JP7009764B2 - エステル交換油脂 - Google Patents
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Description
(1) 下記(A)~(J)を全て満たす、エステル交換油脂、
(A)構成脂肪酸組成中、炭素数6~18の飽和脂肪酸の含有量が90~99.5質量%
(B)構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が6~18質量%
(C)構成脂肪酸組成中、炭素数16~18の飽和脂肪酸の含有量が25~50質量%
(D)構成脂肪酸組成中、炭素数12以下の飽和脂肪酸の含有量が35~60質量%
(E)構成脂肪酸組成中、炭素数20以上の飽和脂肪酸の含有量が1質量%以下
(F)構成脂肪酸組成中、ラウリン酸の含有量が20~50質量%
(G)構成脂肪酸組成中、パルミチン酸の含有量が20~38質量%
(H)構成脂肪酸組成中、ステアリン酸の含有量が3~20質量%
(I)構成脂肪酸組成中、不飽和脂肪酸含有量が0.5~10質量%
(J)構成脂肪酸組成中、トランス脂肪酸含有量が5質量%以下
ただし、脂肪酸組成分析は、脂肪酸をプロピルエステル化して分析する、
(2) エステル交換の原料油脂が下記油脂成分Xおよび油脂成分Yを混合したものである、(1)のエステル交換油脂、
油脂成分Xは、ヤシ油、パーム核油およびこれらを加工した油脂より選ばれた1種以上の油脂
油脂成分Yは、パームステアリンを50質量%~100質量%含む油脂
(3) 油脂成分Xおよび油脂成分Yが下記である、(2)のエステル交換油脂、
油脂成分Xが、硬化ヤシ油、パーム核分別硬化油およびパーム核分別油より選ばれた少なくとも1種以上の油脂
油脂成分Yが、ヨウ素価が20以下のパームステアリンを40質量%~100質量%含む油脂
(4) 下記SFC%を全て満たす、(1)~(3)のいずれかのエステル交換油脂、
10℃のSFCが、85%~100%
20℃のSFCが、60%~80%
25℃のSFCが、45%~70%
40℃のSFCが、2%以下
(5) (CN48以上の含有量)/(CN28以下の含有量)が1.5~20である、下記SFC%を全て満たす、(1)~(4)のいずれかのエステル交換油脂、
10℃のSFCが、85%~100%
20℃のSFCが、60%~80%
25℃のSFCが、45%~70%
30℃のSFCが、25%~50%
35℃のSFCが、3%~30%
40℃のSFCが、2%以下
ただし、CN48以上:油脂中のトリグリセリドの構成脂肪酸の総炭素数が48以上のトリグリセリド、
CN28以下:油脂中のトリグリセリドの構成脂肪酸の総炭素数が28以下のトリグリセリド
(6) 前記(1)の、(I)構成脂肪酸組成中、不飽和脂肪酸含有量が1~6質量%である、下記SFC%を全て満たす、(1)~(5)のいずれかのエステル交換油脂、
10℃のSFCが、85%~100%
20℃のSFCが、65%~80%
25℃のSFCが、50%~70%
30℃のSFCが、25%~50%
35℃のSFCが、5%~30%
40℃のSFCが、2%以下
(7) チョコレート類用である、(1)~(6)のいずれかのエステル交換油脂、
(8) 下記(A)~(J)を全て満たす原料油脂を使用することを特徴とする、エステル交換油脂の製造法、
(A)構成脂肪酸組成中、炭素数6~18の飽和脂肪酸の含有量が90~99.5質量%
(B)構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が6~18質量%
(C)構成脂肪酸組成中、炭素数16~18の飽和脂肪酸の含有量が25~50質量%
(D)構成脂肪酸組成中、炭素数12以下の飽和脂肪酸の含有量が35~60質量%
(E)構成脂肪酸組成中、炭素数20以上の飽和脂肪酸の含有量が1質量%以下
(F)構成脂肪酸組成中、ラウリン酸の含有量が20~50質量%
(G)構成脂肪酸組成中、パルミチン酸の含有量が20~38質量%
(H)構成脂肪酸組成中、ステアリン酸の含有量が3~20質量%
(I)構成脂肪酸組成中、不飽和脂肪酸含有量が0.5~10質量%
(J)構成脂肪酸組成中、トランス脂肪酸含有量が5質量%以下
(9) エステル交換の原料油脂が下記油脂成分Xおよび油脂成分Yを混合したものである、(8)のエステル交換油脂の製造法、
油脂成分Xは、ヤシ油、パーム核油およびこれらを加工した油脂より選ばれた1種以上の油脂
油脂成分Yは、パームステアリンを50質量%~100質量%含む油脂
(10) 油脂成分Xおよび油脂成分Yが下記である、(8)または(9)のエステル交換油脂の製造法、
油脂成分Xは、硬化ヤシ油、パーム核分別硬化油およびパーム核分別油より選ばれた少なくとも1種以上の油脂
油脂成分Yは、ヨウ素価が20以下のパームステアリンを40質量%~100質量%含む油脂、である。
好ましい態様として、本発明のエステル交換油脂は、口どけを悪化させる炭素数16以上の飽和脂肪酸含有量を低減しながら、固化速度が早く、チョコレートに使用した場合に作業性に優れている。
好ましい態様として、本発明のエステル交換油脂をチョコレートに使用することで、トランス脂肪酸含有量を低減しながら、テンパリング操作が不要で、ココアバターとの相溶性と耐ブルーム性に優れ、口溶けの良好なチョコレートを製造することができる。
さらに好ましい態様として、本発明のエステル交換油脂を被覆用チョコレートに使用した場合、カカオマスを多量に配合しても、テンパリング作業が不要で、かつ口溶け良好でカカオ感のある美味しい被覆用チョコレートを提供することができる。
(A)構成脂肪酸組成中、炭素数6~18の飽和脂肪酸の含有量が90~99.5質量%
(B)構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が6~18質量%
(C)構成脂肪酸組成中、炭素数16~18の飽和脂肪酸の含有量が25~50質量%
(D)構成脂肪酸組成中、炭素数12以下の飽和脂肪酸の含有量が35~60質量%
(E)構成脂肪酸組成中、炭素数20以上の飽和脂肪酸の含有量が1質量%以下
(F)構成脂肪酸組成中、ラウリン酸の含有量が20~50質量%
(G)構成脂肪酸組成中、パルミチン酸の含有量が20~38質量 %
(H)構成脂肪酸組成中、ステアリン酸の含有量が3~20質量%
(I)構成脂肪酸組成中、不飽和脂肪酸含有量が0.5~10質量%
(J)構成脂肪酸組成中、トランス脂肪酸含有量が5質量%以下
ただし、脂肪酸組成分析は、脂肪酸をプロピルエステル化して分析する。
ただし、CN48以上:油脂中のトリグリセリドの構成脂肪酸の総炭素数が48以上のトリグリセリド
CN28以下:油脂中のトリグリセリドの構成脂肪酸の総炭素数が28以下のトリグリセリド
油脂成分Xは、ヤシ油、パーム核油及びこれらを加工した油脂より選ばれた1種以上の油脂
油脂成分Yは、パームステアリンを50質量%~100質量%含む油脂
油脂成分Xは、硬化ヤシ油、パーム核分別硬化油、及びパーム核分別油選ばれた少なくとも1種以上の油脂
油脂成分Yは、パームステアリンを50質量%~100質量%含む油脂
油脂成分Xが、硬化ヤシ油、パーム核分別硬化油、及びパーム核分別油選ばれた少なくとも1種以上の油脂
油脂成分Yが、ヨウ素価が20以下のパームステアリンを40質量%~100質量%含む油脂
10℃のSFCが、85%~100%
20℃のSFCが、60%~80%
25℃のSFCが、45%~70%
40℃のSFCが、2%以下
10℃のSFCが、85%~100%
20℃のSFCが、60%~80%
25℃のSFCが、45%~70%
30℃のSFCが、25%~50%
35℃のSFCが、3%~30%
40℃のSFCが、2%以下
ただし、CN48以上:油脂中のトリグリセリドの構成脂肪酸の総炭素数が48以上のトリグリセリド、
CN28以下:油脂中のトリグリセリドの構成脂肪酸の総炭素数が28以下のトリグリセリドを示す
10℃のSFCが、85%~100%
20℃のSFCが、65%~80%
25℃のSFCが、50%~70%
30℃のSFCが、25%~50%
35℃のSFCが、5%~30%
40℃のSFCが、2%以下
(プロピル化による脂肪酸組成分析方法)
油脂の脂肪酸組成は、吉永らにより報告されている「The Collaborative Study on the Enzymatic Analysis of Positional Distribution of Short- and Medium- chain Fatty Acids in Milk Fat Using Immobilized Candida Antarctica Lipase B」記載の方法に準じて通常のメチルエステル化ではなくプロピルエステル化し。ガスクロマトグラフによる分析は日本油化学協会基準油脂分析試験法に準じて測定した。
(トリグリセリド組成分析方法)
油脂中のトリグリセリドを構成している脂肪酸の総炭素数の測定は、日本油化学会制定‘基準油脂分析試験法2.4.6 トリアシルグリセリン組成(ガスクロマトグラフ法)’に準じて実施した。
(SFC測定方法)
(各温度のSFC)(固化速度)の測定において、SFCは、IUPAC.2 150 SOLID CONTENT DETERMINATION IN FATS BY NMRに準じて測定する。分析装置はBruker社製“minispec mq20”を使用する。
(各温度のSFC Parallel measurements)
溶解特性を評価するため、油脂を80℃で10分保持した後、60℃に30分保持することで油脂を完全に溶解し、0℃に1時間保持して固化させる。さらに、所定の温度(10℃、20℃、20℃、30℃、35℃、40℃)に30分保持した後にSFC(固体脂含量)を測定する。
(固化速度)
油脂を80℃で10分保持した後、60℃に30分保持することで油脂を完全に溶解し、20℃にて安定化し、3分後~30分後のSFC(固体脂含量)を測定する。
下記(A)~(J)の数値で評価した。
(A)構成脂肪酸組成中、炭素数6~18の飽和脂肪酸の含有量が90~99.5質量%
(B)構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が6~18質量%
(C)構成脂肪酸組成中、炭素数16~18の飽和脂肪酸の含有量が25~50質量%
(D)構成脂肪酸組成中、炭素数12以下の飽和脂肪酸の含有量が35~60質量%
(E)構成脂肪酸組成中、炭素数20以上の飽和脂肪酸の含有量が1質量%以下
(F)構成脂肪酸組成中、ラウリン酸の含有量が20~50質量%
(G)構成脂肪酸組成中、パルミチン酸の含有量が20~38質量 %
(H)構成脂肪酸組成中、ステアリン酸の含有量が3~20質量%
(I)構成脂肪酸組成中、不飽和脂肪酸含有量が0.5~10質量%
(J)構成脂肪酸組成中、トランス脂肪酸含有量が5質量%以下
・実施例1~実施例9のエステル交換油は、前記(A)~(J)の数値範囲を全て満たす。
・比較例2は、パルミチン酸の含有量が38.8%で(G)を満たさないものあった。
・比較例3は、ステアリン酸の含有量が31.5%で(H)を満たさないものあった。なお(E)を満たすものの炭素数20以上の飽和脂肪酸の含有量が0.6質量%であった。
・比較例1は、重要視している(I)を満たさず、また(A)、(D)、(E)も満たさないものであった。
・比較例4は、重要視している(I)を満たさず、また(A)、(D)、(G)、(H)も満たさないものであった。
・比較例5は、重要視している(I)を満たさず、また(A)、(B)、(D)も満たさないものであった。
1、CN30~CN38の含有量が20~50質量%
2、CN48以上の含有量が30質量%以下
3、(CN48以上の含有量)/(CN28以下の含有量)が20以下
・実施例1~実施例9、比較例2~比較例3は、前記1~3の数値範囲を全て満たす。
・実施例4は、(CN48以上の含有量)/(CN28以下の含有量)が1.3と低く、相対的に低融点成分が多い可能性がある。
・比較例1、比較例4~比較例5は、前記1~3を全て満たさないものであった。
下記数値範囲を全て満たすことでシャープな融解特性の指標とした。
・10℃のSFCが、85%~100%
・20℃のSFCが、60%~80%
・25℃のSFCが、45%~70%
・40℃のSFCが、2%以下
下記数値範囲を全て満たすことで、より好ましいシャープな融解特性の指標とした。
10℃のSFCが、85%~100%
20℃のSFCが、60%~80%
25℃のSFCが、45%~70%
30℃のSFCが、25%~50%
35℃のSFCが、3%~30%
40℃のSFCが、2%以下
下記数値範囲を全て満たすことで、さらに好ましいシャープな融解特性の指標とした。
10℃のSFCが、85%~100%
20℃のSFCが、65%~80%
25℃のSFCが、50%~70%
30℃のSFCが、25%~50%
35℃のSFCが、5%~30%
40℃のSFCが、2%以下
・前記、脂肪酸組成分析値の評価、トリグリセリド組成分析値の評価の数値範囲を全て満たす、実施例1~実施例9は、シャープな融解特性が得られた。
・パルミチン酸の含有量が38質量%を超える、比較例2の35℃SFC%は、2.4%で、2%を超えるものであった。
・ステアリン酸の含有量が20質量%を超える、比較例3の35℃SFC%は、2.2%で、2%を超えるものであった。
・比較例1~比較例5は、シャープな融解特性が得られなかった。
・実施例4を除く、実施例1~実施例3、実施例5~実施例9は、より好ましいシャープな融解特性を満たすものであった。
・実施例4、実施例8~実施例9を除く、実施例1~実施例3、実施例5~実施例7は、さらに好ましいシャープな融解特性を満たすものであった。
・構成要件を満たす、実施例1~実施例9は、10分後の固体脂含量が20%を超えており、良好な結果が得られた。
・炭素数20以上の飽和脂肪酸を含有する比較例1は10分後の固体脂含量が13.3%と低く、ハードバターとして必要な固化速度が劣るものであった。
上記で作製したエステル交換油脂、実施例1~実施例5、実施例7~実施例9、比較例1~比較例3を使用してチョコレートテストにより評価した。
パーム核油(ヨウ素価17)95部とパーム油(ヨウ素価52)5部を混合し極度硬化し、次いで常法に従い精製を行い非エステル交換ラウリン系油脂Oとした。C12含量46.7%、ヨウ素価1以下、上昇融点43.4℃であった。
(平均粒子径)
マイクロメーター(株式会社ミツトヨ社製、商品名「デジマチック標準外側マイクロメーター MDC-25PJ」)の測定面にチョコレート類(油分が50%未満に満たない場合は、液油により希釈し油分50~60%に調製)を付着させ、測定面同士を付着させてチョコレート類が測定面よりはみ出す状態で粒度を測定する。粒度は5回測定し、最大と最小の値を除く3回の測定値の平均値を平均粒子径とした。
(粘度)
チョコレート類の品温を45℃に調整し、BM型粘度計(東京計器株式会社製)で10,000cP以下の場合は3号ローター、12rpmにて測定し、10,000cPを超える場合は4号ローター、12rpmにて測定した。
下記評価基準に従い作製したチョコレートの口どけを評価した。評価結果を表6に示す。
5点 : 口どけが非常によく、後残りは感じられない。
4点 : 口どけがよく、後残りは感じられない。
3点 : 口どけがよく、後残りはほとんど感じられない。
2点 : 若干口どけが悪く、後残りはやや感じられる。
1点 : 口どけが悪く、後残りが感じられる。
チョコレートを完全融解した後50℃に調整し、プラスチックカップに約15g充填し、直ちに5℃で冷却した。一晩5℃で固化した後、20℃で一晩静置し、17℃、20℃、25℃恒温インキュベータにて保管し経時変化を観察した。テスト開始してから、ブルームが発生するまでに経過した日数を、表7にまとめた。
・実施例10~実施例17は、比較例よりも良好な口どけを有していた。
・実施例11~実施例17は、さらに良好な口どけを有していた。
・実施例10~実施例17は、比較例1と同等、または、同等以上のブルーム耐性を有していた。
・実施例10~実施例12、実施例14~実施例16は、ブルーム耐性が優れていた。
・実施例11~12、実施例14~16は、さらにブルーム耐性が優れていた。
下記基準によりチョコレートの口溶けと、ブルーム耐性の総合判定を行なった。総合評価3以上を合格とした。評価結果を表8に示す。
5:非常に良好
4:良好
3:やや良好
2:やや不良
1:不良
・実施例10~実施例17は、比較例よりも総合評価が優れていた。
・実施例12~実施例13、実施例17は、口溶けが良好であるが、ブルーム耐性は実施例11~実施例14よりも劣っていた。
・実施例14は、ブルーム耐性が優れているが、口溶けが劣っていた。
・実施例11、実施例15~実施例16は、口溶け、ブルーム耐性ともに優れていた。
・実施例11は、口溶け良好で、ブルーム耐性はさらに優れていた。
表9に従いコーチング用チョコレートを作製した。コーチング用チョコレートに使用される、従来品の比較例1を使用した比較例9と対比して評価した。
(1)乾き時間評価
チョコレートを完全融解した後50℃に調整し、市販されているスナックパンに被覆し、室温(20‐25℃)で固化するまでの時間を計測することで評価した。この時間を乾き時間という。
(2) 外観評価(艶・発汗)
(1)でコーチングしたチョコレート製品を室温(20‐25℃)で半日保管後、表面状態を観察することでつやおよび発汗を評価した。
(3) 食感評価(口どけ、剥がれ)
(1)でコーチングしたチョコレート製品を室温(20‐25℃)で半日保管後、食することでチョコの口どけおよび剥がれを評価した。
(4) 耐熱性評価(べたつき)
チョコレートを完全融解した後50℃に調整し、市販されているロールパンに被覆し、5℃で5分間冷却固化し、30℃にて48時間時間保管した後、表面のべたつきを評価した。べたつきは、チョコレート表面に指を触れた際の指への付着を意味する。
実施例18および比較例9はいずれも常温で速やかに固まり、つや、発汗耐性、剥がれ耐性、耐熱性は良好であった。実施18は口どけが良いため喫食時のチョコレート味の発現が良かった。
Claims (10)
- エステル交換の原料油脂が下記油脂成分X及び油脂成分Yを混合したものであって、下記(A)~(J)を全て満たす、エステル交換油脂。
油脂成分Xは、ヤシ油、パーム核油及びこれらを加工した油脂より選ばれた1種以上の油脂
油脂成分Yは、パームステアリンを50質量%~100質量%含む油脂
(A)構成脂肪酸組成中、炭素数6~18の飽和脂肪酸の含有量が90~99.5質量%
(B)構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が6~18質量%
(C)構成脂肪酸組成中、炭素数16~18の飽和脂肪酸の含有量が25~50質量%
(D)構成脂肪酸組成中、炭素数12以下の飽和脂肪酸の含有量が35~60質量%
(E)構成脂肪酸組成中、炭素数20以上の飽和脂肪酸の含有量が1質量%以下
(F)構成脂肪酸組成中、ラウリン酸の含有量が20~50質量%
(G)構成脂肪酸組成中、パルミチン酸の含有量が20~37質量%
(H)構成脂肪酸組成中、ステアリン酸の含有量が3~15質量%
(I)構成脂肪酸組成中、不飽和脂肪酸含有量が0.5~10質量%
(J)構成脂肪酸組成中、トランス脂肪酸含有量が5質量%以下
ただし、脂肪酸組成分析は、脂肪酸をプロピルエステル化して分析する。 - エステル交換の原料油脂が下記油脂成分X及び油脂成分Yを混合したものである、請求項1に記載のエステル交換油脂。
油脂成分Xは、硬化ヤシ油、パーム核分別硬化油、及びパーム核分別油選ばれた少なくとも1種以上の油脂
油脂成分Yは、パームステアリンを50質量%~100質量%含む油脂 - 油脂成分X及び油脂成分Yが下記である、請求項2に記載のエステル交換油脂。
油脂成分Xが、硬化ヤシ油、パーム核分別硬化油及びパーム核分別油より選ばれた少なくとも1種以上の油脂
油脂成分Yが、ヨウ素価が20以下のパームステアリンを40質量%~100質量%含む油脂 - 下記SFC%を全て満たす、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のエステル交換油脂。
10℃のSFCが、85%~100%
20℃のSFCが、60%~80%
25℃のSFCが、45%~70%
40℃のSFCが、2%以下 - (CN48以上の含有量)/(CN28以下の含有量)が1.5~20である、下記SFC%を全て満たす、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のエステル交換油脂。
10℃のSFCが、85%~100%
20℃のSFCが、60%~80%
25℃のSFCが、45%~70%
30℃のSFCが、25%~50%
35℃のSFCが、3%~30%
40℃のSFCが、2%以下
ただし、CN48以上:油脂中のトリグリセリドの構成脂肪酸の総炭素数が48以上のトリグリセリド、
CN28以下:油脂中のトリグリセリドの構成脂肪酸の総炭素数が28以下のトリグリセリド - 前記請求項1に記載の、(I)構成脂肪酸組成中、不飽和脂肪酸含有量が1~6質量%である、下記SFC%を全て満たす、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のエステル交換油脂。
10℃のSFCが、85%~100%
20℃のSFCが、65%~80%
25℃のSFCが、50%~70%
30℃のSFCが、25%~50%
35℃のSFCが、5%~30%
40℃のSFCが、2%以下 - チョコレート類用である、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載のエステル交換油脂。
- エステル交換の原料油脂が下記油脂成分X及び油脂成分Yを混合したものであって、下記(A)~(J)を全て満たす原料油脂を使用することを特徴とする、エステル交換油脂の製造法。
油脂成分Xは、ヤシ油、パーム核油及びこれらを加工した油脂より選ばれた1種以上の油脂
油脂成分Yは、パームステアリンを50質量%~100質量%含む油脂
(A)構成脂肪酸組成中、炭素数6~18の飽和脂肪酸の含有量が90~99.5質量%
(B)構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の飽和脂肪酸の含有量が6~18質量%
(C)構成脂肪酸組成中、炭素数16~18の飽和脂肪酸の含有量が25~50質量%
(D)構成脂肪酸組成中、炭素数12以下の飽和脂肪酸の含有量が35~60質量%
(E)構成脂肪酸組成中、炭素数20以上の飽和脂肪酸の含有量が1質量%以下
(F)構成脂肪酸組成中、ラウリン酸の含有量が20~50質量%
(G)構成脂肪酸組成中、パルミチン酸の含有量が20~37質量%
(H)構成脂肪酸組成中、ステアリン酸の含有量が3~15質量%
(I)構成脂肪酸組成中、不飽和脂肪酸含有量が0.5~10質量%
(J)構成脂肪酸組成中、トランス脂肪酸含有量が5質量%以下 - エステル交換の原料油脂が下記油脂成分X及び油脂成分Yを混合したものである、請求項8に記載のエステル交換油脂の製造法。
油脂成分Xは、硬化ヤシ油、パーム核分別硬化油及びパーム核分別油より選ばれた少なくとも1種以上の油脂
油脂成分Yは、パームステアリンを50質量%~100質量%含む油脂 - 油脂成分X及び油脂成分Yが下記である、請求項8又は請求項9に記載のエステル交換油脂の製造法。
油脂成分Xは、硬化ヤシ油、パーム核分別硬化油及びパーム核分別油より選ばれた少なくとも1種以上の油脂
油脂成分Yは、ヨウ素価が20以下のパームステアリンを40質量%~100質量%含む油脂
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