JP5751006B2 - 肉盛り溶接したエンジン用シリンダブロック、その製造方法および肉盛り材 - Google Patents

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Description

本発明は、肉盛り溶接したエンジン用シリンダブロック、その製造方法および肉盛り材に関する。
従来から、エンジンブロックの冷却不足によりノッキングが発生して、燃費が悪化することを防止するために、特にエンジンのシリンダブロック上面の冷却能を向上させることが望まれている。そのために、アルミニウム合金製エンジンブロック上面(シリンダボア部の上面)にアルミニウムよりも熱伝導率の高い銅系の合金を肉盛り溶接して冷却能を高めることが考えられている。しかし、銅とアルミニウムとは肉盛り性(溶着性)が低いため、熱伝導と肉盛り性とを両立させることができなかった。
特許文献1には、レーザ肉盛りにより銅系合金の肉盛り部を設けたアルミニウム合金製のシリンダブロックが開示されている。Cu−20Ni−8Fe−3Si−1.5Bの銅系合金を用いた実施例が記載されているが、十分な熱伝導性と肉盛り性とが達成されていない。
特許文献2には、16〜24.5%Niと0.125〜1%Bとを含む肉盛り耐摩耗性銅合金が開示されているが、やはり十分な熱伝導性と肉盛り性とが達成されていない。
特開平04−041961号公報 特開2005−256146号公報
本発明は、高い熱伝導性と肉盛り性とを兼備した、肉盛り溶接したエンジン用シリンダブロック、その製造方法および肉盛り材を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、上面に銅系合金の肉盛り部を設けたアルミニウム合金から成るエンジン用シリンダブロックにおいて、上記銅系合金が5.0〜8.0%Ni、0.8〜1.0%B、残部Cuおよび不可避不純物から成ることを特徴とするエンジン用シリンダブロックを提供する。
(2)上記の目的を達成するために、本発明は、上記(1)に記載のエンジン用シリンダブロックの製造方法であって、上記銅系合金の溶加材を用いてレーザ肉盛り溶接により、アルミニウム合金のエンジン用シリンダブロックの上面に上記肉盛り部を形成することを特徴とするエンジン用シリンダブロックの製造方法を提供する。
(3)上記の目的を達成するために、本発明は、上記(1)に記載の銅系合金から成ることを特徴とするアルミニウム合金製エンジン用シリンダブロック上面用の肉盛り材。
本発明の組成範囲の銅合金により肉盛り部を形成することにより、高い熱伝導率と良好な肉盛り性とを同時に達成できる。
母材から肉盛り層へのAl希釈(Al混入)による、硬さおよび溶着率の変化を示す。
本発明の肉盛り合金組成の限定理由を説明する。なお、本明細書中において、含有量を表す「%」は「質量%」の意味である。
Ni:5.0〜8.0%、B:0.8〜1.0%
Niが下限値5.0%未満、Bが下限値0.8%未満であると、熱伝導率は良好であるが肉盛り性が劣化するため、実用に適さない。
また、Niが上限値8.0%より大、Bが上限値1.0%より大であると、肉盛り性は良好であるが熱伝導率が劣化するため、実用に適さない。
良好な熱伝導率が得られ、かつ、十分な肉盛り性が達成されるためには、本発明の規定範囲すなわちNi:5.0〜8.0%、B:0.8〜1.0%とする必要がある。
以下、実施例によって、本発明を更に詳細に説明する。
表1に示す本発明例および比較例の組成の合金を作製し、熱伝導率および溶着率(肉盛り性)を測定した。併せて、熱拡散率、密度、比熱、硬さも測定した。各測定値もまとめて表1に示す。ここで、肉盛り性を表す溶着率とは、肉盛り部の任意の断面において、母材と肉盛り層との界面全長から未溶着長を差し引いた長さ(溶着長)の界面全長に対する割合(%)である。
Figure 0005751006
表1に示したように、本発明例では200W/mkを超える良好な熱伝導率と、90%以上の良好な溶着率とが同時に達成されている。これに対して、NiおよびBがそれぞれの下限値未満である比較例1、2では熱伝導率は優れているものの、溶着率が80%以下(比較例2)、70%以下(比較例1)と低下している。逆に、NiおよびBがそれぞれ上限値を超える比較例3では、溶着率は90%以上と良好であるものの、熱伝導率が200W/mk未満と低下している。
したがって、良好な熱伝導率と溶着率(肉盛り性)とを同時に達成するためには、本発明の規定範囲すなわちNi:5.0〜8.0%、B:0.8〜1.0%とする必要がある。
更に、比較として、Cu−Si合金(比較例4)、Cu−Ni−Si合金(比較例5〜7)の結果を示す。
Cu−1Si合金(比較例4)は、熱伝導率は245W/mkと良好な値が得られるが、溶着率は70%以下と劣っている。
Cu−Ni−Si合金(比較例5〜7)も、良好な熱伝導率と溶着率とを同時に達成することはできない。
以上の結果は以下のように考えられる。
一般に、Cuに合金元素を添加すると添加量の増大に伴い熱伝導率が低下し、低下の度合いはNiで小さく、Siで大きい。また、Cu−Ni−Si合金では、NiSiの析出量が増加すると熱伝導が低下する。これはCu中にNiSiが最大8%も固溶するためであると推測される。
また、NiSi、NiBなどの低融点化合物は、母材の表面酸化物を破壊し、肉盛り性を向上させることが知られている。
したがって、比較例5〜7のCu−Ni−Si合金ではNi量、Si量が増加すると肉盛り性は向上するが熱伝導率は低下するものと推測される。
Cu−Ni−Si合金に対して、Cu−Ni−B合金は、BがCu中に殆ど溶解しない点が特徴である。また、BはNiと結合してNiB化合物を形成する。NiBは晶出により形成し、Cu−Niのα相中には固溶しないため、熱の流れには影響を及ぼさないと考えられる。さらに、Bは結晶格子中に侵入型元素として存在し原子半径が小さいため、Cu原子間の距離変化が小さく、格子ひずみが小さいことも熱伝導への影響が小さい原因と考えられる。すなわち、Bは適量であれば、熱伝導を殆ど低下させず、また、NiBを形成して肉盛り性を向上させることができると考えられる。
また、Cu−Ni−B合金において、Ni:Bの比率については、Ni3B、Ni3B4なども形成される可能性もあり、その場合にはより多くのNiが必要とされるはずであるが、それらは溶加材粉末の生成やレーザ肉盛り溶接時に揮発・蒸発等の現象が存在したためであると推察される。
<Al希釈量と肉盛り層の硬さおよび溶着率との関係>
肉盛り層を形成する際には、母材のAl合金から肉盛り層へAlが拡散する。図1に、肉盛り層中へのAl拡散量(Al希釈量)に対して、本発明の実施例1の合金(Cu−5Ni−0.8B)の溶着率、純銅の溶着率、公知の肉盛り耐摩耗銅合金(CuLS50(*))の溶着率および硬さを示す。((*)CuLS50:Cu−5Fe−6Mo−15Ni−2.8Si−7Co−1.5Cr)
純銅はAl希釈量6%までは溶着率が殆どゼロに近く、実質的に肉盛り層は形成しない。公知の肉盛り合金(CuLS50)はAl希釈量7%までの実測値で溶着率は98%以上と良好であるが、肉盛り層の硬さは上昇しており、靭性が急激に低下し、肉盛り処理の際に、割れたり剥離を起こす。
これに対して本発明の合金は、Al希釈量7%までの実測値で溶着率は100%を維持している。硬さ測定は行なっていないが、良好な肉盛り性が得られることは確認できた。
本発明の組成範囲の銅合金により肉盛り部を形成することにより、高い熱伝導率と良好な肉盛り性とを同時に達成できる。

Claims (3)

  1. 上面に銅系合金の肉盛り部を設けたアルミニウム合金から成るエンジン用シリンダブロックにおいて、上記銅系合金が5.0〜8.0%Ni、0.8〜1.0%B、残部Cuおよび不可避不純物から成り、不可避不純物におけるSi含有量が0.5質量%未満であることを特徴とするエンジン用シリンダブロック。
  2. 請求項1記載のエンジン用シリンダブロックの製造方法であって、上記銅系合金の溶加材を用いてレーザ肉盛り溶接により、アルミニウム合金のエンジン用シリンダブロックの上面に上記肉盛り部を形成することを特徴とするエンジン用シリンダブロックの製造方法。
  3. 請求項1記載の銅系合金から成ることを特徴とするアルミニウム合金製エンジン用シリンダブロック上面用の肉盛り材。
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