JP2004083675A - プラスチック用着色剤およびその使用 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチックを着色成形加工する際に成形品の形状を制御することのできる着色剤に関し、詳しくは、着色されたプラスチック成形品の反りや変形を小さくすることのできるイソインドリノン系顔料を含有する着色剤および着色成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、プラスチックの着色に使用される着色剤は、耐熱性、耐光性、耐溶剤性などが求められていることから、無機顔料や有機顔料が考慮の対象となる。
【0003】従来、プラスチックの黄色系着色剤として、価格、耐熱性、耐候性、耐色性、耐移行性、寸法安定性に優れる重金属のカドミウム系が使用されてきた。しかし、カドミウム系顔料の製造の問題、使用上の問題、成形品になってからの人体への影響、廃棄物の問題がクローズアップされ、有機系顔料への使用転換が求められてきた。有機系顔料の中でも、プラスチックの着色においては、耐光性、耐熱性、耐移行性に優れたイソインドリノン系顔料が多く使用されている。
【0004】プラスチック着色剤として使用されているイソインドリノン系顔料は、耐光性、耐熱性、耐移行性、鮮明な色相、高い着色力等の特性を有するが、ポリオレフィンやPETなどの結晶性を有する熱可塑性樹脂の着色に用いた場合、プラスチック成型時において樹脂の結晶化度や結晶化方向に影響を与え、結果として、プラスチック成形品に反りや変形が生じる。
【0005】プラスチック成形品の反りや変形を改善するため、成形メーカーでは、成形温度、射出圧、射出時間、射出速度、冷却時間等の加工条件を変えることにより最適化を行っている。しかし、樹脂の種類、着色剤、添加剤及び成形品の大きさや形状により収縮率が異なる為、反りや変形を予測した加工条件の設定は困難で、加工条件を試行錯誤で何度も修正する必要があった。また、成形サイクルを長くし、生産性を悪くする場合が多かった。
【0006】反りや変形を改善する他の方法としては、結晶化剤(結晶核剤、造核剤あるいは結晶化促進剤)の添加が行われている。結晶化剤の添加は、結晶核となる成分を多く配合することにより、微細な結晶を急速に生成させて、顔料による収縮への影響を低減することに因る。結晶化剤を用いることにより、成形サイクルを短くできること、また剛性や透明性が上がることなどが知られている。結晶化剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、4−第三ブチル安息香酸アルミニウム、アジピン酸ナトリウムなどのカルボン酸金属塩、ナトリウムビス(4−第三ブチルフェニル)ホスフェート、ナトリウム−2,2’ −メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスフェートなどの酸性リン酸エステル金属塩、ジベンジリデンソルビトール、ビス(メチルベンジリデン)ソルビトールなどのソルビトールのアセタールタイプが用いられている。しかし、反りや変形に対しては効果が不十分であった。
【0007】従って、最良の方法は着色剤として用いられる顔料を改質して結晶核として働かないようにすることである。顔料の結晶形、粒子径、形状を変えること、顔料骨格に各種の置換基を導入した顔料誘導体(有機色素誘導体)を添加することによる顔料表面の改質、顔料に樹脂やシランカップリング剤等で表面処理を施すことによる顔料表面の改質等が行われている。
【0008】顔料の結晶形、粒子径、形状を変える方法としては、特開平04−376232号公報、特開昭57−155242号公報、特開昭58−125752号公報等に記載されている。しかし、いずれも十分な効果が得られていない。また、顔料の結晶形、粒子径、形状の変化は、色相、分散性、着色力、耐熱性、耐光性等の顔料元来の物性に影響を及ぼしてしまう。
【0009】反りや変形の改善を目的とした、顔料構造に置換基を導入したいわゆる顔料誘導体による表面改質の方法としては、特公昭53−7185号公報、特開平03−12432号公報にフタルイミドメチル誘導体が記載されている。この発明により、反りや変形は幾分改善されるものの十分ではなく、また、色移行性が悪化し実用には至っていない。
【0010】顔料誘導体以外の顔料の表面改質方法としては、有機シランや有機チタンによる表面処理、熱可塑性樹脂による顔料の表面コーティングが行われている。特開平05−194873号公報には、有機顔料残基を有するスルホン酸と水溶性高分子アンモニウム塩からなるポリマーとを共存させ、顔料表面をポリマーで改質することが記載されている。しかし、いずれも効果は不十分であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
イソインドリノン系顔料を用いて熱可塑性樹脂を着色したときの成形品における反りや変形は、上記いずれの方法でも解決されず、大きな問題であった。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、イソインドリノン系顔料と一般式(1)で示される有機色素誘導体からなる着色剤を用いて着色することにより、有機顔料の優れた耐光性、耐熱性、耐移行性等を失わずにプラスチック成形品の反りや変形を小さくできることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、イソインドリノン系顔料と一般式(1)で示される有機色素誘導体とを含む着色剤に関する。
一般式(1)
【0014】
【化3】
【0015】
(但し、式中、XはH、Cl、BrまたはSR基(Rは炭素数12〜30のアルキル基を表す。)を表し、Xの少なくとも一つはSR基であり、Zは炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
【0016】更に本発明は、 着色剤がプラスチック用途である上記着色剤に関する。
【0017】更に本発明は、上記着色剤と、脂肪族カルボン酸金属塩または芳香族カルボン酸金属塩とからなる粉体状着色剤に関する。
【0018】更に本発明は、上記着色剤を高濃度にプラスチックに配合して得られるマスターバッチに関する。
【0019】更に本発明は、プラスチックにイソインドリノン系有機顔料を配合して着色成形する際し、一般式(1)で示される有機色素誘導体を添加することを特徴とするプラスチック成型品の成形歪みの改善方法に関する。
【0020】更に本発明は、プラスチックがポリオレフィンである上記方法に関する。
【0021】一般式(1)におけるSR基の数は、特に限定しないが、多くなると、ハンドリングが悪くなるため、1〜4個が好ましい。Rはアルキル基であり、且つ、炭素数12から30のアルキル基である。アルキル基の長さが短い場合、即ち、少なくとも一つの炭素数12以上のアルキル基を有しない場合には、反りや変形を抑制する十分な効果が得られなくなる。より高い効果を有し、使用量をより少なくする為に、好ましくは、Rが炭素数16以上のアルキル基である場合が好ましい。また、炭素数が30以上になるとアルキル基に対して相対的に有機色素残基が少なく、単位重量あたりの効果が小さくなり使用量を多く必要として好ましくない。Rのアルキル基は好ましくは飽和直鎖アルキル基であるが、分岐構造や不飽和構造を有していてもかまわない。Rの例として、ドデシル基(ラウリル基)、テトラデシル基(ミリスチル基)、ヘキサデシル基(パルミチル基)、オクタデシル基(ステアリル基)、ドコシル基(ベヘニル基)、cis−9−オクタデシル基(オレイル基)等がある。
【0022】本発明で用いる一般式(1)で表される有機色素誘導体の製造方法は、常法により得られたハロゲン化イソインドリノン系有機色素に、銅触媒下で長鎖アルキルメルカプタンを反応させることにより得られる。また、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアホルムアミドなどの非プロトン性溶媒中で、場合によっては芳香族塩基、苛性ソーダ、炭酸ソーダ等の塩基の存在下、少なくとも一つの長鎖アルキル基を有するアルキルメルカプタンと反応させることにより容易に得られる。
【0023】一般式(1)の製造に用いられる長鎖アルキルメルカプタンは、少なくとも炭素数12以上のアルキル基を有する化合物である。化合物の例としては、ラウリルメルカプタン、パルミチルメルカプタン、ステアリルメルカプタン、アラキルメルカプタン、ベヘニルメルカプタン、オレイルメルカプタン等がある。
【0024】本発明で用いられる着色剤を構成するイソインドリン系の縮合多環系顔料は、本発明による一般式(1)の有機色素誘導体を用いずに熱可塑性樹脂を着色した時の成形品の反りや変形が大きく、一般式(1)で示される有機色素誘導体を顔料と共に用いることによる、成形品の反りや変形を小さくする効果が極めて大きく発揮される。
【0025】本発明は、イソインドリノン系顔料と一般式(1)で示される有機色素誘導体からなる着色剤を用いることを特徴とするが、イソインドリノン系顔料の優れた耐熱性、耐光性、耐移行性を有効に活用する為に、一般式(1)の有機色素誘導体の添加量は反りや変形を小さくするに十分な必要量で抑えられるべきであり、通常はイソインドリノン系顔料が着色剤における着色成分としての主成分になる。
【0026】一般式(1)の有機色素誘導体の使用量としては、イソインドリノン系顔料100重量部に対して、一般式(1)の有機色素誘導体を0.01〜20重量部、中でも0.1〜10重量部の範囲で用いることが好ましい。使用量が少なすぎる場合には反りや変形を小さくする効果が十分ではなく、多すぎる場合には、色相の変化、耐熱性、耐光性、耐移行性の低下が現れる場合がある。
【0027】イソインドリノン系顔料と一般式(1)で示される有機色素誘導体の混合方法は、特に限定されないが、おのおのの粉体を混合機で混合する方法、水や有機溶剤のスラリーとして撹拌混合する方法、3本ロールや2本ロールで媒体と共に練肉する方法、ニーディングや溶剤処理などの顔料化の工程で有機色素誘導体を添加する方法等がある。好ましくは、有機溶剤を用いたスラリー状態で混合する方法が十分な効果を発現するに有利である。
【0028】本発明は、イソインドリノン系顔料と一般式(1)で表される有機色素誘導体からなる着色剤を用いて熱可塑性樹脂を着色することを特徴とするが、着色剤においては、他の成分として、本発明の効果を阻害しないか、あるいは衛生上問題ない範囲で、他の有機顔料、無機顔料、ワックス、又その誘導体、重金属不活性剤、アルカリ金属、アルカリ土類金属または亜鉛の金属石けん、ハイドロタルサイト、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤などからなる帯電防止剤、ハロゲン系、リン系または金属酸化物等の難燃剤、エチレンビスアルキルアマイド等の滑剤、酸化防止剤や紫外線吸収剤、加工助剤、充填剤、公知のポリマー用の各種添加剤などを包含させることができる。要求される品質、着色作業性を満足する為に、あらかじめ顔料をこれらの成分と分散処理したもので、粉体状のドライカラー、顆粒状のビーズカラー、液状のペーストカラー、またはリキッドカラーといわれるものである。
【0029】本発明に用いられる、イソインドリノン系顔料と一般式(1)で示される有機色素誘導体からなる着色剤の好ましい一つの形態は、ドライカラーと呼ばれる顔料を高濃度に含有する粉末状の着色剤である。ドライカラーの場合、一般的にイソインドリノン系顔料と一般式(1)の有機色素誘導体の合計100重量部に対して、脂肪族カルボン酸又は芳香族カルボン酸及びそれらの金属塩を分散剤として1〜1000重量部含有する。脂肪族カルボン酸又は芳香族カルボン酸及びそれらの金属塩の例としては、脂肪族カルボン酸としては、カプリル酸、オレイン酸、ステアリン酸等が挙げられ、芳香族カルボン酸としてはフタル酸、安息香酸等が挙げられ、又金属としては、リチウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛等が挙げられる。ドライカラーは粉末状で作業性は悪いものの、顔料の濃度が高く、少量で着色に寄与する為価格的に最も経済的であり、ポリオレフィンの着色に多く用いられる。成形に供する場合は、成形用熱可塑性樹脂100重量部に対して、ドライカラー0.001〜10重量部が用いられる。熱可塑性樹脂のペレットとドライカラーを混合機等で予め均一に混合した後に成形加工に供される。
【0030】本発明において、着色される熱可塑性樹脂は、加熱により軟化し、冷却により再度、硬化するものであり、エチレン、プロピレン、ブチレン、スチレンおよび/またはジビニルベンゼンのホモポリマー、あるいはブロックもしくはランダムコポリマーまたはターポリマー、特にHDPE、LDPE、ポリプロピレンおよびポリスチレンのようなα−オレフィン類である。その他の有用な樹脂の例としては、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル類、ナイロン6、ナイロン66のようなポリアミド類、および熱可塑性アイオノマー類である。本発明の方法は、これらの結晶性を有する熱可塑性樹脂に対して高い効果を有し、特に、α−オレフィン、エチレン、プロピレンおよびブチレンのホモポリマー、コポリマー等のいわゆるポリオレフィン樹脂に対し、顕著な効果を有する。
【0031】ポリオレフィン樹脂としては、MFR(メルトフローレート、すなわち溶解粘度)が0.001〜30のものが好ましく、MFRが0.001未満では着色樹脂組成物の溶融粘度が高過ぎるために成形加工性が悪かったり、成形品にウエルエドマークやフローマークが発生する。一方、MFRが30を越えると、成形品の機械物性の低下が懸念される。特に、高密度ポリエチレンを用いる場合には、MFRが0.005〜10、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンを用いる場合には、MFRが0.005〜20であることが好ましい。
【0032】本発明は、イソインドリノン系顔料と一般式(1)で示される有機色素誘導体を含有する着色剤を用いて熱可塑性樹脂を着色することを特徴とするが、成形に供される前に、あらかじめ、熱可塑性樹脂を着色剤で用いて着色したペレット状の着色樹脂組成物を製造し、その着色されたペレット状の着色樹脂組成物を用いて成形加工に供しても良い。
【0033】着色樹脂組成物とは、イソインドリノン系顔料と一般式(1)で表される有機色素誘導体からなる着色剤と熱可塑性樹脂から構成される。そのまま成形に供されるペレット状のもの(着色ペレット)であっても良いし、あるいは顔料を高濃度に含有するいわゆるマスターバッチと称されるペレット状の着色剤であっても良い。そして、顔料を高濃度に含有するマスターバッチの場合には、係わるマスターバッチを熱可塑性樹脂で希釈して成形に供し、成形品を得ればよい。
【0034】マスターバッチと着色ペレットを比較すると、加工工程等は大差なく、マスターバッチの方が顔料を高濃度に含有する分、着色ペレットよりややコスト高ではあるが、マスターバッチの場合には安価な熱可塑性樹脂で0.5〜200倍に希釈して成形品を得るので、最終成形品として比較すると着色ペレットで成形品を得る場合より、マスターバッチを用いて熱可塑性樹脂で希釈して成形品を得る方が、安価になり好ましい。
【0035】着色樹脂組成物のうち、そのまま成形に供されるいわゆる着色ペレットの場合には、熱可塑性樹脂100重量部、本発明の着色剤0.001〜10重量部を含有することが好ましい。着色剤が0.001重量部未満だと極めて淡色の着色しか得られない。また、10重量部よりも多く顔料を含有すると成形品としての機械物性等を損なう場合がある。
【0036】着色樹脂組成物のうち、顔料を高濃度に含有するペレット状の着色剤(マスターバッチ)の場合は、熱可塑性樹脂100重量部、本発明の着色剤0.1〜200重量部を含有することが好ましい。着色剤が0.1重量部未満だとマスターバッチとしての意味合いがなく、200重量部よりも多く着色剤を含有するとマスターバッチの造粒が困難になる。そして、顔料を高濃度に含有するマスターバッチの場合には、係るマスターバッチを熱可塑性樹脂で希釈して成形に供し、成形品を得ればよい。希釈に用いられる熱可塑性樹脂としては、顔料を高濃度に含有するペレット状の着色樹脂組成物を得る際に用いられた熱可塑性樹脂と同様のものが例示できる。なお、最終成形品は、前記した希釈を必要とせずそのまま成形に供されるペレットの場合と同様に、熱可塑性樹脂100重量部、着色剤0.001〜10重量部を含有することが好ましい。
【0037】着色樹脂組成物においては、本発明の効果を阻害しないか、あるいは衛生上問題ない範囲で他の有機顔料、無機顔料、他の熱可塑性樹脂、ワックス、又その誘導体や、重金属不活性剤、アルカリ金属、アルカリ土類金属または亜鉛の金属石けん、ハイドロタルサイト、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤などからなる帯電防止剤、ハロゲン系、リン系または金属酸化物等の難燃剤、エチレンビスアルキルアマイド等の滑剤、酸化防止剤や紫外線吸収剤、加工助剤、充填剤、公知のポリマー用の各種添加剤などを包含させることができる。
【0038】着色樹脂組成物を得る際には、着色剤と熱可塑性樹脂を混練する前に、着色剤をポリエチレンワックス等の分散剤で処理を行い前加工することが好ましい。前加工する方法としては、単に着色剤と分散剤をミキサーに配合し混合したものと、着色剤と分散剤を配合し溶融混練後に粉砕したものがあるが、着色剤の均一分散性の点で、後者の溶融混練を行ったタイプの加工処理方法が好ましい。
【0039】本発明において、熱可塑性樹脂を成形加工して成形品を得る際の成形方法は特に限定されるものではない。射出成形、ブロー成形、インフレーション成形、Tダイ押出し成形、エンゲル成形、真空成形等、成形方法にかかわらず、着色された成形品の反りや変形を抑制する効果が得られる。
【0040】本発明のイソインドリノン系顔料と一般式(1)で示される有機色素誘導体からなる着色剤を用いて熱可塑性樹脂を着色する方法により、着色された成形品の反り、変形、寸法安定性が改善されるという機構については、必ずしも明らかになっていない。しかし、有機色素残基を有しない長鎖アルキルメルカプタンを用いた場合や、例えば、有機色素のスルホン酸と長鎖アルキルアミンの造塩物だけを用いた場合では、成形品の反りや変形を抑制する効果は見られず、イソインドリノン系色素残基と長鎖アルキル基を分子内に有する一般式(1)で示される有機色素誘導体を用いた場合のみ、反りや変形が小さくなる効果が見られた。
【0041】以下に一般式(1)で表される有機色素誘導体の合成例を示す。
【0042】<合成例1> 化合物(a)の合成
95%エタノール1000重量部に、酸化銅(I)28.6部とドデシルメルカプタン40.4部を加え、2時間還流し、ろ過後、銅ドデシルメルカプチドを得た。次に、イソインドリノン(C.I.Pigment Yellow 110)を32.1部(1分子当たり平均8個の塩素基を含有する)をキノリン250部とピリジン15.8部に懸濁させ、銅ステアリルメルカプチド53.0部を加え、4時間還流した。その後、100℃まで冷却し、ろ過した。次に、濃塩酸にて洗浄、水洗、乾燥して化合物(a)65.3部を得た。
(a)
【0043】
【化4】
【0044】<合成例2> 化合物(b)の合成
イソインドリノン(C.I.Pigment Yellow 109)67.2部と炭酸カリウム27.6部、ステアリルメルカプタン57.20部をN,Nージメチルアセトアミド1400部中にて混合し、120℃、3時間反応した。反応後、大量の塩水にあけ、ろ過、水洗した。その後、イソプロピルアルコール1000部でリスラリーし3時間、リフラックス後、熱ろ過することにより、化合物(b)を得た。
(b)
【0045】
【化5】
【0046】以下に、得られた一般式(1)で示される有機色素誘導体と有機顔料を含有する着色剤及び着色樹脂組成物について、実施例、比較例を挙げて説明する。例中、「部」とは「重量部」を表す。
【0047】反りや変形の評価は、射出成形機にて収縮性評価用の金型(射出方向とその垂直方向に10.00cmの標線が設けられた縦150mm、横120mm、厚さ3mmのプレートを作成する金型)を用いて成形し、成形されたプレートを恒温室で3日保存した後、射出方向とその垂直方向の収縮率の比で計算される収縮差率と、目視で反りや変形の程度を評価した。成形温度は220℃、金型温度40℃で連続で20枚射出成形し、評価にはその内、14枚目から19枚目の6枚を用いた。目視評価の基準は、顔料と有機色素誘導体を加えずに熱可塑性樹脂のみで作成した無色の成形プレート(以下ナチュラルのプレートと称す)と比較して、反りや変形が同程度であれば顔料の影響が見られないとして○、反りや変形が激しいものは×、ナチュラルのプレートよりは反りや変形が見られるがその差が小さいものを△とした。
【0048】<実施例1> イソインドリノン顔料(C.I.Pigment Yellow 110、商品名Irgazin Yellow 3RLT−N、チバスペシャリティーケミカルズ社製)100部、化合物(a)10部、ステアリン酸カルシウム60部を混合機にて混合し、ドライカラーを得た。次に、このドライカラー2.0部、高密度ポリエチレン樹脂(製品名Hizex2100J 三井住友ポリオレフィン社製)1000部、付着剤数滴をタンブリングして十分に混合した後、射出成形機でプレート状に成形し、反りや変形を評価した。ナチュラルのプレートと比較して、収縮差率は近い値を示し、目視でも反りや変形は同じ程度であった。
【0049】<比較例1> 実施例1において、化合物(a)を加えずに、同様に成形プレートを作成した。ナチュラルのプレートと比較して、収縮差率の値は大きく、目視でも反りや変形が大きかった。
【0050】<比較例2> 合成例2にて、ジステアリルアミンのかわりにブチルメルカプタンを用いて有機色素誘導体(c)を合成した。この化合物を用いて、実施例1と同様に成形プレートを作成した。ナチュラルのプレートや実施例1と比較して、収縮差率は大きく、目視でも反りや変形が大きかった。
【0051】<実施例2> 実施例1において、化合物(a)を化合物(b)に置き換えて、他は同様に行った。ナチュラルのプレートと比較して、反りや変形はやや改善された。
【0052】<実施例3> 実施例2において、顔料をC.I Pigment Yellow 110をC.I.Pigment Yellow 109(商品名 Irgazin Yellow 2GLT−E、チバスペシャリティーケミカルズ社製)に置き換えて行った。ナチュラルのプレートと比較して、収縮差率は近い値を示し、目視では反りや変形は同程度であった。
【0053】<比較例3> 実施例3において、化合物(b)を加えずに、同様に成形プレートを作成した。ナチュラルのプレートと比較して、収縮差率の値は大きく、目視でも反りや変形が大きかった。
【0054】<実施例4> イソインドリノン顔料(C.I.Pigment Yellow 109、商品名 Irgazin Yellow 2GLT−E、チバスペシャリティーケミカルズ社製)100部、サンプルミルで粉砕した化合物(b)10部、ポリエチレンワックス110部を混合し、3本ロールにて溶融混練後粉砕して加工顔料とした。この加工顔料4部と高密度ポリエチレン100部とを混合後、2軸押出機にて溶融混練し、ペレット状のマスターバッチとした。次に、このマスターバッチ5部、高密度ポリエチレン樹脂(製品名Hizex2100J 三井住友ポリオレフィン社製)100部を混合後、射出成形機で実施例1と同様にプレート状に射出成形し、同様に評価した。ナチュラルのプレートや実施例1と比較して、収縮差率は近い値を示し、目視では反りや変形は同程度であった。
【0055】<実施例5> イソインドリノン顔料(C.I.Pigment Yellow 110、商品名Irgazin Yellow 3RLT−N、チバスペシャリティーケミカルズ社製)100部、サンプルミルで粉砕した化合物(a)15部、ポリエチレンワックス(商品名 Hiwax NL−500、三井住友ポリオレフィン社製)115部を混合し、溶融混練後粉砕して加工顔料とした。この加工顔料4部と高密度ポリエチレン100部を混合後、溶融混練し、ペレット状のマスターバッチとした。次いで、このマスターバッチ5部、高密度ポリエチレン樹脂(製品名Hizex2100J 三井住友ポリオレフィン製)100部を混合後、溶融混練し、ペレット状の着色ペレットを得た。次に、この着色ペレットを用いて、射出成形機で実施例1と同様にプレート状に射出成形し、同様に評価した。ナチュラルのプレートや実施例1と比較して、収縮差率は近い値を示し、目視では反りや変形は同程度であった。結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
<実施例6〜8>実施例6〜8は、実施例1、3、5における高密度ポリエチレン樹脂をポリプロピレン樹脂(商品名グランドポリプロ B761QD グランドポリマー社製)に置き換えて、同様に射出成型して評価用のプレートを作成し、評価を行った。
【0058】
<比較例3〜4>比較例3〜4は、比較例1〜2における高密度ポリエチレン樹脂をポリプロピレン樹脂(商品名グランドポリプロ B761QD グランドポリマー社製)に置き換えて、同様に射出成型して評価用のプレートを作成し、評価を行った。結果を表2に示す。
【0059】
【表2】
【0060】
【発明の効果】本発明により、有機顔料の耐光性、耐熱性、耐移行性等の特性を有したまま、成形品の反り、変形、寸法変化を小さくすることが出来る。成形品の反りや変形による不良品が減少し、生産性の向上を図ることが出来る。
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチックを着色成形加工する際に成形品の形状を制御することのできる着色剤に関し、詳しくは、着色されたプラスチック成形品の反りや変形を小さくすることのできるイソインドリノン系顔料を含有する着色剤および着色成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、プラスチックの着色に使用される着色剤は、耐熱性、耐光性、耐溶剤性などが求められていることから、無機顔料や有機顔料が考慮の対象となる。
【0003】従来、プラスチックの黄色系着色剤として、価格、耐熱性、耐候性、耐色性、耐移行性、寸法安定性に優れる重金属のカドミウム系が使用されてきた。しかし、カドミウム系顔料の製造の問題、使用上の問題、成形品になってからの人体への影響、廃棄物の問題がクローズアップされ、有機系顔料への使用転換が求められてきた。有機系顔料の中でも、プラスチックの着色においては、耐光性、耐熱性、耐移行性に優れたイソインドリノン系顔料が多く使用されている。
【0004】プラスチック着色剤として使用されているイソインドリノン系顔料は、耐光性、耐熱性、耐移行性、鮮明な色相、高い着色力等の特性を有するが、ポリオレフィンやPETなどの結晶性を有する熱可塑性樹脂の着色に用いた場合、プラスチック成型時において樹脂の結晶化度や結晶化方向に影響を与え、結果として、プラスチック成形品に反りや変形が生じる。
【0005】プラスチック成形品の反りや変形を改善するため、成形メーカーでは、成形温度、射出圧、射出時間、射出速度、冷却時間等の加工条件を変えることにより最適化を行っている。しかし、樹脂の種類、着色剤、添加剤及び成形品の大きさや形状により収縮率が異なる為、反りや変形を予測した加工条件の設定は困難で、加工条件を試行錯誤で何度も修正する必要があった。また、成形サイクルを長くし、生産性を悪くする場合が多かった。
【0006】反りや変形を改善する他の方法としては、結晶化剤(結晶核剤、造核剤あるいは結晶化促進剤)の添加が行われている。結晶化剤の添加は、結晶核となる成分を多く配合することにより、微細な結晶を急速に生成させて、顔料による収縮への影響を低減することに因る。結晶化剤を用いることにより、成形サイクルを短くできること、また剛性や透明性が上がることなどが知られている。結晶化剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、4−第三ブチル安息香酸アルミニウム、アジピン酸ナトリウムなどのカルボン酸金属塩、ナトリウムビス(4−第三ブチルフェニル)ホスフェート、ナトリウム−2,2’ −メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスフェートなどの酸性リン酸エステル金属塩、ジベンジリデンソルビトール、ビス(メチルベンジリデン)ソルビトールなどのソルビトールのアセタールタイプが用いられている。しかし、反りや変形に対しては効果が不十分であった。
【0007】従って、最良の方法は着色剤として用いられる顔料を改質して結晶核として働かないようにすることである。顔料の結晶形、粒子径、形状を変えること、顔料骨格に各種の置換基を導入した顔料誘導体(有機色素誘導体)を添加することによる顔料表面の改質、顔料に樹脂やシランカップリング剤等で表面処理を施すことによる顔料表面の改質等が行われている。
【0008】顔料の結晶形、粒子径、形状を変える方法としては、特開平04−376232号公報、特開昭57−155242号公報、特開昭58−125752号公報等に記載されている。しかし、いずれも十分な効果が得られていない。また、顔料の結晶形、粒子径、形状の変化は、色相、分散性、着色力、耐熱性、耐光性等の顔料元来の物性に影響を及ぼしてしまう。
【0009】反りや変形の改善を目的とした、顔料構造に置換基を導入したいわゆる顔料誘導体による表面改質の方法としては、特公昭53−7185号公報、特開平03−12432号公報にフタルイミドメチル誘導体が記載されている。この発明により、反りや変形は幾分改善されるものの十分ではなく、また、色移行性が悪化し実用には至っていない。
【0010】顔料誘導体以外の顔料の表面改質方法としては、有機シランや有機チタンによる表面処理、熱可塑性樹脂による顔料の表面コーティングが行われている。特開平05−194873号公報には、有機顔料残基を有するスルホン酸と水溶性高分子アンモニウム塩からなるポリマーとを共存させ、顔料表面をポリマーで改質することが記載されている。しかし、いずれも効果は不十分であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
イソインドリノン系顔料を用いて熱可塑性樹脂を着色したときの成形品における反りや変形は、上記いずれの方法でも解決されず、大きな問題であった。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、イソインドリノン系顔料と一般式(1)で示される有機色素誘導体からなる着色剤を用いて着色することにより、有機顔料の優れた耐光性、耐熱性、耐移行性等を失わずにプラスチック成形品の反りや変形を小さくできることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、イソインドリノン系顔料と一般式(1)で示される有機色素誘導体とを含む着色剤に関する。
一般式(1)
【0014】
【化3】
【0015】
(但し、式中、XはH、Cl、BrまたはSR基(Rは炭素数12〜30のアルキル基を表す。)を表し、Xの少なくとも一つはSR基であり、Zは炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
【0016】更に本発明は、 着色剤がプラスチック用途である上記着色剤に関する。
【0017】更に本発明は、上記着色剤と、脂肪族カルボン酸金属塩または芳香族カルボン酸金属塩とからなる粉体状着色剤に関する。
【0018】更に本発明は、上記着色剤を高濃度にプラスチックに配合して得られるマスターバッチに関する。
【0019】更に本発明は、プラスチックにイソインドリノン系有機顔料を配合して着色成形する際し、一般式(1)で示される有機色素誘導体を添加することを特徴とするプラスチック成型品の成形歪みの改善方法に関する。
【0020】更に本発明は、プラスチックがポリオレフィンである上記方法に関する。
【0021】一般式(1)におけるSR基の数は、特に限定しないが、多くなると、ハンドリングが悪くなるため、1〜4個が好ましい。Rはアルキル基であり、且つ、炭素数12から30のアルキル基である。アルキル基の長さが短い場合、即ち、少なくとも一つの炭素数12以上のアルキル基を有しない場合には、反りや変形を抑制する十分な効果が得られなくなる。より高い効果を有し、使用量をより少なくする為に、好ましくは、Rが炭素数16以上のアルキル基である場合が好ましい。また、炭素数が30以上になるとアルキル基に対して相対的に有機色素残基が少なく、単位重量あたりの効果が小さくなり使用量を多く必要として好ましくない。Rのアルキル基は好ましくは飽和直鎖アルキル基であるが、分岐構造や不飽和構造を有していてもかまわない。Rの例として、ドデシル基(ラウリル基)、テトラデシル基(ミリスチル基)、ヘキサデシル基(パルミチル基)、オクタデシル基(ステアリル基)、ドコシル基(ベヘニル基)、cis−9−オクタデシル基(オレイル基)等がある。
【0022】本発明で用いる一般式(1)で表される有機色素誘導体の製造方法は、常法により得られたハロゲン化イソインドリノン系有機色素に、銅触媒下で長鎖アルキルメルカプタンを反応させることにより得られる。また、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアホルムアミドなどの非プロトン性溶媒中で、場合によっては芳香族塩基、苛性ソーダ、炭酸ソーダ等の塩基の存在下、少なくとも一つの長鎖アルキル基を有するアルキルメルカプタンと反応させることにより容易に得られる。
【0023】一般式(1)の製造に用いられる長鎖アルキルメルカプタンは、少なくとも炭素数12以上のアルキル基を有する化合物である。化合物の例としては、ラウリルメルカプタン、パルミチルメルカプタン、ステアリルメルカプタン、アラキルメルカプタン、ベヘニルメルカプタン、オレイルメルカプタン等がある。
【0024】本発明で用いられる着色剤を構成するイソインドリン系の縮合多環系顔料は、本発明による一般式(1)の有機色素誘導体を用いずに熱可塑性樹脂を着色した時の成形品の反りや変形が大きく、一般式(1)で示される有機色素誘導体を顔料と共に用いることによる、成形品の反りや変形を小さくする効果が極めて大きく発揮される。
【0025】本発明は、イソインドリノン系顔料と一般式(1)で示される有機色素誘導体からなる着色剤を用いることを特徴とするが、イソインドリノン系顔料の優れた耐熱性、耐光性、耐移行性を有効に活用する為に、一般式(1)の有機色素誘導体の添加量は反りや変形を小さくするに十分な必要量で抑えられるべきであり、通常はイソインドリノン系顔料が着色剤における着色成分としての主成分になる。
【0026】一般式(1)の有機色素誘導体の使用量としては、イソインドリノン系顔料100重量部に対して、一般式(1)の有機色素誘導体を0.01〜20重量部、中でも0.1〜10重量部の範囲で用いることが好ましい。使用量が少なすぎる場合には反りや変形を小さくする効果が十分ではなく、多すぎる場合には、色相の変化、耐熱性、耐光性、耐移行性の低下が現れる場合がある。
【0027】イソインドリノン系顔料と一般式(1)で示される有機色素誘導体の混合方法は、特に限定されないが、おのおのの粉体を混合機で混合する方法、水や有機溶剤のスラリーとして撹拌混合する方法、3本ロールや2本ロールで媒体と共に練肉する方法、ニーディングや溶剤処理などの顔料化の工程で有機色素誘導体を添加する方法等がある。好ましくは、有機溶剤を用いたスラリー状態で混合する方法が十分な効果を発現するに有利である。
【0028】本発明は、イソインドリノン系顔料と一般式(1)で表される有機色素誘導体からなる着色剤を用いて熱可塑性樹脂を着色することを特徴とするが、着色剤においては、他の成分として、本発明の効果を阻害しないか、あるいは衛生上問題ない範囲で、他の有機顔料、無機顔料、ワックス、又その誘導体、重金属不活性剤、アルカリ金属、アルカリ土類金属または亜鉛の金属石けん、ハイドロタルサイト、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤などからなる帯電防止剤、ハロゲン系、リン系または金属酸化物等の難燃剤、エチレンビスアルキルアマイド等の滑剤、酸化防止剤や紫外線吸収剤、加工助剤、充填剤、公知のポリマー用の各種添加剤などを包含させることができる。要求される品質、着色作業性を満足する為に、あらかじめ顔料をこれらの成分と分散処理したもので、粉体状のドライカラー、顆粒状のビーズカラー、液状のペーストカラー、またはリキッドカラーといわれるものである。
【0029】本発明に用いられる、イソインドリノン系顔料と一般式(1)で示される有機色素誘導体からなる着色剤の好ましい一つの形態は、ドライカラーと呼ばれる顔料を高濃度に含有する粉末状の着色剤である。ドライカラーの場合、一般的にイソインドリノン系顔料と一般式(1)の有機色素誘導体の合計100重量部に対して、脂肪族カルボン酸又は芳香族カルボン酸及びそれらの金属塩を分散剤として1〜1000重量部含有する。脂肪族カルボン酸又は芳香族カルボン酸及びそれらの金属塩の例としては、脂肪族カルボン酸としては、カプリル酸、オレイン酸、ステアリン酸等が挙げられ、芳香族カルボン酸としてはフタル酸、安息香酸等が挙げられ、又金属としては、リチウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛等が挙げられる。ドライカラーは粉末状で作業性は悪いものの、顔料の濃度が高く、少量で着色に寄与する為価格的に最も経済的であり、ポリオレフィンの着色に多く用いられる。成形に供する場合は、成形用熱可塑性樹脂100重量部に対して、ドライカラー0.001〜10重量部が用いられる。熱可塑性樹脂のペレットとドライカラーを混合機等で予め均一に混合した後に成形加工に供される。
【0030】本発明において、着色される熱可塑性樹脂は、加熱により軟化し、冷却により再度、硬化するものであり、エチレン、プロピレン、ブチレン、スチレンおよび/またはジビニルベンゼンのホモポリマー、あるいはブロックもしくはランダムコポリマーまたはターポリマー、特にHDPE、LDPE、ポリプロピレンおよびポリスチレンのようなα−オレフィン類である。その他の有用な樹脂の例としては、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル類、ナイロン6、ナイロン66のようなポリアミド類、および熱可塑性アイオノマー類である。本発明の方法は、これらの結晶性を有する熱可塑性樹脂に対して高い効果を有し、特に、α−オレフィン、エチレン、プロピレンおよびブチレンのホモポリマー、コポリマー等のいわゆるポリオレフィン樹脂に対し、顕著な効果を有する。
【0031】ポリオレフィン樹脂としては、MFR(メルトフローレート、すなわち溶解粘度)が0.001〜30のものが好ましく、MFRが0.001未満では着色樹脂組成物の溶融粘度が高過ぎるために成形加工性が悪かったり、成形品にウエルエドマークやフローマークが発生する。一方、MFRが30を越えると、成形品の機械物性の低下が懸念される。特に、高密度ポリエチレンを用いる場合には、MFRが0.005〜10、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンを用いる場合には、MFRが0.005〜20であることが好ましい。
【0032】本発明は、イソインドリノン系顔料と一般式(1)で示される有機色素誘導体を含有する着色剤を用いて熱可塑性樹脂を着色することを特徴とするが、成形に供される前に、あらかじめ、熱可塑性樹脂を着色剤で用いて着色したペレット状の着色樹脂組成物を製造し、その着色されたペレット状の着色樹脂組成物を用いて成形加工に供しても良い。
【0033】着色樹脂組成物とは、イソインドリノン系顔料と一般式(1)で表される有機色素誘導体からなる着色剤と熱可塑性樹脂から構成される。そのまま成形に供されるペレット状のもの(着色ペレット)であっても良いし、あるいは顔料を高濃度に含有するいわゆるマスターバッチと称されるペレット状の着色剤であっても良い。そして、顔料を高濃度に含有するマスターバッチの場合には、係わるマスターバッチを熱可塑性樹脂で希釈して成形に供し、成形品を得ればよい。
【0034】マスターバッチと着色ペレットを比較すると、加工工程等は大差なく、マスターバッチの方が顔料を高濃度に含有する分、着色ペレットよりややコスト高ではあるが、マスターバッチの場合には安価な熱可塑性樹脂で0.5〜200倍に希釈して成形品を得るので、最終成形品として比較すると着色ペレットで成形品を得る場合より、マスターバッチを用いて熱可塑性樹脂で希釈して成形品を得る方が、安価になり好ましい。
【0035】着色樹脂組成物のうち、そのまま成形に供されるいわゆる着色ペレットの場合には、熱可塑性樹脂100重量部、本発明の着色剤0.001〜10重量部を含有することが好ましい。着色剤が0.001重量部未満だと極めて淡色の着色しか得られない。また、10重量部よりも多く顔料を含有すると成形品としての機械物性等を損なう場合がある。
【0036】着色樹脂組成物のうち、顔料を高濃度に含有するペレット状の着色剤(マスターバッチ)の場合は、熱可塑性樹脂100重量部、本発明の着色剤0.1〜200重量部を含有することが好ましい。着色剤が0.1重量部未満だとマスターバッチとしての意味合いがなく、200重量部よりも多く着色剤を含有するとマスターバッチの造粒が困難になる。そして、顔料を高濃度に含有するマスターバッチの場合には、係るマスターバッチを熱可塑性樹脂で希釈して成形に供し、成形品を得ればよい。希釈に用いられる熱可塑性樹脂としては、顔料を高濃度に含有するペレット状の着色樹脂組成物を得る際に用いられた熱可塑性樹脂と同様のものが例示できる。なお、最終成形品は、前記した希釈を必要とせずそのまま成形に供されるペレットの場合と同様に、熱可塑性樹脂100重量部、着色剤0.001〜10重量部を含有することが好ましい。
【0037】着色樹脂組成物においては、本発明の効果を阻害しないか、あるいは衛生上問題ない範囲で他の有機顔料、無機顔料、他の熱可塑性樹脂、ワックス、又その誘導体や、重金属不活性剤、アルカリ金属、アルカリ土類金属または亜鉛の金属石けん、ハイドロタルサイト、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤などからなる帯電防止剤、ハロゲン系、リン系または金属酸化物等の難燃剤、エチレンビスアルキルアマイド等の滑剤、酸化防止剤や紫外線吸収剤、加工助剤、充填剤、公知のポリマー用の各種添加剤などを包含させることができる。
【0038】着色樹脂組成物を得る際には、着色剤と熱可塑性樹脂を混練する前に、着色剤をポリエチレンワックス等の分散剤で処理を行い前加工することが好ましい。前加工する方法としては、単に着色剤と分散剤をミキサーに配合し混合したものと、着色剤と分散剤を配合し溶融混練後に粉砕したものがあるが、着色剤の均一分散性の点で、後者の溶融混練を行ったタイプの加工処理方法が好ましい。
【0039】本発明において、熱可塑性樹脂を成形加工して成形品を得る際の成形方法は特に限定されるものではない。射出成形、ブロー成形、インフレーション成形、Tダイ押出し成形、エンゲル成形、真空成形等、成形方法にかかわらず、着色された成形品の反りや変形を抑制する効果が得られる。
【0040】本発明のイソインドリノン系顔料と一般式(1)で示される有機色素誘導体からなる着色剤を用いて熱可塑性樹脂を着色する方法により、着色された成形品の反り、変形、寸法安定性が改善されるという機構については、必ずしも明らかになっていない。しかし、有機色素残基を有しない長鎖アルキルメルカプタンを用いた場合や、例えば、有機色素のスルホン酸と長鎖アルキルアミンの造塩物だけを用いた場合では、成形品の反りや変形を抑制する効果は見られず、イソインドリノン系色素残基と長鎖アルキル基を分子内に有する一般式(1)で示される有機色素誘導体を用いた場合のみ、反りや変形が小さくなる効果が見られた。
【0041】以下に一般式(1)で表される有機色素誘導体の合成例を示す。
【0042】<合成例1> 化合物(a)の合成
95%エタノール1000重量部に、酸化銅(I)28.6部とドデシルメルカプタン40.4部を加え、2時間還流し、ろ過後、銅ドデシルメルカプチドを得た。次に、イソインドリノン(C.I.Pigment Yellow 110)を32.1部(1分子当たり平均8個の塩素基を含有する)をキノリン250部とピリジン15.8部に懸濁させ、銅ステアリルメルカプチド53.0部を加え、4時間還流した。その後、100℃まで冷却し、ろ過した。次に、濃塩酸にて洗浄、水洗、乾燥して化合物(a)65.3部を得た。
(a)
【0043】
【化4】
【0044】<合成例2> 化合物(b)の合成
イソインドリノン(C.I.Pigment Yellow 109)67.2部と炭酸カリウム27.6部、ステアリルメルカプタン57.20部をN,Nージメチルアセトアミド1400部中にて混合し、120℃、3時間反応した。反応後、大量の塩水にあけ、ろ過、水洗した。その後、イソプロピルアルコール1000部でリスラリーし3時間、リフラックス後、熱ろ過することにより、化合物(b)を得た。
(b)
【0045】
【化5】
【0046】以下に、得られた一般式(1)で示される有機色素誘導体と有機顔料を含有する着色剤及び着色樹脂組成物について、実施例、比較例を挙げて説明する。例中、「部」とは「重量部」を表す。
【0047】反りや変形の評価は、射出成形機にて収縮性評価用の金型(射出方向とその垂直方向に10.00cmの標線が設けられた縦150mm、横120mm、厚さ3mmのプレートを作成する金型)を用いて成形し、成形されたプレートを恒温室で3日保存した後、射出方向とその垂直方向の収縮率の比で計算される収縮差率と、目視で反りや変形の程度を評価した。成形温度は220℃、金型温度40℃で連続で20枚射出成形し、評価にはその内、14枚目から19枚目の6枚を用いた。目視評価の基準は、顔料と有機色素誘導体を加えずに熱可塑性樹脂のみで作成した無色の成形プレート(以下ナチュラルのプレートと称す)と比較して、反りや変形が同程度であれば顔料の影響が見られないとして○、反りや変形が激しいものは×、ナチュラルのプレートよりは反りや変形が見られるがその差が小さいものを△とした。
【0048】<実施例1> イソインドリノン顔料(C.I.Pigment Yellow 110、商品名Irgazin Yellow 3RLT−N、チバスペシャリティーケミカルズ社製)100部、化合物(a)10部、ステアリン酸カルシウム60部を混合機にて混合し、ドライカラーを得た。次に、このドライカラー2.0部、高密度ポリエチレン樹脂(製品名Hizex2100J 三井住友ポリオレフィン社製)1000部、付着剤数滴をタンブリングして十分に混合した後、射出成形機でプレート状に成形し、反りや変形を評価した。ナチュラルのプレートと比較して、収縮差率は近い値を示し、目視でも反りや変形は同じ程度であった。
【0049】<比較例1> 実施例1において、化合物(a)を加えずに、同様に成形プレートを作成した。ナチュラルのプレートと比較して、収縮差率の値は大きく、目視でも反りや変形が大きかった。
【0050】<比較例2> 合成例2にて、ジステアリルアミンのかわりにブチルメルカプタンを用いて有機色素誘導体(c)を合成した。この化合物を用いて、実施例1と同様に成形プレートを作成した。ナチュラルのプレートや実施例1と比較して、収縮差率は大きく、目視でも反りや変形が大きかった。
【0051】<実施例2> 実施例1において、化合物(a)を化合物(b)に置き換えて、他は同様に行った。ナチュラルのプレートと比較して、反りや変形はやや改善された。
【0052】<実施例3> 実施例2において、顔料をC.I Pigment Yellow 110をC.I.Pigment Yellow 109(商品名 Irgazin Yellow 2GLT−E、チバスペシャリティーケミカルズ社製)に置き換えて行った。ナチュラルのプレートと比較して、収縮差率は近い値を示し、目視では反りや変形は同程度であった。
【0053】<比較例3> 実施例3において、化合物(b)を加えずに、同様に成形プレートを作成した。ナチュラルのプレートと比較して、収縮差率の値は大きく、目視でも反りや変形が大きかった。
【0054】<実施例4> イソインドリノン顔料(C.I.Pigment Yellow 109、商品名 Irgazin Yellow 2GLT−E、チバスペシャリティーケミカルズ社製)100部、サンプルミルで粉砕した化合物(b)10部、ポリエチレンワックス110部を混合し、3本ロールにて溶融混練後粉砕して加工顔料とした。この加工顔料4部と高密度ポリエチレン100部とを混合後、2軸押出機にて溶融混練し、ペレット状のマスターバッチとした。次に、このマスターバッチ5部、高密度ポリエチレン樹脂(製品名Hizex2100J 三井住友ポリオレフィン社製)100部を混合後、射出成形機で実施例1と同様にプレート状に射出成形し、同様に評価した。ナチュラルのプレートや実施例1と比較して、収縮差率は近い値を示し、目視では反りや変形は同程度であった。
【0055】<実施例5> イソインドリノン顔料(C.I.Pigment Yellow 110、商品名Irgazin Yellow 3RLT−N、チバスペシャリティーケミカルズ社製)100部、サンプルミルで粉砕した化合物(a)15部、ポリエチレンワックス(商品名 Hiwax NL−500、三井住友ポリオレフィン社製)115部を混合し、溶融混練後粉砕して加工顔料とした。この加工顔料4部と高密度ポリエチレン100部を混合後、溶融混練し、ペレット状のマスターバッチとした。次いで、このマスターバッチ5部、高密度ポリエチレン樹脂(製品名Hizex2100J 三井住友ポリオレフィン製)100部を混合後、溶融混練し、ペレット状の着色ペレットを得た。次に、この着色ペレットを用いて、射出成形機で実施例1と同様にプレート状に射出成形し、同様に評価した。ナチュラルのプレートや実施例1と比較して、収縮差率は近い値を示し、目視では反りや変形は同程度であった。結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
<実施例6〜8>実施例6〜8は、実施例1、3、5における高密度ポリエチレン樹脂をポリプロピレン樹脂(商品名グランドポリプロ B761QD グランドポリマー社製)に置き換えて、同様に射出成型して評価用のプレートを作成し、評価を行った。
【0058】
<比較例3〜4>比較例3〜4は、比較例1〜2における高密度ポリエチレン樹脂をポリプロピレン樹脂(商品名グランドポリプロ B761QD グランドポリマー社製)に置き換えて、同様に射出成型して評価用のプレートを作成し、評価を行った。結果を表2に示す。
【0059】
【表2】
【0060】
【発明の効果】本発明により、有機顔料の耐光性、耐熱性、耐移行性等の特性を有したまま、成形品の反り、変形、寸法変化を小さくすることが出来る。成形品の反りや変形による不良品が減少し、生産性の向上を図ることが出来る。
Claims (6)
- 着色剤がプラスチック用途である請求項1記載の着色剤。
- 請求項1または2記載の着色剤と、脂肪族カルボン酸金属塩または芳香族カルボン酸金属塩とからなる粉体状着色剤。
- 請求項1ないし3いずれか記載の着色剤を高濃度にプラスチックに配合して得られるマスターバッチ。
- プラスチックがポリオレフィンである請求項5記載の方法。
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