JPH07171612A - 伸線機キャプスタンロール - Google Patents
伸線機キャプスタンロールInfo
- Publication number
- JPH07171612A JPH07171612A JP270691A JP270691A JPH07171612A JP H07171612 A JPH07171612 A JP H07171612A JP 270691 A JP270691 A JP 270691A JP 270691 A JP270691 A JP 270691A JP H07171612 A JPH07171612 A JP H07171612A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- roll
- sialon
- wire
- silicon nitride
- capstan
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 ロール部に窒化珪素および/またはサイアロ
ン成形体を配設してなる湿式伸線機キャプスタンロー
ル。 【効果】 割れ、欠損、磨耗の少ない、耐久性、生産性
に優れたロールが実現され、かつ、伸線加工するワイヤ
の摩損、欠陥の発生を抑止する。
ン成形体を配設してなる湿式伸線機キャプスタンロー
ル。 【効果】 割れ、欠損、磨耗の少ない、耐久性、生産性
に優れたロールが実現され、かつ、伸線加工するワイヤ
の摩損、欠陥の発生を抑止する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、湿式伸線機キャプス
タンロールに関するものである。さらに詳しくは、この
発明は、耐磨耗性、耐久性に優れ、生産性の向上に大き
く寄与することのできる新しい湿式伸線機用のキャプス
タンロールに関するものである。
タンロールに関するものである。さらに詳しくは、この
発明は、耐磨耗性、耐久性に優れ、生産性の向上に大き
く寄与することのできる新しい湿式伸線機用のキャプス
タンロールに関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より、たとえば直径数mm
の鋼製ワイヤを伸線加工して直径1mm程度の製品を製造
することが行われてきており、この伸線加工によるワイ
ヤ製造には、通常、湿式スリップタイプ連続伸線機と呼
ばれる装置が使用され、次第に内径が小さくなるように
配置した複数の孔ダイスを連続的に通過させている。
の鋼製ワイヤを伸線加工して直径1mm程度の製品を製造
することが行われてきており、この伸線加工によるワイ
ヤ製造には、通常、湿式スリップタイプ連続伸線機と呼
ばれる装置が使用され、次第に内径が小さくなるように
配置した複数の孔ダイスを連続的に通過させている。
【0003】たとえば図1は、ダイスのシリーズ全体を
回転させる連続湿式伸線機の主要部を例示したものであ
るが、この図1に示したように、ワイヤ素材(1)を案
内キャプスタン(2)によってガイドし、キャプスタン
ロール(3)により引張りながらダイスホルダー(4)
に保持された回転ダイス(5)に順次通過させて伸線す
る。このようにして製品ワイヤ(6)を得ている。
回転させる連続湿式伸線機の主要部を例示したものであ
るが、この図1に示したように、ワイヤ素材(1)を案
内キャプスタン(2)によってガイドし、キャプスタン
ロール(3)により引張りながらダイスホルダー(4)
に保持された回転ダイス(5)に順次通過させて伸線す
る。このようにして製品ワイヤ(6)を得ている。
【0004】このような伸線加工機においては、ダイス
の耐久性、寿命の向上についてすでに様々な改良、工夫
が加えられてきており、加工速度、生産性の向上はもと
より、難加工材を対象とする場合にも比較的高い生産性
が得られるまでに改善されてきている。しかしながら、
このような従来の伸線加工機においては、ワイヤを引張
るキャプスタンロール(3)については、依然として改
善すべき課題が残されており、特に、従来のアルミナ等
のセラミック、あるいは超硬合金を溶射した鋼製ロール
においては、耐久性に大きな問題があった。
の耐久性、寿命の向上についてすでに様々な改良、工夫
が加えられてきており、加工速度、生産性の向上はもと
より、難加工材を対象とする場合にも比較的高い生産性
が得られるまでに改善されてきている。しかしながら、
このような従来の伸線加工機においては、ワイヤを引張
るキャプスタンロール(3)については、依然として改
善すべき課題が残されており、特に、従来のアルミナ等
のセラミック、あるいは超硬合金を溶射した鋼製ロール
においては、耐久性に大きな問題があった。
【0005】すなわち、たとえばアルミナ材を用いたキ
ャプスタンロールの場合には、線材との接触による摩擦
熱や振動による衝撃等により割れや欠損が生じやすく、
操業途中で線材に傷がついたり、線材の切断が生じ、線
材の歩留りが悪く、また途中停止してロールを交換しな
ければならなかった。一方、溶射品を用いたロールの場
合には、表面密度が低いため、磨耗が著しく、またロー
ルの芯体鋼材との熱膨張率の差によりひび割れ、剥離等
が生じ、低寿命であるという欠点があった。
ャプスタンロールの場合には、線材との接触による摩擦
熱や振動による衝撃等により割れや欠損が生じやすく、
操業途中で線材に傷がついたり、線材の切断が生じ、線
材の歩留りが悪く、また途中停止してロールを交換しな
ければならなかった。一方、溶射品を用いたロールの場
合には、表面密度が低いため、磨耗が著しく、またロー
ルの芯体鋼材との熱膨張率の差によりひび割れ、剥離等
が生じ、低寿命であるという欠点があった。
【0006】このため、湿式伸線機のキャプスタンロー
ルにおいては、欠損や磨耗、割れ等が生じにくい耐久性
に優れた長寿命ロールの実現が強く望まれていた。この
発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであ
り、従来のキャプスタンロールの欠点を改善し、欠損、
磨耗、割れ等の障害のない耐久性に優れた高品質キャプ
スタンロールを提供することを目的としている。
ルにおいては、欠損や磨耗、割れ等が生じにくい耐久性
に優れた長寿命ロールの実現が強く望まれていた。この
発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであ
り、従来のキャプスタンロールの欠点を改善し、欠損、
磨耗、割れ等の障害のない耐久性に優れた高品質キャプ
スタンロールを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、ロール部に窒化珪素および/ま
たはサイアロン成形体を配設してなることを特徴とする
湿式伸線機キャプスタンロールを提供する。この発明の
キャプスタンロールの場合には、ワイヤ素材に接触する
ロール部を、窒化珪素(Si3N4)および/またはサイ
アロン(SIALON)によって成形しているため、従
来のアルミナ材に比べて硬度が大きく、また、曲げ強度
2〜3倍、破壊勒性値で約2倍、耐熱衝撃特性で約3
倍、耐磨耗性で約2倍という優れた特性を有し、ロール
寿命を著しく向上する。
を解決するものとして、ロール部に窒化珪素および/ま
たはサイアロン成形体を配設してなることを特徴とする
湿式伸線機キャプスタンロールを提供する。この発明の
キャプスタンロールの場合には、ワイヤ素材に接触する
ロール部を、窒化珪素(Si3N4)および/またはサイ
アロン(SIALON)によって成形しているため、従
来のアルミナ材に比べて硬度が大きく、また、曲げ強度
2〜3倍、破壊勒性値で約2倍、耐熱衝撃特性で約3
倍、耐磨耗性で約2倍という優れた特性を有し、ロール
寿命を著しく向上する。
【0008】ロール部に配設するこの窒化珪素および/
またはサイアロン成形体は、Si3N4,Al2O3、Mg
Oさらには所望により焼結助剤のY2O3等を加え、混
合、造粒し、成形および焼成することにより製造するこ
とができる。焼成は、たとえばN2雰囲気下、1700〜180
0℃の高温度において常圧で焼結することにより実施す
ることができる。
またはサイアロン成形体は、Si3N4,Al2O3、Mg
Oさらには所望により焼結助剤のY2O3等を加え、混
合、造粒し、成形および焼成することにより製造するこ
とができる。焼成は、たとえばN2雰囲気下、1700〜180
0℃の高温度において常圧で焼結することにより実施す
ることができる。
【0009】もちろん、その際の成形体の形状は適宜と
することができる。芯体鋼材への装着について、ボルト
埋込み、接着等の各種手段により配設することができ
る。以下、実施例を示し、さらに詳しくこの発明のキャ
プスタンロールについて説明する。
することができる。芯体鋼材への装着について、ボルト
埋込み、接着等の各種手段により配設することができ
る。以下、実施例を示し、さらに詳しくこの発明のキャ
プスタンロールについて説明する。
【0010】
【実施例】図2に示した通りの5段湿式伸線機用キャプ
スタンロールを作製し、ワイヤに接触するロール部に窒
化珪素またはサイアロンからなる成形体(11)(1
2)(13)を配設し、芯体の鋼材(14)と連結し
た。また、アルミナを用いても、同様のロールを作製し
た。
スタンロールを作製し、ワイヤに接触するロール部に窒
化珪素またはサイアロンからなる成形体(11)(1
2)(13)を配設し、芯体の鋼材(14)と連結し
た。また、アルミナを用いても、同様のロールを作製し
た。
【0011】この各々のキャプスタンロールについて、
ロール部成形体(11)(12)(13)の硬度、曲げ
強さ、磨耗性等について評価した。その結果を示したも
のが表1である。窒化珪素、サイアロンからなるこの発
明のロールの場合には、この表1から明らかなように優
れた特性を有し、欠損、割れ、磨耗が少なく、ロール寿
命は著しく改善される。このため、ワイヤの損傷等の欠
陥も発生しない。
ロール部成形体(11)(12)(13)の硬度、曲げ
強さ、磨耗性等について評価した。その結果を示したも
のが表1である。窒化珪素、サイアロンからなるこの発
明のロールの場合には、この表1から明らかなように優
れた特性を有し、欠損、割れ、磨耗が少なく、ロール寿
命は著しく改善される。このため、ワイヤの損傷等の欠
陥も発生しない。
【0012】なお、キャプスタンロールの大きさは、そ
のロール径として ・第1段(D1) 140.2mm ・第2段(D2) 170.9mm ・第3段(D3) 208.4mm ・第4段(D4) 254.2mm ・第5段(D5) 310mm とした。
のロール径として ・第1段(D1) 140.2mm ・第2段(D2) 170.9mm ・第3段(D3) 208.4mm ・第4段(D4) 254.2mm ・第5段(D5) 310mm とした。
【0013】このキャプスタンロールを用いて、8mm径
の軟鋼を5.5mm,3mmに順次伸線し、かつ銅メッキした
後に、ガスシールド溶接用ワイヤとして1.2mmにまで伸
線加工した。潤滑油中のキャプスタンロールによる伸線
において、ワイヤにメッキした銅は、表2に示したよう
に、0.1mg/mの割合で磨耗により失われたが、従来の
ロールの場合の0.2mg/mの約半分にまでその磨耗減量
は低減された。
の軟鋼を5.5mm,3mmに順次伸線し、かつ銅メッキした
後に、ガスシールド溶接用ワイヤとして1.2mmにまで伸
線加工した。潤滑油中のキャプスタンロールによる伸線
において、ワイヤにメッキした銅は、表2に示したよう
に、0.1mg/mの割合で磨耗により失われたが、従来の
ロールの場合の0.2mg/mの約半分にまでその磨耗減量
は低減された。
【0014】また、従来は、ロールの処理は寿命300ト
ンにすぎなかったが、この発明により、ワイヤ重量800
トン処理にまで延長された。
ンにすぎなかったが、この発明により、ワイヤ重量800
トン処理にまで延長された。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【発明の効果】この発明により、以上詳しく説明した通
り、欠損、割れ、磨耗の少ないロールが実現され、か
つ、破壊勒性値や曲げ強度が大きいために、従来のアル
ミナロール使用時よりも高速回転で操業でき、作業効率
が大幅に向上する。しかも、摩擦係数が低いため、ワイ
ヤの磨耗が少なく、融着も減少され、品質の良い線材が
得られる。
り、欠損、割れ、磨耗の少ないロールが実現され、か
つ、破壊勒性値や曲げ強度が大きいために、従来のアル
ミナロール使用時よりも高速回転で操業でき、作業効率
が大幅に向上する。しかも、摩擦係数が低いため、ワイ
ヤの磨耗が少なく、融着も減少され、品質の良い線材が
得られる。
【図1】連続湿式伸線機の主要部を示した平面図であ
る。
る。
【図2】この発明の実施例を示した部分断面図である。
1 ワイヤ素材 2 案内キャプスタン 3 キャプスタンロール 4 ダイスホルダー 5 回転ダイス 6 製品ワイヤ 11,12,13 ロール部成形体 14 芯体鋼材
Claims (1)
- 【請求項1】 ロール部に窒化珪素および/またはサイ
アロン成形体を配設してなることを特徴とする湿式伸線
機キャプスタンロール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP270691A JPH07171612A (ja) | 1991-01-14 | 1991-01-14 | 伸線機キャプスタンロール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP270691A JPH07171612A (ja) | 1991-01-14 | 1991-01-14 | 伸線機キャプスタンロール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07171612A true JPH07171612A (ja) | 1995-07-11 |
Family
ID=11536740
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP270691A Pending JPH07171612A (ja) | 1991-01-14 | 1991-01-14 | 伸線機キャプスタンロール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07171612A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009178719A (ja) * | 2008-01-29 | 2009-08-13 | Kyocera Corp | キャプスタンロールおよび伸線機 |
JP2017136607A (ja) * | 2016-02-02 | 2017-08-10 | 京セラ株式会社 | 伸線装置用キャプスタン |
KR102203011B1 (ko) * | 2020-07-02 | 2021-01-14 | 조재희 | 신선기 드럼의 작업가능시간 연장방법 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6123515A (ja) * | 1984-07-10 | 1986-02-01 | Sumitomo Electric Ind Ltd | TiおよびTi合金用熱間塑性加工工具 |
JPH02157169A (ja) * | 1988-12-09 | 1990-06-15 | Nippon Steel Corp | 導電性サイアロン焼結体及びその製造方法及び伸線用ダイス |
-
1991
- 1991-01-14 JP JP270691A patent/JPH07171612A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6123515A (ja) * | 1984-07-10 | 1986-02-01 | Sumitomo Electric Ind Ltd | TiおよびTi合金用熱間塑性加工工具 |
JPH02157169A (ja) * | 1988-12-09 | 1990-06-15 | Nippon Steel Corp | 導電性サイアロン焼結体及びその製造方法及び伸線用ダイス |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009178719A (ja) * | 2008-01-29 | 2009-08-13 | Kyocera Corp | キャプスタンロールおよび伸線機 |
JP2017136607A (ja) * | 2016-02-02 | 2017-08-10 | 京セラ株式会社 | 伸線装置用キャプスタン |
KR102203011B1 (ko) * | 2020-07-02 | 2021-01-14 | 조재희 | 신선기 드럼의 작업가능시간 연장방법 |
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