JP6762232B2 - 油性菓子生地および油性菓子の製造方法 - Google Patents

油性菓子生地および油性菓子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は経時的な増粘を抑制した油性菓子生地の製造方法に関し、詳しくは水分含量を調整した粉乳を用いることで経時的な増粘を抑制することを特徴とする、運搬、保管に適した油性菓子生地の製造方法、さらにその生地を用いて得られる油性菓子の製造方法に関する。
油性菓子の成形は、融解状態で製造した生地をそのまま用いるか、または融解状態の生地をいったん固化した後に再度融解したものを用いて行われる。そのため、融解状態での油性菓子生地の粘度が高いと流動性が悪くなり扱いづらく、生地が型の隅々まで行き渡らない、混入した気泡が抜けにくい、パンおよび焼菓子等に均一にコーティングできない等といった問題が生じる。また製造ラインにおいて、油性菓子生地をポンプおよび配管等で輸送する場合、粘度が高いと油性菓子生地が配管内で詰まる等して、作業性を著しく悪化させることがある。
油性菓子生地を製造する工程と、油性菓子を製造する工程を別々の工場で行う場合、油性菓子生地を運搬・保管する必要が生じる。油性菓子生地の運搬は、固体で運ぶ場合と融解状態で運ぶ場合の2通りがある。固体で運搬する場合には油性菓子生地をいったん固化させる必要があり、再度融解しやすいように小さなチップおよびキューブ等に仮成形されるが、最終成形前に再び融解状態に戻す必要があり、効率が悪い。さらにいったん固化した油性菓子生地を融解すると、特にホワイトチョコレート生地のように生乳由来原料を含む場合、粘度が上昇し作業性が悪化することが知られている。
一方、融解状態のまま運搬される場合にはタンクローリーおよび大型コンテナ等が使用される。その場合は冷えて固まらないよう、生地を50℃程度に加温し、撹拌しながら運搬されるが、長時間加温および撹拌されることで、風味の劣化および経時的に粘度が上昇してしまう等の問題が生じる。特に、ホワイトチョコレート生地のように生乳由来原料を含む場合、風味の劣化および粘度上昇が生じやすいことが知られている。
特許文献1には、1〜10重量%の加水を行った後、水分1〜4.5重量%となるように乾燥した粉乳を10〜30重量%配合する、メイラード風味を有するチョコレート様食品の製造方法について記載されている。しかしながら油性菓子生地の粘度上昇の抑制については何ら述べられていない。
特許文献2には、無脂乳固形分を7〜23重量%含有し、かつ、含有する乳糖中の非結晶乳糖の割合が85重量%以下である、融解状態での輸送・保管用チョコレート様食品について記載されており、チョコレート様食品の製造工程において、微細化工程が終了するまでに一定量の水分を含有させた上で一定の加熱を行ってチョコレート様食品に含まれる乳糖の一部を結晶乳糖とすることで、乳類を多く含むチョコレート様食品であっても、融解状態で輸送、保管できるとしている。しかしながらこの方法では、乳糖の一部を結晶乳糖とするために、微粒化工程前に約55〜90℃で1時間以上6時間未満という加熱処理が必要であり、温調設備を付帯したニーダー等の大型の撹拌装置が必要となり、工程も増えて煩雑となる。
特許文献3には、脂肪酸基の50%以上がラウリン酸でありHLB値が4以下であるショ糖脂肪酸エステルと、乳成分とを含有し、経時的な粘度の上昇が抑制されたチョコレート生地を用いたチョコレート、について記載されている。
従来より、油性菓子生地の粘度を下げるために、レシチンおよびシュガーエステル等の様々な乳化剤を使用するとよいことが知られているが、乳化剤を添加すると好ましくない風味が発現することがあり、コスト的にも好ましくない。
特開2012−217411号公報 国際公開第2011/125644号パンフレット 特開2007−97418号公報
そこで本発明は、運搬および保管に適した、経時的な増粘を抑制した油性菓子生地、それを用いて得られる油性菓子、およびそれらの製造方法の提供を目的とする。
本発明者らは上記の問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、配合する粉乳の水分含量を2重量%以下に抑えることで油性菓子生地の経時的な増粘を抑制できることを見出し、本発明を完成した。
本発明は以下の構成からなる。
(1)可食成分および水分含量2重量%以下の粉乳を含む油性菓子原料を混合して混合物を得る工程と、混合物を微細化する工程と、微細化した混合物をコンチングして、油性菓子生地を得る工程とを含む、油性菓子生地の製造方法。
(2)粉乳を乾燥することによって水分含量2重量%以下の粉乳を準備する工程であって、乾燥前に粉乳を加水しないことを特徴とする工程をさらに含む、(1)に記載の油性菓子生地の製造方法。
(3)粉乳が全粉乳または脱脂粉乳である、(1)または(2)に記載の油性菓子生地の製造方法。
(4)可食成分がココアバターおよび糖類を含み、油性菓子生地がホワイトチョコレート生地である、(1)〜(3)のいずれかに記載の油性菓子生地の製造方法。
(5)可食成分および水分含量2重量%以下の粉乳を含む油性菓子原料を混合して混合物を得る工程と、混合物を微細化する工程と、微細化した混合物をコンチングして、融解状態の油性菓子生地を得る工程と、融解状態の油性菓子生地を固化させて油性菓子を得る工程とを含む、油性菓子の製造方法。
(6)粉乳を乾燥することによって水分含量2重量%以下の粉乳を準備する工程であって、乾燥前に粉乳を加水しないことを特徴とする工程をさらに含む、(5)に記載の油性菓子の製造方法。
(7)粉乳が全粉乳または脱脂粉乳である、(5)または(6)に記載の油性菓子の製造方法。
(8)可食成分がココアバターおよび糖類を含み、油性菓子生地がホワイトチョコレート生地であり、油性菓子がホワイトチョコレート菓子である、(5)〜(7)のいずれに記載の油性菓子生地の製造方法。
(9)可食成分および水分含量2重量%以下の粉乳を含む油性菓子生地。
(10)可食成分がココアバターおよび糖類を含むホワイトチョコレート生地である、(9)に記載の油性菓子生地。
本発明により、経時的に増粘してしまい輸送・保管時等に取扱いが難しかった、乳成分が配合された油性菓子生地の経時的増粘を抑制し、成形時の取り扱いを容易にし、かつ風味の劣化を抑えることが可能となる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明における油性菓子とは、特定の温度以下において硬化する可食性油脂の連続層からなるマトリックスに、可食成分、たとえばココアパウダー、糖類および乳固形分等の微粉砕物を懸濁させた食品で、任意には各種の添加剤、香料等を添加してもよい。油脂としては動物由来の油脂および植物由来の油脂のどちらも使用することができる。動物由来の油脂の例としては乳脂肪、ラードおよびヘット、植物由来の油脂の例としてはココアバター、オリーブオイル、パーム油および大豆油が挙げられる。油性菓子の例としては、ホワイトチョコレート、ホイップクリームおよびバタークリームが挙げられる。
本発明の態様における油性菓子原料は、油性菓子を構成する材料を意味し、可食性油脂および可食成分を含む。
油性菓子生地は、可食成分および粉乳を含む油性菓子原料を混合し、得られた混合物をレファイナー等の粉砕機で微細化した後、コンチング処理を経て製造される。
本発明におけるホワイトチョコレートとは、「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」で定めるところのチョコレート、準チョコレートに限らず、本発明の効果を奏するものであれば何でもよい。また、テンパータイプであるか、ノンテンパータイプであるかも問わない。
本発明の態様におけるホワイトチョコレート原料は、ホワイトチョコレートを構成する材料を意味し、ココアバター、糖類および粉乳を含む。ホワイトチョコレート原料は、他の材料、たとえばホエイパウダー等の粉乳以外の生乳由来原料、ココアバター以外の油脂、乳化剤および香料等を含んでいてもよい。
ホワイトチョコレート生地は、ココアバター、糖類および粉乳を含むホワイトチョコレート原料を混合し、得られた混合物をレファイナー等の粉砕機で微細化した後、コンチング処理を経て製造される。
油性菓子は、融解状態の油性菓子生地を成形型に入れ、冷却による固化、焼成する等加熱による固化、含浸およびコーティング等の方法によって得られる。一般に融解状態とは、油性菓子生地が流動性のある状態を示す。また、油性菓子生地を他の食材と組み合わせることにより複合油性菓子を得ることもできる。他の食材としては、たとえばビスケット等の焼き菓子、膨化スナック、パフ、ナッツ、ドライフルーツ、キャンディ、キャラメルおよびプレッツェルが挙げられる。他の食材と組み合わせて複合油性菓子を得る方法としては、たとえば固化させた油性菓子生地の内部に他の食材を包含させる方法、空隙を有する他の食材に融解状態の油性菓子生地を含浸させる方法、および他の食材を融解状態の油性菓子生地でコーティングする方法が挙げられる。
本発明の態様における油性菓子生地は、無脂乳固形分を含有する。この無脂乳固形分は乳由来の原料、すなわち全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、バターミルクパウダー、発酵乳パウダー、練乳パウダー、チーズパウダー、牛乳、濃縮乳、クリーム、ホエイ、バターミルク、発酵乳、練乳、チーズ等に由来するものである。
本発明の態様において粉乳とは、乳由来成分を乾燥して得られる全粉乳(全脂粉乳)および脱脂粉乳のことである。全粉乳および脱脂粉乳の水分量は、通常3%台である。
本発明の態様において、油性菓子原料に含まれる粉乳の水分含量は2重量%以下である。粉乳の水分含量は、特に限定されず、1.5重量%以下であってもよく、1.2重量%以下であってもよい。また、粉乳の水分含量は、0.1重量%以上であってもよく、0.2重量%以上であってもよく、0.3重量%以上であってもよい。
本発明の態様において、粉乳の乾燥方法は、乾燥前に粉乳を加水しないことを特徴とする。乾燥前に粉乳を加水せず、加熱による褐変およびキャラメル様の香味発現が生じないものであれば方法は問わないが、長時間の加熱による風味の劣化および高温による褐変を防ぐためには、凡そ60〜100℃、120分以下で行うことが好ましい。たとえば80℃設定の通風オーブンで撹拌すると、約30分で水分含量2重量%以下まで乾燥させることができる。
本発明の態様において水分含量とは、水分計MOC63u(株式会社島津製作所製)を用い、乾燥温度110℃、乾燥時間15分、試料量5gで測定した値である。
また本発明の態様において粘度とは、通常のB型粘度計を用い、50℃で、ローターNo.6を用い、回転速度4rpmの条件で測定した値である。
通常のホワイトチョコレート等の油性菓子生地において、粘度は50000cP程度であれば流動性はあると言える。しかし、生地の粘度が50000cP付近であると、混入した気泡が抜けにくく、気泡を取り除くためのタッピング工程が不可欠となり、製造工程が増えて煩雑となる。また、混入した気泡が取り除き切れない場合には、型に流し込んだ際に、混入した気泡により表面に穴が生じてしまうことがあり、質の面でも好ましくない。気泡が抜けやすく好ましい粘度は、40000cP以下であり、さらに好ましい粘度は35000cP以下である。
本発明の態様において、経時的な粘度上昇は上昇率が30%以下であることが望ましい。上昇率が30%を超えると、たとえ十分に流動性があるものでも製造直後の生地と比べ明らかに作業性が悪くなるため、本願の目的である粘度上昇の抑制という観点から30%以下が望ましい。
ここでいう粘度の上昇率とは、前述の測定方法により得られる粘度の数値を用い、所定時間経過後の数値をスタート時の数値で除して得られる上昇率を意味する。たとえば72時間後の粘度がスタート時に比べ130%だった場合、上昇率は30%である。
本発明の態様において、油性菓子生地における無脂乳固形分含量は、少なければ増粘も生じにくいため、特に限定されず、0重量%より多ければよい。経時的な増粘を抑制するという本願発明の効果が明確となるためには、無脂乳固形分含量は2重量%以上であることが好ましく、5重量%以上であることがより好ましく、さらに、25重量%以下であることが好ましく、20重量%以下であることがより好ましい。
本発明の態様において、油性菓子生地における粉乳配合量は、15重量%以上であることが好ましく、25重量%以上であることがより好ましい。油性菓子生地の粉乳配合量が15重量%以上であると、風味が良好となり、かつ経時的な増粘を抑制するという本願発明の効果が明確となる。また、粉乳配合量は40重量%以下であることが好ましい。油性菓子生地の粉乳配合量が40重量%以下であると、油性菓子生地の流動性が確保しやすく、本願発明の効果が発揮されやすいからである。
本発明の態様において、油性菓子生地における固形分のメディアン径の下限は、5μm以上、さらに好ましくは6μm以上、上限は、好ましくは15μm以下、さらに好ましくは14μm以下である。
本発明の態様において、油性菓子生地の製造方法および油性菓子の製造方法は、可食成分および粉乳を含む油性菓子原料を混合して混合物を得る工程、混合物を微細化する工程、ならびに微細化した混合物をコンチングして、油性菓子生地を得る工程を含む。油性菓子の製造方法は、さらに融解状態の油性菓子生地を固化させて油性菓子を得る工程を含む。
油性菓子生地の製造方法および油性菓子の製造方法は、さらに、粉乳を乾燥することによって水分含量2重量%以下の粉乳を準備する工程を含むことができる。粉乳の乾燥方法については上述した通りである。また、可食成分および粉乳以外の油性菓子原料に含まれる材料についても上述した通りである。
本発明の態様において、ホワイトチョコレート生地の製造方法およびホワイトチョコレート菓子の製造方法は、ココアバター、糖類および粉乳を含むホワイトチョコレート原料を混合して混合物を得る工程、混合物を微細化する工程、ならびに微細化した混合物をコンチングして、ホワイトチョコレート生地を得る工程を含む。ホワイトチョコレート菓子の製造方法は、さらに融解状態のホワイトチョコレート生地を固化させてホワイトチョコレート菓子を得る工程を含む。
ホワイトチョコレート生地の製造方法およびホワイトチョコレート菓子の製造方法は、さらに、粉乳を乾燥することによって水分含量2重量%以下の粉乳を準備する工程を含むことができる。粉乳の乾燥方法については上述した通りである。また、ココアバター、糖類および粉乳以外のホワイトチョコレート原料に含まれる材料についても上述した通りである。
以下、実施例を挙げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
砂糖37重量部、ココアバター35重量部、水分含量を1.09重量%に調整した全粉乳27重量部、大豆レシチン0.5重量部、香料0.5重量部を用い、チョコレート製造の定法に従って混合、粉砕、コンチングを経て、粘度29000cPのホワイトチョコレート生地を得た。得られたホワイトチョコレート生地を融解状態で密閉容器に入れ、50℃の環境下で72時間静置した後に粘度測定したところ、33750cPであった。
実施例2
砂糖37重量部、ココアバター35重量部、水分含量を0.37重量%に調整した脱脂粉乳27重量部、大豆レシチン0.5重量部、香料0.5重量部を用い、チョコレート製造の定法に従って混合、粉砕、コンチングを経て、粘度29000cPのホワイトチョコレート生地を得た。得られたホワイトチョコレート生地を融解状態で密閉容器に入れ、50℃の環境下で72時間静置した後に粘度測定したところ、30500cPであった。
比較例1
砂糖37重量部、ココアバター35重量部、水分含量を2.33重量%に調整した全粉乳27重量部、大豆レシチン0.5重量部、香料0.5重量部を用い、チョコレート製造の定法に従って混合、粉砕、コンチングを経て、粘度32250cPのホワイトチョコレート生地を得た。得られたホワイトチョコレート生地を融解状態で密閉容器に入れ、50℃の環境下で72時間静置した後に粘度測定したところ粘度上昇が激しく、測定不能であった。
比較例2
砂糖37重量部、ココアバター35重量部、水分含量を3.00重量%に調整した脱脂粉乳27重量部、大豆レシチン0.5重量部、香料0.5重量部を用い、チョコレート製造の定法に従って混合、粉砕、コンチングを経て、粘度34500cPのホワイトチョコレート生地を得た。得られたホワイトチョコレート生地を融解状態で密閉容器に入れ、50℃の環境下で72時間静置した後に粘度測定したところ粘度上昇が激しく、測定不能であった。
試験例1
実施例1〜2で得られた50℃の環境下で72時間静置後のホワイトチョコレート生地をテンパリングして、たて28mm、横28mm、厚さ3mmの型に流し込んだ。生地の粘度上昇が抑えられたため、型へ流し込むまでの作業においてホワイトチョコレート生地は扱いやすく、72時間静置前の生地を扱った時とほぼ同様に、型の隅々まで生地を広げるのも容易で、作業に支障のある変化はなかった。冷却固化したのち油性菓子を型から取り出し、固形のホワイトチョコレートを得た。得られたホワイトチョコレートは、それぞれ72時間静置前の生地を用いて得られたものと比べ、外観、風味ともに何ら遜色のないものであった。
試験例2
比較例1〜2で得られた50℃の環境下で72時間静置後のホワイトチョコレート生地をテンパリングして、試験例1と同じ型に流し込んだ。生地の粘度が高かったので、型へ流し込むまでの作業においてホワイトチョコレート生地は扱いづらく、型の隅々まで生地を広げるのに、手作業が必要であった。冷却固化したのち油性菓子を型から取り出し、固形のホワイトチョコレートを得た。得られたホワイトチョコレートは72時間静置前の生地を用いて得られたものと比べ、ところどころに抜けきらなかった気泡による穴が生じてしまった。さらに、得られたホワイトチョコレートは、それぞれ72時間静置前の生地を用いて得られたものと比べ、外観、風味においてやや劣るものであった。
実施例3
鶏卵、砂糖、薄力粉、バターを用い、常法によりスポンジケーキを調製した。このスポンジケーキを一辺が20mmのサイコロ状に切断し、実施例1で得られた50℃の環境下で72時間静置後の粘度33750cPのホワイトチョコレート生地に埋没させ、耐圧容器にて15kPaになるまで減圧処理を施し、その後直ちに大気圧に戻し、スポンジケーキを油性菓子生地から取り出した。スポンジケーキの周囲に付着している余分なホワイトチョコレート生地をエアブローで除去し、15℃で冷却して複合油性菓子を得た。得られた複合油性菓子は、ホワイトチョコレート生地がスポンジの芯まで十分に含浸していた。
比較例3
実施例3と同様にして得られたサイコロ状のスポンジケーキを、比較例1で得られた50℃の環境下で72時間静置後のホワイトチョコレート生地に埋没させ、耐圧容器にて15kPaになるまで減圧処理を施し、その後直ちに大気圧に戻し、スポンジケーキをホワイトチョコレート生地から取り出したが、ホワイトチョコレートの粘度が高いためスポンジケーキに含浸させることはできなかった。
実施例4
実施例1で得られた50℃の環境下で72時間静置後の、50℃、粘度33750cPのホワイトチョコレート生地を、たて28mm、横28mm、厚さ3mmの型に流し入れたところ、生地を広げる作業をしなくても型の隅々まで生地が行き渡った。次に冷却して成型したところ、得られた固形ホワイトチョコレートは表面が滑らかで美しいものであった。その後、200℃のオーブンで焼成したところ、良好な風味の焼成ホワイトチョコレートが得られた。

Claims (10)

  1. 可食成分および水分含量2重量%以下の粉乳を含む油性菓子原料を混合して混合物を得る工程と、混合物を微細化する工程と、微細化した混合物をコンチングして、油性菓子生地を得る工程とを含む、油性菓子生地の製造方法であって、
    可食成分がココアバターおよび糖類を含み、油性菓子生地がホワイトチョコレート生地である、製造方法。
  2. 粉乳を乾燥することによって水分含量2重量%以下の粉乳を準備する工程であって、乾燥前に粉乳を加水しないことを特徴とする工程をさらに含む、請求項1に記載の油性菓子生地の製造方法。
  3. 粉乳が全粉乳または脱脂粉乳である、請求項1または2に記載の油性菓子生地の製造方法。
  4. 油性菓子生地における粉乳配合量が15重量%以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 可食成分および水分含量2重量%以下の粉乳を含む油性菓子原料を混合して混合物を得る工程と、混合物を微細化する工程と、微細化した混合物をコンチングして、融解状態の油性菓子生地を得る工程と、融解状態の油性菓子生地を固化させて油性菓子を得る工程とを含む、油性菓子の製造方法であって、
    可食成分がココアバターおよび糖類を含み、油性菓子生地がホワイトチョコレート生地であり、油性菓子がホワイトチョコレート菓子である、製造方法。
  6. 粉乳を乾燥することによって水分含量2重量%以下の粉乳を準備する工程であって、乾燥前に粉乳を加水しないことを特徴とする工程をさらに含む、請求項5に記載の油性菓子の製造方法。
  7. 粉乳が全粉乳または脱脂粉乳である、請求項5または6に記載の油性菓子の製造方法。
  8. 油性菓子生地における粉乳配合量が15重量%以上である、請求項5〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. 可食成分および水分含量2重量%以下の粉乳を含む油性菓子生地であって、
    可食成分がココアバターおよび糖類を含むホワイトチョコレート生地である、油性菓子生地。
  10. 油性菓子生地における粉乳配合量が15重量%以上である、請求項9に記載の油性菓子生地
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