JP4657188B2 - 造粒着色剤及びその関連技術 - Google Patents

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Description

本発明は、熱可塑性樹脂の着色等に用いられ、取り扱い性及び樹脂中の分散性が良好なニグロシン造粒着色剤及びその製造方法、その造粒着色剤を用いた高濃度マスターバッチ及びその製造方法、並びにその造粒着色剤又は高濃度マスターバッチを用いた着色組成物に関する。
熱可塑性樹脂は、機械的及び化学的性質に優れているため、自動車や電気・電子製品等の部品の分野におけるプラスチック成型品に広く用いられており、エンジニアリングプラスチックの分野でもますます需要が高まっている。また熱可塑性樹脂に繊維状補強材を配合することにより、耐熱性や耐薬品性を向上させたり、各種用途に合わせた機械的特性を与えたりして、広範囲な工業的用途に適合させている。特に、自動車や自転車等の分野において、軽量化、工程の合理化及び腐食の問題から、従来金属を使用していた部品を繊維強化熱可塑性樹脂に替える動きが顕著である。
熱可塑性樹脂に対する着色は、装飾効果、色分け効果、成形品の耐光性向上、内容物の保護や隠蔽等の目的で行われ、産業界において最も重要なのが黒色着色である。熱可塑性樹脂の黒色着色には、従来、カーボンブラック、黒色含金染料、ニグロシン染料及びペリノンブラック等の種々の無機顔料や有機染顔料による着色が試みられてきた。この中で、ニグロシン染料は、鮮明な黒色で外観及び表面光沢に優れた着色が可能であるため、熱可塑性樹脂の着色に広く用いられ、また様々な試みが行われてきた。
このような具体的な試みとしては、ポリアミド樹脂がカ−ボンブラック及びニグロシンで着色された成形配合物(特許文献1)、ポリアミド樹脂、表面処理されたガラス繊維及びアジン系染料からなるガラス繊維強化黒色ポリアミド樹脂組成物(特許文献2)、ポリアミド樹脂がニグロシン染料とアニリンブラックとカーボンブラックで着色された黒色ポリアミド樹脂組成物(特許文献3)、ポリエステル樹脂がフェナジン環を有する染料(ニグロシン染料)に着色されたポリエステル樹脂組成物(特許文献4)、結晶性樹脂(例えば、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂など)が変性ニグロシン染料に着色された着色熱可塑性樹脂組成物及びその関連技術(特許文献5)等が挙げられる。
一般に繊維強化された熱可塑性樹脂の着色においては、樹脂中に繊維状補強材が存在するため、長時間混練しても着色剤(特に黒色顔料)が樹脂中に十分に満遍なく均一には分散し難いという問題が存在する。特に、成形時、繊維補強材が成形品表面に浮き出て着色成形品の光沢及び外観等が損なわれることが問題となっていた。この点は、ニグロシン染料を含有する着色樹脂組成物においても改善の余地が残されている。
また、ニグロシン染料は、嵩密度や平均粒径が小さい粉状であるため、染料の仕込み時や樹脂との混合時等においてニグロシン染料の飛散が生じ、作業環境が悪化する問題があり、飛散防止の必要性があった。
更に、ニグロシン染料のマスターバッチの製造は、例えば、樹脂及び染料をヘンシルミキサーやブレンダー等の混合機により混合したものを、一軸押出機又は二軸押出機により押し出し成形して、樹脂ペレットとして製造する方法が行われる。ところがこのような製造工程においては、ニグロシン染料と樹脂の流動性の違いにより、押出し混練時にホッパー内でブリッジを形成する現象、スクリューに原材料(樹脂、ニグロシン等)がスムーズに噛み込まない現象、押出工程において、樹脂や添加剤などからガスが発生して、それに染料が曝されることにより、染料が濡れ現象や付着現象などが起こり、流動しなくなる現象等が生じ易かった。このように、ニグロシン染料は、ハンドリング性が極めて悪く、マスターバッチにニグロシン染料の高充填化は困難であった。
特公昭60−43379号公報 特開平6−128479号公報 特開平9−255869号公報 特開平10−292098号公報 再公表WO00/26302号公報
本発明は、従来技術に存した上記のような課題に鑑み行われたものであって、その目的とするところは、ニグロシン染料の飛散性が緩和され、運搬、梱包、仕込み等における取扱い性が良好であると共にそれらの取り扱い中に形状が崩れにくく、而も、繊維状補強材を含有する樹脂の着色や高濃度樹脂着色を含む樹脂の着色における樹脂との混合又は混練によりニグロシン染料が樹脂中に良好に、均一に分散し得る着色剤及びその製造方法、製造時の樹脂との混合又は混練においてブリッジ形成や樹脂との分離が生じずニグロシン染料を高濃度で均一に含有するマスターバッチ及びその製造方法、並びにニグロシン染料を均一に含有し、ニグロシン染料による結晶温度が良好に調節され、精密な成形物の成形、寸法精度の厳しい要求に対する製品の実用化が容易になり、成形物の外観、表面光沢が良好で、耐光性に優れ、経時的な色相変化が極めて少なく、機械的物性も良好な着色組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明の造粒着色剤は、
粉状のニグロシン染料の造粒物である造粒着色剤であって、前記造粒物の嵩密度が0.4乃至0.7g/mlであり、前記造粒物の硬度が1乃至20Nであることを特徴とする。
前記硬度(木屋式硬度計による硬度)は、好ましくは2乃至15N、更に好ましく3乃至12Nである。造粒着色剤をこのような硬度とすることにより、運搬等の取扱い性の良好さと樹脂に対するニグロシン染料の分散性とを好ましく両立し得る。
本発明の造粒着色剤における上記粉状のニグロシン染料は、平均粒径が5乃至20μmであるものを用いることが好ましい。また、その粉状のニグロシン染料の比表面積は1.5乃至5.5m/gであることが好ましい。また、本発明の造粒着色剤における上記ニグロシン染料のFe含有量は1重量%以下であることが好ましい。
本発明の上記造粒物は、円柱状とすることができる。好ましくは、直径2乃至4mmの円柱状ペレットである。より好ましくは直径2.5乃至3.5mmである。また、その円柱状ペレットの長さは7乃至12mmとすることが好ましい。より好ましくは8乃至10mmである。
また、このようなペレットであって、造粒物の嵩密度が0.4乃至0.7g/mlであり、前記造粒物の硬度が1乃至20Nである造粒着色剤により、良好に課題が達成される。
また上記造粒着色剤は、ニグロシン染料100重量部と水20乃至55重量部が混合されて造粒されたものの乾燥物であることが好ましい。
本発明の造粒着色剤の製造方法は、粉状のニグロシン染料と水を混合する混合工程と、前記混合工程で得られた混合物を用いて押出式造粒機により円柱状造粒物を得る造粒工程と、前記造粒工程で得られた造粒物を乾燥させる乾燥工程を包含し、前記乾燥工程による乾燥後の造粒物の嵩密度が0.4乃至0.7g/mlであり、硬度が1乃至20Nである。前記硬度が2乃至15N、更に3乃至12Nであることが好ましい。
上記造粒着色剤の製造方法における混合工程は、ニグロシン染料100重量部と水20乃至55重量部を、回転式混合機により混合する工程であることが好ましい。また、上記造粒着色剤の製造方法における造粒工程は、上記混合工程で得られた混合物を、押出式造粒機の圧力および/または回転数を調整して造粒することにより、乾燥後の硬度が1.0乃至20N、好ましくは2乃至15N、より好ましくは3乃至12Nとなる円柱状造粒物を得る工程であることが好ましい。
本発明の高濃度マスターバッチは、少なくとも上記造粒着色剤と熱可塑性樹脂が混合されて得られるマスターバッチであって、前記熱可塑性樹脂100重量部に対し前記造粒着色剤におけるニグロシン染料を25乃至100重量部含有するものである。
本発明の高濃度マスターバッチの製造方法は、粉状のニグロシン染料と水を混合する混合工程と、前記混合工程で得られた混合物を用いて押出式造粒機により円柱状造粒物を得る造粒工程と、前記造粒工程で得られた造粒物を乾燥させる乾燥工程と、少なくとも、前記乾燥工程を経て得られた造粒着色剤と熱可塑性樹脂とを混合して押出機により前記熱可塑性樹脂100重量部に対し前記造粒着色剤におけるニグロシン染料を25乃至100重量部含有するマスターバッチを成形する混合成形工程を包含し、前記乾燥工程による乾燥後の造粒物の嵩密度が0.4乃至0.7g/mlであり硬度が1乃至20Nである。前記硬度が2乃至15N、更に3乃至12Nであることが好ましい。
本発明の着色組成物は、少なくとも本発明の造粒着色剤又は本発明の高濃度マスターバッチと熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーが混合されて得られる着色組成物であって、前記熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー100重量部に対し前記造粒着色剤又は高濃度マスターバッチにおけるニグロシン染料を0.01乃至10重量部含有するものである。
本発明者らは、粉状のニグロシン染料を(好ましくは円柱状に)造粒して、硬度及び嵩密度を調節して造粒物とすることにより、ニグロシン染料の飛散防止、並びに運搬、梱包、仕込み等の取扱い時の造粒物の形状安定性が実現すると共に、マスターバッチや着色組成物の製造時の樹脂との混合又は混練において、着色剤と樹脂との流動性の違いによりホッパー内でブリッジを形成したり、スクリューに原材料(樹脂、ニグロシン染料等)がスムーズに噛み込まない現象や、押出機からガスが発生して染料が濡れることにより流動しなくなる現象等を防止することができることを見出し、本発明を完成した。
本発明の造粒着色剤は、ニグロシン染料の飛散性が緩和され、運搬、梱包、仕込み等における取扱い性が良好であると共にそれらの取り扱い中に形状が崩れにくく、而も、繊維状補強材を含有する樹脂の着色や高濃度樹脂着色を含む樹脂の着色における樹脂との混合又は混練において、スクリューフィーダ等でのブリッジ形成や樹脂との分離若しくは樹脂に対する不均一な分散が生じることが防がれ、良好な流動性及び安定した分散性が得られ、ニグロシン染料が樹脂中に良好に分散し得る。
本発明の高濃度マスターバッチは、製造時における本発明の造粒着色剤と樹脂との混合又は混練においてブリッジ形成や着色剤と樹脂との分離が生じずに製造し得、ニグロシン染料を高濃度で均一に含有する。
本発明の着色組成物は、ニグロシン染料を均一に含有し、ニグロシン染料により、結晶温度が良好に調節され、精密な成形物の成形、寸法精度の厳しい要求に対する製品の実用化が容易になり、成形物の外観、表面光沢が良好で、耐光性に優れ、経時的な色相変化が極めて少なく、機械的物性も良好であり、高級成形材料に最適である。
本発明に用いるニグロシン染料
本発明の造粒着色剤(粉状のニグロシン染料の造粒物)の原料であるニグロシン染料としては、COLOR INDEXにC.I.SOLVENT BLACK 5、C.I.SOLVENT BLACK 5:1、C.I.SOLVENT BLACK 5:2及びC.I.SOLVENT BLACK 7として記載されている黒色アジン系縮合混合物を好適に用いることができる(なお、本明細書中のCOLOR INDEXの一般名、すなわちC.I. Generic Nameは、COLOR INDEX第3版による。)。そのニグロシン染料の合成は、例えば、アニリン、アニリン塩酸塩及びニトロベンゼンを、塩化鉄の存在下、反応温度160乃至180℃で酸化及び脱水縮合することにより行い得る。ニグロシンは、反応条件、仕込み原料及び仕込み比等の如何によって、種々の異なる化合物の混合物として生成するが、例えば下記式(I)又は(II)で表されるような各種のトリフェナジンオキサジン及び式(III)乃至(VI)で表されるようなフェナジンアジン系化合物の混合物と推定されている。
Figure 0004657188
[式(I)乃至(VI)中、Xはアニオン、例えば、Cl又はOHを示す。]
市販されているニグロシン染料としては、スピリットブラックSB、スピリットブラックSSBB、スピリットブラックAB(以上、C.I.SOLVENT BLACK5);ニグロシンベースSA、ニグロシンベースSAP、ニグロシンベースSAP−L、ニグロシンベースEE、ニグロシンベースEE−L、ニグロシンベースEX、ニグロシンベースEX−BP(以上、C.I.SOLVENT BLACK7)等を例示することができる[何れもオリヱント化学工業社製のニグロシンの商品名]。このようなニグロシン染料の中から所望の条件に適合するものを選択することができる。
前記ニグロシン染料は、例えば平均粒径が5乃至30μmであるものを用いることができる。好ましくは5乃至20μm、より好ましくは5乃至15μmである。このようなニグロシン染料を用いることにより、本発明に適合する硬度の造粒物を歩留まり高く得ることができる。
なお、この場合の平均粒径の測定方法の例としては、染料に活性剤をなじませたものに水を加えて混合した後、一定条件にて測定する方法が挙げられる。測定装置としては、精密分布測定装置[マルチライザーIII(商品名):ベックマンコールター社製]、レーザ回析/散乱式粒度分布測定装置[製品番号:LA−910 堀場製作所社製]等を例示することができる。
また、前記ニグロシン染料は、BET法による比表面積が1.5乃至5.5m/gであることが、良好な造粒着色剤を得るうえで好ましい。より好ましくは2.5乃至4.0m/gである。ニグロシン染料をバインダーと混合して造粒機による圧縮押出等により造粒する場合に、BET法による比表面積が1.5乃至5.5m/gのニグロシン染料を用いることにより、バインダー(例えば水)と適切に混合し、良好な収率で造粒物を得ることができ、得られた造粒物は本発明の効果を良好に発現し得る。
更に、本発明の造粒着色剤におけるニグロシン染料は、Fe含有量が1.0重量%以下のニグロシン染料であることが重要である。より好ましくは8000ppm以下である。これにより、ニグロシン染料の樹脂に対する分散、相溶性が向上し、特に、良好な高濃度マスターバッチが得られる。このようなニグロシン中のFe含有量は原子吸光法によって測定できる。
また、このようなニグロシンのFe含有量を低下させる処理としては、例えば次のように行い得る。すなわち、アニリン及びアニリン塩酸塩を塩化第二鉄の存在下にニトロベンゼンで縮合反応させて得られたニグロシン縮合物に水酸化ナトリウムを添加してニグロシンをベース化処理した際に、析出する水酸化鉄をスクリューデカンタ、シャープレス等の遠心分離機を用いて除去することにより、乾燥後のニグロシン染料中のFe含有量を、低減させ又は調整することができる。
特に好ましいニグロシン染料としては、反応原料及び反応溶媒であるアニリン及びニトロベンゼンの少ないニグロシン染料である。具体的には、アニリンが2000ppm以下、好ましくは1000ppm以下(より好ましくは700ppm以下)で、ニトロベンゼンが500ppm以下(より好ましくは300ppm以下)のニグロシン染料である。このようなニグロシン染料の精製方法としては次の(1)−(6)のような方法を例示することができる。
(1)沸点が100乃至230℃の溶剤を添加し、加熱・減圧して、その溶剤と共にアニリンおよび/またはニトロベンゼンを除去する方法。このような溶剤の例としてはキシレン、トルエン、エチルベンゼン、メシチレン、デカヒドロナフタレン、ジブチルエーテル、エチレングリコール等を挙げることができる。
(2)アニリンおよび/またはニトロベンゼンが溶解し得る溶液によりニグロシン染料を洗浄して除去する方法。このような溶液の例としては、有機溶剤(例えば、アルコール類、グリコール類)、水溶液、有機溶剤と水の混合溶液、或いは、これらの溶剤又は溶液の酸性溶液等を挙げることができる。
(3)単に加熱・減圧して除去する方法。
(4)加熱・留去する方法。
(5)水蒸気蒸留などの蒸留方法。
(6)酸素、オゾン、さらし粉又はその他の各種酸化剤を用いた酸化方法。
造粒着色剤を得るためのニグロシン染料の造粒工程
本発明の造粒着色剤は、粉状のニグロシン染料の造粒物であり、その造粒物は、嵩密度が0.4乃至0.7g/ml、硬度が1乃至20N、好ましくは2乃至15N、更に好ましくは3乃至12Nである。
本発明の造粒着色剤を使用する場合、本発明の造粒着色剤と造粒されていないニグロシン染料(例えば粉状のニグロシン染料)との混合物を着色剤として用いる場合であっても、本発明の造粒着色剤の効果を奏することは可能である。例えば、着色剤として用いるニグロシン染料の少なくとも70重量%(好ましくは75重量%以上、より好ましくは80重量%以上)が本発明の造粒着色剤である場合、本発明の造粒着色剤の効果を十分に奏し得る。
好適に用いる造粒物の形状としては、直径(φ)2乃至4mmの円柱状ペレットを挙げることができる。その好ましい長さは7乃至12mmである。
本発明においては、横断面が完全な円形でなく直径に対して20%以内の凹凸を有するものや円形に比較的近い楕円形や変形円形等であるもの、および/または、軸方向において横断面の形状や寸法が一定でないものであっても、円柱状の造粒物とみなし得る。
また、造粒物の形状としては、円柱状以外の柱状とすることもできる。例えば縦横2乃至4mm(より好ましくは2.5乃至3.5mm)、長さ3乃至10mm(より好ましくは8乃至10mm)の非円柱の柱状ペレットであってもよい。
本発明の造粒着色剤を得るための造粒方法は、特に限定されるものではないが、好適に用いることができる方法として、押出造粒を挙げることができる。押出造粒を行うための押出造粒機としては、前押しスクリュー形、横押しスクリュー形、前押しラム形、横押しロール形、下押しロール形、横押しバスケット形、下押しスクリーン形等を挙げることができるが、好ましい例としては、下押しロール形押出造粒機を挙げることができる。
本発明の造粒着色剤の製造方法は、粉状のニグロシン染料と水を混合する混合工程と、前記混合工程で得られた混合物を用いて押出式造粒機により円柱状造粒物を得る造粒工程と、前記造粒工程で得られた造粒物を乾燥させる乾燥工程を包含し、前記乾燥工程による乾燥後の造粒物の嵩密度が0.4乃至0.7g/mlであり、硬度が1乃至20N、好ましくは2乃至15N、更に好ましくは3乃至12Nである。混合工程は、ニグロシン染料100重量部と水20乃至55重量部(好ましくは、水30乃至45重量部)を、回転式混合機により混合する工程であることが好ましい。造粒工程は、押出式造粒機等の造粒機を用いて処理することが好ましい。
本発明の造粒着色剤は硬度が重要である、硬度を適切に調整することにより、運搬や仕込み時等において形状が崩れにくく、安定性と取扱い易さを保ちながら、樹脂成形時等における樹脂の着色の際の樹脂との混合又は混練においては、樹脂中へのニグロシンの良好な分散性を示すという、両特性を併せ持つものとなる。造粒着色剤(すなわち造粒乾燥工程後の造粒物)の硬度は、1乃至20Nである。好ましくは2乃至15N、更に好ましくは3乃至12Nである。
本発明の造粒着色剤の硬度の調整は、例えば、混合工程で得られた混合物を、押出式造粒機を用いて造粒する造粒工程において、押出式造粒機の造粒圧力および/または回転数を調節することにより行うことができる。また、このような造粒工程での硬度の調整に加えて、ニグロシン染料とバインダーとを混合する混合工程後の混合物の硬度を、好ましくは1乃至20Nに、より好ましくは2乃至15Nに調整することにより、適切な硬度に調整された造粒物を効率的に得ることができる。
本発明の造粒着色剤を得るためのバインダとしては、水を用いることができる他、水以外のバインダを用いることもできる。水単独以外のバインダーとしては、界面活性剤、ワックス、金属石鹸、ポリエチレングリコール、又はこれらの何れかと水との混合物を例示することができる。
前記界面活性剤としては非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤を用いることができる。
前記非イオン系界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエ−テル、ポリオキシアルキレンラウリルエ−テル、ポリオキシエチレンオレイルエ−テル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ−テル、ポリオキシエチレングリコ−ル脂肪酸エステル、アルキルアルカノ−ルアミド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコ−ル等を例示することができる。
前記アニオン系界面活性剤としては、アルキル基若しくはヒドロキシル基を0乃至2個有しても良いベンゼンスルホン酸若しくはその塩、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸若しくはその塩、α−オレフィンスルホン酸若しくはその塩、ポリスチレンスルホン酸若しくはその塩、アルキル硫酸エステル若しくはその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル若しくはその塩、又はポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル若しくはその塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル等を例示することができる。
前記カチオン系界面活性剤としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム等を例示することができる。
前記ワックスとしては、一般にポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、合成ワックス、パラフィンワックス、マイクロワックス、モンタンワックス、エステルワックス、セレシンワックス、塩化ワックスとして知られているものを例示することができる。好ましくは通常分子量500乃至10000のポリエチレンワックスである。
前記金属石けんとしては、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、オクチル酸、リシノール酸、オレイン酸、ナフテン酸等のマグネシウム、亜鉛、カルシウム、アルミニウム、カリウム、バリウム、リチウム、カドミウム、ストロンチウム、錫等の金属塩を例示することができる。
本発明における造粒着色剤、高濃度マスターバッチ又は着色組成物には、本発明の目的を逸脱しない範囲において、ニグロシン染料以外に、公知の染料又は顔料を含んでいてもよい。黒色染顔料としてはカーボンブラック、アニリンブラックなどが挙げられ、色相を調整する助色剤等として、アゾ系、アゾ含金系、アゾメチン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、アントラピリドン系、イソインドリノン系、インダンスロン系、ペリノン系、ペリレン系、インジゴ系、チオインジゴ系、キノフタロン系、キノリン系、トリフェニールメタン系の各種染顔料等の有機染顔料が挙げられる。
また、造粒着色剤には、上記した各成分の他に、通常使用されている熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤等を必要に応じて適宜添加してもよい。
造粒着色剤を用いる高濃度マスターバッチの製造工程
本発明の高濃度マスターバッチは、少なくとも上記本発明の造粒着色剤と熱可塑性樹脂が混合されて得られるマスターバッチであって、その熱可塑性樹脂100重量部に対し、造粒着色剤におけるニグロシン染料を25乃至100重量部(より好ましくは60乃至100重量部)含有するものである。なお、本発明の高濃度マスターバッチは、本発明の造粒着色剤と造粒されていないニグロシン染料(例えば粉状のニグロシン染料)との混合物を着色剤として用いて得ることも可能である。例えば、着色剤として用いるニグロシン染料の少なくとも70重量%(好ましくは75重量%以上、より好ましくは80重量%以上)が本発明の造粒着色剤である場合、ニグロシン染料を高濃度で均一に含有する本発明の高濃度マスターバッチを得ることができる。
本発明の高濃度マスターバッチの効果は、特に、ニグロシン染料濃度が高濃度である場合に顕著に発現する。すなわち、本発明の高濃度マスターバッチは、ニグロシン染料を高濃度(例えば40重量%以上)で均一に含有するものが容易且つ確実に得られる。粉状のニグロシン染料をドライ配合した従来のマスターバッチの場合、ニグロシン染料の濃度は20乃至40重量%程度であり、上限は40重量%程度であった。しかしながら、本発明の造粒着色剤を用いる高濃度マスターバッチは、40乃至50重量%又はそれ以上のニグロシン染料濃度とすることが可能であり、マスターバッチの製造工程においてホッパー内でニグロシン染料がブリッジ等を形成することも防がれる。
本発明の高濃度マスターバッチは、粉状のニグロシン染料と水を混合する混合工程と、前記混合工程で得られた混合物を用いて押出式造粒機により円柱状造粒物を得る造粒工程と、前記造粒工程で得られた造粒物を乾燥させる乾燥工程(但し、乾燥工程による乾燥後の造粒物の嵩密度は0.4乃至0.7g/mlであり、硬度が1乃至20N、好ましくは2乃至15N、更に好ましくは3乃至12N)と、少なくとも、前記乾燥工程を経て得られた造粒着色剤と熱可塑性樹脂とを混合して、押出機により、前記熱可塑性樹脂100重量部に対し前記造粒着色剤におけるニグロシン染料を25乃至100重量部含有するマスターバッチ(例えば樹脂ペレット状のマスターバッチ)を成形する混合成形工程を包含する製造方法により得られる。
具体的には例えば、本発明の造粒着色剤と樹脂及び必要であればその他の材料を任意の配合方法によってできるだけ均質に配合し、この配合物を、加熱した押出機で溶融混練して均質化した後、針金状に押出して所望の長さに切断することにより、ペレット状のマスターバッチを得ることができる。
前記の熱可塑性樹脂としては、ポリアミド(ナイロン)樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂及びポリエーテルエーテルケトン樹脂等が挙げられる。また、本発明の高濃度マスターバッチには、必要に応じ種々の添加剤(例えば助色剤、ワックス等)を配合することも可能である。
造粒着色剤またはマスターバッチを用いる着色組成物
本発明の着色組成物は、少なくとも本発明の造粒着色剤又は本発明の高濃度マスターバッチと熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーが混合されて得られる着色組成物であって、前記熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー100重量部に対し前記造粒着色剤又は高濃度マスターバッチにおけるニグロシン染料を0.01乃至10重量部(好ましくは0.01乃至5重量部)含有するものである。なお、造粒着色剤と共に造粒されていないニグロシン染料(例えば粉状のニグロシン染料)を一部着色剤として用いることもできることは前述の通りである。
本発明の着色組成物における熱可塑性樹脂の例としては、ポリアミド(ナイロン)樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂及びポリエーテルエーテルケトン樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で、或は2種類以上を混合して用いることができる。これらの重合体を主体とする共重合体若しくは混合物;又はこれらの熱可塑性樹脂を10重量%以上含有するポリマーアロイ等も使用可能である。
熱可塑性樹脂として好ましいのは、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、及びポリフェニレンスルフィド樹脂からなる群から選ばれた1又は2以上の合成樹脂である。
また本発明の着色組成物における熱可塑性エラストマーの例としては、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
本発明の着色組成物は、その成形品の耐衝撃性及び外観に優れるものであり、極めて実用性が高い。また、着色剤を含有しないこと以外は同一の物と比較して、少なくとも10%以上の良好な伸び特性を有する。
本発明の着色組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で強化材や充填材を含有するものとすることができる。これらの強化材や充填材の例としては、ガラス繊維、炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維、石膏繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維、スチール繊維、セラミックス繊維、ボロンウィスカ繊維、グラファイト、マイカ、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、クレー、ワラステナイト、酸化チタン、二硫化モリブデン等の繊維状、粉状、粒状又は板状の無機フィラー等が挙げられる。また、これらの強化材や充填材としては、シラン系、チタネート系などのカップリング剤、その他の表面処理剤で処理したものを用いてもよい。
例えばガラス繊維の場合、その含有量は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、5乃至120重量部とすることが好ましい。5重量部未満の場合、十分なガラス繊維補強効果が得られないおそれがあり、120重量部を超えると成形性が低下することとなり易い。好ましくは、熱可塑性樹脂100重量部に対し、10乃至60重量部、特に好ましくは20乃至50重量部である。
更に、本発明の着色組成物は、必要に応じ種々の添加剤を配合することも可能である。このような添加剤としては、例えば助色剤、分散剤、安定剤、可塑剤、改質剤、紫外線吸収剤又は光安定剤、酸化防止剤、抗菌・防かび剤、帯電防止剤、難燃剤及び耐衝撃性改良用のエラストマー等が挙げられる。
改質剤の例としては、アミノ変性シリコンオイル及びアルキル変性シリコンオイル等のケイ素化合物が挙げられる。
紫外線吸収剤又は光安定剤の例としては、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、サリシレート系化合物、シアノアクリレート系化合物、ベンゾエート系化合物、オギザアリド系化合物、ヒンダードアミン系化合物及びニッケル錯塩等が挙げられる。
酸化防止剤の例としては、フェノール系化合物、リン系化合物、イオウ系化合物及びチオエーテル系化合物等が挙げられる。
抗菌・防かび剤の例としては、2−(4'−チアゾリル)ベンズイミダゾール、10,10'−オキシビスフェノキシアルシン、N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミド、及びビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛等が挙げられる。
難燃剤の例としては、テトラブロモビスフェノールA誘導体、ヘキサブロモジフェニルエーテル及びテトラブロモ無水フタル酸等のハロゲン含有化合物;トリフェニルホスフェート、トリフェニルホスファイト、赤リン及びポリリン酸アンモニウム等のリン含有化合物;尿素及びグアニジン等の窒素含有化合物;シリコンオイル、有機シラン及びケイ酸アルミニウム等のケイ素含有化合物;三酸化アンチモン及びリン酸アンチモン等のアンチモン化合物等が挙げられる。
本発明の着色組成物の成形は、通常の種々の成形手段により行い得る。例えば、本発明の着色組成物である着色ペレットを押出機、射出成形機、ロールミル等の加工機により成形することができる。また、熱加塑性樹脂のペレット又は粉末、本発明の造粒着色剤又は高濃度マスターバッチ及び必要に応じ各種の添加物を、適当なミキサー中で混合し、この着色組成物を成形することもできる。成形方法としては、例えば射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、真空成形、インジェクションブロー成形、回転成形、カレンダー成形、溶液流延等、一般に行われる何れの成形方法を採用することもできる。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、勿論本発明はこれらのみに限定されるものではない。なお、以下の記述においては、「重量部」を「部」と略す。
実施例1乃至実施例10並びに比較例1乃至比較例6は、造粒着色剤及びマスターバッチに関する。
実施例1
(1)造粒着色剤の製造(ニグロシン染料:水=100:35)
ニグロシンベースSAP(オリヱント化学工業社製の商品名;比表面積3.50m/g 平均粒径7μm Fe含有量6000ppm アニリン含有量1.50重量% ニトロベンゼン含有量0.1重量% 製品pH5.1のC.I.ソルベントブラック7のニグロシン染料)2000gと水700gとを、ニーダーにて3分間混合後取出した。
この混合物に対し、ディスク・ダイの孔径3mmを選択して押出造粒機(ディスクペレッター F−5型:ダルトン社製の商品)を用い、ローラーの回転数(120rpm)に調節し、ローラー加圧力を一定圧力(100kg/cm)にしながら押出造粒処理を行うことにより、円柱状のペレット(造粒物)と一部非造粒物を含むウエット状着色剤を得た。このペレットを取り出し、ペレットの硬度を硬度計(木屋式硬度計:WPF1600)で測定したところ4.9Nであった。また造粒物の嵩密度は0.64g/mlであった。
得られたウエット状着色剤を70℃で5時間乾燥させることにより、86重量%の円柱状ペレットを含む着色剤を得た。得られた着色剤を篩いにかけることにより、φ2.92mm×9.23mmの円柱状ペレット(造粒着色剤A−1)を得た。その円柱状ペレットの硬度を硬度計(木屋式硬度計:WPF1600)で測定したところ9.8Nであった。また造粒物の嵩密度は0.50g/mlであった。
(2)マスターバッチの製造(ニグロシン染料:樹脂=30:70)
造粒着色剤A−1 30部とポリアミド6樹脂(ザイテル[登録商標]7331 JNC:デュポン社製の商品名)70部とを小型タンブラーで混合した。この混合物を用いて二軸押出機(プラスチック工学研究所社製 形式:BT−30−S2−42L)にてマスターバッチを作成したところ、供給計量及びストランドに関しても全く問題なく全量処理することができた。ストランド後、水槽にて冷却した後、ペレタイザーを使用し所定長さに切断した。得られた黒色マスターバッチA−1は、ニグロシン染料を均一に含有するペレットであった。
実施例2
(1)造粒着色剤の製造(ニグロシン染料:水=100:35)
ニグロシンベースSAP 2000gと水700gとをニーダーにて3分間混合後取出した。この混合物に対し、ディスク・ダイの孔径2mmを選択して押出造粒機(ディスクペレッター F−5型)を用い、ローラーの回転数を調節し、ローラー加圧力を一定にしながら押出造粒処理を行うことにより、円柱状のペレット(造粒物)と一部非造粒物を含むウエット状着色剤を得た。このペレットを取り出し、ペレットの硬度を硬度計(木屋式硬度計:WPF1600)で測定したところ、1.96Nであった。また造粒物の嵩密度は0.59g/mlであった。
得られたウエット状着色剤を70℃で5時間乾燥させて、80重量%の円柱状ペレットを含む着色剤を得た。得られた着色剤を篩いにかけることにより、φ1.92mm×9.37mmの円柱状ペレット(造粒着色剤A−2)を得た。その円柱状ペレットの硬度を硬度計(木屋式硬度計:WPF1600)で測定したところ3.92Nであった。
(2)マスターバッチの製造(ニグロシン染料:樹脂=50:50)
造粒着色剤A−2 50部とポリアミド66樹脂(ザイテル101 NC010:デュポン社製の商品名 )50部とを小型タンブラーで混合した。この混合物を用いて二軸押出機(プラスチック工学研究所社製 形式BT−30−S2−42L)にてマスターバッチを作成したところ、供給計量及びストランドに関しても全く問題なく全量処理することができた。ストランド後、水槽にて冷却した後、ペレタイザーを使用し所定長さに切断した。得られた黒色マスターバッチA−2は、ニグロシン染料を均一に含有するペレットであった。
実施例3
(1)造粒着色剤の製造(ニグロシン染料:水=100:47.8)
ニグロシンベースSAP 2000gと水950gとをニーダーにて3分間混合後取出した。この混合物に対し、ディスク・ダイの孔径5mmを選択して押出造粒機(ディスクペレッター F−5型)を用い、ローラーの回転数を調節し、ローラー加圧力を一定にしながら押出造粒処理を行うことにより、円柱状のペレット(造粒物)と一部非造粒物を含むウエット状着色剤を得た。このペレットを取り出し、ペレットの硬度を硬度計(木屋式硬度計:WPF1600)で測定したところ、6.86Nであった。また造粒物の嵩密度は0.60g/mlであった。
得られたウエット状着色剤を70℃で5時間乾燥させて、78重量%の円柱状ペレットを含む着色剤を得た。得られた着色剤を篩いにかけることにより、φ4.93mm×15.48mmの円柱状ペレット(造粒着色剤A−3)を得た。その円柱状ペレットの硬度を硬度計(木屋式硬度計:WPF1600)で測定したところ、8.82Nであった。また造粒物の嵩密度は0.48g/mlであった。
造粒着色剤A−3 50部とポリアミド66樹脂(ザイテル101 NC010:デュポン社製の商品名)50部とを小型タンブラーで混合した。この混合物を用いて二軸押出機(プラスチック工学研究所社製 形式BT−30−S2−42L)にてマスターバッチを作成したところ、供給計量及びストランドに関しても全く問題なく全量処理することができた。ストランド後、水槽にて冷却した後、ペレタイザーを使用し所定長さに切断した。得られた黒色マスターバッチA−3は、ニグロシン染料を均一に含有するペレットであった。
実施例4
(1)造粒着色剤の製造(ニグロシン染料:水=100:25)
ニグロシンベースSA(オリヱント化学工業社製の商品名;比表面積3.35m/g 平均粒径12μm Fe含有量6100ppm アニリン含有量1.53重量% ニトロベンゼン含有量0.1重量% 製品pH4.9のC.I.ソルベントブラック7のニグロシン染料)2000gと水500gとをニーダーにて3分間混合後取出した。この混合物に対し、ディスク・ダイの孔径3mmを選択して押出造粒機(ディスクペレッター F−5型)を用い、ローラーの回転数を調節し、ローラー加圧力を一定にしながら押出造粒処理を行うことにより、円柱状のペレット(造粒物)と一部非造粒物を含むウエット状着色剤を得た。このペレットを取り出し、ペレットの硬度を硬度計(木屋式硬度計:WPF1600)で測定したところ、6.66Nであった。また造粒物の嵩密度は0.57g/mlであった。
得られたウエット状着色剤を70℃で5時間乾燥させて、88重量%の円柱状ペレットを含む着色剤を得た。得られた着色剤を篩いにかけることによりφ2.96mm×9.58mmの円柱状ペレット(造粒着色剤A−4)を得た。その円柱状ペレットの硬度を硬度計(木屋式硬度計:WPF1600)で測定したところ、12.35Nであった。また造粒物の嵩密度は0.51g/mlであった。
(2)マスターバッチの製造(ニグロシン染料:樹脂=50:50)
造粒着色剤A−4 50部とポリアミド66樹脂(ザイテル[登録商標]101 NC010:デュポン社製の商品名)50部とを小型タンブラーで混合した。この混合物を用いて二軸押出機(プラスチック工学研究所社製 形式BT−30−S2−42L)にてマスターバッチを作成したところ、供給計量及びストランドに関しても全く問題なく全量処理することができた。ストランド後、水槽にて冷却した後、ペレタイザーを使用し所定長さに切断した。得られた黒色マスターバッチA−4は、ニグロシン染料を均一に含有するペレットであった。
実施例5
(1)造粒着色剤の製造(ニグロシン染料:水=100:42.5)
ニグロシンベースSA 2000gと水850gとをニーダーにて3分間混合後取出した。この混合物に対し、ディスク・ダイの孔径3mmを選択して押出造粒機(ディスクペレッター F−5型)を用い、ローラーの回転数を調節し、ローラー加圧力を一定にしながら押出造粒処理を行うことにより、円柱状のペレット(造粒物)と一部非造粒物を含むウエット状着色剤を得た。このペレットを取り出し、ペレットの硬度を硬度計(木屋式硬度計:WPF1600)で測定したところ、2.25Nであった。また造粒物の嵩密度は0.55g/mlであった。
得られたウエット状着色剤を70℃で5時間乾燥させて、90重量%の円柱状ペレットを含む着色剤を得た。得られた着色剤を篩いにかけることによりφ2.92mm×9.47mmの円柱状ペレット(造粒着色剤A−5)を得た。その円柱状ペレットの硬度を硬度計(木屋式硬度計:WPF1600)で測定したところ、3.33Nであった。また造粒物の嵩密度は0.44g/mlであった。
(2)マスターバッチの製造(ニグロシン染料:樹脂=50:50)
造粒着色剤A−5 50部とポリアミド66樹脂(ザイテル101 NC010)50部とを小型タンブラーで混合した。この混合物を用いて二軸押出機(プラスチック工学研究所社製 形式BT−30−S2−42L)にてマスターバッチを作成したところ、供給計量及びストランドに関しても全く問題なく全量処理することができた。ストランド後、水槽にて冷却した後、ペレタイザーを使用し所定長さに切断した。得られた黒色マスターバッチA−5は、ニグロシン染料を均一に含有するペレットであった。
実施例6
(1)造粒着色剤の製造(ニグロシン染料:水=100:53.5)
ニグロシンベースSA 2000gと水1070gとをニーダーにて3分間混合後取出した。この混合物に対し、ディスク・ダイの孔径3mmを選択して押出造粒機(ディスクペレッター F−5型)を用い、ローラーの回転数を調節し、ローラー加圧力を一定にしながら押出造粒処理を行うことにより、円柱状のペレット(造粒物)と一部非造粒物を含むウエット状着色剤を得た。このペレットを取り出し、ペレットの硬度を硬度計(木屋式硬度計:WPF1600)で測定したところ、0.98Nであった。また造粒物の嵩密度は0.52g/mlであった。
得られたウエット状着色剤を70℃で5時間乾燥させて、92重量%の円柱状ペレットを含む着色剤を得た。得られた着色剤を篩いにかけることによりφ2.61mm×8.79mmの円柱状ペレット(造粒着色剤A−6)を得た。その円柱状ペレットの硬度を硬度計(木屋式硬度計:WPF1600)で測定したところ、1.08Nであった。また造粒物の嵩密度は0.40g/mlであった。
(2)マスターバッチの製造(ニグロシン染料:樹脂=50:50)
造粒着色剤A−6 50部とポリアミド66樹脂(ザイテル101 NC010)50部とを小型タンブラーで混合した。この混合物を用いて二軸押出機(プラスチック工学研究所社製 形式BT−30−S2−42L)にてマスターバッチを作成したところ、供給計量及びストランドに関しても全く問題なく全量処理することができた。ストランド後、水槽にて冷却した後、ペレタイザーを使用し所定長さに切断した。得られた黒色マスターバッチA−6は、ニグロシン染料を均一に含有するペレットであった。
実施例7
(1)造粒着色剤の製造(ニグロシン染料:水=100:35)
スピリットブラックAB(オリヱント化学工業社製の商品名;比表面積3.59m/g 平均粒径7μm Fe含有量7000ppm アニリン含有量1.8重量% ニトロベンゼン含有量trace 製品pH4.0のC.I.ソルベントブラック5のニグロシン染料)2000gと水700gとをニーダーにて3分間混合後取出した。この混合物に対し、ディスク・ダイの孔径3mmを選択して押出造粒機(ディスクペレッター F−5型)を用い、ローラーの回転数を調節し、ローラー加圧力を一定にしながら押出造粒処理を行うことにより、円柱状のペレット(造粒物)と一部非造粒物を含むウエット状着色剤を得た。このペレットを取り出し、ペレットの硬度を硬度計(木屋式硬度計:WPF1600)で測定したところ、6.47Nであった。また造粒物の嵩密度は0.56g/mlであった。
得られたウエット状着色剤を70℃で5時間乾燥させて、89重量%の円柱状ペレットを含む着色剤を得た。得られた着色剤を篩いにかけることによりφ2.95mm×9.12mmの円柱状ペレット(造粒着色剤A−7)を得た。その円柱状ペレットの硬度を硬度計(木屋式硬度計:WPF1600)で測定したところ、8.13Nであった。また造粒物の嵩密度は0.49g/mlであった。
(2)マスターバッチの製造(ニグロシン染料:樹脂=30:70)
造粒着色剤A−7 30部とポリアミド66樹脂(ザイテル101 NC010)70部とを小型タンブラーで混合した。この混合物を用いて二軸押出機(プラスチック工学研究所社製 形式BT−30−S2−42L)にてマスターバッチを作成したところ、供給計量及びストランドに関しても全く問題なく全量処理することができた。ストランド後、水槽にて冷却した後、ペレタイザーを使用し所定長さに切断した。得られた黒色マスターバッチA−7は、ニグロシン染料を均一に含有するペレットであった。
実施例8
(1)造粒着色剤の製造(ニグロシン染料:水=100:35)
ニグロシンベースEEL(オリヱント化学工業社製の商品名;比表面積3.83m/g 平均粒径12μm Fe含有量5000ppm アニリン含有量0.15重量% ニトロベンゼン含有量trace 製品pH7.3のC.I.ソルベントブラック7のニグロシン染料)2000gと水700gとをニーダーにて3分間混合後取出した。この混合物に対し、ディスク・ダイの孔径3mmを選択して押出造粒機(ディスクペレッター F−5型)を用い、ローラーの回転数を調節し、ローラー加圧力を一定にしながら押出造粒処理を行うことにより、円柱状のペレット(造粒物)と一部非造粒物を含むウエット状着色剤を得た。このペレットを取り出し、ペレットの硬度を硬度計(木屋式硬度計:WPF1600)で測定したところ、1.86Nであった。また造粒物の嵩密度は0.54g/mlであった。
得られたウエット状着色剤を70℃で5時間乾燥させて、74重量%の円柱状ペレットを含む着色剤を得た。得られた着色剤を篩いにかけることによりφ2.96mm×8.11mmの円柱状ペレット(造粒着色剤A−8)を得た。その円柱状ペレットの硬度を硬度計(木屋式硬度計:WPF1600)で測定したところ4.02Nであった。また造粒物の嵩密度は0.44g/mlであった。
(2)マスターバッチの製造(ニグロシン染料:樹脂=50:50)
造粒着色剤A−8 50部とポリアミド6樹脂(ザイテル7331 JNC)50部とを小型タンブラーで混合した。この混合物を用いて二軸押出機(プラスチック工学研究所社製 形式BT−30−S2−42L)にてマスターバッチを作成したところ、供給計量及びストランドに関しても全く問題なく全量処理することができた。ストランド後、水槽にて冷却した後、ペレタイザーを使用し所定長さに切断した。得られた黒色マスターバッチA−8は、ニグロシン染料を均一に含有するペレットであった。
実施例9
(1)造粒着色剤の製造(ニグロシン染料:水=100:35)
ニグロシンベースEX(オリヱント化学工業社製の商品名;比表面積3.39m/g 平均粒径12μm Fe含有量2000ppm アニリン含有量0.06重量% ニトロベンゼン含有量trace 製品pH6.9のC.I.ソルベントブラック7のニグロシン染料)2000gと水700gとをニーダーにて3分間混合後取出した。この混合物に対し、ディスク・ダイの孔径3mmを選択して押出造粒機(ディスクペレッター F−5型)を用い、ローラーの回転数を調節し、ローラー加圧力を一定にしながら押出造粒処理を行うことにより、円柱状のペレット(造粒物)と一部非造粒物を含むウエット状着色剤を得た。このペレットを取り出し、ペレットの硬度を硬度計(木屋式硬度計:WPF1600)で測定したところ、5.59Nであった。また造粒物の嵩密度は0.61g/mlであった。
得られたウエット状着色剤を70℃で5時間乾燥させて、92重量%の円柱状ペレットを含む着色剤を得た。得られた着色剤を篩いにかけることによりφ3.02mm×8.66mmの円柱状ペレット(造粒着色剤A−9)を得た。その円柱状ペレットの硬度を硬度計(木屋式硬度計:WPF1600)で測定したところ、7.74Nであった。また造粒物の嵩密度は0.53g/mlであった。
(2)マスターバッチの製造(ニグロシン:樹脂=50:50)
造粒着色剤A−9 50部とポリアミド66樹脂(ザイテル101 NC010)50部とを小型タンブラーで混合した。この混合物を用いて二軸押出機(プラスチック工学研究所社製 形式BT−30−S2−42L)にてマスターバッチを作成したところ、供給計量及びストランドに関しても全く問題なく全量処理することができた。ストランド後、水槽にて冷却した後、ペレタイザーを使用し所定長さに切断した。得られた黒色マスターバッチA−9は、ニグロシン染料を均一に含有するペレットであった。
実施例10
(1)造粒着色剤の製造
ニグロシンベースSAP 2000gを乾式造粒機(ローラーコンパクター 形式WP160×60型;マツボウ社製)にて処理した結果、0.25乃至4mmの良好なフレーク状物87重量%含む着色剤を得た。得られた着色剤を篩いにかけることによりフレーク状物(造粒着色剤A−10)を得た。
(2)マスターバッチの製造(ニグロシン染料:樹脂=30:70)
造粒着色剤A−10 30部とポリアミド6樹脂(ザイテル7331 JNC)70部とを小型タンブラーで混合した。この混合物を用いて二軸押出機(プラスチック工学研究所社製 形式BT−30−S2−42L)にてマスターバッチを作成したところ、供給計量及びストランドに関しても全く問題なく全量処理することができた。ストランド後、水槽にて冷却した後、ペレタイザーを使用し所定長さに切断した。得られた黒色マスターバッチA−10は、ニグロシン染料を均一に含有するペレットであった。
(3)マスターバッチの製造(ニグロシン染料:樹脂=30:70)
造粒着色剤A−10 30部とポリアミド66樹脂(ザイテル101 NC010)70部とを小型タンブラーで混合した。この混合物を用いて二軸押出機(プラスチック工学研究所社製 形式BT−30−S2−42L)にてマスターバッチを作成したところ、供給計量及びストランドに関しても全く問題なく全量処理することができた。ストランド後、水槽にて冷却した後、ペレタイザーを使用し所定長さに切断した。得られた黒色マスターバッチA−10Bは、ニグロシン染料を均一に含有するペレットであった。
実施例11
(1)造粒着色剤の製造(ニグロシン染料:水=100:35)
ニグロシンベースSAP 2000gと水700gとをニーダーにて3分間混合後取出した。この混合物に対し、ディスク・ダイの孔径3mmを選択して押出造粒機(ディスクペレッター F−5型)を用い、ローラーの回転数を調節し、ローラー加圧力を一定にしながら押出造粒処理を行うことにより、円柱状のペレット(造粒物)と一部非造粒物を含むウエット状着色剤を得た。このペレットを取り出し、ペレットの硬度を硬度計(木屋式硬度計:WPF1600)で測定したところ、5.11Nであった。また造粒物の嵩密度は0.62g/mlであった。
得られたウエット状着色剤を70℃で5時間乾燥させて、87重量%の円柱状ペレット(造粒着色剤)を含む着色剤A−11を得た。このペレットを取り出し、測定すると、φ2.93mm×9.28mmの円柱状ペレットであり、その円柱状ペレットの硬度は9.71Nであった。また造粒物の嵩密度は0.51g/mlであった。
(2)マスターバッチの製造(ニグロシン染料:樹脂=30:70)
着色剤A−11 30部とポリアミド6樹脂(ザイテル[登録商標]7331 JNC:デュポン社製の商品名)70部とを小型タンブラーで混合した。この混合物を用いて二軸押出機(プラスチック工学研究所社製 形式:BT−30−S2−42L)にてマスターバッチを作成したところ、供給計量及びストランドに関しても全く問題なく全量処理することができた。ストランド後、水槽にて冷却した後、ペレタイザーを使用し所定長さに切断した。得られた黒色マスターバッチA−11は、ニグロシン染料を均一に含有するペレットであった。
実施例12
(1)造粒着色剤の製造
ニグロシンベースSAP 2000gを乾式造粒機(ローラーコンパクター 形式WP160×60型;マツボウ社製)にて処理した結果、0.25乃至4mmの良好なフレーク状物(造粒着色剤)85重量%含む着色剤A−12を得た。
(2)マスターバッチの製造(ニグロシン染料:樹脂=30:70)
着色剤A−12 30部とポリアミド6樹脂(ザイテル7331 JNC)70部とを小型タンブラーで混合した。この混合物を用いて二軸押出機(プラスチック工学研究所社製 形式BT−30−S2−42L)にてマスターバッチを作成したところ、供給計量及びストランドに関しても全く問題なく全量処理することができた。ストランド後、水槽にて冷却した後、ペレタイザーを使用し所定長さに切断した。得られた黒色マスターバッチA−12は、ニグロシン染料を均一に含有するペレットであった。
実施例13
(1)造粒着色剤の製造(着色剤:水=100:35)
ニグロシンベースSAP 1500gとカーボンブラック(#960B 三菱化学社製)500gに対して、水700gをニーダーにて3分間混合後取出した。この混合物に対し、ディスク・ダイの孔径3mmを選択して押出造粒機(ディスクペレッター F−5型)を用い、ローラーの回転数を調節し、ローラー加圧力を一定にしながら押出造粒処理を行うことにより、円柱状のペレット(造粒物)と一部非造粒物を含むウエット状着色剤を得た。このペレットを取り出し、ペレットの硬度を硬度計(木屋式硬度計:WPF1600)で測定したところ、5.78Nであった。また造粒物の嵩密度は0.65g/mlであった。
得られたウエット状着色剤を70℃で5時間乾燥させて、97.3重量%の円柱状ペレットを含む着色剤を得た。得られた着色剤を篩いにかけることによりφ2.99mm×9.35mmの円柱状ペレット(造粒着色剤A−13)を得た。その円柱状ペレットの硬度を硬度計(木屋式硬度計:WPF1600)で測定したところ、4.31Nであった。また造粒物の嵩密度は0.57g/mlであった。
(2)マスターバッチの製造(着色剤:樹脂=50:50)
造粒着色剤A−13 50部とポリアミド6樹脂(ザイテル7331 JNC)50部とを小型タンブラーで混合した。この混合物を用いて二軸押出機(プラスチック工学研究所社製 形式BT−30−S2−42L)にてマスターバッチを作成したところ、供給計量及びストランドに関しても全く問題なく全量処理することができた。ストランド後、水槽にて冷却した後、ペレタイザーを使用し所定長さに切断した。得られた黒色マスターバッチA−13は、ニグロシン染料とカーボンブラックとを均一に含有するペレットであった。
実施例14
(1)造粒着色剤の製造(着色剤:水=100:42.5)
ニグロシンベースSAP 1500gとカーボンブラック(#960B 三菱化学社製)500gに対して、水850gをニーダーにて3分間混合後取出した。この混合物に対し、ディスク・ダイの孔径3mmを選択して押出造粒機(ディスクペレッター F−5型)を用い、ローラーの回転数を調節し、ローラー加圧力を一定にしながら押出造粒処理を行うことにより、円柱状のペレット(造粒物)と一部非造粒物を含むウエット状着色剤を得た。このペレットを取り出し、ペレットの硬度を硬度計(木屋式硬度計:WPF1600)で測定したところ、3.63Nであった。また造粒物の嵩密度は0.63g/mlであった。
得られたウエット状着色剤を70℃で5時間乾燥させて、99.2重量%の円柱状ペレット(造粒着色剤)を含む着色剤A−14を得た。このペレットを取り出し、測定すると、φ2.98mm×9.32mmの円柱状ペレットであった。その円柱状ペレットの硬度を硬度計(木屋式硬度計:WPF1600)で測定したところ、3.04Nであった。また造粒物の嵩密度は0.54g/mlであった。
(2)マスターバッチの製造(着色剤:樹脂=50:50)
着色剤A−14 50部とポリアミド66樹脂(ザイテル101 NC010)50部とを小型タンブラーで混合した。この混合物を用いて二軸押出機(プラスチック工学研究所社製 形式BT−30−S2−42L)にてマスターバッチを作成したところ、供給計量及びストランドに関しても全く問題なく全量処理することができた。ストランド後、水槽にて冷却した後、ペレタイザーを使用し所定長さに切断した。得られた黒色マスターバッチA−14は、ニグロシン染料とカーボンブラックとを均一に含有するペレットであった。
実施例15
(1)造粒着色剤の製造(着色剤:水=100:35)
ニグロシンベースSAP 2000gとPEG200 60g(ポリエチレングリコール 平均分子量200)に対して、水700gをニーダーにて3分間混合後取出した。この混合物に対し、ディスク・ダイの孔径3mmを選択して押出造粒機(ディスクペレッター F−5型)を用い、ローラーの回転数を調節し、ローラー加圧力を一定にしながら押出造粒処理を行うことにより、円柱状のペレット(造粒物)と一部非造粒物を含むウエット状着色剤を得た。このペレットを取り出し、ペレットの硬度を硬度計(木屋式硬度計:WPF1600)で測定したところ、2.02Nであった。また造粒物の嵩密度は0.52g/mlであった。
得られたウエット状着色剤を70℃で5時間乾燥させて、99.5重量%の円柱状ペレットを含む着色剤を得た。得られた着色剤を篩いにかけることによりφ2.98mm×9.25mmの円柱状ペレット(造粒着色剤A−15)を得た。その円柱状ペレットの硬度を硬度計(木屋式硬度計:WPF1600)で測定したところ、2.55Nであった。また造粒物の嵩密度は0.45g/mlであった。
(2)マスターバッチの製造(着色剤:樹脂=50:50)
造粒着色剤A−15 50部とポリアミド66樹脂(ザイテル101 NC010)50部とを小型タンブラーで混合した。この混合物を用いて二軸押出機(プラスチック工学研究所社製 形式BT−30−S2−42L)にてマスターバッチを作成したところ、供給計量及びストランドに関しても全く問題なく全量処理することができた。ストランド後、水槽にて冷却した後、ペレタイザーを使用し所定長さに切断した。得られた黒色マスターバッチA−15は、ニグロシン染料とカーボンブラックとを均一に含有するペレットであった。
実施例16
(1)造粒着色剤の製造(ニグロシン染料:水=100:35)
ニグロシンベースSAP 2000gとノイゲンXL−40 20g(ポリオキシアルキレンアルキルエーテル 非イオン界面活性剤)に対して、水700gをニーダーにて3分間混合後取出した。この混合物に対し、ディスク・ダイの孔径3mmを選択して押出造粒機(ディスクペレッター F−5型)を用い、ローラーの回転数を調節し、ローラー加圧力を一定にしながら押出造粒処理を行うことにより、円柱状のペレット(造粒物)と一部非造粒物を含むウエット状着色剤を得た。このペレットを取り出し、ペレットの硬度を硬度計(木屋式硬度計:WPF1600)で測定したところ、8.73Nであった。また造粒物の嵩密度は0.54g/mlであった。
得られたウエット状着色剤を70℃で5時間乾燥させて、92.7重量%の円柱状ペレットを含む着色剤を得た。得られた着色剤を篩いにかけることによりφ2.97mm×9.32mmの円柱状ペレット(造粒着色剤A−16)を得た。その円柱状ペレットの硬度を硬度計(木屋式硬度計:WPF1600)で測定したところ、10.98Nであった。また造粒物の嵩密度は0.48g/mlであった。
(2)マスターバッチの製造(ニグロシン染料:樹脂=50:50)
造粒着色剤A−16 50部とポリアミド66樹脂(ザイテル101 NC010)50部とを小型タンブラーで混合した。この混合物を用いて二軸押出機(プラスチック工学研究所社製 形式BT−30−S2−42L)にてマスターバッチを作成したところ、供給計量及びストランドに関しても全く問題なく全量処理することができた。ストランド後、水槽にて冷却した後、ペレタイザーを使用し所定長さに切断した。得られた黒色マスターバッチA−16は、ニグロシン染料を均一に含有するペレットであった。
比較例1
(1)マスターバッチの製造(ニグロシン染料:樹脂=30:70)
ニグロシンベースSAP 30部とポリアミド6樹脂(ザイテル7331 JNC)70部とを小型タンブラーで混合した。この混合物を用いて二軸押出機(プラスチック工学研究所社製 形式BT−30−S2−42L)にてマスターバッチを作成したところ、供給ホッパーにおいて前記混合物がブリッジを形成して供給が不安定になり、成形品であるストランドは、太さが一定せずストランド切れが発生する等、非常に悪い状態であった。二軸押出機による成形物を所定長さに切断して得られたマスターバッチは、形状が安定せず、種々の形状のペレット(黒色マスターバッチB−1)が得られた。
比較例2
(1)マスターバッチの製造(ニグロシン染料:樹脂=50:50)
ニグロシンベースSAP 50部とポリアミド6樹脂(ザイテル7331 JNC)50部とを小型タンブラーで混合した。この混合物を用いて二軸押出機(プラスチック工学研究所社製 形式BT−30−S2−42L)にてマスターバッチを作成したところ、供給ホッパーにおいて前記混合物がブリッジを形成して供給が不安定になり、成形品であるストランドは、太さが一定せずストランド切れが発生する等、非常に悪い状態であった。途中で供給不可能になったため、製造を中止した。
比較例3
(1)マスターバッチの製造(ニグロシン染料:樹脂=30:70)
ニグロシンベースSAP 30部とポリアミド66樹脂(ザイテル101 NC010)70部とを小型タンブラーで混合した。この混合物を用いて二軸押出機(プラスチック工学研究所社製 形式BT−30−S2−42L)にてマスターバッチを作成したところ、供給ホッパーにおいて前記混合物がブリッジを形成して供給が不安定になり、成形品であるストランドは、太さが一定せずストランド切れが発生する等、非常に悪い状態であった。二軸押出機による成形物を所定長さに切断して得られたマスターバッチは、形状が安定せず、種々の形状のペレット(黒色マスターバッチB−2)が得られた。
比較例4
(1)マスターバッチの製造(ニグロシン染料:樹脂=50:50)
ニグロシンベースSAP 50部とポリアミド66樹脂(ザイテル101 NC010)50部とを小型タンブラーで混合した。この混合物を用いて二軸押出機(プラスチック工学研究所社製 形式BT−30−S2−42L)にてマスターバッチを作成したところ、供給ホッパーにおいて前記混合物がブリッジを形成して供給が不安定になり、成形品であるストランドは、太さが一定せずストランド切れが発生する等、非常に悪い状態であった。途中で供給不可能になったため、製造を中止した。
比較例5
(1)マスターバッチの製造(ニグロシン染料:樹脂=40:60)
ニグロシンベースSAP 40部とポリアミド6樹脂(ザイテル7331 JNC)60部とを小型タンブラーで混合した。この混合物を用いて二軸押出機(プラスチック工学研究所社製 形式BT−30−S2−42L)にてマスターバッチを作成したところ、供給ホッパーにおいて前記混合物がブリッジを形成して供給が不安定になり、成形品であるストランドは、太さが一定せずストランド切れが発生する等、非常に悪い状態であった。二軸押出機による成形物を所定長さに切断して得られたマスターバッチは、形状が安定せず、種々の形状のペレット(黒色マスターバッチC−1)が得られた。
比較例6
(1)マスターバッチの製造(ニグロシン染料:樹脂=40:60)
ニグロシンベースSAP 40部とポリアミド66樹脂(ザイテル101 NC010)60部とを小型タンブラーで混合した。この混合物を用いて二軸押出機(プラスチック工学研究所社製 形式BT−30−S2−42L)にてマスターバッチを作成したところ、供給ホッパーにおいて前記混合物がブリッジを形成して供給が不安定になり、成形品であるストランドは、太さが一定せずストランド切れが発生する等、非常に悪い状態であった。二軸押出機による成形物を所定長さに切断して得られたマスターバッチは、形状が安定せず、種々の形状のペレット(黒色マスターバッチC−2)が得られた。
実施例17
(a)粉体流動性分析装置による流動性試験
実施例1で得られた造粒着色剤A−1と実施例10で得られた造粒着色剤A−10と原料であるニグロシンベースSAPを用い、流動性比較試験を行った。
測定機種:粉体流動性分析装置 FT−4(シスメックス社製)
測定条件:流速試験
流速試験:ブレード速度(ブレードスピード)を4段階に変化(100mm/sec、70mm/sec、40mm/sec、10mm/sec)させて設定し、ブレード速度に対する流動性評価を行った。結果を表1及び図1に示す。表1及び図1に示される数値の変化率が少ないものほど流動性が良好なものと評価される。
Figure 0004657188
上記の流速試験の結果、造粒着色剤A−1及び造粒着色剤A−10は、流速(ブレード速度)の変化に依存することなく一定の流動性を示した。ニグロシンベースSAPは、粉状であって個々の粒子間の隙間が小さいので、上方の試料の自重により下方の試料が容器内で詰まってゆき、ブレードの速度が遅いと詰まり具合が進行して下方の試料の抵抗が増大するものと推定され、これが流動性低下の要因に含まれるものと考えられる。
(b)簡易流動性試験機による流動性試験
試験方法:300mlの有底円筒形状の容器の底部中央部に、直径を調節し得る円形開口を形成し得るシャッターを設けた開口部を有する簡易流動性試験機を使用する。シャッターを閉じた状態の簡易流動性試験機内に、試料を満たした後、シャッターを徐々に開いて開口径毎の試料の落下重量を測定した。測定結果を表2及び図2に示す。なお、表2中のPA樹脂並びに図2中の6−ナイロンは、何れもポリアミド6樹脂を意味する。
Figure 0004657188
この流動性測定結果に基づき近似曲線を作成して開口径(横軸:x)と全試料に対する落下重量の比率(縦軸:y)との関係を示す数式を求め、簡易流動性試験機内を満たした試料量の50重量%が落下した時の開口径x50を算出した。この時の開口径x50が小さいものほど流動性は良好であると評価される。
各試料について開口径(横軸:x)と全試料に対する落下重量の比率(縦軸:y)との関係式及び試料量の50重量%が落下した時の開口径x50は下記のとおりである。
ポリアミド6樹脂:y=38.251x−305.45
y=50とすると、x50=9.29mm
造粒着色剤A−1:y=24.744x−295.82
y=50とすると、x50=13.9mm
造粒着色剤A−10:y=17.469x−208.20
y=50とすると、x50=14.7mm
ニグロシンベースSAP:y=12.309x−482.53
y=50とすると、x50=43.3mm
このように、造粒着色剤A−1及び造粒着色剤A−10の流動性は、ポリアミド6樹脂の流動性に比較的近いが、粉状ニグロシンであるニグロシンベースSAPの流動性は、造粒着色剤A−1及び造粒着色剤A−10の流動性に比べても大きく劣るものであった。また、造粒着色剤が円柱状ペレットである造粒着色剤A−1と造粒着色剤がフレーク状物である造粒着色剤A−10とを比較すると、造粒着色剤A−1の方が良好な流動性を示した。
実施例A及びB並びに比較例A及びBは非強化の黒色ポリアミド樹脂組成物に関する。
実施例A
ポリアミド66樹脂(ザイテル101L−NC10:デュポン社製の商品名)1000gと2.0gの造粒着色剤A−1(実施例1)とをステンレス製タンブラーに入れ、20分間よく撹拌した。
得られた混合物をベント式押出機(エンプラ産業社製 商品名:E30SV)を用いて300℃で溶融混合して常法にて着色ペレットを作成し、得られたペレットを120℃で6時間真空乾燥させた。乾燥後のペレットを、射出成形機(川口鉄鋼社製 商品名:KM50−C)を用いて280乃至300℃で通常の方法により成形してテスト板を作成したところ、樹脂と染料との相溶性の良い青味の黒色成形板[48×86×3(mm)]が得られた。
実施例B
ポリアミド66樹脂(ザイテル101L−NC10)1000gと6.7gの黒色マスターバッチA−1(実施例1)とをステンレス製タンブラーに入れ、20分間よく撹拌した。
得られた混合物をベント式押出機(エンプラ産業社製 商品名:E30SV)を用いて300℃で溶融混合して常法にて着色ペレットを作成し、得られたペレットを120℃で6時間真空乾燥させた。乾燥後のペレットを、射出成形機(川口鉄鋼社製 商品名:KM50−C)を用いて280乃至300℃で通常の方法により成形してテスト板を作成したところ、樹脂と染料との相溶性の良い青味の黒色成形板[48×86×3(mm)]が得られた。
比較例A
ポリアミド66樹脂(ザイテル101L−NC10)1000gと2.0gのニグロシンベースSAPとをステンレス製タンブラーに入れ、20分間よく撹拌した。
得られた混合物をベント式押出機(エンプラ産業社製の商品名 E30SV)を用いて300℃で溶融混合して常法にて着色ペレットを作成し、得られたペレットを120℃で6時間真空乾燥させた。乾燥後のペレットを、射出成形機(川口鉄鋼社製 商品名:KM50−C)を用いて280乃至300℃で通常の方法により成形してテスト板を作成したところ、樹脂と染料との相溶性の良い青味の黒色成形板[48×86×3(mm)]が得られた。
比較例B
ポリアミド66樹脂(ザイテル101L−NC10)1000gと6.7gの黒色マスターバッチB−2(比較例3)とをステンレス製タンブラーに入れ、20分間よく撹拌した。
得られた混合物をベント式押出機(エンプラ産業社製の商品名 E30SV)を用いて300℃で溶融混合して常法にて着色ペレットを作成し、得られたペレットを120℃で6時間真空乾燥させた。乾燥後のペレットを、射出成形機(川口鉄鋼社製 商品名:KM50−C)を用いて280乃至300℃で通常の方法により成形してテスト板を作成したところ、樹脂と染料との相溶性の良い青味の黒色成形板[48×86×3(mm)]が得られた。
実施例C及びD並びに比較例C及びDは、ガラス繊維強化黒色ポリアミド樹脂組成物に関する。
実施例C
ガラス繊維強化ポリアミド66樹脂(ザイテル[登録商標]70G−33L:デュポン社製の商品名)500gと1.0gの造粒着色剤A−1(実施例1)とをステンレス製タンブラーに入れ、1時間よく撹拌した。
得られた混合物をベント式押出機(エンプラ産業社製の商品名 E30SV)を用いて300℃で溶融混合して常法にて着色ペレットを作成し、得られたペレットを120℃で6時間真空乾燥させた。乾燥後のペレットを、射出成形機(川口鉄鋼社製 商品名:KM50−C)を用いて280乃至300℃で通常の方法により成形してテスト板を作成したところ、樹脂と染料との相溶性の良い青味の黒色成形板[48×86×3(mm)]が得られた。また、金型をアイゾット衝撃試験片用の金型に代えて同様に処理することにより、アイゾット衝撃試験片を得た。
実施例D
ガラス繊維強化ポリアミド66樹脂(デュポン社製 商品名:ザイテル70G−33L)500gと3.34gの黒色マスターバッチA−1(実施例1)とをステンレス製タンブラーに入れ、1時間よく撹拌した。
得られた混合物をベント式押出機(エンプラ産業社製の商品名 E30SV)を用いて300℃で溶融混合して常法にて着色ペレットを作成し、得られたペレットを120℃で6時間真空乾燥させた。乾燥後のペレットを、射出成形機(川口鉄鋼社製 商品名:KM50−C)を用いて280乃至300℃で通常の方法により成形してテスト板を作成したところ、樹脂と染料との相溶性の良い青味の黒色成形板[48×86×3(mm)]が得られた。また、金型をアイゾット衝撃試験片用の金型に代えて同様に処理することにより、アイゾット衝撃試験片を得た。
比較例C
ガラス繊維強化ポリアミド66樹脂(ザイテル70G−33L)500gと1.0gのニグロシンベースSAPとをステンレス製タンブラーに入れ、1時間よく撹拌した。
得られた混合物をベント式押出機(エンプラ産業社製の商品名 E30SV)を用いて300℃で溶融混合して常法にて着色ペレットを作成し、得られたペレットを120℃で6時間真空乾燥させた。乾燥後のペレットを、射出成形機(川口鉄鋼社製 商品名:KM50−C)を用いて280乃至300℃で通常の方法により成形してテスト板を作成したところ、樹脂と染料との相溶性の良い青味の黒色成形板[48×86×3(mm)]が得られた。また、金型をアイゾット衝撃試験片用の金型に代えて同様に処理することにより、アイゾット衝撃試験片を得た。
比較例D
ガラス繊維強化ポリアミド66樹脂(ザイテル70G−33L)500gと3.34gの黒色マスターバッチB−1(比較例1)とをステンレス製タンブラーに入れ、1時間よく撹拌した。
得られた混合物をベント式押出機(エンプラ産業社製の商品名 E30SV)を用いて300℃で溶融混合して常法にて着色ペレットを作成し、得られたペレットを120℃で6時間真空乾燥させた。乾燥後のペレットを、射出成形機(川口鉄鋼社製 商品名:KM50−C)を用いて280乃至300℃で通常の方法により成形してテスト板を作成したところ、樹脂と染料との相溶性の良い青味の黒色成形板[48×86×3(mm)]が得られた。また、金型をアイゾット衝撃試験片用の金型に代えて同様に処理することにより、アイゾット衝撃試験片を得た。
実施例C及びD並びに比較例C及びDで得た黒色成形板について、光沢度計(GLOSS METER)により表面光沢を測定した。結果を表3に示す。数値が大きいほど光沢度が高いことを示す。
Figure 0004657188
実施例C及びDの各黒色成形板は、比較例C及びDの各黒色成形板に比し、何れの入射角でも表面光沢度が良好であった。
実施例C及びD並びに比較例C及びDで得たアイゾット衝撃試験片について、アイゾット衝撃値の測定を行った。結果を表4に示す。表4中のNATURALは、未着色のガラス繊維強化ポリアミド66樹脂(ザイテル70G−33L)を実施例Cと同様に成形して得たアイゾット衝撃試験片用を示す。
Figure 0004657188
実施例C及びDの各アイゾット衝撃試験片は、比較例C及びDの各アイゾット衝撃試験片に比し、アイゾット衝撃値が平均で約20%向上するという結果が得られた。
本発明の造粒着色剤は、ニグロシン染料の飛散性が緩和されて作業環境の安全性が高まり、運搬や梱包並びに仕込みが容易になり、粉状のニグロシンに比し取扱い性が飛躍的に優れる。また、樹脂中での良好な流動性及び安定した分散性を示し、高濃度マスターバッチや通常濃度の樹脂組成物の製造に良好に用いられる。
また、本発明の造粒着色剤におけるニグロシン染料は、正帯電性荷電制御剤としての機能を有するので、樹脂に対する良好な分散性を利用して、本発明の造粒着色剤を静電荷像現像用トナーの製造に好適に用いることができる。
更に、本発明の造粒着色剤は、ニグロシン染料の良好な黒色油溶性染料としての機能を有しているため、溶剤等に溶解させて記録液や筆記具インキ等に好適に用いることができ、また、皮革等の着色剤としても用いることができる。
本発明の着色組成物は、異方性が小さく、耐熱性、摺動性、寸法精度に優れると共に、機械的特性、特に衝撃強度に優れ、且つ、成形品の表面外観に優れるので、エンジニアリングプラスチックとして、例えば、コネクタ、ソケット、リレーケーススイッチ、バリコンケース、光ピックアップ、プラグ、プリント基板、チューナ、スピーカ、マイクロフォン、ヘッドフォン、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピュータ関連部品、VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアドライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク、コンパクトディスク、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、ワードプロセッサ部品等に代表される電気・電子部品;タイプライタ部品等に代表される事務機器部品;電話機関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用器具、モータ部品、ライター、機械関連部品;顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計等に代表される光学機器・精密機器関連部品;オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペンサー、エアーフローメーター、スタータースイッチ、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウオッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、点火装置ケース等の自動車・車両関連部品、その他各種用途に有用である。
粉体流動性分析装置による流動性試験結果を示すグラフである。 簡易流動性試験機による流動性試験結果を示すグラフである。

Claims (13)

  1. 粉状のニグロシン染料の造粒物である造粒着色剤であって、前記ニグロシン染料はC.I.SOLVENT BLACK 5、C.I.SOLVENT BLACK 5:1、C.I.SOLVENT BLACK 5:2又はC.I.SOLVENT BLACK 7であり、前記造粒物の嵩密度が0.4乃至0.7g/mlであり、前記造粒物の硬度が1乃至20Nであることを特徴とする造粒着色剤。
  2. 上記粉状のニグロシン染料の平均粒径が5乃至20μmである請求項1記載の造粒着色剤。
  3. 上記粉状のニグロシン染料の比表面積が1.5乃至5.5m/gである請求項1又は2記載の造粒着色剤。
  4. 上記ニグロシン染料のFe含有量が1重量%以下である請求項1、2又は3記載の造粒着色剤。
  5. 上記造粒物が直径2乃至4mmの円柱状ペレットである請求項1乃至4の何れかに記載の造粒着色剤。
  6. ニグロシン染料100重量部と水20乃至55重量部が混合されて造粒されたものの乾燥物である請求項1乃至5の何れかに記載の造粒着色剤。
  7. 粉状のニグロシン染料と水を混合する混合工程と、前記混合工程で得られた混合物を用いて押出式造粒機により円柱状造粒物を得る造粒工程と、前記造粒工程で得られた造粒物を乾燥させる乾燥工程を包含し、前記ニグロシン染料はC.I.SOLVENT BLACK 5、C.I.SOLVENT BLACK 5:1、C.I.SOLVENT BLACK 5:2又はC.I.SOLVENT BLACK 7であり、前記乾燥工程による乾燥後の造粒物の嵩密度が0.4乃至0.7g/mlであり硬度が1乃至20Nである造粒着色剤の製造方法。
  8. 上記混合工程が、ニグロシン染料100重量部と水20乃至55重量部を、回転式混合機により混合する工程である請求項7記載の造粒着色剤の製造方法。
  9. 上記造粒工程が、上記混合工程で得られた混合物を、押出式造粒機の圧力および/または回転数を調整して造粒することにより、乾燥後の硬度が1乃至20Nとなる円柱状造粒物を得る工程である請求項7記載の造粒着色剤の製造方法。
  10. 少なくとも請求項1乃至6の何れかに記載の造粒着色剤と熱可塑性樹脂が混合されて得られるマスターバッチであって、前記熱可塑性樹脂100重量部に対し前記造粒着色剤におけるニグロシン染料を25乃至100重量部含有する高濃度マスターバッチ。
  11. 粉状のニグロシン染料と水を混合する混合工程と、前記混合工程で得られた混合物を用いて押出式造粒機により円柱状造粒物を得る造粒工程と、前記造粒工程で得られた造粒物を乾燥させる乾燥工程と、少なくとも、前記乾燥工程を経て得られた造粒着色剤と熱可塑性樹脂とを混合して押出機により前記熱可塑性樹脂100重量部に対し前記造粒着色剤におけるニグロシン染料を25乃至100重量部含有するマスターバッチを成形する混合成形工程を包含し、前記ニグロシン染料はC.I.SOLVENT BLACK 5、C.I.SOLVENT BLACK 5:1、C.I.SOLVENT BLACK 5:2又はC.I.SOLVENT BLACK 7であり、前記乾燥工程による乾燥後の造粒物の嵩密度が0.4乃至0.7g/mlであり硬度が1乃至20Nである高濃度マスターバッチの製造方法。
  12. 少なくとも請求項1乃至6の何れかに記載の造粒着色剤又は請求項10に記載の高濃度マスターバッチと熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーが混合されて得られる着色組成物であって、前記熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー100重量部に対し前記造粒着色剤又は高濃度マスターバッチにおけるニグロシン染料を0.01乃至10重量部含有する着色組成物。
  13. 上記熱可塑性樹脂が、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂及びポリフェニレンスルフィド樹脂からなる群から選ばれた1又は2以上の合成樹脂である請求項12記載の着色組成物。
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