素分解処理を行った後、80℃で1時間加熱し、酵素を失活させた。さらに、ここに得られた抽出懸濁液を加熱殺菌した。この抽出懸濁液に麹菌(アスペルギルス オリゼー)を10個/mL接種し、窒素気流下に30℃で3日間静置培養した。培養終了後加熱殺菌し、培養液をろ過して、脱臭、脱色処理を行い、褐色透明の麹菌発酵物溶液1083g(固形分濃度4.35%)を得た。これを精製水で3倍に希釈し、麹菌発酵物溶液とした。
製造例10.発酵物の調製(10)
ホンカンゾウの花部の細切物150gに精製水1500g、セルラーゼ1.5g及びペクチナーゼ1.5gを混合し、40℃で3時間抽出および酵素分解処理を行った後、80℃で1時間加熱し、酵素を失活させた。さらに、ここに得られた抽出懸濁液を加熱殺菌した。この抽出懸濁液に枯草菌(バシルス ナットー)を10個/mL接種し、窒素気流下に30℃で3日間静置培養した。培養終了後加熱殺菌し、培養液をろ過して、脱臭、脱色処理を行い、褐色透明の枯草菌発酵物溶液1233g(固形分濃度4.15%)を得た。これを精製水で3倍に希釈し、枯草菌発酵物溶液とした。
製造例11.発酵物の調製(11)
製造例1の花部に代えて、地上部(花部を含む)の細切物を用いて抽出懸濁溶液を調製する他は製造例1と同様にして全草の乳酸菌発酵物溶液(固形分濃度3.58%)を得た。
製造例12.抽出物の調製
ホンカンゾウの花部の細切物150gに精製水1500g、セルラーゼ1.5g及びペクチナーゼ1.5gを混合し、40℃で3時間抽出および酵素分解処理を行った後、80℃で1時間加熱し、酵素を失活させた。さらに、ここに得られた抽出懸濁液を加熱殺菌して褐色透明の溶液(固形分濃5.82%)を得た。これを精製水で5倍に希釈し、抽出物溶液とした。
製造例13.抽出物の調製
ヤブカンゾウの花部の細切物150gに精製水1500g、セルラーゼ1.5g及びペクチナーゼ1.5gを混合し、40℃で3時間抽出および酵素分解処理を行った後、80℃で1時間加熱し、酵素を失活させた。さらに、ここに得られた抽出懸濁液を加熱殺菌して褐色透明の溶液(固形分濃5.62%)を得た。これを精製水で5倍に希釈し、抽出物溶液とした。
処方例1.化粧水
[成分] 部
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(5.5)セチルアルコール 5.0
ブチルパラベン 0.1
製造例1の発酵物 5.0
グリセリン 5.0
1,3-ブチレングリコール 5.0
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
香料 適量
処方例2.化粧水
処方例1に含まれる製造例1の発酵物に代えて、製造例2の発酵物5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例3.化粧水
処方例1に含まれる製造例1の発酵物に代えて、製造例3の発酵物5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例4.化粧水
処方例1に含まれる製造例1の発酵物に代えて、製造例4の発酵物5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例5.化粧水
処方例1に含まれる製造例1の発酵物に代えて、製造例5の発酵物5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例6.化粧水
処方例1に含まれる製造例1の発酵物に代えて、製造例6の発酵物5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例7.化粧水
処方例1に含まれる製造例1の発酵物に代えて、製造例7の発酵物5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例8.化粧水
処方例1に含まれる製造例1の発酵物に代えて、製造例8の発酵物5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例9.化粧水
処方例1に含まれる製造例1の発酵物に代えて、製造例9の発酵物5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例10.化粧水
処方例1に含まれる製造例1の発酵物に代えて、製造例10の発酵物5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例11.化粧水
処方例1に含まれる製造例1の発酵物に代えて、製造例11の発酵物5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例12.化粧水
処方例1に含まれる製造例1の発酵物に代えて、製造例12の抽出物5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例13.化粧水
処方例1に含まれる製造例1の発酵物に代えて、製造例13の抽出物5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例14.乳液
[成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ハス精油 0.025
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 1.0
親油型ステアリン酸グリセリル 1.0
水添大豆レシチン 1.5
製造例1の発酵物 3.0
L-アスコルビン酸 2-グルコシド 2.0
水酸化カリウム 0.5
グリセリン 3.0
1,3-ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
水溶性コラーゲン 0.1
精製水 全量が100部となる量
香料 適量
処方例15.乳液
処方例14に含まれる製造例1の発酵物3.0部に代えて製造例5の発酵物3.0部を用いるほかは処方例14と同様にして乳液を得た。
処方例16.乳液
処方例14に含まれるL-アスコルビン酸-2-グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてトラネキサム酸2.0部を用いるほかは処方例14と同様にして乳液を得た。
処方例17.乳液
処方例14に含まれるL-アスコルビン酸-2-グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてアルブチン3.0部を用いるほかは処方例14と同様にして乳液を得た。
処方例18.乳液
処方例14に含まれるL-アスコルビン酸-2-グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてニコチン酸アミド5.0部を用いるほかは処方例14と同様にして乳液を得た。
処方例19.乳液
[成分] 部
スクワラン 3.0
ベヘニルアルコール 3.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 1.0
グリセリン脂肪酸エステル 1.0
大豆レシチン 1.5
製造例1の発酵物 5.0
L-アスコルビン酸 2-グルコシド 2.0
水酸化カリウム 0.5
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
グリセリン 3.0
1,3-ブチレングリコール 2.0
水溶性コラーゲン 0.1
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
処方例20.乳液
処方例19に含まれるグリチルリチン酸ジカリウム1.0部に代えてトラネキサム酸1.0部を用いるほかは処方例19と同様にして乳液を得た。
処方例21.ローション
[成分] 部
製造例2の発酵物 10.0
エタノール 10.0
グリセリン 3.0
1、3-ブチレングリコール 2.0
メチルパラベン 0.2
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
カルボキシビニルポリマー 0.1
キサンタンガム 0.1
グアーガム 0.1
香料 適量
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
処方例22.ローション
処方例21の成分中製造例2の発酵物に代えて製造例3の発酵物10.0部を用いるほかは処方例21と同様にしてローションを得た。
処方例23.エッセンス
[成分] 部
エタノール 2.0
グリセリン 5.0
1,3-ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
ヒアルロン酸 0.1
加水分解ヒアルロン酸液 0.1
製造例4の発酵物 5.0
クエン酸 0.3
クエン酸ナトリウム 0.6
精製水 全量が100部となる量
実施例24.リキッドファンデーション
[成分] 部
ステアリン酸 2.4
モノステアリン酸プロピレングリコール 2.0
セトステアリルアルコール 0.2
液状ラノリン 2.0
流動パラフィン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.5
プロピルパラベン 0.05
製造例6の発酵物 5.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2
ベントナイト 0.5
プロピレングリコール 4.0
トリエタノールアミン 1.1
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
酸化チタン 8.0
タルク 4.0
着色顔料 適量
処方例25.ボディシャンプー
[成分] 部
N-ラウロイルメチルアラニンナトリウム 25.0
ヤシ油脂肪酸カリウム液(40%) 26.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
メチルパラベン 0.1
製造例7の発酵物 5.0
1,3-ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
処方例26.ヘアシャンプー
[成分] 部
N-ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 10.0
ポリオキシエチレン(3)アルキルエーテル硫酸ナトリウム 20.0
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 10.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0
メチルパラベン 0.1
クエン酸 0.1
製造例1の発酵物 2.0
1,3-ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
実施例27.ヘアコンディショナー
[成分] 部
ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油 1.0
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 1.5
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2.0
2-エチルヘキサン酸グリセリル 1.0
セタノール 3.2
ステアリルアルコール 1.0
メチルパラベン 0.1
製造例5の発酵物 2.0
1,3-ブチレングリコール 5.0
精製水 全量が100部となる量
処方例28.育毛剤
[成分] 部
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
モノニトログアヤコールナトリウム 0.02
塩酸ピリドキシン 0.03
l-メントール 0.8
タマサキツヅラフジ根エキス 0.3
褐藻エキス 0.3
オタネニンジンエキス 0.3
センブリエキス 2.0
製造例1の発酵物 5.0
トリメチルグリシン 0.5
乳酸 0.2
1,3-ブチレングリコール 10.0
フェノキシエタノール 0.2
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.4
L-アルギニン 適量
エタノール 20.0
精製水 全量が100部となる量
処方例29.育毛剤
処方例28に含まれる製造例1の発酵物に代えて製造例5の発酵物5.0部を用いるほかは処方例28と同様にして育毛剤を得た。
処方例30.育毛剤
処方例28に含まれる製造例1の発酵物に代えて製造例9の発酵物5.0部を用いるほかは処方例28と同様にして育毛剤を得た。
処方例31.育毛剤
処方例28に含まれる製造例1の発酵物に代えて製造例12の抽出物5.0部を用いるほかは処方例28と同様にして育毛剤を得た。
試験例1.XVII型コラーゲン遺伝子発現の評価試験
正常ヒト表皮細胞を増殖添加剤含有HuMediaKG2[クラボウ社製]にて6×105個/mLに調製し、φ6cmシャーレに1mLを播種して、5%CO2、飽和水蒸気下、37℃で培養した。24時間培養後、さらに、試料溶液として製造例1~10の発酵物及び製造例12~13の抽出物を含む培養液(培養液全量に対して溶液として終濃度が1%となるように試料溶液を添加したもの)を添加して培養した。また、比較対照として、試料溶液に代えて、PBS(-)溶液のみを含んだ培養液(培養液全量に対するPBS(-)の終濃度を1%に調整したもの)を添加した試験区(コントロール区)を設定した。24時間培養後、それぞれの試験区の細胞をTrizol試薬(Invitrogen社製)1mLで回収した。回収した細胞に対してクロロホルム(和光純薬工業社製)200μL添加して撹拌混合し遠心分離機(TOMY社製/MX-160)で15,000rpm、4℃の条件下で15分間遠心分離した後、水層のみを400μL分取した。回収した水層にイソプロパノール(和光純薬工業社製)500μLを添加して撹拌混合し、15,000rpm、4℃の条件下で15分間遠心分離してtotalRNAの沈殿物を得た。totalRNAに75%エタノールを1mL添加して撹拌して洗浄し、15,000rpm、4℃条件下で15分間遠心分離して沈殿を回収した。回収したtotal RNAを所定のキット(PrimeScript RT reagent Kit with gDNA Eraser (Perfect Real Time)[タカラバイオ社製])を用いて逆転写反応し、cDNAを合成した。合成したcDNAをサンプルとして、Thermal Cycler Dice(登録商標)Real Time System Single(タカラバイオ社製)、及びSYBR(登録商標)Premix Ex TaqTM II(Perfect Real Time)[タカラバイオ社製]を用いて、XVII型コラーゲン遺伝子の発現と、内部標準物質βアクチン遺伝子の発現の検出を行った。ここで、βアクチンは、ハウスキーピング遺伝子(多くの組織や細胞中に共通して一定量発現する遺伝子であって、常に発現され,細胞の維持,増殖に不可欠な遺伝子である)の一つであり、発現量が常に一定とされていることから、PCRの実験では内部標準として用いられるものである。試験結果は、βアクチン遺伝子の発現量を一定とした場合の、それぞれの試験区でのXVII型コラーゲン遺伝子の発現量を比較した。本試験系においては、コントロール区のそれぞれの遺伝子の発現量を100としたときの他の試験区でのその遺伝子の発現量の相対値を求めた。
試験例1の結果を表1に示す。
[表1]
表1に示すように、本発明に係る抽出物及び発酵物は、格段にすぐれたXVII型コラーゲン遺伝子の発現亢進効果を有することを確認した。
試験例2.ナトリウム依存性ビタミンCトランスポーター(SVCT)合成促進効果
正常ヒト表皮メラニン細胞を増殖添加剤含有DermaLife(登録商標)[クラボウ社製]にて1×105個/mLに調製し、96穴マイクロプレートに100μLずつ播種して、5%炭酸ガス、飽和水蒸気下、37℃で培養した。24時間後、製造例1の発酵物1~11及び製造例12~13の抽出物を試料溶液として含んだ培養液を追添加しさらに培養した。ここで、試料溶液は、培養液に対する溶液としての終濃度が1.0%,2.0%となるように調製した。また、コントロールとして、試料溶液に代えてPBS(-)を含んだ培養液を追添加した対照区を設定した。なお、PBS(-)は、試料溶液と同様に溶液としての培養液に対して終濃度1.0%、2.0%となるように調製した。48時間後、培養上清を除去して、PBS(-)を200μLずつ添加して除去し、次に10%トリクロロ酢酸(和光純薬社)を50μLずつ添加して冷温下で30分間インキュベートした後、上清を除去した。PBS(-)を100μL用いて洗浄し、0.2%Triton-X含有PBS(-)を50μLずつ添加して室温下で1時間インキュベートをした。上清を除去して8%牛血清アルブミン(SIGMA社)含有PBS(-)を50μLずつ添加して室温下で2時間インキュベートした。上清を除去し0.2%Triton-X含有PBS(-)を100μL用いて洗浄し、抗SVCTマウスモノクローナル抗体(Santa Cruz社)を50μLずつ添加して冷温下で24時間インキュベートした。上清を除去し0.2%Triton-X含有PBS(-)100μLを用いて洗浄を3回繰り返した。Alexa Fluor 488抗マウス二次抗体(Life Technologies社)を50μL添加して室温下、暗所にて2時間インキュベートした。上清を除去し0.2%Triton-X含有PBS(-)100μLを用いて洗浄を3回繰り返し、PBS(-)を100μLずつ添加して蛍光プレートリーダー(大日本製薬社)を用いてEx485/Em520における蛍光強度を測定した。対照区の測定値に対する蛍光強度の相対値をSVCT合成率(%)とした。
試験例2の結果を表2に示す。
[表2]

試験例3.過酸化脂質抑制効果
0.5Mリノール酸エタノール1.0mL、0.2Mリン酸緩衝液(pH7.0)10mL及びエタノール9.0mLを混合し、充分撹拌した。この混合液に、製造例1~11の発酵物及び製造例12~13の抽出物を試料溶液として5.0mLを加えて充分撹拌し、試料溶液を調製した。ここで、試料溶液としては、その全量に対する試料溶液の終濃度(溶液としての濃度)がそれぞれ1.0%,2.0%となるように調製した2種の濃度のものを使用した。この試料溶液の調製直後、さらに1日間、2日間、5日間、8日間、40℃に放置したものに対して、それぞれ0.1mL、75%エタノール4.7mL、30%チオシアン酸アンモニウム溶液0.1mL、及び0.02M塩化第一鉄の3.5%塩酸溶液0.1mLを加えて充分に混合撹拌したのち、3分後の波長500nmにおける吸光度を測定した。また。コントロールとして1,3-ブチレングリコールの30%水溶液についても同様の試験を行い、本試験系での過酸化脂質生成量を、調製直後の値を差し引いた波長500nmにおける吸光度の増加量で表した。
試験例3の結果を表3に示す。
[表3]
表3に示すように、本発明に係る発酵物は、格段にすぐれた過酸化脂質抑制効果を有することが確認された。

Claims (3)

  1. ユリ科ワスレグサ属(Hemerocallis)に属する植物の花部又はその抽出物を乳酸菌、酵母、麹菌又は納豆菌で発酵させて得られる発酵物を有効成分とする皮膚のターンオーバーの正常化用組成物。
  2. ユリ科ワスレグサ属(Hemerocallis)に属する植物の花部又はその抽出物を乳酸菌、酵母、麹菌又は納豆菌で発酵させて得られる発酵物を有効成分とする保湿用組成物。
  3. ユリ科ワスレグサ属(Hemerocallis)に属する植物の花部又はその抽出物を乳酸菌、酵母、麹菌又は納豆菌で発酵させて得られる発酵物を有効成分とするビタミンCの取り込み促進用組成物。
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