JPH11310692A - コネクター成形用樹脂材料 - Google Patents

コネクター成形用樹脂材料

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JPH11310692A
JPH11310692A JP12137698A JP12137698A JPH11310692A JP H11310692 A JPH11310692 A JP H11310692A JP 12137698 A JP12137698 A JP 12137698A JP 12137698 A JP12137698 A JP 12137698A JP H11310692 A JPH11310692 A JP H11310692A
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Japan
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resin material
molding
weight
resin
connector
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JP12137698A
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English (en)
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Hidetoshi Sakai
秀敏 坂井
Hiromitsu Ishii
博光 石井
Naoya Iwamura
尚哉 岩村
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的物性、耐熱性、成形性、難燃性が優れ
たコネクター成形用材料を提供する。特に薄肉部分の靱
性や耐熱性に優れることで、2種類以上の成形品を一体
化する機構を有するコネクターに有用な樹脂材料を提供
する。 【解決手段】 熱可塑性ポリエステル樹脂80〜99重
量部と有機臭素化合物1〜20重量部とからなるコネク
ター成形用樹脂材料;または、熱可塑性ポリエステル樹
脂50〜98.9重量部とポリオレフィンおよび/また
はポリエステル系エラストマー0.1〜30重量部と有
機臭素化合物1〜20重量部とからなるコネクター成形
用樹脂材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性、機械的物
性、成形性に優れたコネクター成形用樹脂材料で、特に
薄肉成形品の靱性や耐熱性に優れ、自動車部品のワイヤ
ーハーネスコネクター用部品に適したコネクター用材料
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリブチレンテレフタレートやポリエチ
レンテレフタレートに代表される熱可塑性ポリエステル
は機械的特性、耐熱性、耐薬品性、耐候性、電気的特性
に優れているので自動車、電気・電子部品など広い分野
で使用されている。しかし高温高湿の条件下に長時間さ
らされると、加水分解と熱劣化が次第に進行して靭性が
低下する問題があった。そこで、靱性や耐加水分解性に
優れる各種エラストマーを熱可塑性ポリエステルと併用
することで上記問題を解消する検討がなされている。
【0003】一方で、樹脂材料に対して安全性の面から
難燃性の要求が高まり、種々の難燃性規格が定められて
いる。樹脂に難燃性を付与する方法についても各種方法
が考案されており、一般的には難燃効果の高い臭素化合
物などのハロゲン化合物や酸化アンチモンなどを樹脂に
添加する方法が広く利用されている。しかし、単に樹脂
にこれらの難燃剤を添加する方法では、靱性が低下する
ため耐屈曲性が必要とされる用途においては使用が制限
されているのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明では、熱
可塑性ポリエステルの特性を損なうことなく、靱性を付
与すると共に難燃性を有するコネクター成形用樹脂材料
を得ることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究した結果、本発明に到達した。すな
わち、 (1)(A)熱可塑性ポリエステル樹脂80〜99重量
部と、(C)有機臭素化合物1〜20重量部とからなる
コネクター成形用樹脂材料。 (2)(A)熱可塑性ポリエステル樹脂50〜98.9
重量部と、(B)ポリオレフィンおよび/またはポリエ
ステル系エラストマー0.1〜30重量部と、(C)有
機臭素化合物1〜20重量部とからなるコネクター成形
用樹脂材料。 (3)(B)成分が、ポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレンプロピレンゴムが不飽和カルボン酸またはその
誘導体で変性されたポリオレフィンのうちの1種類以上
である上記(2)記載のコネクター成形用樹脂材料。 (4)(B)成分がポリエステル系エラストマーである
上記(2)記載のコネクター成形用樹脂材料。 (5)(A)成分が、ポリブチレンテレフタレートであ
る上記(1)〜(4)記載のコネクター成形用樹脂材
料。 (6)(A)成分が、ポリブチレンテレフタレート50
〜99重量%と、ポリエチレンテレフタレート、ポリカ
ーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリシクロヘ
キサンジメチレンテレフタレートから選ばれる1種類以
上1〜50重量%とを混合してなる樹脂混合物である上
記(1)〜(4)記載のコネクター成形用樹脂材料。 (7)(C)有機臭素化合物がペンタブロモベンジルア
クリレートポリマーおよび/または臭素化エポキシ化合
物である上記(1)〜(6)記載のコネクター成形用樹
脂材料。 (8)アンチモン化合物の含有量が0〜1重量%である
上記(1)〜(7)記載のコネクター成形用樹脂材料。 (9)上記(1)〜(8)記載のコネクター成形用樹脂
材料からなる成形品の2種類以上からなり、かつ、はめ
合い一体化する機構を有するコネクター。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、熱可塑性ポリエステル
樹脂にポリオレフィンおよび/またはポリエステル系エ
ラストマー、有機臭素化合物を配合することが重要であ
り、熱可塑性ポリエステルの優れた特性、例えば剛性、
成形性などを維持したままで靱性が改良され、難燃性に
優れた成形用樹脂が得られる。
【0007】本発明で用いる(A)熱可塑性ポリエステ
ル樹脂とはジカルボン酸(あるいは、そのエステル形成
性誘導体)とジオール(あるいはそのエステル形成性誘
導体)とを主成分とする縮合反応により得られる重合体
ないしは共重合体である。
【0008】上記ジカルボン酸としてはテレフタル酸、
イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カ
ルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン
酸、4,4´−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−
ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン
酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン
ジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロヘ
キサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボ
ン酸などの脂環式ジカルボン酸およびこれらのエステル
形成性誘導体などが挙げられる。
【0009】またジオール成分としては炭素数2〜20
の脂肪族グリコールすなわち、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、シクロ
ヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオールなど、
あるいは分子量400〜6000の長鎖グリコール、す
なわちポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピ
レングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどお
よびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
【0010】これらの重合体ないしは共重合体の好まし
い例としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチ
レン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリブチレ
ン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テ
レフタレート/セバケート)、ポリブチレン(テレフタ
レート/デカンジカルボキシレート)、ポリブチレンナ
フタレ−ト、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリエチレン
(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレン(テレ
フタレート/5−ナトリウムスルホイソフタレート)、
ポリブチレン(テレフタレート/5−ナトリウムスルホ
イソフタレート)、ポリエチレンナフタレ−ト、ポリシ
クロヘキサンジメチレンテレフタレートなどが挙げら
れ、熱可塑性ポリエステル組成物の成形性からポリブチ
レンテレフタレート、ポリブチレン(テレフタレート/
アジペート)、ポリブチレン(テレフタレート/デカン
ジカルボキシレート)、ポリブチレンナフタレ−ト、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン(テレフタレ
ート/アジペート)、ポリエチレンナフタレート、ポリ
シクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどが特に好
ましく、最も好ましいのはポリブチレンテレフタレート
である。
【0011】また、これら(A)熱可塑性ポリエステル
樹脂はo−クロロフェノール溶液を25℃で測定したと
きの固有粘度が0.36〜1.60、とくに0.52〜
1.35の範囲にあるものが機械的特性、成形性の点か
ら好適である。固有粘度が0.36未満では機械的特性
が不良であり、また、固有粘度が1.60を越えると成
形性が不良になりいずれも好ましくない。
【0012】また、これら(A)熱可塑性ポリエステル
樹脂としてさらに好ましくは、機械特性や難燃性を付与
する目的から上記ポリブチレンテレフタレート50〜9
9.9重量%に対して、ポリエチレンテレフタレート、
ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリシ
クロヘキサンジメチレンテレフタレートから選択される
1種類以上を1〜50重量%の範囲内で混合することも
可能である。
【0013】本発明の(B)ポリオレフィンおよび/ま
たはポリエステル系エラストマーとは、高温で可塑化さ
れ任意の形状に加工可能な熱可塑性樹脂のことを現し、
例えばガラス転移温度(Tg)が0℃未満のゴム弾性を
有するポリマーが挙げられる。具体的なポリオレフィン
としては、低密度ポリエチレンや高密度ポリエチレンな
どのポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピ
レン共重合体、エチレン・ブテン−1共重合体、エチレ
ン・ペンテン−1共重合体、エチレン・プロピレン・ブ
テン−1共重合体、エチレン・プロピレン・5−エチリ
デン−2−ノルボーネン共重合体、エチレン・プロピレ
ン・1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン・プロピ
レン・ジシクロペンタンジエン共重合体、エチレン・ア
クリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル
共重合体、エチレン・グリシジルメタクリレート共重合
体などが挙げられ、なかでもポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテ
ン−1共重合体が好ましく、さらにこれらを不飽和カル
ボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィンが
好ましい。
【0014】不飽和カルボン酸またはその誘導体として
は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、テトラ
ヒドロフタル酸、シトラコン酸、ブテンジカルボン酸な
どが挙げられ、それらの誘導体としては、アルキルエス
テルおよび酸無水物などが例示される。これらのなかで
は、酸無水物が好ましく、無水マレイン酸、無水イタコ
ン酸などが好ましく使用できる。これら不飽和カルボン
酸およびその誘導体の中から2種以上併用しても良い。
【0015】ポリエステル系エラストマーとしては、ソ
フトセグメントとハードセグメントの占める割合は、重
量比で95/5〜10/90、特に90/10〜30/
70であることが好ましい。具体的なポリエステル系エ
ラストマーとしては、ポリエチレンテレフタレート・ポ
リ(テトラメチレンオキシド)グリコールブロック共重
合体、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート・
ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールブロック共
重合体、ポリブチレンテレフタレート・ポリ(テトラメ
チレンオキシド)グリコールブロック共重合体、ポリブ
チレンテレフタレート/イソフタレート・ポリ(テトラ
メチレンオキシド)グリコールブロック共重合体、ポリ
ブチレンテレフタレート/デカンジカルボキシレート・
ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールブロック共
重合体、ポリブチレンテレフタレート・ポリ(プロピレ
ンオキシド/エチレンオキシド)グリコールブロック共
重合体、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート
・ポリ(プロピレンオキシド/エチレンオキシド)グリ
コールブロック共重合体、ポリブチレンテレフタレート
/デカンジカルボキシレート・ポリ(プロピレンオキシ
ド/エチレンオキシド)グリコールブロック共重合体、
ポリブチレンテレフタレート・ポリ(エチレンオキシ
ド)グリコールブロック共重合体、ポリブチレンテレフ
タレート・ポリエチレンアジペートブロック共重合体、
ポリブチレンテレフタレート・ポリブチレンアジペート
ブロック共重合体、ポリブチレンテレフタレート・ポリ
ブチレンセバケートブロック共重合体、ポリブチレンテ
レフタレート・ポリ−ε−カプロラクトンブロック共重
合体などが挙げられる。
【0016】これらのポリエステル系エラストマの中で
特にポリブチレンテレフタレート・ポリ(テトラメチレ
ンオキシド)グリコールブロック共重合体、ポリブチレ
ンテレフタレート/イソフタレート・ポリ(テトラメチ
レンオキシド)グリコールブロック共重合体、ポリブチ
レンテレフタレート・ポリ(プロピレンオキシド/エチ
レンオキシド)グリコールブロック共重合体、ポリブチ
レンテレフタレート/イソフタレート・ポリ(プロピレ
ンオキシド/エチレンオキシド)グリコールブロック共
重合体、ポリブチレンテレフタレート・ポリブチレンア
ジペートブロック共重合体、ポリブチレンテレフタレー
ト・ポリ−ε−カプロラクトンブロック共重合体が好ま
しく用いられる。
【0017】本発明で使用される(B)ポリオレフィン
およびポリエステル系エラストマは、酸変性やエポキシ
変性など施したものや、2種類以上を組み合わせて用い
ることも可能であり、200℃におけるメルトフローレ
イト(MFR)が3〜40、とくに5〜15の範囲にあ
るものが機械的特性、成形性の点から好適である。MF
Rが3未満ではピン圧入時の割れの改善効果が十分でな
く、また、MFRが40越えると加工性が不良になりい
ずれも好ましくない。
【0018】本発明の(C)有機臭素化合物は難燃剤と
して作用するものであり、具体例としては、臭素化ポリ
カーボネート、臭素化エポキシ、臭素化フェノミシ、臭
素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリスチレン、臭
素化ビスフェノールA、臭素化ポリフェニレンフタルイ
ミド、ペンタブロベンジルアクリレートなどの1種以上
が挙げられる。これらのうちで、特にペンタブロモベン
ジルアクリレートポリマーや臭素化エポキシ化合物が、
得られる組成物の靭性や耐熱性が優れることから好まし
く使用できる。
【0019】本発明の樹脂組成物は、(A)熱可塑性ポ
リエステル樹脂と(C)有機臭素化合物の配合比は、
(A)熱可塑性ポリエステル樹脂80〜99重量部、
(C)有機臭素化合物1〜20重量部の配合割合からな
り、特に、(A)熱可塑性ポリエステル樹脂85〜98
重量部、(C)有機臭素化合物2〜15重量部の割合で
配合することが好ましい。但し、(A)と(C)との合
計が100重量部である。(A)熱可塑性ポリエステル
樹脂が80重量部より少ないと熱可塑性ポリエステル樹
脂の特性を損なうため好ましくなく、99重量部を超え
(C)有機臭素化合物が1重量部未満では十分な難燃性
が得られないため好ましくない。
【0020】また、本発明の(A)熱可塑性ポリエステ
ル樹脂と(B)ポリオレフィンおよび/またはポリエス
テル系エラストーと(C)有機臭素化合物のからなるコ
ネクター成形用樹脂材料の配合比は、(A)熱可塑性ポ
リエステル樹脂50〜98.9重量部、(B)ポリオレ
フィンおよび/またはポリエステル系エラストマー0.
1〜30重量部、(C)有機臭素化合物1〜20重量部
であり、特に、(A)熱可塑性ポリエステル樹脂70〜
98重量部、(B)ポリオレフィンおよび/またはポリ
エステル系エラストマー1〜20重量部、(C)有機臭
素化合物1〜10重量部の割合で配合することが好まし
い。但し、(A)と(B)と(C)との合計が100重
量部である。(B)ポリオレフィンおよび/またはポリ
エステル系エラストマーが1重量部未満では靱性が不十
分となり、30重量部を越えると(A)熱可塑性ポリエ
ステル樹脂の特性を損なうため好ましくない。また、
(C)有機臭素化合物が1重量部未満では十分な難燃性
が得られず、20重量部を越えると靱性が劣り、熱可塑
性ポリエステル樹脂の特性も損なわれるため好ましくな
い。
【0021】また、アンチモン化合物の含有量が(A)
熱可塑性ポリエステル樹脂と(C)有機臭素化合物およ
び、(B)ポリオレフィンおよび/またはポリエステル
系エラストマー、からなるコネクター成形用樹脂材料1
00重量%に対し、0〜1重量%、好ましくは0〜0.
5重量%であり、アンチモン化合物が含有されると靱性
が低下するため実質的に含まれていないことが好まし
い。
【0022】さらに本発明の樹脂材料に対して本発明の
目的を損なわない範囲で、酸化防止剤や熱安定剤、紫外
線吸収剤、離型剤、難燃助剤および酸化チタンやカーボ
ンブラックなどの着色剤など通常の添加剤を添加するこ
とができる。
【0023】本発明のコネクター成形用樹脂材料は通常
の製造方法で製造される。例えば(A)熱可塑性ポリエ
ステル樹脂、(B)ポリオレフィンおよび/またはポリ
エステル系エラストマー、(C)有機臭素化合物および
その他に必要に応じて添加剤を配合した原料を押出機に
供給して溶融混練する方法などを採用することができ
る。また、ハンドリング性や生産性の面から、(A)熱
可塑性ポリエステル樹脂の一部と、および/または
(B)ポリオレフィンおよび/またはポリエステル系エ
ラストマーと、(C)有機臭素化合物を一旦溶融混練し
て有機臭素化合物濃度の高い樹脂組成物を製造し、残り
の(A)熱可塑性ポリエステル樹脂や(B)ポリオレフ
ィンおよび/またはポリエステル系エラストマーと上記
の有機臭素化合物濃度の高い樹脂組成物、およびその他
の任意に用いることができる添加剤を溶融混練して製造
することもできる。
【0024】かかる有機臭素化合物濃度の高い樹脂組成
物はマスターペレットの形態で好ましく用いられるが、
形態については限定されず、いわゆるチップ状、粉末
状、あるいはそれらの混合物の形態であっても良いが、
マスターペレットと混合する(A)熱可塑性ポリエステ
ル樹脂や(B)ポリオレフィンやポリエステル系エラス
トマーの形態や大きさに、似通っているか同等である方
が均一混合する点で好ましい。また、予め(B)ポリオ
レフィンおよび/またはポリエステル系エラストマーを
押出機にて不飽和酸またはその誘導体により変性した原
料および必要によりその他の添加物を配合した原料を押
出機に供給して混練し、その後(A)熱可塑性ポリエス
テル樹脂や(C)有機臭素化合物難燃剤と押出機で混練
する方法なども採用することができる。
【0025】また、溶融混練用に用いられる装置として
は特に限定されるものではないが、例えば“ユニメル
ト”タイプのスクリューを備えた単軸押出機や2軸押出
機などの多軸押出機、ニーダータイプの混練機などを用
いることができる。
【0026】本発明のコネクター成形用樹脂材料は、一
般に射出成形により成形され、2種類以上の成形品をは
め合い一体化する機構を有するコネクターに好適な樹脂
材料である。はめ合い一体化する機構とは図1、2、3
に示す様なロック機構を有するものや、ヒンジなどによ
り2種類以上の成形品を固定するものが挙げられ、具体
的には自動車部品や電機部品のコネクターに使用するこ
とができ、特に、ワイヤーハーネスコネクターに好まし
く使用できる。
【0027】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明効果をさらに説
明する。実施例および比較例の各特性において、引張特
性はASTM D−638に従い、曲げ特性はASTM
D−790に従い、アイゾット衝撃強度はASTMD
−256に従って測定した。
【0028】成形時の流動性については、ASTM4号
ダンベルを東芝機械製IS55−EPN射出成形機で射
出する際に、射出速度を最大に設定した時に樹脂が完全
に充填される最低の射出ゲージ圧力を成形下限圧として
求めた。この成形下限圧は流動性の目安となり、圧力が
低いほど流動性や成形性の面で優れると言える。難燃性
については、JIS−K7201に従って3分以上燃え
続けるか5cm以上燃焼する酸素指数を測定し、酸素指
数25以上を難燃レベルとした。
【0029】実施例1〜6、比較例1〜2 (A)熱可塑性ポリエステル樹脂として固有粘度が1.
25dl/g(25℃、o−クロルフェノール溶液)の
ポリブチレンテレフタレート樹脂(以下PBTと略す)
と、(B)エチレンプロピレン共重合体と無水マレイン
酸を有機過酸化物の存在下で変性した酸変性エチレンプ
ロピレンゴム(以下エラストマーと略す)と、(C)有
機臭素化合物としてペンタブロモベンジルアクリレート
ポリマー(ブロモケム・ファーイースト社製FR102
5)および、難燃助剤として三酸化アンチモン、滑剤と
して脂肪酸エステルの一部を塩にしたヘキストジャパン
製“ヘキストワックスOP”と、ヒンダートフェノール
系安定剤としてチバ・ガイギー社製“IR−1010”
を表1に示す割合で混合し、シリンダー温度250℃に
設定した2軸押出機(日本製鋼所製、TEX−30α)
で押出し、ペレットを得た。
【0030】得られたペレットは130℃で5時間熱風
乾燥した後、東芝機械製IS55−EPN射出成形機を
用いてシリンダー温度260℃、金型温度40℃の条件
で射出成形し、厚さ1mmのASTM4号ダンベル試験
片を成形すると共に、成形時に樹脂が金型に充填される
最低圧力(成形下限圧)を測定した。また、同時に厚さ
1/8インチの曲げ試験片、アイゾット衝撃試験片、燃
焼試験片を成形した。ASTM4号ダンベルを用いた引
張試験については、耐熱性の目安として、試験片を15
0℃で100時間熱処理を施した後、未処理の試験片と
共に引張試験を行なった。結果を表1に示した。
【0031】
【表1】
【0032】実施例7〜12、比較例3〜4 (A)固有粘度が0.88dl/g(25℃、o−クロ
ルフェノール溶液)のポリブチレンテレフタレート樹脂
(以下PBTと略す)80重量%と、三菱エンジニアリ
ングプラスチックス(株)製ポリカーボネート樹脂(以
下PCと略す)”“ユーピロンS−3000”20重量
%を混合した熱可塑性ポリエステル樹脂と、(B)エチ
レンプロピレン共重合体と無水マレイン酸を有機過酸化
物の存在下で変性した酸変性エチレンプロピレンゴム
(以下エラストマーと略す)と、(C)臭素化エポキシ
(阪本薬品工業(株)SR−T5000)および、難燃
助剤として三酸化アンチモン、滑剤として脂肪酸エステ
ルの一部を塩にしたヘキストジャパン製“ヘキストワッ
クスOP”と、ヒンダートフェノール系安定剤としてチ
バ・ガイギー社製“IR−1010”を表2に示す割合
で混合し、シリンダー温度270℃に設定した2軸押出
機(日本製鋼所製、TEX−30α)で押出し、ペレッ
トを得た。
【0033】得られたペレットは130℃で5時間熱風
乾燥した後、東芝機械製IS55−EPN射出成形機を
用いてシリンダー温度270℃、金型温度40℃の条件
で射出成形し、厚さ1mmのASTM4号ダンベル試験
片を成形すると共に、成形時に樹脂が金型に充填される
最低圧力(成形下限圧)を測定した。また、同時に厚さ
1/8インチの曲げ試験片、アイゾット衝撃試験片、燃
焼試験片を成形した。ASTM4号ダンベルを用いた引
張試験については、耐熱性の目安として、試験片を15
0℃で100時間熱処理を施した後、未処理の試験片と
共に引張試験を行なった。結果を表2に示した。
【0034】
【表2】
【0035】実施例13〜18、比較例5〜6 (A)固有粘度が0.88dl/g(25℃、o−クロ
ルフェノール溶液)のポリブチレンテレフタレート樹脂
(以下PBTと略す)80重量%と、固有粘度が0.6
5dl/g(25℃、o−クロルフェノール溶液)のポ
リエチレンテレフタレート樹脂(以下PETと略す)2
0重量%を混合した熱可塑性ポリエステル樹脂と、
(B)東レデュポン(株)製“ハイトレル5557”
(以下エラストマーと略す)と、(C)臭素化ポリフェ
ニレンエーテル(第1工業製薬(株)”ピロガード“S
R−400A)および、難燃助剤として三酸化アンチモ
ン、滑剤として脂肪酸エステルの一部を塩にしたヘキス
トジャパン製“ヘキストワックスOP”と、ヒンダート
フェノール系安定剤としてチバ・ガイギー社製“IR−
1010”を表3に示す割合で混合し、シリンダー温度
270℃に設定した2軸押出機(日本製鋼所製、TEX
−30α)で押出し、ペレットを得た。
【0036】得られたペレットは実施例1〜12同様
に、130℃で5時間熱風乾燥した後、東芝機械製IS
55−EPN射出成形機を用いてシリンダー温度270
℃、金型温度40℃の条件で射出成形し、厚さ1mmの
ASTM4号ダンベル試験片を成形すると共に、成形時
に樹脂が金型に充填される最低圧力(成形下限圧)を測
定した。また、同時に厚さ1/8インチの曲げ試験片、
アイゾット衝撃試験片、燃焼試験片を成形した。AST
M4号ダンベルを用いた引張試験については、耐熱性の
目安として、試験片を150℃で100時間熱処理を施
した後、未処理の試験片と共に引張試験を行なった。結
果を表3に示した。
【0037】
【表3】
【0038】表1、2、3の結果から本発明のコネクタ
ー成形用樹脂材料は、良好な機械的物性、耐熱性、成形
性、難燃性を示し、とりわけ薄肉成形品の靱性、耐熱性
に優れている。しかし、(C)有機臭素化合物を含まな
い比較例1、3、5は酸素指数が低く難燃性が不十分で
あった。また、(C)有機臭素化合物が多く三酸化アン
チモンを配合した比較例2、4、6では靱性が劣ってい
た。なお、実施例6、12、18に示す(B)エラスト
マーを含有しない材料では、靱性(特に耐熱性)がやや
不足し、三酸化アンチモンを少量配合した実施例4、1
0、16では、若干靱性が劣り、(B)エラストマーの
含有量が多い実施例5、11、17では比較的機械的物
性が低かった。
【0039】
【発明の効果】本発明により、機械的物性、耐熱性、成
形性、難燃性にすぐれたコネクター成形用樹脂材料を得
ることができ、特に薄肉成形品の靱性や耐熱性に優れる
ので、2種類以上の成形品をはめ合い一体化する機構を
有するコネクター用、具体的にはワイヤーハーネスコネ
クター用に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の成形品が有する、2種類以上の成形
品をはめ合い一体化させる機構の具体例の一例を示す斜
視図である。
【図2】 本発明の成形品が有する、2種類以上の成形
品をはめ合い一体化させる機構の具体例の他の一例を示
す斜視図である。
【図3】 本発明の成形品が有する、2種類以上の成形
品をはめ合い一体化させる機構の具体例のさらに他の一
例を示す側面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01R 13/46 301 H01R 13/46 301B

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)熱可塑性ポリエステル樹脂80〜
    99重量部と、(C)有機臭素化合物1〜20重量部と
    からなるコネクター成形用樹脂材料。
  2. 【請求項2】 (A)熱可塑性ポリエステル樹脂50〜
    98.9重量部と、(B)ポリオレフィンおよび/また
    はポリエステル系エラストマー0.1〜30重量部と、
    (C)有機臭素化合物1〜20重量部とからなるコネク
    ター成形用樹脂材料。
  3. 【請求項3】 (B)成分が、ポリエチレン、ポリプロ
    ピレン、エチレンプロピレンゴムが不飽和カルボン酸ま
    たはその誘導体で変性されたポリオレフィンのうちの1
    種以上である請求項2記載のコネクター成形用樹脂材
    料。
  4. 【請求項4】 (B)成分がポリエステル系エラストマ
    ーである請求項2記載のコネクター成形用樹脂材料。
  5. 【請求項5】 (A)成分が、ポリブチレンテレフタレ
    ートである請求項1〜4いずれかに記載のコネクター成
    形用樹脂材料。
  6. 【請求項6】 (A)成分がポリブチレンテレフタレー
    ト50〜99重量%と、ポリエチレンテレフタレート、
    ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリシ
    クロヘキサンジメチレンテレフタレートから選ばれる1
    種類以上1〜50重量%とを混合してなる樹脂混合物で
    ある請求項1〜4いずれかに記載のコネクター成形用樹
    脂材料。
  7. 【請求項7】 (C)有機臭素化合物がペンタブロモベ
    ンジルアクリレートポリマーおよび/または臭素化エポ
    キシ化合物である請求項1〜6いずれかに記載のコネク
    ター成形用樹脂。
  8. 【請求項8】 アンチモン化合物の含有量が0〜1重量
    %である請求項1〜7記載のコネクター成形用樹脂材
    料。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8いずれかに記載のコネクタ
    ー成形用樹脂材料からなる成形品の2種類以上からな
    り、かつ、はめ合い一体化する機構を有するコネクタ
    ー。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010006937A (ja) * 2008-06-26 2010-01-14 Wintech Polymer Ltd 難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物及び成形品
JPWO2008075776A1 (ja) * 2006-12-19 2010-04-15 ウィンテックポリマー株式会社 ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物
WO2011111547A1 (ja) * 2010-03-10 2011-09-15 ウィンテックポリマー株式会社 ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物
JP2013155383A (ja) * 2013-04-19 2013-08-15 Wintech Polymer Ltd 難燃性ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物及び成形品

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