JP5776395B2 - 電池内異物量の検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電池内異物量の検出方法に関する。
電池は、例えば、正極とセパレータと負極とを電解液とともにケースに収容し、その後にケースを封止することにより作製される。電池は、製造後に種々の検査を行って不良品を排除した上で、出荷される。電池の性能検査の手法としては、従来、例えば、以下に開示されたものがある。
特許文献1には、二次電池の端子間にパルス電流を印加したときの閉回路端子電圧を測定し、閉回路端子電圧で電池の良、不良を判定することが開示されている。
特許文献2には、初回充電前の二次電池の電極間の開電圧を測定することにより電池の状態を検査すること、所定の電圧の範囲内の場合には合格品とし、所定の電圧の範囲外の場合には不合格品とすることが開示されている。
特許文献3には、正極測定端子と負極測定端子を介して高調波歪みを測定するために電極間に交番波形を印加すること、異物混入により高調波歪みが変化することが開示されている。
特許文献4では、少なくとも1サイクルの充放電処理の最後の放電が終了した後に、リチウム電池の開回路電圧を測定すること、開回路電圧の測定値を、予め設定した開回路電圧の基準値と比較して、測定値が基準値以下の電池を選択することで、リチウムのモル比が所定の範囲内の正極活物質を備えていると判定することが開示されている。
特開2000−88933号公報 特開2000−30764号公報 特開2001−76752号公報 特開2009−176533号公報
ところで、電池の不良の原因の一つとして、電池内に水分などの異物が混入することが挙げられる。電池の中でも特に、フッ化塩を含む非水系電解液を用いたリチウムイオン二次電池では、電池内の電解液中に水が混入すると、水がフッ化塩と反応してフッ化水素(HF)が発生する。
フッ化水素は正負極活物質や集電箔を腐食させる。生成した電解液分解成分であるHFは、次の反応式(1)に示すように、正極活物質(金属酸化物:MeO)を溶かし、水を発生させる。
MeO + 2HF → MeF + HO ・・・(1)
生成した水はまたフッ化水素を生成させ、反応は連続して続くため、サイクル特性を劣化させる要因となる。
電池内部の水分やフッ化水素の量を分析する方法として、従来、組み付け直後の電池を分解して、電解液を抜き取って、カールフィッシャー水分計やイオンクロマトグラフィーなどで電解液の成分を分析していた。
しかしながら、分析後の電池は、分解され電解液が抜き取られているため、使用することができない。
このため、非破壊状態で電池内の水分や電解液分解成分などの異物の量を検出する方法が望まれている。
上記特許文献1〜4の検査方法は、いずれも、非破壊検査である。しかし、電池の良、不良を検査することのみを行っているため、電池内の水分などの異物量を検査することはできない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、非破壊状態で電池内の水分量などの異物量を検出する方法を提供することを課題とする。
本発明の電池内異物量の検出方法は、電池の構成成分以外の異物であって該電池の開回路電圧に影響を及ぼす該異物の量を検出する方法であって、前記電池の開回路電圧を測定する電圧測定工程と、前記開回路電圧の測定値を、前記電池の開回路電圧と前記電池内の異物量との相関関係を示す検量線と照合して、前記電池内の異物量を検出する検出工程と、をもつことを特徴とする。
本発明は、発明者による鋭意探求の結果、電池の開回路電圧と電池内の水分や電解液成分などの異物の量との間に相関性があることを見出したことに着目したものである。電池内の異物量の増減に応じて、電池の開回路電圧が増減する。そこで、予め、電池内の異物量と電池の開回路電圧との相関関係を示す検量線を作成する。検査対象である電池の開回路電圧の測定値を、この検量線に照し合わせることで、検査対象の電池内の異物量を検出することができる。
電池の開回路電圧は、正負極間を導線で接続しないで、正負極に電圧計を当てることで測定される正負極間の電圧である。このため、電池の開回路電圧を測定することにより、正負極間を導線で接続して測定する閉回路電圧とは異なり、導線断線などの電池外の不具合の影響を受けることなく、電池の正負極間の電圧を正確に測定することができる。
以上のように、本発明によれば、非破壊状態で電池内の異物量を検出することができる。
電池の開回路電圧と電池内の水分量(HF量)との関係を模擬的に示す検量線である。 測定1により得られた、電池内のHF濃度と電池の開回路電圧との関係を示す検量線である。 測定1により得られた、電池内のHF濃度と電池の交流抵抗との関係を示す検量線である。
本発明の電池内異物量の検出方法は、電圧測定工程と、検出工程とをもつ。
「電池内異物量」とは、電池の構成成分以外の異物であって該電池の開回路電圧に影響を及ぼす電池内の成分の量をいう。異物は、組み付け時に外部から混入する成分や、外部から混入した成分によって生成した成分、或いは電池の構成成分が経時劣化することにより生成した成分、電池作動時に生成するが電池反応には関与しない成分などが挙げられる。具体的には、異物としては、例えば、電解液の分解成分、水分などが挙げられる。電解液の分解成分は、例えば、電解液に水分が含まれることにより生じ得る電解液の分解成分であることがよい。電解液にフッ化塩が含まれる場合には、電解液の分解成分としては、例えば、フッ化水素(HF)、フッ化リチウム(LiF)、三フッ化ホスホニルなどがあげられる。
電圧測定工程では、電池の開回路電圧(OCV)を測定する。「電池」とは、一般に、組み付けた後の電池をいう。組み付けた後の電池とは、正極および負極からなる電極体を電解液とともにケース内に収容し封止した後の電池をいう。組み付け後であれば、いつの段階の電池でも良いことを意味する。例えば、封止した後の電池であって、初期充放電の前であってもよく、また、初期充放電の後であってもよい。更には、電池の使用後であってもよい。異物の電池内への混入、特に水の電池内への混入は、電解液分解成分の発生を招く。このため、組み付けた後の電池であれば、異物存在に起因する開回路電圧の変化が認められる。よって、電池の開回路電圧の測定結果から、電池内の異物量を検知することができる。
ここで、電圧測定工程では、初期充放電前の前記電池の開回路電圧を測定することが好ましい。「初期充放電前」は、一般に、正極、負極及びセパレータからなる電極体を電解液とともにケース内に収容し封止した後であって、初期充放電を行う前のことをいう。初期充放電前に電池の開回路電圧を測定することにより、電池の充放電による電池内の性状変化を気にすることなく、電池の構成要素の状態のみを反映した開回路電圧を検知することができる。このため、測定した開回路電圧から電池内の異物量を正確に把握することができる。また、初期充放電前に電池内の異物量を検出でき、早期に電池内の不良品を製造ラインから排除することができる。
電池の開回路電圧を測定する方法としては、特に限定されず、例えば、電圧測定用テスターの端子で測定することができる。
検出工程では、検査対象の電池の開回路電圧の測定値を、電池の開回路電圧と電池内の異物との関係を示す検量線と照合して、検査対象の電池内異物量を検出する。図1は、電池の開回路電圧と電池内の異物量(水分量、HF量など)との相関関係を模擬的に示す検量線を示す。図1に示すように、電池内の異物量が増える程、電池の開回路電圧が低くなっている。
本明細書において「電池内異物量」とは、電池1個当たりに含まれる異物の絶対体積量(又は質量)、電池1個の体積に対する異物の体積(又は質量)比、又は1個の電池内に収容されている電解液の体積に対する異物の体積(又は質量)比のいずれかを意味する。いずれの場合でも、1個当たりの電池の体積、1個の電池に収容されている電解液の体積等がわかれば、相互に変換することは可能である。
上記検量線を作成するために、前記検量線は、前記電池と同種の電池について測定された開回路電圧と、前記開回路電圧を測定した電池の電解液中の異物量に基づいて作成されるとよい。即ち、所定量の異物を混入させた電解液を電極体とともにケース内に収容し、ケースを封止することで、電池を組み付ける。組み付けた後の電池の開回路電圧を測定する。ここで、電池を組み付けた後から開回路電圧を測定するまでの間の充放電履歴や温度履歴は、検査対象の電池の開回路電圧を測定するまでの充放電履歴や温度履歴と同様とすることが好ましい。充放電履歴や温度履歴は、開回路電圧に影響を及ぼすからである。例えば、測定対象の電池の開回路電圧を初期充放電前に測定する場合には、検量線作成のための電池の開回路電圧の測定も初期充放電前に行うとよい。
次に、開回路電圧を測定した電池を分解し電解液を取り出して、電解液に含まれる異物量を測定する。異物が水分である場合、電解液中の水分量の測定にあたっては、例えば、カールフィッシャー水分計などを行う。異物が電解液分解成分である場合には、電解液分解成分の量の測定にあたっては、例えば、イオンクロマトグラフィ、滴定などを行う。次に、電解液に混入させる異物の量を変えた場合にも、同様に、電池の開回路電圧を測定し、その後電池を分解して取り出した電解液の中の異物量を測定する。電解液中の異物量から、電池内の異物量を算出する。電池の開回路電圧と電池内の異物量との各測定値をグラフにプロットして、電池の開回路電圧と電池内の異物量との相関関係を示す検量線を作成する。
予め作成した上記の検量線に、検査対象の電池の開回路電圧の測定値を照らし合わせて、検査対象の電池内の異物量を把握する。
(電池の構成)
本発明の電池内異物量の検出方法を用いて異物量を検知可能な電池としては、特に限定されないが、例えば、非水二次電池がある。非水二次電池は、例えば、リチウムイオン電池(リチウム電池を含む意味)であるとよい。
電池は、電解液と、負極、正極及びセパレータからなる電極体と、ケースとからなる。
電解液は、非水電解液であるとよい。非水電解液は、例えば、有機溶媒に電解質であるフッ化塩を溶解させたものであるとよい。電解質であるフッ化塩は、有機溶媒に可溶なアルカリ金属フッ化塩であることが好ましい。アルカリ金属フッ化塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiAsF、NaPF、NaBF、及びNaAsFの群から選ばれる少なくとも1種を用いるとよい。非水電解液の有機溶媒は、非プロトン性有機溶媒であることがよく、たとえば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等から選ばれる一種以上を用いることができる。
負極は、負極活物質粒子をもつとよい。負極活物質は、負極活物質層として集電体に圧着されることが一般的である。集電体は、例えば、銅や銅合金などの金属製のメッシュや金属箔を用いるとよい。
負極活物質粒子は、粒子状又は粉末状を呈している。負極活物質粒子の平均粒径は、0.01〜10μm、更には、0.01〜5μmであることがよい。
負極活物質粒子は、珪素又は/及び珪素化合物を含むとよく、例えば、Si相と、SiO相からなるとよい。Si相は、珪素単体からなり、Liイオンを吸蔵・放出し得る相であり、Liイオンの吸蔵・放出に伴って膨張・収縮する。SiO相は、SiOからなり、Si相の膨張・収縮を吸収する。Si相がSiO相により被覆されることで、Si相とSiO相とからなる負極活物質粒子を形成しているとよい。さらには、微細化された複数のSi相がSiO相により被覆されて一体となって、1つの粒子、即ち負極活物質粒子を形成しているとよい。この場合には、負極活物質粒子全体の体積変化を効果的に抑えることができる。
負極活物質粒子におけるSi相に対するSiO相の質量比は、1〜3であることが好ましい。前記質量比が1未満の場合には、負極活物質粒子の膨張・収縮が大きく、負極活物質層にクラックが生じるおそれがある。一方、前記質量比が3を超える場合には、負極活物質粒子でのLiの吸蔵・放出量が少なく、電気容量が低くなるおそれがある。
負極活物質粒子は、Si相とSiO相とのみから構成されていてもよい。また、負極活物質粒子は、Si相とSiO相とを主成分としているが、その他に、負極活物質粒子の成分として、公知の活物質を含んでいても良い。具体的には、MeSi(MeはLi,Caなど)のうちの少なくとも1種を混合していてもよい。
負極活物質粒子の表面には、電解液の分解成分からなる被膜が形成されていてもよい。この皮膜は、Liイオンが通過可能な絶縁膜であり、フッ化リチウムを含む。フッ化リチウムは、電解液に含まれるフッ化系塩が負極活物質粒子と接触して分解反応して形成されたものである。被膜は、負極活物質粒子の全表面を被覆しているとよい。負極活物質粒子が、電解液と接触して、電解液中の電解質を分解することを抑制し、また負極活物質粒子に吸蔵されているLiイオンの溶出を抑制するためである。
なお、上記の負極活物質粒子を主たる負極活物質とした上で、既に公知の他の負極活物質(たとえば黒鉛、Sn、Siなど)を添加して用いてもよい。
負極活物質層には、前記負極活物質の他に、結着剤や、導電助材などを含んでいても良い。
結着剤は、特に限定されるものではなく、既に公知のものを用いればよい。たとえば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素樹脂など高電位においても分解しない樹脂を用いることができる。結着剤の配合割合は、質量比で、負極活物質:結着剤=1:0.05〜1:0.5であるのが好ましい。結着剤が少なすぎると電極の成形性が低下し、また、結着剤が多すぎると電極のエネルギー密度が低くなるためである。
導電助材としては、リチウムイオン二次電池の電極で一般的に用いられている材料を用いればよい。たとえば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック(炭素質微粒子)、炭素繊維などの導電性炭素材料を用いるのが好ましく、導電性炭素材料の他にも、導電性有機化合物などの既知の導電助剤を用いてもよい。これらのうちの1種を単独でまたは2種以上を混合して用いるとよい。導電助材の配合割合は、質量比で、負極活物質:導電助材=1:0.01〜1:0.5であるのが好ましい。導電助材が少なすぎると効率のよい導電パスを形成できず、また、導電助材が多すぎると電極の成形性が悪くなるとともに電極のエネルギー密度が低くなるためである。
正極は、集電体と、集電体の表面を被覆する正極活物質層とからなる。正極活物質層は、正極活物質を含み、好ましくは、更に、結着剤及び/又は導電助材を含む。導電助材および結着剤は、特に限定はなく、非水系二次電池で使用可能なものであればよい。正極活物質としては、例えば、リチウム・マンガン複合酸化物、リチウム・コバルト複合酸化物、リチウム・ニッケル複合酸化物などのリチウムと遷移金属との金属複合酸化物を用いる。具体的には、LiCoO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiMnO、Sなどが挙げられる。また、集電体は、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼など、非水系二次電池の正極に一般的に使用されるものであればよい。
セパレータは、正極と負極とを分離し非水電解液を保持するものであり、ポリエチレン、ポリプロピレン等の薄い微多孔膜を用いることができる。
電池の形状に特に限定はなく、円筒型、積層型、コイン型、ラミネート型等、種々の形状を採用することができる。いずれの形状を採る場合であっても、正極および負極にセパレータを挟装させ電極体とし、正極集電体および負極集電体から外部に通ずる正極端子および負極端子までの間を、集電用リード等を用いて接続した後、この電極体を非水電解液とともに電池容器に密閉して電池を得る。
(試料1)
リチウムイオン二次電池を以下のように作製し、電池内の水分量を検出した。
まず、市販のSiO粉末を不活性ガス雰囲気中で900℃、2時間加熱処理を行った。これにより、SiO粉末が不均化されて、負極活物質粒子が得られた。この負極活物質粒子について、CuKαを使用したXRD(X線回折)測定を行ったところ、単体珪素と二酸化珪素とに由来する特有のピークが確認された。このことから、負極活物質粒子には、単体珪素と二酸化珪素が生成していることがわかった。
次に、調製された負極活物質粒子と、導電助材としての黒鉛粉末とケッチェンブラックと、結着剤としてのポリアミドイミドとを混合し、溶媒を加えてスラリー状の混合物を得た。溶媒は、N‐メチル‐2‐ピロリドン(NMP)であった。負極活物質粒子と、導電助材と、結着剤との質量比は、百分率で、48/37/15であった。
次に、スラリー状の混合物を、ドクターブレードを用いて集電体である銅箔の片面に成膜し、所定の圧力でプレスし、200℃、2時間加熱し、放冷した。これにより、集電体表面に負極活物質層が固定されてなる負極が形成された。
次に、正極活物質としてのリチウム・ニッケル複合酸化物LiNi1/3Co1/3Mn1/3と、バインダーとしてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを混合してスラリーとなし、このスラリーを集電体としてのアルミニウム箔の片面に塗布し、プレスし、焼成した。これにより、集電体の表面に正極活物質層を固定してなる正極を得た。
なお、正極および負極の製造過程では、焼成工程を含むため、焼成で正極および負極に含まれる水分がすべて蒸発するものと考えられる。このため、正極および負極の製造は、乾燥状態ではなく、一般の大気雰囲気中で実施している。
乾燥状態(温度25℃、露点―40℃以下)を維持しながら、電解質としてのLiPFを、有機溶媒に溶解して電解液を調製した。有機溶媒は、エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)とジメチルカーボネート(DMC)との混合溶液からなり、これらの配合比(容積比)は、EC/MEC/DMC=3/3/4とした。電解液中のLiPFの濃度は、1mol/Lであった。
正極、負極、セパレータとしてのポリプロピレン多孔質膜、及び電解液のすべてを、ドライルーム内で真空乾燥状態(温度60℃、露点―40℃以下、真空度0.01Pa以下)に12時間保持した。
上記真空乾燥をした後に、電池を組み付けた。即ち、乾燥状態(温度25℃、露点―40℃以下)の下で、正極と負極との間に、セパレータを挟み込みながら、正極、セパレータ及び負極からなる電極体を複数積層した。2枚のアルミニウムフィルムの周囲を、一部を除いて熱溶着をすることにより封止して、袋状とした。袋状のアルミニウムフィルムの中に、積層された電極体を入れ、更に、電解液を入れた。その後、真空引きしながら、アルミニウムフィルムの開口部分を完全に気密に封止した。このとき、正極側及び負極側の集電体の先端を、フィルムの端縁部から突出させ、外部端子に接続可能とし、リチウムイオン二次電池を得た。
(試料2)
電池組み付け前の真空乾燥を行わなかったことを除いて、試料1と同様に電池を作製した。
(試料3)
電池組み付け前に、正極、負極、セパレータとしてのポリプロピレン多孔質膜、及び電解液のすべてを、ドライルームの外(温度25℃、露点15℃、大気圧)に24時間保持したことを除いて、試料1と同様に電池を作製した。
(測定1)
組み付け完了直後(初期充放電前)の試料1〜3のリチウムイオン二次電池の開回路電圧及び1kHz抵抗値を測定した。開回路電圧は、リチウムイオン二次電池の正負極間を導線でつなぐことなく、正極と負極とに電圧測定用テスターの端子を押し当てて測定した。抵抗値を測定するにあたっては、リチウムイオン二次電池の正極と負極との間を導線でつなぐことなく、正極と負極に交流抵抗測定用テスターを接触させて正負極間に周波数1kHzの交流電流を流すことにより電池内の内部抵抗を測定した。測定終了後、リチウムイオン二次電池を分解し、電解液を取り出して、電解液中のフッ化水素(HF)濃度を測定した。
電解液中のHF濃度の測定に当たっては、イオンクロマトグラフィーを用いた。イオンクロマトグラフィーによるHF測定は、例えば東ソー社製イオンクロマトグラフIC−2001(商品名)を用い、カラムは東ソー社製SuperIC−AZ、カラム温度は40℃、溶離液は1.9mM炭酸水素ナトリウムおよび3.2mM炭酸ナトリウム水溶液、溶離液流速は0.8ml/minという条件で行った。
試料1〜3の電解液中のHF濃度(電解液単位体積に対するHFの質量比)の測定値、試料1〜3の開回路電圧、1kHz抵抗値、電池内のHF濃度の測定値を表1に示した。さらに、図2には、電池内のHF濃度と電池の開回路電圧との関係を示す検量線を示した。図3には、電池内のHF濃度と電池の1kHz抵抗値との関係を示す検量線を示した。
Figure 0005776395
表1、図2に示すように、電池内のHF濃度が増加するにしたがって、電池の開回路電圧が減少した。
一方、電池の交流抵抗値は、電池内のHF濃度および水分量が変化しても、さほど変動しなかった。このため、電池の交流抵抗値と電池内のHF濃度及び水分量とは相関性がなく、交流抵抗値を測定しても、電池内の水分量を検知することはできないと考えられる。
(実施例1)
本実施例においては、リチウムイオン二次電池内のHF濃度を検知する方法について説明する。
試料1と同様の方法でリチウムイオン二次電池を作製した。各製造工程中での環境は、試料1と同様とした。製造直後のリチウムイオン二次電池の開回路電圧を測定した。開回路電圧の測定値を、図2に示す電池内のHF濃度の検量線に照らし合わせて、電池内のHF濃度を把握した。
非破壊状態で、電池内のHF濃度を検出できるため、電池の製造工程の中に、電池の開回路電圧を測定する過程を設けることにより、電池内のHFが生成したか否かの判別をすべての電池について行うことが可能である。また、検査後の電池を使用することもできる。
(測定2)
組み付け完了直後(初期充放電前)の試料1〜3のリチウムイオン二次電池の開回路電圧を、測定1と同様に測定した。測定後の電池を分解して、電解液を取り出し、電解液中の水分濃度を測定した。電解液中の水分量の測定にあたっては、カールフィッシャー水分計を用いた。前記式(4)を用いて、電解液中の水分濃度から、電池全体積当たりの水分濃度を求めた。
電池全体積当たりの水濃度と開回路電圧との関係を示す検量線を作成した。その結果、図2に示す検量線と同様の検量線が作成された。
検査対象の電池の開回路電圧の測定値を、測定2で作成された検量線に照らし合わせることにより、検査対象の電池の全体積当たりのHF濃度を求めることができる。
(実施例2)
本実施例においては、リチウムイオン二次電池内の水分量を検知する方法について説明する。
試料1と同様の方法でリチウムイオン二次電池を作製した。各製造工程中での環境は、試料1と同様とした。製造直後のリチウムイオン二次電池の開回路電圧を測定した。開回路電圧の測定値を、図2に示す電池内の水分量の検量線に照らし合わせて、電池内の水分量を把握した。
一般に、電池内の水分量が数百ppm以上の場合には、HFが電池特性に影響を及ぼすと考えられている。そこで、電池内の水分量が数百ppm以上の場合には不合格品、基準値未満の場合には合格品として、判断することも可能である。非破壊状態で、電池内の水分量を検出できるため、電池の製造工程の中に、電池の開回路電圧を測定する過程を設けることにより、電池内に水分が混入したか否かの判別をすべての電池について行うことが可能である。また、検査後の電池を使用することもできる。

Claims (9)

  1. 電池の構成成分以外の異物であって該電池の開回路電圧に影響を及ぼす該異物の量を検出する方法であって、
    前記電池の開回路電圧を測定する電圧測定工程と、
    前記開回路電圧の測定値を、前記電池の開回路電圧と前記電池内の異物量との相関関係を示す検量線と照合して、前記電池内の異物量を検出する検出工程と、をもつことを特徴とする電池内異物量の検出方法。
  2. 前記電圧測定工程では、初期充放電前の前記電池の開回路電圧を測定する請求項1記載の電池内異物量の検出方法。
  3. 前記異物は、水である請求項1又は2に記載の電池内異物量の検出方法。
  4. 前記異物は、電解液の分解成分である請求項1又は2に記載の電池内異物量の検出方法。
  5. 前記検量線は、前記電池と同種の電池について測定された開回路電圧と、前記開回路電圧を測定した電池の電解液中の異物量に基づいて作成される請求項1〜4のいずれか1項に記載の電池内異物量の検出方法。
  6. 前記電池は非水二次電池である請求項1〜5のいずれか1項に記載の電池内異物量の検出方法。
  7. 前記非水二次電池は、リチウムイオン電池である請求項6記載の電池内異物量の検出方法。
  8. 前記電解液は、フッ化塩を含む請求項4又は5に記載の電池内異物量の検出方法。
  9. 前記電解液はフッ化塩を含み、前記異物はフッ化水素である請求項8記載の電池内異物量の検出方法。
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