JP5764835B1 - プラスチック用着色剤およびそれを用いた着色組成物、成型品 - Google Patents

プラスチック用着色剤およびそれを用いた着色組成物、成型品 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂をその機械的、化学的性質を変えることなく着色し、特に実質的にマイグレーションがなく、熱による変色の極めて少ない、反りや歪みのない成型品を得ることができるプラスチック用着色剤を提供する。【解決手段】プラスチック用着色剤を下記(1)〜(4)の条件を満たすハロゲン化フタロシアニン顔料(A)を含有するものとする。(1)ハロゲン置換数の平均が、2.0以上、7.0以下であること(2)ハロゲン分布幅が、5以上であること(3)アルミニウムフタロシアニンおよびハロゲン化アルミニウムフタロシアニンの含有量が、1.0質量%以下であること(4)中心元素が、水素、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、ニッケルおよび銅からなる群より選択されるいずれか一種以上であること【選択図】なし

Description

本発明は、プラスチック用着色剤に関する。更に詳しくは、樹脂、特に部分的に結晶性を有する樹脂を、その機械的、化学的性質を変えることなく着色し、反りのない成型品とすることができるプラスチック用着色剤に関する。また、本発明は、上記プラスチック用着色剤と樹脂とを含有してなるプラスチック用着色組成物に関する。更に詳しくは、実質的にマイグレーションがなく、熱による変色の極めて少ない、反りのない成型品を得ることができるプラスチック用着色組成物およびこれを用いた成型品に関する。
フタロシアニン等に代表される有機顔料は、耐光性、耐熱性、耐マイグレーション性、鮮明な色相、高い着色力等の特性を有する。該有機顔料は、ポリオレフィンやポリエステル等の部分的に結晶性を有する樹脂の着色に用いた場合、造核作用が大きいという性質に起因して、部分的に結晶性を有する樹脂の結晶化温度の上昇や球晶が小さくなる等の結晶性に影響を及ぼし、着色された樹脂の収縮性や収縮のバランス(成型収縮比、収縮差率)が変化する現象を引き起こす。その結果、部分的に結晶性を有する樹脂を用いた成型品においては、反り、変形あるいは寸法変化になって現れ、成型加工上の問題となっていた。反りや変形は、コンテナ、樹脂パレット、キャップやボトル等の成型品にとっては致命的な問題である。
成型品の反りや変形を改善する方法としては、反り、変形、寸法変化を加味した金型を用いる方法がある。しかし、樹脂の種類、着色剤、添加剤、成型条件等により成型品の収縮率が大きく異なる為、反りや変形を加味した金型の設計は難しく、何度も修正を行わなければならない。また、成型メーカーでは、成型温度、射出圧、射出時間、射出速度、冷却時間等の加工条件を変えることにより、反りや変形の改善を行っている。しかし、この場合も樹脂の種類、着色剤、添加剤および成型品の大きさや形状により収縮率が異なる為、反りや変形を予測した加工条件の設定は困難で、加工条件を試行錯誤で何度も修正する必要があった。また、成型サイクルを長くし、生産性を悪くするという問題があった。
反りや変形を改善する他の方法としては、結晶化剤(結晶核剤、造核剤あるいは結晶化促進剤)の添加が行われている。結晶化剤の添加は、結晶核となる成分を多く配合することにより、微細な結晶を均一にかつ急速に生成させて、顔料による収縮への影響を低減することに因る。あるいは、顔料による収縮方向とは異なる方向に収縮させる結晶化剤を加えることによって、見かけ状の収縮差をなくすことによる。結晶化剤を用いることにより、成型サイクルを短くできること、また剛性や透明性が上がること等が知られている。
しかし、有機顔料によって引き起こされる成型歪みに対しては、効果が不十分であった。従って、最良の方法は、着色剤として用いられる顔料を改質して結晶核として働かないようにすることである。顔料を改質する方法として、顔料の結晶形、粒子径、形状を変えること、顔料骨格に各種の置換基を導入すること、顔料骨格に各種の置換基を導入した顔料や顔料誘導体(有機色素誘導体)を添加することによる顔料表面の改質、顔料に樹脂やシランカップリング剤等の表面処理を施すことによる顔料表面の改質等が行われてきた。
顔料の結晶形、粒子径、形状を変える方法は、特許文献1、特許文献2、特許文献3等に記載されている。しかし、いずれも十分な効果が得られていない。また、顔料の結晶形、粒子径、形状の変化は、色相、分散性、着色力、耐熱性、耐光性等の顔料元来の物性に悪影響を及ぼす懸念がある。
顔料骨格に各種の置換基を導入した顔料を用いる方法は、非特許文献1、特許文献4等に記載されている。これらの方法は、フタロシアニン骨格に特定数のハロゲンを導入する方法である。これらの方法では反りや変形は改善されるものの、本来フタロシアニン顔料が持つ高着色力、高鮮明等の特性は失われ、また色相も大きく変わってしまうという問題があった。
顔料骨格に各種の置換基を導入した顔料誘導体(有機色素誘導体)を添加することによる顔料表面の改質方法としては、特許文献5、特許文献6等に記載のフタルイミドメチル誘導体を用いる例が挙げられる。これらの方法により、反りや変形は幾分改善されるものの十分ではなく、反りの改善のために多量の誘導体を添加すると、耐マイグレーション性が悪化してしまうという問題があった。
顔料骨格に各種の置換基を導入した顔料誘導体(有機色素誘導体)を添加することによる顔料表面の改質方法として他に、特許文献7に記載の方法等が挙げられる。特許文献7には、銅フタロシアニン顔料誘導体とハロゲン化フタロシアニンとフタロシアニンの混合物が記載されている。
特開平04−376232号公報 特開昭57−155242号公報 特開昭58−125752号公報 特開2004−131612号公報 特公昭53−7185号公報 特開平03−12432号公報 特開2005−23310号公報
色材協会誌、Vol.76、97頁(2003年)
本発明者等は、特許文献7に記載の方法は必須成分として銅フタロシアニン顔料誘導体を用いるため、耐候性や耐熱性に問題が生じる恐れがあること、および、製造工程で副生するアルミニウムフタロシアニンが混入するため、厳しい用途では耐マイグレーション性に問題があることを知見として得た。
上記述べたとおり、本発明が解決しようとする課題は、樹脂をその機械的、化学的性質を変えることなく着色し、特に実質的にマイグレーションがなく、熱による変色の極めて少ない、反りや歪みのない成型品を得ることができるプラスチック用着色剤を提供することである。また、実質的にマイグレーションがなく、熱による変色の極めて少ない、反りのない成型品を得ることができるプラスチック用着色剤組成物およびこれを用いたプラスチック用着色組成物を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、プラスチック用着色剤であって、下記(1)〜(4)の条件を満たすハロゲン化フタロシアニン顔料(A)を含有するプラスチック用着色剤に関する。
(1)ハロゲン置換数の平均が、2.0以上、7.0以下であること
(2)ハロゲン分布幅が、5以上であること
(3)アルミニウムフタロシアニンおよびハロゲン化アルミニウムフタロシアニンの含有量が、1.0質量%以下であること
(4)中心元素が、水素、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、ニッケルおよび銅からなる群より選択されるいずれか一種以上であること
上記ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)中の遊離銅の含有量が、200mg/Kg以下であることが好ましい。
本発明のプラスチック用着色剤は、ハロゲン置換数の平均が、1.1個以下であるフタロシアニン顔料(B)をさらに含有することが好ましい。
上記フタロシアニン顔料(B)中の遊離銅の含有量が、200mg/Kg以下であることが好ましい。
上記ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)の含有量が、上記フタロシアニン顔料(A)と上記ハロゲン化フタロシアニン顔料(B)との合計量に対して10〜50質量%であることが好ましい。
また本発明は、上記プラスチック用着色剤と、芳香族カルボン酸、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸金属塩、脂肪族カルボン酸金属塩および脂肪族カルボン酸エステルからなる群より選ばれるいずれか一種以上と、を含有するプラスチック用着色剤組成物に関する。
本発明は、上記プラスチック用着色剤または上記プラスチック用着色剤組成物と、樹脂とを含有するプラスチック用着色組成物に関する。
本発明は、上記プラスチック用着色組成物を用いて成型された成型品に関する。
本発明により、樹脂をその機械的、化学的性質を変えることなく着色し、実質的にマイグレーションがなく、熱による変色の極めて少ない、反りや歪みのない成型品を得ることができるプラスチック用着色剤を提供できる。また、本発明により、実質的にマイグレーションがなく、熱による変色の極めて少ない、反りのない成型品を提供できる。
以下に、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書では、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」をそれぞれ意味するものとする。
<プラスチック用着色剤>
本発明のプラスチック用着色剤は、下記(1)〜(4)の条件を満たすハロゲン化フタロシアニン顔料(A)を含有することを特徴とする。
(1)ハロゲン置換数の平均が、2.0以上、7.0以下であること。
(2)ハロゲン分布幅が5以上であること。
(3)アルミニウムフタロシアニンおよびハロゲン化アルミニウムフタロシアニンの含有量が、1.0質量%以下であること。
(4)中心元素が、水素、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、ニッケルおよび銅からなる群より選択されるいずれか一種以上であること。
本発明において「ハロゲン」とは、臭素、塩素、ヨウ素等が挙げられ、臭素および塩素が好ましい。すわなち、ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)とは、ハロゲン置換基として、臭素および塩素のうち少なくともいずれかを有するものであることが好ましい。ハロゲンの定義はフタロシアニン顔料(B)等においても同様である。
(ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)を含有するプラスチック用着色剤)
まず、ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)を含有するプラスチック用着色剤について説明する。ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)のハロゲン置換数の平均が2.0以上の場合に反りの改良効果が十分となり、平均が7.0以下であると色相が緑味とならず、青色色材としての特性を発揮できる。したがって、十分な効果を発揮するためには、ハロゲン置換数の平均は、2.0以上、7.0以下である必要があり、2.0以上、4.0以下がより好ましい。
また、ハロゲン分布幅が5以上であると反りの改良効果が十分となる。したがって、十分な効果に発揮するためには、ハロゲン分布幅が5以上である必要があり、5以上、6以下であることがより好ましい。
本発明の効果を十分に発揮するためには、ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)中のアルミニウムフタロシアニンおよびハロゲン化アルミニウムフタロシアニンの含有量が1.0%以下である必要がある。アルミニウムフタロシアニンおよびハロゲン化アルミニウムフタロシアニンは、従来の溶融塩化アルミ法によってハロゲン化フタロシアニン顔料を製造する際の副生成物として混入することが多い。これらアルミニウムフタロシアニンおよびハロゲン化アルミニウムフタロシアニンの混入は、耐マイグレーション性、鮮明性および発色性の悪化に加え、反りの改良効果に悪影響を及ぼす恐れがある。本発明の効果を十分発揮するためには、アルミニウムフタロシアニンおよびハロゲン化アルミニウムフタロシアニンの含有量が、0.1%未満であることがより好ましい。
ハロゲン置換数の平均を2.0以上7.0以下とし、ハロゲン分布幅を5以上とし、ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)中のアルミニウムフタロシアニンおよびハロゲン化アルミニウムフタロシアニンの含有量を1.0%以下とするには、ハロゲン化フタロアニン顔料(A)を製造する方法として、特開平07−292271に記載の溶融塩化アルミ法の改良方法またはハロゲン化剤としてN−ハロイミド化合物を用いる方法等を用い、ハロゲン化剤の添加量、ハロゲン化の反応時間および反応温度等を適宜調整すればよい。製造方法の詳細については後述するが、本発明においては、ハロゲン化剤としてN−ハロイミド化合物を用いる方法でハロゲン化フタロシアニン顔料(A)を製造することが好ましい。
本発明の効果を十分に発揮するためには、ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)中の遊離銅の含有量が200mg/Kg以下であることが好ましい。遊離銅については金属銅もしくは銅化合物の形で存在し粗製銅フタロシアニンクルードや粗製銅フタロシアニングリーン製造時の副生成物として混入することが多い。遊離銅が顔料に多く含まれる場合、高い温度における樹脂の分解や、エステル結合の加水分解が促進され、樹脂の物性や色相への悪影響を及ぼし、成型品としての品質低下をもたらす恐れがある。
ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)中の遊離銅の含有量を200mg/Kg以下とするには、ハロゲン化フタロアニン顔料(A)を生成した後、遊離銅を除去するために希硫酸、希硝酸等で処理する等により調製できる。製造方法の詳細については後述するが、本発明においては、後述のハロゲン化剤としてN−ハロイミド化合物を用いる方法でハロゲン化フタロシアニン顔料(A)を製造することが好ましい。ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)の製造方法の詳細については後述する。
ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)は、中心元素が、水素、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、ニッケルおよび銅からなる群より選択されるいずれか一種以上を含む。
本発明において、ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)が「中心元素が、水素、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、ニッケルおよび銅からなる群より選択されるいずれか一種以上を含む」とは、フタロシアニン骨格の中心の水素原子2つがマンガン、鉄、コバルト、亜鉛、ニッケルおよび銅からなる群より選択されるいずれか一種で置換された金属フタロシアニンを一種以上および/または中心に水素原子を2つ有するフタロシアニンを含む態様をいう。
すなわち、ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)が、フタロシアニン骨格に複数個のハロゲンが置換したハロゲン化フタロシアニン、および、フタロシアニン骨格に複数個のハロゲンが置換したハロゲン化金属フタロシアニンの少なくともいずれかを含み、且つ、ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)が該ハロゲン化金属フタロシアニンを含む場合に、その中心元素がマンガン、鉄、コバルト、亜鉛、ニッケルおよび銅からなる群より選択されるいずれか一種であるハロゲン化金属フタロシアニンを一種以上含む態様であることが好ましい。
ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)がハロゲン化金属フタロシアニンを含有する場合、中心元素が銅である銅フタロシアニンを含むことがより好ましい。
(ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)とフタロシアニン顔料(B)とを含有するプラスチック用着色剤)
次に、上記ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)とフタロシアニン顔料(B)とを含有するプラスチック用着色剤について説明する。プラスチック用着色剤の色材としての魅力を向上させ、産業上の利用可能性を拡大させるためには、上記ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)に加え、更にハロゲン置換数の平均が1.1個以下であるフタロシアニン顔料(B)を含有することが好ましい。
フタロシアニン顔料(B)の態様としては、ハロゲン置換数が0個であることがより好ましい。また、フタロシアニン顔料(B)の他の態様としては、ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)の場合と同様、フタロシアニン顔料(B)中のアルミニウムフタロシアニンおよびハロゲン化アルミニウムフタロシアニンの含有量が1.0%以下が好ましく、0.1%未満であることがより好ましい。また、フタロシアニン顔料(B)中の遊離銅の含有量が200mg/Kg以下であることが好ましい。
ハロゲン置換数の平均が上記範囲であるフタロシアニン顔料(B)は、たとえば、ハロゲン無置換のフタロシアニン化合物を用いるか、原料としてのフタロシアニン(D)をハロゲン化剤でハロゲン化する際に、ハロゲン化剤の添加量、ハロゲン化の反応時間や反応温度等を適宜調製して製造すればよい。
また、フタロシアニン顔料(B)のアルミニウムフタロシアニンおよびハロゲン化アルミニウムフタロシアニンの含有量、並びに、遊離銅の含有量を上記範囲とするには、ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)の調製と同様に、フタロアニン顔料(B)を製造する方法として、特開平07−292271に記載の方法やハロゲン化剤としてN−ハロイミド化合物を用いる方法等を用いて達成可能である。フタロアニン顔料(B)の製造方法の詳細については後述する。
ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)とフタロシアニン顔料(B)との比率は、ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)の含有量が、ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)とフタロシアニン顔料(B)との合計量に対して10〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましい。この範囲とすることで、色相と低収縮性の付与のバランスがより好ましくなる。
フタロシアニン顔料(B)は、中心元素が、水素、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、ニッケルおよび銅からなる群より選択されるいずれか一種以上を含むことが好ましい。中心元素の定義は上記ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)と同じである。
フタロシアニン顔料(B)が金属フタロシアニンを含有する場合、中心元素が銅である銅フタロシアニンを含むことがより好ましい。また、上記フタロシアニン顔料(B)は、α型、β型、ε型等、様々な結晶形を取り得るが、耐熱性の観点から、α型またはβ型であることが好ましい。さらにプラスチック用着色剤としての魅力を考えると、色材としての魅力の観点でα型であることが好ましい。
なお、フタロシアニン顔料(B)の結晶形の調整は公知の方法で行うことができる。例えば、β型フタロシアニン顔料(B)は、ハロゲン置換数の平均、並びに必要により、アルミニウムフタロシアニンおよびハロゲン化アルミニウムフタロシアニンの含有量、遊離銅の含有量を上記範囲としたフタロシアニン顔料を、ソルベントソルトミリング処理することで得ることができる。
また、フタロシアニン顔料(B)は、ハロゲン置換数の平均が1.1個以下であれば、フタロシアニン骨格にハロゲンを有していても良い。
(フタロシアニン顔料の製造方法)
ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)を得るための製造方法は、上記(1)〜(4)の条件を満たせば特に限定されない。例えば、下記第1〜第3の方法等が挙げられる。
第1の方法は、異なるハロゲン置換数をもつハロゲン化フタル酸を用いて粗製ハロゲン化フタロシアニンを製造し、ハロゲン置換数の平均を2.0以上7.0以下、ハロゲン分布幅を5以上となるように適宜混合し、更に顔料化工程と必要に応じて希硫酸、希硝酸等で遊離銅を低減する工程を行う方法である。
第2の方法は、特開平07−292271号公報に記載の製造方法で得たハロゲン化フタロシアニンに、更に顔料化工程と希硫酸等で遊離銅を低減する工程を行う方法である。
第3の方法は、後述する特定のハロゲン化剤を用いたハロゲン化反応によりフタロシアニン等の原料をハロゲン化する方法である。該方法を用いれば、アルミニウムフタロシアニン等や遊離銅の除去工程や顔料化工程を必要としないため、ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)を簡易に得ることができる。そのため、本発明においては、上記第3の方法を用いて製造することが好ましい。
特定のハロゲン化剤によるハロゲン化反応を行う製造方法について、以下に詳細に説明する。
特定のハロゲン化剤を用いる製造方法は、ハロゲン化剤としてN−ハロイミド化合物を用いて、原料であるフタロシアニン(C)をハロゲン化してハロゲン化フタロシアニン顔料(A)を得、該ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)を貧溶媒中で析出させることを特徴とする。
N−ハロイミド化合物を用いてハロゲン化反応を行う上記製造方法の利点として、アルミニウムフタロシアニン等および遊離銅が生成しにくいため、これらの除去工程や顔料化工程を必要としないだけでなく、毒性の高い塩素ガスや臭素を使用せず、また、反応の際に有害なハロゲン化水素ガスを副生することが無いので、極めて安全性の高い製造方法であることが挙げられる。
ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)の製造に用いる原料であるフタロシアニン(C)としては、フタロシアニン骨格のα位やβ位に置換基を有さない無置換のフタロシアニンおよび金属フタロシアニン等が挙げられる。原料コストとしては不利ではあるが、無置換のフタロシアニンおよび金属フタロシアニン以外の原料としてハロゲン化フタロシアニンおよび/またはハロゲン化金属フタロシアニンを使用して、よりハロゲン置換数が多いフタロシアニン顔料を製造することもできる。金属フタロシアニンである場合の中心元素としては、水素、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、ニッケルおよび銅からなる群より選択されるいずれか一種以上であることが好ましい。その中でも、中心元素が銅である銅フタロシアニンがより好ましい。
N−ハロイミド化合物としては、トリクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸金属塩、トリブロモイソシアヌル酸およびジブロモイソシアヌル酸金属塩からなる群より選ばれる一種以上のN−ハロイミド化合物であることが、環境衛生上、品質上好ましく、コストとにも優位である。そのなかでも塩素化反応に使用されるN−クロロイミド化合物は、水泳プール水や浴用水の消毒剤等に広く使用されており、取り扱いやすく、安全性の高い化合物といえる。
N−ハロイミド化合物としての上記金属塩は、特に限定されるものではないが、コストと入手の容易さの観点から、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩またはカリウム塩がより好ましく、ナトリウム塩が特に好ましい。したがって、本発明で使用されるハロゲン化剤のより好ましい態様として、トリクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、トリブロモイソシアヌル酸およびジブロモイソシアヌル酸ナトリウムからなる群より選ばれる一種以上のN−ハロイミド化合物を含む態様が挙げられる。水泳プール水や浴用水の消毒剤等に広く使用されており、取り扱いやすく安全性の高い化合物といえるトリクロロイソシアヌル酸およびジクロロイソシアヌル酸ナトリウムからなる群より選ばれる一種以上のN−クロロイミド化合物を含む態様が特に好ましい態様として挙げられる。
N−ハロイミド化合物の使用量は、目的とするハロゲン化フタロシアニン(A)顔料のハロゲン置換数の平均、ハロゲン分布幅によるが、例えば、原料としてハロゲン無置換フタロシアニンを用いてハロゲン置換数の平均を2とし、ハロゲン分布幅を5とする場合、原料に対して有効ハロゲン基準で1.8〜3.0モル当量のN−ハロイミド化合物を用いるのが好ましく、ハロゲン置換数の平均を7とし、ハロゲン分布幅を5とする場合、原料に対して有効ハロゲン基準で6.5〜10モル当量のN−ハロイミド化合物を用いるのが好ましい。
上記製造方法で使用される溶媒は、原料であるフタロシアニン(C)が溶解し、ハロゲン化反応を阻害せず、フタロシアニン骨格の分解を引き起こす恐れがないものであれば、特に制限はない。反応収率等の観点から、強酸を使用することが好ましい。強酸としては、硫酸、発煙硫酸、クロロスルホン酸およびポリリン酸等の無機酸、トリフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸、メタンスルホン酸およびエタンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。強酸として、これらを単独もしくは混合して使用することができる。コストや反応収率、製造工程上利点等の観点から無機酸が好ましく、硫酸、発煙硫酸、クロロスルホン酸、ポリリン酸およびこれらの混合物がより好ましい。硫酸は、含水率が多いとフタロシアニン骨格の分解を引き起こす恐れがあるので、90%以上の高濃度の硫酸が好ましい。
溶媒の量は、特に制限されるものではないが、原料に対して5〜20質量倍を使用することが好ましい。
ハロゲン化反応において、反応率を向上させるために触媒を添加することが好ましい。触媒は、強酸を溶媒としてフタロシアニン(C)を塩素または臭素でハロゲン化する場合と同様の触媒が使用でき、硫黄、二塩化二硫黄等の硫黄化合物、ヨウ素、塩化ヨウ素、臭化ヨウ素等のヨウ素化合物、塩化第二鉄、塩化第一銅、塩化第二銅、塩化アルミニウム、塩化アンチモン等の金属塩化物等が挙げられる。
ハロゲン化反応の温度は、ハロゲン化反応の反応率が高く、フタロシアニン骨格の分解反応、スルホン化反応およびクロロスルホン化反応等の副反応を抑制する温度が好ましく、フタロシアニン、強酸、N−ハロイミド化合物の種類、触媒の種類、およびハロゲン置換数に応じて、適宜、決めることができる。好ましくは0〜150℃、より好ましくは10〜100℃である。
ハロゲン化の反応時間は、溶媒へのN−ハロイミド化合物の溶解速度にも影響されるため、N−ハロイミド化合物の粒子の大きさや、反応槽中での反応液の撹拌速度に応じて、適宜、決めることができるが、N−ハロイミド化合物の粒子が数ミリメートルで十分な撹拌が行われる場合、30分間〜10時間が好ましく、1時間〜5時間がより好ましい。
フタロシアニン顔料(B)は、ハロゲン無置換のフタロシアニンおよび/または金属フタロシアニンをそのまま用いてもよいが、ハロゲン置換数の平均が1.1個以下となるようにハロゲン化したものを用いても良い。
フタロシアニン顔料(B)をハロゲン化して得る方法は、公知の塩素化フタル酸を用いる方法の他に、ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)と同様の方法が挙げられる。特にハロゲン化フタロシアニン顔料(A)の製造方法における第3の方法、すなわち、ハロゲン化剤としてN−ハロイミド化合物を適当量用いて、原料であるフタロシアニン(D)をハロゲン置換数の平均が1.1個以下となるようにハロゲン化し貧溶媒中に析出させる方法が、アルミニウムフタロシアニン等や遊離銅の除去工程や顔料化工程を必要としないため好ましい。フタロシアニン(D)としては、フタロシアニン骨格のα位やβ位に置換基を有さない無置換のフタロシアニンおよび金属フタロシアニン等が挙げられる。
(プラスチック用着色剤の調製法)
上記ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)とフタロシアニン顔料(B)とを混合して、本発明のプラスチック用着色剤とすることができる。
フタロシアニン顔料(B)のハロゲン置換数が0個であるときは、ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)とフタロシアニン顔料(B)の混合物を得るために、フタロシアニン(C)をN−ハロイミド化合物でハロゲン化してハロゲン化フタロシアニン顔料(A)を生成し、その後、さらにフタロシアニン(D)をフタロシアニン顔料(B)として追加し、貧溶媒中で析出させることで、ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)とフタロシアニン顔料(B)の混合物を得ることもできる。
<プラスチック用着色剤組成物>
次に、本発明のプラスチック用着色剤組成物について説明する。本発明のプラスチック用着色剤組成物は、本発明のプラスチック用着色剤と、芳香族カルボン酸、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸金属塩、脂肪族カルボン酸金属塩および脂肪族カルボン酸エステルからなる群より選ばれるいずれか一種以上とを含有することを特徴とする。
上記プラスチック用着色剤組成物の好ましい態様の一つとして、ドライカラーと呼ばれる、顔料を高濃度に含有する粉末状の着色剤組成物が挙げられる。ドライカラーの場合、本発明のプラスチック用着色剤と、該着色剤100部に対して、芳香族カルボン酸、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸金属塩、脂肪族カルボン酸金属塩および脂肪族カルボン酸エステルからなる群より選ばれるいずれか一種以上を分散剤として1〜1000部と、を含有することが好ましい。
脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸およびそれらの金属塩の具体例を下記に挙げる。脂肪族カルボン酸としては、カプリル酸、オレイン酸、ステアリン酸等が挙げられ、芳香族カルボン酸としては、フタル酸、安息香酸等が挙げられる。
上記金属塩の金属としては、リチウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸エステルとしては、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、モンタン酸メチル、モンタン酸とエチレングリコールとのエステル化物、モンタン酸とブチレングリコールとのエステル化物等が挙げられる。
ドライカラーは粉末状で作業性は良好ではないが、顔料の濃度が高く、少量で着色に寄与する為価格的に最も経済的であり、ポリオレフィンやポリエステル等の樹脂の着色に多く用いられる。プラスチック用着色剤組成物を樹脂に混合させたプラスチック用着色組成物として成型に供する場合、プラスチック用着色組成物は、部分的に結晶性を有する樹脂と、該樹脂100部に対してドライカラー0.001〜10部と、を含有することが好ましい。部分的に結晶性を有する樹脂をペレットにしたものとドライカラーとを混合機等で予め均一に混合した後に成型加工に供される。
プラスチック用着色剤組成物の好ましい一つの形態として、上記ドライカラーに用いる芳香族カルボン酸、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸金属塩、脂肪族カルボン酸金属塩および脂肪族カルボン酸エステルからなる群より選ばれるいずれか一種以上に替えて、あるいは、これに加えて、ポリエチレンワックスをベースポリマーとして含む、飛散の少ない粉末または造粒したペレット等が挙げられる。該粉末またはペレットは、本発明のプラスチック用着色剤が上記ベースポリマー中で高濃度に分散した高濃度顔料分散体である。
ペレットは、上記のドライカラーと呼ばれる粉末状の着色剤組成物よりも作業性が良好であり、ドライカラーと同様、ポリオレフィン等の部分的に結晶性を有する樹脂の着色に好適に用いられる。
ポリエチレンワックスをプラスチック用着色剤組成物に含有させる場合の含有量は、特に好適には、本発明のプラスチック用着色剤100部に対して30〜150部が好ましい。
ポリエチレンワックス以外に、ポリエチレンワックスの誘導体、酸化ポリエチレンワックスやその誘導体、メタロセン触媒を用いたポリエチレン等をポリエチレンワックス同様に用いることができる。そのなかでも、軟化点120℃以下のポリエチレンワックスが好ましく、粘度法による重量平均分子量が10000以下であるものが好ましい。
軟化点の測定は、JIS K 2207に準処して行う。
<プラスチック用着色組成物>
次に、本発明のプラスチック用着色組成物について説明する。本発明のプラスチック用着色組成物は、本発明のプラスチック用着色剤または本発明のプラスチック用着色剤組成物と、樹脂とを含有することを特徴とする。
本発明における樹脂とは、部分的に結晶性を有する樹脂を指す。具体的には、エチレン、プロピレン、ブチレン、スチレン等をモノマー成分として用いたホモポリマーやコポリマー等が挙げられる。更に具体的には、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)等のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等のポリオレフィン樹脂が挙げられる。その他の有用な樹脂の例としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、熱可塑性アイオノマー樹脂等が挙げられる。
本発明のプラスチック用着色剤は、特にポリオレフィン樹脂に対し、顕著な効果を有することから、樹脂としてはポリオレフィン樹脂が好ましい。
上記ポリオレフィン樹脂としては、MFR(メルトフローレート、いわゆる溶融粘度)が0.001〜30の範囲のものが好ましい。MFRが0.001以上であればではプラスチック用着色組成物の成型加工性がよく、成型品にウエルドマークやフローマークが発生しにくい。一方、MFRが30以下であると、成型品の機械物性に優れる。特に、高密度ポリエチレン(HDPE)を用いる場合にはMFRが0.005〜10の範囲であることが好ましく、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン、ポリブテンを用いる場合にはMFRが0.005〜20の範囲であることが好ましい。
本発明のプラスチック用着色組成物の態様として、本発明のプラスチック用着色剤または本発明のプラスチック用着色剤組成物と上記樹脂とから構成され、プラスチック用着色剤を高濃度に含有するいわゆるマスターバッチと称されるペレット状のプラスチック用着色組成物の態様が好ましい。プラスチック用着色剤を高濃度に含有するマスターバッチとしてのプラスチック用着色組成物の場合、それに更に樹脂を添加して、成型品を得てもよい。
上記プラスチック用着色剤組成物やプラスチック用着色組成物には、本発明の効果を阻害せず、衛生上問題ない範囲で他の添加成分を更に添加してもよい。本発明における添加成分としては、低収縮性を有する有機顔料(フタロシアニン系有機顔料を除く);無機顔料;ワックス又その誘導体;重金属不活性剤、アルカリ金属、アルカリ土類金属または亜鉛の金属石けん;ハイドロタルサイト;ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤等からなる帯電防止剤;ハロゲン系、リン系または金属酸化物等の難燃剤;エチレンビスアルキルアマイド等の滑剤;酸化防止剤や紫外線吸収剤;加工助剤;充填剤;公知のポリマー用の各種添加剤等が挙げられる。
<成型品>
本発明のプラスチック用着色組成物を用いて成型品を得る際の成型方法は特に限定されるものではない。成型方法としては、射出成型、ブロー成型、インフレーション成型、押出し成型、エンゲル成型、真空成型等が挙げられるが、これらの成型方法にかかわらず、本発明の成型品は、着色された成型品の反りや変形を抑制する効果が得られる。
射出成型時に有機顔料が樹脂中に存在することによって引き起こされる成型品の反りや変形は、成型品の射出方向の収縮率と射出方向に対して垂直方向の収縮率とのバランスが崩れることによって引き起こされることが知られている。そのため、成型プレート(成型品の一態様)の射出方向の収縮率と垂直方向の収縮率を測定し、下記式1によって算出される収縮差率を求めることによって、成型品の反りや歪みの程度を見ることができる。一般的に顔料を含むプラスチック用着色剤と樹脂とを含有してなる成型プレートと、樹脂のみ(以下ナチュラルと呼ぶ)からなる成型プレートの収縮差率との差が低いほうが好ましく、±10%の範囲に収まれば低収縮顔料または低収縮性が付与されたプラスチック用着色剤であるということができる。
本発明のプラスチック用着色剤は、成型品に用いた場合に成型品の収縮差率の差が±10%の範囲に収まるという特徴を有する。収縮差率が±10%の範囲を超えると、着色された成型品の反りや歪み、変形が発生する恐れがある。
Figure 0005764835
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、特に断わりのない限り、実施例中、「部」および「%」は、それぞれ、「質量部」および「質量%」を表す。
まず、実施例に先だって、顔料中のハロゲン置換数、ハロゲン分布幅、アルミニウムフタロシアニンおよびハロゲン化アルミニウムフタロシアニンの含有量、遊離銅の測定方法を以下に示す。また、成型品の収縮性、耐熱性、耐マイグレーション性の測定方法も以下に示す。
<ハロゲン置換数>
顔料中のハロゲン置換数は、顔料を酸素燃焼フラスコ法にて燃焼させ、該燃焼物を水に吸収させた液体を、イオンクロマトグラフ(ICS−2000イオンクロマトグラフィー、DIONEX社製)により分析してハロゲン量を定量し、ハロゲン置換数に換算することで得た。
<ハロゲン分布幅、アルミニウムフタロシアニンおよびハロゲン化アルミニウムフタロシアニンの含有量>
顔料中のハロゲン分布幅、並びに、アルミニウムフタロシアニンおよびハロゲン化アルミニウムフタロシアニンの含有量は、飛行時間型質量分析装置(autoflexIII(TOF−MS)、ブルカー・ダルトニクス社製)を用いて決定した。
アルミニウムフタロシアニンおよびハロゲン化アルミニウムフタロシアニンの含有量は、顔料粉末を質量分析して得られたマススペクトラムにおいて、各成分に相当する分子イオンピークの信号強度(各ピーク値)と、各ピーク値を積算した値(全ピーク値)とを算出し、全ピーク値に対する各ピーク値の割合より求めた。
ハロゲン分布幅は、全ピーク値に対する各ピーク値の割合が1%以上のピークの数をカウントし、ハロゲン分布幅とした。
<遊離銅の測定方法>
遊離銅は以下の方法で求めた。まず顔料5gを精秤し、50gの濃硫酸に発熱に注意しながら溶解させ、4時間撹拌して硫酸溶液とした。撹拌後、500gの水に硫酸溶液を投入して顔料を析出させた。十分に撹拌したのち顔料を濾別水洗し、濾液と水洗液を合わせて、1000mlに定容した。原子吸光分析(偏光ゼーマン原子吸光分光光度計Z8100型、日立製作所製)を用い、銅の標準液にて検量線と照らし合わせて銅濃度を求めた。得られた銅濃度から顔料1kgあたりの遊離銅の含有量を求めた。
<収縮性の評価方法>
成型品の反りや変形の評価は、下記のようにして行う。まず、射出成型機にて収縮性評価用の金型(射出方向とその垂直方向に10.00cmの標線が設けられた縦150mm、横120mm、厚さ2mmのプレートを作製する金型)を用いてプレートを成型する。成型されたプレートを25℃の恒温室で3日間保存した後、射出方向とその垂直方向の収縮率の比で計算される収縮差率を求めると共に、目視により、反りや変形の程度を評価した。プレートの成型温度は220℃、金型温度40℃で、ナチュラルプレートの収縮差率が0になるように成型条件を調整した。
高密度ポリエチレン(製品名:ハイゼックス(Hizex)2208J、軟化点=130℃、プライムポリマー社製)とプラスチック用着色剤とを、顔料濃度0.1PHR(高密度ポリエチレン100部に対してプラスチック用着色剤が0.1部)になるように調製し、連続20枚の着色プレートを射出成型し、評価にはその内、14枚目から19枚目の6枚を用いた。精密ノギスにて標準間距離を計測しその値から射出方向とその垂直方向の収縮率を求めた。その後、射出方向とその垂直方向の収縮率の比で計算される収縮差率と、目視で反りや変形の程度を評価した。なお、収縮差率は下記式1に従って求めた値である。
Figure 0005764835
<耐熱性の評価方法>
試験に用いる樹脂としては高密度ポリエチレン(製品名:ハイゼックス(Hizex)2208J、プライムポリマー社製)を用いた。試験方法は、ドイツ工業規格DIN12877−1に準拠した。まず、着色力それぞれSD1/3の濃度になるように合わせた着色プレートを作製した。200℃で、滞留時間が可能な限り短くなる条件で着色プレートを11枚成型し、6枚目〜11枚目の6枚の着色プレートを、測色計(ミノルタ分光測色計 CM−2002、コニカミノルタ社製)にてそれぞれ測色した。得られた測色値の平均値をコントロール(基準)とした。次に、バレル内の滞留時間が5分になるように成型条件を調整したのち、200℃から10℃刻みに300℃まで11枚ずつ着色プレートを成型し、それぞれ6枚目〜11枚目の6枚をそれぞれ測色し、その測色値の平均値を算出した。得られた測色値の平均値と上記コントロールとの色差(ΔE*)を求めた。ΔE*<2.0である最も高い温度を耐熱温度とした。また、300℃で成型したプレートを用いて色差(ΔE*)を求め、耐熱性の一つの指標とした。
<耐マイグレーション性の評価方法>
高密度ポリエチレン(製品名:ハイゼックス(Hizex)2208J、プライムポリマー社製)とプラスチック用着色剤とを、顔料濃度1.0PHR(高密度ポリエチレン100部に対してプラスチック用着色剤が1部)になるように調製し、上記収縮性の評価と同様にプレートを作製した。得られたプレートを白色軟質塩化ビニルシート(日本工業規格JIS K7215(プラスチックのデュロメータ硬さ試験方法)で測定される硬さHDA0秒値が63のもの)ではさみ、100g/cmで加圧して1分間180℃で加熱し、直ちに外して白色軟質塩化ビニルシートへの耐マイグレーション性を目視で、下記4段階の基準にて評価した。
◎:マイグレーションは全く認められない。マイグレーションに対して厳しい用途でも使用可能
○:マイグレーションがわずかに認められる。マイグレーションに対して厳しい用途以外で使用可能
△:マイグレーションは認められるが、用途を限定すれば使用できる。
×:マイグレーションが多く使用に適さない。
[実施例1]
98%硫酸116部と30%発煙硫酸24部を混合して99.5%硫酸140部を調製し、これに銅フタロシアニン(T−99 CRUDE BLUE、珠海東洋科美化学有限公司製)20部を、30℃以下を保つように氷水浴で冷却しながら加えた。さらにヨウ素0.1部を加えた後、50℃まで加温してトリクロロイソシアヌル酸8.8部(銅フタロシアニンに対して1.1倍モル、有効塩素基準で3.3モル当量)を加え、同温度で3時間撹拌した。
次いで、水600部に撹拌しながら反応液を注ぎ入れ、70℃に加熱して、濾過、温水洗浄、1%水酸化ナトリウム水溶液洗浄、温水洗浄の順で処理をし、その後、乾燥して、塩素置換数が平均3.0個の塩素化銅フタロシアニン顔料20.1部を得た。
収率は原料とするフタロシアニン換算で93.5%であった。得られた塩素化銅フタロシアニン顔料の遊離銅は顔料1Kg換算で56mgであった。ハロゲン分布幅は6であった。アルミニウムフタロシアニンおよび塩素化アルミニウムフタロシアニンの混入は認められなかった。
[比較例1]
塩化アルミニウム81部、塩化ナトリウム19部および塩化鉄1部を加温して溶融し、140℃で銅フタロシアニン20部を加えた。160℃に昇温して塩素ガス5部を吹き込んだ。水1000部に反応液を注入し、濾過、温水洗浄、1%塩酸水溶液洗浄、温水洗浄、1%水酸化ナトリウム水溶液洗浄、温水洗浄の順で処理をし、その後、乾燥して塩素置換数が平均2.0個の粗製塩素化銅フタロシアニン20.6部を得た。収率は92%であった。
このままの形態では、色材として使用できないため、引き続きアシッドペースティングによる顔料化を行った。98%硫酸120部に粗製塩素化銅フタロシアニン20部を溶解し、50℃で3時間撹拌した。次いで、水600部に撹拌しながら溶解液を注ぎ入れ、70℃に加熱して、濾過、温水洗浄、1%水酸化ナトリウム水溶液洗浄、温水洗浄の順で処理をし、その後、乾燥して塩素置換数が平均2.0個、ハロゲン分布幅5の塩素化銅フタロシアニン19.2部を得た。
収率は96%であった。アルミニウムフタロシアニンおよび1〜4個塩素に置換されたアルミニウムフタロシアニンの含有量は4.9%であった。遊離銅は148mg/Kgであった。
[比較例2]
無水フタル酸28部、クロロ無水フタル酸105部、塩化第一銅19部、尿素139部、モリブデン酸アンモニウム0.5部、溶媒としてtert−アミルベンゼン(製品名:ハイゾールP、アルキルベンゼン混合物、日本石油社製)210部を1リットルのガラスオートクレーブ中に仕込み、200℃で圧力2.0kg/cm・Gで4時間反応させた。精製したスラリーを減圧下で加熱することで溶剤を留去して回収した。残留物に2000部の水をくわえ90℃で4時間撹拌して濾過し、乾燥して塩素置換数が平均3.0個、ハロゲン分布幅4の塩素化銅フタロシアニン109.7部を得た。
収率は85%であった。遊離銅は3560mg/Kgとなり、アルミニウムフタロシアニンおよび塩素化アルミニウムフタロシアニンの混入は認められなかった。
[比較例3]
比較例2において、残留物に2000部の水を加える代わりに2000部の8%硫酸を加えた以外は、比較例2と同じ操作を行い、塩素置換数が平均3.0個、ハロゲン分布幅3の塩素化銅フタロシアニン105.8部を得た。収率は82%であった。遊離銅は80mg/Kgとなり、アルミニウムフタロシアニンおよび塩素化アルミニウムフタロシアニンの混入は認められなかった。
[実施例2〜12]
実施例1の合成条件のうち、反応溶媒、フタロシアニン、N−ハロイミド化合物、触媒、反応温度、反応時間を表1〜2の条件に変更して合成を行い、ハロゲン化フタロシアニン顔料を得た。それぞれ、収量、収率、塩素置換数、臭素置換数、ハロゲン分布幅、遊離銅については表3の通りとなった。また、いずれの顔料もアルミニウムフタロシアニンおよびハロゲン化アルミニウムフタロシアニンの混入は認められなかった。
[実施例13]
塩化アルミニウム80部、塩化ナトリウム10部、硫酸ナトリウム10部の150℃の共溶融塩に銅フタロシアニン20部を短時間で溶解した。反応液を180℃に保ち、激しく撹拌しながら、塩素を1時間あたり2.1部で4.8時間導入した。反応液を水1000部に注加した。不溶物をろ過、水洗、精製、乾燥して塩素置換数が平均3.1個の粗製塩素化銅フタロシアニン22.8部を得た。混入している塩素化アルミニウムフタロシアニンは0.6%であった。
このままの形態では、色材として使用できないため、引き続きアシッドペースティングによる顔料化を行った。98%硫酸120部に、得られた粗製塩素化銅フタロシアニン20部を溶解し、50℃で3時間撹拌した。次いで、水600部に撹拌しながら溶解液を注ぎ入れ、70℃に加熱して、濾過、温水洗浄、1%水酸化ナトリウム水溶液洗浄、温水洗浄の順で処理をし、その後、乾燥して塩素置換数が平均3.1個、ハロゲン分布幅5の塩素化銅フタロシアニン19.2部を得た。混入している塩素化アルミニウムフタロシアニンは0.6%であった。遊離銅は顔料90mg/Kgとなった。
Figure 0005764835
Figure 0005764835
Figure 0005764835
[実施例1〜12の評価]
実施例1〜12で得られた顔料をプラスチック用着色剤として用い、上記方法により耐熱性、耐マイグレーション性、収縮性の評価を行った。結果を表4に示した。実施例1〜12では優れた耐熱性や耐マイグレーション性を示し、また10%以内の収縮差率を示し、また目視で反りや変形は認められなかった。
[実施例13の評価]
実施例13で得られた顔料の評価として耐熱性、耐マイグレーション性、収縮性の評価を行った。結果を表4に示した。優れた耐熱性と10%以内の収縮差率を示し、また目視での反りや変形は認められなかった。マイグレーションはわずかに認められ、判定としては○となった。
[比較例1の評価]
実施例3で得られた顔料と、塩素数が近い比較例1で得られた顔料とを比較した。結果を表4に示した。収縮差率はいずれも10%以内の数字を示し、目視でも反りや変形は認められない等、差が見られなかったが、耐マイグレーション性では比較例1で得られた顔料を用いた場合は劣る結果となった。また収縮差率の測定で得られたプレートを測色計(ミノルタ分光測色計 CM−2002、コニカミノルタ社製)で測色したところ、実施例3で得られた顔料を用いた場合、鮮明性C*=38.4、色相角度=255.4°であったが、比較例1で得られた顔料を用いた場合、C*=33.3、色相角度=245.7°であった。すなわち、実施例3の顔料を用いた場合に比べて、比較例1の顔料を用いた場合は緑味不鮮明であった。
[比較例2、比較例3の評価]
実施例1で得られた顔料と、比較例2、比較例3で得られた顔料とを比較した。結果を表4に示した。塩素数が近い比較例2で得られた顔料を用いた場合と実施例1で得られた顔料を用いた場合を比較すると、耐マイグレーション性では差が認められなかったが、耐熱性がやや劣り、収縮差率が39.2%で、反りや変形が目視で認められる等、耐熱性と収縮性で大きな差が生じた。また、比較例3で得られた顔料を用いた場合を比較すると、耐熱性や耐マイグレーション性いずれも優れ同等だが、収縮差率が38.5%で、反りや変形が目視で認められる等、収縮性で差が生じた。
Figure 0005764835
[実施例14]
クロロスルホン酸64部に塩素が0.5個導入されている塩素化銅フタロシアニン9.0部を、20℃以下を保つように氷水浴で冷却しながら加えた。さらにヨウ素0.1部を加えた後、20℃に調整してトリクロロイソシアヌル酸3.0部(原料の塩素化銅フタロシアニンに対して0.85倍モル、有効塩素基準で2.55モル当量)を加え、同温度で3時間撹拌した。10℃まで冷却したのち、クロロスルホン酸を96部、発泡に注意しながらゆっくり加えた。温度を20℃に調整したのち銅フタロシアニン(T−99 CRUDE BLUE、珠海東洋科美化学有限公司製)を14.4部加え1時間撹拌した。
次いで、水1200部に撹拌しながら反応液をゆっくり注ぎ入れ、70℃に加熱して、濾過、温水洗浄、1%水酸化ナトリウム水溶液洗浄、温水洗浄の順で処理をし、その後、乾燥して、塩素置換数が平均3.1個、ハロゲン分布幅6の塩素化銅フタロシアニン顔料とα型フタロシアニン顔料が4:6で混合されたプラスチック用着色剤23.5部を得た。
得られたフタロシアニン顔料(ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)およびフタロシアニン顔料(B)を含む)の遊離銅は36mg/Kgであった。アルミニウムフタロシアニンおよび塩素化アルミニウムフタロシアニンの混入は認められなかった。上記着色剤10部とステアリン酸カルシウム10部を混合し、プラスチック用着色剤組成物20部を得た。
[実施例15]
2%発煙硫酸64部に0.5個導入されている塩素化銅フタロシアニン9.0部を、30℃以下を保つように氷水浴で冷却しながら加えた。さらにヨウ素0.1部を加えた後、20℃に調整してトリクロロイソシアヌル酸3.0部(原料の塩素化銅フタロシアニンに対して0.85倍モル、有効塩素基準で2.55モル当量)を加え、同温度で3時間撹拌した。10℃まで冷却したのち、98%硫酸を144部、発泡に注意しながらゆっくり加えた。温度を20℃に調整したのち銅フタロシアニン(T−99 CRUDE BLUE、珠海東洋科美化学有限公司製)を22.3部加え1時間撹拌した。
次いで、水1200部に撹拌しながら反応液をゆっくり注ぎ入れ、70℃に加熱して、濾過、温水洗浄、1%水酸化ナトリウム水溶液洗浄、温水洗浄の順で処理をし、その後、乾燥して、塩素置換数が平均3.1個、ハロゲン分布幅6の塩素化銅フタロシアニン顔料とα型フタロシアニン顔料が3:7で混合されたプラスチック用着色剤31.4部を得た。
得られたフタロシアニン顔料の遊離銅は顔料1Kg換算で52mgであった。アルミニウムフタロシアニンおよび塩素化アルミニウムフタロシアニンの混入は認められなかった。上記着色剤10.0部に、モンタン酸とブチレングリコールとのエステル化物10部を混合し、着色剤組成物20部を得た。
[実施例16]
遊離銅151mg/Kg、アルミニウムフタロシアニンの混入のなく、塩素数0.55個のα型低塩素フタロシアニン7.5部と実施例4で得られた顔料2.5部を混合してプラスチック用着色剤10部を得た。該着色剤10部とフタル酸ジカルシウム10部とを混合し、プラスチック用着色剤組成物20部を得た。
上記α型低塩素フタロシアニンは、下記のようにして調製した。
アルミニウムフタロシアニンの混入のない塩素数0.5個のセミクロロフタロシアニンクルード18部、同じくアルミニウムフタロシアニンの混入のない塩素数1.0個のモノクロロフタロシアニンクルード2部を5℃の98%硫酸400部の中に少しずつ溶解し、その混合物を約2時間、5℃以下の温度を保ちながら撹拌した。続いて、その硫酸溶液を高速撹拌した8000部の氷水中に30分かけて滴下した。40℃に濾過した。結晶を酸がなくなるまで水で洗浄し、乾燥して18部のα型低塩素フタロシアニン顔料を得た。上記塩素数0.5個のセミクロロフタロシアニンクルードおよび上記塩素数1.0個のモノクロロフタロシアニンクルードは、上述のN−ハロイミド化合物を用いた方法によりフタロシアニンを原料として調製した。
[実施例17]
遊離銅82mg/Kg、アルミニウムフタロシアニンの混入のないε型フタロシアニン7.5部と実施例4で得られた顔料2.5部を混合してプラスチック用着色剤10部を得た。該着色剤10部とステアリン酸亜鉛4部とを混合し、プラスチック用着色剤組成物14部を得た。
上記ε型フタロシアニンは、下記のようにして調製した。
アルミニウムフタロシアニンの混入のないα型銅フタロシアニン65質量部、アルミニウムフタロシアニンの混入のないε型銅フタロシアニン35質量部、硫酸ナトリウム1250質量部、ジエチレングリコール200部を2000容量部の双腕型ニーダーに仕込み、110℃に保持しながら8時間混練した。磨砕後70℃の5%硫酸水溶液3500質量部に取り出し、1時間保温撹拌後、濾過、水洗し濾別した顔料の水ペーストを70℃の5%硫酸水溶液1000部に投入し、1時間保温撹拌後、濾過、水洗、乾燥し、ε型フタロシアニン98部を得た。
[実施例18]
遊離銅189mg/Kg、アルミフタロシアニンの混入のないβ型フタロシアニン9部と実施例1で得られた塩素化銅フタロシアニン顔料1部とを混合機にて十分に混合してプラスチック用着色剤10部を得た。さらに3本ロールにて重量平均分子量4200、軟化点110℃のポリエチレンワックス10部と得られたプラスチック用着色剤10部とを混練し、プラスチック用着色剤組成物20部を得た。
上記β型フタロシアニンは、下記のようにして調製した。遊離銅380mg/Kgであり、アルミフタロシアニンの混入のないフタロシアニンクルード250部、硫酸ナトリウム1750部、ポリエチレングリコール300部を3000容量部の双腕型ニーダーに仕込み、105℃に保持しながら5時間混練した。磨砕後70℃の5%硫酸水溶液3500部に取り出し、1時間保温撹拌後、濾過、水洗し濾別した顔料の水ペーストを70℃の5%硫酸水溶液1000部に投入し、1時間保温撹拌後、濾過、水洗、乾燥し、β型フタロシアニン235部を得た。
[比較例4]
β型フタロシアニン顔料88部、比較例1で得られた塩素化フタロシアニン10部、下記化合物Aで示されるフタロシアニン誘導体2部を混合機にて混合してプラスチック用着色剤100部を得た。遊離銅は顔料1kgあたり2780mgであった。さらに3本ロールにて分子量4200、軟化点110℃のポリエチレンワックス10部と得られたプラスチック用着色剤10部とを混練し、プラスチック用着色剤組成物20部を得た。
化合物A
Figure 0005764835
[実施例14〜18の評価]
実施例14〜18で得られたプラスチック用着色剤の評価として耐熱性、耐マイグレーション性、収縮性の評価を行った。結果を表5に示した。実施例14〜18では優れた耐熱性や耐マイグレーション性を示し、また10%以内の収縮差率を示し、また目視で反りや変形は認められなかった。また、市販の同じ結晶形のフタロシアニン顔料と比較しても、遜色ない着色力、同等の色相と鮮明性を示した。プラスチック用着色剤のみで成型プレートを作ったと比べ、プラスチック用着色剤組成物を用いた場合のほうが高い着色力が得られた。
[比較例4の評価]
比較例4で得られたプラスチック用着色剤と実施例18で得られたプラスチック用着色剤を比較した。結果を表5に示した。収縮性はいずれも10%以内の収縮差率を示し、また目視で反りや変形は認められなかった。耐マイグレーション性は比較例4で得られた着色剤のほうが劣る結果となった。また、耐熱性も比較例4で得られたプラスチック用着色剤のほうが劣る結果となった。
[実施例19]
樹脂としてポリプロピレンを使用した例を示す。実施例14で得られたプラスチック用着色剤組成物2部、ポリプロピレン樹脂(製品名:プライムポリプロJ105、プライムポリマー社製)1000部を混合し、プラスチック用着色組成物を得た。該着色組成物を用い、射出条件を成型温度220℃、金型温度40℃、金型温度85℃、ナチュラルプレートの収縮差率が0になるように条件設定された射出成型機にて成型し、成型プレートを得た。
収縮差率は−3.8%と−10%以内の収縮差率を示し、また目視で反りや変形は認められなかった。また色相も市販のα型フタロシアニン顔料のみで着色したプレート同様色相良好、高着色力のプレートであった。
[実施例20]
樹脂としてポリエチレンテレフタレートを使用した例を示す。実施例15で得られたプラスチック用着色剤組成物2部、ポリエチレンテレフタレート樹脂(製品名:Vylopet EMC-307、東洋紡績社製)1000部を混合し、プラスチック用着色組成物を得た。該着色組成物を用い、射出条件を成型温度275℃、金型温度85℃、ナチュラルプレートの収縮差率が0になるように条件設定された射出成型機にて成型し、成型プレートを得た。
収縮差率は9.5%と10%以下の値を示し、目視でも反りや変形は認められなかった。また色相も市販のα型フタロシアニン顔料のみで着色したプレート同様色相良好、高着色力のプレートであった。
Figure 0005764835
本発明により、樹脂をその機械的、化学的性質を変えることなく着色し、実質的にマイグレーションがなく、熱による変色の極めて少ない、反りや歪みのない成型品を得ることができるプラスチック用着色剤を提供できる。また、実質的にマイグレーションがなく、熱による変色の極めて少ない、反りのない成型品を提供できる。

Claims (8)

  1. 下記(1)〜(4)の条件を満たすハロゲン化フタロシアニン顔料(A)を含有するプラスチック用着色剤。
    (1)ハロゲン置換数の平均が、2.0以上、7.0以下であること
    (2)ハロゲン分布幅が、5以上であること
    (3)アルミニウムフタロシアニンおよびハロゲン化アルミニウムフタロシアニンの含有量が、1.0質量%以下であること
    (4)中心元素が、水素、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、ニッケルおよび銅からなる群より選択されるいずれか一種以上であること
  2. 前記ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)中の遊離銅の含有量が、200mg/Kg以下である請求項1に記載のプラスチック用着色剤。
  3. ハロゲン置換数の平均が、1.1個以下であるフタロシアニン顔料(B)をさらに含有する請求項1または2に記載のプラスチック用着色剤。
  4. 前記フタロシアニン顔料(B)中の遊離銅の含有量が、200mg/Kg以下である請求項3に記載のプラスチック用着色剤。
  5. 前記ハロゲン化フタロシアニン顔料(A)の含有量が、前記フタロシアニン顔料(A)と前記ハロゲン化フタロシアニン顔料(B)との合計量に対して10〜50質量%である請求項3または4いずれかに記載のプラスチック用着色剤。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のプラスチック用着色剤と、
    芳香族カルボン酸、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸金属塩、脂肪族カルボン酸金属塩および脂肪族カルボン酸エステルからなる群より選ばれるいずれか一種以上と、を含有するプラスチック用着色剤組成物。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のプラスチック用着色剤または請求項6に記載のプラスチック用着色剤組成物と、樹脂とを含有するプラスチック用着色組成物。
  8. 請求項7に記載のプラスチック用着色組成物を用いて成型された成型品。
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