JP5771021B2 - 積層フィルム - Google Patents
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例えば、ポリカーボネ−ト樹脂と(メタ)アクリレート重合体とを共押出して得られる、ポリカーボネートシートに(メタ)アクリレート重合体の層が被覆された多層フィルムが開示されている。しかしながら、既存の多層フィルムにおいては、耐薬品性、成形性、衝撃強度の点で満足できるものは得られていなかった。(特許文献1参照)
このようにイソソルビドを用いたカーボネート重合体の提案はなされているが、これらの文献で開示されているのは、ガラス転移温度や基本的な機械的特性のみで、積層フィルムに必要とされる耐薬品性、吸水率、成形加工性、靭性などの特性については十分開示されていない。
1.植物由来のエーテルジオール残基を含んでなるポリカーボネート樹脂材料の層(A)の少なくとも一方の面に、熱可塑性樹脂材料の層(B)および印刷層を積層されてなる多層フィルムであって、植物由来のエーテルジオール残基を含んでなるポリカーボネート樹脂が下記式(1)で表されるジオール残基を含んでなり、全ジオール残基中式(1)で表されるジオール残基が15〜100モル%を占めるポリカーボネートであり、熱可塑性樹脂材料がポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂のいずれかであり、印刷層のバインダー樹脂がポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド系樹脂または熱可塑性エラストマー系樹脂である多層フィルム。
3.積層フィルムの鉛筆硬度がB以上である前記1または2に記載の多層フィルム。
4.植物由来のエーテルジオール残基を含んでなるポリカーボネート樹脂が上記式(1)で表されるジオール残基を含んでなり、全ジオール残基中式(1)で表されるジオール残基が30〜100モル%を占めるポリカーボネートである前記1〜3のいずれかに記載の多層フィルム。
6.多層フィルムの総厚みが10μm〜600μmである前記1〜4のいずれかに記載の多層フィルム。
本発明の多層フィルムは、ベースフィルムの少なくとも片面に熱可塑性樹脂材料の層が積層される。つまり本発明の多層フィルムの構成としては、ベースフィルム+熱可塑性樹脂材料の層、の構成や、ベースフィルム+熱可塑性樹脂材料の層+ベースフィルム、の構成や、熱可塑性樹脂材料の層+ベースフィルム+熱可塑性樹脂材料の層、の構成が挙げられる。
そして本発明に用いるベースフィルムは、植物由来のエーテルジオール残基を含み、好ましくは下記式(1)で表される植物由来のエーテルジオール残基を含んでなるポリカーボネート樹脂である。
一方、本発明に用いるに適した共重合構成単位のジオール化合物としては、直鎖脂肪族ジオール化合物、脂環式ジオール化合物、芳香族ジヒドロキシ化合物のいずれでも良い。
ホスファイト化合物としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、トリス(ジエチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−iso−プロピルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−n−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、およびトリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトなどが挙げられる。
上記のリン系安定剤は、単独でまたは2種以上を併用して使用することができ、少なくともペンタエリスリトール型ホスファイト化合物を有効量配合することが好ましい。リン系安定剤はポリカーボネート樹脂100重量部当たり、好ましくは0.001〜1重量部、より好ましくは0.01〜0.5重量部、さらに好ましくは0.01〜0.3重量部配合される。
また有機粒子としては、シュウ酸カルシウムや、カルシウム、バリウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム等のテレフタル酸塩などが使用される。
層(B)を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂が挙げられる。また、その他の樹脂として、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等を積層することもできる。。これらの樹脂は、その一部が変性したものであってもよい。
ポリカーボネート樹脂は、ジヒドロキシ化合物が炭酸エステル結合により結ばれたポリマーであり、通常、ジヒドロキシ成分とカーボネート前駆体とを界面重合法または溶融重合法で反応させて得られるものである。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]2c
[η]=1.23×10−4M0.83
(但しc=0.7g/dL、[η]は極限粘度)
本発明で用いるポリエステル系熱可塑性エラストマーとは、結晶性の高融点ポリエステルブロック単位からなるハードセグメントと低融点のソフトセグメントとにより構成されるマルチブロック共重合体である。
ハードセグメントは、該セグメントからなるポリマーの融点が150℃以上となるポリエステルセグメントである。かかるポリエステルとして、芳香族ジカルボン酸またはその誘導体とジオール成分またはその誘導体とを重合してなるポリエステル、これらの成分を2種以上重合してなるコポリエステル、オキシ酸またはその誘導体を重合してなるポリエステル、並びに芳香族エーテルジカルボン酸またはその誘導体とジオール成分またはその誘導体とを重合してなるポリエステル等を挙げることが出来る。
ソフトセグメントとは、該セグメントから形成されたポリマーの融点が100℃以下、または100℃において液状で非晶性を示すセグメントのことを示す。
ソフトセグメントとして、ジカルボン酸成分とジオール成分とからなるポリエステルが挙げられる。
また本発明ではポリエステル系熱可塑性エラストマーにおいてハードセグメントとソフトセグメントとの割合は、エラストマー100重量%中、ハードセグメントが20〜70重量%およびソフトセグメントが80〜30重量%であることが適切であり、ハードセグメントが20〜40重量%およびソフトセグメントが80〜60重量%であることが好ましい。ポリエステル系熱可塑性エラストマーの固有粘度(o−クロロフェノール中、35℃での測定された値)は0.6以上が好ましく、0.8〜1.5の範囲がより好ましく、0.8〜1.2の範囲が更に好ましい。固有粘度が上記範囲より低い場合には多層フィルムの強度が低下する恐れがあり好ましくない。
ポリエステル系熱可塑性エラストマーは、前述したハードセグメントとソフトセグメントを溶融混練することにより反応させてマルチブロック共重合体とすることにより得ることが出来る。
ソフトセグメントとなるポリマーの固有粘度は、好ましくは0.2〜2.0、より好ましくは0.5〜1.5の範囲である。
かくしてマルチブロック化した上記ハードセグメントとソフトセグメントの数平均分子量は各々、500〜7,000の範囲が好ましく、800〜5,000の範囲がより好ましい。
アクリル系樹脂フィルムとは、各種アクリル酸エステル系モノマーの重合体から作られる熱可塑性樹脂をその構造中に含むアクリル系ポリマーからなるフィルムである。
本発明で使用できるモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−メチルブチル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアマイド、スチレンやα−メチルスチレン等のスチレン系モノマー、アクリロニトリル、無水マレイン酸などをあげることができる。
〈多層フィルムの製造〉
本発明の多層フィルムは、従来公知の方法により製造することが出来る。例えば各層を予め別々に製膜しておきラミネートする、あるいは熱圧着プレスする方法、予め製膜した一方の層のフィルムを基材として、その片面あるいは両面にコーティングしてもう一方の層を形成させる方法、それぞれの樹脂層を共押出法により積層製膜する方法等が挙げられる。中でも経済性、生産安定性等から共押出法による製造がもっとも好ましい。
即ち、本発明の多層フィルムは、A層用の成形材料Aと、B層用の成形材料Bとを共押出して製造することができる。
得られた多層フィルムを延伸して使用することもできる。
加飾層として印刷層を形成した場合、加飾層の厚みの範囲は、本発明の効果を阻害しない限り限定されないが、成形性の観点から0.01〜100μmが好ましい。
また印刷層や蒸着層、樹脂層以外を加飾層として用いた場合でも、加飾層の厚みの範囲は、本発明の効果を阻害しない限り限定されないが、成形性の観点から0.01〜100μmであることが好ましい。
オフラインコーティングは、ベースフィルムに、熱硬化型樹脂または活性線硬化型樹脂を主成分とするコーティング層の塗材を塗布する。一方、インラインコーティングは、ベースフィルムの製膜工程においてハードコート層の塗材を塗布する。
ペレットを塩化メチレンに溶解、濃度を約0.7g/dLとして、温度20℃にて、オストワルド粘度計(装置名:RIGO AUTO VISCOSIMETER TYPE VMR−0525・PC)を使用して測定した。なお、比粘度ηspは下記式から求められる。
ηsp=t/to−1
t :試料溶液のフロータイム
to :溶媒のみのフロータイム
フィルム全体の厚みを測定する際は、ダイヤルゲージを用いて、フィルムから切り出した各々の試料の任意の場所5ヶ所の厚みを測定し、平均値として求めた。
日本電色工業(株)製 NDH−2000(D65光源)を用いて測定した。なお測定は5回行い、その平均値を測定値として採用した。
フィルムのヘイズ測定部分上にメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエンを各々3ml滴下させて6時間放置した後、溶剤をきれいに拭き取って、溶剤滴下前後における変化を目視で判定した。
○:すべての溶剤に対して変化なし、△:溶剤に対して若干膨潤、×:いずれの溶剤に対しても白化、溶解がみられた。
JIS K−5400に従って測定した。測定は5回行い、平均値を求めて測定結果とした。HB以上を合格とした。
フィルムを90℃、24時間乾燥させた後、これを23℃、水中で24時間浸漬し、測定した。
吸水率=(浸漬後の重量−浸漬前の重量)/浸漬前の重量×100(%)
図1に示す真空成形機および図2に示す金型を用いて評価した。
図1に示す装置は、A4サイズのフィルム(番号1)をセットしてその周囲を固定し、フィルム上部を赤外線ヒーター(番号2)で一定時間加熱した後、フィルムの下部の密封ボックス内の台に予め設置した金型(番号3)を上昇させてフィルム(番号1)を変形させ、同時にフィルム下部のボックス空間(番号4)を真空引きしてフィルムを金型表面に貼合させる装置である。金型(番号3)の形状は、60mm×60mm×高さ30mmの直方体であり、その上面に幅10mm、深さ3mmの溝(番号5)を有し、溝(番号5)のコーナーエッジ(番号6)の曲率半径(R)は、0.5mmである。
真空成形機による熱成形性評価において、金型形状にフィルムが延伸される際および金型からフィルムを離型する際にフィルムにヒビや割れが生じないかどうか以下の基準で判断した。
良好:離型する際にフィルムにヒビや割れが生じない
割れあり:離型する際にフィルムにヒビや割れが生じた。
イソソルビド1461重量部(10モル)とジフェニルカーボネート2142重量部(10モル)とを反応器に入れ、重合触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを1.0重量部(ジフェニルカーボネート成分1モルに対して1×10−4モル)、および水酸化ナトリウムを1.1×10−3重量部(ジフェニルカーボネート成分1モルに対して0.25×10−6モル)仕込んで窒素雰囲気下常圧で180℃に加熱し溶融させた。
撹拌下、反応槽内を30分かけて徐々に減圧し、生成するフェノールを留去しながら13.3×10−3MPaまで減圧した。この状態で20分反応させた後に200℃に昇温した後、20分かけて徐々に減圧し、フェノールを留去しながら4.00×10−3MPaで20分間反応させ、さらに、220℃に昇温し30分間、250℃に昇温し30分間反応させた。
次いで、徐々に減圧し、2.67×10−3MPaで10分間、1.33×10−3MPaで10分間反応を続行し、さらに減圧し、4.00×10−4MPaに到達したら、徐々に260℃まで昇温し、最終的に260℃、6.66×10−5MPaで1時間反応せしめた。反応後のポリマーをペレット化した。得られたポリマーの比粘度、ガラス転移温度を測定し、その結果を表1に示した。
イソソルビド1169重量部(8モル)とジフェニルカーボネート2142重量部(10モル)、ヘキサンジオール236重量部(2モル)とを反応器に入れ、重合触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを1.0重量部(ジフェニルカーボネート成分1モルに対して1×10−4モル)、および水酸化ナトリウムを1.1×10−3重量部(ジフェニルカーボネート成分1モルに対して0.25×10−6モル)とを用いた以外は実施例1と同様にしてポリカーボネートの溶融重合を行った。得られたポリマーの比粘度、ガラス転移温度を測定し、その結果を表1に示した。
イソソルビド1023重量部(7.0モル)、1,4−シクロヘキサンジメタノール432重量部(3.0モル)とジフェニルカーボネート2142重量部(10モル)、ステアリルアルコール54重量部(0.20モル)とを反応器に入れ、重合触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを1.0重量部(ジフェニルカーボネート成分1モルに対して1×10−4モル)、および水酸化ナトリウムを1.1×10−3重量部(ジフェニルカーボネート成分1モルに対して0.25×10−6モル)とを用いた以外は実施例1と同様にしてポリカーボネートの溶融重合を行った。得られたポリマーの比粘度、ガラス転移温度を測定し、その結果を表1に示した。
製造例1で得られた樹脂(A層)とポリカーボネート樹脂ペレット(帝人化成(株)製パンライトL−1250、粘度平均分子量23,700)(B層)を、それぞれスクリュー径40mmの単軸押出機を用いて、シリンダー温度250〜270℃(A層)、250〜270℃(B層)の条件で、フィードブロック方式にて300mm幅のTダイから押出し、冷却ロールに溶融樹脂の一方の面をタッチさせて冷却した後、A層/B層/A層の3層構造を有するフィルム幅200mmの多層フィルムを作成した。該フィルムの全光線透過率、ヘイズ、耐溶剤性、鉛筆硬度、吸水率を評価し、その結果を表2に示した。
アクリル樹脂(三菱レーヨン(株)製アクリペットVH001;標準グレード)(A層)と製造例2で得られた樹脂(B層)を、それぞれスクリュー径40mmの単軸押出機を用いて、シリンダー温度230〜250℃(A層)、240〜270℃(B層)の条件で、フィードブロック方式にて300mm幅のTダイから押出し、冷却ロールに溶融樹脂の一方の面をタッチさせて冷却した後、A層/B層/A層の3層構造を有するフィルム幅200mmの多層フィルムを作成した。該フィルムの全光線透過率、ヘイズ、耐溶剤性、鉛筆硬度、吸水率を評価し、その結果を表2に示した。
ポリカーボネート樹脂ペレット(帝人化成(株)製パンライトL−1250、粘度平均分子量23,700)およびポリエステル系熱可塑性エラストマーとして、ハードセグメントがPBT、ソフトセグメントがポリ−ε−カプロラクトンで構成される東洋紡績(株)製の熱可塑性エラストマー(商品名ペルプレン;グレードS−1002)を用い、それぞれ事前に予備乾燥し、ポリカーボネート樹脂/ポリエステル系熱可塑性エラストマー=90/10(100/11.1)(重量部)となるようにV型ブレンダーで混合した後、2軸押出機を用いてシリンダー温度260℃で押出してペレット化し、B層用の成形材料を得た。成形材料のガラス転移温度は111℃であった。
製造例2で得られた樹脂(A層)および上記成型材料(B層)を、それぞれスクリュー径40mmの単軸押出機を用いて、シリンダー温度230〜250℃(A層)、240〜270℃(B層)の条件で、フィードブロック方式にて300mm幅のTダイから押出し、冷却ロールに溶融樹脂の一方の面をタッチさせて冷却した後、A層/B層/A層の3層構造を有するフィルム幅200mmの多層フィルムを作成した。該フィルムの面配向係数、全光線透過率、ヘイズ、耐溶剤性、鉛筆硬度、吸水率を評価し、その結果を表2に示した。
製造例3で得られた樹脂(A層)および実施例3で製造したポリカーボネート樹脂/ポリエステル系熱可塑性エラストマー=90/10(100/11.1)(B層)を、それぞれスクリュー径40mmの単軸押出機を用いて、シリンダー温度230〜250℃(A層)、240〜270℃(B層)の条件で、フィードブロック方式にて300mm幅のTダイから押出し、冷却ロールに溶融樹脂の一方の面をタッチさせて冷却した後、A層/B層/A層の3層構造を有するフィルム幅200mmの多層フィルムを作成した。該フィルムの全光線透過率、ヘイズ、耐溶剤性、鉛筆硬度、吸水率を評価し、その結果を表2に示した。
実施例1で得られた樹脂を乾燥後、単軸φ40mm押出製膜機を用いて溶融製膜フィルムを得た。押出し機シリンダー温度は220℃〜260℃の範囲内に保持し、スリット状のダイからシート状に押出されたシートの両端部に針状エッジピニング装置を用いて静電印加を行い、キャスティングドラム(表面温度を150℃に調整)に密着させて溶融状態から冷却固化し、厚み100μmの本発明のベースフィルムを得た。該フィルムの全光線透過率、ヘイズ、耐溶剤性、鉛筆硬度、吸水率を評価し、その結果を表2に示した。
ポリカーボネート樹脂ペレット(帝人化成(株)製パンライトL−1250、粘度平均分子量23,700)を用いて比較例1と同様の方法で製膜し、ベースフィルムを作成した。
該フィルムの全光線透過率、ヘイズ、耐溶剤性、鉛筆硬度、吸水率を評価し、その結果を表2に示した。
アクリル樹脂(三菱レーヨン(株)製アクリペットVH001;標準グレード)を用いて比較例1と同様の方法で製膜し、ベースフィルムを作成した。
該フィルムの全光線透過率、ヘイズ、耐溶剤性、鉛筆硬度、吸水率を評価し、その結果を表2に示した。
アクリル樹脂(三菱レーヨン(株)製アクリペットVH001;標準グレード)(A層)および実施例3で製造したポリカーボネート樹脂/ポリエステル系熱可塑性エラストマー=90/10(100/11.1)(B層)を、それぞれスクリュー径40mmの単軸押出機を用いて、シリンダー温度230〜250℃(A層)、240〜270℃(B層)の条件で、フィードブロック方式にて300mm幅のTダイから押出し、冷却ロールに溶融樹脂の一方の面をタッチさせて冷却した後、A層/B層/A層の3層構造を有するフィルム幅200mmの多層フィルムを作成した。該フィルムの全光線透過率、ヘイズ、耐溶剤性、鉛筆硬度、吸水率を評価し、その結果を表2に示した。
実施例3で製造したポリカーボネート樹脂/ポリエステル系熱可塑性エラストマー=90/10(100/11.1)を用いて比較例1と同様の方法で製膜し、ベースフィルムを作成した。
該フィルムの全光線透過率、ヘイズ、耐溶剤性、鉛筆硬度、吸水率を評価し、その結果を表2に示した。
Claims (6)
- 植物由来のエーテルジオール残基を含んでなるポリカーボネート樹脂材料の層(A)の少なくとも一方の面に、熱可塑性樹脂材料の層(B)および印刷層を積層されてなる多層フィルムであって、植物由来のエーテルジオール残基を含んでなるポリカーボネート樹脂が下記式(1)で表されるジオール残基を含んでなり、全ジオール残基中式(1)で表されるジオール残基が15〜100モル%を占めるポリカーボネートであり、熱可塑性樹脂材料がポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂のいずれかであり、印刷層のバインダー樹脂がポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキド系樹脂または熱可塑性エラストマー系樹脂である多層フィルム。
- 積層フィルムの25℃、24時間、水中での吸水率が3%以下である請求項1に記載の多層フィルム。
- 積層フィルムの鉛筆硬度がB以上である請求項1または2に記載の多層フィルム。
- 植物由来のエーテルジオール残基を含んでなるポリカーボネート樹脂が上記式(1)で表されるジオール残基を含んでなり、全ジオール残基中式(1)で表されるジオール残基が30〜100モル%を占めるポリカーボネートである請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層フィルム。
- 植物由来のエーテルジオール残基を含んでなるポリカーボネート樹脂材料の厚みが1μm〜100μmの層が積層されてなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の多層フィルム。
- 多層フィルムの総厚みが10μm〜600μmである請求項1〜5のいずれか1項に記載の多層フィルム。
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