JP5778659B2 - ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物 - Google Patents

ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物に関する。
ポリブチレンテレフタレート樹脂は、機械的性質、電気的性質、物理的性質、化学的性質等の諸特性に優れるとともに、加工性が良好であることから、エンジニアリングプラスチックとして、自動車部品、電気・電子部品、OA機器部品等、幅広い用途に使用されている。
これらの自動車部品、電気・電子部品、OA機器部品等の用途において、ローラ、歯車、金属シャフトの軸受け等の摺動部品へのポリブチレンテレフタレートの使用が広がっており、摺動性が改良されたポリブチレンテレフタレート樹脂組成物が開発されている。
また、OA機器等のヒーターを備える製品内で摺動部品が使用される場合、摺動部品が燃焼する恐れがあるため高い難燃性が要求されている。このため、近年、摺動性に加え難燃性を付与されたポリブチレンテレフタレート樹脂組成物も開発されている。
ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物等の芳香族ポリエステル樹脂に、摺動性と難燃性とを付与する方法としては、例えば、ポリエステル樹脂にビスフェノール骨格を有する重合体、不飽和カルボン酸及びその誘導体から選ばれた少なくとも1種で変性したオレフィン系重合体、分子量400〜1000の脂肪族ポリエステル、及び、リン含有化合物を配合する方法(特許文献1)、結晶性熱可塑性ポリエステル樹脂に、オレフィン系重合体とビニル系重合体とから得られるグラフト又はブロック共重合体、炭素数12以上の脂肪酸から得られる脂肪酸エステル、難燃剤、及び無機系難燃助剤を配合する方法(特許文献2)、熱可塑性ポリエステル樹脂に、不飽和カルボン酸及びその誘導体から選ばれた少なくとも1種で変性した変性オレフィン系重合体、分子量400〜1000の脂肪族エステル、難燃剤、及び難燃助剤を配合する方法(特許文献3)が提案されている。
しかし、特許文献1〜3に記載の芳香族ポリエステル樹脂組成物は、摺動性及び難燃性に優れるものの、摺動時に騒音が発生しやすい傾向があり、摺動部品用の材料としては改良の余地があるものであった。
ここで、樹脂部品による摺動音を低減する方法としては、例えば、ポリオキシメチレン樹脂組成物の曲げ弾性率を1000MPa以上2000MPa以下にして、歯車により発生する摺動音を低減する方法(特許文献4)、有歯ケーブルの外周の樹脂コートの材料を曲げ弾性率が150〜1300MPaの材料とすることにより、有歯ケーブルと導管との間での摺動により発生する騒音を低減する方法(特許文献5)等、摺動部品の材料として曲げ弾性率の低い材料を用いる方法が提案されている。
特開2000−265048号公報 特開平07−150022号公報 国際公開第00/55256号パンフレット 特開2004−244536号公報 国際公開第2004/116463号パンフレット
摺動性及び難燃性に優れたポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の摺動音の問題を改善するためには、低弾性率のエラストマーを配合して、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の曲げ弾性率を低下させることが考えられる。
しかし、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の曲げ弾性率を十分に低下させるためにはエラストマーを多量に配合する必要があり、この場合、エラストマーが一般的に難燃性に劣る材料であるために、得られるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の難燃性が損なわれてしまう。
また、ポリブチレンテレフタレート樹脂の難燃性の低下を考慮して、エラストマーの配合量を少量とした場合には、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の弾性率は十分に低減されない。
以上のように、難燃性の維持と低弾性率化の両立は極めて困難であり、摺動性及び難燃性に優れ、低弾性率化されることにより摺動音の発生が抑制されたポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は未だに知られていない。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、摺動性及び難燃性に優れ、低弾性率化されることにより摺動音の発生が抑制されたポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物に、ポリエステルエラストマー、不飽和カルボン酸変性オレフィン系重合体、有機ハロゲン系難燃剤、アンチモン化合物、及び炭素原子数12以上の脂肪酸のエステル誘導体を配合し、ポリエステルエラストマーの含有量をポリブチレンテレフタレート樹脂とポリエステルエラストマーとの合計量100質量部に対して25質量部以上50質量部以下とし、ポリエステルエラストマーの含有量をポリブチレンテレフタレート樹脂組成物全量に対して27質量%以下とすることにより、摺動性及び難燃性に優れ、低弾性率化されることにより摺動音の発生が抑制されたポリブチレンテレフタレート樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1) (A)ポリブチレンテレフタレート樹脂、(B)ポリエステルエラストマー、(C)不飽和カルボン酸変性オレフィン系重合体、(D)有機ハロゲン系難燃剤、(E)アンチモン化合物、及び(F)炭素原子数12以上の脂肪酸のエステル誘導体を含み、下記(I)及び(II)の条件を満たすポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
(I)前記(B)ポリエステルエラストマーの含有量が、前記(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と前記(B)ポリエステルエラストマーとの合計量100質量部に対して25質量部以上50質量部以下である。
(II)前記(B)ポリエステルエラストマーの含有量が、前記ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物全量に対して27質量%以下である。
(2) 前記(B)ポリエステルエラストマーが、ハードセグメントとしてポリブチレンテレフタレートセグメントを有するものである、(1)記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
(3) 前記(C)不飽和カルボン酸変性オレフィン系重合体が、無水マレイン酸変性ポリエチレンである、(1)又は(2)記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
(4) 前記(D)有機ハロゲン系難燃剤が、ペンタブロモポリベンジルアクリレートである、(1)から(3)いずれかに記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
(5) ISO178に準拠して測定される曲げ弾性率が1500MPa以下である、(1)から(4)いずれかに記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
本発明によれば、摺動性及び難燃性に優れ、低弾性率化されることにより摺動音の発生が抑制されたポリブチレンテレフタレート樹脂組成物が提供される。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨を限定するものではない。
以下、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂、(B)ポリエステルエラストマー、(C)不飽和カルボン酸変性オレフィン系重合体、(D)有機ハロゲン系難燃剤、(E)アンチモン化合物、(F)炭素原子数12以上の脂肪酸のエステル誘導体、その他の成分、及びポリブチレンテレフタレート樹脂組成の製造方法について順に説明する。
[(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂]
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物において用いる(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂は、少なくともテレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体(C1−6のアルキルエステルや酸ハロゲン化物等)を含むジカルボン酸成分と、少なくとも炭素原子数4のアルキレングリコール(1,4−ブタンジオール)又はそのエステル形成性誘導体を含むグリコール成分とを重縮合して得られるポリブチレンテレフタレート系樹脂である。ポリブチレンテレフタレート樹脂はホモポリブチレンテレフタレート樹脂に限らず、ブチレンテレフタレート単位を60モル%以上(特に75モル%以上95モル%以下)含有する共重合体であってもよい。
本発明において用いる(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の末端カルボキシル基量は、本発明の目的を阻害しない限り特に制限されない。本発明において用いるポリブチレンテレフタレート樹脂の末端カルボキシル基量は、30meq/kg以下が好ましく、25meq/kg以下がより好ましい。かかる範囲の末端カルボキシル基量のポリブチレンテレフタレート樹脂を用いる場合には、得られるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物が特に耐ヒートショック性に優れたものとなり、且つ、湿熱環境下での加水分解による強度低下を受けにくくなる。
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の末端カルボキシル基量の下限値は特に制限されないが、5meq/kg以上が好ましく、10meq/kg以上がより好ましい。一般的に末端カルボキシル基5meq/kg未満のポリブチレンテレフタレート樹脂の製造は困難である。また、かかる末端カルボキシル基量のポリブチレンテレフタレート樹脂を用いる場合には、耐ヒートショック性に優れるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を調製しやすい。
また、本発明において用いる(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の固有粘度は本発明の目的を阻害しない範囲で特に制限されない。(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の固有粘度(IV)は0.60dL/g以上1.2dL/g以下であるのが好ましい。さらに好ましくは0.65dL/g以上0.9dL/g以下である。かかる範囲の固有粘度のポリブチレンテレフタレート樹脂を用いる場合には、得られるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物が特に成形性に優れたものとなる。また、異なる固有粘度を有するポリブチレンテレフタレート樹脂をブレンドして、固有粘度を調整することもできる。例えば、固有粘度1.0dL/gのポリブチレンテレフタレート樹脂と固有粘度0.7dL/gのポリブチレンテレフタレート樹脂とをブレンドすることにより、固有粘度0.9dL/gのポリブチレンテレフタレート樹脂を調製することができる。(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の固有粘度(IV)は、例えば、o−クロロフェノール中で温度35℃の条件で測定することができる。
本発明において用いる(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂において、テレフタル酸及びそのエステル形成性誘導体以外のジカルボン酸成分(コモノマー成分)としては、例えば、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル等のC8−14の芳香族ジカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等のC4−16のアルカンジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等のC5−10のシクロアルカンジカルボン酸;これらのジカルボン酸成分のエステル形成性誘導体(C1−6のアルキルエステル誘導体や酸ハロゲン化物等)が挙げられる。これらのジカルボン酸成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
これらのジカルボン酸成分の中では、イソフタル酸等のC8−12の芳香族ジカルボン酸、及び、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等のC6−12のアルカンジカルボン酸がより好ましい。
本発明において用いるポリブチレンテレフタレート樹脂において、1,4−ブタンジオール以外のグリコール成分(コモノマー成分)としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−オクタンジオール等のC2−10のアルキレングリコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール;シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA等の脂環式ジオール;ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシビフェニル等の芳香族ジオール;ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加体、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド3モル付加体等の、ビスフェノールAのC2−4のアルキレンオキサイド付加体;又はこれらのグリコールのエステル形成性誘導体(アセチル化物等)が挙げられる。これらのグリコール成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
これらのグリコール成分の中では、エチレングリコール、トリメチレングリコール等のC2−6のアルキレングリコール、ジエチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール、又は、シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール等がより好ましい。
ジカルボン酸成分及びグリコール成分の他に使用できるコモノマー成分としては、例えば、4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4−カルボキシ−4’−ヒドロキシビフェニル等の芳香族ヒドロキシカルボン酸;グリコール酸、ヒドロキシカプロン酸等の脂肪族ヒドロキシカルボン酸;プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン(ε−カプロラクトン等)等のC3−12ラクトン;これらのコモノマー成分のエステル形成性誘導体(C1−6のアルキルエステル誘導体、酸ハロゲン化物、アセチル化物等)が挙げられる。
以上説明したコモノマー成分を共重合したポリブチレンテレフタレート共重合体は、いずれも(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂として好適に使用できる。また、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂として、ホモポリブチレンテレフタレート重合体とポリブチレンテレフタレート共重合体とを組み合わせて使用してもよい。
[(B)ポリエステルエラストマー]
本発明において用いる(B)ポリエステルエラストマーは、一般に、硬質ポリエステルブロック(芳香族ポリエステル等からなるハードセグメント)と、軟質ポリエステルブロック(ソフトセグメント)とがエステル結合により結合した構造を有するブロック共重合体である。(B)ポリエステルエラストマーは軟質ポリエステルブロックの種類によってポリエステル型ポリエステルエラストマーとポリエーテル型ポリエステルエラストマーとに分類でき、いずれも本発明において好適に使用できる。
以下、(B)ポリエステルエラストマーについて、ハードセグメント、ソフトセグメント、ポリエステルエラストマーの順に説明する。
〔ハードセグメント〕
以下ハードセグメントについて説明する。ハードセグメントは芳香族ポリエステル等の硬質ポリエステルにより構成される。硬質ポリエステルは、ジカルボン酸及びジオールの重縮合、オキシカルボン酸の重縮合等により得ることができる。硬質ポリエステルとしては、少なくとも1種の芳香族モノマーを含むモノマーを重縮合して得られる芳香族ポリエステルが好ましい。
芳香族ポリエステルの製造に使用される好適な芳香族モノマーとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル等の芳香族ジカルボン酸;ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビスフェノールA等の芳香族ジオール;4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4−カルボキシ−4’−ヒドロキシビフェニル等の芳香族ヒドロキシカルボン酸;これらの芳香族モノマーのアルキル、アルコキシ、又はハロゲン置換体;これらの芳香族モノマーのC1−6アルキルエステル、酸ハロゲン化物、アセチル化物等のエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの芳香族モノマーは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
芳香族ポリエステルは、上記の芳香族モノマーの他のコモノマー成分を共重合したものであってもよい。コモノマー成分の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−オクタンジオール等のアルキレングリコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール;シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA等の脂環式ジオール;コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等のアルカンジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等のシクロアルカンジカルボン酸;グリコール酸、ヒドロキシカプロン酸等の脂肪族ヒドロキシカルボン酸;これらのコモノマー成分のC1−6アルキルエステル、酸ハロゲン化物、アセチル化物等のエステル形成性誘導体が挙げられる。これらのコモノマー成分は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
ハードセグメントを構成する芳香族ポリエステルは、芳香族モノマーを用いて得られるものであれば特に制限されない。ハードセグメントを構成する好適な芳香族ポリエステルとしては、例えば、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、及び芳香族ヒドロキシカルボン酸かなる群から選択される1種以上のモノマーを重縮合して得られる全芳香族ポリエステル;芳香族ジカルボン酸と非芳香族ジオール(脂肪族ジオール、脂環族ジオール等)とを重縮合して得られる芳香族ポリエステル;非芳香族ジカルボン酸(アルカンジカルボン酸、シクロアルカンジカルボン酸等)と芳香族ジオールとを重縮合して得られる芳香族ポリエステル;芳香族ヒドロキシカルボン酸と脂肪族ヒドロキカルボン酸とを共重合して得られる芳香族ポリエステルが挙げられる。
ハードセグメントを構成する芳香族ポリエステルとしては、結晶性芳香族ポリエステル、又は液晶ポリエステルが好ましく、結晶性芳香族ポリエステルがより好ましい。ハードセグメントを構成する好適な結晶性芳香族ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等のC2−4アルキレンアリレート;モノマー全量に対して1モル%以上30モル%以下(より好ましくは3モル%以上25モル%以下、特に好ましくは5モル%以上20モル%以下)のコモノマー成分により変性された変性C2−4アルキレンアリレートが挙げられる。(B)ポリエステルエラストマーとしては、得られるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物が成形加工が容易で機械的特性が高いことから、ポリブチレンテレフタレートセグメントをハードセグメントとして有するポリエステルエラストマーを用いるのが好ましい。
〔ソフトセグメント〕
以下ソフトセグメントについて説明する。(B)ポリエステルエラストマーのうちポリエステル型ポリエステルエラストマーは、前述のハードセグメントと軟質ポリエステルからなるソフトセグメントとから構成される。ソフトセグメントを構成する軟質ポリエステルは、ジカルボン酸とジオールとの重縮合、ヒドロキシカルボン酸やラクトンの重縮合等により得ることができる。軟質ポリエステルは、ハードセグメントを構成する硬質ポリエステルよりも柔軟な構造のポリエステルが使用され、通常、少なくとも1種の脂肪族モノマー成分を含むモノマーを重縮合して得られる。
軟質ポリエステルのモノマーとして使用される脂肪族モノマー成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−オクタンジオール等のアルキレングリコール;ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、及びポリオキシテトラメチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール;コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等のアルカンジカルボン酸;グリコール酸、ヒドロキシカプロン酸等の脂肪族ヒドロキシカルボン酸;プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン(ε−カプロラクトン等)等のラクトン;これらの脂肪族モノマー成分のC1−6アルキルエステル、酸ハロゲン化物、アセチル化物等のエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの脂肪族モノマー成分は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。これらの脂肪族モノマー成分は、必要に応じて、脂環族ジオール、シクロアルカンジカルボン酸等の非芳香族モノマーと組み合わせて用いることができる。
ポリエステル型ポリエステルエラストマーのソフトセグメントを構成する軟質ポリエステルとしては、アルカンジカルボン酸と脂肪族ジオールとから得られる脂肪族ポリエステルや、ラクトンの開環重合により得られるポリラクトンが好ましい。
(B)ポリエステルエラストマーのうちポリエーテル型ポリエステルエラストマーは、前述のハードセグメントと、少なくともポリエーテル単位とを有するソフトセグメントとから構成される。
ポリエーテル型ポリエステルエラストマーのソフトセグメントに含まれるポリエーテル単位としては、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、及びポリオキシテトラメチレングリコール等のポリオキシC2−6アルキレングリコール単位を含む脂肪族ポリエーテル単位や、ポリオキシC2−6アルキレングリコール単位を含む脂肪族ポリエーテル単位を有するポリエステル単位等が挙げられる。
脂肪族ポリエーテル単位としては、ポリエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、及びポリオキシテトラメチレングリコール等のポリオキシC2−4アルキレングリコールに由来する単位が好ましい。
脂肪族ポリエーテル単位を有するポリエステル単位としては、ポリオキシアルキレングリコールと、アルカンジカルボン酸、シクロアルカンジカルボン酸等の非芳香族ジカルボン酸や非芳香族ジカルボン酸のエステル形成性誘導体とから得られるポリエステル単位が好ましい。
〔ポリエステルエラストマー〕
本発明において用いる(B)ポリエステルエラストマーは、以上説明したハードセグメントを与える成分と、ソフトセグメントを与える成分とを、公知の方法に従い共重合することによって調製することができる。
本発明において用いる好適なポリエステル型ポリエステルエラストマーの例としては、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂と共重合成分(エチレングリコール、イソフタル酸等)との共重合体等の芳香族結晶性ポリエステル、又は、液晶ポリエステルからなるハードセグメントと、C2−6アルキレングリコールとC6−12アルカンジカルボン酸との共重合により得られる脂肪族ポリエステルからなるソフトセグメントとから構成されるブロック共重合体が挙げられる。
本発明において用いる好適なポリエーテル型ポリエステルエラストマーの例としては、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂と共重合成分(エチレングリコール、イソフタル酸等)との共重合体等の芳香族結晶性ポリエステル、又は、液晶ポリエステルからなるハードセグメントと、ポリオキシテトラメチレングリコール等のポリオキシC2−4アルキレングリコール及びジカルボン酸の重縮合により得られるポリエステルからなるソフトセグメントとから構成されるブロック共重合体が挙げられる。
(B)ポリエステルエラストマーにおいて、ハードセグメントとソフトセグメントとの質量比は、ソフトセグメント/ハードセグメントの比率として、10/90以上90/10以下が好ましく、20/80以上80/20以下がより好ましく、30/70以上70/30以下が特に好ましく、40/60以上60/40以下が最も好ましい。
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物における、(B)ポリエステルエラストマーの含有量は、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)ポリエステルエラストマーとの合計量100質量部に対して、25質量部以上50質量部以下であって、25質量部以上45質量部以下であるのがより好ましい。かかる範囲で、(B)ポリエステルエラストマーをポリブチレンテレフタレート樹脂組成物に配合することによって、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の曲げ弾性率を良好に低減することができる。
また、本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物における、(B)ポリエステルエラストマーの含有量は、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物全量に対して27質量%以下であって、15質量%以上27質量%以下であるのがより好ましく、17質量%以上27質量%以下であるのが特に好ましい。かかる範囲で、(B)ポリエステルエラストマーをポリブチレンテレフタレート樹脂組成物に配合することによって、難燃性を大きく損なうことなく、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の曲げ弾性率を良好に低減することができる。
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物において、(B)ポリエステルエラストマーは2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
[(C)不飽和カルボン酸変性オレフィン系重合体]
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物において用いる(C)不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系重合体は、(c−1)オレフィン系重合体が、(c−2)不飽和カルボン酸又はその誘導体によって変性されたものである。
(c−1)オレフィン系重合体としては、オレフィン系単量体の単独重合体、オレフィン系単量体の共重合体、オレフィン系単量体とα,β−不飽和カルボン酸及び/又はα,β−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体等が挙げられる。
オレフィン系単量体の単独重合体、又は共重合体は、オレフィン系単量体から選択される少なくとも1種の単量体に由来する単位から構成される。また、オレフィン系単量体とα,β−不飽和カルボン酸及び/又はα,β−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体は、オレフィン系単量体から選択される少なくとも1種の単量体に由来する単位と、α,β−不飽和カルボン酸及び/又はα,β−不飽和カルボン酸エステルから選択される少なくとも1種の単量体に由来する単位とから構成される。
(c−1)オレフィン系重合体がオレフィン系単量体の共重合体である場合、ランダム共重合体でもよく、ブロック共重合体でもよく、グラフト共重合体でもよい。
オレフィン系単量体としては、α−オレフィンが挙げられ、α−オレフィンの炭素原子数は、2〜20が好ましく、2〜16がより好ましく、2〜10が特に好ましい。
(c−1)オレフィン系重合体の製造に用いられるオレフィン系単量体として好適なα−オレフィンの具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、1−ヘキセン、2,3−ジメチル−2−ブテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられる。これらの単量体は、1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
(c−1)オレフィン系重合体の製造に用いられるα,β−不飽和カルボン酸又はα,β−不飽和カルボン酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等が挙げられる。α,β−不飽和カルボン酸エステルが、(メタ)アクリル酸アルキルエステルである場合、C1−10アルキルエステルが好ましく、C1−6アルキルエステルがより好ましい。α,β−不飽和カルボン酸エステルが、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルである場合、C2−6ヒドロキシアルキルエステルが好ましく、C2−4ヒドロキシアルキルエステルがより好ましい。
(c−1)オレフィン系重合体の製造に用いられるα,β−不飽和カルボン酸又はα,β−不飽和カルボン酸エステルとして好適な化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル等が挙げられる。これらの化合物の中では、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチルがより好ましい。
以上説明したオレフィン系単量体、α,β−不飽和カルボン酸、及びα,β−不飽和カルボン酸エステルの他に、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン2,5−ノルボナジエン等の炭素原子数6〜10の非共役ジエン化合物;ブタジエン、イソプレン、ピペリレン等の共役ジエン化合物;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;ビニルメチルエーテル等のビニルエーテル;ビニル基含有ポリジオルガノシロキサン等のビニル基含有シリコーン等を、本発明の目的を阻害しない範囲で(c−1)オレフィン系重合体の単量体として使用することができる。
(c−1)オレフィン系重合体の製造に用いられる単量体は、エチレン及び/又はプロピレンを含むのが好ましく、エチレンを含むものがより好ましい。
好適な(c−1)オレフィン系重合体の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、C2−3オレフィン−(メタ)アクリル酸C1−4アルキルエステル共重合体(エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体等)等が挙げられる。
(c−1)オレフィン系重合体を変性するための変性成分である(c−2)不飽和カルボン酸又はその誘導体としては、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸、ナジック酸、メチルナジック酸、アリルコハク酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸、又は、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸の誘導体が挙げられる。これらの変性成分の中では、無水マレイン酸を用いるのがより好ましい。これらの変性成分は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(C)不飽和カルボン酸変性オレフィン系重合体において、(c−2)不飽和カルボン酸又はその誘導体による変性量は、(C)不飽和カルボン酸変性オレフィン系重合体の質量に対して、0.1質量%以上5質量%以下が好ましく、0.5質量%以上3質量%以下がより好ましい。(C)不飽和カルボン酸変性オレフィン系重合体の変性量が少なすぎる場合、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物中で(C)不飽和カルボン酸変性オレフィン系重合体が分離しやすく、成形時に剥離やモールドデポジット等の問題が生じる場合がある。変性量が多すぎる場合、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物に未反応の(b−2)不飽和カルボン酸又はその誘導体が持ち込まれやすく、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物に臭気が生じやすい。
(C)不飽和カルボン酸変性オレフィン系重合体を製造する方法としては、例えば、以下のi)又はii)の方法が挙げられる。
i)(c−2)不飽和カルボン酸又はその誘導体を適切な有機化酸化物等のラジカル開始剤とともに加熱して、溶融状態で(c−1)オレフィン系重合体にグラフトして、(c−1)オレフィン系重合体を変性する方法。
ii)少なくともオレフィン系単量体を含む単量体と、(c−2)不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体とを共重合する方法。
(C)不飽和カルボン酸変性オレフィン系重合体を製造する方法としては、不飽和カルボン酸変性オレフィン系重合体を構成する繰り返し単位の比率をコントロールしやすいことから、i)の方法がより好ましい。
(C)不飽和カルボン酸変性オレフィン系重合体の具体例としては、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性(エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体)、無水マレイン酸変性(エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体)等の無水マレイン酸変性オレフィン系重合体や、(メタ)アクリル酸変性ポリエチレン、(メタ)アクリル酸変性ポリプロピレン、(メタ)アクリル酸変性(エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体)、(メタ)アクリル酸変性(エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体)等の(メタ)アクリル酸変性オレフィン系重合体が挙げられる。
(C)不飽和カルボン酸変性オレフィン系重合体は、2種以上を組み合わせて使用することができる。(C)不飽和カルボン酸変性オレフィン系重合体の好適な組み合わせとしては、無水マレイン酸変性ポリエチレンと無水マレイン酸変性(エチレン−アクリル酸エチル共重合体)との組み合わせ、無水マレイン酸変性ポリプロピレンと無水マレイン酸変性(エチレン−メタクリル酸メチル共重合体)との組み合わせ等が挙げられる。
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物における、(C)不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系重合体の含有量は、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)ポリエステルエラストマーとの合計量100質量部に対して、1質量部以上15質量部以下であるのが好ましく、1質量部以上〜12質量部以下であるのがより好ましく、1質量部以上10質量部以下であるのが特に好ましい。
ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物における(C)不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン系重合体の含有量が少なすぎる場合、十分な摺動特性を得にくく、含有量が多すぎる場合には、耐摩耗性が悪化する場合がある。
[(D)有機ハロゲン系難燃剤]
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物において用いる(D)有機ハロゲン系難燃剤は、ハロゲンを含有する有機化合物であって、高分子材料を難燃化できるものであれば特に限定されず、高分子材料用に市販されている種々の難燃剤を使用することができる。
(D)有機ハロゲン系難燃剤が含むハロゲンとしては臭素が好ましい。(D)有機ハロゲン系難燃剤に含まれるハロゲンの量は、20質量%以上であるのが好ましい。ハロゲンの量が少なすぎる場合、所望の難燃性を得るためにポリブチレンテレフタレート樹脂組成物に大量に難燃剤を配合する必要が生じ、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の機械的性質が損なわれる場合がある。
(D)有機ハロゲン系難燃剤の分子量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、低分子化合物であっても、高分子化合物であってもよい。本発明において好適に使用される(D)有機ハロゲン系難燃剤の具体例としては、ヘキサブロモベンゼン、デカブロモジフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノールA、ハロゲン化ビスイミド化合物、ハロゲン化ビスフェノールAに由来する単位を含むポリカーボネートオリゴマー、ハロゲン化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンの反応生成物であるジエポキシ化合物、ハロゲン化ポリスチレン、ハロゲン化アクリルポリマー、ペンタブロモポリベンジルアクリレート等が挙げられる。これらの(D)有機ハロゲン系難燃剤は、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの(D)有機ハロゲン系難燃剤の中では、得られるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物が成形加工性や機械的特性に優れる点で、ペンタブロモポリベンジルアクリレートを用いるのがより好ましい。
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物における、(D)有機ハロゲン系難燃剤の含有量は、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)ポリエステルエラストマーとの合計量100質量部に対して、5〜50質量部が好ましく、10〜40質量部がより好ましい。(D)有機ハロゲン系難燃剤の含有量をかかる範囲とすることで、良好な難燃性を有するポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を調製できる。
[(E)アンチモン化合物]
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物において用いる(E)アンチモン化合物は難燃助剤として用いるものである。本発明において用いる(E)アンチモン化合物は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、好適な(E)アンチモン化合物の具体例として、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、ハロゲン化アンチモン等が挙げられる。これらのアンチモン化合物は2種以上を組み合わせて用いてもよく、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫化亜鉛等の他の難燃助剤と組み合わせて用いてもよい。
(E)アンチモン化合物の形態は、本発明のポリエステル樹脂組成物が良好な難燃性を有する限り特に限定されないが、粒子状であるのが好ましく、平均粒子径0.1〜10μmの粒子状であるのがより好ましい。
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物における、(E)アンチモン化合物の含有量は、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)ポリエステルエラストマーとの合計量に100質量部に対して、1質量部以上25質量部以下であるのが好ましく、5質量部以上20質量部以下であるのがより好ましい。ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物がかかる範囲の量で(E)アンチモン化合物を含有することにより、良好な難燃性が得られる。
[(F)炭素原子数12以上の脂肪酸のエステル誘導体]
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物において用いる(F)炭素原子数12以上の脂肪酸のエステル誘導体は、炭素原子数12以上の脂肪酸又はそのエステル形成性誘導体、より好ましくは炭素原子数16以上の脂肪酸又はそのエステル形成性誘導体と、種々のアルコール又はそのエステル形成性誘導体とを、酸触媒によるエステル合成、カルボン酸ハライドとアルコールとの反応、アルコールアセテート等と脂肪酸とのエステル交換反応等の公知の方法により反応されることにより製造することができる。
(F)炭素原子数12以上の脂肪酸のエステル誘導体を構成する脂肪酸の分子量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、400以上2000以下が好ましく、600以上1700以下が好ましく、1000以上1500以下が特に好ましい。分子量が大きすぎるとポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の耐摩耗性が低下しやすく、分子量が小さすぎると、溶融混練してポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を調製する際の揮発の影響により所望の摺動性の改良効果を得にくい。
(F)炭素原子数12以上の脂肪酸のエステル誘導体を構成する脂肪酸は本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸、セトレイン酸、エルカ酸等が挙げられる。
(F)炭素原子数12以上の脂肪酸のエステル誘導体の原料のアルコールは、本発明の目的を阻害しない範囲で特に制限されず、1価アルコール、2価アルコール、又は3価以上の多価アルコールであってよい。(F)炭素原子数12以上の脂肪酸のエステル誘導体を構成する好適なアルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキシルデシルアルコール、オクチルドデシルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、グリセリン、エリスリトール、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
(F)炭素原子数12以上の脂肪酸のエステル誘導体の原料のアルコールが2価以上の多価アルコールである場合、(F)炭素原子数12以上の脂肪酸のエステル誘導体は未反応の水酸基を有さないものであるのが好ましい。
(F)炭素原子数12以上の脂肪酸のエステル誘導体が水酸基を持たない場合、エステル交換反応による(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の分解に起因するポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の溶融時の粘度低下の問題等が生じにくい。
(F)炭素原子数12以上の脂肪酸のエステル誘導体として好適な化合物の例としては、ステアリルステアレート、ステアリルベヘネート、ベヘニルベヘネート、エチレングリコールジステアレート、エチレングリコールジベヘネート、グリセリントリステアレート、グリセリントリベヘネート、トリメチロールプロパントリステアレート、トリメチロールプロパントリイソステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトライソステアレート等が挙げられる。これらの化合物の中では、分子量が大きいため、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の調製時の(F)炭素原子数12以上の脂肪酸のエステル誘導体の揮発の問題が生じ難く、摺動性の改良効果が高い点で、ペンタエリスリトールテトラステアレート、又はペンタエリスリトールテトライソステアレートがより好ましい。
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物において、(F)炭素原子数12以上の脂肪酸のエステル誘導体は、2種以上の化合物を組み合わせて用いてもよい。
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物における(F)炭素原子数12以上の脂肪酸エステル誘導体の含有量は、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂及び(B)ポリエステルエラストマーの合計量100質量部に対して0.05質量部以上10質量部以下であるのが好ましく、0.05質量部以上8質量部以下であるのがより好ましい。
[その他の成分]
成形品の用途によっては、UL規格94の難燃区分「V−0」であることを要求される場合がある。その場合には、本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物にフッ素系樹脂等の滴下防止剤を難燃剤とともに用いることが好ましい。
滴下防止剤として好適なフッ素系樹脂としては、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル等のフッ素含有モノマーの単独又は共重合体や、前記フッ素含有モノマーとエチレン、プロピレン、(メタ)アクリレート等の共重合性モノマーとの共重合体が挙げられる。これらのフッ素系樹脂は1種又は2種以上を混合して使用できる。
このようなフッ素系樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等の単独重合体や、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体等の共重合体が例示される。
フッ素系樹脂の添加量は、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂100質量部に対して10質量部以下が好ましく、0.1質量部以上5質量部以下がより好ましく、0.2質量部以上1.5質量部以上がさらに好ましい。
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物はさらにその目的に応じて、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、染料、顔料、潤滑剤、可塑剤、離型剤、結晶化促進剤、結晶核剤、エポキシ化合物等の種々の添加剤を含んでいてもよい。
[ポリブチレンテレフタレート樹脂組成の製造方法]
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、従来、熱可塑性樹脂組成物の製造方法として知られる種々の方法によって製造することができる。本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の製造方法として好適な方法としては、例えば、1軸又は2軸押出機等の溶融混練装置を用いて、各成分を溶融混練して押出しペレットとする方法が挙げられる。
以上説明した(A)〜(F)の成分に、所望によりその他の成分を組み合わせて調製される本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、摺動性及び難燃性に優れるものである。
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、前述の通り、難燃性に優れるものであって、厚さ0.8mmの試験片を用いてアンダーライターズ・ラボラトリーズのUL−94規格垂直燃焼試験により測定される難燃性評価で、V−1又はV−0を示し、より好ましくはV−0を示す。
また、本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、ISO178に準拠して測定される曲げ弾性率が、1500MPa以下、より好ましくは500MPa以上1500MPa以下、特に好ましくは800MPa以上1500MPa以下に低下されたものであって、摺動音の発生が低減されるものである。
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、摺動性、難燃性に優れるとともに、曲げ弾性率が低く摺動音の発生を低減できるので、種々の電気・電子製品、OA機器等に用いられるローラ、ギア、カム、ガイド、ピストン、ブッシング、ベアリング、軸受け、スリーブ、キャリッジ、スイッチ部品、ストッパ、アーム、シャッタ部品、ピン、ホルダ、レバー、シャフト等の摺動部品の材料として好適に使用される。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
<実施例1〜3、及び比較例1〜3>
実施例1〜3、及び比較例1〜3において、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の成分として、以下の材料を用いた。
〔(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂〕
A1:固有粘度0.875のポリブチレンテレフタレート樹脂(ウィンテックポリマー株式会社製)
A2:固有粘度1.1のポリブチレンテレフタレート樹脂(ウィンテックポリマー株式会社製)
〔(B)ポリエステルエラストマー〕
B1:エーテル系ポリブチレンテレフタレートエラストマー(東洋紡績株式会社製、ペルプレンGP400)
〔(C)不飽和カルボン酸変性オレフィン系重合体〕
C1:無水マレイン酸変性ポリエチレン(三井化学株式社製、タフマーMM6850)
〔(D)有機ハロゲン系難燃剤〕
D1:ペンタブロモポリベンジルアクリレート(ICL−IP JAPAN株式会社製、FR−1025)
〔(E)アンチモン化合物〕
E1:三酸化アンチモン(日本精鉱株式社製、PATOX−M)
〔(F)炭素原子数12以上の脂肪酸のエステル誘導体〕
F1:ペンタエリスリトールテトラステアレート(日油株式会社製、ユニスターH476、分子量1174)
〔その他の成分〕
G1:テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(酸化防止剤、チバ・ジャパン株式会社製、IRGANOX1010)
G2:ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(酸化防止剤、株式会社アデカ製、PEP−36)
G3:ポリテトラフルオロエチレン(旭硝子株式会社製、フルオンCD−076)
表1に示す成分を、表1に示す含量(質量部)の比率でドライブレンドし、2軸押出機((株)日本製鋼所製TEX−30)を用いて、シリンダー温度260℃、吐出量15kg/hr、スクリュー回転数150rpmの条件で溶融混練してポリブチレンテレフタレート樹脂組成物のペレットを作成した。得られたペレットを用いて試験片を作製し、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の、溶融粘度、引張り強さ、引張り伸び、曲げ応力、曲げ弾性率、シャルピー衝撃強さ、難燃性、及び摩擦係数を測定した。実施例1〜3、及び比較例1〜3のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の、溶融粘度、引張り伸び、曲げ応力、曲げ弾性率、シャルピー衝撃強さ、難燃性、及び摩擦係数の測定結果を表1に記す。
また、表1に、(B)/(A+B)として、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)ポリエステルエラストマーとの合計量に対する、(B)ポリエステルエラストマーの質量比を示す。
なお、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物の各物性は以下の方法に従い測定した。
<溶融粘度>
ISO1143に準拠しシリンダー温度260℃、剪断速度1000sec−1で測定した。
<引張り強さ、及び引張り伸び>
ISO527−1,2に準拠し、引張り強さ、及び引張り伸びの測定を行った。
<曲げ応力、及び曲げ弾性率>
ISO178に準拠し、曲げ強さ、及び曲げ弾性率の測定を行った。
<シャルピー衝撃強さ>
ISO179/1eAに準拠し、シャルピー衝撃強さの測定を行った。
<難燃性>
試験片(0.8mm厚み)について、アンダーライターズ・ラボラトリーズのUL−94規格垂直燃焼試験により実施した。
<摩擦係数、及び摺動音>
鈴木式摩擦摩耗試験機を用い加圧0.9kg/cm、線速度300mm/sec、接触面積2.0cm、相手材として#600の研磨紙で表面粗さRzの範囲が0.5〜0.7μmとなるように表面を平滑に研磨したSUS304を用い、24時間摺動させた後の動摩擦係数を測定した。また、この摺動条件下で摺動音の発生の有無を確認した。
Figure 0005778659
表1より、(B)ポリエステルエラストマーの含有量が、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)ポリエステルエラストマーとの合計量100質量部に対して25質量部以上50質量部である、実施例1〜3及び比較例3では、曲げ弾性率が1000MPa以上1500MPa以下の範囲に良好に低下していることが分かる。
一方、(B)ポリエステルエラストマーの含有量が、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)ポリエステルエラストマーとの合計量100質量部に対して25質量部未満である、比較例1及び2では、曲げ弾性率が1600MPa以上の高い値である。
また、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物全量に対する(B)ポリエステルエラストマーの含有量が27質量%を越える比較例3のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物は、曲げ弾性率は低いものの、燃焼性試験の結果がHBであり難燃性に劣るものであった。
さらに、摺動音について、比較例1、及び比較例2では大きなきしみ音を発生したが、実施例1〜3、及び比較例3ではきしみ音を発生せず静音な状態を維持した。
以上のように、実施例及び比較例から、ポリエステル樹脂組成物を、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂、(B)ポリエステルエラストマー、(C)不飽和カルボン酸変性オレフィン系重合体、(D)有機ハロゲン系難燃剤、(E)アンチモン化合物、及び(F)炭素原子数12以上の脂肪酸のエステル誘導体を含むものとし、(B)ポリエステルエラストマーの含有量を、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)ポリエステルエラストマーとの合計量100質量部に対して25質量部以上50質量部以下であり、且つ、ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物全量に対して27質量%以下とすることによって、摺動特性及び難燃性に優れ、且つ、曲げ弾性率が十分に低下されることにより摺動音の発生が抑制されたポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を調製できることが分かる。

Claims (5)

  1. (A)ポリブチレンテレフタレート樹脂、(B)ポリエステルエラストマー、(C)不飽和カルボン酸変性オレフィン系重合体、(D)有機ハロゲン系難燃剤、(E)アンチモン化合物、及び(F)炭素原子数12以上の脂肪酸のエステル誘導体を含み、下記(I)(II)、及び(III)の条件を満たすポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
    (I)前記(B)ポリエステルエラストマーの含有量が、前記(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と前記(B)ポリエステルエラストマーとの合計量100質量部に対して25質量部以上50質量部以下である。
    (II)前記(B)ポリエステルエラストマーの含有量が、前記ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物全量に対して27質量%以下である。
    (III)前記(D)有機ハロゲン系難燃剤の含有量が、前記(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と前記(B)ポリエステルエラストマーとの合計量100質量部に対して、(18.72/64.12×100)質量部以上50質量以下である。
  2. 前記(B)ポリエステルエラストマーが、ハードセグメントとしてポリブチレンテレフタレートセグメントを有するものである、請求項1記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
  3. 前記(C)不飽和カルボン酸変性オレフィン系重合体が、無水マレイン酸変性ポリエチレンである、請求項1又は2記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
  4. 前記(D)有機ハロゲン系難燃剤が、ペンタブロモポリベンジルアクリレートである、請求項1から3いずれかに記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
  5. ISO178に準拠して測定される曲げ弾性率が1500MPa以下である、請求項1から4いずれかに記載のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物。
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