JP5303173B2 - 古紙高配合紙 - Google Patents

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Description

本発明は、脱墨パルプなどの微細繊維を多く含むパルプを使用して抄紙した紙およびその製造方法に関するものである。
環境保全や省資源、リサイクルの観点から、古紙の利用が飛躍的に増加しており、古紙パルプを使用した再生紙についても、その生産量が増加している。一方で、古紙パルプの再生には、回収古紙を離解、脱墨、漂白する必要があり、離解工程や脱墨工程では繊維に機械的な圧力が加わり、漂白工程では漂白薬品によりパルプ繊維が傷むなど、古紙再生パルプは、木材から生産した化学パルプに比べて繊維強度が弱く、微細繊維が多くなっている。繊維強度が弱い場合には、得られる紙の強度や剛性が劣り、微細繊維が多い場合には、紙に歩留るパルプ繊維が少なく、回収資源が有効に利用できないだけでなく、歩留らなかった微細繊維が抄紙機内部に堆積し、異物欠陥となって紙品質を低下する問題がある。また、上記工程を経ても、脱墨パルプからインキ成分を完全に除去することは困難であり、除去しきれなかったインキ成分が凝集し、異物欠陥を形成する問題もある。
微細繊維の歩留りを向上させるには、微細繊維をパルプ繊維に吸着させる必要がある。微細繊維、パルプ繊維はともにアニオン性であるため、一般には、カチオン性の高分子化合物や、硫酸バンドなどのカチオン性無機薬品を、凝結剤として添加している。しかし微細繊維の歩留りが良すぎると、逆に微細繊維が一カ所に集まりすぎて塊状となった凝集塊が発生するという問題もあった。
特許文献1には、古紙を原料とする再生パルプのスラリーに、予めカチオン性アクリルアミド系ポリマーを添加する紙の製造方法が開示されているが、アクリルアミド系ポリマーは凝集作用が強く、微細繊維の歩留り低下に起因する異物欠陥の発生は防止できても、凝集塊や、除去しきれなかったインキ成分(残インキ)の凝集に起因する異物欠陥の発生を防止できない。
また、特許文献2には、水溶性カチオン性高分子副ポリマー、水溶性カチオン性高分子主ポリマー、アニオン性有機高分子微粒子を添加し、微細繊維の多い紙料であっても、異物欠陥の少ない紙を製造する方法が開示されているが、この方法では3種類の高分子を使用する必要があり、通常の凝集剤および凝結剤の2種類で製造する方法に比べて変動要因が多く、安定操業が難しいだけでなく、購入薬品の増加によるコストアップは避けられない。また、開示されている水溶性カチオン性高分子主ポリマーは、アクリルアミドを主成分としたものであり、水溶性カチオン性高分子副ポリマーは、ジメチルジアリルアンモニウムの重合体或いはアクリルアミドとの共重合体、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物の重合体或いはアクリルアミドとの共重合体であり、いずれも凝集効果が強いため、微細繊維の歩留りの向上に起因する、異物欠陥の発生を抑制する効果は高いが、凝集しすぎて凝集塊が発生する問題や、残インキの凝集に起因する異物欠陥が発生する問題がある。
このように、微細繊維の歩留りを向上させて異物欠陥の発生を防止しつつ、微細繊維を過度に凝集させずに凝集塊の発生を防止し、残インキの凝集をも防止した紙を製造する方法は、未だ得られていなかった。
特開平5−9892号公報 特開2005−54311公報
本発明が解決しようとする主たる課題は、古紙などの微細繊維を多く含むパルプを使用しても、微細繊維の歩留りの低下による異物欠陥の発生や、歩留り向上による凝集塊の発生および残インキの凝集に起因する異物欠陥の発生を抑制した紙を提供することにある。
この課題を解決した本発明は、次のとおりである。
(1)パルプに凝結剤が内添された紙であって、前記凝結剤が、異なる2種類以上のポリマー成分をグラフト重合して得られる凝結剤であることを特徴とする、紙。
(2)前記ポリマー成分が、ポリエチレンイミン、ポリアミン、ポリダドマック及びポリアクリルアミドからなる群から選ばれることを特徴とする、前記(1)に記載の紙。
(3)前記凝結剤の形状が、樹形図状であることを特徴とする、前記(1)または(2)に記載の紙。
(4)前記凝結剤の分子量が50万〜300万であり、電荷密度が、10〜25meq/gであることを特徴とする、請求項(1)〜(3)いずれかに記載の紙。
(5)前記パルプにおいて、全パルプの70質量%以上が、雑誌古紙又はチラシ古紙から再生した脱墨パルプ(MDIP)であることを特徴とする、前記(1)〜(4)いずれかに記載の紙。
(6)前記凝結剤に加えて、凝集剤として、分子量が1200万〜1600万であり、電荷密度が1〜10meq/gであるポリアクリルアミドをさらに含有することを特徴とする、前記(1)〜(5)いずれかに記載の紙。
本発明によると、古紙などの微細繊維を多く含むパルプを使用しても、微細繊維の歩留りの低下による異物欠陥の発生や、歩留り向上による凝集塊の発生および残インキの凝集に起因する異物欠陥の発生が抑制されるため、見栄えが良い印刷物が得られる紙となる。
次に、本発明の実施の形態を説明する。
(本発明の概要)
本発明では、凝結剤として特定の成分を有する高分子を使用することで、微細繊維を多く含む古紙パルプを使用しても、微細繊維の歩留り低下による異物欠陥の発生、微細繊維の歩留り向上による凝集塊の発生、残インキの凝集による異物欠陥の発生を抑制できるものである。さらには、特定の凝集剤の存在下で抄紙することにより、更に異物欠陥、凝集塊の発生を抑制するものである。
(本発明の具体的形態)
次に、本発明の実施の形態を、塗工紙の場合を例に説明する。
〔パルプ〕
本発明で用いる古紙パルプとしては、例えば、雑誌古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、新聞古紙、上白古紙等から製造される離解・脱墨古紙パルプ、離解・脱墨・漂白古紙パルプ等が挙げられ、環境保護の観点から、これら古紙パルプを多く配合することが好ましい。
この中でも、雑誌古紙やチラシ古紙を離解・脱墨して得られるパルプ(MDIP)を使用すると、後述する凝結剤および凝集剤による、残インキの凝集作用を防止しやすく、見栄えの良い印刷物が得られる紙となるため好ましい。本発明を用いると、MDIPのみならず、新聞古紙からなる脱墨パルプ(NDIP)を使用しても同様の効果が得られるが、雑誌やチラシに用いられるインキは、新聞と比べて、低濃度、高粘度であるため、残インキの凝集作用により、異物欠陥が増加しやすい傾向にある。このため、特に雑誌古紙やチラシ古紙を離解・脱墨して得られるパルプ(MDIP)を用いた場合において、従来の方法よりも、特段に異物欠陥の発生を抑制する効果が高くなる。
古紙パルプの配合率はパルプ総量のうち70質量%以上が好ましく、90質量%以上が更に好ましく、100質量%が特に好ましい。古紙を高配合した紙を抄造する際には、微細繊維の歩留り低下による異物欠陥の発生や、歩留りの向上に起因する凝集塊の発生、残インキの凝集に起因する異物欠陥の発生が問題となるが、本発明においては、特定の凝結剤を用いるため、これらの問題が発生しにくくなる。逆に古紙パルプ以外のパルプ(化学パルプや機械パルプなど)を用いた場合は、微細繊維の割合が低いため、系内が陽転しやすくなり、後述する各種製紙助剤の効果が得られ難くなるため、凝結剤の添加量を低減する必要があり、凝集塊が発生しやすいため好ましくない。
古紙以外に用いるパルプは、種類が特に限定されず、例えば、化学パルプ、機械パルプ、またはこれら以外のパルプも使用することができ、これらの中から一種又は二種以上を適宜選択して使用することができる。
化学パルプとしては、例えば、未晒針葉樹パルプ(NUKP)、未晒広葉樹パルプ(LUKP)、晒針葉樹パルプ(NBKP)、晒広葉樹パルプ(LBKP)等を使用することができる。
機械パルプとしては、例えば、ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、グランドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、リファイナーメカニカルパルプ(RMP)等が挙げられる。
また、木綿、アマ、麻、黄麻、マニラ麻、ラミー等を原料とするぼろパルプ、わらパルプ、エスパルトパルプ、バガスパルプ、竹パルプ、ケナフパルプ等の茎稈パルプ、靭皮パルプ等の補助パルプなどを使用しても良い。
〔調成工程〕
上記パルプは調成工程において、凝結剤や紙力向上剤等の各種薬品が添加され、所定の品質に加工され、抄紙機に送られる。
<フリーネス>
古紙パルプのフリーネスは、280cc〜380ccが好ましく、300cc〜340ccがより好ましい。280cc未満では叩解が進みすぎて微細繊維が多くなり、微細繊維の歩留りが悪化し、また、380ccを超過しても、濾水が速いために微細繊維が歩留りにくく、抄紙機内部を汚して異物欠陥が発生しやすくなる。
化学パルプのフリーネスについても同様の理由で、380cc〜480ccが好ましく、400cc〜440ccがより好ましい。機械パルプのフリーネスについても同様の理由で、100cc〜150ccが好ましく、120cc〜150ccがより好ましい。
<凝結剤>
本形態においては、微細繊維をパルプ繊維に効果的に吸着させるため、凝結剤を添加する。凝結剤の種類としては、2種類以上のポリマー成分をグラフト重合して得られる凝結剤である必要がある。前記ポリマー成分としては、例えば、ポリアクリルアミド(PAM)、ポリビニルアミン(PVAm)、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(ポリダドマック、PDADMAC)、ポリアミン(PAm)、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリル酸塩、メタクリル酸塩等があげられる。これらの中でも、ポリエチレンイミン、ポリアミン、ポリダドマック、ポリアクリルアミドからなる群から選ばれる2種類以上のポリマー成分をグラフト重合して得られる凝結剤が好ましい。更に好ましくはポリエチレンイミンを主鎖とし、ポリアミン、又はポリダドマックをグラフト鎖としたものであり、特に好ましくはポリアミンをグラフト鎖としたものである。これらの構造の凝結剤を用いることにより、微細繊維の歩留りを向上させつつ、凝集塊の発生を効果的に抑制し、かつ、残インキ由来の異物欠陥の発生をも効果的に防止できる。
また、2種類以上のポリマー成分の重合状態は、2種類以上の成分が交互に、またはランダムに入り混じったランダム共重合体とするのは好ましくない。ランダム共重合体では、各成分の特性が組み合わさって均一な凝集性能を示すため、従来の一種類の成分からなる凝結剤と同様に、微細繊維の歩留り向上、凝集塊の発生抑制、残インキの凝集防止の全てを満足させることができない。凝集能力を有する主鎖に対し、同じく凝集能力を有するグラフト鎖をグラフト重合することで、微細繊維の歩留り向上と、凝集塊の発生抑制と、残インキの凝集抑制の全てを満足する凝結剤が得られる。
前記凝結剤の形状は、主鎖に対して複数本のグラフト鎖がグラフト重合した直鎖状であっても良く、主鎖に結合したグラフト鎖に更に、グラフト鎖成分や主鎖成分がグラフト重合した樹形図状(枝葉状)であっても良く、主鎖に結合したグラフト鎖同士が架橋した網目状であっても良く、主鎖あるいはグラフト鎖の一部が結晶化したミセル状であっても良い。より好ましくは、効率よく微細繊維をパルプ繊維に吸着でき、異物欠陥の発生が少なく、凝集塊の発生が少なく、残インキの凝集作用の少ない、網目状または樹形図状であり、最も好ましくは樹形図状である。
主鎖に対するグラフト鎖の割合は、構造や分子量によって異なるが、概ね5〜70質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましい。5質量%を下回ると、異物欠陥の発生を抑制する効果が少なくなり、70質量%を上回ると、グラフト鎖が大きく凝集能力が増加しすぎて、凝集塊や残インキの凝集が発生しやすくなるため好ましくない。
前記凝結剤の分子量は、50万〜300万が好ましく、100万〜200万が好ましい。分子量が50万を下回ると、微細繊維の歩留りが低下し、得られる紙の密度が低下するため、紙の剛性が低下する。分子量が300万を超過すると、微細繊維の周囲に凝結剤が集中し、凝集塊や残インキ由来の異物欠陥が発生しやすくなる。尚、本発明で言う分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー法(GPC法)によって測定した重量平均分子量を言う。
前記凝結剤は正電荷(カチオン性)であることが好ましい。電荷密度は、10〜25meq/gが好ましく、15〜20meq/gが更に好ましい。25meq/gを超過すると、微細繊維やアニオントラッシュを集めて異物化し易く、10meq/gを下回ると、微細繊維やアニオントラッシュを集め難く、紙表面が粗くなり、得られる紙の印刷適性が低下する。尚、本発明の電荷密度は、規定液にアニオン性高分子を用いたコロイド滴定法によって測定した。
前記凝結剤の添加量は、パルプ総量に対して0.01〜0.15質量%が好ましく、0.03〜0.10質量%が更に好ましい。0.15質量%を超過すると、微細繊維の周囲に凝結剤が集中しやすく、異物欠陥が増加するため好ましくなく、0.01質量%を下回ると、微細繊維の歩留りが低下し、得られる紙の密度が低下し、剛性が低下する。
本発明では、2種類以上のポリマー成分をグラフト重合した凝結剤を用いることにより、微細繊維の多いパルプを使用した場合においても、異物欠陥と凝集塊の発生を抑制できるが、更に、主鎖とグラフト鎖の割合や、得られたグラフト重合体の分子構造、分子量、電荷密度を規定し、添加量を最適化することで、本発明の目的である、異物欠陥と凝集塊の発生を効果的に抑制できる。
<凝集剤>
本形態においては、前記凝結剤を添加した後、さらに当該パルプの調製段階に続く抄紙工程前段で、特定の凝集剤を添加することにより、更に優れた、微細繊維の歩留り向上による異物欠陥の発生防止効果、凝集塊の発生抑制効果、残インキの凝集防止効果を達成できる。凝集剤の成分としては、ベントナイトやコロイダルシリカなどの無機凝集剤、ポリアクリルアミド(PAM)、ポリビニルアミン(PVAm)、ポリアミン(PAm)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレンイミン(PEI)等の有機高分子系凝集剤のいずれをも用いることができる。但し、より好ましくはポリビニルアミン、ポリアクリルアミド、特に好ましくはポリアクリルアミドが、凝集能力が高いため好ましい。ポリアクリルアミドを添加した後に抄紙する場合、凝集塊が発生しやすくなる可能性があるため、凝集剤はスクリーンの前に添加し、発生した凝集塊をスクリーンで一旦、破壊し、適度に凝集性を弱めることが好ましい。かかるスクリーンは、目開きが0.33〜0.37mmのスリットタイプが、凝集塊の発生抑制効果に優れるため好ましい。
凝集剤の分子量は、好ましくは1000万〜2000万であり、更に好ましくは1200万〜1600万である。2000万を超過すると、微細繊維やアニオントラッシュを集めて異物化しやすくなり、1000万を下回ると、適度に繊維が凝集せず、得られる紙の強度が低下するため、剛性が低下する。
凝集剤の電荷密度は、好ましくは1〜10meq/gであり、更に好ましくは1〜5meq/gである。10meq/gを超過すると、微細繊維やアニオントラッシュを集めて異物化しやすくなり、1meq/gを下回ると、微細繊維やアニオントラッシュを集め難く、紙表面が粗くなり塗工性能が低下する。
凝集剤の添加量は、パルプ総量に対して、好ましくは0.05〜0.30質量%であり、更に好ましくは0.10〜0.20質量%である。0.30質量%を超過すると、微細繊維やアニオントラッシュを集めて異物化しやすくなり、0.05質量%下回ると、適度に繊維が凝集せず、強度にムラが生じるため剛性が低下する。
また、凝集剤の添加は、微細繊維を含むパルプ繊維と凝結剤を混合してから20分以上40分以下の間に添加することが好ましい。20分未満では、微細繊維の歩留りが低下し、40分を超過すると、凝集塊ができやすくなる問題が発生する。
このように、凝集剤の分子量や電荷密度、添加量を調整することで、異物欠陥と凝集塊の発生を抑制できる理由は、前記特定の凝結剤(グラフト重合体)により形成された、微細繊維が細かく分散されて凝集塊を形成していない状態を、そのまま紙に抄き込むことができるたためと考えられる。つまり、上記特定の凝集剤を用いない場合には、凝集剤により微細繊維が歩留らずに異物欠陥となったり、逆に一箇所に集まり易くなり、凝集塊が発生し易くなるのである。
<その他薬品>
本形態においては、上記の凝結剤、凝集剤以外にも、必要に応じて填料、内添サイズ剤、定着剤、歩留り向上剤、嵩高剤、カチオン化剤、紙力増強剤、消泡剤、着色剤、染料等の各種製紙助剤等を添加しても良い。
<填料>
填料としては、一般に抄紙用途で使用される填料を使用することができる。例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク、シリカ、クレー、コロイド状含水シリカ(通称ホワイトカーボン)、水酸化アルミニウム等の無機填料、ポリスチレン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等の合成高分子微粒子等の公知の填料を使用することができる。
これらの無機質填料の形状については特に制限はなく、粒状,張り状,紡錘状,板状,無定形など種々のものが使用でき、また、粒径については、光沢度や紙の柔軟性、紙面の平滑性などに関係してくるので、通常、タルクであれば15μm以下、炭酸カルシウムであれば3μm以下のものが好ましく用いられる。
〔抄紙工程〕
本形態において使用できる抄紙設備としては、特に限定されないが、微細繊維の歩留りを向上させるには、ギャップフォーマからなるワイヤーパート、オープンドローのないストレートスルー型からなるプレスパート、シングルデッキドライヤーからなるプレドライヤーパートを組み合わせることが好ましい。
〔ワイヤーパート(ヘッドボックス)〕
調成されたパルプスラリーは、ヘッドボックスを経由してワイヤーパートに送られる。ワイヤーパートとしては、長網フォーマや、長網フォーマにオントップフォーマを組み合わせたもの、あるいはツインワイヤーフォーマなど、特に限定されないが、ヘッドボックスから噴出された紙料ジェットを2枚のワイヤーで直ちに挟み込むギャップタイプのギャップフォーマが、両面から脱水するため、パルプ繊維の移動が抑制され、凝集塊が発生しにくいため好ましい。
〔プレスパート〕
ワイヤーパートでの紙層は、プレスパートに移行され、さらに脱水が行われる。プレス機としては、ストレートスルー型、インバー型、リバース型のいずれであってもよく、またこれらの組み合わせも使用することができるが、オープンドローを無くしたストレートスルー型が、紙を保持しやすく、断紙などの操業トラブルが少ないため、好ましい。脱水方式としては、通常行われているサクションロール方式やグルーブドプレス方式等の方法を使用することができるが、脱水性が高いシュープレスを用いると、紙に掛かる線圧が低減でき、地合の悪化を軽減することができるため好ましい。
〔プレドライヤーパート〕
プレスパートを通った湿紙は、シングルデッキ方式のプレドライヤーパートに移行し、乾燥が図られる。プレドライヤーパートは、断紙が少なく高効率に乾燥を行えるノーオープンドロー形式のシングルデッキドライヤーが好ましい。ダブルデッキ方式にて乾燥する方式も可能だが、キャンバスマーク、断紙、シワ、紙継ぎ等の操業性の面で、シングルデッキ方式に劣るため好ましくない。
〔塗工原紙〕
上記のとおり得られた塗工原紙は、特定の凝結剤を含有しているため、微細繊維の歩留りが高く、凝集塊の発生が少なくなり、塗工原紙の表面性が向上し、均一で安定した塗工を行うことができる。
加えて、微細繊維は、微細化していないパルプ繊維に比べて比表面積が大きいため、紙内部の水素結合が増加して、剛性が向上する。剛性の向上効果は、後述する塗工や平坦化条件により左右されるが、本発明の紙は、従来一般の紙と比べて、塗工後においても剛性が高い紙となる。
〔下塗り塗工〕
塗工原紙には、剛度を向上させる目的で、水溶性高分子を、ロールコーターを用いて、下塗り塗工することができる。水溶性高分子としては、例えば、酸化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、酵素変性澱粉、生澱粉などの澱粉またはその誘導体、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールなどの合成高分子、耐水化や表面強度向上を目的とした紙力増強剤、サイズ性付与を目的とした外添サイズ剤、または一般に表面処理剤として通常使用されるものを単独で、あるいはこれらを数種類混合して使用することができる。これらのうち酸化澱粉が、剛性を向上させつつ、白色度の低下を最小限に抑え、塗工作業性を向上させることができるため好ましい。
水溶性高分子として酸化澱粉を用いた場合の塗布量は、特に限定されないが、好ましくは片面あたり0.1〜1.5g/m2、より好ましくは0.2〜1.3g/m2、最も好ましくは、0.3〜1.0g/m2である。0.1g/m2未満では、被覆性が悪く、原紙の剛性を向上させる効果が少ない。1.5g/m2を超えると、剛性は向上するが、澱粉本来の色が塗工紙に現れやすくなり、白色度が低下するだけでなく、塗工液の増加により、ロール表面から塗工液が飛散して、塗工ミストが発生し、欠陥や異物となりやすく、作業性が低下するため好ましくない。
このような水溶性高分子は、例えば、2ロールサイズプレスコーターやゲートロールコーター、ブレードメタリングサイズプレスコーター、ロッドメタリングサイズプレスコーター、又はシムサイザーやJFサイザー等のフィルム転写型ロールコーター等の塗工機によって塗布することができる。フィルム転写型ロールコーターは表面被覆性が高いため、印刷適性を効果的に向上できるため好ましい。上記以外の塗工機、例えばブレードコーターやエアーナイフコーターは、低塗工量では被覆性が悪くなり、非塗工部分が生じやすいため好ましくなく、スプレーコーターやカーテンコーターについては、均一な塗工が得られず、印刷適性が低下するため好ましくない。
〔平坦化処理(プレカレンダー)〕
下塗り塗工後の原紙は、上塗り塗工(顔料塗工)を行う前に、プレカレンダーによる平坦化処理を行うことが好ましい。プレカレンダーは、金属ロールと弾性ロールを組み合わせたソフトカレンダーが、表面の改良性が高いため好ましい。プレカレンダーは、1段又は必用に応じ2段以上の組合せで行うこともできる。プレカレンダーでの処理により、水溶性高分子塗布後の原紙表面を平坦化処理するとともに、後のカレンダーで過度の平坦化処理を要しないことで、紙の剛性を低下させることなく、原紙表面の平坦性を向上させることが可能になり、塗工紙として充分な印刷適性と剛性が得られる。また、原紙表面を平坦化処理することで上塗り塗工の塗工性を向上させ、塗工液の塗工ムラを抑えることができる。プレカレンダーの線圧は、好ましくは10〜80kN/mであり、より好ましくは10〜50kN/mである。10kN/m未満であると、水溶性高分子塗布後の原紙の平坦化が進まず、また、80kN/mを超過すると、必要以上に原紙を圧迫するため、紙力や剛性が低下するため好ましくない。
〔上塗り塗工(顔料塗工)〕
次に、原紙の一方又は双方の面に、顔料及び接着剤を含む塗工液を塗工して塗工層を設ける。顔料は従来公知のものを用いることができ、例えば、カオリン、微粒カオリン、炭酸カルシウム、タルク、サチンホワイト、亜硫酸カルシウム、石膏、硫酸バリウム、ホワイトカーボン、焼成カオリン、構造化カオリン、珪藻土、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ベントナイト、セリサイト等の無機顔料や、ポリスチレン樹脂微粒子、尿素ホルマリン樹脂微粒子、微小中空粒子、多孔質微粒子等の有機顔料等の中から、一種又は二種以上を適宜選択して配合しても良い。中でも白色度の向上作用が大きい炭酸カルシウムや、白紙光沢度の向上作用が高いクレーが好ましい。
以上の顔料とともに塗工液に配合される接着剤の種類は特に限定がないが、例えば、カゼイン、大豆蛋白等の蛋白質類;スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、スチレン−メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス等の共役ジエン系ラテックス、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルの重合体ラテックス若しくは共重合体ラテックス等のアクリル系ラテックス、エチレン−酢酸ビニル重合体ラテックス等のビニル系ラテックス、あるいはこれらの各種共重合体ラテックスをカルボキシル基等の官能基含有単量体で変性したアルカリ部分溶解性又は非溶解性のラテックス等のラテックス類;ポリビニルアルコール、オレフィン−無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂等の合成樹脂系接着剤;酸化澱粉、陽性化澱粉、エステル化澱粉、デキストリン等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体等の、通常塗工紙に用いられる接着剤が挙げられ、これらの中から一種又は二種以上を適宜選択して使用することができる。
塗工剤中の顔料と接着剤との割合には特に限定がないが、好ましくは顔料100質量部に対して接着剤が固形分比で3〜17質量部であり、より好ましくは5〜15質量部である。接着剤の量が3質量部未満では、塗工層の強度が低下し、印刷時に塗工層が印刷インキに取られて未印刷部分(白抜け)となるトラブルが発生しやすくなるため好ましくない。他方、17質量部を超えると、表面強度の向上作用が頭打ちとなり、経済性が悪化するため好ましくない。
さらに本塗工液には、例えば、蛍光増白剤や蛍光増白剤の定着剤、消泡剤、離型剤、着色剤、保水剤等の、通常使用される各種助剤を適宜配合することもできる。
原紙への上塗り層(顔料塗工層)の塗工は、例えば、複数段階、通常はプレドライヤーパートとアフタードライヤーパートとの2段階で行われるドライヤーパートの間のコーターパートにおいて行われることが好ましい。このコーターパートにおいても、下塗り塗工と同様に、例えば、2ロールサイズプレスコーターやゲートロールコーター、ブレードメタリングサイズプレスコーター、ロッドメタリングサイズプレスコーター、又はシムサイザーやJFサイザー等のフィルム転写型ロールコーター等の塗工機によって塗布することができる。フィルム転写型ロールコーターは、低塗工量でも表面被覆性が高く、表面強度が高い塗工紙が得られやすいため好ましい。ブレードコーターは、塗工後の平坦性が高く、印刷適性に優れるため好ましい。上記以外の塗工機、例えばエアーナイフコーターは、低塗工量での塗工ができないため好ましくなく、スプレーコーターやカーテンコーターは、低塗工量での塗工は可能だが均一な塗工面が得られないため、表面被覆性と表面強度が低くなりやすいため好ましくない。
塗工装置はまた、抄紙機と一体なったオンマシンコーターを用いると、オフマシンコーターに比べて、より短時間で製品を製造することができるため、幅方向、流れ方向の水分ムラが低減でき、より均一な被覆ができ、均一な表面強度が得られるため好ましい。なお、ドライヤーパートでの乾燥方法としては、例えば、熱風加熱、ガスヒーター加熱、赤外線ヒーター加熱等の各種加熱乾燥方式を適宜採用することができる。
原紙への塗工液の塗工量は、片面あたり、好ましくは3g/m2〜10g/m2、より好ましくは5g/m2〜9g/m2である。塗工液の量が片面あたり3g/m2未満では、用紙表面に未塗工部分が生じ易く、表面強度が弱い部分が発生する恐れがある。片面あたり10g/m2を超えて塗工すると、塗工層にひび割れが発生しやすく、印刷適性のみならず塗工紙そのものの美粧性が低下するため好ましくない。
〔カレンダーパート〕
塗工層に光沢性や平坦性、印刷適性を付与する目的で、少なくとも一方が熱ロールとされた一対のロール、好ましくは弾性ロール及び金属ロール間に通紙して平坦化処理を施すことができる。カレンダーの線圧は、100〜600kN/mが好ましく、100〜400kN/mがより好ましい。100kN/m未満であると、顔料塗工層の平坦化が進まず、また、600kN/mを超過すると、必要以上に原紙を圧迫するため、剛性が低下するため好ましくない。金属ロールの温度は、100〜300℃が好ましく、100〜200℃がより好ましい。100℃未満であると、顔料塗工層の平坦化が進まず、また、300℃を超過すると、繊維焼けが発生したり、熱と圧力により塗工紙自体が黄変化したり、退色が発生するため好ましくない。
カレンダー設備としては、スーパーカレンダーやソフトカレンダー等の平坦化設備を用いることができる。中でも、マルチニップカレンダー、より望ましくは6段、8段、10段のマルチニップカレンダーが、ニップ圧を調整しやすく、剛性の低下を防止しつつ、白紙光沢度を調整しやすいため好ましい。また、カレンダーの設置場所としては、抄紙機及び塗工機と一体になったオンマシンタイプが好ましい。オンマシンタイプでは、塗工後すぐ、紙面温度が高い状態で平坦化処理できるため、白紙光沢度が向上しやすく、目的の塗工紙を得るために必要な線圧が低く、剛性や紙厚の低下が少ないため好ましい。
以上のようにして得られた塗工紙は、特定の凝集剤を含んでいるため、異物欠陥が少なく、見栄えの良い塗工紙となる。異物欠陥は夾雑物試験機を用いた夾雑物面積率で評価でき、夾雑物面積率が1m2あたり5mm2未満であると見栄えが良いため好ましく、4mm2未満が更に好ましく、3mm2未満が特に好ましい。夾雑物面積率が5mm2を超過すると、印刷後の画像の鮮明性が低くなるだけでなく、印字部においては文字の視認性が低下するなど、見栄えの悪い塗工紙となる。
次に、本発明の塗工紙を、実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
まず、原料パルプとして、LBKP、雑誌古紙又はチラシ古紙から製造した古紙パルプ(MDIP)、新聞古紙から製造した古紙パルプ(NDIP)を、表1及び2の割合(質量比)で混合し、このパルプ100質量部(絶乾量)に対して、各々固形分で、カチオン化澱粉(品番:アミロファックスT−2600、アベベジャパン(株)製)1質量%、填料(軽質炭酸カルシウム:品番:TP121−6S、奥多摩工業(株)製)2質量%、および、表1及び2のとおり凝結剤、凝集剤を添加してパルプスラリーを得た。用いた薬品は次のとおり。
・凝結剤(全て正電荷であり、カチオン性を有する)
a)ポリアミングラフトポリエチレンイミン(品番:SC924、ハイモ(株)製)
b)ポリアミングラフトポリアクリルアミド
c)ポリアミングラフトポリDADMAC
d)ポリアミングラフトポリアクリル酸ナトリウム
e)ポリDADMACグラフトポリエチレンイミン
・凝集剤
a)カチオンPAM(品番:ND270、ハイモ(株)製)
b)コロイダルシリカ(品番:NP442、エカケミカルス(株)製)
c)ポリエチレンイミン(品番:ポリミンPR8150、BASF社製)
次に、ギャップフォーマからなるワイヤーパート、オープンドローのないストレートスルー型のプレスパート、シングルデッキドライヤーからなるプレドライヤーパートを経て紙匹を製造した後、この両面に澱粉塗液を片面あたり0.5g/m2の塗工量で、フィルム転写型ロールコーターを用いて下塗り塗工した。この下塗り塗工後、アフタードライヤーパートで乾燥し、2ロール1スタックのソフトカレンダーからなるプレカレンダーを用いて、線圧25kN/mの線圧で平坦化処理を行った。
次いで、ブレードコーターを用いて、顔料として微粒カオリンクレー(品番:AMAZON、カダム社製)30質量部、及び湿式重質炭酸カルシウム(品番:エスカロン#90、三共製粉(株)製)70質量部、接着剤としてスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(品番:PA5036、日本エイアンドエル(株)製)10質量部を含む塗工液を、片面あたり8.0g/m2の塗工量となるよう、原紙の両面に塗工した。
次に、両面に塗工層が形成された原紙をアフタードライヤーパートに供して塗工層を乾燥させ、マルチニップカレンダーを用いて、線圧150kN/m、温度200℃で平坦化処理を施した。その後、リールパート、ワインダーパートに供して塗工紙を得た。
得られた塗工紙の米坪は、JIS P 8124に準じて測定して105g/m2であった。この塗工紙について、以下のとおり評価した。結果は、表1及び2に示す。
(a)夾雑物面積率
夾雑物試験機を用いて、1m2あたりの夾雑物面積(mm2)を測定し、異物欠陥の発生量の指標とした。夾雑物試験機はESKクリエイト有限会社製(スキャナ:EPSON ES−2000)を用い、解像度:1600DPI、最小測定面積:0.001mm、測定面積:A4で測定した。
(b)凝集塊
塗工紙について目視にて、凝集塊の発生の程度を、以下の評価基準に基づいて評価した。
◎:凝集塊の発生がなく、見た目に優れる。
○:凝集塊が若干発生したが、見た目は良好である。
△:凝集塊が多少発生し、見た目に多少劣る。
×:凝集塊が発生し、見た目に劣る。
(c)塗工性
24時間連続塗工を行い、塗工性を次の4段階で評価した。
◎:良好
○:若干劣るが、実用可能
△:劣るが、実用可能
×:大きく劣り、実用不可能
(d)剛性
A4サイズ(210mm×297mm)のサンプル20枚を重ね、長辺の一方をホチキスで3箇所(上端、中央、下端)綴じて水平に置き、1枚ずつ合計10枚めくって、以下の評価基準に基づいて紙の剛性を評価した。
◎:めくった後の紙がへたれず、剛性に優れる。
○:めくった後の紙が若干へたれ、若干剛性に劣る。
△:めくった後の紙が多少へたれ、多少剛性に劣る。
×:めくった後の紙がへたれ、剛性に劣る。
(e)印刷適性
オフセット印刷機(型番:リソピアL−BT3−1100、三菱重工業(株)製)を使用し、カラーインク(品番:ADVAN、大日本インキ化学工業(株)製)にてカラー4色印刷を5000部行った。この印刷面について、目視及びルーペ(10倍)にて、印刷物の印刷ムラを観察し、その程度を以下の評価基準に基づいて評価した。
◎:印刷ムラがなく、印刷適性に優れ、実使用可能。
○:印刷ムラが若干発生し、印刷適性が若干劣るが、実使用可能。
△:印刷ムラが多少発生し、印刷適性が多少劣るが、実使用可能。
×:印刷ムラが発生し、印刷適性に劣り、実使用不可能。
Figure 0005303173
Figure 0005303173
表1及び2より、実施例の塗工紙はいずれも、特定の凝結剤を含有しているため、異物欠陥と凝集塊が少なく、塗工適性と剛性に優れた塗工紙であることが分かる。
これに対して、比較例の塗工紙は、実施例の様に所定の凝結剤を含有していないため、異物欠陥や凝集塊が発生し易く、塗工適性、剛性も悪い塗工紙である。
古紙などの微細繊維を多く含むパルプを使用しても、微細繊維の歩留りの低下による異物欠陥の発生や、歩留り向上による凝集塊の発生、残インキの凝集に起因する異物欠陥の発生が抑制されるため、見栄えが良く、印刷した際に鮮明な画像が得られる紙が得られる。

Claims (6)

  1. パルプに凝結剤が内添された紙であって、
    前記パルプにおいて、全パルプの70質量%以上が、雑誌古紙又はチラシ古紙から再生した脱墨パルプ(MDIP)であり、
    前記凝結剤が、異なる2種類以上のポリマー成分をグラフト重合して得られる凝結剤であり、
    前記凝結剤の分子量が50万〜300万であり、電荷密度が、10〜25meq/gであることを特徴とする紙。
  2. 前記ポリマー成分が、ポリエチレンイミン、ポリアミン、ポリダドマック及びポリアクリルアミドからなる群から選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の紙。
  3. 前記凝結剤が、ポリエチレンイミンを主鎖とし、ポリアミン、又はポリダドマックをグラフト鎖としたものであることを特徴とする、請求項1または2に記載の紙。
  4. 前記凝結剤の添加量は、パルプ総量に対して0.01〜0.15質量%であることを特徴とする、請求項1〜3いずれか1項に記載の紙。
  5. 前記凝結剤の形状が、樹形図状であることを特徴とする、請求項1〜4いずれか1項に記載の紙。
  6. 前記凝結剤に加えて、凝集剤として、分子量が1200万〜1600万であり、電荷密度が1〜10meq/gであるポリアクリルアミドを、パルプ総量に対して0.05〜0.30質量%の量で含有することを特徴とする、請求項1〜5いずれか1項に記載の紙。
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