JP6477498B2 - 焼成用チョコレート様食品 - Google Patents

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Description

本発明は、焼成用チョコレート様食品に関する。
焼成チョコレート様食品の典型例は焼成などの加熱を施されたチョコレートであり、一般的なチョコレートとは異なる食感と強い耐熱性がある油性食品である。焼成チョコレート様食品を得る方法としては、チョコレート生地表面を吸湿させて焼成したり(特許文献1)、一部に水をかけた後にさらに糖を振掛けて焼成したり(特許文献2)、また澱粉性原料とともに水を含有するチョコレート生地を焼成する(特許文献3)方法や、チョコレート生地に気泡を含有させた後、成形し、焼成して固化することを特徴とする焼き菓子(特許文献4)が開示されている。
チョコレート様食品を利用し、他の食品と組み合わせた複合食品が知られている。一例として、焼き菓子等の食品にチョコレート様食品を含浸させた複合食品に代表される、多孔性食品素材と流動性食品素材の組合せ食品、中でも多孔性食品素材にチョコレート様食品を含浸させ、含浸食品を製造する技術としては大別して減圧法と遠心法の2種類が知られている。そのうち減圧法は、特許文献5〜特許文献7などが考案されている。また一般的には減圧法は細孔径の小さい食材に対しても含浸させることができるため、細孔径の大小広い範囲の含気泡食材に用いることができる。かかる減圧法を用いることで含気泡食材の芯にまで油性菓子を密に含浸させることも可能である。一方、遠心法としては(特許文献8)などが考案されている。
特開2001−245594号公報 特開2002−223700号公報 特開2000−189058号公報 特開平10−210934号公報 再表97/47207号公報 特開2004−105069号広報 特開2004−254529号広報 特開2002−209530号広報
前記の通り、焼成用チョコレート様食品は、水分を含有している食品が多い。その為、製造工程において、物性が粘稠となり工程が複雑となる問題や、水相が多くなると焼成時に生地中の水分を蒸散させるのに大きなエネルギーが必要となり、加熱により風味の劣化や焦げ臭が発生するという問題がある。また、水分を含まないチョコレートより日持ちが劣るため、低温で流通、保存する必要性が生じ、輸送や納入先において作業性が悪くなるという問題もある。
また、前記多孔性食品素材にチョコレート様食品を含浸させた食品において、さらに焼成された食品も市場で流通しているが、チョコレート様食品を含浸させる製造工程が複雑という問題があり、より平易な方法で、含浸させることができる焼成用チョコレート様食品が望まれている。
本発明の目的は、水分を極力含有しないで、焼成用チョコレート様食品調製中の微粒化が困難となる問題、生地の粘度上昇の問題がなく、しかもコーチングや含浸適性のある特定の粘度範囲の焼成用チョコレート様食品を提供することにあり、本発明の焼成用チョコレート食品を焼成することで、40℃以上の耐熱性を有し、チョコレート表面からチョコレート内部までチョコレート本来の滑らかな食感、口溶けを有する焼成チョコレート様食品を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題に対して鋭意研究を重ねた結果、特定量のグルコース、トレハロースおよびパラチノースから選択される糖類の1種または2種以上を含有する焼成用チョコレート様食品であれば、焼成用チョコレート様食品調製中の微粒化困難、生地の粘度上昇の問題がなく、コーチングや含浸適性のある特定の粘度に調製することができること、焼成後の焼成チョコレート様食品は40℃以上の耐熱性があり、チョコレート表面からチョコレート内部までチョコレート本来のソフトで滑らかな食感、口溶け及び風味に優れることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、
(1) 水分含有量が5重量%未満の焼成用チョコレート様食品であって、グルコース、トレハロースおよびパラチノースからなる群より選ばれた少なくとも1種を1〜30重量%含有し、45℃における粘度が2000cP以下である焼成用チョコレート様食品、
(2) レシチンを0.4重量%以下、および/またはポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを0.1〜0.5重量%含有する(1)の焼成用チョコレート様食品、
(3) 20℃における粘度が2000cP以下である(1)の焼成用チョコレート様食品、
(4) グルコースを必須成分とする、(1)の焼成用チョコレート様食品、
(5) (1)〜(4)のいずれかの焼成用チョコレート様食品を使用した焼成チョコレート様食品、
(6) (1)〜(4)のいずれかの焼成用チョコレート様食品を使用した複合食品、
(7) (1)〜(4)のいずれかの焼成用チョコレート様食品を、80℃〜160℃で加熱処理を行うことを特徴とする(5)の焼成チョコレート様食品の製造方法、
(8) (1)〜(4)のいずれかの焼成用チョコレート様食品を使用した食品を、80℃〜160℃で加熱処理を行うことを特徴とする(6)の複合食品の製造方法、である。
本発明によれば、水分を極力含有しないで、焼成用チョコレート様食品調製中の微粒化が困難となる問題、生地の粘度上昇の問題がなく、コーチングや含浸適性のある特定の粘度に調製することができ、焼成後の焼成チョコレート様食品は、油脂の融点を超える40℃以上の耐熱性があり、チョコレート表面からチョコレート内部までチョコレート本来のソフトで滑らかな食感、口溶けおよび風味に優れる焼成チョコレート様食品の製造が可能となる。なお20℃の粘度が2000cp以下であれば、常温において温度調整することなく容易に多種多様な食品素材と組み合わせて使用することが可能となる。例えば冷蔵や冷凍扱いであった洋菓子やアイスクリームなどの冷菓菓子類、冷凍食品類へも生地の粘度上昇の問題が少なく、利用することが可能となる。また店舗で「焼き立て」を謳う為に冷蔵や冷凍配送となっている焼き菓子やパンの焼成前の生地などにも組み合わせることが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における焼成用チョコレート様食品とは、油脂が連続相をなすもので、全国チョコレート業公正取引協議会で規定されたチョコレート生地および準チョコレート生地を含むが、これらに限定されるものではなく、カカオマス、カカオ、カカオバター、カカオバター代用脂、その他油脂等を利用した油脂加工食品をも包含するものである。
本発明で使用することができる原料としては、カカオマス、ココアパウダー、糖類、粉乳、油脂類、乳化剤、香料、香味剤、着色料等、通常のチョコレート類に使用される任意の成分等を利用することができる。
本明細書における「焼成用チョコレート様食品」とは、焼成前のチョコレート様食品であり、チョコレート様食品自体を成型し、それ単独で焼成するか、または別の可食物と組み合わせて焼成することが可能なチョコレート様食品であり、かつ当該用途に特に適したチョコレート様食品である。別の可食物としてはクッキー、マフィン、バターケーキ、スポンジケーキ、ビスケット、ウエハース等の焼き菓子、パフ、ポテトチップス等のスナック菓子類、およびパン類が例示できる。他の食品と組み合わせる際の焼成用チョコレート様食品の態様としては、チップ状やキューブ状に成型しそれをパンやケーキの生地中に分散させたり、表面に塗布したり、内部に注入、包餡、含浸したり、上部に載置したりといった工程の後に焼成するものがあげられる。なお、本明細書における「焼成チョコレート様食品」とは焼成後のチョコレート様食品のことをいう。また融解状態の「焼成用チョコレート様食品」を単に「焼成前生地」と表現する場合もある。
本発明の焼成用チョコレート様食品は、糖類としてグルコース、トレハロースおよびパラチノースから選択される糖類の1種または2種以上を含有し、その他の糖類として必要に応じて砂糖、乳糖などを配合したものである。前記糖類の含有量は1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%、より好ましくは5〜15重量%である。前記糖類の含有量が1重量%未満であると、焼成用チョコレート様食品を加熱処理後に40℃以上の耐熱性が得られず、焼成用チョコレート様食品の表面がべとついたり、手指に付着するという問題があり好ましくない。また、30重量%を超えると、焼成前生地調製中の微粒化が困難になるとともに、規定の生地粘度に調整することが困難になり好ましくない。
本発明の焼成用チョコレート様食品は、前記糖類として、グルコースを必須成分として含有することが好ましい。本発明で使用することができるグルコースとしては、無水グルコースとグルコース−1水和物のいずれも使用することができる。無水グルコースを使用する場合は、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは2〜20重量%、さらに好ましくは5〜15重量%である。また、グルコース−1水和物を使用する場合は、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは2〜15重量%、さらに好ましくは5〜10重量%である。いずれの場合も、下限未満では充分な耐熱性が得られず、上限を超えると焼成前生地調製中の微粒化が困難になるとともに、規定の生地粘度に調整することが困難になり好ましくない。なお、無水グルコースとグルコース−1水和物を耐熱性と許容範囲の粘度が両立するように、グルコース1〜30重量%の範囲で適宜併用することも可能である。
本発明の焼成用チョコレート様食品は前記糖類を1〜30重量%含有するとともに、レシチンを含有することが好ましい。レシチンの含有量は0.4重量%以下、好ましくは0.1〜0.4重量%、より好ましくは0.2〜0.4重量%、さらに好ましくは0.2〜0.3重量%である。レシチンの含有量が0.1重量%未満の場合、焼成チョコレート様食品の粘度が高くなりすぎて、成型、コーチングや含浸作業が困難となるため、粘度調整剤としてポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(以下PGPRと略す。)を添加するのが好ましい。レシチンの含有量が上限を超えると、焼成チョコレート様食品の加熱処理後の耐熱性が低下し、目的とする40℃以上の耐熱性が得られないため好ましくない。本発明はチョコレート類生地粘度調製のために、レシチンに加えてPGPRを0.1〜0.5重量%含有するのが好ましく、より好ましくは0.1〜0.3重量%、さらに好ましくは0.1〜0.2重量%である。レシチンに加えてPGPRを含有することにより、加熱処理後の耐熱性の低下なしに、焼成用チョコレート様食品の粘度を低減できる利点がある。すなわち、レシチン単独で目的とする40℃以上の耐熱性を得る場合は、焼成用チョコレート様食品の粘度を比較的高く設定する必要があり、成型やコーチング作業が困難になる傾向にあるが、PGPR併用により粘度を低く設定することができる。PGPR含有量が下限未満では焼成用チョコレート食品の粘度の低減効果が不十分であり、逆に上限を超えてもそれ以上の粘度低減効果が得られないため好ましくない。
本発明の焼成用チョコレート様食品の粘度は、焼成用チョコレート様食品中の油脂を完全融解後に45℃に温調した粘度測定値において2000cP以下である。生地粘度が2000cPを超えると、コーチング及び含浸適性が劣るため好ましくない。用途が焼き菓子類、スナック類、パン類コーチング及び含浸の場合、該生地中の油脂を完全融解後に45℃に温調した粘度測定値において、200〜2000cPであるのが好ましく、より好ましくは500〜1500cPである。生地粘度が200cP未満であると油脂分が多くなるためにチョコレート類の風味が薄くなる問題があり、好ましくない。
また、本発明の焼成用チョコレート様食品の粘度は、作業時の温度調整が容易である点、若しくは温度調整が不要になる点、および焼成用チョコレート様食品と組み合わせる食品素材へ含浸が容易に行える点において、好ましくは焼成用チョコレート様食品中の油脂を完全融解後に20℃に温調した粘度測定値において2000cP以下であることが好ましい。より好ましくは200〜2000cP、さらに好ましくは500〜1500cPである。生地粘度が200cP未満であると油脂分が多くなるためにチョコレート類の風味が薄くなる問題があるため、好ましくない。
本発明の焼成用チョコレート様食品に配合することができる油脂類としては、ココアバターの他、各種動植物油脂を利用することができる。原料として例えば、菜種油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、胡麻油、月見草油、パーム油、シア脂、サル脂、ココアバター、ヤシ油、パーム核油等の植物油脂、乳脂、ラード、魚油、鯨油等の動物油脂、並びにそれらの油脂の硬化、分別、エステル交換油、さらにこれらの混合油脂等が例示できる。
レシチン及びPGPR以外の乳化剤は、焼成用チョコレート様食品の粘度と加熱処理後の耐熱性を両立する範囲内で適宜利用することができる。例えばショ糖脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、分別レシチン及び燐酸アンモニウム等を利用することができる。利用目的は、保管、輸送中に油脂の融点以上の高温に晒された場合の対策として、ブルームの抑制やグレーニングの発生防止などである。
本発明の焼成用チョコレート様食品は、一般的なチョコレート類を作製する方法によって製造できる。例えば、ココアパウダー、糖類、粉乳などの固形粉末原料に対し、加熱融解したカカオマスや油脂類とレシチンなどの乳化剤を添加し、ホバートミキサーなどを用いて混合して、油脂分20〜30重量%のペースト状の生地を調製する。得られた生地をロールなどのリファイナーで平均粒子径が15〜30μmの滑らかな粒子になるよう微粒化する。次いで、40〜70℃に保温しながらコンチング(攪拌、混合)を行い滑らかなペースト状としてから、さらに油脂類、PGPRなどの乳化剤、香料等を適宜添加、混合して所定の焼成用チョコレート様食品を得る。なお、コンチング温度が80℃を超えると焼成用チョコレート様食品の粘度が著しく上昇するため、本発明の焼成用チョコレート様食品は40〜70℃でのコンチングが好ましい。
本発明の焼成用チョコレート様食品の調製において、リファイナーなどによる微粒化は平均粒子径が15〜30μmであるのが好ましく、より好ましくは18〜25μm、さらに好ましくは18〜22μmである。30μmを超えるとややざらつきを感じる食感となるため好ましくない。また、コンチング工程において生地が粘度上昇を起こすと、ダマが発生したり、ミキサー壁面に付着しやすくなり滑らかなペースト状とするために長時間を要したり、最終的に調製された焼成用チョコレート様食品の粘度が高すぎたりして、後の成形工程に支障を来たすような問題が生じる。従って、コンチング工程で生地の粘度上昇が許容範囲となるような配合設定が重要である。かかる配合設定に適合するのが、本発明の焼成用チョコレート様食品の配合である。
本発明の焼成用チョコレート様食品の水分含有量は5重量%未満である。好ましくは2重量%未満、より好ましくは1重量%未満である。水分が5重量%を超えると、上記のような生地調製中の粘度上昇やダマの発生の問題が起こりやすくなるため好ましくない。また、本発明の焼成用チョコレート様食品の油脂分は35〜55重量%であるのが好ましく、より好ましくは40〜50重量%、さらに好ましくは42〜48重量%である。油脂分が35重量%未満では、薄掛けのコーチング適正がなくなったり、含浸の作業性が悪くなったりする傾向があるため好ましくない。また油脂分が55重量%を超えると、焼成用チョコレート様食品の風味が薄くなり、油っぽい風味になるため好ましくない。
本発明の焼成用チョコレート様食品を焼成することで得られる焼成チョコレート様食品は、油脂の融点以上の温度域、40〜90℃で、チョコレート表面がべとついたり、チョコレート同士が付着したりしないような耐熱性を有するとともに、チョコレート表面からチョコレート内部までチョコレート本来のソフトで滑らかな食感、口溶け及び風味に優れる焼成チョコレート様食品である。
本発明の焼成用チョコレート様食品を成型、コーチング、または含浸などした後に、好ましくは80〜160℃、より好ましくは100〜130℃で加熱処理を行い、冷却することで焼成チョコレート様食品を得ることができる。かかる加熱処理により、グルコース、トレハロースおよびパラチノースから選択される糖類の1種または2種以上に由来するガラス状構造体が形成される結果、焼成用チョコレート様食品中の油脂が融解する温度域である40〜90℃でも耐熱性を有するものになると考えられる。加熱処理温度が80℃未満であると、所望の耐熱性が得られないため好ましくなく、逆に160℃を超えると硬い食感となり所望のソフトで滑らかな食感が得られず、またチョコレート風味も低下するため好ましくない。なお、加熱処理後の冷却は、0〜15℃の冷蔵庫放置冷却やクーリングトンネルなどの冷風冷却、30℃以下の室温放置冷却などを利用することができる。
上記加熱処理時間は30分以内であるのが好ましく、より好ましくは1分から20分、さらに好ましくは5分〜15分である。加熱時間は焼成用チョコレート様食品の重量や形状にもよるが、例えば薄い成型、焼き菓子やパン類への薄いコーチングの場合は5分〜10分、厚めの成型や大きめのパフ生地への含浸の場合は10〜20分で加熱するのが好ましい。加熱時間が短いと、所望の耐熱性が得られないため好ましくなく、また加熱時間が長いと硬い食感となり所望のソフトで滑らかな食感が得られず、またチョコレート風味も低下するため好ましくない。
加熱処理の方法としては、例えばオーブン、電子レンジ等を用いて行うことができる。その他、上記加熱温度と加熱時間を満たすものであれば、ドライヤーなどの熱風乾燥や、赤外線加熱、マイクロ波加熱などの各種加熱手段を用いることができる。
また、本発明においては、上記加熱処理前に冷却固化することもできる。冷却固化とは、調製した融解状態の焼成用チョコレート様食品を型に流し込み成型したり、焼き菓子やパンにコーチングまたは含浸などしたりしてから、0〜15℃の冷蔵庫やクーリングトンネルで冷却して固化させることを意味する。かかる冷却固化により、冷却後にチョコレートの表面を滑らかな状態にすることができる。その後、上記同様の加熱処理と冷却を行うことにより、表面が滑らかな焼成チョコレート様食品を得ることができる。
以下に本発明の実施例を示し、本発明をより詳細に説明する。なお、例中、%及び部はいずれも重量基準を意味する。
<焼成チョコレート様食品の作製方法>
表1記載の配合にて常法によりロール掛け、コンチング処理して焼成用チョコレート様食品を調製した。この焼成用チョコレート様食品を各温度で粘度を測定した後にアルミカップに7g充填してオーブンで110℃、15分焼成を行った。
(粘度の測定)
焼成用チョコレート様食品の品温を各温度に調整し、BM型粘度計(東京計器株式会社製)で10,000cP以下の場合は3号ローター、12rpmにて測定し、10,000cPを超える場合は4号ローター、12rpmにて測定した。
<評価方法>
(1)耐熱性
焼成後冷却を行い、50℃で2時間保温した後のチョコレート表面の状態を評価した。
○:べたつかない
×:べたつく
(2)食感
焼成後のチョコレートを下記基準により評価した。
○:良好で口どけがいい
×:口どけが悪い
(実施例1)
無水グルコース(商品名「TDA−C」、サンエイ糖化株式会社製)を7.5%、レシチンを0.3%、PGPRを0.2%配合した、表1記載の配合にて焼成チョコレート様食品を作製した。油脂分として硬化パーム油の分別油脂(不二製油株式会社製、商品名「メラノSTS」)を使用した。配合した油脂部の融点は34℃であった。また45℃での粘度は2000cp以下であったが、20℃での粘度は測定不可であった。評価結果を表2に纏めた。
(実施例2)
無水グルコース(商品名「TDA−C」、サンエイ糖化株式会社製)を10.0%、レシチンを0.3%、PGPRを0.2%配合した、表1記載の配合にて焼成チョコレート様食品を作製した。油脂分として米油と、精製パームオレイン(不二製油株式会社製、商品名「パームエース10N」ヨウ素価67)を使用した。配合した油脂部の融点は10℃以下であった。また45℃および20℃における粘度は2000cp以下であった。評価結果を表2に纏めた。
(比較例1)
無水グルコースを配合せず、レシチンを0.3%配合、PGPRを配合していない表1記載の配合にて焼成チョコレート様食品を作製した。油脂分として硬化パーム油の分別油脂(不二製油株式会社製、商品名「メラノSTS」)を使用した。配合した油脂部の融点は34℃であった。また45℃での粘度は2400cpであり、20℃での粘度は測定不可であった。評価結果を表2に纏めた。
(比較例2)
無水グルコースを配合せず、レシチンを0.3%、PGPRを0.2%配合している表1記載の配合にて焼成チョコレート様食品を作製した。油脂分として米油と、精製パームオレイン(不二製油株式会社製、商品名「パームエース10N」ヨウ素価67)を使用した。配合した油脂部の融点は10℃以下であった。また45℃および20℃における粘度が2000cp以下であった。評価結果を表2に纏めた。
Figure 0006477498
Figure 0006477498
本発明により、生地の粘度上昇の問題がなく、コーチングや含浸適性のある特定の粘度範囲の焼成用チョコレート様食品が得られる。かかる焼成用チョコレート様食品を利用することで、水または水性原料を添加せずに、また水を表面に噴霧せずに、耐熱性が付与された焼成チョコレート様食品を提供することができる。

Claims (8)

  1. 水分含有量が5重量%未満であり、グルコース、トレハロース及びパラチノースからなる群より選ばれた少なくとも1種の糖類を1〜30重量%含有し、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを0.1〜0.5重量%含有する、45℃における粘度が200〜2000cPである焼成用チョコレート様食品であって、
    前記糖類として、無水グルコース及び/又はグルコース−1水和物を必須成分とし、無水グルコース又はグルコース−1水和物又は両方の混合物の含有量が1〜30重量%である、焼成用チョコレート様食品。
  2. レシチンを0.4重量%以下で含有する、請求項1に記載の焼成用チョコレート様食品。
  3. レシチンを0.1〜0.4重量%含有する、請求項2に記載の焼成用チョコレート様食品。
  4. 20℃における粘度が2000cP以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の焼成用チョコレート様食品。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の焼成用チョコレート様食品を使用した焼成チョコレート様食品。
  6. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の焼成用チョコレート様食品を使用した複合食品。
  7. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の焼成用チョコレート様食品を、80℃〜160℃で加熱処理を行うことを特徴とする請求項5に記載の焼成チョコレート様食品の製造方法。
  8. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の焼成用チョコレート様食品を使用した食品を、80℃〜160℃で加熱処理を行うことを特徴とする請求項6に記載の複合食品の製造方法。
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