JP2971260B2 - 抄紙機 - Google Patents

抄紙機

Info

Publication number
JP2971260B2
JP2971260B2 JP4230351A JP23035192A JP2971260B2 JP 2971260 B2 JP2971260 B2 JP 2971260B2 JP 4230351 A JP4230351 A JP 4230351A JP 23035192 A JP23035192 A JP 23035192A JP 2971260 B2 JP2971260 B2 JP 2971260B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
support member
ceramic
ceramics
silicon carbide
wire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP4230351A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0681290A (ja
Inventor
貢 上之原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP4230351A priority Critical patent/JP2971260B2/ja
Publication of JPH0681290A publication Critical patent/JPH0681290A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2971260B2 publication Critical patent/JP2971260B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)
  • Paper (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミック製の支持部
材を用いた抄紙機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より用いられている抄紙機の構造は
図1に示すように、フォーマーパート1とプレスパート
2からなっている。そして、フォーマーパート1は、ロ
ール11によって矢印方向に回転させられる抄網12
と、該抄網12の下方に配置された複数の支持部材10
からなっており、上記抄網12の上にヘッドボックス1
3よりパルプ原料14を供給し、支持部材10で抄網1
2を支持するとともにそのエッジでパルプ原料14の水
切りを行い脱水するようになっている。
【0003】なお、上記支持部材10としては、例えば
図2(A)に示すようなハイドロフォイルや、図2
(B)に示すようなサクションボックスが用いられてい
る。そしてハイドロフォイルは、先端エッジ10aで水
切りを行うとともに、後部の斜面部10bで抄網12が
摺動する際に負圧を発生させて脱水するようになってい
る。また、サクションボックスはエッジ10aで水切り
を行うとともに吸引孔10cより真空吸引して脱水を行
うようになっている。
【0004】次に、脱水されたパルプ原料14はプレス
パート2に送られるが、この部分はロール21によって
矢印方向に回転させられるフェルト22と、このフェル
ト22を支持する支持部材20からなっている。そし
て、フォーマーパート1によってある程度脱水されたパ
ルプ原料14は、このフェルト22に押し当てられてさ
らに水分を吸収された後、次の乾燥工程に送られる。な
お、水分を吸収したフェルト22は、支持部材20と摺
動しながら真空吸引により脱水されるようになってい
る。
【0005】上記支持部材20はフェルトサクションボ
ックスと呼ばれており、図3に示すように、角部を丸め
光沢のある表面20aを有し、真空吸引するための吸引
孔20bを備えている。
【0006】また、上記抄紙機を構成する抄網12また
はフェルト22の支持部材10、20の材質としては、
超高分子ポリエチレン等のプラスチック系材料が安価で
あるため、以前は広く用いられていた。しかしながら、
パルプ原料12中のクレーおよびタルクなどの存在、あ
るいは抄網12などとの当接摺動によって短時間のうち
に摩耗してしまうため、抄紙機から支持部材10、20
を取り外し、表面の研磨修正あるいは交換作業等のメン
テナンスを頻繁に行わなければならなかった。
【0007】そこで、近年は支持部材10、20の材質
としてアルミナ、ジルコニア、窒化珪素等を主成分とし
たセラミックスが多く用いられている(例えば特開昭5
5−80591号、特開昭58−208485号公報な
ど参照)。これらのセラミックスで構成した支持部材1
0、20は耐摩耗性が大きく、その寿命が長いものとな
るため、広く使用されるようになっている。
【0008】一方、このような支持部材10、20は通
常、ステンレス鋼等で作られた支持台(ボックス)にボ
ルトで固定されたり、あるいは支持台に設けたはめ込み
部に挿入することによって固定する方法などが採られて
いる。また、特にフォーマーパートにおける上記セラミ
ック製の支持部材10において、当接支持する抄網12
を傷つけることなく滑らかに走行せしめるとともに、抄
網12からの脱水(水の掻き取り)作用を適切に行なわ
せるため、あるいは支持部材10のエッジ部に割れや欠
けが発生しないように、断面形状、外周形状に留意した
設計が行われている。とりわけ抄網12が最初に当接し
脱水作用に寄与する支持部材10の先端部は、鋭角に形
成され、その表面は入念な仕上げ加工が施してある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、最近の抄紙
機では、生産性の向上といった点から、抄網12の速度
が大幅に高速化され、特にフォーマーパート1における
支持部材10への耐摩耗性がより一層要求されている。
これに対し従来のアルミナ、ジルコニア、窒化珪素など
のセラミックスからなる支持部材10では、この要求を
充分に満足させることができなかった。
【0010】また、アルミナ、窒化珪素からなるもので
は、支持部材10の先端エッジに欠けが発生しやすく、
この欠け等のために、抄網12の寿命を低下させたり、
あるいは抄網12からの脱水作用が小さくなり、抄紙の
均一な品質を保つことができず紙質の低下へつながるな
どの問題点があった。
【0011】一方プレスパート2においては、水分が少
なくないため摺動による発熱で高温となることから、支
持部材20は耐熱衝撃性が求められており、すべての支
持部材を同一のセラミックスで構成することが困難であ
った。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記に鑑みて、本発明の
抄紙機は、炭化珪素を主成分とするセラミックスをフォ
ーマーパートにおける支持部材の少なくとも先端エッジ
部に用い、一方窒化珪素を主成分とするセラミックスを
プレスパートにおける支持部材の少なくとも摺動表面に
用いたものである。
【0013】即ち、フォーマーパートはタルクなどが摺
動面に入り込みやすく、抄網の張力も大きいため支持部
材が摩耗しやすいことから、特に耐摩耗性に優れた炭化
珪素質セラミックスを用い、一方プレスパートは温度が
上昇しやすく熱衝撃を受けやすいことから、特に耐熱衝
撃性に優れた窒化珪素質セラミックスを用いることによ
って、支持部材やワイヤおよびフェルトの寿命を長く保
つようにしたものである。
【0014】また、上記炭化珪素質セラミックスも多種
多様存在するうち、本発明者が鋭意研究の結果、焼結助
剤として金属酸化物を添加して液相焼結させたものが、
抄網支持部材として最適であることが判明した。
【0015】すなわち、このような炭化珪素質セラミッ
クは、ビッカース硬度が1500〜2500kg/mm
2 と高硬度で大きな耐摩耗性を備えるとともに、摺動性
に優れているため抄網に対する摩耗も小さくできる。し
かも、金属酸化物を添加して液相焼結したことによっ
て、破壊靱性値(K1C)を4〜6MPa√mと大きくす
ることができ、支持部材先端エッジ部のチッピングの発
生を少なくできる。それ故、それらチッピングに起因す
る抄網に対する摩耗量も少なくできる。さらに、本発明
の炭化珪素質セラミックスは、熱伝導率60W/m・K
以上と高熱伝導率を有していることから、抄網との摺動
により発生する摩擦熱をブロック体全体に放熱すること
ができるため、抄網を保護し、抄網の寿命を長くするこ
ともできる。
【0016】なお、本発明において、炭化珪素質セラミ
ックスに焼結助剤として添加する金属酸化物としては、
Al2 3 を1〜7%、およびY2 3 、CeO2 など
の3a族元素の酸化物を0.1〜5%加えればよい。こ
れらの金属酸化物は、焼結助剤として炭化珪素質セラミ
ックスの焼結性を高めるとともに、焼結体中で炭化珪素
結晶粒子間に粒界相を形成してクラックの進展を防止
し、セラミックスの靱性を高くする作用がある。ただ
し、添加量が多すぎると、硬度、強度が低くなるため、
上記範囲のものがよい。
【0017】また、本発明の炭化珪素質セラミックスに
おいて、平均結晶粒子径は10μm以下、好ましくは
0.5〜6μmのものがよい。これは、平均結晶粒子径
が10μmを越えると、強度が劣化するとともに、支持
部材として用いる際に先端のシャープエッジを形成でき
なくなって、脱水作用が悪くなるためである。
【0018】さらに、本発明の炭化珪素質セラミックス
は、開気孔率1%以下、好ましくは0.3%以下のもの
を用いる。これは、開気孔率が1%より大きいと、強度
が低くなるとともに、シャープエッジが出しにくくなる
ためである。
【0019】一方窒化珪素質セラミックスとしては、S
3 4 を主成分とし、Al2 3、Y2 3 などの金
属酸化物を添加して液相焼結したものを用いる。このよ
うな窒化珪素質セラミックスは、結晶がアスペクト比2
〜20程度の針状となるため、破壊靱性値(K1C)が4
〜6MPa√mと大きく、支持部材先端エッジ部のチッ
ピングの発生を少なくできるとともに、抄網に対する摩
耗も小さくできる。
【0020】また、窒化珪素質セラミックスは、水中投
下時の耐熱衝撃温度ΔTが550℃と他のセラミックス
に比べて大きく、高温度まで熱衝撃に耐えることができ
る。そのため、抄紙機の温度が上昇しやすい部位や運転
開始時に熱衝撃を受けやすい部位に配置することで割れ
やクラックの発生を防止できる。
【0021】さらに、窒化珪素質セラミックスは熱膨張
率が2.6×10-6/℃と小さいことから、温度上昇時
の熱変形が極めて小さい。そのため、支持部材の表面の
平坦部分が変形しにくく、ワイヤとのギャップが小さい
ことから吸引効率を高めることができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0023】図1に示すように、本発明の抄紙機はフォ
ーマーパート1とプレスパート2からなっている。そし
て、フォーマーパート1は、ロール11によって矢印方
向に回転させられる抄網12と、該抄網12の下方に配
置された複数の支持部材10からなっており、上記抄網
12の上にヘッドボックス13よりパルプ原料14を供
給し、支持部材10で抄網12を支持するとともにその
エッジでパルプ原料14の水切りを行い脱水するように
なっている。
【0024】なお、上記支持部材10としては、例えば
図2(A)に示すようなハイドロフォイルや、図2
(B)に示すようなサクションボックスが用いられてい
る。そしてハイドロフォイルは、先端エッジ10aで水
切りを行うとともに、後部の斜面部10bで抄網12が
摺動する際に負圧を発生させて脱水するようになってい
る。また、サクションボックスはエッジ10aで水切り
を行うとともに吸引孔10cより真空吸引して脱水を行
うようになっている。
【0025】次に、脱水されたパルプ原料14はプレス
パート2に送られるが、この部分はロール21によって
矢印方向に回転させられるフェルト22と、このフェル
ト22を支持する支持部材20からなっている。そし
て、フォーマーパート1によってある程度脱水されたパ
ルプ原料14は、このフェルト22に押し当てられてさ
らに水分を吸収された後、次の乾燥工程に送られる。な
お、水分を吸収したフェルト22は、支持部材20と摺
動しながら真空吸引により脱水されるようになってい
る。
【0026】上記支持部材20はフェルトサクションボ
ックスと呼ばれており、図3に示すように、丸みをおび
た表面20aを有し、真空吸引するための吸引孔20b
を備えている。
【0027】また、上記フォーマーパート1における支
持部材10はいずれもシャープなエッジ10aを有し、
少なくともこのエッジ10aが、炭化珪素を主成分と
し、金属酸化物を添加して液相焼結してなる破壊靱性値
(K1C)4MPa√m以上の炭化珪素質セラミックスか
らなっている。そのためには、先端のエッジ10a部分
のみを上記炭化珪素質セラミックスで形成し、ベースを
Al2 3 などの他のセラミックスで形成して両者を接
合したものや、全体を上記炭化珪素質セラミックスで形
成したものを用いれば良い。
【0028】このとき、本発明の支持部材10は、先端
のエッジ10aが高靱性の炭化珪素質セラミックスから
なるため、耐摩耗性、摺動性、耐チッピング性に優れ、
支持部材10および抄網12の双方の寿命を長くするこ
とができる。
【0029】一方プレスパート2における支持部材20
は、少なくともパルプ原料14と摺接する表面20aが
金属酸化物を添加して液相焼結してなる窒化珪素質セラ
ミックスからなっている。そのため、フェルト22との
高速摺動によって高温となっても、支持部材20の耐熱
衝撃性が高いことから、割れや欠けが生じにくい。ま
た、窒化珪素質セラミックスは摺動相手のフェルト22
にダメージを与えにくいことから長期間良好に使用する
ことができる。
【0030】なお、フォーマーパート1の後半部分にお
いては水分が少なくなって高温となりやすいことから、
後半部分の支持部材10の材質として上記窒化珪素質セ
ラミックスを用いることもできる実験例1 ここで、まず、さまざまなセラミックスと抄網との摺動
性を調べる実験を行った。
【0031】図4に示すように、回転するセラミックロ
ール31に抄網12としてプラスチック製のワイヤ32
を掛け、分銅33で該ワイヤ32に負荷を与える。セラ
ミックロール31とワイヤ32との摺動部にはタルクの
水溶液からなるスラリー34を一定量ずつ滴下させる。
この状態でセラミックロール31を回転させ、上記プラ
スチック製ワイヤ32の重量減少を測定し、摩耗量を評
価した。また、セラミックロール31の摺動面の表面粗
さも測定した。なお、試験条件は、 (イ)スラリー :タルク2%水溶液、0.7〜
0.75リットル/分 (ロ)ワイヤー :プラスチック (ハ)分 銅 :850g (ニ)ロールサイズ :φ60mm (ホ)ロール回転数 :1500rpm とした。また、上記セラミックロール31の材質は、本
発明実施例としてAl23 、Y2 3 を含む炭化珪素
質セラミックスと、Al2 3 、Y2 3 を含む窒化珪
素質セラミックスを、比較例としてアルミナセラミック
ス、ジルコニアセラミックスをそれぞれ用意した。
【0032】この結果、ワイヤ32の重量損失を図5
(A)に示すように、本発明の窒化珪素質セラミックス
は他のセラミックスに比べてワイヤ32の重量損失が小
さく、ワイヤ32にダメージを与えにくいことがわか
る。したがって、支持部材を窒化珪素質セラミックスで
構成すれば、抄網やフェルトなどの摺動相手材を摩耗さ
せにくいことがわかる。
【0033】一方、セラミックロール31の表面粗さの
変化を図5(B)に示すように、本発明の炭化珪素質セ
ラミックスは他の材質に比べ表面粗さが小さく、かつそ
の変動も小さく安定している。これは、本発明の炭化珪
素質セラミックスが、ワイヤ32との摺動抵抗が小さく
ワイヤ32との馴染みがよいものであるためである。
【0034】実験例2 次に、上記と同様にして、今度はセラミックス側の摩耗
量を調べる実験を行った。
【0035】図6に示すように、ロール35の外周に等
間隔に4個のセラミックブロック36を固定し、抄網1
2としてブロンズ製のワイヤ32を掛け、分銅33で該
ワイヤ32に負荷を与える。この状態で、ロール35と
ワイヤ32の摺動部にはタルクの水溶液からなるスラリ
ー34を滴下させながら連続回転を行い、セラミックブ
ロック36の重量減少を測定して、摩耗量を評価した。
なお、試験条件は、 (イ)スラリー :タルク2%水溶液、0.7〜
0.75リットル/分 (ロ)ワイヤー :金属(ブロンズ) (ハ)分 銅 :120g (ニ)ロールサイズ :φ60mm (ホ)ロール回転数 :1500rpm (ヘ)セラミック形状:5×10×40mm とした。また、セラミックブロック36の材質は、上記
実験例1と同じものとした。
【0036】この結果は図7に示すように、本発明の炭
化珪素質セラミックスの摩耗量は他の材質に比べてはる
かに小さく、ワイヤ摺動に対する耐摩耗性が極めて高い
ことがわかる。この理由は、炭化珪素質セラミックスの
硬度が高いことだけでなく、上記したようにワイヤ32
との摺動性に優れ、放熱性も高いためである。したがっ
て、支持部材を炭化珪素質セラミックスで構成すれば、
特に耐摩耗性を高くできることがわかる。
【0037】実験例3 次に、図2(A)に示すように、フォーマーパート1に
おける支持部材10の先端エッジ10a部分にさまざま
なセラミックス材を張り付け、実際の抄紙機に組み込ん
で運転をし、セラミックス材の摩耗量を調べる実験を行
った。この抄紙機の使用条件は、 (イ)抄 速: 650m/分 (ロ)抄 物: 上質紙 (ハ)抄 網: プラスチック (ニ)実験期間: 6カ月 とした。
【0038】また、この試験に使用したセラミックス材
毎に、試験後のワイヤ接触幅a、摩耗高さt、およびこ
の部分の中心線平均粗さ(Ra)を測定した。各セラミ
ックス材の特性を表1に、試験後の結果を表2にそれぞ
れ示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】これらの表中SiC−A〜Dは、金属酸化
物を添加した本発明の炭化珪素質セラミックスであり、
これらは破壊靱性値(K1C)が4MPa√m以上と高い
ものである。また、SiC−Eは、同じ炭化珪素質セラ
ミックスであるが、添加剤として金属酸化物ではなく硼
素(B)と炭素(C)を用いて固相焼結した比較例であ
って、これは破壊靱性値(K1C)が3.4MPa√mと
低いものである。
【0042】また、表1において、ワイヤ−接触幅aと
摩耗高さhの積により摩耗量を評価することができる。
この表1から明らかに、比較例であるアルミナ、ジルコ
ニア、窒化珪素は摩耗量が大きいことがわかる。これ
は、これらのセラミックスが硬度がやや低く、かつワイ
ヤとの摺動性が悪いためである。また、比較例であるS
iC−Eは、硬度、摺動性は優れているものの、靱性が
低いためにチッピングが生じやすく、その結果摩耗量も
大きかった。
【0043】これらに対し、本発明の炭化珪素(SiC
−A〜D)は摩耗量が極めて小さいことがわかる。また
ワイヤーとの接触面の表面粗さも小さく、ワイヤーとの
摺動摩擦およびワイヤーに与える損傷を低減しているこ
とがわかる。これは、本発明の炭化珪素が、硬度、摺動
性に優れているとともに、靱性が高いためにチッピング
が生じにくいことによるものである。
【0044】
【発明の効果】このように本発明によれば、抄紙機にお
けるフォーマーパートの支持部材を炭化珪素質セラミッ
クスにより形成し、プレスパートにおける支持部材を窒
化珪素質セラミックスにより形成したことによって、フ
ォーマーパートにおいては支持部材自体の耐摩耗性、耐
チッピング性が高いだけでなく、抄網との摺動性が良い
ため抄網を摩耗させにくくすることができ、一方プレス
パートにおいては支持部材の耐熱衝撃性、耐熱変形性が
小さいため高温でも割れや欠けが生じにくい。そのた
め、支持部材および抄網を長期にわたって良好に使用す
ることができるとともに、近年の高速抄紙も好適に行う
ことが可能となるなど、優れた効果を有する抄紙機を提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な抄紙機を示す概略構成図である。
【図2】(A)は抄紙機用支持部材の一種であるハイド
ロフォイルを示す側面図、(B)は同じくサクションボ
ックスを示す断面図である。
【図3】抄紙機用支持部材の一種であるフェルトサクシ
ョンボックスを示す断面図である。
【図4】各種セラミック材とワイヤとの摺動試験装置を
示す概略図である。
【図5】(A)はワイヤの重量損失を示すグラフ、
(B)はセラミックロールの表面粗さを示すグラフであ
る。
【図6】各種セラミック材とワイヤとの摺動試験装置を
示す概略図である。
【図7】セラミックブロックの重量損失を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1・・・フォーマーパート 10・・支持部材 11・・ロール 12・・抄網 13・・ヘッドボックス 14・・パルプ原料 2・・・プレスパート 20・・支持部材 21・・ロール 22・・フェルト

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抄網上のパルプ原料を脱水するためのフォ
    ーマーパートと、該フォーマーパートを通過後のパルプ
    原料にフェルトを押し当ててさらに脱水するためのプレ
    スパートを有する抄紙機において、上記フォーマーパー
    トにおける抄網の支持部材を金属酸化物を添加して液相
    焼結した炭化珪素質セラミックスで構成し、かつ上記プ
    レスパートにおけるフェルトの支持部材を窒化珪素質セ
    ラミックスで構成したことを特徴とする抄紙機。
JP4230351A 1992-08-28 1992-08-28 抄紙機 Expired - Lifetime JP2971260B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4230351A JP2971260B2 (ja) 1992-08-28 1992-08-28 抄紙機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4230351A JP2971260B2 (ja) 1992-08-28 1992-08-28 抄紙機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0681290A JPH0681290A (ja) 1994-03-22
JP2971260B2 true JP2971260B2 (ja) 1999-11-02

Family

ID=16906500

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4230351A Expired - Lifetime JP2971260B2 (ja) 1992-08-28 1992-08-28 抄紙機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2971260B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5755573B2 (ja) * 2011-03-31 2015-07-29 日本製紙株式会社 オフセット印刷用新聞用紙の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0681290A (ja) 1994-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100741334B1 (ko) 디스크 롤, 디스크 롤 제조 방법 및 디스크 부재의 기재
JP2971260B2 (ja) 抄紙機
JP3101956B2 (ja) 抄紙機の抄網支持部材
JP3450994B2 (ja) 抄紙機
JP3455099B2 (ja) 抄網支持部材
US6551954B1 (en) WC-base composite ceramic sintered compact
EP1146977A1 (en) Refractory plates for continuous casting machines of thin flat products
JP4678580B2 (ja) 溶融金属めっき浴用ロール
JP4678581B2 (ja) 溶融金属めっき浴用ロール
JP3488199B2 (ja) ウェブフォーミングワイヤの脱水ブレードバー用負荷要素
JP2001073288A (ja) 抄紙機の抄網支持部材
JP2552981B2 (ja) ガラス用ディスクロール
US9051200B2 (en) Disk roll and base material thereof
JP3346713B2 (ja) 抄紙機用フォイル
JP4642971B2 (ja) 窒化ケイ素セラミックス焼結体およびそれを用いた耐摩耗性部材
JP2001192715A (ja) 炉体冷却装置
JP2586873B2 (ja) 熱間圧延セラミックスローラ及びロール
JP2000027087A (ja) 抄紙機の抄網支持部材
JP4305822B2 (ja) 連続溶融金属めっき用ロール
JP3556250B2 (ja) 糸道
JPH07171612A (ja) 伸線機キャプスタンロール
JP3502738B2 (ja) 繊維ガイド
JP4453073B2 (ja) 連続溶融金属めっき用ロール
JPH01303261A (ja) ステンレス鋼板搬送用ロール
JP2002294419A (ja) 連続溶融金属めっき浴中ロール用軸受

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080827

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080827

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090827

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100827

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100827

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110827

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110827

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120827

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130827

Year of fee payment: 14

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130827

Year of fee payment: 14