JP3430142B2 - ケール乾燥粉末の製造方法 - Google Patents
ケール乾燥粉末の製造方法Info
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Description
造方法に関する。より詳細には、ケールが天然に含有す
る有効成分が失なわれずに保持され、かつ保存安定性お
よび嗜好性に優れたケール乾燥粉末の製造方法に関す
る。
物繊維、及び天然のメラトニンを豊富に含み、健康食品
の素材として注目を浴びている。ケールが健康食品の素
材として用いられる場合、主に乾燥粉末か、あるいは搾
汁もしくはエキスかまたはそれらの乾燥粉末として用い
られている。
るには、食物繊維、ビタミン類などをより多く保持して
いるケール乾燥粉末を用いることが好ましい。しかし、
ケールの鮮やかな緑色の褪色を防ぐために、ケールが含
有する退色に関与する酵素を失活する目的でブランチン
グ処理を施すと、天然のケールに含まれるビタミン類、
ミネラル類、葉緑素などの成分が溶出または熱分解など
により失われる問題点がある。
に含有する有効成分を保持し、かつ保存安定性および嗜
好性に優れたケール乾燥粉末の製造方法が求められてい
る。
ブランチングして製造された従来のケール乾燥粉末で
は、ビタミン類、ミネラル類、葉緑素などの種々の有効
成分が失われていることに着目した。そこで、これらの
有効成分を保持し、かつ保存安定性および嗜好性に優れ
たケール乾燥粉末の製造方法について、鋭意検討したと
ころ、ブランチング処理として水蒸気による間歇的な蒸
煮処理を行うことにより、従来のケール乾燥粉末と比較
してビタミン類(特に水溶性ビタミン)、およびミネラ
ルなどの有効成分がより多く保持され、かつケールが有
する鮮やかな緑色の褪色、風味の変化を生じず、保存安
定性および嗜好性に優れたケール乾燥粉末が製造される
ことを見出して本発明を完成するに至った。
分を保持し、かつ保存安定性および嗜好性に優れたケー
ル乾燥粉末の製造方法に関する。
造方法に関し、 a)ケールを水蒸気により蒸煮する処理と蒸煮したケー
ルを冷却する処理とを繰り返す工程; b)得られたケールを乾燥する工程;および c)乾燥したケールを粉砕する工程、を包含する。
60秒間行われ、そして冷却する処理は、ケールの温度
が60℃以下になるように行われる。
回繰り返される。
類は特に制限されず、キッチンケール、ツリーケール、
ブッシュケール、マローケール、コラードおよび緑葉カ
ンラン等の様々な種類のケールを使用することができ
る。本発明においては、ケールの葉部や茎部のいずれの
部位にも適用することができる。ケールは、収穫後直ち
に、処理することが好ましく、処理までに時間を要する
場合、その変質を防ぐために、低温貯蔵などの当業者が
通常用いる手段により貯蔵され得る。
水などで付着した泥などを洗浄し、水気を切った後、必
要に応じて、適当な大きさ(例えば、5cm)に切断し
て、ブランチング処理される。
連続的な水蒸気による蒸煮処理(連続的蒸煮処理)が用
いられてきたが、これではケールに含まれる有効成分が
失われてしまう。そこで、本発明では、常圧または加圧
下において、ケールを水蒸気により蒸煮する処理と冷却
する処理とを繰り返す(間歇的蒸煮処理)工程を採用し
た。
煮する処理は、好ましくは20〜60秒間、より好まし
くは25〜35秒間行われる。蒸煮処理後の冷却処理
は、直ちに行われることが好ましく、その方法は、特に
制限しないが、冷水への浸漬、冷蔵、冷風による冷却、
温風による気化冷却、温風と冷風を組み合わせた気化冷
却などが用いられる。このうち温風と冷風を組み合わせ
た気化冷却が好ましい。このような冷却処理は、ケール
の品温が、好ましくは60℃以下、より好ましくは50
℃以下、最も好ましくは40℃以下となるように行われ
る。
間程度以上)行うと蒸煮処理(ブランチング処理)中に
緑色が褪色してしまうが、この間歇的蒸煮処理は、10
回繰り返されても、ブランチング中にケールの変色が起
こらず、実質的に長時間のブランチング処理が可能とな
り、褪色の原因となる酵素は完全に失活される。なお、
この工程を1回しか行なわない場合、その褪色に関与す
る酵素が完全には失活されず、一方この工程を6回以上
繰り返した場合、天然のケールが有する成分が失われ始
める恐れがあるため、ビタミン、ミネラル、葉緑素など
の栄養成分に富んだケール乾燥粉末を製造するには、間
歇的蒸煮処理工程は2〜5回繰り返されることが好まし
い。
程を実施する際の圧力については、常圧から1.4Kg
/cm2程度の圧力とするのが好ましい。
ルは、水分含量が10%以下、好ましくは5%以下とな
るように乾燥され得る。この乾燥工程は、例えば、熱風
乾燥、高圧蒸気乾燥、電磁波乾燥、凍結乾燥などの当業
者に公知の任意の方法により行われ得る。加熱による乾
燥は、好ましくは30℃〜80℃、より好ましくは30
℃〜60℃に加温して行われ得る。
シャー、ミル、ブレンダー、石臼などを用いて当業者が
通常使用する任意の方法により粉砕され得る。粉砕され
たケールは必要に応じて篩にかけられ、例えば、30〜
250メッシュを通過するものがケール乾燥粉末として
用いられ得る。粒径が250メッシュ通過のものより小
さいとケール乾燥粉末のさらなる加工時に取り扱いにく
く、粒径が30メッシュ通過のものよりより大きいとケ
ール乾燥粉末と他の食品素材との均一な混合が妨げられ
る虞がある。
は、必要に応じて、例えば、気流殺菌、高圧蒸気殺菌、
加熱処理などの当業者が通常使用する任意の技術により
殺菌され得る。
されたケール乾燥粉末は、従来のブランチングを行って
得られるケール乾燥粉末と比較して、例えば、ビタミン
類、ミネラル類および葉緑素などのケールが天然に含有
する有効成分に富む。例えば、本発明により得られるケ
ール乾燥粉末は、ブランチング処理として熱水処理して
製造されたケール乾燥粉末と比較して、例えば、総カロ
チンにおいては、通常5倍以上、ビタミンB1において
は、通常5倍以上、ビタミンCにおいては、通常6倍以
上、カルシウムにおいては、通常2倍以上、カリウムに
おいては、通常2倍以上、葉緑素(総クロロフィル)に
おいては、通常2倍以上多く含む。
り、本発明を制限することを意図しない。
粉末の製造 原料として、長さ約40〜50cmのケールの葉を用い
た。これを水洗いし、付着した泥などを除去した。次い
で、水分含量が5%以下となるように乾燥機中、60℃
にて6時間温風乾燥した後、粉砕機により粉砕し、20
0メッシュを90%が通過する程度に粉砕したものを原
末とした。
ケール乾燥粉末の製造(比較例1) 原料として、長さ約40〜50cmで刈り取ったケール
の葉を用いた。これを水洗いし、付着した泥などを除去
した。次いで、0.75重量%の炭酸水素ナトリウムを
含有するあらかじめ加熱された水溶液に対して、10〜
20容量%のケールを投入し、80℃にて3分間ブラン
チング処理(熱水処理)した。そして、ブランチング処理
したケールを、直ちに2〜7℃の冷水に5分間浸漬し
て、冷却し、さらにこのケールを30秒間遠心分離して
ある程度の水を脱水した。このようにして得られたケー
ルを、水分含量が5%以下となるように乾燥機中、60
℃にて6時間温風乾燥した後、粉砕機により粉砕し、2
00メッシュを90%が通過する程度に粉砕して得られ
たケール乾燥粉末を比較例1とした。
的蒸煮処理である、ケール乾燥粉末の製造(比較例2) 比較例1と同じようにして水洗いしたケールを、送帯型
蒸機を用いて、表1に記載の種々の時間(30、60、
90、120、150、180秒間)連続的に蒸煮処理
した後、気化冷却した。次いで、蒸煮したケールを、水
分含量が5%以下となるように、乾燥機中、60℃にて
6時間温風乾燥した。次いで、乾燥したケールを、20
0メッシュを90%が通過する程度に粉砕して得られた
ケール乾燥粉末をそれぞれ比較例2.1〜2.6とし
た。
的蒸煮処理である、ケール乾燥粉末の製造(実施例) 水蒸気処理を間歇的に行ったこと以外は、比較例2と同
様にしてケール乾燥粉末を製造した。すなわち、水洗い
したケールを送帯型蒸機を用いて、30秒間蒸煮処理し
た後に、ケールの温度が50℃以下となるように気化冷
却した。この蒸煮処理と冷却処理からなる工程を表1に
示すように2〜6回繰り返し、得られたケールを、水分
含量が5%以下となるように、乾燥機中、60℃にて6
時間温風乾燥し、200メッシュを90%が通過する程
度に粉砕して得られたケール乾燥粉末をそれぞれ実施例
1.1〜1.5とした。
〜2.6、および実施例1.1〜1.5のブランチング
条件と、ブランチング時に起こるケールの鮮やかな緑色
の褪色の有無(程度)を以下のように評価し、表1に示
した。 ○:ケールの褪色が認められなかった。 △:ケールがやや褪色した。 ×:ケールが褪色した。
施例1.1〜1.5の保存安定性を、ケール乾燥粉末の
緑色が褪色する程度を観察することにより評価した。す
なわち、製造されたケール乾燥粉末をそれぞれ殺菌して
から、アルミパックに封入し、温度40℃、湿度70〜
75%のインキュベーター中で1ヶ月間静置した後、同
時に冷所(10℃)保存したものと視覚的に色の比較を行
った。これらの褪色の程度については、以下のように評
価した。 ○:褪色が認められない。 △:やや褪色が認められる。 ×:褪色が認められる。
の有無と併せて、表1中の褪色の有無(加温保存後)の
欄に示す。
比較例2.5および比較例2.6においては、ブランチ
ング中に、ケールの緑色が褪色したが、本発明の間歇的
蒸煮処理ではケールの緑色は、処理中、褪色することが
なかった。
燥粉末(原末)では、冷所保存(データ示さず)および加
温保存したもののいずれにおいても緑色の褪色が認めら
れた。
欄にも示されるように、ブランチング処理したケール乾
燥粉末については、連続的な蒸煮処理を施した比較例
2.1および比較例2.2において、やや褪色が認めら
れたが、間歇的な蒸煮処理を施されたケール乾燥粉末
は、いずれも褪色が観察されなかった。
褪色の原因となる酵素を失活させ、実質的に蒸煮処理時
間が同じ(比較例2.2と実施例1.1)であっても、
間歇蒸煮処理の方が酵素の失活に有効であることを示
す。褪色が認められた製品においては、その褪色の程度
に比例して匂いおよび味の変化が認められ、これらは商
品価値を損なうものであった。
較例2.3および実施例1.2のケール乾燥粉末の成分
分析結果を表2に示す。なお項目の分析方法および数値
の単位は以下の通りである。 水分:減圧加熱乾燥法、重量% 総カロチン:高速液体クロマトグラフ法、mg/100g ビタミンB1:高速液体クロマトグラフ法、mg/100g 総ビタミンC:高速液体クロマトグラフ法、mg/100g カルシウム:過マンガン酸カリウム容量法、mg/100g カリウム:原子吸光光度法、mg/100g 総クロロフィル:吸光光度法、mg/100g
は、従来の方法により製造されたケール乾燥粉末と比較
して、その成分含量が異なっており、原末と同様にビタ
ミン、ミネラル、および葉緑素を非常に多く含むことが
示された。
て製造されたケール乾燥粉末は、熱水処理、連続蒸煮処
理中に見られる褪色がみられず、さらに従来のケール乾
燥粉末と比較してケールが天然に含有する水溶性成分を
保持し、かつ保存安定性および嗜好性に優れるものであ
った。本発明により、天然のケールが有するビタミン
類、ミネラル類および葉緑素などを保持し、かつ保存安
定性および嗜好性に優れたケール乾燥粉末の製造方法が
提供される。
Claims (3)
- 【請求項1】 ケール乾燥粉末の製造方法であって、 a)ケールを水蒸気により蒸煮する処理と蒸煮したケー
ルを冷却する処理とを繰り返す工程; b)得られたケールを乾燥する工程;および c)乾燥したケールを粉砕する工程、 を包含する、方法。 - 【請求項2】 前記蒸煮する処理が、20〜60秒間行
われ、そして冷却する処理が、ケールの温度が60℃以
下になるように行われる、請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 前記工程a)が2〜5回繰り返される、
請求項1または2に記載の方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000309500A JP3430142B2 (ja) | 2000-10-10 | 2000-10-10 | ケール乾燥粉末の製造方法 |
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JP2002112701A JP2002112701A (ja) | 2002-04-16 |
JP3430142B2 true JP3430142B2 (ja) | 2003-07-28 |
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WO2014175180A1 (ja) | 2013-04-26 | 2014-10-30 | サントリーホールディングス株式会社 | フラクトオリゴ糖とケルセチン配糖体とを含有する組成物 |
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- 2000-10-10 JP JP2000309500A patent/JP3430142B2/ja not_active Expired - Fee Related
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