JP5756587B2 - アンギュラ玉軸受用グリース組成物及びそれを用いたアンギュラ玉軸受 - Google Patents

アンギュラ玉軸受用グリース組成物及びそれを用いたアンギュラ玉軸受 Download PDF

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本発明は、転がり軸受の1つのタイプであるアンギュラ玉軸受を潤滑するグリース組成物に関する及びこれを用いたアンギュラ球軸受に関する。
アンギュラ玉軸受は、ラジアル荷重のほかに一方向からのアキシャル荷重を負荷することができる軸受である。アンギュラ玉軸受は、非分離軸受で、玉と内輪・外輪との接触点を結ぶ直線がラジアル方向に対してある角度(接触角)をもっているため、玉と軌道輪の接触部では、玉は差動滑りの他、スピンによる滑りを生ずる。
乗用車のハブユニット軸受では、複列アンギュラ玉軸受のユニット軸受が使用される場合が多い。アンギュラ玉軸受は、工作機械主軸用としても多く用いられる。工作機械主軸用アンギュラ玉軸受に使用するのに好適なグリース組成物に関する報告も様々ある。
例えば、特許文献1には、工作機械主軸用として、基油の動粘度を比較的大きい所定の範囲にすると共に脂肪族ウレアを増ちょう剤として用いることで、高速回転時に低トルクで低振動であるという優れた回転特性を有し、かつ長寿命性に優れるという報告がされている。特許文献1記載の脂肪族ウレアを増ちょう剤として使用したグリース組成物の耐熱性は、芳香族ウレア、脂環式ウレアを増ちょう剤として使用したグリース組成物と比べ若干劣るが、工作機械主軸用としては十分である。基油の動粘度を比較的高い所定の範囲(30〜60mm2/s(40℃))に設定しても、せん断抵抗を低下させることができ、軸受温度上昇を低く抑えることができる。脂肪族ウレアは石けん系増ちょう剤と類似の線状構造を有し、脂環式ウレアや芳香族ウレアのように剛直な分子を含まないので、柔軟で軸受の音響への影響が殆ど無いという利点がある。
また特許文献1には、基油の動粘度、増ちょう剤量、混和ちょう度、軸受内へのグリース封入量を所定の範囲にすることで、グリースの攪拌抵抗に起因する発熱が生じ難く、破損し難いという報告がされている。
一方、自動車のホイール軸受として、複列アンギュラ玉軸受を用いたハブユニット軸受が使用されている。ハブユニット軸受は、工作機械主軸用軸受に比べ、回転数が低く、使用環境温度が高い為、はく離寿命を満足するために充分な油膜厚さを確保する必要がある。また、高い使用環境温度で使用される場合があるため、充分な軸受潤滑寿命を有するグリースで潤滑することが必要である。
アンギュラ球軸受は、玉と軌道輪間に接触角を有するため、玉と軌道輪の接触部では、スピン運動を行い、スピンにより滑りを生ずる。スラスト荷重を受けると深溝玉軸受は、接触角が発生し、スピンにより滑りを生ずるが、その接触角が大きいアンギュラ玉軸受は、深溝玉軸受に比べスピンによる滑りが大きい。従って、玉と軌道輪の接触部は、潤滑剤不足が生じると直ちに焼付きを起こし、軸受潤滑寿命に至ってしまう。
アンギュラ玉軸受の軸受潤滑寿命を延長するためには、グリースの耐熱性は勿論のこと、グリース又は基油を潤滑部(玉と軌道輪の接触部)に供給し続けるグリースの流入性が重要な性能である。このようなグリースの流入性は、軸受がアンギュラ玉軸受である場合、深溝玉軸受の場合に比べ特に強く要求される。
またアンギュラ球軸受には、優れた耐はく離性も要求される。はく離寿命を満足するためには、充分な油膜厚さを確保する必要がある。
特開2000−169872
本発明の目的は、ハブユニット軸受用として優れたはく離寿命と軸受潤滑寿命を有するアンギュラ玉軸受用グリース組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、上記グリース組成物を封入したアンギュラ玉軸受、特に複列アンギュラ玉軸受を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、上記アンギュラ玉軸受を使用した自動車ハブユニット、特に複列アンギュラ玉軸受を使用した自動車ハブユニットを提供することである。
本発明は、以下のアンギュラ玉軸受用グリース組成物、このグリース組成物を封入したアンギュラ玉軸受、及びこのアンギュラ玉軸受を使用した自動車ハブユニットを提供するものである。
1.基油と増ちょう剤を含むアンギュラ玉軸受用グリース組成物であって、基油の40℃の動粘度が70〜400mm2/sであり、増ちょう剤が、次の一般式(I)で表されるジウレア化合物を含むことを特徴とするアンギュラ玉軸受用グリース組成物。
一般式(I):R1−NHCONH−R2−NHCONH−R3
式中、R2は炭素数6〜15の2価の芳香族炭化水素基、R1およびR3は同一または異なっていても良く、シクロヘキシル基、または炭素数8〜22の直鎖または分岐アルキル基を示し、シクロヘキシル基と炭素数8〜22の直鎖または分岐アルキル基の総モル数に対する炭素数8〜22の直鎖または分岐アルキル基のモル数の割合は5〜100%である。
2.基油が鉱油、炭化水素系合成油、エステル系合成油、又はこれらの2種以上の混合油であることを特徴とする上記1記載のグリース組成物。
3.アンギュラ玉軸受がゴムシールでシールされた軸受であることを特徴とする上記1又は2記載のグリース組成物。
4.アンギュラ玉軸受が自動車ハブユニット用軸受である上記1又は2記載のグリース組成物。
5.上記1又は2記載のグリース組成物を封入したアンギュラ玉軸受。
6.上記5記載のアンギュラ玉軸受を使用した自動車ハブユニット。
本発明のアンギュラ玉軸受用グリース組成物は、増ちょう剤として特定のウレア化合物を、基油として、充分な油膜厚さを確保できる特定の範囲の動粘度を有する基油を使用しているため、軸受潤滑寿命を延長することができ、且つハブユニット軸受用として充分なはく離寿命を有する。
本発明のグリース組成物に使用される増ちょう剤は、一般式(I)で表される特定のジウレア化合物である。一般式(I)中のR1およびR3において、シクロヘキシル基と炭素数8〜22の直鎖または分岐アルキル基の総モル数に対する炭素数8〜22の直鎖または分岐アルキル基のモル数の割合は5〜100%であり、更に好ましくは10〜100%である。
5%未満では、グリースの流入性が悪く、アンギュラ玉軸受の軸受潤滑寿命を十分に延長することが出来ない。
本発明のグリース組成物に使用する一般式(I)で表される特定のジウレア化合物は、種々の方法により合成されるが、例えば、基油中で、ジイソシアネートに炭素数8〜22の直鎖または分岐アルキルアミン又は炭素数8〜22の直鎖または分岐アルキルアミンとシクロヘキシルアミンを反応させることにより容易に合成できる。
ジイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等が、炭素数8〜22の直鎖または分岐アルキルアミンとしては、オクチルアミン、ステアリルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン等が挙げられる。
ジイソシアネート1モルに対してアミンを1.9〜2.1モル、通常は2モル加え、室温〜200℃で30〜240分程度反応させれば良い。
一般式(I)中のR1およびR3に芳香族系炭化水素基を用いた芳香族ジウレア化合物を増ちょう剤としたグリースは、耐熱性は優れているものの、上記一般式(I)において炭素数8〜22の直鎖または分岐アルキル基のモル数の割合が5%未満のグリースと同様、流入性が悪く、アンギュラ玉軸受の軸受潤滑寿命を十分に延長することが出来ない。
また、リチウム石けんなどの金属石けんを増ちょう剤としたグリースでは、ハブユニット軸受用としての耐熱性が充分でなく、高温環境下でグリースが軟化・漏洩し、アンギュラ玉軸受の軸受潤滑寿命を十分に延長することが出来ない。
リチウムコンプレックス石けんは、リチウム石けんに比べ、耐熱性に優れ、ハブユニット軸受用として充分なアンギュラ玉軸受の軸受潤滑寿命を有する。しかし、リチウム石けんやリチウムコンプレックス石けんグリースの耐はく離性は、ウレアグリースに比べ劣り、ハブユニット軸受用として充分なはく離寿命を有することが出来ない。
本発明のグリース組成物中の増ちょう剤の含有量は、グリース組成物全体に対して好ましくは3〜20質量%、さらに好ましくは5〜15質量%である。
本発明のグリース組成物に使用する増ちょう剤は、一般式(I)で表される特定のジウレア化合物以外の増ちょう剤を含んでいても良いが、その量は増ちょう剤全体に対して5.0質量%以下、好ましくは3.0質量%以下であり、一般式(I)で表される特定のジウレア化合物のみであることが最も好ましい。
本発明のグリース組成物に使用される基油は、40℃の動粘度が70〜400mm2/sであり、好ましくは70〜250mm2/sである。
基油としては、鉱油の他、ジエステル、ポリオールエステルに代表されるエステル系合成油、ポリαオレフィン、ポリブテンに代表される合成炭化水素油、アルキルジフェニルエーテル、ポリプロピレングリコールに代表されるエーテル系合成油、シリコーン油、フッ素化油など各種合成油が使用可能である。これらは単独で使用しても良いし、2種以上を混合して使用してもよい。
これらのうち、鉱油、炭化水素系合成油、エステル系合成油、又はこれらの2種以上の混合油が好ましい。基油全体に対して50質量%〜100質量%、さらに好ましくは70質量%〜100質量%の鉱油を含む基油が特に好ましい。
ハブユニット軸受の場合、−40℃以下の寒冷地で使用されることがあるため、低温時の起動性が必要となる。また、寒冷地を通過する貨車に車両を搭載して輸送する場合があり、その際低温環境下での耐フレッチング性が必要となる。
鉱油を基油全量中50質量%未満、即ち合成油を50質量%以上混合すると原料コストの高騰を招いてしまいハブユニット軸受用として適応が難しい。更に、低温時の起動性向上、耐フレッチング性向上を目的とし、合成油を混合する場合、エステル系合成油は、ハブユニット軸受に用いるシールを膨潤させてしまうため、またエーテル系合成油、シリコーン油、フッ素化油は極めて高価な為、混合に用いる合成油は合成炭化水素油が好ましい。
基油の40℃の動粘度は、70〜400mm2/sであり、好ましくは70〜250mm2/sである。70mm2/s未満ではハブユニット軸受用として好適なはく離寿命を満足することは出来ず、400mm2/sを超えると軸受トルクの増大を招いてしまう。通常、工作機械主軸用軸受に使用するグリースは、グリースが高速でせん断を受けた場合の抵抗を低下させるために40℃の基油動粘度を15〜40mm2/s、高くとも30〜60mm2/sに設定している。しかし、本発明のアンギュラ玉軸受用グリース組成物は、基油動粘度を、極めて高速回転で運転される工作機械主軸用軸受用グリースと比べて高い範囲に設定し、充分な油膜厚さを確保して、はく離寿命を延長させている。
本発明のグリース組成物には、本発明の所期の目的が達成される限り、必要に応じて汎用の添加剤を添加しても良い。例えば、以下に示す添加剤が挙げられる。
・酸化防止剤
アミン類;フェニルαナフチルアミン、アルキル化フェニルαナフチルアミン、アルキル化ジフェニルアミンなど
フェノール類;2、6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、ペンタエリスリチル・テトラキス[3-(3、5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3、5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどのヒンダードフェノール
キノリン系;2、2、4−トリメチル−1、2−ジヒドロキノリン重合体など
・錆止め剤
カルボン酸およびその誘導体;アルケニルコハク酸無水物、アルケニルコハク酸エステル、アルケニルコハク酸ハーフエステル
カルボン酸塩;脂肪酸、二塩基酸、ナフテン酸、ラノリン脂肪酸、アルケニルコハク酸などの金属(Ca、Ba、Mg、Al、Zn、Naなど)又はアミン塩
スルホン酸塩;スルホン酸のBa塩、Ca塩、Zn塩、Na塩など
不働態化剤;亜硝酸Na、モリブデン酸Naなど
エステル;ソルビタントリオレート、ソルビタンモノオレートなど
金属腐食防止剤;ベンゾトリアゾール又はその誘導体、酸化亜鉛など
・極圧剤
リン系化合物;トリクレジルホスフェート、トリ-2-エチルヘキシルホスフェートなど
硫黄系化合物;ジベンジルジサルファイド、各種ポリサルファイドなど
硫黄-リン系化合物;トリフェニールホスホロチオネート
有機金属系極圧剤;ジアルキルジチオリン酸のZn、Mo、Sb、Biなどの塩、ジアルキルジチオカルバミン酸のZn、Mo、Sb、Ni、Cu、Biなどの塩など
その他;無灰ジチオカーバメート、無灰ジチオフォスフェートカーバメートなど
・固体潤滑剤;二硫化モリブデン、グラファイト、PTFE、MCAなど。
これらの添加剤の含有量は汎用の量であり、通常はグリース組成物全体に対して0.2〜15.0質量%程度である。
アンギュラ玉軸受の軸受潤滑寿命を延長させる為には、深溝玉軸受に比べ、よりグリースの流入性が求められる。
リチウム石けんやリチウムコンプレックス石けんなどを増ちょう剤として使用した金属石けんグリースは、ウレアグリースに比べ、流入性に優れ、アンギュラ玉軸受の軸受潤滑寿命の長寿命化には好適である。しかし、リチウム石けんグリースの場合、耐熱性に劣る為、ハブユニット軸受用としては充分満足できるものではない。また、リチウムコンプレックス石けんの場合、リチウム石けんに比べ、耐熱性に優れ、ハブユニット軸受用として充分なアンギュラ玉軸受の軸受潤滑寿命を有する。しかし、リチウム石けんやリチウムコンプレックス石けんなどの金属石けんグリースの耐はく離性は、ウレアグリースに比べ劣り、ハブユニット軸受用として充分なはく離寿命を有することが出来ない。
本発明のグリース組成物は、40℃の動粘度が70〜400mm2/sである基油を用いることで、ハブユニット軸受に用いるシール材を著しく膨潤・収縮させずに、ハブユニット軸受用として充分なはく離寿命を有することが出来る。
本発明のグリース組成物は、アンギュラ玉軸受の軸受潤滑寿命を満足するためのグリースの流入性と耐はく離性を両立できる限定された増ちょう剤、及びハブユニット軸受用としてはく離寿命を満足する限定された動粘度を有する基油を用いることを特徴とするものである。
以下実施例及び比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1−5及び比較例1−7
下記の表1に示す処方のグリース組成物を以下に示すように調製し、これを軸受に充填しその特性を調べた。
<実施例1〜5,比較例1〜5>
基油中で原料イソシアネート(MDI:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)(TDI:トリレンジイソシアネート)1モルに対し原料アミン2モルの比率で所定量を反応させ、3本ロールミルで混和ちょう度が300となるように調整した。
<比較例6>
所定量の基油中で所定量のヒドロキシステアリン酸リチウムを混合加熱溶解し、冷却した後、3本ロールミルで混和ちょう度が300となるように調整した。
<比較例7>
所定量の基油中に所定量のヒドロキシステアリン酸を加え、ヒドロキシステアリン酸1モルに対して水酸化リチウム1水塩1モルの比率で所定量をけん化し、次に所定量のアゼライン酸を加え、アゼライン酸1モルに対して水酸化リチウム1水塩1モルの比率で所定量をけん化した。200℃まで加熱し、冷却した後、3本ロールミルで混和ちょう度が300となるように調整した。
評価試験方法
<軸受潤滑寿命試験>
軸受7206Bに試験グリースを4ml充填して、その軸受の外輪温度を150℃に保ち、荷重Fa=1500Nの条件下、6000rpmで内輪を20h運転、4h休止のサイクルで運転した。軸受の回転トルクが過大になり、過電流(3.5アンペア)を生じるまで、または軸受温度が10℃以上上昇するまでの時間を軸受潤滑寿命とした。
<はく離寿命試験>
φ15mmの軸受用鋼球を3個用意し、底面の内径36.0mm、上端部の内径31.63mm、深さ10.95mmの円筒状容器内に置き、試験グリースを20g塗布する。この3個の鋼球の上にφ5/8インチの軸受用鋼球1個を接触させ、所定の回転数で回転させると、下側の3個の鋼球は自転しながら公転する。これを鋼球面にはく離が生じるまで連続回転させる。
※はく離は、最も面圧の高い球-球間に生じる。
※寿命は、はく離が生じた時点の総回転数とする。
(試験条件)
試験鋼球:φ5/8in軸受用鋼球(回転球)、φ15mm軸受用鋼球(従動球)
試験荷重(W):400kgf(6.5Gpa)※
回転速度(n):1500rpm
試験繰り返し数:5(平均寿命:n=5の平均)
※球-球間の最大ヘルツ圧。6.5Gpaという値は、非常に高い面圧であり、油膜はかなり薄膜になっている状態である。
試験結果
耐熱性に優れる全てのウレアグリースがアンギュラ玉軸受の軸受潤滑寿命試験で長寿命であるとはいえない。アンギュラ玉軸受を用いた軸受潤滑寿命試験で長寿命なグリースは、耐熱性を有し、且つ流入性に優れるリチウムコンプレックスグリースや一般式(I)で表される特定のウレア化合物を増ちょう剤とした場合に限定される。
また、ウレアグリースははく離寿命に優れる。
ハブユニット用として適用する場合、充分なはく離寿命が必要であり、充分な油膜厚さを得るためには、充分高い基油動粘度の設定が必要である。
試験結果を表1に示す。
アンギュラ球軸受を潤滑するグリースにおいて、増ちょう剤として特定のウレア化合物を使用し、基油として充分な油膜厚さを確保できる特定の範囲の動粘度を有する基油を使用した実施例1−5のグリースは、十分に長い軸受潤滑寿命とはく離寿命を有する。
これに対して、増ちょう剤として芳香族ジウレア化合物を使用した比較例1及び2、芳香族脂環族ジウレア化合物を使用した比較例3及び4、及び、動粘度が40mm2/sの基油を使用した比較例5では、軸受潤滑寿命が極めて短く、またはく離寿命も本発明の実施例と比較して同等以下であった。
また、増ちょう剤としてリチウム石けんを使用した比較例6では、軸受潤滑寿命及びはく離寿命が極めて短かく、増ちょう剤としてリチウムコンプレックス石けんを使用した比較例7では、軸受潤滑寿命は長いが、はく離寿命が極めて短い。
Figure 0005756587

Claims (6)

  1. 基油と増ちょう剤を含むアンギュラ玉軸受用グリース組成物であって、
    基油が、鉱油、炭化水素系合成油、又はこれらの混合油であり、基油の40℃の動粘度が70〜400mm2/sであり、
    増ちょう剤が、ジイソシアネートに、炭素数8〜22の直鎖または分岐アルキルアミンとシクロヘキシルアミンを反応させることにより合成される、次の一般式(I)で表されるジウレア化合物を含むことを特徴とするアンギュラ玉軸受用グリース組成物。
    一般式(I):R1-NHCONH−R2−NHCONH−R3
    式中、R2は炭素数6〜15の2価の芳香族炭化水素基、R1およびR3は同一または異なっていても良く、シクロヘキシル基、または炭素数8〜22の直鎖または分岐アルキル基を示し、シクロヘキシル基と炭素数8〜22の直鎖または分岐アルキル基の総モル数に対する炭素数8〜22の直鎖または分岐アルキル基のモル数の割合は5〜40%である。
  2. 炭化水素系合成油が、ポリαオレフィンであることを特徴とする請求項1記載のグリース組成物。
  3. アンギュラ玉軸受がゴムシールでシールされた軸受であることを特徴とする請求項1又は2記載のグリース組成物。
  4. アンギュラ玉軸受が自動車ハブユニット用軸受である請求項1又は2記載のグリース組成物。
  5. 請求項1又は2記載のグリース組成物を封入したアンギュラ玉軸受。
  6. 請求項5記載のアンギュラ玉軸受を使用した自動車ハブユニット。
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