JP2006075011A - 加工大豆の製造方法、その方法により製造された加工大豆及びその加工大豆を含む加工食品 - Google Patents

加工大豆の製造方法、その方法により製造された加工大豆及びその加工大豆を含む加工食品 Download PDF

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Abstract

【課題】ペクチナーゼ等の酵素を使用することなく、個々の大豆単細胞を分散させ、大豆細胞内に栄養成分を維持し、大豆独特の匂いがほとんどない、大豆単細胞を豊富に含む加工大豆の簡便で効率的な製造方法を提供する。
【解決手段】大豆単細胞が分散してなる加工大豆の製造方法であって、大豆を水に浸漬する工程と、水の存在下で前記浸漬した大豆を加圧加熱する工程と、前記加圧加熱した大豆を粉砕する工程とを含むことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、加工大豆の製造方法、その方法により製造された加工大豆及びその加工大豆を含む加工食品に関する。
大豆は、タンパク質、糖質および脂質をバランスよく含むと共に、ビタミンも豊富な栄養的に優れた食品素材である。
しかし、大豆は組織が硬いため、煮豆やいり豆等のように調理した場合でも人体への消化吸収率が低い。そのため、大豆を加熱した後すり潰す等して加工することにより消化吸収の改善が行われている。現在の代表的な大豆加工食品としては豆乳や豆腐等があるが、これらの加工には、主として水溶性タンパク質と乳化した油脂が利用されるので、その他はおからとして廃棄処分されてしまう。このため、大豆に含まれる豊富な栄養成分を十分に活用することができない。
また従来から、大豆あるいは大豆粕を機械的に破砕し、粉状にして使用することも試みられているが、大豆細胞が破壊されるために大豆独特の匂いが残り、その他の食品に混ぜて使用する場合、その利用範囲と使用量には限界があった。又、大豆粕から抽出された大豆タンパクが加工食品に利用されているものの、その場合も大豆臭が強く、やはりその利用には限界がある。
上記諸問題を改善する技術として、Bacillus属の微生物が産生する酵素であるペクチナーゼを使用した大豆の加工方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法によれば、ペクチナーゼ処理により大豆の細胞膜を破壊することなく、大豆単細胞を分散させることができ、栄養価が高く、大豆独特の臭いのほとんどない均質な粉状加工大豆を得ることができる。しかしながら、前記ペクチナーゼを使用する加工方法は、酵素処理、酵素失活処理等の複数の工程が必要で作業に時間がかかることから、これをさらに改善する必要がある。
一方、酵素を使用しない大豆の加工方法として、脱皮、脱胚軸した実質的に吸水膨張していない大豆を、アルカリ添加した熱水中に、一定条件下で浸漬加熱し、破砕することにより大豆食品素材を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この方法によれば、大豆細胞が破壊されないため、風味、食感の良好な大豆食品素材を得ることができるが、大豆を脱皮、脱胚軸するための前処理工程が必要であり、やはり工程が複雑化し、加工に時間がかかるという問題がある。また、大豆表皮、胚軸に含まれる食物繊維や大豆イソフラボンも利用することができない。
また、酵素を使用しない他の大豆加工方法として、水分含有比率が75〜95重量%となるよう水分を含有させた豆類を解粒処理して、ペースト状に加工処理することを特徴とする豆類ペーストの製造方法も提案されている(例えば、特許文献3参照)。この方法では、大豆の水分含有比率を75%以上にする必要があるため、長時間の浸漬処理または大豆粉砕後の浸漬処理が必要となる。しかしながら、大豆を長時間水に浸漬膨潤させると、大豆内酵素が活性化して、大豆細胞内部に貯蔵されたタンパク質や油滴が消費されて十分な大豆単細胞が得られなくなったり、悪風味の原因となる虞がある。また、別途の殺菌処理工程において大豆細胞が破壊される虞もある。
特許第3256534号公報 特開平10−99037号公報 特開2004−41号公報
上記問題点に鑑みて、本発明の主たる目的は、ペクチナーゼ等の酵素を使用しないで、細胞膜を破壊することなく大豆細胞組織を個々の大豆単細胞に分散させ、大豆細胞内に栄養成分を維持し、大豆独特の匂いがほとんどない、大豆単細胞を豊富に含む加工大豆の簡便で効率的な製造方法を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、本発明の製造方法により製造される加工大豆、前記加工大豆を含む加工食品を提供することにある。
本発明者らは、上記問題点を解消すべく鋭意研究したところ、以下に示す加工大豆の製造方法により上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の製造方法は、大豆単細胞が分散してなる加工大豆の製造方法であって、大豆を水に浸漬する工程と、水の存在下で前記浸漬した大豆を加圧加熱する工程と、前記加圧加熱した大豆を粉砕する工程とを含むことを特徴とする。
この方法によれば、細胞膜を破壊することなく大豆単細胞を分散させることができ、栄養成分を維持し、大豆特有の匂いがほとんどしない加工大豆を製造することができる。すなわち、これまで必要とされてきた大豆細胞壁成分であるセルロースの加水分解酵素であるセルラーゼ、ヘミセルロースの加水分解酵素であるヘミセルラーゼ、ペクチンの加水分解酵素であるペクチナーゼ等の酵素類を一切必要としない。また、脱皮、脱胚軸処理の必要もないので、従来に比して短時間に、より簡便に大豆単細胞を分散させた加工大豆を製造することができ、表皮や胚軸に含まれる食物繊維、大豆イソフラボン等も有効に利用することができる。
さらに、上記製造方法によれば、浸漬処理に時間がかからず、大豆内酵素が活性化して、大豆細胞内部に貯蔵されたタンパク質や油滴が消費されて大豆単細胞数が減少したり、悪風味が発生することもない。また、加圧加熱工程は、大豆単細胞の分散を容易にすることのほか、殺菌処理を兼ねることができるため、従来に比し、短時間に、効率良く加工大豆を製造することができる。さらに、原料大豆をまるごと使用するため、廃棄物、排水を排出することもない。
本発明の製造方法において、浸漬工程における大豆の浸漬時間が1時間〜5時間であることが好ましい。短時間の浸漬処理後に加圧加熱処理することによって、分散した大豆単細胞を高濃度で含有する加工大豆を製造することができる。また、浸漬時間が短くなるため、生産性が向上する。
また、本発明の製造方法における加圧加熱工程においては、乾燥大豆重量の少なくとも2.5倍量の水の存在下で、浸漬した大豆を加圧加熱することが好ましい。所定量の水の存在下で加圧加熱処理することにより、大豆単細胞をより高濃度で含有する加工大豆を製造することができる。
また、前記製造方法において、加圧加熱工程における加圧加熱条件が、121℃、1.4kg/cm、7分間であることが好ましい。所定条件で加圧加熱することにより、細胞膜を破壊することなく大豆単細胞が分散し易い状態となる。また、大豆内酵素を失活させて大豆細胞の減少を防ぐことができる。さらに、前記処理条件によって、浸漬処理大豆を滅菌できるため、加工時間の短縮化、生産性の向上につながる。
本発明の製造方法により製造された加工大豆には、細胞膜が破壊されていない大豆単細胞が高濃度に分散しており、大豆細胞内に栄養成分が細胞外に流出することなく維持されているので、製造中の栄養成分の酸化及び消失を防ぐとともに、長期保存性に優れている。また、大豆特有の匂いもほとんどしないため、種々の加工食品への大豆原料素材として幅広く利用できる。
また、本発明の製造方法により製造されたピューレ状加工大豆は、長期保存性に優れ、また、大豆特有の匂いがほとんどないため、大豆原料素材として種々の加工食品へ幅広く利用できる。
さらに、本発明の製造方法により製造された加工大豆を含む加工食品は、細胞膜が破壊されていない大豆細胞を豊富に含んでいるため、栄養的に優れ、また、大豆特有の匂いもほとんどない。
以上のように、本発明にかかる製造方法によれば、原料大豆から大豆細胞膜を破壊することなく、分散された大豆単細胞を高濃度に含む加工大豆を簡便に製造することができる。また、原料大豆をまるごと使用して加工大豆を製造するため、廃棄物、排水をほとんど排出しない。さらに、本発明にかかる製造方法により製造された加工大豆は、人体への消化吸収率がよく、栄養価に優れ、大豆特有の匂いがほとんどしない。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明は、大豆単細胞が分散してなる加工大豆の製造方法であって、大豆を水に浸漬する工程と、水の存在下で前記浸漬した大豆を加圧加熱する工程と、前記加圧加熱した大豆を粉砕する工程とを含むことを特徴とする。ここで、本発明の製造方法により製造される加工大豆には、ペースト状加工大豆、ピューレ状加工大豆が含まれる。ペースト状加工大豆とは、それ自体で形状が保持できる粘性状態の加工大豆をいい、ピューレ状加工大豆とは、ペースト状加工大豆に比べ水分含有量が高く、それ自体では形状を保持できない状態の加工大豆をいう。
まず、原料大豆を水で洗浄した後、大豆を水に浸漬する。この際、使用される水(浸漬処理水)の量は、特に限定されないが、少なくとも大豆が十分に漬かる程度が必要とされる。
大豆の浸漬時間は、好ましくは1時間〜5時間であり、更に好ましくは1時間〜3時間、特に好ましくは1時間である。浸漬時間が1時間より短いと、その後の処理で大豆細胞を十分に分散できなくなり、大豆細胞が破壊され易くなるため、大豆単細胞を高濃度に含む加工大豆が得られなくなる。一方、大豆の浸漬時間を5時間より長くすると、加工大豆中の大豆細胞の数が減少してしまい、大豆単細胞を高濃度に含む加工大豆が得られなくなる。これは、大豆への水の浸漬が、大豆発芽を促すプロセスであり、大豆細胞中では発芽のエネルギー消費が急速に起きていることが考えられる。すなわち、水の浸漬によって大豆が活性化(発芽)状態になると、アポトーシスによって、細胞を急速に壊しながら、細胞内部に貯蔵した油滴やタンパク質を急速に消費し始め、細胞数が減少することが考えられる。従来までは、大豆の浸漬処理時間は12時間が好まれて使われていたが、これでは加工大豆中の大豆細胞の数を激減させてしまう。
したがって、大豆細胞をより多く含む加工大豆を得るためには、発芽の起きるごく初期の段階で、加圧加熱処理等によって、大豆内酵素を失活させ、その発芽プロセスを停止させることが必要と考えられる。
大豆の浸漬処理は室温で行うことができるが、大豆の発芽プロセスをできる限り抑える観点から、浸漬処理をできるだけ低温で行うことが好ましい。
浸漬処理による大豆の水分含有率は、大豆湿重量に対して、好ましくは35重量%〜55重量%であり、更に好ましくは35重量%〜50重量%、特に好ましくは35重量%である。水分含有率が35重量%未満では、その後の処理で大豆細胞を十分に分散できなくなって、大豆細胞が破壊され易くなる。
次に、浸漬処理した大豆を加圧加熱する。この処理により大豆細胞が大豆細胞組織から分散し易い状態となる。加圧加熱には、高圧滅菌器(オートクレーブ)、圧力釜等が使用可能である。また、加圧加熱は110〜125 ℃、1.2〜1.7kg/cmで7〜35分間の範囲で行うことが好ましく、特に、121℃、1.4kg/cm、7分間で行うことが好ましい。また、この加圧加熱処理によって、大豆に含まれる酵素類が失活して大豆細胞の減少が抑えられるとともに、大豆に付着している細菌類が死滅する。
加圧加熱処理は、水の存在下で行う。水の存在下で加圧加熱することにより、より多くの大豆細胞を含む加工大豆を製造することができる。加圧加熱処理は、乾燥大豆重量の少なくとも2.5倍量の水の存在下で行うことが好ましく、特に5倍量以上の水の存在下で行うことが好ましい。例えば、乾燥大豆100gを処理する場合、大豆に浸漬している水も含め少なくとも250gの水の存在下で加圧加熱する。加圧加熱処理水が乾燥大豆重量の2.5倍量より少なくなると、製造された加工大豆中に含まれる大豆細胞の数が減少してしまう。大豆が乾燥して、つぶれにくくなることが一因と考えられる。
また、加圧加熱処理水は、前述の浸漬工程で使用した浸漬処理水を再利用することが好ましい。加工大豆製造に際して排水を最小限におさえることができ、浸漬処理中に大豆から流出した微量の大豆成分を回収することができる。
次に、加圧加熱処理した大豆を粉砕して、均質化した加工大豆を得る。この処理により大豆単細胞が完全に分散される。ここで、粉砕の手段は特に限定されず、例えば、家庭用ミキサー、石ロール、高速ミル等がいずれも使用可能である。粉砕は、大豆細胞を極端に破壊してしまうような強力なものであってはならず、例えば、高圧ホモゲナイザーを使用する場合には、200kg/cm以下の圧力で粉砕することが好ましい。
以上の工程により、本発明の加工大豆を製造することができる。
また、本発明の加工大豆を乾燥すれば、パウダー状加工大豆が得られる。乾燥法としては、例えば、噴霧乾燥法又は気流乾燥法、凍結乾燥法等が挙げられるが、特に噴霧乾燥法が好適である。噴霧乾燥法とは、食品を含んだ水溶液、エマルション、懸濁液を噴霧機によって10〜数百μmに微粒化し、熱風にて一挙に粒状に乾燥する方法をいい、例えば、スプレードライヤーが使用される。気流乾燥法とは、乾燥製品が粉粒状となる材料で、湿潤時に糊泥状、あるいは粉粒状のものを急速に流れる熱気流中に分散させ、熱気流と並流に送りながら迅速に乾燥する方法をいい、例えば、フラッシュドライヤーが使用される。このパウダー状加工大豆は、長期保存性に優れ、また、大豆特有の匂いがほとんどないため、大豆原料素材として種々の加工食品へ幅広く利用できる。
本発明の加工大豆は、食品原料素材として広範に使用することができ、これらを含んでなる本発明の加工食品としては、例えば、食パン、菓子類、麺類、ハンバーグやミートボール等の肉加工食品、マヨネーズ、ドレッシング、ジャム、カレー、アイスクリーム等を挙げることができる。これらの加工食品は、豊富な栄養成分を含んでおり、大豆特有の匂いもほとんどしない。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、本発明がかかる実施例に限定されるものでないことはいうまでもない。
(実施例1)
乾燥大豆(品種ヴィントン)100g(実験数:4)に、水500mlを加え、室温で1時間静置(浸漬)した。浸漬処理した大豆の平均湿重量および平均水分含有率は、それぞれ155gおよび35.5重量%であった。次に、浸漬処理した大豆に前記浸漬処理水を加えて、総水分重量(大豆浸漬水の重量を含む)を500gになるよう調製した後、オートクレーブ(トミー社製、SS−320)を使用して、121℃、1.4kg・cmで7分間(食品衛生法に準じ、F値:7で処理)の条件で加圧加熱処理した。加圧加熱処理した大豆は、冷却しながら、ミキサー(三洋電機社製、SM−229)を使用して、回転数11000rpmで30秒間粉砕し、本発明の加工大豆を得た。得られた加工大豆からは大豆臭はほとんど感じられなかった。図1に得られた加工大豆の光学顕微鏡写真を示す。大豆細胞膜が破壊されることなく大豆単細胞が分散していることがわかる。得られた加工大豆の細胞数を、トーマ赤血球計算盤(エルマ社製)を用いて算定した。本実施例で得た加工大豆には、乾燥大豆1gあたり3000万個以上、平均3580万個の大豆細胞が含有されていた。また、得られた加工大豆を超遠心分離して、その上清と沈殿画分のタンパク質およびDNAの分析を行った。超遠心分離は、超遠心分離機(ベックマン社製、XL−70)を用いて、37000rpmで60分間行った。タンパク質定量にはLowry法およびBradford法を、DNA定量にはジフェニルアミン法を用いた。遠心分離の上清画分を分析したところ、全タンパク質の0.8%が上清から検出された。また、DNAは上清から全く検出されなかった。図2にCBB染色した沈殿画分の光学顕微鏡写真を示す。大豆細胞内のタンパク質のみが強く染色されており、タンパク質は細胞外へはほとんど漏出していないことがわかる。
(実施例2)
乾燥大豆(品種ヴィントン)100g(実験数:4)に、水500mlを加え、室温で3時間静置(浸漬)した。浸漬処理した大豆の平均湿重量および平均水分含有率は、それぞれ202gおよび50.5重量%であった。次に、浸漬処理した大豆は、前記実施例1と同様の方法で加圧加熱処理、粉砕処理を行い、加工大豆を得た。得られた加工大豆からは大豆臭はほとんど感じられなかった。図3に得られた加工大豆の光学顕微鏡写真を示す。大豆細胞膜が破壊されることなく大豆単細胞が分散していることがわかる。得られた加工大豆の細胞数を実施例1と同様の方法で算定したところ、乾燥大豆1gあたり2000万個以上、平均2790万個の大豆細胞が含有されていた。また、得られた加工大豆を超遠心分離して、その上清と沈殿画分のタンパク質およびDNAの分析を行った。超遠心分離、タンパク質及びDNA定量は、実施例1と同様の方法で行った。遠心分離の上清画分を分析したところ、全タンパク質の0.8%が上清から検出された。また、DNAは上清から全く検出されなかった。
(実施例3)
乾燥大豆(品種ヴィントン)100g(実験数:4)に、水500mlを加え、室温で5時間静置(浸漬)した。浸漬処理した大豆の平均湿重量および平均水分含有率は、それぞれ223gおよび55.5重量%であった。次に、浸漬処理した大豆を、前記実施例1と同様の方法で加圧加熱処理、粉砕処理を行い、加工大豆を得た。得られた加工大豆からは大豆臭はほとんど感じられなかった。図4に得られた加工大豆の光学顕微鏡写真を示す。大豆細胞膜が破壊されることなく大豆単細胞が分散していることがわかる。得られた加工大豆の細胞数を実施例1と同様の方法で算定したところ、乾燥大豆1gあたり2000万個以上、平均2115万個の大豆細胞が含有されていた。また、得られた加工大豆を超遠心分離して、その上清と沈殿画分のタンパク質およびDNAの分析を行った。超遠心分離、タンパク質及びDNA定量は、実施例1と同様の方法で行った。遠心分離の上清画分を分析したところ、全タンパク質の0.8%が上清から検出された。また、DNAは上清から全く検出されなかった。
(比較例1)
乾燥大豆(品種ヴィントン)100g(実験数:4)に、水500mlを加え、室温で8時間静置(浸漬)した。浸漬処理した大豆の平均湿重量および平均水分含有率は、それぞれ226.2gおよび55.8重量%であった。次に、浸漬処理した大豆は、前記実施例1と同様の方法で加圧加熱処理、粉砕処理を行い、加工大豆を得た。得られた加工大豆の細胞数を実施例1と同様の方法で算定したところ、平均1680万個/g乾燥大豆)であった。
(実施例4)
乾燥大豆(品種ヴィントン)100g(実験数:3)に、水500mlを加え、室温で1時間静置(浸漬)し、次に、浸漬処理した大豆に前記浸漬処理水を加えて、総水分重量を250g(大豆に浸漬している水分重量を含む)になるよう調製した後、オートクレーブ(トミー社製、SS−320)を使用して、121℃、1.4kg・cmで7分間の条件で加圧加熱処理した。加圧加熱処理した大豆は、冷却しながら、ミキサー(三洋電機社製、SM−229)を使用して、回転数11000rpmで30秒間粉砕処理し、加工大豆を得た。得られた加工大豆の細胞数を実施例1と同様の方法で算定したところ、乾燥大豆1gあたり2000万個以上、平均2100万個の大豆細胞が含有されていた。
(実施例5)
乾燥大豆(品種ヴィントン)100g(実験数:3)に、水500mlを加え、室温で1時間静置(浸漬)し、次に、浸漬処理した大豆に前記浸漬処理水を加えて、総水分重量(大豆に浸漬している水分重量を含む)を500gになるよう調製した後、実施例4と同様の条件で加圧加熱処理及び粉砕処理を行い、加工大豆を得た。得られた加工大豆の細胞数を実施例1と同様の方法で算定したところ、乾燥大豆1gあたり2000万個以上、平均3020万個の大豆細胞が含有されていた。
(比較例2)
乾燥大豆(品種ヴィントン)100g(実験数:3)に、水500mlを加え、室温で1時間静置(浸漬)し、浸漬処理した大豆に水を添加することなく、実施例4と同様の条件で加圧加熱処理及び粉砕処理を行い、加工大豆を得た。得られた加工大豆の細胞数を実施例1と同様の方法で算定したところ、平均1280(万個/g乾燥大豆)であった。
Figure 2006075011
表1の結果が示すように、浸漬時間の経過に伴い、水が大豆に吸収され、大豆湿重量が増加しているのがわかる。大豆湿重量は、500mlの水に浸漬すると1時間後、3時間後、5時間後に、それぞれ1.55倍、2.02倍、2.23倍となった。大豆湿重量と残水重量との和である全重量が、大豆乾燥重量と水重量の和である600gにほぼ一致することから、本実験が正確に行なわれていることがわかる。
Figure 2006075011
表2の結果が示すように、浸漬時間が長くなると、乾燥大豆1gあたりに含まれる大豆細胞数が減少する。
図5に浸漬時間と大豆細胞の数の関係を示す。浸漬時間が長くなるにつれて、乾燥大豆1gあたりに含有される大豆細胞の数が減少していくことがわかる。従来から大豆の浸漬処理時間は12時間が好まれて使われていたが、12時間の浸漬では加工大豆中の大豆細胞の数は1000(万個/g乾燥大豆)程度まで減少することが図5から予想される。
Figure 2006075011
表3の結果が示すように、加圧加熱処理時に水が存在すると、残存する大豆細胞数が多くなり、水500gの存在下でオートクレーブ処理した時、大豆細胞が最も多く含まれていることがわかる。
本発明の加工大豆の製造方法により製造された加工大豆(実施例1)の光学顕微鏡写真(倍率100倍) CBB染色した沈殿画分(実施例1)の光学顕微鏡写真(倍率100倍) 本発明の加工大豆の製造方法により製造された加工大豆(実施例2)の光学顕微鏡写真(倍率100倍) 本発明の加工大豆の製造方法により製造された加工大豆(実施例3)の光学顕微鏡写真(倍率100倍) 大豆の浸漬時間と加工大豆中に含まれる大豆細胞数の関係を示したグラフ

Claims (7)

  1. 大豆単細胞が分散してなる加工大豆の製造方法であって、大豆を水に浸漬する工程と、水の存在下で前記浸漬した大豆を加圧加熱する工程と、前記加圧加熱した大豆を粉砕する工程とを含むことを特徴とする加工大豆の製造方法。
  2. 前記浸漬工程における大豆の浸漬時間が1時間〜5時間であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 前記加圧加熱工程において、乾燥大豆重量の少なくとも2.5倍量の水の存在下で前記浸漬した大豆を加圧加熱することを特徴とする請求項1または2記載の製造方法。
  4. 前記加圧加熱工程における条件が、121℃、1.4kg/cm、7分間であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の製造方法。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載の製造方法により製造される加工大豆。
  6. 前記加工大豆がピューレ状加工大豆である請求項5記載の加工大豆。
  7. 請求項5記載の加工大豆を含む加工食品。
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