JP2005199278A - クラッド性および耐摩耗性に優れた肉盛用銅合金粉末 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 質量%で、Si:2〜5%、Ni:7〜20%、Fe+Co:10%以下を含有し、かつ、Al、Zn、Sn、Mn、Cr、Ti、Zrの1種または2種以上を合計0.1〜10%、残部Cuおよび不可避的不純物からなるクラッド性および耐摩耗性に優れた肉盛用銅合金粉末。また、上記合金にに加えて、さらに、Mo:5%以下、B:2%以下、P:2%以下、V:4%以下を含むクラッド性および耐摩耗性に優れた肉盛用銅合金粉末。
【選択図】 なし
Description
一方、自動車エンジン等のバルブシートには、Fe基粉末焼結材が主に使用され、これをシリンダヘッドに圧入しバルブによる摩耗を抑制している。このような焼結バルブシートと比較し、放熱性、薄肉性に優れたレーザー肉盛バルブシートとして、レーザ粉末肉盛溶接する際、ビード形状が良好で、融合不良等の欠陥が発生せず、また、粉末製造に支障を来すことのない範囲でCu基合金に有効な微量の添加元素および微量の酸素を含有させたものとして、例えば特許第2984344号公報(特許文献1)が開示されている。
(1)質量%で、Si:2〜5%、Ni:7〜20%、Fe+Co:10%以下を含有し、かつ、Al、Zn、Sn、Mn、Cr、Ti、Zrの1種または2種以上を合計0.1〜10%、残部Cuおよび不可避的不純物からなることを特徴とするクラッド性および耐摩耗性に優れた肉盛用銅合金粉末。
(3)前記(1)または(2)に加えて、さらに、P:2%以下、V:4%以下を含むことを特徴とするクラッド性および耐摩耗性に優れた肉盛用銅合金粉末にある。
本発明の第1の特徴は、Ni含有量を下げ、Fe,Coの合計含有量を規制することにより、硬さを向上し、肉盛性(クラッド性)を維持し、粗大粒子の抑制を図ったものである。第2の特徴は、Si含有量を規制することにより硬さの向上と脆化の抑制を図るものである。また、第3の特徴は、Al、Zn、Sn、Mn、Cr、Ti、Zrの1種または2種以上を規制することにより、硬さを高めると共に、良好な肉盛性(クラッド性)を維持することにある。さらに、Mo、B、P、およびVの規制により、硬さのより向上、並びに溶け残りの防止等を図るものである。
Si:2〜5%
Siは、Cuマトリックス中にNi系珪化物として析出し、合金の硬さを向上させて耐摩耗性を向上させるための必須元素である。しかし、2%未満では硬さ向上の効果が十分でない。また、5%を超えて添加すると合金を脆化させ、また、ビード形状が安定しなかったり、クラックが発生するなど肉盛性を劣化させるためその上限を5%とした。
Niは、Siと同様に、Cuマトリックス中にNi系珪化物として析出し、合金の硬さを向上させるための必須元素である。しかし、7%未満では硬さ向上の効果が十分でない。また、20%を超えて添加すると肉盛性が劣化するため、その上限を20%とした。
Fe+Co:10%以下
FeおよびCoは、硬さ向上に効果があるが、ともに溶湯を2液相分離させ粗大硬質粒子を析出させてしまうため、合計の上限を10%とした。
Al、Zn、Sn、Mn、Cr、Ti、Zrについては、合計で0.1〜10%添加することで肉盛性を劣化させることなく、また、粗大硬質粒子を析出することなく、硬さ向上および/または耐酸化性の向上に効果がある。特にAlについては硬さ向上の効果が著しく有効である。しかし、これら元素の添加は0.1%未満ではその効果が十分でなく、また、10%を超えて添加すると肉盛性が劣化する。従って、その範囲を0.1〜10%とした。
Mo、Bは共に合金の硬さを向上させて耐摩耗性を向上させる効果がある。特に同時添加した場合、Moホウ化物が分散析出し、さらに効果的である。しかし、Moは5%を超えて添加すると合金粉末製造時に溶湯中で溶け残るため粉末製造が困難になる。従って、Mo添加量の上限を5%とした。Bについては、2%を超えると肉盛性が悪くなるため2%を上限とした。
Pは、主にNi珪化物中に固溶し合金の硬さを向上するほか、詳細は不明であるが、自己潤滑と思われる効果を有し、耐摩耗性を改善する。また、Vと同時添加すると、V,Pリッチな硬質粒子を析出し耐摩耗性を向上する。しかし、2%を超える添加は、逆に脆化を起こし、肉盛性も劣化させることから、その上限を2%とした。
Vは、硬さ向上に効果があり、前述のようにPとの同時添加によりV,Pリッチ硬質粒子を析出する。しかし、4%を超えて添加すると合金粉末作製時に溶湯中で溶け残るため粉末製造が困難になる。そのため、V添加量の上限を4%とした。
表1に示される成分組成になるように配合した本発明合金、比較例合金を30kgアトマイザで真空誘導溶解し、溶湯ノズル径φ3mm、コンファインド型噴霧ノズルを用いて出湯温度1520℃、噴霧圧4MPaにてArガスを使用したガスアトマイズ法により粉化し、そのままArガス雰囲気中で冷却してレーザ粉末肉盛用Cu基合金粉末を得た。以上のようにして得られた粉末をそれぞれ−80〜+280メッシュに篩分け、下記の条件でレーザ粉末肉盛を行い、さらに、加えて、バルブシート形状に加工し、研磨した後、350℃に加熱した状態でバルブによる摩耗評価を行なった。以下に、各評価の方法と判定基準を示す。また、評価結果を表2に示す。
・金属基体:Al基材;JIS AC2B+溶体化時効処理
・レーザ形:1.8×4mm矩形
・レーザ出力:1.5kw
・粉末供給量:50g/min
・雰囲気:Arガス(70L/min)
・処理速度:8mm/sec
〇:高さ/幅が0.6以下
×:高さ/幅が0.6超
(c)耐摩耗性:摩耗評価(単体リグ摩耗試験、350℃加熱、3000rpm、4.5 h)後のバルブシートの摩耗深さで評価した。
〇:摩耗高深さが20μm以下
×:摩耗高深さが20μm超
〇:表面粗さRa0.2μm以下
×:表面粗さRa0.2μm超
(e)粉末製造法:アトマイズ後のルツボ内における母材溶け残りの有無
無:○
有:×
〔形状(表面粗さ計で測定JIS B 0601に準拠)〕
直線状に肉盛した時のビード頂上部の凹凸で評価した。
○:断面曲線の最大の高さRy≦0.5mm
×:Ry≧0.5mm
肉盛ビードの表面を目視にて観察した。
○:肉盛後クラックなし
×:クラック発生
〔アトマイズ時の閉塞〕
30kgアトマイザの溶湯が全量噴霧できたかどうかで評価した。
○:ノズル閉塞なし
×:アトマイズ中にノズル閉塞発生
肉盛ビード断面を研磨して顕微鏡で観察した。
◎:直径10μm以上の粗大な硬質相なし
○:直径15μm以上の粗大な硬質相なし
×:直径15μm以上の粗大な硬質相あり、でそれぞれ評価した。
特許出願人 山陽特殊製鋼株式会社
代理人 弁理士 椎 名 彊
Claims (3)
- 質量%で、
Si:2〜5%、
Ni:7〜20%、
Fe+Co:10%以下
を含有し、かつ、Al、Zn、Sn、Mn、Cr、Ti、Zrの1種または2種以上を合計0.1〜10%、残部Cuおよび不可避的不純物からなることを特徴とするクラッド性および耐摩耗性に優れた肉盛用銅合金粉末。 - 請求項1に加えて、さらに、Mo:5%以下、B:2%以下を含むことを特徴とするクラッド性および耐摩耗性に優れた肉盛用銅合金粉末。
- 請求項1または2に加えて、さらに、P:2%以下、V:4%以下を含むことを特徴とするクラッド性および耐摩耗性に優れた肉盛用銅合金粉末。
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JP2004005066A JP2005199278A (ja) | 2004-01-13 | 2004-01-13 | クラッド性および耐摩耗性に優れた肉盛用銅合金粉末 |
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