JP5743015B1 - 冷菓の水分移行抑制用油性食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】汎用性が高く、より水分移行抑制効果の高い、スプレーにより塗布することのできる、冷菓の水分移行抑制用油性食品の提供。【解決手段】以下の要件を満たす、冷菓の水分移行抑制用油性食品の使用により冷菓の水分移行を抑制し、1.40℃における降伏値が1.7〜12Pa、2.40℃における塑性粘度が70〜260mPa・s、3.降伏値/塑性粘度の値が10以上、4.油分を44〜80重量%含む冷菓の水分移行抑制用油性食品。【選択図】なし

Description

本発明は、冷菓の水分移行抑制用油性食品に関するものである。
また本発明は、スプレー塗布用の、冷菓の水分移行抑制用油性食品に関するものである。
従来より、コーンカップやモナカ皮を可食性容器とした冷菓において、この可食性容器の内面(以下、内相とも言う)へのコーティング材としてチョコレート等がよく利用される。これは、内容物であるアイスクリーム類から可食性容器への水分の移行を抑制し、可食性容器の食感を良好な状態に保つ目的で施されている場合が多い。
特許文献1には、「コーン容器に気泡を含んだチョコレート生地を注入し、次いでコーン容器の内面と相似の形状をした挿入型を挿入し、コーン容器と挿入型の間の空隙にチョコレート生地を満たした状態とした後挿入型を抜出し、コーン容器の内面に気泡を含んだチョコレート生地層を設け、次いで冷凍生地を充填することを特徴とするコーンアイスの製造法」について記載されている。
特許文献2には、「コーンカップ等の可食性容器を垂直軸に対し傾斜させて回転させながら、その内面に流動状の気泡アイスコーティングチョコレートを流下、凝固させて該カップの内壁に起泡アイスコーティングチョコレート層を形成させることを特徴とするコーンカップ類の防湿方法」について記載されている。
特許文献3には、「最中のアイスクリームと接する面に少なくとも300μm厚のチョコレートコーティングを有する最中皮」について記載され、その手段として「ホットエアレスパルススプレー法で噴射すること」について記載されている。
特許文献4には、「最中皮と最中皮の間には、最中皮の移動方向に沿って走行する無端状のマスキングベルトをそれぞれ配設・・・」する「最中皮の内面にチョコレートをコーティングすることを特徴とするチョコレート被膜付き最中皮の製造法」について記載されている。
特許文献5には、「チョコレート類からなる防湿層を形成する防湿層形成工程」として、「皿形の回転円盤の前面に液状のチョコレート類を供給しながら該回転円盤を回転させることにより、供給されたチョコレート類を遠心力により微粒化し、該微粒化されたチョコレート類を、前記可食性容器に対する前記回転円盤の相対的な移動により前記可食性容器の内面に塗布する」製造方法について記載されている。
特許文献6には、「油脂を25〜45重量%含有し、且つ45℃での降伏値が1Pa以下、45℃での見かけ粘度が6000cP以下であり、且つカカオ繊維質およびパルプ繊維質からなる群より選択される繊維質を一種以上含み、且つその総和が3重量%以上であるチョコレート類」について記載されている。
特許文献7は、「チョコレート生地の粘度低下剤」と称する出願であるが、「流動性が悪くなったチョコレート生地は降伏値が高くなって」いた旨の記載がある。
複合冷菓の製造において、焼きウエハー製容器へ脂質含有食品の噴霧を噴霧スプレー・ガンでおこない、水分含有食品と隔てる方法については、特許文献8に記載がある。
特開平3ー210152号公報 特開平5ー316931号公報 特開2004ー147524号公報 特開2005ー312333号公報 特開2006ー187249号公報 特開2012ー110268号公報 特開平10−98704号公報 特公昭56ー500873号公報
本発明の課題は、可食性容器を使用する冷菓における、水分移行を抑制するために用いることのできる油性食品を提供することにあり、特に、汎用性が高く、より水分移行抑制効果の高い、油性食品を提供することにある。
また、場合によってはスプレーにより塗布することのできる、冷菓の水分移行抑制用油性食品を提供することにある。
背景技術に記載したように、冷菓の水分移行を抑制することを目的に、コーンカップやモナカ皮の内面へコーティング材としてチョコレート等を用いる出願はいくつか存在する。しかし、その多くは、チョコレート等の油性食品をモナカ皮へ流し込む等の方法により塗布されており、煩雑であった。また、その水分移行抑制力も、改善の余地が見られた。
特許文献1と2の方法では、気泡を含んだチョコレート生地を使用しなければならず、製品の食感が制限を受けることとなり汎用性の低いものであった。また、特許文献1の方法では、製造において挿入型を準備する必要があり、煩雑であった。
特許文献3では、新たに「ホットエアレスパルススプレー」なる装置を導入せねばならず、コストの上昇につながることが想定され、汎用的に使用できる技術とは言えなかった。
特許文献4では、マスキングベルト等を使用しているが、製造装置の大幅な改変が必要であり、これもコストの上昇につながり、汎用的に使える技術とは言えない。特許文献5においても、同様に製造装置の大幅な改変が必要である。
特許文献6は、降伏値に着目した出願であるが、比較例1、2には、降伏値が高い場合は、コーティング作業ができない旨記載されている。
特許文献8には、きわめて広い範囲の脂質含有食品について、噴霧スプレーガンによる噴霧を行う旨記載されている。しかし、モナカ皮のように、凹凸部の存在する可食性容器についての効果の記載はなく、本発明者による検証においても、その効果は確認できなかった。
本発明者は、チョコレート等の油性食品による、アイスモナカ等における水分移行抑制について、検討を行った。そうしたところ、モナカ皮に存在する凹凸部において、特に水分移行が起こりやすいこと、その原因として、凹凸部においては油性食品によるコーティングが薄くなりがちであることが原因であることを見出した。特に、スプレーにより油性食品を塗布した場合には、その傾向がより顕著に見られた。
本発明者は更に鋭意検討を行ったところ、チョコレート生地の流体としての特性のうち「降伏値」と「塑性粘度」に着目し、降伏値が高く、かつ塑性粘度が低く抑えられれば、凹凸の多いモナカ皮であっても、その内相を確実にコーティングできるのではないか、との推論に達した。そして、特定の乳化剤を使用することで、降伏値を高め、かつ塑性粘度を低く抑えることができることを見出した。そして、そのようなチョコレート生地を使用することで、凹凸部含め一定の厚さでコーティングすることができ、かつ、十分なバリア性を示し、アイスクリームからの水分移行を抑えることができることを見出した。そして、この油性食品はスプレーをはじめ各種のコーティング操作に対応できることを見出し、本発明を完成させた。
換言すれば、本発明者は、油性食品の物理的性状を調整することにより、スプレー法による塗布においても、その凹凸部で十分な水分移行耐性を示す油性食品が得られないか、鋭意検討を行った。その結果、従来の常識からはスプレーによる塗布が困難と思えるような、降伏値を上昇させた油性食品が、「降伏値/塑性粘度」の値を一定以上とする等の要件を満たす場合に、通常のスプレーにより好適にスプレー塗布することができ、アイスモナカ等の冷菓の水分移行を抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、
(1)以下の要件を満たす、油性食品、
1.40℃における降伏値が1.7〜12Pa、
2.40℃における塑性粘度が70〜260mPa・s、
3.降伏値/塑性粘度の値が10以上、
4.油分を44〜80重量%含む、
(2)以下の要件を満たす、請求項1記載の油性食品、
1.40℃における降伏値が3〜12Pa、
2.40℃における塑性粘度が100〜180mPa・s、
3.降伏値/塑性粘度の値が25以上、
4.油分を46〜70重量%含む、
(3)HLBが5〜10のソルビトール型ソルビタンモノ脂肪酸エステルを0.2〜2.5重量%含有する(1)又は(2)記載の油性食品、
(4)ソルビトール型ソルビタンモノ脂肪酸エステルの脂肪酸が飽和型である、(3)記載の油性食品、
(5)HLBが5〜10の蒸留ジグリセリンモノ脂肪酸エステルを0.2〜5重量%含有する、(1)又は(2)記載の油性食品、
(6)(1)〜(5)いずれか1つに記載の油性食品の、可食性容器を使用する冷菓における、可食性容器の内相コーティング剤としての使用、
(7)(1)〜(5)いずれか1つに記載の油性食品を、可食性容器を使用する冷菓における、可食性容器の内相へコーティングする、可食性容器を使用する冷菓の製造法、
(8)(1)〜(5)いずれか1つに記載の油性食品を、可食性容器を使用する冷菓における、可食性容器の内相へスプレーにてコーティングする、可食性容器を使用する冷菓の製造法、
(9)油性食品が、冷菓の水分移行抑制用である、(1)〜(5)いずれか1つに記載の油性食品、
(10)油性食品が、アイスモナカ内相コーティング用である、(1)〜(5)いずれか1つに記載の油性食品、
(11)(1)〜(5)いずれか1つに記載の油性食品を用いた冷菓、
(12)油性食品が、スプレー塗布用の冷菓の水分移行抑制用である、(1)〜(5)いずれか1つに記載の油性食品、
(13)油性食品が、スプレー塗布用のアイスモナカ内相コーティング用である、(1)〜(5)いずれか1つに記載の油性食品、
また、換言すれば
(14)40℃における降伏値が1.7〜8Paであってかつ、40℃における塑性粘度が150〜260mPa・sである、油脂を45〜90重量%含む、冷菓の水分移行抑制用油性食品、
(15)HLBが5〜10のソルビトール型ソルビタンモノ脂肪酸エステルを0.2〜2.5重量%含有する、(14)記載の、冷菓の水分移行抑制用油性食品、
(16)ソルビトール型ソルビタンモノ脂肪酸エステルの脂肪酸が飽和型である、(15)記載の、冷菓の水分移行抑制用油性食品、
(17)HLBが5〜10の蒸留ジグリセリンモノ脂肪酸エステルを0.2〜5重量%含有する、(14)記載の、冷菓の水分移行抑制用油性食品、
(18)アイスモナカ内相コーティング用である、(14)〜(17)いずれか1つに記載の、冷菓の水分移行抑制用油性食品、
(19)(14)〜(18)いずれか1つに記載の水分移行抑制用油性食品を用いた冷菓、
であり、また、
(20)以下の要件を満たす、スプレー塗布用の冷菓の水分移行抑制用油性食品、
1.40℃における降伏値が1.7〜12Pa、
2.40℃における塑性粘度が70〜260mPa・s、
3.降伏値/塑性粘度の値が10以上、
4.油分を44〜80重量%含む、
(21)HLBが5〜10のソルビトール型ソルビタンモノ脂肪酸エステルを0.2〜2.5重量%含有する、(20)記載の、スプレー塗布用の冷菓の水分移行抑制用油性食品、
(22)ソルビトール型ソルビタンモノ脂肪酸エステルの脂肪酸が飽和型である、(21)記載の、スプレー塗布用の冷菓の水分移行抑制用油性食品、
(23)HLBが5〜10の蒸留ジグリセリンモノ脂肪酸エステルを0.2〜5重量%含有する、(20)記載の、スプレー塗布用の冷菓の水分移行抑制用油性食品、
(24)スプレーによるアイスモナカ内相コーティング用である、(20)〜(23)いずれか1つに記載の、冷菓の水分移行抑制用油性食品、
(25)(20)〜(24)いずれか1つに記載のスプレー塗布用の、水分移行抑制用油性食品を用いた冷菓、
(26)(20)記載の油性食品をスプレーによりモナカ皮内装に塗布することを特徴とする、アイスモナカの製造法、
に関するものである。
本発明によれば、可食性容器を使用する冷菓における、水分移行を抑制するために用いることのできる油性食品を提供することができる。当該油性食品は、汎用性が高く、より水分移行抑制効果の高いものである。
そして本発明によれば、アイスモナカのように凹凸の多い内相を確実にコーティング可能な、汎用的に使用できる、より水分移行抑制効果の高い油性食品を提供することが可能である。
換言すれば、本発明によれば、汎用性が高く、より水分移行抑制効果の高い、スプレーにより塗布することのできる、冷菓の水分移行抑制用油性食品を提供することが可能である。
本発明における油性食品とは、油分を望ましくは44〜80重量%含む食品であって、0℃で固体であるものをいう。油分の量が少なすぎると、水分移行抑制効果が低くなる場合がある。油分の量は、より望ましくは45〜75重量%であり、さらに望ましくは46〜70重量%である。
本発明においては、油性食品をスプレーにより塗布することも意図しており、そのためには、油分を「さらに望ましい」とする範囲にするのがよい。
本発明における油性食品は、具体的にはチョコレートや準チョコレート、及びチョコレート利用食品に分類されるものが多いが、これらに限定されるものではない。
本発明においては、油性食品として代表的にはチョコレート利用食品を使用する場合が多く、以下、チョコレート利用食品を例に挙げ説明する。また、チョコレート利用食品であっても、本発明においては単に「チョコレート」と称する場合がある。
チョコレートにおける降伏値は、チョコレートが流動し始めるために必要なエネルギーとして表される。降伏値が高いとチョコレートは流動し難い物性となる。具体的な降伏値は見かけ粘度の測定方法をもとに、ずり応力とずり速度の関係をプロットし、Casson近似式などを用いて数式化することで得られる。測定方法の一例としては、40℃でRheolab-QC(AntonPaar社製)を使用し、ずり速度が2(1/s)〜50(1/s)の時のずり応力を測定し、Casson近似式を用いて数式化することで降伏値を算出することができる。
本発明でいう塑性粘度とは、ビンガム流体で、流動を開始した後の粘度を表すレオロジー定数のことである。数値が大きいほど流動抵抗が大きく、ニュートン流体の粘性係数に対応する。
本発明における油性食品の、40℃における降伏値は1.7〜12Paである必要があり、より望ましくは2.1〜12Paであり、さらに望ましくは2.3〜12Paであり、最も望ましくは3〜12Paである。
40℃における降伏値は1.7〜8Pa、2.1〜7.5Pa、2.3〜7.2Pa、2.4〜6.9Paの範囲での設定も可能である。
また、本発明における油性食品の40℃における塑性粘度は70〜260mPa・sである必要があり、より望ましくは80〜200mPa・sであり、さらに望ましくは90〜190mPa・sであり、最も望ましくは100〜180mPa・sである。
塑性粘度の値は、90〜140mPa・s、100〜131mPa・sでの設定も可能である。
本発明においては、「降伏値/塑性粘度」の値が10以上であることが必要であり、この値は望ましくは13以上であり、さらに望ましくは15以上である。最も望ましくは25以上である。通常、油性食品において降伏値を高めると、それに伴い塑性粘度も上昇する場合が多いが、そのような油性食品はスプレー塗布に適さない場合が多い。本発明においては、塑性粘度との対比において、降伏値が一定以上のものが好適に使用できる点に特徴があるのであり、降伏値及び塑性粘度の値のみが規定する範囲にあった場合でも、「降伏値/塑性粘度」の値が低すぎると、本発明の課題解決が難しくなる。なお、「降伏値/塑性粘度」の値は、それぞれ40℃における降伏値および塑性粘度の値から算出されるものである。この場合、降伏値の単位はmPa、塑性粘度の単位はmPa・sにて計算を行う。
本発明でいう冷菓とは、冷凍状態で流通されるアイスクリーム等である。特に、経時的な水分移行が問題となるような製品であり、アイスクリーム等の周辺全体ないし一部をコーンやモナカ皮などの可食性容器にて囲まれたものである。具体的には、コーンを使用したものやアイスモナカをあげることができるが、本発明の効果を、より好適に発揮できるのはアイスモナカに適用した場合である。すなわち、本発明で言う冷菓としては、アイスモナカであることが望ましい。アイスモナカは、人気の高い冷菓の一つであるが、モナカ皮への水分移行の問題は、いまだ完全には解決できていない問題である。
本発明の油性食品は、可食性容器を用いる冷菓へ使用されるものであって、アイスクリーム等からモナカ皮やコーンの可食性容器への水分移行を抑制する効果の高いものであり、そのような用途に特に適したものである。具体的には、モナカ皮へ所定の方法で塗布した後、アイスクリームを充填した上で保管テストを行った際、水分の上昇が抑制される効果を示す油性食品である。より具体的な評価方法は、実施例に記載する。
同様に、本発明でいう「冷菓の水分移行抑制用油性食品」とは、冷菓へ使用される油性食品であって、アイスクリーム等からモナカ皮やコーンへの水分移行を抑制する効果の高いものを言い、そのような用途に特に適したものである。具体的には、モナカ皮へ所定の方法で塗布した後、アイスクリームを充填した上で保管テストを行った際、水分の上昇が抑制される効果を示す油性食品である。より具体的な評価方法は、実施例に記載する。
なお、本発明でいう「水分移行」とは、代表的にはアイスモナカのように、アイスクリーム等の表面の全体ないし一部をモナカ皮等で覆った冷菓において、アイスクリーム等からモナカ皮等への水分の移行を指す。この場合、被覆物はモナカ皮に限らず、ソフトクリームのコーンやクッキーも含むが、本発明は、モナカ皮のように凹凸が多く存在する被覆物であっても、その水分移行を抑制できる点に特徴を有するものであり、被覆物はモナカ皮であると、その効果が好適に発現される。
すなわち、モナカ皮のように凹凸の多く存在する被覆物であっても、その水分移行を抑制できる油性食品が、本発明に係る油性食品である。
そして、そのような油性食品が、冷菓の水分移行抑制用油性食品であり、アイスモナカ内相コーティング用の、冷菓の水分移行抑制用油性食品である。
なお、アイスモナカ用のモナカ皮についてより具体的に定義すると、モナカ皮はモチ等の澱粉質を主体とする、焼成して調製されるもので、2つ以上の皮により、アイスクリーム等の内容物の全体ないし一部を覆う構造となるものが多い。
その外見から評価すると、内容物全体を覆う構造となる場合、その外周に向け凸面部が存在するし、また、全体の強度を増す為ないし、割って食べやすいようにするために、辺に平行に、凹部が設けられている場合が多い。
本発明においては、曲率半径5mm以下の凹凸部が存在するものを「モナカ皮」と定義する。凹凸部の曲率半径は4mm以下の場合には、本発明の効果がより顕著に現れ、3mm以下の場合には、更に効果が顕著に現れる。なお、上記曲率半径は、モナカ皮の内側の値である。
本発明に係る油性食品は、スプレー塗布による可食性容器のコーティングにも供することができるものである。
本発明で言うスプレーとは噴霧器とも表現されるものであり、各種の装置を使用できる。本発明は特に、スプレーによる塗布を行った場合でも、アイスモナカ等において顕著な水分移行耐性を示すことを特徴とする。ここでいう、水分移行耐性の有無の具体的判断基準は、実施例に記載する。
本発明に係る冷菓の水分移行抑制用油性食品の物性は、HLBが5〜10のソルビトール型ソルビタンモノ脂肪酸エステルを0.2〜2.5重量%含有させることで好ましく実現することができる。ここでソルビトール型ソルビタンモノ脂肪酸エステルとは、ソルビタンモノ脂肪酸エステルであって、かつ、かつソルビトール型エステル含量が30〜90%、好ましくは40〜85%であることを特徴とする。ソルビトール型の含量が多すぎても少なすぎても、本発明に係る物性を発現しない場合がある。
なお、ソルビタン脂肪酸エステルの中で、ソルビトール型とは、ソルビトールと脂肪酸をエステル化させながらソルビタンへの縮合反応も同時に行ったものであり、ソルビタン型とは、ソルビトールだけを先に縮合反応させてソルビタンを得て、精製し、これに脂肪酸を合わせてエステル化反応させたものである。
ソルビタン型の場合は、ソルビタンの時点で一度精製してあるので、ソルビトール型の場合にくらべて色調や風味が良いという特徴がある。しかし本発明においては、ソルビトール型ソルビタンモノ脂肪酸エステルを使用することが、物性制御の点で望ましい。
ソルビトール型ソルビタンモノ脂肪酸エステルは、水酸基価によっても規定することができる。すなわち、本発明に使用するソルビトール型ソルビタンモノ脂肪酸エステルの水酸基価は、150〜550であることが望ましく、より望ましくは250〜550であり、さらに望ましくは300〜550である。この値が大きすぎても少なすぎても、油性食品において求める物性が得られない場合がある。
ソルビトール型ソルビタンモノ脂肪酸エステルのHLBはより望ましくは5〜9である。HLBは高すぎても低すぎても、本発明に係る物性を発現しない場合がある。
また、結合する脂肪酸は、より望ましくは飽和型である。
ソルビトール型ソルビタンモノ脂肪酸エステルの油性食品中の含有量は0.2〜2.5重量%が望ましく、より望ましくは0.3〜2.2重量%であり、さらに望ましくは0.4〜2.0重量%である。この量が少なすぎると、本発明に係る物性を発現しない場合がある。また、この量が多すぎると食味に悪影響を及ぼす場合がある。また、塗布した後のバリア性が劣る場合がある。
本発明に係る冷菓の水分移行抑制用油性食品の物性は、また、HLBが5〜10の蒸留ジグリセリンモノ脂肪酸エステルを含有することによっても実現することができる。この量は、望ましくは0.2〜5重量%である。HLBはより望ましくは5〜8である。HLBは高すぎても低すぎても、本発明に係る物性を発現しない場合がある。また、結合する脂肪酸は、より望ましくは飽和型である。なお、蒸留ジグリセリンモノ脂肪酸エステルをソルビタン脂肪酸エステルと併用することも妨げない。
本発明に係る油性食品の使用態様は特に限定されないが、例えば、モナカ皮やコーン等の可食性容器へ油性食品を一旦注ぎ込み、当該可食性容器を回転等することにより、その内相に油性食品を付着させた後、余剰の油性食品を排出する方法や、当該油性食品をスプレーにて可食性容器の内面へ吹き付ける等の方法を採用することができる。また、流動性を持たせた油性食品を、滝のように流しかけるタイプのチョコレートコーティング装置を使用することもできる。このような装置の代表としては、いわゆる「エンローバー」と呼ばれる装置がある。
コーティングを行う際の作業効率の点で判断すると、スプレーによる塗布が望ましく、本発明に係る油性食品は、当該使用にも対応し得るものである。スプレーによる塗布によっても、強い水分移行耐性を示す点でも、本発明に係る油性食品は特徴を有するものである。
本発明に係る油性食品の調製法を、チョコレートを例に説明する。
チョコレートの調製法は、従来用いられているものを採用することが出来る。すなわち、砂糖、粉乳、カカオマスなどの原材料を混合した後、ローラー等により微細化する。その後加温して練り上げる。本発明の特徴である乳化剤は、原材料として当初から添加しておくことが望ましい。
以下に実施例を示し、本発明の効果をより一層明確にする。
○検討1 乳化剤のスクリーニング
実施例1〜7、比較例1〜14
植物油脂46.5重量%、砂糖42.5重量%、ココア11重量%からなるベースチョコ配合へ、表1、2記載の各種乳化剤を添加し油性食品を調製した。その後、降伏値および塑性粘度を測定した。結果も、表1、2に記載した。降伏値および塑性粘度の測定法は、以下記載の方法に従った。
なお、植物油脂はパーム分別油(融点16℃)を使用した。また、ココアの油分は11重量%であった。
表1 乳化剤のスクリーニング 配合と結果
Figure 0005743015
表2 乳化剤のスクリーニング 配合と結果
Figure 0005743015
「降伏値、塑性粘度の測定法」
1 油性食品を60℃まで温めて完全に融解させた。
2 室温に放置し、40℃に降温した。
3 Rheolab-QC(AntonPaar社製)を使用して、40℃での、ずり速度が2(1/s)〜50(1/s)の時のずり応力を測定した。
4 Casson近似式を用いて数式化することで降伏値と塑性粘度を算出した。
「油性食品の調製法」
1 植物油脂19.0重量%、砂糖42.5重量%、ココア11重量%を混合して生地とした。
2 生地をロールリファイナーによって微粒化処理した。
3 コンチェにて残りの植物油脂27.5重量%と混合して、油性食品を調製した。
考察
表1、2に示す通り、HLBが5〜10のソルビトール型ソルビタンモノ脂肪酸エステルを0.2〜2.5重量%含有させるか、または、HLBが5〜10の蒸留ジグリセリンモノ脂肪酸エステルを0.2〜2.5重量%含有させることで、目的とする物性を示す油性食品が得られることが明らかとなった。
○検討2 油性食品油分及び乳化剤添加量の検討
実施例8〜15
スクリーニングした乳化剤のうち、ソルマンS−300Vについて、油性食品油分および乳化剤添加量の検討を行った。
表3の配合により、検討1と同様の方法により油性食品を調製し、その、降伏値等の物性値を測定した。結果を表3に記載した。
表3 油性食品油分及び乳化剤添加量の検討 配合と結果
Figure 0005743015
考察
表3に示す通り、油性食品油分及び乳化剤添加量を変動させても、降伏値、塑性粘度及び降伏値/塑性粘度が規定値の範囲となることが明らかとなった。
○検討3 スプレー塗布テスト
実施例16〜25、比較例15〜19
検討1、2の一部の油性食品について、スプレーによるモナカ皮への塗布テスト及び、水分移行の評価を行った。
スプレー塗布テストの方法、評価法は以下に記載する。
表4に結果を記載した。
「スプレーによる塗布テスト法(スプレーコーチングテスト)」
1.各油性食品を50℃に調温して完全に融解し、その後40℃まで温度を調整した。
2.モナカ皮(加賀種食品工業株式会社製 製菓用四つ割り仕様モナカ皮 大きさ(縦、横、高さ:65×65×7mm)、初発の水分量:5.8%)を開口部が上になるように置き,1.の油性食品を電動スプレー機(パワースプレーP−60、精和産業株式会社製)を用いて塗布し、目付量が2.5〜2.7gになるように調整した。なお、モナカ皮角部分の曲率半径は1mmであった。
3.直ちに冷蔵庫へ入れ、油性食品を固めた。
4.モナカ皮凹凸部の油性食品の厚みの均一性を肉眼観察した。
(コーティングテスト肉眼観察評価基準)
5:薄い部分がなく均一にコーティングされていて良好。
4:内相の90%以上が、目視上、均一にコーティングされている。
3:凹凸部にコーティングの厚みムラになっている部分が一部に見られる。
2:凹凸部全体に、コーティングの厚みにムラがみられる。
1:凹凸部のコーティングの厚みムラが非常に大きい。
3以上を合格とした。
(表4において、「コーティングテスト結果」として記載した)
「水分移行評価法」
1.アイスクリーム(明治乳業株式会社製「ファミリア バニラ」 を−5〜−10℃に緩めた。
2.絞り袋に入れ、「スプレーによる塗布テスト法」の手順にて、油性食品をコーティングしたモナカ皮へ、17g充填した。各試験区で10個充填した。
3.−30℃急速冷凍庫へ入れ、120分間放置した。
4.融点16℃の植物油脂46.5重量%、砂糖42.5重量%、ココア11重量%からなる油性食品を50℃湯せんで融解したものを、3.のアイスクリーム部の上から3.5〜4.0gかけ、アイスクリーム表面をコーティングした。
5.−30℃急速冷凍庫へ入れ、120分間放置した。
6.ビニール袋に個包装した後、−25℃冷凍庫にて3日間置き、テスト用アイスモナカを得た。
7.テスト用アイスモナカを、−10℃の冷凍庫へ入れ21日間放置した。
8.21日目の段階で、目視により、吸湿して変形したモナカ皮の個数を確認した。
吸湿変形したモナカ皮の個数が10個中3個以下を合格とした。
9.目視により、吸湿変形していないモナカ皮について、アイスクリーム等を分離した上で、水分を測定し、平均値を得た。
水分量の平均が10重量%以下を合格とした。
10.吸湿変形していないモナカ皮について、「食感評価基準」に基づき、10名のパネラーにより食感評価した。評価結果はパネラーによる合議で決定した。
(食感評価基準)
○:サクサク感が残っていて良好。
△:やや湿り気を感じるがサクサク感は残っている。
×:湿っており不良。
△、○を合格とした。
表4 結果
Figure 0005743015

スプレーコーチングテスト評価の結果が3以上、21日目の吸湿済みモナカの数が3個以下、21日目 未吸湿モナカの水分が10重量%以下の全てを満たすものを最終合格とし、冷菓の水分移行抑制用である旨評価した。
考察
表4のとおり、降伏値や塑性粘度等が特定の範囲にある油性食品を使用した場合に、モナカ皮へのスプレーによる塗布が良好にでき、アイスモナカの水分移行も抑制されることが明らかとなった。
○検討4 スプレー以外による塗布テスト
実施例26〜28、比較例20〜24
検討1で得られた油性食品の一部について、モナカ皮へのスプレー以外の方法によるコーティングテストを実施した。
テスト方法は以下に記載する通りである。
結果を表5に示した。
「コーティングテスト方法」
1.表5に記載される各油性食品を50℃に調温して完全に融解した。
2.モナカ皮(加賀種食品工業株式会社製 製菓用四つ割り仕様モナカ皮 大きさ(縦、横、高さ:65×65×7mm)、初発の水分量:5.8%)を開口部が上になるように置き,1.の油性食品を内壁いっぱいに注いだ後、直ちにモナカ皮を垂直にして油性食品を流し出した。なお、モナカ皮角部分の曲率半径は1mmであった。
3.目付量を測定した。
4.直ちに冷蔵庫へ入れ、油性食品を固めた。
5.目付量が、モナカ皮1枚当たり2.5〜2.7gに該当しない場合は、再度1から開始し、2の油性食品を流しかける時間を調整し、上記所定の目付量となるようにした。
6.モナカ皮凹凸部の油性食品の厚みを肉眼観察した。
(コーティングテスト肉眼観察評価基準)
5:薄い部分がなく均一にコーティングされていて良好。
4:内相の90%以上が、目視上、均一にコーティングされている。
3:凹凸部にコーティングの厚みムラになっている部分が一部に見られる。
2:凹凸部全体に、コーティングの厚みにムラがみられる。
1:凹凸部のコーティングの厚みムラが非常に大きい。
3以上を合格とした。
(表5において、「コーティングテスト結果」として記載した)
「防湿テスト法」
1.アイスクリーム(明治乳業株式会社製「ファミリア バニラ」 を−5〜−10℃に緩めた。
2.絞り袋に入れ、「コーティングテスト方法」の手順にて、油性食品をコーティングしたモナカ皮へ、17g充填した。各試験区で10個充填した。
3.−30℃急速冷凍庫へ入れ、120分間放置した。
4.融点16℃の植物油脂46.5重量%、砂糖42.5重量%、ココア11重量%からなる油性食品を50℃湯せんで融解したものを、3.のアイスクリーム部の上から3.5〜4.0gかけ、アイスクリーム表面をコーティングした。
5.−30℃急速冷凍庫へ入れ、120分間放置した。
6.ビニール袋に個包装した後、−25℃冷凍庫にて3日間置き、テスト用アイスモナカを得た。
7.テスト用アイスモナカを、−10℃の冷凍庫へ入れ21日間放置した。
8.21日目の段階で、目視により、吸湿して変形したモナカ皮の個数を確認した。
吸湿変形したモナカ皮の個数が10個中4個以下を合格とした。
9.目視により、吸湿変形していないモナカ皮について、アイスクリーム等を分離した上で、水分を測定し、平均値を得た。
水分量の平均が10重量%以下を合格とした。
10.吸湿変形していないモナカ皮について、「食感評価基準」に基づき、10名のパネラーにより食感評価した。評価結果はパネラーによる合議で決定した。
(食感評価基準)
○:サクサク感が残っていて良好。
△:やや湿り気を感じるがサクサク感は残っている。
×:湿っており不良。
△、○を合格とした。
表5 コーティングテスト 結果
Figure 0005743015

所定の油性食品を使用した場合に、21日目の段階で吸湿により変形したモナカ皮の個数が4個以下となり、吸湿変形していないモナカ皮の水分量が10重量%以下となることが明らかとなった。
考察
油性食品による水分移行の抑制は、モナカ皮へきれいに塗布されること、および塗布後のバリア性の2つから構成されると推定された。
本発明に係る油性食品であれば、塗布性およびバリア性いずれもが良好であり、課題を解決することができることが確認された。

Claims (12)

  1. 以下の要件を満たす、冷菓の水分移行抑制用油性食品。
    1.40℃における降伏値が1.7〜12Pa、
    2.40℃における塑性粘度が70〜260mPa・s、
    3.降伏値/塑性粘度の値が10以上、
    4.油分を44〜80重量%含む、
    5.HLBが5〜10のソルビトール型ソルビタンモノ脂肪酸エステルを0.2〜2.5重量%含有する。
  2. 以下の要件を満たす、請求項1記載の油性食品。
    1.40℃における降伏値が3〜12Pa、
    2.40℃における塑性粘度が100〜180mPa・s、
    3.降伏値/塑性粘度の値が25以上、
    4.油分を46〜70重量%含む。
  3. ソルビトール型ソルビタンモノ脂肪酸エステルの脂肪酸が飽和型である、請求項1又は2に記載の油性食品。
  4. 以下の要件を満たす冷菓の水分移行抑制用油性食品。
    1.40℃における降伏値が1.7〜12Pa、
    2.40℃における塑性粘度が70〜260mPa・s、
    3.降伏値/塑性粘度の値が10以上、
    4.油分を44〜80重量%含む、
    5.HLBが5〜10の蒸留ジグリセリンモノ脂肪酸エステルを0.2〜5重量%含有する。
  5. 以下の要件を満たす、請求項4記載の油性食品。
    1.40℃における降伏値が3〜12Pa、
    2.40℃における塑性粘度が100〜180mPa・s、
    3.降伏値/塑性粘度の値が25以上、
    4.油分を46〜70重量%含む。
  6. 請求項1〜5いずれか1項に記載の油性食品の、可食性容器を使用する冷菓における、可食性容器の内相コーティング剤としての使用。
  7. 請求項1〜5いずれか1項に記載の油性食品を、可食性容器を使用する冷菓における、可食性容器の内相へコーティングする、可食性容器を使用する冷菓の製造法。
  8. 請求項1〜5いずれか1項に記載の油性食品を、可食性容器を使用する冷菓における、可食性容器の内相へスプレーにてコーティングする、可食性容器を使用する冷菓の製造法。
  9. 油性食品が、アイスモナカ内相コーティング用である、請求項1〜5いずれか1項に記載の油性食品。
  10. 請求項1〜5いずれか1項に記載の油性食品を用いた冷菓。
  11. 油性食品が、スプレー塗布用の冷菓の水分移行抑制用である、請求項1〜5いずれか1項に記載の油性食品。
  12. 油性食品が、スプレー塗布用のアイスモナカ内相コーティング用である、請求項1〜5いずれか1項に記載の油性食品。
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