JP2023150115A - ハードバター - Google Patents

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暁 森田
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朋美 仲
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安寿子 佐藤
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Abstract

【課題】トランス脂肪酸含有量を低減しながら、チョコレートの固化速度や耐熱性といった機能の向上が可能で且つ、良好な口どけのチョコレートが得られる、低トランスのチョコレート改良用油脂を提供すること。【解決手段】ランダムエステル交換の原材料として中鎖脂肪酸結合油脂(MCT)を含有し、構成脂肪酸組成中、不飽和脂肪酸含有量を0.5質量%~15質量%とし、脂肪酸組成を適切に調整した、35℃のSFCが30%以上及び45℃のSFCが20%以下である、チョコレート改良用油脂。【選択図】無し

Description

本発明は、ハードバターに関する。
カカオバター代用脂として広く利用されているハードバターは、固化・成型時に温調操作を実施するテンパリング型ハードバターと、温調操作を実施しない非テンパリング型ハードバターに大別される。テンパリング型ハードバターは、カカオバター中に多く含有されるSUS型トリグリセリド(S:炭素数16~18の飽和脂肪酸、U:炭素数18の一価不飽和脂肪酸)を多く含み、カカオバターと類似の性質物性を持つ。そのためカカオバターとの相溶性が高く、またカカオバターと類似の食感が得られるが、テンパリング操作には厳密な温度制御が必要となるため、省略することが望まれている。
非テンパリング型ハードバターは、煩雑なテンパリング操作を必要としないことから、通常の板チョコレートに使用するだけでなく、パンや洋菓子などとチョコレートを組み合わせた様々な組み合わせ食品に好適に使用することができ、トランス脂肪酸型ハードバターや、エステル交換・分別型ハードバター、さらにラウリン酸型ハードバターに大別することができる。
非テンパリング型ハードバターのうち、大豆油や菜種油などの液状油を水素添加したトランス脂肪酸型ハードバターは、良好な口溶けやカカオバターとの高い相溶性から広く利用されてきた。しかし、トランス脂肪酸の健康に及ぼすリスクが報告される場合もあり、トランス脂肪酸を含まない低トランス脂肪酸型ハードバターが望まれている。
前述のように低トランス脂肪酸型ハードバターが望まれる中で、エステル交換・分別型ハードバターの開発が進められている(特許文献1~4)。このエステル交換・分別型ハードバターは、トランス脂肪酸含量が極めて低い原料油脂、例えば大豆油や菜種油の極度硬化油や、パーム油などの固形脂を原料として化学的に、もしくは酵素的にエステル交換を実施した後に、分別を実施することで良好な口溶けを有するものである。
ラウリン酸型ハードバターは、ラウリン酸を多く含むトリグリセリドを豊富に含む油脂を原料として古くから製造されており、パーム核油分別硬質油等が例示できる。
トランス脂肪酸含有量が少なく、ラウリン系油脂を含有するチョコレート用油脂組成物に関して、特許文献5~9が開示されている。
特表2005-507028号公報 特表2010-532802号公報 特開2007-319043号公報 国際公開第2011/138918号 特開2008-182961号公報 特開2010-142152号公報 特開2010-142153号公報 特開2011-115075号公報 特開2016-116486号公報
近年、チョコレートに使用する非テンパリング型ハードバター対する要望は、作業性、固化速度といった物性面だけでなく、良好な口溶けとの両立が望まれる。本発明者らは、低トランスチョコレートで、前記機能の向上について考察した。
特許文献1~9は、低トランス非テンパリング型ハードバターに関する発明であって、固化速度を速めたり、耐熱性を向上させたりする機能は十分ではなかった。
チョコレートの固化速度や耐熱性、かかる機能を向上させるためには、チョコレートの硬さを調整する必要があり、非テンパリング型ハードバターに、比較的融点の高い油脂を組み合わせて、チョコレートの物性を調整し、前記機能を両立させる方法が考えられる。
しかしながら、低トランスの高融点油脂は、構成する脂肪酸組成中の飽和脂肪酸含量を高める必要があり、口どけが悪化してしまう場合があるため、前記機能の向上と良好な口どけを両立させることは困難な課題であった。
かかる従来技術を認識した上で、本発明の目的は、チョコレートの固化速度や耐熱性といった機能の向上が可能で且つ、良好な口どけのチョコレートが得られる、低トランスのチョコレート改良用油脂を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討を重ねた結果、ランダムエステル交換の原材料として中鎖脂肪酸結合油脂(MCT)を含有させ、構成脂肪酸組成中、不飽和脂肪酸含有量を0.5質量%~15質量%とし、脂肪酸組成を適切に調整した、35℃のSFCが30%以上及び45℃のSFCが20%以下である、チョコレート改良用油脂が、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) ランダムエステル交換の原材料として中鎖脂肪酸結合油脂(MCT)を含有し、下記(A)~(D)を全て満たし、35℃のSFCが30%以上及び45℃のSFCが20%以下である、チョコレート改良用油脂、
(A)構成脂肪酸組成中の不飽和脂肪酸の含有量が、0.5質量%~15質量%
(B)構成脂肪酸組成中のステアリン酸に対するパルミチン酸の含有質量比が、2以下
(C)構成脂肪酸組成中のステアリン酸に対するラウリン酸の含有質量比が、1.9以下
(D)構成脂肪酸組成中のステアリン酸の含有量が、20質量%~45質量%
(2) 下記SFC%を全て満たす、(1)のチョコレート改良用油脂、
20℃のSFCが、75%~95%
25℃のSFCが、60%~90%
30℃のSFCが、55%~75%
(3) チョコレート類中の油脂分に対して、 3質量%~35質量%になるように使用する、(1)又は(2)のチョコレート改良用油脂、
(4) (1)~(3)のいずれかのチョコレート改良用油脂を含有する、チョコレート類、である。
本発明により、チョコレート類の固化速度や耐熱性の向上が可能で且つ、良好な口どけのチョコレート類が得られる、低トランスのチョコレート改良用油脂を提供することができる。
好ましい態様として、従来使用されている非テンパリング型ハードバターを配合したチョコレート類に、本発明のチョコレート改良用油脂を適量配合することで、チョコレート類の固化速度や耐熱性を向上し且つ、良好な口どけのチョコレート類を得ることができる。
より好ましい態様として、従来使用されている非テンパリング型ハードバターを配合したチョコレート類に、本発明のチョコレート改良用油脂を少量配合することで、チョコレート類の固化速度や耐熱性を向上することができる。
別の好ましい態様として、本発明のチョコレート改良用油脂を被覆用チョコレート類に使用した場合、被覆用チョコレート類に必要とされる、固化速度、耐熱性を向上し且つ、良好な口どけの被覆用チョコレート類を得ることができる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明のチョコレート改良用油脂は、ランダムエステル交換の原材料として中鎖脂肪酸結合油脂(MCT)を含有する。好ましくは、0.5質量%~10質量%、より好ましくは、0.5質量%~8質量%、さらにより好ましくは、0.7質量%~7質量%である。ランダムエステル交換の原材料に、中鎖脂肪酸結合油脂を適切な量で配合することで、チョコレート改良用油脂に適した油脂物性を得ることができる。
中鎖脂肪酸結合油脂本発明における中鎖脂肪酸結合油脂(MCT)は、構成脂肪酸組成中、炭素数6~10の脂肪酸を主成分とする油脂である。
中鎖脂肪酸結合油脂(MCT)の他に、本発明のチョコレート改良用油脂に使用可能な油脂類は、大豆油、ハイエルシン菜種油、菜種油、コーン油、綿実油、落花生油、ひまわり油、こめ油、ベニバナ油、オリーブ油、ゴマ油、パーム油、ヤシ油、パーム核油、シア脂、サル脂、カカオ脂等の植物性油脂、乳脂、牛脂、豚脂等の動物性油脂、ならびに、それらの硬化油、分別油、硬化分別油、分別硬化油、エステル交換等を施した加工油脂、さらにこれらの混合油脂等が例示できる。
好ましい態様は、本発明では、低トランスを志向するため、トランス脂肪酸を比較的大量に含む部分硬化油を使用することなくチョコレートを作製することができる。
なお、ハイエルシン酸菜種油を使用する場合、含まれるエルシン酸含量は、構成脂肪酸組成中、30質量%以上であることが好ましい。
本発明のチョコレート改良用油脂は、下記(A)~(D)を全て満たし、かかる数値範囲を満たすことで、低トランスのチョコレート改良用油脂に適した油脂物性を有する、チョコレート改良用油脂を得ることができる。
(A)構成脂肪酸組成中不飽和脂肪酸の含有量が、0.5質量%~15質量%
(B)構成脂肪酸組成中のステアリン酸に対するパルミチン酸の含有質量比が、2以下
(C)構成脂肪酸組成中のステアリン酸に対するラウリン酸の含有質量比が、1.9以下
(D)構成脂肪酸組成中のステアリン酸の含有量が、20質量%~45質量%
前記(A)構成脂肪酸組成中不飽和脂肪酸の含有量は、好ましくは0.5質量%~13質量%、より好ましくは0.5質量%~12質量%、さらに好ましくは0.5質量%~10質量%である。
前記(B)構成脂肪酸組成中のステアリン酸に対するパルミチン酸の含有質量比の上限値は、好ましくは1.9以下、より好ましくは1.8以下、さらに好ましくは1.5以下である。
前記(B)構成脂肪酸組成中のステアリン酸に対するパルミチン酸の含有質量比の下限値は、好ましくは0.15以上、より好ましくは0.2以上である。
前記(C)構成脂肪酸組成中のステアリン酸に対するラウリン酸の含有質量比の上限値は、好ましくは1.7以下、より好ましくは1.5以下、さらに好ましくは1以下である。
前記(C)構成脂肪酸組成中のステアリン酸に対するラウリン酸の含有質量比の下限値は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.4以上である。
前記(D)構成脂肪酸組成中のステアリン酸の含有量は、好ましくは20質量%~43質量%、より好ましくは20質量%~40質量%、さらに好ましくは22質量%~40質量%である。
本発明のチョコレート改良用油脂は、構成脂肪酸組成中のトランス脂肪酸含有量が、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下、最も好ましくは1質量%以下である。
本明細書において、ランダムエステル交換の方法は、酵素もしくは金属触媒(例えばナトリウムメチラート)を用いて結合位置に関係なく不特定に交換する方法(ランダムエステル交換)が例示できる。
本発明のチョコレート改良用油脂は、中鎖脂肪酸結合油脂(MCT)を必須成分として含有する他に、前記構成を満たせば、使用する油脂類に特に制限はないが、下記、油脂成分A、油脂成分B及び油脂成分Cを必須成分として含む原料油脂を使用したエステル交換油脂であることが好ましい。前記構成を満たす範囲内でその他油脂類を配合しても良い。下記の融点の記載は上昇融点を意味する。
油脂成分A:非ラウリンかつ非パーム高融点油脂(融点50℃以上70℃以下)
油脂成分B:パーム高融点油脂(融点40℃以上70℃以下)
油脂成分C:ラウリン高融点油脂(融点35℃以上50℃以下)
本明細書において、非ラウリンかつ非パーム高融点油脂とは、ラウリン脂およびパーム油を実質的に含まない高融点油脂である。ラウリン脂およびパーム油を実質的に含まない油脂類を原材料として、加工して得られる高融点油脂が例示できる。
本明細書において、パーム高融点油脂とは、パーム油の高融点油脂であって、パーム油を分別した高融点部、硬化等加工して得られる高融点油脂が例示できる。
本明細書において、ラウリン高融点油脂とは、ラウリン油脂の高融点油脂であって、ラウリン油脂を分別した高融点部、硬化等加工して得られる高融点油脂が例示できる。
なお、ラウリン油脂を90質量%以上含む原料油脂を加工して得られる高融点油脂であれば良く非ラウリン油脂を含んでも良い、加工方法としては、ヨウ素価1以下を目標として行う極度硬化であることが好ましい。
好ましい態様として、本発明のチョコレート改良用油脂は、前記油脂成分を下記数値範囲で含む原料油脂を使用したエステル交換油脂であることが好ましい。
油脂成分A:19質量%±5質量%以内
油脂成分B:31質量%±7質量%以内
油脂成分C:42質量%±8質量%以内
本発明のチョコレート改良用油脂は、35℃のSFCが30%以上及び45℃のSFCが20%以下である。かかるSFC%とすることで、チョコレート改良用油脂を使用したチョコレートの固化速度や耐熱性の向上が可能で且つ、良好な口どけのチョコレートが得られる。
35℃のSFCは、好ましくは30%以上55%以下、より好ましくは30%以上50%以下、さらに好ましくは35%以上50%以下である。
45℃のSFCは、好ましくは2.5%以上20%以下、より好ましくは3%以上20%以下、さらに好ましくは3.5%以上17%以下である。
本発明のチョコレート改良用油脂は、好ましくは、下記SFC%を全て満たす。チョコレート類に使用した際に、口溶けがシャープで後残り感がない特徴が得られるので好ましい 。
20℃のSFCが、75%~95%
25℃のSFCが、60%~90%
30℃のSFCが、55%~75%
20℃のSFCは、好ましくは80%~95%である。
25℃のSFCは、好ましくは65%~85%、より好ましくは70%~85%である。
本明細書において、チョコレート類とは、全国チョコレート業公正取引協議会、チョコレート利用食品公正取引協議会で規定されるチョコレート、準チョコレート、およびチョコレート利用食品に限定されるものではなく、油脂類を必須成分とし、カカオマスなどを含まない粉乳やチーズ粉末、果汁粉末等を利用した油脂加工食品をも、包含するものである。
本発明のチョコレート改良用油脂の他に、カカオマスやココア、及び全粉乳等に由来する油脂分と、その他油脂成分を組み合わせて、適宜配合量を調整することで、各種用途に適したチョコレート類を作製することができる。
本明細書において油脂分とは、カカオマスやココアなどのカカオ原料由来の脂肪分(カカオバター)及び全粉乳などの乳製品由来の乳脂など原料由来の脂肪分を含む。チョコレート類中の油脂分としては、30質量%~70質量%が好ましく、より好ましくは30質量%~60質量%である。油脂分が少ないとチョコレート類の粘性が高すぎて被覆用途で用いた場合に、被覆作業が困難となる場合がある。また油脂分が多すぎるとチョコレート風味が薄くなり、油っぽくなる場合があるため、好ましくない。
本発明のチョコレート改良用油脂の好ましい使用量は、チョコレート類中の油脂分に対して、3質量%~35質量%であり、より好ましくは4質量%~30質量%、さらに好ましくは4質量%~25質量%である。本発明のチョコレート改良用油脂が3質量%未満の場合 、耐熱性の向上や固化速度の向上といった特性が得られない場合がある。35質量%を超えると、前述の特性は得られるものの口どけが悪くなることで良好な風味が得られない場合があり好ましくない。
本発明のチョコレート改良用油脂を使用したチョコレート類の製造法としては、一般的なチョコレート類を製造する要領で行うことができる。具体的には、本発明のチョコレート改良用油脂を必須とし、非テンパリング型ハードバター等油脂類、糖類、カカオマス、カカオバター、ココアパウダー、粉乳等の各種粉末食品、乳化剤、香料、色素等の原料を適宜選択して混合し、ロール掛け及びコンチング処理を行い得ることができる。
本発明のチョコレート改良用油脂を使用したチョコレート類には、通常チョコレート類の製造に使用される乳化剤を使用することができる。ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリソルベート、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルが例示できる。これらは2種以上を組み合わせて使用しても良い。
本発明のチョコレート改良用油脂の好ましい用途の一つは、被覆用チョコレート類が例示できる。本発明において、被覆用チョコレート類とは、油脂が連続相をなす油脂加工食品であり、菓子、ベーカリー製品等の表面をコーティングあるいはカバリングするための被覆チョコレート類が例示できる。
本発明のチョコレート改良用油脂を使用した被覆用チョコレート類は、溶融した被覆用チョコレート類をテンパリング処理することなしに被覆作業を行う方法が例示できる。
好ましい態様として、本発明のチョコレート改良用油脂を使用することで、常温でも速やかに固化させることができる。
本発明において、被覆用チョコレート類を利用して被覆してなる複合食品としては、菓子、ベーカリー製品であれば、特に限定されるものではないが、菓子としては、まんじゅう、蒸しようかん、カステラ、どら焼き、今川焼き、たい焼き、きんつば、ワッフル、栗まんじゅう、月餅、ボーロ、八つ橋、せんべい、かりんとう、ドーナツ、スポンジケーキ、ロールケーキ、エンゼルケーキ、パウンドケーキ、バウムクーヘン、フルーツケーキ、マドレーヌ、シュークリーム、エクレア、ミルフィユ、アップルパイ、タルト、ビスケット、クッキー、クラッカー、蒸しパン、プレッツェル、ウエハース、スナック菓子、ピザパイ、クレープ、スフレー、ベニエなどや、バナナ、りんご、イチゴなどの果物に被覆用チョコレート類を被覆した菓子が挙げられ、パンとしては、食パン、コッペパン、フルーツブレッド、コーンブレッド、バターロール、ハンバーガーバンズ、フランスパン、ロールパン、菓子パン、スイートドウ、乾パン、マフィン、ベーグル、クロワッサン、デニッシュペーストリー、ナンなどが例示できる。
以下に本発明の実施例を示し、本発明をより詳細に説明する。なお、例中、%及び部はいずれも質量基準を意味する。
(分析方法)
(脂肪酸組成)
日本油化学協会基準油脂分析試験法(1996年版)2.4.1. 2メチルエステル化法(三フッ化ホウ素メタノール法)に規定の方法に準じて測定した。
(SFC測定方法)
(各温度のSFC)(固化速度)の測定において、SFCは、IUPAC.2 150 SOLID CONTENT DETERMINATION IN FATS BY NMRに準じて測定する。分析装置はBruker社製“minispec mq20”を使用する。
(各温度のSFC Parallel measurements)
溶解特性を評価するため、油脂を80℃で30分保持した後、60℃に30分保持することで油脂を完全に溶解し、0℃に1時間保持して固化させる。さらに、所定の温度(10℃、20℃、25℃、30℃、35℃、40℃、45℃、50℃)に30分保持した後にSFC(固体脂含量)を測定した。
(固化速度)
油脂を80℃で30分保持した後、60℃に30分保持することで油脂を完全に溶解し、20℃で保持し、3分後~30分後のSFC(固体脂含量)を測定した。
表1記載に従い、原料油脂を配合した。撹拌混合後に、ナトリウムメチラートを触媒として0.15質量%添加し、80℃にて30分ランダムエステル交換を行った後、常法に従い水洗/脱色/脱臭を行い、チョコレート改良用油脂を得た。前記脂肪酸組成分析方法に従い脂肪酸組成を分析した結果を表1に示す。なお表1においてヨウ素価をIVと表記した。
比較例1は、表1記載に従い、原料油脂を配合した。撹拌混合後に、ナトリウムメチラートを触媒として0.15質量%添加し、80℃にて30分ランダムエステル交換を行った後、常法に従い水洗を行った。その後ニッケル触媒(堺化学製SO-750)を0.1質量%添加し、水添圧0.26MPa、温度180℃上限にてヨウ素価1まで硬化を行い、常法に従い脱色/脱臭を行った。
Figure 2023150115000001
(脂肪酸組成分析値の評価)
下記(A)~(D)の数値で評価した。
(A)構成脂肪酸組成中不飽和脂肪酸の含有量が、0.5質量%~15質量%
(B)構成脂肪酸組成中のステアリン酸に対するパルミチン酸の含有質量比が、2以下
(C)構成脂肪酸組成中のステアリン酸に対するラウリン酸の含有質量比が、1.9以下
(D)構成脂肪酸組成中のステアリン酸の含有量が、20質量%~45質量%
(表1の考察)
実施例のエステル交換油は、前記(A)~(D)の数値範囲を全て満たす。
(原料油脂について)
実施例1~実施例6は、原料油脂に、中鎖脂肪酸結合油脂を含有し、下記の油脂成分A、油脂成分B及び油脂成分Cを含むエステル交換油脂であった。
油脂成分A:非ラウリンかつ非パーム高融点油脂(融点50℃以上70℃以下)
油脂成分B:パーム高融点油脂(融点40℃以上70℃以下)
油脂成分C:ラウリン高融点油脂(融点35℃以上50℃以下)
前記(各温度のSFC)測定方法に従い、各温度のSFCを測定した、結果を表2に示す。
Figure 2023150115000002
(SFC%の評価-1)
下記数値範囲を全て満たすことを本発明のチョコレート改良用油脂の必須条件とした。
・35℃のSFCが30%以上
・45℃のSFCが20%以下
(SFC%の評価-2)
下記数値範囲を全て満たすことで良好なチョコレート改良用油脂の指標とした。
・20℃のSFCが、75%~95%
・25℃のSFCが、60%~90%
・30℃のSFCが、55%~75%
(表2の考察)
・前記、脂肪酸組成分析値の評価を全て満たす、実施例は、本発明のチョコレート改良用油脂の必須条件である(SFC%の評価-1)も満たした。
・実施例は、(SFC%の評価-2)を満たすシャープな融解特性が得られた。
以下で実施する、被覆用チョコレート中の油脂分を配合して、前記(固化速度)測定方法に従い、固化速度を測定した、結果を表3に示す。10分後の固体脂含量6.5%以上を、良好な固化速度の目標値とした。
具体的には、(植物油脂部の配合)の配合割合に従い各植物油脂を配合し、表4のチョコレート配合に従い、乳脂肪とカカオバター(カカオマス中のカカオバターも含む)も対応する配合割合で配合して固化速度を測定した。全脂粉乳中の乳脂肪は26%、カカオマス中のカカオバターは55%として算出した。
Figure 2023150115000003
(表3の考察)
構成要件を満たす実施例は、10分後の固体脂含量が6.5%を超えており、良好な結果が得られた。
(被覆用チョコレートでのチョコレート改良用油脂の評価)
作製したチョコレート改良用油脂を使用してチョコレートを作製し評価した。
Figure 2023150115000004
表4の配合に従いチョコレートを作製した。配合する植物油脂部のみが異なる同一配合で試作を行った。また、(評価方法と基準)に従い作製したチョコレートを評価した。
(植物油脂部の配合)
4重量部に各々のチョコレート改良用油脂を使用し、残り25.5重量部には、
パームオレイン(ヨウ素価67)1.5重量部、カカオバター代用脂9.5重量部、非テンパリング型ハードバター14.5重量部を使用した。
カカオバター代用脂(CBS=cocoa butter substitute)には、パーム核油ステアリンの硬化タイプである、パルケナH(不二製油株式会社製)を使用した。
非テンパリング型ハードバターには、ランダムエステル交換油である、表5記載の脂肪酸組成を有する非テンパリング型ハードバターを使用した。
Figure 2023150115000005
(評価方法と基準)
得られたチョコレートを溶解し、室温で超熟ロール(敷島製パン株式会社)1/2切にコーティング した。なお、コーティング時の目付量は、6~7gを目安とした。
・風味基準
4点:口どけが非常によく、後残りは感じられない。
3点:口どけがよく、後残りは感じられない。
2点:やや口どけが悪く、後残りが若干感じられる。
1点:口どけが悪く、後残りが感じられる。
3点以上を合格とした。
・固化基準
前記同様にコーティング行い、固化時間が6分30秒以下を、合格で評価〇とした。
・耐熱性べたつき基準
4点:コーティングして30℃で1日保存後、触っても指紋がつかない。
3点:コーティングして30℃で1日保存後、触ってもうっすら指紋がつく程度である。
2点:コーティングして30℃で1日保存後、触るとくっきり指紋がつく。
1点:コーティングして30℃で1日保存後、触るとコーティングが指についてくる。
3点以上を合格とした。
・総合評価
評価結果、すべて合格評価が得られたものを、総合評価〇とした。
Figure 2023150115000006
(表6の考察)
実施例のチョコレートは、比較例よりも良好な結果が得られた
(チョコレートテストによるチョコレート改良用油脂の評価)
作製したチョコレート改良用油脂を使用してチョコレートを作製し評価した。
表7の配合に従いチョコレートを作製した。配合する植物油脂部のみが異なる同一配合で試作を行った。また、(評価方法と基準)に従い作製したチョコレートを評価した。
なお植物油脂部の配合は、4部に各々のチョコレート改良用油脂を使用し、残り30.5部には、被覆用チョコレートの評価で使用した非テンパリング型ハードバターを使用した。チョコレートはアルミカップに4g/個で充填し、15℃で7日間エージングを行った。
Figure 2023150115000007
(評価方法と基準)
下記評価基準に従い作製したチョコレートを評価した。評価結果を表8に示す。
・風味基準
3点:口どけがよく、後残りは感じられない。
2点:やや口どけが悪く、後残りが若干感じられる。
1点:口どけが悪く、後残りが感じられる。
3点以上を合格とした。
・耐熱性硬さ基準
30℃で2時間インキュベート後、喫食時に抵抗があり、噛み応えがある場合に、評価合格で〇とした。
・総合評価
評価結果、すべて合格評価が得られたものを、総合評価〇とした。
Figure 2023150115000008
(表8の考察)
・実施例のチョコレートは、比較例よりも良好な風味および硬さを有していた。
本発明のチョコレート改良用油脂を使用することで、チョコレートの固化速度や耐熱性の向上が可能で且つ、良好な口どけのチョコレートが得られ、特にテンパリング操作を実施しないチョコレートに好適に利用することができる。

Claims (4)

  1. ランダムエステル交換の原材料として中鎖脂肪酸結合油脂(MCT)を含有し、下記(A)~(D)を全て満たし、35℃のSFCが30%以上及び45℃のSFCが20%以下である、チョコレート改良用油脂。
    (A)構成脂肪酸組成中の不飽和脂肪酸の含有量が、0.5質量%~15質量%
    (B)構成脂肪酸組成中のステアリン酸に対するパルミチン酸の含有質量比が、2以下
    (C)構成脂肪酸組成中のステアリン酸に対するラウリン酸の含有質量比が、1.9以下
    (D)構成脂肪酸組成中のステアリン酸の含有量が、20質量%~45質量%
  2. 下記SFC%を全て満たす、請求項1に記載のチョコレート改良用油脂。
    20℃のSFCが、75%~95%
    25℃のSFCが、60%~90%
    30℃のSFCが、55%~75%
  3. チョコレート類中の油脂分に対して、3質量%~35質量%になるように使用する、請求項1又は請求項2に記載のチョコレート改良用油脂。
  4. 請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のチョコレート改良用油脂を含有する、チョコレート類。
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