JP5807367B2 - チョコレート様食品の製造方法 - Google Patents

チョコレート様食品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5807367B2
JP5807367B2 JP2011088101A JP2011088101A JP5807367B2 JP 5807367 B2 JP5807367 B2 JP 5807367B2 JP 2011088101 A JP2011088101 A JP 2011088101A JP 2011088101 A JP2011088101 A JP 2011088101A JP 5807367 B2 JP5807367 B2 JP 5807367B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chocolate
food
milk powder
flavor
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011088101A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012217411A (ja
Inventor
安史 金田
安史 金田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Oil Co Ltd
Original Assignee
Fuji Oil Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Oil Co Ltd filed Critical Fuji Oil Co Ltd
Priority to JP2011088101A priority Critical patent/JP5807367B2/ja
Publication of JP2012217411A publication Critical patent/JP2012217411A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5807367B2 publication Critical patent/JP5807367B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Confectionery (AREA)

Description

本発明は、チョコレート様食品の製造方法に関する。
粉乳を多く含有するチョコレート様食品においては、製造過程において粒状物が発生し、品質が低下する等の問題が発生する場合がある。このような問題点を解決する手段として、いわゆる「クラム製法」と呼ばれる製法がある。クラムとは、ミルクチョコレート等の粉乳を多く含むチョコレート様食品の製造における中間物として調製されるもので、クラムとカカオ脂等を混合して最終的なチョコレート様食品が調製される。たとえば特許文献1では、チョコレートクラムの製造方法について記載されている。
特開平11−289986号公報
本発明の目的は、粉乳を比較的多く含むチョコレート様食品を、簡易な方法で製造することが出来る方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題に対して鋭意研究を重ねた。
クラム製法においては、別途「クラム」を調製する必要があるため煩雑である。
そこで本発明者は、まず粉乳を多く含むチョコレート様食品の製造工程の中で、どの段階で粒状物が発生しているのかを検討した。その結果、それは、コンチングの段階であることが明らかとなった。さらに、コンチングの段階での処理温度が高いと、粒状物が発生する頻度が上昇することも明らかとなった。
しかしながら、チョコレート様食品の風味は、コンチングの、しかも高温でのコンチングにより味の深みが増したり、収斂味や青臭さを軽減させることが知られている。特に高温で起こるメイラード反応は、チョコレート様食品の風味において重要であり、またメイラード風味に特化したタイプのチョコレート様食品においてはなおさらである。
すなわち、粒状物の発生を抑制するためには、コンチングの温度を低くする必要がある一方、メイラード風味を付与するためには、コンチング温度を一定以上に上げなければならないという二律背反の状況に直面した。
そして本発明者らはさらに研究を重ねた。そして遂に、使用する粉乳に対し一定の加水をし、その後一定水分量まで乾燥し、使用することで、コンチングの段階でメイラード風味が生じるまで加熱を行っても、粒状物が発生せず、口当たりの滑らかな製品が得られることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は
(1)1〜10重量%の加水を行った後、水分1〜4.5重量%となるように乾燥した粉乳を10〜30重量%配合する、メイラード風味を有するチョコレート様食品の製造方法、
(2)コンチング工程での60℃以上の加熱により発生するメイラード風味を有するチョコレート様食品の(1)記載の製造法、
に関するものである。
本発明によれば、粉乳を比較的多く含むチョコレート様食品を、簡易な方法で製造することができる。そしてこの方法は、メイラード風味が付与されたチョコレート様食品においても適用可能なものである。
本発明で言う粉乳とは、主に牛乳等の成分を乾燥させたものである。具体的には、全脂粉乳、脱脂粉乳、ホエーパウダー、バターミルクパウダーを列挙できる。本発明で単に粉乳と言う場合は、これらの総称である。
これら粉乳の中で特に、脱脂粉乳及び全脂粉乳が、比較的安価であり、かつ、最終製品における風味が良好であり、好ましい。脱脂粉乳と全脂粉乳は、それぞれ用途に応じ使い分けることが可能であり、乳脂に由来する風味を求める場合は、全脂粉乳を使用することが望ましく、また、乳蛋白に由来する風味を求める場合は、脱脂粉乳が望ましい。
本発明における粉乳の含有量は、乾燥物換算でチョコレート様食品中10〜30重量%であり、より望ましくは12〜28重量%であり、さらに望ましくは15〜28重量%である。チョコレート様食品中の粉乳の含有量が低いと、良好な乳風味が得られない場合があり、また、粉乳の含有量が多すぎると、チョコレート様食品の風味のバランスが悪くなる場合がある。
本発明で言うメイラード風味とは、いわゆるメイラード反応により生じる風味をさす。メイラード反応は還元糖とアミノ酸等を加熱したときなどに見られる反応である。チョコレート様食品においては、カカオマスやココアバターも共存した、すなわちコンチングの段階で加熱することにより、より一体感があり好ましいメイラード風味が得られる。
本発明でいうチョコレート様食品とは、一例を挙げると、チョコレート類が該当する。また、ここで言うチョコレート類とは、全国チョコレート業公正取引協議会、チョコレート利用食品公正取引協議会で規定されるチョコレート、準チョコレート、チョコレート利用食品だけでなく、油脂類を必須成分とし、必要により糖類、粉乳類、カカオ原料(カカオマス、ココア、ココアバター)、果汁粉末、果実粉末、呈味材、乳化剤、香料、着色料等の副原料を任意の割合で配合したものを言う。なお、チョコレート類の風味は、カカオ原料、粉乳類、糖類が主成分であるスイートチョコレート類、ミルクチョコレート類、ホワイトチョコレート類に限らず、コーヒー風味、キャラメル風味、抹茶風味、果実風味、野菜風味、塩味系風味などの風味バラエティー品も、当然その範囲に入る。
本発明においては、粉乳に対し1〜10重量%加水し、概略均質になるまで攪拌する。加水量が少なすぎると、本発明の効果が十分得られない場合があり、また加水が多すぎると、その後の乾燥に、より多くのエネルギーや時間が必要となる場合がある。使用する水は、いわゆる水道水や一般的なミネラルウオーター等、本発明の効果を妨げない範囲で適宜選択できる。加水量はより望ましくは3〜7重量%であり、さらに望ましくは4〜7重量%である。
なお、粉乳には一定量の水分が既に含まれている場合もあるが、加水は、既に含まれている水分とは別に必要である。
本発明における、粉乳へ加水した後の乾燥は、40〜100℃で行うのが望ましく、より望ましくは50〜80℃であり、さらに望ましくは60〜70℃である。乾燥温度が低すぎる場合は、乾燥に多くの時間が必要となる場合がある。また乾燥の際の温度が高すぎる場合は、いわゆる焦げが発生する場合もある。
加水及び乾燥の手段としては、ニーダーないしそれに類する装置にて、攪拌しながら加熱する方法が好ましい。
乾燥後の粉乳中の水分は1〜4.5重量%とする必要があり、より望ましくは1〜3.7重量%であり、さらに望ましくは1.5〜3重量%である。この場合の水分量は、当初から粉乳に含まれていたものもあわせた値である。
なお、たとえば全脂粉乳においては、加水しない状態においても、3重量%程度の水分を含む(五訂食品成分表)。しかし、これをそのまま加熱すると焦げてしまい、本発明の課題を解決することが出来ない。すなわち、本発明の課題を解決するためには、粉乳へ規定量の加水を行ったうえで、規定量まで乾燥させることが必要である。
本発明で課題とするチョコレート様食品は、「粒状物のないチョコレート様食品」である。これは、食した際に違和感ない程度に、粒状物が存在しないチョコレート様食品である。その判断基準は、本発明の実施例に記載する「粒状物評価法」による。
また、本発明においては、チョコレートクラムを実質的に使用しないことが望ましい。チョコレートクラムを使用することにより、粉乳を多く含むチョコレート様食品を製造することが出来る場合もある。しかし、チョコレートクラムを別途調製する必要があり煩雑である。本発明は、簡易な方法で粉乳を比較的多く含む、チョコレート様食品を得ることを意図するものであり、特にメイラード風味を有するチョコレート様食品の製造にも適用できるものである。
以下に実施例を記載する。
検討1 「加水乾燥粉乳の調製」
以下の方法で、表1に示す各水分量の全粉乳を調製した。
1.全脂粉乳(よつ葉乳業株式会社製)1kgをニーダーへ投入する。
2.50rpmで攪拌しつつ、ニーダーのジャケットに、表1の「乾燥温度」に記載する温度の湯を循環する。
3.水(水道水)を設定量加えた後、50rpmで攪拌することで均一化及び乾燥する。
(乾燥時間は、事前に乾燥時間と最終水分量の関係を測定しておき、設定する。)
4.最終的に得られた粉乳の水分量を測定する。
(粉乳の水分量は100〜105℃ 3時間乾燥することにより測定した)。
(加水乾燥を行わない全粉乳を、以下「未処理全粉乳」と称する。未処理全粉乳の水分量は3重量%であった。)
表1 加水乾燥粉乳の調製
Figure 0005807367
検討2 加水乾燥粉乳における最終水分量のチョコレート様食品への影響
実施例1〜2、比較例1〜5
表2の配合により、以下「チョコレート様食品の製造法」に従いチョコレート様食品を調製した。
得られたチョコレート様食品における、粒状物の発生状況を、以下「粒状物評価法」により測定した。
表2 チョコレート様食品の配合
Figure 0005807367
「チョコレート様食品の製造法」
a.砂糖、粉乳、カカオマスを設定量混合(全体で1.5kgスケール)。
b.ローラーで微細化。
c.コンチング(各設定条件に従う)
d.テンパリング(30℃)
e.成型

「粒状物状況評価法」
1.コンチング終了段階のチョコレート1.5kgを100メッシュ篩通過させる。
2.メッシュ上の粒状物を目視で確認する。
3.粒状物がないものを合格とした。

結果
結果を表3に記載した。
メイラード風味は、パネラー4名で試食し、5点満点で評価した後平均値を求めた。評価基準は、最も良好なメイラード風味を示したものを5点、メイラード風味をほとんど感じられないものを1点とし、1〜5点の間で点数付けを行った。平均点が3点以上を合格とした。
総合評価は、良好なメイラード風味を示し、かつ粒状物が存在しないものを合格とした。
表3 結果
Figure 0005807367
考察
・表3に示すとおり、全粉乳に対して1〜10重量%の加水を行った後、水分1〜4.5重量%となるように乾燥し使用した場合に、粒状物の発生のない、良好な製品を得ることが出来た。また、コンチング温度を60℃以上とすることで、良好なメイラード風味が付与されたチョコレート様食品を得ることができた。
本発明により、粉乳を比較的多く含む、チョコレート様食品を、簡易な方法で製造することができる。

Claims (2)

  1. 1〜10重量%の加水を行った後、水分1〜4.5重量%となるように乾燥した粉乳を10〜30重量%配合する、メイラード風味を有するチョコレート様食品の製造方法。
    但し、上記乾燥前の粉乳に糖及び/又はココア固体を添加する態様は除く。
  2. コンチング工程での60℃以上の加熱により発生するメイラード風味を有するチョコレート様食品の請求項1記載の製造法。
JP2011088101A 2011-04-12 2011-04-12 チョコレート様食品の製造方法 Active JP5807367B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011088101A JP5807367B2 (ja) 2011-04-12 2011-04-12 チョコレート様食品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011088101A JP5807367B2 (ja) 2011-04-12 2011-04-12 チョコレート様食品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012217411A JP2012217411A (ja) 2012-11-12
JP5807367B2 true JP5807367B2 (ja) 2015-11-10

Family

ID=47269633

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011088101A Active JP5807367B2 (ja) 2011-04-12 2011-04-12 チョコレート様食品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5807367B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016052638A1 (ja) * 2014-09-30 2016-04-07 株式会社明治 油性菓子生地および油性菓子の製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2529866B2 (ja) * 1987-08-11 1996-09-04 森永製菓株式会社 チョコレ−トの製造法
GB9804401D0 (en) * 1998-03-02 1998-04-29 Nestle Sa Chocolate crumb
GB0026717D0 (en) * 2000-11-01 2000-12-20 Nestle Sa Flavour enhanced chocolate crumb
EP1308094A3 (en) * 2001-10-30 2004-02-25 Societe Des Produits Nestle S.A. Chocolate crumb flavour manipulation

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012217411A (ja) 2012-11-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6061118B1 (ja) チョコレート様食品
CN105208875A (zh) 制备热稳定巧克力糖果产品的方法
JPWO2020116565A1 (ja) 植物性蛋白質高含有チョコレート様食品およびその製造法
JP6434308B2 (ja) フルーティフレーバーが付与されたカカオ製品およびこのようなカカオ製品の製造方法
JP5807367B2 (ja) チョコレート様食品の製造方法
JPH06237694A (ja) 含水チョコレートの製造法
JP7119021B2 (ja) 油脂性菓子、複合菓子及び油脂性菓子の製造方法
JP2017000028A (ja) 含水ホワイトチョコレート様食品
JP2015154756A (ja) 食品の蛋白質強化用大豆蛋白質素材
JP7210033B2 (ja) カカオパルプパウダーおよびその製造方法、ならびに、チョコレートおよび油脂加工品
US20100092646A1 (en) Browned butter product and method of making the same
RU2524153C1 (ru) Композиция для производства творожного глазированного сырка
JP2018029497A (ja) 菓子組成物及び菓子組成物の改良方法
JPH11318338A (ja) 苦みや渋みの少ないカカオニブ
JP2002191291A (ja) 大豆蛋白含有チョコレート類
JP2020068657A (ja) アーモンド風味油脂の製造法
JP4815021B1 (ja) キャラメル風味パウダーの製造方法
US668253A (en) Food product.
RU2480992C1 (ru) Композиция для получения творожных глазированных сырков (варианты)
KR100228742B1 (ko) 물에 타먹을 수 있는 쵸콜렛 후레이크와 그 제조방법
JP7085143B2 (ja) 風味強化用油性食品
KR101786894B1 (ko) 식감이 우수하며 달걀 비린내가 개선된 달걀빵의 제조방법
JP2020061972A (ja) チョコレート様食品の製造方法
RU2229814C2 (ru) Композиция сыра плавленого
SU1695867A1 (ru) Способ производска плавленного сыра "Молодость

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140203

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150127

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150304

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150811

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150824

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5807367

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250