JP5761380B2 - 油圧制御装置及び車両制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、油圧制御装置及び車両制御装置に関する。
従来、車両走行中にエンジンの停止とクラッチの解除とを行うアイドリングストップ機能を実行可能な車両が知られている。このような車両では、アイドリングストップ機能の実行中にエンジンが停止すると、クラッチの駆動系を作動させるための油圧が不足する場合があるため、油圧の不足分を補うために油圧の蓄圧・吐出を行うことができるアキュムレータを備える構成が知られている。例えば特許文献1には、アイドリングストップ制御から復帰する際のエンジン再始動時にクラッチの駆動系へ油圧を供給するための第1のアキュムレータと、クラッチの係合ショックを低減するための第2のアキュムレータとを備える構成が開示されている。
特開2002−115755号公報
特許文献1に記載される構成のように、エンジン再始動時の油圧供給用と、係合ショック低減用に2つのアキュムレータを備える構成とすると、部品点数が多くなり構成が複雑になる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、エンジン再始動時のクラッチへの油圧供給と、クラッチの係合ショック低減とを、簡易な構成により併せて実現できる油圧制御装置及び車両制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る油圧制御装置は、車両のエンジンの駆動によりオイルを吐出する機械ポンプと、前記機械ポンプにより吐出されたオイルをクラッチに供給する油圧経路と、前記油圧経路上に設けられ、前記クラッチへ供給する油圧であるクラッチ圧を制御するクラッチ圧制御弁と、前記油圧経路の前記クラッチ圧制御弁の下流に設けられ、前記油圧経路から前記オイルを供給するクラッチを選択する選択バルブと、を備える油圧制御装置において、前記機械ポンプにより供給されるオイルを蓄圧し、蓄圧されたオイルを吐出して前記クラッチに供給するアキュムレータと、前記クラッチ圧制御弁より上流側にて前記油圧経路と接続される第1油路と、前記選択バルブより下流側にて前記油圧経路と接続される第2油路と、前記アキュムレータを前記第1油路及び前記第2油路の一方と連通するよう前記アキュムレータと前記油圧経路との接続を制御する接続制御手段と、前記機械ポンプにより供給されるオイルを前記アキュムレータの背圧側へ供給する第3油路と、を備えることを特徴とする。
また、上記の油圧制御装置において、前記接続制御手段が、前記エンジンの停止時には前記第1油路を介して前記アキュムレータを前記油圧経路と連通し、前記エンジンの運転時には前記第2油路を介して前記アキュムレータを前記油圧経路と連通するよう切り替える切替弁と、前記切替弁と前記アキュムレータとの間に配置され、前記アキュムレータの蓄圧及び吐出を制御する蓄圧制御弁と、を備えることが好ましい。
また、上記の油圧制御装置は、前記油圧経路上の前記第1油路との接続位置より上流側に、前記油圧経路の上流側へのオイルの逆流を防止するチェック弁を備えることが好ましい。
また、上記の油圧制御装置において、前記第3油路は、前記チェック弁より上流側にて前記油圧経路と接続されることが好ましい。
上記課題を解決するために、本発明に係る車両制御装置は、エンジンと、クラッチと、前記クラッチを作動させるために供給されるオイルの油圧を制御する上記の油圧制御装置と、を備え、車両走行中に前記エンジンを停止するエコラン制御を実行可能であることを特徴とする。
本発明に係る油圧制御装置及び車両制御装置では、アキュムレータが第1油路または第2油路のいずれかを介して油圧経路と接続するかによって、単一のアキュムレータをエンジン再始動時のクラッチへの油圧供給のための機能(蓄圧/吐出機能)と、クラッチの係合ショック低減のための機能(ダンパー機能)として兼用し、使い分けることが可能となる。さらに、第3油路を介して機械ポンプにより供給されるオイルをアキュムレータの負圧側に供給することで、一時的にアキュムレータの吐出容量を減少させ、アキュムレータの性能をダンパー機能として必要な性能まで低減できる。この結果、本発明に係る油圧制御装置及び車両制御装置は、エンジン再始動時のクラッチへの油圧供給と、クラッチの係合ショック低減とを簡易な構成で実現可能となるという効果を奏する。
図1は、本発明の一実施形態に係る油圧制御装置を搭載する車両の構成を示す概略図である。 図2は、図1中の油圧制御装置の概略構成を示す図である。 図3は、図2中のアキュムレータの吐出動作を説明するための概略図である。 図4は、図2中のアキュムレータのダンパー動作を説明するための概略図である。 図5は、アキュムレータをダンパー機能として使用したときのクラッチ圧Pc1の時間推移を示すタイムチャートである。 図6は、本実施形態の油圧制御装置により実施されるアキュムレータの蓄圧処理を示すフローチャートである。 図7は、本実施形態の油圧制御装置により実施されるアキュムレータの吐出処理を示すフローチャートである。 図8は、本実施形態の油圧制御装置により実施されるアキュムレータをダンパーとして使用する処理を示すフローチャートである。 図9は、本発明の一実施形態の変形例に係る油圧制御装置の構成を示す概略図である。
以下に、本発明に係る油圧制御装置及び車両制御装置の実施形態について図面に基づいて説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
[実施形態]
図1〜8を参照して本発明の一実施形態について説明する。まず、図1を参照して、本実施形態に係る油圧制御装置1を搭載する車両2の構成について説明する。図1に示すように、この車両2は、走行時における動力源としてのエンジン3と、駆動輪4と、動力伝達装置5と、油圧制御装置1と、ECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)7とを備える。
エンジン3は、車両2を走行させる走行用駆動源(原動機)であり、燃料を消費して車両2の駆動輪4に作用させる動力を発生させる。エンジン3は、燃料の燃焼に伴って機関出力軸であるクランクシャフト8に機械的な動力(エンジントルク)を発生させ、この機械的動力をクランクシャフト8から駆動輪4に向けて出力可能である。
動力伝達装置5は、エンジン3から駆動輪4へ動力を伝達するものである。動力伝達装置5は、エンジン3から駆動輪4への動力の伝達経路中に設けられ、液状媒体としてのオイルの圧力(油圧)によって作動する。
より詳細には、動力伝達装置5は、トルクコンバータ9、前後進切替機構10、無段変速機構11、減速機構12、デファレンシャルギヤ13等を含んで構成される。動力伝達装置5は、エンジン3のクランクシャフト8と無段変速機構11のインプットシャフト14とがトルクコンバータ9、前後進切替機構10等を介して接続され、無段変速機構11のアウトプットシャフト15が減速機構12、デファレンシャルギヤ13、駆動軸16等を介して駆動輪4に接続される。
トルクコンバータ9は、エンジン3と前後進切替機構10との間に配置され、エンジン3から伝達された動力のトルクを増幅させて(又は維持して)、前後進切替機構10に伝達することができる。トルクコンバータ9は、回転自在に対向配置されたポンプインペラ9a及びタービンランナ9bを備え、フロントカバー9cを介してポンプインペラ9aをクランクシャフト8と一体回転可能に結合し、タービンランナ9bを前後進切替機構10に連結して構成されている。そして、これらポンプインペラ9a及びタービンランナ9bの回転に伴って、ポンプインペラ9aとタービンランナ9bとの間に介在された作動油などの粘性流体が循環流動することにより、その入出力間の差動を許容しつつトルクを増幅して伝達することが可能である。
また、トルクコンバータ9は、タービンランナ9bとフロントカバー9cとの間に設けられ、タービンランナ9bと一体回転可能に連結されたロックアップクラッチ9dをさらに備える。このロックアップクラッチ9dは、後述の油圧制御装置1から供給されるオイルの圧力によって作動し、フロントカバー9cとの係合状態(ロックアップON)と解放状態(ロックアップOFF)とに切り替えられる。ロックアップクラッチ9dがフロントカバー9cと係合している状態では、フロントカバー9c(すなわちポンプインペラ9a)とタービンランナ9bが係合され、ポンプインペラ9aとタービンランナ9bとの相対回転が規制され、入出力間の差動が禁止されるので、トルクコンバータ9は、エンジン3から伝達されたトルクをそのまま前後進切替機構10に伝達する。
前後進切替機構10は、エンジン3からの動力(回転出力)を変速可能であると共に、その回転方向を切替可能である。前後進切替機構10は、遊星歯車機構17、摩擦係合要素としての前後進切替クラッチ(フォワードクラッチ)C1及び前後進切替ブレーキ(リバースブレーキ)B1等を含んで構成される。遊星歯車機構17は、相互に差動回転可能な複数の回転要素としてサンギヤ、リングギヤ、キャリア等を含んで構成される差動機構であり、前後進切替クラッチC1及び前後進切替ブレーキB1は、遊星歯車機構17の作動状態を切り替えるための係合要素であり、例えば多板クラッチなどの摩擦式の係合機構等によって構成することができ、ここでは油圧式の湿式多板クラッチを用いる。
前後進切替機構10は、後述の油圧制御装置1から供給されるオイルの圧力によって前後進切替クラッチC1、前後進切替ブレーキB1が作動し作動状態が切り替えられる。前後進切替機構10は、前後進切替クラッチC1が係合状態(ON状態)、前後進切替ブレーキB1が解放状態(OFF状態)である場合に、エンジン3からの動力を正転回転(車両2が前進する際にインプットシャフト14が回転する方向)でインプットシャフト14に伝達する。前後進切替機構10は、前後進切替クラッチC1が解放状態、前後進切替ブレーキB1が係合状態である場合に、エンジン3からの動力を逆転回転(車両2が後進する際にインプットシャフト14が回転する方向)でインプットシャフト14に伝達する。前後進切替機構10は、ニュートラル時には、前後進切替クラッチC1、前後進切替ブレーキB1共に解放状態とされる。本実施形態では、このような前後進切替クラッチC1及び前後進切替ブレーキB1をまとめて「C1クラッチ」とも呼び、また、C1クラッチの係合/解除の制御を行う制御系をまとめて「C1制御系」18と呼ぶ。また、C1クラッチ及びC1制御系18をまとめて単に「クラッチ」とも表現する。
無段変速機構11は、エンジン3から駆動輪4への動力の伝達経路における前後進切替機構10と駆動輪4との間に設けられ、エンジン3の動力を変速して出力可能な変速装置である。無段変速機構11は、後述の油圧制御装置1から供給されるオイルの圧力によって作動する。
無段変速機構11は、例えば、公知のベルト式の無段自動変速機(Continuously Variable Transmission:CVT)である。無段変速機構11は、エンジン3側に設けられたプライマリプーリ20と、駆動輪4側に設けられたセカンダリプーリ21と、ベルト22とを有する。プライマリプーリ20は、インプットシャフト14に連結されている。セカンダリプーリ21は、アウトプットシャフト15に連結されている。ベルト22は、プライマリプーリ20とセカンダリプーリ21との間に掛け渡されている。無段変速機構11は、後述の油圧制御装置1から供給されるオイルの圧力によってプライマリプーリ側アクチュエータ及びセカンダリプーリ側アクチュエータを作動させ、プーリ比を変化させて、変速比を無段階に変化させることができる。同様に、ベルト挟圧力を制御することができる。
減速機構12は、無段変速機構11からの動力の回転速度を減速してデファレンシャルギヤ13に伝達する。デファレンシャルギヤ13は、減速機構12からの動力を、各駆動軸16を介して各駆動輪4に伝達する。デファレンシャルギヤ13は、車両2が旋回する際に生じる旋回の中心側、つまり内側の駆動輪4と、外側の駆動輪4との回転速度の差を吸収する。
上記のように構成される動力伝達装置5は、エンジン3が発生させた動力をトルクコンバータ9、前後進切替機構10、無段変速機構11、減速機構12、デファレンシャルギヤ13等を介して駆動輪4に伝達することができる。この結果、車両2は、駆動輪4の路面との接地面に駆動力[N]が生じ、これにより走行することができる。
油圧制御装置1は、流体としてのオイルの油圧によってトルクコンバータ9のロックアップクラッチ9d、前後進切替機構10の前後進切替クラッチC1及び前後進切替ブレーキB1、無段変速機構11のプライマリプーリ20及びセカンダリプーリ21等を含む動力伝達装置5を作動させるものである。油圧制御装置1は、例えば、ECU7により制御される種々の油圧制御回路を含んで構成される。油圧制御装置1は、複数の油路、オイルリザーバ、オイルポンプ、複数の電磁弁などを含んで構成され、後述するECU7からの信号に応じて、動力伝達装置5の各部に供給されるオイルの流量あるいは油圧を制御する。また、この油圧制御装置1は、動力伝達装置5の所定の箇所の潤滑を行う潤滑油供給装置としても機能する。なお、油圧制御装置1の構成の詳細については図2を参照して後述する。
ECU7は、車両2の各部の駆動を制御するものである。ECU7は、物理的には、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)及びインターフェースを含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子回路である。ECU7の機能は、ROMに保持されるアプリケーションプログラムをRAMにロードしてCPUで実行することによって、CPUの制御のもとで車両2内の各種装置を動作させるとともに、RAMやROMにおけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。本実施形態では、ECU7は、上述の油圧制御装置1を制御することによって、トルクコンバータ9、前後進切替機構10、無段変速機構11など動力伝達装置5の各部の制御を行う。なお、ECU7は、上記の機能に限定されず、車両2の各種制御に用いるその他の各種機能も備えている。
また、上記のECU7とは、エンジン3を制御するエンジンECU、動力伝達装置5(油圧制御装置1)を制御するT/M ECU、アイドリングストップ(S&S(スタート&ストップ))制御を実行するためのS&S ECUなどの複数のECUを備える構成であってもよい。
なお、ECU7には、図1には図示しない車両2内の各種センサが接続され、各種センサからの検出信号が入力されており、これらの検出信号に基づいて、車両2の各部の駆動を制御することができる。特に本実施形態の車両2には、燃費向上などのため、車両2の停車中または走行中にエンジン3を停止する機能、所謂アイドリングストップ制御(本実施形態では「S&S制御」「エコラン制御」ともいう)が備えられている。ECU7は、各種センサ情報に基づいて、所定の条件を満たす場合には、アイドリングストップ制御を実行可能に構成されている。
次に、図2を参照して、本実施形態に係る油圧制御装置1の構成について説明する。図2は、図1中の油圧制御装置1の概略構成を示す図である。
図2に示すように、油圧制御装置1は、動力伝達装置5の各部にオイルを供給するオイル供給源として、エンジン3の駆動により駆動される機械式のメカポンプ(機械ポンプ)31を備えている。メカポンプ31は、油圧制御装置1内のドレン32に貯留されたオイルを吸入圧縮して吐出する。メカポンプ31は、吐出したオイルを、油圧経路33を介して動力伝達装置5に供給することができる。
油圧経路33には、プライマリレギュレータバルブ34が設けられている。プライマリレギュレータバルブ34は、メカポンプ31で発生された油圧を調圧するものである。プライマリレギュレータバルブ34には、SLSリニアソレノイド35により制御圧が供給され、プライマリレギュレータバルブ34は、この制御圧に応じて、油圧経路33内の油圧を調整する。そして、プライマリレギュレータバルブ34によって調圧された油圧経路33内の油圧がライン圧PLとして用いられる。
プライマリレギュレータバルブ34は、例えば、弁本体内で弁体(スプール)がその軸方向に摺動して流路の開閉もしくは切替を行うスプール弁を適用することができ、入力ポートに油圧経路33が接続され、パイロット圧を入力するパイロットポートにSLSリニアソレノイド35が接続され制御圧が入力され、出力ポートからライン圧PLの調圧により発生する余剰流を排出するよう構成することができる。
プライマリレギュレータバルブ34の出力ポートには、トルクコンバータ9のロックアップクラッチ9dの係合/解放を制御するL/U制御系36が接続されており、プライマリレギュレータバルブ34から余剰流が発生したときには、この余剰流がL/U制御系36(または無段変速機構11より低圧で制御可能な低圧制御系)に供給されるよう構成されている。また、プライマリレギュレータバルブ34からの余剰流は、動力伝達装置5内の所定の箇所の各部潤滑などに供給できるよう構成されている。図2には図示しないが、L/U制御系36や各部潤滑などに供給された余剰流は、最終的にドレン32に戻されるよう油路が形成されている。
メカポンプ31は、油圧経路33を介して、前後進切替機構10のC1制御系18(前後進切替クラッチC1及び前後進切替ブレーキB1)と、無段変速機構11に対して、プライマリレギュレータバルブ34によってライン圧PLに調圧された油圧を供給可能に接続されている。
油圧経路33のうち、C1制御系18へ接続されるクラッチ用油路38上には、LPM No.2バルブ37が設けられている。LPM No.2バルブ37は、プライマリレギュレータバルブ34と同様に例えばスプール弁であり、バルブ内に導入されるライン圧PLを元圧として調圧(減圧)された所定の油圧Plpm2を出力する。また、クラッチ用油路38は、LPM No.2バルブ37の下流側で、油圧Plpm2のオイルを動力伝達装置5内の所定の箇所の各部潤滑などに供給するための潤滑用油路39が接続されている。
潤滑用油路39との分岐より下流側のクラッチ用油路38上には、SLCリニアソレノイド40(クラッチ圧制御弁)が設けられている。SLCリニアソレノイド40は、SLSリニアソレノイド35などと同様に、ECU7から送信されたデューティ信号(デューティ値)によって決まる電流値に応じて、制御圧を発生させる電磁バルブである。本実施形態では、SLCリニアソレノイド40は、油圧Plpm2を元圧として、C1制御系18へ供給する制御圧(クラッチ圧)Pc1を制御する。
クラッチ用油路38のSLCリニアソレノイド40の下流側には、マニュアルバルブ41(選択バルブ)が設けられている。マニュアルバルブ41は、油圧経路33からオイルを供給するクラッチを選択するものであり、具体的には車両2の運転者のシフト操作に連動して、クラッチ用油路38とC1制御系18との接続関係を切り替えるものである。言い換えると、マニュアルバルブ41は、クラッチ用油路38と、前後進切替クラッチC1及び前後進切替ブレーキB1との連通/遮断を切り替えることができる。例えば、シフトポジションが「D(前進)」の場合には、マニュアルバルブ41は、C1制御系18のうち前後進切替クラッチC1へクラッチ用油路38を接続し、前後進切替クラッチC1を制御可能とする。このとき、マニュアルバルブ41は、C1制御系18のうち前後進切替ブレーキB1を排出口Exに接続し、前後進切替ブレーキB1に作用しているオイルを排出口Exから抜けるよう構成されている。
また、シフトポジションが「R(後進)」の場合には、マニュアルバルブ41は、C1制御系18のうち前後進切替ブレーキB1へクラッチ用油路38を接続し、前後進切替ブレーキB1を制御可能とする。このとき、マニュアルバルブ41は、C1制御系18のうち前後進切替クラッチC1を排出口Exに接続し、前後進切替クラッチC1に作用しているオイルを排出口Exから抜けるよう構成されている。また、シフトポジションが「N(ニュートラル)」の場合には、マニュアルバルブ41は、前後進切替クラッチC1及び前後進切替ブレーキB1の両方をクラッチ用油路38と遮断して排出口Exに接続する。これにより、前後進切替クラッチC1及び前後進切替ブレーキB1に作用しているオイルが排出口Exから排出される。
クラッチ用油路38上に、アキュムレータ44が接続されている。アキュムレータ44は、メカポンプ31の駆動時に、メカポンプ31から供給された油圧を内部に蓄えて保持(蓄圧)しておき、必要に応じてこの保持された油圧をC1制御系18に供給できるよう構成されている。
以下、図2に加えて図3〜5を参照してアキュムレータ44の構成及び動作について説明する。図3は、アキュムレータ44の吐出動作を説明するための概略図であり、図4は、アキュムレータ44のダンパー動作を説明するための概略図であり、図5は、アキュムレータ44をダンパーとして使用したときのクラッチ圧Pc1の時間推移を示すタイムチャートである。
アキュムレータ44は、段付シリンダ44a内で一方向に摺動可能に嵌合された段付ピストン44bを備えている。この段付ピストン44bの小径部により、段付シリンダ44a内の小径側端部にはオイルを蓄圧するための蓄圧室44cが形成され、段付ピストン44bの移動により蓄圧室44cの容積を変更可能に構成されている。
アキュムレータ44の蓄圧室44cは、アキュムレータ44と油圧経路33とを連通するための接続油路42と接続されており、この接続油路42を介して、蓄圧時にはオイルの蓄圧室44cへの導入、吐出時には蓄圧室44cからのオイルの排出が行われる。
アキュムレータ44の段付シリンダ44a内の大径側端部には、段付ピストン44bの大径部により第1背圧室44dが形成されている。この第1背圧室44dには、段付ピストン44bを蓄圧室44c側へ付勢するスプリング44fが配設され、段付ピストン44bの摺動に伴うスプリング44fの変形に応じて付勢力を変化させ、すなわち背圧の大きさを変化させることができるよう構成されている。アキュムレータ44の蓄圧時には、段付ピストン44bが押し込まれて蓄圧室44cの容積が広げられ、オイルが内部に蓄えられ、この背圧と、蓄圧室44c内に蓄圧されるオイルの圧力(アキュムレータ圧Pacc)とが釣り合った状態となる。一方、アキュムレータ44の吐出時には、スプリング44fの付勢力を利用してピストンを押し出すことで蓄圧されたオイルを内部から吐出して、C1制御系18に供給する。
ここで、スプリング44fにより発生できる背圧は、段付ピストン44bの大径側端面が段付シリンダ44aの大径側端部と突き当たった状態で最大値となる。この背圧の最大値は、例えば、アキュムレータ44からのオイルを吐出したときに、クラッチ圧Pc1を少なくともパック詰め圧に維持できる程度の圧力にできるよう、スプリング44fのバネ長やバネ定数などを調整することで予め設定することができる。ここで、「パック詰め圧」とは、C1クラッチのクラッチプレートが摩擦材と当接する(詰まる)状態となるようクラッチパック(C1クラッチの作動油室)に作動油を充填できる油圧のことをいう。
アキュムレータ44の段付シリンダ44aの段差部と、段付ピストン44bの段差部との間には、第2背圧室44eが形成される。アキュムレータ44は、この第2背圧室44eへのオイル供給量を調整することで、段付ピストン44bの背圧を調整することができるよう構成されている。第2背圧室44eへのオイル供給量が増加すると、段付ピストン44bの釣り合い位置が段付シリンダ44aの大径側端部の方向へ移動し、蓄圧室44cからのオイルの吐出容量を減少させることができる。第2背圧室44eは、背圧制御用油路50(第3油路)と接続されており、背圧制御用油路50を介してオイル導入/排出が行われる。
アキュムレータ44の蓄圧及び吐出は、接続油路42上に設けられる蓄圧制御弁43により制御される。蓄圧制御弁43が閉じることでアキュムレータ44の内部にオイルが蓄圧され、蓄圧制御弁43が開くことで蓄圧されていたオイルが吐出される。蓄圧制御弁43の開閉動作は、ECU7によって制御されている。蓄圧制御弁43は、例えば電磁ポペット弁であり、ECU7により供給電流を調整することで開閉を切り替えられる。蓄圧制御弁43は、例えば電流が供給されたときに開弁され、電流供給がないときに常時閉弁されるノーマルクローズ型の弁とすることができる。なお、蓄圧制御弁43は、スプール弁など他の弁構造を用いてもよい。
アキュムレータ44と蓄圧制御弁43との間には、アキュムレータ44に蓄圧されるオイルの圧力(アキュムレータ圧)Paccを検出する圧力センサ45が設けられ、検出したアキュムレータ圧Paccの情報をECU7に送信するよう構成されている。
そして特に本実施形態では、アキュムレータ44及び蓄圧制御弁43は、接続油路42を介して、第1油路46及び第2油路47の2つの油路と接続され、第1油路46及び第2油路47によって油圧経路33(クラッチ用油路38)と連通可能に接続されている。
第1油路46が油圧経路33と接続される位置は、SLCリニアソレノイド40より上流側であり、好ましくは、LPM No.2バルブ37より下流側であり、より好ましくは、油圧経路33のクラッチ用油路38のうち潤滑用油路39との分岐より下流側である。
第2油路47が油圧経路33と接続される位置は、マニュアルバルブ41より下流側である。言い換えると、第2油路47は、C1クラッチ及びC1制御系18へ実際に供給される油圧と同一レベルの油圧となる油圧経路33上の位置にて接続される。
また、第1油路46及び第2油路47の油圧経路33と接続する側とは反対側の端部は、切替弁48と接続されている。切替弁48は、接続油路42を介してアキュムレータ44とも接続され、第1油路46または第2油路47のいずれか一方を選択して、アキュムレータ44と油圧経路33(クラッチ用油路38)とを連通できるよう構成されている。
切替弁48は、エンジン3の駆動により発生するライン圧PLによって、選択する油路を切り替えることができる。より詳細には、エンジン3の駆動時にメカポンプ31が駆動され、所定以上のライン圧PLが発生している場合には、アキュムレータ44が第2油路47を介して油圧経路33(クラッチ用油路38)と連通可能となるよう切り替わる(図2に例示する構成では切替弁48がPLにより左方に移動する)。一方、エンジン3の停止時にメカポンプ31の駆動も停止され、ライン圧PLが所定以下に減少している場合には、アキュムレータ44が第1油路46を介して油圧経路33(クラッチ用油路38)と連通可能となるよう切り替わる(図2に例示する構成では、切替弁48がばねにより右方に移動する)。
本実施形態では、このような切替弁48、第1油路46、第2油路47の構成により、車両の通常走行時、すなわちエンジン3が駆動しメカポンプ31がライン圧PLのオイルを吐出している状態では、切替弁48は第2油路47と連通するよう切り替わる。このとき、アキュムレータ44は、第2油路47を介してマニュアルバルブ41より下流側で油圧経路33と接続される。そして、この状態において、蓄圧制御弁43を適宜開弁し、その後に閉弁することにより、アキュムレータ44へオイルを蓄圧する蓄圧処理を実施できる。アキュムレータ44の蓄圧処理が実施され保圧されている状態では、例えば図3の左側に「保圧時」の状態として示すように、アキュムレータ44では、段付ピストン44bが段付シリンダ44aの大径側端部に突き当たり、蓄圧室44cが最大容積となった状態で、蓄圧制御弁43が閉弁(クローズ)され、パック詰め圧に相当するアキュムレータ圧Paccのオイルが蓄圧室内に保持される。
ここで、特に本実施形態の車両2は、上述のようにアイドリングストップ制御を実施可能に構成されており、特に減速走行時など、車両2の走行中に所定の条件を満たす場合に、エンジン3の停止とC1クラッチの解除とを併せて行った状態で走行するアイドリングストップ走行を実行可能である。このようなアイドリングストップ走行の実行中には、エンジン3が停止しメカポンプがライン圧PLのオイルを出力しないので、本実施形態では、切替弁48は第1油路46と連通するよう切り替わる。このとき、アキュムレータ44は、第1油路46を介してSLCリニアソレノイド40より上流側で油圧経路33と接続される。
この状態では、メカポンプ31がオイルを吐出しないので、油圧経路33のライン圧PLが低下し、C1クラッチを制御するのに充分な大きさのクラッチ圧を出力できない虞がある。一方、アイドリングストップ走行から復帰し、エンジン復帰要求がなされる場合には、エンジン3を速やかに再始動するとともに、C1クラッチの応答性を高めるべく、C1制御系18への供給油圧をパック詰め圧まで増圧して、C1クラッチが係合する直前の状態となるようC1制御系18を制御できることが望ましい。
そこで、本実施形態では、車両停止中または走行中に実施されるアイドリングストップ制御からの復帰時には、上記のように切替弁48が第1油路46を連通している状態で、蓄圧制御弁43を適切なタイミングで開弁することで、アキュムレータ44に蓄圧されたオイルを吐出する吐出処理を実施することができるよう構成される。このとき、アキュムレータ44に蓄圧されていたオイルは、第1油路46を介してSLCリニアソレノイド40より上流側で油圧経路33に吐出される。これにより、SLCリニアソレノイド40によりクラッチ圧Pc1を生成するための元圧Plpm2が増圧されるので、SLCリニアソレノイド40を適宜制御することによって、クラッチ圧Pc1をパック詰め圧とすることができる。
アキュムレータ44の吐出処理が実施された後は、図3の右側に「吐出後」の状態として示すように、アキュムレータ44では、スプリング44fの付勢力により段付ピストン44bが段付シリンダ44aの小径側端部に突き当たり、蓄圧室44c内に蓄圧されていたオイルが接続油路42を介して吐出される。
また、クラッチ用油路38上の第1油路46の接続位置より上流側(図2の例では、潤滑用油路39より下流の位置)には、チェック弁49(逆止弁)が設けられ、アキュムレータ44の吐出処理の際に、アキュムレータ44から吐出されたオイルの上流側への漏れや逆流を防止して、アキュムレータ44による油圧Plpm2の増圧を効率よく行うことができるよう構成されている。
なお本実施形態では、切替弁48及び蓄圧制御弁43が、アキュムレータ44を第1油路46及び第2油路47の一方と連通可能に接続しアキュムレータ44と油圧経路33(クラッチ用油路38)との接続を制御する「接続制御手段」として機能するものである。
アキュムレータ44の第2背圧室44eに接続される背圧制御用油路50(第3油路)は、チェック弁49より上流側にて油圧経路33(クラッチ用油路38)と接続されている。すなわち、背圧制御用油路50は、メカポンプ31作動中に発生するクラッチ用油路38の油圧Plpm2のオイルを、アキュムレータ44の第2背圧室44eに導入することができるよう構成されている。
ここで、車両走行中に運転者によりシフト操作が行われるときには、シフトポジションに応じてマニュアルバルブ41が変位する。このマニュアルバルブ41の変位により、クラッチ用油路38内のオイルの流れを連通/遮断する状態が切り替わる状況が起こる。例えば、シフトポジションがDからNに切り替わった場合には、C1制御系18の前後進切替クラッチC1は、クラッチ用油路38と連通した状態から遮断した状態に切り替えられる。また、前後進切替クラッチC1とマニュアルバルブ41との間に残留するオイルはマニュアルバルブ41の排出口Exから排出される。このようなマニュアルバルブ41が変移する状況が起こった場合、C1制御系18へ供給されるクラッチ圧Pc1が急激に変動し、C1クラッチが急開放または急係合してショックが発生する(本実施形態ではこれを「D−Nショック」ともよぶ)などC1クラッチの制御に不具合がでる可能性がある。
そこで、本実施形態では、車両の通常走行時に、アキュムレータ44が第2油路47を介してマニュアルバルブ41より下流側で油圧経路33と連通している状態で、所定の条件(詳細は図8を参照して後述)を満たす場合には、蓄圧制御弁43を開放するよう構成されている。これにより、アキュムレータ44をダンパー機能として利用することができ、マニュアルバルブ41の変位によるクラッチ圧Pc1の変動をアキュムレータ44で吸収することで、クラッチ圧Pc1の変動を緩和することが可能となる。
また、アキュムレータ44をダンパー機能として利用する状況では、車両2が通常走行中でありエンジン3及びメカポンプ31が駆動しているため、一定の背圧Pe(本実施形態では油圧Plpm2)が背圧制御用油路50からアキュムレータ44の第2背圧室44eに導入されている。これにより、アキュムレータ44の段付ピストン44bが移動して、スプリングが作動する領域が減少し、アキュムレータ44の吐出容量と油圧レベルをダンパーに必要な性能まで下げることが可能となる。この点について図3,4を参照して詳細に説明する。
まず、図3を参照して、アキュムレータ44の保圧(蓄圧)時及び吐出時におけるアキュムレータ44の性能について説明する。
図3に示すように、アキュムレータ44の保圧時及び吐出時には、エンジン3が停止しているため第2背圧室44eにはオイルが導入されない。蓄圧制御弁43がクローズされた保圧時には、図3の左側に示すように、段付ピストン44bにはスプリング44fの付勢力Fsのみが作用している。このときの付勢力Fsは、次の(1)式で表すことができる。
Fs=k・X ・・・(1)
ここで、kはスプリング44fのバネ定数であり、Xは保圧時における蓄圧室44cの高さである。
また、蓄圧室44c内に保圧されるオイルの圧力(アキュムレータ圧)Pacc(初期油圧)は、次の(2)式で表すことができる。
Pacc=Fs/As=k・X/As ・・・(2)
ここで、Asは小径側(図3、4では下方)の端面の面積である。
蓄圧室44c内に蓄圧されるオイルの容積Vaccは、次の(3)式で表すことができる。
Vacc=As・X ・・・(3)
図3の右側に示すように、蓄圧制御弁43がオープンされると、スプリング44fの付勢力Fsによって段付ピストン44bが押し出され、蓄圧室44c内に保圧されていた油圧Pacc、容積Vaccのオイルが吐出される。このように、保圧(蓄圧)時及び吐出時には、アキュムレータ44の性能は、蓄圧可能な油圧をPacc、吐出可能なオイルの量(吐出容積)をVaccとして表すことができる。
次に、図4を参照して、アキュムレータ44をダンパー機能として利用する場合のアキュムレータ44の性能について説明する。
図4に示すように、アキュムレータ44をダンパー機能として利用する状況では、エンジン3及びメカポンプ31が駆動中であるため、アキュムレータ44の第2背圧室44eには背圧Peが供給される。
クラッチ用油路38側からのオイルの流入が無く、クラッチ圧Pc1が作用しない場合には、図4の右側に示すように、段付ピストン44bには、背圧Peによる力Feと、スプリング44fによる付勢力Fs’とが作用している。このとき、段付ピストン44bは、FeとFs’とが釣り合う(すなわちFe=Fs’となる)、蓄圧室44cの高さがhとなる位置にて維持される。
このとき段付ピストン44bに作用する2つの力、すなわち背圧Peによる力Feと、スプリング44fによる付勢力Fs’は、それぞれ次の(4)式及び(5)式で表すことができる。
Fe=Pe・(Al−As) ・・・(4)
Fs’=k・h ・・・(5)
ここで、Alは段付ピストン44bの大径側(図3、4では上方)の端面の面積である。
FeとFs’とが釣り合うピストンの位置を示す蓄圧室の高さhは、Fe=Fs’の関係に、(4)式及び(5)式を代入することで、次の(6)式で表すことができる。
h=Pe・(Al−As)/k ・・・(6)
ここで、例えばマニュアルバルブ41をDからNへ遷移する動作が行われた場合を考える。このとき、アキュムレータ44の蓄圧室44cには、第2油路47及び接続油路42を介して、C1制御系18とマニュアルバルブ41との間のクラッチ用油路38に滞留するクラッチ圧Pc1のオイルが流入される。これにより、図4の左側に示すように、段付ピストン44bには、スプリング44fによる付勢力Fs(上記(1)式参照)、背圧Peによる力Fe、及びクラッチ圧Pc1による力Fc1が作用し、これらの力が釣り合う状態(Fs−Fe−Fc1=0)となる位置まで押し込まれる。
このとき、蓄圧室44c内のオイルの油圧Pdumperは、Fc1=Fs−Feの関係と、上記(2)及び(4)式により、次の(7)式で表すことができる。
Pdumper=Fc1/As
=(Fs−Fe)/As
=Pacc−Pe・(Al−As)/As
・・・(7)
また、吐出容積Vdumperは、図4の右側に示すように段付ピストン44bの釣り合い位置hから押し込まれた分の容積であるので、次の(8)式で表すことができる。
Vdumper=Vacc−As・h
=Vacc−Pe・As・(Al−As)/k
・・・(8)
したがって、アキュムレータ44をダンパーとして利用する場合には、アキュムレータ44は、図4の右側に示すように蓄圧室44cの高さhの位置で段付ピストン44bが釣り合った状態から、クラッチ用油路38のクラッチ圧Pc1のオイルが蓄圧室44cに流入される。そして、図4の左側に示すようにスプリング44fによる付勢力Fs、背圧Peによる力Fe、及びクラッチ圧Pc1による力Fc1が釣り合った状態まで段付ピストンが押し込まれた状態の後に、蓄圧室44c内に保圧されていた油圧Pdumper、容積Vdumperのオイルが吐出される。段付ピストン44bは、再び蓄圧室44cの高さhの位置で釣り合った状態となり、アキュムレータ44から吐出されたオイルはマニュアルバルブ41の排出口Exから排出される。
つまり、アキュムレータをダンパーとして利用する場合には、アキュムレータ44の性能は、蓄圧可能な油圧がPdumperであり、吐出可能なオイルの量(吐出容積)がVdumperであることと同等である。
上記(7)式及び(8)式より、ダンパー利用時の油圧Pdumper及び吐出容積Vdumperは、蓄圧吐出時の油圧Pacc及び吐出量Vaccより減少する。つまり、背圧Peを導入することによって、単一のアキュムレータで、少なくとも2種類の性能をもつことができ、ダンパー機能としてアキュムレータを利用する場合には、吐出容量と油圧レベルをダンパーに必要な性能まで下げることができる。
また、第2背圧室44eへ導入する背圧Pe、段付ピストン44bの大径部の面積Al、または小径部の面積Asを調整することで、ダンパー機能利用時の、油圧レベル、吐出容量の減少量を制御することができる。
ここで、図5を参照して、アキュムレータ44をダンパー機能として利用する際に、背圧Peを供給する場合とそうでない場合のクラッチ圧Pc1の挙動の相違について説明する。図5には、シフトポジションがDからNへ遷移したときの、前後進切替クラッチC1へ供給されるクラッチ圧Pc1の時間推移が示されている。図中のグラフAは、アキュムレータ44に背圧Peを供給した場合のクラッチ圧Pc1の時間推移を示しており、グラフBは、アキュムレータ44に背圧Peを供給しない場合のクラッチ圧Pc1の時間推移を示している。
まず、時刻T1以前では、シフトポジションがDであり前後進切替クラッチC1がクラッチ用油路38と連通している状態であり、クラッチ圧Pc1が所定値で維持されている。時刻T1において、マニュアルバルブ41がDからNに対応する位置に変移されると、前後進切替クラッチC1へ通じるクラッチ用油路38がマニュアルバルブ41より上流側と遮断され、マニュアルバルブの排出口Exと接続され、クラッチ用油路38内に残留するオイルが排出口から排出されはじめる。
背圧Peが供給されない状態では、アキュムレータ44は、吐出容量Vaccのダンパーとして機能するので、グラフBで示すように、C1制御系18からのオイル抜けのスピードが緩和されて、クラッチ圧Pc1の減少率も比較的小さくなる。時刻T3にてクラッチ圧Pc1が、駆動力伝達油圧(前後進切替クラッチC1が駆動力を伝達可能となる油圧)以下まで減少して、前後進切替クラッチC1が開放する。
一方、背圧Peが供給される状態では、アキュムレータ44は、吐出容量Vdumperのダンパーとして機能する。この吐出容量Vdumperは上記(8)式のとおりVaccより小さいので、この場合グラフAで示すように、C1制御系18からのオイル抜けのスピードはグラフB(背圧を供給しない場合)より速くなり、クラッチ圧Pc1の減少率もグラフB(背圧を供給しない場合)より大きくなる。このため、時刻T3より早い時刻T2においてクラッチ圧Pc1が、駆動力伝達油圧以下まで減少して、前後進切替クラッチC1が開放する。
次に、図6〜8を参照して、本実施形態に係る油圧制御装置1の動作について説明する。図6は、本実施形態の油圧制御装置1により実施されるアキュムレータ44の蓄圧処理を示すフローチャートであり、図7は、本実施形態の油圧制御装置1により実施されるアキュムレータ44の吐出処理を示すフローチャートであり、図8は、本実施形態の油圧制御装置1により実施されるアキュムレータ44をダンパーとして使用する処理を示すフローチャートである。図6〜8に示す各処理は、油圧制御装置1の蓄圧制御弁43や、車両2の各種センサ情報などを利用して、ECU7により実施される。
まず図6を参照して、本実施形態に係る油圧制御装置1におけるアキュムレータ44の蓄圧処理について説明する。この処理は、アイドリングストップ制御の非実行時、言い換えると、車両2の通常走行中に実施される。通常走行中とは、エンジン3が駆動しメカポンプ31が作動している状態を意味する。また、この処理の初期状態では、蓄圧制御弁43は閉弁されている。
まず、エンジン3が動作中であるか否かが確認される(S101)。エンジン3が動作中である場合にはステップS102に移行する。エンジン3が停止している場合には、ステップS101にリターンされる。
ステップS101にてエンジン3が動作中と判定された場合には、次にアキュムレータ44が既に蓄圧されているか否かが確認される(S102)。アキュムレータ44に蓄圧が無い場合にはステップS103に移行する。アキュムレータ44に蓄圧が有る場合にはステップS101にリターンされる。
ステップS102にてアキュムレータ44に蓄圧が無いと判定された場合には、アキュムレータ44の蓄圧処理の禁止条件が満たされ、蓄圧禁止中とされているか否かが確認される(S103)。ここで、蓄圧処理の禁止条件とは、例えば、アイドリングストップ走行に移行する直前に、前後進切替クラッチC1を解放する制御が行われている状態や、アイドリングストップ走行から復帰し、前後進切替クラッチC1を係合する制御が行われている状態など、SLCリニアソレノイド40によりクラッチ圧Pc1が制御されており、C1制御系18の制御に即応性が必要な場合を含むことができる。また、エンジン回転数が低い状態、油圧制御装置1内の油温が高い状態、変速速度が大きい状態など、油圧経路33(バルブボディー)の消費流量が多い場合も含むことができる。
ステップS103において、蓄圧禁止中であった場合には、蓄圧制御弁43がクローズ(閉弁)されたまま、ステップS101にリターンされる。一方、蓄圧禁止中ではない場合には、蓄圧制御弁43がオープン(開弁)される(S104)。これによりアキュムレータ44内にクラッチ用油路38からオイルが導入され、アキュムレータ44の蓄圧が行われる。なお、このときエンジン3が動作中のため、ライン圧PLが発生しているので、切替弁48は第2油路47を連通するよう切り替えられており、アキュムレータ44は、第2油路47を介して、マニュアルバルブ41より下流側のクラッチ用油路38からオイルを導入する。
次にアキュムレータ圧Paccが所定油圧以上であるか否かが確認される(S105)。所定油圧以上である場合には、アキュムレータ44の蓄圧が充分に行われたものとして蓄圧制御弁43がクローズ(閉弁)され(S107)、処理を終了する。一方、所定油圧に達していない場合には、蓄圧制御弁43のオープン(開弁)が維持され(S106)、そのままステップS105に戻る。
次に図7を参照して、本実施形態に係る油圧制御装置1におけるアキュムレータ44の吐出処理について説明する。この処理は、アイドリングストップ制御の実行時に実施される。また、図7の処理の前提として、図6に示した蓄圧処理が実行済みであり、アキュムレータ圧Paccが所定値以上で蓄圧制御弁43がクローズされているものとする。
まず、S&S制御(アイドリングストップ制御)が実行中であるか否かが確認される(S201)。S&S制御中である場合にはステップS202に移行する。S&S制御が実行されていない場合にはステップS201にリターンされる。
次に、エンジン復帰要求が有ったか否かが確認される(S202)。エンジン復帰要求とは、アイドリングストップ走行からエンジン走行に復帰させる指令であり、例えばブレーキがオフとなったり、ブレーキの負圧が低下したり、バッテリ電圧が低下するなどの状態をトリガとして検知される。
ステップS202においてエンジン復帰要求が無かった場合には、蓄圧制御弁43をクローズしたまま、アキュムレータ44内のオイルを保圧して、ステップS201にリターンする。
一方、ステップS202においてエンジン復帰要求が有った場合には、エンジン3の再始動後に前後進切替クラッチC1の係合制御が実施されるまでに、クラッチ圧Pc1をパック詰め圧まで上げておく必要があるものとして、蓄圧制御弁43がオープン(開弁)され(S203)、これに伴ってスタータにエンジン起動要求を出してエンジン3の再起動制御が開始される。このとき、エンジン3は停止しているので、ライン圧PLは発生していないため、切替弁48は第1油路46を連通するよう切り替えられている。このため、アキュムレータ44は、第1油路46を介して、SLCリニアソレノイド40より上流側のクラッチ用油路38へオイルを吐出する。これにより、SLCリニアソレノイド40により制御されるクラッチ圧Pc1の元圧となる油圧Plpm2を増圧でき、クラッチ圧Pc1を増大させて、パック詰め圧(概ね0.1MPa程度)を発生させることができる。
続いて、エンジン始動が完了したか否かが確認される(S204)。エンジン始動が完了していない場合には、蓄圧制御弁43のオープン(開弁)が維持されたまま(S205)ステップS204に戻る。一方、エンジン起動が完了した場合には、SLCリニアソレノイド40によるクラッチ圧Pc1の制御応答性を向上させるべく、蓄圧制御弁43をクローズし(S206)、メカポンプ31から供給されるオイルが油圧経路33からアキュムレータ44に流入されるのを防止する。
次に図8を参照して、本実施形態に係る油圧制御装置1におけるアキュムレータ44をダンパー機能として利用する処理について説明する。この処理は、車両2の通常走行中(車両が走行または停止しておりエンジンが動作している状態)に実施される。
まず、エンジン3が動作中であるか否かが確認される(S301)。エンジン3が動作中である場合にはステップS302に移行する。エンジン3が停止している場合にはS301の前に戻される。
ステップS301にてエンジン動作中と判定された場合には、アキュムレータ44をダンパー機能として利用することが許可されているか否かが確認される(S302)。ここで、アキュムレータ44をダンパー機能として利用するのが好ましい状況とは、例えば車両2が駐停車されるときなど、シフトポジションがD(ドライブ)からR(リバース)やN(ニュートラル)、P(パーキング)など他のギヤポジションへ遷移する操作が起こりうる状況があげられる。このようなシフト操作があると、シフト操作に応じてマニュアルバルブ41が変位するため、クラッチ圧Pc1が変動する。
このような状況の発生を判断するための条件(ダンパー機能許可条件)としては、例えば車速が0となったことや、シフト操作が実際に行われたことを検出すること等を設定することができる。そして、ダンパー機能許可条件が満たされている場合に、アキュムレータ44をダンパー機能として利用するのが許可されているものと判定することができる。
ステップS302においてダンパー機能が許可されていないと判定された場合には、ステップS301に戻される。
ステップS302にてダンパー機能が許可されていると判定された場合には、蓄圧制御弁43がオープンされる(S303)。このとき、エンジン3が動作中であり、ライン圧PLが発生しているので、切替弁48は第2油路47を連通するよう切り替えられており、アキュムレータ44は、第2油路47を介して、マニュアルバルブ41より下流側のクラッチ用油路38と連通する。そして、この状態で、シフト操作が行われマニュアルバルブ41が変位し、C1制御系18への供給油圧であるクラッチ圧Pc1が変動すると、変動分が第2油路47を通ってアキュムレータ44に導入されるので、クラッチ圧Pc1の変動が抑制される。
さらに、このとき、メカポンプ31が動作中であり、クラッチ用油路38上の油圧Plpm2が発生しているので、背圧制御用油路50を介してアキュムレータ44の第2背圧室44eにこの油圧が背圧Peとして導入される。これにより、図4、5を参照して説明したとおり、アキュムレータ44の吐出容量が減少するので、ダンパー機能の性能が向上する。
次に、本実施形態に係る油圧制御装置1の作用効果について説明する。
本実施形態の油圧制御装置1は、車両2のエンジン3の駆動によりオイルを吐出するメカポンプ31と、メカポンプ31により吐出されたオイルをC1制御系18に供給する油圧経路33(クラッチ用油路38)と、油圧経路33上に設けられ、C1制御系18へ供給する油圧であるクラッチ圧Pc1を制御するSLCリニアソレノイド40と、油圧経路33のSLCリニアソレノイド40の下流に設けられ、油圧経路33からオイルを供給するクラッチ(前後進切替クラッチC1または前後進切替ブレーキB1)を選択するマニュアルバルブ41と、を備える。この油圧制御装置1は、メカポンプ31により供給されるオイルを蓄圧し、蓄圧されたオイルを吐出してC1制御系18に供給するアキュムレータ44と、SLCリニアソレノイド40より上流側にて油圧経路33(クラッチ用油路38)と接続される第1油路46と、マニュアルバルブ41より下流側にて油圧経路33(クラッチ用油路38)と接続される第2油路47と、アキュムレータ44を第1油路46及び第2油路47の一方と連通するよう、アキュムレータ44と油圧経路33との接続を制御する接続制御手段(切替弁48,蓄圧制御弁43)と、メカポンプ31により供給されるオイルをアキュムレータ44の背圧側へ供給する背圧制御用油路50と、を備える。
この構成により、アキュムレータ44を、第1油路46または第2油路47のいずれか一方を介して、油圧経路33(クラッチ用油路38)と接続させることができる。アキュムレータ44が第2油路47と連通した状態では、アキュムレータ44は、SLCリニアソレノイド40より上流側にて油圧経路33(クラッチ用油路38)と接続される。この状態でアキュムレータ44に蓄圧されたオイルを吐出すれば、SLCリニアソレノイド40により生成されるクラッチ圧Pc1の元圧Plpm2を増圧することができ、クラッチ圧Pc1をパック詰め圧に制御することが可能となる。つまり、この状態では、アキュムレータ44を、アイドリングストップ制御から復帰する際のエンジン再始動時に、C1制御系18へ供給するパック詰め圧を確保するための蓄圧/吐出機能として効果的に利用することができる。
一方、アキュムレータ44が第1油路46と連通した状態では、アキュムレータ44は、マニュアルバルブ41より下流側にて油圧経路33(クラッチ用油路38)と接続される。この状態でアキュムレータ44をクラッチ用油路38と連通すれば、クラッチ用油路38からオイルをアキュムレータ44へ導入することができるので、マニュアルバルブ41の変位によるクラッチ圧Pc1の変動を吸収できる。さらに、背圧制御用油路50により、メカポンプ31により供給されるオイルがアキュムレータ44の背圧側へ供給されるので、アキュムレータ44の吐出容量をダンパー機能に必要なレベルまで一時的に低減でき、マニュアルバルブ41により油圧経路33との接続が遮断されたクラッチから排出口Exへのオイル抜けの時間を短縮できる。つまり、この状態では、アキュムレータ44を、シフト操作に伴うC1制御系18の係合時のショック(D−Nショック)を低減するダンパー機能として効果的に利用することができる。
このように、アキュムレータ44が第1油路46または第2油路47のいずれかを介して油圧経路33と接続するかによって、単一のアキュムレータ44をエンジン再始動時のC1制御系18への油圧供給のための機能(蓄圧/吐出機能)と、C1制御系18の係合ショック低減のための機能(ダンパー機能)として兼用し、使い分けることが可能となる。この結果、これらの複数の機能を実現するために複数のアキュムレータを設置する必要がなくなり、単一のアキュムレータのみの簡易な構成で複数の機能を実現可能となる。
また、本実施形態の油圧制御装置1では、接続制御手段が、エンジン3の停止時には第1油路46を介してアキュムレータ44を油圧経路33(クラッチ用油路38)と連通し、エンジン3の運転時には第2油路47を介してアキュムレータ44を油圧経路33(クラッチ用油路38)と連通するよう切り替える切替弁48と、切替弁48とアキュムレータ44との間に配置され、アキュムレータ44の蓄圧及び吐出を制御する蓄圧制御弁43と、を備える。
この構成により、切替弁48がエンジン3の運転状態に応じて切り替わり、エンジン3が運転される通常走行時には、切替弁48によりアキュムレータ44が第2油路47と連通した状態となり、また、エンジン3が停止されるアイドリングストップ走行時には、切替弁48によりアキュムレータ44が第1油路46と連通した状態となる。これにより、エンジン3の運転状態に応じて、単一のアキュムレータ44を蓄圧・吐出・ダンパーのうちの適切な機能を実施可能に切り替えることができる。また、切替弁48はライン圧PLの有無によって切替可能であり、電気的な制御が不要なため、制御系を用意する必要がなく低コスト化が図れる。
また、本実施形態の油圧制御装置1は、油圧経路33(クラッチ用油路38)上の第1油路46との接続位置より上流側に、油圧経路33の上流側へのオイルの逆流を防止するチェック弁49を備える。この構成により、アキュムレータ44の吐出処理の際に、第1油路46を介してアキュムレータ44からクラッチ用油路38に吐出されたオイルの上流側への漏れや逆流が防止でき、アキュムレータ44による油圧Plpm2の増圧を効率よく行うことができる。
また、本実施形態の油圧制御装置1において、背圧制御用油路50は、チェック弁49より上流側にて油圧経路33(クラッチ用油路38)と接続される。この構成により、アキュムレータ44の吐出処理の際に、アキュムレータ44からクラッチ用油路38に吐出されたオイルが背圧制御用油路50に流入してアキュムレータ44の第2背圧室44eに導入されるのを防止して、アキュムレータ44の吐出容量が低減するのを防止することが可能となり、クラッチ用油路38の増圧をより一層効率よく行うことができる。
本実施形態に係る車両制御装置は、エンジン3と、C1クラッチと、C1クラッチを作動させるために供給されるオイルの油圧を制御する上記の油圧制御装置1と、を備え、車両走行中にエンジン3を停止するエコラン制御(アイドリングストップ制御)を実行可能である。
この構成により、エンジン3が停止するエコラン制御からの復帰する際に、油圧制御装置1のアキュムレータ44の吐出処理を行うことで、C1クラッチを制御するC1制御系18へ供給するクラッチ圧Pc1を所望の値(例えばパック詰め圧)に制御することが可能となり、エコラン制御からの復帰時のクラッチ制御をスムーズに行うことが可能となる。
[変形例]
次に、図9を参照して本実施形態の変形例について説明する。上記実施形態では、変速装置の一例としてベルト式の無段変速機構11(CVT)を適用した場合について説明しているが、変速装置には、例えば有段自動変速機(AT)などの他の変速装置を用いてもよい。
例えば、変速装置としてATを適用した場合の油圧制御装置1aの構成の一例を図9に示す。図9の油圧制御装置1aは、マニュアルバルブ41を背圧制御用油路50の油圧経路33との接続位置より上流側(図2の油圧制御装置1ではLPM No.2バルブ37に対応する位置)に配置する点、及び図2の油圧制御装置1におけるマニュアルバルブ41に対応する構成要素としてクラッチコントロールバルブ51(選択バルブ)を備える点で、上記実施形態の油圧制御装置1と異なるものである。
油圧制御装置1aは、ATに係る複数のクラッチと連通可能に接続されている。なお、図9では、便宜上これらの複数のクラッチを「C1制御系52」としてまとめて示している。クラッチコントロールバルブ51は、所望の変速比を実現するために、これらの複数のクラッチの中から、クラッチ用油路38と連通させるクラッチを選択切替することができる。クラッチコントロールバルブ51によってクラッチ用油路38と連通されたクラッチには、クラッチ圧Pc1が供給される。つまり、油圧制御装置1aでは、クラッチコントロールバルブ51が、油圧経路33からオイルを供給するクラッチを選択する選択バルブとして機能するものである。
油圧制御装置1aでは、第2油路47が油圧経路33と接続される位置は、クラッチコントロールバルブ51より下流側である。言い換えると、第2油路47は、C1制御系52へ実際に供給される油圧と同一レベルの油圧となる油圧経路33上の位置にて接続される。
以上、本発明について好適な実施形態を示して説明したが、本発明はこれらの実施形態により限定されるものではない。本発明は、実施形態の各構成要素を、当業者が置換することが可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものに変更することが可能である。
上記実施形態では、アキュムレータ44と油圧経路33との接続を制御する接続制御手段の一例として、切替弁48及び蓄圧制御弁43の組み合わせを例示したが、例えば第1油路46と第2油路47のそれぞれに制御弁を備えて一方を開弁する構成など、他の構成とすることもできる。
また、上記実施形態では、切替弁48は、ライン圧PLを作動圧として第1油路46と第2油路47の連通を切り替えているが、エンジン3の駆動/停止に応じて切り替えることができればライン圧以外のものを作動圧として用いてもよい。同様に、上記実施形態では、アキュムレータ44の第2背圧室44eに導入される油圧として、クラッチ用油路38の油圧Plpm2が用いられているが、メカポンプ31の駆動に応じて発生する油圧であればよく、例えばライン圧PLを導入する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、油圧制御装置1によって油圧制御されるクラッチとして、前後進切替機構10のC1クラッチ(前後進切替クラッチC1及び前後進切替ブレーキB1)を例示したが、このクラッチは、アイドリングストップ制御時に開放状態としてエンジンと駆動輪側との間の回転トルクを遮断し、また、係合状態として駆動輪側の回転トルクをエンジン側に伝達することのできるものであれば、前後進切替機構10のC1クラッチ以外のクラッチを用いてもよい。
1,1a 油圧制御装置
2 車両
3 エンジン
7 ECU
18,52 C1制御系(クラッチ)
31 メカポンプ(機械ポンプ)
33 油圧経路
40 SLCリニアソレノイド(クラッチ圧制御弁)
41 マニュアルバルブ(選択バルブ)
43 蓄圧制御弁(接続制御手段)
44 アキュムレータ
46 第1油路
47 第2油路
48 切替弁(接続制御手段)
49 チェック弁
50 背圧制御用油路(第3油路)
51 クラッチコントロールバルブ(選択バルブ)

Claims (4)

  1. 車両のエンジンの駆動によりオイルを吐出する機械ポンプと、
    前記機械ポンプにより吐出されたオイルをクラッチに供給する油圧経路と、
    前記油圧経路上に設けられ、前記クラッチへ供給する油圧であるクラッチ圧を制御するクラッチ圧制御弁と、
    前記油圧経路の前記クラッチ圧制御弁の下流に設けられ、前記油圧経路から前記オイルを供給するクラッチを選択する選択バルブと、
    を備える油圧制御装置において、
    前記機械ポンプにより供給されるオイルを蓄圧し、蓄圧されたオイルを吐出して前記クラッチに供給するアキュムレータと、
    前記クラッチ圧制御弁より上流側にて前記油圧経路と接続される第1油路と、
    前記選択バルブより下流側にて前記油圧経路と接続される第2油路と、
    前記アキュムレータを前記第1油路及び前記第2油路の一方と連通するよう前記アキュムレータと前記油圧経路との接続を制御する接続制御手段と、
    前記機械ポンプにより供給されるオイルを前記アキュムレータの背圧側へ供給する第3油路と、
    を備え
    前記接続制御手段が、
    前記エンジンの停止時には前記第1油路を介して前記アキュムレータを前記油圧経路と連通し、前記エンジンの運転時には前記第2油路を介して前記アキュムレータを前記油圧経路と連通するよう切り替える切替弁と、
    前記切替弁と前記アキュムレータとの間に配置され、前記アキュムレータの蓄圧及び吐出を制御する蓄圧制御弁と、
    を有し、
    前記第3油路を介して前記アキュムレータの背圧側へ前記オイルを供給することによって前記アキュムレータの吐出容量を減少させることを特徴とする油圧制御装置。
  2. 前記油圧経路上の前記第1油路との接続位置より上流側に、前記油圧経路の上流側へのオイルの逆流を防止するチェック弁を備えることを特徴とする、請求項1記載の油圧制御装置。
  3. 前記第3油路は、前記チェック弁より上流側にて前記油圧経路と接続されることを特徴とする、請求項に記載の油圧制御装置。
  4. エンジンと、
    クラッチと、
    前記クラッチを作動させるために供給されるオイルの油圧を制御する請求項1〜に記載の油圧制御装置と、を備え、
    車両走行中に前記エンジンを停止するエコラン制御を実行可能であることを特徴とする車両制御装置。
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