JP5771021B2 - 積層フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、バイオマス資源であるデンプンなどの糖質から誘導することができる構成単位を含有するポリカーボネート樹脂を含有する耐薬品性、吸水率、成形加工性、靭性に優れた積層フィルムに関するものである。さらに、透明性を付与する光学フィルムや加飾フィルムに関係するものである。
ポリカーボネート樹脂は、優れた透明性、耐衝撃性及び高い熱変形温度を有し、寸法安定性、加工性及び自己消火性に優れることから、窓ガラス材料や光学材料として多くの用途で使用されている。しかしながら、ポリカーボネート樹脂は、表面硬度が劣るため傷つきやすいという問題を有している。また、ポリカーボネート樹脂の表面硬度を高めるために、表面にハードコート処理が行われることがあるが、ポリカーボネート層とハードコート層との密着が十分でないという問題も有していた。
これらの問題点を改善する方法として、ポリカーボネート樹脂層を(メタ)アクリレートの重合体または共重合体からなる層で被覆する方法が知られている。
例えば、ポリカーボネ−ト樹脂と(メタ)アクリレート重合体とを共押出して得られる、ポリカーボネートシートに(メタ)アクリレート重合体の層が被覆された多層フィルムが開示されている。しかしながら、既存の多層フィルムにおいては、耐薬品性、成形性、衝撃強度の点で満足できるものは得られていなかった。(特許文献1参照)
また、ポリカーボネート樹脂や(メタ)アクリレート重合体などは一般的に石油資源から誘導される原料を用いて製造される。しかしながら、近年、石油資源の枯渇が危惧されており、植物などのバイオマス資源から得られる原料を用いたプラスチック成形品の提供が求められている。また、二酸化炭素排出量の増加、蓄積による地球温暖化が、気候変動などをもたらすことが危惧されていることからも、使用後の廃棄処分をしてもカーボンニュートラルな、植物由来モノマーを原料としたプラスチックの開発が求められており、特に大型成形品の分野においてはその要求は強い。
従来、植物由来モノマーとしてイソソルビドを使用し、脂肪族ジオールとを共重合すること炭酸ジフェニルとのエステル交換により、カーボネート重合体を得ることが提案されている。(特許文献2、3参照)
このようにイソソルビドを用いたカーボネート重合体の提案はなされているが、これらの文献で開示されているのは、ガラス転移温度や基本的な機械的特性のみで、積層フィルムに必要とされる耐薬品性、吸水率、成形加工性、靭性などの特性については十分開示されていない。
特開昭55−59929号公報 英国特許出願公開第1079686号明細書 国際公開第2004/111106号パンフレット
本発明者は、上記目的を達成するために、鋭意検討した結果、植物由来のモノマーであるイソソルビドからなるポリカーボネート樹脂の少なくとも一方の面に、熱可塑性樹脂材料を積層されてなるフィルムにすることで、耐薬品性、吸水率、成形加工性、靭性が改良されることを見出し本発明を完成するに至った。
上記課題は、次に挙げる手段を採用することにより達成することができる。すなわち、本発明によれば、
1.植物由来のエーテルジオール残基を含んでなるポリカーボネート樹脂材料の層(A)の少なくとも一方の面に、熱可塑性樹脂材料の層(B)および印刷層を積層されてなる多層フィルムであって、植物由来のエーテルジオール残基を含んでなるポリカーボネート樹脂が下記式(1)で表されるジオール残基を含んでなり、全ジオール残基中式(1)で表されるジオール残基が15〜100モル%を占めるポリカーボネートであり、熱可塑性樹脂材料がポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂のいずれかであり、印刷層のバインダー樹脂がポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド系樹脂または熱可塑性エラストマー系樹脂である多層フィルム。
Figure 0005771021
2.積層フィルムの25℃、24時間、水中での吸水率が3%以下である前記1に記載の多層フィルム。
3.積層フィルムの鉛筆硬度がB以上である前記1または2に記載の多層フィルム。
4.植物由来のエーテルジオール残基を含んでなるポリカーボネート樹脂が記式(1)で表されるジオール残基を含んでなり、全ジオール残基中式(1)で表されるジオール残基が30〜100モル%を占めるポリカーボネートである前記1〜3のいずれかに記載の多層フィルム。
5.植物由来のエーテルジオール残基を含んでなるポリカーボネート樹脂材料の厚みが1μm〜100μmの層が積層されてなる前記1〜4のいずれかに記載の多層フィルム。
6.多層フィルムの総厚みが10μm〜600μmである前記1〜4のいずれかに記載の多層フィルム。
本発明は、バイオマス資源であるデンプンなどの糖質から誘導することができる構成単位を含有するポリカーボネート樹脂からなる積層体とすることで、耐薬品性、吸水率、成形加工性、靭性に優れた多層フィルムが得られ、さらに透明性にも優れているため光学フィルム、加飾フィルムとして好適に用いることが出来る。
実施例で使用した真空成形機である。 実施例で使用した金型である。
以下、本発明の多層フィルムについて以下詳細に説明する。
本発明の多層フィルムは、ベースフィルムの少なくとも片面に熱可塑性樹脂材料の層が積層される。つまり本発明の多層フィルムの構成としては、ベースフィルム+熱可塑性樹脂材料の層、の構成や、ベースフィルム+熱可塑性樹脂材料の層+ベースフィルム、の構成や、熱可塑性樹脂材料の層+ベースフィルム+熱可塑性樹脂材料の層、の構成が挙げられる。
<ベースフィルムについて>
そして本発明に用いるベースフィルムは、植物由来のエーテルジオール残基を含み、好ましくは下記式(1)で表される植物由来のエーテルジオール残基を含んでなるポリカーボネート樹脂である。
Figure 0005771021
本発明に用いるポリカーボネート樹脂は、下記式(a)で表されるエーテルジオールおよび炭酸ジエステルとから溶融重合法により製造することができる。
Figure 0005771021
エーテルジオールとしては、具体的には下記式(b)、(c)および(d)で表されるイソソルビド、イソマンニド、イソイディッドなどが挙げられる。
Figure 0005771021
Figure 0005771021
Figure 0005771021
これら糖質由来のエーテルジオールは、自然界のバイオマスからも得られる物質で、再生可能資源と呼ばれるものの1つである。イソソルビドは、でんぷんから得られるDーグルコースに水添した後、脱水を受けさせることにより得られる。その他のエーテルジオールについても、出発物質を除いて同様の反応により得られる。
特に、カーボネート構成単位がイソソルビド(1,4;3,6ージアンヒドローDーソルビトール)由来のカーボネート構成単位を含んでなるポリカーボネート樹脂が好ましい。イソソルビドはでんぷんなどから簡単に作ることができるエーテルジオールであり資源として豊富に入手することができる上、イソマンニドやイソイディッドと比べても製造の容易さ、性質、用途の幅広さの全てにおいて優れている。
全ジオール残基中、式(1)で表されるジオール残基が好ましくは15〜100モル%、より好ましくは30〜100モル%、さらに好ましくは40〜100モル%、特に好ましくは50〜100モル%を占めるポリカーボネートである。
一方、本発明に用いるに適した共重合構成単位のジオール化合物としては、直鎖脂肪族ジオール化合物、脂環式ジオール化合物、芳香族ジヒドロキシ化合物のいずれでも良い。
直鎖脂肪族ジオール化合物として、例えばエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、水素化ジリノレイルグリコール,水素化ジオレイルグリコールなどを挙げることができる。これらのうち、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。これらの直鎖脂肪族ジオール類は単独または二種以上組み合わせて用いてもよい。
また、本発明に使用できる脂環式ジオールとしては、例えば1,2-シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2−メチル−1,4−シクロヘキサンジオールなどのシクロヘキサンジオール類、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのシクロヘキサンジメタノール類、2,3−ノルボルナンジメタノール、2,5−ノルボルナンジメタノールなどのノルボルナンジメタノール類、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、1,3−アダマンタンジオール、2,2−アダマンタンジオール、デカリンジメタノール、及び3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどが挙げられる。これらのうち、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンが好ましい。これらの脂環式ジオール類は単独または二種以上組み合わせて用いてもよい。
また本発明で使用きる芳香族ジヒドロキシ化合物としては、4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラフルオロ−4,4’−ビフェノール、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン(通常“ビスフェノールM”と称される)、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチルフェニル)フルオレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)パーフルオロシクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエ−テル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフォン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジフェニルスルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通常“ビスフェノールA”と称される)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(通常“ビスフェノールC”と称される)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシー3−フェニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3−ジメチルフェニル)デカン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(通常“ビスフェノールAF”と称される)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、および2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモー4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロー4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチルー4−ヒドロキシフェニル)プロパン、および2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンが挙げられる。
上記の中でも、ビスフェノールM、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド、ビスフェノールA、ビスフェノールC、ビスフェノールAF、および1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカンが好ましい。これらの芳香族ジオール類は単独または二種以上組み合わせて用いてもよい。
反応温度は、エーテルジオールの分解を抑え、着色が少なく高粘度の樹脂を得るために、できるだけ低温の条件を用いることが好ましいが、重合反応を適切に進める為には重合温度は180℃〜280℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは180℃〜260℃の範囲である。
また、反応初期にはエーテルジオールと炭酸ジエステルとを常圧で加熱し、予備反応させた後、徐々に減圧にして反応後期には系を1.3×10ー3〜1.3×10ー5MPa程度に減圧して生成するアルコールまたはフェノールの留出を容易にさせる方法が好ましい。反応時間は通常0.5〜4時間程度である。
炭酸ジエステルとしては、水素原子が置換されていてもよい炭素数6〜12のアリール基またはアラルキル基、もしくは炭素数1〜4のアルキル基などのエステルが挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、mークレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネートなどが挙げられ、なかでも反応性、コスト面からジフェニルカーボネートが好ましい。
炭酸ジエステルはエーテルジオールに対してモル比で1.02〜0.98となるように混合することが好ましく、より好ましくは1.01〜0.98であり、さらに好ましくは1.01〜0.99である。炭酸ジエステルのモル比が1.02より多くなると、炭酸エステル残基が末端封止として働いてしまい充分な重合度が得られなくなってしまい好ましくない。また炭酸ジエステルのモル比が0.98より少ない場合でも、充分な重合度が得られず好ましくない。
重合触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素セシウム、二価フェノールのナトリウム塩、カリウム塩またはセシウム塩等のアルカリ金属化合物、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属化合物、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の含窒素塩基性化合物、などが挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。なかでも、含窒素塩基性化合物とアルカリ金属化合物とを併用して使用することが好ましい。これらの触媒を用いて重合したものは、5%重量減少温度が十分高く保たれるため好ましい。
これらの重合触媒の使用量は、それぞれ炭酸ジエステル成分1モルに対し、好ましくは1×10-9〜1×10-3当量、より好ましくは1×10-8〜5×10-4当量の範囲で選ばれる。また反応系は窒素などの原料、反応混合物、反応生成物に対し不活性なガスの雰囲気に保つことが好ましい。窒素以外の不活性ガスとしては、アルゴンなどを挙げることができる。更に、必要に応じて酸化防止剤等の添加剤を加えてもよい。
上記のごとく反応を行う事により得られるイソソルビド系ポリカーボネート樹脂は、その末端構造はヒドロキシ基または、炭酸ジエステル残基となるが、本発明のベースポリマー基材で用いるポリカーボネート樹脂は、その特性を損なわない範囲で別途末端基を導入しても良い。かかる末端基は、モノヒドロキシ化合物を重合時に添加することにより導入することができる。モノヒドロキシ化合物としては下記式(2)または(3)で表されるヒドロキシ化合物が好ましく用いられる。
Figure 0005771021
Figure 0005771021
上記式(2),(3)中、Rは炭素原子数4〜30のアルキル基、炭素原子数7〜30のアラルキル基、炭素原子数4〜30のパーフルオロアルキル基、または下記式(4)
Figure 0005771021
であり、好ましくは炭素原子数4〜20のアルキル基、炭素原子数4〜20のパーフルオロアルキル基、または上記式(4)であり、特に炭素原子数8〜20のアルキル基、または上記式(4)が好ましい。Xは単結合、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、アミノ結合およびアミド結合からなる群より選ばれる少なくとも一種の結合が好ましいが、より好ましくは単結合、エーテル結合およびエステル結合からなる群より選ばれる少なくとも一種の結合であり、なかでも単結合、エステル結合が好ましい。aは1〜5の整数であり、好ましくは1〜3の整数であり、特に1が好ましい。
また、上記式(4)中、R,R,R,R及びRは、夫々独立して炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数6〜10のアリール基及び炭素原子数7〜20のアラルキル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の基であり、好ましくは夫々独立して炭素原子数1〜10のアルキル基及び炭素原子数6〜10のアリール基からなる群から選ばれる少なくとも一種の基であり、特に夫々独立してメチル基及びフェニル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の基が好ましい。bは0〜3の整数であり、1〜3の整数が好ましく、特に2〜3の整数が好ましい。cは4〜100の整数であり、4〜50の整数が好ましく、特に8〜50の整数が好ましい。
本発明に用いるモノヒドロキシ化合物もまた植物などの再生可能資源から得られる原料であることが好ましい。植物から得られるモノヒドロキシ化合物としては、植物油から得られる炭素数14以上の長鎖アルキルアルコール類(セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール)などが挙げられる。
本発明のイソソルビド系ポリカーボネート樹脂は、ASTM D6866に準拠して測定された生物起源物質含有率が25%〜100%が好ましく、30%〜100%がより好ましい。
本発明のイソソルビド系ポリカーボネート樹脂は、250℃におけるキャピロラリーレオメータで測定した溶融粘度が、シェアレート600secー1で0.05×10〜4.0×10Pa・sの範囲にあるものであり、0.1×10〜3.0×10Pa・sの範囲にあることがより好ましく、0.1×10〜2.0×10Pa・sの範囲にあることがさらに好ましい。溶融粘度がこの範囲であると、ポリマーの分解が抑制される良好な条件にて成形でき、各種特性に優れた成形品を得ることができる。溶融粘度が下限より小さいと成形可能であっても機械特性が不良であり、上限を超えると溶融流動性に劣り、成形加工温度を上げるとポリマーの分解が促進されてしまう。
本発明のイソソルビド系ポリカーボネート樹脂は、樹脂0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液の20℃における比粘度としては0.14〜0.50のものを用いることができる。比粘度の好ましい範囲は、下限は0.20以上が好ましく、0.22以上がより好ましい。また上限は0.45以下が好ましく、0.37以下がより好ましく、0.35以下が特に好ましい。また比粘度が0.14より低くなると本発明のポリカーボネート樹脂より得られた積層フィルムが充分な機械強度を持たせることが困難となる。また比粘度が0.50より高くなると溶融流動性が高くなりすぎて、成形に必要な流動性を有する溶融温度が分解温度より高くなってしまう。
本発明のイソソルビド系ポリカーボネート樹脂は、そのガラス転移温度(Tg)の下限が80℃以上が好ましく、より好ましくは90℃以上であり、また上限は165℃以下が好ましい。Tgが80℃未満だと耐熱性に劣り、165℃を超えると本発明のポリカーボネート樹脂を用いて成形する際の溶融流動性に劣り、ポリマー分解が少ない温度範囲で射出成形ができなくなる。TgはTA Instruments社製 DSC (型式 DSC2910)により測定される。
また、イソソルビド系ポリカーボネート樹脂は、その5%重量減少温度の下限が330℃以上が好ましく、より好ましくは340℃以上であり、さらに好ましくは350℃以上である。5%重量減少温度が上記範囲内であると、本発明のポリカーボネート樹脂を用いて成形する際の樹脂の分解がほとんど無く好ましい。5%重量減少温度を上昇させるためには、前述の通り溶融重合触媒として好ましい化合物を選択することが有効である。5%重量減少温度はTA Instruments社製 TGA (型式 TGA2950)により測定される。
本発明のイソソルビド系ポリカーボネート樹脂においては、さらに良好な色相かつ安定した流動性を得るため、熱安定剤を含有する事が好ましい。熱安定剤としては、リン系安定剤を含有することが好ましく、殊にリン系安定剤として、下記一般式(5)に示すペンタエリスリトール型ホスファイト化合物を配合することが好ましい。
Figure 0005771021
[式中R21、R22はそれぞれ水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基ないしアルキルアリール基、炭素数7〜30のアラルキル基、炭素数4〜20のシクロアルキル基、炭素数15〜25の2−(4−オキシフェニル)プロピル置換アリール基を示す。なお、シクロアルキル基およびアリール基は、アルキル基で置換されていてもよい。]
前記ペンタエリスリトール型ホスファイト化合物としては、より具体的には、例えば、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジシクロヘキシルペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられ、中でも好適には、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、およびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが挙げられる。
他のリン系安定剤としては、前記以外の各種ホスファイト化合物、ホスホナイト化合物、およびホスフェート化合物が挙げられる。
ホスファイト化合物としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、トリス(ジエチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−iso−プロピルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−n−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、およびトリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトなどが挙げられる。
さらに他のホスファイト化合物としては二価フェノール類と反応し環状構造を有するものも使用できる。例えば、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、6−tert−ブチル−4−[3−[(2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ]プロピル]−2−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイトなどを挙げることができる。
ホスフェート化合物としては、トリブチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクロルフェニルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジフェニルクレジルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェートなどを挙げることができ、好ましくはトリフェニルホスフェート、トリメチルホスフェートである。
ホスホナイト化合物としては、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト等があげられ、テトラキス(ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトが好ましく、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトがより好ましい。かかるホスホナイト化合物は上記アルキル基が2以上置換したアリール基を有するホスファイト化合物との併用可能であり好ましい。
ホスホネイト化合物としては、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、およびベンゼンホスホン酸ジプロピル等が挙げられる。
上記のリン系安定剤は、単独でまたは2種以上を併用して使用することができ、少なくともペンタエリスリトール型ホスファイト化合物を有効量配合することが好ましい。リン系安定剤はポリカーボネート樹脂100重量部当たり、好ましくは0.001〜1重量部、より好ましくは0.01〜0.5重量部、さらに好ましくは0.01〜0.3重量部配合される。
本発明のイソソルビド系ポリカーボネート樹脂には各種帯電防止剤を添加、共重合することが好ましい。かかる帯電防止剤としては、アニオン系、カチオン系、非イオン系、両性の各種公知のものを用いることが可能である。中でも特に耐熱性などの点からはアニオン系帯電防止剤のアルキルスルホン酸Na、アルキルベンゼンスルホン酸Naを用いることが好まい。
またこれらの帯電防止剤を重合時に添加する際には、併せて酸化防止剤を添加することが、取り扱い性などの点から好ましい。かかる酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤などの各種公知のものを用いることができ、さらにこれらの混合の化合物なども用いることが可能である。
本発明のイソソルビド系ポリカーボネートフィルム中には、目的や用途に応じて各種の粒子を添加することができる。添加する粒子は、本発明のイソソルビド系ポリカーボネート樹脂に不活性なものであれば特に限定されないが、無機粒子、有機粒子、架橋高分子粒子、重合系内で生成させる内部粒子などを挙げることができる。これらの粒子を2種以上添加しても構わない。かかる粒子の添加量は、フィルムの全重量に対して0.01〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.05〜3重量%である。
特にフィルムに易滑性を付与し取扱性を向上させる点からは、添加する粒子の平均粒子径は好ましくは0.001〜20μmであり、さらに好ましくは0.01〜10μmである。平均粒子径が20μmを超えると、フィルムに欠陥が生じやすくなり、成形性の悪化などを引き起こすことがあり好ましくなく、また0.001μm未満の場合、十分な易滑性が発現しないことがあり好ましくない。
無機粒子の種類としては、特に限定されないが、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウムなどの各種炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの各種硫酸塩、カオリン、タルクなどの各種複合酸化物、リン酸リチウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウムなどの各種リン酸塩、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウムなどの各種酸化物、フッ化リチウムなどの各種塩を使用することができる。
また有機粒子としては、シュウ酸カルシウムや、カルシウム、バリウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム等のテレフタル酸塩などが使用される。
架橋高分子粒子としては、ジビニルベンゼン、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸のビニル系モノマーからの単独重合体または共重合体が挙げられる。その他、ポリテトラフルオロエチレン、ベンゾグアナミン樹脂、熱硬化エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂などの有機微粒子も好ましく使用される。
<熱可塑性樹脂材料の層について>
層(B)を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂が挙げられる。また、その他の樹脂として、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等を積層することもできる。。これらの樹脂は、その一部が変性したものであってもよい。
また、これらの樹脂に目的や用途に応じて各種の粒子やエラストマーを添加することができる。以下、層(B)を構成する熱可塑性樹脂として好適なポリカーボネート樹脂、ポリカーボネート樹脂用エラストマー、アクリル樹脂を例示して説明するが、本発明では、該樹脂はポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂に限られるものではない。
〈ポリカーボネート樹脂〉
ポリカーボネート樹脂は、ジヒドロキシ化合物が炭酸エステル結合により結ばれたポリマーであり、通常、ジヒドロキシ成分とカーボネート前駆体とを界面重合法または溶融重合法で反応させて得られるものである。
ジヒドロキシ成分の代表的な例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、イソソルビド、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。これらを単独で使用したホモポリマーでも、2種類以上共重合した共重合体であっても良い。物性面、コスト面からビスフェノールAが好ましい。本発明ではビスフェノール成分の50モル%以上がビスフェノールAであるポリカーボネートが好ましく、より好ましくは60モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上である。
具体的なポリカーボネートとして、ビスフェノールAのホモポリマー、ビスフェノールAと1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンとの共重合体、ビスフェノールAと9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンとの共重合体等を挙げることができる。ビスフェノールAのホモポリマーが最も好ましい。
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。
上記二価ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体を界面重合法または溶融重合法によって反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤等を使用してもよい。またポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であっても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂であってもよく、また、得られたポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。
ポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平均分子量で表して13,000〜40,000の範囲が好ましい。該分子量が13,000より低いと多層フィルムとして脆くなり、また40,000より高いとその溶融粘度が高くなりすぎて溶融製膜が困難となるため好ましくない。ポリカーボネート樹脂が2種以上の混合物の場合は混合物全体での分子量を表す。ここで粘度平均分子量とは、塩化メチレン100mLにポリカーボネート0.7gを溶解した溶液の20℃における比粘度(ηsp)を測定し、下記式から粘度平均分子量(M)を算出したものである。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]
[η]=1.23×10−40.83
(但しc=0.7g/dL、[η]は極限粘度)
〈ポリエステル系熱可塑性エラストマー〉
本発明で用いるポリエステル系熱可塑性エラストマーとは、結晶性の高融点ポリエステルブロック単位からなるハードセグメントと低融点のソフトセグメントとにより構成されるマルチブロック共重合体である。
(ハードセグメント)
ハードセグメントは、該セグメントからなるポリマーの融点が150℃以上となるポリエステルセグメントである。かかるポリエステルとして、芳香族ジカルボン酸またはその誘導体とジオール成分またはその誘導体とを重合してなるポリエステル、これらの成分を2種以上重合してなるコポリエステル、オキシ酸またはその誘導体を重合してなるポリエステル、並びに芳香族エーテルジカルボン酸またはその誘導体とジオール成分またはその誘導体とを重合してなるポリエステル等を挙げることが出来る。
芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、ビス(4−カルボキシフェニル)メタン、ビス(4−カルボキシフェニル)スルホン等を挙げることが出来る。中でもテレフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましく、テレフタル酸がより好ましい。
またジオール成分としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,10−デカンジオール、p−キシリレングリコールおよびシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。中でも炭素数2〜4のジオール成分が好ましく、1,4−ブタンジオールがより好ましい。
ハードセグメントは、ポリブチレンテレフタレートであることが好ましい。ポリブチレンテレフタレートはポリカーボネート樹脂との相溶性に優れ、透明性や熱成形性の点から好ましく、また強度等の面でも良好な特性を有する。ポリブチレンテレフタレートは、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分を共重合成分として含んでも良い。かかる共重合成分の割合は、ジカルボン酸成分およびジオール成分共にそれぞれの全成分100モル%中、30モル%以下が好ましく、20モル%以下がより好ましく、10モル%以下がさらに好ましい。
(ソフトセグメント)
ソフトセグメントとは、該セグメントから形成されたポリマーの融点が100℃以下、または100℃において液状で非晶性を示すセグメントのことを示す。
ソフトセグメントとして、ジカルボン酸成分とジオール成分とからなるポリエステルが挙げられる。
ジカルボン酸成分として、芳香族ジカルボン酸、または芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸が好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、ビス(4−カルボキシフェニル)メタン、ビス(4−カルボキシフェニル)スルホン等を挙げることが出来る。なかでもテレフタル酸、イソフタル酸が好ましい。芳香族ジカルボン酸は2種以上の成分を使用することができる。
芳香族ジカルボン酸には、脂肪族ジカルボン酸や脂環族ジカルボン酸を共重合することができる。脂肪族ジカルボン酸としては、炭素数4〜12の直鎖状ジカルボン酸が挙げられ、炭素数8〜12の直鎖状ジカルボン酸がより好ましく挙げられる。直鎖状ジカルボン酸の具体例としてはコハク酸、アジピン酸、およびセバチン酸が例示される。脂環族ジカルボン酸として、シクロヘキサンジカルボン酸が例示される。共重合成分の割合はジカルボン酸成分の合計100モル%中40モル%以下が適切であり、30モル%以下が好ましく、20モル%以下とすることがより好ましい。
ジオール成分として、炭素数5〜15のジオールまたはポリ(アルキレンオキサイド)グリコールが好ましい。炭素数5〜15のジオールとして、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、3−メチルペンタンジオール、2−メチルオクタメチレンジオール等が好適に例示され、特にヘキサメチレングリコールが好ましい。ポリ(アルキレンオキサイド)グリコールとして、ポリ(エチレンオキサイド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキサイド)グリコール等が挙げられる。アルキレンオキサイドの重合度は2〜5が好ましい。
ジオール成分には、エチレングリコール、テトラメチレングリコール等の炭素数2〜4の直鎖状脂肪族ジオールを共重合することができる。共重合成分の割合はジオール成分の合計100モル%中40モル%以下が適切であり、30モル%以下が好ましく、20モル%以下とすることがより好ましい。
ソフトセグメントとして、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸および炭素数5〜15のジオールから構成されるポリエステルが好ましい(以下“SS−1”と称する場合がある)。SS−1は極めて良好な透明性が得られる点から好適である。
ソフトセグメントSS−1は、より良好な透明性を得られる点からジカルボン酸成分の合計100モル%中、芳香族ジカルボン酸の含有量が60〜99モル%および脂肪族ジカルボン酸の含有量が1〜40モル%であることが好ましい。芳香族ジカルボン酸の含有量が70〜95モル%および脂肪族ジカルボン酸の含有量が5〜30モル%であることがより好ましい。芳香族ジカルボン酸の含有量が85〜93モル%および脂肪族ジカルボン酸の含有量が7〜15モル%であることがさらに好ましい。芳香族ジカルボン酸の含有量が89〜92モル%および脂肪族ジカルボン酸の含有量が8〜11モル%であることが特に好ましい。
SS−1の芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸およびイソフタル酸が好適であり、特に結晶性低下の点からイソフタル酸が好適である。SS−1の脂肪族ジカルボン酸として、コハク酸、アジピン酸、およびセバチン酸等の炭素数6〜12の直鎖状脂肪族ジカルボン酸が好適であり、特にセバシン酸が好適である。
SS−1の炭素数5〜15のジオール成分としては、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、3−メチルペンタンジオール、および2−メチルオクタメチレンジオール等の炭素数6〜12の直鎖状脂肪族ジオールが好ましい。特にヘキサメチレングリコールが好ましい。
SS−1は、ポリカーボネート樹脂との相溶性が高く従って多層フィルムにおいても透明性が高いものを得ることが出来、また熱成形後の表面性や透明性も良好であるという観点から特に好ましい。SS−1としてより具体的には、イソフタル酸およびセバシン酸成とヘキサメチレングリコールからなるポリエステルが好ましい。
またソフトセグメントとして、芳香族ジカルボン酸およびポリ(アルキレンオキサイド)グリコールから構成されるポリエステルが挙げられる(以下“SS−2”と称する場合がある)。
SS−2を構成する芳香族ジカルボン酸として、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、ビス(4−カルボキシフェニル)メタン、ビス(4−カルボキシフェニル)スルホン等を挙げることが出来る。中でもテレフタル酸およびイソフタル酸が好適であり、特にテレフタル酸が好適である。
SS−2を構成する好適なポリ(アルキレンオキサイド)グリコールは、分子式HO(CHCHO)H(i=2〜5)、または分子式HO(CHCHCHCHO)H(i=2〜3)で表わされるものであり、更に好適には分子式HO(CHCHO)H(i=2〜5)で表わされるものであり、特に好ましくはトリ(エチレンオキサイド)グリコールである。
またソフトセグメントとして、炭素数2〜12の脂肪族ジカルボン酸と炭素数2〜10の脂肪族グリコールから製造されるポリエステルが挙げられる。かかるポリエステルとしては、例えばポリエチレンアジペート、ポリテトラメチレンアジペート、ポリエチレンセバケート、ポリネオペンチルセバケート、ポリテトラメチレンドデカネート、ポリテトラメチレンアゼレートおよびポリヘキサメチレンアゼレート等が例示される。
またソフトセグメントとして、ポリ(アルキレンオキサイド)グリコールからなるセグメントが挙げられる。ポリ(アルキレンオキサイド)グリコールとして、ポリ(エチレンオキサイド)グリコール、ポリ(プロピレンオキサイド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキサイド)グリコール等のポリアルキレンエーテルグリコール、並びにこれらのポリエーテルグリコール成分を共重合した共重合ポリエーテルグリコール等が例示される。かかるポリ(アルキレンオキサイド)グリコールの数平均分子量は400〜6,000の範囲が好ましく、500〜3,000がより好ましい。
またソフトセグメントとして、ラクトン類化合物を開環重合したポリラクトン類が挙げられ、具体的にはポリ−ε−カプロラクトンを好ましく挙げることが出来る。更に上記ポリエステルとポリエーテルを組み合わせたポリエステルポリエーテル共重合体等も挙げられる。
(組成等)
また本発明ではポリエステル系熱可塑性エラストマーにおいてハードセグメントとソフトセグメントとの割合は、エラストマー100重量%中、ハードセグメントが20〜70重量%およびソフトセグメントが80〜30重量%であることが適切であり、ハードセグメントが20〜40重量%およびソフトセグメントが80〜60重量%であることが好ましい。ポリエステル系熱可塑性エラストマーの固有粘度(o−クロロフェノール中、35℃での測定された値)は0.6以上が好ましく、0.8〜1.5の範囲がより好ましく、0.8〜1.2の範囲が更に好ましい。固有粘度が上記範囲より低い場合には多層フィルムの強度が低下する恐れがあり好ましくない。
本発明では、A層中のポリエステル系熱可塑性エラストマーの含有量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、3〜50重量部であることが好ましい。3重量%より少ないと、該エラストマー添加による熱成形性向上の効果が乏しくなるため好ましくなく、また50重量%より多くなると、樹脂組成物の熱変形温度が低くなりすぎるため多層フィルムの耐熱性が不足し好ましくない。より好ましくは5〜30重量部であり、さらに好ましくは8〜25重量部である。
本発明のA層には、それぞれの樹脂において一般的に用いられる各種の添加剤を含んでいてもよい。例えば熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、染料等が挙げられる。また本発明の効果を損なわない範囲で、ガラス繊維等の強化フィラーを含有していてもよい。
(ポリエステル系熱可塑性エラストマーの製造)
ポリエステル系熱可塑性エラストマーは、前述したハードセグメントとソフトセグメントを溶融混練することにより反応させてマルチブロック共重合体とすることにより得ることが出来る。
ハードセグメントとなるポリマーの固有粘度は、好ましくは0.2〜2.0、より好ましくは0.5〜1.5の範囲である。
ソフトセグメントとなるポリマーの固有粘度は、好ましくは0.2〜2.0、より好ましくは0.5〜1.5の範囲である。
反応は、好ましくは200〜300℃、より好ましくは220〜260℃の範囲で、行なうことが好ましい。
かくしてマルチブロック化した上記ハードセグメントとソフトセグメントの数平均分子量は各々、500〜7,000の範囲が好ましく、800〜5,000の範囲がより好ましい。
〈アクリル樹脂〉
アクリル系樹脂フィルムとは、各種アクリル酸エステル系モノマーの重合体から作られる熱可塑性樹脂をその構造中に含むアクリル系ポリマーからなるフィルムである。
本発明で使用できるモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−メチルブチル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアマイド、スチレンやα−メチルスチレン等のスチレン系モノマー、アクリロニトリル、無水マレイン酸などをあげることができる。
次に、本発明の多層フィルムの製造方法について説明する。
〈多層フィルムの製造〉
本発明の多層フィルムは、従来公知の方法により製造することが出来る。例えば各層を予め別々に製膜しておきラミネートする、あるいは熱圧着プレスする方法、予め製膜した一方の層のフィルムを基材として、その片面あるいは両面にコーティングしてもう一方の層を形成させる方法、それぞれの樹脂層を共押出法により積層製膜する方法等が挙げられる。中でも経済性、生産安定性等から共押出法による製造がもっとも好ましい。
即ち、本発明の多層フィルムは、A層用の成形材料Aと、B層用の成形材料Bとを共押出して製造することができる。
共押出法は、成形材料AおよびBを別々の押出機を用いて溶融押出しし、フィードブロックまたはマルチマニホールドダイを用いて積層することにより多層フィルムを得る方法であり、各押出機の押出量や製膜速度、ダイスリップ間隔等を調整することにより、得られる多層フィルムの総厚みおよび厚み組成をコントロールすることが可能である。
共押出法の場合、一般にダイスから出た溶融樹脂の片面を冷却ロールで冷却しても良いが、金属ロールや弾性ロールあるいは金属スリーブに両面を密着させて、フィルム表面の面精度を高める方法がより好適である。
得られた多層フィルムを延伸して使用することもできる。
延伸方法はロール間で延伸する縦一軸延伸、テンターを用いる横一軸延伸、あるいはそれらを組み合わせた同時ニ軸延伸、逐次ニ軸延伸など公知の方法を用いることが出来、目的に応じて最適の延伸方法を選択すれば良い。また連続で行うことが生産性の点で好ましいが、バッチ式で行ってもよく特に制限はない。
本発明の多層フィルムの表面は、加飾層やハードコート層、接着層を形成した場合に各層との密着性を向上させる目的で、フィルムの表面をあらかじめコロナ放電処理、UV処理やアンカーコート剤を塗布するなどの方法によって、前処理を施すことができる。アンカーコート剤としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリシロキサンおよびエポキシ樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂が好ましく用いられる。
本発明の多層フィルムにおいては、ベースフィルムの少なくとも片面に加飾層が積層することができる。本発明に用いられる加飾層は、各種形態を取り得る。例えばベースフィルムに直接的に施される印刷層や蒸着層、ベースフィルムに積層される着色した樹脂層、および印刷や蒸着などの加飾を施したフィルムを用いた層などが加飾層として挙げられるが、特に限定されるものではない。
加飾層の一種である印刷層のバインダー樹脂素材としては、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド系樹脂、熱可塑性エラストマー系樹脂等が好ましく、特に柔軟な被膜を作製することができる樹脂が好ましい。またバインダー樹脂中には、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを配合することが好ましい。
印刷層の積層方法は、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの方法を用いることが好ましい。特に多色刷りや階調色彩を必要とする場合には、オフセット印刷法やグラビア印刷法が好ましい。また単色の場合は、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法を採用することもできる。図柄に応じて、フィルムに全面的に印刷層を積層する印刷法でも、部分的に印刷層を積層する印刷法でもよい。
加飾層の一種である蒸着層を構成する材質としては、アルミニウム、珪素、亜鉛、マグネシウム、銅、クロム、ニッケルクロムなどの金属が好ましい。意匠性とコストの面からアルミニウム金属がより好ましいが、2種以上の金属成分からなる合金であってもよい。蒸着によりこれら金属薄膜層を積層する方法としては、通常の真空蒸着法を用いることができるが、イオンプレーティングやスパッタリング、プラズマで蒸発物を活性化する方法なども用いることができる。また化学気相蒸着法(いわゆるCVD法)も、広い意味での蒸着法として用いることができる。これらのための蒸発源としては、抵抗加熱方式のボード形式や、輻射または高周波加熱によるルツボ形式や、電子ビーム加熱による方式などがあるが、これらに特に限定さることはない。
加飾層の一種として、ベースフィルム上に着色した樹脂層を形成する方法を用いる場合、着色剤としては染料、有機顔料および無機顔料により着色した樹脂を、コーティング法や押出ラミネート法により積層する方式があげられるが、これらに限定されない。
加飾層として印刷層を形成した場合、加飾層の厚みの範囲は、本発明の効果を阻害しない限り限定されないが、成形性の観点から0.01〜100μmが好ましい。
また印刷層や蒸着層、樹脂層以外を加飾層として用いた場合でも、加飾層の厚みの範囲は、本発明の効果を阻害しない限り限定されないが、成形性の観点から0.01〜100μmであることが好ましい。
本発明の多層フィルムにおいては、最表面にハードコート層が積層することができる。このハードコート層は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、有機シリケート化合物、シリコーン系樹脂または金属酸化物などで構成することができる。特に、硬度と耐久性などの点で、シリコーン系樹脂とアクリル系樹脂が好ましく、更に、硬化性、可撓性および生産性の点で、アクリル系樹脂、特に、活性線硬化型のアクリル系樹脂、または熱硬化型のアクリル系樹脂からなるものが好ましい。
本発明に用いられるハードコート層中には、本発明の効果が損なわれない範囲で、さらに各種の添加剤を必要に応じて配合することができる。例えば、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤などの安定剤、界面活性剤、レベリング剤および帯電防止剤などを用いることができる。
ハードコート層を積層するプロセスとしては、オフラインコーティングと、インラインコーティングの2種に大別することができる。
オフラインコーティングは、ベースフィルムに、熱硬化型樹脂または活性線硬化型樹脂を主成分とするコーティング層の塗材を塗布する。一方、インラインコーティングは、ベースフィルムの製膜工程においてハードコート層の塗材を塗布する。
ハードコート層を積層するための組成物を含有する塗材の塗布手段としては、各種の塗布方法、例えば、リバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコート法、ダイコート法またはスプレーコート法などを用いることができる。
本発明に用いられる活性線としては、紫外線(UV)、電子線および放射線(α線、β線、γ線など)などアクリル系のビニル基を重合させる電磁波が挙げられ、実用的には、UVが簡便であり好ましい。UV線源としては、紫外線蛍光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯または炭素アーク灯などを用いることができる。また、活性線を照射するときに、低酸素濃度下で照射を行なうと、効率よく硬化させることができる。また更に、電子線方式は、装置が高価で不活性気体下での操作が必要ではあるが、塗布層中に光重合開始剤や光増感剤などを含有させなくてもよい点で有利である。
本発明に用いられる熱硬化に必要な熱としては、スチームヒーター、電気ヒーター、赤外線ヒーターあるいは遠赤外線ヒーターなどを用いて少なくとも140℃以上に加温された空気、不活性ガスを、スリットノズルを用いて基材、塗膜に吹きあてることにより与える熱が挙げられる。また200℃以上に加温された空気による熱が好ましく、更には200℃以上に加温された窒素による熱であることが、硬化速度が早くなることからより好ましい。
ハードコート層の厚さは、用途に応じて決定すればよいが、通常0.1〜30μmが好ましく、より好ましくは1〜15μmである。ハードコート層の厚さが0.1μm未満の場合には十分硬化していても薄すぎるために表面硬度が十分でなく傷が付きやすくなる傾向にあり、一方、厚さが30μmを超える場合には、折り曲げなどの応力により硬化膜にクラックが入りやすくなる傾向にある。
本発明に用いる多層フィルムの全厚みは、好ましくは10〜600μmの範囲であり、より好ましくは20〜400μm、特に好ましくは40〜300μmである。多層フィルムの全厚みが10μm未満の場合、フィルムの剛性、製膜安定性および平面性が悪化し、さらには成形時にしわなどが入りやすくなり好ましくない。また600μmを超えると、取り扱い性悪く、場合によっては成形性の悪化を引き起こすことがあるために好ましくない。
本発明の多層フィルムは、ヘイズが0%以上5%以下であることが好ましい。多層フィルムのヘイズは、さらに好ましくは0%以上3%以下、特に好ましくは0%以上2%以下である。多層フィルムのヘイズが5%より大きい場合に、多層フィルムを光学用途として用いた際、視認性が悪くなることがあり好ましくない。またヘイズは小さければ小さい程良いが、現実的には0.1%未満にすることは困難である。
本発明の多層フィルムは、鉛筆硬度がB以上であることが好ましい。多層フィルムの鉛筆硬度は、さらに好ましくはHB以下、特に好ましくはF以上である。多層フィルムの鉛筆硬度がBより大きい場合に、多層フィルムを加飾フィルム用途として用いた際、傷がつきやすく好ましくない。また鉛筆硬度は硬ければ硬い程良いが、現実的には4H以上にすることは困難である。
また本発明の多層フィルムは、全光線透過率が85%以上100%以下であることが好ましい。全光線透過率は、より好ましくは90%以上、特に好ましくは92%以上である。全光線透過率が85%より小さい場合、多層フィルムを光学用途として用いた際に、視認性が悪くなることがある。
また本発明の多層フィルムは、23℃、24時間、水中での吸水率が3%以下であることが好ましい。吸水率はより好ましくは2.5%以下、特に好ましくは2%以下、さらに好ましくは1%以下である。吸水率が3%より大きい場合、多層フィルムが膨張し多層フィルムを光学用途として用いた際に、視認性が悪くなることがある。
以下、実施例により本発明を詳述する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお参考例、実施例および比較例中の物性測定は以下のようにして行ったものである。
(1)比粘度
ペレットを塩化メチレンに溶解、濃度を約0.7g/dLとして、温度20℃にて、オストワルド粘度計(装置名:RIGO AUTO VISCOSIMETER TYPE VMR−0525・PC)を使用して測定した。なお、比粘度ηspは下記式から求められる。
ηsp=t/t−1
t :試料溶液のフロータイム
:溶媒のみのフロータイム
(2)厚みおよび層厚み
フィルム全体の厚みを測定する際は、ダイヤルゲージを用いて、フィルムから切り出した各々の試料の任意の場所5ヶ所の厚みを測定し、平均値として求めた。
(3)全光線透過率およびヘイズ
日本電色工業(株)製 NDH−2000(D65光源)を用いて測定した。なお測定は5回行い、その平均値を測定値として採用した。
(4)フィルムの耐薬品性
フィルムのヘイズ測定部分上にメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエンを各々3ml滴下させて6時間放置した後、溶剤をきれいに拭き取って、溶剤滴下前後における変化を目視で判定した。
○:すべての溶剤に対して変化なし、△:溶剤に対して若干膨潤、×:いずれの溶剤に対しても白化、溶解がみられた。
(5)フィルムの鉛筆硬度
JIS K−5400に従って測定した。測定は5回行い、平均値を求めて測定結果とした。HB以上を合格とした。
(6)フィルムの吸水率
フィルムを90℃、24時間乾燥させた後、これを23℃、水中で24時間浸漬し、測定した。
吸水率=(浸漬後の重量−浸漬前の重量)/浸漬前の重量×100(%)
(7)熱成形性
図1に示す真空成形機および図2に示す金型を用いて評価した。
図1に示す装置は、A4サイズのフィルム(番号1)をセットしてその周囲を固定し、フィルム上部を赤外線ヒーター(番号2)で一定時間加熱した後、フィルムの下部の密封ボックス内の台に予め設置した金型(番号3)を上昇させてフィルム(番号1)を変形させ、同時にフィルム下部のボックス空間(番号4)を真空引きしてフィルムを金型表面に貼合させる装置である。金型(番号3)の形状は、60mm×60mm×高さ30mmの直方体であり、その上面に幅10mm、深さ3mmの溝(番号5)を有し、溝(番号5)のコーナーエッジ(番号6)の曲率半径(R)は、0.5mmである。
(8)靭性
真空成形機による熱成形性評価において、金型形状にフィルムが延伸される際および金型からフィルムを離型する際にフィルムにヒビや割れが生じないかどうか以下の基準で判断した。
良好:離型する際にフィルムにヒビや割れが生じない
割れあり:離型する際にフィルムにヒビや割れが生じた。
[製造例1]
イソソルビド1461重量部(10モル)とジフェニルカーボネート2142重量部(10モル)とを反応器に入れ、重合触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを1.0重量部(ジフェニルカーボネート成分1モルに対して1×10−4モル)、および水酸化ナトリウムを1.1×10−3重量部(ジフェニルカーボネート成分1モルに対して0.25×10−6モル)仕込んで窒素雰囲気下常圧で180℃に加熱し溶融させた。
撹拌下、反応槽内を30分かけて徐々に減圧し、生成するフェノールを留去しながら13.3×10−3MPaまで減圧した。この状態で20分反応させた後に200℃に昇温した後、20分かけて徐々に減圧し、フェノールを留去しながら4.00×10−3MPaで20分間反応させ、さらに、220℃に昇温し30分間、250℃に昇温し30分間反応させた。
次いで、徐々に減圧し、2.67×10−3MPaで10分間、1.33×10−3MPaで10分間反応を続行し、さらに減圧し、4.00×10−4MPaに到達したら、徐々に260℃まで昇温し、最終的に260℃、6.66×10−5MPaで1時間反応せしめた。反応後のポリマーをペレット化した。得られたポリマーの比粘度、ガラス転移温度を測定し、その結果を表1に示した。
[製造例2]
イソソルビド1169重量部(8モル)とジフェニルカーボネート2142重量部(10モル)、ヘキサンジオール236重量部(2モル)とを反応器に入れ、重合触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを1.0重量部(ジフェニルカーボネート成分1モルに対して1×10−4モル)、および水酸化ナトリウムを1.1×10−3重量部(ジフェニルカーボネート成分1モルに対して0.25×10−6モル)とを用いた以外は実施例1と同様にしてポリカーボネートの溶融重合を行った。得られたポリマーの比粘度、ガラス転移温度を測定し、その結果を表1に示した。
[製造例3]
イソソルビド1023重量部(7.0モル)、1,4−シクロヘキサンジメタノール432重量部(3.0モル)とジフェニルカーボネート2142重量部(10モル)、ステアリルアルコール54重量部(0.20モル)とを反応器に入れ、重合触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを1.0重量部(ジフェニルカーボネート成分1モルに対して1×10−4モル)、および水酸化ナトリウムを1.1×10−3重量部(ジフェニルカーボネート成分1モルに対して0.25×10−6モル)とを用いた以外は実施例1と同様にしてポリカーボネートの溶融重合を行った。得られたポリマーの比粘度、ガラス転移温度を測定し、その結果を表1に示した。
〔実施例1〕
製造例1で得られた樹脂(A層)とポリカーボネート樹脂ペレット(帝人化成(株)製パンライトL−1250、粘度平均分子量23,700)(B層)を、それぞれスクリュー径40mmの単軸押出機を用いて、シリンダー温度250〜270℃(A層)、250〜270℃(B層)の条件で、フィードブロック方式にて300mm幅のTダイから押出し、冷却ロールに溶融樹脂の一方の面をタッチさせて冷却した後、A層/B層/A層の3層構造を有するフィルム幅200mmの多層フィルムを作成した。該フィルムの全光線透過率、ヘイズ、耐溶剤性、鉛筆硬度、吸水率を評価し、その結果を表2に示した。
〔実施例2〕
アクリル樹脂(三菱レーヨン(株)製アクリペットVH001;標準グレード)(A層)と製造例2で得られた樹脂(B層)を、それぞれスクリュー径40mmの単軸押出機を用いて、シリンダー温度230〜250℃(A層)、240〜270℃(B層)の条件で、フィードブロック方式にて300mm幅のTダイから押出し、冷却ロールに溶融樹脂の一方の面をタッチさせて冷却した後、A層/B層/A層の3層構造を有するフィルム幅200mmの多層フィルムを作成した。該フィルムの全光線透過率、ヘイズ、耐溶剤性、鉛筆硬度、吸水率を評価し、その結果を表2に示した。
〔実施例3〕
ポリカーボネート樹脂ペレット(帝人化成(株)製パンライトL−1250、粘度平均分子量23,700)およびポリエステル系熱可塑性エラストマーとして、ハードセグメントがPBT、ソフトセグメントがポリ−ε−カプロラクトンで構成される東洋紡績(株)製の熱可塑性エラストマー(商品名ペルプレン;グレードS−1002)を用い、それぞれ事前に予備乾燥し、ポリカーボネート樹脂/ポリエステル系熱可塑性エラストマー=90/10(100/11.1)(重量部)となるようにV型ブレンダーで混合した後、2軸押出機を用いてシリンダー温度260℃で押出してペレット化し、B層用の成形材料を得た。成形材料のガラス転移温度は111℃であった。
製造例2で得られた樹脂(A層)および上記成型材料(B層)を、それぞれスクリュー径40mmの単軸押出機を用いて、シリンダー温度230〜250℃(A層)、240〜270℃(B層)の条件で、フィードブロック方式にて300mm幅のTダイから押出し、冷却ロールに溶融樹脂の一方の面をタッチさせて冷却した後、A層/B層/A層の3層構造を有するフィルム幅200mmの多層フィルムを作成した。該フィルムの面配向係数、全光線透過率、ヘイズ、耐溶剤性、鉛筆硬度、吸水率を評価し、その結果を表2に示した。
〔実施例4〕
製造例3で得られた樹脂(A層)および実施例3で製造したポリカーボネート樹脂/ポリエステル系熱可塑性エラストマー=90/10(100/11.1)(B層)を、それぞれスクリュー径40mmの単軸押出機を用いて、シリンダー温度230〜250℃(A層)、240〜270℃(B層)の条件で、フィードブロック方式にて300mm幅のTダイから押出し、冷却ロールに溶融樹脂の一方の面をタッチさせて冷却した後、A層/B層/A層の3層構造を有するフィルム幅200mmの多層フィルムを作成した。該フィルムの全光線透過率、ヘイズ、耐溶剤性、鉛筆硬度、吸水率を評価し、その結果を表2に示した。
〔比較例1〕
実施例1で得られた樹脂を乾燥後、単軸φ40mm押出製膜機を用いて溶融製膜フィルムを得た。押出し機シリンダー温度は220℃〜260℃の範囲内に保持し、スリット状のダイからシート状に押出されたシートの両端部に針状エッジピニング装置を用いて静電印加を行い、キャスティングドラム(表面温度を150℃に調整)に密着させて溶融状態から冷却固化し、厚み100μmの本発明のベースフィルムを得た。該フィルムの全光線透過率、ヘイズ、耐溶剤性、鉛筆硬度、吸水率を評価し、その結果を表2に示した。
〔比較例2〕
ポリカーボネート樹脂ペレット(帝人化成(株)製パンライトL−1250、粘度平均分子量23,700)を用いて比較例1と同様の方法で製膜し、ベースフィルムを作成した。
該フィルムの全光線透過率、ヘイズ、耐溶剤性、鉛筆硬度、吸水率を評価し、その結果を表2に示した。
〔比較例3〕
アクリル樹脂(三菱レーヨン(株)製アクリペットVH001;標準グレード)を用いて比較例1と同様の方法で製膜し、ベースフィルムを作成した。
該フィルムの全光線透過率、ヘイズ、耐溶剤性、鉛筆硬度、吸水率を評価し、その結果を表2に示した。
〔比較例4〕
アクリル樹脂(三菱レーヨン(株)製アクリペットVH001;標準グレード)(A層)および実施例3で製造したポリカーボネート樹脂/ポリエステル系熱可塑性エラストマー=90/10(100/11.1)(B層)を、それぞれスクリュー径40mmの単軸押出機を用いて、シリンダー温度230〜250℃(A層)、240〜270℃(B層)の条件で、フィードブロック方式にて300mm幅のTダイから押出し、冷却ロールに溶融樹脂の一方の面をタッチさせて冷却した後、A層/B層/A層の3層構造を有するフィルム幅200mmの多層フィルムを作成した。該フィルムの全光線透過率、ヘイズ、耐溶剤性、鉛筆硬度、吸水率を評価し、その結果を表2に示した。
〔比較例5〕
実施例3で製造したポリカーボネート樹脂/ポリエステル系熱可塑性エラストマー=90/10(100/11.1)を用いて比較例1と同様の方法で製膜し、ベースフィルムを作成した。
該フィルムの全光線透過率、ヘイズ、耐溶剤性、鉛筆硬度、吸水率を評価し、その結果を表2に示した。
Figure 0005771021
Figure 0005771021
本発明の多層フィルムを用いて得られる多層フィルム成形品は、耐薬品性、吸水率、成形加工性、靭性に優れるため、食品や医療品等の包装用フィルムとして好適である。さらに透明性にも優れるため、各種光学用途として使用され有用である。

Claims (6)

  1. 植物由来のエーテルジオール残基を含んでなるポリカーボネート樹脂材料の層(A)の少なくとも一方の面に、熱可塑性樹脂材料の層(B)および印刷層を積層されてなる多層フィルムであって、植物由来のエーテルジオール残基を含んでなるポリカーボネート樹脂が下記式(1)で表されるジオール残基を含んでなり、全ジオール残基中式(1)で表されるジオール残基が15〜100モル%を占めるポリカーボネートであり、熱可塑性樹脂材料がポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂のいずれかであり、印刷層のバインダー樹脂がポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド系樹脂または熱可塑性エラストマー系樹脂である多層フィルム。
    Figure 0005771021
  2. 積層フィルムの25℃、24時間、水中での吸水率が3%以下である請求項1に記載の多層フィルム。
  3. 積層フィルムの鉛筆硬度がB以上である請求項1または2に記載の多層フィルム。
  4. 植物由来のエーテルジオール残基を含んでなるポリカーボネート樹脂が記式(1)で表されるジオール残基を含んでなり、全ジオール残基中式(1)で表されるジオール残基が30〜100モル%を占めるポリカーボネートである請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層フィルム。
  5. 植物由来のエーテルジオール残基を含んでなるポリカーボネート樹脂材料の厚みが1μm〜100μmの層が積層されてなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の多層フィルム。
  6. 多層フィルムの総厚みが10μm〜600μmである請求項1〜5のいずれか1項に記載の多層フィルム。
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