JP3277181B1 - 緑葉乾燥微粉末の製造方法 - Google Patents
緑葉乾燥微粉末の製造方法Info
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Abstract
と。 【解決手段】 緑葉を乾燥する工程;該乾燥した緑葉を
粗粉砕する工程;該粗粉砕した緑葉を110℃以上で加
熱する工程;および該加熱した緑葉を微粉砕する工程、
を包含する、緑葉乾燥微粉末の製造方法。
Description
製造方法の製造方法に関する。さらに詳しくは、嗜好性
に優れた緑葉乾燥微粉末の製造方法に関する。
タミン類、ミネラル類、食物繊維などに富み、有害物質
の吸着、腸内環境の改善、コレステロールの吸収抑制、
食後血糖値の急上昇防止、スーパーオキシドディスムタ
ーゼ(SOD)の活性化などの効果を有する健康食品の
素材として注目を浴びている。そしてこのような緑葉
は、野菜ジュースのような液状の形態で、あるいは粉
末、顆粒、錠剤のような乾燥形態で提供されている。液
状の場合、緑葉をそのまま搾汁したものがよく用いられ
るのに対し、乾燥形態の場合には、単に乾燥する工程だ
けでなく、粉砕などの複数の加工工程を経ることが必要
である。その結果、それぞれの工程において、あるいは
複数の工程を経る間に、嗜好性が損なわれてしまうとい
う問題がある。
た緑葉乾燥粉末の製造方法が望まれている。
燥形態の中でも、特に嗜好性に優れた乾燥微粉末の製造
方法について鋭意検討したところ、緑葉を乾燥した後、
粗粉砕し、110℃以上で加熱し、さらに微粉砕するこ
とにより、通常の単に乾燥、粉砕へと続く工程を経て得
られる乾燥粉末と比較して、嗜好性に優れた緑葉乾燥微
粉末を製造できることを見出して本発明を完成するに至
った。
方法は、緑葉を乾燥する工程、乾燥した緑葉を粗粉砕す
る工程、粗粉砕した緑葉を110℃以上で加熱する工
程、および加熱した緑葉を微粉砕する工程を包含する。
緑葉を乾燥した後、粗粉砕、加熱、および微粉砕処理の
順で処理することにより、嗜好性に優れた緑葉乾燥微粉
末が得られる。
工程は、緑葉の水分含量が5重量%より多く25重量%
以下となるまで一次乾燥した後、この一次乾燥した緑葉
の水分含量が5重量%以下となるまで、一次乾燥よりも
高くかつ90℃以下の乾燥温度で二次乾燥する工程であ
る。乾燥工程を2段階で行うことにより、緑葉の乾燥ム
ラをなくすと同時に乾燥時の褪色を抑えることができ
る。
砕する工程は、上記乾燥した緑葉を0.1〜10mmの
大きさに粗粉砕する工程であり、かつ上記微粉砕する工
程は上記加熱した緑葉を90重量%が200メッシュ区
分を通過するように微粉砕する工程である。このように
2段階で粉砕することにより、緑葉の微粉砕の効率をあ
げることができ、食感が良くなる。
工程は、上記粗粉砕した緑葉を加圧蒸気処理する工程で
ある。これにより、香味を良好にすることができる。
の緑葉である。麦類の緑葉はビタミン、ミネラル、およ
び食物繊維を豊富に含むため、嗜好性を良くするだけで
なく栄養成分にも富んだ食品素材を提供することができ
る。
は、例えば、イネ科植物(例えば、大麦、小麦、えん
麦、ライ麦等の麦類、イネ、あわ、笹、ひえ、きび、と
うもろこし、ソルガム、さとうきび等)、キク科植物
(例えば、ヨモギ等)、セリ科植物(アシタバ、パセ
リ、セロリ等)、クワ科植物(例えば、クワ等)、ドク
ダミ科植物(例えば、ドクダミ等)、シソ科植物(例え
ば、シソ等)、アブラナ科植物(小松菜、ケール、キャ
ベツ、ブロッコリー等)、ユリ科植物(例えば、アスパ
ラガス等)、シナノキ科植物(例えば、モロヘイヤ等)
のような緑色植物の緑葉が挙げられるがこれらに限定さ
れない。
緑葉乾燥微粉末の製造方法を例に挙げて、本発明を説明
する。
素などに富むことから、近年注目されている健康食品素
材であり、嗜好性を高めることは、この素材の市場拡大
に寄与する。麦類の緑葉の場合、麦若葉が好ましく用い
られる。麦若葉は、成熟期前、すなわち分けつ開始期か
ら出穂開始前期(背丈が20〜40cm程度)に収穫さ
れることが好ましい。これらの麦若葉の中でも、栄養価
の高い大麦の若葉がより好ましく用いられる。
好ましい。処理までに時間を要する場合、緑葉の変質を
防ぐために低温貯蔵などの当業者が通常用いる貯蔵手段
により貯蔵される。
冷水)で洗浄し、泥などを洗い落とし、水気を切った
後、適当な長さ(例えば、5cm〜10cm)に切断す
る。
褪色や栄養成分の変質に関与する酵素を失活させるため
に、熱水処理や蒸熱処理のようなブランチング処理が行
われる。このときの処理の温度および時間は、処理する
緑葉の量および熱水のpHに応じて適宜決定すればよ
い。
び風味を維持する上で、直ちに冷却することが好まし
い。冷却は、冷却水中に浸漬する、冷風を当てて急冷す
るなど、当業者が通常用いる手段で行われる。冷却水へ
の浸漬処理は、30℃以下の水、好ましくは20℃以下
の水を用いて行われる。冷水の温度が低いほど、緑葉の
緑色が映えるようになり、見た目に美しい。浸漬時間
は、緑葉の処理量に応じた任意の時間である。
後、乾燥にさきがけて、緑葉からある程度の水を切る脱
水工程を行う。脱水は、遠心分離などの脱水装置を用い
て行われる。遠心分離による脱水の場合、緑葉がからま
ってしまう場合があるので、このような場合は、緑葉を
ほぐした後、乾燥工程に移行する。乾燥前に脱水するこ
とにより、乾燥時のむらや焦げつきをなくすことができ
る。
分含量が5重量%以下になるように乾燥を行う工程であ
り、例えば、熱風乾燥、高圧蒸気乾燥、電磁波乾燥、凍
結乾燥などの当業者が通常用いる任意の方法により行わ
れる。製造上のコストの面からは、熱風乾燥が最も好ま
しい。なお、高温で乾燥する場合、乾燥は90℃以下で
行う。
しい。乾燥を2段階で行う場合は、緑葉の水分含量が5
重量%より多く25重量%以下となるまで60〜80℃
の温度で一次乾燥した後、該一次乾燥した緑葉の水分含
量が5重量%以下となるまで一次乾燥よりも高くかつ9
0℃以下の温度で二次乾燥することが好ましい。乾燥温
度が60℃未満では、乾燥速度が遅くなり、90℃を超
えると、焦げなどが生じやすいので、好ましくない。一
次乾燥と二次乾燥との好ましい温度差は、約5〜15℃
であり、約10℃であることがより好ましい。この2段
階の乾燥工程を行うことにより、乾燥時間が短縮される
と同時に、緑葉の緑色および風味が維持される。また、
温度差を上記のように一定範囲に設定することにより、
乾燥工程における緑葉の水分管理が容易になり、効率的
に乾燥が行われる。
ことはないが、上記ブランチング処理と乾燥処理とを組
み合わせることにより、緑色および風味がさらに長時間
維持される緑葉末が得られる。
程、および微粉砕工程を経て、緑葉乾燥微粉末とされ
る。
スライサー、ダイサーなどの当業者に公知の任意の機械
または道具により、乾燥した緑葉をカットする工程であ
る。カットされた緑葉の大きさは、長径が20mm以下
であり、好ましくは0.1〜10mmである。
て加熱処理が施される。加熱処理は、110℃以上で行
われ、殺菌処理を兼ねる。殺菌処理としては、高圧殺
菌、加熱殺菌、加圧蒸気殺菌などが挙げられる。本発明
の場合は、乾燥および粗粉砕した緑葉を殺菌するため、
加圧蒸気殺菌が好ましい。粗粉砕後、加熱処理を施すこ
とにより、緑葉の香味を良好にすることができる。
砕した緑葉は、例えば、0.5〜10kg/cm2の加
圧下、110〜200℃の飽和水蒸気により、2〜10
秒間加熱処理される。必要に応じて、飽和蒸気による加
熱時に含んだ水分をさらに乾燥する。
が200メッシュ区分を通過するように、微粉砕され
る。微粉砕は、例えば、クラッシャー、ミル、ブレンダ
ー、石臼などの当業者が通常用いる任意の機械または道
具を用いて行われる。微粉砕することにより食感がよく
なることは周知であり、本発明の方法のように、粗粉
砕、加熱、および微粉砕の工程を順に経ることにより、
さらに食感がよくなる。
ることにより、粒度の均一化、粉砕時間の短縮など、粉
砕効率を上げることができる。
に供することができ、賦形剤、増量剤、結合剤、増粘
剤、乳化剤、着色料、香料、食品添加物、調味料などと
混合され、用途に応じて、顆粒、錠剤などの形態に成形
することもできる。さらに、各種の飲食品に配合して飲
食に供することができる。例えば、ローヤルゼリー、ビ
タミン、プロテイン、カルシウム、キトサン、レシチン
などが配合され、さらに糖液および調味料が加えられて
味が整えられる。そしてこれらは、必要に応じてハード
カプセル、ソフトカプセルなどのカプセル剤、錠剤、も
しくは丸剤などに、あるいは粉末状、顆粒状、茶状、テ
ィーバッグ状、もしくは飴状などの形態に成形される。
これらの形状または好みに応じて、そのまま食してもよ
く、あるいは水、湯、牛乳などに溶いて飲んでも良い。
また、ティーバッグ状などの場合、成分を浸出させてか
ら飲んでも良い。
が、この実施例は本発明を制限することを意図しない。
刈り取った二条大麦の若葉を用いた。これを水洗いし、
付着した泥などを除去し、10cm程度の大きさに切断
し、以下の実験に用いた。
を、90〜95℃の熱水(1000リットル)に3分間
浸漬した後、直ちに約20℃の冷却水にて5分間浸漬し
て、冷却した。続いて、冷却した麦若葉を30秒間遠心
分離してある程度まで脱水した後、水分量が約20重量
%となるまで乾燥機中、70℃にて2時間温風乾燥(一
次乾燥)した。次いで、最終水分量が3重量%となるよ
うに、80℃にて4時間温風乾燥(二次乾燥)した。得
られた麦若葉を約5mmの大きさにカッターを用いて粗
粉砕(切断)した。次いで、150℃の飽和水蒸気圧を
用いて3秒間加圧蒸気殺菌した。このとき緑葉に含まれ
た水を乾燥した後、200メッシュ区分を90重量%が
通過するようにハンマーミルを用いて微粉砕して、麦若
葉の乾燥微粉末として麦若葉末Aを得た。
までは、上記試験調製例1と同様の操作を行った。粗粉
砕した緑葉を、200メッシュ区分を90重量%が通過
するようにハンマーミルを用いて微粉砕した。その後、
150℃の飽和水蒸気圧を用いて3秒間加圧蒸気殺菌し
て麦若葉の乾燥微粉末として麦若葉末Bを得た。
れた麦若葉末の嗜好性を、風味および食感の官能試験を
行うことにより、評価した。
葉末A(試験例)およびB(比較例)の香り、手で触っ
たときのざらつき(触感)、および麦若葉末(3g)を
100mlの水に溶いて飲んでもらったときの食感につ
いての評価を、10名の被験者によって行った。香りに
ついては、いずれが好ましいかを回答してもらい、触感
については、どちらが手にざらつくかを、そして食感に
ついても舌や喉にどちらがざらつくかを回答してもらっ
た。なお、いずれの質問事項に関しても「どちらとも言
えない」という選択肢を設けており、被験者に対して
は、それぞれの麦若葉末を単にAおよびBとして評価さ
せた。結果を表1に示す。
砕、加熱、および微粉砕の順の工程)により得られた麦
若葉末Aは、粗粉砕、微粉砕、および加熱の順の工程に
より得られた麦若葉末Bよりも、香りが良く、そして
手、舌、および喉へのざらつき感が低減されていた。
刈り取ったイネの緑葉(イネ若葉)を用いた。これを水
洗いし、付着した泥などを除去し、10cm程度の大き
さに切断し、以下の実験に用いた。
分含量が5重量%以下となるように、60℃にて10時
間乾燥させた後、カッターを用いて約5mmの大きさに
粗粉砕した。次いで、150℃の飽和蒸気圧を用いて3
秒間加圧蒸気殺菌した。このときイネ若葉に含まれた水
を乾燥した後、200メッシュ区分を90重量%が通過
するようにハンマーミルを用いて微粉砕して、イネ若葉
の乾燥微粉末としてイネ若葉末Aを得た。
試験調製例2と同様の操作を行った。粗粉砕したイネ若
葉を、200メッシュ区分を90重量%が通過するよう
にハンマーミルを用いて微粉砕した。その後、150℃
の飽和水蒸気圧を用いて3秒間加圧蒸気殺菌して、イネ
若葉の乾燥微粉末として、イネ若葉末Bを得た。
られたイネ若葉末を、上記実施例1の麦若葉末と同様に
して評価した。結果を表2に示す。
砕、加熱、および微粉砕の順の工程)により得られたイ
ネ若葉末Aは、粗粉砕、微粉砕、および加熱の順の工程
により得られたイネ若葉末Bよりも、香りが良く、そし
て手、舌、および喉へのざらつき感が低減されていた。
葉乾燥微粉末が得られる。
Claims (5)
- 【請求項1】 緑葉の水分含量が5重量%以下となるま
で該緑葉を乾燥する工程; 該乾燥した緑葉を粗粉砕する工程; 該粗粉砕した緑葉を110℃以上で加熱する工程;およ
び該加熱した緑葉を微粉砕する工程、 を包含する、緑葉乾燥微粉末の製造方法。 - 【請求項2】 前記乾燥する工程が、緑葉の水分含量が
5重量%より多く25重量%以下となるまで一次乾燥し
た後、該一次乾燥した緑葉の水分含量が5重量%以下と
なるまで、一次乾燥よりも高くかつ90℃以下の乾燥温
度で二次乾燥する工程である、請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 前記粗粉砕する工程が、前記乾燥した緑
葉を0.1〜10mmの大きさに粗粉砕する工程であ
り、かつ前記微粉砕する工程が、前記加熱した緑葉を9
0重量%が200メッシュ区分を通過するように微粉砕
する工程である、請求項1に記載の方法。 - 【請求項4】 前記加熱する工程が、前記粗粉砕した緑
葉を加圧蒸気処理する工程である、請求項1に記載の方
法。 - 【請求項5】 前記緑葉が麦類の緑葉である、請求項1
に記載の方法。
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2001
- 2001-07-24 JP JP2001222655A patent/JP3277181B1/ja not_active Expired - Lifetime
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