JP5751510B2 - 大豆ペーストの製造方法及び大豆ペースト - Google Patents

大豆ペーストの製造方法及び大豆ペースト Download PDF

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Description

本発明は大豆ペーストの製造方法及び大豆ペーストに関する。さらに詳しくは、青臭み・渋味がともに少なく、かつ香り・甘味に富む大豆ペーストの製造方法及びその製造方法により得られる大豆ペーストに関する。
大豆に含まれる植物性たんぱく質はアミノ酸バランスに優れており、脂質はコレステロール低下作用があるとされるリノール酸を多く含んでいる。このため豆腐や豆乳に代表される大豆加工食品は健康食品として好まれている。
また大豆胚軸中にはがん予防・骨粗しょう症予防効果が有るとされるイソフラボンや、がん予防効果・抗ウイルス作用・抗酸化作用が有るとされるサポニンなどの栄養素が高濃度に含まれていることが知られているが、豆腐や豆乳の製造過程で、その大部分が廃棄されている。
このため大豆成分の全てを有効利用する大豆ペーストの製造が多く試みられている。
ところで大豆に含まれるリノール酸は酸素に触れると大豆に内在する脂質酸化酵素:リポキシゲナーゼによる酸化作用を経てn-ヘキサナールへと変換される。n-ヘキサナールは大豆の青臭みの原因物質として知られている。
このため、従来から大豆加工製品の臭味改善のため、リポキシゲナーゼの失活処理が種々試みられてきた。
例えば、特許公開2004-16120号公報(以下、「特許文献1」という。)は、乾燥大豆粉砕物を温水に溶解し均質化する豆乳様飲料の製造方法を開示している。再公表特許WO2004/00880号公報(以下、「特許文献2」という。)は、原料大豆を粉砕し、水を加え大豆粉末を膨潤させ、その後加熱する大豆加工素材の製造方法を開示している。特許公開2006-136294号公報(以下、「特許文献3」という。)は、原料大豆を乾式粉砕して大豆乾燥粒子とし、該大豆乾燥粒子に水を加えて加熱する大豆ペーストの製造方法を開示している。特許公開公報2007-228851号公報(以下、「特許文献4」という。)は、生大豆粉を熱水で80℃〜90℃の温度に分散・溶解後(第一次加熱)、さらに95℃〜140℃で加熱する(第二次加熱)豆乳の製造方法を開示している。
以上の特許文献1〜4に記載の方法は、いずれも原料大豆(乾燥大豆、生大豆)に加水することなく粉砕(乾式粉砕)した後、水に分散し、その後加熱するという点で共通している(以後、これらの方法を「乾式粉砕・後加熱法」と略称することがある。)。しかし、大豆は脂質を大量に含有しているため、乾式粉砕するには特殊な粉砕装置が必要である(要すれば、「非特許文献1」等を参照)。加えて、「乾式粉砕・後加熱法」による場合、乾式粉砕された表面積の大きな大豆粉末が、空気中の酸素または水中の溶存酸素と接触する結果、前述のリポキシゲナーゼの作用により大豆製品が青臭くなる問題がある。
特許公開2007-222158号公報(以下、「特許文献5」という。)は、大豆に水を加えて磨砕し、加熱する大豆の磨砕加熱処理方法を開示している。再公表特許WO2008/081948号公報(以下、「特許文献6」という。)は、大豆を挽き水とともに液中磨砕して呉液とし、該呉液を予熱し、さらに所定温度にて加熱する豆乳製造方法を開示している。
以上の特許文献5及び6に記載の方法はともに豆乳の製造方法であって、いずれも大豆に水を加え粉砕(湿式粉砕)し、次いで加熱する点が共通している(以後、これらの方法を「湿式粉砕・後加熱法」と略称することがある。)。
これら「湿式粉砕・後加熱法」においても、大豆磨砕物は表面積(接触面積)が大きいため、水中の溶存酸素とリポキシゲナーゼの作用が避けられず、大豆製品が青臭くなる問題がある。
特許公開2007-289144号公報(以下、「特許文献7」という。)、特許公開2008-125号公報(以下、「特許文献8」という。)、特許公開2003-23989号公報(以下、「特許文献9」という。)は、未粉砕の大豆(以下、生大豆)を所定温度の熱水中にて所定時間加熱処理し、しかる後粉砕して大豆ペーストを得る方法を開示している。特に特許文献9は、「大豆を水に浸漬すると前記リポキシゲナーゼが活性化して青臭みの原因物質が生成されてしまい、製造される豆乳は青臭くなってしまう。」旨述べている(特許文献9段落[0004])。
特許公開2006-191860号公報(以下、「特許文献10」という。)、再公表WO2010-073575公報(以下、「特許文献11」という。)は、生大豆を所定温度の熱水中にて所定時間加熱処理する豆乳の製造法を開示している。特許公開2006-129877号公報(以下、「特許文献12」という。)は、生大豆を所定温度の蒸気にて所定時間加熱処理し、引き続き磨砕し、乾燥して得られる加工大豆粉末素材・大豆飲料等を開示している。
以上の特許文献7〜12に記載の方法は、いずれもその加熱処理に先立ち生大豆を常温の水中にて充分に浸漬することなく直接熱水や蒸気中にて加熱処理する点で共通する(以後、これらの方法を「直接加熱・後粉砕法」と略称することがある。)。
他方、加熱処理に先立ち、生大豆を常温にて所定時間水中に浸漬した後、高温にて加熱処理し、さらに粉砕処理をして大豆ペーストを得る方法も開示されている。
例えば、特許公開2011-217642号公報(以下、「特許文献13」という。)は、生大豆を水に浸漬した後、加熱水蒸気にて加熱処理し、ピューレ状もしくはペースト状に破砕加工する大豆の加工方法(請求項4)を開示し、特許公開2007-244330号公報(以下、「特許文献14」という。)は、生大豆を水に浸漬処理し、次いで加温・加圧条件下において加熱処理し、その後磨砕処理する大豆豆汁液の製造方法を開示し、特許公開2006-75011号公報(以下、「特許文献15という。)は、大豆を水に浸漬した後加圧加熱し、次いで磨砕する加工大豆の製造方法を開示している。特許公開2002-262805号公報(以下、「特許文献16」という。)は、大豆を水に加え膨潤し、該膨潤大豆を煮沸し、煮沸した大豆をすり潰す大豆由来食品の製造方法を開示している。
上記特許文献13〜16に記載の方法は、いずれも生大豆を水に浸漬処理し、かつその後高温で加熱処理するという点で共通している。高温で加熱処理する点に関し、例えば特許文献13の加熱処理においては120〜500℃の加熱水蒸気を用いることが好ましいとし、特許文献14の加熱処理においては、温度条件は90〜130℃の範囲を採用し(同文献段落[0040])、特許文献15」の加圧加熱処理においては、110〜125℃の範囲であることが好ましいとし(同文献段落[0028])、特許文献16の加熱処理においては、常圧または加圧下に煮沸するとしている(同文献段落[0025])。
すなわち、特許文献13〜16に開示の発明は、加熱処理の温度としていずれも90℃以上の高温領域を採用している点で共通している(以後、これらの方法を「高温加熱・後粉砕法」と略称することがある。)。
前記「直接加熱・後粉砕法」や「高温加熱・後粉砕法」は、粉砕工程前にあらかじめリポキシゲナーゼを失活させてしまうため、前記「乾式粉砕・後加熱法」や「湿式粉砕・後加熱法」と比較してリポキシゲナーゼによる青臭み成分の生成を抑制しやすいと考えられる。
特許公開2004-16120号公報 再公表特許WO2004/00880号公報 特許公開2006-136294号公報 特許公開2007-228851号公報 特許公開2007-222158号公報 再公表特許WO2008/081948号公報 特許公開2007-289144号公報 特許公開2008-125号公報 特許公開2003−23989号公報 特許公開2006-191860号公報 再公表WO2010-073575公報 特許公開2006-129877号公報 特許公開2011-217642号公報 特許公開2007-244330号公報 特許公開2006-75011号公報 特許公開2002-262805号公報
日本食品科学工学会誌 第58巻 第11号、552〜558頁
そこで本発明者らが上記特許文献7〜12に記載の方法に代表される「直接加熱・後粉砕法」と、特許文献13〜16に記載の方法に代表される「高温加熱・後粉砕法」に従い大豆ペーストの製造を試みた結果、依然として以下の課題が有ることが判明した。
すなわち、前記「直接加熱・後粉砕法」では、加熱時間を長くすることにより、青臭み・渋味が低減する傾向が見られるものの、香り・甘味の低下が著しく、結局「直接加熱・後粉砕法」による限り、温度・加熱時間の調整のみでは、大豆ペーストの「青臭みと渋味の抑制」と「香りと甘味の保持」を両立させることが困難であることが判明した。
他方、前記「高温加熱・後粉砕法」においても、前記した90℃以上の高温加熱条件を採用する限り、大豆ペーストの「青臭みと渋味の抑制」と「香りと甘味の保持」を両立させることが困難であることが判明した。
以上のとおり、従来の方法はいずれも大豆本来の風味を損なうことなく青臭みや渋味の無い大豆ペーストを得るという点において、未だ十分なものではない。
そこで本発明者らは、青臭みや渋味がなく、かつ大豆本来の風味を有する大豆ペーストを簡易かつ効率的に得る製造方法を確立することを課題とし、検討を進めた。
上記課題達成のため鋭意検討した結果、本発明者らは、大豆ペーストを得るに際し、出発原料として、乾燥大豆粉末ではなく、生大豆を使用し、生大豆をまず常温の水中にて浸漬して所定の膨潤比を有する膨潤大豆とし、次いで膨潤大豆を所定温度の熱水中にて、常圧下所定時間加熱し、しかる後磨砕することにより、青臭みや渋味が抑制され、かつ大豆本来の香りを残し甘味の増した大豆ペーストが得られること、またかくして得られる大豆ペーストにおいて、該大豆ペーストの所定固形分濃度の試料中の特定の微量成分含量が特定量以下である場合に、一段と風味及び味覚に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、生大豆の加熱により大豆中に甘味成分が形成され、他方熱水と接している大豆表面からは拡散作用によりその甘味成分が徐々に散逸してしまうという現象の発見に基づく。さらに本発明は、加熱工程に先立ち、生大豆を水に浸漬し膨潤大豆とすることにより、その後の加熱工程での大豆中のリポキシゲナーゼの失活に要する加熱時間を短縮し得るという新たな発見に基づく。さらに、本発明は、生大豆ではなく膨潤大豆を熱水に浸し加熱することにより、大豆中の渋味成分が効率よく除去されるという発見に基づく。
すなわち、本発明は、
イ)生大豆を常温の水中に浸漬して、膨潤大豆を得る膨潤工程と、
ロ)前記イ)工程で得られた膨潤大豆を加熱して、加熱大豆を得る加熱工程と、
ハ)前記ロ)工程で得られた加熱大豆を湿式磨砕して、大豆磨砕処理物を得る磨砕工程と、を含む大豆ペーストの製造方法であって、
前記イ)工程は膨潤比(膨潤大豆重量/生大豆重量)を1.7以上にする工程であり、かつ
前記ロ)工程は前記膨潤大豆を80℃以上90℃未満の熱水中に13分以上30分以下の時間浸す工程である
ことを特徴とする大豆ペーストの製造方法を提供するものである。
さらに本発明は、上記方法により得られる大豆ペーストであって、該大豆ペーストの固形分濃度20重量%の試料中の、
1)n−ヘキサナール含量が0.05μg/g以下であり、かつ
2)大豆サポニン由来のソヤサポゲノールA含量が120μg/g以下である大豆ペーストを提供するものである。
本発明の方法により得られる大豆ペーストは、青臭みや渋味がなく、かつ大豆本来の風味を有するため、それ単独で食用に供することのほか、大豆ハンバーグその他の原料とすることができる。
本発明において、出発原料としては、大豆粉末ではなく、生大豆を用いる。大豆の品種、産地に特に制約は無く、各産地の多様品種の大豆を用いることが出来る。
はじめに、本発明の方法の概要を説明する。
本発明は、前記したように、イ)膨潤工程と、ロ)加熱工程と、ハ)磨砕工程を有する。
本発明において、上記イ)〜ハ)のいずれかの工程を欠く場合には、その目的を達成することが出来ない。
さらに本発明において生大豆は、上記イ)、ロ)、ハ)の各工程の順で処理しなければならない。
例えば、大豆を膨潤工程に処し、ついで磨砕工程に処し、その後加熱工程に処したのでは、磨砕工程直後の大豆磨砕物には活性を保持したリポキシゲナーゼが依然含まれている。その結果、大豆磨砕物に含まれる脂質成分が空気との接触により酸化されやすくなり、得られる大豆ペーストは青臭みの強いものとなってしまい、本発明の目的を達することは出来ない。
以下、本発明の方法を工程ごとに説明する。
イ)膨潤工程;
本発明の膨潤工程は、生大豆を常温の水に浸漬し、膨潤大豆を得る工程である。膨潤大豆とすることにより、熱伝導性の高い水分を大豆粒の芯部まで十分に含むこととなる。この結果、膨潤大豆を次工程の加熱工程に付す場合には、生大豆を直接加熱工程に付す場合と比較して、大豆表面よりその芯部まで速やかに熱が伝わることとなる。そのため、後に述べるロ)の加熱工程にて、大豆中の酵素:リポキシゲナーゼの失活に要する時間を短縮することが可能となる。結果、大豆からの香り・甘味両成分の散逸を最小限に抑えることができると本発明者らは推定している。
したがって、本膨潤工程を欠く場合には、後記するロ)の加熱工程の温度と時間を調整するのみでは、大豆中の香りや甘味を維持しつつ、かつ青臭みと渋味を除去することが困難となる。よって本発明においては、大豆を膨潤工程に付すことが必須の要件となる。
本膨潤工程にて、生大豆は水を吸収して膨潤大豆となる。この際、大豆の膨潤比(膨潤大豆重量/生大豆重量)が1.7以上となるように制御することが必要である。前記膨潤比が1.7未満であると大豆組織中への水の含浸が十分でなく、結果上記した膨潤工程の効果が十分に発揮されなくなる。膨潤比は好ましくは1.8以上である。他方、膨潤比が2.2を越えても、その膨潤比の増分に見合うだけの膨潤工程の上記効果が得られず、生産効率上得策でない。
本膨潤工程では、膨潤比を上記範囲とするため生大豆を常温の水中に浸漬する。ここで常温とは、5℃〜35℃の温度をいう。
水温が5℃未満では、生大豆が十分に吸水するのに要する時間が長くなり、大豆ペーストの生産効率上得策でない。水温は好ましくは、10℃以上、より好ましくは15℃以上、さらに好ましくは25℃以上である。
他方水温が35℃を超えても、昇温に見合うだけの生大豆の吸水時間の短縮にはならないため得策でない。
前記膨潤比の膨潤大豆を得るため、生大豆は常温水中におよそ90〜180分浸漬される。水比(水重量/生大豆重量)は、容器内の生大豆が十分に浸るに足る量であれば良く、通常およそ2〜6の範囲で有れば良い。
膨潤工程は、生大豆を水中に静置する方式のほか、生大豆表面に接触する水の層を更新するため、生大豆を傷つけない緩やかな条件で攪拌を加える方式や、流水に接触させる方式等の変法を採用することもできる。
ロ)加熱工程;
本工程では、前記膨潤工程にて得られた膨潤大豆を加熱し、加熱大豆とする。膨潤大豆を、本加熱工程を経ないまま後記する磨砕工程に付すと活性を維持している大豆中酵素:リポキシゲナーゼの作用により青臭み成分:n−ヘキサナールが生成してしまい、所望品質の大豆ペーストを得ることができない。
なお本加熱工程は常圧にて実施できるため、加圧設備を要しない。
また本工程においては膨潤大豆を熱水に浸す点が肝要なのであって、これを例えば蒸気で加熱したのでは、本発明の目的を達成できない。膨潤大豆を熱水中に浸すことにより、大豆中の渋味成分が熱水により抽出され、最終的に得られる大豆ペーストは、香り・甘味を有しつつ、青臭み・渋味の少ない優れた品質のものとなる。熱水でなく蒸気にて膨潤大豆を加熱したのでは、膨潤大豆から渋味成分を抽出する効果に乏しく、最終的に得られる大豆ペーストは渋味が残り、本発明の目的を達することができない。
よって本加熱工程では、その工程中、膨潤大豆が熱水中に浸るのに十分な熱水量を維持することが肝要である。
本加熱工程において、熱水の温度は80℃以上90℃未満であることが必要である。
熱水の温度が80℃未満では、リポキシゲナーゼ失活効果が十分でなく、このため次工程の磨砕工程を経た大豆磨砕処理物は酸素の接触とリポキシゲナーゼの作用により青臭み成分が生成してしまう。他方、熱水の温度が90℃以上であると、大豆ペーストの青臭みと渋味は抑制されるものの、風味・甘味に欠けるものとなってしまう。この原因は、熱水の温度が90℃以上になると大豆中の風味成分や甘味成分が短時間で熱水中に拡散・流出しやすくなるためと推定される。
熱水温度は82℃以上88℃以下であることが好ましい。熱水の温度が82℃から88℃以下である場合には、渋味・青臭みがともに除去され、かつ大豆独特の風味と甘味を有する大豆ペーストが得られる。熱水の温度は最も好ましくは、84℃以上86℃以下である。熱水温度が84℃以上86℃以下である場合には、後記するように、青臭み・渋味が抑えられ、かつ香り・甘味が良好な大豆ペーストが得られる「加熱時間の許容範囲」が広がるため、大豆品質のばらつきが小さくなるというプロセス制御上のメリットも享受できる。
なお、本発明は熱水温度を80℃以上90℃未満の範囲に制御しつつ、一定速度に昇温または降温させる方法を排除するものではないが、熱水温度の制御性および、製品品質の均一性の観点からは、熱水温度を設定温度の±2℃以内に制御することが好ましく、設定温度の±1℃以内に制御することがより好ましい。
本加熱工程では、熱水温度を上記の範囲に制御しつつ、かつ加熱時間を13分以上30分以下とすることが必要である。加熱時間が13分未満では、大豆ペーストの青臭み及び渋味が強くなってしまう。他方、加熱時間が30分を超えると、大豆ペーストの香り及び甘味が散逸してしまう。加熱時間の下限は、好ましくは15分であり、より好ましくは18分である。加熱時間の上限は、好ましくは27分であり、より好ましくは25分である。
熱水温度が82℃以上88℃以下である場合、加熱時間を15分以上27分以下に制御することにより、青臭みと渋味がより抑えられ、かつ香りと甘味のより良好な大豆ペーストが得られる。
熱水温度82℃以上84℃未満の場合、加熱時間を18分以上25分以下に制御することにより、青臭みと渋味がより抑えられ、かつ香りと甘味のより良好な大豆ペーストが得られる。
熱水温度84℃以上86℃以下の場合、加熱時間を18分以上27分以下に制御することにより、青臭みと渋味がより抑えられ、かつ香りと甘味のより良好な大豆ペーストが得られる。
熱水温度86℃超88℃以下の場合、加熱時間を18分以上23分以下に制御することにより、青臭みと渋味がより抑えられ、かつ香りと甘味のより良好な大豆ペーストが得られる。
ハ)磨砕工程;
本工程は前記加熱工程にて得られた加熱大豆を湿式磨砕し、加熱大豆の微粉砕粒子が水中に懸濁した大豆磨砕処理物とする工程である。(以後、前記大豆磨砕物中の大豆由来水中懸濁粒子を単に「懸濁粒子」と称する。)
本磨砕工程での加熱大豆の磨砕には市販の各種湿式磨砕機を好適に使用することができる。
本磨砕工程にて加熱大豆は、懸濁粒子の平均粒子径が20〜200μmの範囲となるよう微細化されることが好ましい。本発明において懸濁粒子の平均粒子径は、レーザー回折散乱原理に基づき測定して得られる、粒度累積体積分布の50パーセントに相当する粒子径を言う。平均粒子径を上記範囲とすることにより、最終的に得られる大豆ペーストはまろやかで口当たりの良いものとなる。大豆磨砕処理物は、その懸濁粒子の平均粒子径が20〜150μmであることがより好ましい。さらに懸濁粒子の平均粒子径が前記範囲であって、かつ粒度累積体積分布90パーセントの粒子径が500μm以下であることがより一層好ましい。なお、測定に際しては、懸濁粒子が水と十分に膨潤平衡状態になるよう、大豆磨砕処理物を室温にて24時間静置する。
本工程を経た大豆磨砕処理物はそのまま、又は必要に応じて水を加え濃度調節をして、大豆ペーストとする。
ニ)レトルト殺菌工程;
本発明においては、任意工程として、前記ハ)の磨砕工程に次いで、レトルト殺菌工程を含むことも出来る。
本工程を設けることにより、大豆ペーストの品質を長期にわたり維持することが出来る。本工程は「レトルトパウチ食品品質表示基準」(平成12年12月19日農林水産省告示第1680号)に従い行う。
次に上記方法により得られる大豆ペーストのうち、n−ヘキサナール含量及び大豆サポニン由来のソヤサポゲノールA含量の制御された、風味と味覚に特に優れる大豆ペーストについて説明する。(以下、本発明の方法により得られる大豆ペーストであって、上記微量成分量の制御された大豆ペーストを「本発明大豆ペースト」と称することがある。)
1)n−ヘキサナール含量
本発明大豆ペーストは、該大豆ペーストの固形分濃度20重量%の試料中のn−ヘキサナール含量が0.05μg/g以下であることを特徴とする。n−ヘキサナール含量が0.05μg/g以下に抑えられる場合には青臭みをわずかに感じる程度にまで抑えられ、風味の良好な大豆ペーストとなる。n−ヘキサナール含量が0.03μg/g以下に抑えられるとさらに風味の改善された大豆ペーストとなる。
2)大豆サポニン由来のソヤサポゲノールA含量
大豆は大豆サポニンと総称されるサポニン配糖体を微量含むことが知られている。大豆サポニンは、アグリコン(配糖体の糖以外の部分)の化学構造の違いにより、グループAサポニンとDDMPサポニンに大別される。グループAサポニンは不快味の原因物質とされている。グループAサポニンはソヤサポゲノールA(C−3,21,22,24位に水酸基を持つ3β,21β,22β,24−テトラヒドロキシオレアン−12−エン(tetrahydoroxyolean-12-ene))をアグリコンとする。したがって大豆試料(大豆ペースト)を加水分解し、その加水分解物中のソヤサポゲノールAを定量することにより大豆ペースト中のグループAサポニン含量の指標とすることができる。
本発明大豆ペーストは、該大豆ペーストの固形分濃度20重量%の試料中の大豆サポニン由来のソヤサポゲノールAの含量が120μg/g以下であることを特徴とする。上記ソヤサポゲノールAの含量が120μg/g以下に抑えられる場合には渋味が少なく、味覚良好な大豆ペーストとなる。上記ソヤサポゲノールAの含量が100μg/g以下に抑えられると渋みが更に抑えられ、その反射的効果として甘味を感じやすくなり、味覚の一層良好な大豆ペーストとなる。
上記微量成分(n−ヘキサナール、大豆サポニン由来ソヤサポゲノールA)の含量を上記範囲に制御した大豆ペーストは、本発明の大豆ペーストの製造方法において、膨潤大豆を、82度C以上88度C以下の熱水中に15分以上27分以下の時間浸すことにより、効果的に得ることが出来る。膨潤大豆を84度C以上86度C以下の温度にて18分以上27分以下の時間浸すことにより、確実に得ることが出来る。
以下の実施例、比較例、参考例にて、官能試験、分析試験は下記の手順で行った。
≪官能試験≫
パネラー4人にて、実施例等で得られた大豆ペーストの青臭み、渋味、香り、甘味の項目について、その強さに応じて5段階の評価(ランク付け)を行い、パネラー4人の評価点の平均値をその項目の評価点とした。
青臭み若しくは渋味の評価点が4.0以上の場合、または香り若しくは甘味の評価点が2.0以下の場合を「不合格」(表中には「不良」と表示)とし、それ以外を「合格」(表中には「良」と表示)とした。
また、「合格」評価のうち、青臭み及び渋味の評価点がともに3.0以下、かつ香り及び甘味の評価点がともに3.0以上の場合を特に「特上品質」(表中には「優良」と表示)とした。
なお、各項目のランク評価点は以下のとおりである;
青臭み:ランク1(青臭みを殆んど感じない。)
ランク2(青臭みをかすかに感じる。)
ランク3(青臭みをわずかに感じる。)
ランク4(青臭みをはっきり感じる。)
ランク5(青臭みを強く感じる。)
渋味 :ランク1(渋味を殆んど感じない。)
ランク2(渋味をかすかに感じる。)
ランク3(渋味をわずかに感じる。)
ランク4(渋味をはっきり感じる。舌に残る。)
ランク5(渋味を強く感じる。)
香り :ランク1(香りを殆んど感じない。)
ランク2(かすかな香りをかすかに感じる。)
ランク3(弱い香りを感じる。)
ランク4(香りをはっきり感じる。)
ランク5(強い香りを感じる。)
甘味 :ランク1(甘味を殆んど感じない。)
ランク2(かすかな甘味を感じる。)
ランク3(弱い甘味を感じる。)
ランク4(甘味をはっきり感じる。)
ランク5(強い甘味を感じる。)
≪n−ヘキサナールの定量≫
n−ヘキサナールの定量はヘッドスペースGC/MS法によった。
[ヘッドスペースGC/MS測定条件]
大豆ペーストを約2g精秤し、3mLの超純水とともに20mLバイアル瓶に入れて密栓後、70℃20分間保持する。次いで平衡ヘッドスペース法によりサンプリングし、GC/MS分析に供する。使用機器、分析条件は以下のとおりである。
・使用機器:GC/MS(Agilent社製Agilent7890A/7000)、オートサンプラー(GERSTEL社製 MPS2XL)
・分析カラム:DB-5ms 長さ30mm、内径0.25mm、膜厚0.25μm(Agilent J&W社製)
・注入口温度:250℃
・注入モード:スプリット(スプリット比50:1)
・昇温条件:40℃30分間保持、その後毎分10℃にて70℃まで昇温し、70℃到達後は毎分20℃にて昇温し、250℃到達後その温度を保持する。
・キャリアーガス:ヘリウム
・イオン源温度:280℃
・イオン化法:電子イオン化(70eV)
・検出モード:SIM(Select Ion Monitoring)モード
・測定イオン(m/z):56,72,82
・注入量 :1000μL
試料中のn−ヘキサナールの定量は、あらかじめ作成の検量線より求めた。
≪ソヤサポゲノールAの定量≫
[大豆サポニンの抽出と加水分解]
大豆ペースト約600mgを精秤し、70%エタノール(含0.1%酢酸)を6mL加え、ボルテックスミキサーにて攪拌後、25度Cで48時間静置し、大豆サポニン抽出液を得る。
[大豆サポニンの加水分解]
上記大豆サポニン抽出液を高速遠心機にて10分間遠心後、上澄み300μLを採取し、塩酸30μLを加えてボルテックスミキサーにて撹拌する。攪拌後、試料液面に流動パラフィンを重層し、ヒーターにて80℃6時間加熱することにより、サポニン成分を加水分解する。かくして得られた加水分解液を放冷後、高速液体クロマトグラフ分析に供する。
[高速液体クロマトグラフィー]
上記加水分解液中のソヤサポゲノールA含量を高速液体クロマトグラフィーにて求めた。使用機器、分析条件は以下のとおりである。
・測定機器:高速液体クロマトグラフ(Waters社製Alliance e2695/2487 UV-VIS,検出器:UV検出方式)
・移動相:水/アセトニトリル/酢酸(容積比4:6:0.01)
・注入量:10μL
・流速 :1.0mL/分
・紫外線波長:210nm
・カラム:InertSustain C8 4.6×150mm 5μm(GLサイエンス社製)
・カラム温度:40度C
なお、試料中のソヤサポゲノールAの定性は、あらかじめ調整したソヤサポゲノールAの標準試料の保持時間との比較により行い、定量は検量線法による。
以下、実施例により本発明を具体的に示す。
[実施例1]
≪大豆ペーストの調製≫
生大豆を以下の膨潤工程、加熱工程、磨砕工程に処し、大豆ペーストを作製した。
1.膨潤工程
水400gを入れた容器に生大豆100gを加え、水温を30℃に保持したまま180分浸漬し、その後大豆を分取し膨潤大豆を得た。大豆の膨潤比(膨潤大豆重量/生大豆重量)は2.0であった。
2.加熱工程
容器内に新鮮な水1000gを満たし、加温して85℃の熱水とした。次いで分取した膨潤大豆200g(生大豆含量100g)を上記熱水に浸し、そのまま温度を85℃に保ちながら20分間保持した。次いで、大豆を分取し、直ちに流水にて冷却し、加熱大豆を得た。加熱大豆の膨潤比(加熱大豆重量/生大豆重量)は2.2であった。
3.磨砕工程
加熱大豆220g(生大豆含量100g)に水280gを加え、湿式粉砕機にて粉砕処理し、固形分濃度(生大豆重量/大豆磨砕処理物重量)20重量%の大豆磨砕処理物を得た。(以下の実施例、比較例、参考例のいずれにおいても固形分濃度20重量%とした。)
レーザー回折散乱法粒度分布測定装置(ベックマン・コールター社製LS13320)を用いて、懸濁粒子の平均粒子径を測定した結果、100μmであった。また粒度累積体積分布90パーセントの粒子径は230μmであった。
次いで、大豆磨砕処理物を「レトルトパウチ食品品質表示基準」(平成12年12月19日農林水産省告示第1680号)に従いレトルト殺菌処理をした。
得られた大豆ペーストの官能試験を実施した。結果を表1に示す。
青臭み、渋味が抑制され、かつほのかな香りを発し、良好な甘味を呈した。
大豆ペースト中のn−ヘキサナール、ソヤサポゲノールAを定量した。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、膨潤工程を省略し、加熱工程は膨潤大豆に代えて生大豆100gを直接熱水に浸した他は同様にして加熱大豆を得た。加熱大豆の膨潤比(加熱大豆重量/生大豆重量)は2.0であった。次いで、実施例1と同様に加熱工程、磨砕工程、レトルト殺菌処理を行い、大豆ペーストを得た。得られた大豆ペーストの官能試験を実施した。
結果を表1に示す。実施例1の大豆ペーストと比較して、甘味がやや良好であったが、青臭み及び渋味が強いものであった。
[参考例1]
比較例1において、加熱工程における加熱時間をさらに60分に延長した他は同様にして大豆ペーストを得、同様の試験を行った。結果を表1に示す。比較例1と対比して、青臭みが改善されたものの、渋味が依然として強く、他方で甘味が薄れ、風味に劣る大豆ペーストとなった。
[参考例2]
比較例1において、加熱工程における加熱時間を120分に延長した他は同様にして大豆ペーストを得、同様の試験を行った。結果を表1に示す。比較例1と比較して、青臭み及び渋味が改善されたものの、香り及び甘味の乏しい大豆ペーストとなった。
[参考例3]
比較例1において、加熱工程における熱水温度を90℃とし、加熱時間を10分とした他は同様にして大豆ペーストを得、同様の試験を行った。結果を表1に示す。青臭み及び渋味が強く、香りが薄い大豆ペーストとなった。
[参考例4]
参考例3において、加熱工程における加熱時間を20分とした他は同様にして大豆ペーストを得、同様の試験を行った。結果を表1に示す。香り及び甘味とも許容レベルとなったが、青臭み及び渋味とも強い大豆ペーストとなった。
[参考例5]
参考例3において、加熱工程における加熱時間を25分とした他は同様にして大豆ペーストを得、同様の試験を行った。結果を表1に示す。青臭み及び渋味とも許容レベルに到達したが、香り及び甘味共に失われ、風味を欠いた大豆ペーストとなった。
以上、比較例1、参考例1〜5より、膨潤工程を欠くと、加熱工程における熱水の温度及び加熱時間を調整しても、「青臭み・渋味が抑制され、かつ香り・甘味を呈する」という、バランスのとれた風味を有する大豆ペーストが得られないということが判る。
[比較例2]
実施例1において、膨潤大豆を85℃の熱水に浸す加熱工程に代えて、膨潤大豆を85℃の蒸気雰囲気下におく工程とした他は同様にして大豆ペーストを得、同様の試験を行った。結果を表2に示す。熱水に浸す場合と比較して、甘味が高かったものの、香りを欠き、他方青臭みと渋味の強い大豆ペーストとなった。(比較の便宜上、表2には、実施例1の結果を再掲してある。)
[参考例6]
比較例2において、加熱時間を60分とした他は同様にして大豆ペーストを得、同様の試験を行った。結果を表2に示す。加熱時間を延長したものの、大豆ペーストの風味は比較例2と同様レベルであり、風味の改善は殆んど認められなかった。
[参考例7]
比較例2において、加熱時間を90分とした他は同様にして大豆ペーストを得、同様の試験を行った。結果を表2に示す。加熱時間をさらに延長したものの、香りがさらに薄れ、大豆ペーストの風味は改善されなかった。
[参考例8]
比較例2において、蒸気温度を90℃とし、加熱時間を10分とした他は同様にして大豆ペーストを得、同様の試験を行った。結果を表2に示す。甘味に優れるものの、香りが失われ、他方青臭みと渋味が強い大豆ペーストとなった。
[参考例9]
参考例8において、加熱時間を20分とした他は同様にして大豆ペーストを得、同様の試験を行った。結果を表2に示す。参考例8よりも香りが改善されたが、青臭みと渋味が依然として強い大豆ペーストとなった。
[参考例10]
参考例8において、加熱時間を60分とした他は同様にして大豆ペーストを得、同様の試験を行った。結果を表2に示す。参考例9よりもさらに香りが改善されたが、渋味が依然として強い大豆ペーストとなった。
以上、比較例2、参考例6〜10より、膨潤工程を経ていても、その後の加熱工程が熱水浸漬でなく蒸気加熱の場合には、加熱時間を30分超の長時間としても、青臭み及び渋味を除くことが困難であることが判る。
[比較例3]
実施例1において、加熱工程における熱水温度を75℃とした他は同様にして、大豆ペーストを得、同様の試験を行った。結果を表3に示す。実施例1と比較して、青臭み及び渋味がともに極めて強い大豆ペーストとなった。(なお、比較の便宜上、表3には実施例1の結果を再掲してある。)
[参考例11]
比較例3において、加熱工程における加熱時間を60分とした他は同様にして大豆ペーストを得、同様の試験を行った。結果を表3に示す。比較例3よりも青臭みが改善されたものの、香り及び甘味が失われ、風味を欠く大豆ペーストとなった。
[実施例2]
実施例1において、加熱工程における熱水温度を80℃とした他は同様にして大豆ペーストを得、官能試験を行った。結果を表3に示す。実施例1と比較して、青臭み及び渋味がやや強くなったが許容レベルの大豆ペーストが得られた。大豆ペースト中のn−ヘキサナール、ソヤサポゲノールAを定量した。結果を表3に示す。
[実施例3]
実施例1において、加熱工程における熱水温度を88℃とした他は同様にして大豆ペーストを得、同様の試験を行った。結果を表3に示す。実施例1と同様風味の大豆ペーストが得られた。大豆ペースト中のn−ヘキサナール、ソヤサポゲノールAを定量した。結果を表3に示す。
[比較例4]
実施例1において、加熱工程における熱水温度を90℃とした他は同様にして大豆ペーストを得、同様の試験を行った。結果を表3に示す。青臭み及び渋味は抑制されたものの、香り、甘味の乏しい大豆ペーストとなった。大豆ペースト中のn−ヘキサナール、ソヤサポゲノールAを定量した。結果を表3に示す。
[参考例12]
比較例4において、加熱工程における加熱時間を13分とした他は同様にして大豆ペーストを得た。結果を表3に示す。比較例4よりも甘味が増したものの、青臭み及び渋味が増し、香りも劣った大豆ペーストとなった。
以上、実施例1〜3、比較例3、参考例11、比較例4、参考例12より、熱水温度が80℃未満または90℃以上である場合には、加熱時間の調節のみでは、「青臭み及び渋味の除去」と「香り及び甘味の保持」とを両立させることが困難であることが判る。
[比較例5]
実施例1において、加熱工程における加熱時間を10分とした他は同様にして大豆ペーストを得た。結果を表4に示す。実施例1と比較して、香りが著しく乏しい上に、青臭み及び渋味の著しく増した大豆ペーストとなった。(なお、比較の便宜上、実施例1の結果を表4に再掲した。)大豆ペースト中のn−ヘキサナール、ソヤサポゲノールAを定量した。結果を表4に示す。
[実施例4〜9]
実施例1において、加熱工程における加熱時間を各々13、15、18、25、27、30分とした他は同様にして、大豆ペーストを得た。結果を表4に示す。いずれの場合も、青臭み及び渋味が抑えられ、かつ香り及び甘味を有する良好な大豆ペーストが得られた。
[比較例6]
実施例1において、加熱工程における加熱時間を35分とした他は同様にして、大豆ペーストを得た。結果を表4に示す。実施例1と比較して、青臭み及び渋味は改善されたが、香り及び甘味が失われた風味の乏しい大豆ペーストとなった。大豆ペースト中のn−ヘキサナール、ソヤサポゲノールAを定量した。結果を表4に示す。
実施例4〜9、比較例6より、加熱工程における熱水温度が85℃の場合、加熱時間を13分以上30分以下とすることにより、青臭み・渋味とも抑制されかつ香り・甘味を備えた大豆ペーストが得られ、加熱時間を15分以上27分以下に制御することにより、風味のバランスのさらに優れた大豆ペーストが得られ、加熱時間を18分以上27分以下に制御することにより、風味のバランスの一層優れた大豆ペーストが得られることが明らかである。
[実施例10〜13]
実施例1において、各々加熱工程における熱水温度を82℃とし、かつ加熱時間を各々15、18,23、25分とした他は同様にして、大豆ペーストを得た。結果を表5に示す。いずれの場合も青臭み及び渋味が抑えられ、かつ香り及び甘味の良好な大豆ペーストが得られた。特に加熱時間を18分以上23分以下とすることにより、特に風味の優れた大豆ペーストが得られた。加熱時間15分として得た大豆ペーストについてn−ヘキサナール及びソヤサポゲノールAを定量した。結果を表5に示す。
[実施例14〜17]
実施例1において、各々加熱工程における熱水温度を88℃とし、かつ加熱時間を各々15、18,23、25分とした他は同様にして、大豆ペーストを得た。結果を表5に示す。いずれの場合も青臭み及び渋味が抑えられ、かつ香り及び甘味の良好な大豆ペーストが得られた。特に加熱時間を18分以上23分以下とすることにより、特に風味の優れた大豆ペーストが得られた。
以上、実施例1〜17より、加熱工程において熱水温度を80℃以上90℃未満とすることにより、青臭みと渋味を抑制しつつ、香りと甘味をともに備える大豆ペーストが得られることが明らかである。特に熱水温度を85℃近傍に制御する場合には、青臭み・渋味の除去及び香り・甘味の保持を両立させることの出来る許容時間幅が他の温度領域よりも広くなることが明らかである。
[実施例18]
実施例1において、膨潤工程における水中浸漬時間を120分とした他は同様にして、大豆ペーストを得た。大豆の膨潤比は1.8であった。官能試験の結果を表6に示す。(なお、比較の便宜上、実施例1の結果を表6に再掲した。)
[実施例19]
実施例1において、膨潤工程における水中浸漬時間を90分とした他は同様にして、大豆ペーストを得た。大豆の膨潤比は1.7であった。官能試験の結果を表6に示す。
[比較例7]
実施例1において、膨潤工程における水中浸漬時間を60分とした他は同様にして、大豆ペーストを得た。大豆の膨潤比は1.6であった。官能試験の結果を表6に示す。
以上、実施例1,18,19、及び比較例7より、膨潤工程において、大豆の膨潤比が1.6以下である場合には、渋味が強く、かつ香りの乏しい大豆ペーストしか得られなかった。大豆の膨潤比を1.7以上、特に1.8以上にすることにより、青臭み・渋味が抑制され、かつ香り・甘味の良好な大豆ペーストが得られた。
本発明の方法により得られる大豆ペーストは、青臭み・渋味が抑えられ、かつ香り・甘味に富んだものとなる。そのため、パン、豆腐様食品、ジュース、スイーツ、スープ、アイスクリーム、シャーベット、チーズ、ヨーグルトその他食品用素材として有用である。

Claims (10)

  1. イ)生大豆を常温の水中に浸漬して、膨潤大豆を得る膨潤工程と、
    ロ)前記イ)工程で得られた膨潤大豆を加熱して、加熱大豆を得る加熱工程と、
    ハ)前記ロ)工程で得られた加熱大豆を湿式磨砕して、大豆磨砕処理物を得る磨砕工程と、
    を含む大豆ペーストの製造方法であって、
    前記イ)工程は膨潤比(膨潤大豆重量/生大豆重量)を1.7以上に制御する工程であり、かつ
    前記ロ)工程は前記膨潤大豆を80℃以上90℃未満の熱水中に13分以上30分以下の時間浸す工程である
    ことを特徴とする大豆ペーストの製造方法。
  2. 前記イ)工程は、前記膨潤比を1.8〜2.2の範囲に制御する工程である、請求項1に記載の大豆ペーストの製造方法。
  3. 前記ロ)工程は、前記膨潤大豆を82℃以上88℃以下の熱水中に15分以上27分以下の時間浸す工程である、請求項2に記載の大豆ペーストの製造方法。
  4. 前記ロ)工程は、前記膨潤大豆を82℃以上84℃未満の熱水中に18分以上25分以下の時間浸す工程である、請求項2に記載の大豆ペーストの製造方法。
  5. 前記ロ)工程は、前記膨潤大豆を84℃以上86℃以下の熱水中に18分以上27分以下の時間浸す工程である、請求項2に記載の大豆ペーストの製造方法。
  6. 前記ロ)工程は、前記膨潤大豆を86℃超88℃以下の熱水中に18分以上23分以下の時間浸す工程である、請求項2に記載の大豆ペーストの製造方法。
  7. さらに、前記ハ)工程で得られた大豆磨砕処理物を引き続き二)レトルト殺菌処理する工程を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の大豆ペーストの製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかの方法により得られる大豆ペーストであって、該大豆ペーストの固形分濃度20重量%の試料中の、n−ヘキサナール含量は0.05μg/g以下であり、かつ大豆サポニン由来のソヤサポゲノールA含量は120μg/g以下であることを特徴とする大豆ペースト。
  9. 前記n−ヘキサナール含量は0.03μg/g以下であり、前記大豆サポニン由来のソヤサポゲノールA含量は110μg/g以下である請求項8に記載の大豆ペースト。
  10. 前記ソヤサポゲノールA含量は100μg/g以下である請求項9に記載の大豆ペースト。
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