JP5755573B2 - オフセット印刷用新聞用紙の製造方法 - Google Patents

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低坪量であるにもかかわらず印刷時の裏抜けが良好で白抜けが少なく、断紙やフェルト交換の手間が少なく生産性が良好なオフセット印刷用新聞用紙に関する。
新聞用紙は段階的に軽量化が進行し、現在は一部の大手ユーザーで40.5g/mの超々軽量新聞が使用されている。また、タワープレス印刷機の登場により両面カラー印刷も可能になったことから、ここ数年はカラー面の増加が急激に進み、近い将来は半分近くのページがカラー面となることも予想される。
このような背景から、新聞用紙の品質に対する要求は年々高くなっているが、特に、裏抜け(印刷時の不透明度: 印刷時に反対面の文字や絵柄が透けて見える現象)や白抜け(紙に付着した異物により印刷物ベタ部が、異物の形状で白く抜けた状態になる現象)に対する要求は高い。
紙の裏抜けを改善するためにはいくつかの方法があるが、比散乱係数の高い(光を通しにくい)パルプや填料を使用することが最も効果的である。パルプにおいて、比散乱係数が高いのはメカニカルパルプであるが、最近の脱墨パルプ(DIP)の高配合化によってその配合量は減少する傾向にあり、パルプ配合から裏抜けを上昇させることは困難な状況になっている。そのため、紙の不透明度を向上させるためには、繊維分よりも比散乱係数の大きい填料の割合を多くすることが有効であり、これまで紙中填料の含有率を向上させることが試みられてきた。
一方で、通常、新聞用紙の紙中填料を多く増加させていくと、品質面および操業面に様々な影響が生じる。このうち、抄紙機のプレスパートにおいては、紙中填料の増加によりフェルトが磨耗や脱毛により劣化し、断紙の誘発やフェルトの命数(耐用期間)の短縮などの原因となっており、生産性が低下することが問題となっている。また、フェルトの脱毛は白抜けも引き起こす。さらに、近年のユーザーからの軽量化の要望に対応することにより、紙の引張り強度や引裂き強度が低下することから断紙の発生頻度は増してきており、新聞用紙生産マシンの生産効率の向上技術が近年ますます注目されている。
フェルトの劣化対策として、低融点樹脂繊維を溶融させて糸層と不織シートを固着させたフェルト(特許文献1)を使用する方法などが提案されている。しかし、これらを使用することでフェルトの劣化をある程度遅らせることはできるものの、生産性を大幅に改善することは困難であった。また、軽量品の断紙対策として紙力剤を増添する方法もあるが、コストアップとなるため、断紙等による操業性低下を効果的に抑制することは困難であった。
特開2010−159519号公報
以上のような状況に鑑み、本発明の課題は、低坪量であるにもかかわらずオフセット印刷時の裏抜け、白抜けが良好で、かつ断紙やフェルトの命数の短縮が少なく生産性が良好なオフセット印刷用新聞用紙の製造技術を提供することにある。
本発明者らは、抄紙機のプレスパートにおいて、フェルトの洗浄装置として組み込まれているサクションボックスのリップを窒化珪素製とするとともに、フェルト洗浄用高圧シャワーを特定の設定条件で使用することにより、オフセット印刷時の裏抜けや白抜けが良好な低坪量の新聞用紙を効率良く生産できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は、これに限定されるものではないが、以下の発明を包含する。
(1) 坪量が41g/m以下、灰分が10〜30質量%であるオフセット印刷用新聞用紙の製造方法であって、リップが窒化珪素製であるフェルトサクションボックスをフェルト1つあたり2機以上と、前記フェルトサクションボックスに対してフェルト流れ方向手前にフェルト洗浄用シャワーとを、プレスパートに少なくとも有する抄紙機を用いて、フェルトを洗浄しながら紙料から紙を抄造することを含み、フェルト洗浄用シャワーのノズル径を0.4〜0.8mm、各ノズルの設置間隔を300mm以下、吐出圧を0.4〜3.0MPaとする、上記方法。
(2) 紙の絶乾重量あたり炭酸カルシウムを5〜30質量%含有する、(1)に記載の方法。
(3) 全パルプ固形分に対して脱墨パルプを40〜100質量%使用する、(1)または(2)に記載の方法。
(4) 坪量が40g/m以下である、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5) (1)〜(4)のいずれかに記載の方法により製造されたオフセット印刷用新聞用紙。
本発明によれば、低坪量であるにもかかわらず、オフセット印刷時の裏抜け、白抜けが良好な新聞用紙を得ることができる。また、本発明によれば、抄紙機のプレスパートにおいて、フェルト洗浄用高圧シャワーのノズルの詰まり、フェルトの摩耗・脱毛による断紙、フェルトの命数の短縮が少なく、オフセット印刷用新聞用紙を生産性良く製造することができる。
本発明の一態様におけるフェルトサクションボックスとフェルト洗浄用高圧シャワーとを有する抄紙機プレスパートの概略図である。 図2は、本発明の一態様におけるフェルト洗浄用シャワーを示す概略図である。 図3は、本発明の一態様におけるフェルトサクションボックスを示す概略図である。
1.オフセット印刷用新聞用紙
本発明で得られるオフセット印刷用新聞用紙は、坪量が41g/m以下の低坪量なものであり、さらには、本発明によれば、坪量が40g/m以下という未だかつてない超低坪量の範囲であっても、裏抜けが良好な新聞用紙を生産性良く製造することができる。坪量の下限は特に制限されないが、本発明によれば坪量が30g/m程度の新聞用紙を製造することも可能である。
紙中填料の含有率は、用紙中に含有される灰分として10〜30質量%であり、好ましくは12〜25%、更に好ましくは14〜20%である。本発明で原紙に含有される填料としては、抄紙時に、用紙中に含有される灰分が上記の範囲となるように添加することが重要である。用紙中の灰分を10〜30質量%とすることにより、坪量40g/m以下の超低坪量においても印刷時の裏抜け防止効果が高く、高品質なオフセット印刷用新聞用紙を得ることができる。用紙中に含有される灰分が10%以下の場合、オフセット印刷時の裏抜け防止効果が低く、30%以上の場合は用紙の引張り強度や引裂き強度が顕著に低下し、断紙が多発する。
填料の種類は、炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、イライト、酸化チタンなど一般的に製紙用内添填料として使用されているものであれば何れのものでも構わないが、白色度、不透明度を向上し、安価である炭酸カルシウムの使用が望ましい。炭酸カルシウムとしては、白色度、不透明度の向上の他、原紙中での均一な填料分布が得られることから、針状またはロゼッタ型の軽質炭酸カルシウムが望ましい。炭酸カルシウムの含有量としては、紙絶乾重量当たり5〜30質量%が好ましい。
本発明で製造されるオフセット印刷用新聞用紙のパルプ原料としては、特に限定されるものではなく、グランドパルプ(GP) 、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、脱墨パルプ(DIP)、針葉樹クラフトパルプ(NKP)など、一般的に抄紙原料として使用されているものであればよい。中でも、省資源の観点から脱墨パルプの使用が好ましく、脱墨パルプを全パルプ固形分に対し40〜100質量%使用することが望ましく、50〜100質量%使用することがより望ましい。
また、内添薬品として、ポリアクリルアミド、カチオン化澱粉などの乾燥紙力増強剤、ポリアミドアミンエピクロロヒドリン樹脂などの湿潤紙力増強剤、硫酸バンド、内添サイズ剤、歩留向上剤、濾水性向上剤、着色剤、染料、消泡剤等を添加してもよい。
本発明の抄紙系は、炭酸カルシウムを比較的多く利用する観点から、中性紙であることが好ましい。具体的には、紙面pHが6.0〜9.0であることが好ましく、7.0〜8.0であることがより好ましい。
本発明では、原紙上にクリア塗工剤を塗工してもよい。本発明で使用するクリア塗工剤は、澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、カチオン化澱粉、酵素変性澱粉、アルデヒド化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉などの変性澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコールなどの変性アルコール、スチレン・ブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル− 酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミドなどから選ばれ、接着剤を含む水溶液、または水性ラテックスの状態で塗工される。また、スチレン・アクリル酸系共重合体、スチレン・マレイン酸酸系共重合体、オレフィン系化合物、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、アルキル(メタ)アクリレート系化合物等の表面サイズ剤を同時に塗工してもよい。クリア塗工剤を塗工する装置は、公用の物であれば良く、特に限定はないが、新聞抄紙機ではゲートロールサイズプレスが一般的であり好ましい。
また、本発明では、原紙上に顔料を含有する塗工層を設けてもよい。顔料としてはカオリン、クレー、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイト等の無機顔料;プラスチックピグメント等の有機顔料を適宜選択して使用できる。接着剤としてはスチレン・ブタジエン系ラテックス、ポリビニルアルコール等の合成接着剤;澱粉類、セルロース誘導体等を便宜選択して使用できる。顔料と接着剤の割合は公用の範囲で行えばよく特に限定はない。塗工装置としては、ブレードコーター、バーコーター、エアナイフコーター、リバースロールコーター、カーテンコーター、ロッドメタリングサイズプレスコーター、ゲートロールコーター等を使用できる。
2.オフセット印刷用新聞用紙の製造方法
本発明のオフセット印刷用新聞用紙を抄造するために用いられる抄紙機は、両面脱水機構を有しているギャップフォーマー型抄紙機、ハイブリッドフォーマー型抄紙機、オントップフォーマー型抄紙機などが望ましいが、これらに限定されるものではない。
本発明においては抄紙機プレスパートのフェルト洗浄ユニットの設定条件が重要である。一般に紙は、ヘッドボックスから噴射された紙料がワイヤーパートで脱水されて湿紙を形成し、その湿紙がプレスパートでさらに搾水され、次いでドライヤーパートで乾燥されることによって製造される。ここで、抄紙機のプレスパートでは、ワイヤーパートから送られてきた湿紙が、プレスロールによりフェルトを介して連続的に搾水されることにより、湿紙が脱水される。プレスパートでは、フェルトを介して湿紙の搾水を行うため、脱水はフェルトの搾水性に大きく依存しており、フェルトに汚れが付着していると湿紙の搾水性が悪化し、続くドライヤーパート(乾燥工程)での乾燥に要するエネルギーが増大したり、紙切れを起こす原因となる。特に本発明では、41g/m以下の低坪量においても裏抜けが良好なオフセット印刷用紙を得るために、用紙中の灰分を高配合(10〜30質量%)するため、抄紙機のプレスパートで湿紙から水分を搾水する工程において、湿紙からフェルトに水分とともに填料も多く移行し、これによりフェルトの劣化が促進し、断紙発生頻度が高くなることやフェルト交換頻度が増し、生産性が低下する原因となる。
そこで、本発明では、湿紙脱水中にフェルト中に取り込まれた填料や繊維などの異物を取り除くためにフェルト洗浄用シャワーを設置する。フェルト洗浄用シャワーは、複数のノズルから構成され、ノズルからフェルトへ洗浄水が吐出される。本発明においては、フェルト洗浄用シャワーから洗浄水がフェルトに吐出され、フェルト洗浄用シャワーの下流に位置するフェルトサクションボックスを用いて、フェルトに吸収された洗浄水を異物とともにフェルトから吸引、搾水して、フェルトを洗浄する。ここで、フェルトサクションボックスにおいては、リップ(部)がフェルトに接触して搾水が行われることになる。例えば特開2004−131878号公報には、表面にアルミナーチタニア系または酸化クロム系の溶射被膜を有するリップが記載されている。
特に本発明においては、フェルト洗浄用シャワーのノズル径を0.4〜1.0mm、各ノズルの設置間隔を300mm以下、吐出圧を3.0MPa以下とし、かつフェルトサクションボックスにおいて、リップの素材を硬度が高い窒化珪素製とし、フェルトサクションボックスを、1つのフェルトあたり2台以上、流れ方向に直列的に設置することにより、フェルトの脱毛、磨耗等の劣化を抑制しつつ、効率的にフェルトの汚れを洗浄できることを見出した。
本発明において、フェルト洗浄用シャワーのノズル径、ノズル間の間隔、シャワー吐出圧は上記の範囲内であれば自由に設定してもかまわないが、ノズル径を0.4mmより小さくするとノズル詰まりを発生しやすくなる。ノズルがフェルトの幅方向に複数配置されてフェルト洗浄用シャワーを構成するが、ノズルの設置間隔を300mmより広くすると、洗浄効果が低下し、フェルトの劣化が激しくなる。
また本発明において、フェルト洗浄用シャワーからの洗浄水の吐出圧は0.4〜3.0MPaである。フェルト洗浄用シャワーの吐出圧を3.0MPaより高く設定すると、フェルト洗浄効果は高くなるもののフェルトの劣化が激しくなり、0.4MPaより低くすると洗浄性が低下し、いずれでも生産性が低下する。フェルト高圧洗浄シャワーの吐出圧は、好ましくは0.4〜2.0MPa、より好ましくは0.4〜1.5MPa、さらに好ましくは0.4〜1.0MPaである。なお、フェルト洗浄用高圧シャワーとして、最大5MPa程度の圧力で吐出が可能なものがある。
さらに本発明では、フェルトサクションボックスのリップとして、窒化珪素製のリップを用いる。フェルトサクションボックスのリップ素材を窒化珪素以外のアルミナやSUSなどにすると、硬度が低いためリップ表面の磨耗の進捗が早く、フェルトの磨耗や脱毛、脱水不良、断紙の原因となる。また、窒化珪素製リップを有するフェルトサクションボックスは、1つのフェルトあたり2台以上を、流れ方向に設置する。フェルトサクションボックスが1台だけであると、フェルトからの搾水にムラが生じ、これが湿紙に接した時に断紙の原因となるためである。
本発明において、フェルト洗浄用シャワーは、フェルトサクションボックスに対してフェルト流れ方向手前(上流側)に位置する。フェルト洗浄用シャワーは1機以上設置し、フェルトの同じ面側に複数機設けてもよいし、フェルトを挟んで異なる面側にそれぞれ設けてもよい。また、シャワーする洗浄水には洗浄剤を混合してもよい。
本発明において、抄紙速度は特に制限されないが、本発明は700m/分以上の高速抄紙、さらには1500m/分以上の高速抄紙にも適用可能である。なお、抄紙機は今後も高速化が進むと予想されるが、本発明の効果が得られる限り抄紙速度の上限は制限されない。
また、本発明のオフセット印刷用新聞用紙は、表面にカレンダー処理を施すこともできる。カレンダー装置の種類と処理条件は特に限定はなく、金属ロールから成る通常のカレンダーやソフトニップカレンダー、高温ソフトニップカレンダーなどの公用の装置を適宜選定し、品質目標値に応じて条件を設定すればよい。
以下、本発明を実施例及び比較例をあげてより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の%は特に断りのない限り質量%を示す。
以下の実施例及び比較例で得られたオフセット印刷用新聞用紙について、下記の方法にて不透明度、灰分、裏抜け、白抜けを評価した。生産性の指標としては、フェルト高圧洗浄シャワーのノズル詰まり、断紙発生頻度およびフェルトの命数を評価した。また、紙を製造するための紙料費を評価した。
<紙中灰分測定方法>
紙中灰分は、JIS P8251:2003に準拠して灼熱温度を525℃で紙中の全灰分を測定した。なお、灼熱温度525℃の灰分と灼熱温度900℃の灰分を測定し、その結果から全灰分中に占める炭酸カルシウム分の量を算出した。
<不透明度>
JIS P8149:2000に準拠し測定した。
<裏抜けの評価方法>
裏抜けは東芝オフセット輪転機を用い、印刷速度900rpmで墨単色印刷を行い、6万部印刷時の墨ベタ面の裏面の白さを白紙と比較し、目視で全く差が認められないものを◎、ほとんど差が認められないものを○、やや差があるものを△、極めて差があるものを×、として4段階で評価した。
<フェルト脱毛由来の白抜けの評価方法>
白抜けは東芝オフセット輪転機を用い、印刷速度900rpmで墨単色印刷を行い、6万部印刷時の墨ベタ面の目視し、フェルト脱毛由来の白抜けが全く認められないものを◎、ほとんど見られないものを○、やや多いものを△、極めて多いものを×、として4段階で評価した。
<フェルト高圧洗浄シャワーのノズル詰まり、断紙発生頻度、フェルトの命数>
◎:かなり良い、○:良い、△:やや悪い、×:悪い、として4段階で評価した。
<紙を製造するための紙料費>
1mあたりの紙料費に換算し、◎:かなり良い、○:良い、△:やや悪い、×:悪い、として4段階で評価した。
[実施例1]
製紙用原料パルプとして、新聞脱墨パルプ(ろ水度120ml、以下DIPと略す。)、サーモメカニカルパルプ(ろ水度100ml、以下TMPと略す。)、針葉樹クラフトパルプ(ろ水度520ml、以下NKPと略す。)を50:30:20の配合比で混合したパルプスラリーに、填料として、レーザー回折法で測定した粒子径が2.1μmの軽質炭酸カルシウムを紙絶乾重量当たりの灰分が15%となるように添加し、ギャップフォーマー型抄紙機を用いて、抄速900m/分で、坪量39.2g/mの新聞用紙原紙を抄造し、さらにオンマシンのサイズプレスコーターでクリア塗工剤として酸化澱粉(商品名:SK−20、日本コーンスターチ製)を塗工量が両面合計で0.8g/mとなるように塗工した後、ロール温度100℃の高温ソフトニップカレンダーにて表面処理し、坪量が40.0g/mのオフセット印刷用新聞用紙を製造した。
図1に、抄紙機のプレスパートにおける洗浄ユニットの設置位置を示す。フェルト1つあたり、フェルト洗浄用シャワーを1機、その下流にフェルトサクションボックスを2機配置した。図2にフェルトサクションボックスの概略図を示すが、リップは窒化珪素製とした。図3に示すように、フェルト洗浄用シャワーは複数のノズルから構成され、ノズル径、ノズル間隔、吐出圧は、順に、0.7mm、200mm、1.0MPaとした。
このような抄紙機を用いて、フェルト洗浄用シャワーから洗浄水をフェルトに噴射し、フェルトサクションボックスによって洗浄水を異物とともにフェルトから吸引、搾水して、フェルトを洗浄しつつ、紙料から紙を抄造した。
製造したオフセット印刷用新聞用紙について不透明度、灰分を測定し、オフセット輪転機による印刷試験で裏抜けの評価を行い、結果を表1に示した。
[実施例2]
填料として粒径2.1μmの軽質炭酸カルシウムを紙絶乾重量当たりの灰分が10%となるように添加した以外は、実施例1と同様の方法でオフセット印刷用新聞用紙を得た。
[実施例3]
填料として粒径2.1μmの軽質炭酸カルシウムを紙絶乾重量当たりの灰分が25%となるように添加した以外は、実施例1と同様の方法でオフセット印刷用新聞用紙を得た。
[実施例4]
坪量37.7g/mの新聞用紙原紙を抄造した以外は、実施例1と同様の方法でオフセット印刷用新聞用紙を得た。
[実施例5]
坪量36.2g/mの新聞用紙原紙を抄造した以外は、実施例1と同様の方法でオフセット印刷用新聞用紙を得た。
[実施例6]
坪量34.2g/mの新聞用紙原紙を抄造した以外は、実施例1と同様の方法でオフセット印刷用新聞用紙を得た。
[比較例1]
填料として粒径2.1μmの軽質炭酸カルシウムを紙絶乾重量当たりの灰分が5%となるように添加し、坪量42.0g/mの新聞用紙原紙を抄造した以外は、実施例1と同様の方法でオフセット印刷用新聞用紙を得た。
[比較例2]
填料として粒径2.1μmの軽質炭酸カルシウムを紙絶乾重量当たりの灰分が5%となるように添加した以外は、実施例1と同様の方法でオフセット印刷用新聞用紙を得た。
[比較例3]
フェルトサクションボックスのリップをアルミナ製とした以外は、実施例1と同様の方法でオフセット印刷用新聞用紙を得た。
[比較例4]
フェルト高圧洗浄シャワーのノズル径を0.3mmとした以外は、実施例1と同様の方法でオフセット印刷用新聞用紙を得た。
[比較例5]
フェルト高圧洗浄シャワーのノズル間隔を400mmとした以外は、実施例1と同様の方法でオフセット印刷用新聞用紙を得た。
[比較例6]
フェルト高圧洗浄シャワーの吐出圧を4.0MPaとした以外は、実施例1と同様の方法でオフセット印刷用新聞用紙を得た。
[比較例7]
フェルト高圧洗浄シャワーの吐出圧を0.2MPaとした以外は、実施例1と同様の方法でオフセット印刷用新聞用紙を得た。
[比較例8]
フェルト高圧洗浄シャワーの台数を1台とした以外は、実施例1と同様の方法でオフセット印刷用新聞用紙を得た。
Figure 0005755573
表1に示されるように、実施例1〜6は低坪量であるにもかかわらず裏抜けが高坪量品の比較例1と同等のレベルであり、生産性も良好であることがわかる。これに対し、低坪量で灰分の低い比較例2は裏抜けや紙料費の面で劣り、プレスパートでの操業条件が本発明と異なる比較例3〜8は、白抜けや生産性に劣ることがわかる。
1:フェルトサクションボックス、2:フェルト洗浄高圧シャワー、3:ワイヤー、4:フェルト、5:ピックアップロール、6:1P(第1プレス)トップロール、7:1P(第2プレス)ボトムロール、8:センターロール、9:2P(第2プレス)グルーブドロール、10:3P(第3プレス)グルーブドロール、11:4P(第4プレス)トップロール、12:4P(第4プレス)ボトムロール

Claims (5)

  1. 坪量が41g/m以下、灰分が10〜30質量%であるオフセット印刷用新聞用紙の製造方法であって、
    リップが窒化珪素製であるフェルトサクションボックスをフェルト1つあたり2機以上と、前記フェルトサクションボックスに対してフェルト流れ方向手前にフェルト洗浄用シャワーとを、プレスパートに少なくとも有する抄紙機を用いて、フェルトを洗浄しながら紙料から紙を抄造することを含み、
    フェルト洗浄用シャワーのノズル径を0.4〜0.8mm、各ノズルの設置間隔を300mm以下、吐出圧を0.4〜3.0MPaとする、上記方法。
  2. 紙の絶乾重量あたり炭酸カルシウムを5〜30質量%含有する、請求項1に記載の方法。
  3. 全パルプ固形分に対して脱墨パルプを40〜100質量%使用する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 坪量が40g/m以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の方法により製造されたオフセット印刷用新聞用紙。
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