以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについて重複する説明は省略する。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施形態における遊技機1の一例を示す正面図である。遊技機1は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が各種入賞口に入球すると賞球を払い出すように構成される。この遊技機1は、透明ガラス板2aが嵌め込まれた窓部2を有する前枠部材3と、その前枠部材3の窓部2を介して視認可能に取り付けられた遊技盤10とを備えている。尚、遊技盤10は、前枠部材3の背面側に設けられる本体枠に対して着脱自在に取り付けられる。
前枠部材3は、窓部2の下部右側において、遊技機1の正面側に突出した状態で支持されるハンドル装置4を備えている。このハンドル装置4は、遊技者が操作するハンドルレバー45を備えており、遊技者がこのハンドルレバー45を右回り方向(以下「打出方向」と称する)へ回動操作すると、その操作角度に応じた打球力で遊技球が遊技盤10の盤面に所定の時間間隔で打ち出されるようになっている。
また前枠部材3は、窓部2の上部左右両側に設けられた一対のスピーカ5と、窓部2の上部および下部のそれぞれ中央に設けられた枠ランプ6とを備えている。スピーカ5は楽曲や音声、効果音などを発することで各種の演出を行い、枠ランプ6は点灯点滅のパターンや発光色の違いなどで各種の演出を行うように構成される。
図2は、本実施形態における遊技盤10の一例を示す正面図である。遊技盤10は、正面側に相当する遊技盤面10aに、外側レール11と内側レール12とで囲まれた略円形の遊技領域13を有している。遊技者がハンドルレバー45を回動操作することによって打ち出される遊技球は、遊技領域13の左側に設けられた外側レール11と内側レール12の間の空隙から遊技領域13の上部に打ち出される。
遊技領域13の内側には、遊技盤10の略中央に位置するように液晶表示デバイスなどで構成された画像表示器8が設けられており、さらにその画像表示器8の周縁にはセンター役物などとも呼ばれる飾り枠体14が設けられている。画像表示器8は、演出のための各種の画像を表示するためのものであり、遊技の進行に伴い、例えば大当たり抽選の結果を、1〜9などの数字を付した複数の装飾図柄によって報知したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による予告演出を表示したり、或いは、リーチ演出として各種の動画像を表示したりする。飾り枠体14は画像表示器8の画面枠を規定している。この飾り枠体14には種々のランプや可動物などの演出用役物が配置される。
遊技領域13の内側において飾り枠体14の周囲には、多数の釘15、スルーゲート16、風車17、普通入賞口18、第1始動口19、電動チューリップ20、第2始動口21、大入賞口22、大入賞口22を開閉する役物23、アウト口24等の公知の部材が配置されている。遊技領域13の外側で遊技盤面10aの右下部には、複数のLED表示素子で構成された表示器30が設けられている。この表示器30は、特別図柄の変動表示を行って大当たり抽選の結果に応じた特別図柄の表示を行ったり、普通図柄の変動表示を行って普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄の表示を行ったりするためのものである。また表示器30は、特別図柄の変動表示に関する保留数を表示したり、普通図柄の変動表示に関する保留数を表示したりすることもできるようになっている。尚、この表示器30の詳細については後述する。
図2の例において、スルーゲート16は遊技領域13の右側である、飾り枠体14の右下部に設けられている。このスルーゲート16は、遊技機1において普通図柄抽選が行われる条件となるゲートであり、遊技球がこのゲートを通過すると遊技機1において普通図柄抽選が開始される。普通図柄抽選とは、電動チューリップ20を開放するか否かを決定する抽選である。
普通入賞口18は、飾り枠体14の左下部に複数設けられている。普通入賞口18は、遊技球が入球した場合、所定球数の賞球を払い出すための入賞口である。
第1始動口19は飾り枠体14の中央下方に設けられている。また、電動チューリップ20及び第2始動口21は、第1始動口19の更に下方に設けられている。電動チューリップ20は、第2始動口21への遊技球の入球を補助するための補助部材であり、左右に開閉する羽根部材を備えている。この電動チューリップ20が左右に開放していれば遊技球が第2始動口21に入球し易い状態となる。これに対し、電動チューリップ20が左右に開放していない閉鎖状態は、遊技球が第2始動口21に入球し難い状態となる。この電動チューリップ20は、遊技球がスルーゲート16を通過したことに伴って行われる普通図柄抽選に当選すると、左右の羽根部材が遊技状態に応じて所定時間及び所定回数開放するように構成される。
第1始動口19及び第2始動口21のそれぞれは、所定球数の賞球を払い出すための入賞口であると共に、遊技機1において大当たり抽選(大当たり判定)が行われる条件となる入賞口である。第1始動口19に遊技球が入球した場合には第1の大当たり判定が行われ、第2始動口21に遊技球が入球した場合には第2の大当たり判定が行われる。つまり、これら始動口19,21に遊技球が入球すると、遊技機1において大当たり乱数を含む各種乱数が遊技データとして取得され、その取得した遊技データに基づいて第1の大当たり判定又は第2の大当たり判定が行われる。そして遊技機1において大当たり判定が行われると、表示器30における特別図柄の変動表示が開始されると共に、画像表示器8において装飾図柄の変動表示が開始される。また画像表示器8においては装飾図柄の変動表示と共に、さまざまなキャラクタの出現などによる各種の予告演出なども表示される。
大入賞口22および役物23は、遊技領域13の右側である、飾り枠体14の右下であって、スルーゲート16の下方に設けられている。役物23は、大入賞口22を開閉する役物であり、通常は大入賞口22を閉鎖した状態となっている。そして遊技球が第1始動口19又は第2始動口21に入球したことを条件として行われる大当たり判定において大当たり又は小当たりに当選すると、その当たりの種類に応じた大入賞口開放遊技において大入賞口22の下縁に沿って配置された略水平な回動軸周りへ回動して大入賞口22を開放するように構成される。
遊技領域13の外側で遊技盤面10aの右下部に設けられる表示器30は、遊技球がスルーゲート16を通過することによって行われる普通図柄の抽選結果を表示する普通図柄表示器31と、普通図柄抽選の保留数を表示する普通図柄保留表示器32と、遊技球が第1始動口19に入球したことによって行われる第1の大当たり判定の結果に対応した第1特別図柄を表示する第1特別図柄表示器33と、第1始動口19に入球した保留数を表示する第1特別図柄保留表示器34と、遊技球が第2始動口21に入球したことによって行われる第2の大当たり判定の結果に対応した第2特別図柄を表示する第2特別図柄表示器35と、第2始動口21に入球した保留数を表示する第2特別図柄保留表示器36とを備えている。
普通図柄表示器31は、普通図柄の抽選において当選した場合には当選図柄(例えば○の図柄)を表示し、ハズレの場合にはハズレ図柄(例えば×の図柄)を表示する。この普通図柄表示器31は、遊技機1において普通図柄の抽選が行われると、当選図柄とハズレ図柄とを交互に点灯表示する変動表示を所定時間行った後、普通図柄の抽選結果に応じて当選図柄とハズレ図柄とのうち何れか一方を点灯させる。そして普通図柄の抽選に当選した場合、普通図柄表示器31は当選図柄を表示した状態で停止し、遊技状態に応じて電動チューリップ20が所定時間および所定回数開放される。尚、普通図柄の抽選に当選する確率は、例えば9/10などの所定の確率となるように設定されている。
普通図柄保留表示器32は、普通図柄の変動表示の保留数を表示するものである。すなわち、遊技機1は、普通図柄の変動表示中に遊技球がスルーゲート16を通過した場合、先の普通図柄が変動表示中である場合、その通過に伴う普通図柄の変動表示が保留されるように構成される。普通図柄保留表示器32は、そのような場合に普通図柄の変動表示の保留数を表示するように構成される。また、普通図柄保留表示器32は、例えば複数のLED表示部の表示態様によって最大4つの保留数を表示することができるようになっている。
第1特別図柄表示器33は、第1始動口19に入球したことを条件とする第1の大当たり判定が行われると、第1特別図柄の変動表示を所定時間行った後、その大当たり判定の結果を種々の態様で表示する。例えば、第1の大当たり判定の結果、何らかの当たりに当選していれば、第1特別図柄表示器33は、第1特別図柄の変動表示を行なった後に、その当たりに対応した特別図柄を表示した状態で停止する。この場合に遊技機1は、大入賞口開放遊技に移行するように構成される。また、遊技機1は、大入賞口開放遊技において、その当たりの種類に応じて、役物23が大入賞口22を開放するラウンドが所定ラウンド数繰り返されるようになっている。また大当たり判定の結果がハズレであれば、第1特別図柄表示器33は特別図柄の変動表示を行なった後に所定のハズレ図柄を表示した状態で停止する。
第2特別図柄表示器35は、第2始動口21に入球したことを条件とする第2の大当たり判定が行われると、第2特別図柄の変動表示を所定時間行った後、その大当たり判定の結果を種々の態様で表示する。例えば、第2の大当たり判定の結果、何らかの当たりに当選していれば、第2特別図柄表示器35は第2特別図柄の変動表示後にその当たりに対応した特別図柄を表示した状態で停止し、遊技機1は大入賞口開放遊技に移行する。その大入賞口開放遊技では、当たりの種類に応じて、役物23が大入賞口22を開放するラウンドが所定ラウンド数繰り返される。また大当たり判定の結果がハズレであれば、第2特別図柄表示器35は特別図柄の変動表示後に所定のハズレ図柄を表示した状態で停止する。
第1特別図柄保留表示器34は、第1特別図柄の変動表示の保留数を表示するものである。すなわち、遊技機1は、遊技球が第1始動口19に入球したとき、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動表示中である場合、その入球に伴う第1特別図柄の変動表示が保留されるように構成される。第1特別図柄保留表示器34は、そのような場合に第1特別図柄の変動表示の保留数を表示するものである。この第1特別図柄保留表示器34は、例えば複数のLED表示部の表示態様によって最大4つまで保留して表示することができるようになっている。
第2特別図柄保留表示器36は、第2特別図柄の変動表示の保留数を表示するものである。すなわち、遊技機1は、遊技球が第2始動口21に入球したとき、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動表示中である場合、その入球に伴う第2特別図柄の変動表示が保留されるように構成される。遊技機1は、そのような場合に第2特別図柄の変動表示の保留数を表示するものである。この第2特別図柄保留表示器36もまた、例えば複数のLED表示部の表示態様によって最大4つまで保留して表示することができるようになっている。
以下、遊技機1におけるハンドル装置4について説明する。図3は、本実施形態における遊技機1を正面右上から見た斜視図である。また、図4は、ハンドル装置4の外観構成の一例を示す斜視図である。尚、図3,図4においてハンドルレバー45は、遊技者による回動操作が行われていない初期位置で保持されている。図4に示すように、ハンドル装置4は、遊技球の打球力を調節するためのハンドルレバー45と、このハンドルレバー45の後方に、そのハンドルレバー45とは独立してベース部材47に回動可動に装着される回動部材46とを備えている。遊技機1は、遊技者によりハンドルレバー45が初期位置から打出方向X1へ回動操作されることにより、遊技球が発射される構成である。そして、遊技機1は、ハンドルレバー45の操作角度が大きくなっていくことに従って打球力を増大するように構成される。また、ハンドルレバー45は、初期位置に向かう戻り方向Y1(逆方向)へ付勢されており、回動操作を受けない場合には、初期位置で保持される構成である。
図3に示すように、回動部材46は、ハンドルレバー45と前枠部材3との間に装着され所定の演出動作を行なうものである。回動部材46は、演出動作を行なわないときには、ハンドルレバー45の回動操作に伴って回動し、一方、演出動作を行なうときには、ハンドルレバー45とは独立して回動する構成である。図3では、ハンドルレバー45が初期位置にあるため、それに伴い回動部材46は、初期位置にある。このように遊技機1は、画像表示器8の画像表示による演出に加えて、ハンドル装置4において回動部材46が演出動作を行う構成である。
図4に示すように、ハンドル装置4は、ハンドルレバー45と、回動部材46と、ハンドルレバー45及び回動部材46のそれぞれを回動可能に支持するベース部材47と、ハンドルレバー45の正面側を覆う状態でベース部材47に固定されるカバー部材48とを備えている。ベース部材47は、略円筒形状を有している。そして、このベース部材47の略円筒部分が前枠部材3の正面側に挿入された状態で取り付けられることにより、ハンドル装置4は、遊技機1の正面側に突出した状態で支持される。但し、ベース部材47は、筒状であれば必ずしも略円筒形状を有している必要はない。例えば、ベース部材47は、角筒状に形成されるものであっても良い。
図5は、ハンドル装置4の側面図である。回動部材46は、ハンドルレバー45と所定の空隙51を有して設けられる。これにより、回動部材46とハンドルレバー45とは、接触することなく互いに独立して回動することが可能になっている。すなわち遊技機1において所定の演出が行なわれるとき、回動部材46は、ハンドルレバー45とは独立して回動することで、遊技者の遊技に影響を与えずに演出動作を行なうことが可能である。
また、空隙51は、例えば、遊技者によってハンドルレバー45が把持されるときに、そのハンドルレバー45を把持する手の一部が回動部材46に触れることができる程度に設けられる。例えば、空隙51は、0.1センチメートル以上、1センチメートル以下である。
これにより、遊技者がハンドルレバー45を把持する場合、遊技者の指先が回動部材46と接触可能な状態になる。すなわち遊技機1は、遊技者に対してハンドルレバー45を把持させつつ回動部材46に接触させることが可能な構成である。但し、例えば、遊技者が指先でハンドルレバー45を把持するようなときなど、遊技者の指先が回動部材46と接触しない場合もある。また、遊技機1は、所定の演出が行なわれるとき、回動部材46を回動することで、遊技者に対して視覚による演出のみならず接触による演出をも楽しませることができる。但し、空隙51の間隙をどの程度にするかは、適宜設計が可能である。例えば、空隙51は、ハンドルレバー45を把持する遊技者の指先が回動部材46に完全に届かなくなる程度の間隙を有しても良い。
また、図5に示すように、ベース部材47には、回動部材46を駆動するための駆動手段52が設けられている。この駆動手段52については後述する。
図6は、ハンドル装置4の正面図である。回動部材46は、ハンドルレバー45を模した形状であり、正面視でハンドルレバー45と略同一形状を有している。そのため、ハンドル装置4を正面視すると回動部材46は、ハンドルレバー45の背面側に隠れた状態になる。これにより、回動部材46は、ハンドルレバー45の一部であるかのような印象をユーザに与えることができる。但し、回動部材46の形状は、適宜設計が可能でありハンドルレバー45と異なる形状であっても良い。
また、図6に示すように、ベース部材47には、遊技球の発射を停止させるための停止ボタン55が設けられている。
図7は、ハンドル装置4の内部構造の一例を示す分解斜視図である。ベース部材47は、その内側に、そのベース部材47の軸心から正面側に向けて延出される円筒形の第1軸部61が形成されている。一方、ハンドルレバー45には、第1軸部61の軸径よりも広い内径を有する円筒形の第2軸部62が形成されている。ハンドルレバー45は、第2軸部62内に第1軸部61が挿入された状態で取り付けられる。また、第2軸部62は、第1軸部61の軸心と同一の回動軸周りに回動可能に構成される。このような構成によりハンドルレバー45は、ベース部材47に対して回動可能になっている。
また、ハンドル装置4は、ハンドルレバー45の背面側に、そのハンドルレバー45の回動角度を検知するための構成を備えている。すなわち、ハンドル装置4は、第2軸部62の外周面に装着されハンドルレバー45の回動に伴って回動する第1可動部材65と、この第1可動部材65とギア機構を介して回動する第2可動部材66と、この第2可動部材66の回転中心に接続される角度検知センサ67とを備えている。角度検知センサ67は、例えばロータリボリューム式のセンサなどで構成され、ベース部材47の内側に固定される。角度検知センサ67は、第2軸部62に連動して回動することでハンドルレバー45の回動角度を検知する。そして、角度検知センサ67は、その検知結果を出力する。
回動部材46は、ベース部材47と接続するための後端部が、ベース部材47の前端部の外周面よりも広い内径になるように形成されている。そして、回動部材46の後端部にベース部材47の前端部が所定の奥行きまで挿入される。また、回動部材46の後端部とベース部材47の前端部とは、回動軸回りに互いに回動可能に構成される。このような構成により回動部材46は、ベース部材47の外周面に沿って可動可能になっている。
回動部材46の内周面には、第1戻りバネ(付勢手段)72が装着される。第1戻りバネ72は、回動軸周りへ回動可能な回動部材46を戻り方向Y1へ向けて付勢する構成である。第1戻りバネ72は、例えばコイルバネの巻き回し方向に弾性力を作用させるように構成されており、コイルバネの一端がベース部材47の内部に係合されており、他端が回動部材46の内周面に係合された状態で取り付けられる。これにより、回動部材46は、第1戻りバネ72の付勢力によって回動状態から戻り方向Y1へ回動する構成である。
回動部材46は、以下に説明するように、ハンドルレバー45の回動に伴って回動するための構成を備えている。すなわち、ハンドルレバー45と回動部材46とのうち何れか一方は、他方に向けて突設される突起部材が設けられ、他方は、ハンドルレバー45が打出方向X1へ回動操作されるときに突起部材と係合する係合部材が設けられる。また、突起部材は、少なくとも空隙51よりも長く形成される。このような構成により、回動部材46は、ハンドルレバー45が打出方向X1へ回動操作されることに伴って突起部材と係合部材とが互いに係合した状態でハンドルレバー45と共に打出方向X1へ回動することが可能になる。但し、突起部材と係合部材との取付態様は、ハンドルレバー45や回動部材46の形状などによって適宜設計が可能である。以下においては、突起部材78及び係合部材79の取付態様の一例を説明する。
例えば、図7に示すように、突起部材78は、回動部材46に設けられている。一方、係合部材79は、ハンドルレバー45に設けられている。回動部材46は、ハンドルレバー45に対向する前端部に、そのハンドルレバー45に向けて少なくとも空隙51よりも長く形成されたリブ77が一部を除いて全周に亘って形成されている。突起部材78は、そのリブ77の内周面上の所定位置に、回動部材46の回動中心方向に突設される。一方、ハンドルレバー45は、回動部材46と対向する後端部が、回動部材46のリブ77の内径よりも小さい外径に形成されている。
そして、ハンドルレバー45の後端部が回動部材46の前端部内に所定の奥行きまで挿入することで、回動部材46とハンドルレバー45とが接続される。また、回動部材46の後端部とハンドルレバー45の前端部とが互いに摺動可能に接続されることで、回動部材46は、ハンドルレバー45に対して独立して回動可能になっている。また、ハンドルレバー45の後端部の外周面上には、係合部材79がハンドルレバー45の回動中心方向とは逆方向に突設される。これにより係合部材79は、リブ77の内周面上に突設される突起部材78と係合可能になる。また、係合部材79は、ハンドルレバー45が初期位置にあるときに、打出方向X1に向かって突起部材78と係合状態になる位置に設けられる。これによりハンドルレバー45が初期位置にあるとき突起部材78と係合部材79とが互いに係合状態であるので、遊技者がハンドルレバー45を初期位置から打出方向X1へ回動操作すると、係合部材79は、突起部材78を打出方向X1へ押圧する。すなわち、回動部材46は、ハンドルレバー45の打出方向X1への回動に伴って打出方向X1へ回動する。
回動部材46は、第1戻りバネ72とは異なる位置に内周面に沿って環状歯71が形成されている。環状歯71は、駆動手段52による駆動を受けるためのものである。回動部材46は、以下に説明するように、環状歯71と駆動手段52により駆動される歯車75とが歯合することで、駆動手段52による駆動が回動部材46に伝達される構成である。
駆動手段52は、例えば、モータであり、少なくとも何れか一方向への回転駆動を行なう構成である。本実施形態では、駆動手段52は、回動部材46を打出方向X1へ駆動する正方向X2にのみ駆動する。駆動手段52は、その駆動手段52から延出される駆動軸の先端に環状歯71と歯合する歯車75が固定されている。また、駆動手段52は、歯車75と環状歯71とが歯合するようにベース部材47に位置決めされて支持される。例えば、図7に示すように、ベース部材47の側面には切り欠きが形成され、駆動手段52は、その切り欠きから該駆動手段52の側面の一部を露出して取り付けられる。駆動手段52がベース部材47に支持されているので、遊技機1は、ベース部材47と駆動手段52とを一体的に着脱することが可能である。また、ベース部材47の内部には、駆動手段52の駆動軸が初期位置に回動されている状態(以下「初期状態」と称する)を検知する図示しない初期状態検知センサが設けられている。初期状態検知センサは、駆動手段52が初期状態であることを検知すると検知結果を出力する。
歯車75は、その歯車75の回転中心が駆動手段52の駆動軸に固定されることで、駆動手段の駆動に伴い一方向に回動する構成である。歯車75は、いわゆる欠歯歯車であり、回動方向に沿って全周のうち所定範囲のみに複数の歯が連続して形成されている有歯部と、歯が形成されていない欠歯部とを有している。そして歯車75の有歯部と環状歯71とが歯合しているときに駆動手段52による駆動力が回動部材46に伝達される。これにより回動部材46は、駆動手段52による駆動が伝達されるので回動する。
一方、歯車75の欠歯部と環状歯71とが対向しているとき、つまり歯車75の有歯部と環状歯71とが歯合していないときには駆動手段52による駆動力が環状歯71に伝達されない。これにより回動部材46は、駆動手段52による駆動が伝達されないので打出方向X1には回動しない。このとき回動部材46は、第1戻りバネ72による付勢力によって戻り方向Y1へ付勢されているので、戻り方向Y1へ回動可能な状態である。このようにハンドル装置4は、駆動手段52による駆動を回動部材46に伝達させる又は伝達させない機構(伝達手段)として歯車75と環状歯71とを含む構成である。
回動部材46は、上述したように、ハンドルレバー45の操作角度に対応して打出方向X1に回動する構成である。従って、回動部材46は、ハンドルレバー45が最大回動角度まで回動操作されると、それに伴ってハンドルレバー45の最大回動角度に対応した位置まで回動する。このとき回動部材46は、後述するように演出動作を開始すると更に打出方向X1に回動する。そのため回動部材46の最大回動角度は、ハンドルレバー45の最大回動角度よりも大きくなるように構成される。すなわち、環状歯71は、少なくとも回動部材46の初期位置から回動部材46の最大回動角度まで歯車75と歯合可能な長さに形成される。これにより、回動部材46がハンドルレバー45の最大回動角度に対応した位置にあっても、回動部材46は、更に打出方向X1に回動することが可能である。
図8は、ハンドルレバー45の内部構造の一例を示す分解斜視図である。ハンドルレバー45の正面側には、第2戻りバネ81と、固定板82とが設けられる。固定板82は、ベース部材47の第1軸部61に固定されると共に、カバー部材48を内側から固定する。これにより、カバー部材48は、ベース部材47に固定される。
第2戻りバネ81は、回動軸周りへ回動可能なハンドルレバー45を戻り方向Y1へ向けて付勢するものである。第2戻りバネ81は、例えばコイルバネの巻き回し方向に弾性力を作用させるように構成されており、コイルバネの一端がハンドルレバー45の内部に係合しており、他端が固定板82に係合した状態で取り付けられる。これにより、ハンドルレバー45は、遊技者がハンドルレバー45を所定の操作角度で保持している状態でハンドルレバー45から手を離すと、第2戻りバネ81による付勢力によって戻り方向Y1へ回動する。そして、図示しないが、ハンドルレバー45が初期位置まで戻ると、ハンドルレバー45とベース部材47とが係合状態になりハンドルレバー45は戻り方向Yへの回動を停止する。また、ハンドルレバー45は、第2戻りバネ81による付勢力によって初期位置で保持される。
次に、図9〜図11を参照して上記のように構成されるハンドル装置4の動作について説明する。図9〜図11は、何れもハンドル装置4の内部を模式的に示す図である。図9(a)は、駆動手段52が初期状態にあるときを示す図である。図9(b)は、駆動手段52が駆動した直後を示す図である。図10(a)は、駆動手段52による駆動によって回動部材46が打出方向X1へ回動されている途中の状態を示す図である。図10(b)は、駆動手段52によって回動部材46が打出方向X1へ最大回動角度で回動されている状態を示す図である。図11は、回動部材46が駆動手段52による駆動から解放された状態を示す図である。以下、各図を参照しつつ、ハンドル装置4の動作について説明する。
図9(a)に示すように、駆動手段52が初期状態のとき、歯車75は、欠歯部が環状歯71に対向した状態になっており、有歯部と環状歯71とは歯合していない。また、図例では、ハンドルレバー45は、既に所定角度に回動操作されており、第1戻りバネ72による付勢力によって係合部材79と突起部材78とが互いに係合状態になっている。
この状態で、更にハンドルレバー45が打出方向X1へ回動操作されると、係合部材79と突起部材78とが係合状態であるため、回動部材46は、ハンドルレバー45の回動操作に伴って回動する。そして、ハンドルレバー45が所定角度に回動操作された状態で、遊技者がハンドルレバー45から手を離すと、ハンドルレバー45は、第2戻りバネ81による付勢力によって戻り方向Y1へ回動する。ハンドルレバー45は、初期位置まで回動するとベース部材47と係合状態になることで戻り方向Yへの回動を停止する。
一方、回動部材46は、ハンドルレバー45が戻り方向Y1へ回動することに伴い係合部材79と突起部材78との係合状態が解除されるので、第1戻りバネ72による付勢力によって戻り方向Y1へ回動する。
また、ハンドルレバー45が所定角度に回動操作された状態から、遊技者がハンドルレバー45を戻り方向Y1へ意図的に回動操作したときにも、上記と同様に係合部材79と突起部材78との係合状態が解除されるので、回動部材46は、第1戻りバネ72による付勢力によって戻り方向Y1へ回動する。そして、回動部材46は、戻り方向Y1へ回動している状態で突起部材78が係合部材79に再び係合すると停止する。
但し、回動部材46の戻り方向Yへの回動速度よりも遅い速度でハンドルレバー45が戻り方向Yに意図的に回動操作された場合には、係合部材79と突起部材78との係合状態が解除されないので、回動部材46は、ハンドルレバー45の戻り方向Yへの回動と共に戻り方向Yへ回動する。そして、ハンドルレバー45が停止すると、係合部材79と突起部材78とが既に係合状態になっているので、回動部材46は、ハンドルレバー45の停止に伴って戻り方向Yへの回動を停止する。
遊技が進行して、例えば、大当たりになるときなど所定の演出動作が開始されると、駆動手段52は、駆動を開始する。このとき、図9(b)に示すように、駆動手段52は、必ず回動部材46を打出方向X1へ回動させるように歯車75を正方向X2へ駆動する。これは、仮に回動部材46が戻り方向Y1に最初に回動すると、突起部材78と係合部材79とが係合状態であるため、回動部材46がハンドルレバー45を戻り方向Y1に押圧してしまい遊技者のハンドル操作に影響を及ぼす可能性があるからである。
歯車75が駆動され有歯部が環状歯71に歯合すると、駆動手段52による駆動が環状歯71に伝達される。これにより、回動部材46が打出方向X1へ回動を開始する。図10(a)に示すように、回動部材46が駆動手段52によって打出方向X1へ駆動されると、回動部材46は、ハンドルレバー45とは独立して打出方向X1へ回動された状態になる。このとき、遊技者の手の一部が回動部材46に触れている場合には、遊技者は、回動部材46が回動することで大当たりに当選したことを知覚することができると共に、回動部材46への接触による演出を楽しむことができる。
回動部材46が打出方向X1へ回動されると、突起部材78と係合部材79とは係合状態から解除される。そして、図10(b)に示すように、更に駆動手段52によって歯車75が正方向X2へ駆動され歯車75の後端に位置する歯と環状歯71との歯合が解除されるときに、回動部材46は、最大角度で打出方向X1へ回動している状態になる。
図11に示すように、更に駆動手段52が正方向X2へ駆動し、歯車75の有歯部と環状歯71との歯合が解除されると、回動部材46は、駆動手段52による駆動を受けなくなるので、第1戻りバネ72による付勢力によって戻り方向Y1へ回動し始める。そして、駆動手段52が継続して正方向X2へ回動すると、歯車75の有歯部と環状歯71とが再び歯合するまで、回動部材46は、第1戻りバネ72による付勢力によって戻り方向Y1に向けて回動する。歯車75の有歯部と環状歯71とが再び歯合すると、図9(b)に示したように、駆動手段52による駆動が回動部材46に再び伝達されることで、回動部材46は、打出方向X1に再び回動する。
回動部材46は、駆動手段52が駆動している間、上記のような動作を繰り返し行なう。すなわち、駆動手段52が正方向X2へ継続して駆動しているとき、回動部材46は、打出方向X1へ回動したり、戻り方向Y1へ回動したりすることで演出動作を行なう。このとき、遊技機1は、更に演出効果を高めるため、駆動手段52による駆動速度を変化させたり、歯車75の有歯部と環状歯71とが歯合している状態で駆動手段52による駆動を一旦停止させたりしても良い。
そして、駆動手段52は、演出動作を終了するとき、初期状態に復帰した後に駆動を停止する。駆動手段52が初期状態にあるとき、環状歯71と歯車75の有歯部とは歯合していないので、回動部材46は、第1戻りバネ72による付勢力によって戻り方向Y1に向けて回動する。回動部材46は、最終的に、突起部材78と係合部材79とが再び係合状態になると、戻り方向Y1への回動を停止する。
図12は、遊技盤10の背面側に取り付けられる遊技機1の制御機構を示すブロック図である。遊技盤10の背面側には、遊技機1の主たる動作を制御するメイン制御基板100と、メイン制御基板100から出力される信号やコマンドに基づいて各部を制御するサブ制御基板200とが設けられている。サブ制御基板200は、払出制御基板120、演出制御基板130、画像制御基板140、役物制御基板150、発射制御基板160等で構成される。
メイン制御基板100は、CPU101とROM102とRAM103とを備えている。このメイン制御基板100には、遊技球が第1始動口19に入球したことを検知する第1始動口スイッチ210、遊技球が第2始動口21に入球したことを検知する第2始動口スイッチ211、電動チューリップ20を開閉させる電チューソレノイド212、遊技球がスルーゲート16を通過したことを検知するゲートスイッチ213、遊技球が普通入賞口18に入球したことを検知する普通入賞口スイッチ214、遊技球が大入賞口22に入球したことを検知する大入賞口スイッチ215、役物23を開閉駆動させる大入賞口ソレノイド216、普通図柄表示器31、普通図柄保留表示器32、第1特別図柄表示器33、第1特別図柄保留表示器34、第2特別図柄表示器35および第2特別図柄保留表示器36が接続されている。
メイン制御基板100は、第1始動口スイッチ210、第2始動口スイッチ211、普通入賞口スイッチ214および大入賞口スイッチ215のそれぞれが遊技球の入球を検知した場合、払出制御基板120に対して賞球コマンドを送出する。払出制御基板120は、CPU121とROM122とRAM123とを備え、遊技盤10の背面側に設けられた払出モータ124を制御するように構成されており、メイン制御基板100から賞球コマンドを入力すると、入球した入賞口に応じて所定球数の払い出しを行う。
またメイン制御基板100は、大当たり抽選や普通図柄の抽選を行うように構成される。例えば遊技球がスルーゲート16を通過した場合、電動チューリップ20を開閉するための普通図柄抽選を行い、当選すれば電チューソレノイド212を所定時間若しくは所定回数駆動させて電動チューリップ20を開放させる。また遊技球が第1始動口19や第2始動口21に入球したことを検知した場合には、大当たり抽選を行い、特別図柄の変動表示を開始すると共に、その抽選結果に応じた演出を行わせるべく、演出制御基板130に対して信号やコマンドを送出する。したがって、遊技機1では、第1特別図柄表示器63又は第2特別図柄表示器35での特別図柄の変動表示に伴って、画像表示器8において装飾図柄の変動表示が開始され、予告演出やリーチ演出などの各種演出が実行される。
また遊技球が第1始動口19や第2始動口21に入球したことを検知したときに、特別図柄が変動表示中である場合、メイン制御基板100は、その入球に伴う特別図柄の変動表示を保留する。さらに大当たり抽選に当選した場合、メイン制御基板100は特別図柄の変動表示後にその当たり種別に対応した特別図柄を表示し、その当たり種別に応じてサブ制御基板200の各部を制御することにより、遊技機1を大入賞口開放遊技へと移行させる。
演出制御基板130は、CPU131とROM132とRAM133とリアルタイムクロック(RTC)134とを備えており、メイン制御基板100からの信号やコマンドなどに基づいて具体的な演出内容を決定し、画像制御基板140と役物制御基板150のそれぞれを制御する。リアルタイムクロック(RTC)134は、電源投入の有無にかかわらず、リアルタイムに現在時刻をカウントする時計回路(計時手段)である。
演出制御基板130は、例えば、メイン制御基板100から特別図柄の変動を行なうべき指示を含む変動開始コマンドを受信すると、それに基づいて画像制御基板140を制御することにより、画像表示器8における装飾図柄の変動表示を開始する。また、変動開始コマンドには、例えば、大当たり抽選の結果を示す情報やリーチ演出を行うか否かを示す情報が含まれている。演出制御基板130は、その変動開始コマンドに基づいて具体的な演出内容を決定し、例えば大当たり抽選で「大当たり」に当選している場合、画像制御基板140に対して所定の演出画像を表示させたり、役物制御基板150に対して上述した回動部材46の演出動作を実行させたりする。
画像制御基板140は、CPU141とROM142とRAM143とVRAM144とを備えており、演出制御基板130からの指示に基づいて画像表示器8における装飾図柄の変動表示を行うと共に、演出制御基板130から指定された図柄でその変動表示を停止させるなど、画像表示器8での表示画像を制御する。また画像制御基板140は、演出制御基板130からの指定に基づいて画像表示器8にキャラクタを出現させるなどの各種の演出を行う。VRAM144は、画像表示器8に表示するための画像を書き込むメモリである。CPU141はこのVRAM144に対して背景画像表示処理、装飾図柄表示処理、キャラクタ画像表示処理などの各種処理を実行することにより、画像表示器8に対して、背景画像、装飾図柄画像、キャラクタ画像などを重畳的に表示することができる。また画像制御基板140は、スピーカ5から演出用の効果音などを発生させるように構成される。
役物制御基板150は、CPU151とROM152とRAM153とを備えている。また、役物制御基板150は、初期状態検知センサ68による検知結果を入力するように構成される。また、役物制御基板150は、演出制御基板130からの指示に基づいて駆動手段52の駆動方向や駆動速度などを制御すると共に、役物駆動部98を制御するように構成される。役物駆動部98は、例えば、演出用役物などを駆動するためのモータである。
発射制御基板160は、遊技盤10の遊技領域13に対して遊技球を発射するためのモータやソレノイドなどで構成された発射部165を制御するものである。発射制御基板160は、ハンドル装置4に設けられた角度検知センサ67や発射停止スイッチ56などの各種センサからの検知結果を入力するように構成される。そして、発射制御基板160は、入力する角度検知センサ67による検知結果に基づき発射部165を駆動し、遊技盤面10aに対して遊技球の打球力を調節して所定の時間間隔で打ち出すように制御する。また、発射制御基板160は、発射停止スイッチ56による検知結果を入力した場合には、発射部165に対して強制的に遊技球の発射を停止させる。
次に、演出制御基板130における詳細な動作の一例について説明する。図13は、演出制御基板130のCPU131によって行われる主要動作を示すフローチャートである。演出制御基板130のCPU131は、例えば図例に示すフローチャートに基づく処理を一定時間ごとに繰り返し実行する。
この処理が開始されると、演出制御基板130のCPU131は、メイン制御基板100から変動開始コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS1)。変動開始コマンドを受信した場合(ステップS1でYES)、演出制御基板130のCPU131は、その変動開始コマンドに含まれる変動パターンを解析し(ステップS2)、ハンドル装置4における回動部材46の演出パターンを決定する(ステップS3)。
演出制御基板130のCPU131は、ステップS3で決定した演出パターンに、回動部材46による演出動作を実行させるための演出動作指示が含まれているか否かを判断する(ステップS4)。演出制御基板130のCPU131は、演出動作指示が含まれている場合には(ステップS4のYES)、回動部材46による演出動作を実行する(ステップS5)。一方、役物制御基板150のCPU151は、演出動作指示が含まれていない場合には(ステップS4のNO)、回動部材46による演出動作以外の演出を実行する(ステップS6)。演出動作を実行する場合、役物制御基板150のCPU151は、所定時間、駆動手段52を駆動させた後、初期状態検知センサ68による検知結果を受け取ると駆動手段52の駆動を停止させる(ステップS7)。一方、変動開始コマンドを受信していない場合(ステップS1でNO)、演出制御基板130のCPU131は、ステップS2〜S7をスキップする。
以上のように、本実施形態では、ハンドル装置4には、ベース部材47の外周面に沿って回動可能であり遊技領域13に打ち出す遊技球の打球力を調整するハンドルレバー45と、遊技機本体とハンドルレバー45との間に装着され、ベース部材47の外周面に沿って回動する回動部材46が設けられている。そして、回動部材46は、所定の演出が行われるとき、ハンドルレバー45とは独立させた状態でベース部材47の外周面に沿って回動する構成である。
このような構成によれば、回動部材46が遊技機本体とハンドルレバーとの間で、そのハンドルレバーとは独立して回動するため、遊技者のハンドル操作に影響を与えずに演出を行なうことが可能である。
また、本実施形態では、回動部材46とハンドルレバー45とは、所定の空隙51を有した位置に設けられる構成である。このような構成によれば、回動部材46がハンドルレバー45と所定の空隙51を有して設けられているので、好適に回動部材46がハンドルレバー45と独立して回動することが可能となる。
更に、本実施形態では、空隙51は、遊技者がハンドルレバー45を把持したときに回動部材46に触れることができる程度の距離に構成される。このような構成によれば、回動部材が遊技者とって接触可能な位置に設けられているので、遊技者は、回動部材46に触れることによって演出を知覚することができる。
また、本実施形態では、回動部材46は、ハンドルレバー45の外形と正面視で略同一に形成されている。このような構成によれば、一見すると回動部材46がハンドルレバー45の一部であるかのような印象を受けるので、回動部材46が回動した場合、ハンドルレバー45の一部が勝手に動き出したかのような印象を遊技者に与えることで、遊技者を楽しませることができる。
更に、本実施形態では、ハンドルレバー45及び回動部材46のうち何れか一方は、他方に向けて突設される突起部材78を更に備え、他方は、突起部材78と係合する係合部材79を更に備えている。そして、回動部材46は、ハンドルレバー45が打出方向X1へ回動操作されることに伴って突起部材78と係合部材79とが互いに係合した状態でハンドルレバー45と共に打出方向X1へ回動する。回動部材46は、駆動手段52が回動部材46を駆動することに伴って、ハンドルレバー45の回動状態に関わらず、ハンドルレバー45と係合した状態から更に打出方向X1へ回動する構成である。
このような構成によれば、回動部材46がハンドルレバー45と共に回動したり、ハンドルレバー45の回動状態とは別に回動したりするので演出効果が高められる。
また、本実施形態では、ハンドル装置4は、打出方向X1とは逆方向である戻り方向Y1へ回動部材46を付勢する第1戻りバネ72と、駆動手段52による駆動を回動部材46に伝達する歯車75とを更に備えている。ハンドル装置4は、歯車75の有歯部が環状歯71と歯合しているときには、駆動手段52による駆動が回動部材46に伝達されることで回動部材46が打出方向X1へ回動する構成である。一方、ハンドル装置4は、歯車75の有歯部が環状歯と歯合していないときには、駆動手段52による駆動が回動部材46に伝達されないことで回動部材46が第1戻りバネ72による付勢力によって戻り方向Y1へ回動する構成である。
このような構成によれば、第1戻りバネ72と歯車75とを備えることにより、駆動手段52が駆動することに伴って回動部材52が打出方向X1と戻り方向Y1とに交互に回動するので演出効果が高められる。
また、本実施形態では、駆動手段52は、ベース部材47に支持される構成である。このような構成によれば、例えば、メインテナンス時にベース部材47と駆動手段52とを同時に脱着することが可能である。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、駆動手段52は、正方向X2へのみ回動するように構成されていた。これに対し第2の実施形態では、駆動手段52は、正方向X2及び反対方向Y2の双方向に駆動することにより回動部材46を打出方向X1及び戻り方向Y1のそれぞれに回動させる構成である。以下においては、図9〜図10を再び参照して、第2の実施形態について説明する。尚、第1の実施形態と重複する構成については説明を省略する。
図9(a)に示すように、駆動手段52が初期状態のとき、回動部材46は、駆動手段52による駆動を受けないので、ハンドルレバー45の打出方向X1への回動操作に伴って打出方向X1へ回動する。そして、ハンドルレバー45が戻り方向Y1へ回動されると、突起部材78と係合部材79とが再び係合状態になるまで、回動部材46は、第1戻りバネ72による付勢力によって戻り方向Y1へ回動する。そして、回動部材46は、突起部材78と係合部材79とが再び係合状態になると、戻り方向Yへの回動を停止する。
図9(b)に示すように、演出動作を開始するとき、駆動手段52による正方向X2への駆動が開始されると、歯車75の有歯部と環状歯71とが歯合する。歯車75の有歯部と環状歯71とが歯合すると駆動手段52による駆動が回動部材46に伝達されるので、回動部材46が打出方向X1へ回動する。
図10(a)に示すように、更に駆動手段52が正方向X2へ回動すると、それに伴い、回動部材46も打出方向X1へ回動し、図10(b)に示すように、歯車75の有歯部と環状歯71との歯合が解除される直前のとき、回動部材46は、最大角度で回動される。回動部材46が最大角度まで到達するとき、駆動手段52は、正方向X2への駆動を停止し、反対方向Y2への駆動を開始する。駆動手段52が反対方向Y2へ駆動すると、それに伴い回動部材46は、図10(a)に示すように、戻り方向Y1へ回動する。
更に駆動手段52が反対方向Y2へ駆動して、例えば、図9(b)に示すように、歯車75の有歯部と環状歯71との歯合が解除される直前になると、駆動手段52は、反対方向Y2への駆動を停止する。そして、駆動手段52は、再び正方向X2へ駆動する。このように駆動手段52が正方向X2と反対方向Y2への駆動を繰り返すことで、それに伴い回動部材46は、打出方向X1と戻り方向Y1への回動を繰り返すように動作する。そして、演出動作を終了すべきタイミングが到来すると、駆動手段52は、初期状態になるまで正方向X2又は反対方向Y2に駆動した後、停止する。回動部材46は、駆動手段52が初期状態になったことで駆動手段52による駆動が伝達されなくなると、第1戻りバネ72による付勢力によって戻り方向Yへ回動する。そして、回動部材46は、突起部材78と係合部材79とが再び係合状態になると停止する。
次に、本実施形態における役物制御基板150の動作について説明する。役物制御基板150のCPU151は、演出制御基板130のCPU131から演出指示を受け取ると、まず、駆動手段52を正方向X2に駆動させる。これにより回動部材46が打出方向X1へ回動する。役物制御基板150のCPU151は、駆動手段52を正方向X2に駆動させた後、例えば、ROM152に記憶されている図示しないタイミングチャートに基づき、所定のタイミングが到来すると、駆動手段52を反対方向Y2に駆動させる。
上記タイミングチャートには、例えば、駆動手段52による駆動方向を切替えるべきタイミングが記録されている。役物制御基板150のCPU151は、そのタイミングに基づき、例えば、駆動手段52への通電方向を切替える。また、タイミングチャートは、例えば、駆動手段52が正方向X2に駆動しているときに、歯車75の有歯部と環状歯71との歯合が解除される直前のタイミングで反対方向Y2に駆動方向が切り替わるように、例えば駆動手段52への通電時間及び通電方向などに関する情報が予め記録されている。同様に、タイミングチャートは、例えば、駆動手段52が反対方向Y2に駆動しているときに、歯車75の有歯部と環状歯71との歯合が解除される直前のタイミングで正方向X2に駆動方向が切り替わるように、例えば駆動手段52への通電時間及び通電方向などに関する情報が予め記録されている。これにより、駆動手段52が正方向X2と反対方向Y2とへ交互に駆動することにより、回動部材46は、最大限の振れ幅で打出方向X1と戻り方向Y1とに交互に回動する。
また、駆動手段52の駆動方向を切替えるべきタイミングが変化するような情報をタイミングチャートに記録しておくことも可能である。これにより、回動部材46の振れ幅を変化させることができる。更に、役物制御基板150のCPU151は、駆動手段52による駆動速度を変化させたり、駆動手段52による駆動を一旦停止させたりしても良い。これにより演出効果が更に高められる。
役物制御基板150のCPU151は、タイミングチャートに基づき所定時間、駆動手段52を駆動させた後、初期状態検知センサ68による検知結果を受け取ると駆動手段52の駆動を停止させる。これにより、駆動手段52が初期状態で保持されるので、回動部材46は、戻り方向Y1へ回動する。そして、回動部材46は、突起部材78と係合部材79とが再び係合状態になると、停止する。
以上のように、本実施形態では、駆動手段52は、回動部材を打出方向X1と、戻り方向Y1とに交互に回動させる構成である。このような構成によれば、駆動手段52が正方向X2と反対方向Y2とに交互に回動することに伴って回動部材46が打出方向X1と戻り方向Y1とに交互に回動する。これにより演出効果が高められる。
(第3の実施形態)
図14は、第3の実施形態において発射装置4の取り付け状態を示す斜視図である。上述した第1及び第2の実施形態では、駆動手段52は、ベース部材47に支持されていた。これに対し、本実施形態では、駆動手段52は、ベース部材47とは独立して前枠部材3の内部に設けられる。以下の説明では、第1の実施形態と重複する説明を省略し、主に第3の実施形態において必要な事項について説明する。
図例に示すように、遊技機1は、前枠部材3の右下に突設して設けられたハンドル装置4を支持するためのハンドル装着部3aが形成されている。図例に示すように、ハンドル装着部3aは、開口部を有している。ハンドル装着部3aは、その開口部にハンドル装置4が挿入されることで、ハンドル装置4を支持する構成である。また、破線内に示すように、駆動手段52は、ハンドル装着部3aの内部に支持される。
回動部材46は、外周面に沿って環状歯71が形成されている。そして、ハンドル装置4は、駆動手段52による駆動がハンドル装着部3aの内部に設けられたギア機構を介して環状歯71に伝達される構成である。また、回動部材46は、ベース部材47の外周面に沿って回動可能に設けられる。そして、回動部材46の内周面には、第1戻りバネ72の一端が係合され、他端がハンドル装着部3aに係合される。これにより、回動部材46は、ベース部材47の外周面に沿って戻り方向Y1へ回動する。
図15,図16は、本実施形態におけるハンドル装置4の主要な構成を示す図である。図15は、駆動手段52が初期状態のときを示す図である。図16は、駆動手段52が回動部材46を打出方向X1へ駆動しているときを示す図である。また、図15,図16は、何れもハンドル装置4を背面左上から見た場合の斜視図であり、図例に示す方向Zは、遊技機1の正面側を指している。
図15に示すように、回動部材46は、後端部の外周面に沿って環状歯71が形成されている。駆動手段52と歯車75とは、駆動手段52から歯車75へ駆動を伝達するためのギア機構を介して歯合される。駆動手段52が初期状態にあるとき、歯車75の有歯部と環状歯71とは歯合していない。また、第1戻りバネ72による付勢力によって、回動部材46の突起部材78とハンドルレバー45の係合部材79とは係合状態になっている。従って、回動部材46は、ハンドルレバー45の打出方向X1への回動操作に伴って打出方向X1へ回動する。
また、ハンドルレバー45が打出方向X1へ回動操作された状態で、遊技者がハンドルレバー45から手を離すと、突起部材78と係合部材79との係合状態が解除されるので、回動部材46は、突起部材78と係合部材79とが再び係合状態になるまで、第1戻りバネ72の付勢力によって戻り方向Y1へ回動する。そして、回動部材46は、突起部材78と係合部材79とが再び係合状態になると、停止する。
図16に示すように、駆動手段52が正方向X2へ駆動を開始して、歯車75の有歯部と環状歯71とが歯合すると、それに伴って回動部材46が打出方向X1へ回動する。このとき、突起部材78と係合部材79との係合状態は解除される。駆動手段52が更に正方向X2へ駆動し、歯車75の有歯部と環状歯71との歯合が解除されると、駆動手段52による駆動が回動部材46に伝達されないので、回動部材46は、第1戻りバネ72によって戻り方向Y1へ回動する。そして、駆動手段52が継続して正方向X2へ回動し、歯車75の有歯部と環状歯71とが再び係合すると、駆動手段52による正方向X2への駆動が回動部材46に再び伝達されるので、回動部材46は、再び打出方向X1へ回動する。
このような動作を繰り返し、回動部材46は、駆動手段52が継続して正方向X2へ回動すると、駆動手段52の駆動による打出方向X1への回動と、第1戻りバネ72の付勢力による戻り方向Y1への回動とを交互に行なう。そして、駆動手段52が初期状態で停止すると、歯車75の有歯部と環状歯71との歯合が解除されるので、回動部材46は、第1戻りバネ72による付勢力によって戻り方向Y1へ回動する。回動部材46は、突起部材78と係合部材79とが再び係合状態になると、戻り方向Y1への回動を停止する。
上記の動作は、駆動手段52による駆動方向が正方向X2のみである場合を例示したが、これに限られない。例えば、駆動手段52が正方向X2と反対方向Y2との双方向へ回動するように構成しても良い。この場合、駆動手段52が正方向X2と反対方向Y2とへ交互に回動することで、回動部材46が打出方向X1と戻り方向Y1とへ交互に回動する。
以上のように、本実施形態では、駆動手段52は、ハンドル装着部3aの内部にベース部材47とは独立して支持されている。このような構成によれば、ハンドル装置4の構成を簡易にすることができると共に、例えば、ベース部材47内に駆動手段52を設けるためのスペースがない場合であっても、駆動手段52がベース部材47とは独立してハンドル装着部3aに支持されているので好適に回動部材46を回動させることができる。
(変形例)
以上、本発明に関するいくつかの実施形態について説明したが、本発明は上述した内容に限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
例えば、上記実施形態では、回動部材46が打出方向X1と戻り方向Y1とへ交互に回動する構成を例示したが、これに限られない。例えば、回動部材46は、ハンドルレバー45の回動操作には追従せず、完全に独立して打出方向X1又は戻り方向Y1のうち何れか一方に1回転以上回動するように構成されても良い。例えば、環状歯71は、回動部材46の内周面に沿って全周に亘って形成される。また、回動部材46は、ハンドルレバー45の後方に、そのハンドルレバー45に遊技者が接触できない程度の空隙51を有して設けられる。例えば、空隙51は、2センチメートル以上である。また、ハンドルレバー45及び回動部材46は、何れも突起部材78及び係合部材79を有さない。更に、歯車75は、欠歯歯車ではなく、回動方向の全周に沿って歯が設けられている。そして、歯車75は、常に環状歯71と歯合している状態に構成される。
役物制御基板150は、演出動作を開始すると、駆動手段52を正方向X2又は反対方向Y2のうち何れか一方へ1回転以上継続して駆動させる。すなわち、この場合、回動部材46は、ハンドルレバー45とは完全に独立して打出方向X1又は戻り方向Y1のうち何れか一方へ継続1回転以上回動する。これにより、遊技機1は、上記実施形態とは異なった演出動作を行なうことが出来る。